説明

蒸気レーザ装置

【課題】短時間でレーザ発振を開始することができ、またプラズマ電源に数十kVというような高電圧を要せず、しかも高出力で安定性に優れた蒸気レーザ装置を提供する。
【解決手段】真空容器1内で発生させた放電プラズマPによって前記真空容器1内の物質蒸気を励起してレーザを発生させる蒸気レーザ装置である。前記真空容器1内に対向配置された一対のターゲット2A,2Bと、前記ターゲット2A,2Bの表面に対して垂直ないし略垂直に磁界を形成するマグネット3A,3Bと、バッファガス中で前記ターゲット2A,2Bをスパッタすると共にこれによって発生した物質蒸気を励起する放電プラズマPを前記ターゲット2A,2Bの間に形成するプラズマ電源5を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、真空容器内でスパッタリングによって生成させた物質蒸気を放電プラズマによって励起してレーザを発振させる蒸気レーザ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
放電プラズマによって各種物質の蒸気を励起し、これから放射される光をレーザとして取り出す蒸気レーザのうち、特に金属蒸気中に発生させた放電光を利用する金属蒸気レーザはよく知られている。金属蒸気レーザは流れの可視化などに供される高感度高速カメラ用の光源、レーザアブレーションによる蒸着装置、レーザ金属微細加工機、原子法ウラン濃縮用色素レーザのポンピング用光源などに利用される。
【0003】
金属蒸気レーザは、一般的なガスレーザであるアルゴンイオンレーザに比べて格段に高い効率であり、大出力が得られるレーザの一つである。特に511nmと578nmの波長を発振する銅蒸気レーザは効率がよく、平均電力数百W、数k〜十数kHzの繰り返しの大出力のパルス光を生成することができる。
【0004】
金属蒸気レーザを生成する装置は、例えば、特許3369210号公報(特許文献1)、特開平3−69181号公報(特許文献2)、特開平5−102572号公報(特許文献3)に記載されているように、筒状の真空容器と、前記真空容器内の両端部に対向配置された放電電極と、プラズマ電源を備える。前記プラズマ電源により放電電極に高電圧を印加することで、He,Neなどの放電用ガスの下で放電電極間に放電プラズマを発生させることができる。前記放電プラズマによって、真空容器や真空容器内に配置した金属蒸発源を加熱して金属を蒸発させ、生成した金属蒸気を放電プラズマ中の電子によって励起して発光させ、これをレーザ共振器で増幅することによりレーザが発振される。
【0005】
しかし、前記金属蒸気レーザ装置は、基本的に放電プラズマからの熱によって金属蒸発源を加熱し、蒸気化するものであるため、温度が一定になり、レーザ発振が安定するまで長い時間を要する。また、真空容器の両端部に放電電極が設けられるために、電極間に均一な放電が得られ難く、レーザの発振が不安定となる。また、20kV程度の高電圧電源をスイッチングする必要があるため、スイッチング素子として半導体素子を用いるとしても、特許文献3に示すよう半導体素子を直列に多段に接続する必要があり、コスト高を招来し、また動作の信頼性が低下する。
【0006】
一方、ホロカソード放電で発生した金属蒸気を用いてレーザを発振させるホロカソード型レーザ装置が特開平3−116883号公報(特許文献4)などに記載されているが、ホロカソード内部のスパッタによって放電モードが変化するため、放電の均一性が得られず、レーザ発振が不安定であり、さらにホロカソードは加工が困難で製造コスト高を招来する、という問題がある。
【0007】
また、特開平7−58383号公報(特許文献5)には、真空容器の両端部に設けた放電電極間に反応性ガスの下で発生させた放電プラズマにより真空容器に配置した金属蒸発源をプラズマエッチングして金属蒸気を発生させ、これをレーザ発振に利用する低温作動型レーザ装置が記載されている。この装置では、金属蒸気の生成に放電プラズマや別途設けたヒータによる加熱を用いないものの、強い放電が得られ難く、このため蒸気化が不足し、やはり放電の均一性が得られ難いため、レーザの発振が不安定になり易いという問題がある。
【特許文献1】特許3369210号公報
【特許文献2】特開平3−69181号公報
【特許文献3】特開平5−102572号公報
【特許文献4】特開平3−116883号公報
【特許文献5】特開平7−58383号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記のように、従来、種々のタイプの金属蒸気レーザ装置が提案されているが、それぞれ一長一短がある。本発明はかかる問題に鑑みなされたもので、短時間でレーザ発振を開始することができ、またプラズマ電源に数十kVというような高電圧を要せず、従って装置の低コスト化や動作の信頼性を向上させることができ、しかも高出力で安定性に優れた蒸気レーザ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の蒸気レーザ装置は、真空容器内で発生させた放電プラズマによって前記真空容器内の物質蒸気を励起してレーザを発生させる蒸気レーザ装置であって、前記真空容器内に対向配置された一対のターゲットと、前記ターゲットの表面に対して垂直ないし略垂直に磁界を形成する磁界形成手段と、バッファガス中で前記ターゲットをスパッタすると共にこれによって発生した物質蒸気を励起する放電プラズマを前記ターゲットの間に形成するプラズマ電源を備えたものである。前記プラズマ電源は、出力端の一方を前記一対のターゲットに接続し、出力端の他方を導電材で形成された真空容器に接続してもよく、あるいは真空容器内に電極部材を配置し、これに接続するようにしてもよい。
【0010】
本発明の蒸気レーザ装置によれば、対向配置したターゲットの間の空間に、ターゲットの表面に垂直ないし略垂直に形成された磁界により、高密度の放電プラズマを閉じ込めることができる。このため、ターゲット間に速やかにターゲット材の蒸気を発生させ、励起することができるので、レーザ発振を速やかに開始することができる。また、蒸発源であるターゲット自体を電極とするので、放電プラズマの生成に高電圧を要しない。このため、プラズマ電源ひいては装置の低コスト化、動作の信頼性を向上させることができる。また、レーザ共振域となるターゲット間に高密度の放電プラズマが安定的に形成されるため、安定した高出力、高効率のレーザ発振を実現することができる。さらに、スパッタされたターゲット材がターゲット面に回収される確率が高いため、ターゲットの寿命が長くなり、メンテナンス頻度を減少させることができ、メンテナンス性に優れる。
【0011】
前記ターゲットとして金属又は合金で形成したターゲットを用いることができる。これにより、金属蒸気レーザとして使用することができ、赤外線、可視光、紫外線の広い範囲の発振波長を有する高出力レーザ装置として利用することができる。
【0012】
特に、銅又は銅合金で形成されたターゲットを用いることができる。本発明のレーザ装置は安定した放電プラズマが得られるため、発振ゲインが高い銅、銅合金を蒸発源であるターゲット材として用いても、安定したレーザ発振を得ることができ、優れた銅蒸気レーザ装置として利用することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の蒸気レーザ装置によれば、ターゲットの間に高密度の放電プラズマおよびこれによってスパッタされたターゲット材の蒸気を閉じ込めることができるので、ターゲット材の蒸気を速やかに励起して、高出力、高効率のレーザ発振を起こすことができる。しかも放電プラズマの形成に高電圧を要しないため、装置の低コスト化、動作の信頼性の向上を図ることができ、またメンテナンス性にも優れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の実施形態に係る蒸気レーザ装置を図1、図2を参照して説明する。この蒸気レーザ装置は、図1に示すように、細長い放電領域を有する真空容器1と、該真空容器1内に設けられ、平行に対向配置された一対のターゲット2A,2Bと、該ターゲット2A,2Bの背面に設けられたマグネット3A,3Bと、前記ターゲット2A,2Bをスパッタすると共にスパッタによって発生したターゲット材の蒸気を励起する放電プラズマを前記ターゲット2A,2Bの間に形成するためのプラズマ電源5を備えている。
【0015】
前記真空容器1の両端にはブリュースタ窓11,11が設置されており、ブリュースタ窓11,11の外側にはレーザ共振器を構成する共振ミラー12,12が設けられている。前記レーザ共振器には、波長選択、パルス動作の制御、その他の目的でエタロン、音響光学効果素子、電気光学効果素子、その他の光学部品を設けることができる。
【0016】
また、前記真空チャンバ1には、該真空チャンバ1内を真空排気する減圧装置と、He、Ne、Ar、Xeなどの不活性ガスからなるバッファガスを導入して所定のガス圧に維持するためのバッファガス供給装置とが付設されている。これらはいずれも周知な機構であるため図示省略されている。前記ターゲット2A,2Bをスパッタしてレーザを発振させる際には、真空チャンバ1内のバッファガスは通常0.01〜10Pa程度に調整される。
【0017】
前記一対のターゲット2A,2Bは、平行ないしほぼ平行に配置されているが、一方の側端から他方の側端に渡ってハの字形に開いた形態で対向配置してもよい。またターゲット面は、図例のように平面に限らず、凸面、凹面などの曲面形状でもよく、ターゲット面の平面形状は図例のように長方形が好ましい。また、ターゲットの材料としては、Ti、Cu、Al、Zn、Cr、Ag、Fe、Auなどの金属及びこれらの合金の他、C、Si、ガラスなども利用することができる。これらは溶製材に限らず、焼結材でもよい。また、対向配置したターゲット2A,2Bの間隔は、ターゲット間の空間体積に対する投入電力の比率を大きくすることができるように5〜30mm程度に設定するのがよい。
【0018】
前記マグネット3A,3Bは、図示のように、互いに引き合う向きの磁界(磁場)をターゲット2A,2B間に垂直ないし略垂直に発生させる方向に設置される。図例では、模式的に2個のマグネット3A,3Bを向かい合わせるように配置しているが、複数のマグネットを分散配置して、ターゲット表面の磁場分布を調整可能な構成としてもよい。かかる構成を採ることにより放電分布を調整、改善することができる場合がある。また、マグネットの材料としては、サマリウムコバルト系磁石やネオジウム系磁石など残留磁束密度の大きなマグネットが好ましいが、フェライト磁石や超伝導磁石など他種のマグネットや電磁石を用いることもできる。また、永久磁石と電磁石とを組み合わせてもよい。このように組み合わせることで、磁力の制御を行い、放電状態を調整することができる。また図例では省略されているが、ターゲット2A,2Bやマグネット3A,3Bには、その近傍に水冷管などの冷却手段を付設することが好ましい。なお、図例ではターゲットはターゲット面が横(水平)方向において対向するように配置したが、縦(鉛直)方向あるいは斜め方向に配置することもできる。
【0019】
さらに、前記マグネット3A,3Bは、図例では真空容器1に取り付けられているが、真空容器1内に支持構造部材を設け、これに支持するようにしてもよい。また、図例では省略したが、マグネットの磁力を回収し、磁力を有効に使うために磁気抵抗の小さい磁束通路(シャント)を設けて磁気回路を構成してもよい。前記真空容器1をシャントとして利用してもよい。シャントの材料には、SS400などの鋼材を用いるのが一般的であるが、成層鉄心やSi鋼、フェライト,パーマロイ等の高磁性材料など、透磁率の高い材料が好ましい。
【0020】
前記プラズマ電源5は、パルス状電力を供給する電源であり、直流の充電電源6と、該充電電源6を基にパルス状電圧を出力するパルス発生回路7を備える。前記パルス発生回路7の陰極側出力端が両ターゲット2A,2Bに接続され、その陽極側出力端が前記真空チャンバ1に接続される。ターゲット2A,2Bとマグネット3A,3Bとは同電位でもよく、また絶縁されていてもよい。もっとも、図例のように、真空容器1をアノードとして用いる場合は、真空容器1とマグネット3A,3Bとを絶縁するか、ターゲット2A,2Bとマグネット3A,3Bとを絶縁する。
【0021】
前記パルス発生回路7は、抵抗やインダクタンスからなる電流制限素子8と、コンデンサ9と、半導体スイッチング素子10を有し、充電電源6の負極は電流制限素子8を介してスイッチング素子10に接続され、スイッチング素子10の他端がターゲット2A,2Bに接続される。一方、充電電源6の正極は真空チャンバ1に接続され、コンデンサ9は電流制限素子8の出力端と充電電源6の正極に並列に接続される。このパルス発生回路7の基本動作は次のとおりである。充電電源6は常時給電を行っており、電流制限素子8を介してコンデンサ9を充電している。コンデンサ9に蓄えられた電荷は、スイッチング素子10によってターゲット2A,2Bにパルス的に断続供給される。本発明では、ターゲットに印加する最大電圧は1〜2kV程度でよく、1個の半導体素子で耐圧がまかなえるので、スイッチング素子として耐圧が1〜2kV程度の汎用の半導体素子、例えばIGBT(INsulated Gate Bipolar Transistor )、MOS−FET、トランジスタ、サイリスタなどを用いることができる。
【0022】
前記パルス発生回路7は、コンデンサ9に充電された電荷を利用してパルス状の電力を供給するようにしているが、直流電源を直接スイッチングして得られる、いわゆるDCパルスによりプラズマ電力を供給するようにしてもよい。また、プラズマ電源としては、500〜5000Hzの繰り返しパルスを使うのが標準的であるが、直流電力でもよく、また100MHz程度以下の高周波交流電力でもよい。さらにまた、実施形態では導電材で形成した真空容器1をアノードとしているが、図3に示すように、ターゲット2A,2Bの間の空間に沿ってアノードとして陽極部材21を専用に設けるようにしてもよい。なお、極性が反転するパルス電源や高周波交流電源を用いる場合、電源の出力端の一方がターゲットに接続され、他方が導電材で形成された真空容器あるいは真空容器内に設けた専用の電極部材に接続すればよい。
【0023】
上記蒸気レーザ装置の動作について説明する。真空容器1内にバッファガスを所定の圧力で導入し、ターゲット2A,2Bの間に互い引き合う垂直ないし略垂直な磁界を形成した状態で、ターゲット2A,2Bにプラズマ電源5よりパルス電圧を印加する。そうすると対向配置されたターゲット2A,2B間に磁界に補足された電子によるペニング放電(「磁気つぼ」と呼ばれる磁界を陰極で挟んで発生した放電)による高密度のプラズマ(図1中のP)が光路に沿って均一に長く形成される。
【0024】
前記磁界によって形成される磁力線は、図2に示すように、左右の両端ですぼんだ形態となっており、放電プラズマ中の電子は磁力線に捕捉され、磁力線に沿って螺旋運動する。イオンも螺旋運動するが、電子に比べ質量が大きいので螺旋運動の半径も大きく、磁力での捕捉は電子によるものが支配的である。磁力線の密度が高く、磁場の強いところでは、螺旋の回転半径が小さくなり、電子に磁力線密度の小さい方向への加速が働くため、磁力線がすぼんだところで磁気的な鏡の働きとなり、電子は左右の磁力線のすぼんだところで反射され、ターゲットの間の磁力線が広がった部分に閉じ込められる。また、対向するターゲットは陰極であるため、電子は陰極による電界で反射される効果も合わさる。これらの電子閉じ込め効果により、ターゲット2A,2Bの間に高密度の電子が閉じ込められる。電子が閉じ込められた領域には、電子によって形成された電界によってイオンも引きつけられ、これらの結果としてターゲット2A,2Bの間の空間に形成されるぺニング放電の領域に、電子とイオンが高密度に密集したプラズマが閉じ込められる。
【0025】
前記高密度のプラズマは、ターゲット2A,2Bをスパッタしてターゲット材の蒸気を生成させ、生成した蒸気はターゲット2A,2Bによって拡散が抑制されるため、ペニング放電の領域中に閉じ込められる。このため、プラズマ中では、ターゲット材のイオンの他にも励起した原子なども存在し、強い発光を呈する。この発光がレーザ共振器によって増幅され、レーザを発振する。
【0026】
レーザを発振するに際しては、レーザ出力などに応じてターゲットの幅、ターゲット間の間隔が調整される。また投入電力は、条件によって異なるものの、数百から1MW程度のピーク電力を与える範囲が適切である。なお、ピーク電力とは、ターゲットに印加した電圧、そのとき流れた電流の各瞬時値を乗じた瞬時電力の最大値を意味する。
【0027】
ここで、幅20mm、長さ60mmの銅製ターゲットを真空容器内に20mmの間隔で対向配置し、ターゲットの裏に配置されたネオジウム系磁石により互いに引き合う向きの磁場が印加された状態で、真空容器内にバッファガスとしてArを0.1Paの圧力で供給し、放電電圧を数百Vとし、投入電力を直流600Wとしてターゲット間に放電プラズマを発生させ、ターゲット間に観察された発光を分光分析した結果を図4に示す。図4の放電スペクトルから、発光にはバッファガスであるArイオンや、それ以外のものが含まれており、300〜900nmの近紫外から近赤外にわたる広い範囲でのスペクトルが認められた。300nm以下は窓材による減衰で観測できなかった可能性もある。
【0028】
さらに、上記条件において、投入電力を変化させて発光状態を観察した。投入電力が200W、300Wではやや赤みのかかった放電色を示し、330nm以下、500〜600nmにみられる銅に起因する発光は小さかった。一方、400W以上にすると、330nm以下や500〜600nmの発光が強くなり、青みがかった放電となった。これより、この条件では銅の金属蒸気は400W以上で発生していると推測される。さらに投入電力が1000Wを超えると、500〜600nmの発光が強くなり、縁っぽい色を呈するようになった。
【0029】
発明者はTiやAlなどの金属ターゲットについても近紫外から近赤外にわたる広い範囲でのスペクトルを観察しており、他の様々な金属蒸気による放電発光が可能であることを確認した。これより、本発明の蒸気レーザ装置により、広い帯域にわたる金属蒸気レーザを発振させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】実施形態に係る蒸気レーザ装置の水平断面説明図である。
【図2】図1のA線における真空容器の垂直断面図である。
【図3】独立した陽極部材を備えた変形例に係る蒸気レーザ装置の断面説明図である。
【図4】対向配置した銅製ターゲットの間に発生させた放電の発光スペクトルである。
【0031】
1 真空チャンバ
2A,2B ターゲット
3A,3B マグネット(磁界発生手段)
5 プラズマ電源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空容器内で発生させた放電プラズマによって前記真空容器内の物質蒸気を励起してレーザを発生させる蒸気レーザ装置であって、
前記真空容器内に対向配置された一対のターゲットと、
前記ターゲットの表面に対して垂直ないし略垂直に磁界を形成する磁界形成手段と、
バッファガス中で前記ターゲットをスパッタすると共にこれによって発生した物質蒸気を励起する放電プラズマを前記ターゲットの間に形成するプラズマ電源を備えた、蒸気レーザ装置。
【請求項2】
前記プラズマ電源は出力端の一方が前記一対のターゲットに接続され、出力端の他方が導電材で形成された真空容器あるいは真空容器内に配置された電極部材に接続された、請求項1に記載した蒸気レーザ装置。
【請求項3】
前記ターゲットは金属又は合金で形成された、請求項1又は2に記載した蒸気レーザ装置。
【請求項4】
前記ターゲットは銅又は銅合金で形成された、請求項3に記載した蒸気レーザ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−218602(P2008−218602A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−52322(P2007−52322)
【出願日】平成19年3月2日(2007.3.2)
【出願人】(000001199)株式会社神戸製鋼所 (5,860)
【Fターム(参考)】