説明

薬物送達インプラント

整形外科インプラントシステムは、身体内の選択された場所に埋め込み可能で、かつこの身体に少なくとも1つの治療薬を送達するように構成された整形外科インプラントを備え、このインプラントはリザーバおよび複数の通路を画定し、リザーバは少なくとも1つの治療薬を受け入れるように構成され、複数の通路は、リザーバから、身体に対する治療部位に少なくとも1つの治療薬を輸送するように構成され、インプラントは、創内固定装置と多孔性装置の少なくとも一方である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]本願は、参照により本明細書に組み込まれる、2008年8月29日出願の「DRUG DELIVERY IMPLANT(薬物送達インプラント)」という名称の米国仮特許出願第61/092,880号に基づく非仮特許出願である。さらに、本願は、参照により本明細書に組み込まれる、2009年8月13日出願の「DRUG DELIVERY IMPLANTS(薬物送達インプラント)」という名称の米国特許出願第12/540,676号の一部継続出願である。米国特許出願第12/540,676号は、参照により本明細書に組み込まれる、2008年8月13日出願の「DRUG DELIVERY IMPLANTS(薬物送達インプラント)」という名称の米国仮特許出願第61/088,379号に基づく非仮特許出願である。さらに、本願は、参照により本明細書に組み込まれる、2009年8月13日出願の「ORTHOPAEDIC SCREWS(整形外科スクリュー)」という名称の米国特許出願第12/540,760号の一部継続出願である。米国特許出願第12/540,760号は、参照により本明細書に組み込まれる、2008年8月13日出願の「ORTHOPAEDIC SCREWS(整形外科スクリュー)」という名称の米国仮特許出願第61/088,383号に基づく非仮特許出願である。
【0002】
[0002]本発明は、インプラントに関し、より詳細には整形外科インプラントに関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]整形外科インプラントは、短期インプラント、長期インプラント、および非永久インプラントを含む。短期インプラントは、感染症治療用のインプラントを含む。長期インプラントは、股関節全体、膝関節全体、肩関節全体、および肘関節全体の全体インプラント(total implants for total hip, knee, shoulder, and elbow joints)を含む。非永久インプラントは、釘、プレート、および創外固定装置などの外傷製品を含む。
【0004】
[0004]短期インプラントに関しては、整形外科インプラントを取り囲む組織、特に骨が感染するとき、そのインプラントは典型的には抜去しなければならず、感染症を治さなければならず、その後で新しいインプラント(再置換インプラント)が埋め込まれる。インプラントの抜去と再置換インプラントの埋め込みとの間の期間は、数週間(約4週間)〜数か月(約3か月)とすることができる。この期間中、外科医は、現在2つの基本的な選択肢を有する。すなわち、手術中に抗生剤含有骨セメントを用いてテンポラリーインプラントを作製する(鋳型を用いてまたは用いずに作製する)か、またはあらかじめ成形された抗生剤含有骨セメントテンポラリーインプラント(たとえばExactechのInterspace(商標)HipおよびKnee)を使用する。いずれの場合にも、抗生剤含有骨セメントは、骨内の感染部位に抗生剤を直接送達するために使用される。患者は、典型的には、静注抗生剤の投与も受ける。このようなインプラントの欠点は、臨床的に適切な用量の抗生剤を送達する持続時間に制限があること、4〜12週間の治療期間中に抗生剤の種類または用量を変更できないこと、ならびに患者の可動性、関節可動域、および許容される体重負荷に制限があることである。
【0005】
[0005]さらに、典型的には、抗生剤含有セメントが有用な局所的な抗生剤レベルを提供する持続時間は、1週間未満である。治療期間はしばしば6〜8週間である。しかし、抗生剤含有セメントインプラントは、1週間を超えて、有用な量の抗生剤を提供しない。
【0006】
[0006]さらに、感染症は、多くの細菌、ウイルス、酵母などによって引き起こされ得る。種々の抗生剤の効果は、具体的に何が感染症を引き起こしたのかに大きく依存する。したがって、感染症を最も効果的に治療するために、その感染症の原因がわからなければならない。細胞培養の結果から、この情報が得られ、どの抗生剤および用量が感染症を最も効果的に治療するかが示される。培養用の検体は、通常、手術中に採取される。培養の結果は、手術後数日経過するまでわからない。現在のテンポラリーインプラントで使用される抗生剤含有セメントの種類は、手術時または手術前に選定しなければならないので、培養から得られた情報を、感染部位に使用される抗生剤に適用することはできない。
【0007】
[0007]さらに、患者が関節手術から回復してその関節の全可動域を獲得するための1つの鍵は、その関節の運動を奨励することである。これは、瘢痕組織の形成および関節周囲の組織の硬直化を防止するのに役立つ。テンポラリーインプラントに関する現在の選択肢では、限られた可動域および体重支持を可能とするのがせいぜいである。
【0008】
[0008]長期インプラントに関しては、骨の内方成長(bone ingrowth)について、骨に対するインプラントの安定性または固定をもたらすために多孔性材料への骨の内方成長が必要とされる場合がある。この例としては、関節全体コンポーネント、固定装置(すなわち、脊椎固定装置)、および骨造成(bone augmentation)コンポーネント(すなわち、脛骨ウェッジ)上の多孔性コーティングがある。
【0009】
[0009]吸収については、吸収は、関節全体インプラントを取り囲む領域においていくつかの理由で生じることがあり、インプラントの緩みおよびその後の再置換手術につながる場合がある。吸収のいくつかの原因としては、次のものがある。(1)応力遮蔽−骨組織は、堅牢かつ健常であり続けるために荷重を必要とする。インプラントが周囲の骨に荷重を適切に伝達しない場合、骨の領域が吸収されることがある。(2)摩耗粒子による溶解−骨溶解および吸収は、ある関節全体コンポーネントの別の関節全体コンポーネントに対する負荷によって作られる摩耗粒子に対する体の反応によって引き起こされることが頻繁にある。(3)骨粗鬆症または他の骨疾患−骨代謝疾患も骨の吸収を引き起こすことがある。
【0010】
[0010]腫瘍学については、腫瘍領域内への抗腫瘍剤(oncological drug)の局所的な送達が腫瘍成長の低下/停止の結果を改善することがある。局所的な送達に関する能力はまた、全身薬の必要性/用量を軽減し、副作用の減少をもたらすことができる。
【0011】
[0011]非永久インプラント(すなわち、外傷インプラント)に関しては、このような非永久インプラントは、釘、プレート、および創外固定装置を含む。釘は一時的な髄内装置であり、典型的には、外傷性骨折を治療するために使用される。感染症のリスクは、特に開放骨折の場合に高くなることがある。腫瘍学について、釘は、骨腫瘍に関連する骨折を治療するために使用されることができる。釘はまた、癌により骨が脆弱化した箇所の骨折防止を促進するために使用されることができる。プレートは、釘と同じ適応症の多くを治療する。ただし、プレートは骨の外側にあてられる。創外固定装置は、骨折を安定化するために使用されるテンポラリーインプラントである。これらは、数日〜数か月間使用することができる。創外固定装置は、典型的には、骨内に固定され、皮膚を通って剛性のプレート、リング、ロッド、または類似の安定化装置まで延びる、いくつかのピンを含む。これらの装置は、皮膚を通って延びることによる感染症のリスクの上昇を伴う。細菌がピンに沿って移動し、軟部組織および骨に直接到達することがある。
【0012】
[0012]さらに、整形外科インプラントは、創内固定装置および多孔性装置を含む。創内固定装置は、スクリューおよびアンカーを含むが、これらに限定されない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
[0013]当技術分野において必要とされているのは、リザーバと、骨または周囲の軟部組織に少なくとも1つの治療薬を局所的に送達するためにこのリザーバから通じる複数の通路とを含む整形外科インプラントであって、創内固定装置および/または多孔性装置である整形外科インプラントである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
[0014]本発明は、リザーバと、骨または周囲の軟部組織に少なくとも1つの治療薬を局所的に送達するためにこのリザーバから通じる複数の通路とを含む整形外科インプラントであって、創内固定装置および/または多孔性装置である整形外科インプラントを提供する。
【0015】
[0015]発明は、一形態において、整形外科インプラントシステムを対象とし、この整形外科インプラントシステムは、身体(corporeal body)内の選択された場所に埋め込み可能で、かつ身体に少なくとも1つの治療薬を送達するように構成された整形外科インプラントを含み、インプラントはこのリザーバおよび複数の通路を画定し、リザーバは少なくとも1つの治療薬を受け入れるように構成され、複数の通路は、リザーバから、身体に対する治療部位に少なくとも1つの治療薬を輸送するように構成され、インプラントは、創内固定装置と多孔性装置の少なくとも一方である。
【0016】
[0016]本発明は、別の形態において、整形外科インプラントシステムを使用する方法を対象とし、この方法は、リザーバおよび複数の通路を画定する整形外科インプラントを提供するステップであって、このインプラントが創内固定装置と多孔性装置の少なくとも一方である、ステップと、身体内の選択された場所にインプラントを埋め込むステップと、リザーバ内で少なくとも1つの治療薬を受け入れるステップと、リザーバから複数の通路を介して身体に対する治療部位に少なくとも1つの治療薬を輸送するステップと、身体に少なくとも1つの治療薬を送達するステップとを含む。
【0017】
[0017]本発明は、別の形態において、整形外科インプラントを使用する方法を対象とし、この方法は、少なくとも1つの経路を画定する整形外科インプラント本体を提供するステップと、インプラント本体によって少なくとも1つの治療薬を受け入れるステップと、身体内の選択された場所に整形外科インプラントを埋め込むステップと、インプラント本体から治療部位に少なくとも1つの治療薬を機械的に押し出すために、身体によって生成された圧力を使用して、インプラント本体から少なくとも1つの経路を介して身体に対する治療部位に少なくとも1つの治療薬を輸送するステップとを含む。
【0018】
[0018]本発明は、別の形態において、整形外科インプラントを使用する方法を対象とし、この方法は、リザーバおよび複数の通路を画定する整形外科インプラントを提供するステップと、身体内の選択された場所にインプラントを埋め込むステップであって、このインプラントが身体の軟部組織に埋め込まれる、ステップと、リザーバ内で少なくとも1つの治療薬を受け入れるステップと、リザーバから複数の通路を介して身体に対する治療部位に少なくとも1つの治療薬を輸送するステップと、身体に少なくとも1つの治療薬を送達するステップとを含む。
【発明の効果】
【0019】
[0019]本発明の利点は、骨および/または周囲の軟部組織への薬物の直接送達を可能とする整形外科インプラントを提供することである。
[0020]本発明の別の利点は、骨および周囲組織への抗生剤の直接送達を可能とするテンポラリーインプラントまたは短期インプラントを提供することである。
【0020】
[0021]本発明のさらに別の利点は、インプラントへの抗生剤の術後注入を可能とし、それにより、治療の全体を通じて複数の抗生剤の送達を可能とすることである。
[0022]本発明のさらに別の利点は、本発明によるインプラントが、必要な任意の長さの期間にわたって連続的に、適切な用量の抗生剤の送達を可能とすることである。
【0021】
[0023]本発明のさらに別の利点は、インプラントが身体内に埋め込まれた状態を維持する限り、骨または周囲の軟部組織に治療薬を局所的に送達できる整形外科インプラントを提供することである。
【0022】
[0024]本発明のさらに別の利点は、薬物に骨および周囲組織に(または任意の特定の場所に)直接送達させる長期インプラントを提供することである。
[0025]本発明のさらに別の利点は、骨の内方成長の亢進および吸収の抑制について、多孔性材料(すなわち、関節全体コンポーネント、固定装置すなわち脊椎固定装置、骨造成コンポーネントすなわち脛骨ウェッジ上の多孔性コーティング)への骨の内方成長を亢進または高速化するために骨成長刺激物質(bone growth stimulator)が手術中または手術後に注入できることを可能にすることである。これらの薬物は、応力遮蔽、骨溶解、または骨代謝疾患などの原因による骨吸収を抑制するために、本発明によるインプラントを使用して手術後の数か月〜数年後に注入されることもできる。
【0023】
[0026]本発明のさらに別の利点は、腫瘍学について、インプラントを取り囲む一部またはすべての組織への薬物の送達を同様に可能とするインプランを提供することである。
[0027]本発明のさらに別の利点は、予防策としてまたは感染症を発症した場合に治療するために抗生剤に本発明の釘を取り囲む骨に送達させることを可能にすることである。
【0024】
[0028]本発明のさらに別の利点は、本発明による釘などの非永久インプラントを提供することである。このインプラントは、骨折(複数可)領域への骨成長刺激物質の直接送達を提供実現することができる。骨成長刺激物質のこのような送達は、偽関節、骨欠損、および骨切り術などの、困難な場合に有利となり得る。
【0025】
[0029]本発明のさらに別の利点は、本発明による釘などの非永久インプラントを提供することであり、このインプラントは、腫瘍領域内の抗腫瘍剤の局所的な送達を実現することができ、腫瘍成長の低下/停止の結果を改善することができる。本発明によって提供されたこのような局所的な送達に関する能力は、全身薬の必要性/用量を軽減し、副作用の減少をもたらすことがある。
【0026】
[0030]本発明のさらに別の利点は、抗生剤または他の抗感染症薬にピンを取り囲む骨および軟部組織に提供させる創外固定装置を提供することである。
[0031]本発明の実施形態の以下の説明を添付の図面と併せて参照することにより、本発明の上述および他の特徴および利点ならびにそれを達成する方法がさらに明らかになり、本発明がより良く理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】[0032]本発明による短期大腿骨股関節インプラントの断面図の概略図である。
【図2】[0033]本発明による短期大腿骨股関節インプラントシステムの断面図の概略図である。
【図3】[0034]本発明による短期寛骨臼カップインプラントの断面図の概略図である。
【図4】[0035]本発明による短期大腿骨膝関節インプラントの上面図の概略図である。
【図5】[0036]短期大腿骨膝関節インプラントの、図4の線5−5に沿った断面図の概略図である。
【図6】[0037]本発明による短期大腿骨膝関節インプラントの上面図の概略図である。
【図7】[0038]短期大腿骨膝関節インプラントの正面図の概略図である。
【図8】[0039]短期脛骨膝関節インプラントの断面図の概略図である。
【図9】[0040]本発明による長期大腿骨股関節インプラントシステムの側面図の概略図である。
【図10】[0041]図9の長期大腿骨股関節インプラントの断面図の概略図である。
【図11】[0042]本発明による長期大腿骨膝関節インプラントの上面図の概略図である。
【図12】[0043]長期大腿骨膝関節インプラントの、図11の線12−12に沿った断面図の概略図である。
【図13】[0044]本発明による長期大腿骨膝関節インプラントシステムの上面図の概略図である。
【図14】[0045]本発明による長期大腿骨膝関節インプラントシステムの側面図の概略図であり、この長期大腿骨インプラントは大腿骨に取り付けられる。
【図15】[0046]本発明による長期大腿骨股関節インプラントシステムの側面図の概略図である。
【図16】[0047]図15の長期大腿骨股関節インプラントシステムの、線16−16に沿った断面図の概略図である。
【図17】[0048]本発明による整形外科釘の断面図の概略図である。
【図18】[0049]本発明による整形外科プレートの断面図の概略図である。
【図19】[0050]本発明による創外固定装置の断面図の概略図である。
【図20】[0051]治療薬カートリッジを含む整形外科インプラントシステムの断面図の概略図である。
【図21】[0052]その中に治療薬カートリッジのない、図20の整形外科インプラントの断面図の概略図である。
【図22】[0053]全面的に多孔性である整形外科インプラントの側面図の概略図である。
【図23】[0054]全面的に多孔性であり、本発明によるリザーバと薬物送達通路とを含む整形外科インプラントの側面図の概略図である。
【図24】[0055]部分的に多孔性である整形外科インプラントの断面図の概略図である。
【図25】[0056]部分的に多孔性であり、本発明によるリザーバと薬物送達通路とを含む整形外科インプラントの断面図の概略図である。
【図26】[0057]部分的に多孔性であり、本発明によるリザーバと薬物送達通路とを含む整形外科インプラントの断面図の概略図である。
【図27】[0058]スポンジ状材料を含む、本発明による整形外科インプラントシステムの断面図の概略図である。
【図28】[0059]本発明による整形外科インプラントシステムの概略図である。
【図29】[0060]本発明による整形外科インプラントシステムの概略図である。
【図30】[0061]本発明による、骨スクリューの形をした、創内固定装置の断面図の概略図である。
【図31】[0062]大腿骨に挿入された図30の骨スクリューの側面図の概略図である。
【図32】[0063]骨スクリューとそれに取り付けられたリザーバとを含む、本発明による整形外科インプラントシステムの断面図の概略図である。
【図33】[0064]骨スクリューとそれに取り付けられたリザーバとを含む、本発明による整形外科インプラントシステムの断面図の概略図である。
【図34】[0065]骨スクリューとカテーテルとリモートリザーバとを含む、本発明による整形外科インプラントシステムの断面図の概略図である。
【図35】[0066]本発明による骨スクリューの断面図の概略図である。
【図36】[0067]本発明による骨スクリューの断面図の概略図である。
【図37】[0068]本発明による骨スクリューの側面図の概略図である。
【図38】[0069]本発明による骨スクリューの側面図の概略図である。
【図39】[0070]本発明による骨スクリューの断面図の概略図である。
【図40】[0071]本発明による骨スクリューの断面図の概略図である。
【図41】[0072]本発明による骨スクリューの断面図の概略図である。
【図42】[0073]骨スクリューと取り付け装置とカテーテルとポートとを含む、本発明による整形外科インプラントシステムの部分断面図の概略図である。
【図43】[0074]骨スクリューと取り付け装置とカテーテルとポートとを含む、本発明による整形外科インプラントシステムの部分断面図の概略図である。
【図44】[0075]大腿骨に埋め込まれた、本発明による整形外科インプラントの斜視図の概略図である。
【図45】[0076]大腿骨に埋め込まれた、図44の整形外科インプラントの断面図の概略図である。
【図46】[0077]大腿骨および骨盤にそれぞれ埋め込まれた、図44の2つの整形外科インプラントの断面図の概略図である。
【図47】[0078]本発明による整形外科インプラントの断面図の概略図である。
【図48】[0079]本発明による整形外科インプラントの斜視図である。
【図49】[0080]図48の整形外科インプラントの底面図である。
【図50】[0081]身体内に埋め込まれた、本発明による整形外科インプラントの断面図の概略図である。
【図51】[0082]本発明による整形外科インプラントの断面図の概略図である。
【図52】[0083]身体内に埋め込まれた、本発明による整形外科インプラントの断面図の概略図である。
【図53】[0084]本発明による、丸められてスクリューにされた、多孔性シートの斜視図の概略図である。
【図54】[0085]丸める処理中の図53のシートの端面図の概略図である。
【図55】[0086]丸める処理後の、図53のシートの断端面図の概略図である。
【図56】[0087]丸める処理後の、図53のシートの概略図である。
【図57】[0088]螺旋形にされた帯状の材料の斜視図の概略図である。
【図58】[0089]互いから分解された、本発明によるスクリュー層の斜視図の概略図である。
【図59】[0090]本発明によるスクリューの側面図の概略図である。
【図60】[0091]本発明によるスクリューの側面図の概略図である。
【図61】[0092]本発明によるねじブランクの概略図である。
【図62】[0093]シートの、丸める前に形成された隆起したねじ山を示す概略図である。
【図63】[0094]シートの、丸める前の材料除去により形成されたねじ山を示す概略図である。
【図64】[0095]シートの、積層前に形成されたねじ山を示す平面図の概略図である。
【図65】[0096]ねじブランクに組み付ける前のねじ山の斜視図の概略図である。
【図66】[0097]本発明によるスクリューの端面図の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
[0098]対応する参照文字は、いくつかの図面を通して対応する部分を示す。本明細書に記載の例示は本発明の実施形態を示すものであり、このような例示はいかなる方法によっても本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0029】
[0099]次に図面、より具体的には図1を参照すると、身体34内の選択された場所に埋め込み可能で、かつ身体34に少なくとも1つの治療薬36を送達するように構成された整形外科インプラント32を全体的に含む、本発明による整形外科インプラントシステム30が示されている。インプラント32は、少なくとも1つのリザーバ38と、複数の通路40とを含む。リザーバ38は、少なくとも1つの治療薬36を受け入れるように構成され、インプラント32が身体34内に埋め込まれた後に治療薬36で補充されるように構成されることができる。通路40は、治療薬36がリザーバ38から、身体34に対する治療部位42に移動するための経路を形成する。通路40によって形成された各経路は、通路40の壁によって形成された内部空間である。通路40は、たとえば、円形、四角、または他の何らかの断面形状を有することができる。したがって、通路40は、リザーバ38から、身体34に対する治療部位42に少なくとも1つの治療薬36を輸送するように構成される。
【0030】
[00100]図1は、2つのリザーバ38と、各リザーバ38から続く複数の通路40を示す。本発明によるインプラント(すなわち、インプラント232)は、1つのリザーバ(すなわち、リザーバ238)のみを含むことができる。図1のリザーバ38は、任意選択で同時に異なる治療薬36を保持することができる。言い換えれば、各リザーバ38は異なる治療薬36を保持することができるし、または各リザーバ38は少なくとも2つの治療薬36を保持することができる。したがって、本発明によるインプラントは、リザーバおよび複数の通路を介して身体に複数の治療薬を送達するように構成される。このようなインプラントの例としては、インプラント32(図1)およびインプラント232(図3)がある。さらに、インプラント32は、任意の治療薬36の放出の前に複数の通路40のいずれかの上にシールまたはシールキャップが形成されないように形成されることができる。
【0031】
[00101]本明細書における身体とは、人間または動物(すなわち、獣医の患者)の物理的な体を意味する。したがって、身体は肉と骨の一方である。身体は生きていてもよいし、死んでいてもよい。身体は、本明細書において患者の体とも呼ばれることがあり、生きているかまたは死んでいる、人間と獣医の「患者」の両方を含む。「治療薬」は一般的な用語であり、医薬品および生物製剤(すなわち、生物学的物質)を含むがこれらに限定されない。治療薬は、本明細書において、薬物、医薬品、薬剤(medicinal agent)、または生物製剤のようにさまざまに呼ばれることがあるが、これらに限定されない。治療薬は、たとえば、液体、固体、カプセル、または粒状(bead)として形成されることができる。
【0032】
[00102]さらに、図1は、インプラント32が、選択された場所に埋め込み可能な本体44を含むことを示す。本体44は、リザーバ38および通路40を画定し、外表面46を含む。本発明のリザーバは、インプラントの本体によって形成された空洞または囲まれたポケット(インプラントの本体の表面に延びる通路を別にすれば閉じられている)とすることができる。リザーバは、本体の外表面内にあるのではなく、本体の中心部(すなわち、中央内側部分)によって形成されることができる。リザーバは、中心部のかなりの部分を占めることができるが、それでもやはり、リザーバから外表面に続く細長い通路を有する。リザーバ38は、本体44内の空洞とすることができる。リザーバ38は、必ずしも本体44を通る貫通穴ではない。通路40は、リザーバ38を外表面46と流体的に連通させ、それにより、少なくとも1つの治療薬36がリザーバ38から外表面46に移動する経路を形成する。すなわち、通路40は、リザーバ38を外表面46と流体的に連通させ、それにより、リザーバ38から外表面46に少なくとも1つの治療薬36を輸送する。図1は、インプラント32の本体44がインプラント32そのものであることを示す。
【0033】
[00103]さらに、図1は、インプラント32が人工股関節として形成され、身体34が股関節として形成されることを示す。より具体的には、図1は、大腿骨上部(または大腿骨(thighbone))の一部を形成し、したがって荷重負荷がかかる、短期大腿骨股関節インプラント32(整形外科インプラントの1つの種類である)の断面図を示す。図1の人工大腿骨股関節32の本体44(本体44と人工大腿骨股関節32は、互いに対して同一の広がりをもち、したがって図1では同一の構造部材である)は、体34の大腿骨上部に挿入されうるステム(図1ではインプラント32の下向きに延びる部分)と、寛骨臼(すなわち、患者の自然の寛骨臼、または人工寛骨臼カップ)によって受けられ、これと嵌合する大腿骨頭(図1ではインプラント32の球状部分)とを含む。図1は、ステムと大腿骨頭の両方が、リザーバ38と、それぞれのリザーバ38からインプラント32の外表面46に続く複数の通路40とを含むことを示す。外表面46に対するリザーバ38のサイズおよび/またはリザーバ38の外表面46への近さに応じて、通路40は、本体44の穴または開口として形成されることができる。使用に際して、治療薬36は、身体34内でのインプラントの埋め込みの前および/またはその後に、リザーバ38に挿入される。次に、治療薬36は通路40に移行し、通路40を介して外表面46に進む(通路40は、外表面46の穴を形成する)ことができる。治療薬36は通路40を出て治療部位42と接触する。治療部位42は、たとえば、骨または軟部組織(「骨」は骨組織を含むと理解される)とすることができる。任意選択で、リザーバ38は、インプラント32が身体34内に埋め込まれた状態を維持するので、治療薬36(同一または異なる治療薬36)で補充されることができる。
【0034】
[00104]本発明の整形外科インプラントは、たとえば、人工器官(prosthesis)、釘、プレート、または埋め込み可能なピンとして形成された創外固定装置とすることができる。図1から図16および図20から図27は、人工器官である整形外科インプラントを示す。人工器官とは、身体の失われたまたは障害がある部分の代わりになるかまたはこれを補うインプラントである。図17は、釘である整形外科インプラントを示す。図18は、プレートである整形外科インプラントを示す。図19は、埋め込み可能なピンを有する創外固定装置である整形外科インプラントを示す。
【0035】
[00105]図2は、本発明による整形外科インプラントの別の実施形態を示す。図1における類似の特徴に対応する、図2における構造的特徴は、100の倍数を加算した参照文字を有する。短期整形外科インプラントシステム130は、短期人工インプラント132と、取り付け機構150とを含む。本体144は、リザーバ138と、リザーバ138から外表面146に続く通路140を画定する。取り付け機構150は、それにポート(図2に図示せず)を取り付けることを目的とする。取り付け機構150は、管状要素とすることができる。取り付け機構150およびポートは、治療薬でリザーバ138を補充するために使用されることができる。取り付け機構150を介してリザーバ138を(最初に、および/または補充として)治療薬で満たすと、治療薬は、リザーバ138から通路140を介して治療部位に移動することができる。
【0036】
[00106]図3は、本発明による整形外科インプラントの別の実施形態を示す。図1から図2における類似の特徴に対応する、図3における構造的特徴は、100の倍数を加算した参照文字を有する。図3は、別の短期股関節インプラント232断面図を示す。人工インプラント232は、寛骨臼カップとして形成され、大腿骨頭を受ける。図3において、寛骨臼カップ232の本体244は寛骨臼カップ232である。本体244は、リザーバ238と、リザーバ238から外表面246に続く複数の通路240を画定する。リザーバ238を(最初に、および/または補充として)治療薬で満たすと、治療薬はリザーバ238から通路240を介して治療部位に移動する。
【0037】
[00107]図4から図8は、本発明による整形外科インプラントの追加の実施形態を示す。より具体的には、図4から図8は、人工大腿骨膝関節インプラントと人工脛骨膝関節インプラントの両方である、人工膝関節インプラントとして形成された短期整形外科インプラントを示す。図1から図3における類似の特徴に対応する、図4から図7における構造的特徴は、100の倍数を加算した参照文字を有する。図4および図5は、インプラント332の本体344が大腿骨膝関節インプラント332であることを示す。本体344は、下部(図5の略U字状部品)と、任意選択のステム(図5の下部の上の垂直で直立した部品)とを含む。下部とステムはいずれも、薬物リザーバ338と、リザーバ338内の治療薬(複数可)を治療部位(複数可)342に送達するためにそれぞれのリザーバ338を外表面346と連通させる薬物送達通路/穴340とを含む。図6は、図5に示されるインプラント332に類似した大腿骨膝関節インプラント432の上面図を示す。通路440は、下部の外表面446の射出口(exit hole)として示されている。図6の円は、任意選択の直立したステム452を表す。図7は、図7に示されるように文字がX線またはX線透視装置で認識できるように、インプラント本体544より放射線不透過性が高い文字が付けられた短期大腿骨膝関節インプラント532の正面図を示す。図5および図6のリザーバを(最初に、および/または補充として)治療薬で満たすと、治療薬はこれらのリザーバから通路340、440を介して治療部位に移動することができる。
【0038】
[00108]図8は、本発明による短期脛骨膝関節インプラント632の断面図を示す。図1から図7における類似の特徴に対応する、図8における構造的特徴は、100の倍数を加算した参照文字を有する。インプラント632の本体644は脛骨膝関節インプラント632である。本体644は、脛骨トレイ(図8の略水平な部品)と、任意選択のステム(図8の水平部品の下の略垂直な部品)とを含む。下部とステムはいずれも、治療薬(複数可)を治療部位(複数可)642に送達するために、薬物リザーバ638およびそれぞれのリザーバ638を外表面646と連通させる薬物送達通路/穴340を画定する。リザーバ638を(最初に、および/または補充として)治療薬で満たすと、治療薬はリザーバ638から通路640を介して治療部位642に移動することができる。
【0039】
[00109]したがって、図1から図8に示される本発明によるインプラントは、たとえば身体内の感染症を治療するために使用できる短期インプラントである。このような短期インプラントまたはテンポラリーインプラントは、抗生剤などの治療薬を身体の骨および周囲組織に直接送達することを可能とする。
【0040】
[00110]ポートなどの装置は、インプラントへの抗生剤の術後注入を可能とするために使用されることができる。(図2を参照)。これは、治療の全体を通じて複数の抗生剤の送達を可能とする。インプラント内のリザーバおよび/または通路は、これらの注入からの抗生剤に数時間〜数週間の期間にわたって送達させることを可能とする。(図1から図8)。約1週間の注入間隔は臨床的に十分に許容される可能性が高い。薬物は、インプラントを取り囲むすべての骨および軟部組織に、または特定の場所のみに送達されることができる。この概念の変形形態は、関節可動性の範囲が、関節が動かない状態から永久的な関節全体の典型的な可動性に変わることを可能とする。これらの短期インプラントは、緩やかな圧入または抗生剤含有骨セメントもしくは標準的な骨セメントにより骨内で保持されることができる。骨セメントの場合には、セメントが薬物送達穴上をシールするのを防止するために、セメントリストリクタも技術上含まれる。
【0041】
[00111]典型的には、抗生剤含有セメントが有用な局所的な抗生剤レベルを提供する持続時間は、1週間未満である。治療期間はしばしば6〜8週間である。しかし、抗生剤含有セメントインプラントは、1週間を超えて、有用な量の抗生剤を提供しない。本発明によるインプラントは、対照的に、必要な任意の長さの期間にわたって連続的に、適切な用量の抗生剤の送達を可能にする。インプラントリザーバは、本発明のインプラントに取り付けられたポートなどの機構を通して、適正な薬物投与を実現するために必要に応じて補充される。
【0042】
[00112]本発明のインプラントは、治療中いつでも任意の数の抗生剤を使用することを可能とする。最初の抗生剤は手術時に使用されることができる。細胞培養が、異なる抗生剤または用量がより効果的であることを示す場合、本発明に従って治療計画のその変更が加えられることができる。
【0043】
[00113]上記のように、短期大腿骨股関節インプラントは、ステムと別の頭部とを含むこともできるし、1つの部品からなる構造とすることもできる。複数のサイズのステムおよび頭部のサイズは対応可能である。上記のように、別の寛骨臼コンポーネントが提供されることができる。大腿骨頭は短期寛骨臼コンポーネントまたは患者の寛骨臼を嵌合することができる。(図1から図3を参照)。本発明によれば、薬物は、寛骨臼コンポーネントが使用されない(図1を参照)場合に大腿骨コンポーネントの頭部を通して寛骨臼に送達されることもできるし、寛骨臼コンポーネントが使用される(図3を参照)場合にそれを通して送達されることもできる。
【0044】
[00114]短期膝関節インプラントは、1つの部品からなる脛骨コンポーネント(標準的な全体膝関節置換術の2つの部品を結合させたもの)と、1つまたは2つの部品からなる大腿骨コンポーネント(2つの部品からなる設計では、顆部とステムを結合させる)とを含むことができる。本発明は、複数のサイズの脛骨コンポーネントならびに複数のサイズのステムおよび顆部(1つの部品として結合されるか別個のどちらか)を提供する。(図4から図8を参照)。本発明によれば、肩関節、肘関節、および他の関節の類似のコンポーネントが提供される。
【0045】
[00115]図1から図8のインプラントは短期使用向けに設計されているので、本発明の短期インプラントは、上述のように、インプラント表面に裸眼によってもX線によっても認識できるマーキングを含むことができる。これらのマーキングは、インプラントが短期使用専用であることを明らかに示す。(図7を参照)。
【0046】
[00116]本発明は、長期にわたってインプラント近傍のある位置またはインプラントを取り囲む領域全体に薬物を連続的に送達することを実現する整形外科インプラントシステム(短期インプラントであれ、長期インプラントであれ、非永久インプラントであれ)を提供する。図9から図16に示される本発明によるインプラントは長期インプラントである。このようなインプラントは、たとえば患者の体内の股関節、膝関節、肩関節、および肘関節の全体として使用されることができる。本発明の長期インプラントは、上述の短期インプラントと基本的な類似性を有する。したがって、図1から図8における類似の特徴に対応する、図9から図16における構造的特徴は、100の倍数を加算した参照文字を有する。したがって、上述の短期インプラントと同様に、本発明はさらに、薬物が骨および周囲組織に(または任意の特定の場所に)直接送達されることを可能にする長期インプラントを提供する。ポートなどの装置は、長期インプラントへの薬物の術後注入を可能とするために使用されることができる。(図14を参照)。これは、治療の全体を通じて任意の数の薬物の送達を可能とし、治療の全体を通じて適正な薬物投与を実現するために薬物の補充を可能とする。本発明による長期インプラント内のリザーバおよび/または通路は、これらの注入からの薬物が、数時間〜数週間の期間にわたって送達されることを可能とする。(図9から図16を参照)。薬物は、インプラントを取り囲むすべての骨および軟部組織に、または特定の場所のみに送達されることができる。
【0047】
[00117]図9および図10は、本発明による長期人工大腿骨股関節インプラントシステム730を示す。図1から図8における類似の特徴に対応する、図9および図10における構造的特徴は、100の倍数を加算した参照文字を有する。システム730は、長期人工大腿骨股関節インプラント732と、外表面746に取り付けられた多孔性表面754とを含む。上述の短期インプラントと同様に、インプラントは、身体内の治療部位に治療薬(複数可)を送達するように、薬物リザーバ738およびリザーバ738から外表面746に続く複数の薬物送達通路740を画定する本体744を有する。多孔性表面754は、その中に骨および/または組織の内方成長を受け入れるように構成される。このような内方成長は図9では矢印756によって示される。多孔性表面754は、多孔性部材、多孔性パッド、または足場(scaffold)とさまざまに呼ばれることができる。薬物送達通路740は、内方成長領域を回避するように、本体744によってまたはこれを通って経路を定められることができる。言い換えれば、通路740は、多孔性表面754への治療薬の放出を回避するように、本体744によってまたはこれを通って経路を定められることができる。対照的に、通路740は、内方成長多孔性表面754を通して薬物を放出するように、本体744によってまたはこれを通って経路を定められることができる。図9は、多孔性表面754への薬物の放出を回避する通路740を示す。リザーバ738を(最初に、および/または補充として)治療薬で満たすと、治療薬はリザーバ738から通路740を介して治療部位に移動することができる。
【0048】
[00118]図11および図12は、本発明による長期大腿骨膝関節インプラントを示す。図1から図10における類似の特徴に対応する、図11および図12における構造的特徴は、100の倍数を加算した参照文字を有する。インプラント832の本体844は大腿骨膝関節インプラント832である。本体844は、下部(図12の略U字状部品)と、任意選択のステム(図12の下部の上の垂直で直立した部品)とを含む。下部とステムはいずれも、薬物リザーバ838を含む。ステムは、治療部位(複数可)846に治療薬(複数可)を送達するためにそれぞれのリザーバ838を外表面846と連通する薬物送達通路/穴840をさらに含む。下部は、リザーバから治療部位に通じる少なくとも1つの薬物送達通路840も含む。リザーバ838を(最初に、および/または補充として)治療薬で満たすと、治療薬はリザーバ838から通路840を介して治療部位に移動することができる。
【0049】
[00119]図13は、本発明による長期大腿骨膝関節インプラントシステム930を示す。図1から図12における類似の特徴に対応する、図13における構造的特徴は、100の複数倍を加算した参照文字を有する。システム930は、図12のインプラント832に類似しているが、インプラント932の本体944に取り付けられた複数の内方成長多孔性表面954を有する人工インプラント932を含む。各多孔性表面954は、その中に骨および/または組織の内方成長を受け入れるように構成される。さらに、リザーバは図13で見ることができないが、薬物リザーバから通じる薬物送達通路940は図13に示されている。リザーバ838が図12に示されるように、図13のリザーバは外表面946の真下に位置付けられることができる。通路940は、内方成長パッド954のまわりに経路を定められる(および、それによりこれを回避する)。インプラント932のリザーバを(最初に、および/または補充として)治療薬で満たすと、治療薬はインプラント932のリザーバから通路940を介して治療部位に移動することができる。
【0050】
[00120]図14は、本発明による長期大腿骨膝関節インプラントシステム1030を示す。図1から図13における類似の特徴に対応する、図14における構造的特徴は、100の複数倍を加算した参照文字を有する。システム1030は、図12のインプラント832に類似した人工インプラント1032を含む。インプラント1032は大腿骨1035に取り付けられる。システム1030は、注入ポート1058のための取り付け機構または要素1050(管状要素など)と、注入ポート1058と、カテーテル1060と、インプラント1032に遠いリザーバ1062とをさらに含む。注入ポートはインプラント1032への薬物の追加補充のために設けられ、これは治療部位に治療薬を転送するための少なくとも1つの通路を含む。外部のリザーバ1062はインプラント1032に取り付けられるので、インプラント本体1044は追加の内部リザーバを画定してもよいし、画定しなくてもよい。取り付け要素1050、注入ポート1058、カテーテル1060、および外部リザーバ1062を介してインプラント1032の内部リザーバを(最初に、および/または補充として)治療薬で満たすと、治療薬はインプラント1032のリザーバから薬物送達通路を介して治療部位に移動することができる。インプラント1032が内部リザーバを有さない場合、治療薬は、外部リザーバ1062からカテーテル1060、注入ポート1058、および取り付け要素1050を介して薬物送達通路を介して治療部位に移動する。
【0051】
[00121]図15および図16は、本発明による長期大腿骨股関節インプラントシステム1130を示す。図1から図14における類似の特徴に対応する、図15および図16における構造的特徴は、100の倍数を加算した参照文字を有する。図15は、長期人工大腿骨股関節インプラント1132と内方成長多孔性表面1154とを含む長期大腿骨股関節インプラントシステム1130を示す。図16は、インプラント本体1144または基材(substrate)1144の上面(図16の向きで)上にある第1の多孔性表面1154(図のそれぞれでは、本体1144は基材とも呼ばれることができる)と、本体1144の底面(図16の向きで)上にある第2の多孔性表面1154とを示す。多孔性表面1154は、矢印1156によって示されるように、その中に骨および/または組織の内方成長を受け入れるように構成される。図16は多孔性表面1154と本体1144の間に若干の空間があることを示すが、この空間は例示を目的としたものであり、多孔性表面1154は、表面1154を本体1144の外表面1146に付着させるために使用されることができる任意の接着剤を除けば本体1144と面一とすることができることが理解される。各多孔性表面1154は、本体1144の外表面1146に取り付けられた第1の側面1164と、前記第1の側面1164に対向する第2の側面1166とを含む。各多孔性表面1154は、第1の側面1164から第2の側面1166に続く貫通穴1168を含む。貫通穴1168は、治療薬1136を第1の側面1164から第2の側面1166に送り、それにより、治療薬1136を治療部位1142に送るように構成される。多孔性表面1154内の貫通穴1168は、それぞれ表面通路1170および表面下通路(sub−surface channel)1172に通じる。通路1170および1172は、薬物送達通路であるので、通路40と基本的に同じ機能を果たすことができる。図16は、リザーバ1138および接続通路1140を破線で示す。というのは、このようなリザーバ1138および接続通路1140(リザーバ1138を通路1170および/または1172と接続する)はこのセクションでは認識できないか、または別法として、このようなリザーバ1138および接続通路1140は任意選択とすることができることが理解される(言い換えれば、インプラント1132は、このような内部リザーバ1138とこのリザーバ1138から表面通路1170または表面下通路1172に通じる接続通路1140を含まない)。
【0052】
[00122]さらに、図16は、本体1144の外表面1146が、リザーバ1138から治療部位1142に治療薬1136を提供するために通路1140および多孔性表面1154の貫通穴1168と連通してこれらと協働する表面通路1170を画定することができることを示す。図16は複数のこのような表面通路1170を示し、そのそれぞれは上述のように、任意選択でそれぞれの接続通路1140を介してリザーバ1138に接続されることができる。インプラント1132がリザーバ1138および接続通路1140を有する場合、リザーバ1138を(最初に、または補充として)治療薬で満たすと、治療薬はリザーバ1138から通路1140および1170を介して治療部位に移動することができる。インプラント1132がリザーバ1138および接続通路1140を有さない場合、表面通路1170は(最初に、および/または補充として)治療薬で満たされ、治療薬は表面通路1170を介して、貫通穴1168を通って治療部位1142に移動することができる。治療薬は、多孔性表面1154内へ成長する骨および/または組織に提供されることもできる。
【0053】
[00123]さらに、図16は、リザーバ1138から続く通路1140は表面下通路1172に接続されることができることを示す。表面下通路1172と多孔性表面1154内の貫通穴1168は、リザーバ1138から治療部位1142に治療薬1136を提供するために、互いと位置合わせされ協働する。表面下通路1172から外表面1146に通じる穴1174(通路40のように、本発明の通路と見なされることもできる)も、本体1144内に設けられる。これらの穴1174は、それぞれの通路1140および1172の一部であると見なされることができる。
【0054】
[00124]したがって、図15および図16は、整形外科インプラント1132と多孔性表面1154とを含む整形外科インプラントシステム1130も示す。整形外科インプラント1132は、身体1134内の選択された場所に埋め込み可能で、かつ身体1134に治療薬1136を送達するように構成された本体1144を含む。インプラント1132の本体1144は、複数の表面通路1170を画定する外表面1146を含み、上記のように治療薬リザーバ1138が欠如してもよい。上述のように、図16のリザーバ1138の破線は、リザーバ1138が任意選択であることを示す。複数の表面通路1170は、インプラント1132が身体1134内に埋め込まれた後に、治療薬1136を受け入れ、これを保持し、これを送達して、これで補充されるように構成される。整形外科インプラント1132は人工器官である。あるいは、インプラント1132は、釘(図17)、プレート(図18)、または埋め込み可能なピンを有する創外固定装置(図19)として形成されることができる。多孔性表面1154は外表面1146に取り付けられる。多孔性表面1154は、矢印1156によって示されるように、その中に骨および組織の内方成長の少なくとも一方を受け入れるように構成される。上記のように、各多孔性表面1154は、外表面1146に取り付けられた第1の側面1164と、第1の側面1164に対向する第2の側面1166とを含む。多孔性表面1154は、第1の側面1164から第2の側面1166に続く複数の貫通穴1168を含む。複数の表面通路1170は、複数の表面通路1170から多孔性表面1154の第1の側面1164に、次いで多孔性表面1154の第2の側面1166に治療薬1136を提供するために、複数の貫通穴1168と連通しこれと協働する。表面通路1170は(最初に、および/または補充として)治療薬で満たされることができ、治療薬1136は表面通路1170を介して、貫通穴1168を通って治療部位1142に移動する。
【0055】
[00125]したがって、本発明は、任意のタイプの多孔性コーティングまたは表面を有する長期インプラントに、またはセメント化インプラント(cemented implant)に適用されることができる。薬物は、要件に応じて、多孔性コーティングを通して送達されることもできるし、または(上記で開示されたように)多孔性コーティングのない領域に転送されることもできる。(図9、図10、図13、図15、および図16を参照)。多孔性コーティングを通る送達では、通路は、図15および16に関して上記で開示されたように、インプラント基材の表面(多孔性表面が取り付けられるインプラントの中実材料−図14を参照)の上またはこの表面の下に作製されることができる。表面通路では、穴は、薬物が送達されることができる道を作製するために、多孔性表面を通って表面通路まで穿設されることができる。表面下通路では、穴は、薬物が送達される道を作製するために、基材(インプラントの本体)の表面から表面下通路まで穿設されなければならない。(図16を参照)。この穿設は、多孔性コーティング/表面を付着させる前に、または多孔性コーティング/表面が付着された後に行われることができる。多孔性コーティング/表面が付着された後にこの穿設が行われる場合、穴は多孔性コーティング/表面および基材/本体表面を通って作製される。(図16を参照)。
【0056】
[00126]セメントが薬物送達穴の上をシールするのを防止するために、セメントリストリクタも本発明に従って使用されることができる。本発明は、股関節全体コンポーネント、膝関節全体コンポーネント、肩関節全体コンポーネント、および肘関節全体コンポーネントなどの、あらゆるタイプの関節全体インプラントに適用されることができる。
【0057】
[00127]骨の内方成長の亢進および吸収の抑制について、多孔性材料(すなわち、関節全体コンポーネント上、固定装置(すなわち脊椎固定装置)上、または骨造成コンポーネント(すなわち脛骨ウェッジ)上の多孔性コーティングまたは多孔性パッドまたは多孔性表面)への骨の内方成長を亢進または高速化するために、骨成長刺激物質が手術中または手術後に注入されることができる。これらの薬物は、応力遮蔽、骨溶解、または骨代謝疾患などの原因による骨吸収を抑制するために、本発明による長期インプラントを使用して手術の数か月〜数年後に注入されることもできる。
【0058】
[00128]腫瘍学について、本発明のインプラントは、同様に、インプラントを取り囲む一部またはすべての組織への薬物の送達を可能とする。本発明のインプラントはセメント化されることができる。本発明は、セメント領域のまわりに薬物を転送する仕方を提供し、セメントが薬物送達穴上をシールするのを防止する仕方を提供する。
【0059】
[00129]図17から図19に示される本発明によるインプラントは非永久インプラントである。このようなインプラントは、釘、プレート、および創外固定装置などの外傷製品とすることができる。本発明の非永久インプラントは、必ずしもこれらの装置に限定されない。本発明の非永久インプラントは、上述の短期インプラントおよび長期インプラントと基本的な類似性を有する。したがって、図1における類似の特徴に対応する、図17から図19における構造的特徴は、100の倍数を加算した参照文字を有する。したがって、上述の短期インプラントおよび長期インプラントと同様に、本発明はさらに、薬物が骨および周囲組織に(または任意の特定の場所に)直接送達されうる非永久インプラントを提供する。本発明による非永久インプラント内のリザーバおよび/または通路によって、薬物が治療部位に送達され、補充されることができる。本発明による釘は図17に示されている。本発明によるプレートは図18に示されている。本発明による創外固定装置は19に示されている。
【0060】
[00130]釘は一時的な髄内装置であり、典型的には、外傷性骨折を治療するために使用される。感染症のリスクは、特に開放骨折の場合に高くなることがある。本発明は、予防策としてまたは感染症を発症した場合に治療するために抗生剤に本発明の釘を取り囲む骨に送達させる。
【0061】
[00131]骨成長について、骨折の場合、骨折(複数可)の領域への骨成長刺激物質の直接送達は有益である場合がある。これは、偽関節、骨欠損、および骨切り術などの、困難な場合に特に当てはまる。本発明による釘は、骨折(複数可)の領域への骨成長刺激物質のこのような直接送達を可能とする。
【0062】
[00132]腫瘍学について、釘は、骨腫瘍に関連する骨折を治療するために使用することができる。釘はまた、癌により骨が脆弱化した箇所の骨折を防止するために使用することができる。本発明による釘は、腫瘍成長の低下/停止の結果を改善することがある、腫瘍領域内への抗腫瘍剤の局所的な送達を実現する。本発明による釘によって実現される局所的な送達に関する能力はまた、全身薬の必要性/用量を軽減し、副作用の減少をもたらすことができる。
【0063】
[00133]図17は、身体内に埋め込み可能な整形外科釘1232を示す。図1から図16における類似の特徴に対応する、図17における構造的特徴は、100の複数倍を加算した参照文字を有する。釘1232は、リザーバ1238およびこの薬物リザーバ1238から釘1232の外表面1246に通じる薬物送達通路1240を画定する本体1244を含む。したがって、本発明は、たとえば大腿骨股関節インプラントなどの長期インプラントの薬物送達部分(股関節ステムなど)に類似した薬物送達部分を有する整形外科釘1232を提供する。この設計によって、薬物が、骨のすべての区域に、または任意の特定の場所に直接送達されうる。(図17)。ポートなどの装置は、釘1232への薬物の術後注入を可能とするために使用されることができる。これは、治療の全体を通じて任意の数の薬物の送達を可能とする。釘1232内のリザーバ1238および/または通路124によって、これらの注入からの薬物が、数時間〜数週間の期間にわたって送達されることを可能とする。したがって、リザーバ1238を(最初に、および/または補充として)治療薬で満たすと、治療薬はリザーバ1238から通路1240を介して治療部位に移動することができる。薬物は、インプラントを取り囲むすべての骨組織に、または特定の場所のみに送達されることができる。すべてのタイプの釘は、順行性および逆行性の大腿骨釘、脛骨釘、および上腕骨釘を含めて、この技術を利用することができる。
【0064】
[00134]整形外科プレートは、釘と同じ適応症の多くを治療する。ただし、プレートは骨の外側にあてられる。プレートは、局所的に薬物を送達するために同じ機会を提供する。釘は髄内釘であるので、本発明に従って、主に骨組織に薬物を送達するために使用されることができる。プレートは骨の外側にあてられるので、本発明に従って、骨と軟部組織の両方に薬物を送達するために使用されることができる。局所的な薬物送達によって恩恵を受ける考えられ得る軟部組織治療の例としては、軟部組織の内方成長または治癒の亢進、抗生剤の送達による感染症の予防、および抗腫瘍剤の局所的な送達による近傍の軟部組織腫瘍の治療がある。
【0065】
[00135]図18は、身体内に埋め込み可能な整形外科プレート1332を示す。図1から図17における類似の特徴に対応する、図18における構造的特徴は、100の複数倍を加算した参照文字を有する。プレート1332は、リザーバ1338およびこの薬物リザーバ1338からプレート1332の外表面1346に通じる薬物送達通路1340を画定する本体1344を含む。リザーバ1338を(最初に、および/または補充として)治療薬で満たすと、治療薬はリザーバ1338から通路1340を介して治療部位に移動することができる。
【0066】
[00136]したがって、プレートの薬物送達部分は本発明による整形外科釘の薬物送達部分に類似している。プレートによって、薬物が、骨および周囲組織に(または任意の特定の場所に)直接送達されうる。ポートなどの装置は、プレートへの薬物の術後注入を可能とするために使用されることができる。これは、治療の全体を通じて任意の数の薬物の送達を可能とする。プレートインプラント1332内のリザーバ1338および/または通路1340によって、これらの注入からの薬物が、数時間〜数週間の期間にわたって送達されることを可能とする。薬物は、プレートインプラント1332を取り囲むすべての骨および軟部組織に、または特定の場所のみに送達されることができる。
【0067】
[00137]創外固定装置は、骨折を安定化するために使用されるテンポラリーインプラントである。これらの創外固定装置は、数日〜数か月間使用することができる。創外固定装置は、典型的には、骨内に固定され、かつ皮膚を通って剛性のプレート、リング、ロッド、または類似の安定化装置まで延びる、いくつかのピンを含む。ピンが皮膚を通って延びることを考慮すると、これらの装置は感染症のリスクの上昇を伴う。細菌がピンに沿って移動し、軟部組織および骨に直接到達することがある。本発明は創外固定装置に適用されることができる。したがって、抗生剤または他の感染症治療薬は、ピンを取り囲む骨および軟部組織に提供されることができる。(図19)。外部リザーバは、骨および軟部組織に抗生剤を供給/ポンプ圧送するために使用されることができる。
【0068】
[00138]図19は、たとえば、外傷装置である、本発明による創外固定装置1432を示す。図1から図18における類似の特徴に対応する、図19における構造的特徴は、100の複数倍を加算した参照文字を有する。創外固定装置1432は、埋め込み可能なピン1476と、ピン1476に結合されたシース1478と、シース1478に結合されたリザーバ1480とを含み、ピン1476は複数の通路1440を画定する。より具体的には、ピン1476は、内部空間区域1484および複数の薬物送達通路1440または穴1440を画定する壁1482を含む。ピン1476の外周に接続されるのはシース1478であり、これはピン1476と同軸であってよい。シース1478は、薬物が、皮膚1434の外側である創外固定装置1432のその部分から出ることを防止する働きをする。皮膚1434の壁の右(図19のページ上の向きで)に向かって、身体の外部である空間がある。さらに、薬物リザーバ1480はシース1478に取り付けられる。薬物リザーバ1480は、創外固定ロッドおよび/またはプレート(図示せず)への創外固定装置1432の取り付けを可能とするような形状である。治療薬は、薬物リザーバ1480からピン1476の内部空間区域1484に移動し、ピン壁1482内の通路/穴1440を通って治療部位に到達する。したがって、リザーバ1480を(最初に、および/または補充として)治療薬で満たすと、治療薬はリザーバ1480から内部空間区域1484および通路(複数可)1440を介して治療部位1442に移動することができる。
【0069】
[00139]感染症を治療するために使用されるテンポラリー骨セメントインプラントの欠点について上述した。追加の欠点としては、血流がないことによりこのようなインプラントを通して適切な量の治療薬を骨に送達することが困難であることがある。図20から図27は、この欠点に対処する整形外科薬物送達インプラントを示す。より具体的には、図20から図21は、着脱可能かつ交換可能なカートリッジを介する治療薬の送達を示す。さらに、図22から図26は、部分的または全体的に多孔性であるインプラントを通る浸出を介する治療薬送達を示す。さらに、図27は、修正されたリザーバ設計を示す。図20から図27に示される設計は、短期整形外科インプラント、長期整形外科インプラント、または非永久整形外科インプラントで使用されることができる。図1から図19における類似の特徴に対応する、図20から図27における構造的特徴は、100の倍数を加算した参照文字を有する。
【0070】
[00140]図20および図21は、整形外科インプラント1532とカートリッジ1586とを含む整形外科インプラントシステム1530を示す。より具体的には、図20はインプラント1532に挿入されたカートリッジ1586を示す。しかし、図21は、カートリッジ1586が除去されたインプラント1532を示す。インプラント1532は、たとえば短期人工大腿骨股関節インプラント1532として形成される。インプラント1532は、身体1534内に埋め込まれる。インプラント1532はその本体1544によって画定される。本体1544は、リザーバ1538およびリザーバ1538から本体1544の外表面1546に続く複数の通路1540を画定する。カートリッジ1586は、リザーバ1538に挿入され、したがってこれによって受け入れられる。リザーバ1538はカートリッジ1586のハウジングとして働く。したがって、リザーバ1538は、カートリッジ1586のハウジングとして、カートリッジ1586を嵌合するように(matingly)収容しこれに接続するような形状にされることができる。リザーバ1538は、カートリッジ1586を受け入れるように、略カップ状とし、したがって外表面1546に開かれることができる(したがって、リザーバ1538は基本的に外表面1546内の止まり穴とすることができる)。カートリッジ1586は、少なくとも1つの治療薬1536を含有し、これは図20では破線で示されている。カートリッジ1586は、治療薬1536がリザーバ1538から離れて少なくとも1つの通路1540内に、したがって本体1544の外表面1546に移動するために、リザーバ1538および/または少なくとも1つの通路1540に治療薬1536(カートリッジ1586内の円として示される)を放出するように構成される。カートリッジ1586は、リザーバ1538から着脱可能であり、インプラント1532が身体内に埋め込まれた後に別のカートリッジ1586と交換可能である。第1のカートリッジ1586は、治療薬がないとき(それ以外では、第1のカートリッジ1586から所望の量の治療薬を放出したとき)、交換される。空の第1のカートリッジ1586に代わる第2のカートリッジ1586は、リザーバ1538に挿入され、それにより第1のカートリッジ1586と交換するときに、治療薬で一杯である(またはその中に所望の量の治療薬を有する)。したがって、システム1530におけるリザーバ1538の補充は、第1のカートリッジ1586を第2のカートリッジ1586と交換することによって行われる。
【0071】
[00141]したがって、システム1530は、インプラント本体1544と、交換可能な部分またはカートリッジ1586とを有することができる。(図20から図21)。交換可能なカートリッジ1586は、上記のように、治療剤(therapeutics)を含有する。埋め込みのとき、外科医は、どの治療剤でカートリッジ1586を満たすべきかを決定することができる。長期にわたって、カートリッジ1586は、以前と同じ治療剤または異なる治療剤で満たされた新しいカートリッジ1586と交換されることができる。理想的には、カートリッジの交換は外来患者の軽微な処置として行われる。
【0072】
[00142]交換可能なカートリッジは、インプラントに対して任意選択で形成されることができる。第1の選択肢として、カートリッジは、インプラントに対して別の装置と見なされることができるが、図20に示すように、インプラントに直接取り付けられることができる。第2の選択肢として、カートリッジは、インプラント本体から分離できるインプラントの一部分と見なされることができる。第3の選択肢として、カートリッジは、患者の体内で第1のインプラント(すなわち、大腿骨股関節インプラント)から離れて配置されるが、カテーテルなどを介して第1のインプラントに接続される第2の交換可能なインプラントとすることができる。第4の選択肢として、カートリッジは、患者の体外に位置付けられる装置とすることができるが、インプラント(すなわち、大腿骨股関節インプラント)は患者の体内に埋め込まれることができる。
【0073】
[00143]図22から図26は、それぞれのインプラントを通る浸出を介する治療薬送達を容易にするために部分的または全体的に多孔性であるインプラントを示す。自己潤滑性である粉末冶金軸受け(powder metallurgy bearing)とほとんど同じように、治療薬は、部分的または全体的に多孔性であるインプラントから患者の体に送達されることができる。(図22から図26)。治療剤は、インプラントの多孔性部分から体に浸出する。このようなインプラントは、本明細書において前述のように薬物送達通路、リザーバ、および治療剤を再度注入する種々の仕方も含有することができる。図22および図23はそれぞれ、そこからの治療薬の浸出を容易にするために、インプラント1632の本体1644全体が多孔性である人工大腿骨股関節インプラント1632を示す。孔には1690というラベルが付けられている。ただし、図22のインプラント1632は、必ずしも孔に加えて薬物リザーバまたは薬物送達通路を含まない。むしろ、孔および孔の間の接続は、本発明によるリザーバおよび通路を形成することが理解される。孔の間の「接続」は、(1)孔の間に延びる細長い通路によって形成されることができるし、または(2)互いに隣接し開かれている隣接孔の相互接続だけで形成されることができる(追加の細長い通路は、第2例の孔の間に延びない)。使用に際して、液体治療薬などの治療薬は、インプラント1632の1つまたは複数の孔にポンプ圧送されることができる。次に、治療薬は、外表面に、または治療部位に孔(および追加の任意の接続する細長い通路)を通って浸出する。したがって、治療薬は、インプラント1632の孔1690を介して治療部位に送達され、治療部位は孔1690内またはその外側にあることができる。対照的に、図23は、インプラント1632の本体1644内に埋められたかまたはこれによって画定された、薬物リザーバ1638および薬物送達通路1640を示す。したがって、リザーバ1638を(最初に、および/または補充として)治療薬で満たすと、治療薬はリザーバ1638から通路1640を介して治療部位に移動することができる。図24から図26はそれぞれ、そこからの治療薬の浸出を容易にするためにインプラント1732の本体1744の一部分が多孔性である人工大腿骨股関節インプラント1732を示す。本体1744の多孔性部分には1790というラベルが付けられている。ただし、図24のインプラント1732は、それに加えて薬物リザーバまたは薬物送達通路を含まない。しかし、インプラント1632および図24と関連して前述したように、1つまたは複数の孔ならびにこの孔の間の接続(「接続」については上記で説明した)は、本発明による通路のリザーバを形成することができる。したがって、治療薬は、多孔性部分1790を介して治療部位に送達されることができ、治療部位は多孔性部分1790内であってもその外側にあってもよい。対照的に、図25および図26のインプラント1732は、それに加えて薬物リザーバ1738と薬物送達通路1740とを含む。図25は、インプラント1732の本体1744の多孔性部分1790内に埋められたかまたはこれによって画定されたリザーバ1738と、インプラント1732の本体1744の多孔性部分1790内に少なくとも部分的に埋められたかまたはこれによって画定された薬物送達通路1740を示す。したがって、リザーバ1738を(最初に、および/または補充として)治療薬で満たすと、治療薬はリザーバ1738から通路1740を介して治療部位(多孔性部分1790内にあってもこの外側にあってもよい)に移動することができる。図26は、リザーバ1738が多孔性部分1790内にないことを示し、薬物送達通路1740が少なくとも一部は多孔性部分1790に通じることを示す 。したがって、リザーバ1738を(最初に、および/または補充として)治療薬で満たすと、治療薬はリザーバ1738から通路1740を介して治療部位(多孔性部分1790内にあってもこの外側にあってもよい)に移動することができる。
【0074】
[00144]図27は、人工大腿骨股関節インプラント1832とスポンジ状またはスポンジ材料または要素1892とを有する整形外科インプラントシステム1830を示す。上記のインプラントと同様に、インプラント1832の本体1844は、薬物リザーバ1838およびこのリザーバ1838から本体1844の外表面1846に通じる薬物送達通路1840を画定する。リザーバ1838は、スポンジ状要素1892を含有するかまたは収める。この材料の目的は、リザーバ1838から薬物送達通路1840への治療薬の分散を制御すること、骨および組織がリザーバ1838内に成長したりこれを満たしたりしないようにすること、および/またはインプラント1832を強化することである。リザーバ1838を(最初に、および/または補充として)治療薬で満たし、スポンジ状材料1892をリザーバ1838内に置くと、治療薬は、リザーバ1838から(したがって、スポンジ状要素1892からも)通路1840を介して治療部位に移動することができる。スポンジ状要素1892の材料としては、所望の結果に応じていくつかの可能性があり得る。たとえば、スポンジ1892が長時間にわたってリザーバ1838の中に留まることになる場合、たとえばポリビニルアルコール(PVA)またはIvalonスポンジが使用されることができる。一方、スポンジ1892が留まることになる時間がより短時間の場合、たとえばコラーゲンを主成分とする材料(すなわち、たとえばJohnson and JohnsonのInstat)またはゼラチンスポンジ(すなわち、たとえばPfizerのGelfoam)が使用されることができる。スポンジ1892のこれらの例は、限定ではなく、例示的に提供されている。
【0075】
[00145]本発明による上述のいかなる装置も、単一のまたは複数の取り付け機構(カテーテルまたはポートのための接続など)と、単一のまたは複数の組のリザーバおよび/または通路を含むことができる。すべてのリザーバ/通路で同じ治療薬が使用されることもできるし、一度にいくつかの治療薬が使用されることもできる。別個のリザーバ/通路によって、必要に応じて、治療薬のそれぞれが、インプラント上の特定の場所に送達されうる。
【0076】
[00146]本発明による上述の内部(埋め込まれた)装置のいずれも、治療薬の短期および/または長期の送達を可能とするために、送達通路/道と共に、内部リザーバ(インプラント内に含有される)を含むことができる。内部リザーバが存在しない場合、インプラントは、治療薬の分散を可能とするために送達通路/道を含有することができる。
【0077】
[00147]本発明によれば、治療薬は、以下の仕方の1つまたは複数によって、本発明のインプラントの送達通路/道および/またはインプラントのリザーバに案内されることができる。
【0078】
a.送達導管(皮下注射器など)との間の直接インターフェイス。
b.インプラントへの薬物ポンプ、外部リザーバ(インプラントの外部であるが、患者の内部または外部に配置されることができる)、および/またはポートの直接取り付け。すなわち、薬物ポンプ、外部リザーバ、および/またはポートは、インプラントに直接取り付けられることができる。カテーテルは、薬物ポンプ、外部リザーバ、および/またはポートとインプラントの間に配置されることができるが、必ずしも配置されない。次に、治療薬は、たとえば皮下注射器によってこれらの中間装置の1つに案内される。次いで、治療薬はインプラントの送達通路/道および/またはインプラントのリザーバに移される。
【0079】
c.薬物ポンプ、リザーバ、および/またはポートは、インプラントから離れた体内の別の場所に埋め込まれることができ、および/またはたとえば送達チューブまたはカテーテルによってインプラントに接続されることができる。図28は、整形外科インプラントシステムのこの選択肢を概略的に示す。システム1930では、リザーバ1994、ポンプ1995、およびポート1996は、患者の体1934の、インプラント1932から離れた皮膚の下に埋め込まれ、埋め込まれたカテーテル1998を介してインプラント1932のリザーバ1938に接続されて示されている。それにより、リザーバ1994、ポンプ1995、およびポート1996は、リザーバ1994からインプラント1932を介して治療部位1942に治療薬(矢印1936によって示され、この矢印1936は治療薬の進行方向も示す)を送達するように構成される。言い換えれば、ポンプ1995およびポート1996は、リザーバ1938と協働して、カテーテル1998を介して、インプラント1932の本体によって画定されたリザーバ1938に治療薬1936を送達することができる。インプラント1932の本体は、リザーバ1938からインプラント1932の外表面に続く通路を、表面下通路または表面通路のいずれでも画定することができる。インプラント1932は、人工器官、釘、プレート、創外固定装置の埋め込まれたピン、創内固定装置、多孔性装置、袋(bladder)、スポンジ状要素、軟部組織内に埋め込み可能なインプラント、または他の任意の整形外科インプラントなどの整形外科インプラントである。
【0080】
d.薬物ポンプ、リザーバ、および/またはポートは、本体の外部に配置され、たとえば送達チューブまたはカテーテルによってインプラントに接続されることができる。このサブパラグラフの例とこの段落のサブパラグラフcの例の大きな違いは、この段落のサブパラグラフcの例では、カテーテルが体内のある場所から体内の別の場所に続くが、このサブパラグラフの例では、カテーテルが体外から体内のインプラントに続くことである。図29は、整形外科インプラントシステムのためのこの選択肢を概略的に示す。システム2030では、リザーバ2094、ポンプ2095、およびポート2096は患者の体2034の皮膚の下に埋め込まれないが、経皮的(皮膚を通り、これに入る、またはこれを通る貫通によってなされる)カテーテル2098によってインプラント2032のリザーバ2038に接続されて示されている。それにより、リザーバ2094、ポンプ2095、およびポート2096は、リザーバ2094からインプラント2032を介して治療部位2042に治療薬(矢印2036によって示され、この矢印2036は治療薬の進行方向も示す)を送達するように構成される。言い換えれば、ポンプ2095およびポート2096は、リザーバ2094と協働して、カテーテル2098を介して、インプラント2032の本体によって画定されたリザーバ2038に治療薬2036を送達することができる。インプラント2032の本体は、リザーバ2038からインプラント2032の外表面に続く通路を、表面下通路または表面通路のいずれでも画定することができる。インプラント2032は、人工器官、釘、プレート、創外固定装置の埋め込まれたピン、創内固定装置、多孔性装置、袋、スポンジ状要素、軟部組織内に埋め込み可能なインプラント、または他の任意の整形外科インプラントなどの整形外科インプラントである。
【0081】
e.カテーテルは、体外から体内のインプラントに続くが、カテーテルの外端部に取り付けられたポンプ、リザーバ、またはポートを含まない(外端部とは、インプラントに取り付けられた端部に対向する端部である)。
【0082】
[00148]本発明の整形外科インプラントは、多孔性コーティングを含む現在使用可能な任意の設計と共に適用されることもできるし、セメント化インプラントと共に使用されることもできる。
【0083】
[00149]本発明は、システム30などの整形外科インプラントシステムを使用する方法をさらに提供する。この方法は、身体34内の選択された場所に整形外科インプラント32を埋め込むステップであって、インプラント32がリザーバ38と複数の通路40とを含むステップと、リザーバ38内で少なくとも1つの治療薬36を受け入れるステップと、リザーバ38から通路40を介して身体34に対する治療部位42に少なくとも1つの治療薬36を輸送するステップと、身体34に少なくとも1つの治療薬42を送達するステップとを含む。上記のように、本発明によるインプラントは、人工器官、釘、プレート、または埋め込まれたピンを有する創外固定装置である。インプラント32は、選択された場所に埋め込まれた本体44を含み、本体44はリザーバ38および通路40を画定し、外表面46を含み、通路40はリザーバ38を外表面46と流体的に連通させ、それにより、リザーバ38から外表面46に治療薬36を輸送する。方法は、多孔性表面1154を外表面1146に取り付けるステップを含むことができ、多孔性表面1154はその中に骨および/または組織の内方成長1156を受け入れ、多孔性表面1154は外表面1146に取り付けられた第1の側面1164と第1の側面1164に対向する第2の側面1166とを含み、多孔性表面1154は第1の側面1164から第2の側面1166に続く貫通穴1168を含み、貫通穴1168は第1の側面1164から第2の側面1166に少なくとも1つの治療薬1136を送り、それにより、少なくとも1つの治療薬1136を治療部位1142に送る。外表面1146は表面通路1170を画定することができ、表面通路1170は少なくとも1つの通路1140および少なくとも1つの貫通穴1168と連通してこれらと協働し、それにより、リザーバ1138から治療部位1142に少なくとも1つの治療薬1136を提供する。少なくとも1つの通路40は表面下通路1172とすることができ、表面下通路1172と貫通穴1168は互いと位置合わせされて協働し、それにより、リザーバ1138から治療部位1142に少なくとも1つの治療薬1136を提供する。方法は、身体1934内にインプラント1932から離れて第2のリザーバ1994、ポンプ1995、および/またはポート1996を埋め込むステップと、身体1934内に埋め込まれた少なくとも1つのカテーテル1998によって第2のリザーバ1994、ポンプ1995、および/またはポート1996をインプラント1932のリザーバ1938に接続するステップと、インプラント1932、カテーテル1998、および第2のリザーバ1994、ポンプ1995、および/またはポート1996を介して治療部位1942に少なくとも1つの治療薬1936を送達するステップとを含むことができる。方法は、身体2034内に埋め込まれていない、第2のリザーバ2094、ポンプ2095、および/またはポート2096を提供するステップと、少なくとも1つの経皮的カテーテル2098によって第2のリザーバ2094、ポンプ2095、および/またはポート2096をインプラント2032のリザーバ2038に接続するステップと、インプラント2032、カテーテル2098、および第2のリザーバ2094、ポンプ2095、および/またはポート2096を介して治療部位2042に少なくとも1つの治療薬2036を送達するステップとを含むことができる。方法は、カートリッジ1586をリザーバ1538に挿入するステップであって、カートリッジ1586が少なくとも1つの治療薬1536を含有するステップと、少なくとも1つの治療薬1536がリザーバ1538から離れて少なくとも1つの通路1540内に移動するように、少なくとも1つの治療薬1536をリザーバ1538および/または少なくとも1つの通路1540に放出するステップと、インプラント1532が身体1534内に埋め込まれた後にカートリッジ1586をリザーバ1538から除去するステップと、インプラント1532が身体1534内に埋め込まれた後にカートリッジ1586を別のカートリッジ1586と交換するステップとを含むことができる。方法は、スポンジ状要素1892を提供するステップを含むことができ、リザーバ1838はスポンジ状要素1892を含有する。インプラント1632、1732の本体1644、1744は部分的にまたは完全に多孔性とすることができる。創外固定装置1432は、埋め込み可能なピン1476と、ピン1476に結合されたシース1478と、シース1478に結合されたリザーバ1480とを含むことができ、ピン1476は複数の通路1440を画定する。インプラントは1つのリザーバのみを含むことができる。方法は、インプラント32が身体34内に埋め込まれた後にリザーバ38を少なくとも1つの治療薬36で補充するステップを含むことができる。方法は、インプラント32のリザーバ38および通路40を介して身体34に複数の治療薬36を送達するステップを含むことができる。
【0084】
[00150]図30は、本発明による整形外科インプラントシステム3030を示す。図1から図29における類似の特徴に対応する、図30から図31における構造的特徴は、100の倍数を加算した参照文字を有する。システム3030は、身体3034内の選択された場所に埋め込み可能で、かつ身体3034に少なくとも1つの治療薬3036を送達するように構成された整形外科インプラント3032を含む。インプラント3032はリザーバ3038および通路3040を画定する。リザーバ3038は、少なくとも1つの治療薬3036を受け入れるように構成される。通路3040は、リザーバ38から身体34に対する治療部位42に少なくとも1つの治療薬3036を輸送するように構成される。リザーバ3038は、インプラント3032が身体3034内に埋め込まれる前またはその後に、治療薬3036を受け入れることができる。有利には、上述のインプラントと同様に、インプラント3032は有利には、リザーバ3038に、液体であってよい治療薬3036をポンプ圧送されるだけとすることができ、治療薬3036は次に通路304を通って外表面3046に、または治療部位3042に移行する。本発明の整形外科インプラントは、創内固定装置3032および/または多孔性装置3532である。リザーバ3038を(最初に、および/または補充として、埋め込みの前または後に、)治療薬3036 で満たすと、治療薬は、リザーバ3038から通路3040を介して治療部位に移動することができる。
【0085】
[00151]創内固定装置は、身体の骨格、骨に何らかのものを取り付ける装置である。創内固定装置は、骨スクリュー、骨アンカー、骨タック、骨移植片、または骨プラグを含むが、これらに限定されない。たとえば、骨スクリューは、骨に軟部組織(すなわち、筋肉、靱帯)を固定するために、または骨に骨を固定するために使用されることができる。創内固定装置は、身体内に埋め込まれることができる。このような創内固定装置は、固定用のねじ山を含むことができる。あるいは、このような創内固定装置は、固定を実現するために(ねじ山ではなく)あご(barb)を含むことができ、シャフトの端部に刃を有する滑らかなシャフトを有することができ(あごが固定を実現する)、またはたとえば骨との圧入(press fit)を形成することができる。装置および装置の使用法のこれらの例は、限定ではなく、例示的に提供されている。
【0086】
[00152]図30は、外表面3046と頭部3031とねじ部3033とを含む骨スクリュー3032として創内固定装置3032を示す。頭部3031は、少なくとも1つの通路3040を含む。ねじ部3033は、少なくとも1つの通路3040を含む。通路3040は、リザーバ3038を外表面3046と流体的に連通させ、それにより、リザーバ3038から外表面3046に少なくとも1つの治療薬3036を輸送するように構成される。したがって、図30は、少なくとも1つの治療薬3036がねじ山3033内の通路3040を通っておよび/または頭部3031内の送達通路3040を通って送達されることができることを示す。インプラント3032は1つのリザーバ3038のみを含むことができる。類似の設計は、たとえば骨アンカーに適用されることができる。
【0087】
[00153]図31は、膝において使用中の骨スクリュー3032を示す。図31は、大腿骨3035と脛骨3037と関節包3039とを含む膝関節を概略的に示す。骨スクリュー3032は、関節包3039内の大腿骨3035に設置される。したがって、骨スクリュー3032のリザーバ3038は少なくとも1つの治療薬3036で満たされることができ、次に治療薬3036が通路3040を通って流れ、それにより、関節包3039内におよび/または大腿骨3035に直接送達されることができる。
【0088】
[00154]図32は、本発明による整形外科インプラントシステム3230を示す。図1から図31における類似の特徴に対応する、図32から図33 における構造的特徴は、100の倍数を加算した参照文字を有する。システム3230は、骨3241内に埋め込まれた創内固定装置(すなわち、骨スクリュー3232)と、身体3234内の選択された場所に埋め込み可能な第2のリザーバ3243とを含む。第2のリザーバ3243は、身体3234に少なくとも1つの治療薬3236を送達するように構成された複数の送達穴3245を含む。図32は、頭部3231とねじ部3233と外表面3246とを含む骨スクリュー3232として創内固定装置を示す。第2のリザーバ3243は頭部3231を取り囲み、これに取り付けられる。頭部3231は、第2のリザーバ3243から骨スクリュー3232のリザーバ3238に少なくとも1つの治療薬3236を輸送するように構成された進入通路3247を含む。ねじ部3233は通路3240を含む。通路3240は、骨スクリュー3232のリザーバ3238を外表面3246と流体的に連通させ、それにより、骨スクリュー3232のリザーバ3238から外表面3246に少なくとも1つの治療薬3236を輸送するように構成される。第2のリザーバ3243は治療薬3236で満たされ、次いで治療薬3236をリザーバ3238に送ることができる。あるいは、リザーバ3238が治療薬3236で満たされ、次いで治療薬3236を第2のリザーバ3243に送ることができる。あるいは、リザーバ3238および第2のリザーバ3243内の治療薬3236は、リザーバ3238および第2のリザーバ3243内の圧力のバランスに応じて、リザーバ3238から第2のリザーバ3243に、またはその逆に流れることができる。したがって、治療薬3236は、スクリュー3232のねじ山3233を通して、および/またはリザーバ3238を通して送達されることができる。アンカーまたは骨プラグは、骨スクリュー3232の代わりに使用されることができる。第2のリザーバ3243は、袋またはバルーンと呼ばれることもできる。シリンジは、リザーバ3238および/または第2のリザーバ3243を満たすまたは補充するために使用されることができる。リザーバ3238および/または第2のリザーバ3243を(最初に、および/または補充として、埋め込みの前または後に)治療薬3236で満たすと、治療薬3236は、第2のリザーバ3243および/またはリザーバ3238から通路3240および/または穴3245を介して治療部位3242に移動することができる。
【0089】
[00155]図32は、第2のリザーバ3243が弾性を有し、それにより、穴3245を通して、および/または進入通路3247内に、少なくとも1つの治療薬3236を排出するように構成されることができることを示す。すなわち、第2のリザーバ3243がその弾性降伏点を超えて満たされると、第2のリザーバ3243によって生成された圧力は穴3245を通して治療薬3236を追い出し、進入通路3247に押し込むことができる。治療薬3236は、進入通路からリザーバ3238に、次いで通路3240を通して外表面3246に流れ、治療部位3242に到達することができる。あるいは、図33は、第2のリザーバ3243が剛性(弾性を有さない)とすることができ、そこから少なくとも1つの治療薬3236を制御可能に放出するように構成された透過膜を形成することができることを示す。本明細書において説明されるように、図33のシステム3230は、第2のリザーバ3243を除いて図32のシステム3230と実質的に同一である。図33の矢印は、第2のリザーバ3243の透過膜を通って流れる治療薬3236を示す。透過膜として、第2のリザーバ3243は、別の製造段階でその中に穴を形成しなくても透過性を本質的に有する材料で作製されることができる。リザーバ3238および/または第2のリザーバ3243を(最初に、および/または補充として、埋め込みの前または後に)治療薬3236で満たすと、治療薬3236は、第2のリザーバ3243および/またはリザーバ3238から通路3240および/または穴3245を介して治療部位3242に移動することができる。
【0090】
[00156]図34は、本発明による整形外科インプラントシステム3430を示す。図1から図33における類似の特徴に対応する、図34における構造的特徴は、100の複数倍を加算した参照文字を有する。システム3430は、大腿骨3435と脛骨3437とを含む膝関節の大腿骨3435内に埋め込まれた創内固定装置(すなわち、骨スクリュー3432)を含む。身体3434の皮膚も図34に示されている。システム3430は、第2のリザーバ3462と管状要素3498(すなわち、カテーテル)とをさらに含む。第2のリザーバ3462は、身体3434内に骨スクリュー3432から離れて埋め込まれる。管状要素3498は、身体3434内に埋め込まれる。骨スクリュー3432は外表面3446を含む。第2のリザーバ3462は管状要素3498を介して骨スクリュー3432と結合され、それにより、管状要素3498、リザーバ、および通路を介して外表面3446に少なくとも1つの治療薬を送達するように構成される。骨スクリュー3432のリザーバおよび通路は図34に示されていないが、骨スクリュー3432が、骨スクリュー3032のリザーバおよび通路に似たリザーバおよび通路を含むことが理解される。管状要素3498は、たとえば締りばめを使用して、骨スクリューの頭部と結合されることができる。取り付けの代替の仕方を以下に示す。図34は、関節包3439内部に設置された骨スクリュー3432を示す。治療薬は第2のリザーバ3462に含有され、スクリュー3432に送達され、スクリュー3432から大腿骨3435および/または関節包3439に溶出または渡される。第2のリザーバ3462は、骨が皮膚に近い膝ではなく、軟部組織内に設置されることができる。リザーバ3462を(最初に、および/または補充として、埋め込みの前または後に)治療薬で満たすと、治療薬はリザーバ3462から骨スクリュー3432を介して治療部位に移動することができる。第2のリザーバ3462は、リザーバ3462および/または骨3432の埋め込みの前または後に、最初に、および/または補充として、満たされることができる。
【0091】
[00157]図9、図13、図15から図16、図22から図26、図35から図36、図40、図44から図49、および図51は、本発明による多孔性装置を示す。本発明による多孔性装置は、後述のようにスクリューとすることができるが、他の整形外科インプラントとすることもできる。たとえば、多孔性装置は、他の創内固定装置とすることができる。さらに、本発明による多孔性装置は、自然または人工の骨移植片とすることができる。
【0092】
[00158]したがって、本発明はさらに、多孔性スクリューおよび治療薬を送達できるスクリューを提供する。さらに、本発明は、骨に種々の軟部組織を付着させるための、および/または骨に骨を付着させるための、および/または軟部組織および/または骨に治療薬(たとえば生物製剤または薬物)を送達するための多孔性スクリューを提供する。考えられ得る使用としては、ACLおよびPCLの再建、内側側副靱帯の修復、外側側副靱帯の修復、後斜靱帯(posterior oblique ligament)の修復、腸脛靱帯固定術による再建(iliotibial band tenodesis reconstruction)、膝蓋靱帯および腱の修復、脊椎修復用の椎弓根スクリュー、骨折固定スクリュー、および治療剤の送達用の薬物溶出インプラント(荷重負荷はない)があるが、これらに限定されない。
【0093】
[00159]本発明の一実施形態は、複数の領域を有する整形外科スクリューを提供し、領域の少なくとも1つは多孔性とすることができる。整形外科スクリューは、頭部と、先端と、少なくとも1つのねじ山とを含む。本発明のスクリューの多孔性は、孔の形状、サイズ、および密度の変化を含めて、その部分または領域内で変わることができる。これらの特性は、スクリュー軸の長さに沿っておよび/または径方向に(外径から軸に)変わることができる。
【0094】
[00160]本発明の整形外科スクリューは、任意の埋め込み可能なポリマー、強化高分子、または金属から形成された少なくとも1つの中実領域をさらに含むことができる。たとえば、材料の中実領域は、挿入中に高い応力が存在することにより、スクリューのねじ山および先端の外側部分にあることができる。中実領域は、本発明の整形外科スクリューの頭部をさらに含むことができる。
【0095】
[00161]本発明の整形外科スクリューを作製するための材料は、任意の埋め込み可能なポリマー、金属もしくはセラミック、またはその任意の組み合わせとすることができる。考えられ得るポリマーとしては、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)、ポリエチレン、ならびにポリ乳酸(PLA)およびポリグリコール酸(PGA)などの再吸収性(resorbable)ポリマーがある。
【0096】
[00162]本発明の整形外科スクリューのねじ山は、連続であっても不連続であっても、さらに1条のねじ山であっても多条のねじ山(single or multiple lead thread)であってもよい。本発明のスクリューはさらに、カニューレが挿入されていてもされていなくても(cannulated or non−cannulated)よい。
【0097】
[00163]本発明の整形外科スクリューはさらに、肯定的な組織応答(たとえば成長速度の増加、炎症反応の低下)を促進する治療薬を局所的に送達するために使用されることができる。このような治療薬としては、ハイドロキシアパタイト、薬物、および生物製剤があるが、これらに限定されない。
【0098】
[00164]本発明の整形外科スクリューの別の実施形態は、通路および/または穴を通る治療薬の即時送達、ならびに治療薬の長期送達のためのリザーバを提供する。送達通路、穴、および/またはリザーバへのアクセスは、手術時または手術後の針との直接インターフェイスを可能とすることができるセルフシールのポリマー隔膜(diaphragm)の提供によって得られることができる。あるいは、PEEKまたは他の埋め込み可能な材料で作製された着脱可能なキャップが、本発明のスクリューの薬剤送達機構へのアクセスを提供し、これをシールすることができる。
【0099】
[00165]本発明の利点は、本発明の整形外科スクリューの多孔性および周囲組織に治療薬を送達する能力が正常な組織統合を促進することである。治療薬のこのような局所的な送達は、再建手術における骨への軟部組織の付着強度を改善し、スクリューへの骨の取り付け強度を改善し、変形性関節症または骨粗鬆症の患者の骨を強化するように、このような問題を支援することができる。別の利点は、本発明の整形外科スクリューが治療薬の長期または短期の送達に効果的に利用されることができることである。別の利点は、治療薬が工場で装置内にあらかじめ入れられること、または手術前、手術中、または手術後に外科医によって入れられることができることである。
【0100】
[00166]本発明は、多孔性を有し、かつ治療薬を送達する能力を有することができる装置を提供する。本発明の装置の多孔性およびそれによって本発明の装置が治療薬を送達する能力は、骨および/または軟部組織の正常な統合を促進する。
【0101】
[00167]本発明は、多孔性で、および/または周囲組織に治療薬を送達するできるスクリューを提供する。このスクリューを作製するための材料は、任意の埋め込み可能なポリマー、金属もしくはセラミック、またはこれらの組み合わせとすることができる。考えられ得るポリマーとしては、PEEK(ポリ(エーテルエーテルケトン))、PEK(ポリ(エーテルケトン))、PAEK (ポリ(アリールエーテルケトン))、ポリエチレン、ならびにPLA(ポリ(乳酸))およびPGA(ポリ(グリコール酸))などの再吸収性ポリマーがある。おそらく、第1候補は、PEEK、強化PEEK(強化材料には、炭素繊維/粒子/ナノチューブ、硫酸バリウム、ジルコニアが含まれるが、これらに限定されない)、およびチタン/チタン合金である。本発明のスクリューは、周囲組織に治療薬(薬物または生物製剤など)を送達する能力を含むことができる。治療薬は、手術の前、手術時、またはその後の任意の時点において外科医によって選択されることができる。さらに、治療薬は、現在許容できる慣例によって工場で装置内にあらかじめ入れられること、または手術前、手術中、または手術後(追跡手技として)に外科医によって入れられることができる。
【0102】
[00168]本発明のスクリューは、多孔性とすることができるが、多孔性である必要はない。
[00169]図1から図34における類似の特徴に対応する、図35から図43および図53から図66における構造的特徴は、100の倍数を加算した参照文字を有する。本発明のスクリュー3532は、十分に多孔性とすることができ、または中実材料の選択された領域を有することができる。図35は、完全多孔性スクリューを示す。本発明のスクリュー3532のリザーバは1つまたは複数の孔3590によって形成される。本発明のスクリュー3532の通路3540は孔3590自体によって形成される。より具体的には、相互接続された孔3590は、スクリュー3532の外表面3546への通路3540を形成する。このような多孔性スクリューは、たとえば、液体治療薬などの治療薬をポンプ圧送されることができる。次に、治療薬は相互接続された孔3590を通ってインプラントの外表面3546に浸出し、治療部位3542に到達することができる。
【0103】
[00170]さらに、図36は、スクリュー3532がスクリュー3532のねじ山3533および先端3549の外側部分に多孔性領域3590と材料の中実領域3593とを含むことができることを示す。スクリュー3532のねじ山3533および先端3549の外側部分にある材料の中実領域3593は、スクリュー挿入中にこれらの領域で発生することがある高い応力により、所望される場合がある(図36を参照)。さらに、ねじ山の外側部分上の非常に粗い多孔性構造は、骨/軟部組織を滑り過ぎるまたは切り進むのをはばむ(grab versus slide past or cut through bone/soft tissue)可能性があるために、スクリューの挿入を困難にさせることがある。スクリュー3532の頭部3531は中実であってよい。この中実材料は、任意の埋め込み可能なポリマー、強化ポリマー、または金属から形成されることができる。インプラント3532を満たすまたは部分的に満たすために、取り付け装置、カテーテル、およびポートは、たとえば図42および図43に示されるように使用されることができる。
【0104】
[00171]ねじ山3533は、連続(図37を参照)であっても不連続(図38を参照)であっても、さらに1条のねじ山であっても多条のねじ山であってもよい。スクリュー3532の多孔性は、孔の形状、サイズ、および密度の変化を含めて、領域(複数可)内で変わることができる。これらの特性は、スクリュー軸の長さに沿っておよび/または径方向に(外径から軸に)変わることができる。周囲組織の統合を改善する別の仕方は、肯定的な組織応答(たとえば成長速度の増加、炎症反応の低下)を促進する治療薬を局所的に送達することである。本発明の整形外科スクリューは、装置を取り囲む組織にこのような治療薬を局所的に送達するために使用されることができる。治療のこのような局所的な送達は、再建手術における骨への軟部組織の付着強度を改善し、スクリューへの骨の取り付け強度を改善し、変形性関節症または骨粗鬆症の患者の骨を強化するように、このような問題を支援することができる。治療薬としては、ハイドロキシアパタイト、薬物、および生物製剤があるが、これらに限定されない。
【0105】
[00172]本発明によれば、治療薬の局所的な送達を可能とするスクリューは、多孔性とすることができるが、多孔性である必要はない。本発明による多孔性スクリューは、治療薬の局所的な送達を可能とすることができるが、可能とする必要はない。
【0106】
[00173]スクリュー3532は、治療薬の局所的な即時送達のために、図40に示される、治療薬の長期送達用のリザーバ3538、および/または図39に示される、通路/穴3540を含有することができる。スクリュー3532は、図40に示されるように、周囲組織への治療薬の局所的送達を可能とする複数の相互接続された孔3590をさらに含むことができる。これらの選択肢を以下に示す。
1.長期送達。
【0107】
a.リザーバ。1つまたは複数のリザーバ3538は、治療薬の長期(数時間〜数週間)送達を可能とすることができる。スクリュー3532の送達通路3540、リザーバ3538などへのアクセスは、以下を含むいくつかの仕方によって得られる。
【0108】
i.セルフシールのポリマー隔膜3551は、手術時または手術後の針との直接インターフェイスを可能とすることができる(図40を参照)。
ii.PEEKまたは別の埋め込み可能な材料で作製された着脱可能なキャップ3553は、治療薬送達機構へのアクセスを提供し、治療薬の送達後にこれらの機構をシールすることもできる(図41)。スクリューの挿入を容易にする器具もキャップ3553をスクリューに組み付けるのを支援することができる。
【0109】
b.別の装置への接続。スクリューの治療薬送達機構へのアクセスは、スクリュー3532を、皮下から体の他の場所(たとえば、皮膚下(sub−skin)から胸腔のより深くの静脈に治療薬を送達するために頻繁に使用されるポート)に治療薬を送達するように設計された装置と連携(interface)させることによって提供されることができる。最後の選択肢は、スクリュー3532上の取り付け機構3555を含むことができる。この取り付け機構3555は、ポート3596と直接連携し、(ポート3596と連携する)カテーテル3598と連携し、またはポート3596またはカテーテル3598と連携するようにスクリュー3532に取り付けられることができる追加のコンポーネントと連携する。(図42および図43を参照)。図43は、代替の取り付け機構3555を示す。ポート3596は、治療薬の注入を受けるための中隔(ポート3596の中央の円)を有することができる。
2.即時送達。この手法ではリザーバは必要ではないが、リザーバが設けられてもよい。この設計では、上記のリザーバ設計(自己回復またはセルフシーリングポリマー隔膜3551および着脱可能なキャップ3553)のアクセス手段も、送達通路3540にアクセスするために使用されることができる。この設計は、送達器具との単純なインターフェイスも含むことができる。この一例は、送達針とスクリューのカニューレの間の簡単な滑りばめである。
【0110】
所与のスクリューは、これらの選択肢のいずれかまたはすべてを含有することができる。スクリュー3532(スクリュー3532が多孔性であろうとなかろうと)のリザーバ3538を(最初に、および/または補充として、埋め込みの前または後に)治療薬で満たすと、治療薬はリザーバ3538から(または、治療薬で満たされていた孔から)骨スクリュー3532を介して治療部位に移動することができる。
【0111】
[00174]カニューレ挿入。スクリューは、カニューレが挿入されていてもされていなくてもよい。
[00175]セクション(A)〜(E)について、この直後に説明する。これらのセクションは以下のとおりである。(A)本発明による多孔性スクリューを作るための製造オプション、(B)ポリマー(複数可)含有部分をどのようにして接着するか、(C)金属/金属合金部分をどのようにして接着するか、(D)本発明によるスクリューのねじ山を作るための製造オプション、および(E)本発明によるカニューレ挿入のための製造オプションである。セクション(A)〜(E)は、本発明によるスクリューを形成することに関して説明される。ただし、この説明は、必要に応じて他の創内固定装置および/または多孔性装置に適用または適合可能であることが理解される。
【0112】
[00176] A.多孔性構造−本発明による製造オプション
本発明の多孔性構造は、さまざまな方法を使用して製造されることができる。本発明によるこれらの製造オプションには、以下の7つのオプションがある。
1.丸められる。多孔性シートは、たとえば、丸められてスクリューにされることができる。
これは、スクリューの軸と平行な、径方向の螺旋形に切断する(radial, spiral cut)のと基本的に逆である。異なる材料の層は、この処理で組み合わされることができる。この処理は以下を必要とする。
【0113】
a.丸められたときに揃うようにパターンに穴を有する多孔性シートを作る。
b.シートを丸める(図53から図56を参照。図53は、丸められてスクリューにされるべき、本発明による多孔性シート5332を示す。図54は、丸める処理中のシート5332の端面図を示す。図55は、スクリュー5332として形成された、最終製品の断端面図を示す。図56は、カニューレ(スクリューの軸を通る開いた穴)、または多孔性ロッド、または中実ロッドとして形成された、中心5365を有するシート5332を示す。)。このステップは、中心マンドレルまたはロッドを用いても用いなくても、実施されることができる。
【0114】
1.シートは、中心マンドレルを用いなくても丸められることができる。これは、カニューレを挿入されたスクリューを作製することができる。カニューレを挿入されないスクリューを作製するために、生体適合性ピン/ロッドが、任意の中心穴に挿入され、スクリューに接着されることができる。
【0115】
2.シートは、着脱可能なマンドレルのまわりに丸められることができる。これは、カニューレを挿入されたスクリューを作製することができる。カニューレを挿入されないスクリューを作製するために、生体適合性ピン/ロッドが、任意の中心穴に挿入され、スクリューに接着されることができる。
【0116】
3.あるいは、シートは、生体適合性ロッドのまわりに丸められてこれに接着され、カニューレを挿入されないスクリューを作製することができる。
c.丸められた材料を接着する。
2.螺旋形にされた層。この方法は、丸める手法に類似しているが、互いに巻き付けられた帯状の材料を必要とする。この方法と丸める方法の大きな違いは、この方法では、帯状の材料5732が巻かれながら、軸に沿って変形することである(図57を参照。図57は、螺旋形にされた帯状の材料の一例を示し、この材料は孔を有さない)。帯状のいくつかの材料は、組み合わされて絡み合わされることができる。すべての帯は、同じ方向およびピッチの巻きを有してもよいし、異なる方向およびピッチを有してもよい。これらの帯はマンドレル5765に巻き付けられ、マンドレル5765は後で除去されて、接着を支援しカニューレを作製することができる。帯はピン5765に巻き付けられ、次に帯はスクリューに接着され、カニューレを挿入されないスクリューを作製することもできる。カニューレを挿入されないスクリューを作製するための代替オプションは、マンドレルを用いてまたは用いずにスクリューを作製し、次にスクリューの中心穴の中にピンを挿入して接着することである。
3.層化/積層化される。スクリューを作製するために積層されて接着されるいくつかの層を作る。これらの層は、互いと平行であってよい。層の面はスクリューの軸と直角をなす、それと平行であり、または他の任意の方位角をなす。二次作業を減少させるために、ある層と別の層の位置合わせを行うことが望ましい。層と層の位置合わせは、各層の中心カニューレ(スクリューがカニューレ挿入されている場合)を互いに(たとえばピンという仕方によって)揃える位置合わせ固定具、孔またはねじ山機構を互いに位置合わせさせる固定具またはインプラントコンポーネント/機構、または各層の外径上の機構を互いに位置合わせさせる固定具またはインプラントコンポーネント/機構などの仕方によって達成されることができる。機構は、位置合わせおよび/または組み付けを支援するために所与の層内に作製されることもできる(溝および嵌合突起(mating protrusion)など)。図58から図60は、積層化される製造方法を示す。図58は、互いから分解され矢印の方向に積層する、スクリュー5832の層5867を示す。図59は、スクリュー5832の長手方向軸と直角をなす積層化された層5967を有するスクリュー5932の側面図を示す。図60は、スクリュー6032の長手方向軸と平行な積層化された層6067を有するスクリュー6032の側面図を示す。
注:図58から図60に示される穴は、たとえば、レーザ切断、打ち抜き(punching)、エッチング、放電加工、プラズマエッチング、電鋳法(electroforming)、電子ビーム加工、ウォータージェット切断、スタンピング、または機械加工によって作製されることができる。ポリマーを主成分とする材料の場合、たとえば、押し出し加工、射出成形、または箔押しによって作製されるシートとして作製されることができる。
4.溶解性材料。
【0117】
a.1つの方法は、粉末状の埋め込み可能な材料(たとえばPEEK)と、埋め込み可能な材料が溶解しない(PEEKの例では、水、イソプロピルアルコールなど)ものに溶解する粉末(たとえば塩)の混合物を作成することを必要とする。次に、その混合物は、埋め込み可能な粒子を一緒に接着するために加熱される。粒子と粒子の接着を支援するために、圧力が加えられることもできる。熱は、対流または他の仕方(所与の範囲のエネルギー波たとえばレーザ波などを吸収し加熱を起こす材料(たとえばGentex(登録商標)CorporationのClearweldコーティング)により粉末をコーティングすることなど)によって発生させられることができる。最後に、充填材を溶解させて、多孔性の埋め込み可能な材料を作製する。この方法は、ネットシェイプの部分または個別の部分が作製され得る原料形状を作製することができる。
【0118】
b.別の方法は、埋め込み可能なポリマーを、上述のような溶解性材料と混合することを必要とする。次に、この混合物は小球状にされ、次いで中間のまたは最終的部分の形状に射出成形される。多孔性の埋め込み可能なポリマーを作製するために、充填材が溶解される。
5.光造形法。
6.粉末状材料のレーザ焼結または電子ビーム焼結。
7.上記の方法の組み合わせ。たとえば、溶解性の方法を使用してPEEKからなる微孔性シートを作製し、次により大きな孔をスタンピングし積層してスクリューを作製する。
【0119】
[00177] B.ポリマー(複数可)を含有する部分をどのようにして接着するか
接着処理のオプション
1.熱。熱は、いくつかの仕方で生成されることができる。
【0120】
a.超音波溶接−超音波を使用して層の界面で熱を生じさせる。
b.熱かしめ−加熱された器具を使用して層間の溶融を生じさせる。
c.振動溶接。
【0121】
d.レーザ溶接。
e.対流−炉を使用して熱を生じさせ、接着を引き起こす。
f.中間層−たとえば、損傷を生じさせずにポリマー(たとえばPEEK)を通過するエネルギー波を吸収できる材料を使用する。吸収エネルギーは、局所的な加熱を引き起こす。このようなコーティングの一例は、Gentex(登録商標)CorporationのClearweldである。Clearweldが吸収するレーザ波は損傷を生じさせずにPEEKを通過し、PEEKに対する大規模な損傷を生じさせることなく層をまとめて溶融させる。
2.化学的。
【0122】
a.接着剤−二次原料(接着剤など)は、材料を接着するために使用されることができる。
b.溶媒接着−ポリマーまたは強化高分子が溶解する材料は、シート表面に塗布されることができ、複数の表面を互いに接着させる。
【0123】
c.オーバーモールド−ポリマーまたは強化高分子のオーバーモールドは、化学的接着を形成することができる。
3.機械的。
【0124】
a.オーバーモールド−ポリマーまたは強化高分子のオーバーモールドは、微小規模または巨視的規模でコンポーネント間の機械的ロックを生じさせることができる(微小規模−成形物は、既存材料の表面凹凸でロックされる。巨視的規模−舌状部と溝(tongue−groove)の接続またはアンダーカットなどの機構)。オーバーモールドされた材料は、層と別個のコンポーネントであってもよいし、1つの層が別の層にオーバーモールドされることができる。
【0125】
b.機構は、層の内部に設けられるか、または機械的ロックを実現する別個のコンポーネント−たとえば、機械的ロックを生じさせるための、ピン、スナップロック接続、蟻継ぎ、舌状部と溝、リベット、溶融タブ(melting tab)などによって提供される。
【0126】
c.いくつかの接着剤は、化学的接着に加えて、またはその代わりに、機械的接着を実現する。
4.上記の方法のいずれか/すべての組み合わせ。
【0127】
処理の順序
1.すべての層を一度にまとめて接着する−エネルギー波を利用して接着を誘発する方法にとって特に魅力的である(たとえば、Gentex(登録商標)CorporationのClearweldコーティングまたは紫外線硬化型接着剤)。
2.層を同時に接着し、一度に丸める/積層する−これもやはり、エネルギー波を利用して接着を誘発する方法にとって特に魅力的な場合がある(たとえば、接着剤を活性化するために、光が、丸められた設計のすべての層を透過できない場合、丸める作業は、連続的な丸めおよび接着剤硬化作業を可能とするライトボックスで行われることができる)。
3.徐々に層を丸め/積層し、接着する。これは、単一の層または複数の層を一度に追加することができる。
【0128】
[00178] C.金属/金属合金部分をどのようにして接着するか、
接着処理のオプション
1.熱。
【0129】
a.レーザ溶接−層は、いくつかの場所でレーザ溶接されることができる。材料の2つ以上の層または巻付け(wrap)は、部分のサイズおよび孔の位置合わせに応じて、一度にまとめて溶接されることができる(レーザは、多孔性により接着されるべきいくつかの層にアクセスすることができる)。
【0130】
b.スポット溶接−従来のスポット溶接は、材料の2つ以上の層/巻付けを接着するために使用されることができる。
c.拡散接合/焼結。
【0131】
d.振動溶接。
e.超音波溶接。
2.接着剤。
3.機械的な仕方。機構は、層の内部に設けられるか、または機械的ロックを実現する別個のコンポーネント−たとえば、機械的ロックを生じさせるための、ピン、スナップロック接続、蟻継ぎ、舌状部と溝、リベット、溶融タブなどによって提供される。
4.埋め込み可能なポリマーを用いたオーバーモールド。PEEKまたは別の埋め込み可能なポリマーのオーバーモールドは、微小規模または巨視的規模でコンポーネント間の機械的ロックを生じさせることができる(微小規模−成形物は、既存材料の表面凹凸でロックされる。巨視的規模−舌状部と溝の接続またはアンダーカットなどの機構)。オーバーモールドされた材料は、層と別個のコンポーネントであってもよいし、1つの層が別の層にオーバーモールドされることができる。
処理の順序
上述のポリマー材料と同様に、金属の2つ以上の層は、徐々に、または連続的な積層/接着処理として接着されることができる。
【0132】
[00179] D.ねじ山の作製−本発明による製造オプション
1.ねじブランクを作製するために層が接着された後でねじ山を形成する(図61を参照。図61は、積層されたタイプのねじブランク6132を示す。)。
【0133】
a.ねじ山を機械加工する
b.型を用いてねじ山を熱間成形する
2.接着の前にシートからねじ山を形成する。
【0134】
a.丸める方法:材料は実際には、シートが最終形状に形成されるまで、完全なねじ山形状を作製しない。連続なまたは不連続なねじ山が作製されることができる。この方法の設計オプションとしては、ねじ山を形成する隆起した材料を作製すること(図62を参照)または材料を除去してねじ山材料を残すこと(図63を参照)がある。第1の方法の隆起した材料は、機械加工、レーザアブレーション、箔押し、熱間成形または冷間成形、化学エッチング、放電加工、および類似の方法によって作製されることができる。第2の方法の材料は、機械加工、レーザ切断、スタンピング、エッチング、打ち抜き、放電加工、ウォータージェット切断、電子ビーム加工、または他の手段によって除去されることができる。図62は、丸める前に形成された隆起したねじ山6233を有する本発明によるシート6232を示す。図62は、ねじ山6233を形成するために隆起した材料を示す。図62の下部部分(破線の下)は、丸める前のシート6232の上面図を示す。図62の上部(破線の上)は、丸める前のシート6232の側面図(より正確には、縁視図(edge view))を示す。図62の下部および上部のねじ山は、破線ごとに互いに位置合わせし、図62の下部と上部が一致していることを示す。図63は、丸める前の材料の除去によって形成されたねじ山6333を示すシート6332を示す。図63において、Dはスクリューの外径、tはシート厚、pはスクリューのピッチである。図63は、垂直タブTおよび水平タブT(図面ページ上の向きで)を示し、その一方または両方は着脱可能とすることができる。多孔性領域には6390というラベルが付けられ、円は孔を示す。空いた区域(材料なし)にはAというラベルが付けられている。Bというラベルが付けられた区域は、ねじ山領域を示し、これは、中実であってもよいし、多孔性であってもよいし、タブにて始まり、内側へ移って多孔性領域6390に至り中実から多孔性に次第に変化してもよい。シート6332は、丸められ接着されてスクリュー6332を作ることができる。
【0135】
b.積層方法:連続なまたは不連続なねじ山は、この方法でも作製されることができる。層が積層されると、各層6467中の材料の「耳」がねじ山6433を形成する(図64を参照)。これらは、機械加工、箔押し、熱間成形または冷間成形、型/穿孔(dies/punches)、化学エッチング、放電加工、および類似の方法によって作製されることができる。図64は、積層された部分の1つの層6467で予備成形されたねじ山6433を示す。言い換えれば、図64は、積層前に形成されたねじ山6433を示すシートを示す。
3.別個のねじ山を追加する−ねじ山は、別個に形成されて、ねじブランクに取り付けられることができる。別個のねじ山は、図65の6533に似ていることがある。これらのねじ山の材料は、生体適合性ポリマー、強化された生体適合性ポリマー、および/または生体適合性金属を含むことができる。これらのねじ山の付着仕方には、以下のものがある。
【0136】
a.機械的付着−圧入/締りばめ、タブ。
b.オーバーモールド−中実のねじ山の内部で中実、多孔性、または強化高分子のスクリューを成形するか、またはすでに形成されたスクリュー上に多孔性、中実、または強化高分子のねじ山を成形する。
【0137】
c.接着または溶媒接着。
[00180] E.カニューレ挿入−本発明による製造オプション
スクリューは、カニューレ挿入の有無にかかわらず、製造方法のいずれかを用いて作製することができる。
1.カニューレ挿入する。
【0138】
a.丸める方法。この方法では、スクリューの中心にありその軸に沿って続くマンドレルのまわりに材料を巻き付けることが望ましい場合がある。このマンドレルは、開いたカニューレを残すために除去されることができる(図66を参照)。図66は、マンドレルが、丸める方法の間に除去された後の、開いたカニューレを有するスクリュー6632を示す。
【0139】
b.層化方法。各層の軸における中心の穴は、まとめて積層されるときに、カニューレを形成するために作製される。
2.カニューレを挿入しない。
【0140】
a.丸める方法。
i.シートはマンドレルに接着されることもでき、マンドレルはインプラントの一部分を形成する。このマンドレルは、中実であってもよいし、多孔性であってもよいし、PEEKまたはチタンなどの任意の埋め込み可能な材料で構成されてもよい。
【0141】
ii.さらに、材料は除去可能なマンドレルのまわりに形成され、カニューレを作製することができる。次に、このカニューレは、スクリューに付着/接着される生体適合性材料で満たされることができる。
【0142】
b.層化方法。スクリューを作製するために積層される層は、カニューレを作製する穴の代わりに、中実材料を有することができる。あるいは、層は、カニューレを作製する切欠(cut−out)を有することができ、このカニューレは、スクリューに付着/接着される生体適合性材料で満たされることができる。
【0143】
[00181]図1から図43における類似の特徴に対応する、図44から図49 における構造的特徴は、100の倍数を加算した参照文字を有する。多孔性装置は、骨移植片として形成されることもできる。「骨移植片」とは、自然の(natural)骨移植片または人工の骨移植片のどちらかを指すことが理解される。自然の骨移植片は、生きているドナーまたは死んだドナーから採取される。自然の骨移植片は、埋め込まれた骨移植片を受け入れる予定の身体から採取されてもよいし、別の人間から採取されてもよいし、動物から採取されてもよいし(自家移植片、同種移植片、および異種移植片など)。図44から図45は、骨プラグ4432として形成された自然の骨移植片を示し、骨プラグ4432は、少なくとも1つの治療薬4436を送達するために大腿骨4435の遠位端内に埋め込まれる。骨プラグ4432は、大腿骨4435の遠位髄管(distal intramedullary canal)内に設置される。骨プラグ4432は、人工的に形成されたリザーバ4438と、人工的に形成された通路4440と、外表面4446とを含む。このような自然の骨プラグ4432は自然に形成された孔を有する可能性があり、その孔はおそらくその中に骨および/または軟部組織の内方成長を受け入れることができる(矢印4456によって示されるように)ことが理解される。図46は、治療薬(複数可)4436を送達するための、このような2つの骨プラグ4432を示す。関節腔近傍の骨内に設置された骨プラグ4432が示されている。図46は、股関節包4439を示す。1つの骨プラグ4432が、骨盤骨4457内に埋め込まれている。他の骨プラグ4432が、大腿骨4435の大腿骨頭内に埋め込まれている。骨プラグ4432は、関節包4439内におよび/または骨4435、4457に治療薬(複数可)を直接送達することができる。図47は、人工的に形成されたリザーバおよび通路のない骨移植片4732を示す。むしろ、図47の骨移植片4732は、複数の自然に形成された孔4790を含み、孔4790がリザーバおよび複数の通路を形成する。リザーバ4738は、1つまたは複数のこのような孔4790によって形成される。通路4740は、外表面4746への孔4790間の相互接続によって形成される。図47は、矢印4756によって、骨および/または軟部組織の内方成長を示す。図48から図49は人工的に形成された骨移植片4832を示し、骨移植片4832は多孔性表面または足場とも呼ばれることがある。足場4832は、例示のために簡略化された形で示されている。足場4832は2つの層を有し、各層は複数の孔4890を有する。各層の孔4890は、足場の上面と底面の間に延びる経路または通路4840を今なお形成するように、互いに偏位されている。足場4832の1つまたは複数の孔4890はリザーバ4838を形成することができ、相互接続された孔4890は通路4840も形成する。骨および/または軟部組織の内方成長は、矢印4856によって示される。図49は、図48に示された足場4832の底面を示す。したがって、図49の破線は、図48の足場4832の最上層からの孔4890を示す。その全周囲を画定する実線を有する円は、図48に示された足場4832の最下層に形成された孔4890である。足場4832は、金属、ポリマー、またはセラミックで作製されてよい。さらに、図48から図49は、インプラント4832に(すなわち、ポンプ作業によって)提供される液体または流体の治療薬の流入を(矢印4836を使用して)示し、治療薬4836は次に孔4890および/または通路4840を通ってインプラント4832の外表面4846に浸出し、治療部位に到達する。インプラント4432、4732、4832のリザーバを(最初に、および/または補充として、埋め込みの前または後に)治療薬で満たすと、治療薬はこのリザーバからインプラント4432、4732、4832を介して治療部位に移動することができる。
【0144】
[00182]本発明は、整形外科インプラントシステム3030、3530を使用する方法をさらに提供する。この方法は、リザーバ3038、3538および複数の通路3040、3540を画定する整形外科インプラント3032、3532を提供するステップであって、インプラント3032、3532が創内固定装置3032と多孔性装置3532の少なくとも一方である、ステップと、身体3034、3534内の選択された場所にインプラント3032、3532を埋め込むステップと、リザーバ3038、3538内で少なくとも1つの治療薬3036、3536を受け入れるステップと、リザーバ3038、3538から通路3040、3540を介して身体3034、3534に対する治療部位3042、3542に少なくとも1つの治療薬3036、3536を輸送するステップと、身体3034、3534に少なくとも1つの治療薬3036、3536を送達するステップとを含む。
【0145】
[00183]創内固定装置3032は、外表面3046を含み、複数の通路3040は、リザーバ3038を外表面3046と流体的に連通させ、それにより、リザーバ3038から外表面3046に少なくとも1つの治療薬3036を輸送する。創内固定装置3032は、外表面3046と頭部3031とねじ部3033とを含む骨スクリュー3032であり、頭部3031は少なくとも1つの通路3040を含み、ねじ部3033は少なくとも1つの通路3040を含み、通路3040はリザーバ3038を外表面3046と流体的に連通させ、それにより、リザーバ3038から外表面3046に少なくとも1つの治療薬3036を輸送する。
【0146】
[00184]方法は、身体3234内の選択された場所に第2のリザーバ3243を埋め込むステップと、第2のリザーバ3243内の複数の穴3245を介して身体3234に少なくとも1つの治療薬3236を送達するステップとをさらに含み、創内固定装置3232は外表面3246を含み、第2のリザーバ3243は創内固定装置3232を少なくとも部分的に取り囲んで、これに取り付けられ、創内固定装置3232は、第2のリザーバ3243から創内固定装置3232のリザーバ3238に少なくとも1つの治療薬3236を輸送する進入通路3247を含み、複数の通路3240が創内固定装置3232のリザーバ3238を外表面3246と流体的に連通させ、それにより、創内固定装置3232のリザーバ3238から外表面3246に少なくとも1つの治療薬3236を輸送する。創内固定装置3232は、頭部3231とねじ部3233と外表面3246とを含む骨スクリュー3232とすることができ、第2のリザーバ3243は頭部3231を取り囲んで、これに取り付けられ、頭部3231は、第2のリザーバ3243から骨スクリュー3232のリザーバ3238に少なくとも1つの治療薬3236を輸送する進入通路3247を含み、ねじ部3233は通路3240を含み、通路3240は骨スクリュー3232のリザーバ3238を外表面3246と流体的に連通させ、それにより、骨スクリュー3232のリザーバ3238から外表面3246に少なくとも1つの治療薬3236を輸送する。第2のリザーバ3243は弾性を有し、それにより、穴3245を通って、および/または進入通路3247に少なくとも1つの治療薬3236を排出することができる。第2のリザーバ3243は剛性であり、そこから少なくとも1つの治療薬3236を制御可能に放出する透過膜を形成することができる。
【0147】
[00185]方法は、体3434内に創内固定装置3432から離れて身第2のリザーバ3462を埋め込むステップと、身体3434内に管状要素3498を埋め込むステップとをさらに含み、第2のリザーバ3462は、管状要素3498を介して創内固定装置3232と結合され、それにより、管状要素3498、装置3432のリザーバ、および装置3432の通路を介して創内固定装置3434の外表面3446に少なくとも1つの治療薬3436を送達する。創内固定装置3432は骨スクリュー3432である。
【0148】
[00186]多孔性装置3532は部分的に多孔性(図36)または完全に多孔性(図35)である。多孔性装置は、リザーバ4738、4838および通路4740、4840を形成する複数の孔4790、4890を含む、自然の骨移植片または人工骨移植片4732、4832とすることができ、多孔性装置4732、4832は、その中に骨および/または軟部組織の内方成長4756、4856を受け入れる。多孔性装置は、骨4435内に埋め込まれ、かつ関節包4439内に直接および/または骨4435への少なくとも一方に少なくとも1つの治療薬4436を送達するように構成された自然の骨移植片4432とすることができる。
【0149】
[00187]本発明によるインプラントは、1つの内部リザーバのみを含むことができる。方法は、インプラント3032が身体3034内に埋め込まれた後にリザーバ3038を少なくとも1つの治療薬3036で補充するステップをさらに含むことができる。方法は、リザーバ3038および通路3040を介して身体3034に複数の治療薬3036を送達するステップをさらに含むことができる。リザーバ3038は、インプラント3032が身体3034内に埋め込まれた後に少なくとも1つの治療薬3036を受け入れ、次に通路3040を介して治療部位3042に少なくとも1つの治療薬3036を送る。
【0150】
[00188]本発明は、整形外科インプラントを使用する方法をさらに提供し、この方法は、少なくとも1つの経路5040(矢印5040によって示される)を画定する整形外科インプラント本体5044を提供するステップと、インプラント本体5044によって少なくとも1つの治療薬5036を受け入れるステップと、身体5034内の選択された場所に整形外科インプラント5032を埋め込むステップと、インプラント本体5044から治療部位5042に少なくとも1つの治療薬5036を機械的に押し出すために身体5034によって生成された圧力を使用して、インプラント本体5044から少なくとも1つの経路5044を介して身体5034に対する治療部位5042に少なくとも1つの治療薬5036を輸送するステップとを含む。図1から図49における類似の特徴に対応する、図50から図51における構造的特徴は、100の倍数を加算した参照文字を有する。インプラント本体5044は弾性の袋とすることができる。あるいは、図50に示すように埋め込まれるインプラントは、複数の孔5190を含むスポンジ状要素5132とすることができ、少なくとも1つの経路5140は少なくとも1つの孔5190によって形成される。図50は、袋またはリザーバとして形成された、本発明による整形外科インプラント5032を示す。したがって、インプラント5032は内部リザーバ5038を形成する。リザーバ5032は、治療部位5042に治療薬5036を送達するための穴または通路5040を有する。図51は、スポンジ状要素5132が、少なくとも1つの通路5140を形成する相互接続された孔5190を有するインプラント本体5144を含むことを示す。スポンジまたはスポンジ状要素5132の材料としては、所望の結果に応じていくつかの可能性があり得る。たとえば、スポンジ5132が長時間にわたって埋め込まれた状態を維持しなければならない場合、たとえばポリビニルアルコール(PVA)またはIvalonスポンジが使用されることができる。一方、スポンジ5132が留まらなければならない時間がより短時間の場合、たとえばコラーゲンを主成分とする材料(すなわち、たとえばJohnson and JohnsonのInstat)またはゼラチンスポンジ(すなわち、たとえばPfizerのGelfoam)が使用されることができる。スポンジ5132のこれらの例は、限定ではなく、例示的に提供されている。図50は、大腿四頭筋腱5059の下に埋め込まれたインプラント5032、ならびに大腿骨5035、脛骨5037、および膝蓋骨5061を示す。歩行および他の運動中に発生する力は、インプラント5032から治療薬(複数可)5036を押し出すために使用することができる。リザーバ5038、5138を(最初に、および/または補充として、埋め込みの前または後に)治療薬で満たすと、治療薬は、リザーバ5038、5138から通路5040、5140を介して治療部位に移動することができる。
【0151】
[00189]本発明は、整形外科インプラント5232を使用する方法をさらに提供し、この方法は、リザーバ5238および複数の通路5240を画定する整形外科インプラント5232を提供するステップと、身体5234内の選択された場所にインプラント5232を埋め込むステップであって、インプラント5232は身体5234の軟部組織5263に埋め込まれる、ステップと、リザーバ5238内で少なくとも1つの治療薬5236を受け入れるステップと、リザーバ5238から複数の通路5240を介して身体5234に対する治療部位5242に少なくとも1つの治療薬5236を輸送するステップと、身体5234に少なくとも1つの治療薬5236 を送達するステップとを含む。このようなインプラント5232は、リザーバ、袋、バルーン、スポンジ、布、または軟部組織5263に埋め込まれるように構成された他の任意の整形外科インプラントとすることができる。軟部組織5263とは、骨以外の体組織を指す。インプラント5232は、身体の筋肉、靱帯、腱、関節包、繊維組織、脂肪、膜、および/または軟骨などの軟部組織5263に埋め込まれる。図52では、本発明による整形外科インプラント5232および軟部組織5263は概略的に示されている。図1から図51における類似の特徴に対応する、図52における構造的特徴は、100の複数倍を加算した参照文字を有する。リザーバ5238を(最初に、および/または補充として、埋め込みの前または後に、)治療薬で満たすと、治療薬は、リザーバ5238から通路5240を介して治療部位に移動することができる。
【0152】
[00190]したがって、本発明は、変形性関節症または他の疾患の治療用の治療薬を送達するように構成された薬物送達インプラントを提供する。インプラントは、標的関節包に1つまたは複数の治療薬を送達することができる。このようなインプラントは、任意の関節に適用されることができる。このような関節としては、股関節、膝、足首、手首、小関節面、および手足の関節があるが、必ずしもこれらに限定されない。
【0153】
[00191]本発明によるインプラントは、関節腔への治療薬の送達を可能とするために標的関節腔内またはその近傍に設置される。一般に、インプラントは、標的関節近傍の骨および/または軟部組織にしっかり固定され、数日、数週間、または数か月の期間にわたってその領域に送達される治療薬を保持するリザーバを提供し、それらの薬を所望の速度で送達するように設計される。さらに、これらの装置は、インプラントに、手術時および/または手術後いつでも満たされることを可能とし、外科医に、これらのときのいずれかに送達されるべき1つまたは複数の治療薬を選択させることを可能にすることができる。
【0154】
[00192]本発明によるインプラントの一般的な形状は、スクリュー(図30を参照)、リザーバ、袋、バルーン、プラグ、アンカー、スポンジ、および/または布の形状とすることができる。インプラントは、スクリュー頭部に取り付けられたバルーンを有するスクリュー(図32および図33を参照)またはカテーテルを介して多孔性バルーンに取り付けられたスクリューもしくはアンカー(図34を参照)など、これらの可能性の組み合わせとすることができる。
【0155】
[00193]本発明によるインプラントは、関節腔の内部、関節を取り囲む骨の内部(図31、図32、図33、図34、図44、図45、図46を参照)、関節を取り囲む軟部組織の内部(図51から図52を参照)、またはこれらの組み合わせ(図34を参照)の内部に直接設置されることができる。
【0156】
[00194]目的は、関節腔に治療薬を送達することである。これは、関節腔に、関節を取り囲む骨および/または軟部組織に、またはこれらの組み合わせに薬を直接送達することによって達成されることができる。(図31から図34、図44から図46、図50、図52を参照)。
【0157】
[00195]組織への治療薬の輸送は、たとえば、浸透、拡散、または圧力によって達成されることができる。浸透を使用する装置の一例は、治療薬の徐放を可能とするために透過膜を有する剛性リザーバである。拡散を使用する装置の一例は、送達通路を有する剛性リザーバである(図30を参照)。圧力を使用する装置の一例は、その弾性降伏点を超えて治療薬で満たされ、中に穴を有する弾性の袋である。袋が収縮する力は、穴から治療薬を追い出し、組織に押し込む(図32を参照)。治療薬を送達するために圧力を使用する装置の別の例は、袋から周囲組織に治療薬を押し込むために、関節および周囲組織の内部で生成された力を利用する装置である。たとえば、送達孔を有する袋は、大腿四頭筋腱と大腿骨の間に埋め込まれることができる(図50と、任意選択で図34を参照)。
【0158】
[00196]本発明によるインプラント(上述のインプラントを含む)のそれぞれは、それぞれのリザーバおよび通路を介して身体に複数の治療薬を送達するように構成される。さらに、本発明によるインプラント(上述のインプラントを含む)のそれぞれについて、それぞれのリザーバ(複数可)は、インプラントが身体内に埋め込まれた後に少なくとも1つの治療薬を受け入れ、次にそれぞれの複数の通路を介して治療部位に少なくとも1つの治療薬を送るように構成される。さらに、本発明によるインプラント(上述のインプラントを含む)のそれぞれについて、それぞれのリザーバ(複数可)は、インプラントが身体内に埋め込まれた後少なくとも1つの治療薬で補充されるように構成される(たとえば、図40から図43を参照)。したがって、本発明によるインプラント(上述のインプラントを含む)のそれぞれは、上述のように、埋め込みの前または後に液体などの治療薬で満たされることができ、たとえばポンプおよびカテーテルを使用する簡単な方法で埋め込み後に補充されることができる。
【0159】
[00197]本発明を少なくとも1つの実施形態に関して説明してきたが、本発明は、本開示の趣旨および範囲内でさらに修正することができる。したがって、本出願は、その一般的な原理を使用して、本発明のいかなる変形形態、使用、または適合を包含することを意図する。さらに、本出願は、本発明が関連し、添付の特許請求の範囲の限定に含まれる当技術分野における既知のまたは慣例的な手法の範囲内に含まれる、本開示からのこのような逸脱を包含することを意図するものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
身体内の選択された場所に埋め込み可能で、かつ前記身体に少なくとも1つの治療薬を送達するように構成された整形外科インプラントを備え、前記インプラントがリザーバおよび複数の通路を画定し、前記リザーバが前記少なくとも1つの治療薬を受け入れるように構成され、前記複数の通路が、前記リザーバから、前記身体に対する治療部位に前記少なくとも1つの治療薬を輸送するように構成され、前記インプラントが創内固定装置と多孔性装置の少なくとも一方である、整形外科インプラントシステム。
【請求項2】
前記創内固定装置が外表面を含み、前記複数の通路が前記リザーバを前記外表面と流体的に連通させ、それにより、前記リザーバから前記外表面に前記少なくとも1つの治療薬を輸送するように構成される、請求項1に記載の整形外科インプラントシステム。
【請求項3】
前記創内固定装置が、外表面と頭部とねじ部とを含む骨スクリューであり、前記頭部が前記複数の通路の少なくとも1つを含み、前記ねじ部が前記複数の通路の少なくとも1つを含み、前記複数の通路が前記リザーバを前記外表面と流体的に連通させ、それにより、前記リザーバから前記外表面に前記少なくとも1つの治療薬を輸送するように構成される、請求項1に記載の整形外科インプラントシステム。
【請求項4】
前記身体内の前記選択された場所に埋め込み可能で、かつ前記少なくとも1つの治療薬を前記身体に送達するように構成された複数の送達穴を含む第2のリザーバをさらに含み、前記創内固定装置が外表面を含み、前記第2のリザーバが前記創内固定装置を少なくとも部分的に取り囲んで、これに取り付けられ、前記創内固定装置が、前記第2のリザーバから前記創内固定装置の前記リザーバに前記少なくとも1つの治療薬を輸送するように構成された進入通路を含み、前記複数の通路が前記創内固定装置の前記リザーバを前記外表面と流体的に連通させ、それにより、前記創内固定装置の前記リザーバから前記外表面に前記少なくとも1つの治療薬を輸送するように構成される、請求項1に記載の整形外科インプラントシステム。
【請求項5】
前記第2のリザーバが弾性を有し、それにより、前記複数の穴の少なくとも1つを通って前記進入通路に前記少なくとも1つの治療薬を排出するように構成される、請求項4に記載の整形外科インプラント。
【請求項6】
前記第2のリザーバが剛性であり、そこから前記少なくとも1つの治療薬を制御可能に放出するように構成された透過膜を形成する、請求項4に記載の整形外科インプラント。
【請求項7】
前記身体内の前記選択された場所に埋め込み可能で、かつ前記身体に前記少なくとも1つの治療薬を送達するように構成される複数の送達穴を含む第2のリザーバをさらに含み、前記創内固定装置が、頭部とねじ部と外表面とを含む骨スクリューであり、前記第2のリザーバが前記頭部を取り囲んで、これに取り付けられ、前記頭部が、前記第2のリザーバから前記骨スクリューの前記リザーバに前記少なくとも1つの治療薬を輸送するように構成された進入通路を含み、前記ねじ部が前記複数の通路を含み、前記複数の通路が前記骨スクリューの前記リザーバを前記外表面と流体的に連通させ、それにより、前記骨スクリューの前記リザーバから前記外表面に前記少なくとも1つの治療薬を輸送するように構成される、請求項1に記載の整形外科インプラントシステム。
【請求項8】
第2のリザーバと管状要素とをさらに含み、前記第2のリザーバが、前記身体内に前記創内固定装置から離れて埋め込み可能であり、前記管状要素が前記身体内に埋め込み可能であり、前記創内固定装置が外表面を含み、前記第2のリザーバが前記管状要素を介して前記創内固定装置と結合され、それにより、前記管状要素、前記リザーバ、および前記複数の通路を介して前記外表面に前記少なくとも1つの治療薬を送達するように構成される、請求項1に記載の整形外科インプラントシステム。
【請求項9】
前記創内固定装置が骨スクリューである、請求項8に記載の整形外科インプラントシステム。
【請求項10】
前記多孔性装置が部分的に多孔性と完全に多孔性の一方である、請求項1に記載の整形外科インプラントシステム。
【請求項11】
前記多孔性装置が、前記リザーバおよび前記複数の通路を形成する複数の孔を含む、自然骨移植片と人工骨移植片の一方であり、前記多孔性装置が、その中に骨の内方成長と軟部組織の内方成長の少なくとも1つを受け入れるように構成される、請求項1に記載の整形外科インプラントシステム。
【請求項12】
前記多孔性装置が、骨内に埋め込まれ、かつ直接関節包内部と前記骨への少なくとも一方に前記少なくとも1つの治療薬を送達するように構成された自然骨移植片である、請求項1に記載の整形外科インプラントシステム。
【請求項13】
前記インプラントが1つの前記リザーバのみを含む、請求項1に記載の整形外科インプラントシステム。
【請求項14】
前記インプラントが前記身体内に埋め込まれた後に、前記リザーバが前記少なくとも1つの治療薬で補充されるように構成される、請求項1に記載の整形外科インプラントシステム。
【請求項15】
前記インプラントが、前記リザーバおよび前記複数の通路を介して前記身体に複数の治療薬を送達するように構成される、請求項1に記載の整形外科インプラントシステム。
【請求項16】
前記リザーバが、前記インプラントが前記身体内に埋め込まれた後に前記少なくとも1つの治療薬を受け入れ、次に前記複数の通路を介して前記治療部位に前記少なくとも1つの治療薬を送るように構成される、請求項1に記載の整形外科インプラントシステム。
【請求項17】
整形外科インプラントシステムを使用する方法であって、
リザーバおよび複数の通路を画定する整形外科インプラントを提供するステップであって、前記インプラントが創内固定装置と多孔性装置の少なくとも一方である、ステップと、
前記身体内の選択された場所に前記インプラントを埋め込むステップと、
前記リザーバ内で少なくとも1つの治療薬を受け入れるステップと、
前記リザーバから前記複数の通路を介して前記身体に対する治療部位に前記少なくとも1つの治療薬を輸送するステップと、
前記身体に前記少なくとも1つの治療薬を送達するステップとを含む方法。
【請求項18】
前記創内固定装置が外表面を含み、前記複数の通路が前記リザーバを前記外表面と流体的に連通させ、それにより、前記リザーバから前記外表面に前記少なくとも1つの治療薬を輸送する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記創内固定装置が、外表面と頭部とねじ部とを含む骨スクリューであり、前記頭部が前記複数の通路の少なくとも1つを含み、前記ねじ部が前記複数の通路の少なくとも1つを含み、前記複数の通路が前記リザーバを前記外表面と流体的に連通させ、それにより、前記リザーバから前記外表面に前記少なくとも1つの治療薬を輸送する、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記身体内の前記選択された場所に第2のリザーバを埋め込むステップと、前記第2のリザーバ内の複数の穴を介して前記身体に前記少なくとも1つの治療薬を送達するステップとをさらに含み、前記創内固定装置が外表面を含み、前記第2のリザーバが前記創内固定装置を少なくとも部分的に取り囲んで、これに取り付けられ、前記創内固定装置が、前記第2のリザーバから前記創内固定装置の前記リザーバに前記少なくとも1つの治療薬を輸送する進入通路を含み、前記複数の通路が前記創内固定装置の前記リザーバを前記外表面と流体的に連通させ、それにより、前記創内固定装置の前記リザーバから前記外表面に前記少なくとも1つの治療薬を輸送する、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
前記第2のリザーバが弾性を有し、それにより、前記複数の穴の少なくとも1つを通って前記進入通路に前記少なくとも1つの治療薬を排出する、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記第2のリザーバが剛性であり、そこから前記少なくとも1つの治療薬を制御可能に放出する透過膜を形成する、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記身体内の前記選択された場所に第2のリザーバを埋め込むステップと、前記第2のリザーバ内の複数の穴を介して前記身体に前記少なくとも1つの治療薬を送達するステップとをさらに含み、前記創内固定装置が、頭部とねじ部と外表面とを含む骨スクリューであり、前記第2のリザーバが前記頭部を取り囲んで、これに取り付けられ、前記頭部が、前記第2のリザーバから前記骨スクリューの前記リザーバに前記少なくとも1つの治療薬を輸送する進入通路を含み、前記ねじ部が前記複数の通路を含み、前記複数の通路が、前記骨スクリューの前記リザーバを前記外表面と流体的に連通させ、それにより、前記骨スクリューの前記リザーバから前記外表面に前記少なくとも1つの治療薬を輸送する、請求項17に記載の方法。
【請求項24】
前記身体内に前記創内固定装置から離れて第2のリザーバを埋め込むステップと、前記身体内に管状要素を埋め込むステップとをさらに含み、前記第2のリザーバが、前記管状要素を介して前記創内固定装置と結合され、それにより、前記管状要素、前記リザーバ、および前記複数の通路を介して前記創内固定装置の外表面に前記少なくとも1つの治療薬を送達する、請求項17に記載の方法。
【請求項25】
前記創内固定装置が骨スクリューである、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記多孔性装置が部分的に多孔性と完全に多孔性の一方である、請求項17に記載の方法。
【請求項27】
前記多孔性装置が、前記リザーバおよび前記複数の通路を形成する複数の孔を含む、自然骨移植片と人工骨移植片の一方であり、前記多孔性装置が、その中に骨の内方成長と軟部組織の内方成長の少なくとも一方を受け入れる、請求項17に記載の方法。
【請求項28】
前記多孔性装置が、骨内に埋め込まれ、かつ直接関節包内部と前記骨への少なくとも一方に前記少なくとも1つの治療薬を送達するように構成された自然骨移植片である、請求項17に記載の方法。
【請求項29】
前記インプラントが1つの前記リザーバのみを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項30】
前記インプラントが前記身体内に埋め込まれた後に前記リザーバを前記少なくとも1つの治療薬で補充するステップをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項31】
前記リザーバおよび前記複数の通路を介して前記身体に複数の治療薬を送達するステップをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項32】
前記リザーバが、前記インプラントが前記身体内に埋め込まれた後に前記少なくとも1つの治療薬を受け入れ、次に前記複数の通路を介して前記治療部位に前記少なくとも1つの治療薬を送る、請求項17に記載の方法。
【請求項33】
整形外科インプラントを使用する方法であって、
少なくとも1つの経路を画定する整形外科インプラント本体を提供するステップと、
前記インプラント本体によって少なくとも1つの治療薬を受け入れるステップと、
身体内の選択された場所に前記整形外科インプラントを埋め込むステップと、
前記インプラント本体から前記治療部位に前記少なくとも1つの治療薬を機械的に押し出すために、前記身体によって生成された圧力を使用して、前記インプラント本体から前記少なくとも1つの経路を介して前記身体に対する治療部位に前記少なくとも1つの治療薬を輸送するステップとを含む方法。
【請求項34】
前記インプラント本体が弾性の袋である、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記インプラント本体が、複数の孔を含むスポンジ状要素であり、前記少なくとも1つの経路が少なくとも1つの前記孔によって形成される、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
整形外科インプラントを使用する方法であって、
リザーバおよび複数の通路を画定する整形外科インプラントを提供するステップと、
身体内の選択された場所に前記インプラントを埋め込むステップであって、前記インプラントが前記身体の軟部組織に埋め込まれる、ステップと、
前記リザーバ内で少なくとも1つの治療薬を受け入れるステップと、
前記リザーバから前記複数の通路を介して前記身体に対する治療部位に前記少なくとも1つの治療薬を輸送するステップと、
前記身体に前記少なくとも1つの治療薬を送達するステップとを含む方法。
【請求項37】
前記インプラントが、前記身体の筋肉、靱帯、腱、関節包、繊維組織、脂肪、膜、および軟骨の少なくとも1つに埋め込まれる、請求項36に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【図57】
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【図58】
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【図59】
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【図60】
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【図61】
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【図62】
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【図63】
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【図64】
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【図65】
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【図66】
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【公表番号】特表2012−501228(P2012−501228A)
【公表日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−525237(P2011−525237)
【出願日】平成21年8月28日(2009.8.28)
【国際出願番号】PCT/US2009/055380
【国際公開番号】WO2010/025378
【国際公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【出願人】(511039728)スメド−ティーエイ/ティーディー・エルエルシー (6)
【Fターム(参考)】