説明

薬物を投与する方法及び装置

少なくとも2つの薬物を患者に投与する方法が、所定の投与量レベルに基づき、少なくとも1つの第1の薬物を患者に自動的に投与するステップと、第2の薬物に関する上記患者からの要求を受信するステップ203と、上記患者に関する上記少なくとも1つの第1の薬物及び上記第2の薬物の総投与量を決定するステップ207、215と、上記決定された投与量が所定の最大投与量以上である場合指示を提供するステップ209、211、213、217、219、223と、上記決定された投与量が上記所定の最大投与量以下である場合上記要求された第2の薬物を投与するステップ225とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬物を投与する方法及び装置に関する。特に、しかし、排他的にではなく、本発明は、少なくとも1つの薬物をオンデマンドで投与することに関する。
【背景技術】
【0002】
薬物を自動的に投与するデバイスの使用は、増加的に普及するようになっている。これらのデバイスは、患者及び不慣れな介護者が、複雑な投与レジームを管理することを可能にし、患者に非常に大きな独立性を提供する。ディスペンサの1つの既知のタイプは、MD.2ピルディスペンサである(http://www.epill.com/md2.html)。このデバイスは、ディスペンサをプログラムし、そのコンテンツを再充填し、摂取される薬に関するデータが介護者のコンピュータに送信されることにより、家族が介護者として機能することを可能にする。患者の薬物管理は例えば、インターネット接続を用いてリアルタイムに常に監視されることもできる。代替的に、このデバイスは、決められた時間の例えば90分以内に患者が薬を飲むのを忘れた場合、5人までの指定された家族又は介護者への架電を発生させるよう設定されることができる。
【0003】
MD.2ピルディスペンサは、再使用可能な封止可能なカップにおいて薬物を投与する。各カップは、任意の1回に摂取される薬物の必要な投与量でプレロードされる。その後、カップは、所定の時間間隔で投与される。ディスペンサは、60の薬物カップを保持し、1日につき最高6つのカップを投与する。これは、ほとんどの患者にとって3〜4週分の薬物を格納する能力を持つ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
補充が必要である場合、警報及び/又は電話が介護者になされることができる。ディスペンサは、患者に薬物を摂取することを思い出させる警報を与え、「食品と一緒に飲む」といった任意の指示を思い出させるためのユーザインタフェースを含む。このデバイスは、患者が投薬レジームの制約内で早期に薬物を摂取することができる早期投薬機能を与えることもできる。斯かるシステムは、米国特許第4725997号に開示される。米国特許第4725997号は、既存の投薬レジームに対する変化を可能にするが、摂取される既存の薬物を「必要に応じて摂取する」薬物で補完することを提供するものではない。
【0005】
本発明は、少なくとも2つの薬物に対する完全な薬物管理システムを与えようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
これは、本発明の第1の側面による少なくとも2つの薬物を患者に投与する方法により実現される。この方法は、所定の投与量レベルに基づき、少なくとも1つの第1の薬物を患者に自動的に投与するステップと、第2の薬物に関する上記患者からの要求を受信するステップと、上記患者に関する上記少なくとも1つの第1の薬物及び上記第2の薬物の総投与量を決定するステップと、上記決定された投与量が所定の最大投与量以上である場合指示を提供するステップと、上記決定された投与量が上記所定の最大投与量以下である場合上記要求された第2の薬物を投与するステップとを有する。
【0007】
これは、本発明の第2の側面による少なくとも2つの薬物を患者に投与する装置によっても実現される。この装置は、所定の投与量レベルに基づき、少なくとも1つの第1の薬物を自動的に投与する第1の投与チャネルと、上記患者からの要求を受信すると、第2の薬物を投与する第2の投与チャネルと、上記患者に関する上記少なくとも1つの第1の薬物及び上記第2の薬物の総投与量を決定するプロセッサと、上記決定された投与量が所定の最大投与量以上である場合、指示を提供する手段とを有する。
【0008】
こうして、薬物は、既存の投与量レジームに基づき投与され、単一の管理システムにおいて、例えば「必要に応じて摂取される」薬物である第2の薬物で補完されることができる。これは、最大投与量が監視されることを可能にし、上記第1及び第2の薬物の間の過剰投与及び副作用が回避される。第1及び第2の薬物が適切な時間間隔で摂取されることができるよう、最大投与量レベルを制御することはタイミングも制御する。
【0009】
第1及び第2の薬物が必要に応じて独立して投与されることができるよう、第1及び第2の薬物は、別々の投与チャネルを介して投与されることができる。しかしながら、最大投与量は、別々のチャネルにより投与される薬物の量を考慮する。その結果、第1及び第2の薬物を投与するタイミングは、その特定のチャネルからの投与だけでなく、他のチャネルからの他の薬物の投与にも依存する。即ち、チャネル間の相互依存性が存在する。
【0010】
本発明の実施形態において、上記少なくとも1つの第1及び/又は第2の薬物の上記投与量を投与することに関する少なくとも1つの所定の要件が満たされない場合、指示が提供されることもできる。例えば、投与間の副作用を防止するため、第1及び第2の薬物を投与する間の時間間隔を監視するためのタイマーが用いられることができる。この指示は、次の投薬摂取に関して満たされるべき特定の条件に関する指示を提供することになる。例えば、「食べ物と一緒に摂取する」、又は1日のうちの特定の時間に薬物が投与されるべきであることを指示するようなものである。
【0011】
この指示は、第2の薬物の上記投与量が投与されるという態様で提供されることができ、患者に対する視覚及び/又は音声警報が後に続くことができる。こうして、患者は、警報の形式に基づき、投与された投与量を摂取するかどうかを決めることができる。第2の薬物の投与は、記録され、警報として又はコンピュータ上の記録として、介護者及び/又は医療専門家に送信されることができる。すると医療専門家は、第2の薬物の使用に基づき、患者の進行をリモートで評価することができる。例えば、第2の薬物は、痛みを軽減することができ、医療専門家は、患者の不快のレベルを評価し、必要に応じてそれらの薬物又は看護を再評価することができる。
【0012】
代替的に、指示は、第2の薬物の投与量を投与すること、及び視覚及び/又は音声警報を上記患者に対して出すことを防止することができる。従って、危険な投与量レベルは、回避されることができるか、又は第1の薬物により提供される治療に関して悪影響を持たないよう、第2の薬物のレベルが制御されることができる。患者は、警報によりこれに気づかされることができる。
【0013】
視覚及び/又は音声警報は、例えば介護者又は医療専門家のコンピュータ/電話といったリモートノードに送信されることができる。代替的に、又は警報の送信に加えて、患者により行われる薬物の使用のデータが、斯かるリモートノードに送信されることができる。例えば、投与される上記第1及び第2の薬物の投与量に関するデータ、第2の薬物に関してなされる要求であって、投与された要求及び投与されなかった要求に関するデータ、並びに投与される予定であったが、投与されず、患者により摂取されなかった薬物に関するデータが送信されることができる。従って、介護者及び医療専門家は、患者により行われる使用のレベルに気付かされる。更に、警報は、投与が行われなかったことを示すために送信されることができる。これは、ある期間にわたり患者の薬物使用の完全な記録を介護者又は医療専門家に提供する。これは、患者の状態の評価を可能にする点で特に有効であり、薬物を組合せて摂取することの何らかの悪影響に介護者又は医療専門家が対処することを可能にする。これは、患者の看護及びニーズの改良された概要及び評価を提供する。
【0014】
第2の薬物を要求する際に、患者は、現在の投与量レベルに対して警告を受けることができ、第2の薬物が投与されることを望むかを確認をすることができる。
【0015】
ディスペンサは、携帯型とすることができるか、又は、代替的に、ディスペンサの範囲外にあるときであっても、薬を摂取するよう患者にリマインダを出すことができるリモートインジケータを有することができる。ディスペンサは、薬物がディスペンサから除去される時又はリマインダが忘れられるときに関するデータを収集及び格納することができる。ディスペンサは、正確な行動(例えば、水に溶かして飲む)を補強するため、又は介入を示すかもしれない副作用(即ち頭痛)を検出するために用いられることができるアンケートの形で、追加的なデータを集めることもできる。このデータは、更なる解析のためリモートサーバに通信されることができる。このサーバは、医療専門家、コールセンタ又は介護者からの介入を生み出すため、このデータを分析することができる。格納されたデータは、患者又は介護者の直接的な利益のため、ローカルデバイスにより読み出されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態による装置の簡略的な概略を示す図である。
【図2】本発明の実施形態による方法のフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明のより完全な理解のため、添付の図面と共に以下の説明が参照される。
【0018】
図1を参照すると、この装置100は、第1及び第2の投与チャネル101、103を有する。第1及び第2の投与チャネル101、103は、それぞれ第1及び第2の装填機構105、107に接続される。第1及び第2の投与チャネル101、103は、第1及び第2の出力ポート109、111を有する。本実施形態では、2つの出力ポートが示されるが、第1及び第2の投与チャネル101、103は、単一の出力ポートを共有することができる。どの薬物が投与されたかの検出は、出力ポート内のセンサと、第1又は第2の投与チャネル101、103のいずれかの起動と組み合わされることができるか、又は、代替的に、第1及び第2の投与チャネル101、103の出口に配置される別々のセンサか、又は、代替的に、追加的なセンサを用いることなく投与チャネルの単なる起動により行われることができる。第1及び第2の出力ポート109、111は、それぞれ第1及び第2のセンサ127、129を有する。この装置100は更に、内部ストレージ手段(図示省略)を含む、又は、代替的に、図示されるように外部ストレージ手段115に接続される、プロセッサ113を有する。プロセッサ113は、第1及び第2のタイマー又はカウンタ(図示省略)も有する。プロセッサ113は、第1及び第2の投与チャネル101、103及び指示手段117に接続される。指示手段117は、第1及び第2の投与チャネル101、103にも接続される。指示手段117は、第1及び第2の投与チャネル101、103からの第1及び第2の薬物の投与を制御する制御手段123と、送信機125と、ディスプレイ及び少なくとも1つの押しボタンを含むユーザインタフェース121とを含む。ユーザインタフェース121は、プロセッサ113を介して装置100のプログラミングを可能にするためのキーパッド等を含むこともできる。指示手段117は、ラウドスピーカ119及び/又はブザー(図示省略)及び少なくとも1つのLED(図示省略)も含むことができる。2つの投与チャネルがここでは示されるが、任意の数の投与チャネルが必要に応じて与えられることができる点を理解されたい。
【0019】
以下図1の装置の処理が、図2を参照して更に詳細に説明されることになる。装置100の動作が、特定の実施例を参照して説明されることになる。この実施例では、患者が、5時間おきに(所定の投与量の)第1の薬物を摂取し、必要に応じて第2の薬物が摂取されることが要求されるが、この第2の薬物の摂取は、第1の薬物の摂取から2時間以内には行われない。
【0020】
装置100は、それぞれロード機構105、107を介して、第1の投与チャネル101に第1の薬物、及び第2の投与チャネル103に第2の薬物を個別の投与量でロードする。薬物は、封止可能なプラスチックカップに個別の投与量の形で投与チャネルへとロードされることができる。このカップは、必要とされる又は要求されるとき、このカップを投与する機構へとロードされる。これは、流体形式でピル又は薬物の複雑な混合を投与するのに特に有益とすることができる。第1及び/又は第2の薬物は、ブリスターパックにプレロードされるピルの形とすることができる。ブリスターパックは、第1及び第2の投与チャネル101、103に対して利用可能とされ、無線で接続される。上記の特定の例を参照すると、第1の薬物は第1の投与チャネル101にロードされ、第2の薬物は第2の投与チャネル103にロードされる。
【0021】
プロセッサ113の第1のタイマー(又はカウンター)は、第1の薬物をロードする際にリセットされ、第2のタイマーは、第2の薬物をロードする際にリセットされる。これは、第1及び/又は第2の薬物が最後に投与された時を与えるため手動でリセットされることができるか、又は第1及び/又は第2の薬物が投与された時に基づき自動的にセットされることができる。上記の特定の例の場合、第1のタイマーは、第1の薬物が第1の投与チャネル101により最後に投与された時に基づきリセットされ、第2のタイマーは、第1の薬物を投与する際にリセットされる。プロセッサ113のタイマーにより維持される5時間の間隔で、第1の薬物が、第1の投与チャネル101の第1の出力ポート109を介して投与される。第1の薬物は、ラウドスピーカ、ブザー、LED及び/又はディスプレイを介して最初に警報又はリマインダを患者に提供することで投与されることができる。このデバイスは、薬物をどのように摂取すべきかの指示を提供することができる。その後、患者は、第1の出力ポート109を介して第1の投与チャネル101から第1の薬物が投与されるよう、ユーザインタフェースのボタンを押すことができる。第1の出力ポート109の第1のセンサ127は、第1の薬物の投与を検出し、薬物が投与された時間を記録する。代替的に、第1の出力ポート109は、センサを持たず、ユーザインタフェースのボタンを押す際に患者によりなされる確認に応じて、第1の薬物が投与されたことを単に記録する。しかしながら、第1のセンサ127の使用は、薬物の投与及び記録を確実にする。これにより、第1の投与チャネル101が空であるというイベントにおける誤動作が回避される。これは、ストレージ手段115における格納のためプロセッサに転送され、例えば介護者又は医療専門家のコンピュータ/サーバといったリモートノードに送信機125を介して送信するため指示手段117に転送される。第1の薬物の投与を検出すると、次の5時間の間隔の計数を開始するため、プロセッサ113の第1のタイマーがリセットされる。
【0022】
図2に示されるように、患者は、「必要に応じて摂取される」第2の薬物も要求することができる。これは、第1の薬物とは異なる薬物とすることができ、又は第1の薬物に類似するものとすることができる。ステップ205において、第1の薬物が最後に投与された時から2時間の間隔を記録するため第2のタイマーがセットされる。ステップ201において、この最後の投与は、第1の投与チャネルから行われ、第1の出力ポート109の第1のセンサ127により検出される。第2の薬物に対する要求は、ステップ203において、ユーザインタフェースを介して患者により受信される。ステップ207において、要求のタイミングが、第1の薬物が最後に投与された時と比較される。まだ2時間が経過していない場合、指示手段117は、この効果に対する指示を提供する。ステップ209において、指示手段117は、制御手段123を介して第2の薬物の投与を防止し、この効果に対する指示を患者に提供する。この指示は、例えば、LEDを点灯させ又はブザーを起動させて、ユーザインタフェース121のディスプレイ上に表示されるメッセージを介して、又は例えばスピーカ119を介した音声メッセージといった音声警報の出力を介して行われる。第2の薬物が要求されたが、投与されなかった時間が、ストレージ手段115に記録される。また代替的に、指示手段117は、ステップ211において、ユーザインタフェース121の表示又はラウドスピーカ119を介して患者に確認を求めることができ、ステップ213において確認を待つ。指示手段117は、新しい用量の摂取が安全でないことを音声警告又は視覚的な警告で与えることになり、患者は、警告を無視するために、ユーザインタフェース121のボタン(確認の送信)を再度押さなければならない。確認が受信されない場合、患者が第2の薬物を要求したが、それを投与しないことを選択した時間をこの装置は記録することができる。また代替的に、患者が自らの投与量を超えたと介護者又は医療専門家に警告するため、ステップ213において、指示手段117は、介護者/医療専門家のコンピュータ又は電話等に対して送信機を介して継続的に介護者又は医療専門家とコンタクトする。
【0023】
時間が経過した(2時間以上が経過した)場合又はステップ213に従う場合又は確認を受けると、ステップ215において、第1及び第2の薬物の投与量レベルが、最大投与量レベルと比較される。最大投与量レベルが越えられる場合、ステップ217において、指示手段117は、制御手段123を介して第2の薬物の投与を防止し、この効果に対する指示を患者に提供する。この指示は、例えば、LEDを点灯させ、又はラウドスピーカ119及び/若しくはブザーを起動させて、ユーザインタフェース121のディスプレイ上に表示されるメッセージを介して行われる。また代替的に、指示手段117は、ステップ219において、患者に確認を求めることができ、ステップ221において確認を待つ。また代替的に、患者が自らの最大投与量を超えたと介護者又は医療専門家に警告するため、ステップ223において、指示手段117は、介護者/医療専門家のコンピュータ又は電話等に対して送信機を介して継続的に介護者又は医療専門家とコンタクトする(このデバイスは、最大投与量に達した瞬間にメッセージを送信するようセットされることもできる)。
【0024】
最大投与量レベルが越えられなかった場合又はステップ223に従う場合又は確認を受けると、ステップ225において、第2の薬物が第2の投与チャネル103を介して投与される。第2の出力ポート111のセンサは、第2の薬物が投与されたことを検出し、薬物が投与された時間を記録する。これは、ストレージ手段115における格納のためプロセッサに転送され、例えば介護者又は医療専門家のコンピュータ/サーバといったリモートノードに送信するため指示手段117の送信機125に転送される。
【0025】
別の実施形態では、第1及び第2の薬物が、ブリスターパックにピルの形で格納される。ブリスターパックは、ブリスターが開かれるときを検出する第1及び第2のセンサと投与されるピルとを含む。これは、第1及び第2の投与チャネルを介してプロセッサ113に対して通信される。薬物の制御は、上記の通りである。ブリスターパックは、患者等に対して指示を提供するため、指示手段117を含むこともできる。
【0026】
薬物がパッケージからの除去後所定の態様で摂取されるべきである場合、例えば、砕いて水に溶かす、又は食前/食後に飲むべき場合、ユーザは、指示手段117上に事前に印刷される質問に対してイエス/ノーの答えを記録するためにセンサを作動させることにより準拠した行動を確認するよう思い出す機会を与えられることができる。
【0027】
患者の健康状態に関する患者の主観的な経験が捕捉されるべきである場合、例えば副作用が疑われるとき又は他の態様で診断に役立つことがあるとき、ユーザは、指示手段117により提供される質問に対してイエス/ノーの答えを記録するためにセンサを作動させることにより準拠した行動を確認するよう思い出す機会を与えられることができる。
【0028】
ストレージ手段115のデータは、リモートサーバ及び/又は例えばPCといったローカル処理デバイスにアップロードされることができる。データは、準拠パターンを検出するため、及び、質問に対する答えに基づき、結果、副作用等に関する指示を得るために、解析されることができる。フォローアップ及び介入の基礎となる豊かな情報源を介護者に提供するため、このデータは、例えば血圧監視装置といったモニタからの他の時間スタンプされたデータと組み合わせられることもできる。
【0029】
この装置100は、イベントを記録するのに用いられることもできる。例えば、妊娠において、第1の収縮が発生する瞬間、破水するとき、収縮が特定の周波数を実現するときを正確に記録することが重要である。これは、投薬イベントには関係しないが、この正確なデータは専門家にとって役立つ。こうした場合、質問に対する答えだけが記録されることになり、報告されることができる。
【0030】
薬物の所定の投与量レベルは、種々の形式で装置にプログラムされることができる。例えば、投与量は、単一の用量に関するカットオフ、24時間の期間において許される薬の総量に関するカットオフ及び治療の全体のコースに関するカットオフを有することができる。
【0031】
本発明の実施形態が添付の図面において示され、前述の詳細な記載において説明されたが、本発明は、開示される実施形態に限定されるものではなく、請求項に記載される本発明の範囲から逸脱することなく多数の修正が可能である点を理解されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つの薬物を患者に投与する方法において、
所定の投与量レベルに基づき、少なくとも1つの第1の薬物を患者に自動的に投与するステップと、
第2の薬物に関する前記患者からの要求を受信するステップと、
前記患者に関する前記少なくとも1つの第1の薬物及び前記第2の薬物の総投与量を決定するステップと、
前記決定された投与量が所定の最大投与量以上である場合指示を提供するステップと、
前記決定された投与量が前記所定の最大投与量以下である場合前記要求された第2の薬物を投与するステップとを有する、方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つの第1及び/又は前記第2の薬物の前記投与量を投与することに関する少なくとも1つの所定の要件が満たされない場合、指示を提供するステップを更に有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記決定された投与量が所定の最大投与量以上である場合指示を提供するステップが、
前記第2の薬物の前記投与量を投与するステップと、
視覚及び/又は音声の警報を前記患者に出すステップとを有する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記決定された投与量が所定の最大投与量以上である場合指示を提供するステップが、前記第2の薬物の前記投与量を投与するのを防止するステップと、視覚及び/又は音声の警報を前記患者に出すステップとを有する、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
視覚及び/又は音声の警報を前記患者に出すステップが、投与される薬物、薬物要求及び摂取されない薬物に関する前記視覚警報及び/又は音声警報及び/又は情報データをリモートノードに送信するステップを有する、請求項3又は4に記載の方法。
【請求項6】
前記決定された投与量が所定の最大投与量以上である場合指示を提供するステップが、
前記患者からの確認を要求するステップと、
前記確認が受信される場合前記第2の薬物を投与するステップと、
確認がない受信されない場合前記第2の薬物を投与することを防止するステップとを有する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
少なくとも2つの薬物を患者に投与する装置であって、
所定の投与量レベルに基づき、少なくとも1つの第1の薬物を自動的に投与する第1の投与チャネルと、
前記患者からの要求を受信すると、第2の薬物を投与する第2の投与チャネルと、
前記患者に関する前記少なくとも1つの第1の薬物及び前記第2の薬物の総投与量を決定するプロセッサと、
前記決定された投与量が所定の最大投与量以上である場合、指示を提供する手段とを有する、装置。
【請求項8】
前記第2の投与チャネルが、前記第2の薬物を投与することを防止する制御手段を有する、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記装置が、視覚的な警報を前記患者に提供するディスプレイを更に有する、請求項7又は8に記載の装置。
【請求項10】
前記装置が、音声警報を前記患者に提供するスピーカを更に有する、請求項7乃至9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記装置が、投与される薬物、薬物要求及び摂取されない薬物に関する前記警報及び/又は情報データをリモートノードに送信する送信機を更に有する、請求項7乃至10のいずれか一項に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2012−515599(P2012−515599A)
【公表日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−547017(P2011−547017)
【出願日】平成22年1月18日(2010.1.18)
【国際出願番号】PCT/IB2010/050219
【国際公開番号】WO2010/084450
【国際公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】