説明

薄型映像等表示装置運送用エコバッグ。

【課題】薄型化および大型化した家電テレビ、パソコンディスプレイ等の梱包作業を単純化させ、短時間で梱包・運搬・運送ができ、さらに繰り返し使用できる運送用エコバッグを提供する。
【解決手段】後胴10および底面20各々の内面に所定の衝撃緩衝材11、21を固着し、6枚のフラップ12F、13F、13UF、14F、14UF、32Fおよび複数の結束具にて、薄型化および大型化した家電テレビ等を梱包することにより、短時間で梱包・運搬・運送ができ、さらに繰り返し使用できる運送用エコバッグ1を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、薄型映像等表示装置運送用バッグに関するものである。
【背景技術】
【0002】
映像等表示装置(液晶、プラズマなど)の薄型化および大型化は、年々進んでいる。それに伴い薄型化および大型化した映像等表示装置の運搬・運送作業も増加しているものと予想するが、薄型化および大型化した映像等表示装置の梱包・運搬・運送作業は、様々な点で苦労を要するところである。
【0003】
ところで、映像等表示装置の梱包・運搬・運送作業には、従来ではダンボール製収納箱に緩衝材を同梱する方法をよく目にする。しかし、薄型化および大型化した映像等表示装置は高価なものであるため運搬中の振動や外部からの衝撃により破損しないか心配である。
【0004】
また、運搬・運送後のダンボール製収納箱や緩衝材を焼却廃棄した場合には、CO2排出量増加にもつながり地球環境にやさしくない。
【0005】
引越しなどで薄型化および大型化した映像等表示装置を梱包・運搬・運送する場合には、毛布や布団などで包んだ後に紐などで縛って運搬・運送する方法も目にすることもある。しかし、やはり薄型化および大型化した映像等表示装置は高価なものであるので縛った紐などが切れた場合などを考えると心配である。また、梱包者の技量に委ねる部分もあるのではないかと考える。
【0006】
プラズマディスプレイなどの大型装置の運搬具としてコンパクトに収納できる梱包箱で、かつ、再使用が容易なものとして特開2001−2065号公報(特許文献1)が存在する。しかし、さらなる改良の余地もあるものと考える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−2065号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述したように、薄型化および大型化した映像等表示装置の梱包・運搬・運送には様々な点で苦労を要する。
【0009】
そこで、本願発明が解決しようとする課題は、薄型化および大型化した映像等表示装置の梱包作業工程を単純化させ、いかなる人が梱包作業を行なったとしても短時間で良好な梱包状態となる薄型映像等表示装置運送用バッグを提供することである。
【0010】
また、梱包後の運搬・運送作業も良好にスムーズにできる、薄型映像等表示装置運送用バッグであればさらに利便性が良いと考える。
【0011】
また、運搬・運送作業後には、折り畳んで省スペースで保管できる、薄型映像等表示装置運送用バッグであればさらに利便性が良いと考える。
【0012】
また、廃棄部材が生じることなく繰り返し使える、薄型映像等表示装置運送用バッグであればさらに地球環境にやさしいと考える。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の課題を解決するために、後胴と、当該後胴の下端が接する底面と、当該底面の下端が接する前胴と、前記後胴の内面に取付けた表示装置表示部保護用緩衝材と、前記底面の内面に取付けた表示装置支持脚保護用緩衝材と、前記後胴の上端が接する後胴フラップと、前記前胴の上端が接する前胴フラップと、前記後胴の左端が接する左フラップと、前記後胴の右端が接する右フラップと、前記左フラップの上端の一部が接する左上フラップと、前記右フラップの上端の一部が接する右上フラップと、前記後胴の外面に固着した後胴把持部と、前記前胴の外面に固着した前胴把持部と、前記左フラップおよび右フラップを結束する結束具とを有する薄型映像等表示装置運送用バッグを提供する。
【0014】
また、上記課題を解決するために、後胴と、当該後胴の下端が接する底面と、当該底面の下端が接する前胴と、前記後胴の内面に取付けた表示装置表示部保護用緩衝材と、前記底面の内面に取付けた表示装置支持脚保護用緩衝材と、前記後胴の上端が接する後胴フラップと、前記前胴の上端が接する前胴フラップと、前記後胴の左端が接する左フラップと、前記後胴の右端が接する右フラップと、前記左フラップの上端の一部が接する左上フラップと、前記右フラップの上端の一部が接する右上フラップと、前記後胴の外面に固着した後胴把持部と、前記前胴の外面に固着した前胴把持部と、前記左フラップおよび右フラップを結束する結束具とを有し、前記前胴フラップの内面に面ファスナを装備し、かつ、前記後胴フラップの外面をパイル地にしたことを特徴とする映像等表示装置運送用バッグを提供する。
【0015】
また、上記課題を解決するために、後胴と、当該後胴の下端が接する底面と、当該底面の下端が接する前胴と、前記後胴の内面に取付けた表示装置表示部保護用緩衝材と、前記底面の内面に取付けた表示装置支持脚保護用緩衝材と、前記後胴の上端が接する後胴フラップと、前記前胴の上端が接する前胴フラップと、前記後胴の左端が接する左フラップと、前記後胴の右端が接する右フラップと、前記左フラップの上端の一部が接する左上フラップと、前記右フラップの上端の一部が接する右上フラップと、前記後胴の外面に固着した後胴把持部と、前記前胴の外面に固着した前胴把持部と、前記左フラップおよび右フラップを結束する結束具とを有し、前記表示装置支持脚保護用緩衝材が前記底面から脱着可能である映像等表示装置運送用バッグを提供する。
【0016】
また、上記課題を解決するために、後胴と、当該後胴の下端が接する底面と、当該底面の下端が接する前胴と、前記後胴の内面に取付けた表示装置表示部保護用緩衝材と、前記底面の内面に取付けた表示装置支持脚保護用緩衝材と、前記後胴の上端が接する後胴フラップと、前記前胴の上端が接する前胴フラップと、前記後胴の左端が接する左フラップと、前記後胴の右端が接する右フラップと、前記左フラップの上端の一部が接する左上フラップと、前記右フラップの上端の一部が接する右上フラップと、前記後胴の外面に固着した後胴把持部と、前記前胴の外面に固着した前胴把持部と、前記左フラップおよび右フラップを結束する結束具とを有し、前記前胴フラップの内面に面ファスナを装備し、かつ、前記後胴フラップの外面をパイル地にしたことおよび前記表示装置支持脚保護用緩衝材が前記底面から脱着可能である映像等表示装置運送用バッグを提供する。
【0017】
また、上記課題を解決するために、後胴と、当該後胴の下端が接する底面と、当該底面の下端が接する前胴と、前記後胴の内面に取付けた表示装置表示部保護用緩衝材と、前記底面の内面に取付けた表示装置支持脚保護用緩衝材と、前記後胴の上端が接する後胴フラップと、前記前胴の上端が接する前胴フラップと、前記後胴の左端が接する左フラップと、前記後胴の右端が接する右フラップと、前記左フラップの上端の一部が接する左上フラップと、前記右フラップの上端の一部が接する右上フラップと、前記後胴の外面に固着した後胴把持部と、前記前胴の外面に固着した前胴把持部と、前記左フラップおよび右フラップを結束する結束具とを有し、さらに前記後胴および前胴の外面に複数の吊り下げ用ロープ等挿入機構を付加した薄型映像等表示装置運送用バッグを提供する。
【0018】
また、上記課題を解決するために、後胴と、当該後胴の下端が接する底面と、当該底面の下端が接する前胴と、前記後胴の内面に取付けた表示装置表示部保護用緩衝材と、前記底面の内面に取付けた表示装置支持脚保護用緩衝材と、前記後胴の上端が接する後胴フラップと、前記前胴の上端が接する前胴フラップと、前記後胴の左端が接する左フラップと、前記後胴の右端が接する右フラップと、前記左フラップの上端の一部が接する左上フラップと、前記右フラップの上端の一部が接する右上フラップと、前記後胴の外面に固着した後胴把持部と、前記前胴の外面に固着した前胴把持部と、前記左フラップおよび右フラップを結束する結束具とを有し、さらに前記後胴および前胴の外面に複数の吊り下げ用ロープ等挿入機構と、前記底面の外面端部に複数の底面把持部を付加した薄型映像等表示装置運送用バッグを提供する。
【発明の効果】
【0019】
本願発明の薄型映像等表示装置運送用バッグによれば、いかなる人が梱包作業を行なったとしても短時間で良好な梱包状態となる。
【0020】
また、梱包後の運搬・運送作業も、複数の把持部を有するので良好にスムーズに行え、利便性が向上する。
【0021】
また、運搬・運送作業後には、廃棄部材が生じることなく繰り返し使え、かつ、折り畳んで省スペースで保管することもできるので地球環境にやさしく、かつ、利便性が向上する。
【0022】
本願発明の薄型映像等表示装置運送用バッグによれば、前胴フラップの閉じた位置がいずれの位置であっても接着できるので、薄型テレビの大きさにかかわらず梱包・運搬・運送をすることができ、利便性が向上する。
【0023】
また、本願発明の薄型映像等表示装置運送用バッグによれば、表示装置支持脚保護用緩衝材のみを交換できるので、表示装置支持脚の高さにかかわらず梱包・運搬・運送をすることができ、拡張性が向上する。
【0024】
また、梱包後の運搬・運送作業も、複数の吊り下げ用ロープ等挿入機構を有するので良好にスムーズに行え、利便性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1は、実施例1の薄型映像等表示装置運送用バッグの内面図である。
【図2】図2は、実施例1の薄型映像等表示装置運送用バッグの外面図である。
【図3】図3は、実施例1の薄型映像等表示装置運送用バッグに薄型家電テレビを収納する場面を示す図である。
【図4】図4は、実施例1の薄型映像等表示装置運送用バッグに収納した薄型家電テレビを梱包(横包み)する場面を示す図である。
【図5】図5は、実施例1の薄型映像等表示装置運送用バッグに収納した薄型家電テレビを梱包(縦包み)する場面を示す図である。
【図6】図6は、実施例1の薄型映像等表示装置運送用バッグの梱包完了後を示す図である。
【図7】図7は、実施例2の薄型映像等表示装置運送用バッグの内面図である。
【図8】図8は、実施例2の薄型映像等表示装置運送用バッグの外面図である。
【図9】図9は、実施例2の薄型映像等表示装置運送用バッグに薄型家電テレビを収納する場面を示す図である。
【図10】図10は、実施例2の薄型映像等表示装置運送用バッグに収納した薄型家電テレビを梱包(横包み)する場面を示す図である。
【図11】図11は、実施例2の薄型映像等表示装置運送用バッグに収納した薄型家電テレビを梱包(縦包み始め)する場面を示す図である。
【図12】図12は、実施例2の薄型映像等表示装置運送用バッグに収納した薄型家電テレビを梱包(縦包み途中)する場面を示す図である。
【図13】図13は、実施例2の薄型映像等表示装置運送用バッグに収納した薄型家電テレビを梱包(縦包み完了)する場面を示す図である。
【図14】図14は、実施例2の薄型映像等表示装置運送用バッグの梱包完了後を吊り下げ運搬する状態を示す図である。
【図15】図15は、実施例2の薄型映像等表示装置運送用バッグの梱包完了後を2人で階段運搬する状態を示す図である。
【図16】図16は、実施例3の薄型映像等表示装置運送用バッグの梱包完了後を示す図である。
【図17】図17は、実施例4の薄型映像等表示装置運送用バッグの梱包完了後を示す図である。
【図18】図18は、薄型映像等表示装置運送用バッグの保管時を示すイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本願発明にかかる薄型映像等表示装置運送用バッグを、薄型家電テレビを梱包し運搬・運送する場面で使用する。
【実施例1】
【0027】
実施例1の薄型映像等表示装置運送用バッグは、薄型家電テレビ運送用バッグであり、その構成を図1、図2に従い説明する。
【0028】
薄型家電テレビ運送用バッグ(1)は、後胴(10)と、当該後胴(10)の下端が接する底面(20)と、当該底面(20)の下端が接する前胴(30)と、前記後胴(10)の内面に取付けたテレビ画面保護用クッション(11)と、前記底面(20)の内面に取付けたテレビ支持脚保護用クッション(21)と、前記後胴(10)の上端が接する後胴フラップ(12F)と、前記前胴(30)の下端が接する前胴フラップ(32F)と、前記後胴(10)の左端が接する左フラップ(13F)と、前記後胴(10)の右端が接する右フラップ(14F)と、前記左フラップ(13F)の上端の一部が接する左上フラップ(13UF)と、前記右フラップ(14F)の上端の一部が接する右上フラップ(14UF)と、前記後胴(10)の外面に固着した後胴把持部(15)と、前記前胴(30)の外面に固着した前胴把持部(35)と、前記左フラップ(13F)および右フラップ(14F)を結束するバックル(40a)と水平方向結束ベルト(41)とから構成する。
【0029】
なお、前記テレビ画面保護用クッション(11)と、後胴(10)の内面との取り付け手段は、前記後胴(10)の内面に面ファスナを縫着し、前記テレビ画面保護用クッション(11)側にも対応する面ファスナを縫着した脱着可能式だけに限定されず、その他の周知の固着手段に変更することもあり得る。
【0030】
なお、前記テレビ支持脚保護用クッション(21)と、底面(20)の内面との取り付け手段は、前記底面(20)の内面に面ファスナを縫着し、前記テレビ支持脚保護用クッション(21)側にも対応する面ファスナを縫着した脱着可能式だけに限定されず、その他の周知の固着手段に変更することもあり得る。
【0031】
なお、前記テレビ支持脚保護用クッション(21)の高さは、現状の様々なメーカーの薄型家電テレビ等に対応するために10cm程度であることが好ましい。
【0032】
前記テレビ支持脚保護用クッション(21)の素材は、エチレン・ビニル・アセテート(EVA)を使用しているが、その他の周知の素材に変更することもあり得る。
【0033】
なお、前記バックル(40a)と水平方向結束ベルト(41)は、前記左フラップ(13F)と右フラップ(14F)とを結束し得る結束具であれば何でもよく、周知の結束具に変更することもあり得る。
【0034】
実施例1の薄型家電テレビ運送用バッグの梱包動作を図3、図4、図5、図6の順に沿って説明する。
【0035】
図3は、薄型家電テレビを収納する場面である。薄型家電テレビ運送用バッグ(1)を広げて、後胴(10)の内面に縫着した面ファスナに、対応する面ファスナを縫着したテレビ画面保護用クッション(11)を接着し取付ける。
【0036】
底面(20)の内面に縫着した面ファスナに、対応する面ファスナを縫着したテレビ支持脚保護用クッション(21)を両端に1個ずつ接着し取付ける。
【0037】
テレビ画面保護用クッション(11)方向にテレビ画面側を向け、2個のテレビ支持脚保護用クッション(21)間の位置にテレビ支持脚を収め、前記テレビ支持脚保護用クッション(21)上に薄型家電テレビを置く。
【0038】
なお、前記テレビ支持脚保護用クッション(21)をテレビ支持脚の高さよりも高くしているので、テレビ支持脚は底面(20)に着地していない。
【0039】
図4は、薄型家電テレビ運送用バッグに収納した薄型家電テレビを梱包(横包み)する場面である。
【0040】
左フラップ(13F)と右フラップ(14F)とを各々閉じ、バックル(40a)と対応する水平方向結束ベルト(41)を結束する。
【0041】
図5および図6は、薄型家電テレビ運送用バッグに収納した薄型家電テレビを梱包(縦包み)する場面である。
【0042】
左上フラップ(13UF)と右上フラップ(14UF)とを各々閉じ、さらに後胴フラップ(12F)も閉じる。
【0043】
さらに、前胴(30)を閉じる。
【0044】
最後に、前胴フラップ(32F)の内面に縫着してある面ファスナと前記後胴フラップ(12F)の外面とを接着する。
【0045】
なお、前記後胴フラップ(12F)の表面は、いずれの位置でも前記前胴フラップ(32F)の内面に縫着してある面ファスナが接着できるようにパイル地を使用している。
【0046】
梱包が完了した薄型家電テレビ運送用バッグ(1)は、前記後胴(10)の外面に固着された2個の後胴把持部(15)と、前記前胴(30)の外面に固着された2個の前胴把持部(35)とを2人ないし4人で掴み運搬・運送する。
【0047】
なお、被包装体を薄型家電テレビからパソコンの出力装置として利用される薄型パソコンディスプレイに代えても同様である。
【実施例2】
【0048】
実施例2の薄型映像等表示装置運送用バッグは、被包装体が37インチを超え58インチまでの薄型家電テレビ運送用バッグである。
【0049】
まずは、その構成を図7、図8に従い説明する。
【0050】
実施例2の薄型家電テレビ運送用バッグ(1)は、後胴(10)と、当該後胴(10)の下端が接する底面(20)と、当該底面(20)の下端が接する前胴(30)と、前記後胴(10)の内面に取付けたテレビ画面保護用クッション(11)と、前記底面(20)の内面に取付けたテレビ支持脚保護用クッション(21)と、前記後胴(10)の上端が接する後胴フラップ(12F)と、前記前胴(30)の下端が接する前胴フラップ(32F)と、前記後胴(10)の左端が接する左フラップ(13F)と、前記後胴(10)の右端が接する右フラップ(14F)と、前記左フラップ(13F)の上端の一部が接する左上フラップ(13UF)と、前記右フラップ(14F)の上端の一部が接する右上フラップ(14UF)と、前記後胴(10)の外面中央部付近に固着した2つの後胴把持部(15)と、前記底面(20)の外面端部(図示上端部)と前記後胴(10)との境界部位置に2つ、前記底面(20)の外面端部(図示下端部)と前記前胴(30)との境界部位置に2つ、および前記底面(20)の他の外面端部(図示左右端部)に各々1つを固着した底面把持部(25)と、前記前胴(30)の外面中央部付近に固着した2つの前胴把持部(35)と、前記左フラップ(13F)および右フラップ(14F)を結束する3対の水平方向結束Dカン(40b)および水平方向結束ベルト(41)の組合せで構成する水平方向結束具と、前記後胴(10)および前記前胴フラップ(32F)を結束する3対の垂直方向結束Dカン(50b)および垂直方向結束ベルト(51)の組合せで構成する垂直方向結束具とで構成する。
【0051】
前記後胴(10)の外面略四隅および前記前胴(30)の外面略四隅には、当該薄型家電テレビ運送用バッグ(1)を吊り下げ運搬する場合に利用する吊り下げ用ロープ等挿入機構(60)を設けている。
【0052】
前記吊り下げ用ロープ等挿入機構(60)の構造は、水平方向帯状布の一部に未縫着部分を設けることにより吊り下げ用ロープ等を挿入する空間を確保しているが、被包装体である薄型家電テレビの重量に耐え、かつ、吊り下げ用ロープ等を挿入する空間を確保できる構造であれば設計変更し得る。
【0053】
前記吊り下げ用ロープ等挿入機構(60)の配置および個数は、前記後胴(10)の外面略四隅および前記前胴(30)の外面略四隅に設けているが、被包装体である薄型家電テレビの重量に耐え、かつ、吊り下げ用ロープ等が挿入および維持できれば良く、設計変更し得る。
【0054】
前記後胴把持部(15)および前記前胴把持部(35)の配置および個数は、前記後胴(10)の外面中央部付近に2つの後胴把持部(15)および前記前胴(30)の外面中央部付近に2つの前胴把持部(35)を設けているが、当該薄型家電テレビ運送用バッグ(1)を運搬・運送するのに適していれば良い。
【0055】
前記底面把持部(25)の配置および個数は、当該薄型家電テレビ運送用バッグ(1)を運搬・運送するのに適していれば良いが、被包装体である薄型家電テレビの重量が重い場合には複数人の運搬員が様々な位置で把持可能な位置に配置されていることが好ましい。
【0056】
前記テレビ支持客保護用クッション(21)の配置、個数および高さは、前記底面(20)の両端に1個ずつおよびテレビ支持脚が前記底面(20)に着地しない程度の高さとしているが、テレビ支持脚を外部からの衝撃などから防止することができれば良い。
【0057】
なお、前記テレビ支持脚保護用クッション(21)は、前記底面(20)内面の左端部および右端部に縫着した4本の底面面ファスナ(209)により固定している。
【0058】
前記テレビ画面保護用クッション(11)の形状および大きさは、被包装体である薄型家電テレビのテレビ画面を外部からの衝撃などから防止することができれば良いが、当該薄型家電テレビ運送用バッグ(1)を保管するときの収納性を向上させるためには、折り畳み可能であることが好ましい。さらに好ましくは、中央付近に横方向の切れ込みを入れ2つ折り畳んだときの大きさが前記底面(20)以下の大きさになるテレビ画面保護用クッション(11)である。
【0059】
なお、前記テレビ画面保護用クッション(11)は、前記後胴(10)内面の上端部および下端部に縫着した2本の後胴面ファスナ(109)により固定している。
【0060】
前記右フラップ(14F)の外面には、テレビ画面背面保護用合板挿入ポケット(70)を縫着している。
【0061】
なお、前記テレビ画面背面保護用合板挿入ポケット(70)は、前記右フラップ(14F)の外面に縫着しているが、テレビ画面の背面中央部付近を保護できれば良く、左フラップ(13F)の外面等に縫着することも可能である。
【0062】
前記後胴フラップ(12F)の外面には、略等間隔で3本の後胴フラップ面ファスナ(12F9)を縫着している。
【0063】
前記前胴フラップ(32F)の内面には、前記後胴フラップ面ファスナ(12F9)と相互に着脱可能な前胴フラップ面ファスナ(32F9)を縫着している。
【0064】
前記左上フラップ(13UF)の外面には、左上フラップ面ファスナ(13UF9)を縫着している。
【0065】
前記前記右上フラップ(14UF)の内面には、前記左フラップ面ファスナ(13UF9)と相互に着脱可能な右上フラップ面ファスナ(14UF9)を縫着している。
【0066】
なお、当該薄型家電テレビ運送用バッグ(1)の外形寸法は、幅142cm高さ93cm奥行き43cmである。
【0067】
次に、実施例2の薄型表示装置の運送用バッグの梱包時の動作について、図7、図9、図10、図11、図12、図13の順に沿って説明する。
【0068】
薄型家電テレビ運送用バッグ(1)を広げて、後胴(10)の内面に縫着した後胴面ファスナ(109)に、対応する面ファスナ(図示せず)を縫着したテレビ画面保護用クッション(11)を圧着し取付ける。
【0069】
底面(20)の内面に縫着した底面面ファスナ(209)に、対応する面ファスナ(図示せず)を縫着したテレビ支持脚保護用クッション(21)を前記底面(20)の両端に1個ずつ圧着し取付ける。
【0070】
前記テレビ画面保護用クッション(11)方向にテレビ画面(表示面側)を向け、前記底面(20)の両端に圧着し取付けたテレビ支持脚保護用クッション(21)間の位置にテレビ支持脚を収め、前記テレビ支持脚保護用クッション(21)の上に薄型家電テレビを載置する。
【0071】
なお、前記テレビ支持脚保護用クッション(21)をテレビ支持脚の高さよりも高くしているので、テレビ支持脚は底部(20)に着地していない。
【0072】
右フラップ(14F)に縫着したテレビ画面背面保護用合板挿入ポケット(70)にテレビ画面背面保護用合板(71)を挿入し、前記右フラップ(14F)を閉じる。
【0073】
左フラップ(13F)を閉じ、3個の水平方向結束Dカン(40b)に対応する各水平方向結束ベルト(41)を挿入し前記右フラップ(14F)と左フラップ(13F)とを結束する。
【0074】
左上フラップ(13UF)を閉じる。
【0075】
前記左上フラップ(13UF)の外面に縫着された左上フラップ面ファスナ(13UF9)上に、右上フラップ(14UF)の内面に縫着された右上フラップ面ファスナ(14UF9)を重ね閉じ圧着する。
【0076】
後胴フラップ(12F)を前記右上フラップ(14UF)上に重ね閉じる。
【0077】
前胴(30)を閉じ、さらに、前記後胴フラップ(12F)の外面に縫着された前記後胴フラップ面ファスナ(12F9)上に、前記前胴フラップ(32F)の内面に縫着された前記前胴フラップ面ファスナ(32F9)を重ね閉じ圧着する。
【0078】
3個の垂直方向結束Dカン(50b)に対応する各垂直方向結束ベルト(51)を挿入し、前記前胴フラップ(32F)と前記後胴(10)とを結束する。
【0079】
なお、被包装体を薄型家電テレビからパソコンの出力装置として利用される薄型パソコンディスプレイに代えても同様である。
【0080】
次に、実施例2の薄型家電テレビの運送用バッグの吊り下げ運搬時の動作について、図14に従い説明する。
【0081】
梱包が完了した薄型家電テレビ運送用バッグ(1)の後胴(10)および前胴(30)の図示右端に装備した吊り下げ用ロープ等挿入機構(60)に吊り下げ用ロープA(61)を挿入し、さらに前記後胴(10)および前胴(30)の図示左端に装備した吊り下げ用ロープ等挿入機構(60)にも吊り下げ用ロープB(62)を挿入する。
【0082】
前記吊り下げ用ロープA(61)および前記吊り下げ用ロープB(62)を同時に引き上げることにより、前記薄型家電テレビ運送用バッグ(1)を吊り下げ運搬することができる。
【0083】
次に、実施例2の薄型家電テレビの運送用バッグの階段運搬時の動作について、図15に従い説明する。
【0084】
階段上部の運搬員は、梱包が完了した薄型家電テレビ運送用バッグ(1)の図示左側の前胴把持部(35)および後胴把持部(15)を握りながら(バッグを腕で挟むようにして)階段を上る。
【0085】
一方、階段下部の運搬員は、前記薄型家電テレビ運送用バッグ(1)の図示右側の両底面把持部(25)を握りながら(バッグを腕で挟むようにして)階段を上る。
【実施例3】
【0086】
実施例3の薄型映像等表示装置運送用バッグは、被包装体が22インチを超え37インチまでの薄型家電テレビ運送用バッグである。
【0087】
その構成を図16に従い、実施例2との変更点のみを説明する。
【0088】
実施例3の薄型家電テレビ運送用バッグ(1)は、後胴(10)と、当該後胴(10)の下端が接する底面(20)と、当該底面(20)の下端が接する前胴(30)と、前記後胴(10)の内面に取付けたテレビ画面保護用クッション(11)と、前記底面(20)の内面に取付けたテレビ支持脚保護用クッション(21)と、前記後胴(10)の上端が接する後胴フラップ(12F)と、前記前胴(30)の下端が接する前胴フラップ(32F)と、前記後胴(10)の左端が接する左フラップ(13F)と、前記後胴(10)の右端が接する右フラップ(14F)と、前記左フラップ(13F)の上端の一部が接する左上フラップ(13UF)と、前記右フラップ(14F)の上端の一部が接する右上フラップ(14UF)と、前記後胴(10)の外面中央部付近に固着した1つの後胴把持部(15)および前記後胴把持部(15)を挟むように設けた1つの後胴肩掛けハンドル(16)と、前記前胴(30)の外面で、かつ、前記後胴肩掛け紐(16)と対称的位置に設けた1つの前胴肩掛けハンドル(36)と、前記左フラップ(13F)および右フラップ(14F)を結束する2対の水平方向結束Dカン(40b)および水平方向結束ベルト(41)の組合せで構成する水平方向結束具と、前記後胴(10)および前記前胴フラップ(32F)を結束する2対の垂直方向結束Dカン(50b)および垂直方向結束ベルト(51)の組合せで構成する垂直方向結束具とで構成する。
【0089】
なお、前記後胴肩掛けハンドル(16)と後胴(10)および前記前胴肩掛けハンドル(36)と前胴(30)との固着については、被包装体である薄型家電テレビの重量に耐えうる固着手段であれば良い。本実施例では、前記後胴(10)および前胴(30)の外面にDカンを設けている。
【0090】
なお、当該薄型家電テレビ運送用バッグ(1)の外形寸法は、幅88cm高さ68cm奥行き31cmである。
【0091】
次に、実施例3の薄型家電テレビの運送用バッグの1人運搬をする場合の動作について、図16に従い説明する。
【0092】
運搬員は、梱包が完了した薄型家電テレビ運送用バッグ(1)の後胴肩掛けハンドル(16)および前胴肩掛けハンドル(36)を肩に掛けて運搬する。
【0093】
前記薄型家電テレビ運送用バッグ(1)が運搬中に揺れる場合には、さらに後胴把持部(15)を握り、揺れを抑えながら1人で運搬をする。
【0094】
その他の動作については、実施例2と略同様であるので省略する。
【0095】
なお、被包装体を薄型家電テレビからパソコンの出力装置として利用される薄型パソコンディスプレイに代えても同様である。
【実施例4】
【0096】
実施例4の薄型映像等表示装置運送用バッグは、被包装体が22インチ以下の薄型家電テレビ運送用バッグである。
【0097】
その構成を図17に従い、実施例2との変更点のみを説明する。
【0098】
実施例4の薄型家電テレビ運送用バッグ(1)は、後胴(10)と、当該後胴(10)の下端が接する底面(20)と、当該底面(20)の下端が接する前胴(30)と、前記後胴(10)の内面に取付けたテレビ画面保護用クッション(11)と、前記底面(20)の内面に取付けたテレビ支持脚保護用クッション(21)と、前記後胴(10)の上端が接する後胴フラップ(12F)と、前記前胴(30)の下端が接する前胴フラップ(32F)と、前記後胴(10)の左端が接する左フラップ(13F)と、前記後胴(10)の右端が接する右フラップ(14F)と、前記左フラップ(13F)の上端の一部が接する左上フラップ(13UF)と、前記右フラップ(14F)の上端の一部が接する右上フラップ(14UF)と、前記後胴(10)の外面左端部近傍と右端部近傍を紐状体で結合した1本の後胴把持部(15)と、前記前胴(30)の外面で、かつ、前記後胴把持部(15)と対称的位置に設けた1本の前胴把持部(35)と、前記左フラップ(13F)および右フラップ(14F)を結束する2対の水平方向結束Dカン(40b)および水平方向結束ベルト(41)の組合せで構成する水平方向結束具と、前記後胴(10)および前記前胴フラップ(32F)を結束する2対の垂直方向結束Dカン(50b)および垂直方向結束ベルト(51)の組合せで構成する垂直方向結束具とで構成する。
【0099】
なお、当該薄型家電テレビ運送用バッグ(1)の外形寸法は、幅56cm高さ47cm奥行き22cmである。
【0100】
実施例4の薄型家電テレビの運送用バッグの1人運搬をする場合の動作について、図17に従い説明する。
【0101】
運搬員は、梱包が完了した薄型家電テレビ運送用バッグ(1)の後胴把持部(15)および前胴把持部(35)を握り1人で運搬する。
【0102】
その他の動作については、実施例2および実施例3と略同様であるので省略する。
【0103】
なお、被包装体を薄型家電テレビからパソコンの出力装置として利用される薄型パソコンディスプレイに代えても同様である。
【0104】
なお、すべての薄型映像等表示装置運送用バッグ(1)は、保管時には折り畳んでバッグ収納巾着(8)に収納することができる(図18)。
【産業上の利用可能性】
【0105】
本願発明は、薄型家電テレビ、薄型パソコンディスプレイ等の梱包作業を単純化させ、短時間で梱包・運搬・運送ができ、さらに繰り返し使用することができる運送用エコバッグであり、利便性を飛躍的に向上させるものであるから産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0106】
1 薄型映像等表示装置運送用バッグ
10 後胴
11 テレビ画面保護用クッション(表示装置表示部保護用緩衝材)
12F 後胴フラップ
12F9 後胴フラップ面ファスナ
13F 左フラップ
13UF 左上フラップ
13UF9 左上フラップ面ファスナ
14F 右フラップ
14UF 右上フラップ
14UF9 右上フラップ面ファスナ
15 後胴把持部
16 後胴肩掛けハンドル
109 後胴面ファスナ
20 底面
21 テレビ支持脚保護用クッション(表示装置支持脚保護用緩衝材)
25 底面把持部
209 底面面ファスナ
30 前胴
32F 前胴フラップ
32F9 前胴フラップ面ファスナ
35 前胴把持部
36 前胴肩掛けハンドル
40a バックル
40b 水平方向結束Dカン
41 水平方向結束ベルト
50b 垂直方向結束Dカン
51 垂直方向結束ベルト
60 吊り下げ用ロープ等挿入機構
61 吊り下げ用ロープA
62 吊り下げ用ロープB
70 テレビ画面背面保護用合板挿入ポケット
71 テレビ画面背面保護用合板
8 バッグ収納用巾着

【特許請求の範囲】
【請求項1】
後胴と、
当該後胴の下端が接する底面と、
当該底面の下端が接する前胴と、
前記後胴の内面に取付けた表示装置表示部保護用緩衝材と、
前記底面の内面に取付けた表示装置支持脚保護用緩衝材と、
前記後胴の上端が接する後胴フラップと、
前記前胴の上端が接する前胴フラップと、
前記後胴の左端が接する左フラップと、
前記後胴の右端が接する右フラップと、
前記左フラップの上端の一部が接する左上フラップと、
前記右フラップの上端の一部が接する右上フラップと、
前記後胴の外面に固着した後胴把持部と、
前記前胴の外面に固着した前胴把持部と、
前記左フラップおよび右フラップを結束する結束具と、
を有する薄型映像等表示装置運送用バッグ。
【請求項2】
前記前胴フラップの内面に面ファスナを装備し、かつ、前記後胴フラップの外面をパイル地にしたことを特徴とする請求項1の薄型映像等表示装置運送用バッグ。
【請求項3】
前記表示装置支持脚保護用緩衝材が、前記底面から脱着可能であることを特徴とする請求項1及び請求項2の薄型映像等表示装置運送用バッグ。
【請求項4】
前記後胴および前胴の外面に複数の吊り下げ用ロープ等挿入機構を付加した、請求項1、請求項2又は請求項3の薄型映像等表示装置運送用バッグ。
【請求項5】
前記底面の外面端部に複数の底面把持部を付加した請求項1、請求項2、請求項3又は請求項4の薄型映像等表示装置運送用バッグ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2011−178468(P2011−178468A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−15906(P2011−15906)
【出願日】平成23年1月28日(2011.1.28)
【出願人】(307024956)有限会社トラスト・リーグ (2)
【出願人】(510034443)
【出願人】(510034797)
【Fターム(参考)】