説明

薄物商品販売機

【課題】 柔軟性を有する様々な形態の各種商品に互換性を有して販売を可能とする。
【解決手段】 内容物を個装体内に挟み込んだ簡易包装の薄物商品を、底板に対して側板と背板調整自在に組み合わて構成した商品収納空間部に積層し、操作ダイヤルにより駆動される商品送出カム部材により商品取出開口へと送り出して販売する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば薄厚の内容物を厚紙等のシート状素材を少なくとも2つ折りした個装体内に挟み込んでなる商品を商品収納部内に厚み方向に積層して収納し、顧客が所定の商品購入操作を行うことにより、前扉に設けた商品取出開口へと送り出して販売する薄物商品自動販売機に関する。
【背景技術】
【0002】
各種提供されている自動販売機には、店頭等に多数台を縦横に並べて設置され、例えばプラスチック製のカプセル内に収納した商品を販売するいわゆるガチャ・ポンと称される自動販売機も提供されている(例えば、特許文献1を参照)。かかる小型自動販売機は、所定枚数の硬貨やメタル或いは各種トークン(本明細書においては硬貨と総称する。)を投入することにより商品取出用のハンドルやレバー操作が1回に限り可能な状態となり、その操作を行うことにより商品収納部内に収納された多数個のカプセルから1個のカプセルがランダムに選択されて取出口へと送り出されるようにする。
【0003】
小型自動販売機は、一般に小型であるとともに電源が不要であることからランニングコストがほとんどかからず、同一形状でかつ機械的剛性の大きいカプセルを用いるとともにカプセルをランダムに選択して送り出すことから構造が簡易であるといった特徴がある。したがって、かかる小型自動販売機は、もっぱら比較的低額で小さな子供向け商品を販売対象とし、思わぬ商品が出てくるゲーム性もあって好評を博している。
【0004】
【特許文献1】特開平8−212430号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、小型自動販売機においては、一対の半球形半体からなり商品販売後には廃棄されるカプセルが用いられ、一方カプセル半体内に商品を充填した後に他方カプセル半体を組み合わせて一体化する作業等によるコストアップの問題もある。小型自動販売機においては、カプセル型商品が嵩張ることから製造工程から商品収納部内に収納するまでの取り扱いが面倒であるとともに、商品を取り出して捨てられたカプセルの回収処理も面倒であり、踏み潰される等して壊されたカプセルの破片も鋭く危険であることから頻繁に清掃等を行う必要があった。
【0006】
また、小型自動販売機においては、上述した特徴を踏襲しながら、カプセルを用いることなく同様の販売形態により様々な商品の販売を可能とする要求も大きい。小型自動販売機においては、例えば小さなぬいぐるみや成形品等の柔軟性や凹凸のある各種内容物をビニール袋に装填した商品、キャラクタ衣装或いは腰の弱い各種カード類等への商品展開も図られる。しかしながら、従来の小型自動販売機においては、その構成からかかる商品をそのまま販売する形態での展開を図ることが困難であった。
【0007】
また、従来の小型自動販売機においては、大きさの基準となるカプセルを用いないことから、商品の大きさも様々となる。従来の小型自動販売機においては、商品収納部が、商品の形態に応じて仕様を異にして構成されなければならなかった。
【0008】
したがって、本発明は、上述した従来の小型自動販売機の特徴を踏襲し、柔軟性や凹凸等を有する様々な形態の各薄物種商品について互換性を有して販売を可能とする薄物商品自動販売機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した目的を達成する本発明にかかる薄物商品自動販売機は、薄物商品を商品収納部に厚み方向に積層して収納し、商品送出機構により最下段の商品から商品取出開口へと送り出して販売する。薄物商品自動販売機は、商品収納部と、商品送出機構と、商品取出操作機構ユニットとを備える。薄物商品自動販売機は、商品収納部が、前後方向のカム開口部が形成され商品取出開口と略同一水平面を構成して固定設置された底板と、相対する対向間隔を調整自在にして底板に組み合わされる左右一対の側板と、底板に前後方向に調整自在に組み合わされる背板と、底板の前端部に高さ方向に調整自在に組み合わされその下端縁と底板の主面との間に商品取出開口と対向して商品を1個ずつ送り出す高さの商品送出開口を構成する送出開口調整板とを備え、これら部材を組み合わせて前面部が開放された商品収納空間部を構成する。薄物商品自動販売機は、商品送出機構が、商品収納部の底板に形成したカム開口部を介して外周部の一部を商品収納空間部内に突出可能とされ、商品収納部内の最下段商品を商品送出開口から商品取出開口へと送り出す商品送出カム部材を有する。薄物商品自動販売機は、商品取出操作機構ユニットが、商品送出機構の商品送出カム部材を駆動して最下段商品を送り出させる操作部材を有する。
【0010】
薄物商品自動販売機は、例えば比較的薄厚であり柔軟性や凹凸のある内容物等を厚紙等のシート状素材を2つ折りして構成した個装体内に挟み込んでなる簡易包装の薄物商品を販売する。薄物商品自動販売機は、底板に対して少なくとも一方の側板と背板が、薄物商品の幅と奥行き寸法に合わせてそれぞれの組み合わせ位置を調整されて商品収納空間部を構成する。薄物商品自動販売機は、薄物商品の厚みに合わせて底板に対して送出開口調整板が、商品送出開口の高さを1個分の厚みよりも大きくかつ2個分の厚みよりも小さくする位置に調整して固定される。薄物商品自動販売機は、正規の硬貨投入が行われると商品取出操作機構ユニットにおいて操作部材のロック状態が解除され、操作部材による商品取出操作が行われるようにする。薄物商品自動販売機は、操作部材の商品取出操作により、送出カム部材が駆動されてカム開口部を介して商品収納空間部内に突出した外周部が最下段商品を商品送出開口へと押し出す。薄物商品自動販売機は、最下段商品がその先端側を商品送出開口を介して商品取出開口から外方に突出するまで送り出され、顧客により当該商品の取り出しが行われる。薄物商品自動販売機は、商品の取り出しにより操作部材が再ロック状態に移行する。
【発明の効果】
【0011】
本発明にかかる薄物商品自動販売機によれば、商品収納空間部の大きさが調整自在であることから、大きさを異にする様々な形態の薄物商品に対しても互換性が図られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態として図面に示した薄物商品自動販売機(以下、自動販売機と略称する。)1について、詳細に説明する。自動販売機1は、図1乃至図3に示すようにやや縦長で前面部を開放した箱形の筐体2と、この筐体2に詳細を省略するヒンジ機構4を介して組み合わされて前面部を開閉する前扉3とから外装体を構成する。自動販売機1は、図2に示すように仕切り板2Aを介して区割りされたヒンジ機構4と対向する側の領域に硬貨選別ユニット5と商品取出操作機構ユニット6を高さ方向に並べて組み合わせるとともに、ヒンジ機構4側の領域に商品収納部7と商品送出機構8と金庫ユニット9を高さ方向に並べて組み合わせて構成する。
【0013】
自動販売機1は、図1及び図3に示すように、前扉3の前面に硬貨選別ユニット5と商品取出操作機構ユニット6と対向して、料金表示部10、硬貨投入口11、硬貨返却操作レバー12、錠前13、商品取出操作機構ユニット6の商品取出操作ダイヤル(操作ダイヤル)14及び硬貨返却口15が高さ方向に並んで配置される。前扉3には、商品収納部7と対向して商品取出口16が設けられている。自動販売機1は、硬貨投入口11から料金表示部10に表示された硬貨を投入すると操作ダイヤル14のロック状態が解除され、この操作ダイヤル14を回転操作することにより商品送出機構8によって商品収納部7から商品17が商品取出口16に送り出される。
【0014】
自動販売機1は、硬貨投入口11から例えば2枚の100円硬貨が投入されると、図4に示す薄物の商品17を1個ずつ販売する。商品17は、薄厚で柔軟性や凹凸のある複雑な形状等の各種内容物(実際の商品)18を、例えば厚紙等からなるシート状素材を2つ折りして構成した個装体19内に挟み込んで簡易包装してなり、全体が薄い略紡錘形状を呈している。商品17は、個装体19が、厚紙のままであってもよく、またその表裏主面に適宜の装飾図案或いは内容物18の内容説明や取扱い説明等を印刷したものであってもよい。
【0015】
商品17は、従来のカプセルと比較して個装体19が極めて廉価であり、この個装体19を展開した状態で内容物18を置いて中央部から2つ折りして突き合わせ部位をシール20で止める簡易な作業により効率よく包装が行われる。商品17は、低コストの個装体19を用いるとともに、包装作業の効率化によりコスト低減が図られる。商品17は、販売後に小さな子供でもシール20を剥がして内容物18の取り出しが可能であり、不要な個装体19がそのまま捨てられても従来のカプセルのように壊されることにより鋭い破片が飛び散るといった危険も無い。商品17は、全体が薄型であることから運搬や保管等に際して嵩張らず取扱いが容易である。
【0016】
商品17は、様々な内容物18として、厚みが多少異なるものであってもよいが、規定の個装体19を用いて包装することが可能なものとされ、幅寸法や奥行き寸法がほぼ同一とされる。商品17は、内容物18の厚みにより、厚み寸法が多少異なるものであってもよいが、商品取出口16の開口寸法よりも小さいことが条件となる。自動販売機1は、後述するように商品収納部7が内部空間(商品収納空間部31)の大きさを簡易な操作により変えることが可能とされることにより、幅寸法や奥行き寸法或いは厚み寸法を異にする商品17について互換性を有して販売することが可能である。
【0017】
なお、商品17は、個装体19内に内容物18とともに取扱説明書等を収納するようにしてもよい。勿論、商品17は、かかる内容物18や個装体19に限定されず、内容物として例えば折れ曲がりや破損が生じやすい各種カード、従来のカプセル型自動販売機でも販売されているような各種小物類等であってもよい。商品17は、個装体19も、例えば簡易な紙箱や2つ折りした後に両側の襠を折り込んだもの等を用いることが可能であり、ある程度の薄物として構成されればよい。
【0018】
自動販売機1は、図3に示すように料金表示部10に対向して前扉3の内面に料金表示ドラム21を取り付け、この料金表示ドラム21を回動することにより料金表示部10に表示する商品17の金額を変更することが可能である。自動販売機1は、前扉3の内面に料金表示部10に隣り合ってドラム取付片22を形成し、このドラム取付片22に対して料金表示ドラム21を取り付ける。料金表示ドラム21には、詳細を省略するがその外周部に料金表示部10の開口寸法よりもやや大きな形状とされてそれぞれに異なる金額が表示された複数の表示部が一体に形成されている。料金表示ドラム21は、所定金額を表示した表示部を料金表示部10と対向させることにより、商品17の金額が表示されるようにする。
【0019】
自動販売機1は、図3に示すように硬貨投入口11に対向して硬貨選別ユニット5に対して投入された硬貨を落とし込むスロット部材23が筐体2に取り付けられる。硬貨選別ユニット5は、従来から汎用品として提供されている無電源型の100円硬貨選別ユニットを用いることからその詳細を省略するが、スロット部材23から落とし込まれた硬貨が落下する過程で、外径、厚さ、重さ及び材質(磁気性)の選別要素により投入硬貨が正規硬貨か疑似硬貨であるかを判別する。硬貨選別ユニット5は、いずれか1つの選別要素でも不合格判定を行うと当該硬貨を選別軌道から排除して硬貨返却口15から返却されるようにする。硬貨選別ユニット5は、正規硬貨を商品取出操作機構ユニット6へと導く。
【0020】
自動販売機1は、錠前13に取り付けたロックレバー13Aが前扉3の内面側において筐体2の側面に取り付けたロックブラケット13Bと対向している。自動販売機1は、筐体2に対して前扉3を閉じた状態で錠前13に差し込んだキーを回すことによりロックレバー13Aとロックブラケット13Bとの係合・解除を行って前扉3の施錠或いは解錠を行う。
【0021】
自動販売機1は、前扉3の内面に図3に示すように商品取出操作機構ユニット6に対応位置して筒状ガイド部3Aを一体に形成し、筐体2に対して前扉3を閉じた状態でこの筒状ガイド部3Aに嵌合された操作ダイヤル14が前面に露出する。商品取出操作機構ユニット6には、上述した硬貨選別ユニット5により選別された正規硬貨が供給され、詳細を省略するが硬貨蓄積部において2枚の硬貨を蓄積する。商品取出操作機構ユニット6は、2枚以上の正規硬貨が供給された場合に、余剰の硬貨を返却通路を介して硬貨返却口15へと排出する。
【0022】
自動販売機1は、操作ダイヤル14を回動操作することにより、商品取出操作機構ユニット6が商品送出機構8を駆動して商品収納部7から商品取出口16への商品17の送り出し動作が行われるようにする。自動販売機1は、前扉3の内面に図3に示すように商品送出機構8に対応位置して商品取出口部3Bを一体に形成する。商品取出口部3Bは、横長矩形の筒状部位からなり、後述する商品収納部7と前扉3の内面との間に介在して商品17を支えて商品取出口16内へと導くようにして送り出す。
【0023】
なお、前扉3には、図3に示すようにその内面に商品押さえリブ部3C、金庫ユニット押さえリブ部3D、返却レバーガイド部3E及び返却口ガイド部3F等の部位が形成されている。商品押さえリブ部3Cは、商品取出口部3Bの上部から高さ方向に形成された立壁からなり、筐体2に対して前扉3を閉じた状態で商品収納部7の前方部位に延在して収納された商品17を保持する。金庫ユニット押さえリブ部3Dは、筐体2に対して前扉3を閉じた状態で金庫ユニット9の前面に突き当たり、金庫ユニット9を保持するとともにこの金庫ユニット9が正しい位置にセットされているかを確認可能とする。返却レバーガイド部3Eは、高さ方向のガイド口が形成され、このガイド口を介して硬貨返却操作レバー12を外方へと臨ませる。返却口ガイド部3Fは、硬貨返却口15を有して筐体2に対して前扉3を閉じた状態で硬貨選別ユニット5の返却軌道5Aと連通する。
【0024】
商品取出操作機構ユニット6は、詳細を省略するが操作ダイヤル14が待機状態では回転操作ができないようにロック状態に保持しており、顧客により硬貨投入口11から硬貨が投入されて硬貨選別ユニット5を経て硬貨蓄積部に2枚の正規硬貨が蓄積された状態でこの正規硬貨をキーとして操作ダイヤル14のロック状態が解除されるようにする。商品取出操作機構ユニット6は、詳細を省略するが、商品17の価格に応じて硬貨蓄積部において蓄積する硬貨の枚数を調整することが可能とされる。なお、商品取出操作機構ユニット6は、顧客により商品17の購入が行われずに硬貨返却操作レバー12が操作されると、硬貨蓄積部に蓄積した硬貨を返却通路を介して硬貨返却口15へと排出する。
【0025】
商品取出操作機構ユニット6は、顧客がロック状態が解除された操作ダイヤル14を回動操作することにより、商品送出機構8を駆動して商品収納部7から商品取出口16への商品17の送り出し動作が行われるようにする。商品取出操作機構ユニット6は、詳細を省略するが操作ダイヤル14の支軸に傘歯歯車機構等からなる回転直交伝達機構が設けられており、この回転直交伝達機構を介して商品送出機構8に操作ダイヤル14の回転を伝達して商品17の送り出し動作が行われるようにする。
【0026】
商品送出機構8は、上述したように商品収納部7と金庫ユニット9との間に配置された機構であり、図2に示すように駆動軸24と、この駆動軸24に設けられた商品送出カム部材25を備える。商品送出機構8は、駆動軸24が、詳細を後述する商品収納部7の下方に配置され、一端側が商品取出操作機構ユニット6に形成した図示しない軸受けにより回転自在に支持されるとともに、この一端側に上述した回転直交伝達機構が設けられて操作ダイヤル14により回転される。駆動軸24は、図8に示すように他端側が商品収納部7側に設けられた後方軸受けブラケット片26Aと金庫ユニット9側に設けた前方軸受けブラケット片26Bとが共同して構成する軸受け部26に回転自在に支持される。
【0027】
軸受け部26は、後方軸受けブラケット片26Aが、商品収納部7の後述する底板27の底面に一体に形成された部位からなり、その前方縁から半円形の軸孔26A1が形成される。軸受け部26は、前方軸受けブラケット片26Bが、後方軸受けブラケット片26Aに対応して金庫ユニット9の側板から一体に立ち上がり形成された部位からなり、その後方縁から半円形の軸孔26B1が形成される。軸受け部26は、駆動軸24を後方軸受けブラケット片26Aの軸孔26A1に嵌合した状態で、筐体2内の所定位置に金庫ユニット9をセットすることにより、後方軸受けブラケット片26Aに対して前方軸受けブラケット片26Bが突き合わされて軸孔が構成される。したがって、軸受け部26は、金庫ユニット9が所定位置に正しくセットされた状態においてのみ、駆動軸24の回転動作、換言すれば商品送出機構8を動作可能な状態とする。
【0028】
商品送出機構8は、駆動軸24の商品収納部7と対向する位置に商品送出カム部材25を回転方向に固定して設ける。商品送出カム部材25は、商品収納部7の底板27に形成される後述するカム開口部32に対向位置して設けられ、図6及び図7に示すように外周部が駆動軸24からの距離を異にされた略扇形の偏心カム円板からなる。商品送出カム部材25は、図7に示すように待機状態において小径部位25Bがカム開口部32と対向するように位置決めされ、商品収納空間部31から退出した位置に保持される。商品送出カム部材25は、顧客が操作ダイヤル14を回転操作すると、図6矢印で示すように反時計方向に回転して大径部位25A側がある範囲でカム開口部32を介して商品収納部7内に構成される商品収納空間部31に突出する。商品送出カム部材25は、商品収納空間部31内に進入する大径部位25Aが、その外周部を最下段に積層された商品(以下、最下段商品と称する。)17Aと圧接して前方へと移動させる送り出し動作を行い、この最下段商品17Aのみを商品取出口16まで送り出した状態で最下段商品17Aから離れて待機状態へと復帰する。
【0029】
商品送出カム部材25は、適宜の合成樹脂材により形成されるが、その外周面の少なくとも大径部位25Aを高摩擦特性面に形成して商品17Aの送り出しが確実に行われるように構成される。なお、商品送出カム部材25は、例えば成形時に外周面を粗面或いは軸方向の凹凸を形成したり、高摩擦特性シート材を接合する等により高摩擦特性面を構成する。商品送出カム部材25は、全周に亘って高摩擦特性面に形成してもよいことは勿論である。
【0030】
商品収納部7は、図2及び図3に示すように、底板27と、左右一対の側板28L、28R(以下、代表して説明する場合には側板28と総称する。)と、背板29と、送出開口調整板30とを組み合わせて内部に前方側を開放した商品収納空間部31を構成する。商品収納部7は、後述するように底板27に対して左右の側板28L、28Rが対向間隔を調整自在に組み合わされ、背板29が奥行き方向に調整自在に組み合わされ、送出開口調整板30が高さ位置を調整自在に組み合わされる。
【0031】
商品収納部7は、上述した各部材の組み合わせ位置を調整することにより、内部に構成する商品収納空間部31が商品17の外形寸法に応じてその大きさを調整されるようにするとともに商品取出口16から送り出されるようにする。商品収納部7は、多数個の商品17を商品収納空間部31内で、側板28と背板29により外周部を保持して底板27上に厚み方向に積層して収納する。
【0032】
底板27は、図2及び図5に示すように左右に立上り壁27L、27Rが一体に立設されたチャンネル状に形成され、仕切り板2Aと側板と背板とにより3方を固定されて筐体2に水平状態に固定される。底板27には、幅方向の中央部に位置して奥行き方向のカム開口部32が形成され、上述したように商品送出し操作が行われることにより商品送出カム部材25の外周部の一部を商品収納空間部31内に突出させる。底板27は、詳細を省略するが図6及び図7に示すようにカム開口部32を形成する部位に、このカム開口部32に沿って奥行き方向に主面からやや段落ちした凹部32Aを形成する。
【0033】
底板27には、カム開口部32を挟んだ両側位置に、筐体2側の天井板の内面に設けた仕切りリブ33L、33R(以下、天井仕切りリブ33と総称する。)にそれぞれ相対する仕切りリブ34L、34R(以下、底板仕切りリブ34と総称する。)が設けられている。これら天井仕切りリブ33と底板仕切りリブ34は、それぞれ上下で対をなしかつそれぞれが互いに平行な複数個のリブからなり、各リブ間において上下で対をなす複数の奥行き方向の側板嵌合溝を構成する。
【0034】
底板27には、図6及び図7に示すようにカム開口部32の後方縁の中央部に位置して奥行き方向のガイド溝35が連設されている。ガイド溝35は、後述するように底板27に対して背板29を奥行き方向に調整自在に組み合わすようにする。
【0035】
側板28は、筐体2の天井面と底板27の主面との間隔とほぼ等しい高さと商品収納部7の奥行き寸法とほぼ等しい奥行き寸法を有し、かつ天井仕切りリブ33と底板仕切りリブ34の各リブ間に構成される側板嵌合溝の溝幅とほぼ等しい厚み寸法を有する板状部材からなる。側板28は、商品収納部7内にその開放された前面側から、商品17の外形に合わせて選択した側板嵌合溝に対してその上下縁を嵌合して内方へと押し込むことにより商品収納空間部31の幅寸法を規定して組み合わされる。側板28は、自動販売機1が厚みを異にする商品17を販売する場合に、側板嵌合溝を選択して組み合わせることにより異なる商品17に対する互換性が簡易な操作で図られるようにする。なお、側板28は、左右いずれか一方の側板28L、28Rを底板27に固定し、他方を商品17の外形に合わせて対向間隔を調整するようにして筐体2と底板27に組み合わされるようにしてもよい。
【0036】
側板28には、図5乃至図7に示すように、それぞれに前方側で底板27に組み合わせた状態でカム開口部32と対応位置して後述する重り部材36を組み付ける高さ方向の重り組付溝37L、37R(以下、重り組付溝37と総称する。)が設けられている。側板28は、各重り組付溝37が、底板27に組み合わせた状態で相対向するように設け、商品収納部7内に積層状態で収納した商品17を底板27上に押し付ける重り部材36を高さ方向に移動自在に組み合わせる。重り組付溝37は、商品収納空間部31内に商品17が例えば残り1個となった際にも重り部材36がこの商品17を底板27上に押し付けるようにすることが可能な長さを以って側板28に形成される。
【0037】
側板28には、重り組付溝37に、それぞれ上端部位において前方かつ下方へと屈折して重り部材36を仮保持させる仮置き溝部37Aが連続して形成される。重り組付溝37は、例えば商品収納部7内に商品17を収納する際に商品収納部7の上方へと重り部材36が引き上げられるが、図7に示すように支軸43を仮置き溝部37Aへと移動させて重り部材36を引き上げた状態で仮保持することにより作業の邪魔にならないようにする。重り組付溝37は、重り部材36の着脱操作を不要とするとともにストッパ構造を不要とし、構造の簡易化と商品17の収納操作が効率よく行われるようにする。
【0038】
背板29は、上述したように底板27に対して対向間隔を調整される側板28L、28Rの最大間隔よりもやや大きな幅を有し、これら側板28とほぼ等しい高さを有する板状の部材からなる。背板29は、その下端部に上述した底板27のカム開口部32とほぼ同幅でありかつ凹部32Aの深さとほぼ同厚の水平方向の取付調整板38が設けられることにより、全体としてL字状とされる。取付調整板38には、底面にガイド溝35を貫通され先端部位に外周ネジを形成した嵌合軸39が設けられ、この嵌合軸39にやや大径のツマミ40をねじ込まれるようにする。
【0039】
背板29は、筐体2の背面と対向させ、取付調整板38を凹部32Aに嵌合させるとともに嵌合軸39をガイド溝35に貫通させて底板27の背面側に立設した状態で組み合わされる。背板29は、図7矢印で示すように商品17の外形に合わせて凹部32A内において取付調整板38を奥行き方向に移動させることにより、商品収納空間部31の奥行き寸法を規定する。背板29は、設定位置において底板27の底面側から嵌合軸39の先端にツマミ40をねじ込むことにより、凹部32A内において取付調整板38とツマミ40とで底板27を挟み込んで位置決め固定される。
【0040】
取付調整板38は、凹部32Aに嵌合されることにより、底板27の主面と略同一面を構成して商品17が積層されるようにするとともに商品17が引っ掛からずに底板27上を送り出されるようにする。取付調整板38は、自動販売機1が長さを異にする商品17を販売する場合に、ツマミ40を緩めて凹部32Aに沿って奥行き方向に調整移動されることにより背板29を奥行き方向に一体に移動させ、上述したように商品17の外形に合わせて商品収納空間部31の奥行き寸法が設定されるようにする。
【0041】
取付調整板38は、設定位置においてツマミ40が再び嵌合軸39にねじ込まれて固定されることにより、異なる商品17に対する互換性が簡易な操作により図られるようにする。なお、背板29は、取付調整板38と底板27との間に適宜のクリック構造、例えば取付調整板38の底面に形成したクリック凸部と凹部32A側に形成した複数のクリック凹部からなるクリック構造により、移動位置を選択して調整されるようにしてもよい。
【0042】
送出開口調整板30は、底板27の前端部に、高さ位置を調整されて固定される。送出開口調整板30は、底板27の立上り壁27L、27Rの対向間隔よりもやや大きな横長矩形の板部材からなり、図3及び図5に示すように両端部の近傍位置に下方に開放する長孔からなる取付孔30L、30Rが形成されている。開口調整板30は、図5に示すように底板27に対して、取付孔30L、30Rに貫通させた取付ネジ41を立上り壁27L、27Rの前方縁に形成した取付孔27Aにねじ込むことにより固定され、その下端縁と底板27の主面との間に商品取出口16と対向して最下段商品17Aを送り出す商品送出開口部42を構成する。
【0043】
開口調整板30は、送出し開口部42が商品17の1個分の厚みよりも大きくかつ2個分の厚みよりも小さい高さとなるように、図7矢印で示すように高さ方向の位置を調整されて底板27の立上り壁27L、27Rに固定される。開口調整板30は、後述するように最下段商品17Aの送出操作が行われる際に、上層の商品17を係止して最下段商品17Aのみが送出し開口部42を介して商品取出口16へと送り出されるようにする。開口調整板30は、自動販売機1が厚みを異にする商品17を販売する場合に、取付ネジ41を緩めて底板27に対する高さ位置を調整され、取付ネジ41を再び締め付ける。開口調整板30は、簡易な操作により上述した商品17の1個送出機能が簡易に設定されることで異なる商品17に対する互換性が図られるようにする。
【0044】
重り部材36は、鉄等の重量のあるブロック体からなり、図2及び図5に示すようにその両側面に支軸43L、43Rが突出して設けられる。重り部材36は、支軸43L、43Rが全体として側板28の最大対向間隔よりもやや長軸とされ、側板28に形成した重り組付溝37の溝幅とほぼ同等の外径を有している。重り部材36は、支軸43L、43Rが相対する重り組付溝37L、37Rに貫通されて側板28L、28R間に支架されることにより、商品収納空間部31内に組み合わされる。
【0045】
重り部材36は、支軸43L、43Rを嵌合した重り組付溝37L、37R内に沿って上方へと移動させるとともに、図7に示すようにその上端部において仮置き溝部37Aへと移動させることにより、商品収納空間部31内において上方に引き上げられるとともにこの位置において仮保持される。重り部材36は、ストッパ機構等を不要として商品収納空間部31の上方位置に保持された状態で、上述したように商品収納空間部31への商品17の収納作業が行われるようにする。重り部材36は、商品収納空間部31内に商品17が収納されると支軸43L、43Rが仮置き溝部37Aから重り組付溝37L、37Rへと移動されることで、商品収納空間部31内に収納した商品17を底板27上に押し付ける。重り部材36は、後述する商品送出カム部材25による商品送出操作が確実に行われるようにする。
【0046】
商品収納部7は、上述した構成各部材により構成される商品収納空間部31を、商品17の外形に応じて所定の大きさに設定する。商品収納部7は、天井仕切りリブ33と底板仕切りリブ34の各リブ間に構成される複数の側板嵌合溝を選択して、底板27に対して側板28を組み合わせることにより商品収納空間部31の横幅を規定する。商品収納部7は、取付調整板38を凹部32A内において所定位置へと移動させてツマミ40をねじ込んで凹部32A内において取付調整板38とツマミ40とで底板27を挟み込んで位置決め固定することにより、底板27に対する背板29の奥行き位置を調整して組み合わすことにより商品収納空間部31の横幅を規定する。商品収納部7は、底板27に対して開口調整板30を調整して固定することにより、商品収納空間部31から商品17を送り出す送出し開口部42の高さを規定する。
【0047】
商品収納部7は、支軸43L、43Rを重り組付溝37内で上方へと移動させて仮置き溝部37Aへと移動させることにより、重り部材36を商品収納空間部31内において上方に引き上げた状態で仮保持させる。商品収納部7は、この状態で開放された前面部から商品収納空間部31内に商品17を順次装填することにより、これら商品17を厚み方向に積層して収納する。商品収納部7は、支軸43L、43Rを仮置き溝部37Aから重り組付溝37に導くことにより重り部材36を商品収納空間部31内に積層された商品17上に載せ、商品17を底板27の主面上に押し付ける。
【0048】
商品収納部7は、硬貨投入後に行われる顧客の操作ダイヤル14の回動操作によりカム開口部32を介して商品収納空間部31内に進入する商品送出カム部材25によって、商品収納空間部31から最下段商品17Aの送出動作が行われる。商品収納部7は、開口調整板30により高さを規定した送出し開口部42から最下段商品17Aのみが送り出されるようにし、この送出し開口部42を介して商品取出口16へと送り出されるようにする。商品収納部7は、顧客により商品取出口16から最下段商品17Aの取出しが行われると、商品収納空間部31内において商品17の下方への移動が行われて2段目の商品17が最下段商品17Aとなる。
【0049】
以上のように構成される自動販売機1においては、錠前13にキーを差し込んで解錠を行い、筐体2に対して前扉3が開かれる。自動販売機1においては、仕切り板2Aにより区割りされた筐体2の右側上部空間に硬貨選別ユニット5を組み合わせるとともに、その下方空間に商品取出操作機構ユニット6を組み合わせる。自動販売機1においては、商品収納部7の下方空間に金庫ユニット9を組み合わせる。自動販売機1においては、組み合わせた金庫ユニット9の前方軸受けブラケット片26Bと商品収納部7側の後方軸受けブラケット片26Aとにより軸受け部26を構成して商品送出機構8の駆動軸24の一端側を回転自在に支持する。
【0050】
自動販売機1においては、商品収納部7において商品17の外形仕様に応じて底板27に対して側板28及び背板29の組み合わせ位置の調整操作が行われて所定の大きさの商品収納空間部31が構成されるようにする。自動販売機1においては、重り部材36が重り組付溝37に沿って上方へと引き上げられて仮置き溝部37Aにより保持される。自動販売機1においては、底板27に対して送出開口調整板30の組み合わせ位置の調整操作が行われて所定の商品送出開口部42が構成されるようにする。
【0051】
自動販売機1においては、商品収納部7の前方側から商品収納空間部31内に商品17を順次装填して厚み方向に積層した状態で収納する。自動販売機1においては、重り部材36を上方の仮置き溝部37Aから重り組付溝37へと移動して、積層された商品17を底板27の主面上に押し付けるようにする。自動販売機1においては、前扉3に設けた料金表示ドラム21を設定回動して、商品17の対価に合わせて料金表示部10から所定の金額表示が行われるようにする。
【0052】
自動販売機1においては、筐体2に対して前扉3を閉じた状態で、筐体2側に設けた部位と前扉3側に設けた部位とが相対して位置する。自動販売機1においては、硬貨投入口11がスロット部材23と対向して投入された硬貨を硬貨選別ユニット5へと導くようにする。自動販売機1においては、硬貨選別ユニット5の硬貨返却操作レバー12が返却レバーガイド部3Eを介して外方へと臨まされる。自動販売機1においては、商品取出操作機構ユニット6の操作ダイヤル14が筒状ガイド部3Aを介して外方へと臨まされる。自動販売機1においては、硬貨選別ユニット5の返却軌道5Aが返却口ガイド部3Fを介して硬貨返却口15と連通する。
【0053】
自動販売機1においては、商品収納空間部31の開放された前面側に商品押さえリブ部3Cが延在して商品17が保持されるようにする。自動販売機1においては、商品取出口部3Bが商品取出口16を底板27の主面と略同一面を以って対向し、送出開口調整板30との間に構成した商品送出開口部42と連通する。自動販売機1においては、金庫ユニット9の前面に金庫ユニット押さえリブ部3Dが突き当たって金庫ユニット9を位置決め保持するとともに、正規のセット状態の確認と駆動軸24の軸受け部26が保持されるようにする。自動販売機1においては、筐体2に対して前扉3を閉じて錠前13にキーを差し込んで施錠を行うことにより、商品17の販売可能な状態となる。
【0054】
自動販売機1においては、顧客により硬貨投入口11から投入された硬貨をスロット部材23を介して硬貨選別ユニット5へと導き、所定基準による選別を行って正規硬貨のみを商品取出操作機構ユニット6へと供給して所定枚数(100円硬貨2枚)の蓄積が行われるようにする。自動販売機1においては、商品取出操作機構ユニット6において蓄積硬貨をキーとして顧客による操作ダイヤル14の1回転分の回動操作を可能な状態とする。自動販売機1においては、顧客が操作ダイヤル14を回動操作することにより、商品送出機構8が動作されて商品収納部7から最下段商品17Aの送り出しが行われる。
【0055】
自動販売機1においては、操作ダイヤル14の回転が駆動軸24と一体の商品送出カム部材25に伝達され、この商品送出カム部材25が大径部位25Aを底板27のカム開口部32から商品収納空間部31内へと進入させる。自動販売機1においては、商品送出カム部材25により、商品収納空間部31内において重り部材36によって底板27の主面上に押し付けられた商品17を送出開口調整板30との間に構成した商品送出開口部42から送り出す動作が行われる。自動販売機1においては、上段の商品17が送出開口調整板30と前扉3の商品押さえリブ部3Cとにより前方側への移動を規制され、最下段商品17Aのみが商品送出開口部42から商品取出口16へと送り出される。
【0056】
自動販売機1においては、送り出された最下段商品17Aがその前方部位を商品取出口16から外方へと突出した状態で商品送出カム部材25の大径部位25Aがカム開口部32から退出することで最下段商品17Aの送出動作が終了する。自動販売機1においては、顧客が最下段商品17Aの商品取出口16から突出した先端部を把持して引き出すことにより、当該最下段商品17Aの販売が行われる。
【0057】
本発明は、上述した実施の形態として示した自動販売機1に限定されず、特許請求の範囲に記載した各構成についてその技術範囲を逸脱しない範囲で適宜変更、展開されることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】実施の形態として示す自動販売機の正面図である。
【図2】前扉を取り外して内部構造を示した自動販売機の正面図である。
【図3】前扉を開いて内部構造を示した自動販売機の斜視図である。
【図4】自動販売機で販売される薄物商品の斜視図である。
【図5】商品収納部の構成を示す要部分解斜視図である。
【図6】商品の送り動作の説明図である。
【図7】商品収納部の調整操作の説明図である。
【図8】商品送出し機構の説明図である。
【符号の説明】
【0059】
1 薄物商品自動販売機、2 筐体、3 前扉、4 ヒンジ機構、5 硬貨選別ユニット、6 商品取出操作機構ユニット、7 商品収納部、8 商品送出機構、9 金庫ユニット、11 硬貨投入口、14 商品取出操作ダイヤル、16 商品取出口、17 商品、17A 最下段商品、18 内容物、19 個装体、24 駆動軸、25 商品送出カム部材、26 軸受け部、26A 後方軸受ブラケット片、26B 前方軸受ブラケット片、27 底板、28 側板、29 背板、30 送出開口調整板、31 商品収納空間部、32 カム開口部、33 仕切りリブ、34 仕切りリブ、35 ガイド溝、36 重り部材、37 重り組付溝、37A 仮置き溝部、38 取付調整板、42 商品送出開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
薄物商品を商品収納部に厚み方向に積層して収納し、商品送出機構により最下段の商品から商品取出開口へと送り出して販売する薄物商品自動販売機であり、
前後方向のカム開口部が形成され上記商品取出開口と略同一水平面を構成して固定設置された底板と、相対する対向間隔を調整自在にして上記底板に組み合わされる左右一対の側板と、上記底板に前後方向に調整自在に組み合わされる背板と、上記底板の前端部に高さ方向に調整自在に組み合わされその下端縁と上記底板の主面との間に上記商品取出開口と対向して上記商品を1個ずつ送り出す高さの商品送出開口を構成する送出開口調整板とにより前面部が開放された商品収納空間部を構成する商品収納部と、
上記底板に形成した上記カム開口部を介して外周部の一部が上記商品収納空間部内に突出可能とされ、上記商品収納部内の最下段商品を上記商品送出開口から上記商品取出開口へと送り出す商品送出カム部材を有する商品送出機構と、
上記商品送出機構の上記商品送出カム部材を駆動して上記最下段商品を送り出させる操作部材を有する商品取出操作機構ユニットとを備え、
上記商品収納部が、上記商品の外形仕様に応じて上記底板に対する上記側板と上記背板と上記送出開口調整板の固定位置を調整して上記商品収納空間部を構成することを特徴とする薄物商品自動販売機。
【請求項2】
上記商品収納部に対して、上記操作機構を含む硬貨選別ユニットを側方部位に組み合わせるとともに、上記硬貨選別ユニットにより選別され上記商品の送出操作が行われると硬貨を収納する金庫ユニットを下方部位に組み合わせ、
上記商品送出機構の上記送出カム部材が、一端側を上記操作機構に上記操作部材と連結されて軸受けされるとともに、他端側を上記金庫ユニットを組み合わせた状態で突き合わされる上記底板に一体に形成した軸受け半体板と上記金庫ユニットに一体に形成した軸受け半体板とにより構成される軸受け部に軸受けされる駆動軸に固定されることを特徴とする請求項1に記載の薄物商品自動販売機。
【請求項3】
上記商品が、シート状素材を少なくとも2つ折りして先端部が止められる個装体内に内容物を挟み込んでなる略紡錘形状の薄物商品であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の薄物商品自動販売機。
【請求項4】
上記商品送出機構の上記商品送出カム部材が、外周部を、上記カム開口部を介して上記商品収納空間部内に進入させる大径部位と、上記商品収納空間部内から退出させる小径部位とからなる偏心カムから構成され、
待機状態において上記小径部位が上記カム開口部と対向されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の薄物商品自動販売機。
【請求項5】
上記商品収納空間部内に積層状態で収納した多数個の上記商品上に載置されることにより、上記最下段商品を上記底板上に押し付ける重り部材を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の薄物商品自動販売機。
【請求項6】
上記側板に、高さ方向の重り組付溝と、この重り組付溝の上端部位に屈折連通する仮置き溝部を相対して形成し、
上記重り部材が、その支軸を上記重り組付溝に嵌合して上記商品収納空間部内に高さ方向に移動自在に組み合わされるとともに、上方へと引き上げて上記支軸を上記重り組付溝から上記仮置き溝部へと移動させることにより引き上げ状態に仮保持されることを特徴とする請求項5に記載の薄物商品自動販売機。
【請求項7】
上記商品取出操作機構ユニットの上記操作部材が、硬貨の正規投入に基づいて上記商品送出カム部材を1回転させる操作が可能な状態とされることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の薄物商品自動販売機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−199555(P2009−199555A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−43450(P2008−43450)
【出願日】平成20年2月25日(2008.2.25)
【出願人】(591076257)株式会社ココロ (11)
【Fターム(参考)】