薬剤拡散装置
【課題】薬剤を好適に拡散させる薬剤拡散装置を提供する。
【解決手段】薬剤を収容し且つ上方に開放口4を形成した容器5と、容器5を交換可能に配置するボックス本体2と、容器5の上方に対向配置される紫外線ランプ6と、ボックス本体2に設置される排気ファン7とを備え、
ボックス本体2は、空気を外部と流通させる流通口を、排気ファン7を備えた排気口8のみにする。
【解決手段】薬剤を収容し且つ上方に開放口4を形成した容器5と、容器5を交換可能に配置するボックス本体2と、容器5の上方に対向配置される紫外線ランプ6と、ボックス本体2に設置される排気ファン7とを備え、
ボックス本体2は、空気を外部と流通させる流通口を、排気ファン7を備えた排気口8のみにする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、殺菌剤、脱臭剤、芳香剤を拡散させる薬剤拡散装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、食品加工や医薬品製造等のための無菌室を殺菌・除菌する際には、無菌室に供給する空気をクリーンフィルタにより濾過してゴミ・塵等と共に細菌、カビ等を取り除き、又、同時に無菌室内の機器や床を、泡発生洗浄剤や熱湯噴射で洗浄し、乾燥の後、次亜塩素酸ナトリウム、塩化ベンザルコニュウム製剤等を溶液噴霧して殺菌・除菌することが一般に普及している。
【0003】
他の方法としては、紫外線照射による所定の波長帯で殺菌・除菌するものや、オゾン発生装置によるオゾンガスで殺菌・除菌するものがある。
【0004】
更に別の方法としては、紫外線ランプと安定化二酸化塩素含有剤により二酸化塩素ガスを発生させると共に、ファンにより吸気口から排気口へ向かう気流を形成して二酸化塩素ガスを拡散させ、殺菌・除菌するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2000−202009号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、クリーンフィルタにより殺菌・除菌する場合には、空気の殺菌・除菌には有効であるが、室内の機器や床には効果がなく、上記の如く他の薬剤を併用しなければならないという問題があった。又、紫外線照射で殺菌・除菌する場合には、室内の空気や直接照射される部分には殺菌・除菌の効果が認められるが、機器や部品等の裏面や隙間などの部分には効果がないという問題があった。更に、オゾンガスで殺菌・除菌する場合には、蛋白質等の有機物に対して効果が弱く、特有の臭いを生じると共に、オゾンによる発ガン性の心配があった。更に又、二酸化塩素ガスを発生させて殺菌・除菌する場合には、二酸化塩素の比重が空気よりやや重く、二酸化塩素ガスの拡散性が弱いため、薬剤の濃度を均一して室内の隅々に到達させることが容易でないと共に、微生物を死滅させる濃度に上げるまでに相当の時間がかかるという問題があった。
【0006】
本発明は、上述の実情に鑑み、薬剤を迅速に拡散させる薬剤拡散装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、薬剤を収容し且つ上方に開放口を形成した容器と、該容器を交換可能に配置するボックス本体と、前記容器の上方に対向配置される紫外線ランプと、前記ボックス本体に設置される排気ファンとを備え、
前記ボックス本体は、空気を外部と流通させる流通口を、排気ファンを備えた排気口のみにしたことを特徴とする薬剤拡散装置、にかかるものである。
【0008】
又、本発明は、薬剤を収容し且つ上方に開放口を形成した容器と、該容器を交換可能に配置するボックス本体と、該ボックス本体に設置される排気ファンとを備え、
前記ボックス本体は、空気を外部と流通させる流通口を、排気ファンを備えた排気口のみにしたことを特徴とする薬剤拡散装置、にかかるものである。
【0009】
本発明において、排気口を、容器の開放口よりも下方に配置することが好ましい。
【0010】
本発明において、ボックス本体の開閉ドアを密閉可能にすることが好ましい。
【0011】
本発明において、容器に入れる薬剤を、二酸化塩素溶液又は二酸化塩素を溶存させたゲル状固形物のいずれかにすることが好ましい。
【0012】
このように、本発明の薬剤拡散装置によれば、空気を外部と流通させる流通口を、排気ファンを備えた排気口のみにするので、吸気口及び排気口を備えて排気ファンにより薬剤を拡散させる場合に比べ、薬剤を好適に拡散させ、結果的に、薬剤の濃度を容易に上げることができる。
【0013】
又、排気口を、容器の開放口よりも下方に配置すると、排気口を容器の開放口より上方に配置した場合に比べて、薬剤を迅速に拡散させ、結果的に、薬剤の濃度を容易且つ好適に均一化すると共に、薬剤の濃度に上げるまでの時間を一層短縮することができる。
【0014】
ボックス本体の開閉ドアを密閉可能にすると、ボックス本体の真空度を高めるので、薬剤を一層好適に拡散させることができる。
【0015】
容器に入れる薬剤を、二酸化塩素溶液又は二酸化塩素を溶存させたゲル状固形物のいずれかにすると、クリーンフィルタの如く他の殺菌・除菌剤を併用することを不要にし、空気は勿論、機器や部品等の裏面や隙間などの部分であっても好適に殺菌・除菌することができる。又、二酸化塩素ガスによれば、汚染された作業台や食品を好適に殺菌・除菌すると共に、汚染により発生する臭いを抑制することができる。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように、本発明の薬剤拡散装置によれば、薬剤を好適に拡散させることができるという優れた効果を奏し得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図面に基いて説明する。
【0018】
図1〜図4は本発明を実施する形態の第一例を示すものである。
【0019】
本形態の第一例の薬剤拡散装置1は、内部空間を形成するボックス本体2を備え、ボックス本体2の内部下面には、所定高さを有する架台3を設置し、架台3の上面には、上方に開放口4を形成したプラスチックもしくは金属製の容器5を交換可能に配置している。ここで、容器5は、直径15〜30cmの径の開放口4を有する円柱形か、それに近い開放口4を有する直方体で形成されており、容器5の内部には、2×103ppmから3×104ppmの濃度、好ましくは5×103ppmから2×104ppmの濃度の二酸化塩素溶液又は二酸化塩素を溶存させたゲル状固形物のいずれかの薬剤を収容している。なお、薬剤の種類は二酸化塩素以外でも、例えば、安定化二酸化塩素とアルコール、脱臭剤、芳香剤等の混合物でもよい。
【0020】
ボックス本体2の内部天井には、容器5の開放口4の上方に所定の間隔を介して対向配置されるよう紫外線ランプ6を配置している。ここで紫外線ランプ6は、二酸化塩素ガスを安全な濃度で発生させるよう10W〜100Wのものを使用し、好ましくは15W〜30Wのものを使用している。
【0021】
ボックス本体2の側方正面の下部には、空気を外部と流通させる流通口を形成するよう、排気ファン7を備えた排気口8を備えている。ここで排気ファン7は、容器5の開放口4よりも下方に位置して風向きをボックス本体2の内部から外部へ向けるようにし、又、回転数を毎分1×103回転〜5×103回転にし、風量を毎分0.5m3〜10.0m3、好ましくは毎分1.0m3〜3.0m3にしている。なお、排気ファン7を備えた排気口8は、ボックス本体2の底面に配置してもよい。
【0022】
ボックス本体2の床面で架台3の下部には、紫外線ランプ6及び排気ファン7に接続される電気制御部9を配置しており、電気制御部9は、ボックス本体2の正面下部にスイッチ10を備えると共に内部にタイマー機構と安全機構とを備え、タイマー機構は、紫外線ランプ6の照射時間等や排気ファン7の駆動時間等を制御すると共に、安全機構は、雷等により過電流が流れた場合に安全に対応し得るようにしている。ここで、電気制御部9は、外部の電源(図示せず)に配線(図示せず)を介して接続されており、外部の電源に接続される配線は、ボックス本体2の裏面に形成された配線口(図示せず)を通すようになっている。なお、配線口は、耐薬品性のパッキン等で穴埋めすることが好ましい。
【0023】
又、ボックス本体2の正面上部もしくは側面上部には、ドアノブ11を備えて開閉し得る開閉ドア12を備えており、開閉ドア12は、周囲に耐薬品性ゴムパッキンやシリコン樹脂の密着材を配し、ボックス本体2に対して密閉可能にしている。
【0024】
以下、本発明を実施する形態の第一例の作用を説明する。
【0025】
第一例の薬剤拡散装置1を使用して殺菌する場合には、予め、ボックス本体2内の架台3に、薬剤を収容した容器5を配置し、食品加工室等の殺菌しようとする室内13の壁面上部に、排気口8が室内13側に向くよう薬剤拡散装置1を配置し、室内13の出入口14の扉15を閉じる。
【0026】
続いて、薬剤拡散装置1を無人の状態で駆動させるよう、作業終了後や清掃終了後にスイッチ10を入れ、電気制御部9のタイマを作動させると共に、紫外線ランプ6及び排気ファン7に電源を供給する。
【0027】
電源を紫外線ランプ6及び排気ファン7に供給すると、紫外線ランプ6は、ボックス本体2内で紫外線を容器5の薬剤に向けて照射することにより、薬剤をガス化して除菌ガス、脱臭ガス又は芳香ガスを発生させ、同時に排気ファン7は、回転駆動することにより、ボックス本体2内で発生した除菌ガス等を排気口8のみを介してボックス本体2から室内13へ拡散させる。
【0028】
これにより、タイマで設定した所定時間、除菌ガス等を室内13へ拡散させ、室内13を殺菌、除菌、脱臭又は芳香する。
【0029】
ここで、薬剤を二酸化塩素にした場合には、微生物の殺菌・除菌に必要な二酸化塩素ガスの濃度が0.1ppm以上で殺菌・除菌効果があると考えられるが、好ましくは1ppm以上であり、人が誤って殺菌・除菌中に室内13へ入っても安全な濃度として1ppm〜10ppmの範囲が好適である。
【0030】
具体的には、室内13の広さが6〜10坪の割合で薬剤拡散装置1を1台設置することにより、1時間で除菌ガスを室内13の隅々まで行き渡らせ、時間の経過に伴って除菌ガスの濃度が上がり、室内13の空気や機器において細菌、カビを2〜6時間で死滅させることができる。
【0031】
以下、流通口を排気口8のみにした本発明の薬剤拡散装置1(装置A)と、流通口を吸気口16と排気口8にした対比用の薬剤拡散装置17(装置B)とを具体的に比較して説明する。
【0032】
流通口を排気口8のみにした本発明の薬剤拡散装置1(装置A)は、図5に示す如く、8Wの紫外線ランプ6を2本配すると共に、120mm角の排気口8に風量1.4m3/minの排気ファン7を設置しており、一方、流通口を吸気口16と排気口8にした対比用の薬剤拡散装置17(装置B)は、図6に示す如く、本発明の薬剤拡散装置1(装置A)と同じ構成を備えると共に、更に両側面に所定の吸気口16を形成している。なお、図1〜図4と同一の符号を付した部分は同一物を表わしている。又、夫々の装置に使用する薬剤は、2Kgで濃度15000ppmの二酸化塩素ゲルであり、直方体容器5(内径W190×D105×H110mm)に入れている。更に、夫々の薬剤拡散装置1を配置する室内13は、広さ17.4m2(約10.7畳)、高さ2.5mで体積43.2m3であり、ドアの反対側で高さ約2000mmの位置に薬剤拡散装置1を配置している。更に又、室内13の密閉には、換気扇口とドアの換気口を発砲スチロールで塞ぎ、ドア下部の隙間に目張りをした。
【0033】
このような状態で、装置横上角、部屋中央、ドア横の三ヶ所でガス濃度を経時的に測定し、下記のような結果を得た。
【表1】
【0034】
上記の表1と図7のグラフにより、流通口を排気口8のみにした本発明の薬剤拡散装置1(装置A)と、流通口を吸気口16と排気口8にした対比用の薬剤拡散装置17(装置B)は、3時間を経過後、ほぼ一定の濃度になっており、本発明の薬剤拡散装置1(装置A)は、薬剤拡散装置17(装置B)に比べ、濃度が平均して0.3ppm高くなっている。なお、流通口を排気口8のみにした本発明の薬剤拡散装置1(装置A)が、流通口を吸気口16と排気口8にした対比用の薬剤拡散装置17(装置B)に比べて、二酸化塩素の濃度が高くなる理由は、本発明の薬剤拡散装置1(装置A)の気流の流れが穏やかであり、紫外線ランプ6による二酸化塩素ガスの反応時間が長くなると共に、ボックス本体2内を真空状態にして風の影響を最小限にしているためと考えられる。
【0035】
これにより、流通口を排気口8のみにした本発明の薬剤拡散装置1(装置A)は、流通口を吸気口16と排気口8にした対比用の薬剤拡散装置17(装置B)に比べ、濃度が平均して0.3ppm高く、薬剤を好適に拡散させることが明らかである。
【0036】
次に、薬剤拡散装置1の構成を変更すると共に、室内13の代わりにロッカー18で使用した場合において、流通口を排気口19のみにした本発明の薬剤拡散装置20(装置C)と、流通口を吸気口21と排気口19にした対比用の薬剤拡散装置22(装置D)とを具体的に比較して説明する。
【0037】
流通口を排気口19のみにした本発明の薬剤拡散装置20(装置C)は、図8に示す如く、4Wの紫外線ランプ23を配すると共に、ボックス本体24の下面に排気口19として回転数2600回転/min、風量0.7m3/minの排気ファン25を設置しており、一方、流通口を吸気口21と排気口19にした対比用の薬剤拡散装置22(装置D)は、本発明の薬剤拡散装置20(装置C)と同じ構成を備えると共に、更に一側面に所定の吸気口21を形成している。なお、図1〜図4と同一の符号を付した部分は同一物を表わしている。又、夫々の装置に使用する薬剤は、500gで濃度10000ppmの二酸化塩素であり、所定の容器26に入れている。更に、夫々の薬剤拡散装置1を配置するロッカー18は図10に示す如く一般的なものであり、ロッカー18の上段に薬剤拡散装置20,22を配置している。
【0038】
このような状態で、ロッカー18上、ロッカー18下の二ヶ所でガス濃度を経時的に測定し、下記のような結果を得た。なお、下記の表2と図11は2回試験を行ったもの及びその平均値を示している。
【表2】
【0039】
上記の表2と図11のグラフにより、流通口を排気口19のみにした本発明の薬剤拡散装置20(装置C)と、流通口を吸気口21と排気口19にした対比用の薬剤拡散装置22(装置D)は、120分を経過後、ほぼ一定の濃度になっており、本発明の薬剤拡散装置20(装置C)は、薬剤拡散装置22(装置D)に比べ、120分後、濃度が平均して2.4ppm高くなっている。なお、流通口を排気口19のみにした本発明の薬剤拡散装置20(装置C)が、流通口を吸気口21と排気口19にした対比用の薬剤拡散装置22(装置D)に比べて、二酸化塩素の濃度が高くなる理由は、先の例とほぼ同様に、本発明の薬剤拡散装置20(装置C)の気流の流れが穏やかになり、紫外線ランプ23による二酸化塩素ガスの反応時間が長くなると共に、ボックス本体2内を真空状態にして風の影響を最小限にしているためと考えられる。
【0040】
これにより、流通口を排気口19のみにした本発明の薬剤拡散装置20(装置C)は、流通口を吸気口21と排気口19にした対比用の薬剤拡散装置22(装置D)に比べ、濃度が平均して2.4ppm高く、薬剤を好適に拡散させることが明らかである。
【0041】
続いて、ボックス本体2の排気口8を容器5の開放口4よりも下方に配置した薬剤拡散装置27(装置E)と、ボックス本体2の排気口8を容器5の開放口4よりも上方に配置した対比用の薬剤拡散装置28(装置F)とを具体的に比較して説明する。
【0042】
ボックス本体2の排気口8を容器5の開放口4よりも下方に配置した薬剤拡散装置27(装置E)は、図12に示す如く、架台3の上に容器5を配置してボックス本体2の排気口8を容器5の開放口4よりも下方に配置し、先の薬剤拡散装置17(装置B)とほぼ同様に、8Wの紫外線ランプ6を2本配すると共に、120mm角の排気口8に風量1.4m3/minの排気ファン7を設置し、両側面に所定の吸気口16を形成している。一方、ボックス本体2の排気口8を容器5の開放口4よりも上方に配置した対比用の薬剤拡散装置28(装置F)は、図13に示す如く、薬剤拡散装置27(装置E)と同じ構成を備えると共に、架台3を取り除いて容器5を直接ボックス本体2の底面に配置し、ボックス本体2の排気口8を容器5の開放口4よりも上方に配置している。又、夫々の装置に使用する薬剤は、2Kgで濃度15000ppmの二酸化塩素ゲルであり、直方体容器5(内径W190×D105×H110mm)に入れている。更に、夫々の薬剤拡散装置1を配置する室内13は、広さ17.4m2(約10.7畳)、高さ2.5mで体積43.2m3であり、ドアの反対側で高さ約2000mmの位置に薬剤拡散装置1を配置している。更に又、室内13の密閉には、換気扇口とドアの換気口を発砲スチロールで塞ぎ、ドア下部の隙間に目張りをした。
【0043】
このような状態で、装置横上角、部屋中央、ドア横の三ヶ所でガス濃度を経時的に測定し、下記のような結果を得た。
【表3】
【0044】
上記の表3と図14のグラフにより、ボックス本体2の排気口8を容器5の開放口4よりも下方に配置した薬剤拡散装置27(装置E)は、3時間を経過後、ほぼ一定の濃度になっており、流通口を吸気口16と排気口8にした対比用の薬剤拡散装置28(装置F)は、4時間を経過後、ほぼ一定の濃度になり、薬剤拡散装置27(装置E)は、対比用の薬剤拡散装置28(装置F)に比べ、迅速に拡散している。又、薬剤拡散装置27(装置E)は、対比用の薬剤拡散装置28(装置F)に比べ、4時間後の濃度が平均して0.14ppm高くなっている。なお、薬剤拡散装置27(装置E)が、対比用の薬剤拡散装置28(装置F)に比べて、二酸化塩素を迅速に拡散させる理由は、排気ファン7の風が容器5の開放口4に直接当たることをなくして二酸化塩素ガスを効率的に発生させると共に、室内13の空間に対し、二酸化塩素ガスを均一に流しているためと考えられる。
【0045】
これにより、ボックス本体2の排気口8を容器5の開放口4よりも下方に配置した薬剤拡散装置27(装置E)は、ボックス本体2の排気口8を容器5の開放口4よりも上方に配置した対比用の薬剤拡散装置28(装置F)に比べ、二酸化塩素が迅速に拡散し、薬剤を好適に拡散させることが明らかである。
【0046】
このように、本形態の第一例の薬剤拡散装置1によれば、空気を外部と流通させる流通口を、排気ファン7を備えた排気口8のみにするので、吸気口16及び排気口8を備えて排気ファン7により薬剤を拡散させる場合に比べ、薬剤を好適に拡散させ、結果的に、薬剤の濃度を容易に上げることができる。ここで、排気ファン7の風量は毎分0.5m3〜10.0m3が好ましく、これよりも風量を大きくする場合には、薬剤の減少量が大きくなり、風量によっては薬剤の濃度が上がらない現象が生じる。又、風量を小さくする場合には、薬剤を好適に拡散させることができない。更に、排気ファン7の風量は毎分1.0m3〜3.0m3にした場合に最も好適に薬剤を拡散させることができる。
【0047】
又、排気口8を、容器5の開放口4よりも下方に配置すると、排気口8を容器5の開放口4より上方に配置した場合に比べて、薬剤を迅速に拡散させ、結果的に、薬剤の濃度を容易且つ好適に均一化すると共に、薬剤の濃度に上げるまでの時間を一層短縮することができる。
【0048】
ボックス本体2の開閉ドア12を密閉可能にすると、ボックス本体2の真空度を高めるので、薬剤を一層好適に拡散させることができる。
【0049】
容器5に入れる薬剤を、二酸化塩素溶液又は二酸化塩素を溶存させたゲル状固形物のいずれかにすると、クリーンフィルタの如く他の殺菌・除菌剤を併用することを不要にし、空気は勿論、機器や部品等の裏面や隙間などの部分であっても好適に殺菌・除菌することができる。又、二酸化塩素ガスによれば、汚染された作業台や食品を好適に殺菌・除菌すると共に、汚染により発生する臭いを抑制することができる。
【0050】
図15〜図17は本発明を実施する形態の第二例を示すもので、第一例の薬剤拡散装置1から紫外線ランプ6を無くしたものであり、第一例と同一の符号を付した部分は同一物を表わしている。
【0051】
本形態の第二例の薬剤拡散装置29は、内部空間を形成するボックス本体2を備え、ボックス本体2の内部下面には、所定高さを有する架台3を設置し、架台3の上面には、上方に開放口4を形成したプラスチックもしくは金属製の容器5を交換可能に配置している。ここで、容器5は、直径15〜30cmの径の開放口4を有する円柱形か、それに近い開放口4を有する直方体で形成されており、容器5の内部には、所定濃度で揮発性の殺菌剤、脱臭剤又は芳香剤(薬剤)を収容している。
【0052】
ボックス本体2の側方正面の下部には、空気を外部と流通させる流通口を形成するよう、排気ファン7を備えた排気口8を備えている。ここで排気ファン7は、容器5の開放口4よりも下方に位置して風向きをボックス本体2の内部から外部へ向けるようにし、又、回転数を毎分1×103回転〜5×103回転にし、風量を毎分0.5m3〜10.0m3、好ましくは毎分1.0m3〜3.0m3にしている。なお、排気ファン7を備えた排気口8は、ボックス本体2の底面に配置してもよい。
【0053】
ボックス本体2の床面で架台3の下部には、排気ファン7に接続される電気制御部9を配置しており、電気制御部9は、ボックス本体2の正面下部にスイッチ10を備えると共に内部にタイマー機構と安全機構とを備え、タイマー機構は、排気ファン7の駆動時間等を制御すると共に、安全機構は、雷等により過電流が流れた場合に安全に対応し得るようにしている。ここで、電気制御部9は、外部の電源(図示せず)に配線(図示せず)を介して接続されており、外部の電源に接続される配線は、ボックス本体2の裏面に形成された配線口(図示せず)を通すようになっている。なお、配線口は、耐薬品性のパッキン等で穴埋めすることが好ましい。
【0054】
又、ボックス本体2の正面上部もしくは側面上部には、ドアノブ11を備えて開閉し得る開閉ドア12を備えており、開閉ドア12は、周囲に耐薬品性ゴムパッキンやシリコン樹脂の密着材を配し、ボックス本体2に対して密閉可能にしている。
【0055】
以下、本発明を実施する形態の第二例の作用を説明する。
【0056】
第二例の薬剤拡散装置29を使用して揮発性の殺菌剤、脱臭剤又は芳香剤等の薬剤を拡散させる場合には、予め、ボックス本体2内の架台3に、薬剤を収容した容器5を配置し、薬剤を拡散させる室内13の壁面上部に、排気口8を室内13側に向けて薬剤拡散装置29を配置し、室内13の出入口14の扉15を閉じる。
【0057】
続いて、スイッチ10を入れ、電気制御部9のタイマを作動させると共に、排気ファン7に電源を供給する。
【0058】
電源を排気ファン7に供給すると、排気ファン7は、回転駆動することにより、ボックス本体2内で発生した殺菌剤、脱臭剤又は芳香剤等の薬剤を排気口8のみを介してボックス本体2から室内13へ拡散させる。
【0059】
これにより、タイマで設定した所定時間、殺菌剤、脱臭剤又は芳香剤等の薬剤を室内13へ拡散させる。
【0060】
従って、本形態の第二例の薬剤拡散装置29によれば、空気を外部と流通させる流通口を、排気ファン7を備えた排気口8のみにするので、吸気口16及び排気口8を備えて排気ファン7により薬剤を拡散させる場合に比べ、薬剤を好適に拡散させ、結果的に、薬剤の濃度を容易に上げることができる。
【0061】
又、排気口8を、容器5の開放口4よりも下方に配置すると、排気口8を容器5の開放口4より上方に配置した場合に比べて、薬剤を迅速に拡散させ、結果的に、薬剤の濃度を容易且つ好適に均一化すると共に、薬剤の濃度に上げるまでの時間を一層短縮することができる。
【0062】
ボックス本体2の開閉ドア12を密閉可能にすると、ボックス本体2の真空度を高めるので、薬剤を一層好適に拡散させることができる。
【0063】
なお、本発明は、上述の実施の形態にのみ限定されるものではなく、薬剤拡散装置を、カビ類の多さや室内の広さにより複数台設置して同時に使用しても良いこと、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の実施の形態の第一例を示す概略斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態の第一例を示す概略正面図である
【図3】図2のIII−III方向の矢視図である。
【図4】本発明の薬剤拡散装置を室内に備える位置を示す概略図である。
【図5】流通口を排気口のみにした本発明の薬剤拡散装置(装置A)を示す概略斜視図である。
【図6】流通口を吸気口と排気口にした対比用の薬剤拡散装置(装置B)を示す概略斜視図である。
【図7】図5の本発明の薬剤拡散装置(装置A)によるガス濃度と、図6の対比用の薬剤拡散装置(装置B)によるガス濃度とを対比した平均値のグラフである。
【図8】流通口を排気口のみにした本発明の他の薬剤拡散装置(装置C)を示す概略斜視図である。
【図9】流通口を吸気口と排気口にした対比用の薬剤拡散装置(装置D)を示す概略斜視図である。
【図10】薬剤拡散装置をロッカーに配置した状態を示す概念図である。
【図11】図8の本発明の他の薬剤拡散装置(装置C)によるガス濃度と、図9の対比用の薬剤拡散装置(装置D)によるガス濃度とを対比した平均値のグラフである。
【図12】排気口を容器の開放口よりも下方に配置した薬剤拡散装置(装置E)を示す概略斜視図である。
【図13】排気口を容器の開放口よりも上方に配置した対比用の薬剤拡散装置(装置F)を示す概略斜視図である。
【図14】図12の薬剤拡散装置(装置E)によるガス濃度と、図13の対比用の薬剤拡散装置(装置F)によるガス濃度とを対比したグラフである。
【図15】本発明の実施の形態の第二例を示す概略斜視図である。
【図16】本発明の実施の形態の第二例を示す概略正面図である
【図17】図16のXVII−XVII方向の矢視図である。
【符号の説明】
【0065】
2 ボックス本体
3 架台
4 開放口
5 容器
6 紫外線ランプ
7 排気ファン
8 排気口
12 開閉ドア
19 排気口
23 紫外線ランプ
24 ボックス本体
25 排気ファン
26 容器
【技術分野】
【0001】
本発明は、殺菌剤、脱臭剤、芳香剤を拡散させる薬剤拡散装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、食品加工や医薬品製造等のための無菌室を殺菌・除菌する際には、無菌室に供給する空気をクリーンフィルタにより濾過してゴミ・塵等と共に細菌、カビ等を取り除き、又、同時に無菌室内の機器や床を、泡発生洗浄剤や熱湯噴射で洗浄し、乾燥の後、次亜塩素酸ナトリウム、塩化ベンザルコニュウム製剤等を溶液噴霧して殺菌・除菌することが一般に普及している。
【0003】
他の方法としては、紫外線照射による所定の波長帯で殺菌・除菌するものや、オゾン発生装置によるオゾンガスで殺菌・除菌するものがある。
【0004】
更に別の方法としては、紫外線ランプと安定化二酸化塩素含有剤により二酸化塩素ガスを発生させると共に、ファンにより吸気口から排気口へ向かう気流を形成して二酸化塩素ガスを拡散させ、殺菌・除菌するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2000−202009号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、クリーンフィルタにより殺菌・除菌する場合には、空気の殺菌・除菌には有効であるが、室内の機器や床には効果がなく、上記の如く他の薬剤を併用しなければならないという問題があった。又、紫外線照射で殺菌・除菌する場合には、室内の空気や直接照射される部分には殺菌・除菌の効果が認められるが、機器や部品等の裏面や隙間などの部分には効果がないという問題があった。更に、オゾンガスで殺菌・除菌する場合には、蛋白質等の有機物に対して効果が弱く、特有の臭いを生じると共に、オゾンによる発ガン性の心配があった。更に又、二酸化塩素ガスを発生させて殺菌・除菌する場合には、二酸化塩素の比重が空気よりやや重く、二酸化塩素ガスの拡散性が弱いため、薬剤の濃度を均一して室内の隅々に到達させることが容易でないと共に、微生物を死滅させる濃度に上げるまでに相当の時間がかかるという問題があった。
【0006】
本発明は、上述の実情に鑑み、薬剤を迅速に拡散させる薬剤拡散装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、薬剤を収容し且つ上方に開放口を形成した容器と、該容器を交換可能に配置するボックス本体と、前記容器の上方に対向配置される紫外線ランプと、前記ボックス本体に設置される排気ファンとを備え、
前記ボックス本体は、空気を外部と流通させる流通口を、排気ファンを備えた排気口のみにしたことを特徴とする薬剤拡散装置、にかかるものである。
【0008】
又、本発明は、薬剤を収容し且つ上方に開放口を形成した容器と、該容器を交換可能に配置するボックス本体と、該ボックス本体に設置される排気ファンとを備え、
前記ボックス本体は、空気を外部と流通させる流通口を、排気ファンを備えた排気口のみにしたことを特徴とする薬剤拡散装置、にかかるものである。
【0009】
本発明において、排気口を、容器の開放口よりも下方に配置することが好ましい。
【0010】
本発明において、ボックス本体の開閉ドアを密閉可能にすることが好ましい。
【0011】
本発明において、容器に入れる薬剤を、二酸化塩素溶液又は二酸化塩素を溶存させたゲル状固形物のいずれかにすることが好ましい。
【0012】
このように、本発明の薬剤拡散装置によれば、空気を外部と流通させる流通口を、排気ファンを備えた排気口のみにするので、吸気口及び排気口を備えて排気ファンにより薬剤を拡散させる場合に比べ、薬剤を好適に拡散させ、結果的に、薬剤の濃度を容易に上げることができる。
【0013】
又、排気口を、容器の開放口よりも下方に配置すると、排気口を容器の開放口より上方に配置した場合に比べて、薬剤を迅速に拡散させ、結果的に、薬剤の濃度を容易且つ好適に均一化すると共に、薬剤の濃度に上げるまでの時間を一層短縮することができる。
【0014】
ボックス本体の開閉ドアを密閉可能にすると、ボックス本体の真空度を高めるので、薬剤を一層好適に拡散させることができる。
【0015】
容器に入れる薬剤を、二酸化塩素溶液又は二酸化塩素を溶存させたゲル状固形物のいずれかにすると、クリーンフィルタの如く他の殺菌・除菌剤を併用することを不要にし、空気は勿論、機器や部品等の裏面や隙間などの部分であっても好適に殺菌・除菌することができる。又、二酸化塩素ガスによれば、汚染された作業台や食品を好適に殺菌・除菌すると共に、汚染により発生する臭いを抑制することができる。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように、本発明の薬剤拡散装置によれば、薬剤を好適に拡散させることができるという優れた効果を奏し得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図面に基いて説明する。
【0018】
図1〜図4は本発明を実施する形態の第一例を示すものである。
【0019】
本形態の第一例の薬剤拡散装置1は、内部空間を形成するボックス本体2を備え、ボックス本体2の内部下面には、所定高さを有する架台3を設置し、架台3の上面には、上方に開放口4を形成したプラスチックもしくは金属製の容器5を交換可能に配置している。ここで、容器5は、直径15〜30cmの径の開放口4を有する円柱形か、それに近い開放口4を有する直方体で形成されており、容器5の内部には、2×103ppmから3×104ppmの濃度、好ましくは5×103ppmから2×104ppmの濃度の二酸化塩素溶液又は二酸化塩素を溶存させたゲル状固形物のいずれかの薬剤を収容している。なお、薬剤の種類は二酸化塩素以外でも、例えば、安定化二酸化塩素とアルコール、脱臭剤、芳香剤等の混合物でもよい。
【0020】
ボックス本体2の内部天井には、容器5の開放口4の上方に所定の間隔を介して対向配置されるよう紫外線ランプ6を配置している。ここで紫外線ランプ6は、二酸化塩素ガスを安全な濃度で発生させるよう10W〜100Wのものを使用し、好ましくは15W〜30Wのものを使用している。
【0021】
ボックス本体2の側方正面の下部には、空気を外部と流通させる流通口を形成するよう、排気ファン7を備えた排気口8を備えている。ここで排気ファン7は、容器5の開放口4よりも下方に位置して風向きをボックス本体2の内部から外部へ向けるようにし、又、回転数を毎分1×103回転〜5×103回転にし、風量を毎分0.5m3〜10.0m3、好ましくは毎分1.0m3〜3.0m3にしている。なお、排気ファン7を備えた排気口8は、ボックス本体2の底面に配置してもよい。
【0022】
ボックス本体2の床面で架台3の下部には、紫外線ランプ6及び排気ファン7に接続される電気制御部9を配置しており、電気制御部9は、ボックス本体2の正面下部にスイッチ10を備えると共に内部にタイマー機構と安全機構とを備え、タイマー機構は、紫外線ランプ6の照射時間等や排気ファン7の駆動時間等を制御すると共に、安全機構は、雷等により過電流が流れた場合に安全に対応し得るようにしている。ここで、電気制御部9は、外部の電源(図示せず)に配線(図示せず)を介して接続されており、外部の電源に接続される配線は、ボックス本体2の裏面に形成された配線口(図示せず)を通すようになっている。なお、配線口は、耐薬品性のパッキン等で穴埋めすることが好ましい。
【0023】
又、ボックス本体2の正面上部もしくは側面上部には、ドアノブ11を備えて開閉し得る開閉ドア12を備えており、開閉ドア12は、周囲に耐薬品性ゴムパッキンやシリコン樹脂の密着材を配し、ボックス本体2に対して密閉可能にしている。
【0024】
以下、本発明を実施する形態の第一例の作用を説明する。
【0025】
第一例の薬剤拡散装置1を使用して殺菌する場合には、予め、ボックス本体2内の架台3に、薬剤を収容した容器5を配置し、食品加工室等の殺菌しようとする室内13の壁面上部に、排気口8が室内13側に向くよう薬剤拡散装置1を配置し、室内13の出入口14の扉15を閉じる。
【0026】
続いて、薬剤拡散装置1を無人の状態で駆動させるよう、作業終了後や清掃終了後にスイッチ10を入れ、電気制御部9のタイマを作動させると共に、紫外線ランプ6及び排気ファン7に電源を供給する。
【0027】
電源を紫外線ランプ6及び排気ファン7に供給すると、紫外線ランプ6は、ボックス本体2内で紫外線を容器5の薬剤に向けて照射することにより、薬剤をガス化して除菌ガス、脱臭ガス又は芳香ガスを発生させ、同時に排気ファン7は、回転駆動することにより、ボックス本体2内で発生した除菌ガス等を排気口8のみを介してボックス本体2から室内13へ拡散させる。
【0028】
これにより、タイマで設定した所定時間、除菌ガス等を室内13へ拡散させ、室内13を殺菌、除菌、脱臭又は芳香する。
【0029】
ここで、薬剤を二酸化塩素にした場合には、微生物の殺菌・除菌に必要な二酸化塩素ガスの濃度が0.1ppm以上で殺菌・除菌効果があると考えられるが、好ましくは1ppm以上であり、人が誤って殺菌・除菌中に室内13へ入っても安全な濃度として1ppm〜10ppmの範囲が好適である。
【0030】
具体的には、室内13の広さが6〜10坪の割合で薬剤拡散装置1を1台設置することにより、1時間で除菌ガスを室内13の隅々まで行き渡らせ、時間の経過に伴って除菌ガスの濃度が上がり、室内13の空気や機器において細菌、カビを2〜6時間で死滅させることができる。
【0031】
以下、流通口を排気口8のみにした本発明の薬剤拡散装置1(装置A)と、流通口を吸気口16と排気口8にした対比用の薬剤拡散装置17(装置B)とを具体的に比較して説明する。
【0032】
流通口を排気口8のみにした本発明の薬剤拡散装置1(装置A)は、図5に示す如く、8Wの紫外線ランプ6を2本配すると共に、120mm角の排気口8に風量1.4m3/minの排気ファン7を設置しており、一方、流通口を吸気口16と排気口8にした対比用の薬剤拡散装置17(装置B)は、図6に示す如く、本発明の薬剤拡散装置1(装置A)と同じ構成を備えると共に、更に両側面に所定の吸気口16を形成している。なお、図1〜図4と同一の符号を付した部分は同一物を表わしている。又、夫々の装置に使用する薬剤は、2Kgで濃度15000ppmの二酸化塩素ゲルであり、直方体容器5(内径W190×D105×H110mm)に入れている。更に、夫々の薬剤拡散装置1を配置する室内13は、広さ17.4m2(約10.7畳)、高さ2.5mで体積43.2m3であり、ドアの反対側で高さ約2000mmの位置に薬剤拡散装置1を配置している。更に又、室内13の密閉には、換気扇口とドアの換気口を発砲スチロールで塞ぎ、ドア下部の隙間に目張りをした。
【0033】
このような状態で、装置横上角、部屋中央、ドア横の三ヶ所でガス濃度を経時的に測定し、下記のような結果を得た。
【表1】
【0034】
上記の表1と図7のグラフにより、流通口を排気口8のみにした本発明の薬剤拡散装置1(装置A)と、流通口を吸気口16と排気口8にした対比用の薬剤拡散装置17(装置B)は、3時間を経過後、ほぼ一定の濃度になっており、本発明の薬剤拡散装置1(装置A)は、薬剤拡散装置17(装置B)に比べ、濃度が平均して0.3ppm高くなっている。なお、流通口を排気口8のみにした本発明の薬剤拡散装置1(装置A)が、流通口を吸気口16と排気口8にした対比用の薬剤拡散装置17(装置B)に比べて、二酸化塩素の濃度が高くなる理由は、本発明の薬剤拡散装置1(装置A)の気流の流れが穏やかであり、紫外線ランプ6による二酸化塩素ガスの反応時間が長くなると共に、ボックス本体2内を真空状態にして風の影響を最小限にしているためと考えられる。
【0035】
これにより、流通口を排気口8のみにした本発明の薬剤拡散装置1(装置A)は、流通口を吸気口16と排気口8にした対比用の薬剤拡散装置17(装置B)に比べ、濃度が平均して0.3ppm高く、薬剤を好適に拡散させることが明らかである。
【0036】
次に、薬剤拡散装置1の構成を変更すると共に、室内13の代わりにロッカー18で使用した場合において、流通口を排気口19のみにした本発明の薬剤拡散装置20(装置C)と、流通口を吸気口21と排気口19にした対比用の薬剤拡散装置22(装置D)とを具体的に比較して説明する。
【0037】
流通口を排気口19のみにした本発明の薬剤拡散装置20(装置C)は、図8に示す如く、4Wの紫外線ランプ23を配すると共に、ボックス本体24の下面に排気口19として回転数2600回転/min、風量0.7m3/minの排気ファン25を設置しており、一方、流通口を吸気口21と排気口19にした対比用の薬剤拡散装置22(装置D)は、本発明の薬剤拡散装置20(装置C)と同じ構成を備えると共に、更に一側面に所定の吸気口21を形成している。なお、図1〜図4と同一の符号を付した部分は同一物を表わしている。又、夫々の装置に使用する薬剤は、500gで濃度10000ppmの二酸化塩素であり、所定の容器26に入れている。更に、夫々の薬剤拡散装置1を配置するロッカー18は図10に示す如く一般的なものであり、ロッカー18の上段に薬剤拡散装置20,22を配置している。
【0038】
このような状態で、ロッカー18上、ロッカー18下の二ヶ所でガス濃度を経時的に測定し、下記のような結果を得た。なお、下記の表2と図11は2回試験を行ったもの及びその平均値を示している。
【表2】
【0039】
上記の表2と図11のグラフにより、流通口を排気口19のみにした本発明の薬剤拡散装置20(装置C)と、流通口を吸気口21と排気口19にした対比用の薬剤拡散装置22(装置D)は、120分を経過後、ほぼ一定の濃度になっており、本発明の薬剤拡散装置20(装置C)は、薬剤拡散装置22(装置D)に比べ、120分後、濃度が平均して2.4ppm高くなっている。なお、流通口を排気口19のみにした本発明の薬剤拡散装置20(装置C)が、流通口を吸気口21と排気口19にした対比用の薬剤拡散装置22(装置D)に比べて、二酸化塩素の濃度が高くなる理由は、先の例とほぼ同様に、本発明の薬剤拡散装置20(装置C)の気流の流れが穏やかになり、紫外線ランプ23による二酸化塩素ガスの反応時間が長くなると共に、ボックス本体2内を真空状態にして風の影響を最小限にしているためと考えられる。
【0040】
これにより、流通口を排気口19のみにした本発明の薬剤拡散装置20(装置C)は、流通口を吸気口21と排気口19にした対比用の薬剤拡散装置22(装置D)に比べ、濃度が平均して2.4ppm高く、薬剤を好適に拡散させることが明らかである。
【0041】
続いて、ボックス本体2の排気口8を容器5の開放口4よりも下方に配置した薬剤拡散装置27(装置E)と、ボックス本体2の排気口8を容器5の開放口4よりも上方に配置した対比用の薬剤拡散装置28(装置F)とを具体的に比較して説明する。
【0042】
ボックス本体2の排気口8を容器5の開放口4よりも下方に配置した薬剤拡散装置27(装置E)は、図12に示す如く、架台3の上に容器5を配置してボックス本体2の排気口8を容器5の開放口4よりも下方に配置し、先の薬剤拡散装置17(装置B)とほぼ同様に、8Wの紫外線ランプ6を2本配すると共に、120mm角の排気口8に風量1.4m3/minの排気ファン7を設置し、両側面に所定の吸気口16を形成している。一方、ボックス本体2の排気口8を容器5の開放口4よりも上方に配置した対比用の薬剤拡散装置28(装置F)は、図13に示す如く、薬剤拡散装置27(装置E)と同じ構成を備えると共に、架台3を取り除いて容器5を直接ボックス本体2の底面に配置し、ボックス本体2の排気口8を容器5の開放口4よりも上方に配置している。又、夫々の装置に使用する薬剤は、2Kgで濃度15000ppmの二酸化塩素ゲルであり、直方体容器5(内径W190×D105×H110mm)に入れている。更に、夫々の薬剤拡散装置1を配置する室内13は、広さ17.4m2(約10.7畳)、高さ2.5mで体積43.2m3であり、ドアの反対側で高さ約2000mmの位置に薬剤拡散装置1を配置している。更に又、室内13の密閉には、換気扇口とドアの換気口を発砲スチロールで塞ぎ、ドア下部の隙間に目張りをした。
【0043】
このような状態で、装置横上角、部屋中央、ドア横の三ヶ所でガス濃度を経時的に測定し、下記のような結果を得た。
【表3】
【0044】
上記の表3と図14のグラフにより、ボックス本体2の排気口8を容器5の開放口4よりも下方に配置した薬剤拡散装置27(装置E)は、3時間を経過後、ほぼ一定の濃度になっており、流通口を吸気口16と排気口8にした対比用の薬剤拡散装置28(装置F)は、4時間を経過後、ほぼ一定の濃度になり、薬剤拡散装置27(装置E)は、対比用の薬剤拡散装置28(装置F)に比べ、迅速に拡散している。又、薬剤拡散装置27(装置E)は、対比用の薬剤拡散装置28(装置F)に比べ、4時間後の濃度が平均して0.14ppm高くなっている。なお、薬剤拡散装置27(装置E)が、対比用の薬剤拡散装置28(装置F)に比べて、二酸化塩素を迅速に拡散させる理由は、排気ファン7の風が容器5の開放口4に直接当たることをなくして二酸化塩素ガスを効率的に発生させると共に、室内13の空間に対し、二酸化塩素ガスを均一に流しているためと考えられる。
【0045】
これにより、ボックス本体2の排気口8を容器5の開放口4よりも下方に配置した薬剤拡散装置27(装置E)は、ボックス本体2の排気口8を容器5の開放口4よりも上方に配置した対比用の薬剤拡散装置28(装置F)に比べ、二酸化塩素が迅速に拡散し、薬剤を好適に拡散させることが明らかである。
【0046】
このように、本形態の第一例の薬剤拡散装置1によれば、空気を外部と流通させる流通口を、排気ファン7を備えた排気口8のみにするので、吸気口16及び排気口8を備えて排気ファン7により薬剤を拡散させる場合に比べ、薬剤を好適に拡散させ、結果的に、薬剤の濃度を容易に上げることができる。ここで、排気ファン7の風量は毎分0.5m3〜10.0m3が好ましく、これよりも風量を大きくする場合には、薬剤の減少量が大きくなり、風量によっては薬剤の濃度が上がらない現象が生じる。又、風量を小さくする場合には、薬剤を好適に拡散させることができない。更に、排気ファン7の風量は毎分1.0m3〜3.0m3にした場合に最も好適に薬剤を拡散させることができる。
【0047】
又、排気口8を、容器5の開放口4よりも下方に配置すると、排気口8を容器5の開放口4より上方に配置した場合に比べて、薬剤を迅速に拡散させ、結果的に、薬剤の濃度を容易且つ好適に均一化すると共に、薬剤の濃度に上げるまでの時間を一層短縮することができる。
【0048】
ボックス本体2の開閉ドア12を密閉可能にすると、ボックス本体2の真空度を高めるので、薬剤を一層好適に拡散させることができる。
【0049】
容器5に入れる薬剤を、二酸化塩素溶液又は二酸化塩素を溶存させたゲル状固形物のいずれかにすると、クリーンフィルタの如く他の殺菌・除菌剤を併用することを不要にし、空気は勿論、機器や部品等の裏面や隙間などの部分であっても好適に殺菌・除菌することができる。又、二酸化塩素ガスによれば、汚染された作業台や食品を好適に殺菌・除菌すると共に、汚染により発生する臭いを抑制することができる。
【0050】
図15〜図17は本発明を実施する形態の第二例を示すもので、第一例の薬剤拡散装置1から紫外線ランプ6を無くしたものであり、第一例と同一の符号を付した部分は同一物を表わしている。
【0051】
本形態の第二例の薬剤拡散装置29は、内部空間を形成するボックス本体2を備え、ボックス本体2の内部下面には、所定高さを有する架台3を設置し、架台3の上面には、上方に開放口4を形成したプラスチックもしくは金属製の容器5を交換可能に配置している。ここで、容器5は、直径15〜30cmの径の開放口4を有する円柱形か、それに近い開放口4を有する直方体で形成されており、容器5の内部には、所定濃度で揮発性の殺菌剤、脱臭剤又は芳香剤(薬剤)を収容している。
【0052】
ボックス本体2の側方正面の下部には、空気を外部と流通させる流通口を形成するよう、排気ファン7を備えた排気口8を備えている。ここで排気ファン7は、容器5の開放口4よりも下方に位置して風向きをボックス本体2の内部から外部へ向けるようにし、又、回転数を毎分1×103回転〜5×103回転にし、風量を毎分0.5m3〜10.0m3、好ましくは毎分1.0m3〜3.0m3にしている。なお、排気ファン7を備えた排気口8は、ボックス本体2の底面に配置してもよい。
【0053】
ボックス本体2の床面で架台3の下部には、排気ファン7に接続される電気制御部9を配置しており、電気制御部9は、ボックス本体2の正面下部にスイッチ10を備えると共に内部にタイマー機構と安全機構とを備え、タイマー機構は、排気ファン7の駆動時間等を制御すると共に、安全機構は、雷等により過電流が流れた場合に安全に対応し得るようにしている。ここで、電気制御部9は、外部の電源(図示せず)に配線(図示せず)を介して接続されており、外部の電源に接続される配線は、ボックス本体2の裏面に形成された配線口(図示せず)を通すようになっている。なお、配線口は、耐薬品性のパッキン等で穴埋めすることが好ましい。
【0054】
又、ボックス本体2の正面上部もしくは側面上部には、ドアノブ11を備えて開閉し得る開閉ドア12を備えており、開閉ドア12は、周囲に耐薬品性ゴムパッキンやシリコン樹脂の密着材を配し、ボックス本体2に対して密閉可能にしている。
【0055】
以下、本発明を実施する形態の第二例の作用を説明する。
【0056】
第二例の薬剤拡散装置29を使用して揮発性の殺菌剤、脱臭剤又は芳香剤等の薬剤を拡散させる場合には、予め、ボックス本体2内の架台3に、薬剤を収容した容器5を配置し、薬剤を拡散させる室内13の壁面上部に、排気口8を室内13側に向けて薬剤拡散装置29を配置し、室内13の出入口14の扉15を閉じる。
【0057】
続いて、スイッチ10を入れ、電気制御部9のタイマを作動させると共に、排気ファン7に電源を供給する。
【0058】
電源を排気ファン7に供給すると、排気ファン7は、回転駆動することにより、ボックス本体2内で発生した殺菌剤、脱臭剤又は芳香剤等の薬剤を排気口8のみを介してボックス本体2から室内13へ拡散させる。
【0059】
これにより、タイマで設定した所定時間、殺菌剤、脱臭剤又は芳香剤等の薬剤を室内13へ拡散させる。
【0060】
従って、本形態の第二例の薬剤拡散装置29によれば、空気を外部と流通させる流通口を、排気ファン7を備えた排気口8のみにするので、吸気口16及び排気口8を備えて排気ファン7により薬剤を拡散させる場合に比べ、薬剤を好適に拡散させ、結果的に、薬剤の濃度を容易に上げることができる。
【0061】
又、排気口8を、容器5の開放口4よりも下方に配置すると、排気口8を容器5の開放口4より上方に配置した場合に比べて、薬剤を迅速に拡散させ、結果的に、薬剤の濃度を容易且つ好適に均一化すると共に、薬剤の濃度に上げるまでの時間を一層短縮することができる。
【0062】
ボックス本体2の開閉ドア12を密閉可能にすると、ボックス本体2の真空度を高めるので、薬剤を一層好適に拡散させることができる。
【0063】
なお、本発明は、上述の実施の形態にのみ限定されるものではなく、薬剤拡散装置を、カビ類の多さや室内の広さにより複数台設置して同時に使用しても良いこと、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の実施の形態の第一例を示す概略斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態の第一例を示す概略正面図である
【図3】図2のIII−III方向の矢視図である。
【図4】本発明の薬剤拡散装置を室内に備える位置を示す概略図である。
【図5】流通口を排気口のみにした本発明の薬剤拡散装置(装置A)を示す概略斜視図である。
【図6】流通口を吸気口と排気口にした対比用の薬剤拡散装置(装置B)を示す概略斜視図である。
【図7】図5の本発明の薬剤拡散装置(装置A)によるガス濃度と、図6の対比用の薬剤拡散装置(装置B)によるガス濃度とを対比した平均値のグラフである。
【図8】流通口を排気口のみにした本発明の他の薬剤拡散装置(装置C)を示す概略斜視図である。
【図9】流通口を吸気口と排気口にした対比用の薬剤拡散装置(装置D)を示す概略斜視図である。
【図10】薬剤拡散装置をロッカーに配置した状態を示す概念図である。
【図11】図8の本発明の他の薬剤拡散装置(装置C)によるガス濃度と、図9の対比用の薬剤拡散装置(装置D)によるガス濃度とを対比した平均値のグラフである。
【図12】排気口を容器の開放口よりも下方に配置した薬剤拡散装置(装置E)を示す概略斜視図である。
【図13】排気口を容器の開放口よりも上方に配置した対比用の薬剤拡散装置(装置F)を示す概略斜視図である。
【図14】図12の薬剤拡散装置(装置E)によるガス濃度と、図13の対比用の薬剤拡散装置(装置F)によるガス濃度とを対比したグラフである。
【図15】本発明の実施の形態の第二例を示す概略斜視図である。
【図16】本発明の実施の形態の第二例を示す概略正面図である
【図17】図16のXVII−XVII方向の矢視図である。
【符号の説明】
【0065】
2 ボックス本体
3 架台
4 開放口
5 容器
6 紫外線ランプ
7 排気ファン
8 排気口
12 開閉ドア
19 排気口
23 紫外線ランプ
24 ボックス本体
25 排気ファン
26 容器
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤を収容し且つ上方に開放口を形成した容器と、該容器を交換可能に配置するボックス本体と、前記容器の上方に対向配置される紫外線ランプと、前記ボックス本体に設置される排気ファンとを備え、
前記ボックス本体は、空気を外部と流通させる流通口を、排気ファンを備えた排気口のみにしたことを特徴とする薬剤拡散装置。
【請求項2】
薬剤を収容し且つ上方に開放口を形成した容器と、該容器を交換可能に配置するボックス本体と、該ボックス本体に設置される排気ファンとを備え、
前記ボックス本体は、空気を外部と流通させる流通口を、排気ファンを備えた排気口のみにしたことを特徴とする薬剤拡散装置。
【請求項3】
排気口を、容器の開放口よりも下方に配置した請求項1又は2記載の薬剤拡散装置。
【請求項4】
ボックス本体の開閉ドアを密閉可能にした請求項1〜3のいずれかに記載の薬剤拡散装置。
【請求項5】
容器に入れる薬剤を、二酸化塩素溶液又は二酸化塩素を溶存させたゲル状固形物のいずれかにした請求項1〜4のいずれかに記載の薬剤拡散装置。
【請求項1】
薬剤を収容し且つ上方に開放口を形成した容器と、該容器を交換可能に配置するボックス本体と、前記容器の上方に対向配置される紫外線ランプと、前記ボックス本体に設置される排気ファンとを備え、
前記ボックス本体は、空気を外部と流通させる流通口を、排気ファンを備えた排気口のみにしたことを特徴とする薬剤拡散装置。
【請求項2】
薬剤を収容し且つ上方に開放口を形成した容器と、該容器を交換可能に配置するボックス本体と、該ボックス本体に設置される排気ファンとを備え、
前記ボックス本体は、空気を外部と流通させる流通口を、排気ファンを備えた排気口のみにしたことを特徴とする薬剤拡散装置。
【請求項3】
排気口を、容器の開放口よりも下方に配置した請求項1又は2記載の薬剤拡散装置。
【請求項4】
ボックス本体の開閉ドアを密閉可能にした請求項1〜3のいずれかに記載の薬剤拡散装置。
【請求項5】
容器に入れる薬剤を、二酸化塩素溶液又は二酸化塩素を溶存させたゲル状固形物のいずれかにした請求項1〜4のいずれかに記載の薬剤拡散装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2006−191960(P2006−191960A)
【公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−3913(P2005−3913)
【出願日】平成17年1月11日(2005.1.11)
【出願人】(502251120)株式会社ノックスラボラトリーズ (3)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年1月11日(2005.1.11)
【出願人】(502251120)株式会社ノックスラボラトリーズ (3)
【Fターム(参考)】
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