薬剤送達デバイスのためのニードル繰出し/保管装置
【課題】複数の新品のペンニードルを収容することが可能な、フリップ開口マルチパックアセンブリを提供する。
【解決手段】開口はそれぞれ、新品のペンニードル11が中に収容される開口の非患者側端部を覆うカバーなどにより形成される無菌バリアを有する。使用済みのペンニードルは、シェルハウジング100を回転自在に開口することによりアクセス可能な開口内に戻し保管することが可能である。ハウジングシェルの対向し合う第1の収容端部102および第2の収容端部104の中の開口の1つまたは複数が、デバイス内に摺動自在な内側ホルダを備えることが可能であり、これらの開口は、新品のペンニードルの内方シールドを解除自在に固定し、挿入および保管されることとなる使用済みのペンニードルのための、ヒンジ式ハウジングが開かれる場合に対向端部からアクセス可能な内方スペースを生じさせるように構成される。
【解決手段】開口はそれぞれ、新品のペンニードル11が中に収容される開口の非患者側端部を覆うカバーなどにより形成される無菌バリアを有する。使用済みのペンニードルは、シェルハウジング100を回転自在に開口することによりアクセス可能な開口内に戻し保管することが可能である。ハウジングシェルの対向し合う第1の収容端部102および第2の収容端部104の中の開口の1つまたは複数が、デバイス内に摺動自在な内側ホルダを備えることが可能であり、これらの開口は、新品のペンニードルの内方シールドを解除自在に固定し、挿入および保管されることとなる使用済みのペンニードルのための、ヒンジ式ハウジングが開かれる場合に対向端部からアクセス可能な内方スペースを生じさせるように構成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、注射装置のペンニードルのための保管アセンブリに関する。より詳細には、本発明は、注射装置の新品および使用済みの両方のペンニードルを保管するための保管アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
いくつかの状況においては、ヒトの組織内に直接的に薬剤を注入することが望ましい。典型的には、筋肉内組織層、皮下組織層、および皮内組織層などの組織領域内に薬剤を注入するために、シリンジまたはペン型注射デバイスが使用される。かかるペン型注射デバイスの組立ておよび作動は、特許文献1に記載されている。該明細書の全内容が、ここに参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
図1に図示されるような例示的な薬物送達ペン10などのペン型注射デバイスは、薬剤補給物を搬送するための便利な方法をユーザにもたらす。少なくとも1度の使用ために必要なあらゆる特徴および構成要素が、アセンブリの状態で提供され、殆どの場合には複数回の使用に応じるようになされている。そうするために、ペン10は、典型的には、用量ノブ/ボタン24、外方スリーブ13、およびキャップ21を備える。キャップ21は、ペン10の近位端部およびペン10に装着される注射針を覆い、ユーザがシャツのポケット、財布、または他の適切な位置に薬物送達ペン10を固定的に保持するために使用される。用量ノブ/ボタン24により、ユーザは、注射すべき薬剤の用量を設定することが可能となる。外方スリーブ13は、駆動機構および補給物を収容し、薬剤を注射する際にユーザが把持するための把持表面をさらに形成する。
【0004】
図2Aは、図1に図示される例示的な薬物送達ペン10、およびその中に収容される典型的な構成要素の分解図である。遠位端部には、用量ノブ/ボタン24が設けられ、これは2つの目的を有する。用量ノブ/ボタン24は、注射すべき薬剤の用量を設定するため、および下方ハウジング17を貫通して薬物送達ペンに装着される薬剤カートリッジ12から親ねじ7およびストッパ15により、用量設定された薬剤を注射するための両方の目的で使用される。標準的な薬物送達ペンにおいては、用量設定機構および送達機構は、全て外方スリーブ13内にあり、先行技術を知る者には理解されるので本明細書においては詳細には説明しない。薬剤カートリッジ12内におけるプランジャまたはストッパ15の遠位移動により、薬剤は、ハブ20の針11内に押し込まれる。薬剤カートリッジ12は、隔膜16によりシールされ、この隔膜16は、ハブ20内に位置する隔膜穿刺針カニューレ18により穿刺される。ハブ20は、好ましくは、下方ハウジング17に対して螺合するが、他の装着手段を使用することも可能である。
【0005】
図2Bおよび図2Cは、図2Aのペンニードルのより詳細な斜視図である。図2Bに図示されるように、ペンニードルは、その非患者側端部に配設されるハブ20を備え、このハブ20は、以下においてさらに詳細に説明されることとなる回転防止/保持構造部と係合するための複数のリブ64を備える。さらに、突出部68が、ハブ20の患者側端部から延在し、患者針11が、この突出部68から延在する。ハブ20の非患者側端部内に配設される隔膜穿刺針カニューレ18は、患者針11と流体連通する。さらに、図2Cに図示されるように、ハブ20の非患者側端部の内側が、ペンインジェクタと連結するためのねじ山72を備える。図2A〜図2Cは、ペンニードルの一例を示す。
【0006】
ユーザ、または薬物送達ペン10を取り扱う任意の者を保護するために、ハブ20に装着される外方カバー69は、非使用時にはハブを覆う。内方シールド59が、外方カバー69内の患者針11を覆う。内方シールド59は、締まり嵌めまたはスナップ嵌めなどの任意の適切な手段により患者針11を覆うように、ハブ20に固定され得る。キャップ21は、ユーザが薬物送達ペン10を安全に搬送することが可能となるように、外方スリーブ13に対してぴったりと嵌る。使用時には、キャップ21、外方カバー69、および内方シールド59は、ハブ20を露出させるために取り外される。
【0007】
薬物カートリッジ12は、典型的には、一方の端部にて隔膜16によりシールされ、他方の端部にてストッパ15によりシールされるチューブである。隔膜16は、ハブ20内の隔膜穿刺カニューレ18による穿刺が可能であるが、薬物カートリッジ12に対して移動しない。ストッパ15は、液密シールを維持しつつ所望の薬剤量を送達するように、薬剤カートリッジ12内において軸方向に変位自在である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第7,645,264号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ハブ20、針11、外方カバー69、および内方シールド59を備えるペンニードルは、典型的には1度の注射のために使用され、その後処分される。典型的には、新品のペンニードルは、個別にパッケージングされ、箱またはカートンなどの容器内にバラで配置される。各ペンニードルは、外方カバーにより形成されたパッケージ内にシールされ、ラベルが、ペンニードルを特定し無菌バリアを設けるために、外方カバー中の開口を覆う。しかし、かかるパッケージングされた新品のペンニードルの容器は、新品のペンニードルを容易に繰り出すための、または使用済みのペンニードルを収容するための手段を備えていない。したがって、新品のペンニードルを容易に繰り出し、新品および使用済みの両方のペンニードルを保管する、保管アセンブリの必要性が存在する。
【0010】
さらに、既存のペンニードル容器は、多数のパッケージングされた新品のペンニードルを保管するように構成される。多数のパッケージングされた新品のペンニードルにより、これらの容器は、大きくかさばるものとなり、ユーザによる搬送に寄与しない。したがって、ユーザによる搬送に好都合な保管アセンブリの必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の例示的な実施形態の態様によれば、上述のおよび他の問題は、1つまたは複数の新品のペンニードルを収容しおよび送り出し、使用後に使用済みのペンニードルを受け入れ、次いで安全かつ固定的に保管するためのマルチパックアセンブリを提供することにより、実質的に解消される。
【0012】
本発明の一態様によれば、複数の新品および使用済みのペンニードルの両方を中に収容することが可能なハウジングシェルが提供される。かかるシェルの例示的な一実施形態は、正四方形形状、矩形形状、円形形状、円筒形状、または楕円形状であることが可能であるが、それらに限定されない。
【0013】
本発明の別の態様によれば、ハウジングシェルは、ヒンジまたは他の可撓性部材により装着される、対向し合う第1の収容端部および第2の収容端部を備えることが可能であり、このヒンジまたは他の可撓性部材により、一方の収容端部は、対向側の収容端部に対して回転することが可能となり、それによりハウジングシェルの内部が、ヒンジを開くことによりアクセス可能となり、ヒンジを閉じることにより保護することが可能となる。
【0014】
本発明の別の態様によれば、対向し合う第1の収容端部および第2の収容端部の一方または両方が、1つまたは複数の開口を備えることが可能であり、これらの開口は、ヒンジを開くことによりまたはヒンジを開くことなくユーザによるアクセスが可能となる新品のペンニードルおよび使用済みのペンニードルを収容および保管するように構成される。
【0015】
本発明の別の態様によれば、対向し合う第1の収容端部および第2の収容端部の開口がそれぞれ、開口およびハウジングシェル内に収容される新品のペンニードルの非患者側端部を覆い、ハウジングシェルに連結される、カバーを設けることにより形成されるものなどの、無菌バリアを備えるべきである。
【0016】
本発明の別の態様によれば、対向し合う第1の収容端部および第2の収容端部の開口がそれぞれ、各ペンニードルの患者側端部上の蛇行経路または内方シールドを備えることが可能であり、本発明の例示的な一実施形態においては、各ペンニードルの患者側端部上のシールドは、各開口内に新品のペンニードルを解除自在に固定するためにも使用される。ニードルの取出しは、ユーザによる使用前のシールドの取外しが必要となる、ハウジングシェルからのニードルおよびシールドを共に取り外すことによって、または、ハウジングシェル内にシールドを残しつつシールドからニードルを取り外すことによって、達成される。
【0017】
本発明の別の態様によれば、対向し合う第1の収容端部および第2の収容端部の開口がそれぞれ、各端部の全長にわたって貫通することが可能であり、それにより、開口の一方の端部は、新品のペンニードルにアクセスすることが可能であり、開口の対向側の端部は、使用済みのペンニードルを保管するために使用することが可能である。
【0018】
本発明の別の態様によれば、対向し合う第1の収容端部および第2の収容端部の開口がそれぞれ、各端部の全長にわたって貫通することが可能であり、ハウジングシェルは、ヒンジを備えることが可能であり、このヒンジは、開かれると、ハウジングシェルの第1の収容端部および第2の収容端部を回転させ、使用済みのペンニードルを受け入れ、収容するために、対向し合う第1の収容端部および第2の収容端部の開口への内側アクセスを可能にする。
【0019】
本発明の別の態様によれば、ハウジングシェルの対向し合う第1の収容端部および第2の収容端部のそれぞれの中の開口の1つまたは複数が、ある態様にてペンニードルを保持し、それにより取出しの際の新品のペンニードルの回転を防ぎ、挿入の際の使用済みのペンニードルの回転を防いで、ペンおよびハウジングシェルに対するペンニードルの着脱を可能にするための、1つまたは複数の突出部を備えることが可能である。
【0020】
本発明の別の態様によれば、ハウジングシェルの対向し合う第1の収容端部および第2の収容端部のそれぞれの中の開口の1つまたは複数が、摺動自在な内側ホルダを備えることが可能であり、このホルダは、新品のペンニードルの内方シールドを解除自在に固定し、次いで、新品のペンニードルが取り出される際に開口内をある距離だけ前方に引かれ、前方位置にてロックし、それにより、挿入および保管されることとなる使用済みのペンニードルのために、開口内に、新品のペンニードルの取出し側の対向側の、対向側のヒンジ側からアクセス可能なスペースを生じさせるように構成される。
【0021】
本発明の別の態様によれば、1つまたは複数の新品のペンニードルを収容し、次いで送り出し、使用済みのペンニードルを受け入れ、次いで安全かつ固定的に保管するための、マルチパックアセンブリを提供することが可能であり、例示的な使用の際には、ユーザは、初めに、ハウジングシェルの外方表面を把持し、カバーを除去して、アセンブリの第1の収容端部および第2の収容端部の一方の覆われた開口内に固定された新品のペンニードルにアクセスする。次いで、ユーザは、螺合動作などを利用することにより、薬物送達ペンに、アクセス可能な新品のペンニードルを装着することが可能である。これは、新品のペンニードルは、開口内に解除自在に固定され、回転が防がれることにより可能となる。次いで、ユーザは、新品のペンニードルを取り出すために、アセンブリから新品のペンニードルを引くことが可能であり、かかる取出し動作は、マルチパックアセンブリ内の摺動自在な内側ホルダ構成要素を前方に引くのを助け、それにより、後に挿入および保管されることとなる使用済みのペンニードルのためのスペースを対向端部に生じさせる。次いで、ユーザは、新品のペンニードルをシールドしているシールドを単に除去して、注射を行なうことが可能となる。シールドが、取出しの際にハウジングシェル内に残される場合には、ユーザは、注射を単に実施することが可能となる。
【0022】
本発明の別の態様によれば、1つまたは複数の新品のペンニードルを収容し、次いで送り出し、使用済みのペンニードルを受け入れ、次いで安全かつ固定的に保管するための、マルチパックアセンブリを提供することが可能であり、注射の完了時に、ユーザは、対向し合う第1の収容端部と第2の収容端部との間のヒンジポイントにてマルチパックアセンブリを開いて、使用済みのペンニードルを受け入れ、保管するために生じた開口への内側アクセスを可能にすることが可能であり、この空いたスペース内に使用済みのペンニードルを配置し、回転防止機構に係合させ、使用済みのペンニードルからペン注射デバイスを螺合解除し、マルチパックアセンブリの開口内に使用済みのペンニードルを残すことが可能である。使用済みのペンニードルが、デバイスから螺合解除された後には、ユーザは、保管のためにマルチパックアセンブリのシェルを単に閉めることが可能となる。
【0023】
本発明の別の態様によれば、1つまたは複数の新品のペンニードルを収容し、次いで送り出し、使用済みのペンニードルを受け入れ、次いで安全かつ固定的に保管するための、マルチパックアセンブリは、チューブ形状構造体内に個別に収容される複数のペンニードルを備えるデバイスによって実現することが可能である。各新品のペンニードルのための無菌バリアが、設けられるべきであり、これは、各ペンニードルの非患者側端部を覆うカバーによって形成される。各ペンニードルは、チューブ構造体の分離された個別のアクセス可能なセクションまたはユニット内に収容され、チューブ構造体の隣接し合うユニットは、ヒンジ連結される。
【0024】
添付の図面との組合せにおいて本発明の例示的な実施形態を開示する以下の詳細な説明から、本発明のこれらのおよび他の目的、利点、および顕著な特徴が明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の例示的な実施形態と共に使用するための組み立てられた薬物送達ペンの斜視図である。
【図2A】図1の薬物送達ペンの構成要素の分解斜視図である。
【図2B】図1の薬物送達ペンと共に使用するためのペンニードルの斜視図である。
【図2C】図1の薬物送達ペンと共に使用するためのペンニードルの斜視図である。
【図3】本発明の例示的な一実施形態によるフリップ開口マルチパックアセンブリの斜視図である。
【図4】本発明の例示的な一実施形態による、ヒンジで開口する図3のマルチパクアセンブリの斜視図である。
【図5】本発明の例示的な一実施形態による、対向し合う第1および第2の収容端部の少なくとも一方に位置する個々のニードルアセンブリを示す、図3のデバイスの断面図である。
【図6】本発明の例示的な一実施形態による、マルチパックアセンブリからの1つの新品のペンニードルアセンブリの取出しの動作軌道を示す、図3のデバイスの拡大断面図である。
【図7】本発明の例示的な一実施形態による、1つの新品のペンニードルが取り出された状態の、図3のデバイスの拡大断面図である。
【図8】本発明の例示的な一実施形態による、マルチパックアセンブリ内への使用済みペンニードルの戻しおよび保管を示す、図4のデバイスの拡大断面図である。
【図9】本発明の別の例示的な実施形態による、ユーザによる分離が可能なパックを有するマルチパックアセンブリの斜視図である。
【図10】本発明の別の例示的な実施形態によるフリップ開口マルチパックアセンブリの斜視図である。
【図11】本発明の例示的な一実施形態による、図10のデバイスの拡大断面図である。
【図12】本発明の例示的な一実施形態による、1つの新品のペンニードルを取り出すために準備されつつある、図10のデバイスの斜視図である。
【図13】本発明の例示的な一実施形態による、別の新品のペンニードルを取り出すために準備されつつある、図10のデバイスの斜視図である。
【図14】本発明の例示的な一実施形態による、1つの新品のペンニードルが取り出された状態の、図10のデバイスの斜視図である。
【図15】本発明の例示的な一実施形態による、図10のデバイスの第1の保管ユニットの送出し端部の拡大斜視図である。
【図16】本発明の例示的な一実施形態による、図15の第1の保管ユニットの送出し端部の端面図である。
【図17】本発明の例示的な一実施形態による、無菌カバーの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の例示的な実施形態の以下の詳細な説明、および添付の図面から、本発明の種々の実施形態の上述の利点および他の利点がさらに明らかになろう。
【0027】
これらの図面全体にわたり、同様の参照番号は、同様のパーツ、構成要素、および構造部を指すように理解されたい。
【0028】
上記のように、新品のペンニードルは、典型的には個別にパッケージングされ、箱またはカートンなどの容器内にバラで配置される。各ペンニードルは、外方カバーにより形成されたパッケージ内にシールされ、ラベルが、ペンニードルを特定し無菌バリアを設けるために、外方カバー中の開口を覆う。しかし、かかるパッケージングされた新品のペンニードルの容器は、新品のペンニードルを容易に繰り出すための、または使用済みのペンニードルを収容するための手段を備えていない。さらに、既存のペンニードル容器は、多数のパッケージングされた新品のペンニードルを保管するように構成される。多数のパッケージングされた新品のペンニードルにより、これらの容器は、大きくかさばるものとなり、ユーザによる搬送に寄与しない。
【0029】
現行のペンニードルは、ラベルがニードルを特定し無菌バリアを設けるためにカバーに接着されており、プラスチックカバーの内部にパッケージングされた状態で個別に販売される。しかし、使用するための新品のペンニードルを保管および供給する複数ニードルパッケージ構成を備えるさらに便利なシステムおよび方法が望ましく、このシステムおよび方法は、使用後の使用済みペンニードル受け入れ、収容することを可能にするものを含む。本発明の例示的な実施形態は、アセンブリのユーザアクセス可能開口内に複数の新品のペンニードルを備えるマルチパックアセンブリを提供することにより、これらのおよび他の必要性に対応する。このアセンブリにおいては、カバーまたは他のエンクロージャが、アセンブリのユーザアクセス可能開口の内部に各新品のペンニードルを密閉するように設けられるか、または位置決めされる。1つまたは複数の例示的な実施形態においては、新品のペンニードルの取出し後に使用済みのペンニードルを受け入れ、保管するために、これらのアクセス可能開口の対向端部へのヒンジ動作によるアクセスが可能である。1つまたは複数の他の例示的な実施形態においては、次の新品のペンニードルにアクセスするために、これらのアクセス可能開口の対向端部へのヒンジ動作によるアクセスが可能である。
【0030】
図3〜図8に図示される本発明の例示的な一実施形態においては、一方の端部からアクセス可能なスペースから1つまたは複数の新品のペンニードルを保管し、次いで送り出し、対向端部からアクセス可能な実質的に同一のスペースが新品のペンニードルの取出しにより空になると、このスペース内に使用済みのペンニードルを受け入れ、収容するための、マルチパックアセンブリが提供される。これらの実施形態は、矩形形状のヒンジ式シェルハウジングの提供などにより複数の新品のペンニードルを収容することが可能なフリップ開口マルチパックアセンブリを含む。この場合、新品のペニードルは、複数の覆われたユーザアクセス可能開口内に保管することが可能であり、これらのユーザアクセス可能開口はそれぞれ、例えばユーザアクセス可能開口と、その中に収容された新品のペンニードルの非患者側端部とを覆うカバーなどによって形成される無菌バリアを有する。これらの新品のペンニードルは、各新品のペンニードルの患者側端部上の蛇行経路シールドによりシェルの各開口の内方部分に解除自在に固定される。これらのニードルの取出しは、ユーザによる使用前のシールドの取外しが必要となる、ハウジングシェルからのニードルおよびシールドを共に取り外すことによって、または、ハウジングシェル内にシールドを残しつつシールドからニードルを取り外すことによって、達成される。シールドがニードル上に残される場合には、シールドは、蛇行経路により患者側端部に対して無菌性をもたらすが、シールドがハウジングシェル内に残される場合には、ユーザは、ニードルの取り付け後にシールドを取り外す必要がなくなる。
【0031】
本発明の実施形態の例示的なヒンジ式シェルハウジングは、ヒンジまたは他の可撓性部材により連結された、最大で第1および第2までの収容端部を有する実質的に密閉されたハウジングを備え、これらの収容端部は、互いに対して回転するように構成される。かかるヒンジは、開かれると、使用済みのペンニードルを受け保管するために、ハウジングの第1の収容端部および第2の収容端部の一方または両方の中の開口への内側アクセスを可能にする。第1の収容端部および第2の収容端部のそれぞれの中の開口の1つまたは複数が、中に収容される新品のペンニードル、または中に挿入される使用済みのペンニードルの回転を防止することにより、ペンおよびハウジングシェルからのペンニードルの装着および取外しを可能にするための、1つまたは複数の突出部を備えることが可能である。さらに、ハウジングシェルの第1の収容端部および第2の収容端部のそれぞれの中の開口の1つまたは複数が、新品のペンニードルのシールドを解除自在に固定し、次いで新品のペンニードルが取出される際に前方に引かれ、前方位置にてロックし、それにより、挿入および保管されることとなる使用済みペンニードルのための、対向側のヒンジ端部からアクセス可能なスペースを生み出すように構成された、摺動可能内側ホルダを備えることが可能である。
【0032】
例示的な実施形態のペンニードルは、既存のプロセスを使用して製造することが可能であり、その後、本発明の例示的な実施形態のハウジング内に組み付けられることにより、製造プロセスを簡易化する。本発明の例示的な実施形態の全体サイズは、以前に新品のニードルを保管するために使用された実質的に同一のスペース内に使用済みのペンニードルを保管するのを可能にすることにより、最小限に抑えられる。さらに、本発明の例示的な実施形態は、ユーザのポケット内などにおいて、搬送の際のユーザの快適性を高めるような、サイズおよび形状ならびに輪郭縁部を有するように作製することが可能である。
【0033】
1つの例示的なヒンジ式シェルハウジング100が、図3に図示される。本発明の第1の例示的な実施形態においては、ハウジング100は、ポイント106にて回転自在に接合される、第1の収容端部102および第2の収容端部104をそれぞれ備える。図示される例示的な実施形態においては、第1の収容端部102および第2の収容端部104は、バレルヒンジ、リビングヒンジ、または他の適切なヒンジ機構を含むがそれらに限定されないヒンジなどの可撓性部材を使用することにより、ポイント106にて回転自在に接合される。本発明のさらに他の実施形態においては、第1の収容端部102および第2の収容端部104は、戻り止め/凹部配列(detent and recess arrangement)(図示せず)を使用することによりポイント106にて共にスナップ嵌めすることが可能である。本発明のさらに他の実施形態は、ハウジング100の第1の収容端部102と第2の収容端部104との間に任意の個数の他の連結手段を使用することが可能である。さらに、本発明の例示的な実施形態は、単一の収容端部102または104のいずれかと、省かれた収容端部の代わりに単なるヒンジカバー(図示せず)とを備えることが可能である。
【0034】
ハウジング100の第1の収容端部102および第2の収容端部104の一方または両方が、覆われた開口108〜118を介して、中に収容された新品のペンニードルへのアクセスを与えることが可能である。第1の収容端部102および第2の収容端部104の開口108〜118はそれぞれ、開口の一方の端部を使用して、開口内に収容された新品のペンニードルにアクセスすることが可能となり、開口の対向端部を使用して、使用済みのペンニードルを保管することが可能となるように、各端部の全長にわたり貫通している。シェルハウジング100は、ヒンジを備えることが可能であり、このヒンジは、開かれると、ハウジングの第1の収容端部102および第2の収容端部104を回転させ、使用済みのペンニードルを受け入れ、保管するために、第1の収容端部および第2の収容端部の開口への内側アクセスを可能にする。
【0035】
開口108〜118内の各新品のペンニードルに対する無菌バリアが、開口108〜118およびそれらの中に収容される新品のペンニードルを覆うために配設されるカバー120〜130により設けられるべきである。無菌バリアは、紙、金属フォイル、プラスチック、または同様の材料から作製することが可能であり、接着剤、熱融着、超音波溶接、または他の適切な手段により開口を覆うために装着され得るものであり、各カバー120〜130は、ユーザがタブおよびカバー120〜130を容易に把持および除去することが可能になるように、タブ要素132〜142を備えることが可能である。本発明の例示的な一実施形態においては、タブ要素132〜142は、ユーザがタブおよびカバー120〜130を容易に把持および引き上げることが可能となるように、異なる接着度合いを有することが可能である。カバー120〜130は、中に収容されるペンニードルの色、マーク、または他の印をさらに備えることが可能である。
【0036】
図4は、シェルハウジング100の第1の収容端部102および第2の収容端部104の対面し合う表面と、開口への内側アクセスとを示すために開かれた、例示的なシェルハウジング100を示す。図4に図示される状況においては、使用済みのペンニードルを配置するためのスペースが、まだ開口内に生じていない。すなわち、図4に図示される状況は、各開口が新品のペンニードルを収容している1つの例示的なシェルハウジング100を示す。少なくとも1つの新品のペンニードルを取り出すことにより、使用済みのペンニードルを挿入するための、内側からアクセス可能な開口スペースが生じる。
【0037】
図示される例示的な実施形態においては、ヒンジ150は、第1の収容端部102と第2の収容端部104との間のポイント106に設けられる。ヒンジ150は、バレルヒンジ、リビングヒンジ、または他の回転自在機構などの、任意の個数の回転自在要素を備えることが可能である。さらに、ヒンジ自体が、シェルハウジングを閉鎖された状態に保持するのに十分に付勢されない場合には、ハウジング100の第1の端部102とハウジング100の第2の端部104との間の閉鎖を固定するために、1つまたは複数の固定タブ101および103を、第1の収容端部102および第2の収容端部104の少なくとも一方の上に設けることが可能である。図示される1つの例示的な実施形態においては、固定タブ101および103は、傾斜戻り止めを端部に有するたわみ可能部材を備えることが可能であり、このたわみ可能部材は、ハウジング100のヒンジ150の対向側の第1の収容端部102および第2の収容端部104の少なくとも一方の中に設けられた対応する開口105および107との接触によりたわむことが可能であり、これらの開口の中に解除自在に固定される。本発明のさらに他の実施形態においては、付勢されたヒンジまたはプレス嵌めなどの他の要素を使用して、ハウジング100の第1の端部102とハウジング100の第2の端部104との間の閉鎖を固定することが可能である。
【0038】
さらに図4に図示されるように、ハウジング100の第1の収容端部102および第2の収容端部104の対面し合う表面は、使用済みのペンニードルを受け入れ、保管するための、開口108〜118への内側アクセスを備える。具体的には、一連の開口152〜162は、第1の収容端部102および第2の収容端部104の対向側の端部にてカバー120〜130の除去後にアクセス可能となる新品のペンニードルの1つまたは複数を取出した後に、使用済みのペンニードルを受け入れ、保管するための第1および第2の対向し合う収容端部の開口108〜118への内側アクセスをもたらす。本発明の例示的な一実施形態においては、開口108〜118および152〜162は、実質的に円形であり、摺動自在な内側ホルダ164〜174を中に収容し、これらの摺動自在な内側ホルダ164〜174が、開口108〜118および152〜162を区分し、一方の側に新品のペンニードルを固定するための機構を提供し、反対側に使用済みのペンニードルが挿入された場合にはこの使用済みのペンニードルを固定する。
【0039】
図5にさらに詳細に示されるように、摺動自在な内側ホルダ164〜174は、新品のペンニードルのシールド59を解除自在に固定し、次いで新品のペンニードルが取り出される際に前方に引かれ、前方位置にてロックし、それにより、挿入および保管されることとなる使用済みのペンニードルのための、ハウジング100の第1の収容端部102および第2の収容端部104の対面し合う表面からアクセス可能な内側スペースが生じるように、設けられ、構成され得る。こうするために、摺動自在な内側ホルダ164〜174は、さらに、ハウジング100の第1の収容端部102および第2の収容端部104の対面し合う表面からアクセス可能な内側スペース内に挿入された場合に、使用済みのペンニードルを固定するように、設けられ、構成され得る。
【0040】
摺動自在な内側ホルダ164〜174は、新品のペンニードルのキャップを施された患者側端部側を解除自在に固定する、開口08〜118に対面する側部と、使用済みのペンニードルが挿入された際にこのペンニードルを固定する、内側開口152〜162に対面する側部とを有し、各スペース間に離隔部材を形成する。図4および図5に図示されるように、摺動自在な内側ホルダ164〜174はそれぞれ、平坦な第2の側を有し、この第2の側は、開口152〜162を実質的に充填し、一連のタブ188〜210により各開口152〜162内に捕捉されるように構成される。一連のタブ188〜210は、摺動自在な内側ホルダ164〜174の逃げを防ぐように、開口152〜162の内方周縁部からある距離だけ延在する。さらに、図6に図示されるように、タブ188〜210はそれぞれ、リブ314(各開口において同様に再現されるが、例示のために1つのみを図示する)から延在し、このリブ314は、開口152〜162のそれぞれの内方壁部に沿って配設され、摺動自在な内側ホルダ164〜174のそれぞれの中のノッチ316(各摺動自在な内側ホルダ上において同様に再現されるが、例示のために1つのみを図示する)を案内する。
【0041】
さらに、摺動自在な内側ホルダ164〜174の第2の端部のそれぞれが、使用済みのペンニードルのための捕捉開口を与えるために図5に図示されるように実質的に円形の孔318〜328を備え、これらの孔318〜328は、以下においてさらに詳細に説明されるように各摺動自在な内側ホルダ164〜174の第1の側に新品のペンニードルの内方シールド59のための捕捉開口を与えるために、実質的に円形の孔290〜294(各摺動自在な内側ホルダ上において同様に再現されるが、例示のために3つのみを図示する)から真逆に配設される。
【0042】
やはり図4および図5に図示されるように、摺動自在な内側ホルダ164〜174はそれぞれ、可撓性部材260〜270(各摺動自在な内側ホルダ上において同様に再現されるが、例示のために6つのみを図示する)の端部に配設される傾斜突出部236〜246(各摺動自在な内側ホルダ上において同様に再現されるが、例示のために6つのみを図示する)のためのある程度の隙間を与えるために1つまたは複数のノッチ212〜234を有する。可撓性部材260〜270は、開口152〜162のそれぞれの内方壁部との接触方向に弾性的に付勢される。かかる接触は、摺動自在な内側ホルダ164〜174の若干対向し合う移動を含むがそれに限定されない、複数の目的を果たす。さらに、摺動自在な内側ホルダ164〜174が、ペンデバイス(図示せず)に装着された際に新品のペンニードルの取出しにより引かれる際に、(図示される一例に関して)図5に図示されるような位置から図6に図示される位置まで移動されると、傾斜突出部236〜246は、各開口152〜162の端部付近にて、および開口108〜112付近のポイントにて、ショルダ330〜340(各開口中に存在するが、例示のために6つのみを図示する)に接触し、各開口の内方壁部上に配設されたショルダ330〜340(各開口中に存在するが、例示のために6つのみを図示する)を過ぎて引かれるまで内方にたわめられる。この時点で、傾斜突出部236〜246は、開口342〜352(各開口中に存在するが、例示のために6つのみを図示する)内に非たわみ状態に戻り、次いで開口152〜162の対向端部にて、および開口108〜112付近のポイントにて摺動自在な内側ホルダ164〜174を固定する。かかる位置に来ると、例えばペンニードルに装着されたシールド59は、(図示される一例に関して)図6に図示されるように摺動自在な内側ホルダ164の第1の端部の円形孔290からペンニードルと共に自由に引かれるか、またはペンニードルは、ハウジングシェル内に残されるシールド59から自由に引かれる。
【0043】
各摺動自在な内側ホルダ164〜174の第1の端部は、開口108〜118のそれぞれの中に新品のペンニードルの内方シールド59を解除自在に固定するように構成された中央孔290〜294(各摺動自在な内側ホルダ上において同様に再現されるが、例示のために3つのみを図示する)を備える。そのようにするために、本発明の例示的な一実施形態は、定位置におかれた場合に新品のペンニードルシールド59をしっかりと保持するが、ペンニードルが取出された場合には新品のペンニードルに対して依然として装着されたままの新品のペンニードルのシールド59を解除するのに十分な直径および深さの実質的に円形の開口として、かかる中央孔290〜294(各摺動自在な内側ホルダ上において同様に再現されるが、例示のために3つのみを図示する)を提供することが可能である。すなわち、ニードルの取出しは、ユーザによる使用前の内方シールドの取外しが必要となる、ハウジングシェルからのニードルおよびシールド59を共に取り外すことによってか、または、ハウジングシェル内にシールド59を残しつつシールド59からニードルを取り外すことによって、達成される。解放開口(relief openings)302〜312(各摺動自在な内側ホルダ上において同様に再現されるが、例示のために6つのみを図示する)が、各中央孔290〜294を囲むように設けられ、部材260〜284および傾斜突出部236〜258のたわみのためのスペースを与えることが可能である。
【0044】
上記のように、開口152〜162と開口108〜118との間の通路はそれぞれ、内方壁部を備え、この内方壁部上においては、部材314が、各摺動自在な内側ホルダ164〜174中のノッチ316との接触により摺動自在な内側ホルダ164〜174を案内するために使用される。本発明の例示的な一実施形態においては、部材314は、開口152〜162と開口108〜118との間の通路の内方壁部上に配設されたレールとして形成される。このようにする際に、部材314は、それぞれの中のノッチ316との接触により摺動自在な内側ホルダ164〜174を案内するために使用され、さらに、中に収容されたまたは中に挿入された新品のペンニードルおよび使用済みのペンニードルの回転を防ぐための突出部としてさらに設けられて、ペンおよびハウジングシェルに対するペンニードルの着脱を可能にする。具体的には、中央孔290〜294が、各開口内において新品のペンニードルのシールド59を解除自在に固定する場合に、部材314およびノッチ316は、新品のペンニードルの回転を防いで、ペンデバイスおよびハウジングシェルに対する新品のペンニードルの着脱を可能にする。同様の態様において、孔318〜328が、各開口内において使用済みのペンニードルを固定する場合には、部材314およびノッチ316は、使用済みのペンニードルの回転を防いで、使用済みのペンニードルをハウジングシェル内に保持しつつ、ペンからの使用済みのペンニードルの取外しを可能にする。
【0045】
さらに、摺動自在な内側ホルダ164〜174の摺動自在移動端部付近のポイントにて、開口の内方壁部は、摺動自在な内側ホルダ164〜174の同様のショルダ354(各摺動自在な内側ホルダ上において同様に再現されるが、例示のために1つのみを図示する)に接触し、第1の(前方)方向への摺動移動を停止させるための、ショルダ330〜340を備える。しかし、傾斜突出部244および246は、たわめられ、ショルダ338および340を通過し、開口350および352内に非たわみ状態へと戻り、次いで内方壁部中に設けられた開口350および352内に捕捉され、これらの開口の対向端部に摺動自在な内側ホルダ164〜174を固定し、第2の(後方)方向への摺動自在移動を防ぐ。この位置において、摺動自在な内側ホルダ164〜174は、さらなる前方または後方への移動が防がれ、回転不能となる。
【0046】
図6および図7に図示されるように、摺動自在な内側ホルダ164〜174の移動が、この態様で停止されると、新品のペンニードルは、ハウジング100から自由に引かれ、シールド59が、次いでデバイス使用のために取り外すことが可能になり、またはニードルが、ハウジングシェル内に残されるシールド59から取り外すことが可能になる。さらに、摺動自在な内側ホルダ164〜174の移動が、この態様で停止されると、使用済みのペンニードルは、新品のペンニードルの取出しの際に摺動自在な内側ホルダ164〜174の移動により生じる、この時点で空いたスペース内に配置することが可能となり、孔318〜328に係合して、保管のために閉じられる開口およびハウジング内に使用済みのペンニードルを固定する。
【0047】
新品のペンニードルの取出し作業は、ハウジング100が開かれたまたは閉じられた状態で実施することが可能である。この理由は、新品のペンニードルが、ヒンジポイントの対向側のハウジングの端部の覆われた開口108〜118を介してアクセス可能であるためである。図8は、保管のためにハウジング100内に使用済みのペンニードルを配置して戻した図である。図8に図示されるように、ハウジング100は、ユーザが、上述のように新品のペンニードルの取出しにより生じた、開口152〜162の1つの中に与えられた内側スペースにアクセスすることが可能となるように、初めに開かれる。この時点において、摺動自在な内側ホルダは、開口内に深くに位置決めされている。したがって、ユーザは、開口156内に使用済みのペンニードルを挿入することが可能となり、摺動自在な内側ホルダ(図示せず)の第2の端部に係合することが可能となる。具体的には、使用済みのペンニードルは、摺動自在な内側ホルダの第2の端部に係合され、それにより開口156内に使用済みのペンニードルを固定し、ペンが、この時点で開口156内に深く固定的に保持されている使用済みのペンニードルから螺合解除されるか、または他の態様で外される。次いで、ハウジング100は、閉じることが可能となり、使用済みのペンニードルは、安全に保管され、新品のペンニードルもまた、同一のハウジング内に安全に保管され、アクセス可能となる。
【0048】
上記のように、図2Bおよび図2Cは、図2Aのペンニードルの斜視図であり、ペンニードルは、ハブ20、突出部68、および患者針11を備える。ハブ20の非患者側端部内に配設される隔膜穿刺針カニューレ18は、患者針11と流体連通し、ハブ20の非患者側端部の内側は、ペンインジェクタと連結するためのねじ山または他の特徴部72を備える。本発明のこれらのまたは他の例示的な実施形態においては、ペンニードルは、カニューレの患者側端部および非患者側端部の両方の無菌性が維持される限りにおいては、上述の特徴の中の1つまたは複数を省くことが可能である。例えば、1つの例示的なペンニードルは、ハブ/カニューレアセンブリのみを有する状態で提供することも可能である。
【0049】
本発明の別の例示的な実施形態においては、マルチパックアセンブリ100が、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、およびアクリロニトリルブタジエンスチレン材料の中の1つまたは複数から作製されてもよいが、これらに限定されない。さらに、マルチパックアセンブリ100および/またはカバー120〜130は、中に保管される新品のペンニードルの特定を容易化するために、カラーコード化されるかまたは他の態様で印しを付けられ得る。さらに、図示される例示的な実施形態は、ポイント106にて回転自在に接合される第1の収容端部102および第2の収容端部104をそれぞれ備えるが、本発明の他の実施形態においては、第1および第2の収容端部は、回転不能に接合されてもよく、または、一方の収容端部のみを設け、省かれた収容端部の代わりにヒンジキャップを設けることも可能である。
【0050】
本発明のさらに他の実施形態においては、マルチパックアセンブリは、ユーザにより2セット、4セット、または同様のセットへと分割され得るものであり、それにより、ユーザが搬送することとなる新品のペンニードルの個数を選択することが可能となるものである。図9は、本発明の別の例示的な実施形態による、かかるユーザによる分離が可能な収容端部を有するマルチパックアセンブリの斜視図である。図示される例示的な実施形態においては、マルチパックアセンブリ200は、収容端部同士の間にてミシン目を入れられることにより、依然として無菌性を維持し、上述のように新品および使用済みのペンニードルを保管することが可能な状態を維持しつつ、ユーザがハブの中央軸に沿って2つの収容端部を切り離すまたは分離することを可能にする。かかる実施形態においては、ミシン目を入れられた薄いセクション202が、かかるユーザによる分離を可能にするように、各収容端部204同士の間に設けられる。
【0051】
本発明のさらに他の実施形態においては、マルチパックアセンブリは、ユーザにより2セット、4セット、または同様のセットの追加の収容端部を加えられることによって、拡張することが可能であり、これにより、ユーザは、搬送されることとなる新品のペンニードルの個数を選択することが可能となる。例えば、マルチパックアセンブリは、依然として無菌性を維持し、上述のように新品および使用済みのペンニードルを保管することが可能な状態を維持しつつ、ユーザが追加の収容端部を連結解除または連結することが可能となるように、収容端部同士の間にコネクタを有することが可能である。かかる実施形態においては、矩形部材および対向側の開口など、雄戻り止めを、各収容端部の一方の側部上に設け、雌開口を、各収容端部の対向側上に設けることにより、スナップ嵌めの態様でのかかるユーザによる分離および組合せを可能にすることができる。あるいは、フェイルおよびガイド(fail and guide)または蟻ほぞ機構を設けることによってなど、摺動コネクタ機構を使用して、ニードルの収容端部を着脱することが可能である。
【0052】
さらに、本発明のこれらのまたは他の例示的な実施形態においては、最終ニードルの使用後に、ユーザがハウジングを手動的にロックして(すなわちハウジングを閉鎖された状態に手動的にロックして)、安全な処分を可能にし得るように、ロックアウトシステムおよび方法を提供することが可能である。例えば、手動ロックをニードル保管アセンブリ上に設けることにより、最終使用後のユーザによる保管アセンブリの手動ロックを可能にし、それにより保管アセンブリの安全な処分を可能にし、再使用を防ぐことが可能となる。本発明のこれらのおよび他の例示的な実施形態においては、非常用ニードル特徴部を設けることもまた可能であり、非常時に使用するために、ユーザが少なくとも1つの新品または使用済みのニードルにアクセスできるように、少なくとも1つの新品または使用済みのニードルをアクセス可能な状態に保つことが可能である。あるいは、本発明のさらに他の実施形態においては、1つのみのニードルを、常にアクセス可能なものとして用意することが可能であり、これにより、非常時に使用するための使用可能なニードルが確保される。他のペンニードルは、保管アセンブリ内にロックすることが可能であり、アクセス可能でなくてもよい。
【0053】
本発明のさらに別の例示的な実施形態においては、デバイスの内方機構を単純化するため、および無菌バリアの課題のために、代替設計を提供することが可能である。例えば、このデバイスは、各ペンニードルについて1つのみの開口端部を備えることが可能である。この開口は、内部に位置し、デバイスのヒンジが開かれた場合にのみアクセスし得るものであるか、またはこの開口は、外部に位置することが可能であり、この場合には、リビングヒンジは不要となる。さらに、カバーが、これらの開口のいずれかの上に設けられてもよく、新品のペンニードルが、取り出され、使用済みのペンニードルが、同じスペースに戻される。かかる例示的な実施形態においては、上述のデバイスの内方要素および機構の多くを無くすことが可能となり、それにより、製造プロセスを簡易化することが可能となる。
【0054】
本発明のこの例示的な実施形態においては、シールドの蛇行経路などにより形成される無菌バリアが、ペンニードルの患者側端部上に設けられるが、ペンニードルの患者側端部のかかる蛇行経路は、改良されてもよい。例えば、中実片を各ニードルの患者側端部の端部に設けることが可能であり、この場合には、かかる例示的な中実片は、ハウジングシェル中の空洞部または開口の壁部にぴったりと接触した状態で取り付けられるように構成することが可能であり、この中実片は、熱融着の実施または接着剤によってなどある態様でハウジングシェルの内方壁部に対してシールされるかまたは他の態様で固定されることにより、この壁部に中実片を固定することが可能となる。その後、限定された牽引力の印加を利用して、壁部から中実片のシールを破り、ハウジングシェルの空洞部から新品のペンニードルを引き出すことを可能にし得る。かかる例示的なシールは、患者側端部上に無菌バリアを形成または補足するように構成することが可能である。
【0055】
本発明のさらに別の例示的な実施形態においては、このデバイスは、ペンニードルの各端部上に無菌バリアを設けるために、個々の駆動部の各端部上にカバーを配置することを含むことが可能である。この例示的な実施形態においては、非患者側接触端部上のカバーは、ペンにペンニードルを装着する前に除去されねばならない。次いで、空洞部の患者側のカバーは、デバイスに使用済みのペンニードルを戻す前に除去されなければならない。
【0056】
上記のように、本発明の別の態様によれば、1つまたは複数の新品のペンニードルを収容し、次いでそのペンニードルを送り出し、使用済みのペンニードルを受け入れ、次いでそのペンニードルを安全かつしっかりと保管するためのマルチパックアセンブリを、チューブ形状構造体内に個別に収容される複数のペンニードルを備えるデバイスによって提供することが可能である。各新品のペンニードルのための無菌バリアを、各ペンニードルの非患者側端部を覆うカバーにより設け、形成すべきであり、各ペンニードルは、チューブ構造体の分離された個別にアクセス可能なセクションまたはユニット内に収容することが可能であり、チューブ構造体の隣接し合うユニットは、ヒンジにより連結することが可能である。
【0057】
図10は、本発明の別の例示的な実施形態によるフリップ開口マルチパックアセンブリの斜視図であり、図11は、図10のデバイスの拡大断面図である。図10は、本発明の一実施形態によるフリップ開口マルチパックチューブアセンブリ400の斜視図である。アセンブリ400は、複数のペンニードル410を保管するための複数のポッドまたは保管ユニットを備える。例えば、図10に図示されるように、アセンブリ400は、第1から第5の保管ユニット404、408、412、416、および420を備える。複数のペンニードルは、各保管ユニット404〜420内に個別に収容される。ヒンジ連結される個々の保管ユニット404〜420は、後に説明することとのある他の機能に加えて、図2Aの内方シールドおよび外方カバーに置き換わる。しかし、他の例示的な実施形態においては、内方シールドは、ペンニードルおよび保管ユニット404〜420と組み合わせて使用することが可能である。
【0058】
図10に図示されるように、第1の保管ユニット404は、残りの保管ユニットとは異なり、蓋用ヒンジ428により第1の保管ユニット404に連結される蓋424を有する。さらに、ヒンジ432が、残りの各保管ユニット408〜420を隣接する保管ユニットに連結する。図10に部分的に図示されるように、一実施形態によれば、蓋用ヒンジ428およびヒンジ432は、アセンブリ400の両側に交互に配設され、それにより、以下においてさらに詳細に説明するように、各保管ユニットは、隣接する保管ユニット(または複数の保管ユニット)とは逆の方向に開かれる。しかし、本発明のさらに他の例示的な実施形態においては、蓋用ヒンジ428およびヒンジ432は全て、本発明の範囲から逸脱することなく、一方の側に配設されてもよい。蓋用ヒンジ428およびヒンジ432は、例えば、リビングヒンジであってもよい。リビングヒンジは、当技術を知る者には理解されるであろうゆえに、本明細書においてはさらに詳細には説明しない。
【0059】
一実施形態によれば、無菌カバー436は、各保管ユニット404〜420に無菌バリアを与える。以下においてさらに詳細に説明されるように、各保管ユニット404〜420が、アクセスを受ける際に、無菌カバー436は、中に収容される無菌ペンニードルにアクセスするために除去される。この無菌カバーは、開口および中に収容される新品のペンニードルを覆うために設けられるべきである。無菌バリアは、紙、金属フォイル、プラスチック、または同様の材料から作製することが可能であり、接着剤、熱融着、超音波溶接、または他の適切な手段により開口を覆うように接着させることが可能であり、カバーはそれぞれ、ユーザがタブおよびカバーを容易に把持および除去することが可能になるように、タブ要素を備えることが可能である。本発明の例示的な一実施形態においては、無菌カバー436の端部は、ユーザがタブを容易に把持および引き上げることが可能となるように、異なる接着度合いを有することが可能である。無菌カバー436は、中に収容されるペンニードルの色、マーク、または他の印をさらに備えることが可能である。
【0060】
図11は、アセンブリ400の図10における線A‐Aに沿った断面の斜視図である。図11に図示されるように、各保管ユニット404〜420は、ペンニードル410の非患者側端部が保管ユニットの頂部方向に配向された状態で、ペンニードル410を封入する。さらに、図10および図11に図示されるように、複数の閉鎖部材またはタブ440が、保管ユニット上に配設され、各閉鎖部材440は、隣接する保管ユニット(408〜420)の内部を閉鎖するために、隣接する保管ユニット(408〜420)に選択的に係合する。逆に、以下においてさらに詳細に説明されるように、各閉鎖部材440は、連結ヒンジ432を中心とする回転により隣接する保管ユニット(408〜420)の内部へのアクセスを与えるために、隣接する保管ユニット(408〜420)から選択的に係合解除される。
【0061】
図11に図示されるような一実施形態によれば、閉鎖部材440が、第1から第4の保管ユニット404〜416の両側に対で配設される。さらに、以下においてさらに詳細に説明されるように、各閉鎖部材440は、隣接する保管ユニット(408〜420)と選択的に係合および係合解除するために、その第1の端部に配設された係合部材444を有する。さらに、以下においてさらに詳細に説明されるように、各閉鎖部材440は、ユーザとのやり取りのためにその第2の端部に配設されたユーザ部分448を有する。さらに、図11に図示されるように、各閉鎖部材440は、ウェブ452により対応する保管ユニット(440〜416)に連結される。ウェブ452は、閉鎖部材440と対応する保管ユニットとの間に構造的連結部をもたらし、さらに、枢軸として機能し、対応する保管ユニットに対する閉鎖部材440の回転を可能にするように十分な可撓性を有する。
【0062】
次に、図12〜図14を参照として、アセンブリ400の作動を説明する。図12および図13は、新品のペンニードルを取り出すために準備されつつある、図10のデバイスの斜視図であり、図14は、本発明の例示的な一実施形態による、新品のペンニードルが取り出された状態の、図10のデバイスの斜視図である。
【0063】
図12に図示されるように、第1の保管ユニット404内のペンニードル410にアクセスするために、ユーザは、無菌カバー436を出現させるために、蓋用ヒンジ428を中心として蓋424を回転させる。図12に図示されるように、無菌カバー436は、タブ部分456およびクロージャ部分460を備える。蓋424を開いた後に、ユーザは、第1の保管ユニット404に接着されたカバー部分460を剥がすために、タブ部分456を把持および引き上げる。無菌カバー436の除去により、第1の保管ユニット404内に収容されたペンニードル410の非患者側端部へのアクセスが与えられる。次いで、ユーザは、使用するために、ペンニードルの非患者側端部にペンインジェクタ450を連結する。
【0064】
使用後に、ユーザは、ペンニードル410を、それが元々あった同一の保管ユニットに戻す。上述の例においては、ユーザは、第1の保管ユニット404からペンニードル410を取り出したため、第1の保管ユニット404に使用済みのペンニードル410を戻し、ペンニードル410からペンインジェクタ450を係合解除し、蓋用ヒンジ428を中心として蓋424を回転させることにより第1の保管ユニット404を閉じることが可能である。
【0065】
第1の保管ユニット404内のペンニードルにアクセスするのに対して、その後に第2から第5の保管ユニット408〜420のいずれかの中のペンニードル410にアクセスすることによる新品のペンニードルの取出しは、別の方法により達成される。例えば、図13に図示されるように、第3の保管ユニット412内のペンニードル410にアクセスするために、ユーザは、第2の保管ユニット408の閉鎖部材440のユーザ部分を把持し、押し込む。ウェブ452が可撓性であることにより、この押し込みによって、第2の保管ユニット408に対して閉鎖部材440が回転される。さらに具体的には、この押し込みにより、第2の保管ユニット408に対して係合部材444が外方に回転し、それにより第3の保管ユニット412から係合部材444が係合解除される。
【0066】
図13に図示されるように、第3の保管ユニット412は、第2の保管ユニット408の閉鎖部材440の係合部材444に対応する一対の保持部材464を有する。一実施形態によれば、保持部材464は、第3の保管ユニット412両側から延在するボスである。さらに他の例示的な実施形態においては、保持部材464は、第3の保管ユニット412の両側からくぼんだ戻り止めである。閉じられると、フック様係合部材444は、保持部材464に係合する。しかし、閉鎖部材440が、ユーザにより押し込まれ回転されると、係合部材444は、保持部材464から解放される。閉鎖部材440が、第1から第4の保管ユニット404〜416上に配設されると、対応する保持部材464は、第2から第5の保管ユニット408〜420上に配設される。
【0067】
図13に図示されるように、保持部材464から閉鎖部材440を係合解除した後に、ユーザは、ヒンジ432を介して、第3から第5の保管ユニット412〜420から離れるように、第1の保管ユニット404および第2の保管ユニット408を回転させる。その後、第1の保管ユニット404内のペンニードル410へのアクセスと同様に、ユーザは、無菌カバー436を除去し、図14に図示されるように、使用するためにペンニードル410の非患者側端部にペンインジェクタ450を連結する。使用後に、ユーザは、第3の保管ユニット412にペンニードル410を戻し、ペンニードル410からペンインジェクタ450を係合解除し、第2の保管ユニット408の閉鎖部材440の係合部材444が第3の保管ユニット412の保持部材464に係合するまで、ヒンジ432を中心として第1の保管ユニット404および第2の保管ユニット408を回転させることにより、アセンブリ400を閉じる。
【0068】
図15は、第1の保管ユニット404の送出し端部の拡大斜視図であり、図16は、第1の保管ユニット404の送出し端部の端面図である。明瞭化のため、蓋424およびペンニードル410は、図15および図16には図示しない。図15および図16に図示されるように、第1の保管ユニット404の送出し端部は、複数の回転防止/保持構造部468を備える。第1の保管ユニット404のみが示されるが、各保管ユニット404〜420が、かかる回転防止/保持構造部468を備える。第1の保管ユニット404の送出し端部にて、回転防止/保持構造部468は、ペンニードルのハブと協働して、ペンニードルが送出し位置にある場合にペンニードルの回転を防ぐ。例えば、ペンニードルが、第1の保管ユニット404内において送出し位置にあり、回転防止/保持構造部468が、ハブ20のリブ64(図2Bおよび図2Cを参照)に係合される場合には、回転防止/保持構造部468は、ペンニードルの回転を防止し、ユーザがハブ20のねじ山72内にペンインジェクタまたは薬剤カートリッジを螺合させることによりハブにペンインジェクタまたは薬剤カートリッジを連結するのを可能にする。ペンインジェクタに対する連結の際にペンニードルの回転が防がれる間に、連結後に、回転防止/保持構造部468とペンニードルとの間の嵌着により、ユーザによる第1の保管ユニット404からの組み合わされたペンインジェクタおよびペンニードルの軸方向への引き出しが可能になる。
【0069】
逆に、第1の保管ユニット404に使用済みのペンニードルが戻される場合には、ユーザは、第1の保管ユニット404内にペンニードルを軸方向に挿入して、回転防止/保持構造部468にハブ20のリブ64を係合させる。この係合の後に、ユーザは、ハブ20のねじ山72からペンインジェクタを螺合解除するためにペンインジェクタを回転させ、それによりペンニードルからペンインジェクタを係合解除させる。回転防止/保持構造部468とペンニードルとの間の嵌着により、第1の保管ユニット404からのペンニードルの取出しに対して抵抗がもたらされ、無菌カバー436の除去後に第1の保管ユニット404からペンニードルが簡単に外れるのが防止される。
【0070】
図17は、第1の保管ユニット404の送出し端部を覆う無菌カバー136の別の実施形態の斜視図である。例えば図12においては、無菌カバー436のタブ部分456が、アセンブリ400の外部上に配設されるが、図17においては、タブ部分472は、カバー部分460の頂部を覆って折り込まれ、カバーが閉じられるとカバー424により閉じられる。同様に、図示しないが、隣接し合う保管ユニット404〜416は、閉じられた際に残りの無菌カバー436のタブ部分472を密閉する。本発明のさらに他の例示的な実施形態においては、無菌カバー436は、カバー424および/または隣接し合う保管ユニット404〜416を開く動作により、固定および/または除去され得る。本発明のさらに他の例示的な実施形態においては、周縁無菌カバーが、設けられ、個々のペンニードルにアクセスする前に剥がされ得る。本発明のさらに他の例示的な実施形態においては、無菌カバー436は、省くことが可能であり、個々の保管ユニット404〜420間の閉鎖およびカバー424と第1の保管ユニット404との間の閉鎖は、成形嵌めまたは締まり嵌めされる蛇行経路であることが可能であり、これにより無菌バリアが形成される。当業者には知られているように、蛇行経路閉鎖は、例えばラビリンス経路または螺合閉鎖などによりこの製品に対して回旋状通路を与えることによって実現される、浮遊微生物に対するバリアとして定義することが可能である。
【0071】
患者は、ペンインジェクタの使用および搬送に慣れているので、本発明のこれらの例示的な実施形態の1つの利点は、搬送の容易なアセンブリの形態の、使用済みのペンニードルを収容しおよび送り出し、新品のペンニードルを保管するための、コンパクトで便利な装置を提供することである。ペンニードル保管アセンブリ上にロックを設けることが可能であり、これにより、ユーザは、保管アセンブリを手動的にロックして、このアセンブリを安全に処分することが可能となる。好ましくは、かかるロックは、最後のペンニードルが使用された後にのみ作動可能となるが、実施形態はそれに限定されない。本発明の別の例示的な実施形態においては、1つまたは複数の使用済みのペンニードルが、非常時にユーザが使用済みのペンニードルにアクセスできるように、アクセス可能な状態に留まる。他のペンニードルが、アクセス可能であるか、または保管アセンブリ内にロックされることも可能である。
【0072】
前述の実施形態および利点は、例示的なものに過ぎず、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。様々な修正形態、代替形態、および変形形態が、当業者には明らかになろう。またこれらは、添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物において規定されるような本発明の範囲内に含まれるように意図される。
【技術分野】
【0001】
本発明は、注射装置のペンニードルのための保管アセンブリに関する。より詳細には、本発明は、注射装置の新品および使用済みの両方のペンニードルを保管するための保管アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
いくつかの状況においては、ヒトの組織内に直接的に薬剤を注入することが望ましい。典型的には、筋肉内組織層、皮下組織層、および皮内組織層などの組織領域内に薬剤を注入するために、シリンジまたはペン型注射デバイスが使用される。かかるペン型注射デバイスの組立ておよび作動は、特許文献1に記載されている。該明細書の全内容が、ここに参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
図1に図示されるような例示的な薬物送達ペン10などのペン型注射デバイスは、薬剤補給物を搬送するための便利な方法をユーザにもたらす。少なくとも1度の使用ために必要なあらゆる特徴および構成要素が、アセンブリの状態で提供され、殆どの場合には複数回の使用に応じるようになされている。そうするために、ペン10は、典型的には、用量ノブ/ボタン24、外方スリーブ13、およびキャップ21を備える。キャップ21は、ペン10の近位端部およびペン10に装着される注射針を覆い、ユーザがシャツのポケット、財布、または他の適切な位置に薬物送達ペン10を固定的に保持するために使用される。用量ノブ/ボタン24により、ユーザは、注射すべき薬剤の用量を設定することが可能となる。外方スリーブ13は、駆動機構および補給物を収容し、薬剤を注射する際にユーザが把持するための把持表面をさらに形成する。
【0004】
図2Aは、図1に図示される例示的な薬物送達ペン10、およびその中に収容される典型的な構成要素の分解図である。遠位端部には、用量ノブ/ボタン24が設けられ、これは2つの目的を有する。用量ノブ/ボタン24は、注射すべき薬剤の用量を設定するため、および下方ハウジング17を貫通して薬物送達ペンに装着される薬剤カートリッジ12から親ねじ7およびストッパ15により、用量設定された薬剤を注射するための両方の目的で使用される。標準的な薬物送達ペンにおいては、用量設定機構および送達機構は、全て外方スリーブ13内にあり、先行技術を知る者には理解されるので本明細書においては詳細には説明しない。薬剤カートリッジ12内におけるプランジャまたはストッパ15の遠位移動により、薬剤は、ハブ20の針11内に押し込まれる。薬剤カートリッジ12は、隔膜16によりシールされ、この隔膜16は、ハブ20内に位置する隔膜穿刺針カニューレ18により穿刺される。ハブ20は、好ましくは、下方ハウジング17に対して螺合するが、他の装着手段を使用することも可能である。
【0005】
図2Bおよび図2Cは、図2Aのペンニードルのより詳細な斜視図である。図2Bに図示されるように、ペンニードルは、その非患者側端部に配設されるハブ20を備え、このハブ20は、以下においてさらに詳細に説明されることとなる回転防止/保持構造部と係合するための複数のリブ64を備える。さらに、突出部68が、ハブ20の患者側端部から延在し、患者針11が、この突出部68から延在する。ハブ20の非患者側端部内に配設される隔膜穿刺針カニューレ18は、患者針11と流体連通する。さらに、図2Cに図示されるように、ハブ20の非患者側端部の内側が、ペンインジェクタと連結するためのねじ山72を備える。図2A〜図2Cは、ペンニードルの一例を示す。
【0006】
ユーザ、または薬物送達ペン10を取り扱う任意の者を保護するために、ハブ20に装着される外方カバー69は、非使用時にはハブを覆う。内方シールド59が、外方カバー69内の患者針11を覆う。内方シールド59は、締まり嵌めまたはスナップ嵌めなどの任意の適切な手段により患者針11を覆うように、ハブ20に固定され得る。キャップ21は、ユーザが薬物送達ペン10を安全に搬送することが可能となるように、外方スリーブ13に対してぴったりと嵌る。使用時には、キャップ21、外方カバー69、および内方シールド59は、ハブ20を露出させるために取り外される。
【0007】
薬物カートリッジ12は、典型的には、一方の端部にて隔膜16によりシールされ、他方の端部にてストッパ15によりシールされるチューブである。隔膜16は、ハブ20内の隔膜穿刺カニューレ18による穿刺が可能であるが、薬物カートリッジ12に対して移動しない。ストッパ15は、液密シールを維持しつつ所望の薬剤量を送達するように、薬剤カートリッジ12内において軸方向に変位自在である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第7,645,264号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ハブ20、針11、外方カバー69、および内方シールド59を備えるペンニードルは、典型的には1度の注射のために使用され、その後処分される。典型的には、新品のペンニードルは、個別にパッケージングされ、箱またはカートンなどの容器内にバラで配置される。各ペンニードルは、外方カバーにより形成されたパッケージ内にシールされ、ラベルが、ペンニードルを特定し無菌バリアを設けるために、外方カバー中の開口を覆う。しかし、かかるパッケージングされた新品のペンニードルの容器は、新品のペンニードルを容易に繰り出すための、または使用済みのペンニードルを収容するための手段を備えていない。したがって、新品のペンニードルを容易に繰り出し、新品および使用済みの両方のペンニードルを保管する、保管アセンブリの必要性が存在する。
【0010】
さらに、既存のペンニードル容器は、多数のパッケージングされた新品のペンニードルを保管するように構成される。多数のパッケージングされた新品のペンニードルにより、これらの容器は、大きくかさばるものとなり、ユーザによる搬送に寄与しない。したがって、ユーザによる搬送に好都合な保管アセンブリの必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の例示的な実施形態の態様によれば、上述のおよび他の問題は、1つまたは複数の新品のペンニードルを収容しおよび送り出し、使用後に使用済みのペンニードルを受け入れ、次いで安全かつ固定的に保管するためのマルチパックアセンブリを提供することにより、実質的に解消される。
【0012】
本発明の一態様によれば、複数の新品および使用済みのペンニードルの両方を中に収容することが可能なハウジングシェルが提供される。かかるシェルの例示的な一実施形態は、正四方形形状、矩形形状、円形形状、円筒形状、または楕円形状であることが可能であるが、それらに限定されない。
【0013】
本発明の別の態様によれば、ハウジングシェルは、ヒンジまたは他の可撓性部材により装着される、対向し合う第1の収容端部および第2の収容端部を備えることが可能であり、このヒンジまたは他の可撓性部材により、一方の収容端部は、対向側の収容端部に対して回転することが可能となり、それによりハウジングシェルの内部が、ヒンジを開くことによりアクセス可能となり、ヒンジを閉じることにより保護することが可能となる。
【0014】
本発明の別の態様によれば、対向し合う第1の収容端部および第2の収容端部の一方または両方が、1つまたは複数の開口を備えることが可能であり、これらの開口は、ヒンジを開くことによりまたはヒンジを開くことなくユーザによるアクセスが可能となる新品のペンニードルおよび使用済みのペンニードルを収容および保管するように構成される。
【0015】
本発明の別の態様によれば、対向し合う第1の収容端部および第2の収容端部の開口がそれぞれ、開口およびハウジングシェル内に収容される新品のペンニードルの非患者側端部を覆い、ハウジングシェルに連結される、カバーを設けることにより形成されるものなどの、無菌バリアを備えるべきである。
【0016】
本発明の別の態様によれば、対向し合う第1の収容端部および第2の収容端部の開口がそれぞれ、各ペンニードルの患者側端部上の蛇行経路または内方シールドを備えることが可能であり、本発明の例示的な一実施形態においては、各ペンニードルの患者側端部上のシールドは、各開口内に新品のペンニードルを解除自在に固定するためにも使用される。ニードルの取出しは、ユーザによる使用前のシールドの取外しが必要となる、ハウジングシェルからのニードルおよびシールドを共に取り外すことによって、または、ハウジングシェル内にシールドを残しつつシールドからニードルを取り外すことによって、達成される。
【0017】
本発明の別の態様によれば、対向し合う第1の収容端部および第2の収容端部の開口がそれぞれ、各端部の全長にわたって貫通することが可能であり、それにより、開口の一方の端部は、新品のペンニードルにアクセスすることが可能であり、開口の対向側の端部は、使用済みのペンニードルを保管するために使用することが可能である。
【0018】
本発明の別の態様によれば、対向し合う第1の収容端部および第2の収容端部の開口がそれぞれ、各端部の全長にわたって貫通することが可能であり、ハウジングシェルは、ヒンジを備えることが可能であり、このヒンジは、開かれると、ハウジングシェルの第1の収容端部および第2の収容端部を回転させ、使用済みのペンニードルを受け入れ、収容するために、対向し合う第1の収容端部および第2の収容端部の開口への内側アクセスを可能にする。
【0019】
本発明の別の態様によれば、ハウジングシェルの対向し合う第1の収容端部および第2の収容端部のそれぞれの中の開口の1つまたは複数が、ある態様にてペンニードルを保持し、それにより取出しの際の新品のペンニードルの回転を防ぎ、挿入の際の使用済みのペンニードルの回転を防いで、ペンおよびハウジングシェルに対するペンニードルの着脱を可能にするための、1つまたは複数の突出部を備えることが可能である。
【0020】
本発明の別の態様によれば、ハウジングシェルの対向し合う第1の収容端部および第2の収容端部のそれぞれの中の開口の1つまたは複数が、摺動自在な内側ホルダを備えることが可能であり、このホルダは、新品のペンニードルの内方シールドを解除自在に固定し、次いで、新品のペンニードルが取り出される際に開口内をある距離だけ前方に引かれ、前方位置にてロックし、それにより、挿入および保管されることとなる使用済みのペンニードルのために、開口内に、新品のペンニードルの取出し側の対向側の、対向側のヒンジ側からアクセス可能なスペースを生じさせるように構成される。
【0021】
本発明の別の態様によれば、1つまたは複数の新品のペンニードルを収容し、次いで送り出し、使用済みのペンニードルを受け入れ、次いで安全かつ固定的に保管するための、マルチパックアセンブリを提供することが可能であり、例示的な使用の際には、ユーザは、初めに、ハウジングシェルの外方表面を把持し、カバーを除去して、アセンブリの第1の収容端部および第2の収容端部の一方の覆われた開口内に固定された新品のペンニードルにアクセスする。次いで、ユーザは、螺合動作などを利用することにより、薬物送達ペンに、アクセス可能な新品のペンニードルを装着することが可能である。これは、新品のペンニードルは、開口内に解除自在に固定され、回転が防がれることにより可能となる。次いで、ユーザは、新品のペンニードルを取り出すために、アセンブリから新品のペンニードルを引くことが可能であり、かかる取出し動作は、マルチパックアセンブリ内の摺動自在な内側ホルダ構成要素を前方に引くのを助け、それにより、後に挿入および保管されることとなる使用済みのペンニードルのためのスペースを対向端部に生じさせる。次いで、ユーザは、新品のペンニードルをシールドしているシールドを単に除去して、注射を行なうことが可能となる。シールドが、取出しの際にハウジングシェル内に残される場合には、ユーザは、注射を単に実施することが可能となる。
【0022】
本発明の別の態様によれば、1つまたは複数の新品のペンニードルを収容し、次いで送り出し、使用済みのペンニードルを受け入れ、次いで安全かつ固定的に保管するための、マルチパックアセンブリを提供することが可能であり、注射の完了時に、ユーザは、対向し合う第1の収容端部と第2の収容端部との間のヒンジポイントにてマルチパックアセンブリを開いて、使用済みのペンニードルを受け入れ、保管するために生じた開口への内側アクセスを可能にすることが可能であり、この空いたスペース内に使用済みのペンニードルを配置し、回転防止機構に係合させ、使用済みのペンニードルからペン注射デバイスを螺合解除し、マルチパックアセンブリの開口内に使用済みのペンニードルを残すことが可能である。使用済みのペンニードルが、デバイスから螺合解除された後には、ユーザは、保管のためにマルチパックアセンブリのシェルを単に閉めることが可能となる。
【0023】
本発明の別の態様によれば、1つまたは複数の新品のペンニードルを収容し、次いで送り出し、使用済みのペンニードルを受け入れ、次いで安全かつ固定的に保管するための、マルチパックアセンブリは、チューブ形状構造体内に個別に収容される複数のペンニードルを備えるデバイスによって実現することが可能である。各新品のペンニードルのための無菌バリアが、設けられるべきであり、これは、各ペンニードルの非患者側端部を覆うカバーによって形成される。各ペンニードルは、チューブ構造体の分離された個別のアクセス可能なセクションまたはユニット内に収容され、チューブ構造体の隣接し合うユニットは、ヒンジ連結される。
【0024】
添付の図面との組合せにおいて本発明の例示的な実施形態を開示する以下の詳細な説明から、本発明のこれらのおよび他の目的、利点、および顕著な特徴が明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の例示的な実施形態と共に使用するための組み立てられた薬物送達ペンの斜視図である。
【図2A】図1の薬物送達ペンの構成要素の分解斜視図である。
【図2B】図1の薬物送達ペンと共に使用するためのペンニードルの斜視図である。
【図2C】図1の薬物送達ペンと共に使用するためのペンニードルの斜視図である。
【図3】本発明の例示的な一実施形態によるフリップ開口マルチパックアセンブリの斜視図である。
【図4】本発明の例示的な一実施形態による、ヒンジで開口する図3のマルチパクアセンブリの斜視図である。
【図5】本発明の例示的な一実施形態による、対向し合う第1および第2の収容端部の少なくとも一方に位置する個々のニードルアセンブリを示す、図3のデバイスの断面図である。
【図6】本発明の例示的な一実施形態による、マルチパックアセンブリからの1つの新品のペンニードルアセンブリの取出しの動作軌道を示す、図3のデバイスの拡大断面図である。
【図7】本発明の例示的な一実施形態による、1つの新品のペンニードルが取り出された状態の、図3のデバイスの拡大断面図である。
【図8】本発明の例示的な一実施形態による、マルチパックアセンブリ内への使用済みペンニードルの戻しおよび保管を示す、図4のデバイスの拡大断面図である。
【図9】本発明の別の例示的な実施形態による、ユーザによる分離が可能なパックを有するマルチパックアセンブリの斜視図である。
【図10】本発明の別の例示的な実施形態によるフリップ開口マルチパックアセンブリの斜視図である。
【図11】本発明の例示的な一実施形態による、図10のデバイスの拡大断面図である。
【図12】本発明の例示的な一実施形態による、1つの新品のペンニードルを取り出すために準備されつつある、図10のデバイスの斜視図である。
【図13】本発明の例示的な一実施形態による、別の新品のペンニードルを取り出すために準備されつつある、図10のデバイスの斜視図である。
【図14】本発明の例示的な一実施形態による、1つの新品のペンニードルが取り出された状態の、図10のデバイスの斜視図である。
【図15】本発明の例示的な一実施形態による、図10のデバイスの第1の保管ユニットの送出し端部の拡大斜視図である。
【図16】本発明の例示的な一実施形態による、図15の第1の保管ユニットの送出し端部の端面図である。
【図17】本発明の例示的な一実施形態による、無菌カバーの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の例示的な実施形態の以下の詳細な説明、および添付の図面から、本発明の種々の実施形態の上述の利点および他の利点がさらに明らかになろう。
【0027】
これらの図面全体にわたり、同様の参照番号は、同様のパーツ、構成要素、および構造部を指すように理解されたい。
【0028】
上記のように、新品のペンニードルは、典型的には個別にパッケージングされ、箱またはカートンなどの容器内にバラで配置される。各ペンニードルは、外方カバーにより形成されたパッケージ内にシールされ、ラベルが、ペンニードルを特定し無菌バリアを設けるために、外方カバー中の開口を覆う。しかし、かかるパッケージングされた新品のペンニードルの容器は、新品のペンニードルを容易に繰り出すための、または使用済みのペンニードルを収容するための手段を備えていない。さらに、既存のペンニードル容器は、多数のパッケージングされた新品のペンニードルを保管するように構成される。多数のパッケージングされた新品のペンニードルにより、これらの容器は、大きくかさばるものとなり、ユーザによる搬送に寄与しない。
【0029】
現行のペンニードルは、ラベルがニードルを特定し無菌バリアを設けるためにカバーに接着されており、プラスチックカバーの内部にパッケージングされた状態で個別に販売される。しかし、使用するための新品のペンニードルを保管および供給する複数ニードルパッケージ構成を備えるさらに便利なシステムおよび方法が望ましく、このシステムおよび方法は、使用後の使用済みペンニードル受け入れ、収容することを可能にするものを含む。本発明の例示的な実施形態は、アセンブリのユーザアクセス可能開口内に複数の新品のペンニードルを備えるマルチパックアセンブリを提供することにより、これらのおよび他の必要性に対応する。このアセンブリにおいては、カバーまたは他のエンクロージャが、アセンブリのユーザアクセス可能開口の内部に各新品のペンニードルを密閉するように設けられるか、または位置決めされる。1つまたは複数の例示的な実施形態においては、新品のペンニードルの取出し後に使用済みのペンニードルを受け入れ、保管するために、これらのアクセス可能開口の対向端部へのヒンジ動作によるアクセスが可能である。1つまたは複数の他の例示的な実施形態においては、次の新品のペンニードルにアクセスするために、これらのアクセス可能開口の対向端部へのヒンジ動作によるアクセスが可能である。
【0030】
図3〜図8に図示される本発明の例示的な一実施形態においては、一方の端部からアクセス可能なスペースから1つまたは複数の新品のペンニードルを保管し、次いで送り出し、対向端部からアクセス可能な実質的に同一のスペースが新品のペンニードルの取出しにより空になると、このスペース内に使用済みのペンニードルを受け入れ、収容するための、マルチパックアセンブリが提供される。これらの実施形態は、矩形形状のヒンジ式シェルハウジングの提供などにより複数の新品のペンニードルを収容することが可能なフリップ開口マルチパックアセンブリを含む。この場合、新品のペニードルは、複数の覆われたユーザアクセス可能開口内に保管することが可能であり、これらのユーザアクセス可能開口はそれぞれ、例えばユーザアクセス可能開口と、その中に収容された新品のペンニードルの非患者側端部とを覆うカバーなどによって形成される無菌バリアを有する。これらの新品のペンニードルは、各新品のペンニードルの患者側端部上の蛇行経路シールドによりシェルの各開口の内方部分に解除自在に固定される。これらのニードルの取出しは、ユーザによる使用前のシールドの取外しが必要となる、ハウジングシェルからのニードルおよびシールドを共に取り外すことによって、または、ハウジングシェル内にシールドを残しつつシールドからニードルを取り外すことによって、達成される。シールドがニードル上に残される場合には、シールドは、蛇行経路により患者側端部に対して無菌性をもたらすが、シールドがハウジングシェル内に残される場合には、ユーザは、ニードルの取り付け後にシールドを取り外す必要がなくなる。
【0031】
本発明の実施形態の例示的なヒンジ式シェルハウジングは、ヒンジまたは他の可撓性部材により連結された、最大で第1および第2までの収容端部を有する実質的に密閉されたハウジングを備え、これらの収容端部は、互いに対して回転するように構成される。かかるヒンジは、開かれると、使用済みのペンニードルを受け保管するために、ハウジングの第1の収容端部および第2の収容端部の一方または両方の中の開口への内側アクセスを可能にする。第1の収容端部および第2の収容端部のそれぞれの中の開口の1つまたは複数が、中に収容される新品のペンニードル、または中に挿入される使用済みのペンニードルの回転を防止することにより、ペンおよびハウジングシェルからのペンニードルの装着および取外しを可能にするための、1つまたは複数の突出部を備えることが可能である。さらに、ハウジングシェルの第1の収容端部および第2の収容端部のそれぞれの中の開口の1つまたは複数が、新品のペンニードルのシールドを解除自在に固定し、次いで新品のペンニードルが取出される際に前方に引かれ、前方位置にてロックし、それにより、挿入および保管されることとなる使用済みペンニードルのための、対向側のヒンジ端部からアクセス可能なスペースを生み出すように構成された、摺動可能内側ホルダを備えることが可能である。
【0032】
例示的な実施形態のペンニードルは、既存のプロセスを使用して製造することが可能であり、その後、本発明の例示的な実施形態のハウジング内に組み付けられることにより、製造プロセスを簡易化する。本発明の例示的な実施形態の全体サイズは、以前に新品のニードルを保管するために使用された実質的に同一のスペース内に使用済みのペンニードルを保管するのを可能にすることにより、最小限に抑えられる。さらに、本発明の例示的な実施形態は、ユーザのポケット内などにおいて、搬送の際のユーザの快適性を高めるような、サイズおよび形状ならびに輪郭縁部を有するように作製することが可能である。
【0033】
1つの例示的なヒンジ式シェルハウジング100が、図3に図示される。本発明の第1の例示的な実施形態においては、ハウジング100は、ポイント106にて回転自在に接合される、第1の収容端部102および第2の収容端部104をそれぞれ備える。図示される例示的な実施形態においては、第1の収容端部102および第2の収容端部104は、バレルヒンジ、リビングヒンジ、または他の適切なヒンジ機構を含むがそれらに限定されないヒンジなどの可撓性部材を使用することにより、ポイント106にて回転自在に接合される。本発明のさらに他の実施形態においては、第1の収容端部102および第2の収容端部104は、戻り止め/凹部配列(detent and recess arrangement)(図示せず)を使用することによりポイント106にて共にスナップ嵌めすることが可能である。本発明のさらに他の実施形態は、ハウジング100の第1の収容端部102と第2の収容端部104との間に任意の個数の他の連結手段を使用することが可能である。さらに、本発明の例示的な実施形態は、単一の収容端部102または104のいずれかと、省かれた収容端部の代わりに単なるヒンジカバー(図示せず)とを備えることが可能である。
【0034】
ハウジング100の第1の収容端部102および第2の収容端部104の一方または両方が、覆われた開口108〜118を介して、中に収容された新品のペンニードルへのアクセスを与えることが可能である。第1の収容端部102および第2の収容端部104の開口108〜118はそれぞれ、開口の一方の端部を使用して、開口内に収容された新品のペンニードルにアクセスすることが可能となり、開口の対向端部を使用して、使用済みのペンニードルを保管することが可能となるように、各端部の全長にわたり貫通している。シェルハウジング100は、ヒンジを備えることが可能であり、このヒンジは、開かれると、ハウジングの第1の収容端部102および第2の収容端部104を回転させ、使用済みのペンニードルを受け入れ、保管するために、第1の収容端部および第2の収容端部の開口への内側アクセスを可能にする。
【0035】
開口108〜118内の各新品のペンニードルに対する無菌バリアが、開口108〜118およびそれらの中に収容される新品のペンニードルを覆うために配設されるカバー120〜130により設けられるべきである。無菌バリアは、紙、金属フォイル、プラスチック、または同様の材料から作製することが可能であり、接着剤、熱融着、超音波溶接、または他の適切な手段により開口を覆うために装着され得るものであり、各カバー120〜130は、ユーザがタブおよびカバー120〜130を容易に把持および除去することが可能になるように、タブ要素132〜142を備えることが可能である。本発明の例示的な一実施形態においては、タブ要素132〜142は、ユーザがタブおよびカバー120〜130を容易に把持および引き上げることが可能となるように、異なる接着度合いを有することが可能である。カバー120〜130は、中に収容されるペンニードルの色、マーク、または他の印をさらに備えることが可能である。
【0036】
図4は、シェルハウジング100の第1の収容端部102および第2の収容端部104の対面し合う表面と、開口への内側アクセスとを示すために開かれた、例示的なシェルハウジング100を示す。図4に図示される状況においては、使用済みのペンニードルを配置するためのスペースが、まだ開口内に生じていない。すなわち、図4に図示される状況は、各開口が新品のペンニードルを収容している1つの例示的なシェルハウジング100を示す。少なくとも1つの新品のペンニードルを取り出すことにより、使用済みのペンニードルを挿入するための、内側からアクセス可能な開口スペースが生じる。
【0037】
図示される例示的な実施形態においては、ヒンジ150は、第1の収容端部102と第2の収容端部104との間のポイント106に設けられる。ヒンジ150は、バレルヒンジ、リビングヒンジ、または他の回転自在機構などの、任意の個数の回転自在要素を備えることが可能である。さらに、ヒンジ自体が、シェルハウジングを閉鎖された状態に保持するのに十分に付勢されない場合には、ハウジング100の第1の端部102とハウジング100の第2の端部104との間の閉鎖を固定するために、1つまたは複数の固定タブ101および103を、第1の収容端部102および第2の収容端部104の少なくとも一方の上に設けることが可能である。図示される1つの例示的な実施形態においては、固定タブ101および103は、傾斜戻り止めを端部に有するたわみ可能部材を備えることが可能であり、このたわみ可能部材は、ハウジング100のヒンジ150の対向側の第1の収容端部102および第2の収容端部104の少なくとも一方の中に設けられた対応する開口105および107との接触によりたわむことが可能であり、これらの開口の中に解除自在に固定される。本発明のさらに他の実施形態においては、付勢されたヒンジまたはプレス嵌めなどの他の要素を使用して、ハウジング100の第1の端部102とハウジング100の第2の端部104との間の閉鎖を固定することが可能である。
【0038】
さらに図4に図示されるように、ハウジング100の第1の収容端部102および第2の収容端部104の対面し合う表面は、使用済みのペンニードルを受け入れ、保管するための、開口108〜118への内側アクセスを備える。具体的には、一連の開口152〜162は、第1の収容端部102および第2の収容端部104の対向側の端部にてカバー120〜130の除去後にアクセス可能となる新品のペンニードルの1つまたは複数を取出した後に、使用済みのペンニードルを受け入れ、保管するための第1および第2の対向し合う収容端部の開口108〜118への内側アクセスをもたらす。本発明の例示的な一実施形態においては、開口108〜118および152〜162は、実質的に円形であり、摺動自在な内側ホルダ164〜174を中に収容し、これらの摺動自在な内側ホルダ164〜174が、開口108〜118および152〜162を区分し、一方の側に新品のペンニードルを固定するための機構を提供し、反対側に使用済みのペンニードルが挿入された場合にはこの使用済みのペンニードルを固定する。
【0039】
図5にさらに詳細に示されるように、摺動自在な内側ホルダ164〜174は、新品のペンニードルのシールド59を解除自在に固定し、次いで新品のペンニードルが取り出される際に前方に引かれ、前方位置にてロックし、それにより、挿入および保管されることとなる使用済みのペンニードルのための、ハウジング100の第1の収容端部102および第2の収容端部104の対面し合う表面からアクセス可能な内側スペースが生じるように、設けられ、構成され得る。こうするために、摺動自在な内側ホルダ164〜174は、さらに、ハウジング100の第1の収容端部102および第2の収容端部104の対面し合う表面からアクセス可能な内側スペース内に挿入された場合に、使用済みのペンニードルを固定するように、設けられ、構成され得る。
【0040】
摺動自在な内側ホルダ164〜174は、新品のペンニードルのキャップを施された患者側端部側を解除自在に固定する、開口08〜118に対面する側部と、使用済みのペンニードルが挿入された際にこのペンニードルを固定する、内側開口152〜162に対面する側部とを有し、各スペース間に離隔部材を形成する。図4および図5に図示されるように、摺動自在な内側ホルダ164〜174はそれぞれ、平坦な第2の側を有し、この第2の側は、開口152〜162を実質的に充填し、一連のタブ188〜210により各開口152〜162内に捕捉されるように構成される。一連のタブ188〜210は、摺動自在な内側ホルダ164〜174の逃げを防ぐように、開口152〜162の内方周縁部からある距離だけ延在する。さらに、図6に図示されるように、タブ188〜210はそれぞれ、リブ314(各開口において同様に再現されるが、例示のために1つのみを図示する)から延在し、このリブ314は、開口152〜162のそれぞれの内方壁部に沿って配設され、摺動自在な内側ホルダ164〜174のそれぞれの中のノッチ316(各摺動自在な内側ホルダ上において同様に再現されるが、例示のために1つのみを図示する)を案内する。
【0041】
さらに、摺動自在な内側ホルダ164〜174の第2の端部のそれぞれが、使用済みのペンニードルのための捕捉開口を与えるために図5に図示されるように実質的に円形の孔318〜328を備え、これらの孔318〜328は、以下においてさらに詳細に説明されるように各摺動自在な内側ホルダ164〜174の第1の側に新品のペンニードルの内方シールド59のための捕捉開口を与えるために、実質的に円形の孔290〜294(各摺動自在な内側ホルダ上において同様に再現されるが、例示のために3つのみを図示する)から真逆に配設される。
【0042】
やはり図4および図5に図示されるように、摺動自在な内側ホルダ164〜174はそれぞれ、可撓性部材260〜270(各摺動自在な内側ホルダ上において同様に再現されるが、例示のために6つのみを図示する)の端部に配設される傾斜突出部236〜246(各摺動自在な内側ホルダ上において同様に再現されるが、例示のために6つのみを図示する)のためのある程度の隙間を与えるために1つまたは複数のノッチ212〜234を有する。可撓性部材260〜270は、開口152〜162のそれぞれの内方壁部との接触方向に弾性的に付勢される。かかる接触は、摺動自在な内側ホルダ164〜174の若干対向し合う移動を含むがそれに限定されない、複数の目的を果たす。さらに、摺動自在な内側ホルダ164〜174が、ペンデバイス(図示せず)に装着された際に新品のペンニードルの取出しにより引かれる際に、(図示される一例に関して)図5に図示されるような位置から図6に図示される位置まで移動されると、傾斜突出部236〜246は、各開口152〜162の端部付近にて、および開口108〜112付近のポイントにて、ショルダ330〜340(各開口中に存在するが、例示のために6つのみを図示する)に接触し、各開口の内方壁部上に配設されたショルダ330〜340(各開口中に存在するが、例示のために6つのみを図示する)を過ぎて引かれるまで内方にたわめられる。この時点で、傾斜突出部236〜246は、開口342〜352(各開口中に存在するが、例示のために6つのみを図示する)内に非たわみ状態に戻り、次いで開口152〜162の対向端部にて、および開口108〜112付近のポイントにて摺動自在な内側ホルダ164〜174を固定する。かかる位置に来ると、例えばペンニードルに装着されたシールド59は、(図示される一例に関して)図6に図示されるように摺動自在な内側ホルダ164の第1の端部の円形孔290からペンニードルと共に自由に引かれるか、またはペンニードルは、ハウジングシェル内に残されるシールド59から自由に引かれる。
【0043】
各摺動自在な内側ホルダ164〜174の第1の端部は、開口108〜118のそれぞれの中に新品のペンニードルの内方シールド59を解除自在に固定するように構成された中央孔290〜294(各摺動自在な内側ホルダ上において同様に再現されるが、例示のために3つのみを図示する)を備える。そのようにするために、本発明の例示的な一実施形態は、定位置におかれた場合に新品のペンニードルシールド59をしっかりと保持するが、ペンニードルが取出された場合には新品のペンニードルに対して依然として装着されたままの新品のペンニードルのシールド59を解除するのに十分な直径および深さの実質的に円形の開口として、かかる中央孔290〜294(各摺動自在な内側ホルダ上において同様に再現されるが、例示のために3つのみを図示する)を提供することが可能である。すなわち、ニードルの取出しは、ユーザによる使用前の内方シールドの取外しが必要となる、ハウジングシェルからのニードルおよびシールド59を共に取り外すことによってか、または、ハウジングシェル内にシールド59を残しつつシールド59からニードルを取り外すことによって、達成される。解放開口(relief openings)302〜312(各摺動自在な内側ホルダ上において同様に再現されるが、例示のために6つのみを図示する)が、各中央孔290〜294を囲むように設けられ、部材260〜284および傾斜突出部236〜258のたわみのためのスペースを与えることが可能である。
【0044】
上記のように、開口152〜162と開口108〜118との間の通路はそれぞれ、内方壁部を備え、この内方壁部上においては、部材314が、各摺動自在な内側ホルダ164〜174中のノッチ316との接触により摺動自在な内側ホルダ164〜174を案内するために使用される。本発明の例示的な一実施形態においては、部材314は、開口152〜162と開口108〜118との間の通路の内方壁部上に配設されたレールとして形成される。このようにする際に、部材314は、それぞれの中のノッチ316との接触により摺動自在な内側ホルダ164〜174を案内するために使用され、さらに、中に収容されたまたは中に挿入された新品のペンニードルおよび使用済みのペンニードルの回転を防ぐための突出部としてさらに設けられて、ペンおよびハウジングシェルに対するペンニードルの着脱を可能にする。具体的には、中央孔290〜294が、各開口内において新品のペンニードルのシールド59を解除自在に固定する場合に、部材314およびノッチ316は、新品のペンニードルの回転を防いで、ペンデバイスおよびハウジングシェルに対する新品のペンニードルの着脱を可能にする。同様の態様において、孔318〜328が、各開口内において使用済みのペンニードルを固定する場合には、部材314およびノッチ316は、使用済みのペンニードルの回転を防いで、使用済みのペンニードルをハウジングシェル内に保持しつつ、ペンからの使用済みのペンニードルの取外しを可能にする。
【0045】
さらに、摺動自在な内側ホルダ164〜174の摺動自在移動端部付近のポイントにて、開口の内方壁部は、摺動自在な内側ホルダ164〜174の同様のショルダ354(各摺動自在な内側ホルダ上において同様に再現されるが、例示のために1つのみを図示する)に接触し、第1の(前方)方向への摺動移動を停止させるための、ショルダ330〜340を備える。しかし、傾斜突出部244および246は、たわめられ、ショルダ338および340を通過し、開口350および352内に非たわみ状態へと戻り、次いで内方壁部中に設けられた開口350および352内に捕捉され、これらの開口の対向端部に摺動自在な内側ホルダ164〜174を固定し、第2の(後方)方向への摺動自在移動を防ぐ。この位置において、摺動自在な内側ホルダ164〜174は、さらなる前方または後方への移動が防がれ、回転不能となる。
【0046】
図6および図7に図示されるように、摺動自在な内側ホルダ164〜174の移動が、この態様で停止されると、新品のペンニードルは、ハウジング100から自由に引かれ、シールド59が、次いでデバイス使用のために取り外すことが可能になり、またはニードルが、ハウジングシェル内に残されるシールド59から取り外すことが可能になる。さらに、摺動自在な内側ホルダ164〜174の移動が、この態様で停止されると、使用済みのペンニードルは、新品のペンニードルの取出しの際に摺動自在な内側ホルダ164〜174の移動により生じる、この時点で空いたスペース内に配置することが可能となり、孔318〜328に係合して、保管のために閉じられる開口およびハウジング内に使用済みのペンニードルを固定する。
【0047】
新品のペンニードルの取出し作業は、ハウジング100が開かれたまたは閉じられた状態で実施することが可能である。この理由は、新品のペンニードルが、ヒンジポイントの対向側のハウジングの端部の覆われた開口108〜118を介してアクセス可能であるためである。図8は、保管のためにハウジング100内に使用済みのペンニードルを配置して戻した図である。図8に図示されるように、ハウジング100は、ユーザが、上述のように新品のペンニードルの取出しにより生じた、開口152〜162の1つの中に与えられた内側スペースにアクセスすることが可能となるように、初めに開かれる。この時点において、摺動自在な内側ホルダは、開口内に深くに位置決めされている。したがって、ユーザは、開口156内に使用済みのペンニードルを挿入することが可能となり、摺動自在な内側ホルダ(図示せず)の第2の端部に係合することが可能となる。具体的には、使用済みのペンニードルは、摺動自在な内側ホルダの第2の端部に係合され、それにより開口156内に使用済みのペンニードルを固定し、ペンが、この時点で開口156内に深く固定的に保持されている使用済みのペンニードルから螺合解除されるか、または他の態様で外される。次いで、ハウジング100は、閉じることが可能となり、使用済みのペンニードルは、安全に保管され、新品のペンニードルもまた、同一のハウジング内に安全に保管され、アクセス可能となる。
【0048】
上記のように、図2Bおよび図2Cは、図2Aのペンニードルの斜視図であり、ペンニードルは、ハブ20、突出部68、および患者針11を備える。ハブ20の非患者側端部内に配設される隔膜穿刺針カニューレ18は、患者針11と流体連通し、ハブ20の非患者側端部の内側は、ペンインジェクタと連結するためのねじ山または他の特徴部72を備える。本発明のこれらのまたは他の例示的な実施形態においては、ペンニードルは、カニューレの患者側端部および非患者側端部の両方の無菌性が維持される限りにおいては、上述の特徴の中の1つまたは複数を省くことが可能である。例えば、1つの例示的なペンニードルは、ハブ/カニューレアセンブリのみを有する状態で提供することも可能である。
【0049】
本発明の別の例示的な実施形態においては、マルチパックアセンブリ100が、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、およびアクリロニトリルブタジエンスチレン材料の中の1つまたは複数から作製されてもよいが、これらに限定されない。さらに、マルチパックアセンブリ100および/またはカバー120〜130は、中に保管される新品のペンニードルの特定を容易化するために、カラーコード化されるかまたは他の態様で印しを付けられ得る。さらに、図示される例示的な実施形態は、ポイント106にて回転自在に接合される第1の収容端部102および第2の収容端部104をそれぞれ備えるが、本発明の他の実施形態においては、第1および第2の収容端部は、回転不能に接合されてもよく、または、一方の収容端部のみを設け、省かれた収容端部の代わりにヒンジキャップを設けることも可能である。
【0050】
本発明のさらに他の実施形態においては、マルチパックアセンブリは、ユーザにより2セット、4セット、または同様のセットへと分割され得るものであり、それにより、ユーザが搬送することとなる新品のペンニードルの個数を選択することが可能となるものである。図9は、本発明の別の例示的な実施形態による、かかるユーザによる分離が可能な収容端部を有するマルチパックアセンブリの斜視図である。図示される例示的な実施形態においては、マルチパックアセンブリ200は、収容端部同士の間にてミシン目を入れられることにより、依然として無菌性を維持し、上述のように新品および使用済みのペンニードルを保管することが可能な状態を維持しつつ、ユーザがハブの中央軸に沿って2つの収容端部を切り離すまたは分離することを可能にする。かかる実施形態においては、ミシン目を入れられた薄いセクション202が、かかるユーザによる分離を可能にするように、各収容端部204同士の間に設けられる。
【0051】
本発明のさらに他の実施形態においては、マルチパックアセンブリは、ユーザにより2セット、4セット、または同様のセットの追加の収容端部を加えられることによって、拡張することが可能であり、これにより、ユーザは、搬送されることとなる新品のペンニードルの個数を選択することが可能となる。例えば、マルチパックアセンブリは、依然として無菌性を維持し、上述のように新品および使用済みのペンニードルを保管することが可能な状態を維持しつつ、ユーザが追加の収容端部を連結解除または連結することが可能となるように、収容端部同士の間にコネクタを有することが可能である。かかる実施形態においては、矩形部材および対向側の開口など、雄戻り止めを、各収容端部の一方の側部上に設け、雌開口を、各収容端部の対向側上に設けることにより、スナップ嵌めの態様でのかかるユーザによる分離および組合せを可能にすることができる。あるいは、フェイルおよびガイド(fail and guide)または蟻ほぞ機構を設けることによってなど、摺動コネクタ機構を使用して、ニードルの収容端部を着脱することが可能である。
【0052】
さらに、本発明のこれらのまたは他の例示的な実施形態においては、最終ニードルの使用後に、ユーザがハウジングを手動的にロックして(すなわちハウジングを閉鎖された状態に手動的にロックして)、安全な処分を可能にし得るように、ロックアウトシステムおよび方法を提供することが可能である。例えば、手動ロックをニードル保管アセンブリ上に設けることにより、最終使用後のユーザによる保管アセンブリの手動ロックを可能にし、それにより保管アセンブリの安全な処分を可能にし、再使用を防ぐことが可能となる。本発明のこれらのおよび他の例示的な実施形態においては、非常用ニードル特徴部を設けることもまた可能であり、非常時に使用するために、ユーザが少なくとも1つの新品または使用済みのニードルにアクセスできるように、少なくとも1つの新品または使用済みのニードルをアクセス可能な状態に保つことが可能である。あるいは、本発明のさらに他の実施形態においては、1つのみのニードルを、常にアクセス可能なものとして用意することが可能であり、これにより、非常時に使用するための使用可能なニードルが確保される。他のペンニードルは、保管アセンブリ内にロックすることが可能であり、アクセス可能でなくてもよい。
【0053】
本発明のさらに別の例示的な実施形態においては、デバイスの内方機構を単純化するため、および無菌バリアの課題のために、代替設計を提供することが可能である。例えば、このデバイスは、各ペンニードルについて1つのみの開口端部を備えることが可能である。この開口は、内部に位置し、デバイスのヒンジが開かれた場合にのみアクセスし得るものであるか、またはこの開口は、外部に位置することが可能であり、この場合には、リビングヒンジは不要となる。さらに、カバーが、これらの開口のいずれかの上に設けられてもよく、新品のペンニードルが、取り出され、使用済みのペンニードルが、同じスペースに戻される。かかる例示的な実施形態においては、上述のデバイスの内方要素および機構の多くを無くすことが可能となり、それにより、製造プロセスを簡易化することが可能となる。
【0054】
本発明のこの例示的な実施形態においては、シールドの蛇行経路などにより形成される無菌バリアが、ペンニードルの患者側端部上に設けられるが、ペンニードルの患者側端部のかかる蛇行経路は、改良されてもよい。例えば、中実片を各ニードルの患者側端部の端部に設けることが可能であり、この場合には、かかる例示的な中実片は、ハウジングシェル中の空洞部または開口の壁部にぴったりと接触した状態で取り付けられるように構成することが可能であり、この中実片は、熱融着の実施または接着剤によってなどある態様でハウジングシェルの内方壁部に対してシールされるかまたは他の態様で固定されることにより、この壁部に中実片を固定することが可能となる。その後、限定された牽引力の印加を利用して、壁部から中実片のシールを破り、ハウジングシェルの空洞部から新品のペンニードルを引き出すことを可能にし得る。かかる例示的なシールは、患者側端部上に無菌バリアを形成または補足するように構成することが可能である。
【0055】
本発明のさらに別の例示的な実施形態においては、このデバイスは、ペンニードルの各端部上に無菌バリアを設けるために、個々の駆動部の各端部上にカバーを配置することを含むことが可能である。この例示的な実施形態においては、非患者側接触端部上のカバーは、ペンにペンニードルを装着する前に除去されねばならない。次いで、空洞部の患者側のカバーは、デバイスに使用済みのペンニードルを戻す前に除去されなければならない。
【0056】
上記のように、本発明の別の態様によれば、1つまたは複数の新品のペンニードルを収容し、次いでそのペンニードルを送り出し、使用済みのペンニードルを受け入れ、次いでそのペンニードルを安全かつしっかりと保管するためのマルチパックアセンブリを、チューブ形状構造体内に個別に収容される複数のペンニードルを備えるデバイスによって提供することが可能である。各新品のペンニードルのための無菌バリアを、各ペンニードルの非患者側端部を覆うカバーにより設け、形成すべきであり、各ペンニードルは、チューブ構造体の分離された個別にアクセス可能なセクションまたはユニット内に収容することが可能であり、チューブ構造体の隣接し合うユニットは、ヒンジにより連結することが可能である。
【0057】
図10は、本発明の別の例示的な実施形態によるフリップ開口マルチパックアセンブリの斜視図であり、図11は、図10のデバイスの拡大断面図である。図10は、本発明の一実施形態によるフリップ開口マルチパックチューブアセンブリ400の斜視図である。アセンブリ400は、複数のペンニードル410を保管するための複数のポッドまたは保管ユニットを備える。例えば、図10に図示されるように、アセンブリ400は、第1から第5の保管ユニット404、408、412、416、および420を備える。複数のペンニードルは、各保管ユニット404〜420内に個別に収容される。ヒンジ連結される個々の保管ユニット404〜420は、後に説明することとのある他の機能に加えて、図2Aの内方シールドおよび外方カバーに置き換わる。しかし、他の例示的な実施形態においては、内方シールドは、ペンニードルおよび保管ユニット404〜420と組み合わせて使用することが可能である。
【0058】
図10に図示されるように、第1の保管ユニット404は、残りの保管ユニットとは異なり、蓋用ヒンジ428により第1の保管ユニット404に連結される蓋424を有する。さらに、ヒンジ432が、残りの各保管ユニット408〜420を隣接する保管ユニットに連結する。図10に部分的に図示されるように、一実施形態によれば、蓋用ヒンジ428およびヒンジ432は、アセンブリ400の両側に交互に配設され、それにより、以下においてさらに詳細に説明するように、各保管ユニットは、隣接する保管ユニット(または複数の保管ユニット)とは逆の方向に開かれる。しかし、本発明のさらに他の例示的な実施形態においては、蓋用ヒンジ428およびヒンジ432は全て、本発明の範囲から逸脱することなく、一方の側に配設されてもよい。蓋用ヒンジ428およびヒンジ432は、例えば、リビングヒンジであってもよい。リビングヒンジは、当技術を知る者には理解されるであろうゆえに、本明細書においてはさらに詳細には説明しない。
【0059】
一実施形態によれば、無菌カバー436は、各保管ユニット404〜420に無菌バリアを与える。以下においてさらに詳細に説明されるように、各保管ユニット404〜420が、アクセスを受ける際に、無菌カバー436は、中に収容される無菌ペンニードルにアクセスするために除去される。この無菌カバーは、開口および中に収容される新品のペンニードルを覆うために設けられるべきである。無菌バリアは、紙、金属フォイル、プラスチック、または同様の材料から作製することが可能であり、接着剤、熱融着、超音波溶接、または他の適切な手段により開口を覆うように接着させることが可能であり、カバーはそれぞれ、ユーザがタブおよびカバーを容易に把持および除去することが可能になるように、タブ要素を備えることが可能である。本発明の例示的な一実施形態においては、無菌カバー436の端部は、ユーザがタブを容易に把持および引き上げることが可能となるように、異なる接着度合いを有することが可能である。無菌カバー436は、中に収容されるペンニードルの色、マーク、または他の印をさらに備えることが可能である。
【0060】
図11は、アセンブリ400の図10における線A‐Aに沿った断面の斜視図である。図11に図示されるように、各保管ユニット404〜420は、ペンニードル410の非患者側端部が保管ユニットの頂部方向に配向された状態で、ペンニードル410を封入する。さらに、図10および図11に図示されるように、複数の閉鎖部材またはタブ440が、保管ユニット上に配設され、各閉鎖部材440は、隣接する保管ユニット(408〜420)の内部を閉鎖するために、隣接する保管ユニット(408〜420)に選択的に係合する。逆に、以下においてさらに詳細に説明されるように、各閉鎖部材440は、連結ヒンジ432を中心とする回転により隣接する保管ユニット(408〜420)の内部へのアクセスを与えるために、隣接する保管ユニット(408〜420)から選択的に係合解除される。
【0061】
図11に図示されるような一実施形態によれば、閉鎖部材440が、第1から第4の保管ユニット404〜416の両側に対で配設される。さらに、以下においてさらに詳細に説明されるように、各閉鎖部材440は、隣接する保管ユニット(408〜420)と選択的に係合および係合解除するために、その第1の端部に配設された係合部材444を有する。さらに、以下においてさらに詳細に説明されるように、各閉鎖部材440は、ユーザとのやり取りのためにその第2の端部に配設されたユーザ部分448を有する。さらに、図11に図示されるように、各閉鎖部材440は、ウェブ452により対応する保管ユニット(440〜416)に連結される。ウェブ452は、閉鎖部材440と対応する保管ユニットとの間に構造的連結部をもたらし、さらに、枢軸として機能し、対応する保管ユニットに対する閉鎖部材440の回転を可能にするように十分な可撓性を有する。
【0062】
次に、図12〜図14を参照として、アセンブリ400の作動を説明する。図12および図13は、新品のペンニードルを取り出すために準備されつつある、図10のデバイスの斜視図であり、図14は、本発明の例示的な一実施形態による、新品のペンニードルが取り出された状態の、図10のデバイスの斜視図である。
【0063】
図12に図示されるように、第1の保管ユニット404内のペンニードル410にアクセスするために、ユーザは、無菌カバー436を出現させるために、蓋用ヒンジ428を中心として蓋424を回転させる。図12に図示されるように、無菌カバー436は、タブ部分456およびクロージャ部分460を備える。蓋424を開いた後に、ユーザは、第1の保管ユニット404に接着されたカバー部分460を剥がすために、タブ部分456を把持および引き上げる。無菌カバー436の除去により、第1の保管ユニット404内に収容されたペンニードル410の非患者側端部へのアクセスが与えられる。次いで、ユーザは、使用するために、ペンニードルの非患者側端部にペンインジェクタ450を連結する。
【0064】
使用後に、ユーザは、ペンニードル410を、それが元々あった同一の保管ユニットに戻す。上述の例においては、ユーザは、第1の保管ユニット404からペンニードル410を取り出したため、第1の保管ユニット404に使用済みのペンニードル410を戻し、ペンニードル410からペンインジェクタ450を係合解除し、蓋用ヒンジ428を中心として蓋424を回転させることにより第1の保管ユニット404を閉じることが可能である。
【0065】
第1の保管ユニット404内のペンニードルにアクセスするのに対して、その後に第2から第5の保管ユニット408〜420のいずれかの中のペンニードル410にアクセスすることによる新品のペンニードルの取出しは、別の方法により達成される。例えば、図13に図示されるように、第3の保管ユニット412内のペンニードル410にアクセスするために、ユーザは、第2の保管ユニット408の閉鎖部材440のユーザ部分を把持し、押し込む。ウェブ452が可撓性であることにより、この押し込みによって、第2の保管ユニット408に対して閉鎖部材440が回転される。さらに具体的には、この押し込みにより、第2の保管ユニット408に対して係合部材444が外方に回転し、それにより第3の保管ユニット412から係合部材444が係合解除される。
【0066】
図13に図示されるように、第3の保管ユニット412は、第2の保管ユニット408の閉鎖部材440の係合部材444に対応する一対の保持部材464を有する。一実施形態によれば、保持部材464は、第3の保管ユニット412両側から延在するボスである。さらに他の例示的な実施形態においては、保持部材464は、第3の保管ユニット412の両側からくぼんだ戻り止めである。閉じられると、フック様係合部材444は、保持部材464に係合する。しかし、閉鎖部材440が、ユーザにより押し込まれ回転されると、係合部材444は、保持部材464から解放される。閉鎖部材440が、第1から第4の保管ユニット404〜416上に配設されると、対応する保持部材464は、第2から第5の保管ユニット408〜420上に配設される。
【0067】
図13に図示されるように、保持部材464から閉鎖部材440を係合解除した後に、ユーザは、ヒンジ432を介して、第3から第5の保管ユニット412〜420から離れるように、第1の保管ユニット404および第2の保管ユニット408を回転させる。その後、第1の保管ユニット404内のペンニードル410へのアクセスと同様に、ユーザは、無菌カバー436を除去し、図14に図示されるように、使用するためにペンニードル410の非患者側端部にペンインジェクタ450を連結する。使用後に、ユーザは、第3の保管ユニット412にペンニードル410を戻し、ペンニードル410からペンインジェクタ450を係合解除し、第2の保管ユニット408の閉鎖部材440の係合部材444が第3の保管ユニット412の保持部材464に係合するまで、ヒンジ432を中心として第1の保管ユニット404および第2の保管ユニット408を回転させることにより、アセンブリ400を閉じる。
【0068】
図15は、第1の保管ユニット404の送出し端部の拡大斜視図であり、図16は、第1の保管ユニット404の送出し端部の端面図である。明瞭化のため、蓋424およびペンニードル410は、図15および図16には図示しない。図15および図16に図示されるように、第1の保管ユニット404の送出し端部は、複数の回転防止/保持構造部468を備える。第1の保管ユニット404のみが示されるが、各保管ユニット404〜420が、かかる回転防止/保持構造部468を備える。第1の保管ユニット404の送出し端部にて、回転防止/保持構造部468は、ペンニードルのハブと協働して、ペンニードルが送出し位置にある場合にペンニードルの回転を防ぐ。例えば、ペンニードルが、第1の保管ユニット404内において送出し位置にあり、回転防止/保持構造部468が、ハブ20のリブ64(図2Bおよび図2Cを参照)に係合される場合には、回転防止/保持構造部468は、ペンニードルの回転を防止し、ユーザがハブ20のねじ山72内にペンインジェクタまたは薬剤カートリッジを螺合させることによりハブにペンインジェクタまたは薬剤カートリッジを連結するのを可能にする。ペンインジェクタに対する連結の際にペンニードルの回転が防がれる間に、連結後に、回転防止/保持構造部468とペンニードルとの間の嵌着により、ユーザによる第1の保管ユニット404からの組み合わされたペンインジェクタおよびペンニードルの軸方向への引き出しが可能になる。
【0069】
逆に、第1の保管ユニット404に使用済みのペンニードルが戻される場合には、ユーザは、第1の保管ユニット404内にペンニードルを軸方向に挿入して、回転防止/保持構造部468にハブ20のリブ64を係合させる。この係合の後に、ユーザは、ハブ20のねじ山72からペンインジェクタを螺合解除するためにペンインジェクタを回転させ、それによりペンニードルからペンインジェクタを係合解除させる。回転防止/保持構造部468とペンニードルとの間の嵌着により、第1の保管ユニット404からのペンニードルの取出しに対して抵抗がもたらされ、無菌カバー436の除去後に第1の保管ユニット404からペンニードルが簡単に外れるのが防止される。
【0070】
図17は、第1の保管ユニット404の送出し端部を覆う無菌カバー136の別の実施形態の斜視図である。例えば図12においては、無菌カバー436のタブ部分456が、アセンブリ400の外部上に配設されるが、図17においては、タブ部分472は、カバー部分460の頂部を覆って折り込まれ、カバーが閉じられるとカバー424により閉じられる。同様に、図示しないが、隣接し合う保管ユニット404〜416は、閉じられた際に残りの無菌カバー436のタブ部分472を密閉する。本発明のさらに他の例示的な実施形態においては、無菌カバー436は、カバー424および/または隣接し合う保管ユニット404〜416を開く動作により、固定および/または除去され得る。本発明のさらに他の例示的な実施形態においては、周縁無菌カバーが、設けられ、個々のペンニードルにアクセスする前に剥がされ得る。本発明のさらに他の例示的な実施形態においては、無菌カバー436は、省くことが可能であり、個々の保管ユニット404〜420間の閉鎖およびカバー424と第1の保管ユニット404との間の閉鎖は、成形嵌めまたは締まり嵌めされる蛇行経路であることが可能であり、これにより無菌バリアが形成される。当業者には知られているように、蛇行経路閉鎖は、例えばラビリンス経路または螺合閉鎖などによりこの製品に対して回旋状通路を与えることによって実現される、浮遊微生物に対するバリアとして定義することが可能である。
【0071】
患者は、ペンインジェクタの使用および搬送に慣れているので、本発明のこれらの例示的な実施形態の1つの利点は、搬送の容易なアセンブリの形態の、使用済みのペンニードルを収容しおよび送り出し、新品のペンニードルを保管するための、コンパクトで便利な装置を提供することである。ペンニードル保管アセンブリ上にロックを設けることが可能であり、これにより、ユーザは、保管アセンブリを手動的にロックして、このアセンブリを安全に処分することが可能となる。好ましくは、かかるロックは、最後のペンニードルが使用された後にのみ作動可能となるが、実施形態はそれに限定されない。本発明の別の例示的な実施形態においては、1つまたは複数の使用済みのペンニードルが、非常時にユーザが使用済みのペンニードルにアクセスできるように、アクセス可能な状態に留まる。他のペンニードルが、アクセス可能であるか、または保管アセンブリ内にロックされることも可能である。
【0072】
前述の実施形態および利点は、例示的なものに過ぎず、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。様々な修正形態、代替形態、および変形形態が、当業者には明らかになろう。またこれらは、添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物において規定されるような本発明の範囲内に含まれるように意図される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
注射装置の新品のペンニードルおよび使用済みのペンニードルの両方を保管するためのアセンブリにおいて、
対向し合う第1の収容端部および第2の収容端部を備えるハウジングシェルであって、前記第1の収容端部および前記第2の収容端部は、1つの収容端部が前記対向する収容端部に対して回転することが可能になるように回転自在に装着され、それにより前記ハウジングシェルの内側表面が、前記回転によってアクセス可能となる、ハウジングシェルを備え、
前記収容端部は、前記ハウジングシェルの外方表面からアクセス可能な1つまたは複数の隣接し合う開口と、前記回転の後に前記ハウジングシェルの前記内側表面からアクセス可能な1つまたは複数の開口とを備え、前記1つまたは複数の隣接し合う開口ならびに前記1つまたは複数の開口は、新品のペンニードルおよび使用済みのペンニードルを収容および保管するように構成されていることを特徴とするアセンブリ。
【請求項2】
対向し合う前記第1の収容端部および前記第2の収容端部の前記開口はそれぞれ、各収容端部の全長にわたって貫通することが可能であり、前記開口の一方の端部は、中に収容される新品のペンニードルにアクセスするために使用することが可能であり、前記開口の対向側の端部は、使用済みのペンニードルを保管するために使用することが可能であることを特徴とする請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
開かれた場合に、前記ハウジングシェルの対向し合う前記第1の収容端部および前記第2の収容端部を回転させ、使用済みのペンニードルを受け入れ、保管するために前記ハウジングシェルの前記内側表面ならびに対向し合う前記第1の収容端部および前記第2の収容端部の前記開口へのアクセスを可能にするように、対向し合う前記第1の収容端部および前記第2の収容端部を回転自在に固定するためにヒンジをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記ハウジングシェルの対向し合う前記第1の収容端部および前記第2の収容端部のそれぞれの内の前記開口の1つまたは複数が、ペンニードルのシールドを解除自在に固定するように構成された摺動自在な内側ホルダを備えることを特徴とする請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記摺動自在な内側ホルダは、新品のペンニードルが取り出される際に前記開口内を移動し、前方位置にてロックし、挿入および保管されることとなる使用済みのペンニードルのために、前記開口内であって、前記新品のペンニードルの取出し側に対向する側の開口内に、前記ハウジングシェルの前記内側表面からアクセス可能なスペースをもたらすように構成されることを特徴とする請求項4に記載のアセンブリ。
【請求項6】
前記ハウジングシェルは、前記隣接し合う開口間において易壊性であることを特徴とする請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項7】
前記アセンブリは、直列配置されたペンニードル保管セクションのチューブ形状構造体を備え、各ペンニードルは、前記直列配置されたペンニードル保管セクション内に収容され、前記チューブ構造体の隣接し合うセクションは、ヒンジ連結されることを特徴とする請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項8】
各セクションが、
各セクションの両側の、ユーザがたわませることが可能な閉鎖部材であって、隣接するセクションから選択的に係合および係合解除するための、第1の端部に配設される係合部材と、ユーザがたわませるための、第2の端部に配設されるユーザ部分とを備える、閉鎖部材を備え、
各閉鎖部材は、前記閉鎖部材と前記対応するセクションとの間に構造的連結を提供し、旋回軸として機能し、前記対応するセクションに対する前記閉鎖部材の回転を可能にするウェブを備えることを特徴とする請求項7に記載のアセンブリ。
【請求項9】
前記ハウジングシェルは、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、およびアクリロニトリルブタジエンスチレン材料の中の1つまたは複数から作製することが可能であることを特徴とする請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項10】
単一の保管アセンブリ内に注射装置の新品のペンニードルおよび使用済みのペンニードルの両方を保管するための方法において、
カバーを除去して、前記アセンブリの第1の収容端部または第2の収容端部の一方の覆われた開口内に固定された新品のペンニードルにアクセスするステップと、
薬物送達ペンに前記新品のペンニードルを装着するステップであり、前記新品のペンニードルは、前記開口内に解除自在に固定され、回転が防止されている、ステップと、
前記新品のペンニードルを取り出すために前記アセンブリから前記新品のペンニードルを引くステップであり、かかる取出し動作は、前記アセンブリ内の摺動自在な内側ホルダ構成要素を前方に引くのを助け、それにより、挿入および保管されることとなる、後の使用済みのペンニードルのためのスペースを対向端部に生じさせる、ステップと、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項11】
対向し合う前記第1の収容端部と前記第2の収容端部との間のヒンジポイントにて前記アセンブリを開いて、前記使用済みのペンニードルを受け入れ、保管するために、前記生じた開口への内側アクセスを可能にするステップと、
前記空きスペース内に前記使用済みのペンニードルを挿入し、前記回転防止機構に係合させ、前記使用済みのペンニードルから前記ペン注射デバイスを螺合解除し、前記アセンブリの前記開口内に前記使用済みのペンニードルを残すステップと、
保管のために前記アセンブリの前記シェルを閉じるステップと
をさらに含むことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
注射装置の新品のペンニードルおよび使用済みのペンニードルの両方を保管するためのアセンブリにおいて、
第1の収容端部および第2の収容端部を備えるハウジングシェルを備え、
前記収容端部は、前記ハウジングシェルの外方表面からアクセス可能な1つまたは複数の隣接し合う開口を備え、前記開口は、新品のペンニードルおよび使用済みのペンニードルを収容および保管するように構成されることを特徴とするアセンブリ。
【請求項13】
前記第1の収容端部および前記第2の収容端部の前記開口がそれぞれ、無菌バリアを備えることを特徴とする請求項1または12に記載のアセンブリ。
【請求項14】
前記第1の収容端部および前記第2の収容端部の前記開口がそれぞれ、各開口内に前記ペンニードルを解除自在に固定するように構成されたペンニードルの患者側端部のための内方シールドを備えることが可能であることを特徴とする請求項1または12に記載のアセンブリ。
【請求項15】
前記ハウジングシェルの前記第1の収容端部および前記第2の収容端部のそれぞれの中の前記開口の1つまたは複数が、前記開口内にペンニードルを保持し、前記ペンニードルの回転を防ぐための、1つまたは複数の突出部を備えることを特徴とする請求項1または12に記載のアセンブリ。
【請求項1】
注射装置の新品のペンニードルおよび使用済みのペンニードルの両方を保管するためのアセンブリにおいて、
対向し合う第1の収容端部および第2の収容端部を備えるハウジングシェルであって、前記第1の収容端部および前記第2の収容端部は、1つの収容端部が前記対向する収容端部に対して回転することが可能になるように回転自在に装着され、それにより前記ハウジングシェルの内側表面が、前記回転によってアクセス可能となる、ハウジングシェルを備え、
前記収容端部は、前記ハウジングシェルの外方表面からアクセス可能な1つまたは複数の隣接し合う開口と、前記回転の後に前記ハウジングシェルの前記内側表面からアクセス可能な1つまたは複数の開口とを備え、前記1つまたは複数の隣接し合う開口ならびに前記1つまたは複数の開口は、新品のペンニードルおよび使用済みのペンニードルを収容および保管するように構成されていることを特徴とするアセンブリ。
【請求項2】
対向し合う前記第1の収容端部および前記第2の収容端部の前記開口はそれぞれ、各収容端部の全長にわたって貫通することが可能であり、前記開口の一方の端部は、中に収容される新品のペンニードルにアクセスするために使用することが可能であり、前記開口の対向側の端部は、使用済みのペンニードルを保管するために使用することが可能であることを特徴とする請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
開かれた場合に、前記ハウジングシェルの対向し合う前記第1の収容端部および前記第2の収容端部を回転させ、使用済みのペンニードルを受け入れ、保管するために前記ハウジングシェルの前記内側表面ならびに対向し合う前記第1の収容端部および前記第2の収容端部の前記開口へのアクセスを可能にするように、対向し合う前記第1の収容端部および前記第2の収容端部を回転自在に固定するためにヒンジをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記ハウジングシェルの対向し合う前記第1の収容端部および前記第2の収容端部のそれぞれの内の前記開口の1つまたは複数が、ペンニードルのシールドを解除自在に固定するように構成された摺動自在な内側ホルダを備えることを特徴とする請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記摺動自在な内側ホルダは、新品のペンニードルが取り出される際に前記開口内を移動し、前方位置にてロックし、挿入および保管されることとなる使用済みのペンニードルのために、前記開口内であって、前記新品のペンニードルの取出し側に対向する側の開口内に、前記ハウジングシェルの前記内側表面からアクセス可能なスペースをもたらすように構成されることを特徴とする請求項4に記載のアセンブリ。
【請求項6】
前記ハウジングシェルは、前記隣接し合う開口間において易壊性であることを特徴とする請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項7】
前記アセンブリは、直列配置されたペンニードル保管セクションのチューブ形状構造体を備え、各ペンニードルは、前記直列配置されたペンニードル保管セクション内に収容され、前記チューブ構造体の隣接し合うセクションは、ヒンジ連結されることを特徴とする請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項8】
各セクションが、
各セクションの両側の、ユーザがたわませることが可能な閉鎖部材であって、隣接するセクションから選択的に係合および係合解除するための、第1の端部に配設される係合部材と、ユーザがたわませるための、第2の端部に配設されるユーザ部分とを備える、閉鎖部材を備え、
各閉鎖部材は、前記閉鎖部材と前記対応するセクションとの間に構造的連結を提供し、旋回軸として機能し、前記対応するセクションに対する前記閉鎖部材の回転を可能にするウェブを備えることを特徴とする請求項7に記載のアセンブリ。
【請求項9】
前記ハウジングシェルは、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、およびアクリロニトリルブタジエンスチレン材料の中の1つまたは複数から作製することが可能であることを特徴とする請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項10】
単一の保管アセンブリ内に注射装置の新品のペンニードルおよび使用済みのペンニードルの両方を保管するための方法において、
カバーを除去して、前記アセンブリの第1の収容端部または第2の収容端部の一方の覆われた開口内に固定された新品のペンニードルにアクセスするステップと、
薬物送達ペンに前記新品のペンニードルを装着するステップであり、前記新品のペンニードルは、前記開口内に解除自在に固定され、回転が防止されている、ステップと、
前記新品のペンニードルを取り出すために前記アセンブリから前記新品のペンニードルを引くステップであり、かかる取出し動作は、前記アセンブリ内の摺動自在な内側ホルダ構成要素を前方に引くのを助け、それにより、挿入および保管されることとなる、後の使用済みのペンニードルのためのスペースを対向端部に生じさせる、ステップと、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項11】
対向し合う前記第1の収容端部と前記第2の収容端部との間のヒンジポイントにて前記アセンブリを開いて、前記使用済みのペンニードルを受け入れ、保管するために、前記生じた開口への内側アクセスを可能にするステップと、
前記空きスペース内に前記使用済みのペンニードルを挿入し、前記回転防止機構に係合させ、前記使用済みのペンニードルから前記ペン注射デバイスを螺合解除し、前記アセンブリの前記開口内に前記使用済みのペンニードルを残すステップと、
保管のために前記アセンブリの前記シェルを閉じるステップと
をさらに含むことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
注射装置の新品のペンニードルおよび使用済みのペンニードルの両方を保管するためのアセンブリにおいて、
第1の収容端部および第2の収容端部を備えるハウジングシェルを備え、
前記収容端部は、前記ハウジングシェルの外方表面からアクセス可能な1つまたは複数の隣接し合う開口を備え、前記開口は、新品のペンニードルおよび使用済みのペンニードルを収容および保管するように構成されることを特徴とするアセンブリ。
【請求項13】
前記第1の収容端部および前記第2の収容端部の前記開口がそれぞれ、無菌バリアを備えることを特徴とする請求項1または12に記載のアセンブリ。
【請求項14】
前記第1の収容端部および前記第2の収容端部の前記開口がそれぞれ、各開口内に前記ペンニードルを解除自在に固定するように構成されたペンニードルの患者側端部のための内方シールドを備えることが可能であることを特徴とする請求項1または12に記載のアセンブリ。
【請求項15】
前記ハウジングシェルの前記第1の収容端部および前記第2の収容端部のそれぞれの中の前記開口の1つまたは複数が、前記開口内にペンニードルを保持し、前記ペンニードルの回転を防ぐための、1つまたは複数の突出部を備えることを特徴とする請求項1または12に記載のアセンブリ。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2012−50820(P2012−50820A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−176831(P2011−176831)
【出願日】平成23年8月12日(2011.8.12)
【出願人】(595117091)ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー (539)
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
【住所又は居所原語表記】1 BECTON DRIVE, FRANKLIN LAKES, NEW JERSEY 07417−1880, UNITED STATES OF AMERICA
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−176831(P2011−176831)
【出願日】平成23年8月12日(2011.8.12)
【出願人】(595117091)ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー (539)
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
【住所又は居所原語表記】1 BECTON DRIVE, FRANKLIN LAKES, NEW JERSEY 07417−1880, UNITED STATES OF AMERICA
【Fターム(参考)】
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