蓋付き容器
【課題】実験用のプラスチック材製の蓋付き容器であって、下部に容器ベースを有する管状容器と、その上部に容器開口部および当該容器開口部の下部で内壁に封止領域と、蓋ベースおよび当該蓋ベースの内部から突出している栓を有する蓋を備え、当該蓋は、容器開口部から封止領域の密封位置に挿入され、回動可能に一体的に前記蓋と容器の2つの容器部分を接続するストラップヒンジと、前記蓋が密封位置に挿入されない少なくとも1箇所の保持位置で蓋を保持する保持デバイス。
【解決手段】当該保持デバイスは、少なくとも2つの係合手段を有し、一方の係合手段は容器2または蓋11に固定接続され、蓋11の回転軌道によって定められる回転平面に垂直に配置され、他方の係合手段は、前記ストラップヒンジ14.1、14.2の長手側に設定され、当該係合手段は、弾性的な補償運動を伴って保持位置まで蓋11を回転させることによって互いに係合可能する。
【解決手段】当該保持デバイスは、少なくとも2つの係合手段を有し、一方の係合手段は容器2または蓋11に固定接続され、蓋11の回転軌道によって定められる回転平面に垂直に配置され、他方の係合手段は、前記ストラップヒンジ14.1、14.2の長手側に設定され、当該係合手段は、弾性的な補償運動を伴って保持位置まで蓋11を回転させることによって互いに係合可能する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本発明は実験用のプラスチック製の蓋付きの容器に関する。
【背景技術】
【0002】
上述したタイプの蓋付き容器は、一般的に1ミリリットルまたは数ミリリットルまたは1ミリリットル以下の容量を有する。
【0003】
実験用のプラスチック製の周知の蓋付きの容器は、下部の管状容器は、容器ベースを有し、その内壁に封止領域を有する上部に容器開口および下方に容器開口を有する。蓋は、蓋ベースと、容器開口から封止領域の封止される位置に挿入される蓋ベースの内側から突出している栓を備える。蓋は、容器内で栓の締め付け力によって封止保持される。容器内に満たされたサンプル液の存在するアプリケーションは、加熱され、増加した蒸気圧を含む。例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法において、サンプルは、蓋付き容器内で例えば90℃以上に加熱される。栓の締付力のレベルは、十分な蒸気気密が保証され、増加した蒸気圧によって蓋が解除されないようにすべきである。栓を有する蓋を容器に圧入するために、大きな力に増大する必要がある。蓋を開けるために、ユーザは、蓋ベースの突出している下端を反対方向に確実に押圧しなければならない。
【0004】
EP0841093A2およびUS 5、863、791に開示されている上述したタイプの蓋付き容器は、容器および蓋が、ストラップヒンジを介して回動可能に一体的に接続されている。蓋は、側面に突出している蓋フランジから下向きに突出しているロックフックを有し、容器開口部に隣接した容器は、閉位置で係止したロックフックの後方にロックカムを有する。蓋を閉じたとき、強固なロックフックは、蓋フランジの弾性変形によってロックカムの後方にはまり、蓋は、閉位置に固定される。蓋を開けるために蓋フランジが上向きに湾曲し、ロックフックがロックカムから解除されるように、ユーザは蓋フランジを押し上げなければならない。この目的で、ロックフックとロックカムは、わずかな重なりを有するだけである。
【0005】
蓋付き容器は、略180°まで容器開口から開いて回動された初期位置と閉位置の間の中間位置の容器開口部上で蓋を安定させる支持デバイスを有する。
【0006】
蓋付き容器の一実施形態において、ヒンジストラップの間に2本の平行したフォーク刃先が容器フランジから伸び、それの間にヒンジストラップに平行する間隙が形成される。フォーク刃先は、ラッチエッジを有する。ラッチラグは、間隙によって正しい位置に位置合わせされ、その先端が蓋フランジに接続され、そのベースは両側にラッチ突起を有する。ラッチラグは、蓋フランジに垂直なラッチ突起によって正しい位置に位置合わせされる。蓋が容器開口部の方向に曲げ下ろされた場合、ラッチラグは、フォーク刃先の間のギャップに入り込み、当該フォーク刃先が僅かに離れたラッチ突起に圧入する。ラッチ突起が、フォーク刃先のラッチエッジの下を通過するとき、当該フォーク刃先は、僅かに一緒にはまり込む。その後に蓋が解除される場合、ラッチ突起は、ラッチエッジによって制止され、蓋が枢支された位置に達して安定する。
【0007】
更なる態様において、支持デバイスは、前記容器フランジの平面から上向きに突出するフックとして形成されたラッチラグを備える。前記ラッチラグは、2本の平行なヒンジストラップの曲げやすい中央位置の間に配置される。蓋フランジは、その回転平面に垂直で正しい位置に配置されるヒンジストラップの間にラッチエッジを有する。蓋を閉方向に折り曲げるとき、ラッチラグおよび/またはヒンジストラップの柔軟性は、ラッチエッジが当該ラッチラグの終端を乗り越えられるようにする。中央部分の反発力によって蓋が開放される場合、容器が開放されるこの安定した回転位置を維持するように、蓋はラッチラグに抗して押圧される。容器を閉じるために、蓋は、再び閉方向に回転され、ロックカムの後方でロックフックにはめ込まれる。
【0008】
更なる態様において、2本の平行したヒンジストラップは、容器フランジと蓋フランジの間にも配置され、当該ヒンジストラップの柔軟性が枢軸の狭い規定された領域に実質的に集中する。容器フランジおよび蓋フランジは更なるヒンジストラップによって接続され、それはヒンジストラップの間に配置される。更なるヒンジストラップは、一端で容器フランジと接合し、その他端で蓋フランジとの接合を有する。ヒンジストラップの2つの接合は、弾性によって引っ張ることが可能なように他の部分に比して薄い構成である。蓋付き容器を射出成形した後に、蓋は、容器開口部から略180°後方に曲げられている。この初期位置において、更なるヒンジストラップは、引っ張られていない。蓋が現在枢軸周りに折り曲げられる場合、接合間の距離は増加し、更なるヒンジストラップは、回転軸に配置されるまで、僅かな弾性をもって引っ張られ、それによって蓋が容器に対して回転可能になる。その後、蓋が閉方向に回転される場合、更なるヒンジストラップは、初期長さに達するまで、再び僅かに縮む。これは、容器開口部に対して蓋が略90°の位置にある場合である。この安定した枢支された位置において、蓋は、更なるヒンジストラップによって容器に対して安定する。蓋が更に折り曲げられる場合、更なるヒンジストラップは外側へと曲げられる。蓋が閉じるときに、ラッチカムと協働するラッチフックは、蓋が開くのを防止する。ロックを解除した後に、蓋は、その安定した枢支された位置または初期位置に再び戻ることが可能である。
【0009】
US5、358、130には、投与する間、蓋を開いたまま保持するデバイスを備えた一体成形容器栓が開示されている。当該栓は、容器と蓋に接続するための手段を有するキャップを備える。蓋は、キャップへの継手を介して接続される支持アームに接続されている。蓋が閉じるときに、支持アームは、キャップから上向き突出する2個の突起の間に伸びる。容器が傾けられるとき、突起と係合して開位置で蓋を保持するように、支持アームの側面から必要な大きさに突出している細長いリブがある。蓋が閉位置に持ち込まれる場合、リブは、突起の間を通過するように変形する。突起は、蓋が閉位置にあるとき、接触のないリブを受けるレシーバを有する。
【0010】
EP1731443A1、US 3,934,722、US 5,270,011、US 5,674,456、US6,398,067 B1およびWO 95/13137 A1による蓋付き容器において、蓋は、ヒンジストラップを介して容器に一体的に接続されている。
【0011】
【特許文献1】欧州特許公報EP 0 841 093 A2および米国特許出願公開公報US 5、863、791
【特許文献2】米国特許出願公開公報US 5、358、130
【特許文献3】欧州特許出願公開公報EP 1 731 443 A1
【特許文献4】米国特許出願公開公報US 3,934,722
【特許文献5】米国特許出願公開公報US 5,270,011
【特許文献6】米国特許出願公開公報US 5,674,456
【特許文献7】米国特許出願公開公報US6,398,067 B1
【特許文献8】国際公開第WO 95/13137 A1
【特許文献9】米国特許出願公開公報US6,398,067 B1
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、上記特許文献1の場合、例えば内圧が容器内で上昇したとき、ロックフックは、ロックカムから不注意にも解除されることがある。蓋が開けられるとき、ロックフックは、ロックカムから急に解除されることがあり、その結果、液体サンプルが容器から噴き出す。
【0013】
また、精巧なフォーク刃先を射出成形する間、それらのサイズにより換気するための流路端を形成することが困難であるといった欠点である。流路の終端のエアーは、不完全なフォーク刃先の形成を招く。しかしながら、完全なフォーク刃先の形成は、上記の枢支された位置のために必要である。
【0014】
また、ヒンジストラップの柔軟性のため、中間位置の範囲にあることが困難であるという欠点である。蓋を閉方向に回転させたとき、ユーザが蓋フランジの外縁に対して上側から押圧する場合、ヒンジストラップの柔軟性のため、ユーザは蓋を下向きに移動させる。その結果、ラッチエッジは、下位置でラッチラグと接触し、大きい力を消費することによってラッチラグの終端上を押圧されることが可能になるだけである。
【0015】
また、蓋の開位置の安定性は、ストラップ部分の反発力に依存するといった欠点が両方の実施態様にある。例えば、蓋の開閉の繰り返しまたは容器の加熱および/または冷却により、反発力が低下される場合、蓋は所定の中間位置から不注意に外側に移動したり、完全または部分的に容器開口部を閉じたりすることがある。これは、蓋付き容器の充填を損ない空にする。
【0016】
さらに、この発明の封止カラーを容器開口部にもたらすときに、枢軸の狭く規定された領域のため、ヒンジストラップがいずれにも補償運動しないことが、当該蓋付き容器を有する欠点である。その結果、蓋を閉じるのが困難である。しかしながら、ヒンジストラップの曲げやすい中央位置を有する例示的実施形態において、曲げやすい当該中央位置は、容器に封止カラーの同軸の挿入を単純化する補償運動を可能にする。
【0017】
特許文献2の場合、容器栓において、開位置で蓋を保持するクランプは、不十分にされおよび/または開閉および/または加熱および/または冷却を繰り返すと、蓋は、確実に開放したままに保てない。
【0018】
特許文献3から9の場合、これらの蓋付きの容器は、規定の回転位置に蓋を保つための支持デバイスを備えていない。
【0019】
この事情に鑑みて、本発明は、少なくとも1カ所で蓋を確実に保持することが可能であり、当該蓋が容器を閉じない実験用のプラスチック製の蓋を提供すること目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
この目的は、請求項1の特徴を有する蓋付き容器によって達成される。蓋付き容器の有利な実施態様は、下位の請求項に設けられている。
【0021】
実験用のプラスチック製の蓋付き容器であって、
下部に容器ベースを有する管状容器と、その上部に容器開口部および当該容器開口部の下部で内壁に封止領域と、
蓋ベースおよび当該蓋ベースの内部から突出している栓を有する蓋を備え、当該蓋は、容器開口部から封止領域の密封位置に挿入され、
回動可能に一体的に前記蓋と容器の2つの容器部分を接続するストラップヒンジと、
前記蓋が密封位置に挿入されない少なくとも1箇所の保持位置で蓋を保持する保持デバイスであり、当該保持デバイスは、少なくとも2つの係合手段を有し、一方の係合手段は容器または蓋に固定接続され、蓋の回転軌道によって定められる回転平面に垂直に配置され、
他方の係合手段は、前記ストラップヒンジの長手側に設定され、当該係合手段は、弾性的な補償運動を伴って保持位置まで蓋を回転させることによって互いに係合可能にする。
【0022】
本発明の蓋付き容器において、容器および蓋は、周知の方法のストラップヒンジを介して一緒に回動可能に接続される。ストラップヒンジは、1つ以上のヒンジストラップを備え、少なくとも部分的に曲げやすい。ストラップヒンジは、フィルムヒンジと類似しているが、その長手方向のより長い領域を通じて曲げやすくてもよい。補償運動ができるように、長手方向の少なくとも1つの領域において曲げやすい少なくとも1つのヒンジストラップを有するストラップヒンジは、円筒容器の容器開口部への栓の挿入を単純化する。
【0023】
さらにまた、蓋付き容器は、蓋が容器を閉じない少なくとも1つの保持位置で容器に対して蓋を保持可能な保持デバイスを備える。保持位置において、蓋は、封止領域の密封位置に栓が挿入されない。保持位置で蓋を保持するために、容器または蓋は、軸係合手段に接続されている。軸係合手段は、蓋の回転軌道によって定義される回転平面に垂直で正しい位置に置かれる。他の係合手段は、ストラップヒンジの長手側に形成される。蓋を回転するとき、ストラップヒンジの長手側に形成される軸係合手段と係合手段が互いに接触する場合、補償運動は、互いに係合手段が通過移動し、保持位置での係合を可能にする。弾性的な補償運動は、例えば、軸係合手段の弾性変形および/またはストラップヒンジの横方向の偏位からなる。保持位置への蓋の回転は、蓋が回転する回転軌道とは無関係である。栓を容器に簡単に挿入するために、蓋の回転軌道は、柔軟性のあるストラップヒンジを介して容器に接続されるので変更可能であり、正確に規定された回転軸との接合を介していない。蓋の回転軌道は、特にユーザによる蓋への押圧力のレベル、方向および作用位置によって決定される。本発明の蓋付き容器において、これは、保持位置に蓋を到達させるのに力をかなり増加させても影響がない。
【0024】
材料の節約のために、軸係合手段は、ストラップヒンジに形成されることに付加的な効果がある。蓋は、ストラップヒンジの反発力によって、保持位置に保持される。蓋が保持位置に回転する場合、ストラップヒンジは、弾性変形する。このように、ストラップヒンジの反発力は、互いに係合して保持位置で係合手段を保持し、蓋が不注意に回転して閉じるのを防止する。
【0025】
本発明の蓋付き容器は、射出成形技術によってとりわけ有効になる。つまり、型にプラスチック材料を満たすとき、互いに係合をもたらす機能的な領域は、当該プラスチック材料を満たすべき最後となる流路端が存在しないので、その部分に集まるエアーは、型の換気によって除去することが可能になる。その結果、保持位置を維持するために重要な機能的な領域を、射出成形によってとりわけ容易かつ正確に作成することができる。
【0026】
一実施態様によれば、支持体は、1つの容器部分からその側面上に突出して配置された軸係合手段を備え、当該軸係合手段に係合する少なくとも1つの軸係合手段は、支持体に隣接するストラップヒンジの長手側に形成されている。
【0027】
更なる実施態様によれば、支持体は、蓋の回転平面に平行に伸びる側面を有するディスク形であり、その両面は、軸係合手段を構成する。好ましくは、支持体は、ヒンジストラップの間に当該支持体を受ける2本の平行なヒンジストラップを有するストラップヒンジと協働する。
【0028】
更なる実施態様によれば、支持体上の軸係合手段は、少なくとも1つのラッチ受および/または蓋の回転平面に垂直で正しい位置に置かれるラッチ突起を備える。
【0029】
更なる実施態様によれば、軸係合手段は、ストラップヒンジの少なくとも1つの長手側に少なくとも1つの肩部を備える。蓋を回転させるとき、肩部は、ラッチ受との係合および/または支持体のラッチ突起との係合をもたらすことができる。
【0030】
更なる実施態様によれば、軸係合手段は、長手側に少なくとも1つのストラップヒンジの一端と支持体の少なくとも1つのラッチ突起を備える。支持体のラッチ突起は、長手側のストラップヒンジのエッジとの係合をもたらすことが可能である。
【0031】
その目的は、請求項7の特徴を有する蓋付き容器によって、更に達成される。
【0032】
実験用のプラスチック材製の蓋付き容器であって、
下部に容器ベースを有する管状容器と、その上部に容器開口部および当該容器開口部の下部で内壁上の封止領域と、
蓋ベースおよび当該蓋ベースの内部から突出している栓を有する蓋を備え、当該蓋は、容器開口部から封止領域の密封位置に挿入され、
回動可能に一体的に前記蓋と容器の2つの容器部分を接続するストラップヒンジと、
前記蓋が密封位置に挿入されない少なくとも1箇所の保持位置で蓋を保持する保持デバイスであり、当該保持デバイスは、少なくとも2つの係合手段を有し、
一方の係合手段は容器に固定接続され、他方の係合手段は蓋に固定接続され、
放射係合手段である当該係合手段は、前記蓋の回転軌道に対して放射状に配置され、
一方の容器部分の側面から突出しているディスク形の支持体およびそのエッジは、少なくとも一個の放射状係合手段を有し、
放射状係合手段は、他方の容器部分の側面から突出している柔軟性および弾力性を有する突起として構成されて係合し、前記係合手段は、弾性的な補償運動を伴って保持位置まで蓋を回転させることによって互いに係合可能する。
【0033】
本発明の蓋付き容器において、容器および蓋は、周知の方法のストラップヒンジを介して一緒に回動可能に接続される。ストラップヒンジは、1つ以上のヒンジストラップを備え、少なくとも部分的に曲げやすい。ストラップヒンジは、フィルムヒンジと類似しているが、その長手方向のより長い領域を通じて曲げやすくしてもよい。少なくとも1つの領域で長手方向に曲げやすい少なくとも1つのヒンジストラップを有するストラップヒンジは、補償運動が可能なように、円筒形容器の容器開口部への栓の挿入を簡単にする。
【0034】
さらにまた、蓋付き容器は、蓋が容器を閉じない少なくとも1つの保持位置で容器に応じて蓋を保持することが可能である保持デバイスを備える。当該保持位置において、蓋は、封止領域の密封位置に栓が挿入されない。保持位置で蓋を保持するために、蓋および容器は、放射状係合手段に固定接続されている。係合手段は、蓋の回転軌道に放射状に正確に位置合わせてされている。ディスク形の支持体は、一方の容器部分から突出し、そのエッジは、少なくとも一つの放射状係合手段を有する。他の容器部分の側面から突出している柔軟性および弾力性を有する突起とともに放射状係合手段は、係合をもたらす。蓋を回転するとき、支持体の放射状係合手段および柔軟性および弾力性のある突起が接触する場合、弾性的な補正運動は、互いに通過移動し、保持位置で互いに係合をもたらす係合手段と突起により可能にされる。弾性的な補償運動は、例えば、柔軟性および弾力性を有する突起による弾性変形および/または回転平面におけるストラップヒンジの偏位からなる。保持位置に蓋を回転させることは、ユーザによる作動とは無関係である。これは、突起および/またはストラップヒンジの柔軟性および反発力に基づく。このように、突起は、支持体のエッジに沿って案内される。その結果、蓋を閉じるために、ユーザが蓋に作用させる力のレベル、方向および作用位置に係わりなく、蓋の回転軌道は、その回転移動の最初の領域において決定される。本発明の蓋付き容器において、ユーザによる力の行使は、保持位置に蓋を到達させるのに力をかなり増加させても影響がない。
【0035】
有利な実施態様によれば、請求項7による蓋付き容器は、請求項1から6の少なくとも1つの蓋付き容器の特徴を有する。
【0036】
一実施態様によれば、蓋を閉める方向に回転するとき、突起が支持体のエッジで低摩擦を生じるように、支持体は面取りされている。
【0037】
更なる実施態様によれば、複数のラッチ受が、蓋の回転軌道の方向に支持体のエッジに連続して配置される。これは、蓋が異なる選択可能な保持位置に係合することを可能にする。
【0038】
この目的は、請求項13の特徴を有する蓋付き容器によっても達成される。
【0039】
実験用のプラスチック材製の蓋付き容器であって、
下部に容器ベースを有する管状容器と、その上部に容器開口部および当該容器開口部の下部で内壁上の封止領域と、
蓋ベースおよび当該蓋ベースの内部から突出している栓を有する蓋を備え、当該蓋は、容器開口部から封止領域の密封位置に挿入され、
回動可能に一体的に前記蓋と容器の2つの容器部分を接続するストラップヒンジと、
前記蓋が密封位置に挿入されない複数の保持位置で蓋を保持する保持デバイスであり、
前記保持デバイスは、一方の容器部分に固定接続される一方の係合手段と他方の容器部分またはストラップヒンジに固定接続される他方の係合手段の複数個の係合手段を有し、
前記蓋の回転方向に連続して配置された一連の1つの係合手段に固定接続される少なくとも一方の容器部分および他方の前記係合手段は、弾性的な補償運動を伴って蓋が回転することによっていくつかの選択可能な保持位置の1箇所と係合を可能にする。
【0040】
本発明の蓋付き容器において、容器および蓋は、周知の方法のストラップヒンジを介して一緒に回動可能に接続される。ストラップヒンジは、1つ以上のヒンジストラップから成り、少なくとも部分的に曲げやすい。ストラップヒンジは、フィルムヒンジと類似しているが、その長手方向のより長い領域を通じて曲げやすくてもよい。長手方向において少なくとも1つの領域で曲げやすい少なくとも1つのヒンジストラップを有するストラップヒンジは、補償運動が可能なように、円筒形容器の容器開口部への栓の挿入を簡単にする。
【0041】
さらに、蓋付き容器は、蓋が容器を閉じない複数の保持位置で容器に対して蓋を保持可能にする保持デバイスを備える。保持位置において、蓋は、封止領域の密封位置に栓が挿入されない。異なる保持位置に蓋を保持するために、少なくとも1つの容器部分は、蓋の回転方向に連続して配置される一連の1つの係合手段に固定接続している。少なくとも1つの更なる係合手段は、他の容器部分に接続している。蓋を回転するとき、一方の係合手段と他方の係合手段が互いに係合する場合、弾性的な補償運動は、互いに通過移動し、保持位置で互いに係合する係合手段により可能にされる。係合手段が互いに十分に係合し、所望の保持位置に蓋を保持するまで、ユーザは、蓋を閉じる方向に回転させることができる。このように、ユーザは、異なる選択可能な保持位置を得ることができる。それぞれの保持位置において、蓋は、互いに係合して係合手段を保持するストラップヒンジの反発力によって保持可能である。
【0042】
有利な実施態様によれば、請求項13の蓋付き容器は、請求項1から12の少なくとも1つの特徴を備える。
【0043】
さらにまた、その目的は、請求項15の蓋付き容器によって達成される。
【0044】
実験用のプラスチック材製の蓋付き容器であって、
下部に容器ベースを有する管状容器と、その上部に容器開口部および当該容器開口部の下部で内壁上の封止領域と、
蓋ベースおよび当該蓋ベースの内部から突出している栓を有する蓋を備え、当該蓋は、容器開口部から封止領域の密封位置に挿入され、
回動可能に一体的に前記蓋と容器の2つの容器部分を接続するストラップヒンジと、
前記蓋が密封位置に挿入されない少なくとも1箇所の保持位置で蓋を保持する保持デバイスであり、
少なくとも2個の係合手段を有し、
一方の係合手段は、前記容器に固定接続されており、
他方の係合手段は、前記蓋に固定接続されており、
前記保持位置に入り込んだ蓋を回転させることにより互いに積極的に係合をもたらす前記係合手段は、弾性的な補償運動を伴い、
前記蓋は、保持位置から外れる方向への回転が防止され、当該蓋は、弾性的な補償運動を伴わない。
【0045】
本発明の蓋付き容器において、容器および蓋は、周知の方法のストラップヒンジを介して一緒に回動可能に接続される。ストラップヒンジは、少なくとも部分的に曲げやすい1つ以上のヒンジストラップを備えることができる。ストラップヒンジは、フィルムヒンジと類似しているが、その長手方向により長い領域を通じて曲げやすくしてもよい。補償運動が可能なように、長手方向の少なくとも1つの領域に曲げやすい少なくとも1つのヒンジストラップを有するストラップヒンジは、円筒容器の容器開口部への栓の挿入を単純化する。
【0046】
さらに、蓋付き容器は、蓋が容器を閉じない保持位置で容器に対して蓋を保持可能にする保持デバイスを備える。したがって、その保持位置において、蓋は、封止領域の密封位置に栓が挿入されない。蓋が保持位置にあるとき、互い積極的に係合する係合手段を備えるので、保持デバイスは、保持位置で蓋を確実に保持する。
【0047】
この積極的な係合は、すなわち、閉方向および開方向の両回転方向に蓋を回転させるのを防止する。その結果、本発明の蓋付き容器は、停止位置で蓋の保持を必要とする永続的な反発力を有するストラップヒンジに依存しない。本発明の蓋付き容器において、蓋を回転させるときに互いに積極的な係合を係合手段にもたらすために、わずかな弾性的な補償運動のみが必要とされる。この弾性的な補償運動の間、係合手段は、互いに積極的な係合をもたらすことが可能な初期位置に回転させるために、互いから僅かに離間移動する。この初期位置において、係合手段は、それらの反発力のため、それらのおおよそ元の形状になり、積極的な係合が生じる。積極的な係合によって、蓋は、このように保持位置において確実に保持される。上述した従来技術とは対照的に、これは高い反発力に依存しない。必要な反発力は、すなわち蓋全体を停止するのに固定する必要はなく、その停止から離れる自由回転を防止する必要がない。蓋を回転させるときに、補償運動は、接触をもたらす係合手段の外形によって制御することができる。
【0048】
保持位置から単に回転するだけで蓋を解除することはできない。したがって、その代わりに弾性的な補正運動が必要とされる。特定の最小限の力が蓋に作用するとき、蓋が保持位置から離れるように、係合をもたらす係合手段の外形を設計することができる。その結果、保持位置から不注意に逸脱することが回避される。
【0049】
有利な実施態様において、請求項15の蓋付き容器は、請求項1から14の少なくとも1つの容器の特徴を備える。
【0050】
容器開口部が、投与先端(例えばピペット先端部材)を挿入するために空いているよう、保持位置が選択可能な本発明の全ての蓋付き容器に適用される。このように、蓋付き容器は、充填排出プロセスを単純化し、実験室の作業手順を改善するのに貢献する。蓋付き容器は、特に、液体を取り扱う計量工程または作業工程において自動充填排出するのに適している。さらに、保持位置において、蓋が容器開口部と通じて平坦な角度に蓋ベースに位置合わせされたとき、蓋付き容器は、開状態でコンパクトに格納することができる。
【0051】
容器に対して任意の位置に蓋を保持し、蓋の閉位置にないように保持位置を選択することができる。好ましくは、保持位置において、蓋は閉位置から略45〜135°の角度にある。保持位置において、蓋が閉位置から略80〜110°の角度であることが更に好ましい。保持位置で、蓋が閉位置から略90〜100°の角度であることがより一層に好ましい。好ましくは、蓋は、閉位置から略95°の角度であり、特により小さい容器に取り付けられる(例えば2.0ml以下)。より大きな容器(例えば、2.0ml以上)には90°の角度が好ましい。
【0052】
以下の実施態様は、上記のすべての発明にあてはまる:
原則として、ストラップヒンジおよび/または係合手段は、容器および/または蓋の基本的な材料から成ることも可能である。弾性的な補償運動を確実にするように、ストラップヒンジおよび/または係合手段の設計は、反発力によって影響される。さらに、ストラップヒンジおよび/または係合手段用に特定の材料を使用することが可能であり、それは充分な弾性のある補償運動を提供する。
【0053】
好ましい実施形態によれば、ストラップヒンジは、いずれの場合においても、蓋が容器に接続する2本の平行したヒンジストラップを備えている。2本のヒンジストラップは、少なくとも一部分が曲げやすくなっている。ヒンジストラップが一部分だけ曲げやすい場合、曲げやすい当該部分は、ヒンジストラップの長手方向に同じ距離以上に伸びる。複数本の平行したヒンジストラップは、回転する間に回転平面内の単一のヒンジストラップより良好に蓋を案内する。ヒンジストラップは、特に、容器に対する蓋のねじれを防止することができる。
【0054】
更なる実施態様によれば、支持体は、蓋の回転平面と平行して伸びる側面を有するディスク形であり、両側面に放射状係合手段を備えている。好適な実施の形態によれば、放射状係合手段は、蓋の回転軌道に放射状に開放し、蓋の回転平面に垂直なラッチ受を備える。支持体を有する蓋付き容器のこの実施態様は、スライドのない射出成形ツールを使用して蓋付き容器の射出成形を促進し、それは蓋付き容器を型抜きするための単一軸に沿って分離される。
【0055】
更なる実施態様によれば、支持体のエッジは、面取りされている。支持体の面取りは、ユーザの手袋への損傷を防止する。この目的で、係合手段と隣接する構造物の間の面取りされた移行も有効である。支持体の隣接領域からラッチ受の面取りされた移行および/または面取りされたラッチ突起および/または面取りされたラッチエッジにも有効である。
【0056】
さまざまな保持位置は、要求に応じて保持位置に多少大きく開けて蓋を固定することができる。
【0057】
更なる実施態様によれば、容器開口部に隣接した容器は、栓用の容器の上部エッジおよびそれより下で封止領域の方に広がっている挿入領域を有する。その結果、蓋付き容器の閉鎖は、単純化される。
【0058】
更なる実施態様によれば、栓は中空円筒状である。その結果、栓はとりわけ曲げやすく、蓋付き容器の開閉動作は、更に単純化される。
【0059】
更なる実施態様によれば、栓は外周に周縁密封ビードを備えている。その結果、蓋付き容器の蒸気緊張は改善される。
【0060】
更なる実施態様によれば、蓋付き容器は、射出成形によって作製することができる。
【0061】
本発明の蓋付き容器は、1つ以上のプラスチック材から作製される。一実施態様によれば、蓋付き容器は、全体として弾力のあるプラスチック材から作製される。
【0062】
更なる実施態様によれば、蓋付き容器は、1つ以上のポリオレフィンから作製される。好ましくは、蓋付き容器は、ポリプロピレンおよび/またはポリエチレンから成る。US 2003/0102323 A1に開示されているように、より堅くおよびより曲げやすい部分から成る異なるプラスチック材でできている栓を有する蓋付き容器を製造することも可能であり、これを参照して本発明に取り入れられる。蓋付き容器は、特にマルチコンポーネント射出成形処理によって製造することができる。
【0063】
本発明は、例示的実施形態の図面に基づいて更に詳細に以下に記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明における蓋付き容器の閉状態を示す側面である。
【図2】閉じられた蓋付き容器を示す縦断面図である。
【図3】図3(a)は蓋を閉じた状態の蓋付き容器の斜視図、図3(b)は図3(a)のb部分の詳細拡大図である。
【図4】蓋を閉じた状態の蓋付き容器の蓋ラッチを示す部分拡大縦断面図である。
【図5】蓋ラッチが閉じられた状態を示す斜め下から見た部分斜視図である。
【図6】図6(a)は蓋を開けた状態の蓋付き容器を示す側面図、図6(b)はその平面図、図6(c)は図6の部分(b)の詳細拡大図である。
【図7】図7(a)は蓋を開けた状態を示す斜視図、図7(b)は図7(a)の部分bの拡大詳細図である。
【図8】図8(a)は中間位置でロックされた蓋を有する蓋付き容器を示す斜視図、図8(b)は図8(a)の部分bの拡大詳細図である。
【図9】図9(a)は中間位置でロックされた蓋を有する蓋付き容器を示す側面図、図9(b)は図9(a)の部分bの拡大詳細図である。
【図10】ラッチ係合プロセスの開始時の蓋の係合動作を示す拡大部分縦断面図である。
【図11】ラッチ係合プロセスの完了前の蓋の係合動作を示す拡大部分縦断面図である。
【図12】蓋の係合解除を示す斜め下から見た斜視図である。
【図13】開状態にある蓋付き容器の放射状係合手段を備えた更なる保持デバイスを有するストラップヒンジを示す上斜め横から見た拡大斜視図である。
【図14】閉状態にある蓋付き容器のストラップヒンジを示す斜視図である。
【図15】蓋付き容器の軸係合手段を備えた更なる保持デバイスを有するストラップヒンジを示す上斜め横から見た拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0065】
以下の異なる実施形態の説明において、対応する部分は、同じ引用符号を付すに留める。
【0066】
本出願において、「上面」および「下面」と同様に「上部」および「底部」の称呼は、垂直に位置合わせされた管状容器、その底部に容器ベース、その上部に蓋を配置し当該蓋が閉状態の蓋付き容器の配置に基づく。
【0067】
図1から12の蓋付き容器1.1は、断面円形状の管状容器2、その上部に中空の円筒部分3およびその下部に円錐部分4を備える。容器2の真下に椀形ベース5を有する。容器2の上部は、容器開口部6を有する。容器は、中空の円筒部分3のその下に下向き先細りのテーパ状の挿入領域7およびその下に円形の円筒状の封止領域8を有する。
【0068】
容器2は、円形ディスク形に外向き放射状に突出する周縁フランジ9.1を上部エッジに有する。ラッチ突起9.2は、フランジ9.1に形成されている。
【0069】
容器2の周縁フランジ9.1の下に一連の刃状の突起10.1が任意に配置されており、当該突起10.1は容器ホルダのエッジ上を支持する機能を有する。
【0070】
蓋11を有する蓋付き容器は、蓋ベース12および当該蓋ベース12から下向きに突出した栓13を備える。栓13は、中空の円筒状栓部13.1を有する。栓部分13.1の下端で、栓は外向きに突出している密封ビード13.2を備えている。
【0071】
蓋ベース12は、栓13の上側に全体的に突出している。蓋ベース12は、略楕円外形12.1を有する。楕円外形12.1の主軸の方向の蓋ベース12の範囲は、楕円外形12.1の補助軸と平行して伸びる2つの略まっすぐな蓋エッジ12.2、12.3によって定義される(図6(b))。
【0072】
蓋ベース12の外部エッジは、容器2の上部エッジにヒンジストラップ14を介して接続される。ヒンジストラップ14は、それよりも長いまっすぐな蓋エッジ12.2に接続している。ストラップヒンジ14は、互いに離間した2本の平行なヒンジストラップ14.1,14.2で構成されている(図8)。いずれの場合にもおいても、ヒンジストラップ14.1,14.2は、容器2の上部エッジに接続されたより堅い第1部分14.11、14.21と、当該第1部分に隣接して蓋ベースの外部エッジに接続されたより堅い第2部分14.13,14.23を有する。
【0073】
好ましくは、ヒンジストラップ14.1、14.2は、射出成形によって一体的に容器部分に接続される。
【0074】
ヒンジストラップ14.1、14.2は、可撓部分14.12、14.22とより堅い第2部分14.13、14.23の間の内側に、軸係合手段を形成する肩部15.1、15.2を有する(図6(b)、図6(c))。ヒンジストラップ14.1、14.2の間には、V字形状のラッチ受16.1、16.2が、容器の側面から突出している支持体17の両側に配置されている。いずれの場合においても、V字形状のラッチ受16.1、16.2は、隣接するヒンジストラップ14.1、14.2側に上部開口を有する。これら開口は、蓋11の回転軌道の半径方向に応じた受エッジ16.11、16.12、16.21、16.22によって定義される。ラッチ受は、更に軸係合手段を構成する。
【0075】
支持体17は、容器エッジから放射状に突出する支持部17.1が備えられている。支持部17.1は、上部に細いディスク形あるいはリブ形の支持部17.2を担持する。ディスク形の支持部17.2は、ラッチ受16.1、16.2を有する平坦な両外側面17.3、17.4を備えている(図6)。ディスク形の支持部17.3の上部エッジ17.5は、面取りされている。
【0076】
フィルムヒンジ14の反対側には、栓13を通じて側面から突出している蓋ベース12の一部に蓋突起18が形成されている。蓋突起18は、蓋ベース12の外縁向きに先細りになっている。蓋突起18は、それよりも短いまっすぐな蓋エッジ12.3によって定義される。ラッチデバイス19は、蓋突起18の下に配置される。
【0077】
ラッチデバイス19は、可撓性フラップ20を備え、その上部が蓋突起18の下面に接続されている。フラップ20は、2本の平行したフラップストリップ20.1、20.2から成り、それは互に離間されている。フラップストリップ20.1、20.2は、側面から外向きに突出するプレート形のボタン21を介してその下端で一緒に接続されている。ボタン21より上のフラップストリップ20.1、20.2に、凹部22が設けられている。凹部22は、ボタン21の内側上部エッジにより底部に定められる。このエッジは、ラッチエッジ23を形成する。ボタン21は、その内側のラッチエッジの下側に放射状の構造物に面取りを有する。
【0078】
図4および図5に示されるように、偏位のない状態で、ボタン21は、それに適合および/またはわずかに大きな蓋突起18の蓋凹部22の下に配置される。その結果、1回の射出成形プロセスで完全に揃った蓋付き容器1.1の一体的な製造は、単一のツールによって可能にされる。
【0079】
図4および図5によれば、閉状態の蓋11は、容器2に係合される。この係合は、ラッチ突起9.2を形成する刃状の突起10.1のない領域の下方で係合するラッチエッジ23によって達成される。上部のラッチ突起9.2は、放射状構造物27およびその下の面取り28を有する。
【0080】
射出成形することによって、蓋付き容器1.1は、図6および図7に示される開放配置で製造される。アンダーカットのない形状のため、蓋付き容器1.1は、スライドのない単一の射出成型によって製造することができる。それによってツール部分は、型抜き用の一軸に沿って移動させるだけである。
【0081】
蓋11は、図6および図7に示される開位置から閉じ方向に回転させることにより閉じることができる。この目的で、ユーザは、蓋ベース12の外側の表面を押圧する。図8および図9に基づく中間位置において、蓋11は、ラッチ受16.1、16.2の肩部15.1、15.2を無理矢理に押し込むことによって係止可能である。この場合、横外方および後方への肩部15.1、15.2の偏位は、肩部15.1、15.2およびストリップ領域14.12、14.22の柔軟性によって可能にされる。肩部15.1、15.2がラッチ受16.1、16.2の領域に入るとすぐに、肩部15.1、15.2およびストリップ領域14.12、14.22の反発力により、それらはラッチ受16.1、16.2に入る。この保持位置において、肩部は受エッジ16.11、16.21の後方を係合し、蓋11は、ヒンジストラップ14.1、14.2の反発力によってこの保持位置において保持される。
【0082】
完全に蓋を閉じるために、ユーザは、蓋ベース12の外側の表面を再び押圧する。その結果、蓋11は、保持位置から閉方向に回転する。このように、肩部15.1、15.2は、ラッチ受16.1、16.2の開口部から出て、受エッジ16.12、16.22と接触しない。あるいは、肩部15.1、15.2が閉方向に回動する領域およびラッチ受16.12、16.22が肩部15.1、15.2を積極的に受ける領域に位置するように、受エッジ16.1、16.2を配置することができる。この目的で、閉方向に蓋11を回転させるために、それらの柔軟性を利用することにより、肩部15.1、15.2は、ラッチ受16.1、16.2から圧入しなければならない。
【0083】
ユーザの手袋に損傷を与える鋭いエッジを何ら形成しないようにラッチ受16.1、16.2は、十分に面取りされる。
【0084】
支持体17が、ユーザの手袋に損傷を与えないように、ディスク形の支持部17.2の上部エッジ17.5は面取りされる。
【0085】
蓋11は、容器開口部6に栓13を枢支する。それは拡張された挿入領域7によって容易にされる。それから、密封ビード13.2は、封止領域8に嵌入される。したがって、図10に示すように、その放射状構造物25を有するボタン21は、ラッチ突起9.2の放射状構造物27と接触する。さらに、蓋11を押圧して閉じるとき、フラップ20は側面を外向きに偏位させる。フラップ20の柔軟性およびボタン21およびラッチ突起9.2の面取り24、28は、わずかな力の消耗を必要とする。ラッチエッジ23がラッチ突起9.2に到達するとき、フラップ20は、容器2の方へとはね返り、ボタン21の内側縁部がラッチ突起9.2の下に係合する(図4、図5)。その結果、ラッチ係合が完了し、蓋11は容器2に固定される。
【0086】
蓋11を開けるために、ユーザはボタン21を下から押圧する。その結果、図11および図12に示すように、ボタンは横側に偏位する。ボタン21を押圧することによって、蓋11は、容器開口部6から栓13と一緒に移動して開かれる。閉位置において、ラッチ受16.1、16.2に係合している肩部15.1、15.2によって、蓋11は、確実に係止可能にされる(図8、図9)。
【0087】
原則として、上記で開示される蓋付き容器1.1において、支持体17を蓋11に確りと接続し、それより堅い第1部分14.11、14.21とそれより可撓性のある弾性部分14.12、14.22の間に肩部15.1、15.2を配置することも可能である。
【0088】
図13によれば、ストラップヒンジ14は、互いに離間して配置された2本の平行したヒンジストラップ14.1、14.2を備える。いずれの場合においても、ヒンジストラップ14.1、14.2は、より堅い第1部分14.11、14.21を有し、それに隣接するそれより可撓性のある弾性部分14.12、14.22、および、それに隣接するそれより堅い第2部分14.13を有する。いずれの場合にも、弾性部分14.12、14.22に、当該部分の特定の変形を抑制する厚みのある部材が設置されている。
【0089】
ディスク形の支持体17は、ヒンジストラップ14.1、14.2の間に配置され、その面取りされた外部エッジ17.5は、一連のラッチ受16.3を備える。ラッチ受16.3は、縦断面図においても面取りされている。
【0090】
弾性力のあるラッチ舌片30は、一方のヒンジストラップ14.1、14.2の間に配置される。
【0091】
ヒンジストラップより堅い第1部分14.11、14.21は、一方の容器部分と他方の容器のそれより堅い第2部分14.13、14.23の端部に接続されている。好ましくは、最初に述べた端部は、蓋11と容器2の2番目に言及された端部に接続される。当該接続は、蓋ベース12およびフランジ9.1のエッジ領域によって、このようにされるのが好ましい。
【0092】
一方では、下部より堅い部分14.11、14.21およびラッチ舌片30の端部は、容器2および蓋のより堅い第2部分14.13、14.23と支持体17の端部に接続することもできる。
【0093】
さらにまた、ラッチ舌片30は、一方の容器部分および他方の容器部分の支持体17に接続される。好ましくは、ラッチ舌片30は、蓋ベース12の端部とフランジ9.1の支持体17に接続されている。
【0094】
容器開口部6から180°まで開いた位置に回転させるとき、ラッチ舌片30は、ラッチ受16.3のうちの1個に選択的に係合する。このように、蓋11は、異なる保持位置に確実に係止可能にされる。ラッチ受16.3への軌道で、ラッチ舌片30は、支持体17の面取りされたエッジ17.5に導かれる(図13)。ラッチ受け16.3から閉位置への蓋11の軌道上で、ラッチ舌片30は、面取りされたエッジ17.3から解除される。
【0095】
図15の例示的実施形態において、ヒンジストラップ14.1、14.2は、図13の例示的実施形態において同程度に記載されている。支持体17は、面取りされた外部エッジ17.3にディスク形によって接続される。支持体17は、その2側面17.3、17.4にいずれも垂直な複数個の軸スタット31を有する。スタッド31は、軸係合手段を形成する。スタッド31は、弾力のあるプラスチック材から成る。スタッド31の代わりに、対称的あるいは非対称の形状の他の突起を備えることもできる。
【0096】
図14の例示的実施形態のヒンジストラップ14.1、14.2は、蓋11および容器2に同様の方法で図13の例示的実施形態のヒンジストラップに接続している。
【0097】
容器2に対して蓋11を回転させるとき、蓋は、ヒンジストラップによって許容される回転軌道に沿って移動される。そして、厚みのある部材14.14、14.24が回転軌道を制限することに関与している。軸スタッド31は、回転軌道を広げた平面に垂直に配置されている。さらにまた、スタッド31は、蓋の枢支軸と平行して配置される。
【0098】
蓋を回転させるとき、スタッドは、ヒンジストラップ14.1、14.2の内部エッジを圧縮され、および/または、つがいヒンジストラップ14.1、14.2は、スタッド31の軸方向の外向きに僅かに弾性的に偏位する。スタッド31は、ヒンジストラップ14.1、14.2の他の側に係合し、それらの最初の形状に戻す。したがって、蓋11を回転させるときに、スタッド31は、ヒンジストラップ14.1、14.2の高い方の部分と下の幅広い側の両方で当該ヒンジストラップ14.1、14.2の内側エッジを圧迫するようになる。スタッド31が、ヒンジストラップ14.1、14.2の底面と上面の内側を圧迫するとき、蓋1は、保持位置において固定される。一連のスタッド31は、さまざまな保持位置で容器に対して蓋11を固定することができる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、本発明は実験用のプラスチック製の蓋付きの容器に関する。
【背景技術】
【0002】
上述したタイプの蓋付き容器は、一般的に1ミリリットルまたは数ミリリットルまたは1ミリリットル以下の容量を有する。
【0003】
実験用のプラスチック製の周知の蓋付きの容器は、下部の管状容器は、容器ベースを有し、その内壁に封止領域を有する上部に容器開口および下方に容器開口を有する。蓋は、蓋ベースと、容器開口から封止領域の封止される位置に挿入される蓋ベースの内側から突出している栓を備える。蓋は、容器内で栓の締め付け力によって封止保持される。容器内に満たされたサンプル液の存在するアプリケーションは、加熱され、増加した蒸気圧を含む。例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法において、サンプルは、蓋付き容器内で例えば90℃以上に加熱される。栓の締付力のレベルは、十分な蒸気気密が保証され、増加した蒸気圧によって蓋が解除されないようにすべきである。栓を有する蓋を容器に圧入するために、大きな力に増大する必要がある。蓋を開けるために、ユーザは、蓋ベースの突出している下端を反対方向に確実に押圧しなければならない。
【0004】
EP0841093A2およびUS 5、863、791に開示されている上述したタイプの蓋付き容器は、容器および蓋が、ストラップヒンジを介して回動可能に一体的に接続されている。蓋は、側面に突出している蓋フランジから下向きに突出しているロックフックを有し、容器開口部に隣接した容器は、閉位置で係止したロックフックの後方にロックカムを有する。蓋を閉じたとき、強固なロックフックは、蓋フランジの弾性変形によってロックカムの後方にはまり、蓋は、閉位置に固定される。蓋を開けるために蓋フランジが上向きに湾曲し、ロックフックがロックカムから解除されるように、ユーザは蓋フランジを押し上げなければならない。この目的で、ロックフックとロックカムは、わずかな重なりを有するだけである。
【0005】
蓋付き容器は、略180°まで容器開口から開いて回動された初期位置と閉位置の間の中間位置の容器開口部上で蓋を安定させる支持デバイスを有する。
【0006】
蓋付き容器の一実施形態において、ヒンジストラップの間に2本の平行したフォーク刃先が容器フランジから伸び、それの間にヒンジストラップに平行する間隙が形成される。フォーク刃先は、ラッチエッジを有する。ラッチラグは、間隙によって正しい位置に位置合わせされ、その先端が蓋フランジに接続され、そのベースは両側にラッチ突起を有する。ラッチラグは、蓋フランジに垂直なラッチ突起によって正しい位置に位置合わせされる。蓋が容器開口部の方向に曲げ下ろされた場合、ラッチラグは、フォーク刃先の間のギャップに入り込み、当該フォーク刃先が僅かに離れたラッチ突起に圧入する。ラッチ突起が、フォーク刃先のラッチエッジの下を通過するとき、当該フォーク刃先は、僅かに一緒にはまり込む。その後に蓋が解除される場合、ラッチ突起は、ラッチエッジによって制止され、蓋が枢支された位置に達して安定する。
【0007】
更なる態様において、支持デバイスは、前記容器フランジの平面から上向きに突出するフックとして形成されたラッチラグを備える。前記ラッチラグは、2本の平行なヒンジストラップの曲げやすい中央位置の間に配置される。蓋フランジは、その回転平面に垂直で正しい位置に配置されるヒンジストラップの間にラッチエッジを有する。蓋を閉方向に折り曲げるとき、ラッチラグおよび/またはヒンジストラップの柔軟性は、ラッチエッジが当該ラッチラグの終端を乗り越えられるようにする。中央部分の反発力によって蓋が開放される場合、容器が開放されるこの安定した回転位置を維持するように、蓋はラッチラグに抗して押圧される。容器を閉じるために、蓋は、再び閉方向に回転され、ロックカムの後方でロックフックにはめ込まれる。
【0008】
更なる態様において、2本の平行したヒンジストラップは、容器フランジと蓋フランジの間にも配置され、当該ヒンジストラップの柔軟性が枢軸の狭い規定された領域に実質的に集中する。容器フランジおよび蓋フランジは更なるヒンジストラップによって接続され、それはヒンジストラップの間に配置される。更なるヒンジストラップは、一端で容器フランジと接合し、その他端で蓋フランジとの接合を有する。ヒンジストラップの2つの接合は、弾性によって引っ張ることが可能なように他の部分に比して薄い構成である。蓋付き容器を射出成形した後に、蓋は、容器開口部から略180°後方に曲げられている。この初期位置において、更なるヒンジストラップは、引っ張られていない。蓋が現在枢軸周りに折り曲げられる場合、接合間の距離は増加し、更なるヒンジストラップは、回転軸に配置されるまで、僅かな弾性をもって引っ張られ、それによって蓋が容器に対して回転可能になる。その後、蓋が閉方向に回転される場合、更なるヒンジストラップは、初期長さに達するまで、再び僅かに縮む。これは、容器開口部に対して蓋が略90°の位置にある場合である。この安定した枢支された位置において、蓋は、更なるヒンジストラップによって容器に対して安定する。蓋が更に折り曲げられる場合、更なるヒンジストラップは外側へと曲げられる。蓋が閉じるときに、ラッチカムと協働するラッチフックは、蓋が開くのを防止する。ロックを解除した後に、蓋は、その安定した枢支された位置または初期位置に再び戻ることが可能である。
【0009】
US5、358、130には、投与する間、蓋を開いたまま保持するデバイスを備えた一体成形容器栓が開示されている。当該栓は、容器と蓋に接続するための手段を有するキャップを備える。蓋は、キャップへの継手を介して接続される支持アームに接続されている。蓋が閉じるときに、支持アームは、キャップから上向き突出する2個の突起の間に伸びる。容器が傾けられるとき、突起と係合して開位置で蓋を保持するように、支持アームの側面から必要な大きさに突出している細長いリブがある。蓋が閉位置に持ち込まれる場合、リブは、突起の間を通過するように変形する。突起は、蓋が閉位置にあるとき、接触のないリブを受けるレシーバを有する。
【0010】
EP1731443A1、US 3,934,722、US 5,270,011、US 5,674,456、US6,398,067 B1およびWO 95/13137 A1による蓋付き容器において、蓋は、ヒンジストラップを介して容器に一体的に接続されている。
【0011】
【特許文献1】欧州特許公報EP 0 841 093 A2および米国特許出願公開公報US 5、863、791
【特許文献2】米国特許出願公開公報US 5、358、130
【特許文献3】欧州特許出願公開公報EP 1 731 443 A1
【特許文献4】米国特許出願公開公報US 3,934,722
【特許文献5】米国特許出願公開公報US 5,270,011
【特許文献6】米国特許出願公開公報US 5,674,456
【特許文献7】米国特許出願公開公報US6,398,067 B1
【特許文献8】国際公開第WO 95/13137 A1
【特許文献9】米国特許出願公開公報US6,398,067 B1
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、上記特許文献1の場合、例えば内圧が容器内で上昇したとき、ロックフックは、ロックカムから不注意にも解除されることがある。蓋が開けられるとき、ロックフックは、ロックカムから急に解除されることがあり、その結果、液体サンプルが容器から噴き出す。
【0013】
また、精巧なフォーク刃先を射出成形する間、それらのサイズにより換気するための流路端を形成することが困難であるといった欠点である。流路の終端のエアーは、不完全なフォーク刃先の形成を招く。しかしながら、完全なフォーク刃先の形成は、上記の枢支された位置のために必要である。
【0014】
また、ヒンジストラップの柔軟性のため、中間位置の範囲にあることが困難であるという欠点である。蓋を閉方向に回転させたとき、ユーザが蓋フランジの外縁に対して上側から押圧する場合、ヒンジストラップの柔軟性のため、ユーザは蓋を下向きに移動させる。その結果、ラッチエッジは、下位置でラッチラグと接触し、大きい力を消費することによってラッチラグの終端上を押圧されることが可能になるだけである。
【0015】
また、蓋の開位置の安定性は、ストラップ部分の反発力に依存するといった欠点が両方の実施態様にある。例えば、蓋の開閉の繰り返しまたは容器の加熱および/または冷却により、反発力が低下される場合、蓋は所定の中間位置から不注意に外側に移動したり、完全または部分的に容器開口部を閉じたりすることがある。これは、蓋付き容器の充填を損ない空にする。
【0016】
さらに、この発明の封止カラーを容器開口部にもたらすときに、枢軸の狭く規定された領域のため、ヒンジストラップがいずれにも補償運動しないことが、当該蓋付き容器を有する欠点である。その結果、蓋を閉じるのが困難である。しかしながら、ヒンジストラップの曲げやすい中央位置を有する例示的実施形態において、曲げやすい当該中央位置は、容器に封止カラーの同軸の挿入を単純化する補償運動を可能にする。
【0017】
特許文献2の場合、容器栓において、開位置で蓋を保持するクランプは、不十分にされおよび/または開閉および/または加熱および/または冷却を繰り返すと、蓋は、確実に開放したままに保てない。
【0018】
特許文献3から9の場合、これらの蓋付きの容器は、規定の回転位置に蓋を保つための支持デバイスを備えていない。
【0019】
この事情に鑑みて、本発明は、少なくとも1カ所で蓋を確実に保持することが可能であり、当該蓋が容器を閉じない実験用のプラスチック製の蓋を提供すること目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
この目的は、請求項1の特徴を有する蓋付き容器によって達成される。蓋付き容器の有利な実施態様は、下位の請求項に設けられている。
【0021】
実験用のプラスチック製の蓋付き容器であって、
下部に容器ベースを有する管状容器と、その上部に容器開口部および当該容器開口部の下部で内壁に封止領域と、
蓋ベースおよび当該蓋ベースの内部から突出している栓を有する蓋を備え、当該蓋は、容器開口部から封止領域の密封位置に挿入され、
回動可能に一体的に前記蓋と容器の2つの容器部分を接続するストラップヒンジと、
前記蓋が密封位置に挿入されない少なくとも1箇所の保持位置で蓋を保持する保持デバイスであり、当該保持デバイスは、少なくとも2つの係合手段を有し、一方の係合手段は容器または蓋に固定接続され、蓋の回転軌道によって定められる回転平面に垂直に配置され、
他方の係合手段は、前記ストラップヒンジの長手側に設定され、当該係合手段は、弾性的な補償運動を伴って保持位置まで蓋を回転させることによって互いに係合可能にする。
【0022】
本発明の蓋付き容器において、容器および蓋は、周知の方法のストラップヒンジを介して一緒に回動可能に接続される。ストラップヒンジは、1つ以上のヒンジストラップを備え、少なくとも部分的に曲げやすい。ストラップヒンジは、フィルムヒンジと類似しているが、その長手方向のより長い領域を通じて曲げやすくてもよい。補償運動ができるように、長手方向の少なくとも1つの領域において曲げやすい少なくとも1つのヒンジストラップを有するストラップヒンジは、円筒容器の容器開口部への栓の挿入を単純化する。
【0023】
さらにまた、蓋付き容器は、蓋が容器を閉じない少なくとも1つの保持位置で容器に対して蓋を保持可能な保持デバイスを備える。保持位置において、蓋は、封止領域の密封位置に栓が挿入されない。保持位置で蓋を保持するために、容器または蓋は、軸係合手段に接続されている。軸係合手段は、蓋の回転軌道によって定義される回転平面に垂直で正しい位置に置かれる。他の係合手段は、ストラップヒンジの長手側に形成される。蓋を回転するとき、ストラップヒンジの長手側に形成される軸係合手段と係合手段が互いに接触する場合、補償運動は、互いに係合手段が通過移動し、保持位置での係合を可能にする。弾性的な補償運動は、例えば、軸係合手段の弾性変形および/またはストラップヒンジの横方向の偏位からなる。保持位置への蓋の回転は、蓋が回転する回転軌道とは無関係である。栓を容器に簡単に挿入するために、蓋の回転軌道は、柔軟性のあるストラップヒンジを介して容器に接続されるので変更可能であり、正確に規定された回転軸との接合を介していない。蓋の回転軌道は、特にユーザによる蓋への押圧力のレベル、方向および作用位置によって決定される。本発明の蓋付き容器において、これは、保持位置に蓋を到達させるのに力をかなり増加させても影響がない。
【0024】
材料の節約のために、軸係合手段は、ストラップヒンジに形成されることに付加的な効果がある。蓋は、ストラップヒンジの反発力によって、保持位置に保持される。蓋が保持位置に回転する場合、ストラップヒンジは、弾性変形する。このように、ストラップヒンジの反発力は、互いに係合して保持位置で係合手段を保持し、蓋が不注意に回転して閉じるのを防止する。
【0025】
本発明の蓋付き容器は、射出成形技術によってとりわけ有効になる。つまり、型にプラスチック材料を満たすとき、互いに係合をもたらす機能的な領域は、当該プラスチック材料を満たすべき最後となる流路端が存在しないので、その部分に集まるエアーは、型の換気によって除去することが可能になる。その結果、保持位置を維持するために重要な機能的な領域を、射出成形によってとりわけ容易かつ正確に作成することができる。
【0026】
一実施態様によれば、支持体は、1つの容器部分からその側面上に突出して配置された軸係合手段を備え、当該軸係合手段に係合する少なくとも1つの軸係合手段は、支持体に隣接するストラップヒンジの長手側に形成されている。
【0027】
更なる実施態様によれば、支持体は、蓋の回転平面に平行に伸びる側面を有するディスク形であり、その両面は、軸係合手段を構成する。好ましくは、支持体は、ヒンジストラップの間に当該支持体を受ける2本の平行なヒンジストラップを有するストラップヒンジと協働する。
【0028】
更なる実施態様によれば、支持体上の軸係合手段は、少なくとも1つのラッチ受および/または蓋の回転平面に垂直で正しい位置に置かれるラッチ突起を備える。
【0029】
更なる実施態様によれば、軸係合手段は、ストラップヒンジの少なくとも1つの長手側に少なくとも1つの肩部を備える。蓋を回転させるとき、肩部は、ラッチ受との係合および/または支持体のラッチ突起との係合をもたらすことができる。
【0030】
更なる実施態様によれば、軸係合手段は、長手側に少なくとも1つのストラップヒンジの一端と支持体の少なくとも1つのラッチ突起を備える。支持体のラッチ突起は、長手側のストラップヒンジのエッジとの係合をもたらすことが可能である。
【0031】
その目的は、請求項7の特徴を有する蓋付き容器によって、更に達成される。
【0032】
実験用のプラスチック材製の蓋付き容器であって、
下部に容器ベースを有する管状容器と、その上部に容器開口部および当該容器開口部の下部で内壁上の封止領域と、
蓋ベースおよび当該蓋ベースの内部から突出している栓を有する蓋を備え、当該蓋は、容器開口部から封止領域の密封位置に挿入され、
回動可能に一体的に前記蓋と容器の2つの容器部分を接続するストラップヒンジと、
前記蓋が密封位置に挿入されない少なくとも1箇所の保持位置で蓋を保持する保持デバイスであり、当該保持デバイスは、少なくとも2つの係合手段を有し、
一方の係合手段は容器に固定接続され、他方の係合手段は蓋に固定接続され、
放射係合手段である当該係合手段は、前記蓋の回転軌道に対して放射状に配置され、
一方の容器部分の側面から突出しているディスク形の支持体およびそのエッジは、少なくとも一個の放射状係合手段を有し、
放射状係合手段は、他方の容器部分の側面から突出している柔軟性および弾力性を有する突起として構成されて係合し、前記係合手段は、弾性的な補償運動を伴って保持位置まで蓋を回転させることによって互いに係合可能する。
【0033】
本発明の蓋付き容器において、容器および蓋は、周知の方法のストラップヒンジを介して一緒に回動可能に接続される。ストラップヒンジは、1つ以上のヒンジストラップを備え、少なくとも部分的に曲げやすい。ストラップヒンジは、フィルムヒンジと類似しているが、その長手方向のより長い領域を通じて曲げやすくしてもよい。少なくとも1つの領域で長手方向に曲げやすい少なくとも1つのヒンジストラップを有するストラップヒンジは、補償運動が可能なように、円筒形容器の容器開口部への栓の挿入を簡単にする。
【0034】
さらにまた、蓋付き容器は、蓋が容器を閉じない少なくとも1つの保持位置で容器に応じて蓋を保持することが可能である保持デバイスを備える。当該保持位置において、蓋は、封止領域の密封位置に栓が挿入されない。保持位置で蓋を保持するために、蓋および容器は、放射状係合手段に固定接続されている。係合手段は、蓋の回転軌道に放射状に正確に位置合わせてされている。ディスク形の支持体は、一方の容器部分から突出し、そのエッジは、少なくとも一つの放射状係合手段を有する。他の容器部分の側面から突出している柔軟性および弾力性を有する突起とともに放射状係合手段は、係合をもたらす。蓋を回転するとき、支持体の放射状係合手段および柔軟性および弾力性のある突起が接触する場合、弾性的な補正運動は、互いに通過移動し、保持位置で互いに係合をもたらす係合手段と突起により可能にされる。弾性的な補償運動は、例えば、柔軟性および弾力性を有する突起による弾性変形および/または回転平面におけるストラップヒンジの偏位からなる。保持位置に蓋を回転させることは、ユーザによる作動とは無関係である。これは、突起および/またはストラップヒンジの柔軟性および反発力に基づく。このように、突起は、支持体のエッジに沿って案内される。その結果、蓋を閉じるために、ユーザが蓋に作用させる力のレベル、方向および作用位置に係わりなく、蓋の回転軌道は、その回転移動の最初の領域において決定される。本発明の蓋付き容器において、ユーザによる力の行使は、保持位置に蓋を到達させるのに力をかなり増加させても影響がない。
【0035】
有利な実施態様によれば、請求項7による蓋付き容器は、請求項1から6の少なくとも1つの蓋付き容器の特徴を有する。
【0036】
一実施態様によれば、蓋を閉める方向に回転するとき、突起が支持体のエッジで低摩擦を生じるように、支持体は面取りされている。
【0037】
更なる実施態様によれば、複数のラッチ受が、蓋の回転軌道の方向に支持体のエッジに連続して配置される。これは、蓋が異なる選択可能な保持位置に係合することを可能にする。
【0038】
この目的は、請求項13の特徴を有する蓋付き容器によっても達成される。
【0039】
実験用のプラスチック材製の蓋付き容器であって、
下部に容器ベースを有する管状容器と、その上部に容器開口部および当該容器開口部の下部で内壁上の封止領域と、
蓋ベースおよび当該蓋ベースの内部から突出している栓を有する蓋を備え、当該蓋は、容器開口部から封止領域の密封位置に挿入され、
回動可能に一体的に前記蓋と容器の2つの容器部分を接続するストラップヒンジと、
前記蓋が密封位置に挿入されない複数の保持位置で蓋を保持する保持デバイスであり、
前記保持デバイスは、一方の容器部分に固定接続される一方の係合手段と他方の容器部分またはストラップヒンジに固定接続される他方の係合手段の複数個の係合手段を有し、
前記蓋の回転方向に連続して配置された一連の1つの係合手段に固定接続される少なくとも一方の容器部分および他方の前記係合手段は、弾性的な補償運動を伴って蓋が回転することによっていくつかの選択可能な保持位置の1箇所と係合を可能にする。
【0040】
本発明の蓋付き容器において、容器および蓋は、周知の方法のストラップヒンジを介して一緒に回動可能に接続される。ストラップヒンジは、1つ以上のヒンジストラップから成り、少なくとも部分的に曲げやすい。ストラップヒンジは、フィルムヒンジと類似しているが、その長手方向のより長い領域を通じて曲げやすくてもよい。長手方向において少なくとも1つの領域で曲げやすい少なくとも1つのヒンジストラップを有するストラップヒンジは、補償運動が可能なように、円筒形容器の容器開口部への栓の挿入を簡単にする。
【0041】
さらに、蓋付き容器は、蓋が容器を閉じない複数の保持位置で容器に対して蓋を保持可能にする保持デバイスを備える。保持位置において、蓋は、封止領域の密封位置に栓が挿入されない。異なる保持位置に蓋を保持するために、少なくとも1つの容器部分は、蓋の回転方向に連続して配置される一連の1つの係合手段に固定接続している。少なくとも1つの更なる係合手段は、他の容器部分に接続している。蓋を回転するとき、一方の係合手段と他方の係合手段が互いに係合する場合、弾性的な補償運動は、互いに通過移動し、保持位置で互いに係合する係合手段により可能にされる。係合手段が互いに十分に係合し、所望の保持位置に蓋を保持するまで、ユーザは、蓋を閉じる方向に回転させることができる。このように、ユーザは、異なる選択可能な保持位置を得ることができる。それぞれの保持位置において、蓋は、互いに係合して係合手段を保持するストラップヒンジの反発力によって保持可能である。
【0042】
有利な実施態様によれば、請求項13の蓋付き容器は、請求項1から12の少なくとも1つの特徴を備える。
【0043】
さらにまた、その目的は、請求項15の蓋付き容器によって達成される。
【0044】
実験用のプラスチック材製の蓋付き容器であって、
下部に容器ベースを有する管状容器と、その上部に容器開口部および当該容器開口部の下部で内壁上の封止領域と、
蓋ベースおよび当該蓋ベースの内部から突出している栓を有する蓋を備え、当該蓋は、容器開口部から封止領域の密封位置に挿入され、
回動可能に一体的に前記蓋と容器の2つの容器部分を接続するストラップヒンジと、
前記蓋が密封位置に挿入されない少なくとも1箇所の保持位置で蓋を保持する保持デバイスであり、
少なくとも2個の係合手段を有し、
一方の係合手段は、前記容器に固定接続されており、
他方の係合手段は、前記蓋に固定接続されており、
前記保持位置に入り込んだ蓋を回転させることにより互いに積極的に係合をもたらす前記係合手段は、弾性的な補償運動を伴い、
前記蓋は、保持位置から外れる方向への回転が防止され、当該蓋は、弾性的な補償運動を伴わない。
【0045】
本発明の蓋付き容器において、容器および蓋は、周知の方法のストラップヒンジを介して一緒に回動可能に接続される。ストラップヒンジは、少なくとも部分的に曲げやすい1つ以上のヒンジストラップを備えることができる。ストラップヒンジは、フィルムヒンジと類似しているが、その長手方向により長い領域を通じて曲げやすくしてもよい。補償運動が可能なように、長手方向の少なくとも1つの領域に曲げやすい少なくとも1つのヒンジストラップを有するストラップヒンジは、円筒容器の容器開口部への栓の挿入を単純化する。
【0046】
さらに、蓋付き容器は、蓋が容器を閉じない保持位置で容器に対して蓋を保持可能にする保持デバイスを備える。したがって、その保持位置において、蓋は、封止領域の密封位置に栓が挿入されない。蓋が保持位置にあるとき、互い積極的に係合する係合手段を備えるので、保持デバイスは、保持位置で蓋を確実に保持する。
【0047】
この積極的な係合は、すなわち、閉方向および開方向の両回転方向に蓋を回転させるのを防止する。その結果、本発明の蓋付き容器は、停止位置で蓋の保持を必要とする永続的な反発力を有するストラップヒンジに依存しない。本発明の蓋付き容器において、蓋を回転させるときに互いに積極的な係合を係合手段にもたらすために、わずかな弾性的な補償運動のみが必要とされる。この弾性的な補償運動の間、係合手段は、互いに積極的な係合をもたらすことが可能な初期位置に回転させるために、互いから僅かに離間移動する。この初期位置において、係合手段は、それらの反発力のため、それらのおおよそ元の形状になり、積極的な係合が生じる。積極的な係合によって、蓋は、このように保持位置において確実に保持される。上述した従来技術とは対照的に、これは高い反発力に依存しない。必要な反発力は、すなわち蓋全体を停止するのに固定する必要はなく、その停止から離れる自由回転を防止する必要がない。蓋を回転させるときに、補償運動は、接触をもたらす係合手段の外形によって制御することができる。
【0048】
保持位置から単に回転するだけで蓋を解除することはできない。したがって、その代わりに弾性的な補正運動が必要とされる。特定の最小限の力が蓋に作用するとき、蓋が保持位置から離れるように、係合をもたらす係合手段の外形を設計することができる。その結果、保持位置から不注意に逸脱することが回避される。
【0049】
有利な実施態様において、請求項15の蓋付き容器は、請求項1から14の少なくとも1つの容器の特徴を備える。
【0050】
容器開口部が、投与先端(例えばピペット先端部材)を挿入するために空いているよう、保持位置が選択可能な本発明の全ての蓋付き容器に適用される。このように、蓋付き容器は、充填排出プロセスを単純化し、実験室の作業手順を改善するのに貢献する。蓋付き容器は、特に、液体を取り扱う計量工程または作業工程において自動充填排出するのに適している。さらに、保持位置において、蓋が容器開口部と通じて平坦な角度に蓋ベースに位置合わせされたとき、蓋付き容器は、開状態でコンパクトに格納することができる。
【0051】
容器に対して任意の位置に蓋を保持し、蓋の閉位置にないように保持位置を選択することができる。好ましくは、保持位置において、蓋は閉位置から略45〜135°の角度にある。保持位置において、蓋が閉位置から略80〜110°の角度であることが更に好ましい。保持位置で、蓋が閉位置から略90〜100°の角度であることがより一層に好ましい。好ましくは、蓋は、閉位置から略95°の角度であり、特により小さい容器に取り付けられる(例えば2.0ml以下)。より大きな容器(例えば、2.0ml以上)には90°の角度が好ましい。
【0052】
以下の実施態様は、上記のすべての発明にあてはまる:
原則として、ストラップヒンジおよび/または係合手段は、容器および/または蓋の基本的な材料から成ることも可能である。弾性的な補償運動を確実にするように、ストラップヒンジおよび/または係合手段の設計は、反発力によって影響される。さらに、ストラップヒンジおよび/または係合手段用に特定の材料を使用することが可能であり、それは充分な弾性のある補償運動を提供する。
【0053】
好ましい実施形態によれば、ストラップヒンジは、いずれの場合においても、蓋が容器に接続する2本の平行したヒンジストラップを備えている。2本のヒンジストラップは、少なくとも一部分が曲げやすくなっている。ヒンジストラップが一部分だけ曲げやすい場合、曲げやすい当該部分は、ヒンジストラップの長手方向に同じ距離以上に伸びる。複数本の平行したヒンジストラップは、回転する間に回転平面内の単一のヒンジストラップより良好に蓋を案内する。ヒンジストラップは、特に、容器に対する蓋のねじれを防止することができる。
【0054】
更なる実施態様によれば、支持体は、蓋の回転平面と平行して伸びる側面を有するディスク形であり、両側面に放射状係合手段を備えている。好適な実施の形態によれば、放射状係合手段は、蓋の回転軌道に放射状に開放し、蓋の回転平面に垂直なラッチ受を備える。支持体を有する蓋付き容器のこの実施態様は、スライドのない射出成形ツールを使用して蓋付き容器の射出成形を促進し、それは蓋付き容器を型抜きするための単一軸に沿って分離される。
【0055】
更なる実施態様によれば、支持体のエッジは、面取りされている。支持体の面取りは、ユーザの手袋への損傷を防止する。この目的で、係合手段と隣接する構造物の間の面取りされた移行も有効である。支持体の隣接領域からラッチ受の面取りされた移行および/または面取りされたラッチ突起および/または面取りされたラッチエッジにも有効である。
【0056】
さまざまな保持位置は、要求に応じて保持位置に多少大きく開けて蓋を固定することができる。
【0057】
更なる実施態様によれば、容器開口部に隣接した容器は、栓用の容器の上部エッジおよびそれより下で封止領域の方に広がっている挿入領域を有する。その結果、蓋付き容器の閉鎖は、単純化される。
【0058】
更なる実施態様によれば、栓は中空円筒状である。その結果、栓はとりわけ曲げやすく、蓋付き容器の開閉動作は、更に単純化される。
【0059】
更なる実施態様によれば、栓は外周に周縁密封ビードを備えている。その結果、蓋付き容器の蒸気緊張は改善される。
【0060】
更なる実施態様によれば、蓋付き容器は、射出成形によって作製することができる。
【0061】
本発明の蓋付き容器は、1つ以上のプラスチック材から作製される。一実施態様によれば、蓋付き容器は、全体として弾力のあるプラスチック材から作製される。
【0062】
更なる実施態様によれば、蓋付き容器は、1つ以上のポリオレフィンから作製される。好ましくは、蓋付き容器は、ポリプロピレンおよび/またはポリエチレンから成る。US 2003/0102323 A1に開示されているように、より堅くおよびより曲げやすい部分から成る異なるプラスチック材でできている栓を有する蓋付き容器を製造することも可能であり、これを参照して本発明に取り入れられる。蓋付き容器は、特にマルチコンポーネント射出成形処理によって製造することができる。
【0063】
本発明は、例示的実施形態の図面に基づいて更に詳細に以下に記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明における蓋付き容器の閉状態を示す側面である。
【図2】閉じられた蓋付き容器を示す縦断面図である。
【図3】図3(a)は蓋を閉じた状態の蓋付き容器の斜視図、図3(b)は図3(a)のb部分の詳細拡大図である。
【図4】蓋を閉じた状態の蓋付き容器の蓋ラッチを示す部分拡大縦断面図である。
【図5】蓋ラッチが閉じられた状態を示す斜め下から見た部分斜視図である。
【図6】図6(a)は蓋を開けた状態の蓋付き容器を示す側面図、図6(b)はその平面図、図6(c)は図6の部分(b)の詳細拡大図である。
【図7】図7(a)は蓋を開けた状態を示す斜視図、図7(b)は図7(a)の部分bの拡大詳細図である。
【図8】図8(a)は中間位置でロックされた蓋を有する蓋付き容器を示す斜視図、図8(b)は図8(a)の部分bの拡大詳細図である。
【図9】図9(a)は中間位置でロックされた蓋を有する蓋付き容器を示す側面図、図9(b)は図9(a)の部分bの拡大詳細図である。
【図10】ラッチ係合プロセスの開始時の蓋の係合動作を示す拡大部分縦断面図である。
【図11】ラッチ係合プロセスの完了前の蓋の係合動作を示す拡大部分縦断面図である。
【図12】蓋の係合解除を示す斜め下から見た斜視図である。
【図13】開状態にある蓋付き容器の放射状係合手段を備えた更なる保持デバイスを有するストラップヒンジを示す上斜め横から見た拡大斜視図である。
【図14】閉状態にある蓋付き容器のストラップヒンジを示す斜視図である。
【図15】蓋付き容器の軸係合手段を備えた更なる保持デバイスを有するストラップヒンジを示す上斜め横から見た拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0065】
以下の異なる実施形態の説明において、対応する部分は、同じ引用符号を付すに留める。
【0066】
本出願において、「上面」および「下面」と同様に「上部」および「底部」の称呼は、垂直に位置合わせされた管状容器、その底部に容器ベース、その上部に蓋を配置し当該蓋が閉状態の蓋付き容器の配置に基づく。
【0067】
図1から12の蓋付き容器1.1は、断面円形状の管状容器2、その上部に中空の円筒部分3およびその下部に円錐部分4を備える。容器2の真下に椀形ベース5を有する。容器2の上部は、容器開口部6を有する。容器は、中空の円筒部分3のその下に下向き先細りのテーパ状の挿入領域7およびその下に円形の円筒状の封止領域8を有する。
【0068】
容器2は、円形ディスク形に外向き放射状に突出する周縁フランジ9.1を上部エッジに有する。ラッチ突起9.2は、フランジ9.1に形成されている。
【0069】
容器2の周縁フランジ9.1の下に一連の刃状の突起10.1が任意に配置されており、当該突起10.1は容器ホルダのエッジ上を支持する機能を有する。
【0070】
蓋11を有する蓋付き容器は、蓋ベース12および当該蓋ベース12から下向きに突出した栓13を備える。栓13は、中空の円筒状栓部13.1を有する。栓部分13.1の下端で、栓は外向きに突出している密封ビード13.2を備えている。
【0071】
蓋ベース12は、栓13の上側に全体的に突出している。蓋ベース12は、略楕円外形12.1を有する。楕円外形12.1の主軸の方向の蓋ベース12の範囲は、楕円外形12.1の補助軸と平行して伸びる2つの略まっすぐな蓋エッジ12.2、12.3によって定義される(図6(b))。
【0072】
蓋ベース12の外部エッジは、容器2の上部エッジにヒンジストラップ14を介して接続される。ヒンジストラップ14は、それよりも長いまっすぐな蓋エッジ12.2に接続している。ストラップヒンジ14は、互いに離間した2本の平行なヒンジストラップ14.1,14.2で構成されている(図8)。いずれの場合にもおいても、ヒンジストラップ14.1,14.2は、容器2の上部エッジに接続されたより堅い第1部分14.11、14.21と、当該第1部分に隣接して蓋ベースの外部エッジに接続されたより堅い第2部分14.13,14.23を有する。
【0073】
好ましくは、ヒンジストラップ14.1、14.2は、射出成形によって一体的に容器部分に接続される。
【0074】
ヒンジストラップ14.1、14.2は、可撓部分14.12、14.22とより堅い第2部分14.13、14.23の間の内側に、軸係合手段を形成する肩部15.1、15.2を有する(図6(b)、図6(c))。ヒンジストラップ14.1、14.2の間には、V字形状のラッチ受16.1、16.2が、容器の側面から突出している支持体17の両側に配置されている。いずれの場合においても、V字形状のラッチ受16.1、16.2は、隣接するヒンジストラップ14.1、14.2側に上部開口を有する。これら開口は、蓋11の回転軌道の半径方向に応じた受エッジ16.11、16.12、16.21、16.22によって定義される。ラッチ受は、更に軸係合手段を構成する。
【0075】
支持体17は、容器エッジから放射状に突出する支持部17.1が備えられている。支持部17.1は、上部に細いディスク形あるいはリブ形の支持部17.2を担持する。ディスク形の支持部17.2は、ラッチ受16.1、16.2を有する平坦な両外側面17.3、17.4を備えている(図6)。ディスク形の支持部17.3の上部エッジ17.5は、面取りされている。
【0076】
フィルムヒンジ14の反対側には、栓13を通じて側面から突出している蓋ベース12の一部に蓋突起18が形成されている。蓋突起18は、蓋ベース12の外縁向きに先細りになっている。蓋突起18は、それよりも短いまっすぐな蓋エッジ12.3によって定義される。ラッチデバイス19は、蓋突起18の下に配置される。
【0077】
ラッチデバイス19は、可撓性フラップ20を備え、その上部が蓋突起18の下面に接続されている。フラップ20は、2本の平行したフラップストリップ20.1、20.2から成り、それは互に離間されている。フラップストリップ20.1、20.2は、側面から外向きに突出するプレート形のボタン21を介してその下端で一緒に接続されている。ボタン21より上のフラップストリップ20.1、20.2に、凹部22が設けられている。凹部22は、ボタン21の内側上部エッジにより底部に定められる。このエッジは、ラッチエッジ23を形成する。ボタン21は、その内側のラッチエッジの下側に放射状の構造物に面取りを有する。
【0078】
図4および図5に示されるように、偏位のない状態で、ボタン21は、それに適合および/またはわずかに大きな蓋突起18の蓋凹部22の下に配置される。その結果、1回の射出成形プロセスで完全に揃った蓋付き容器1.1の一体的な製造は、単一のツールによって可能にされる。
【0079】
図4および図5によれば、閉状態の蓋11は、容器2に係合される。この係合は、ラッチ突起9.2を形成する刃状の突起10.1のない領域の下方で係合するラッチエッジ23によって達成される。上部のラッチ突起9.2は、放射状構造物27およびその下の面取り28を有する。
【0080】
射出成形することによって、蓋付き容器1.1は、図6および図7に示される開放配置で製造される。アンダーカットのない形状のため、蓋付き容器1.1は、スライドのない単一の射出成型によって製造することができる。それによってツール部分は、型抜き用の一軸に沿って移動させるだけである。
【0081】
蓋11は、図6および図7に示される開位置から閉じ方向に回転させることにより閉じることができる。この目的で、ユーザは、蓋ベース12の外側の表面を押圧する。図8および図9に基づく中間位置において、蓋11は、ラッチ受16.1、16.2の肩部15.1、15.2を無理矢理に押し込むことによって係止可能である。この場合、横外方および後方への肩部15.1、15.2の偏位は、肩部15.1、15.2およびストリップ領域14.12、14.22の柔軟性によって可能にされる。肩部15.1、15.2がラッチ受16.1、16.2の領域に入るとすぐに、肩部15.1、15.2およびストリップ領域14.12、14.22の反発力により、それらはラッチ受16.1、16.2に入る。この保持位置において、肩部は受エッジ16.11、16.21の後方を係合し、蓋11は、ヒンジストラップ14.1、14.2の反発力によってこの保持位置において保持される。
【0082】
完全に蓋を閉じるために、ユーザは、蓋ベース12の外側の表面を再び押圧する。その結果、蓋11は、保持位置から閉方向に回転する。このように、肩部15.1、15.2は、ラッチ受16.1、16.2の開口部から出て、受エッジ16.12、16.22と接触しない。あるいは、肩部15.1、15.2が閉方向に回動する領域およびラッチ受16.12、16.22が肩部15.1、15.2を積極的に受ける領域に位置するように、受エッジ16.1、16.2を配置することができる。この目的で、閉方向に蓋11を回転させるために、それらの柔軟性を利用することにより、肩部15.1、15.2は、ラッチ受16.1、16.2から圧入しなければならない。
【0083】
ユーザの手袋に損傷を与える鋭いエッジを何ら形成しないようにラッチ受16.1、16.2は、十分に面取りされる。
【0084】
支持体17が、ユーザの手袋に損傷を与えないように、ディスク形の支持部17.2の上部エッジ17.5は面取りされる。
【0085】
蓋11は、容器開口部6に栓13を枢支する。それは拡張された挿入領域7によって容易にされる。それから、密封ビード13.2は、封止領域8に嵌入される。したがって、図10に示すように、その放射状構造物25を有するボタン21は、ラッチ突起9.2の放射状構造物27と接触する。さらに、蓋11を押圧して閉じるとき、フラップ20は側面を外向きに偏位させる。フラップ20の柔軟性およびボタン21およびラッチ突起9.2の面取り24、28は、わずかな力の消耗を必要とする。ラッチエッジ23がラッチ突起9.2に到達するとき、フラップ20は、容器2の方へとはね返り、ボタン21の内側縁部がラッチ突起9.2の下に係合する(図4、図5)。その結果、ラッチ係合が完了し、蓋11は容器2に固定される。
【0086】
蓋11を開けるために、ユーザはボタン21を下から押圧する。その結果、図11および図12に示すように、ボタンは横側に偏位する。ボタン21を押圧することによって、蓋11は、容器開口部6から栓13と一緒に移動して開かれる。閉位置において、ラッチ受16.1、16.2に係合している肩部15.1、15.2によって、蓋11は、確実に係止可能にされる(図8、図9)。
【0087】
原則として、上記で開示される蓋付き容器1.1において、支持体17を蓋11に確りと接続し、それより堅い第1部分14.11、14.21とそれより可撓性のある弾性部分14.12、14.22の間に肩部15.1、15.2を配置することも可能である。
【0088】
図13によれば、ストラップヒンジ14は、互いに離間して配置された2本の平行したヒンジストラップ14.1、14.2を備える。いずれの場合においても、ヒンジストラップ14.1、14.2は、より堅い第1部分14.11、14.21を有し、それに隣接するそれより可撓性のある弾性部分14.12、14.22、および、それに隣接するそれより堅い第2部分14.13を有する。いずれの場合にも、弾性部分14.12、14.22に、当該部分の特定の変形を抑制する厚みのある部材が設置されている。
【0089】
ディスク形の支持体17は、ヒンジストラップ14.1、14.2の間に配置され、その面取りされた外部エッジ17.5は、一連のラッチ受16.3を備える。ラッチ受16.3は、縦断面図においても面取りされている。
【0090】
弾性力のあるラッチ舌片30は、一方のヒンジストラップ14.1、14.2の間に配置される。
【0091】
ヒンジストラップより堅い第1部分14.11、14.21は、一方の容器部分と他方の容器のそれより堅い第2部分14.13、14.23の端部に接続されている。好ましくは、最初に述べた端部は、蓋11と容器2の2番目に言及された端部に接続される。当該接続は、蓋ベース12およびフランジ9.1のエッジ領域によって、このようにされるのが好ましい。
【0092】
一方では、下部より堅い部分14.11、14.21およびラッチ舌片30の端部は、容器2および蓋のより堅い第2部分14.13、14.23と支持体17の端部に接続することもできる。
【0093】
さらにまた、ラッチ舌片30は、一方の容器部分および他方の容器部分の支持体17に接続される。好ましくは、ラッチ舌片30は、蓋ベース12の端部とフランジ9.1の支持体17に接続されている。
【0094】
容器開口部6から180°まで開いた位置に回転させるとき、ラッチ舌片30は、ラッチ受16.3のうちの1個に選択的に係合する。このように、蓋11は、異なる保持位置に確実に係止可能にされる。ラッチ受16.3への軌道で、ラッチ舌片30は、支持体17の面取りされたエッジ17.5に導かれる(図13)。ラッチ受け16.3から閉位置への蓋11の軌道上で、ラッチ舌片30は、面取りされたエッジ17.3から解除される。
【0095】
図15の例示的実施形態において、ヒンジストラップ14.1、14.2は、図13の例示的実施形態において同程度に記載されている。支持体17は、面取りされた外部エッジ17.3にディスク形によって接続される。支持体17は、その2側面17.3、17.4にいずれも垂直な複数個の軸スタット31を有する。スタッド31は、軸係合手段を形成する。スタッド31は、弾力のあるプラスチック材から成る。スタッド31の代わりに、対称的あるいは非対称の形状の他の突起を備えることもできる。
【0096】
図14の例示的実施形態のヒンジストラップ14.1、14.2は、蓋11および容器2に同様の方法で図13の例示的実施形態のヒンジストラップに接続している。
【0097】
容器2に対して蓋11を回転させるとき、蓋は、ヒンジストラップによって許容される回転軌道に沿って移動される。そして、厚みのある部材14.14、14.24が回転軌道を制限することに関与している。軸スタッド31は、回転軌道を広げた平面に垂直に配置されている。さらにまた、スタッド31は、蓋の枢支軸と平行して配置される。
【0098】
蓋を回転させるとき、スタッドは、ヒンジストラップ14.1、14.2の内部エッジを圧縮され、および/または、つがいヒンジストラップ14.1、14.2は、スタッド31の軸方向の外向きに僅かに弾性的に偏位する。スタッド31は、ヒンジストラップ14.1、14.2の他の側に係合し、それらの最初の形状に戻す。したがって、蓋11を回転させるときに、スタッド31は、ヒンジストラップ14.1、14.2の高い方の部分と下の幅広い側の両方で当該ヒンジストラップ14.1、14.2の内側エッジを圧迫するようになる。スタッド31が、ヒンジストラップ14.1、14.2の底面と上面の内側を圧迫するとき、蓋1は、保持位置において固定される。一連のスタッド31は、さまざまな保持位置で容器に対して蓋11を固定することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
実験用のプラスチック材製の蓋付き容器であって、
下部に容器ベース(5)を有する管状容器(2)と、その上部に容器開口部(6)および当該容器開口部(6)の下部で内壁に封止領域(8)と、
蓋ベース(12)および当該蓋ベースの内部から突出している栓(13)を有する蓋(11)を備え、当該蓋は、容器開口部(6)から封止領域(8)の密封位置に挿入され、
回動可能に一体的に前記蓋(11)と容器(2)の2つの容器部分を接続するストラップヒンジ(14)と、
前記蓋(11)が密封位置に挿入されない少なくとも1箇所の保持位置で蓋(11)を保持する保持デバイスであり、当該保持デバイスは、少なくとも2つの係合手段(16.1、16.2、15.1、15.2)を有し、
一方の係合手段(16.1、16.2)は容器(2)または蓋に固定接続され、蓋(11)の回転軌道によって定められる回転平面に垂直に配置され、
他方の係合手段(15.1、15.2)は、前記ストラップヒンジの長手側に設定され、
前記係合手段(16.1、16.2、15.1、15.2)は、弾性的な補償運動を伴って保持位置まで蓋(11)を回転させることによって互いに係合可能にする。
【請求項2】
請求項1に記載の蓋付き容器において、
支持体(17)は、一方の容器部分からその側面上に突出して配置された軸係合手段(16.1、16.2;16.3)を備え、
前記軸係合手段に係止する少なくとも1つの軸係合手段(15.1、15.2;30)は、支持体に隣接するストラップヒンジ(14.1、14.2)の長手側に形成されている。
【請求項3】
請求項2に記載の蓋付き容器において、
前記支持体(17)は、前記蓋(11)の回転平面に平行に伸びる側面(17.3、17.4)を有するディスク形であり、その両面は、前記軸係合手段(16.1、16.2)を構成する。
【請求項4】
請求項2または3に記載の蓋付き容器において、
前記支持体の軸係合手段(16.1、16.2)は、蓋(11)の回転平面に垂直に配置された少なくとも1個のラッチ受および/または1個のラッチ突起から構成される。
【請求項5】
請求項4に記載の蓋付き容器において、
前記軸係合手段(15.1、15.2)は、ストラップヒンジ(14.1、14.2)の少なくとも一方の長手側面に少なくとも1個の肩部から構成される。
【請求項6】
請求項4に記載の蓋付き容器において、
前記軸係合手段は、長手側面にストラップヒンジの少なくとも1個のエッジと支持体の少なくとも1個のラッチ突起から構成される。
【請求項7】
実験用のプラスチック材製の蓋付き容器であって、
下部に容器ベース(5)を有する管状容器(2)と、その上部に容器開口部(6)および当該容器開口部(6)の下部で内壁上の封止領域(8)と、
蓋ベース(12)および当該蓋ベースの内部から突出している栓(13)を有する蓋(11)を備え、当該蓋は、容器開口部(6)から封止領域(8)の密封位置に挿入され、
回動可能に一体的に前記蓋(11)と容器(2)の2つの容器部分を接続するストラップヒンジ(14)と、
前記蓋(11)が密封位置に挿入されない少なくとも1箇所の保持位置で蓋(11)を保持する保持デバイスであり、当該保持デバイスは、少なくとも2つの係合手段(16.1、16.2、15.1、15.2)を有し、
一方の係合手段(16.1、16.2)は容器(2)に固定接続され、他方の係合手段(15.1、15.2)は蓋に固定接続され、
放射係合手段である当該係合手段(16.1、16.2、15.1、15.2)は、前記蓋の回転軌道に対して放射状に配置され、
一方の容器部分の側面から突出しているディスク形の支持体(17)およびそのエッジ(17.5)は、少なくとも一個の放射状係合手段(16.3)を有し、
放射状係合手段(15.1、15.2;30)は、他方の容器部分の側面から突出している柔軟性および弾力性を有する突起として構成されて係合し、前記係合手段(16.1、16.2、15.1、15.2)は、弾性的な補償運動を伴って保持位置まで蓋(11)を回転させることによって互いに係合可能する。
【請求項8】
請求項8と請求項1から7の1つに記載された蓋付き容器。
【請求項9】
請求項7または8に記載された蓋付き容器において、
前記支持体(17)の放射状係合手段(16.3)は、支持体(17)に入り込んだ蓋の回転軌道に対して放射状の支持体(17)のエッジ(17.5)から伸びるラッチ受けである。
【請求項10】
請求項7から9の1つに記載の蓋付き容器において、
前記支持体(17)のエッジ(17.5)は、面取りされている。
【請求項11】
請求項9に記載の蓋付き容器において、
複数個のラッチ受は、回転軌道の方向に前記エッジ(17.5)に連続配置されている。
【請求項12】
請求項7から11の1つに記載の蓋付き容器において、
前記支持体(17)のエッジ(17.5)は、面取りされている。
【請求項13】
実験用のプラスチック材製の蓋付き容器であって、
下部に容器ベース(5)を有する管状容器(2)と、その上部に容器開口部(6)および当該容器開口部(6)の下部で内壁上の封止領域(8)と、
蓋ベース(12)および当該蓋ベースの内部から突出している栓(13)を有する蓋(11)を備え、当該蓋は、容器開口部(6)から封止領域(8)の密封位置に挿入され、
回動可能に一体的に前記蓋(11)と容器(2)の2つの容器部分を接続するストラップヒンジ(14)と、
前記蓋(11)が密封位置に挿入されない複数の保持位置で蓋(11)を保持する保持デバイスであり、
前記保持デバイスは、一方の容器部分(2)に固定接続される一方の係合手段(16.1、16.2)と他方の容器部分(11)またはストラップヒンジに固定接続される他方の係合手段(15.1、15.2)の複数個の係合手段(16.1、16.2、15.1、15.2)を有し、
前記蓋の回転方向に連続して配置された一連の1つの係合手段に固定接続される少なくとも一方の容器部分および他方の前記係合手段(16.1、16.2、15.1、15.2)は、弾性的な補償運動を伴って蓋(11)が回転することによっていくつかの選択可能な保持位置の1箇所と係合を可能にする。
【請求項14】
請求項13と請求項1から12の1つに記載の蓋付き容器。
【請求項15】
実験用のプラスチック材製の蓋付き容器であって、
下部に容器ベース(5)を有する管状容器(2)と、その上部に容器開口部(6)および当該容器開口部(6)の下部で内壁上の封止領域(8)と、
蓋ベース(12)および当該蓋ベースの内部から突出している栓(13)を有する蓋(11)を備え、当該蓋は、容器開口部(6)から封止領域(8)の密封位置に挿入され、
回動可能に一体的に前記蓋(11)と容器(2)の2つの容器部分を接続するストラップヒンジ(14)と、
前記蓋(11)が密封位置に挿入されない少なくとも1箇所の保持位置で蓋(11)を保持する保持デバイスであり、
少なくとも2個の係合手段(16.1、16.2、15.1、15.2)を有し、
一方の係合手段(16.1、16.2)は、前記容器(2)に固定接続されており、
他方の係合手段(15.1、15.2)は、前記蓋(11)に固定接続されており、
前記保持位置に入り込んだ蓋を回転させることにより互いに積極的に係合をもたらす前記係合手段(16.1、16.2、15.1、15.2)は、弾性的な補償運動を伴い、
前記蓋(11)は、保持位置から外れる方向への回転が防止され、当該蓋は、弾性的な補償運動を伴わない。
【請求項16】
請求項15と請求項1から14の1つに記載の蓋付き容器。
【請求項17】
請求項1から16の1つに記載の蓋付き容器において、
前記保持位置にある蓋(11)を回転させるときに弾性的な偏位移動をするため、前記ストラップヒンジ(14)および/または係合手段(16.1、16.2、15.1、15.2;16.3、30;14.1、14.2、31)は、少なくとも部分的に弾力性を有する。
【請求項18】
請求項1から17の1つに記載の蓋付き容器において、
いずれの場合においても、前記ストラップヒンジ(14)は、蓋(11)を容器(2)に接続する2本の平行したヒンジストラップ(14.1、14.2)を備える。
【請求項19】
請求項1および18に記載の蓋付き容器において、
前記ヒンジストラップ(14.1、14.2)は、幅広い側面の内側エッジに軸係合手段を備える。
【請求項20】
請求項8および18に記載の蓋付き容器において、
柔軟性および弾力性のある前記突起は、2本のヒンジストラップ(14.1、14.2)の間に配列される。
【請求項21】
請求項1から20の1つに記載の蓋付き容器において、
前記蓋は、少なくとも1つのポリオレフィンにより作製されている。
【請求項22】
請求項1から21の1つに記載の蓋付き容器において、
前記蓋は、射出成形されている。
【請求項1】
実験用のプラスチック材製の蓋付き容器であって、
下部に容器ベース(5)を有する管状容器(2)と、その上部に容器開口部(6)および当該容器開口部(6)の下部で内壁に封止領域(8)と、
蓋ベース(12)および当該蓋ベースの内部から突出している栓(13)を有する蓋(11)を備え、当該蓋は、容器開口部(6)から封止領域(8)の密封位置に挿入され、
回動可能に一体的に前記蓋(11)と容器(2)の2つの容器部分を接続するストラップヒンジ(14)と、
前記蓋(11)が密封位置に挿入されない少なくとも1箇所の保持位置で蓋(11)を保持する保持デバイスであり、当該保持デバイスは、少なくとも2つの係合手段(16.1、16.2、15.1、15.2)を有し、
一方の係合手段(16.1、16.2)は容器(2)または蓋に固定接続され、蓋(11)の回転軌道によって定められる回転平面に垂直に配置され、
他方の係合手段(15.1、15.2)は、前記ストラップヒンジの長手側に設定され、
前記係合手段(16.1、16.2、15.1、15.2)は、弾性的な補償運動を伴って保持位置まで蓋(11)を回転させることによって互いに係合可能にする。
【請求項2】
請求項1に記載の蓋付き容器において、
支持体(17)は、一方の容器部分からその側面上に突出して配置された軸係合手段(16.1、16.2;16.3)を備え、
前記軸係合手段に係止する少なくとも1つの軸係合手段(15.1、15.2;30)は、支持体に隣接するストラップヒンジ(14.1、14.2)の長手側に形成されている。
【請求項3】
請求項2に記載の蓋付き容器において、
前記支持体(17)は、前記蓋(11)の回転平面に平行に伸びる側面(17.3、17.4)を有するディスク形であり、その両面は、前記軸係合手段(16.1、16.2)を構成する。
【請求項4】
請求項2または3に記載の蓋付き容器において、
前記支持体の軸係合手段(16.1、16.2)は、蓋(11)の回転平面に垂直に配置された少なくとも1個のラッチ受および/または1個のラッチ突起から構成される。
【請求項5】
請求項4に記載の蓋付き容器において、
前記軸係合手段(15.1、15.2)は、ストラップヒンジ(14.1、14.2)の少なくとも一方の長手側面に少なくとも1個の肩部から構成される。
【請求項6】
請求項4に記載の蓋付き容器において、
前記軸係合手段は、長手側面にストラップヒンジの少なくとも1個のエッジと支持体の少なくとも1個のラッチ突起から構成される。
【請求項7】
実験用のプラスチック材製の蓋付き容器であって、
下部に容器ベース(5)を有する管状容器(2)と、その上部に容器開口部(6)および当該容器開口部(6)の下部で内壁上の封止領域(8)と、
蓋ベース(12)および当該蓋ベースの内部から突出している栓(13)を有する蓋(11)を備え、当該蓋は、容器開口部(6)から封止領域(8)の密封位置に挿入され、
回動可能に一体的に前記蓋(11)と容器(2)の2つの容器部分を接続するストラップヒンジ(14)と、
前記蓋(11)が密封位置に挿入されない少なくとも1箇所の保持位置で蓋(11)を保持する保持デバイスであり、当該保持デバイスは、少なくとも2つの係合手段(16.1、16.2、15.1、15.2)を有し、
一方の係合手段(16.1、16.2)は容器(2)に固定接続され、他方の係合手段(15.1、15.2)は蓋に固定接続され、
放射係合手段である当該係合手段(16.1、16.2、15.1、15.2)は、前記蓋の回転軌道に対して放射状に配置され、
一方の容器部分の側面から突出しているディスク形の支持体(17)およびそのエッジ(17.5)は、少なくとも一個の放射状係合手段(16.3)を有し、
放射状係合手段(15.1、15.2;30)は、他方の容器部分の側面から突出している柔軟性および弾力性を有する突起として構成されて係合し、前記係合手段(16.1、16.2、15.1、15.2)は、弾性的な補償運動を伴って保持位置まで蓋(11)を回転させることによって互いに係合可能する。
【請求項8】
請求項8と請求項1から7の1つに記載された蓋付き容器。
【請求項9】
請求項7または8に記載された蓋付き容器において、
前記支持体(17)の放射状係合手段(16.3)は、支持体(17)に入り込んだ蓋の回転軌道に対して放射状の支持体(17)のエッジ(17.5)から伸びるラッチ受けである。
【請求項10】
請求項7から9の1つに記載の蓋付き容器において、
前記支持体(17)のエッジ(17.5)は、面取りされている。
【請求項11】
請求項9に記載の蓋付き容器において、
複数個のラッチ受は、回転軌道の方向に前記エッジ(17.5)に連続配置されている。
【請求項12】
請求項7から11の1つに記載の蓋付き容器において、
前記支持体(17)のエッジ(17.5)は、面取りされている。
【請求項13】
実験用のプラスチック材製の蓋付き容器であって、
下部に容器ベース(5)を有する管状容器(2)と、その上部に容器開口部(6)および当該容器開口部(6)の下部で内壁上の封止領域(8)と、
蓋ベース(12)および当該蓋ベースの内部から突出している栓(13)を有する蓋(11)を備え、当該蓋は、容器開口部(6)から封止領域(8)の密封位置に挿入され、
回動可能に一体的に前記蓋(11)と容器(2)の2つの容器部分を接続するストラップヒンジ(14)と、
前記蓋(11)が密封位置に挿入されない複数の保持位置で蓋(11)を保持する保持デバイスであり、
前記保持デバイスは、一方の容器部分(2)に固定接続される一方の係合手段(16.1、16.2)と他方の容器部分(11)またはストラップヒンジに固定接続される他方の係合手段(15.1、15.2)の複数個の係合手段(16.1、16.2、15.1、15.2)を有し、
前記蓋の回転方向に連続して配置された一連の1つの係合手段に固定接続される少なくとも一方の容器部分および他方の前記係合手段(16.1、16.2、15.1、15.2)は、弾性的な補償運動を伴って蓋(11)が回転することによっていくつかの選択可能な保持位置の1箇所と係合を可能にする。
【請求項14】
請求項13と請求項1から12の1つに記載の蓋付き容器。
【請求項15】
実験用のプラスチック材製の蓋付き容器であって、
下部に容器ベース(5)を有する管状容器(2)と、その上部に容器開口部(6)および当該容器開口部(6)の下部で内壁上の封止領域(8)と、
蓋ベース(12)および当該蓋ベースの内部から突出している栓(13)を有する蓋(11)を備え、当該蓋は、容器開口部(6)から封止領域(8)の密封位置に挿入され、
回動可能に一体的に前記蓋(11)と容器(2)の2つの容器部分を接続するストラップヒンジ(14)と、
前記蓋(11)が密封位置に挿入されない少なくとも1箇所の保持位置で蓋(11)を保持する保持デバイスであり、
少なくとも2個の係合手段(16.1、16.2、15.1、15.2)を有し、
一方の係合手段(16.1、16.2)は、前記容器(2)に固定接続されており、
他方の係合手段(15.1、15.2)は、前記蓋(11)に固定接続されており、
前記保持位置に入り込んだ蓋を回転させることにより互いに積極的に係合をもたらす前記係合手段(16.1、16.2、15.1、15.2)は、弾性的な補償運動を伴い、
前記蓋(11)は、保持位置から外れる方向への回転が防止され、当該蓋は、弾性的な補償運動を伴わない。
【請求項16】
請求項15と請求項1から14の1つに記載の蓋付き容器。
【請求項17】
請求項1から16の1つに記載の蓋付き容器において、
前記保持位置にある蓋(11)を回転させるときに弾性的な偏位移動をするため、前記ストラップヒンジ(14)および/または係合手段(16.1、16.2、15.1、15.2;16.3、30;14.1、14.2、31)は、少なくとも部分的に弾力性を有する。
【請求項18】
請求項1から17の1つに記載の蓋付き容器において、
いずれの場合においても、前記ストラップヒンジ(14)は、蓋(11)を容器(2)に接続する2本の平行したヒンジストラップ(14.1、14.2)を備える。
【請求項19】
請求項1および18に記載の蓋付き容器において、
前記ヒンジストラップ(14.1、14.2)は、幅広い側面の内側エッジに軸係合手段を備える。
【請求項20】
請求項8および18に記載の蓋付き容器において、
柔軟性および弾力性のある前記突起は、2本のヒンジストラップ(14.1、14.2)の間に配列される。
【請求項21】
請求項1から20の1つに記載の蓋付き容器において、
前記蓋は、少なくとも1つのポリオレフィンにより作製されている。
【請求項22】
請求項1から21の1つに記載の蓋付き容器において、
前記蓋は、射出成形されている。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−140184(P2012−140184A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−281661(P2011−281661)
【出願日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【出願人】(591121683)エッペンドルフ アクチエンゲゼルシャフト (23)
【氏名又は名称原語表記】Eppendorf AG
【住所又は居所原語表記】Barkhausenweg 1, D−22339 Hamburg, Germany
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−281661(P2011−281661)
【出願日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【出願人】(591121683)エッペンドルフ アクチエンゲゼルシャフト (23)
【氏名又は名称原語表記】Eppendorf AG
【住所又は居所原語表記】Barkhausenweg 1, D−22339 Hamburg, Germany
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]