説明

蓄熱性ゴム材料

【課題】蓄熱性ゴム材料で、繰り返し使用された際に、蓄熱性ゴム材料の蓄熱機能の低下が少なく、マイクロカプセル内包物である潜熱蓄熱材の漏出が少なく、ゴム材料が劣化したり、形状が変化したりすることが少ない蓄熱性ゴム材料を提供する。
【解決手段】マイクロカプセルとゴム材料とを含有してなる蓄熱性ゴム材料において、潜熱蓄熱材が、融点35℃以上のパラフィン、融点45℃以上の高級アルコール、融点が30℃以上の一般式(I)で表されるエステル化合物、融点が2℃以上の一般式(II)で表されるエステル化合物の群から選ばれる化合物であることを特徴とする蓄熱性ゴム材料。一般式(I)中、R1は炭素数16以上の炭化水素基、R2は炭素数1〜6までの炭化水素基を表す。一般式(II)中、R3は炭素数8以上の炭化水素基、R4は炭素数8以上の炭化水素基を表す。



【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、潜熱蓄熱材を内包するマイクロカプセルを含有してなる蓄熱性ゴム材料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、生活環境における快適性や省エネルギー対策が求められるなか、建築・土木材料、空調システム、車両等の内装材、機械機器や電気・電子機器、保冷・保温用品、カーテンやカーペット等のインテリア用品、寝具、衣料用品、日用雑貨用品等において、温度調節機能や定温保持機能を有する潜熱蓄熱材を含有する材料が提案されている。
【0003】
液体−固体間での相変化に伴い潜熱の蓄熱・放熱を行うことができる潜熱蓄熱材は、液体時には潜熱蓄熱材の流出が生じる。これを防ぐために、容器に入れる等の対策を施した上で使用される。その対策の一例が潜熱蓄熱材を内包するマイクロカプセルであり、これを含有する蓄熱性樹脂組成物や蓄熱性ゴム材料が提案されている(例えば、特許文献1〜5参照)。また、潜熱蓄熱材を内包するマイクロカプセルを含有した蓄熱性アクリル系樹脂組成物並びにそれを用いた蓄熱性シート状成形体も提案されている(例えば、特許文献6参照)。
【0004】
特許文献1〜5では、潜熱蓄熱材として、テトラデカン、ペンタデカン、オクタデカン等のパラフィン、ステアリン酸ブチル、パルミチン酸イソプロピル等のエステル化合物、ステアリルアルコール等のアルコール類、無機系共晶物、無機系水和物、パルミチン酸、ミリスチン酸等の脂肪酸類、ベンゼン、p−キシレン等の芳香族炭化水素化合物等が記載されている。また、潜熱蓄熱材を内包するマイクロカプセルをゴム材料や樹脂と混合する場合に、1時間撹拌混合する等の方法が行われている。特許文献1〜5の潜熱蓄熱材や混合方法を用いた蓄熱性ゴム材料は、繰り返し使用されることにより、蓄熱性ゴム材料等から潜熱蓄熱材が漏出(ブリードアウト)したり、ゴム材料が劣化したり、形状が変化したりするという問題が生じていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−23229号公報
【特許文献2】特開2003−261716号公報
【特許文献3】特開昭63−178191号公報
【特許文献4】実公平6−25914号公報
【特許文献5】特開2000−314187号公報
【特許文献6】特開2007−31610号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
潜熱蓄熱材を内包するマイクロカプセルを練り込んだ蓄熱性ゴム材料において、繰り返し使用された際に、蓄熱性ゴム材料の蓄熱機能の低下が少なく、マイクロカプセル内包物である潜熱蓄熱材の漏出が少なく、ゴム材料が劣化したり、形状が変化したりすることが少ない蓄熱性ゴム材料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、以下の発明を見出した。
(1)潜熱蓄熱材を内包するマイクロカプセルとゴム材料とを含有してなる蓄熱性ゴム材料において、潜熱蓄熱材が、融点35℃以上のパラフィン、融点45℃以上の高級アルコール、または融点が30℃以上の一般式(I)で表されるエステル化合物、融点が2℃以上の一般式(II)で表されるエステル化合物から選ばれる化合物であることを特徴とする蓄熱性ゴム材料。
【0008】
【化1】

【0009】
〔式中、R1は炭素数16以上の炭化水素基、R2は炭素数1〜6までの炭化水素基を表す。〕
【0010】
【化2】

【0011】
〔式中、R3は炭素数8以上の炭化水素基、R4は炭素数8以上の炭化水素基を表す。〕
【0012】
(2)ゴム材料が、ニトリルゴム、イソプレンゴムまたはオレフィン系ゴムである(1)記載の蓄熱性ゴム材料。
(3)マイクロカプセルの皮膜を構成する樹脂が、尿素ホルマリン樹脂またはメラミンホルマリン樹脂である(1)記載の蓄熱性ゴム材料。
(4)蓄熱性ゴム材料が、潜熱蓄熱材を内包するマイクロカプセルをゴム材料に練り込むことで作製され、練り込み時間が6分以内である(1)〜(3)のいずれか1項に記載の蓄熱性ゴム材料。
(5)蓄熱性ゴム材料が、潜熱蓄熱材を内包するマイクロカプセルをゴム材料に練り込み、次いで、加熱することで作製され、加熱温度が160℃以下である(1)〜(4)のいずれか1項に記載の蓄熱性ゴム材料。
【発明の効果】
【0013】
本発明の蓄熱材を内包するマイクロカプセルを練り込んだ蓄熱性ゴム材料によれば、繰り返し使用された際に蓄熱性ゴム材料の蓄熱機能の低下が少なく、マイクロカプセル内包物である潜熱蓄熱材の漏出が少なく、ゴム材料が劣化したり、形状が変形したりすることが少ない蓄熱性ゴム材料を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の蓄熱性ゴム材料は、潜熱蓄熱材を内包するマイクロカプセルをゴム材料に含有させてなる。ゴム材料としては、天然ゴム、イソプレンゴム等のイソプレン系ゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム等のブタジエン系ゴム、ニトリルゴム、ニトリルブタジエンゴム、クロロプレンゴム、水素化ニトリルゴム等のジエン系特殊ゴム、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、アクリルゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム等のオレフィン系ゴム、エピクロロヒドリンゴム、エチレンオキシド−エピクロロヒドリンゴム等のポリエーテル系ゴム、多硫化ゴム等のポリスルフィド系ゴム、ポリエステルウレタンゴム、ポリエーテルウレタンゴム等のポリウレタン系ゴム、フッ化ビニリデン系ゴム、フルオロシリコーン系ゴム、テトラフルオロエチレン−プロピレン系ゴム、フルオロホスファゼン系ゴム、テトラフルオロエチレン−パーフルオロビニルエーテル系ゴム等のフッ素ゴム、ポリジメチルシリコーンゴム、メチルビニルシリコーンゴム、メチルフェニルシリコーンゴム、フルオロシリコーンゴム等のシリコーンゴム等が挙げられる。これらは単独または二種類以上組み合わせて使用しても良い。このうち、繰り返し使用された際に、マイクロカプセル内包物である潜熱蓄熱材の漏出が少なく、ゴム材料の劣化や形状変化が少ない蓄熱性ゴム材料を得るためには、ニトリルゴム、イソプレンゴムまたはオレフィン系ゴムを使用することが好ましい。特に、ポリオレフィン系ゴムのエチレンプロピレンジエンゴムを使用することが特に好ましい。
【0015】
上述のゴム材料に必要があれば、加硫剤、加硫促進剤、架橋剤、老化防止剤、酸化防止剤、可塑剤、発泡剤、難燃剤、粘着付与剤、滑剤、しゃく解剤(素練り促進剤)、着色剤、硬化剤、分散剤、溶剤等の他に、綿、ナイロン、ポリエステル、ビニロン、ガラス、カーボン等の各種繊維類等を混合しても良い。
【0016】
潜熱蓄熱材を内包するマイクロカプセルは、複合エマルジョン法によるカプセル化法(特開昭62−1452号公報)、蓄熱材粒子の表面に熱可塑性樹脂を噴霧する方法(特開昭62−45680号公報)、蓄熱材粒子の表面に液中で熱可塑性樹脂を形成する方法(特開昭62−149334号公報)、蓄熱材粒子の表面でモノマーを重合させ被覆する方法(特開昭62−225241号公報)、界面重縮合反応によるポリアミド皮膜マイクロカプセルの製法(特開平2−258052号公報)等に記載されている方法を用いることができる。
【0017】
マイクロカプセル皮膜としては、界面重合法、インサイチュー法等の手法で得られるポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリアクリルアミド、エチルセルロース、ポリウレタン、アミノプラスト樹脂、またゼラチンとカルボキシメチルセルロース若しくはアラビアゴムとのコアセルベーション法を利用した合成あるいは天然の樹脂が用いられるが、本発明の蓄熱材ゴム材料に適用するためには、耐熱性が必要であるため、熱硬化性樹脂皮膜を有するマイクロカプセルが好ましく、特にインサイチュー法による尿素ホルマリン樹脂、メラミンホルマリン樹脂の皮膜を用いたマイクロカプセルが好ましい。
【0018】
本発明において、潜熱蓄熱材としては、融点35℃以上のパラフィン、融点45℃以上の高級アルコール、融点が30℃以上の一般式(I)で表されるエステル化合物、融点が0℃以上の一般式(II)で表されるエステル化合物の群から選ばれる化合物を使用する。これらの潜熱蓄熱材を使用すると、繰り返し使用された際に蓄熱性ゴム材料の蓄熱機能の低下が少なく、マイクロカプセル内包物である潜熱蓄熱材の漏出が少なく、ゴム材料が劣化したり、形状が変形したりすることが少ない蓄熱性ゴム材料を提供することができる。
【0019】
融点35℃以上のパラフィンとしては、例えば、トリアコンタン、テトラコンタン、ペンタコンタン、ヘキサコンタン等を挙げることができる。また、融点45℃以上のパラフィンが好ましく、融点50℃以上のパラフィンがより好ましい。
【0020】
融点45℃以上の高級アルコールとしては、例えば、ペンタデシルアルコール、ヘキサデカノール、オクタデカノール、エイコサノール、1,10−デカンジオール等を挙げることができる。また、融点50℃以上の高級アルコールが好ましく、融点65℃以上の高級アルコールがより好ましい。
【0021】
融点が30℃以上の一般式(I)で表されるエステル化合物としては、例えば、パルミチン酸メチル、ステアリン酸メチル、ステアリン酸エチル、エイコサン酸メチル等を挙げることができる。また、一般式(I)で表される化合物としては、融点35℃以上が好ましく、融点40℃以上がより好ましい。
【0022】
融点が2℃以上の一般式(II)で表されるエステル化合物としては、例えば、オクタン酸デシル、デカン酸デシル、ドデカン酸ドデシル、ミリスチン酸ミリスチル、ステアリン酸ステアリル等を挙げることができる。また、一般式(II)で表される化合物としては、融点5℃以上が好ましく、融点15℃以上がより好ましい。
【0023】
本発明において、潜熱蓄熱材の融点は130℃以下であることが好ましい。その理由は、潜熱蓄熱材を内包するマイクロカプセルの安定的な作製が困難になると共に、作製されるカプセル皮膜の物性が低下することがあるからである。
【0024】
本発明に係る潜熱蓄熱材を内包するマイクロカプセルの平均粒子径は、物理的圧力による破壊を防止するために10.0μm以下、特に好ましくは5.0μm以下が好ましい。マイクロカプセルの粒子径は、乳化剤の種類と濃度、乳化時の乳化液の温度、乳化比(水相と油相の体積比率)、乳化機、分散機等と称される微粒化装置の運転条件(撹拌回転数、時間等)等を適宜調節して所望の平均粒子径に設定する。この平均粒子径以上になるとマイクロカプセルが外圧で容易に壊れやすくなったり、潜熱蓄熱材の比重が分散媒のそれと大きく差がある場合等、浮遊したり沈降したりしやすくなるので好ましくない。
【0025】
なお、本発明でのマイクロカプセルの平均粒子径は、体積平均粒子径をいう。体積平均粒子径とは、マイクロカプセル粒子の体積換算値の平均粒子径を表すものであり、原理的には、一定体積の粒子を小さいものから順に篩分けし、その50%体積に当たる粒子が分別された時点での粒子径を意味する。体積平均粒子径の測定は顕微鏡観察による実測でも測定可能であるが、市販の電気的、光学的粒子径測定装置を用いることにより自動的に測定可能であり、後述する実施例における分散液の体積平均粒子径は、米国ベックマンコールター社製粒度測定装置コールターマルチサイザーII型を用いて測定したものである。
【0026】
一般的に、潜熱蓄熱材を内包するマイクロカプセルは分散液状態で得られるが、ゴム材料との練り込みや加熱工程の容易さを考慮し、脱水または乾燥を施して、マイクロカプセルを固形物、粉体、顆粒状にしたものが使いやすい。なお、マイクロカプセルの粉体の平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置を用いて体積平均粒子径を測定する。マイクロカプセルの固形物や顆粒状にしたものの平均粒子径は、ノギス等の測定器具で測定した長さ径の平均値で表す。
【0027】
本発明の蓄熱性ゴム材料は、1.潜熱蓄熱材を内包するマイクロカプセルの調製工程、2.ゴム材料へマイクロカプセルを練り込む工程、3.成型後、ゴム弾性を与えて、物理的強度を高めるために、加熱・架橋(加硫)する工程によって製造することができる。さらに、得られた蓄熱性ゴム材料は、必要に応じて、所望の形状や大きさに切って使用することができる。これらの工程はゴム材料の性質に大きく影響を及ぼすので、使用目的に合わせて使用素材と製法が選択される。
【0028】
本発明において、工程2〜3では、潜熱蓄熱材を内包するマイクロカプセルを取り扱う際に、カプセルが破壊することを防ぐ様に、最適の条件を設定する。具体的には、工程2において、潜熱蓄熱材を内包するマイクロカプセルをゴム材料に練り込む際の練り込み時間を6分以内に設定することが好ましい。また、工程3において、加熱温度は160℃以下に設定することが好ましい。これらの設定条件の範囲外で作製した蓄熱性ゴム材料は、繰り返し使用されることにより、潜熱蓄熱材が漏出(ブリードアウト)したり、ゴム材料が劣化したり、形状が変化したりする場合がある。
【実施例】
【0029】
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明の蓄熱性ゴム材料はこれらの例のみに限定されずに適用できる。また、実施例において、特にことわりのない百分率、部数は質量基準である。
【0030】
[マイクロカプセル粉体1の作製]
メラミン粉末12質量部に37質量%ホルムアルデヒド水溶液15.4質量部と水40質量部を加え、pHを8に調整した後、70℃まで加熱して、メラミン−ホルムアルデヒド初期縮合物水溶液を得た。pHを4.5に調整した10質量%スチレン−無水マレイン酸共重合体のナトリウム塩水溶液100質量部を70℃に加温した中に、蓄熱物質として、70℃に加温したn−エイコサン(融点35℃のパラフィン)80質量部を激しく撹拌しながら添加し、平均粒子径が3.0μmになるまで乳化を行い、乳化液を得た。得られた乳化液に、上記メラミン−ホルムアルデヒド初期縮合物水溶液全量を添加し、70℃で2時間撹拌を施した後、pHを9まで上げて水を添加して乾燥固形分濃度40%の蓄熱物質を内包したマイクロカプセル分散液1を得た。このマイクロカプセル分散液1をスプレードライヤーで水分含有率3質量%以下まで乾燥し、平均粒子径50μmのマイクロカプセル粉体1を得た。
【0031】
[マイクロカプセル粉体2の作製]
蓄熱物質にペンタデシルアルコール(融点46℃の高級アルコール)を使うこと以外は、[マイクロカプセル粉体1の作製]と同様にして、マイクロカプセル粉体2を得た。
【0032】
[マイクロカプセル粉体3の作製]
蓄熱物質にパルミチン酸メチル(融点31℃の一般式(I)で表されるエステル化合物)を使うこと以外は、[マイクロカプセル粉体1の作製]と同様にして、マイクロカプセル粉体3を得た。
【0033】
[マイクロカプセル粉体4の作製]
蓄熱物質にオクタン酸デシル(融点4℃の一般式(II)で表されるエステル化合物)を使うこと以外は、[マイクロカプセル粉体1の作製]と同様にして、マイクロカプセル粉体4を得た。
【0034】
[マイクロカプセル粉体5の作製]
pHを3.0に調整した5質量%のエチレン−無水マレイン酸共重合体のナトリウム塩水溶液125質量部に尿素7.5質量部を添加し、70℃に加温する。その中に、潜熱蓄熱材として、70℃に加温したn−エイコサン80質量部を激しく撹拌しながら添加し、平均粒子径が3.0μmになるまで乳化を行い、乳化液を得た。この乳化液に37質量%ホルムアルデヒド水溶液19質量部と水25質量部を添加し、70℃で2時間加熱撹拌を施してカプセル化反応を行った後、この分散液のpHを9に調整し、水を添加して乾燥固形分濃度40%の潜熱蓄熱材を内包したマイクロカプセル分散液5を得た。このマイクロカプセル分散液5をスプレードライヤーで水分含有率3質量%以下まで乾燥し、平均粒子径50μmのマイクロカプセル粉体5を得た。
【0035】
[マイクロカプセル粉体6の作製]
蓄熱物質に1−エイコサノール(融点65℃の高級アルコール)を使うこと以外は、[マイクロカプセル粉体1の作製]と同様にして、マイクロカプセル粉体6を得た。
【0036】
[マイクロカプセル粉体7の作製]
潜熱蓄熱材として70℃に加温したペンタデシルアルコール34質量部に、メタクリル酸メチル6質量部とジビニルベンゼン0.1質量部を溶解する。次いで、過酸化ベンゾイル0.2質量部を添加し、70℃に加温した部分ケン化ポリ酢酸ビニル0.5質量%水溶液中に入れ、激しく撹拌しながら平均粒子径が3.0μmになるまで乳化を行い、乳化液を得た。本乳化液を重合容器内に入れ、窒素雰囲気下で80℃、7時間重合反応を行った後、重合容器内を室温まで冷却し、水を添加して乾燥固形分濃度30%の潜熱蓄熱材を内包したマイクロカプセル分散液7を得た。このマイクロカプセル分散液7をスプレードライヤーで水分含有率3質量%以下まで乾燥し、平均粒子径50μmのマイクロカプセル粉体7を得た。
【0037】
[マイクロカプセル粉体8の作製]
潜熱蓄熱材として70℃に加温したn−エイコサン34質量部に、メタクリル酸メチル6質量部とジビニルベンゼン0.1質量部を溶解する。次いで過酸化ベンゾイル0.2質量部を添加し、70℃に加温した部分ケン化ポリ酢酸ビニル0.5質量%水溶液中に入れ、激しく撹拌しながら平均粒子径が3.0μmになるまで乳化を行い、乳化液を得た。本乳化液を重合容器内に入れ、窒素雰囲気下で80℃、7時間重合反応を行った後、重合容器内を室温まで冷却し、水を添加して乾燥固形分濃度30%の潜熱蓄熱材を内包したマイクロカプセル分散液8を得た。このマイクロカプセル分散液8をスプレードライヤーで水分含有率3質量%以下まで乾燥し、平均粒子径50μmのマイクロカプセル粉体8を得た。
【0038】
[マイクロカプセル粉体9の作製]
潜熱蓄熱材として70℃に加温したペンタデシルアルコール34質量部に、メタクリル酸メチル6質量部とジビニルベンゼン0.1質量部を溶解する。次いで、過酸化ベンゾイル0.2質量部を添加し、70℃に加温した部分ケン化ポリ酢酸ビニル0.5質量%水溶液中に入れ、激しく撹拌しながら平均粒子径が3.0μmになるまで乳化を行い、乳化液を得た。本乳化液を重合容器内に入れ、窒素雰囲気下で80℃、7時間重合反応を行った後、重合容器内を室温まで冷却し、水を添加して乾燥固形分濃度30%の潜熱蓄熱材を内包したマイクロカプセル分散液9を得た。このマイクロカプセル分散液9をスプレードライヤーで水分含有率3質量%以下まで乾燥し、平均粒子径50μmのマイクロカプセル粉体9を得た。
【0039】
[マイクロカプセル粉体10の作製]
潜熱蓄熱材として70℃に加温したパルミチン酸メチル34質量部に、メタクリル酸メチル6質量部とジビニルベンゼン0.1質量部を溶解する。次いで過酸化ベンゾイル0.2質量部を添加し、70℃に加温した部分ケン化ポリ酢酸ビニル0.5質量%水溶液中に入れ、激しく撹拌しながら平均粒子径が3.0μmになるまで乳化を行い、乳化液を得た。本乳化液を重合容器内に入れ、窒素雰囲気下で80℃、7時間重合反応を行った後、重合容器内を室温まで冷却し、水を添加して乾燥固形分濃度30%の潜熱蓄熱材を内包したマイクロカプセル分散液10を得た。このマイクロカプセル分散液10をスプレードライヤーで水分含有率3質量%以下まで乾燥し、平均粒子径50μmのマイクロカプセル粉体10を得た。
【0040】
[マイクロカプセル粉体11の作製]
潜熱蓄熱材として70℃に加温したオクタン酸デシル34質量部に、メタクリル酸メチル6質量部とジビニルベンゼン0.1質量部を溶解する。次いで過酸化ベンゾイル0.2質量部を添加し、70℃に加温した部分ケン化ポリ酢酸ビニル0.5質量%水溶液中に入れ、激しく撹拌しながら平均粒子径が3.0μmになるまで乳化を行い、乳化液を得た。本乳化液を重合容器内に入れ、窒素雰囲気下で80℃、7時間重合反応を行った後、重合容器内を室温まで冷却し、水を添加して乾燥固形分濃度30%の潜熱蓄熱材を内包したマイクロカプセル分散液11を得た。このマイクロカプセル分散液11をスプレードライヤーで水分含有率3質量%以下まで乾燥し、平均粒子径50μmのマイクロカプセル粉体11を得た。
【0041】
[マイクロカプセル粉体12の作製]
蓄熱物質にn−ノナデカン(融点32℃のパラフィン)を使うこと以外は、[マイクロカプセル粉体1の作製]と同様にして、マイクロカプセル粉体12を得た。
【0042】
[マイクロカプセル粉体13の作製]
蓄熱物質に1−テトラデカノール(融点39℃の高級アルコール)を使うこと以外は、[マイクロカプセル粉体1の作製]と同様にして、マイクロカプセル粉体13を得た。
【0043】
[マイクロカプセル粉体14の作製]
蓄熱物質にヘプタデカン酸エチル(融点27℃の一般式(I)で表されるエステル化合物)を使うこと以外は、[マイクロカプセル粉体1の作製]と同様にして、マイクロカプセル粉体14を得た。
【0044】
[マイクロカプセル粉体15の作製]
蓄熱物質にデカン酸オクチル(融点−3℃の一般式(II)で表されるエステル化合物)を使うこと以外は、[マイクロカプセル粉体1の作製]と同様にして、マイクロカプセル粉体15を得た。
【0045】
[マイクロカプセル粉体16の作製]
潜熱蓄熱材として70℃に加温した1−テトラデカノール34質量部に、メタクリル酸メチル6質量部とジビニルベンゼン0.1質量部を溶解する。次いで過酸化ベンゾイル0.2質量部を添加し、70℃に加温した部分ケン化ポリ酢酸ビニル0.5質量%水溶液中に入れ、激しく撹拌しながら平均粒子径が3.0μmになるまで乳化を行い、乳化液を得た。本乳化液を重合容器内に入れ、窒素雰囲気下で80℃、7時間重合反応を行った後、重合容器内を室温まで冷却し、水を添加して乾燥固形分濃度30%の潜熱蓄熱材を内包したマイクロカプセル分散液16を得た。このマイクロカプセル分散液16をスプレードライヤーで水分含有率3質量%以下まで乾燥し、平均粒子径50μmのマイクロカプセル粉体16を得た。
【0046】
[マイクロカプセル粉体17の作製]
潜熱蓄熱材として70℃に加温したn−ノナデカン34質量部に、メタクリル酸メチル6質量部とジビニルベンゼン0.1質量部を溶解する。次いで、過酸化ベンゾイル0.2質量部を添加し、70℃に加温した部分ケン化ポリ酢酸ビニル0.5質量%水溶液中に入れ、激しく撹拌しながら平均粒子径が3.0μmになるまで乳化を行い、乳化液を得た。本乳化液を重合容器内に入れ、窒素雰囲気下で80℃、7時間重合反応を行った後、重合容器内を室温まで冷却し、水を添加して乾燥固形分濃度30%の潜熱蓄熱材を内包したマイクロカプセル分散液17を得た。このマイクロカプセル分散液17をスプレードライヤーで水分含有率3質量%以下まで乾燥し、平均粒子径50μmのマイクロカプセル粉体17を得た。
【0047】
[マイクロカプセル粉体18の作製]
潜熱蓄熱材として70℃に加温した1−テトラデカノール34質量部に、メタクリル酸メチル6質量部とジビニルベンゼン0.1質量部を溶解する。次いで、過酸化ベンゾイル0.2質量部を添加し、70℃に加温した部分ケン化ポリ酢酸ビニル0.5質量%水溶液中に入れ、激しく撹拌しながら平均粒子径が3.0μmになるまで乳化を行い、乳化液を得た。本乳化液を重合容器内に入れ、窒素雰囲気下で80℃、7時間重合反応を行った後、重合容器内を室温まで冷却し、水を添加して乾燥固形分濃度30%の潜熱蓄熱材を内包したマイクロカプセル分散液18を得た。このマイクロカプセル分散液18をスプレードライヤーで水分含有率3質量%以下まで乾燥し、平均粒子径50μmのマイクロカプセル粉体18を得た。
【0048】
[マイクロカプセル粉体19の作製]
潜熱蓄熱材として70℃に加温したデカン酸オクチル34質量部に、メタクリル酸メチル6質量部とジビニルベンゼン0.1質量部を溶解する。次いで、過酸化ベンゾイル0.2質量部を添加し、70℃に加温した部分ケン化ポリ酢酸ビニル0.5質量%水溶液中に入れ、激しく撹拌しながら平均粒子径が3.0μmになるまで乳化を行い、乳化液を得た。本乳化液を重合容器内に入れ、窒素雰囲気下で80℃、7時間重合反応を行った後、重合容器内を室温まで冷却し、水を添加して乾燥固形分濃度30%の潜熱蓄熱材を内包したマイクロカプセル分散液19を得た。このマイクロカプセル分散液19をスプレードライヤーで水分含有率3質量%以下まで乾燥し、平均粒子径50μmのマイクロカプセル粉体19を得た。
【0049】
[マイクロカプセル粉体20の作製]
蓄熱物質にn−トリアコンタン(融点66℃のパラフィン)を使うこと以外は、[マイクロカプセル粉体1の作製]と同様にして、マイクロカプセル粉体20を得た。
【0050】
[マイクロカプセル粉体21の作製]
蓄熱物質にステアリン酸メチル(融点38℃の一般式(I)で表されるエステル化合物)を使うこと以外は、[マイクロカプセル粉体1の作製]と同様にして、マイクロカプセル粉体21を得た。
【0051】
[マイクロカプセル粉体22の作製]
蓄熱物質にステアリン酸ステアリル(融点58℃の一般式(II)で表されるエステル化合物)を使うこと以外は、[マイクロカプセル粉体1の作製]と同様にして、マイクロカプセル粉体22を得た。
【0052】
実施例1
105質量部のマイクロカプセル粉体1とニトリルゴム原料100質量部、粉末硫黄1質量部、トルエン100質量部を、密閉式混練機で3分間混練りした後、加硫促進剤(商品名:ノクセラーNS、大内新興化学工業(株)製)3質量部を添加して、同様に3分間混練りして、混練り物を得た。得られた混練り物を20cm×20cmの型にセットし、真空乾燥機で、60℃、12時間乾燥を行い、トルエンを完全に除去した。次いで、荷重圧を最小、加熱温度160℃でプレス加硫5分間を行い、厚さ1mmの蓄熱性ゴム材料を得た。
【0053】
実施例2
105質量部のマイクロカプセル粉体2とイソプレンゴム原料100質量部、粉末硫黄1質量部、トルエン100質量部を、密閉式混練機で3分間混練りした後、加硫促進剤(商品名:ノクセラーNS、大内新興化学工業(株)製)3質量部を添加して、同様に3分間混練りして、混練り物を得た。得られた混練り物を20cm×20cmの型にセットし、真空乾燥機で、60℃、12時間乾燥を行い、トルエンを完全に除去した。次いで、荷重圧を最小、加熱温度160℃でプレス加硫5分間を行い、厚さ1mmの蓄熱性ゴム材料を得た。
【0054】
実施例3
105質量部のマイクロカプセル粉体3とエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)原料100質量部、粉末硫黄1質量部、トルエン100質量部を、密閉式混練機で3分間混練りした後、加硫促進剤(商品名:ノクセラーNS、大内新興化学工業(株)製)3質量部を添加して、同様に3分間混練りして、混練り物を得た。得られた混練り物を20cm×20cmの型にセットし、真空乾燥機で、60℃、12時間乾燥を行い、トルエンを完全に除去した。次いで、荷重圧を最小、加熱温度160℃でプレス加硫5分間を行い、厚さ1mmの蓄熱性ゴム材料を得た。
【0055】
実施例4
105質量部のマイクロカプセル粉体4とブチルゴム原料100質量部、粉末硫黄1質量部、トルエン100質量部を、密閉式混練機で3分間混練りした後、加硫促進剤(商品名:ノクセラーNS、大内新興化学工業(株)製)3質量部を添加して、同様に3分間混練りして混練り物を得た。得られた混練り物を20cm×20cmの型にセットし、真空乾燥機で、60℃、12時間乾燥を行い、トルエンを完全に除去した。次いで、荷重圧を最小、加熱温度160℃でプレス加硫5分間を行い、厚さ1mmの蓄熱性ゴム材料を得た。
【0056】
実施例5
105質量部のマイクロカプセル粉体5とニトリルゴム原料100質量部、粉末硫黄1質量部、トルエン100質量部を、密閉式混練機で3分間混練りした後、加硫促進剤(商品名:ノクセラーNS、大内新興化学工業(株)製)3質量部を添加して、同様に3分間混練りして、混練り物を得た。得られた混練り物を20cm×20cmの型にセットし、真空乾燥機で60℃、12時間乾燥を行い、トルエンを完全に除去した。次いで、荷重圧を最小、加熱温度160℃でプレス加硫5分間を行い、厚さ1mmの蓄熱性ゴム材料を得た。
【0057】
実施例6
105質量部のマイクロカプセル粉体6とイソプレンゴム原料100質量部、粉末硫黄1質量部、トルエン100質量部を、密閉式混練機で3分間混練りした後、加硫促進剤(商品名:ノクセラーNS、大内新興化学工業(株)製)3質量部を添加して、同様に3分間混練りして、混練り物を得た。得られた混練り物を20cm×20cmの型にセットし、真空乾燥機で、60℃、12時間乾燥を行い、トルエンを完全に除去した。次いで、荷重圧を最小、加熱温度160℃でプレス加硫5分間を行い、厚さ1mmの蓄熱性ゴム材料を得た。
【0058】
実施例7
105質量部のマイクロカプセル粉体1とニトリルゴム原料100質量部、粉末硫黄1質量部、トルエン100質量部を、密閉式混練機で10分間混練りした後、加硫促進剤(商品名:ノクセラーNS、大内新興化学工業(株)製)3質量部を添加して、同様に10分間混練りして混練り物を得た。得られた混練り物を20cm×20cmの型にセットし、真空乾燥機で、60℃、12時間乾燥を行い、トルエンを完全に除去した。次いで、荷重圧を最小、加熱温度160℃でプレス加硫5分間を行い、厚さ1mmの蓄熱性ゴム材料を得た。
【0059】
実施例8
プレス加硫時の加熱温度を190℃に設定すること以外は、実施例2と同じ方法で厚さ1mmの蓄熱性ゴム材料を得た。
【0060】
実施例9
105質量部のマイクロカプセル粉体3とエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)原料100質量部、粉末硫黄1質量部、トルエン100質量部を、密閉式混練機で10分間混練りした後、加硫促進剤(商品名:ノクセラーNS、大内新興化学工業(株)製)3質量部を添加して、同様に10分間混練りして、混練り物を得た。得られた混練り物を20cm×20cmの型にセットし、真空乾燥機で、60℃、12時間乾燥を行い、トルエンを完全に除去した。次いで、荷重圧を最小、加熱温度190℃でプレス加硫5分間を行い、厚さ1mmの蓄熱性ゴム材料を得た。
【0061】
実施例10
105質量部のマイクロカプセル粉体1とニトリルゴム原料100質量部、粉末硫黄1質量部、トルエン100質量部を、密閉式混練機で4分間混練りした後、加硫促進剤(商品名:ノクセラーNS、大内新興化学工業(株)製)3質量部を添加して、同様に4分間混練りして、混練り物を得た。得られた混練り物を20cm×20cmの型にセットし、真空乾燥機で、60℃、12時間乾燥を行い、トルエンを完全に除去した。次いで、荷重圧を最小、加熱温度160℃でプレス加硫5分間を行い、厚さ1mmの蓄熱性ゴム材料を得た。
【0062】
実施例11
プレス加硫時の加熱温度を170℃に設定すること以外は、実施例2と同じ方法で厚さ1mmの蓄熱性ゴム材料を得た。
【0063】
実施例12
105質量部のマイクロカプセル粉体3とエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)原料100質量部、粉末硫黄1質量部、トルエン100質量部を、密閉式混練機で4分間混練りした後、加硫促進剤(商品名:ノクセラーNS、大内新興化学工業(株)製)3質量部を添加して、同様に4分間混練りして、混練り物を得た。得られた混練り物を20cm×20cmの型にセットし、真空乾燥機で、60℃、12時間乾燥を行い、トルエンを完全に除去した。次いで、荷重圧を最小、加熱温度170℃でプレス加硫5分間を行い、厚さ1mmの蓄熱性ゴム材料を得た。
【0064】
実施例13
100質量部のマイクロカプセル粉体1とポリオール(商品名:アクトコールMN−3050、三井化学ポリウレタン(株)製)100質量部、触媒としてオクチル酸錫1質量部を密閉式混練機で3分間混練りした後、トリレンジイソシアネート(トルエン−2,4−ジイソシアネート/トルエン−2,6−ジイソシアネート=80/20)50質量部を添加して、同様に3分間混練りして、混練り物を得た。得られた混練り物を20cm×20cmの型にセットし、真空乾燥機で、60℃、12時間乾燥を行い、トルエンを完全に除去した。次いで、荷重圧を最小、加熱温度80℃でプレス加熱5分間を行い、厚さ1mmの蓄熱性ゴム材料を得た。
【0065】
実施例14
105質量部のマイクロカプセル粉体7とイソプレンゴム原料100質量部、粉末硫黄1質量部、トルエン100質量部を、密閉式混練機で3分間混練りした後、加硫促進剤(商品名:ノクセラーNS、大内新興化学工業(株)製)3質量部を添加して、同様に3分間混練りして、混練り物を得た。得られた混練り物を20cm×20cmの型にセットし、真空乾燥機で、60℃、12時間乾燥を行い、トルエンを完全に除去した。次いで、荷重圧を最小、加熱温度160℃でプレス加硫5分間を行い、厚さ1mmの蓄熱性ゴム材料を得た。
【0066】
実施例15
105質量部のマイクロカプセル粉体3とエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)原料100質量部、粉末硫黄1質量部、トルエン100質量部を、密閉式混練機で10分間混練りした後、加硫促進剤(商品名:ノクセラーNS、大内新興化学工業(株)製)3質量部を添加して、同様に10分間混練りして、混練り物を得た。得られた混練り物を20cm×20cmの型にセットし、真空乾燥機で、60℃、12時間乾燥を行い、トルエンを完全に除去した。次いで、荷重圧を最小、加熱温度160℃でプレス加硫5分間を行い、厚さ1mmの蓄熱性ゴム材料を得た。
【0067】
実施例16
プレス加硫時の加熱温度を190℃に設定すること以外は、実施例4と同じ方法で厚さ1mmの蓄熱性ゴム材料を得た。
【0068】
実施例17
105質量部のマイクロカプセル粉体8とニトリルゴム原料100質量部、粉末硫黄1質量部、トルエン100質量部を、密閉式混練機で3分間混練りした後、加硫促進剤(商品名:ノクセラーNS、大内新興化学工業(株)製)3質量部を添加して、同様に3分間混練りして、混練り物を得た。得られた混練り物を20cm×20cmの型にセットし、真空乾燥機で60℃、12時間乾燥を行い、トルエンを完全に除去した。次いで、荷重圧を最小、加熱温度190℃でプレス加硫5分間を行い、厚さ1mmの蓄熱性ゴム材料を得た。
【0069】
実施例18
105質量部のマイクロカプセル粉体9とイソプレンゴム原料100質量部、粉末硫黄1質量部、トルエン100質量部を、密閉式混練機で10分間混練りした後、加硫促進剤(商品名:ノクセラーNS、大内新興化学工業(株)製)3質量部を添加して、同様に10分間混練りして混練り物を得た。得られた混練り物を20cm×20cmの型にセットし、真空乾燥機で、60℃、12時間乾燥を行い、トルエンを完全に除去した。次いで、荷重圧を最小、加熱温度160℃でプレス加硫5分間を行い、厚さ1mmの蓄熱性ゴム材料を得た。
【0070】
実施例19
100質量部のマイクロカプセル粉体3とポリオール(商品名:アクトコールMN−3050、三井化学ポリウレタン(株)製)100質量部、触媒としてオクチル酸錫1質量部を密閉式混練機で3分間混練りした後、トリレンジイソシアネート(トルエン−2,4−ジイソシアネート/トルエン−2,6−ジイソシアネート=80/20)50質量部を添加して、同様に3分間混練りして、混練り物を得た。得られた混練り物を20cm×20cmの型にセットし、真空乾燥機で、60℃、12時間乾燥を行い、トルエンを完全に除去した。次いで、荷重圧を最小、加熱温度170℃でプレス加熱5分間を行い、厚さ1mmの蓄熱性ゴム材料を得た。
【0071】
実施例20
100質量部のマイクロカプセル粉体4とポリオール(商品名:アクトコールMN−3050、三井化学ポリウレタン(株)製)100質量部、触媒としてオクチル酸錫1質量部を密閉式混練機で10分間混練りした後、トリレンジイソシアネート(トルエン−2,4−ジイソシアネート/トルエン−2,6−ジイソシアネート=80/20)50質量部を添加して、同様に10分間混練りして、混練り物を得た。得られた混練り物を20cm×20cmの型にセットし、真空乾燥機で60℃、12時間乾燥を行い、トルエンを完全に除去した。次いで、荷重圧を最小、加熱温度80℃でプレス加熱5分間を行い、厚さ1mmの蓄熱性ゴム材料を得た。
【0072】
実施例21
100質量部のマイクロカプセル粉体8とポリオール(商品名:アクトコールMN−3050、三井化学ポリウレタン(株)製)100質量部、触媒としてオクチル酸錫1質量部を密閉式混練機で3分間混練りした後、トリレンジイソシアネート(トルエン−2,4−ジイソシアネート/トルエン−2,6−ジイソシアネート=80/20)50質量部を添加して、同様に3分間混練りして、混練り物を得た。得られた混練り物を20cm×20cmの型にセットし、真空乾燥機で、60℃、12時間乾燥を行い、トルエンを完全に除去した。次いで、荷重圧を最小、加熱温度80℃でプレス加熱5分間を行い、厚さ1mmの蓄熱性ゴム材料を得た。
【0073】
実施例22
105質量部のマイクロカプセル粉体8とニトリルゴム原料100質量部、粉末硫黄1質量部、トルエン100質量部を、密閉式混練機で10分間混練りした後、加硫促進剤(商品名:ノクセラーNS、大内新興化学工業(株)製)3質量部を添加して、同様に10分間混練りして、混練り物を得た。得られた混練り物を20cm×20cmの型にセットし、真空乾燥機で、60℃、12時間乾燥を行い、トルエンを完全に除去した。次いで、荷重圧を最小、加熱温度190℃でプレス加硫5分間を行い、厚さ1mmの蓄熱性ゴム材料を得た。
【0074】
実施例23
100質量部のマイクロカプセル粉体2とポリオール(商品名:アクトコールMN−3050、三井化学ポリウレタン(株)製)100質量部、触媒としてオクチル酸錫1質量部を密閉式混練機で10分間混練りした後、トリレンジイソシアネート(トルエン−2,4−ジイソシアネート/トルエン−2,6−ジイソシアネート=80/20)50質量部を添加して、同様に10分間混練りして、混練り物を得た。得られた混練り物を20cm×20cmの型にセットし、真空乾燥機で60℃、12時間乾燥を行い、トルエンを完全に除去した。次いで、荷重圧を最小、加熱温度170℃でプレス加熱5分間を行い、厚さ1mmの蓄熱性ゴム材料を得た。
【0075】
実施例24
100質量部のマイクロカプセル粉体10とポリオール(商品名:アクトコールMN−3050、三井化学ポリウレタン(株)製)100質量部、触媒としてオクチル酸錫1質量部を密閉式混練機で3分間混練りした後、トリレンジイソシアネート(トルエン−2,4−ジイソシアネート/トルエン−2,6−ジイソシアネート=80/20)50質量部を添加して、同様に3分間混練りして、混練り物を得た。得られた混練り物を20cm×20cmの型にセットし、真空乾燥機で60℃、12時間乾燥を行い、トルエンを完全に除去した。次いで、荷重圧を最小、加熱温度170℃でプレス加熱5分間を行い、厚さ1mmの蓄熱性ゴム材料を得た。
【0076】
実施例25
100質量部のマイクロカプセル粉体11とポリオール(商品名:アクトコールMN−3050、三井化学ポリウレタン(株)製)100質量部、触媒としてオクチル酸錫1質量部を密閉式混練機で10分間混練りした後、トリレンジイソシアネート(トルエン−2,4−ジイソシアネート/トルエン−2,6−ジイソシアネート=80/20)50質量部を添加して、同様に10分間混練りして、混練り物を得た。得られた混練り物を20cm×20cmの型にセットし、真空乾燥機で60℃、12時間乾燥を行い、トルエンを完全に除去した。次いで、荷重圧を最小、加熱温度80℃でプレス加熱5分間を行い、厚さ1mmの蓄熱性ゴム材料を得た。
【0077】
実施例26
105質量部のマイクロカプセル粉体20とニトリルゴム原料100質量部、粉末硫黄1質量部、トルエン100質量部を、密閉式混練機で3分間混練りした後、加硫促進剤(商品名:ノクセラーNS、大内新興化学工業(株)製)3質量部を添加して、同様に3分間混練りして、混練り物を得た。得られた混練り物を20cm×20cmの型にセットし、真空乾燥機で、60℃、12時間乾燥を行い、トルエンを完全に除去した。次いで、荷重圧を最小、加熱温度160℃でプレス加硫5分間を行い、厚さ1mmの蓄熱性ゴム材料を得た。
【0078】
実施例27
105質量部のマイクロカプセル粉体21とエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)原料100質量部、粉末硫黄1質量部、トルエン100質量部を、密閉式混練機で3分間混練りした後、加硫促進剤(商品名:ノクセラーNS、大内新興化学工業(株)製)3質量部を添加して、同様に3分間混練りして、混練り物を得た。得られた混練り物を20cm×20cmの型にセットし、真空乾燥機で、60℃、12時間乾燥を行い、トルエンを完全に除去した。次いで、荷重圧を最小、加熱温度160℃でプレス加硫5分間を行い、厚さ1mmの蓄熱性ゴム材料を得た。
【0079】
実施例28
105質量部のマイクロカプセル粉体22とブチルゴム原料100質量部、粉末硫黄1質量部、トルエン100質量部を、密閉式混練機で3分間混練りした後、加硫促進剤(商品名:ノクセラーNS、大内新興化学工業(株)製)3質量部を添加して、同様に3分間混練りして、混練り物を得た。得られた混練り物を20cm×20cmの型にセットし、真空乾燥機で、60℃、12時間乾燥を行い、トルエンを完全に除去した。次いで、荷重圧を最小、加熱温度160℃でプレス加硫5分間を行い、厚さ1mmの蓄熱性ゴム材料を得た。
【0080】
比較例1
105質量部のマイクロカプセル粉体12とニトリル原料100質量部、粉末硫黄1質量部、トルエン100質量部を密閉式混練機で3分間混練りした後、加硫促進剤(商品名:ノクセラーNS、大内新興化学工業(株)製)3質量部を添加して、同様に3分間混練りして、混練り物を得た。得られた混練り物を20cm×20cmの型にセットし、真空乾燥機で60℃、12時間乾燥を行い、トルエンを完全に除去した。次いで、荷重圧を最小、加熱温度160℃でプレス加硫5分間を行い、厚さ1mmの蓄熱性ゴム材料を得た。
【0081】
比較例2
105質量部のマイクロカプセル粉体13とイソプレンゴム原料100質量部、粉末硫黄1質量部、トルエン100質量部を、密閉式混練機で3分間混練りした後、加硫促進剤(商品名:ノクセラーNS、大内新興化学工業(株)製)3質量部を添加して、同様に3分間混練りして、混練り物を得た。得られた混練り物を20cm×20cmの型にセットし、真空乾燥機で、60℃、12時間乾燥を行い、トルエンを完全に除去した。次いで、荷重圧を最小、加熱温度160℃でプレス加硫5分間を行い、厚さ1mmの蓄熱性ゴム材料を得た。
【0082】
比較例3
105質量部のマイクロカプセル粉体14とエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)原料100質量部、粉末硫黄1質量部、トルエン100質量部を、密閉式混練機で3分間混練りした後、加硫促進剤(商品名:ノクセラーNS、大内新興化学工業(株)製)3質量部を添加して、同様に3分間混練りして、混練り物を得た。得られた混練り物を20cm×20cmの型にセットし、真空乾燥機で、60℃、12時間乾燥を行い、トルエンを完全に除去した。次いで、荷重圧を最小、加熱温度160℃でプレス加硫5分間を行い、厚さ1mmの蓄熱性ゴム材料を得た。
【0083】
比較例4
105質量部のマイクロカプセル粉体15とブチルゴム原料100質量部、粉末硫黄1質量部、トルエン100質量部を、密閉式混練機で3分間混練りした後、加硫促進剤(商品名:ノクセラーNS、大内新興化学工業(株)製)3質量部を添加して、同様に3分間混練りして、混練り物を得た。得られた混練り物を20cm×20cmの型にセットし、真空乾燥機で、60℃、12時間乾燥を行い、トルエンを完全に除去した。次いで、荷重圧を最小、加熱温度160℃でプレス加硫5分間を行い、厚さ1mmの蓄熱性ゴム材料を得た。
【0084】
比較例5
プレス加硫時の加熱温度を190℃に設定すること以外は、比較例2と同じ方法で蓄熱性ゴム材料を得た。
【0085】
比較例6
105質量部のマイクロカプセル粉体12とニトリルゴム原料100質量部、粉末硫黄1質量部、トルエン100質量部を、密閉式混練機で10分間混練りした後、加硫促進剤(商品名:ノクセラーNS、大内新興化学工業(株)製)3質量部を添加して、同様に10分間混練りして、混練り物を得た。得られた混練り物を20cm×20cmの型にセットし、真空乾燥機で、60℃、12時間乾燥を行い、トルエンを完全に除去した。次いで荷重圧を最小、加熱温度160℃でプレス加硫5分間を行い、厚さ1mmの蓄熱性ゴム材料を得た。
【0086】
比較例7
100質量部のマイクロカプセル粉体12とポリオール(商品名:アクトコールMN−3050、三井化学ポリウレタン(株)製)100質量部、触媒としてオクチル酸錫1質量部を密閉式混練機で3分間混練りした後、トリレンジイソシアネート(トルエン−2,4−ジイソシアネート/トルエン−2,6−ジイソシアネート=80/20)50質量部を添加して、同様に3分間混練りして、混練り物を得た。得られた混練り物を20cm×20cmの型にセットし、真空乾燥機で、60℃、12時間乾燥を行い、トルエンを完全に除去した。次いで、荷重圧を最小、加熱温度80℃でプレス加熱5分間を行い、厚さ1mmの蓄熱性ゴム材料を得た。
【0087】
比較例8
105質量部のマイクロカプセル粉体16とイソプレンゴム原料100質量部、粉末硫黄1質量部、トルエン100質量部を、密閉式混練機で3分間混練りした後、加硫促進剤(商品名:ノクセラーNS、大内新興化学工業(株)製)3質量部を添加して、同様に3分間混練りして、混練り物を得た。得られた混練り物を20cm×20cmの型にセットし、真空乾燥機で、60℃、12時間乾燥を行い、トルエンを完全に除去した。次いで、荷重圧を最小、加熱温度160℃でプレス加硫5分間を行い、厚さ1mmの蓄熱性ゴム材料を得た。
【0088】
比較例9
105質量部のマイクロカプセル粉体14とエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)原料100質量部、粉末硫黄1質量部、トルエン100質量部を、密閉式混練機で10分間混練りした後、加硫促進剤(商品名:ノクセラーNS、大内新興化学工業(株)製)3質量部を添加して、同様に10分間混練りして混練り物を得た。得られた混練り物を20cm×20cmの型にセットし、真空乾燥機で、60℃、12時間乾燥を行い、トルエンを完全に除去した。次いで、荷重圧を最小、加熱温度190℃でプレス加硫5分間を行い、厚さ1mmの蓄熱性ゴム材料を得た。
【0089】
比較例10
105質量部のマイクロカプセル粉体17とニトリルゴム原料100質量部、粉末硫黄1質量部、トルエン100質量部を、密閉式混練機で3分間混練りした後、加硫促進剤(商品名:ノクセラーNS、大内新興化学工業(株)製)3質量部を添加して、同様に3分間混練りして、混練り物を得た。得られた混練り物を20cm×20cmの型にセットし、真空乾燥機で、60℃、12時間乾燥を行い、トルエンを完全に除去した。次いで、荷重圧を最小、加熱温度190℃でプレス加硫5分間を行い、厚さ1mmの蓄熱性ゴム材料を得た。
【0090】
比較例11
105質量部のマイクロカプセル粉体18とイソプレンゴム原料100質量部、粉末硫黄1質量部、トルエン100質量部を、密閉式混練機で10分間混練りした後、加硫促進剤(商品名:ノクセラーNS、大内新興化学工業(株)製)3質量部を添加して、同様に10分間混練りして混練り物を得た。得られた混練り物を20cm×20cmの型にセットし、真空乾燥機で60℃、12時間乾燥を行い、トルエンを完全に除去した。次いで、荷重圧を最小、加熱温度160℃でプレス加硫5分間を行い、厚さ1mmの蓄熱性ゴム材料を得た。
【0091】
比較例12
100質量部のマイクロカプセル粉体14とポリオール(商品名:アクトコールMN−3050、三井化学ポリウレタン(株)製)100質量部、触媒としてオクチル酸錫1質量部を密閉式混練機で3分間混練りした後、トリレンジイソシアネート(トルエン−2,4−ジイソシアネート/トルエン−2,6−ジイソシアネート=80/20)50質量部を添加して、同様に3分間混練りして混練り物を得た。得られた混練り物を20cm×20cmの型にセットし、真空乾燥機で60℃、12時間乾燥を行い、トルエンを完全に除去した。次いで、荷重圧を最小、加熱温度170℃でプレス加熱5分間を行い、厚さ1mmの蓄熱性ゴム材料を得た。
【0092】
比較例13
100質量部のマイクロカプセル粉体15とポリオール(商品名:アクトコールMN−3050、三井化学ポリウレタン(株)製)100質量部、触媒としてオクチル酸錫1質量部を密閉式混練機で10分間混練りした後、トリレンジイソシアネート(トルエン−2,4−ジイソシアネート/トルエン−2,6−ジイソシアネート=80/20)50質量部を添加して、同様に10分間混練りして混練り物を得た。得られた混練り物を20cm×20cmの型にセットし、真空乾燥機で60℃、12時間乾燥を行い、トルエンを完全に除去した。次いで、荷重圧を最小、加熱温度80℃でプレス加熱5分間を行い、厚さ1mmの蓄熱性ゴム材料を得た。
【0093】
比較例14
100質量部のマイクロカプセル粉体16とポリオール(商品名:アクトコールMN−3050、三井化学ポリウレタン(株)製)100質量部、触媒としてオクチル酸錫1質量部を密閉式混練機で3分間混練りした後、トリレンジイソシアネート(トルエン−2,4−ジイソシアネート/トルエン−2,6−ジイソシアネート=80/20)50質量部を添加して、同様に3分間混練りして混練り物を得た。得られた混練り物を20cm×20cmの型にセットし、真空乾燥機で60℃、12時間乾燥を行い、トルエンを完全に除去した。次いで、荷重圧を最小、加熱温度80℃でプレス加熱5分間を行い、厚さ1mmの蓄熱性ゴム材料を得た。
【0094】
比較例15
100質量部のマイクロカプセル粉体16とニトリルゴム原料100質量部、粉末硫黄1質量部、トルエン100質量部を、密閉式混練機で10分間混練りした後、加硫促進剤(商品名:ノクセラーNS、大内新興化学工業(株)製)3質量部を添加して、同様に10分間混練りして混練り物を得た。得られた混練り物を20cm×20cmの型にセットし、真空乾燥機で60℃、12時間乾燥を行い、トルエンを完全に除去した。次いで、荷重圧を最小、加熱温度190℃でプレス加硫5分間を行い、厚さ1mmの蓄熱性ゴム材料を得た。
【0095】
比較例16
100質量部のマイクロカプセル粉体13とポリオール(商品名:アクトコールMN−3050、三井化学ポリウレタン(株)製)100質量部、触媒としてオクチル酸錫1質量部を密閉式混練機で10分間混練りした後、トリレンジイソシアネート(トルエン−2,4−ジイソシアネート/トルエン−2,6−ジイソシアネート=80/20)50質量部を添加して、同様に10分間混練りして混練り物を得た。得られた混練り物を20cm×20cmの型にセットし、真空乾燥機で60℃、12時間乾燥を行い、トルエンを完全に除去した。次いで、荷重圧を最小、加熱温度170℃でプレス加熱5分間を行い、厚さ1mmの蓄熱性ゴム材料を得た。
【0096】
比較例17
100質量部のマイクロカプセル粉体18とポリオール(商品名:アクトコールMN−3050、三井化学ポリウレタン(株)製)100質量部、触媒としてオクチル酸錫1質量部を密閉式混練機で3分間混練りした後、トリレンジイソシアネート(トルエン−2,4−ジイソシアネート/トルエン−2,6−ジイソシアネート=80/20)50質量部を添加して、同様に3分間混練りして、混練り物を得た。得られた混練り物を20cm×20cmの型にセットし、真空乾燥機で、60℃、12時間乾燥を行い、トルエンを完全に除去した。次いで、荷重圧最小、加熱温度170℃でプレス加熱5分間を行い、厚さ1mmの蓄熱性ゴム材料を得た。
【0097】
比較例18
100質量部のマイクロカプセル粉体19とポリオール(商品名:アクトコールMN−3050、三井化学ポリウレタン(株)製)100質量部、触媒としてオクチル酸錫1質量部を密閉式混練機で10分間混練りした後、トリレンジイソシアネート(トルエン−2,4−ジイソシアネート/トルエン−2,6−ジイソシアネート=80/20)50質量部を添加して、同様に10分間混練りして混練り物を得た。得られた混練り物を20cm×20cmの型にセットし、真空乾燥機で、60℃、12時間乾燥を行い、トルエンを完全に除去した。次いで、荷重圧を最小、加熱温度80℃でプレス加熱5分間を行い、厚さ1mmの蓄熱性ゴム材料を得た。
【0098】
比較例19
100質量部のマイクロカプセル粉体16とポリオール(商品名:アクトコールMN−3050、三井化学ポリウレタン(株)製)100質量部、触媒としてオクチル酸錫1質量部を密閉式混練機で10分間混練りした後、トリレンジイソシアネート(トルエン−2,4−ジイソシアネート/トルエン−2,6−ジイソシアネート=80/20)50質量部を添加して、同様に10分間混練りして、混練り物を得た。得られた混練り物を20cm×20cmの型にセットし、真空乾燥機で、60℃、12時間乾燥を行い、トルエンを完全に除去した。次いで、荷重圧を最小、加熱温度190℃でプレス加熱5分間を行い、厚さ1mmの蓄熱性ゴム材料を得た。
【0099】
<評価:潜熱量再現率A>
潜熱量再現率Aの評価は、蓄熱性ゴム材料が繰り返し使用された際に、マイクロカプセル内包物である潜熱蓄熱材の漏出が少なく、ゴム材料が劣化したり、形状が変化したりすることが少ないことを確認するために行う。熱サイクル試験として、熱衝撃試験機(装置名:小型冷熱衝撃装置TSE−11、エスペック(株)製)内に蓄熱性ゴム材料(5cm×5cm)をセットし、−10℃、10分間保持、130℃、10分間保持することを1サイクルとした熱サイクル条件にて、蓄熱性ゴム材料に組み込んだ蓄熱材を内包するマイクロカプセル内部の蓄熱材を、複数サイクル融解と凝固させるものである。そして、熱サイクル試験前後における蓄熱性ゴム材料中の蓄熱性ゴム材料の潜熱量(融解または凝固熱量)を示差走査熱量計(装置名:DSC7、米国PerkinElmer社製)で測定し、試験前に対する500サイクル試験後の潜熱量の比を百分率で示した潜熱量再現率Aを求める。潜熱量再現率Aの値が高いほど、マイクロカプセル内包物である潜熱蓄熱材の漏出が少なく、ゴム材料が劣化したり、形状が変化したりすることが少ないことを示す。目安としては、潜熱再現率Aが75%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましく、85%以上であることがさらに好ましい。
【0100】
<評価:潜熱量再現率B>
潜熱量再現率Bの評価は、蓄熱性ゴム材料が繰り返し使用された際に、マイクロカプセル内包物である潜熱蓄熱材の漏出が少なく、ゴム材料が劣化したり、形状が変化したりすることが少ないことを確認するために行う。潜熱量再現率Bは、潜熱蓄熱材を内包するマイクロカプセルの潜熱量に対する蓄熱性ゴム材料中の蓄熱成分の潜熱量の再現率である。潜熱蓄熱材を内包するマイクロカプセルとマイクロカプセルを含有してなる蓄熱性ゴム材料との質量当たりの潜熱量(融解または凝固熱量)を、示差走査熱量計(装置名:DSC7、米国PerkinElmer社製)を用いて測定し、下記計算式で求める。
【0101】
【数1】

【0102】
潜熱量再現率Bが高いほど、マイクロカプセル内包物である潜熱蓄熱材の漏出が少なく、ゴム材料が劣化したり、形状が変化したりすることが少ない。目安としては、潜熱量再現率Bが86%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。
【0103】
<評価:目視試験>
潜熱量再現率Aの評価における熱サイクル試験後の蓄熱性ゴム材料の潜熱蓄熱材の漏出と形状変化等を目視にて確認した。潜熱蓄熱材の漏出の項目において、漏出が無いものを◎印、極少々漏出したものを○印、少々漏出したものを△印、多量に漏出したものを×印とした。また、蓄熱性ゴム材料の変形等の項目において、変形や劣化がないものを◎印、極少々あるものを○印、少々あるものを△印、大きくあるものを×印で示した。
【0104】
【表1】

【0105】
【表2】

【0106】
実施例1〜6、26〜28の蓄熱性ゴム材料は、潜熱蓄熱材が、融点35℃以上のパラフィン、融点45℃以上の高級アルコール、融点が30℃以上の一般式(I)で表されるエステル化合物、融点が2℃以上の一般式(II)で表されるエステル化合物の群から選ばれる化合物であり、ゴム材料がニトリルゴム、イソプレンゴムまたはオレフィン系ゴムであり、マイクロカプセルの皮膜を構成する樹脂が、尿素ホルマリン樹脂またはメラミンホルマリン樹脂であり、潜熱蓄熱材を内包するマイクロカプセルのゴム材料への練り込み時間が6分以内で、その後の加熱温度が160℃以下であるので、潜熱量再現率A及びBが高く、また、潜熱蓄熱材料の漏出や蓄熱性ゴム材料の変形等も見られなかった。
【0107】
実施例7及び10の蓄熱性ゴム材料は、潜熱蓄熱材を内包するマイクロカプセルのゴム材料への練り込み時間が6分を超えていることから、実施例1と比較して、潜熱量再現率A及びBが僅かに低かった。また、実施例7では潜熱蓄熱材の漏出と蓄熱性ゴム材料の変形等が極少々確認され、実施例10では蓄熱性ゴム材料の変形等が極少々確認された。
【0108】
実施例8及び11の蓄熱性ゴム材料は、潜熱蓄熱材を内包するマイクロカプセルをゴム材料へ練り込んだ後の加熱温度が160℃を超えていることから、実施例2と比較して、潜熱量再現率Aが低く、潜熱量再現率Bが僅かに低かった。また、実施例8では潜熱蓄熱材の漏出と蓄熱性ゴム材料の変形等が極少々確認され、実施例11では蓄熱性ゴム材料の変形等が極少々確認された。
【0109】
実施例9及び12の蓄熱性ゴム材料は、潜熱蓄熱材を内包するマイクロカプセルのゴム材料への練り込み時間が6分を超え、さらに、練り込んだ後の加熱温度が160℃を超えていることから、実施例3と比較して、潜熱量再現率A及びBが低かった。また、実施例9では潜熱蓄熱材の漏出と蓄熱性ゴム材料の変形等が極少々確認され、実施例12では蓄熱性ゴム材料の変形等が極少々確認された。
【0110】
実施例13の蓄熱性ゴム材料は、ゴム材料がポリウレタン系ゴムであることから、実施例1と比較して、潜熱量再現率A及びBが低く、潜熱蓄熱材の漏出と蓄熱性ゴム材料の変形等が極少々確認された。
【0111】
実施例14の蓄熱性ゴム材料は、マイクロカプセルの皮膜を構成する樹脂が尿素ホルマリン樹脂またはメラミンホルマリン樹脂ではないことから、実施例2と比較して、潜熱量再現率A及びBが低く、潜熱蓄熱材の漏出が極少々確認され、蓄熱性ゴム材料の変形等が少々確認された。
【0112】
実施例15の蓄熱性ゴム材料は、潜熱蓄熱材を内包するマイクロカプセルのゴム材料への練り込み時間が6分を超えていることから、実施例3と比較して、潜熱量再現率A及びBが僅かに低かった。また、蓄熱性ゴム材料の変形等が極少々確認された。
【0113】
実施例16の蓄熱性ゴム材料は、潜熱蓄熱材を内包するマイクロカプセルをゴム材料へ練り込んだ後の加熱温度が160℃を超えていることから、実施例4と比較して、潜熱量再現率A及びBが低かった。また、蓄熱性ゴム材料の変形等が極少々確認された。
【0114】
実施例17の蓄熱性ゴム材料は、マイクロカプセルの皮膜を構成する樹脂が尿素ホルマリン樹脂またはメラミンホルマリン樹脂ではなく、かつ、潜熱蓄熱材を内包するマイクロカプセルをゴム材料へ練り込んだ後の加熱温度が160℃を超えていることから、実施例1と比較して、潜熱量再現率A及びBが低く、潜熱蓄熱材の漏出が極少々確認され、蓄熱性ゴム材料の変形等が少々確認された。実施例22の蓄熱性ゴム材料は、さらに、潜熱蓄熱材を内包するマイクロカプセルのゴム材料への練り込み時間が6分を超えていることから、実施例17と比較して、潜熱蓄熱材の漏出が増えていた。
【0115】
実施例18の蓄熱性ゴム材料は、マイクロカプセルの皮膜を構成する樹脂が尿素ホルマリン樹脂またはメラミンホルマリン樹脂ではなく、かつ、潜熱蓄熱材を内包するマイクロカプセルのゴム材料への練り込み時間が6分を超えていることから、実施例2と比較して、潜熱量再現率A及びBが低かった。また、潜熱蓄熱材の漏出が極少々確認され、蓄熱性ゴム材料の変形等が少々確認された。
【0116】
実施例19の蓄熱性ゴム材料は、ゴム材料がポリウレタン系ゴムであり、かつ、潜熱蓄熱材を内包するマイクロカプセルをゴム材料へ練り込んだ後の加熱温度が160℃を超えていることから、実施例3と比較して、潜熱量再現率A及びBが低かった。また、潜熱蓄熱材の漏出が少々確認され、蓄熱性ゴム材料の変形等が少々確認された。実施例24の蓄熱性ゴム材料は、さらに、マイクロカプセルの皮膜を構成する樹脂が尿素ホルマリン樹脂またはメラミンホルマリン樹脂ではないことから、実施例19と比較して、潜熱量再現率A及びBが低かった。
【0117】
実施例20の蓄熱性ゴム材料は、ゴム材料がポリウレタン系ゴムであり、かつ、潜熱蓄熱材を内包するマイクロカプセルのゴム材料への練り込み時間が6分を超えていることから、実施例4と比較して、潜熱量再現率A及びBが低かった。また、潜熱蓄熱材の漏出と蓄熱性ゴム材料の変形等が少々確認された。実施例25の蓄熱性ゴム材料は、さらに、マイクロカプセルの皮膜を構成する樹脂が尿素ホルマリン樹脂またはメラミンホルマリン樹脂ではないことから、実施例20と比較して、潜熱量再現率A及びBが低かった。
【0118】
実施例21の蓄熱性ゴム材料は、ゴム材料がポリウレタン系ゴムであり、かつ、マイクロカプセルの皮膜を構成する樹脂が尿素ホルマリン樹脂またはメラミンホルマリン樹脂ではないことから、実施例1と比較して、潜熱量再現率A及びBが低かった。また、潜熱蓄熱材の漏出と蓄熱性ゴム材料の変形等が少々確認された。
【0119】
実施例23の蓄熱性ゴム材料は、ゴム材料がポリウレタン系ゴムであり、潜熱蓄熱材を内包するマイクロカプセルのゴム材料への練り込み時間が6分を超えていて、かつ、練り込んだ後の加熱温度が160℃を超えていることから、実施例2と比較して、潜熱量再現率A及びBが低かった。また、潜熱蓄熱材の漏出と蓄熱性ゴム材料の変形等が少々確認された。
【0120】
比較例1〜19の蓄熱性ゴム材料は、潜熱蓄熱材が、融点35℃以上のパラフィン、融点45℃以上の高級アルコール、融点が30℃以上の一般式(I)で表されるエステル化合物、融点が2℃以上の一般式(II)で表されるエステル化合物の群から選ばれる化合物でないことから、実施例と比較して、潜熱量再現率A及びBが低く、潜熱蓄熱材が漏出しやすく、蓄熱性ゴム材料の変形等が大きくなる傾向が確認された。
【0121】
以上、本発明の蓄熱材を内包するマイクロカプセルを練り込んだ蓄熱性ゴム材料によれば、繰り返し使用された際に蓄熱性ゴム材料の蓄熱機能の低下が少なく、マイクロカプセル内包物である潜熱蓄熱材の漏出が少なく、ゴム材料が劣化したり、形状が変形したりすることが少ない蓄熱性ゴム材料を提供することができた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
潜熱蓄熱材を内包するマイクロカプセルとゴム材料とを含有してなる蓄熱性ゴム材料において、潜熱蓄熱材が、融点35℃以上のパラフィン、融点45℃以上の高級アルコール、融点が30℃以上の一般式(I)で表されるエステル化合物、融点が2℃以上の一般式(II)で表されるエステル化合物の群から選ばれる化合物であることを特徴とする蓄熱性ゴム材料。
【化1】

〔一般式(I)中、R1は炭素数16以上の炭化水素基、R2は炭素数1〜6までの炭化水素基を表す。〕
【化2】

〔一般式(II)中、R3は炭素数8以上の炭化水素基、R4は炭素数8以上の炭化水素基を表す。〕
【請求項2】
ゴム材料が、ニトリルゴム、イソプレンゴムまたはオレフィン系ゴムである請求項1記載の蓄熱性ゴム材料。
【請求項3】
マイクロカプセルの皮膜を構成する樹脂が、尿素ホルマリン樹脂またはメラミンホルマリン樹脂である請求項1記載の蓄熱性ゴム材料。
【請求項4】
蓄熱性ゴム材料が、潜熱蓄熱材を内包するマイクロカプセルをゴム材料に練り込むことで作製され、練り込み時間が6分以内である請求項1〜3のいずれか1項に記載の蓄熱性ゴム材料。
【請求項5】
蓄熱性ゴム材料が、潜熱蓄熱材を内包するマイクロカプセルをゴム材料に練り込み、次いで、加熱することで作製され、加熱温度が160℃以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載の蓄熱性ゴム材料。

【公開番号】特開2010−235709(P2010−235709A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−83433(P2009−83433)
【出願日】平成21年3月30日(2009.3.30)
【出願人】(000005980)三菱製紙株式会社 (1,550)
【Fターム(参考)】