説明

薬剤分包装置

【課題】包装等制御部の大改造を避けながら、しかも分包性能の犠牲を伴わないで、分包帯への印刷の自由度が飛躍的に高まるよう、薬剤分包装置の制御手段を工夫する。
【解決手段】分包帯2に長手方向送りと印刷と薬剤投入とを行う薬剤分包装置10において、長手方向送り及び薬剤投入に係る装置内通信手段32から印刷に係る分岐通信手段62を分け、プリンタ制御部80が分岐通信手段62を介して印刷に係る画像データを受信してRAM82に蓄積しておくようにし、長手方向送り及び薬剤投入に係る包装等制御部71,72がプリンタ制御部80に画像データ有無を問い合わせて確認を得てから印刷実行を指示するようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、分包帯を長手方向に送って区分しながら薬剤を投入するとともに印刷も行う薬剤分包装置に関し、詳しくは、印刷データの処理や、分包帯への印刷と分包帯の長手方向送り及び薬剤の投入との同期に関する。
薬剤分包装置には、包装装置を組み込んだ錠剤分包機や,散薬分包機,錠剤散薬混合分包機が該当する他、薬剤分割分配装置等と組み合わせたり又は単独で用いられる薬剤包装装置も該当する。分包帯を水平方向に送るものでも鉛直方向や斜め方向に送るものでも良く、二つ折りした分包帯を用いるものでも二枚の分包帯を合わせるものでも良い。
【背景技術】
【0002】
図5は、薬剤分包装置の典型例である薬剤分包機10及びこれを複数台組み込んだ自動調剤システムの構造を示し、(a)が外観斜視図、(b)が内部模式図である。また、図6は、(a)が包装装置20の内部機構の斜視図、(b)が分包済み分包帯2の外観図である。
この調剤システムには(図5(a)参照)、二台の薬剤分包機10と一台の調剤指示装置50と例えば汎用のTCP/IP規格適合の装置間通信手段51とが設けられており、薬剤分包機10は装置間通信手段51を介して調剤指示装置50から調剤指示を受信し、調剤指示装置50は、処方箋データを作業者の操作によって入力する他、装置間通信手段51を介して外部の処方オーダエントリシステム52から入力するようになっている。
【0003】
薬剤分包機の典型例は錠剤分包機であり(例えば特許文献1参照)、そのような薬剤分包機10は(図5(b)参照)、筐体上部の薬品庫11に薬剤収納庫12を引出可能に設け、その薬剤収納庫12に多数の薬剤フィーダ13を配設したものとなっている。そして、玉剤やカプセル剤など各種の錠剤1を多数の錠剤フィーダ13に収容していて、処方箋や派生した調剤指示に応じて所要の薬剤1を逐次排出させ、その薬剤1を落下案内路14や収集ホッパ15等の薬剤収集機構にて収集し、投入ホッパ24にて分包帯2の区画室・区分収納室に封入するようになっている。そのため筐体の下部には包装装置20が組み込まれている。
【0004】
この包装装置20は(図6(a)参照)、通常は長手方向に二つ折りされた長尺の紙状体からなる分包帯2を横方向・水平方向へ送りながら印刷するとともに区分収納用の区画室を形成し、そこに投入ホッパ24から薬剤1を投入し、更に融着封止して、分包体すなわち薬剤収納済み区画室を形成するものである。そのため、分包帯2の送り経路に臨んで順に、分包帯2のロールの保持機構やテンション調整機構を具備した分包帯供給機構21と、薬剤投入位置に送り込まれる分包帯2に臨むプリンタ22(プリントヘッド)と、投入ホッパ24に前置された縦シール機構23と、上述した投入ホッパ24と、投入ホッパ24に後置された横シール機構25と、分包帯2を引っ張る分包帯牽引ローラ26と、分包帯2を切断するカッター27とを具えている。プリンタ22には感熱式のサーマルプリンタが多用されている。そして(図6(b))、分包帯2への印刷はプリンタ22によって分包帯2の各区画室毎に行われる。典型的な印刷内容は患者名や用法などである。
【0005】
上述した薬剤分包機10には(図5(b),図6(a)参照)、各部の動作制御のため、分包機制御部30も具わっており、これが調剤指示装置50から装置間通信手段51を介して調剤指示の電文を受信するようになっている。
図7(a)は、従来の分包機制御部30等のブロック図、図7(b)は、従来のプリンタ制御部40のブロック図である。また、図8は、薬剤分包機10の使用態様等を示し、(a)が分包帯2における各区画室の印刷範囲、(b)が印刷フォーマットの設定例、(c)が一包目印刷の文字コードである。
【0006】
調剤指示装置50は(図5(a),図7(a)参照)、例えばデスクトップ形やラップトップ形のパーソナルコンピュータ等からなり、集中制御用の操作卓として設置されたり(図5(a)参照)、適宜な自動調剤機に取り付けて設置されるが(図示せず)、プログラム処理によって、操作入力にて得た又は処方オーダエントリシステム52から受信した処方箋データに基づいて調剤指示の指令やデータを作成し、それを適宜な薬剤分包機10に装置間通信手段51経由で送信するようになっている。調剤指示の作成に際しては、処方内容から薬剤分包機10で自動調剤可能な部分や手撒き作業を伴う半自動調剤の可能な部分を抽出して調剤内容とする他、分包帯2への印刷に係るデータも調製するようになっている。
【0007】
印刷に係るデータは、分包帯2の区画室ごとに調製されるが、文字コードをそのまま含んだバイナリデータであり、既定のフォーマット設定に調剤内容を当て嵌めて作成される。薬品名と用量とを具体例にして詳述すると(図8(a)〜(c)参照)、分包帯2の区画室の印刷範囲における印刷項目それぞれに(図8(a)参照)、○行○列「薬品名」や○行○列「用量」といったフォーマットデータを予め設定しておく(図8(b)参照)。ここで、○行○列は印刷範囲における印刷項目の位置を例えばドット単位で規定するものであり、「薬品名」や「用量」は調剤内容の具体的な薬品名や用量の当て嵌めを求めるものである。そのため、例えば、調剤内容がCa薬をCb錠とDa薬をDb錠とであれば、○行○列“Ca薬”と○行○列“Cb錠”と○行○列“Da薬”と○行○列“Db錠”という印刷データが作られる(図8(c)参照)。この印刷データは、バイナリデータであり、文字コード“Ca薬”,“Cb錠”,“Da薬”,“Db錠”を含んでいる。
【0008】
分包機制御部30は(図7(a)参照)、何れもマイクロプロセッサ(MPU)システムからなるメインコントローラ31とローカルコントローラ33,34,35とプリンタ制御部40との集合体であり、これらは薬剤分包機10の筐体内の各部に分散設置されている。メインコントローラ31と調剤指示装置50は装置間通信手段51にて接続されて通信可能になっており、メインコントローラ31とローカルコントローラ33,34とローカルコントローラ35は装置内通信手段32にて接続されて通信可能になっており、ローカルコントローラ35とプリンタ制御部40は専用ケーブル等で接続されて信号送受可能になっている。装置内通信手段32には例えば調歩同期式のシリアル通信が採用され、装置内通信手段32は、筐体内に限られ、高速でないが、安価なものである。
【0009】
メインコントローラ31は、調剤指示装置50から調剤指示を受信すると、その調剤内容を装置内通信手段32経由で適宜なフィーダ用ローカルコントローラ33,34に分配するとともに、包装指令と印刷データをやはり装置内通信手段32経由で包装用ローカルコントローラ35に送信するように、プログラムされている。保守作業の時などに用いる操作パネル16(図5(a)参照)も、メインコントローラ31に接続されている。
フィーダ用ローカルコントローラ33,34は(図7(a)参照)、二つだけ例示したが例えば薬剤収納庫12毎や各棚毎など多数設けられていても良く、薬剤フィーダ13を幾つかずつに分けてそれらの制御を分担するものであり、何れもメインコントローラ31から受信した調剤内容に従って分担範囲内の薬剤フィーダ13から該当薬剤を逐次排出させるようにプログラムされている。
【0010】
包装用ローカルコントローラ35は(図7参照)、メインコントローラ31から受信した包装指令や印刷データに従って包装装置20を制御することにより、上述した分包帯2の長手方向送りと区画室形成と薬剤投入と印刷とを包装装置20に行わせるようプログラムされている。長手方向送りと区画室形成と薬剤投入は、プリンタ22以外の作動部材23〜27を直接制御することで行うが、印刷に係る動作制御は印刷データをプリンタ制御部40に転送してプリンタ制御部40に委ねるようになっている。
【0011】
プリンタ制御部40は(図7(b)参照)、通信プログラムに加えてイメージ展開プログラムと印刷実行プログラムもインストールされたマイクロプロセッサ41と、文字コードをアドレスとして与えると文字の画像データを出力する文字生成用リードオンリーメモリ(ROM)42と、一つの区画室の印刷範囲に対応した画像データを保持可能なランダムアクセスメモリ(RAM)43と、プリンタ22のパワー駆動も兼ねるインターフェイス(I/F)44とを具えている。そして、印刷データ中の文字コードはROM42にアクセスして画像展開してからRAM43のうち印刷データ中の項目位置に対応するところに書き込み、一包分の画像データがRAM43に揃ったら、分包帯2の長手方向送りにタイミングを合わせてRAM43の画像データをI/F44経由でプリンタ22へ送出するようになっている。
【0012】
このような薬剤分包機10及び自動調剤システムについて、その使用態様及び動作を、図面を引用して説明する。図8は薬剤分包機10の動作等を示し、(a)が分包帯2における各区画室の印刷範囲、(b)が印刷フォーマットの設定例、(c)が一包目印刷の文字コード、(d)が一包目の印刷例、(e)が二包目印刷の文字コード、(f)が二包目の印刷例、(g)が三包目印刷の文字コード、(h)が三包目の印刷例である。また、図9は薬剤分包機10における通信ダイアグラム例を示し(a)が通常時、(b)が異常時である。
【0013】
一例として、上述したような印刷フォーマット(図8(a),(b)参照)が設定されている調剤指示装置50に処方箋データが入力され、その処方には三包分が含まれているものとする。さらに、一包目の調剤内容がCa薬をCb錠とDa薬をDb錠とであり、二包目の調剤内容がEa薬をEb錠であり、三包目の調剤内容がFa薬をFb錠とGa薬をGb錠とHa薬をHb錠とである、とする。
そうすると、調剤指示装置50から分包機制御部30へ一包目の調剤指示が送信され、それには、Ca薬をCb錠とDa薬をDb錠という調剤内容が含まれるとともに、○行○列“Ca薬”と○行○列“Cb錠”と○行○列“Da薬”と○行○列“Db錠”というバイナリの印刷データも含まれる(図8(c)参照)。そして、その印刷データを展開した画像データが一包目に印刷される(図8(d)参照)。
【0014】
次いで、調剤指示装置50から分包機制御部30へ二包目の調剤指示が送信され、それには、Ea薬をEb錠という調剤内容が含まれるとともに、○行○列“Ea薬”と○行○列“Eb錠”というバイナリの印刷データも含まれる(図8(e)参照)。そして、その印刷データを展開した画像データが二包目に印刷される(図8(f)参照)。
さらに、調剤指示装置50から分包機制御部30へ三包目の調剤指示が送信され、それには、Fa薬をFb錠とGa薬をGb錠とHa薬をHb錠という調剤内容が含まれるとともに、○行○列“Fa薬”と○行○列“Fb錠”と○行○列“Ga薬”と○行○列“Gb錠”と○行○列“Ha薬”と○行○列“Hb錠”というバイナリの印刷データも含まれる(図8(g)参照)。そして、その印刷データを展開した画像データが三包目に印刷される(図8(h)参照)。
【0015】
これらの印刷等は以下のような交信に伴って進行する(図9(a)参照)。すなわち、一包目の調剤指示C,Dが調剤指示装置50からメインコントローラ31へ送信されると、調剤内容がメインコントローラ31からローカルコントローラ33,34へ送信されて薬剤フィーダ13から該当薬剤1が排出されるとともに、包装指令とや印刷データがメインコントローラ31からローカルコントローラ35へ送信され、印刷データは更にローカルコントローラ35からプリンタ制御部40へ転送される。包装指令に応じてローカルコントローラ35制御下の包装装置20によって分包帯2が長手方向に送られ分包帯2に区画室が形成されそこに薬剤1が投入されるとともに、印刷データがプリンタ制御部40によって画像データに展開され、その画像データがプリンタ22によって分包帯2に印刷される。
【0016】
薬剤分包機10の各部が正常に動作すれば、こうして一包目が分包される。同様にして、二包目の調剤指示Eが調剤指示装置50によって作成され、それが薬剤分包機10の分包機制御部30の各コントローラ31,33,34,35,40に分配送信されて、二包目が分包される。さらに三包目F,G,Hも同様にして分包される。
これに対し(図9(b)参照)、例えば、調剤指示装置50からの調剤指示に応じてメインコントローラ31がローカルコントローラ33,34に調剤内容を送信したときに、混入等の異常がローカルコントローラ33,34からメインコントローラ31に通知されたような場合には、調剤指示の印刷データがメインコントローラ31によって編集され例えばアラーム通知に変更されてからローカルコントローラ35に送られるので、異常のあった分包体すなわち薬剤収納済み区画室には誤用防止の印刷がなされる。
【0017】
なお、図示は割愛したが、、縦置き板状ベースの前面に包装装置の主要機構を配設した薬剤分包装置も開発されている(例えば特許文献2参照)。これは薬品庫11が切り離されているが、薬品庫11との連結や連動も可能である。
【0018】
【特許文献1】特開2000−175990号公報
【特許文献2】特開2005−053538号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
このような従来の薬剤分包装置では、上述したように印刷データが文字コード等のバイナリデータで受け渡され画像データへの展開が最終段のプリンタ制御部で行われるようになっていたため、装置内通信手段の通信負荷が軽くて済むので、装置内通信手段が安価なものであってもそれを利用した包装等制御部内の交信等によって分包帯の送り等と分包帯への印刷との同期を採ることができた。
もっとも、文字コードで印字できるのは、文字生成用ROMに規定されている画像だけなので、使用できるフォントが限定されていた。
一方、汎用のパーソナルコンピュータに応用プログラムをインストールして出来上がる調剤指示装置は、多種多様なフォントや画像を利用するのが容易になっている。
【0020】
そこで、印刷に係る文字コードを調剤指示装置で画像データに展開してから薬剤分包装置の包装等制御部に送信するよう改造することにより、印刷の自由度を向上させて、各種フォントの利用や任意画像の組み合わせなどの容易化を図ることも考えられる。
しかしながら、それをハードウェアの改造なしにソフトウェア(プログラム)の改造だけで実現しようとすると、装置内通信手段の通信速度が不足するため、薬剤排出や包装実行のための交信が遅れて、分包性能が損なわれる。また、装置内通信手段の高速化で対処しようとすると、装置内に引き回されている通信ケーブル等に加えて、装置内に分散している多数のコントローラまで、改めなければならず、包装等制御部の大改造を招来することとなる。何れにしても不満である。
【0021】
そこで、包装等制御部の大改造を避けながら、しかも分包性能の犠牲を伴わないで、分包帯への印刷の自由度が飛躍的に高まるよう、薬剤分包装置の制御部の構造に工夫を凝らすことが、技術的な課題となる。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明の薬剤分包装置は(解決手段1)、このような課題を解決するために創案されたものであり、分包帯に長手方向送りと印刷と薬剤投入とを行う薬剤分包装置において、前記長手方向送り及び前記薬剤投入に係る装置内通信手段から前記印刷に係る分岐通信手段が分けられ、プリンタ制御部が前記分岐通信手段を介して前記印刷に係る画像データを受信して蓄積しておくものであり、前記長手方向送り及び前記薬剤投入に係る包装等制御部が前記プリンタ制御部に画像データ有無を問い合わせて確認を得てから印刷実行を指示するものであることを特徴とする。
【0023】
また、本発明の薬剤分包装置は(解決手段2)、上記解決手段1の薬剤分包装置であって、前記包装等制御部が、再分包を要する異常を検知したとき、その異常を印刷にて通知する画像データの有無を前記プリンタ制御部に問い合わせて確認を得てから印刷実行を指示するとともに、前記再分包に伴う印刷に係る画像データ有無を前記プリンタ制御部に問い合わせて確認を得られたら印刷実行を指示するものであることを特徴とする。
【0024】
また、本発明の薬剤分包装置は(解決手段3)、上記解決手段2の薬剤分包装置であって、前記包装等制御部が、前記再分包に伴う印刷に係る画像データ有無を前記プリンタ制御部に問い合わせて該当データの無いときにはその再送を求めるものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
このような本発明の薬剤分包装置は(解決手段1)、印刷に係る文字コードを画像データに展開してから分岐通信手段経由でプリンタ制御部に送信する調剤指示装置と一緒に用いられる。そして、調剤指示装置から処方箋に基づく調剤指示を受けて分包帯に長手方向送りと印刷と薬剤投入とを行う際、分包帯の長手方向送りや分包帯への薬剤投入に係る通信は従来と同じく装置内通信にて遂行されるが、印刷に関しては、従来と異なり、次のように行われる。
【0026】
印刷データは、画像データの状態で、調剤指示装置から分岐通信手段を介してプリンタ制御部に引き渡され、印刷実行に備えてプリンタ制御部に蓄積される。
印刷実行は、包装等制御部による長手方向送りや薬剤投入の制御に随伴して適切なタイミングに行われる。具体的には、包装等制御部からプリンタ制御部への問い合わせによりプリンタ制御部に画像データが有って印刷の実行が可能であることが判明した後で、包装等制御部からプリンタ制御部へ印刷実行が指示される。
【0027】
このように装置内通信手段から分かれた分岐通信手段を介して印刷データが受け渡されるようにしたことにより、通信負担の重い画像データで印刷データの受け渡しを行っても装置内通信手段による分包動作は滞りなく制御され実行される。また、包装等制御部とプリンタ制御部とで画像データの有無を確認しあうとともに必要であれば印刷準備の調うのを待って印刷が実行されるようにもしたことにより、通信経路が複数並存していても、分包と印刷との同期が採れて、分包帯の適切な箇所に印刷がなされる。
したがって、この発明によれば、包装等制御部の大改造を招くことなく且つ分包性能を犠牲にすることなく分包帯への印刷の自由度を飛躍的に高めることができる。
【0028】
また、本発明の薬剤分包装置にあっては(解決手段2)、不所望な薬剤の混入や欠落など再分包を要する異常が検知されると、その異常を知らせる画像データの印刷に加えて、再分包やそれに伴う再印刷も行われるが、何れの印刷も画像データ有りの確認が得られてから適切に行われる。しかも、必要な画像データは上書き等で消去されるまではプリンタ制御部に蓄積されたまま残っていることが多いので、再印刷を伴う再分包が速やかに行われる。
【0029】
また、本発明の薬剤分包装置にあっては(解決手段3)、再分包に伴う印刷に係る画像データが偶々プリンタ制御部から消去されてしまったような場合でも、必要な画像データが再送にて得られ、それを待ち合わせることで再分包や再印刷が適切に行われる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
このような本発明の薬剤分包装置を実施するための一形態を説明する。図面を引用して先ず具体的な構成を説明する。図1は、薬剤分包装置の典型例である薬剤分包機10及びこれを複数台組み込んだ自動調剤システムの構造を示し、(a)が薬剤分包機10及び自動調剤システムの外観斜視図、(b)が包装装置20の内部機構の斜視図、(c)が分包状態の模式図、(d)が分包機制御部70等のブロック図、(e)がプリンタ制御部80のブロック図である。
【0031】
なお、それらの図示に際しては、簡明化等のため、ベースや,フレーム,ボルト等の締結具,ヒンジ等の連結具,電動モータ等の駆動源,タイミングベルト等の伝動部材,モータドライバ等の電気回路,コントローラ等の電子回路の詳細などは図示を割愛し、発明の説明に必要なものや関連するものを中心に図示した。
また、それらの図示に際し従来と同様の構成要素には同一の符号を付して示したので、重複する再度の説明は割愛し、以下、従来との相違点を中心に説明する。
【0032】
薬剤分包機10及び包装装置20の基本構成は従来と同じであり(図1(a)〜(c)参照)、分包帯2に長手方向送りと印刷と薬剤投入とを行うようになっている。従来と相違するのは、分包機制御部30が印刷機能向上のため改良されて分包機制御部70になった点である(図1(d)〜(e)参照)。
また、処方オーダエントリシステム52や装置間通信手段51も従来と同じであり(図1(a)参照)、さらには調剤指示装置60のハードウェア及び基本機能も従来の調剤指示装置50と同じであり、従来同様、処方オーダエントリシステム52から装置間通信手段51を介して調剤指示装置60に処方箋データが送信され、これに基づいて調剤指示装置60が調剤指示を作成し、装置間通信手段51を介して調剤指示装置60から薬剤分包機10に調剤指示が送信されるようになっている。
【0033】
調剤指示装置60が従来と相違するのは(図1(d)参照)、プログラム改造によって、調剤指示のうち印刷データすなわち分包帯2への印刷に係るデータについて調製の仕方が変更された点と、それに伴って調剤指示の送信も少々変更された点である。
印刷データは、やはり既定のフォーマット設定に調剤内容を当て嵌めて分包帯2の区画室ごとに調製するが、文字コードはそのままでなく画像データに展開するようになっている。その際、調剤指示装置60にインストールされている任意のフォントが利用でき、任意の画像を貼り付けることもできるようになっている。
【0034】
ここでも、薬品名と用量とを具体例にして詳述すると(図2(a)〜(c)参照)、分包帯2の区画室の印刷範囲における印刷項目それぞれに(図2(a)参照)、○行○列「薬品名」や○行○列「用量」といったフォーマットデータを予め設定しておくが(図2(b)参照)、ここでは、○行○列「薬品名」や○行○列「用量」といった文字コードにはフォント指定が付加され、さらに○行○列という項目位置に画像指定を組み合わせたフォーマットデータも設定できるようになっている。画像のデータ形式はBMPや,GIF,JPEGなど一般的なものであればどれでも良い。背景画像や部分画像も設定でき、印刷範囲から出た部分は無視されるようになっている。
【0035】
そのため、例えば、調剤内容がCa薬をCb錠とDa薬をDb錠とであれば、○行○列“Ca薬”と○行○列“Cb錠”と○行○列“Da薬”と○行○列“Db錠”という印刷データが従来同様のバイナリデータで作られるが、それにとどまらず更に、その文字コードが指定フォントで画像に展開されるとともに、その画像と背景画像や部分画像とが重ね合わせられて印刷データができあがる(図2(c)参照)。この印刷データは、画像データであり、指定フォントの文字画像“Ca薬”,“Cb錠”,“Da薬”,“Db錠”が背景画像に上書きされている。このように印刷データが画像データになったことに伴い、調剤指示装置60は、調剤指示を薬剤分包機10の分包機制御部70に送信するとき、印刷データの送信先には他の調剤指示の送信先と異なるIPアドレスを設定する。具体的には、分包機制御部70のプリンタ制御部80に印刷データを送信し、分包機制御部70のメインコントローラ71に印刷データ以外の調剤指示を送信するようになっている。
【0036】
分包機制御部70は(図1(d)参照)、ハードウェアに関して、調剤指示装置60と分包機制御部70とを接続する装置間通信手段51に分岐接続用のスイッチングハブ(HUB)61が介挿設置された点と、装置間通信手段51と同じか準じた仕様であって分岐接続可能な分岐通信手段62がHUB61に接続された点と、プリンタ制御部40が分岐通信手段62にも接続されてプリンタ制御部80になった点で、分包機制御部30と相違する。装置内通信手段32やフィーダ用ローカルコントローラ33,34はハードウェアもプログラムも分包機制御部30と同じままであるが、プログラム改造によって、メインコントローラ31はメインコントローラ71になり、包装用ローカルコントローラ35はローカルコントローラ72になっている。
【0037】
このようなHUB61及び分岐通信手段62の導入と上述した調剤指示装置60による調剤指示送信先の振り分けとにより、装置内通信手段32から一部の通信機能が分岐通信手段62に分けられて、分岐通信手段62は印刷に係る画像データの送受信を担うものとなり、装置内通信手段32は、それ以外の通信を担うものとなっている。すなわち、調剤指示装置60から分包機制御部70へ送信された調剤指示のうち印刷データは、画像データの状態で、順に装置間通信手段51とHUB61と分岐通信手段62とを経由して、プリンタ制御部80に届くようになっている。また、調剤指示のうち印刷データ以外のものは、装置間通信手段51及びHUB61を介してメインコントローラ71に届けられ、メインコントローラ71によって装置内通信手段32を介してローカルコントローラ33,34,72に分配され、ローカルコントローラ33,34による薬剤フィーダ13の制御に供されるとともに、ローカルコントローラ72による包装装置20の制御とりわけ直接制御下の作動部材23〜27による分包帯2の長手方向送りと区画室形成と薬剤投入の動作制御に供されるようになっている。
【0038】
プリンタ制御部80は(図1(e)参照)、ROM42が省かれ、I/F44がそのまま残っているが、RAM43が記憶容量増設にてRAM82になっている。RAM82には印刷に係る画像データを複数・多数蓄積しておくことができる。プリンタ制御部80のマイクロプロセッサ(MPU)81には、装置間通信手段51及び分岐通信手段62を介して印刷データを受信するとそれを画像データのままRAM82に記憶させて蓄積するイメージ蓄積プログラムと、ローカルコントローラ72から画像データ有無の問い合わせがあるとRAM82を調べて応答する確認プログラムと、ローカルコントローラ72から印刷実行を指示されるとそれに従ってRAM82から該当データを読み出しその画像データをI/F44経由でプリンタ22に送出して分包帯2に印刷させる印刷実行プログラムとが、インストールされている。
【0039】
このようなプリンタ制御部80の改造に伴って、包装や印刷の制御を協動して担うメインコントローラ71及びローカルコントローラ72も印刷の制御に係るプログラム部分が変更されている。すなわち、メインコントローラ71及びローカルコントローラ72(包装等制御部)は、プリンタ制御部80に印刷実行を指示するときにはそれに先だってプリンタ制御部80に印刷対象の画像データの有無を問い合わせ、画像データが有るとの応答がプリンタ制御部80から得られたら印刷実行を指示するが、画像データが無いときには、待ち合わせるか、状況によっては後述のように再送を求めるようになっている。
【0040】
また、メインコントローラ71及びローカルコントローラ72(包装等制御部)は、再分包を要する異常たとえば不所望な薬剤混入などを検知したとき、その異常を印刷にて通知する画像データの有無をプリンタ制御部80に問い合わせて確認を得てから印刷実行を指示するようになっている。さらに、異常通知の印刷後には例えば二包分ほど遡って分包を遣り直すが、その再分包に伴う印刷に際しても、該当する画像データが消去や上書きされずに残っていればそれを再利用するため、画像データの有無をプリンタ制御部80に問い合わせて確認を得られたら印刷実行を指示するようになっている。再分包に伴う印刷に係る画像データが無いとの応答がプリンタ制御部80から返ってきたときには、その画像データの再送を調剤指示装置60に求めるようにもなっている。
【0041】
このような薬剤分包機10及び自動調剤システムについて、その使用態様及び動作を、図面を引用して説明する。図2は、薬剤分包機10の使用態様等を示し、(a)が分包帯2における各区画室の印刷範囲、(b)が印刷フォーマットの設定例、(c)が一包目印刷の文字コード及び画像データ、(d)が一包目の印刷例、(e)が二包目印刷の文字コード及び画像データ、(f)が二包目の印刷例、(g)が三包目印刷の文字コード及び画像データ、(h)が三包目の印刷例である。また、図3は、薬剤分包機10における通常時の通信ダイアグラム例であり、図4は、薬剤分包機10における異常時の通信ダイアグラム例である。
【0042】
使い方や全体的な動作等は従来と変わらないので繰り返しとなる説明は割愛し、従来と異なる印刷動作について詳述する。ここでも、上述したような印刷フォーマット(図2(a),(b)参照)が設定されている調剤指示装置60に処方箋データが入力され、その処方には三包分が含まれているものとする。さらに、一包目の調剤内容がCa薬をCb錠とDa薬をDb錠とであり、二包目の調剤内容がEa薬をEb錠であり、三包目の調剤内容がFa薬をFb錠とGa薬をGb錠とHa薬をHb錠とである、とする。
そうすると、調剤指示装置60から分包機制御部70へ一包目の調剤指示が送信され、それには、Ca薬をCb錠とDa薬をDb錠という調剤内容が含まれるとともに、背景画像に部分画像や指定フォントの文字画像“Ca薬”,“Cb錠”,“Da薬”,“Db錠”を貼り付けた画像データの印刷データも含まれる(図2(c)参照)。そして、その印刷データが画像データのまま一包目に印刷される(図2(d)参照)。
【0043】
また、二包目の調剤指示が調剤指示装置60から分包機制御部70へ送信され、それには、Ea薬をEb錠という調剤内容とともに、背景画像に部分画像や指定フォントの文字画像“Ea薬”,“Eb錠”を貼り付けた画像データも含まれ(図2(e)参照)、その画像データが二包目に印刷される(図2(f)参照)。
さらに、三包目の調剤指示も調剤指示装置60から分包機制御部70へ送信され、それには、Fa薬をFb錠とGa薬をGb錠とHa薬をHb錠という調剤内容が含まれるとともに、背景画像に部分画像や指定フォントの文字画像“Fa薬”,“Fb錠”,“Ga薬”,“Gb錠”,“Ha薬”,“Hb錠”を貼り付けた画像データの印刷データも含まれる(図2(g)参照)。そして、その印刷データが画像データのまま三包目に印刷される(図2(h)参照)。
【0044】
これらの印刷等は以下のような交信に伴って進行する(図3参照)。すなわち、先ず装置起動後の初期化時に、薬剤混入などの異常を印刷にて通知するための画像データAが調剤指示装置60から分岐通信手段62を介してプリンタ制御部80に送信されRAM82に蓄積されるとともに、初期化の要求Bがメインコントローラ71から装置内通信手段32を介して包装用ローカルコントローラ72に送信され更にプリンタ制御部80に送られ、初期化済みの応答がプリンタ制御部80からローカルコントローラ72の仲介にて装置内通信手段32を介してメインコントローラ71に返される。フィーダ用ローカルコントローラ33,34にも初期化や他の指示が出されるが、ここでは印刷以外の図示や説明を割愛する。
【0045】
初期化が済むと、一包目の調剤指示C,Dが調剤指示装置60から分包機制御部70に送信されるが、その調剤指示C,Dのうち印刷データは画像データの状態で調剤指示装置60から装置間通信手段51及び分岐通信手段62経由でプリンタ制御部80に送信され、その応答がプリンタ制御部80から分岐通信手段62及び装置間通信手段51経由で調剤指示装置60に返信される。調剤指示C,Dのうち印刷データを除いたCa薬をCb錠とDa薬をDb錠という調剤内容は、印刷データの代わりにそれを特定する識別番号等を組み合わされてから、バイナリデータの状態で、調剤指示装置60から装置間通信手段51経由でメインコントローラ71に送信され、その応答がメインコントローラ71から装置間通信手段51経由で調剤指示装置60に返信される。
【0046】
また、同様にして、二包目の調剤指示Eが調剤指示装置60から分包機制御部70へ送信される。すなわち、調剤指示Eも、印刷データは画像データの状態で調剤指示装置60から装置間通信手段51及び分岐通信手段62経由でプリンタ制御部80に送信され、Ea薬をEb錠という調剤内容はバイナリデータの状態で調剤指示装置60から装置間通信手段51経由でメインコントローラ71に送信される。
さらに、同様にして、三包目の調剤指示F,G,Hが調剤指示装置60から分包機制御部70へ送信される。すなわち、調剤指示F,G,Hも、印刷データは画像データの状態で調剤指示装置60から装置間通信手段51及び分岐通信手段62経由でプリンタ制御部80に送信され、Fa薬をFb錠とGa薬をGb錠とHa薬をHb錠という調剤内容はバイナリデータの状態で調剤指示装置60から装置間通信手段51経由でメインコントローラ71に送信される。
【0047】
これらの調剤指示は、高速の装置間通信手段51や分岐通信手段62で短時間のうちに引き渡されて、メインコントローラ71及びプリンタ制御部80に分けて蓄積され、それよりも時間の掛かる分包や印刷にはメインコントローラ71の制御に従って供される。
すなわち、分包動作が可能になると、一包目の印刷データがRAM82に画像データで蓄積されているか否かの問い合わせがメインコントローラ71から装置内通信手段32及びローカルコントローラ72を介してプリンタ制御部80へ送信され、異常や故障が無ければ該当データが有るのでプリンタ制御部80からローカルコントローラ72及び装置内通信手段32を介してメインコントローラ71にその旨の応答がなされる。
【0048】
これで確認が得られると、Ca薬をCb錠とDa薬をDb錠という一包目の調剤内容と分包開始の指令がメインコントローラ71から装置内通信手段32を介してローカルコントローラ33,34へ送信されて薬剤フィーダ13から該当薬剤1が排出されるとともに、包装指令が印刷データ識別番号と共に装置内通信手段32を介してローカルコントローラ72へ送信されて包装装置20によって分包帯2が長手方向に送られ分包帯2に区画室が形成されそこに薬剤1が投入される。それと並行して、印刷データ識別番号を含んだ印刷実行指令がローカルコントローラ72からプリンタ制御部80に出され、それで指定された画像データがRAM82から読み出されてプリンタ22に送られるので、プリンタ22によって分包帯2に適切な印刷(C,D)がなされる。
【0049】
その分包動作が終わるころになると、一包目の処理終了を確認する問い合わせと、二包目の印刷データがRAM82に画像データで蓄積されているか否かの問い合わせとが、併合されて一緒に、メインコントローラ71からプリンタ制御部80へ送信される。そして、異常や故障が無ければ、一包目と同様にして、二包目も適切に分包され印刷(E)もなされる。さらに、二包目の分包動作が終わるころに、その処理終了を確認する問い合わせと、次の三包目の印刷データがRAM82に画像データで蓄積されているか否かの問い合わせとが、併合されて一緒に、メインコントローラ71からプリンタ制御部80へ送信される。そして、異常や故障が無ければ、一,二包目と同様にして、三包目も適切に分包され印刷(F,G,H)もなされる。それから、その三包目の処理終了が確認されると、一つの処方箋に基づく一連の自動分包が完了する。
【0050】
これに対し(図4参照)、再分包を要する異常が発生したときには次のようになる。具体例として、調剤指示F,G,Hに基づく三包目の分包時に、ローカルコントローラ33からメインコントローラ71に異常通知がなされて、メインコントローラ71が薬剤の混入を検知したとする。この場合、先ず、混入異常を印刷にて通知するための画像データAがRAM82に蓄積されているか否かの問い合わせがメインコントローラ71から装置内通信手段32及びローカルコントローラ72を介してプリンタ制御部80へ送信される。そして、通常は初期設定された該当データが有るので、プリンタ制御部80からローカルコントローラ72及び装置内通信手段32を介してメインコントローラ71にその旨の応答がなされる。
【0051】
これで確認が得られると、印刷実行指令がローカルコントローラ72からプリンタ制御部80に出され、混入通知の画像データAがRAM82から読み出されてプリンタ22に送られるので、プリンタ22によって分包帯2に混入通知の印刷(A)がなされる。
それから、二包前の調剤指示C,Dに基づく分包から遣り直すため、それに先だって、調剤指示C,Dに基づく画像データと調剤指示Eに基づく画像データが蓄積されたまま残っているか否かの問い合わせがメインコントローラ71からプリンタ制御部80に出される。RAM82の記憶容量が大きいので印刷済みの画像データも大抵の場合に残っているが、たまたま無かったときにはメインコントローラ71から調剤指示装置60に必要な画像データの再送が求められ、それに応じて画像データ(C,D)も画像データ(E)も調剤指示装置60からプリンタ制御部80に再送される(図4破線部分を参照)。
【0052】
画像データ以外の調剤指示はバイナリデータでデータ量が少なくて再分包の分もメインコントローラ71に残っているので、必要な画像データが確保された後は、上述した正常時と同様にして、調剤指示C,Dに基づく自動分包から繰り返される。
こうして、この薬剤分包機10や調剤システムにあっては、適切な印刷を伴った自動分包がなされる。しかも、文字データの印刷には各種フォントを用いることができるうえ、好みの画像も併せて印刷することができる。
【0053】
[その他]
上記の実施形態では、多数の薬剤フィーダ13を格納した薬品庫11と分包帯2を水平方向に送る包装装置20とを上下に配置して組み合わせた薬剤分包機10を挙げたが、本発明の適用はそれに限られる訳でなく、包装装置20の部分をユニット化した薬剤分包装置や、分包帯2を鉛直方向な斜めに送る薬剤分包装置にも、本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の一実施形態について、薬剤分包機(薬剤分包装置)の構造を示し、(a)が外観斜視図、(b)が包装装置の内部機構の斜視図、(c)が分包状態の模式図、(d)が分包機制御部のブロック図、(e)プリンタ制御部のブロック図である。
【図2】薬剤分包機の使用態様等を示し、(a)が分包帯における各区画室の印刷範囲、(b)が印刷フォーマットの設定例、(c)が一包目印刷の文字コード及び画像データ、(d)が一包目の印刷例、(e)が二包目印刷の文字コード及び画像データ、(f)が二包目の印刷例、(g)が三包目印刷の文字コード及び画像データ、(h)が三包目の印刷例である。
【図3】薬剤分包機における通常時の通信ダイアグラム例である。
【図4】薬剤分包機における異常時の通信ダイアグラム例である。
【図5】従来の薬剤分包機の全体構造を示し、(a)が外観斜視図、(b)が内部模式図である。
【図6】従来の薬剤分包装置の構造等を示し、(a)が包装装置の内部機構の斜視図、(b)が分包済み分包帯の外観図である。
【図7】従来の薬剤分包装置の制御部の構造を示し、(a)が分包機制御部のブロック図、(b)がプリンタ制御部のブロック図である。
【図8】従来の薬剤分包機の使用態様等を示し、(a)が分包帯における各区画室の印刷範囲、(b)が印刷フォーマットの設定例、(c)が一包目印刷の文字コード、(d)が一包目の印刷例、(e)が二包目印刷の文字コード、(f)が二包目の印刷例、(g)が三包目印刷の文字コード、(h)が三包目の印刷例である。
【図9】従来の薬剤分包機における通信ダイアグラム例を示し(a)が通常時、(b)が異常時である。
【符号の説明】
【0055】
1…薬剤、2…分包帯、
10…薬剤分包機(薬剤分包装置)、
11…薬品庫、12…薬剤収納庫、13…薬剤フィーダ、
14…落下案内路、15…収集ホッパ、16…操作パネル、
20…包装装置、
21…分包帯供給機構、22…プリンタ(ヘッド)、23…縦シール機構、
24…投入ホッパ、25…横シール機構、26…分包帯牽引ローラ、27…カッター、
30…分包機制御部、
31…メインコントローラ、32…装置内通信手段、
33,34…フィーダ用ローカルコントローラ、35…包装用ローカルコントローラ、
40…プリンタ制御部、
41…マイクロプロセッサ(MPU)、42…ROM(文字生成用)、
43…RAM(画像メモリ)、44…I/F(インターフェイス)、
50…調剤指示装置、
51…装置間通信手段、52…処方オーダエントリシステム、
60…調剤指示装置、
61…HUB(スイッチングハブ)、62…分岐通信手段、
70…分包機制御部、
71…メインコントローラ、72…包装用ローカルコントローラ、
80…プリンタ制御部、
81…MPU(マイクロプロセッサ)、82…RAM(画像メモリ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分包帯に長手方向送りと印刷と薬剤投入とを行う薬剤分包装置において、前記長手方向送り及び前記薬剤投入に係る装置内通信手段から前記印刷に係る分岐通信手段が分けられ、プリンタ制御部が前記分岐通信手段を介して前記印刷に係る画像データを受信して蓄積しておくものであり、前記長手方向送り及び前記薬剤投入に係る包装等制御部が前記プリンタ制御部に画像データ有無を問い合わせて確認を得てから印刷実行を指示するものであることを特徴とする薬剤分包装置。
【請求項2】
前記包装等制御部が、再分包を要する異常を検知したとき、その異常を印刷にて通知する画像データの有無を前記プリンタ制御部に問い合わせて確認を得てから印刷実行を指示するとともに、前記再分包に伴う印刷に係る画像データ有無を前記プリンタ制御部に問い合わせて確認を得られたら印刷実行を指示するものであることを特徴とする請求項1記載の薬剤分包装置。
【請求項3】
前記包装等制御部が、前記再分包に伴う印刷に係る画像データ有無を前記プリンタ制御部に問い合わせて該当データの無いときにはその再送を求めるものであることを特徴とする請求項記載の薬剤分包装置。
【請求項4】
前記印刷に係る文字コードを画像データに展開してから前記分岐通信手段経由で前記プリンタ制御部に送信する調剤指示装置が並設されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載された薬剤分包装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−202932(P2007−202932A)
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−27907(P2006−27907)
【出願日】平成18年2月6日(2006.2.6)
【出願人】(000151472)株式会社トーショー (156)
【Fターム(参考)】