説明

蓋材

【課題】開封が容易で、封止していた容器の開口部を塞げる蓋材を提供する。
【解決手段】ガスバリア性を有する樹脂フィルム層2と、容器へ接着するために最下層に位置するシーラント層3とを少なくとも有する積層構造体を用いて構成され、周縁部の少なくとも一部が容器のフランジから突出し、該突出した部分から開封方向と略平行に一対の表ハーフカット20a、20bが設けられ、表ハーフカット20a、20bに挟まれ、かつ容器のフランジから突出した部分には、積層構造体の一部を係止片60a、60bとして、表ハーフカット20a、20bに挟まれておらず、かつ容器のフランジから突出した部分と重なるように折り返すためのフルカット10a、10bが、表ハーフカット20a、20bのそれぞれと近接して形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器の開口部を封止する蓋材に関し、開封した後でも容器の開口部との隙間を小さい状態で保持できる点ではアルミ箔を有しないものに特に有効な蓋材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、容器の開口部を封止する蓋材としてはアルミ箔層を含んだ積層構造体を用いた蓋材が広く用いられている。
アルミ箔層を含んだ積層構造体は、遮光性やガスバリア性が高いだけではなく、形状維持性にも優れるためである。
【0003】
例えば、容器に収容された乾燥食品を調理する場合、蓋を部分的に開いて容器内に湯を注ぎ、再び開口部を蓋材で概ね塞いで所定時間待つという作業を行う必要がある。
このような調理の際には、開口部が露出したままの形状で蓋材が維持されなければ、容器内に湯を注ぎにくい。また、開口部を再び概ね塞いだままの形状に蓋材が維持されなければ、容器と蓋との隙間から水蒸気が漏れ、調理が不完全になってしまう。
【0004】
近年、環境保護の観点からゴミの分別が要求されており、蓋材としてもアルミ箔を含まない構成(アルミレス)とすることが求められている。
【0005】
しかし、従来のアルミレスの蓋材は、形状維持性が不十分であり、開口部が露出したままの形状に蓋材を維持できないか、開口部を概ね塞いだ状態に蓋材を維持できないといったいずれかの問題が基材の種類に応じて発生する。
【0006】
開口部を概ね塞いだ形状に維持できないという問題が発生する基材を用いた蓋材の場合、蓋の端部にタブを設け、これを容器のフランジ部に係止することで、蓋が開口部を概ね塞いだ形状を維持できる。
【0007】
しかし、このような構造は容器のフランジの形状によって開口部を塞いだ形状に蓋材を維持する効果が異なってしまう。すなわち、適用する容器のフランジ部分の形状に応じて蓋材の形状も変更しなければならず、普遍性に乏しい。
【0008】
容器開口部を塞いだままの状態に維持することを蓋材単独で実現することに関する従来技術としては、特許文献1に開示される「即席食品容器用蓋材」がある。特許文献1に開示される発明は、折り返したアーチ形状部分に引き上げ部分を引っかけることにより蓋が容器開口部を塞いだ状態に維持するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】実開平5−72782号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、特許文献1に開示される発明は、開封時に引き上げ部分のみを捲り上げなければならないが、そのためには蓋の周縁部では無いところを起点として開封を開始せねばならず、容器の開封作業を行いにくいという問題があった。
【0011】
本発明はかかる問題に鑑みてなされたものであり、開封が容易で、封止していた容器の開口部を塞げる蓋材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
また、上記目的を達成するため、本発明は、第1の態様として、容器の開口部を塞ぐための蓋材であって、基材層と、容器へ接着するために最下層に位置するシーラント層とを少なくとも有する積層構造体を用いて構成され、周縁部の少なくとも一部が容器のフランジから突出し、該突出した部分からは、クランク状で先端が容器のフランジまで達する第1のフルカットが一対、該第1のフルカットで挟まれかつ容器のフランジから突出する側が幅広となるように設けられ、各第1のフルカットの先端からは、開封方向と略平行に表ハーフカットがそれぞれ形成されたことを特徴とする蓋材を提供するものである。
【0013】
本発明の第1の態様においては、第1のフルカットで挟まれかつ容器のフランジから突出する部分には、一対の第2のフルカットが、第1のフルカットと接しないように形成されていることが好ましい。又は、一対の第1のフルカットそれぞれの屈曲部からは、表ハーフカットと略平行に第3のフルカットが形成されていることが好ましい。又は、一対の第1のフルカットそれぞれの屈曲部と先端との間からは、表ハーフカットと略垂直に第4のフルカットが形成されていることが好ましい。
【0014】
本発明の第1の態様においては、積層構造体は、アルミ箔を含まずに構成されていることを特徴とすることが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、開封が容易で、封止していた容器の開口部を塞げる蓋材を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明にかかる蓋材の基となる積層構造体の構成を示す図である。
【図2】本発明を好適に実施した第1の実施形態にかかる蓋材の構成を示す図である。
【図3】第1の実施形態にかかる蓋材を部分的に開封した状態を示す図である。
【図4】第1の実施形態にかかる蓋材で開口部を塞いだ状態を示す図である。
【図5】(a)は、隣接片に係止片を挿入するための切り込みを設けた蓋材の要部を示す図であり、(b)及び(c)は、係止片を隣接片の切り込みに挿入した状態を示す図である。
【図6】本発明を好適に実施した第2の実施形態にかかる蓋材の構成を示す図である。
【図7】第2の実施形態にかかる蓋材を部分的に開封した状態を示す図である。
【図8】第2の実施形態にかかる蓋材で開口部を塞いだ状態を示す図である。
【図9】係止片を挟み込むためのフルカットを隣接片に設けた蓋材で開口部を塞いだ状態を示す図である。
【図10】(a)は、係止片を挟み込むためのフルカットの別の配置例を示すずであり、(b)は、係止片を隣接片で挟み込んで開封片を保持した状態を示す図である。
【図11】本発明を好適に実施した第3の実施形態にかかる蓋材の構成を示す図である。
【図12】第3の実施形態にかかる蓋材を部分的に開封した状態を示す図である。
【図13】第3の実施形態にかかる蓋材で開口部を塞いだ状態を示す図である。
【図14】(a)は、開封片に係止片を挿入するための切り込みを設けた蓋材の要部を示す図であり、(b)及び(c)は、係止片を開封片の切り込みに挿入した状態を示す図である。
【図15】本発明を好適に実施した第4の実施形態にかかる蓋材の構成を示す図である。
【図16】第4の実施形態にかかる蓋材を部分的に開封した状態を示す図である。
【図17】第4の実施形態にかかる蓋材で開口部を塞いだ状態を示す図である。
【図18】本発明を好適に実施した第5の実施形態にかかる蓋材の構成を示す図である。
【図19】第5の実施形態にかかる蓋材を部分的に開封した状態を示す図である。
【図20】第5の実施形態にかかる蓋材で開口部を塞いだ状態を示す図である。
【図21】湯切り穴を形成可能な蓋材の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の好適な実施の形態について説明する。
図1に、本発明にかかる蓋材の基となる積層構造体の構成を示す。この積層構造体は、基材1、樹脂フィルム2、シーラント層3を有する。
基材1は、積層構造体に蓋材として十分な強度を持たせたり、図柄を印刷するための層であり、紙やPETフィルムなどの公知の材料を単独または積層して適用可能である。樹脂フィルム2は、積層構造体にガスバリア性や耐水性を付与するための層であり、ポリエチレン系樹脂フィルムなどの公知の材料を適用可能である。なお、基材1の最下層がガスバリア性や耐水性を有する材料(PET樹脂など)で形成されている場合には、その層が実質的に樹脂フィルム層2として機能するため、樹脂フィルム層2を別途設けなくても良い。シーラント層3は、容器のフランジに熱接着(ヒートシール)するための層である。シーラント層3は公知の材料を用いて形成可能であるが、材料の種類は、樹脂フィルム2(これを備えない場合は基材1の最下層)の材料と容器開口部のフランジ部の材料とに応じて選定する。
【0018】
積層構造体の所定の位置には、フルカット10及び表ハーフカット20がそれぞれ形成される。フルカット10は、積層構造体の表面から裏面まで貫通した切れ込みである。表ハーフカット20は、例えば、積層構造体の表面の基材1から樹脂フィルム2の途中(樹脂フィルム2を備えない場合には、基材1の最下層)まで達するような積層構造体を貫通しない切り込みである。なお、フルカット10はいずれの位置に設ける場合でも容器の開口部の内側まで到達しないように形成される。
【0019】
〔第1の実施形態〕
本発明を好適に実施した第1の実施形態について説明する。図2に、本実施形態にかかる蓋材の構成を示す。蓋材50の周縁の少なくとも一部は、容器のフランジから突出している。蓋材50の容器フランジから突出した部分には、表ハーフカット20a及び20bが略平行に形成されている。ここで、表ハーフカット20aと20bとで挟まれた領域は開封片50cと称する。また、表ハーフカット20aよりも周縁側(開封片50cと反対側)は隣接片50a、表ハーフカット20bよりも周縁側(開封片50cと反対側)は隣接片50bとそれぞれ称する。
開封片50cのフランジから突出した部分には、表ハーフカット20a及び20bにそれぞれ近接して略コの字型のフルカット10a及び20bが設けられている。フルカット10a及び10bは、近接する表ハーフカット20a(又は20b)の側が開いたコの字形状である。
【0020】
調理を開始する際には、開封片50cの端部を保持して捲り上げる。すると、表ハーフカット20a及び20bに沿って積層構造体が剪断され、図3に示すように、蓋材50に開口部50dが形成される。
【0021】
開口部50dを介して容器内に湯を注いだ後、開封片50cで開口部50dを塞ぐ。開封片50cで開口部50dを塞いだ後、フルカット10a及び10bに沿って開封片50cの一部を基材1側へ折り返し、係止片60a、60bを形成する。図4に示すように、係止片60a及び60bを、隣接片50a及び50bの下にそれぞれ潜り込ませると、開封片50cがめくれあがろうとしても阻止される。これにより、開封片50cは開口部50dを塞いだ状態に維持される。なお、図5に示すように、隣接片50aに切り込み(フルカット)15aを設け、これに係止片60aを差し込むようにしても良い(隣接片50bについても同様)。
【0022】
このように、本実施形態にかかるアルミレス蓋材は、材料としてアルミ箔を含まなくても、容器開口部を塞いだままの状態に維持できる。しかも、蓋材の中央部ではなく端部から開封できるため、開封作業も行いやすい。
【0023】
〔第2の実施形態〕
本発明を好適に実施した第2の実施形態について説明する。図6に本実施形態にかかる蓋材の構成を示す。
蓋材50の周縁の少なくとも一部は、容器のフランジから突出している。蓋材50の容器フランジから突出した部分には、クランク状のフルカット10c及び10dが設けられ、容器のフランジの部分にまで達している。フルカット10c及び10dの先端部からは表ハーフカット20c及び20dが略平行に形成されている。ここで、フルカット10c及び表ハーフカット20cとフルカット10d及び表ハーフカット20dとで挟まれた領域は開封片50cと称する。また、フルカット10c及び表ハーフカット20cよりも周縁側(開封片50cと反対側)は隣接片50a、フルカット10d及び表ハーフカット20dよりも周縁側(開封片50cと反対側)は隣接片50bとそれぞれ称する。
フルカット10c及び10dは、隣接片50cの周縁側が幅広となるように形成されている。
【0024】
調理を開始する際には、開封片50cの端部を保持して捲り上げる。すると、表ハーフカット20c及び20dに沿って積層構造体が剪断され、図7に示すように、蓋材50に開口部50dが形成される。
【0025】
開口部50dを介して容器内に湯を注いだ後、開封片50cで開口部50dを塞ぐ。開封片50cで開口部50dを塞いだ後、開封片50cの端部(フルカット10c、10dのクランクの部分)を基材1側へ折り返し、係止片60cを形成する。図8に示すように、係止片60cを、隣接片50a及び50bの下にそれぞれ潜り込ませると、開封片50cがめくれあがろうとしても阻止される。これにより、開封片50cは開口部50dを塞いだ状態に維持される。
【0026】
なお、クランク状のフルカット10c及び10dの屈曲部に、表ハーフカット20a、20bと略平行なフルカット30a及び30bをさらに設けても良い。図9に示すように、フルカット30a及び30bをさらに設けることで、係止片60cが隣接片50a又は50bではさみ込まれることとなり、より確実に開封片50cを保持できる。なお、図10(a)に示すように、係止片60cを挟み込むためのフルカットは、クランク状のフルカット10c及び10cの屈曲部と先端部との間から表ハーフカット20a、20bと平行に形成しても良い。このような構成としても、図10(b)に示すように係止片60cを隣接片50a、50bで挟み込んで開封片50cを保持できる。
【0027】
本実施形態にかかるアルミレス蓋材も第1の実施形態と同様の効果が得られる。
【0028】
〔第3の実施形態〕
本発明を好適に実施した第3の実施形態について説明する。図11に本実施形態にかかる蓋材の構成を示す。蓋材50の周縁の少なくとも一部は、容器のフランジから突出している。蓋材50の容器フランジから突出した部分には、表ハーフカット20e及び20fが略平行に形成されている。ここで、表ハーフカット20eと20fとで挟まれた領域は開封片50cと称する。また、表ハーフカット20eよりも周縁側(開封片50cと反対側)は隣接片50a、表ハーフカット20fよりも周縁側(開封片50cと反対側)は隣接片50bとそれぞれ称する。
隣接片50aのフランジから突出した部分には、表ハーフカット20eに近接して略コの字型のフルカット10eが設けられている。フルカット10eは、表ハーフカット20eの側が開いたコの字形状である。また、隣接片50bのフランジから突出した部分には、表ハーフカット20fに近接して略コの字型のフルカット10fが設けられている。フルカット10fは、表ハーフカット20fの側が開いたコの字形状である。
【0029】
調理を開始する際には、開封片50cの端部を保持して捲り上げる。すると、表ハーフカット20e及び20fに沿って積層構造体が剪断され、図12に示すように、蓋材50に開口部50dが形成される。
【0030】
開口部50dを介して容器内に湯を注いだ後、開封片50cで開口部50dを塞ぐ。開封片50cで開口部50dを塞いだ後、隣接片50a、50b一部をフルカット10e又は10fに沿ってそれぞれシーラント層3側へ折り返し、係止片60e、60fを形成する。図13に示すように、係止片60e及び60fの下に開封片50cが位置するように重ね合わせると、開封片50cがめくれあがろうとしても阻止される。これにより、開封片50cは開口部50dを塞いだ状態に維持される。なお、図14に示すように、開封片50cに切り込み(フルカット)15eを設け、係止片60eをこれに差し込むようにしても良い(開封片50b側についても同様)。
【0031】
本実施形態にかかるアルミレス蓋材も第1の実施形態と同様の効果が得られる。
【0032】
〔第4の実施形態〕
本発明を好適に実施した第4の実施形態について説明する。図15に本実施形態にかかる蓋材の構成を示す。蓋材50の構成は、上記第2の実施形態とほぼ同様であるが、開封片50cのフルカット10c、10dの近傍で開封片50cの中央寄りにフルカット10g及び10hがそれぞれ設けられている。フルカット10g及び10hは、ほぼフルカット10c及び10dの屈曲部分まで切り込まれている。
【0033】
調理を開始する際には、開封片50cの端部を保持して捲り上げる。すると、表ハーフカット20c及び20dに沿って積層構造体が剪断され、図16に示すように、蓋材50に開口部50dが形成される。
【0034】
開口部50dを介して容器内に湯を注いだ後、開封片50cで開口部50dを塞ぐ。開封片50cで開口部50dを塞いだ後、開封片50cの端部の一部(フルカット10c、10dのクランクの部分)を折り返し、係止片60g、60hを形成する。図17に示すように、係止片60g及び60hを、隣接片50a及び50bの下にそれぞれ潜り込ませると、開封片50cがめくれあがろうとしても阻止される。これにより、開封片50cは開口部50dを塞いだ状態に維持される。
【0035】
本実施形態にかかるアルミレス蓋材も第1の実施形態と同様の効果が得られる。
【0036】
〔第5の実施形態〕
本発明を好適に実施した第5の実施形態について説明する。図18に本実施形態にかかる蓋材の構成を示す。蓋材50の周縁の少なくとも一部は、容器のフランジから突出している。蓋材50の容器フランジから突出した部分には、表ハーフカット20i及び20jが略平行に形成されている。ここで、表ハーフカット20iと20jとで挟まれた領域は開封片50cと称する。また、表ハーフカット20iよりも周縁側(開封片50cと反対側)は隣接片50a、表ハーフカット20jよりも周縁側(開封片50cと反対側)は隣接片50bとそれぞれ称する。
隣接片50aのフランジから突出した部分には、表ハーフカット20iに近接して略L字型のフルカット10iが設けられている。フルカット10iは、隣接片50aの周縁部から表ハーフカット20iと略平行に切り込まれ、表ハーフカット20i側に屈曲した形状である。また、隣接片50bのフランジから突出した部分には、表ハーフカット20jに近接して略L字型のフルカット10jが設けられている。フルカット10jは、隣接片50bの周縁部から表ハーフカット20jと略平行に切り込まれ、表ハーフカット20j側に屈曲した形状である。
【0037】
調理を開始する際には、開封片50cの端部を保持して捲り上げる。すると、表ハーフカット20i及び20jに沿って積層構造体が剪断され、図19に示すように、蓋材50に開口部50dが形成される。
【0038】
開口部50dを介して容器内に湯を注いだ後、開封片50cで開口部50dを塞ぐ。開封片50cで開口部50dを塞いだ後、隣接片50a、50b一部をフルカット10i又は10jに沿ってそれぞれシーラント層3側へ折り返し、係止片60i、60jを形成する。図20に示すように、係止片60i及び60jの下に開封片50cが位置するように重ね合わせると、開封片50cがめくれあがろうとしても阻止される。これにより、開封片50cは開口部50dを塞いだ状態に維持される。
【0039】
本実施形態にかかるアルミレス蓋材も第1の実施形態と同様の効果が得られる。
【0040】
なお、上記各実施形態は本発明の好適な実施の一例であり、本発明はこれらに限定されることはない。
例えば、係止片は、開封片又は隣接片の一部を上記各実施形態とは逆の方向に折り返して形成してもよい。
また、容器のフランジ部分の形状は任意であり、円形や楕円形などであってもよい。
さらに、本発明は湯切り穴を形成可能な蓋材にも適用可能である。湯切り穴を形成可能とするためには、図21に示すように、蓋材の開封片と対向する位置を表ハーフカットで囲み、囲んだ領域内に裏ハーフカット(シーラント層側から切り込まれ樹脂フィルムを貫通しないハーフカット)を少なくとも一つ形成すればよい。
コの字状のフルカットはU字状でもよく、またそれ以外にもL字状やクランク状またはそれに似た形状でよく、同じような機能を持つ範囲で設計変更可能である。
また、開口部を右寄りに形成したのはデザイン上の問題であり、本発明の機能をなすならどのように形成しても良い。
このように、本発明は様々な変形が可能である。
【符号の説明】
【0041】
1 基材
2 樹脂フィルム
3 シーラント層
10、10a、10b、10c、10d、10e、10f、10g、10h、10i、10j フルカット
15a、15e 切り込み(フルカット)
20、20a、20b、20c、20d、20e、20f、20g、20h、20i、20j 表ハーフカット
50 蓋材
50a、50b 隣接片
50c 開封片
50d 開口部
60a、60b、60c、60e、60f、60g、60h、60i、60j 係止片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器の開口部を塞ぐための蓋材であって、
基材層と、前記容器へ接着するために最下層に位置するシーラント層とを少なくとも有する積層構造体を用いて構成され、
周縁部の少なくとも一部が前記容器のフランジから突出し、該突出した部分からは、クランク状で先端が前記容器のフランジまで達する第1のフルカットが一対、該第1のフルカットで挟まれかつ前記容器のフランジから突出する側が幅広となるように設けられ、
前記各第1のフルカットの先端からは、開封方向と略平行に表ハーフカットがそれぞれ形成されたことを特徴とする蓋材。
【請求項2】
前記第1のフルカットで挟まれかつ前記容器のフランジから突出する部分には、一対の第2のフルカットが、前記第1のフルカットと接しないように形成されていることを特徴とする請求項1記載の蓋材。
【請求項3】
前記一対の第1のフルカットそれぞれの屈曲部からは、前記表ハーフカットと略平行に第3のフルカットが形成されていることを特徴とする請求項1記載の蓋材。
【請求項4】
前記一対の第1のフルカットそれぞれの屈曲部と先端との間からは、前記表ハーフカットと略垂直に第4のフルカットが形成されていることを特徴とする請求項1記載の蓋材。
【請求項5】
前記積層構造体は、アルミ箔を含まずに構成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の蓋材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2011−251770(P2011−251770A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−171232(P2011−171232)
【出願日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【分割の表示】特願2006−89318(P2006−89318)の分割
【原出願日】平成18年3月28日(2006.3.28)
【出願人】(000162113)共同印刷株式会社 (488)
【Fターム(参考)】