説明

蓄圧式のポンプ機構およびこのポンプ機構を備えたポンプ式製品

【課題】蓄圧式のポンプ機構における内容物放出操作の終り段階での、大きな操作力を不要とし、内容物の詰まり防止や放出内容物の切れの良好化を図る。
【解決手段】内容物放出操作の終り段階で、下流弁3f,4aを開状態としている貯留空間域A,Bの圧力を噴射用の横孔部2bの側へ開放する排圧弁(内縦溝状部4d,円状膨出部6a)を設けた。操作部1が下死点に到達する前に、排圧弁が開状態となって瞬時に下流弁は閉状態となる。その後、操作部1が弁作用移動部材4,5と一体となって下死点に到達するまでの間、貯留空間域A,Bの容積が減少して圧力が増加するので、当該貯留空間域の内容物は開状態の排圧弁を介して横孔部2bから流出する。操作部1が復帰するとき、バックサクション作用により横孔部2b付近の残留内容物は内部に吸引される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄圧式のポンプ機構に関し、特に上流弁と下流弁との間の貯留空間域に収容された内容物が、操作部の放出操作に基づく当該下流弁の閉状態から開状態への移行により放出用孔部から外部空間域に放出され、かつ、当該放出操作の終り段階でそれまでの閉状態から開状態へと移行する排圧弁の作用により同じく当該放出用孔部から当該外部空間域に放出される、蓄圧式のポンプ機構に関する。
【0002】
本件ポンプ機構の適用対象内容物としては例えば粘着性ポリマーを用いた固まりやすい霧状整髪料や、ジェル状の高粘度液などの他、後述のように各種のものがある。
【0003】
なお、本明細書においては、操作部の放出用孔部の側を「前」と記し、これとは反対側を「後」と記す。すなわち各図の左側が「前」で、右側が「後」となる。
【背景技術】
【0004】
上流弁(吸込弁)と下流弁(吐出弁)との間に設定される内容物の貯留空間域の圧力が、弾性部材の付勢力に抗する形の内容物放出操作に基づいて所定値まで上昇した時点で、下流弁が開いて(上流弁は閉状態のまま)、貯留空間域の収容内容物を外部空間域に放出する蓄圧式のポンプ機構は周知であり、例えば下記の特許文献1で開示されている。
【0005】
この内容物放出操作の終り段階では、操作部の静止モード位置からの移動ストロークが大きく、下流弁付勢用の弾性部材の縮み状態も強くなっている。
【0006】
そして、利用者がこの弾性部材の復帰弾性力よりも大きな内容物圧力を設定できるだけの操作力を操作部材に加えて貯留空間域の圧力を増加させることにより、下流弁は開状態に保持される。
【0007】
この操作力によって操作部がその下死点に到達するまでの間、貯留空間域の収容内容物は開状態の下流弁を介して外部空間域に放出される。
【0008】
操作部がその下死点に到達して静止するともはや貯留空間域の圧力増加はなくなるため、下流弁付勢用の弾性部材の作用で下流弁は閉状態に移行する。
【0009】
なお、このポンプ機構は、内容物放出操作の終了後に操作部が弾性付勢力に基づいてその初期状態(静止モード位置)に復帰する際に、閉状態の下流弁から放出用孔部までの連通空間域の容積を増加させてそこの圧力が外気圧よりも低下することにより、放出用孔部近くの内容物通路域(当該連通空間域の下流端側)の残留内容物が当該連通空間域の奥部分(放出用孔部から遠い部分)に吸引されるバックサクション機能も有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平10−34036号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
このように、従来の蓄圧式のポンプ機構は、内容物放出操作の終り段階における外部空間域への積極的な排圧弁、すなわち下流弁といわばパラレルに当該下流弁から独立した態様で作用する内容物通過弁を設けていない。
【0012】
そのため、内容物放出操作の終り段階では、より縮んだ状態になっている下流弁付勢用弾性部材の弾性力よりも勝る内容物圧力を設定するだけの大きな操作力が必要となり、利便性にかけるという問題点があった。
【0013】
また、下流弁は常にその閉じる方向に弾性的に付勢されており、この付勢力が大きくなる内容物放出操作の終り段階ではこの下流弁の開き状態も不安定となるため、当該終り段階での内容物が下流弁から放出用孔部までの放出用通路に詰まったり、放出動作終了時の放出内容物のいわば切れが悪くなったりするという問題点があった。
【0014】
そこで本発明では、蓄圧式のポンプ機構の貯留空間域において常に閉じる方向に弾性的に付勢された下流弁とは別に、内容物放出操作の終り段階で外部空間域と貯留空間域とを連通させる排圧弁を設け、当該終り段階の貯留空間域の収容内容物がこの排圧弁経由で放出用孔部へと直に流出するようにしている。
【0015】
これにより、内容物放出操作の終り段階での、
(11)より縮んだ状態になっている下流弁付勢用弾性部材の弾性力よりも勝る内容物圧力を設定するだけの大きな操作力を不要として、蓄圧式のポンプ機構の放出操作の一層の利便化を図り、
(12)貯留空間域の収容内容物は、下流弁が閉じ、かつ、排圧弁が確実に、安定的に開いた状態で当該排圧弁から放出用孔部へと流出して、内容物が放出用孔部までの放出用通路に詰まることを防止し、また、放出動作終了時における放出内容物の切れの良好化を図る、
ことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、以上の課題を次のようにして解決する。
(1)上流弁(例えば後述のボール弁8,テーパ内周面9c)と下流弁(例えば後述の下内縁部分3f,テーパ外周面4a)との間の貯留空間域(例えば後述の上流側貯留空間域A,下流側貯留空間域B)に収容された内容物が、操作部(例えば後述の操作ボタン1)の放出操作に基づく当該下流弁の閉状態から開状態への移行により放出用孔部(例えば後述の横孔部2b)から外部空間域に放出され、かつ、当該放出操作の終り段階でそれまでの閉状態から開状態へと移行する排圧弁(例えば後述の内縦溝状部4d,円状膨出部6a,環凸状部4d',環凹状部6a')の作用により同じく当該放出用孔部から当該外部空間域に放出される、蓄圧式のポンプ機構において、
前記上流弁は、
前記貯留空間域を構成するハウジング(例えば後述のハウジング9)の内部に設定され、
前記下流弁を、
前記操作部と一体化して、前記放出操作の際に、前記貯留空間域の容積が小さくなる第1方向に移動する第1の弁作用移動部材(例えば後述の操作側筒状部材3)と、
前記貯留空間域の圧力および当該第1方向とは逆の第2方向への弾性力の合力を受けることにより、当該放出操作の際には当該第1方向に移動する第2の弁作用移動部材(例えば後述の内筒状部材4,4',外筒状部材5)と、
の間の第1の離接作用部として設定され、
前記排圧弁は、
前記第2の弁作用移動部材と、
前記ハウジングに設けられた弁作用固定部材(例えば後述の中棒部材6,6')と、
の間の第2の離接作用部として設定された、
構成態様のものを用いる。
(2)上記(1)において、
前記第1の弁作用移動部材は、
前記操作部に固定された操作側筒状部からなり、
前記第2の弁作用移動部材は、
前記操作側筒状部の内面部分との間に前記第1の離接作用部を設定して、当該離接作用部の上流側に内容物の通過用孔部(例えば後述の横孔部4c)を備えた内筒状部(例えば後述の内筒状部材4,4')と、
当該内筒状部の外側に設定されて、前記操作側筒状部の内面部分および当該内筒状部の外面部分との間に当該通過用孔部から当該第1の離接作用部までの下流側貯留空間域(例えば後述の下流側貯留空間域B)を形成する外筒状部(例えば後述の外筒状部材5)と、からなり、
前記弁作用固定部材は、
前記内筒状部に入り込んだ形で配設されて、
前記ハウジングの内面部分および当該内筒状部の内面部分との間に、前記上流弁から、前記通過用孔部および前記第2の離接作用部までの上流側貯留空間域(例えば後述の上流側貯留空間域A)を形成する中棒部(例えば後述の中棒部材6,6')からなる、
構成態様のものを用いる。
(3)上記(2)において、
前記第2の離接作用部は、
前記内筒状部(例えば後述の内筒状部材4)の、前記通過用孔部より上方の内周面部分に形成された排圧通路用の凹み部(例えば後述の内縦溝状部4d)と、
前記中棒部(例えば後述の中棒部材6)の外周面に、当該内筒状部の凹み部より下方の内周面部分と密接する態様で形成された排圧弁作用部(例えば後述の円状膨出部6a)と、を有し、
前記放出操作の終り段階では、
前記中棒部の排圧弁作用部が前記内筒状部の凹み部に対向して、当該排圧弁作用部と前記下方の内周面部分とのそれまでの密接状態が解除されることにより、前記貯留空間域の残留内容物が当該凹み部を経て前記放出用孔部へ流出する、
構成態様にする。
(4)上記(2)において、
前記第2の離接作用部は、
前記内筒状部(例えば後述の内筒状部材4')の前記通過用孔部より上方の内周面部分に、前記中棒部の外周面部分と密接する態様で形成された排圧弁作用部(例えば後述の環凸状部4d')と、
前記中棒部(例えば後述の中棒部材6')の、当該排圧弁作用部に対応した所定箇所の外周面部分に形成された排圧通路用の凹み部(例えば後述の環凹状部6a')と、を有し、
前記放出操作の終り段階では、
前記内筒状部の排圧弁作用部が前記中棒部の凹み部に対向して、当該排圧弁作用部と前記外周面部分とのそれまでの密接状態が解除されることにより、前記貯留空間域の残留内容物が当該凹み部を経て前記放出用孔部へ流出する、
構成態様のものを用いる。
【0017】
本発明は、以上の構成からなる蓄圧式のポンプ機構および当該ポンプ機構を備えたポンプ式製品を対象としている。
【発明の効果】
【0018】
本発明は以上の課題解決手段により、内容物放出操作の終り段階での、
(21)大きな操作力を不要として、蓄圧式のポンプ機構の放出操作の一層の利便化を図り、
(22)内容物が放出用孔部までの放出用通路に詰まることを防止し、また、放出動作終了時における放出内容物の切れの良好化を図る、
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】蓄圧式ポンプ機構(その1)の操作ボタンが押圧されていない静止モード(上流弁,下流弁,排圧弁:それぞれ閉)示す説明図である。
【図2】図1の蓄圧式ポンプ機構の操作ボタンが押圧されて下動途中の内容物放出モード(上流弁:閉,下流弁:開,排圧弁:閉)を示す説明図である。
【図3】図1の蓄圧式ポンプ機構の操作ボタンが下死点近くまで下動したときの排圧開始モード(上流弁:閉,下流弁:開,排圧弁:開)を示す説明図である。
【図4】図1の蓄圧式ポンプ機構の操作ボタンがさらに下死点近くまで下動したときの排圧モード(上流弁:閉,下流弁:閉,排圧弁:開)を示す説明図である。
【図5】図1の蓄圧式ポンプ機構の操作ボタンが下死点に到達した瞬間の排圧終了モード(上流弁:閉,下流弁:閉,排圧弁:開)を示す説明図である。
【図6】図1の蓄圧式ポンプ機構の操作ボタンが押圧操作解除にともなってその下死点から静止モード位置へ戻る途中の復帰モード(上流弁:開,下流弁:閉,排圧弁:閉)を示す説明図である。
【図7】図1〜図6とは排圧通路が異なる蓄圧式ポンプ機構(その2)の静止モード(上流弁,下流弁,排圧弁:それぞれ閉)示す説明図である。
【図8】図7の蓄圧式ポンプ機構の排圧開始モード(上流弁:閉,下流弁:開,排圧弁:開)を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1〜図8を用いて本発明を実施するための最良の形態を説明する。
【0021】
各図で用いるアルファベット付き参照番号の構成要素(例えば開口部1a)は原則として、当該参照番号の数字部分の構成要素(例えば操作ボタン1)の一部であることを示している。
【0022】
図1〜図8において、
1は放出モード設定用の鞘状で押下げタイプの操作ボタン,
1aは当該操作ボタンの前面部分に形成された横方向の開口部,
1bは当該操作ボタンの天面中央部分に形成された円柱状垂下部,
1cは当該円柱状垂下部の周りに離間した状態で形成された環状垂下部,
1dは当該環状垂下部から開口部1aの方向に連続する態様で形成された横円柱状部,
1eは当該横円柱状部の上端側基部に形成された内容物通過用の貫通部,
2は開口部1aの内周面部分に嵌合状態で取り付けられた鞘状のノズルピース,
2aは円状底面部分に複数形成された径方向溝状部,
2bは当該径方向溝状部それぞれの中央共通部分から外部空間域と連通する態様で形成された内容物放出用の横孔部,
3は操作ボタン1の円柱状垂下部1bの外周面と環状垂下部1cの内周面とに嵌合して固定された操作側筒状部材,
3aは当該外周面および当該内周面のそれぞれに嵌合する小径の上筒状部,
3bは当該上筒状部の内周面に複数形成されて、それぞれの間に縦方向の内容物通過部を設定する縦リブ状部,
3cは当該上筒状部の下端側内周面に形成された内環状段部,
3dは当該上筒状部から続く部分であって後述の上スカート状部5aとの間のシール作用を呈する大径の下筒状部,
3eは当該下筒状部の上端側に形成された環状天面部,
3fは当該環状天面部の内端であって、後述のテーパ外周面4aとの間の下流弁作用を呈する下内縁部分,
3gは当該環状天面部の周方向に飛び飛びに形成されて、後述の下流側貯留空間域Bの小容積化作用を呈する複数の凸状垂下部,
3hは下筒状部3dの下端側外周面に形成された外環状段部,
3jは内側環状段部3cおよび環状天面部3eの各内端の間に画定された内容物通過用の縦開口部,
をそれぞれ示している。
【0023】
また、
4は操作ボタン1の押下げ操作にともなう後述の上流側貯留空間域Aおよび下流側貯留空間域Bの内容物圧力の増加に応じて図示下方向に移動する内筒状部材(図1〜図6のみで使用),
4'は内筒状部材4の内縦溝状部4dに代えて後述の環凸状部4d'が形成された内筒状部材(図7,図8のみで使用),
4aは各内筒状部材4,4'の外周面上端側に形成されて、操作側筒状部材3の下内縁部分3fとの間で下流弁作用を呈する環状のテーパ外周面,
4bは当該テーパ外周面の下端部から下方へ続く外周面部分に形成された内容物通過用の複数の外縦溝状部,
4cは当該外縦溝状部を各内筒状部材4,4'の内部空間域に連通させる態様で複数形成された内容物通過用の横孔部,
4dは内筒状部材4の内周面上端部分に形成されて、後述の円状膨出部6aとの間の排圧弁作用を呈する複数の内縦溝状部(図1〜図6のみで使用)
4d'は内筒状部材4'の横孔部4cより上方の内周面上部分に上下の各テーパ面からなる態様で形成されて、後述の中棒部材6'の環凹状部6a'より上側の外周面部分との間のシール作用および、当該環凹状部との間の排圧弁作用を呈する環凸状部(図7,図8のみで使用),
4eは各内筒状部材4,4'の下端側に形成されて後述のハウジング9の下側内周面との間のシール作用を呈するスカート状部,
4fは当該スカート状部の上端側に続く環状段部,
5は各内筒状部材4,4'と嵌合して一体化された外筒状部材,
5aは当該外筒状部材の上端側に形成されて、操作側筒状部材3の下筒状部3dの内周面との間のシール作用を呈する一対の上スカート状部,
5bは当該外筒状部材の下端側に形成されて、後述のハウジング9の上側内周面との間のシール作用を呈する下スカート状部,
をそれぞれ示している。
【0024】
また、
6は各内筒状部材4,4'から後述のハウジング9にいたる内部空間域に固定態様で配されて、後述の上流側貯留空間域Aを設定し、かつ排圧弁機能(図3,図4参照)を備えた中棒部材(図1〜図6のみで使用),
6'は中棒部材6の円状膨出部6aに代えて後述の環凹状部6a'が形成された中棒部材(図7,図8のみで使用),
6aは中棒部材6の上端部分に形成されて、図1の静止モード,図2の内容物放出モードおよび図6の復帰モードでは内筒状部材4の横孔部4aより上方(かつ内側縦溝状部4dより下方)の内周面と密接してシール作用を呈し、かつ、図3,図4の排圧開始モード,排圧モードではこの内側縦溝状部4dと対向して排圧弁作用を呈する円状膨出部(図1〜図6のみで使用),
6a'は中棒部材6'の上側部分に形成されて、図7の静止モードおよび図2,図6と同様の内容物放出モード,復帰モードでは内筒状部材4'の環凸状部4d'に対向せず、かつ、図8の排圧開始モードおよび図4と同様の排圧モードではこの環凸状部と対向して排圧弁作用を呈する環凹状部(図7,図8のみで使用),
6bは中棒部材6,6'の下端側に形成された大径基部,
6cは当該大径基部に形成された内容物通過用の複数の切欠状部,
7は各内筒状部材4,4'の環状段部4fと中棒部材6,6'の大径基部6bとの間に配設されて、当該内筒状部材およびこれと一体の外筒状部材5を上方向に付勢するコイルスプリング,
8は上流弁作用を呈するボール弁,
9は内筒状部材4,4',外筒状部材5,中棒部材6,6',コイルスプリング7およびボール弁8などが自らの内部空間域に設けられて、次回の放出対象内容物を収容するハウジング,
9aはハウジング上端側の環状鍔部分,
9bは外気取込み用の横孔部,
9cはボール弁8との間で上流弁作用を呈するテーパ内周面
10はハウジング9の下端側筒状部に取り付けられたディップチューブ,
11は内容物を収容した容器本体,
11aは自らの外周面にネジ作用部が形成されている開口側首部,
12は環状鍔部分9aと接する形でハウジング9の外周面上端部分に嵌められて、当該環状鍔部分と容器本体11の開口部との間のシール作用を呈する環状シール部材,
13は容器本体以外の図示の各構成部材とユニット化した状態で、容器本体11の開口側首部11aに螺合して取り付けられた筒状のネジキャップ,
13aは当該ネジキャップの内周面上側部分に形成されて、操作側筒状部材3の外環状段部3hとの係合作用により操作ボタン1の静止モード位置を画定する環状天面部,
13bは当該環状天面部より下側の内周面に形成されて、ハウジング9の環状鍔部分9aの下外端部分を係合保持する環凸状部,
13cはネジキャップ13の下端側内周面に形成されて容器本体11の開口側首部11aの外周面と螺合するネジ作用部,
をそれぞれ示している。
【0025】
また、
Aは内筒状部材4,4',中棒部材6,6'およびハウジング9の各構成部材により上流弁(ボール弁8)と横孔部4cとの間に設定されて、次回の放出対象内容物が収容される上流側貯留空間域,
Bは操作側筒状部材3,内筒状部材4,4'および外筒状部材5の各構成部材により横孔部4cと下流弁(下内縁部分3fおよびテーパ外周面4a)との間に設定されて、同じく次回の放出対象内容物が収容される下流側貯留空間域,
をそれぞれ示している。
【0026】
ここで、操作ボタン1,ノズルピース2,操作側筒状部材3,内筒状部材4,4',外筒状部材5,中棒部材6,6',ハウジング9,ディップチューブ10およびネジキャップ13はそれぞれ、ポリプロピレン,ポリエチレン,ポリアセタール,ナイロン,ポリブチレンテレフタレートなどからなるプラスチック製のものである。
【0027】
また、コイルスプリング7は金属製,プラスチック製のものであり、ボール弁8は金属製,プラスチック製,ガラス製のものであり、容器本体11はプラスチック製,ガラス製のものであり、環状シール部材12はゴム製,プラスチック製のものである。
【0028】
なお、図1〜図6のポンプ機構と図7,図8のそれとの違いは、排圧弁の構成要素のみである。
【0029】
図示の蓄圧式ポンプ機構の基本的特徴は、
(31)図3,図8の排圧開始モードで示すように、操作ボタン1が、排圧弁(内側縦溝状部4d,円状膨出部6aおよび環凸状部4d',環凹状部6a')の開状態初期位置まで押し下げられたとき、下流側貯留空間域Bおよび上流側貯留空間域Aそれぞれの収容内容物は下流弁(下内縁部分3fおよびテーパ外周面4a)および当該排圧弁からノズルピース2の横孔部2bへと流れて、当該内容物の圧力が瞬時に下がり、
(32)図4の排圧モードで示すように、当該内容物の圧力減少の下、操作ボタン1がさらに押下げられて下流弁閉状態となり、かつ、それから下死点に到達する直前までの間、自らの容積が変化せずに圧力も増加しない下流側貯留空間域Bの内容物は外部空間域に放出されない一方、自らの容積が小さくなって圧力が増加する上流側貯留空間域Aの内容物は排圧弁,横孔部2bを経て外部空間域に放出され、
(33)図5の排圧終了モード(操作ボタンの下死点到着時)で示すように、操作ボタン1がさらに押下げられてその下死点まで移動すると、もはや上流側貯留空間域Aの小容積化にともなう内容物圧力の増加が生じないので、内容物は外部空間域に放出されない、
ことである。
【0030】
すなわち、操作ボタン1の下死点近傍でのみ下流側貯留空間域Bおよび上流側貯留空間域Aを外部空間域に連通させる排圧弁の作用により、操作ボタン1がその静止モード位置から下死点まで移動する間は横孔部2bから外部空間域への内容物放出状態を継続させ、操作ボタン1が下死点へ移動した時点でこの内容物放出状態を確実に終了させている。
【0031】
その他の特徴は、
(41)図6の復帰モードにおいて後述するようにバックサクション作用を呈することにより、放出操作が終了して静止モードに復帰した際に内容物放出用の横孔部2bから内容物が垂れるのを防止でき、
(42)容器本体11の内部から横孔部2bまでのいわば内容物通路域にゴム製のものを一切用いていないので、各種性状の内容物に対応できる、
ことなどである。
【0032】
図1および図7の静止モードでは、
(51)上流弁,下流弁および排圧弁のそれぞれが閉じ、
(52)コイルスプリング7の付勢力により、操作ボタン1,操作側筒状部材3,内筒状部材4,4'および外筒状部材5などの移動部材がそれぞれの最上位置に設定され、
(53)上流側貯留空間域Aおよび下流側貯留空間域Bの閉空間域には、前回の内容物放出操作終了後の操作ボタンの静止モード位置への復帰動作の際に流入した内容物(図6参照)がそのまま収容されている。
【0033】
このとき、操作ボタン1と一体化した操作側筒状部材3の下内縁部分3fが内筒状部材4,4'のテーパ外周面4aに密接し、すなわち下流弁が閉じている。
【0034】
この密接にかかる上記(52)の各移動部材は、操作側筒状部材3の外環状段部3hがネジキャップ13の環状天面部13aに係合した状態でそれぞれの最上位置に保持される。
【0035】
図1の操作ボタン1が下方向に押圧操作されて図2などの内容物放出モードに移行する際の状態遷移は、概略、
(61)先ず、下流弁が閉じたまま、操作ボタン1,操作側筒状部材3,内筒状部材4,4'および外筒状部材5がいわば一体となってコイルスプリング7の弾性力に抗しながら下動し、
(62)この下動により上流側貯留空間域Aの容積が減少するのに応じて、貯留空間域全体(上流側貯留空間域A+下流側貯留空間域B)の内容物圧力が大きくなり、
(63)この圧力が増加した内容物から内筒状部材4,4'および外筒状部材5の全体に付与される下方向へのいわば駆動力が、コイルスプリング7の上方向への弾性力よりも大きくなるタイミングで、内筒状部材4,4'および外筒状部材5の一体物が、当該弾性力に抗しながら(操作ボタン1と一体の)操作側筒状部材3に対して下方向に移動し、
(64)この内筒状部材4,4'および外筒状部材5の下方向への移動により下流弁が開いて、下流側貯留空間域B,上流側貯留空間域Aの内容物は「下流弁‐縦開口部3j‐縦リブ状部3b同士の間の縦通路域‐貫通部1e‐横円柱状部1dとノズルピース2との間の環状通路域‐径方向溝状部2a」を経て、横孔部2bから外部空間域に放出される。
【0036】
操作ボタン1の押下げ操作の間、上流側貯留空間域Aの容積は順次減少してくので貯留空間域全体(上流側貯留空間域A+下流側貯留空間域B)の内容物圧力が減少することもない。そのため下流弁は開状態に維持され、内容物放出モードが継続する。
【0037】
そして、いわば下流側貯留空間域Bの内容物を介した形で操作ボタン1に応動する内筒状部材4,4'が、下流弁開状態のまま当該操作ボタンの下死点近傍位置まで下動することにより、排圧弁が開状態に移行する(図3,図8参照)。
【0038】
すなわち内筒状部材4の内縦溝状部4dの下端部分がハウジング9に固定の中棒部材6の円状膨出部6aの下端部分を通過し始める位置まで下動するか、内筒状部材4'の環凸状部4d'の上端部分が中棒部材6'の環凹状部6a'の上端部分を通過し始める位置まで下動すると、排圧弁が開状態となる。
【0039】
図3,図8の排圧開始モードでは、上流側貯留空間域Aおよび下流側貯留空間域Bの内容物が「下流弁および排圧弁‐縦開口部3j‐縦リブ状部3b同士の間の縦通路域‐貫通部1e‐横円柱状部1dとノズルピース2との間の環状通路域‐径方向溝状部2a」を経て、横孔部2bから外部空間域に放出される。
【0040】
このように下流弁に加えて排圧弁からも内容物が流出するため、貯留空間域全体(上流側貯留空間域A+下流側貯留空間域B)の内容物圧力が瞬時に下がる。
【0041】
その結果、コイルスプリング7で上方向に付勢された内筒状部材4,4'は下動せずにハウジング9に対していわば略停止したような状態になる。
【0042】
一方、操作ボタン1はまだ押下げ操作により下動しているので、これと一体の操作側筒状部材3の下内縁部分3fが内筒状部材4,4'のテーパ外周面4aに当接する。すなわち下流弁が閉状態に移行する。排圧弁は開状態のままである。
【0043】
図4などの排圧モードは、下流弁が閉じ、排圧弁のみが開いた形で操作ボタン1がその下死点まで移動するときの内容物放出状態を示している。
【0044】
この排圧モードでは、操作ボタン1と内筒状部材4,4'および外筒状部材5とが一体化して、下流弁が閉じた状態で当該操作ボタンの下死点まで移動する。
【0045】
そのため上述したように、概略、
(71)操作ボタン1の下動によっても自らの容積が変化せずに圧力も増加しない、下流側貯留空間域Bの内容物は外部空間域に放出されず、
(72)操作ボタン1の下動にともなって自らの容積が小さくなって圧力が増加する、上流側貯留空間域Aの内容物は排圧弁,横孔部2bを経て外部空間域に放出される。
【0046】
この上流側貯留空間域Aの内容物が外部空間域に放出されるのは、操作ボタン1がその下死点に到達するまで間のみとなる。
【0047】
図5に示すように操作ボタン1が下死点にいったん到達すると、上記(72)の上流側貯留空間域Aの容積が小さくなって圧力が増加するといったことも生じ得ないので、内容物の外部空間域への放出動作は終了する。
【0048】
すなわち、操作ボタン1の押下げ操作にともなう内容物放出動作は当該操作ボタンがその下死点に到達した時点で終了し、この到達後にも内容物が横孔部2bから流出するようなことはない。
【0049】
図6は押下げ操作が解除されて、操作ボタン1がその下死点から静止モードの初期位置に戻る復帰モードを示している。
【0050】
この復帰モードでは、
(81)下流弁が閉じていわば一体化した状態の操作ボタン1,操作側筒状部材3,内筒状部材4,4'および外筒状部材5などの可動部全体がコイルスプリング7の作用により上方向に移動して、排圧弁を閉状態とし、
(82)この可動部全体が排圧弁の閉状態のまま上方向に移動するのにともなって上流側貯留空間域Aの容積が大きくなるので、貯留空間域全体(上流側貯留空間域A+下流側貯留空間域B)の内容物圧力が下がって、上流弁(ボール弁8およびテーパ内周面9c)は開状態に移行し、
(83)この上流弁が開くことにより容器本体11の内容物が上流側貯留空間域Aの方に流入して、次回の放出対象内容物の形で収容され、
(84)この内容物流入にともなう容器本体内部の圧力低下を防止するため、外気が、操作ボタン1および操作側筒状部材3とネジキャップ13との隙間部分を介してハウジング9の横孔部9bから容器本体内部に供給され、
(85)また、上記(81)の可動部全体の移動にともない、中棒部材6,6'の上面部分と円柱状垂下部1bの下面部分との間の外気連通域の容積が増加してそこの圧力が低下するので、バックサクション作用が生じ、これにより「縦リブ状部3b同士の間の縦通路域‐貫通部1e‐横円柱状部1dとノズルピース2との間の環状通路域‐径方向溝状部2a‐横孔部2b」の部分の残留内容物が当該外気連通域の方にいわば吸引される。
【0051】
そして周知のように、上流側貯留空間域Aの側からボール弁8に作用する圧力および当該ボール弁の自重の合力が、容器本体11(ディップチューブ10)の側からボール弁8に作用する圧力を超えた段階で、図6の状態のボール弁8は落下して上流弁が閉じる。すなわち図1の静止モードに復帰する。
【0052】
本発明が適用されるポンプ式製品は、ヘアスタイリング剤,ヘアトリートメント剤,染毛剤,育毛剤,洗浄剤,清掃剤,制汗剤,冷却剤,筋肉消炎剤,化粧品,シェービングフォーム,食品,液滴状のもの(ビタミンなど),医薬品,医薬部外品,塗料,園芸用剤,忌避剤(殺虫剤),クリーナー,消臭剤,洗濯のり,ウレタンフォーム,消火器,接着剤,潤滑剤などの各種用途のものがある。
【0053】
容器本体に収納する内容物は、液状,クリーム状,ゲル状など種々の形態のものを用いることができ、内容物に配合される成分としては例えば、粉状物,油成分,アルコール類,界面活性剤,高分子化合物,各用途に応じた有効成分,水などが挙げられる。
【0054】
粉状物としては、金属塩類粉末,無機物粉末や樹脂粉末などを用いる。例えば、タルク,カオリン,アルミニウムヒドロキシクロライド(アルミ塩),アルギン酸カルシウム,金粉,銀粉,雲母,炭酸塩,硫酸バリウム,セルロース,これらの混合物などを用いる。
【0055】
油成分としては、シリコーン油,パーム油,ユーカリ油,ツバキ油,オリーブ油,ホホバ油,パラフィン油,ミリスチン酸,パルミチン酸,ステアリン酸,リノール酸,リノレン酸などを用いる。
【0056】
アルコール類としては、エタノールなどの1価の低級アルコール,ラウリルアルコールなどの1価の高級アルコール,エチレングリコール,グリセリン,1,3−ブチレングリコールなどの多価アルコールなどを用いる。
【0057】
界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウムなどのアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンオレイルエーテルなどの非イオン性界面活性剤、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタインなどの両性界面活性剤、塩化アルキルトリメチルアンモニウムなどのカチオン性界面活性剤などを用いる。
【0058】
高分子化合物としては、メチルセルロース,ゼラチン,デンプン,カゼイン,ヒドロキシエチルセルロース,キサンタンガム,カルボキシビニルポリマーなどを用いる。
【0059】
各用途に応じた有効成分としては、サリチル酸メチル,インドメタシンなどの消炎鎮痛剤、安息香酸ナトリウム,クレゾールなどの除菌剤、ヒレスロイド,ジエチルトルアミドなどの害虫忌避剤、酸化亜鉛などの制汗剤、カンフル,メントールなどの清涼剤、エフェドリン,アドレナリンなどの抗喘息薬、スクラロース,アスパルテームなどの甘味料、エポキシ樹脂,ウレタンなどの接着剤や塗料、パラフェニレンジアミン,アミノフェノールなどの染料,リン酸二水素アンモニウム,炭酸水素ナトリウム・カリウムなどの消火剤などを用いる。
【0060】
さらに、上記内容物以外の、懸濁剤,紫外線吸収剤,乳化剤,保湿剤,酸化防止剤、金属イオン封鎖剤なども用いることができる。
【符号の説明】
【0061】
1:押下げタイプの操作ボタン
1a:横方向の開口部
1b:円柱状垂下部
1c:環状垂下部
1d:横円柱状部
1e:内容物通過用の貫通部
2:鞘状のノズルピース
2a:径方向溝状部
2b:内容物放出用の横孔部
3:操作側筒状部材
3a:小径の上筒状部
3b:縦リブ状部
3c:内環状段部
3d:大径の下筒状部
3e:環状天面部
3f:下流弁作用を呈する下内縁部分
3g:複数の凸状垂下部
3h:外環状段部
3j:内容物通過用の縦開口部
4:内筒状部材(図1〜図6で使用)
4':内筒状部材(図7,図8で使用)
4a:下流弁作用を呈するテーパ外周面
4b:複数の外縦溝状部
4c:内容物通過用の横孔部
4d:排圧弁作用を呈する内縦溝状部(図1〜図6で使用)
4d':排圧弁作用を呈する環凸状部(図7,図8で使用)
4e:スカート状部
4f:環状段部
5:外筒状部材
5a:一対の上スカート状部
5b:下スカート状部
6:中棒部材(図1〜図6で使用)
6':中棒部材(図7,図8で使用)
6a:排圧弁作用を呈する円状膨出部(図1〜図6で使用)
6a':排圧弁作用を呈する環凹状部(図7,図8で使用)
6b:大径基部
6c:複数の切欠状部
7:コイルスプリング
8:上流弁作用を呈するボール弁
9:ハウジング
9a:環状鍔部分
9b:外気取込み用の横孔部
9c:上流弁作用を呈するテーパ内周面
10:ディップチューブ
11:容器本体
11a:開口側首部
12:環状シール部材
13:筒状のネジキャップ
13a:環状天面部
13b:環凸状部
13c:ネジ作用部
A:上流側貯留空間域
B:下流側貯留空間域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上流弁と下流弁との間の貯留空間域に収容された内容物が、操作部の放出操作に基づく当該下流弁の閉状態から開状態への移行により放出用孔部から外部空間域に放出され、かつ、当該放出操作の終り段階でそれまでの閉状態から開状態へと移行する排圧弁の作用により同じく当該放出用孔部から当該外部空間域に放出される、蓄圧式のポンプ機構において、
前記上流弁は、
前記貯留空間域を構成するハウジングの内部に設定され、
前記下流弁は、
前記操作部と一体化して、前記放出操作の際に、前記貯留空間域の容積が小さくなる第1方向に移動する第1の弁作用移動部材と、
前記貯留空間域の圧力および当該第1方向とは逆の第2方向への弾性力の合力を受けることにより、当該放出操作の際には当該第1方向に移動する第2の弁作用移動部材と、
の間の第1の離接作用部として設定され、
前記排圧弁は、
前記第2の弁作用移動部材と、
前記ハウジングに設けられた弁作用固定部材と、
の間の第2の離接作用部として設定された、
ことを特徴とする蓄圧式のポンプ機構。
【請求項2】
前記第1の弁作用移動部材は、
前記操作部に固定された操作側筒状部からなり、
前記第2の弁作用移動部材は、
前記操作側筒状部の内面部分との間に前記第1の離接作用部を設定して、当該離接作用部の上流側に内容物の通過用孔部を備えた内筒状部と、
当該内筒状部の外側に設定されて、前記操作側筒状部の内面部分および当該内筒状部の外面部分との間に当該通過用孔部から当該第1の離接作用部までの下流側貯留空間域を形成する外筒状部と、からなり、
前記弁作用固定部材は、
前記内筒状部に入り込んだ形で配設されて、
前記ハウジングの内面部分および当該内筒状部の内面部分との間に、前記上流弁から、前記通過用孔部および前記第2の離接作用部までの上流側貯留空間域を形成する中棒部からなる、
ことを特徴とする請求項1記載の蓄圧式のポンプ機構。
【請求項3】
前記第2の離接作用部は、
前記内筒状部の、前記通過用孔部より上方の内周面部分に形成された排圧通路用の凹み部と、
前記中棒部の外周面に、当該内筒状部の凹み部より下方の内周面部分と密接する態様で形成された排圧弁作用部と、を有し、
前記放出操作の終り段階では、
前記中棒部の排圧弁作用部が前記内筒状部の凹み部に対向して、当該排圧弁作用部と前記下方の内周面部分とのそれまでの密接状態が解除されることにより、前記貯留空間域の残留内容物が当該凹み部を経て前記放出用孔部へ流出する、
ことを特徴とする請求項2記載の蓄圧式のポンプ機構。
【請求項4】
前記第2の離接作用部は、
前記内筒状部の前記通過用孔部より上方の内周面部分に、前記中棒部の外周面部分と密接する態様で形成された排圧弁作用部と、
前記中棒部の、当該排圧弁作用部に対応した所定箇所の外周面部分に形成された排圧通路用の凹み部と、を有し、
前記放出操作の終り段階では、
前記内筒状部の排圧弁作用部が前記中棒部の凹み部に対向して、当該排圧弁作用部と前記外周面部分とのそれまでの密接状態が解除されることにより、前記貯留空間域の残留内容物が当該凹み部を経て前記放出用孔部へ流出する、
ことを特徴とする請求項2記載の蓄圧式のポンプ機構。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の蓄圧式のポンプ機構を備え、かつ、内容物を収容した、
ことを特徴とするポンプ式製品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−240312(P2011−240312A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−117267(P2010−117267)
【出願日】平成22年5月21日(2010.5.21)
【出願人】(000144463)株式会社三谷バルブ (142)
【Fターム(参考)】