説明

薄層クロマトグラフ用水素炎イオン化検出器

【課題】測定対象試料の質量に対し検出感度特性が一次関数になり、かつ優れた直線性を有する検量線が得られる薄層クロマトグラフ用水素炎イオン化検出器を提供する。
【解決手段】
水素バーナー1は、水素ガス噴出用の細管1aと、前記細管の外周に沿って同軸方向に開口した空気噴出口3を具備した構造をもち、空気噴出口3から噴出する空気は、空気制御バルブ2にて線速度0から2.125m/secの範囲に調整され水素炎4を形成する。薄層クロマトグラフィー要素5上の分析対象成分を水素炎によって順次イオン化が可能なように、前記要素を移動可能な手段11;イオンを捕獲するコレクタ電極6;水素バーナー1とコレクタ電極6間に電圧を印加するための電源7;イオン電流を検出するための電流計8を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は薄層クロマトグラフィーの定量分析に用いられる薄層クロマトグラフ用水素炎イオン化検出器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、直径1mm程度の石英棒の表面にアルミナ、シリカゲル、珪藻土、またはヒドロキシルアパタイトなどの微粒子を焼結させた薄層クロマトグラフィー要素(例えば、特許文献3参照)の上に、分析対象試料をスポットした後、適当な移動相(例えば、各種有機溶媒、水、酸、アルカリ、又はそれらの混合物)を毛細管現象により移動展開し、各成分に分離する。続いて、薄層クロマトグラフィー要素に残留する移動相を加熱又は室温で蒸発除去した後、水素炎イオン化検出器により各成分を定量分析する薄層クロマトグラフが広く利用されてきた。
【0003】
前記水素炎イオン化検出器は、ガスクロマトグラフィーの分野に於いて最も使用されてきた検出器の一つで、有機物全般に感度があり、分析対象試料中の成分の質量と検出感度との間には一次関係が成り立つため、精度の高い定量分析が可能となっている。一方、前記水素炎イオン化検出器を薄層クロマトグラフィーに応用した、薄層クロマトグラフ用の水素炎イオン化検出器も、ガスクロマトグラフィーでは分析が困難な脂質、重質油など沸点の高い分析対象試料の分析に利用されてきた。しかしながら、水素炎イオン化検出器を薄層クロマトグラフィーに応用した場合、ガスクロマトグラフ用の水素炎検出器で得られた種々の知見を、そのまま薄層クロマトグラフに適用しても、その構成要素の違いから、水素炎イオン化検出器の特性も大きく異なり、分析対象試料中の成分の質量と検出感度との間には、一次関係は成り立たず、その検量線は曲線になるため、精度の高い定量分析は困難であった。
【0004】
前記構成要素の違いとは、分析対象試料の成分を水素炎の中に導入するための手段から起因するものである。ガスクロマトグラフの場合、水素ガスおよび気化した分析対象成分を噴出するノズルと、そのノズルの先に形成された水素炎、水素炎近傍に配置されたコレクタ電極、コレクタ電極とノズル間に電圧を印加する電源、および直列に接続された電流計で構成されている。水素ガスと同時にノズルから噴出した分析対象成分は、水素炎中でイオン化されて、ノズルとコレクタ電極間にイオン電流が流れ、その電流値を読み取ることにより分析が可能となる。一方、薄層クロマトグラフの場合、分析対象成分は薄層クロマトグラフィー要素上に存在する。前記ノズルに対応する要素は水素バーナーで構成され、その水素バーナーが形成する水素炎の中を、薄層クロマトグラフィー要素が一定速度にて通過し、分析対象成分が存在するとイオン化さて、ガスクロマトグラフの場合と同様に水素バーナーとコレクタ電極の間にイオン電流が生じる。しかし薄層クロマトグラフィー要素が存在することにより、分析対象成分のイオン化の過程で、物理的あるいは化学的影響を受け、結果として検量線が図3で示すようにべき乗関数のように曲るという現象が起きる。
【0005】
そこで薄層クロマトグラフィー要素が帯電してコレクタ電極に対して、大きな電位差を生じるという物理的現象に着目し、この影響を回避する検討がなされた(特許文献1、特許文献2参照)。この検討により、直線的な検量線が得られ分析精度は向上したものの、厳密に検量線の直線性を判定すると、図4で示すようにS字状に曲る傾向があり、そのため測定誤差を生じることになる。このように薄層クロマトグラフ用水素炎イオン化検出器は、分析対象成分の量と検出感度の間にガスクロマトグラフ用水素炎イオン化検出器のような良好な一次関係がなく、その検量線は曲線状に曲る。そのためガスクロマトグラフ用の水素炎イオン化検出器に比べ分析精度が劣ることになる。
【0006】
本発明者は、非特許文献1で述べられているように、水素炎中で分析対象成分がイオン化する過程に於いて、薄層クロマトグラフィー要素は化学的にも何らかの影響を及ぼしていて、その影響の度合いは、水素バーナーに供給される空気の線速度に関係があると推論した。従来の薄層クロマトグラフ用イオン化検出器における水素バーナーは、図2で示すような構造をしており、矢印Bのように水素バーナーに導かれた空気流は、スプリッター9にて二つの流路に分岐され、矢印E及びFで示した流れとなって水素バーナーの上部から噴出される。従来水素バーナーに導入される空気流量は、通常2000mL/minが標準とされて来た(特許文献1〜3参照)。なぜスプリッター9にて水素の流れを分岐する構造になっているのか、その明確な理由は不明であるが、おそらく空気流Eによって一種のエアカーテンを形成し、外気中に漂う塵などを遮断する効果を期待したものではないかと推測する。
【0007】
いずれにしても、水素炎に最も近接する矢印Fの空気流とその外側を流れる空気流Eは、それぞれ単独で制御することができないことから、空気流がその検出感度特性に及ぼす影響については、全く知られていなかった。水素の炎は、外部から空気を強制的に送り込まない限り、周辺にある空気の自然拡散により、炎に近づいてきた空気と炎が接触し燃焼反応が持続すると考えられる。そして水素炎の燃焼状態、例えば還元的なのか酸化的なのか、炎の温度は何度かといった化学反応の場である水素炎の状態は、炎と空気が接触する界面にて、空気がどれくらいの頻度で水素分子と衝突するかによって大きく左右されるものと考えられた。
【0008】
従って本発明に於いては、水素と空気が接する界面に線速度を制御した空気流を形成し、その空気流の線速度変化が薄層クロマトグラフ用水素炎イオン化検出器の検出感度に及ぼす影響を調べ、本発明を完成させるに至った。なお、あらかじめ水素ガスと空気を混合してから燃焼させる方法も考えられるが、ガスクロマトグラフ用の水素炎イオン化検出器の知見からすると、水素ガスの中に酸素が混入した場合、分析対象試料の成分である有機物のイオン化が阻害され、検出感度が低下することが広く知られている。この現象は、薄層クロマトグラフ用水素炎イオン化検出器においても、そのまま当てはまることが十分に予測され、本発明では検討対象から除外した。
【特許文献1】特公平5−4631
【特許文献2】特公平5−11905
【特許文献3】特公昭52−35320
【非特許文献1】M.Ogasawara,K.Tsuruta,S.Arao,J.Chromatogr.A 973(2002)151−158
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
前記のように、薄層クロマトグラフ用水素炎イオン化検出器において、分析対象試料中の成分の質量と検出感度との間には一次関係が成り立たず、その検量線はべき乗或いはS字状の曲線となる。従って、ガスクロマトグラフ用の水素炎イオン化検出器に比べ分析精度が劣っていた。本発明の課題は、従来技術の前記欠点を解消し、優れた直線性を持った検量線が得られる薄層クロマトグラフ用イオン化検出器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
以上の課題を解決するために、水素バーナーは、水素ガス噴出用の細管と、前記細管の外周に沿って同軸方向に開口した空気噴出口を具備した構造とし、空気噴出口から噴出する空気の線速度を0から2.125m/secの範囲に調整するための空気制御バルブを含むことを特徴とする、薄層クロマトグラフ用水素炎イオン化検出器により解決することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、分析対象試料中の成分の質量と薄層クロマトグラフ用水素炎イオン化検出器から得られる検出感度が一次関数で与えられ、かつ決定係数Rは0.999以上で優れた直線性が得られる。従って、ガスクロマトグラフ用水素炎イオン化検出器と同様に精度の高い定量分析が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明を詳細に説明する。図1は、本発明の薄層クロマトグラフ用水素炎イオン化検出器を実施するための一態様を模式的に示す説明図であり、図5は、本発明の別の態様を模式的に示す説明図である。図1に示す態様は、水素バーナー1とコレクタ電極6の間に電源7により電圧を印加して、水素バーナーとコレクタ電極間に流れる電流を電流計8で検出する態様であり、図5に示す態様は、陰極であるコレクタ電極6を第三の電極10でもって包囲した場合の態様である(特許文献2参照)。
【0013】
図1に示す態様では、水素バーナーは、水素ガス噴出用細管1aとそれを取り囲むように外管1bが同軸上(図1では水素バーナーの軸方向に切断した断面図で示している)に配置される。水素ガス噴出用細管1aに流量が制御された水素ガスが矢印Aで示されるように導入され、水素炎4が形成される。水素ガス噴出用細管1aの外側には外管1bとの間隙にて形成された空気の流路が形成され、空気制御バルブ2にて制御された空気流が流れ込み、空気噴出口3から矢印Cで示した方向に制御された線速度にて空気が噴出することができる。薄層クロマトグラフィー要素5の移動手段11、すなわち、薄層クロマトグラフィー要素用移動手段11は、適当な把持手段11aによって薄層クロマトグラフィー要素5を一端5a(又は両端)で固定し、薄層クロマトグラフィー要素5を所定速度で水素炎4への方向(矢印Dの方向)へ移動させ、薄層クロマトグラフィー要素5のクロマトグラフィー担体上に分離されている分析対象試料の各成分を、水素炎4によって順次イオン化させることができる。水素炎4によってイオン化されたイオンは、水素バーナー、コレクタ電極6、電流計8、および電源7で形成された電気回路内をイオン電流として流れ、電流計8により電流値として検出することができる。
【0014】
本発明における水素バーナー1の構成は、水素ガス噴出用細管1aと外管1bにて構成されるが、空気噴出口3から噴出される空気の線速度算出のために、空気噴出口3の開口部面積が規定されていれば良く、その空気噴出口3の開口部の形状により規定されるものではない。例えば、水素ガス噴出用細管1a及び外管1bの断面形状は、円形でも多角形でも実施することができる。
【0015】
本発明で使用される空気制御バルブ2は、空気流量を制御するバルブ又は空気圧力を制御できるバルブ、すなわち一般的な名称として、ニードルバルブ、ベローズバルブ、又はレギュレーティングバルブなどいずれでも使用することができるが、空気圧力バルブを使用する場合には、空気制御バルブ2から水素バーナー1の間の配管に絞りを設け、適度な圧力が空気制御バルブ3にかかるよう工夫が必要になる。またベローズバルブでは精密な流量制御が難しい。従って本発明を実施するためにはニードルバルブの使用が最も望ましい。
【0016】
本発明で使用できる薄層クロマトグラフィー要素5は、一般に、支持体とその上に設けられたクロマトグラフィー担体(すなわち、薄層)とからなる。支持体としては耐熱性セラミックス(例えば、石英ガラス、アルミナ、又はジルコニアなど)やステンレス、チタン、又はコバールなどの金属が使用できる。クロマトグラフィー担体としては、シリカゲル、アルミナ、珪藻土、又はヒドロキシルアパタイトなどを用いることができる。
【0017】
本発明で用いることができる薄層クロマトグラフィー要素用移動手段11は、薄層クロマトグラフィー要素を軸方向に所定速度にて移動可能である限り、特に限定されるものではない。例えば薄層クロマトグラフィーを搭載可能な移動テーブルや、薄層クロマトグラフィーの一端を固定可能な移動式チャックなどが挙げられる。前記薄層クロマトグラフィー要素用移動手段の駆動方法としては、直流モータ、交流モータ、パルスモータ、又はリニアモータなどを挙げる事ができる。
【0018】
本発明で用いることができるコレクタ電極6は、水素炎4で発生するイオン又は電子を効率よく補足できる限り、特に限定されるものではない。例えば円筒形、円柱形、角柱形、又は平板などの形状でよく、また、一つだけではなく複数個配置することもできる。図1に於いてコレクタ電極6の電位は、水素炎バーナー1に対して陽極とされているが、逆極性、つまりコレクタ電極を陰極、水素バーナーを陽極としても、本発明を実施することができる。
【0019】
図5に示す態様では、陰極であるコレクタ電極を陽極である第三の電極でもって包囲した場合で、その他は図1の態様と同様となっている。水素バーナー1は陽極に、コレクタ電極6は陰極に、第三の電極10は陽極にそれぞれ接続されている。この態様は薄層クロマトグラフィー要素5が検出感度特性にあたえる物理的影響を回避する手段となっており、それぞれの電極の電気的極性は絶対条件であり、それぞれの電極極性を変更することはできない(特許文献2参照)。
【実施例】
【0020】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
【実施例1】
本実施例では、図1に示す本発明の薄層クロマトグラフ用イオン化検出器の一態様を用いた。水素バーナー1は、水素ガス噴出用細管外形φ2mm、外管内径φ3mmのものを用いた。この場合、空気噴出口3の開口部面積は3.925mmとなる。空気ポンプから排出された空流Bは、空気制御バルブ2のニードルバルブにて流量が制御され、空気噴出口3からは、線速度0から3.4m/secの空気流を噴出するように設定した。水素バーナー1に導入する水素ガス流量は160mL/minに一定に保たれた。電源7の電圧は300Vdcで、水素バーナー1が陰極、コレクタ電極6が電流計8を介して陽極に接続された。薄層クロマトグラフィー要素5は、φ0.9mmの石英ガラス支持体にクロマトグラフィー担体としてシリカゲルが焼結されたものを用いた。前記薄層クロマトグラフィー要素は、120mm/30secの一定速度で水素炎4を通過するように設定した。
【0021】
測定対象試料として、市販の中性脂質であるコレステロールパルミテートを12mg/mLの濃度にトルエンで調製し、それを原液として希釈列溶液を調製した。活性化処理をした薄層クロマトグラフィー要素上に、調製した希釈列溶液1μLをスポットした後、n−ヘキサン:ジエチルエーテル=60:10の展開溶媒で10cm展開した。展開が終わった薄層クロマトグラフィー要素を2分間室温で放置し展開溶媒を蒸発させた。次にこの薄層クロマトグラフィー要素を、図1の薄層クロマトグラフィー用水素炎イオン化検出器にセットし、空気噴出口3から噴出する空気流の線速度を変化させて、そのときのコレステロールパルミテートの検出感度を積分値(μV・sec)として測定し、その結果より、検量線のべき乗近似式と線形近似式、および決定係数Rを求めた。
【0022】
結果を表1、表2、及び図6に示した。表1より、水素バーナーから噴出する空気の線速度が速くなるにつれて、その検量線はべき乗に近似する傾向が観られた。一方表2からは、空気の線速度が2.125m/sec以下になると線形に良く近似するようになり、線速度が0m/secになるとまた直線性が低下した。この表の内、空気の線速度0.85m/sec、及び3.4m/secの場合の検量線を図6に示した。図6からも明らかなように、0.85m/secの場合の方が良好な直線性を示すことが判る。従って、水素バーナーから噴出する空気の線速度が0から2.125m/secの間に最適な直線性を示す領域が存在する。この領域は、水素バーナーとコレクタ電極の距離といった検出器のデザインに多少なりとも依存し、その最適領域は変化するものと考えられる。
【表1】

【表2】

【実施例2】
【0023】
本実施例では、図1に示す本発明の薄層クロマトグラフ用イオン化検出器の一態様を用いて、空気噴出口3の開口部面積の違いによる影響を調べた。水素バーナー1は、水素ガス噴出用細管外形φ2mmのものを、外管は内径φ3mmのものとφ5mmのものを用いて比較した。この場合空気噴出口3の開口部面積は、それぞれ3.925mm、及び16.485mmであった。空気噴出口3から噴出する空気の線速度は、それぞれ0.85m/secになるように空気制御バルブ2にて調節した。その他の条件は、前記実施例1と同様とし、コレステロールパルミテートの希釈列溶液を分析対象試料に分析を行った。
【0024】
図7は、空気噴出口3の開口部面積が3.925mmの場合の測定値をX軸に、16.485mmの場合の測定値をY軸にとり、その相関関係を示したものである。この図7より、傾きがほぼ1の原点0を通る直線が得られることから、開口部面積が3.925mmと16.485mmの検出感度特性は一致するといえる。従って、空気流量が異なっても空気の線速度を一定に保つことにより、一定の感度特性が得られることが明らかとなった。従って、薄層クロマトグラフィー用検出器の場合、その検出感度特性は空気流量ではなく、水素炎の近傍を流れる空気の線速度を正確に制御することにより、良好な直線性を持つ検量線が得られることが明らかとなった。
【実施例3】
【0025】
本実施例では、図5に示す本発明の薄層クロマトグラフ用イオン化検出器の一態様を用いた(特許文献2参照)。第三の電極10は、円筒状の金属を用い電源7の陽極に接続された。水素バーナー1は、水素ガス噴出用細管外形φ2mm、外管内径φ3mmのものを用いた。空気噴出口3から噴出する空気の線速度は、0.85m/secになるように空気制御バルブ2にて調節した。その他の条件は、前記実施例1と同様とし、コレステロールパルミテートの希釈列溶液を分析対象試料にして検量線を得た。
【0026】
結果を図8に示す。従来の検量線である図4に比べ優れた直線性が得られた。特に注目すべきこととして、図8の検量線は、原点のゼロを通過する直線であるということである。つまり、既知濃度の分析対象試料の測定値が一点あれば、ゼロとその測定値を結ぶ直線が検量線となるため、簡単な操作で検量線が求めることができる。従来のように検量線が曲線になる場合は、少なくとも5点の異なった濃度の試料を準備する必要があった。以上のように、特許文献2で開示されている電極態様に於いても、水素バーナーから噴出する空気流の線速度を制御することにより、薄層クロマトグラフィー用水素炎イオン化検出器から得られる検量線の直線性をさらに改善できることが明らかとなった。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の薄層クロマトグラフ用水素炎イオン化検出器の一態様を模式的に示す説明図である。
【図2】従来の薄層クロマトグラフ用水素炎イオン化検出器における水素バーナーを模式的に示す説明図である。
【図3】従来の薄層クロマトグラフ用水素炎イオン化検出器で得られるコレステロールパルミテートの検量線である。
【図4】従来の薄層クロマトグラフ用水素炎イオン化検出器のうち、特許文献2で開示されている態様の薄層クロマトグラフ用水素炎イオン化検出器で得られるコレステロールパルミテートの検量線である。
【図5】本発明の薄層クロマトグラフ用水素炎イオン化検出器の別の態様を模式的に示す説明図である。
【図6】本発明の薄層クロマトグラフ用水素炎イオン化検出器において、空気の線速度が0・85m/secおよび3.4m/secの場合の検量線である。
【図7】本発明の薄層クロマトグラフ用水素炎イオン化検出器において、空気噴出口の面積が3.925mmと16.485mmの場合の相関図である。
【図8】本発明の薄層クロマトグラフ用水素炎イオン化検出器の別の態様で得られるコレステロールパルミテートの検量線である。
【符号の説明】
【0028】
1・・・水素バーナー;1a・・・水素ガス噴出用細管;1b・・・外管;2・・・空気制御バルブ;3・・・空気噴出口;4・・・水素炎;5・・・薄層クロマトグラフィー要素;5a・・・薄層クロマトグラフィー要素の一端;6・・・コレクタ電極;7・・・電源;8・・・電流計;9・・・スプリッター;10・・・第三の電極;11・・・薄層クロマトグラフィー要素用移動手段;11a・・・把持手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
薄層クロマトグラフィー要素を水素バーナーで形成された水素炎中に通過させ、薄層クロマトグラフィー要素上に存在する非検出物質をイオン化させて、そのイオン電流を検出することにより非検出物質を定量的に分析する水素炎イオン化検出器において、
水素バーナーは、水素ガス噴出用細管と、前記細管の外周囲に沿って同軸方向に開口した空気噴出口を具備し、空気噴出口から噴出する空気の線速度を0から2.125m/secの範囲に制御するための空気制御バルブを含むことを特徴とする、薄層クロマトグラフ用水素炎イオン化検出器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−275569(P2008−275569A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−146116(P2007−146116)
【出願日】平成19年5月7日(2007.5.7)
【出願人】(507180504)
【Fターム(参考)】