説明

虚血及び虚血様状態に起因する損傷を予防、緩和又は治療するための方法及び組成物

動物における、虚血及び虚血様状態に起因する損傷の予防、緩和又は治療、脳卒中及び脳卒中に起因する損傷の予防、緩和又は治療、脳機能の変化の予防、緩和又は治療、認知機能障害症候群の予防、緩和又は治療、軽度認知機能障害の予防、緩和又は治療、認知症の予防、緩和又は治療、社会的相互作用の減退の予防、緩和又は治療、加齢による行動変化の予防、緩和又は治療、認知機能の促進、維持及び強化、学習及び記憶の促進、維持及び強化、最適な脳機能の促進、維持及び強化、記憶喪失の抑制、訓練可能性の増進、生活の質の改善、並びに健康及びウェルネスの増進、の少なくとも1つのためにウルフベリーを使用する方法。

【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
[0001]本願は、2008年7月30日出願の米国特許仮出願第61/137,381号の優先権を主張するものである。その出願の開示内容は、ここで参照されることにより本明細書に組み込まれる。
【発明の背景】
【0002】
発明の分野:
[0002]本発明は概して、虚血及び虚血様状態に起因する損傷を予防、緩和又は治療するための方法及び組成物に関し、特に、動物において虚血及び虚血様状態に起因する損傷を予防、緩和又は治療するためにウルフベリーを使用する方法及び組成物に関する。
【0003】
関連技術の説明:
[0003]ウルフベリーは、ナス科ナガバクコ種又はクコ種の果実である。ウルフベリーは幾つかの名前(例えばゴジベリー)で知られている。ウルフベリーは漢方医学における薬物として知られており、多くの目的(例えば、免疫系の強化、視力の改善、肝臓の保護、血液循環の改善、精子産生の増加)に有用であると主張されている。しかし、このような主張を検証した科学的研究は、仮にあったとしてもわずかしかない。米国特許出願第20060088643号には、筋肉及び骨の強化、肝機能の保護、生気の補充、糖尿病の治療、老化の予防及び視力の改善のための、ウルフベリー組成物、ウルフベリー抽出物、及びウルフベリーの使用が開示されている。米国特許出願公開第200710212433号には、少なくとも一種の抗酸化物質と共に有効量のガックフルーツ抽出物を併用投与して抗酸化物質の吸収を改善する方法が開示されている。国際公開第05018656A1号には、ウルフベリー抽出物を使用して脳神経細胞死及びアルツハイマー病を予防することが開示されている。米国特許出願公開第20050238654号には、ウルフベリーを使用して(主として肝臓及び腎臓への作用を介して)血圧及びコレステロールレベルを下げられることが開示されている。米国特許出願公開第20050281902号には、ナガバクコ抽出物を使用して結腸、肺、肝臓、腎臓、乳房又は子宮頸部の癌の転移を抑制する方法が開示されている。この文献にはまた、ナガバクコが視力の改善、並びに肝臓及び腎臓の欠損に起因する頭痛及びめまいの予防に有用であり、かつ軽度の糖尿病の治療に有効であることも開示されている。
【0004】
[0004]虚血は、血管の狭窄、破裂又は閉塞に起因する、体の一部への血流の不足である。血液供給が不十分であるために酸素が減少し、それにより、組織が低酸素又は無酸素となり、組織の損傷又は機能障害(例えば、壊死、細胞死)が生じることが多い。虚血は、傷害又は病気(例えば、アテローム性動脈硬化、低血圧、塞栓症、重力、鎌状赤血球症、血栓塞栓症、脳卒中)によって引き起こされることがある。脳卒中には、主要な3種類、すなわち虚血性脳卒中、出血性脳卒中及び一過性脳虚血発作が含まれる。虚血性脳卒中は、脳に血液を供給する血管が閉塞した時に発生する。出血性脳卒中は、脳に血液を供給する血管が破裂した時に発生する。出血性脳卒中は、血液が脳の内部に入ったか脳の周囲に広がったかによって、脳内又はくも膜下に分類することができる。一過性脳虚血発作は、軽微な又は前兆となる脳卒中であり、通常は1時間未満しか続かない。脳卒中はまた、脳の損傷をもたらし、認知機能を損ない、学習を妨害し、記憶を妨害し、社会的相互作用を減退させ、訓練可能性を低下させ、最適な脳機能を減退させ、記憶喪失を引き起こし、脳の老化を亢進させる。虚血様状態は、必要な酸素を組織に供給するのに十分な酸素が血中にない時(例えば大量出血後)や血中酸素濃度が低い時に発生する。
【0005】
[0005]虚血は、脳卒中から生じることが多い。脳卒中には、脳卒中様症状をもたらすが永続的な組織損傷はもたらさない一過性脳虚血発作が含まれる。しかし、脳卒中は、突然の頭痛、しびれ、脱力、めまい、錯乱、平衡感覚障害、協調運動障害、及び発話、理解、視覚又は歩行の障害を引き起こすことがある。これらの症状の持続期間が短いこと及び永続的な脳損傷がないことが、一過性脳虚血発作と他の脳卒中との主な違いである。しかし、一過性脳虚血発作の原因は他の脳卒中の原因でもあることが多いため、一過性脳虚血発作は将来の脳卒中の重要な指標である。一過性脳虚血発作は、動物が老化するにつれて増加すること、及び加齢による様々な行動変化の原因であることが知られている。
【0006】
[0006]虚血は、脳卒中によるものも他のものも、動物において、特に動物の脳に対して多くの有害な影響をもたらす。例えば、虚血は、認知機能(例えば認知機能の亢進)、感覚機能(嗅覚)、聴覚系(聴覚)、視覚、運動感覚、奥行き知覚、体性感覚機能(例えば、圧力、温度、痛み、姿勢、内臓感覚及び表情)、運動機能、言語処理、言語産出及び理解、ジェスチャー産出及び理解等の脳機能の変化の原因となり得る。認知機能の変化には、学習、注意、記憶、集中、計画、論理的思考、推論、意志決定、空間的定位、コミュニケーション、指示の遵守、日常活動の遂行等の機能が含まれる。同様に、虚血は、「認知機能障害症候群(cognitive dysfunction syndrome)」の原因となり得、また、失見当識(例えば、錯乱、無目的の放浪、ドアの裏側へ行く、以前学習した作業を忘れたような状態になる、角や家具の後ろで「立ち往生(stuck)」する)、他者及び環境との異常な相互作用、睡眠/覚醒パターンの乱れ(例えば、日中長く眠る、異常に深く眠る、夜間にしばしば目を覚ます)、技能の喪失、並びにハウストレーニング(house training)の喪失(例えば、不適切な排尿・排便)等の関連症状の原因となり得る。さらに、虚血、特に一過性脳虚血発作によるものは、「軽度認知機能障害(mild cognitive impairment)」の原因となり得、また、その結果生じる症状(例えば、人が気づく程度には重症であるが日常生活を妨げる程度には深刻でない記憶、言語又は他の精神機能の障害)の原因となり得る。さらに虚血は、知的機能を著しく損なうことにより認知症(血管性認知症を含む。)を引き起こし、(通常はニューロン損失を引き起こすことを通じて)正常の活動及び関係を妨げることがある。血管性認知症は、通常、1本の大血管又は連続した小血管の閉塞又は破裂によって引き起こされる。そのような閉塞又は破裂は、脳の大部分への血液供給を途絶させることによって虚血を生じさせる。血管性認知症はまた、一連の小規模の脳卒中により脳の様々な部位への血液供給が途絶した後に発症することもある。
【0007】
[0007]虚血は動物の健康及びウェルネスに有害であり、動物の生活の質の低下をもたらす。それゆえ、虚血及び虚血様状態(特に脳卒中に起因する虚血)に起因する損傷を予防、緩和又は治療することによって、動物の健康及びウェルネスを増進させ、生活の質を改善するのに有用な方法及び組成物が求められている。
【発明の概要】
【0008】
[0008]本発明は、動物における、虚血及び虚血様状態に起因する損傷の予防、緩和又は治療;脳卒中及び脳卒中に起因する損傷の予防、緩和又は治療;脳機能の変化の予防、緩和又は治療;認知機能障害症候群の予防、緩和又は治療;軽度認知機能障害の予防、緩和又は治療;認知症の予防、緩和又は治療;社会的相互作用の減退の予防、緩和又は治療;加齢による行動変化の予防、緩和又は治療;認知機能の促進、維持又は強化;学習及び記憶の促進、維持又は強化;最適な脳機能の促進、維持又は強化;記憶喪失の抑制;訓練可能性の増進;生活の質の改善;並びに健康及びウェルネスの増進、の少なくとも1つに有用な方法及び組成物を提供することを目的とする。
【0009】
[0009]このような目的の少なくとも1つは、動物における虚血及び虚血様状態の有害な影響を減殺するのに有用な新規の方法及び組成物を使用して、個別に又はまとめて達成される。上記組成物はウルフベリーを含み、上記方法は、動物における、虚血及び虚血様状態に起因する損傷の予防、緩和又は治療;脳卒中及び脳卒中に起因する損傷の予防、緩和又は治療;脳機能の変化の予防、緩和又は治療;認知機能障害症候群の予防、緩和又は治療;軽度認知機能障害の予防、緩和又は治療;認知症の予防、緩和又は治療;社会的相互作用の減退の予防、緩和又は治療;加齢による行動変化の予防、緩和又は治療;認知機能の促進、維持又は強化;学習及び記憶の促進、維持又は強化;最適な脳機能の促進、維持又は強化;記憶喪失の抑制;訓練可能性の増進;生活の質の改善;並びに健康及びウェルネスの増進、の少なくとも1つに有効な量のウルフベリーを動物に投与することを含む。
【0010】
[0010]本発明の更なる目的、特徴及び利点は当業者には明らかであろう。
【発明の詳細な説明】
【0011】
定義:
[0011]「ウルフベリー」とは、ナス科ナガバクコ種又はクコ種の果実の少なくとも1種、及びその抽出物又は部分を意味する。
【0012】
[0012]「動物」とは、本発明の方法又は組成物によって利益を得ることが可能な全ての動物、特に、組織への血流の減少をもたらす虚血及び虚血様状態に起因する傷害又は損傷(例えば、低酸素圧、低栄養濃度、細胞生産物の蓄積、血管老化、呼吸困難)を受けやすいか患っている動物を意味する。一般に、動物は、ヒト、鳥、ウシ、イヌ、ウマ、ネコ、ヤギ、オオカミ、ネズミ、ヒツジ又はブタである。
【0013】
[0013]「伴侶動物」とは、ネコ、イヌ、ウサギ、モルモット、フェレット、ハムスター、マウス、アレチネズミ、ウマ、ウシ、ヤギ、ヒツジ、ロバ、ブタ等の家畜を意味する。
【0014】
[0014]「有効な量」とは、特定の生理学的又は生物学的な結果を達成するのに有効な化合物、組成物、薬剤その他の物質の量を意味する。本発明において、そのような結果としては、動物における、虚血及び虚血様状態に起因する損傷の予防、緩和又は治療;脳卒中及び脳卒中に起因する損傷の予防、緩和又は治療;脳機能の変化の予防、緩和又は治療;認知機能障害症候群の予防、緩和又は治療;軽度認知機能障害の予防、緩和又は治療;認知症の予防、緩和又は治療;社会的相互作用の減退の予防、緩和又は治療;加齢による行動変化の予防、緩和又は治療;認知機能の促進、維持又は強化;学習及び記憶の促進、維持又は強化;最適な脳機能の促進、維持又は強化;記憶喪失の抑制;訓練可能性の増進;生活の質の改善;並びに健康及びウェルネスの増進、の少なくとも1つが挙げられるが、これらに限られるものではない。
【0015】
[0015]「栄養補助食品」とは、動物の通常の食餌に加えて摂取されることが意図された製品を意味する。栄養補助食品はいかなる形態であってもよく、例えば、固体、液体、ゲル、錠剤、カプセル、粉末のいずれでもよい。栄養補助食品は、使いやすい剤形(例えば小袋)で提供されるのが好ましい。栄養補助食品は、バルク(bulk)の消費者パッケージ(例えば、バルクの粉末、液体、ゲル又は油)の形で提供されてもよい。同様に、栄養補助食品は、他の食品(例えば、スナック、トリーツ、サプリメントバー、飲料)に含まれるようにバルク量で提供されてもよい。
【0016】
[0016]「老齢」とは、当該動物の種(species)及び/又は品種(breed)における平均寿命の50%に到達するか又はそれを超える程度の高齢になることを意味する。例えば、あるイヌの品種の平均寿命が12年とすれば、その品種における「老齢動物」は6歳以上である。
【0017】
[0017]「食物」(「フード」)、「食品」(「フード製品」)又は「食物組成物」(「フード組成物」)とは、ヒトを含む動物による摂取が意図され、動物に栄養を提供する製品又は組成物を意味する。
【0018】
[0018]「盛期を延長する」とは、単に動物が生存する年数を延長するのではなく、動物が健康的な生活を送る年数を延長することを意味する。例えば、動物は、一生の中の盛期において比較的長い期間健康である。
【0019】
[0019]「定期的」とは、少なくとも月1回、好ましくは週1回のウルフベリーの投与を意味する。実施形態によっては、より頻繁な投与又は摂取(例えば、週2回又は3回)が好ましい。例えば、ウルフベリーが少なくとも1日1回摂取される食物組成物の構成要素である場合には、少なくとも1日1回の摂取を含む処方計画がより好ましい。
【0020】
[0020]「単一パッケージ」とは、キット構成要素が、少なくとも1つの容器内で又は少なくとも1つの容器と物理的に関連付けられ、製造、流通、販売又は使用に際して1つのユニットとみなされることを意味する。容器としては、袋、箱、パック、ボトル、パッケージ(例えばシュリンクラップパッケージ)、ステープル又は他の手段で固定された構成要素、又はこれらの組合せが挙げられるが、これらに限られるものではない。単一パッケージは、製造、流通、販売又は使用に際して1つのユニットとみなされるように物理的に関連付けられていれば、ウルフベリー及び食物組成物が別々に入った複数の容器であってもよい。
【0021】
[0021]「仮想パッケージ」とは、ユーザーに他の構成要素の入手法を知らせる、少なくとも1つの物理的又は仮想的なキット構成要素に関する説明書により、キット構成要素が関連付けられていること、例えば、1つの構成要素と、ユーザーに、ウェブサイトを訪れ、録音メッセージやファックス返信サービスに問い合わせ、視覚的メッセージを閲覧し、又は世話人若しくはインストラクターに問い合わせて、キットの使用法に関する指示又はキットの少なくとも1つの構成要素についての安全性情報若しくは技術的情報を得るよう指示する説明書と、を含む袋又は他の容器の形で関連付けられていることを意味する。
【0022】
[0022]本明細書において、用量は、特に断らない限り、1日当たりかつ体重1キログラム当たりのミリグラム(mg/kg/日)で表す。
【0023】
[0023]本明細書において、パーセント値は、特に断らない限り、乾物基準(dry matter basis)での組成物重量による。当業者であれば分かるであろうが、「乾物基準」とは、組成物中の自由水分を全て除去した後に組成物中の成分の濃度又は割合を測定することを意味する。
【0024】
[0024]本明細書において、範囲内の1つ1つの値を列挙及び記載することを避けるため、範囲は簡略に記す。範囲の上限値、下限値又は端値として、必要に応じて範囲内の任意の適切な値を選択することができる。
【0025】
[0025]本明細書では、文脈上明らかに他の意味に解すべき場合でない限り、単語の単数形は複数形を含み、逆もまた同様である。したがって、“a”、“an”及び“the”は一般にその語の複数形を含む。例えば、“a supplement”、“a method”又は“a food”は、その複数形の“supplements”、“methods”又は“foods”を含む。同様に、“comprise”、“comprises”及び“comprising”は、排他的ではなく包含的に解釈されるべきである。同様に、“include”、“including”及び“or”は、文脈上明らかに他の意味に解すべき場合でない限り包含的に解釈されるべきである。同様に、“examples”という語は、特に用語の列挙が後に続く場合は、例示的かつ説明的なものにすぎず、排他的又は包括的なものとみなされるべきではない。
【0026】
[0026]ここに開示される方法、組成物及び他の提案は、本明細書に記載の特定の方法、手順及び試薬に限定されるものではない。なぜならば、当業者には理解されるように、それらは変わり得るものだからである。さらに、本明細書で使用される用語は、専ら特定の実施形態を記載するためのものであり、開示又は請求の範囲を限定するものではない。
【0027】
[0027]特に断らない限り、本明細書で使用される全ての技術的・科学的用語、当技術分野の用語、及び頭字語は、本発明の分野又は当該用語が使用される分野の当業者が通常理解するのと同じ意味を有する。本明細書に記載のものと同様又は同等の全ての組成物、方法、製品又は他の手段若しくは材料は本発明の実施に際して使用することができるが、本明細書には、好ましい組成物、方法、製品又は他の手段若しくは材料が記載されている。
【0028】
[0028]本明細書で引用又は参照された全ての特許、特許出願、出版物、技術的及び/又は学術的論文及び他の文献は、ここで参照されることにより、法律で許容される範囲でその全体が本明細書に組み込まれる。これらの文献についての議論は、単にその主張内容を要約することを意図したものである。そのような特許、特許出願、出版物又は文献又はそれらの任意の一部が関連技術又は先行技術であることを認めるものではない。そのような特許、特許出願、出版物及び他の文献が関連技術又は先行技術であるとのいかなる主張に関しても、その正確性及び妥当性について異議を申し立てる権利は特に留保されている。
【0029】
発明:
[0029]一態様において、本発明は、動物において虚血及び虚血様状態に起因する損傷を予防、緩和又は治療する方法を提供する。この方法は、動物における虚血及び虚血様状態に起因する損傷の予防、緩和又は治療に有効な量のウルフベリーを動物に投与することを含む。この方法は、全ての体組織、好ましくは脳に対する損傷の予防、緩和又は治療に有効である。
【0030】
[0030]他の態様において、本発明は、動物において脳卒中及び脳卒中に起因する損傷を予防、緩和又は治療する方法を提供する。この方法は、動物における脳卒中及び脳卒中に起因する損傷の予防、緩和又は治療に有効な量のウルフベリーを動物に投与することを含む。この方法は、老化及び病気に起因する虚血様状態、特に以前の一過性脳虚血発作から生じた損傷に起因する脳卒中に効果があるので、脳卒中の予防、緩和又は治療に有効である。
【0031】
[0031]さらなる態様において、本発明は、動物において脳機能の変化を予防、緩和又は治療する方法を提供する。この方法は、動物における脳機能の変化の予防、緩和又は治療に有効な量のウルフベリーを動物に投与することを含む。この発明は、虚血又は虚血様状態に関連する脳機能の変化を予防、緩和又は治療するのに有用である。そのような脳機能としては、認知機能、感覚機能、聴覚機能、視覚機能、運動感覚、奥行き知覚、体性感覚機能、運動機能、言語処理、言語産出及び理解、及びジェスチャー産出及び理解が含まれるが、これらに限られるものではない。
【0032】
[0032]一態様において、本発明は、動物において認知機能障害症候群を予防、緩和又は治療する方法を提供する。この方法は、動物における認知機能障害症候群の予防、緩和又は治療に有効な量のウルフベリーを動物に投与することを含む。本発明は、失見当識、他者との異常な相互作用、環境との異常な相互作用、睡眠/覚醒パターンの乱れ、技能の喪失、及びハウストレーニングの喪失を予防、緩和又は治療するのに有用である。
【0033】
[0033]一態様において、本発明は、動物において軽度認知機能障害を予防、緩和又は治療する方法を提供する。この方法は、動物における軽度認知機能障害の予防、緩和又は治療に有効な量のウルフベリーを動物に投与することを含む。この発明は、人が気づく程度には重症であるが日常生活を妨げる程度には深刻でない記憶、言語又は他の精神機能の障害を予防、緩和又は治療するのに有用である。
【0034】
[0034]他の態様において、本発明は、動物において認知症を予防、緩和又は治療する方法を提供する。この方法は、動物における認知症の予防、緩和又は治療に有効な量のウルフベリーを動物に投与することを含む。この発明は、虚血又は虚血様状態に起因する認知症、特に血管性認知症を予防、緩和又は治療するのに有用である。
【0035】
[0035]一態様において、本発明は、動物において社会的相互作用の減退を予防、緩和又は治療する方法を提供する。この方法は、動物における社会的相互作用の減退の予防、緩和又は治療に有効な量のウルフベリーを動物に投与することを含む。この発明は、虚血又は虚血様状態に起因する社会的相互作用の減退、特に老齢動物における社会的相互作用の減退を予防、緩和又は治療するのに有用である。
【0036】
[0036]一態様において、本発明は、動物において加齢による行動変化を予防、緩和又は治療する方法を提供する。この方法は、動物における加齢による行動変化の予防、緩和又は治療に有効な量のウルフベリーを動物に投与することを含む。この発明は、虚血又は虚血様状態に起因する加齢による行動変化、特に一過性脳虚血発作及び虚血様状態に類似した血管状態に関連する加齢による行動変化を予防、緩和又は治療するのに有用である。好ましくは、加齢による行動変化は、物忘れ、失見当識、睡眠及び覚醒習慣の変化、「ハウストレーニング」の喪失、錯乱、欲求不満、又は気質の変化、の少なくとも1つである。
【0037】
[0037]さらなる態様において、本発明は、動物において認知機能を促進、維持又は強化する方法を提供する。この方法は、動物における認知機能の促進、維持又は強化に有効な量のウルフベリーを動物に投与することを含む。この発明は、学習、注意、記憶、集中、計画、推論、意志決定、空間的定位、コミュニケーション、指示の遵守、日常活動の遂行、等の少なくとも1つを促進、維持及び強化するのに有用である。好適な実施形態において、認知機能は学習である。他の好適な実施形態において、認知機能は記憶である。
【0038】
[0038]他の態様において、本発明は、動物において最適な脳機能を促進、維持又は強化する方法を提供する。この方法は、動物における最適な脳機能の促進、維持又は強化に有効な量のウルフベリーを動物に投与することを含む。
【0039】
[0039]他の態様において、本発明は、動物において記憶喪失を緩和する方法を提供する。この方法は、動物における記憶喪失の緩和に有効な量のウルフベリーを動物に投与することを含む。
【0040】
[0040]一態様において、本発明は、動物の訓練可能性を増進させる方法を提供する。この方法は、動物の訓練可能性の増進に有効な量のウルフベリーを動物に投与することを含む。例えば、「トイレのしつけ」の最中にウルフベリーを投与すると、その動物は、ウルフベリーを使用せずにしつけを行う場合よりも速く作業を学習することが可能になる。同様に、言葉、合図又はその他の指令に従うようにイヌ又はネコをしつける場合も、その動物は、ウルフベリーを投与せずにしつけを行う場合よりも速く作業を学習することが可能になる。また、野生動物(例えば、サーカスで使用される動物、野生で育てられたペット)をしつける際にもウルフベリーは有用である。
【0041】
[0041]一態様において、本発明は、動物の生活の質を改善する方法を提供する。この方法は、動物の生活の質の改善に有効な量のウルフベリーを動物に投与することを含む。
【0042】
[0042]他の態様において、本発明は、動物の健康及びウェルネスを増進させる方法を提供する。この方法は、動物の健康及びウェルネスの増進に有効な量のウルフベリーを動物に投与することを含む。
【0043】
[0043]さらなる態様において、本発明は、動物において一過性脳虚血発作に起因する損傷を予防、緩和又は治療する方法を提供する。この方法は、動物における一過性脳虚血発作に起因する損傷の予防、緩和又は治療に有効な量のウルフベリーを動物に投与することを含む。
【0044】
[0044]他の態様において、本発明は、動物において脳の老化を遅延させる方法を提供する。この方法は、動物における脳の老化の遅延に有効な量のウルフベリーを動物に投与することを含む。この方法は、正常な脳の老化に比べて早期に脳を老化させる虚血様状態が認められる動物において脳の老化を遅延させるのに有用である。
【0045】
[0045]本発明は、ウルフベリーが、虚血及び虚血様状態に起因する組織の損傷又は機能障害を減殺するのに有効であり、かつ、そのような損傷又は機能障害に起因する様々な有害な状態(例えば、脳の損傷、認知機能の障害、学習及び記憶の妨害、社会的相互作用の減退、訓練可能性の低下、脳機能の減退、記憶喪失、脳の老化、脳卒中)を克服するのに有効であるという発見に基づくものである。本発明は、虚血に起因する損傷又は傷害の予防、健康及びウェルネスの増進、生活の質の向上に有用である。ウルフベリーはいかなる年齢のいかなる動物にも有用であるが、虚血、虚血様状態、脳卒中及び一過性脳虚血発作に起因する損傷又は機能障害を受けやすいか患っている老齢動物に特に有用である。
【0046】
[0046]ウルフベリーは、個体に対して約0.1〜約3000mg/kg/日、好ましくは約10〜約2000mg/kg/日、より好ましくは約50〜約1000mg/kg/日の量が投与される。
【0047】
[0047]ウルフベリーは、任意の適切な形態で、任意の適切な投与経路を使用して動物に投与することができる。例えば、ウルフベリーは、ウルフベリー組成物の形で、又はウルフベリー抽出物として、又は食物組成物の形で、又は栄養補助食品の形で、又は医薬組成物の形で、又は栄養補助組成物の形で、又は薬剤として投与することができる。同様に、ウルフベリーは、経口、経鼻、静脈内、筋肉内、胃内、幽門通過、皮下、直腸内を含む様々な投与経路を使用して投与することができる。好ましくは、ウルフベリーは経口で動物に投与する。最も好ましくは、ウルフベリーは栄養補助食品として又は食物組成物中の成分として動物に経口投与する。
【0048】
[0048]好適な実施形態において、ウルフベリーは、動物(例えば、ヒト、伴侶動物(イヌ、ネコ等))による摂取に適した食物組成物中の成分として動物に投与される。そのような組成物としては、例えば、動物の栄養所要量を供給するための完全食物、又は動物用トリーツ等の補助食物が挙げられる。
【0049】
[0049]様々な実施形態において、食物組成物(例えば、ペットフード組成物、ペットトリーツ組成物)には、約5%〜約50%の粗タンパク質が含まれる。粗タンパク質の材料としては、例えば、大豆ミール、大豆タンパク濃縮物、コーングルテンミール、小麦グルテン、綿実、落花生ミール等の植物性タンパク質、及びカゼイン、アルブミン、食肉タンパク質等の動物性タンパク質が挙げられる。本発明において有用な食肉タンパク質としては、例えば、豚肉、羊肉、馬肉、鶏肉、魚肉及びそれらの混合物が挙げられる。
【0050】
[0050]上記食物組成物は、さらに約5%〜約40%の脂肪を含んでもよい。好適な脂肪としては、例えば、動物性脂肪及び植物性脂肪が挙げられる。脂肪源は、好ましくは動物性脂肪源(例えば獣脂)である。植物油(例えば、トウモロコシ油、ヒマワリ油、サフラワー油、菜種油、大豆油、オリーブ油、一価不飽和脂肪酸及び多価不飽和脂肪酸に富む他の油)を使用してもよい。
【0051】
[0051]上記食物組成物は、約10%〜約60%の炭水化物をさらに含んでもよい。好適な炭水化物としては、例えば、穀物(例えば、コメ、トウモロコシ、ミロ、ソルガム、アルファルファ、大麦、大豆、キャノーラ、オート麦、小麦、及びそれらの混合物)が挙げられる。上記組成物は、他の材料(例えば、乾燥ホエー、他の乳製品副産物)を含んでもよい。
【0052】
[0052]上記食物組成物の水分含有量は、食物組成物の性質によって異なる。上記食物組成物は、乾燥組成物(例えばキブル)、半湿潤組成物、湿潤組成物又はそれらのいかなる混合物であってもよい。好適な実施形態において、上記組成物は完全でかつ栄養的にバランスのとれたペットフードである。この実施形態において、ペットフードは、「湿潤フード」、「乾燥フード」又は「中間水分」含有量のフードとすることができる。「湿潤フード」とは、典型的には缶又はホイル袋に入れて販売され、水分含有量が典型的には約70%〜約90%のペットフードをいう。「乾燥フード」とは、湿潤フードと同様の組成物であるが、水分含有量が典型的には約5%〜約15%又は約20%に限られているペットフード(典型的には小さなビスケット様キブルの形態をとる。)をいう。好適な一実施形態において、上記組成物は水分含有量が約5%〜約20%である。乾燥フード製品には、相対的に品質保持期限が長く、微生物又は真菌による劣化又は汚染に対して抵抗力があるような、様々な水分含有量の様々な食物が含まれる。また、好適な乾燥フード組成物としては、例えば、押出食品(例えば、ペットフード、又はヒト若しくは伴侶動物向けのスナック食物)が挙げられる。
【0053】
[0053]上記食物組成物はまた、少なくとも1種の繊維源を含んでもよい。「繊維」には、可消化性か難消化性か、可溶性か不溶性か、発酵性か非発酵性かを問わず、食物中の全ての「バルク」源が含まれる。好適な繊維は植物(例えば海草)由来のものであるが、微生物由来の繊維を使用してもよい。当業者には分かるであろうが、種々の可溶性又は不溶性の繊維を利用することができる。そのような繊維源としては、例えば、(テンサイ由来の)ビートパルプ、アラビアゴム、タルハゴム、オオバコ、米糠、イナゴマメゴム、柑橘パルプ、ペクチン、フラクトオリゴ糖、短鎖オリゴフルクトース、マンナンオリゴフルクトース、大豆繊維、アラビノガラクタン、ガラクトオリゴ糖、アラビノキシラン又はそれらの混合物が挙げられる。
【0054】
[0054]或いは、繊維源は発酵性繊維であってもよい。発酵性繊維は伴侶動物の免疫系に有益であることが知られている。プレバイオティクスを提供して腸内でプロバイオティクスの増殖を促進させる発酵性繊維又は他の(当業者に知られた)組成物を上記組成物に組み込んで、本発明が動物の免疫系にもたらす利益を増強させてもよい。
【0055】
[0055]ある実施形態において、上記食物組成物の灰分含有量は1%未満〜約15%の範囲であり、好ましくは約5%〜約10%である。
【0056】
[0056]好適な実施形態において、上記組成物は、ウルフベリー及び約15%〜約50%のタンパク質、約5%〜約40%の脂肪、約5%〜約10%の灰分を含み、水分含有量が約5%〜約20%の食物組成物である。他の実施形態において、上記食物組成物は、本明細書に記載のように、プレバイオティクス又はプロバイオティクスをさらに含む。
【0057】
[0057]食物組成物の形で投与される場合、ウルフベリーは、食物組成物の約0.1%〜約40%、好ましくは約3%〜約30%、より好ましくは約5%〜約20%を構成する。様々な実施形態において、食物組成物は、約1%、2%、4%、6%、8%、10%、12%、14%、16%、18%、20%、22%、24%、26%、28%、30%、32%、34%、36%、38%又は40%を含む。
【0058】
[0058]他の実施形態において、ウルフベリーは栄養補助食品の形で動物に投与される。栄養補助食品は、任意の適切な形態(例えば、グレービー、飲用水、飲料、ヨーグルト、粉末、顆粒、ペースト、懸濁液、チュー、チョコレートチップ、トリーツ、スナック、ペレット、丸剤、カプセル、錠剤、小袋、又は他の適切な送達形態)をとることができる。栄養補助食品は、ウルフベリーに加えて、ビタミン、保存料、プロバイオティクス、プレバイオティクス、抗酸化物質等の化合物を含んでもよい。これにより、補助食品を動物に少量投与することが可能になり、或いは動物への投与前に希釈することが可能になる。栄養補助食品は、場合により、動物への投与前に食物組成物又は水若しくは他の希釈剤と混合する必要がある。栄養補助食品の形で投与される場合、ウルフベリーは、補助食品の約0.1%〜約90%、好ましくは約3%〜約70%、より好ましくは約5%〜約60%を構成する。
【0059】
[0059]他の実施形態において、ウルフベリーは医薬又は栄養補助組成物の形で動物に投与される。医薬組成物は、ウルフベリーと、医薬又は栄養補助組成物への使用が許容される少なくとも1種の担体、希釈剤又は賦形剤と、を含む。一般に、医薬組成物は、化合物又は組成物を、賦形剤、緩衝剤、結合剤、可塑剤、着色剤、希釈剤、圧縮剤、滑沢剤、風味料、湿潤剤等と混合することによって調製される。また、医薬の製造及び医薬として動物に投与するのに適した組成物の調製に有用であることが当業者に知られている他の成分を混合してもよい。医薬又は栄養補助組成物の形で投与される場合、ウルフベリーは、組成物の約0.1%〜約90%、好ましくは約3%〜約70%、より好ましくは約5%〜約60%を構成する。
【0060】
[0060]ウルフベリーは、必要又は所望に応じて又は定期的に動物に投与することができる。定期的な投与の目的は、動物に対して定期的に毎回同量のウルフベリーを投与すること、又はそのような摂取により生じる直接的又は間接的な代謝物を動物にもたらすことにある。そのような定期的かつ安定期な投与を行うと、ウルフベリー及びその直接的又は間接的な代謝物に関して一定の血中濃度が実現される傾向がある。したがって、定期的な投与は、月1回、週1回、1日1回、又は1日2回以上とすることができる。同様に、投与は、2日、2週間又は2ヶ月に1回;3日、3週間又は3ヶ月に1回;4日、4週間又は4ヶ月に1回、等であってもよい。投与は、1日当たり複数回であってもよい。通常の栄養上の要求を満たすための補助食品として利用される場合、ウルフベリーは、例えば経口的に又は他の手段で動物に直接投与してもよい。或いは、ウルフベリーは、流体(例えば飲用水)を含む日常の餌又は食物と接触又は混合させてもよく、又は、そのような治療を受けている動物では静脈内に接続させてもよい。投与は、動物に対する食事療法の一部として実行することもできる。例えば、食事療法は、本発明の方法の実現に有効な量のウルフベリーを動物に定期的に摂取させることを含んでもよい。
【0061】
[0061]本発明の方法によれば、食事療法の一部としての投与を含むウルフベリーの投与は、動物の出産から一生を通じて行われてもよい。様々な実施形態において、上記動物はヒト又は伴侶動物(例えば、イヌ、ネコ)である。ある実施形態において、上記動物は若いか成長過程の動物である。より好適な実施形態において、上記動物は老齢動物である。他の実施形態では、例えば、動物が予想寿命の約30%、40%又は50%を超えた時に、定期的な投与又は長期の定期的な投与が開始される。ある実施形態において、動物は予想寿命の40%、45%又は50%に達している。さらに他の実施形態において、動物はより高齢であり、推定寿命の60%、66%、70%、75%又は80%に達している。寿命の判定は保険数理表、計算、概算等に基づいて行ってもよく、寿命に正負の影響を及ぼすことが知られている過去、現在及び将来の影響又は因子を考慮に入れてもよい。寿命を判定する際に、種、性別、サイズ、遺伝因子、環境因子及びストレッサー、現在及び過去の健康状態、過去及び現在の栄養状態、ストレッサー等を考慮に入れてもよい。
【0062】
[0062]ウルフベリーは、本発明の目的、例えば、動物における、虚血及び虚血様状態に起因する損傷の予防、緩和又は治療;脳卒中及び脳卒中に起因する損傷の予防、緩和又は治療;脳機能の変化の予防、緩和又は治療;認知機能障害症候群の予防、緩和又は治療;軽度認知機能障害の予防、緩和又は治療;認知症の予防、緩和又は治療;社会的相互作用の減退の予防、緩和又は治療;加齢による行動変化の予防、緩和又は治療;認知機能の促進、維持及び強化;学習及び記憶の促進、維持及び強化;最適な脳機能の促進、維持及び強化;記憶喪失の抑制;訓練可能性の増進;生活の質の改善;並びに健康及びウェルネスの増進、の少なくとも1つを達成するのに必要な期間にわたって動物に投与される。好ましくは、ウルフベリーは定期的に動物に投与される。
【0063】
[0063]他の態様において、本発明は、動物における、虚血及び虚血様状態に起因する損傷の予防、緩和又は治療;脳卒中及び脳卒中に起因する損傷の予防、緩和又は治療;脳機能の変化の予防、緩和又は治療;認知機能障害症候群の予防、緩和又は治療;軽度認知機能障害の予防、緩和又は治療;認知症の予防、緩和又は治療;社会的相互作用の減退の予防、緩和又は治療;加齢による行動変化の予防、緩和又は治療;認知機能の促進、維持及び強化;学習及び記憶の促進、維持及び強化;最適な脳機能の促進、維持及び強化;記憶喪失の抑制;訓練可能性の増進;生活の質の改善;並びに健康及びウェルネスの増進、の少なくとも1つに有効な量のウルフベリーを含む組成物を提供する。この組成物は、特定の組成物に関して予期又は推奨される通りに投与される場合に、約0.1〜約3000mg/kg/日、好ましくは約10〜約2000mg/kg/日、より好ましくは約50〜約1000mg/kg/日のウルフベリーを動物に投与するのに十分な量のウルフベリーを含む。典型的には、ウルフベリーは、組成物の約1%〜約90%、好ましくは約3%〜約70%、より好ましくは約5%〜約60%を構成する。様々な実施形態において、食物組成物は、約1%、2%、4%、6%、8%、10%、12%、14%、16%、18%、20%、22%、24%、26%、28%、30%、32%、34%、36%、38%、40%、45%、50%、55%、60%、70%又は80%を含む。
【0064】
[0064]ウルフベリー組成物(食物組成物、栄養補助組成物、医薬組成物及び他の組成物)は、ビタミン、ミネラル、プロバイオティクス、プレバイオティクス、塩及び機能性添加物等の少なくとも1種の物質をさらに含んでもよい。機能性添加物としては、例えば、風味剤、着色剤、乳化剤及び抗菌性その他の保存料が挙げられる。そのような組成物中で有用なミネラルとしては、例えば、カルシウム、リン、カリウム、ナトリウム、鉄、塩素、ホウ素、銅、亜鉛、マグネシウム、マンガン、ヨウ素、セレンが挙げられる。本発明において有用な追加のビタミンとしては、例えば、脂溶性ビタミン(A、D、E、K等)が挙げられる。イヌリン、アミノ酸、酵素、補酵素等を含ませるのも、様々な実施形態において有用である。
【0065】
[0065]ある実施形態において、ウルフベリー組成物はプレバイオティクス又はプロバイオティクスをさらに含む。プロバイオティクスは、摂取された際に特定の医学的状態の予防及び治療に対して有益な影響を与える生きた微生物である。プロバイオティクスは、定着抵抗性(colonization resistance)として知られている現象を通じて生物学的作用を及ぼすと考えられている。プロバイオティクスは、常在嫌気性細菌叢が潜在的に有害な(大部分は好気性の)細菌の消化管内濃度を制限するプロセスを促進する。他の作用形態(例えば、消化管内で酵素を供給する、或いは酵素活性に影響を及ぼす)もまた、プロバイオティクスに起因するとされる他の幾つかの機能を説明し得る。プレバイオティクスは、大腸内の細菌の増殖及び/又は活性を選択的に刺激することにより宿主の健康に有益な影響を及ぼす難消化性食物成分である。プレバイオティクスとしては、例えば、フラクトオリゴ糖(FOS)、キシロオリゴ糖(XOS)、ガラクトオリゴ糖(GOS)及びマンノオリゴ糖(典型的には、ペットフード等の非ヒト用食物の場合)が挙げられる。プレバイオティクスであるフラクトオリゴ糖(FOS)は、小麦、タマネギ、バナナ、蜂蜜、ニンニク、ニラ等、多くの食物中に天然に存在する。FOSはまた、チコリの根から単離することができ、或いはショ糖から酵素的に合成することができる。FOSが大腸内で発酵すると、大腸内のビフィズス菌数の増加、カルシウム吸収の増大、排便重量の増加、消化管通過時間の短縮、及び場合により血中脂質濃度の低下を含む、数多くの生理学的な効果がもたらされる。ビフィズス菌の増加は、潜在的病原体を抑制する化合物を産生すること、血中アンモニア濃度を低下させること、及びビタミン及び消化酵素を産生することによって、ヒトの健康に利益を与えると考えられている。プロバイオティクス(例えば、乳酸菌、ビフィズス菌)は、腸内微生物バランスを改善して抗体の産生及び白血球の食作用(貪食又は殺傷)活性を増進させることによって、免疫応答にプラスの影響を及ぼすと考えられている。ビフィドバクテリウム・ラクティス(Bifidobacterium lactis)は、高齢個体においては細胞性免疫のある側面を強化するのに有効なプロバイオティック栄養補助食品となり得る。プロバイオティクスは全身の細胞性免疫応答を強化し、他の点では健康な成体の自然免疫を増強する栄養補助食品として有用であり得る。プロバイオティクスには多くのタイプの細菌があるが、一般には、4つの細菌属:ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)、ビフィドバクテリウム(Bifidobacteria)、ラクトコッカス(Lactococcus)及びペディオコッカス(Pediococcus)、から選択される。有益な種としては、例えば、エンテロコッカス(Enterococcus)及びサッカロマイセス(Saccharomyces)種(例えばエンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)SF68)が挙げられる。動物に投与すべきプレバイオティクス及びプロバイオティクスの量は、当業者が、プロバイオティクス及びプレバイオティクスのタイプ及び性質並びに動物のタイプ及び性質(例えば、年齢、体重、全般的な健康状態、性別、微生物減少の程度、有害細菌の存在、食餌)に基づいて決定する。一般に、腸管内微生物叢を健全に維持するために、プロバイオティクスは、1日当たり約10億〜約200億コロニー形成単位(CFU)の量、好ましくは1日当たり約50億〜約100億個の生菌が動物に投与される。一般に、プレバイオティクスは、腸内の健全な微生物叢にプラスの刺激を与え、これらの「善玉」菌を繁殖させるのに十分な量が投与される。典型的な量は、1回分当たり約1〜約10グラム、又は動物について推奨される1日の食物繊維の約5%〜約40%である。プロバイオティクス及びプレバイオティクスは、任意の適切な手段により上記組成物の一部とすることができる。一般に、それらの薬物は組成物と混合されるか、或いは組成物表面に例えば散布又は噴霧によりアプライされる。薬物がキットの一部である場合、薬物は他の材料と混合されていてもよく、また、別個のパッケージに入れられていてもよい。
【0066】
[0066]当業者は、特定の動物に投与する特定の組成物を作るのに用いられるウルフベリー、食物成分、ビタミン、ミネラル、プロバイオティクス、プレバイオティクス、抗酸化物質又は他の成分の適切な量を決定することができる。当業者は、ウルフベリー及び他の成分を含む特定の組成物をどのように調製するのがベストかを判定する際に、動物の種、年齢、サイズ、体重、健康状態等を考慮に入れることができる。考慮に入れてもよい他のファクターとしては、例えば、組成物のタイプ(例えば、ペットフード組成物か栄養補助食品か)、各構成要素の所望の用量、異なる動物(例えば、種、体重、所要活動/エネルギーレベルを基準とする。)による特定のタイプの組成物の平均摂取量、及び組成物の製造要件が挙げられる。
【0067】
[0067]さらなる態様において、本発明は、動物にウルフベリーを投与するのに適したキットを提供する。このキットは、キット構成要素に応じて、単一パッケージ内の別々の容器又は仮想パッケージ内の別々の容器に、ウルフベリーと、(1)動物による摂取に適した少なくとも1種の成分、(2)少なくとも1種のプロバイオティクス又はプレバイオティクス、(3)ウルフベリーと他のキット構成要素とを組み合わせて、動物における虚血及び虚血様状態に起因する損傷の予防、緩和又は治療に有用な組成物を製造する方法に関する指示、(4)ウルフベリー及び本発明の他の構成要素を(特に動物の利益のために)使用する方法に関する指示、(5)キット構成要素を調製するか組み合わせて動物投与用組成物を製造するためのデバイス(例えば、スプーン又は他のアプライ用デバイス)、及び(6)組み合わされた又は調製されたキット構成要素を動物に投与するためのデバイス(例えば、ボウル又は他の容器)、の少なくとも1つと、を含む。
【0068】
[0068]キットが仮想パッケージを含む場合、キットは、少なくとも1つの物理的なキット構成要素と組み合わされた仮想環境内の指示に限定される。キットは、動物における一過性脳虚血発作に起因する損傷の予防又は緩和に十分な量のウルフベリー及び他の構成要素を含む。典型的には、ウルフベリー及び他の適当なキット構成要素は、動物に摂取される直前に混合される。上記キットは、様々の組合せ及び/又は混合物の形態でキット構成要素を含んでもよい。一実施形態において、上記キットは、ウルフベリーと、動物に摂取される食物の容器と、を備えるパックを含む。上記キットは、ウルフベリーと他の成分とを混合するためのデバイス、混合物を入れるためのデバイス(例えば食物用ボウル)等の追加要素を含んでもよい。他の実施形態において、ウルフベリーは、動物において良好な健康状態を増進させる追加の栄養補助食品(ビタミン、ミネラル等)と混合される。上記構成要素は各々、単一パッケージ内の別々の容器に入った状態で、又は異なるパッケージに入っていた様々な構成要素の混合物の形態で提供される。好適な実施形態において、上記キットは、ウルフベリー及び動物による摂取に適した少なくとも1種の他の成分を含む。好ましくは、上記キットは、ウルフベリーを他の成分と組み合わせて動物摂取用食物組成物を形成する方法(一般には、ウルフベリーと他の成分とを混合するか、或いは例えば食物組成物へのウルフベリーの散布により他の成分にウルフベリーをアプライすることによって行う。)を説明した指示を備える。
【0069】
[0069]他の態様において、本発明は、(1)動物における、虚血及び虚血様状態に起因する損傷の予防、緩和又は治療;脳卒中及び脳卒中に起因する損傷の予防、緩和又は治療;脳機能の変化の予防、緩和又は治療;認知機能障害症候群の予防、緩和又は治療;軽度認知機能障害の予防、緩和又は治療;認知症の予防、緩和又は治療;社会的相互作用の減退の予防、緩和又は治療;加齢による行動変化の予防、緩和又は治療;認知機能の促進、維持及び強化;学習及び記憶の促進、維持及び強化;最適な脳機能の促進、維持及び強化;記憶喪失の抑制;訓練可能性の増進;生活の質の改善;並びに健康及びウェルネスの増進、の少なくとも1つのためにウルフベリーを使用すること、(2)ウルフベリーと他の成分とを混合して、動物による摂取に適したウルフベリー組成物(例えば、ウルフベリー食物組成物、ウルフベリー栄養補助食品)を製造すること、(3)動物の利益(例えば、動物における、虚血及び虚血様状態に起因する損傷の予防、緩和又は治療;脳卒中及び脳卒中に起因する損傷の予防、緩和又は治療;脳機能の変化の予防、緩和又は治療;認知機能障害症候群の予防、緩和又は治療;軽度認知機能障害の予防、緩和又は治療;認知症の予防、緩和又は治療;社会的相互作用の減退の予防、緩和又は治療;加齢による行動変化の予防、緩和又は治療;認知機能の促進、維持及び強化;学習及び記憶の促進、維持及び強化;最適な脳機能の促進、維持及び強化;記憶喪失の抑制;訓練可能性の増進;生活の質の改善;並びに健康及びウェルネスの増進)のために本発明のキットを使用すること、及び(4)動物にウルフベリーを投与すること、の少なくとも1つに関する情報又は指示を伝達する手段を提供する。この手段は、上記情報又は指示を含む物理的若しくは電子的文書、デジタルストレージメディア、光学ストレージメディア、オーディオプレゼンテーション、オーディオビジュアルディスプレイ又はビジュアルディスプレイの少なくとも1つを含む。好ましくは、上記手段は、表示されたウェブサイト、ビジュアルディスプレイキオスク、パンフレット、製品ラベル、添付文書、広告、チラシ、広報、オーディオテープ、ビデオテープ、DVD、CD−ROM、コンピュータ可読チップ、コンピュータ可読カード、コンピュータ可読ディスク、USBデバイス、ファイアワイヤー(FireWire)デバイス、コンピュータメモリ及びそれらの任意の組合せからなる群から選択される。
【0070】
[0070]他の態様において、本発明は、ウルフベリーと、動物による摂取に適した少なくとも1種の他の成分(例えば、タンパク質、脂肪、炭水化物、繊維、ビタミン、ミネラル、プロバイオティクス、プレバイオティクスの少なくとも1種)と、を含む食物組成物を製造する方法を提供する。この方法は、動物による摂取に適した少なくとも1種の成分をウルフベリーと混合することを含む。或いは、この方法はウルフベリーを単独で、又は他の成分と併用又は組み合わせて、例えばコーティング又はトッピングとして食物組成物にアプライすることを含む。ウルフベリーは、食物組成物を製造及び/又は加工中のどの時点で加えてもよい。上記組成物は、当技術分野において適切な任意の方法に従って作ることができる。
【0071】
[0071]他の態様において、本発明は、パッケージであって、該パッケージは、ウルフベリーと、該パッケージに貼られたラベルと、を含み、該ラベルは、動物における、虚血及び虚血様状態に起因する損傷の予防、緩和又は治療;脳卒中及び脳卒中に起因する損傷の予防、緩和又は治療;脳機能の変化の予防、緩和又は治療;認知機能障害症候群の予防、緩和又は治療;軽度認知機能障害の予防、緩和又は治療;認知症の予防、緩和又は治療;社会的相互作用の減退の予防、緩和又は治療;加齢による行動変化の予防、緩和又は治療;認知機能の促進、維持及び強化;学習及び記憶の促進、維持及び強化;最適な脳機能の促進、維持及び強化;記憶喪失の抑制;訓練可能性の増進;生活の質の改善;並びに健康及びウェルネスの増進、の少なくとも1つに適した成分又は組成物がパッケージ内に含まれることを示す言葉、写真、デザイン、頭字語、スローガン、フレーズ又は他の手段又はそれらの組合せを備えるパッケージを提供する。典型的には、そのような手段は、パッケージ上に印刷された形で、「生活の質を改善する」、「健康及びウェルネスを増進させる」、「認知機能を改善する」、「記憶を改善する」、「老齢動物において記憶喪失を緩和する」といった文言又は同等の表現を備える。上記組成物を入れるのに適した任意のパッケージ又はパッケージング材料(例えば、紙、プラスチック、ホイル、金属等から製造される袋、箱、ボトル、缶、パウチ等)は本発明において有用である。好適な実施形態において、上記パッケージはラベルに応じて、特定の動物(例えば、ヒト、イヌ、ネコ)に適した食物組成物、好ましくはイヌ又はネコのための伴侶動物用食物組成物を含む。好適な実施形態において、上記パッケージは、ウルフベリーを含む小袋である。
【0072】
[0072]他の態様において、本発明は、動物における、虚血及び虚血様状態に起因する損傷の予防、緩和又は治療;脳卒中及び脳卒中に起因する損傷の予防、緩和又は治療;脳機能の変化の予防、緩和又は治療;認知機能障害症候群の予防、緩和又は治療;軽度認知機能障害の予防、緩和又は治療;認知症の予防、緩和又は治療;社会的相互作用の減退の予防、緩和又は治療;加齢による行動変化の予防、緩和又は治療;認知機能の促進、維持及び強化;学習及び記憶の促進、維持及び強化;最適な脳機能の促進、維持及び強化;記憶喪失の抑制;訓練可能性の増進;生活の質の改善;並びに健康及びウェルネスの増進、の少なくとも1つのための薬剤を調製するためのウルフベリーの使用を提供する。一般に、そのような薬剤は、化合物又は組成物(すなわち、ウルフベリー又はウルフベリー組成物)を、動物に投与するのに適した薬剤の製造及び調製に有用であると当業者に知られている賦形剤、緩衝剤、結合剤、可塑剤、着色剤、希釈剤、圧縮剤、滑沢剤、風味料、湿潤剤等の成分と混合することによって調製される。
【0073】
[0073]他の態様において、本発明は、動物の一生における盛期を延長する方法を提供する。この方法は、動物の盛期の延長に有効な量のウルフベリー含有組成物を動物に投与することを含む。
【実施例】
【0074】
[0074]本発明は、さらに以下の実施例により具体的に説明される。ただし、これらの実施例は単に説明のために挙げられたものであり、特に断らない限り、本発明の範囲を限定することを意図したものでないことは理解されよう。
【0075】
実施例1:
[0075]月齢2〜3ヶ月の雌のスプラーグドーリー(Sprague Dawley)(SD)ラットをCharles Rivers(Wilmington,MA)から購入し、動物施設の温度制御された室内(22〜25℃)で、12時間の明暗サイクルで飼育した。全てのラットは、順化期間中は実験用の飼料及び水道水に自由にアクセスさせ、4週間の試験期間中は対照飼料又は試験飼料に自由にアクセスさせた。中大脳動脈(MCA)閉塞(MCAO)の1週間前に、E2群のラットにE2ペレット(30mmシラスティック(Silastic)ペレット内でトウモロコシ油中に4mg/ml)を移植した。MCAO処置前の4週間の給餌期間中は、対照群及びエストラジオール(E2)群には対照飼料を与えた。ウルフベリー抽出物群のラットには、12.5%のウルフベリー抽出物を添加した対照飼料を与えた。
【0076】
[0076]全ての動物には、さらなる処置の少なくとも14日前に卵巣摘出術(OVX)を施した。中大脳動脈(MCA)閉塞(MCAO)及び再灌流のために管腔内フィラメントモデルを使用した。簡潔に記せば、ケタミン(60mg/kg)及びキシラジン(10mg/kg)を用いて動物を麻酔し、次いで内頸動脈(ICA)を露出させ、穴を通して3−0モノフィラメントナイロン縫合糸をICA内腔に導入し、適度の抵抗が感じられるまで内頸動脈(ICA)遠位部へ穏やかに送った。1時間後、縫合糸をICAから抜去し、ICA遠位部を直ちに焼灼した。再灌流開始から24時間後、以下に説明するTTC染色のために動物を標本抽出した。
【0077】
[0077]脳を摘出し、金属製ブレインマトリックス(brain matrix)(ASI Instruments,Inc.,Warren,MI)を用いて2mm厚の冠状切片とし、2%の2,3,5−トリフェニル−2H−テトラゾリウムクロリド(TTC)を0.9%生理食塩水に溶解した溶液中、37℃で30分間インキュベートすることによって染色した。写真は、コダック(Kodak)デジタルカメラを用いて撮影した。脳の各切片のデジタル画像を用いて脳梗塞領域における病変の体積を計算した。結果を表1に示す。
【0078】
[0078]表1に示されるように、17−ベータエストラジオール及びラクト(lacto)−ウルフベリー抽出物は、対照のラットに比べて、虚血により誘発される脳病変を顕著に(それぞれ48%及び60%)縮小させた。これらのデータは、虚血(脳卒中)により誘発される損傷から脳を保護するのに、ラクト−ウルフベリー抽出物が極めて有効であることを示している。
【0079】
【表1】

【0080】
[0079]本明細書では、本発明の代表的な好適な実施形態が開示されている。特定の用語が使用されているが、それらは単に一般的かつ説明的な意味で使用したものであり、限定を意図したものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲に記載の通りである。上述の教示内容を踏まえると、本発明の多くの修正及び改変が可能であることは明らかである。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲内で、特に記載されている以外の形態でも実施可能であることが理解されよう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動物における、虚血及び虚血様状態に起因する損傷の予防、緩和又は治療、脳卒中及び脳卒中に起因する損傷の予防、緩和又は治療、脳機能の変化の予防、緩和又は治療、認知機能障害症候群の予防、緩和又は治療、軽度認知機能障害の予防、緩和又は治療、認知症の予防、緩和又は治療、社会的相互作用の減退の予防、緩和又は治療、加齢による行動変化の予防、緩和又は治療、認知機能の促進、維持又は強化、学習及び記憶の促進、維持又は強化、最適な脳機能の促進、維持又は強化、記憶喪失の抑制、訓練可能性の増進、生活の質の改善、並びに健康及びウェルネスの増進、の少なくとも1つのための方法であって、
該動物における、虚血及び虚血様状態に起因する損傷の予防、緩和又は治療、脳卒中及び脳卒中に起因する損傷の予防、緩和又は治療、脳機能の変化の予防、緩和又は治療、認知機能障害症候群の予防、緩和又は治療、軽度認知機能障害の予防、緩和又は治療、認知症の予防、緩和又は治療、社会的相互作用の減退の予防、緩和又は治療、加齢による行動変化の予防、緩和又は治療、認知機能の促進、維持又は強化、学習及び記憶の促進、維持又は強化、最適な脳機能の促進、維持又は強化、記憶喪失の抑制、訓練可能性の増進、生活の質の改善、並びに健康及びウェルネスの増進、の少なくとも1つに有効な量のウルフベリーを該動物に投与するステップを含む方法。
【請求項2】
約0.1〜約3000mg/kg/日のウルフベリーが投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ウルフベリーが、食物組成物の形で又は栄養補助食品として前記動物に投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記組成物が食物組成物であり、ウルフベリーが該食物組成物の約0.1〜約40%を構成する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記組成物又は栄養補助食品が、少なくとも1種のプレバイオティクス又はプロバイオティクスをさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記動物がヒト又は伴侶動物である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記伴侶動物がイヌ又はネコである、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記動物が老齢動物である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
動物において、虚血及び虚血様状態に起因する損傷を予防、緩和又は治療する方法であって、該動物における虚血及び虚血様状態に起因する損傷の予防、緩和又は治療に有効な量のウルフベリーを該動物に投与するステップを含む方法。
【請求項10】
約0.1〜約3000mg/kg/日のウルフベリーが投与される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
ウルフベリーが、食物組成物の形で又は栄養補助食品として前記動物に投与される、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記組成物が食物組成物であり、ウルフベリーが該食物組成物の約0.1%〜約40%を構成する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記組成物又は栄養補助食品が、少なくとも1種のプレバイオティクス又はプロバイオティクスをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記動物がヒト又は伴侶動物である、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
前記伴侶動物がイヌ又はネコである、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記動物が老齢動物である、請求項9に記載の方法。
【請求項17】
動物にウルフベリーを投与するのに適したキットであって、
キット構成要素に応じて、単一パッケージ内の別々の容器又は仮想パッケージ内の別々の容器に、ウルフベリーと、(1)動物による摂取に適した少なくとも1種の成分、(2)少なくとも1種のプロバイオティクス又はプレバイオティクス、(3)ウルフベリーと他のキット構成要素とを組み合わせて、動物における虚血及び虚血様状態に起因する損傷の予防、緩和又は治療に有用な組成物を製造する方法に関する指示、(4)ウルフベリー及び本発明の他の構成要素を(特に動物の利益のために)使用する方法に関する指示、(5)キット構成要素を調製するか組み合わせて動物投与用組成物を製造するためのデバイス、及び(6)組み合わされた又は調製されたキット構成要素を動物に投与するためのデバイス、の少なくとも1つと、を含むキット。
【請求項18】
前記ウルフベリーが小袋に入っている、請求項17に記載のキット。
【請求項19】
ウルフベリーと、動物による摂取に適した少なくとも1種の成分と、を含む、請求項17に記載のキット。
【請求項20】
ウルフベリーと前記成分とを組み合わせて、動物における虚血及び虚血様状態に起因する損傷の予防、緩和又は治療に有用な組成物を製造する方法に関する指示をさらに含む、請求項19に記載のキット。
【請求項21】
動物において脳卒中を予防、緩和又は治療する方法であって、該動物における脳卒中の予防、緩和又は治療に有効な量のウルフベリーを該動物に投与するステップを含む方法。
【請求項22】
約0.1〜約3000mg/kg/日のウルフベリーが投与される、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
動物において脳卒中に起因する損傷を予防、緩和又は治療する方法であって、該動物における脳卒中に起因する損傷の予防、緩和又は治療に有効な量のウルフベリーを該動物に投与するステップを含む方法。
【請求項24】
約0.1〜約3000mg/kg/日のウルフベリーが投与される、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
動物において脳機能の変化を予防、緩和又は治療する方法であって、該動物における脳機能の変化の予防、緩和又は治療に有効な量のウルフベリーを該動物に投与するステップを含む方法。
【請求項26】
約0.1〜約3000mg/kg/日のウルフベリーが投与される、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記脳機能の変化が、感覚機能、聴覚機能、視覚機能、運動感覚、奥行き知覚、体性感覚機能、運動機能、言語処理、言語産出及び理解、及びジェスチャー産出及び理解からなる群から選択される、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
動物において認知機能障害症候群を予防、緩和又は治療する方法であって、該動物における認知機能障害症候群の予防、緩和又は治療に有効な量のウルフベリーを該動物に投与するステップを含む方法。
【請求項29】
約0.1〜約3000mg/kg/日のウルフベリーが投与される、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記認知機能障害症候群が、失見当識、他者との異常な相互作用、環境との異常な相互作用、睡眠/覚醒パターンの乱れ、技能の喪失、及びハウストレーニングの喪失からなる群から選択される、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
動物において軽度認知機能障害を予防、緩和又は治療する方法であって、該動物における軽度認知機能障害の予防、緩和又は治療に有効な量のウルフベリーを該動物に投与するステップを含む方法。
【請求項32】
約0.1〜約3000mg/kg/日のウルフベリーが投与される、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記軽度認知機能障害が、記憶の障害及び言語の障害からなる群から選択される、請求項31に記載の方法。
【請求項34】
動物において認知症を予防、緩和又は治療する方法であって、該動物における認知症の予防、緩和又は治療に有効な量のウルフベリーを該動物に投与するステップを含む方法。
【請求項35】
約0.1〜約3000mg/kg/日のウルフベリーが投与される、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記認知症が血管性認知症である、請求項34に記載の方法。
【請求項37】
動物において社会的相互作用の減退を予防、緩和又は治療する方法であって、該動物における社会的相互作用の減退の予防、緩和又は治療に有効な量のウルフベリーを該動物に投与するステップを含む方法。
【請求項38】
約0.1〜約3000mg/kg/日のウルフベリーが投与される、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
動物において加齢による行動変化を予防、緩和又は治療する方法であって、該動物における加齢による行動変化の予防、緩和又は治療に有効な量のウルフベリーを該動物に投与するステップを含む方法。
【請求項40】
約0.1〜約3000mg/kg/日のウルフベリーが投与される、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記加齢による行動変化が、物忘れ、失見当識、睡眠及び覚醒習慣の変化、ハウストレーニングの喪失、錯乱、欲求不満、及び気質の変化からなる群から選択される、請求項39に記載の方法。
【請求項42】
動物において認知機能を促進、維持又は強化する方法であって、該動物における認知機能の促進、維持又は強化に有効な量のウルフベリーを該動物に投与するステップを含む方法。
【請求項43】
約0.1〜約3000mg/kg/日のウルフベリーが投与される、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記認知機能が、学習、注意、記憶、集中、計画、推論、意志決定、空間的定位、コミュニケーション、指示の遵守、及び日常活動の遂行からなる群から選択される、請求項42に記載の方法。
【請求項45】
前記認知機能が、学習及び記憶からなる群から選択される、請求項42に記載の方法。
【請求項46】
動物において最適な脳機能を促進、維持又は強化する方法であって、該動物における最適な脳機能の促進、維持又は強化に有効な量のウルフベリーを該動物に投与するステップを含む方法。
【請求項47】
約0.1〜約3000mg/kg/日のウルフベリーが投与される、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
動物において記憶喪失を緩和する方法であって、該動物における記憶喪失の緩和に有効な量のウルフベリーを該動物に投与するステップを含む方法。
【請求項49】
約0.1〜約3000mg/kg/日のウルフベリーが投与される、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
動物の訓練可能性を増進させる方法であって、該動物の訓練可能性の増進に有効な量のウルフベリーを該動物に投与するステップを含む方法。
【請求項51】
約0.1〜約3000mg/kg/日のウルフベリーが投与される、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
動物の生活の質を改善する方法であって、該動物の生活の質の改善に有効な量のウルフベリーを該動物に投与するステップを含む方法。
【請求項53】
約0.1〜約3000mg/kg/日のウルフベリーが投与される、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
動物の健康及びウェルネスを増進させる方法であって、該動物の健康及びウェルネスの増進に有効な量のウルフベリーを該動物に投与するステップを含む方法。
【請求項55】
約0.1〜約3000mg/kg/日のウルフベリーが投与される、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
動物における、虚血及び虚血様状態に起因する損傷の予防、緩和又は治療、脳卒中及び脳卒中に起因する損傷の予防、緩和又は治療、脳機能の変化の予防、緩和又は治療、認知機能障害症候群の予防、緩和又は治療、軽度認知機能障害の予防、緩和又は治療、認知症の予防、緩和又は治療、社会的相互作用の減退の予防、緩和又は治療、加齢による行動変化の予防、緩和又は治療、認知機能の促進、維持及び強化、学習及び記憶の促進、維持及び強化、最適な脳機能の促進、維持及び強化、記憶喪失の抑制、訓練可能性の増進、生活の質の改善、並びに健康及びウェルネスの増進、の少なくとも1つに有効な量のウルフベリーを含む組成物。
【請求項57】
約0.1〜約3000mg/kg/日のウルフベリーを動物に投与するのに十分な量のウルフベリーを含む、請求項56に記載の組成物。
【請求項58】
前記組成物が食物組成物である、請求項56に記載の組成物。
【請求項59】
前記組成物が栄養補助食品である、請求項56に記載の組成物。
【請求項60】
ウルフベリーと、医薬又は栄養補助組成物への使用が許容される少なくとも1種の担体、希釈剤又は賦形剤と、を含む、医薬又は栄養補助組成物。
【請求項61】
(1)動物における、虚血及び虚血様状態に起因する損傷の予防、緩和又は治療、脳卒中及び脳卒中に起因する損傷の予防、緩和又は治療、脳機能の変化の予防、緩和又は治療、認知機能障害症候群の予防、緩和又は治療、軽度認知機能障害の予防、緩和又は治療、認知症の予防、緩和又は治療、社会的相互作用の減退の予防、緩和又は治療、加齢による行動変化の予防、緩和又は治療、認知機能の促進、維持及び強化、学習及び記憶の促進、維持及び強化、最適な脳機能の促進、維持及び強化、記憶喪失の抑制、訓練可能性の増進、生活の質の改善、並びに健康及びウェルネスの増進、の少なくとも1つのためにウルフベリーを使用すること、(2)ウルフベリーと他の成分とを混合して、動物による摂取に適したウルフベリー組成物を製造すること、(3)動物の利益のために本発明のキットを使用すること、及び(4)動物にウルフベリーを投与すること、の少なくとも1つに関する情報又は指示を伝達する手段であって、
該情報又は指示を含む物理的若しくは電子的文書、デジタルストレージメディア、光学ストレージメディア、オーディオプレゼンテーション、オーディオビジュアルディスプレイ又はビジュアルディスプレイの少なくとも1つを含む手段。
【請求項62】
表示されたウェブサイト、ビジュアルディスプレイキオスク、パンフレット、製品ラベル、添付文書、広告、チラシ、広報、オーディオテープ、ビデオテープ、DVD、CD−ROM、コンピュータ可読チップ、コンピュータ可読カード、コンピュータ可読ディスク、USBデバイス、ファイアワイヤーデバイス、コンピュータメモリ及びそれらの任意の組合せからなる群から選択される、請求項61に記載の手段。
【請求項63】
ウルフベリーと、動物による摂取に適した少なくとも1種の他の成分と、を含む食物組成物を製造する方法であって、動物による摂取に適した少なくとも1種の成分をウルフベリーと混合するステップを含む方法。
【請求項64】
パッケージであって、
該パッケージは、ウルフベリーと、該パッケージに貼られたラベルと、を含み、
該ラベルは、動物における、虚血及び虚血様状態に起因する損傷の予防、緩和又は治療、脳卒中及び脳卒中に起因する損傷の予防、緩和又は治療、脳機能の変化の予防、緩和又は治療、認知機能障害症候群の予防、緩和又は治療、軽度認知機能障害の予防、緩和又は治療、認知症の予防、緩和又は治療、社会的相互作用の減退の予防、緩和又は治療、加齢による行動変化の予防、緩和又は治療、認知機能の促進、維持及び強化、学習及び記憶の促進、維持及び強化、最適な脳機能の促進、維持及び強化、記憶喪失の抑制、訓練可能性の増進、生活の質の改善、並びに健康及びウェルネスの増進、の少なくとも1つに適した成分又は組成物が該パッケージ内に含まれることを示す言葉、写真、デザイン、頭字語、スローガン、フレーズ又は他の手段又はそれらの組合せを備えるパッケージ。
【請求項65】
動物における、虚血及び虚血様状態に起因する損傷の予防、緩和又は治療、脳卒中及び脳卒中に起因する損傷の予防、緩和又は治療、脳機能の変化の予防、緩和又は治療、認知機能障害症候群の予防、緩和又は治療、軽度認知機能障害の予防、緩和又は治療、認知症の予防、緩和又は治療、社会的相互作用の減退の予防、緩和又は治療、加齢による行動変化の予防、緩和又は治療、認知機能の促進、維持及び強化、学習及び記憶の促進、維持及び強化、最適な脳機能の促進、維持及び強化、記憶喪失の抑制、訓練可能性の増進、生活の質の改善、並びに健康及びウェルネスの増進、の少なくとも1つのための薬剤を調製するための、ウルフベリーの使用。
【請求項66】
動物の一生における盛期を延長する方法であって、該動物の盛期の延長に有効な量のウルフベリー含有組成物を該動物に投与するステップを含む方法。

【公表番号】特表2011−529881(P2011−529881A)
【公表日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−521125(P2011−521125)
【出願日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際出願番号】PCT/US2009/004414
【国際公開番号】WO2010/014245
【国際公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【出願人】(599132904)ネステク ソシエテ アノニム (637)
【Fターム(参考)】