説明

虹彩認証装置及び装着具

【課題】目の画像を撮影する際に、装置に入射する外光の影響による誤認識を低減し、認識を高精度に行えるようにする。
【解決手段】虹彩認証装置30において、目とカメラ32と照明用光源33の間に外光を遮る筒状部材40を取り付けることで、カメラ32に入り込む外光を遮る構造にしている。更に、撮影時は、使用者が虹彩認証を行おうとしているかを検知するために、撮影部51のカメラ32で撮影した画像を画像キャプチャ部53にてキャプチャしておき、明度監視部54により当該画像の明るさを一定時間監視する。使用者が、筒状部材40に目の付近を接触させることにより目画像の明るさの変化が検出されると、そのタイミングで光源33を発光させ、自動的に撮影部51のカメラ32のシャッタを切り撮影を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人の目の虹彩を利用して個人を認識するための虹彩認証装置、及びそれに用いられる装着具であって、目の画像(即ち、目画像)を撮影する際に、装置に入射する外光の影響による誤認識を低減し、認識を高精度に行えるようにした認証制御に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、人の目の虹彩部分の画像を用いた携帯型虹彩認証装置が下記の特許文献1〜3等に開示されている。
【0003】
【特許文献1】特開2005−292542号公報
【特許文献2】特開2005−327161号公報
【特許文献3】特開2008−15884号公報
【0004】
これらの特許文献1〜3等に記載されているように、従来の虹彩認証装置は、使用者の目画像をカメラで取得し、取得した目画像の中から虹彩部分を切り出して虹彩データを抽出し、予め登録された使用者の虹彩データと照合して一致した場合に、該使用者を本人であると認証する。
【0005】
図12(a)、(b)は、特許文献1〜3等に記載された従来の携帯型虹彩認証装置を示す概略の構成図であり、同図(a)は携帯型虹彩認証装置の外観図、及び、同図(b)は同図(a)中の虹彩認証装置本体の構成図である。
【0006】
携帯型虹彩認証装置10は、携帯端末装置である携帯電話機に搭載された装置であり、筐体部11を有し、この筐体部11の内部に、虹彩認証装置本体20が設けられている。筐体部11の外部の正面側には、撮影部21のカメラ21aと、照明部22の照明用光源22aと、表示部12等とが設けられている。照明用光源22aは、カメラ21aにより目を撮影し、この目の画像を取得する際、発光させて光を目に照射するものであり、その発光に同期してカメラ21aのレンズ、シャッタ等を動作させ目を撮影するようになっている。
【0007】
筐体部11内の虹彩認証装置本体20は、カメラ21aを有する撮影部21、照明用光源22aを有する照明部22、撮影部21で取得された目画像をキャプチャ(捕獲)する画像キャプチャ部23、虹彩認識部24、及び虹彩認識辞書25等により構成されている。
【0008】
この携帯型虹彩認証装置10において、認証処理は以下のように行われる。
撮影部21により、カメラ21aのレンズ、シャッタ等を動作させて、カメラ21aの前方に位置する被写体である使用者の目を撮影する。照明部22は、撮影部21により目を撮影するタイミングに同期して、照明用光源22aを発光させて使用者の顔を照射する。撮影部21での撮影動作中の目画像は、画像キャプチャ部23でキャプチャされて記憶され、この記憶された画像データが虹彩認識部24へ送られる。虹彩認識部24では、画像キャプチャ部23でキャプチャされて記憶された目画像から虹彩データを抽出し、虹彩認識辞書25に予め格納され登録されている虹彩データと照合することで、使用者が本人かどうかを認識する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、従来の虹彩認証装置では、次のような課題があった。
使用者が携帯型虹彩認証装置10を使用する周囲の環境によっては、例えば、室内の蛍光灯の下や晴れた日の日光の強い屋外等といった外光の強い場所になることがある。このような状況では、使用者の立ち居地により、外光がカメラ21aに入射することがある。
【0010】
従来の携帯型虹彩認証装置10では、照明部22の照明用光源22aの光と比べ、光量の多い外光がカメラ21aを通して撮影部21に入射した場合、光源22aの光の光量がこれに負けてしまい、取得した目画像のほぼ全域に光の映り込みが生じ、撮影された目画像、特に認識に必要な虹彩部分の微細な文様が、外光の写り込みに沈んでしまい、虹彩データが認識に耐えうる程度の明瞭さで取得できないことがある。その結果、外光の写り込みがある状態で取得された目画像はそのまま認識の処理へ送られて処理され、虹彩データが抽出できないと判定され認識不能となるか、あるいは虹彩データが抽出できても欠損を含むデータとなってしまい照合処理の結果、誤認識となってしまっていた。このような問題は、据え置き型の虹彩認証装置についても生じる虞がある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の虹彩認証装置は、筐体部と、所定距離離れた第1の開口部及び第2の開口部を有し、前記第1の開口部が前記筐体部に装着される筒状部材と、前記筐体部において前記第1の開口部内に設けられ、撮影時において前記筒状部材の第2の開口部に接触する個人の顔の目の付近に、前記筒状部材を通して光を照射する照明手段と、前記筐体部において前記第1の開口部内に設けられ、前記光で照射された目を前記筒状部材を通して撮影して目画像を取得する撮影手段と、前記筐体部に設けられ、前記撮影時において前記第1の開口部から取得された画像内の明るさを検出し、前記明るさが所定の明度より暗くなった時に、前記照明手段及び前記撮影手段を動作させて前記撮影手段により前記撮影を行わせる制御手段と、前記筐体部に設けられ、前記取得された目画像から虹彩データを抽出してこの抽出された虹彩データと予め登録された虹彩データとを照合して前記個人を認識する認識手段とを有している。
【0012】
本発明の他の虹彩認証装置は、筐体部と、所定距離離れた第1の開口部及び第2の開口部を有し、撮影時には前記第2の開口部が前記筐体部から突出し、非撮影時には前記第2の開口部が後退して前記第1及び第2の開口部が前記筐体部内に収納されるように、突出後退自在に前記筐体部に装着される筒状部材と、前記筐体部において前記第1の開口部内に設けられ、撮影時において前記筒状部材の第2の開口部に接触する個人の顔の目の付近に、前記筒状部材を通して光を照射する照明手段と、前記筐体部において前記第1の開口部内に設けられ、前記光で照射された目を前記筒状部材を通して撮影して目画像を取得する撮影手段と、前記筐体部に設けられ、前記撮影時において前記第1の開口部から取得された画像内の明るさを検出し、前記明るさが所定の明度より暗くなった時に、前記照明手段及び前記撮影手段を動作させて前記撮影手段により前記撮影を行わせる制御手段と、前記筐体部に設けられ、前記取得された目画像から虹彩データを抽出してこの抽出された虹彩データと予め登録された虹彩データとを照合して前記個人を認識する認識手段とを有している。
【0013】
本発明の装着具は、個人の目に光を照射する照明手段と、前記光が照射された目を撮影して目画像を取得する撮影手段と、前記取得された目画像から虹彩データを抽出してこの抽出された虹彩データと予め登録された虹彩データとを照合して前記個人を認識する認識手段とが、筐体部に設けられた虹彩認証装置に装着する装着具であって、前記照明手段及び前記撮影手段を内包して前記照明手段及び前記撮影手段の周囲を覆うことが可能な内径と、筒状の形状とを有し、前記撮影時において前記筐体部に装着され、前記撮影手段へ入射する外光を遮断する構成になっている。
【発明の効果】
【0014】
本発明の虹彩認証装置及び装着具によれば、目と撮影手段と照明手段の間に外光を遮る装着具である筒状部材を取り付けることで、撮影手段に入り込む外光を遮る構造にしている。更に、撮影時は、筒状部材に使用者が目の付近を接触させることにより目画像の明るさの変化が、制御手段により検出されると、そのタイミングで照明手段を発光させ、自動的に撮影手段により撮影を行う構成にしている。これにより、目の画像が、虹彩データが認識に適した状態で明瞭に撮影されるので、虹彩データの抽出が高精度に行われ、照合処理が高精度に行われる。
【0015】
本発明の他の虹彩認証装置によれば、突出後退自在の筒状部材を筐体部に内蔵し、撮影時に筒状部材が筐体部から突出し、撮影手段に入り込む外光が遮られる構成になっているので、筒状部材を別に持ち歩き、撮影時に取り付けるといった煩雑な作業が不要になり、使い勝手のよい虹彩認証装置が実現できる。
【0016】
本発明の他の虹彩認証装置において、例えば、顔検出駆動手段を設けた場合には、撮影された画像に顔が含まれていると顔検出駆動手段で認識すると、筒状部材が自動的に突出するので、使用者が、筒状部材の突出をボタン操作等で行う必要がなくなり、操作の利便性が向上する。
【0017】
本発明の他の虹彩認証装置において、例えば、顔認識駆動手段を設けた場合には、撮影された顔画像が、顔認識駆動手段により、予め使用者として登録してある顔であると認識すると、筒状部材が自動的に突出するので、使用者が、予め顔を登録された人物であり許可された者である場合に限り、筒状部材が突出して目画像を常に安定して撮影できる。これにより、許可されていない者に容易に精度の高い撮影をさせない高度のセキュリティを保持した装置を実現することが可能となる。
【0018】
本発明の他の虹彩認証装置において、例えば、筒状部材と撮影手段と筐体部が一体化して(又は、撮影手段と照明手段とは筒状部材と一体化せずに)、使用者の動きに追従して動くように構成した場合には、筒状部材の向きを柔軟に変更でき、使用者にとって目を合わせ易くなり、使用者の持ち方の影響を受けず、目画像を常に安定して撮影することが可能となる。
【0019】
本発明の他の虹彩認証装置において、例えば、筒状部材、撮影手段、及び照明手段のそれぞれが使用者の動きに追従して動くように構成した場合には、筒状部材及び撮影手段と照明手段の向きを柔軟に変更でき、使用者にとって目を合わせ易くなり、使用者の持ち方の影響を受けず、目画像を常に安定して撮影することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明を実施するための最良の形態は、以下の好ましい実施例の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、明らかになるであろう。但し、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の範囲を限定するものではない。
【実施例1】
【0021】
(実施例1の構成)
図1(a)、(b)は、本発明の実施例1を示す携帯型虹彩認証装置の概略の構成図であり、同図(a)は携帯型虹彩認証装置の外観図、及び、同図(b)は同図(a)中の虹彩認証装置本体の構成図である。
【0022】
図1(a)に示す携帯型虹彩認証装置30は、携帯端末装置(例えば、携帯電話機)に搭載され、人の虹彩を認証する装置であり、筐体部31を有している。筐体部31の内部には、図1(b)に示すような虹彩認証装置本体50が設けられている。筐体部31の例えば正面側には、カメラ32と、このカメラ32の近傍に配置された照明用光源33と、液晶等の表示部34と、図示しない撮影開始キー等を有する入力部35等とが設けられている。筐体部31におけるカメラ32及び光源33の周囲には、このカメラ32及び光源33を包囲して、カメラ32の光軸の方向と一致するように、カメラ32に入り込む外光を遮るための装着具である筒状部材40が装着されている。
【0023】
筒状部材40は、所定の長さだけ離れた第1の開口部51及び第2の開口部52を有し、この第1の開口部51がカメラ32及び光源33の周囲に、螺子(ねじ)等により着脱自在に装着され、第2の開口部52に顔の目の付近を接触するものであって、目とカメラ32とその目を照射する光源33の間においてそのカメラ32に入り込む外光を遮る構造になっている。
【0024】
筐体部31内に設けられた虹彩認証装置本体50は、入力部35に接続された撮影手段(例えば、撮影部)51を有し、この撮影部51に、照明手段(例えば、照明部)52とキャプチャ手段(例えば、画像キャプチャ部)53とが接続されている。撮影部51は、レンズ、シャッタ、電荷結合素子(以下「CCD」という。)等のイメージセンサ、絞り機構等を有するカメラ32を備え、このカメラ32を動作させ、カメラ32の前方に位置する被写体である目を撮影してイメージセンサの撮像面にて目画像を取得する機能を有している。照明部52は、照明用光源33を有し、撮影部51により目を撮影するタイミングに同期して、光源33を発光させて光を目に照射する機能を有している。画像キャプチャ部53は、メモリ等の記憶手段を有し、撮影部51で取得された目画像をキャプチャして一定期間記憶手段に記憶するものである。
【0025】
画像キャプチャ部53には、明度監視部54を介して撮影制御部55が接続されると共に、認識手段(例えば、虹彩認識部)56が接続され、この虹彩認識部56に登録手段(例えば、虹彩認識辞書)57が接続されている。明度監視部54及び撮影制御部55は、画像キャプチャ部53によりキャプチャされて記憶された画像内の明るさを検出し、この明るさが所定の明度より暗くなった時に、撮影部51及び照明部52を動作させてカメラ42により目の撮影を行わせる制御手段としての機能を有している。その内、明度監視部54は、所定の時間間隔で一定時間、画像キャプチャ部53によりキャプチャされて記憶された目画像の明るさの変化を監視し、例えば、使用者が筒状部材40の第2の開口部42に目の付近を接触させることにより生じる目画像の明るさの変化を検出すると、この検出結果を撮影制御部55へ与えるものである。撮影制御部55は、明度監視部54において目画像の明るさの変化が検出されると、このタイミングで照明部52の光源33を発光させ、自動的に撮影部51のカメラ32のシャッタを切って撮影を行わせる機能を有している。
【0026】
画像キャプチャ部53に接続された虹彩認識部56は、画像キャプチャ部53にキャプチャされて記憶された目画像から虹彩データを抽出し、この抽出された虹彩データと虹彩認識辞書57に予め登録された虹彩データとを照合して、使用者が本人かどうかを認識する機能を有している。
【0027】
このような虹彩認証機能に必要な各構成は、虹彩認証装置本体50に組み込むソフトウェア、あるいは個別回路で構成されている。なお、筒状部材40は、予め筐体部31に固定した構造にしてもよい。
【0028】
(実施例1の動作)
図2は、図1の筐体部31に取り付けられた筒状部材40の断面、筒状部材40と使用者の目及び装置各部との関係を示す概略の図である。
【0029】
筐体部41に取り付けられたカメラ32及び光源33の周囲には、このカメラ32及び光源33を内包するように筒状部材40の第1の開口部41が装着されている。第1の開口部41から所定の長さLだけ離れた第2の開口部42に、目60の付近が接触すると、明度監視部54がそれを検知して撮影制御部55に光源33の点灯を指示して、この目60が光源33からの光により照射される。目60には、黒目である虹彩61の中心に瞳孔62がある。
【0030】
図3(a)〜(c)は、図2における目60の付近の接触の前後のキャプチャ画像の変化を示す模式図である。
【0031】
これらの図1〜図3を参照しつつ、以下、本実施例1の携帯型虹彩認証装置30の動作を説明する。
【0032】
図1において、使用者は、携帯型虹彩認証装置30とこの装着具である筒状部材40とを使用しないときは、分離して所持する。使用者は、目60の虹彩61の認証を行う場合、筒状部材40における筒部の中心が筐体部31側のカメラ32の光軸と同一の方向になるように、この筒状部材40の第1の開口部41を筐体部31に螺着等により取り付ける。そして、筒状部材40が装着された筐体部31を手で把持し、虹彩61の認証処理を開始するために、入力部35の図示しない撮影開始キーを押下すると共に、図2に示すように、筒状部材40の開口部42を自身の目60の付近に押し当て接触させる。
【0033】
撮影開始キーが押下されると、撮影部51及び照明部52が動作し、照明部52の光源33が発光して目60の付近が照射されると共に、カメラ32で目60の付近が撮影される。カメラ33で撮影される一連の画像の変化は、画像キャプチャ部53にてキャプチャされ、このキャプチャ画像が記憶される。明度監視部54は、画像キャプチャ部53に記憶された目画像の明るさの変化を監視している。
【0034】
図3(a)〜(c)には、筒状部材40に使用者が目60の付近を当てる前後のキャプチャ画像の変化が示されている。図3(a)の状態は、未だ目60が開口部52に位置付けられていない状態である。筒状部材40が取り付けられていることにより、カメラ32の周囲の視野角が遮られるので、画像の周辺部は暗くなっている。開口部42からの外光の入射光だけであるから、画像の中央付近に開口部42の大きさ及び形に併せ円形の明るい部分が撮影される。図3(b)には、使用者が開口部42に目60の付近を接触させた状態の画像が示されている。開口部42が塞がれることにより、外光の入射が遮られ、中央付近の目画像の領域も暗く撮影される。
【0035】
図3(a)から図3(b)の動作において、明度監視部54は、画像キャプチャ部53に記録された目画像が、明るい状態から暗い状態に変化したことを検出する。明るさの変化の判定に当たっては、キャプチャ画像の全領域を用いて判定してもよいし、あるいは、予め目60が存在すると考えられる中央付近の画像領域のみに限定して、その領域の範囲内で明るさの変化を判定してもよい。明度監視部54は、暗い状態が一定時間継続していることを検出すると、使用者が目60の付近を開口部42に接触させており、目60の撮影の準備がされていると判定し、撮影制御部55に指示して照明部52の光源33を発光させると共に、撮影制御部55のカメラ32のシャッタを切る。
【0036】
図3(c)では、光源33が発光し目60に光が照射されることで、中央付近の目60の部分が明るくなった画像が示されている。光源33の光が照射される動作に併せて、カメラ32が図3(c)の状態の目画像を撮影する。図3(c)の目画像は、画像キャプチャ部53にキャプチャされ、このキャプチャされた目画像が虹彩認識部56へ送られる。虹彩認識部56は、送られてきた目画像から虹彩データを算出(抽出)して、この虹彩データと、虹彩認識辞書57に予め登録されている虹彩データとの照合を行い、虹彩データの一致する率がある閾値以上の場合、使用者を本人と認識する。
【0037】
(実施例1の効果)
本実施例1によれば、携帯型虹彩認証装置30において目60とカメラ32と光源33の間に外光を遮る筒状部材40を取り付けることで、カメラ32に入り込む外光を遮る構造にしている。更に、撮影時は、使用者が虹彩認証を行おうとしているか否かを検知するために、撮影部51の画像を画像キャプチャ部53にキャプチャしておき、明度監視部54にて当該画像の明るさを一定時間監視し、使用者が、筒状部材40に目60の付近を接触させることにより目画像の明るさの変化が検出されると、そのタイミングで光源33を発光させ、自動的にカメラ32のシャッタを切り撮影を行う構成にしている。これにより、目60の画像が、虹彩データが認識に適した状態で明瞭に撮影されるので、虹彩データの抽出が高精度に行われ、照合処理が高精度に行われる。
【実施例2】
【0038】
(実施例2の構成)
図4は、本発明の実施例2を示す携帯型虹彩認証装置における虹彩認証装置本体の概略の構成図である。更に、図5は、図4の筒状部材と目及び装置各部との関係を示す図である。これらの図4及び図5では、実施例1を示す図1〜図3中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
【0039】
本実施例2では、実施例1の筒状部材40に代えて、図5の破線で示すように、突出後退自在の筒状部材40Aを筐体部31に内蔵し、撮影時に入力部35の図示しない撮影開始キーを押すか、又は携帯型認証装置30の開閉等により、図5の実線で示すように、筒状部材40Aが筐体部31の前面から突出する構造になっており、筒状部材40Aが突出すると、撮影部51のカメラ32に入り込む外光が遮られる構成になっている。
【0040】
筐体部31内に設けられる虹彩認証装置本体50Aは、実施例1の虹彩認証装置本体50において、撮影時に入力部35の図示しない撮影開始キーを押すか、又は携帯型認証装置30の開閉等の変化を検出するセンサからなる検出部58と、この検出部58に接続された筒部駆動部59とが追加されている。筒部駆動部59は、検出部58からの検出信号に基づき、撮影制御部55及び筒状部材40Aを制御して、筒状部材40Aを自動で筐体部31から突出後退させるためのモータ等からなる駆動源等により構成されている。その他の構成は、実施例1と同様である。
【0041】
(実施例2の動作)
先ず、使用者は筐体部31を把持し、入力部35の図示しない撮影開始キーを押すか、又は携帯型認証装置30の開閉等を行うと、この変化が検出部58で検出され、この検出信号により筒部駆動部59が動作する。すると、筒状部材40Aが図5の実線で示されるように、筐体部31の前面から突出する。筒部駆動部59が筒状部材40Aの駆動を開始するのと同時に、この筒部駆動部59から撮影制御部55へ制御信号が送られ、撮影部51のカメラ32が起動し、このカメラ32で撮影された画像が画像キャプチャ部53でキャプチャされ、キャプチャ画像の記憶が開始される。
【0042】
使用者は、把持した筐体部31から突出している筒状部材40Aの開口部42に、目60の付近を接触させる。これ以降の動作は、実施例1と同様であり、画像キャプチャ部53に記憶された目60の画像が所定の暗さになったことを、明度監視部54が検出すると、照明部52の光源33を発光させて使用者の目60に光を照射する。これに対応して撮影部51のカメラ32において自動的にシャッタが切られて目60が撮影され、続いて虹彩認識部56で認識処理が行われる。撮影及び認識処理が完了すると、撮影制御部55及び筒部駆動部59を介して筒状部材40Aが後退して筐体部31内に収納される。
【0043】
(実施例2の効果)
本実施例2によれば、突出後退自在の筒状部材40Aを筐体部31に内蔵し、撮影時に筒状部材40Aが筐体部31の前面から突出し、カメラ32に入り込む外光が遮られる構成になっているので、筒状部材40Aを別に持ち歩き、撮影時に取り付けるといった煩雑な作業が不要になり、使い勝手のよい携帯型虹彩認証装置30が実現できる。
【実施例3】
【0044】
(実施例3の構成)
図6は、本発明の実施例3を示す携帯型虹彩認証装置における虹彩認証装置本体の概略の構成図であり、実施例2を示す図4中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
【0045】
本実施例3の虹彩認証装置本体50Bでは、実施例2の検出部58に代えて、画像キャプチャ部53に接続された顔検出部70が設けられ、この顔検出部70に筒部駆動部59が接続されている。顔検出部70及び筒部駆動部59は、画像キャプチャ部53でキャプチャされたキャプチャ画像内に顔が含まれているか否かを検出し、顔が含まれている場合には自動的に筒状部材40Aを筐体部31から突出させる顔検出駆動手段としての機能を有している。その他の構成は、実施例2と同様である。
【0046】
(実施例3の動作)
使用者は、筒状部材40Aが未だ筐体部31内にあって突出していない状態で、筐体部31を把持し、カメラ32の近くに顔を近づける。撮影部51のカメラ32が顔を撮影し、撮影された顔画像が画像キャプチャ部53でキャプチャされて顔検出部70へ送られる。顔検出部70は、送られてきた顔画像に顔が入っていると判断した場合には、筒部駆動部59を駆動して筒状部材40Aを筐体部31から突出させる。なお、顔検出部70における顔検出の具体的な方法としては、例えば、特開平7−311833号公報に開示されている顔検出装置等の公知技術を用いればよい。
【0047】
使用者は、筐体部31から筒状部材40Aが突出したことを確認すると、開口部42に目60の付近を接触させる。これ以降の動作は、実施例2と同様であり、キャプチャ部53でキャプチャされた目60の画像が所定の暗さになったことを、明度監視部54により検出すると、照明部52の光源33を発光させ使用者の目60に光を照射する。これに対応して、撮影部51のカメラ32において自動的にシャッタが切られて目60が撮影され、続いて認識処理が行われる。撮影及び認識処理が完了すると、撮影制御部55及び筒部駆動部59を介して筒状部材40Aが筐体部31内に収納される。
【0048】
(実施例3の効果)
本実施例3によれば、画像キャプチャ部53でキャプチャされた画像に顔が含まれていると顔検出部70で検出すると、筒状部材40Aが自動的に突出するように構成したので、使用者が、筒状部材40Aの突出をボタン操作等で行う必要がなくなり、操作の利便性が向上する。
【実施例4】
【0049】
(実施例4の構成)
図7は、本発明の実施例4を示す携帯型虹彩認証装置における虹彩認証装置本体の概略の構成図であり、実施例3を示す図6中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
【0050】
本実施例4の虹彩認証装置本体50Cでは、実施例3の顔検出部70に代えて、画像キャプチャ部53に接続された顔認識部71が設けられ、この顔認識部71に、筒部駆動部59と新たに設けられた顔認識辞書72とが接続されている。顔認識部71、顔認識辞書72及び筒部駆動部59は、画像キャプチャ部53でキャプチャされたキャプチャ画像内に、顔認識辞書72に予め使用者として登録されている顔が含まれているか否かを顔認識部71で認識し、使用者の顔が含まれていると認識した場合には筒部駆動部59によって自動的に筒状部材40Aを筐体部31から突出させる顔認識駆動手段としての機能を有している。その他の構成は、実施例3と同様である。
【0051】
(実施例4の動作)
使用者は、筒状部材40Aが未だ筐体部31内にあって突出していない状態で、筐体部31を把持し、カメラ32の近くに顔を近づける。撮影部51のカメラ32が顔を撮影し、この顔画像が画像キャプチャ部53でキャプチャされて顔認識部71へ送られる。顔認識部71は、送られてきた画像に顔が入っていると検知した場合は、その顔が顔認識辞書72に登録されている使用者の顔であるかを認識する。そして、顔認識部71で使用者の顔と判断された場合には、筒部駆動部59が駆動して筒状部材40Aが筐体部31から突出する。使用者は、筐体部31から筒状部材40Aが突出したことを確認すると、開口部42に目60の付近を接触させる。
【0052】
これ以降の動作は、実施例3と同様であり、キャプチャ部53でキャプチャされた目60の画像が所定の暗さになったことを、明度監視部54により検出すると、照明部52の光源33を発光させて使用者の目60に光を照射する。これに対応して、撮影部51のカメラ32において自動的にシャッタが切られて目60が撮影され、続いて認識処理が行われる。撮影及び認識処理が完了すると、撮影制御部55及び筒部駆動部59を介して筒状部材40Aが筐体部31内に収納される。
【0053】
(実施例4の効果)
本実施例4によれば、キャプチャ部53でキャプチャされた顔画像が、予め使用者として登録してある顔であると認識すると、筒状部材40Aが自動的に突出するように構成したので、使用者が、予め顔を登録された人物であり許可された者である場合に限り、筒状部材40Aが突出して目画像を常に安定して撮影できる。これにより、許可されていない者に容易に精度の高い撮影をさせない高度のセキュリティを保持した装置を実現することが可能となる。
【実施例5】
【0054】
(実施例5の構成)
図8は、本発明の実施例5を示す携帯型虹彩認証装置における虹彩認証装置本体の概略の構成図である。更に、図9は、図8の筒状部材と目及び装置各部との関係を示す図である。これらの図8及び図9では、実施例1及び実施例2を示す図1〜図5中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
【0055】
本実施例5の虹彩認証装置本体50Dを有する携帯型虹彩認証装置30では、実施例2の筒状部材40A(又は、実施例1の筒状部材40)に代えて、これとは構成の異なる開口部41,42を有する筒状部材40Dが設けられている。本実施例5の筒状部材40Dとカメラ32と筐体部31とは、一体となって使用者の動きに追従して動く構成になっている。即ち、筒状部材40D及びカメラ32と光源33は、筐体部31に対して一定の範囲の角度で向き(例えば、図9に示す方向A,B等)を変えられるようになっている。その他の構成は、実施例2(又は実施例1)と同様である。
【0056】
(実施例5の動作)
図9に示すように、突出した筒状部材40Dとカメラ32と光源33は一体化しており、筐体部31に対して、所定の角度内で向きを変えられるように取り付けられている。使用者は、筐体部31を把持し、筒状部材40Dの開口部42に目60の付近を接触させる。
【0057】
使用者は、開口部42に目60の付近を接触させた後も、手ぶれや、体の向きを変えたりすることがあり、これにより目60の位置が移動する。このような目60の位置の変化に合わせ、目60の付近と開口部42は接触させたまま、筒状部材40Dが、図9の筐体部31から垂直方向(方向A)にあるものを、やや上の方向Bへ、向きを変える。このような動作により、使用者は、開口部42に目60の付近を接触させた後に、手ぶれや、体の向きを変えたりしても、それに追従して目60の画像を継続して撮影することができる。
【0058】
又、カメラ32と光源33は筒状部材40Dと一体化せずに、各々が向きを変えることができる構成でもよい。この場合は、角度の変化を図示しない角度検出部が検出し、この検出信号を撮影制御部55へ送る。すると、撮影制御部55では、角度検出部が検出した角度の変化量に応じて撮影部51のカメラ32の光軸の向きを筒状部材40Dの向いた向きに一致するように調整する。その後の撮影及び認識処理の動作は、実施例2(又は実施例1)と同様である。
【0059】
(実施例5の効果)
本実施例5によれば、筒状部材40Dとカメラ32と筐体部31が一体化して(又は、カメラ32と光源33は筒状部材40Dと一体化せずに)、使用者の動きに追従して動くように構成したので、筒状部材40Dの向きを柔軟に変更でき、使用者にとって目60を合わせ易くなり、使用者の持ち方の影響を受けず、目画像を常に安定して撮影することが可能となる。
【実施例6】
【0060】
(実施例6の構成)
図10は、本発明の実施例6を示す携帯型虹彩認証装置における虹彩認証装置本体の概略の構成図である。更に、図11は、図10の筒状部材と目及び装置各部との関係を示す図である。これらの図10及び図11では、実施例5を示す図8及び図9中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
【0061】
本実施例6の虹彩認証装置本体50Eを有する携帯型虹彩認証装置30では、実施例5の筒状部材40Dに代えて、これとは構成の異なる開口部41,42を有する筒状部材40Eが設けられ、更に、実施例5の撮影制御部55及び筒部駆動部57に代えて、これとは機能の異なる撮影制御部55E、筒部駆動部59E、及び角度制御部73が設けられている。本実施例6の筒状部材40E、カメラ32、及び光源33のそれぞれが、使用者の動きに追従して動く構成になっている。即ち、筒状部材40E及びカメラ32と光源33は、筒状部材40E、カメラ32、及び光源33のそれぞれが使用者の動きに追従して動くように構成されている。その他の構成は、実施例5と同様である。
【0062】
(実施例6の動作)
突出した筒状部材40Eとカメラ32と光源33は一体化しており、筐体部31に対して、所定の角度内で向きを変えられるように取り付けられている。使用者は、筐体部31を把持し、筒状部材40Eの開口部42に目60の付近を接触させる。使用者は、開口部42に目60の付近を接触させた後も、手ぶれや、体の向きを変えたりすることがあり、これにより目60の位置が移動する。このような目60の位置の変化に合わせ、目60の付近と開口部42は接触させたまま、筒状部材40Eが、図11の筐体部31から垂直方向(方向A)にあるものを、やや上の方向Bへ向きを変える。このような動作により、使用者は、開口部42に目60の付近を接触させた後に、手ぶれや、体の向きを変えたりしても、それに追従して目60の画像を継続して撮影することができる。
【0063】
本実施例6では、カメラ32と光源33は筒状部材40Eと一体化せずに各々が向きを変える構成になっている。筒部駆動部59Eの出力信号に基づき、撮影時の角度の変化を角度制御部73が検出し、この検出信号を撮影制御部55Eへ送る。撮影制御部55Eでは、角度制御部73が検出した角度の変化量に応じて、撮影部51のカメラ32の光軸の向きや焦点の調整、光源33の光量の調整を、筒状部材40Eの向いた向きに対する被写体に適切に調整する。その後の撮影及び認識処理の動作は、実施例5と同様である。
【0064】
(実施例6の効果)
本実施例6によれば、筒状部材40E、カメラ32、及び光源33のそれぞれが使用者の動きに追従して動くように構成したので、筒状部材40E及びカメラ32と光源33の向きを柔軟に変更でき、実施例5と同様に、使用者にとって目60を合わせ易くなり、使用者の持ち方の影響を受けず、目画像を常に安定して撮影することが可能となる。
【0065】
(変形例)
本発明は、上記実施例1〜6に限定されず、種々の利用形態や変形が可能である。この利用形態や変形例としては、例えば、次の(a)〜(d)のようなものがある。
(a) 実施例1〜6を適宜組み合わせて実施することが可能である。例えば、実施例1の取り外し可能な筒状部材40の構成と、実施例4の顔認識の機能を組み合わせて、筒状部材40を取り付けたことを装置が検出すると、顔認識を行い、認識が認められた場合に目60を撮影するといったような構成等が考えられる。
(b) 虹彩認証装置本体50〜50Eを、携帯電話機以外の他のPDA(Personal Digital Assistant)等の携帯端末装置に搭載してもよい。又、虹彩認証装置本体50〜50Eは、精度の向上や用途の拡大等を図るために、図示以外の他の機能ブロックを追加する等してもよい。
(c) 上記実施例では、携帯型虹彩認証装置30について説明したが、本発明は、携帯端末型装置に限らず、据え置き型装置にも適用できる。
(d) 本発明は、人の目の虹彩以外の顔等の他の生体部位の生体認証装置や、人以外の動物等の他の個体や生体部位に対する生体認証装置にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の実施例1を示す携帯型虹彩認証装置の概略の構成図である。
【図2】図1の筐体部に取り付けられた筒状部材の断面、筒状部材と使用者の目及び装置各部との関係を示す概略の図である。
【図3】図2における目の付近の接触の前後のキャプチャ画像の変化を示す模式図である。
【図4】本発明の実施例2を示す携帯型虹彩認証装置における虹彩認証装置本体の概略の構成図である。
【図5】図4の筒状部材と目及び装置各部との関係を示す図である。
【図6】本発明の実施例3を示す携帯型虹彩認証装置における虹彩認証装置本体の概略の構成図である。
【図7】本発明の実施例4を示す携帯型虹彩認証装置における虹彩認証装置本体の概略の構成図である。
【図8】本発明の実施例5を示す携帯型虹彩認証装置における虹彩認証装置本体の概略の構成図である。
【図9】図8の筒状部材と目及び装置各部との関係を示す図である。
【図10】本発明の実施例6を示す携帯型虹彩認証装置における虹彩認証装置本体の概略の構成図である。
【図11】図10の筒状部材と目及び装置各部との関係を示す図である。
【図12】従来の携帯型虹彩認証装置を示す概略の構成図である。
【符号の説明】
【0067】
30 虹彩認証装置
31 筐体部
32 カメラ
33 光源
40,40A,40D,40E 筒状部材
41,42 開口部
50〜50E 虹彩認証装置本体
51 撮影部
52 照明部
53 画像キャプチャ部
54 明度監視部
55 撮影制御部
56 虹彩認識部
57 虹彩認識辞書
58 検出部
59,59E 筒部駆動部
70 顔検出部
71 顔認識部
73 角度制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体部と、
所定距離離れた第1の開口部及び第2の開口部を有し、前記第1の開口部が前記筐体部に装着される筒状部材と、
前記筐体部において前記第1の開口部内に設けられ、撮影時において前記筒状部材の第2の開口部に接触する個人の顔の目の付近に、前記筒状部材を通して光を照射する照明手段と、
前記筐体部において前記第1の開口部内に設けられ、前記光で照射された目を前記筒状部材を通して撮影して目画像を取得する撮影手段と、
前記筐体部に設けられ、前記撮影時において前記第1の開口部から取得された画像内の明るさを検出し、前記明るさが所定の明度より暗くなった時に、前記照明手段及び前記撮影手段を動作させて前記撮影手段により前記撮影を行わせる制御手段と、
前記筐体部に設けられ、前記取得された目画像から虹彩データを抽出してこの抽出された虹彩データと予め登録された虹彩データとを照合して前記個人を認識する認識手段と、
を有することを特徴とする虹彩認証装置。
【請求項2】
前記制御手段は、所定の時間間隔で前記明るさの変化を監視する監視機能を有することを特徴とする請求項1記載の虹彩認証装置。
【請求項3】
前記制御手段は、画像内の所定の領域に対して前記明るさの変化を監視する監視機能を有することを特徴とする請求項1記載の虹彩認証装置。
【請求項4】
筐体部と、
所定距離離れた第1の開口部及び第2の開口部を有し、撮影時には前記第2の開口部が前記筐体部から突出し、非撮影時には前記第2の開口部が後退して前記第1及び第2の開口部が前記筐体部内に収納されるように、突出後退自在に前記筐体部に装着される筒状部材と、
前記筐体部において前記第1の開口部内に設けられ、撮影時において前記筒状部材の第2の開口部に接触する個人の顔の目の付近に、前記筒状部材を通して光を照射する照明手段と、
前記筐体部において前記第1の開口部内に設けられ、前記光で照射された目を前記筒状部材を通して撮影して目画像を取得する撮影手段と、
前記筐体部に設けられ、前記撮影時において前記第1の開口部から取得された画像内の明るさを検出し、前記明るさが所定の明度より暗くなった時に、前記照明手段及び前記撮影手段を動作させて前記撮影手段により前記撮影を行わせる制御手段と、
前記筐体部に設けられ、前記取得された目画像から虹彩データを抽出してこの抽出された虹彩データと予め登録された虹彩データとを照合して前記個人を認識する認識手段と、
を有することを特徴とする虹彩認証装置。
【請求項5】
請求項4記載の虹彩認証装置は、更に、
前記撮影時において前記第1の開口部から取得された画像内に前記顔が含まれているか否かを検出し、前記顔が含まれている場合には前記筒状部材を前記筐体部から突出させる顔検出駆動手段を、
有することを特徴とする虹彩認証装置。
【請求項6】
請求項4記載の虹彩認証装置は、更に、
前記撮影時において前記第1の開口部から取得された画像内に使用者の前記顔が含まれているか否かを認識し、前記使用者の顔が含まれている場合には前記筒状部材を前記筐体部から突出させる顔認識駆動手段を、
有することを特徴とする虹彩認証装置。
【請求項7】
請求項4記載の虹彩認証装置は、
前記筒状部材及び前記撮影手段を前記個人の動きに追従させる構成にしたことを特徴とする虹彩認証装置。
【請求項8】
前記撮影手段及び前記照明手段は、前記筒状部材と一体化して向きを変えて、前記個人の動きに追従させる構成にしたことを特徴とする請求項7記載の虹彩認証装置。
【請求項9】
前記撮影手段及び前記照明手段は、前記筒状部材の向きに連動して向き、焦点距離、及び光量の全て又は一部を前記個人の動きに追従して調整する構成にしたことを特徴とする請求項7記載の虹彩認証装置。
【請求項10】
個人の目に光を照射する照明手段と、
前記光が照射された目を撮影して目画像を取得する撮影手段と、
前記取得された目画像から虹彩データを抽出してこの抽出された虹彩データと予め登録された虹彩データとを照合して前記個人を認識する認識手段とが、
筐体部に設けられた虹彩認証装置に装着する装着具であって、
前記照明手段及び前記撮影手段を内包して前記照明手段及び前記撮影手段の周囲を覆うことが可能な内径と、筒状の形状とを有し、
前記撮影時において前記筐体部に装着され、前記撮影手段へ入射する外光を遮断することを特徴とする装着具。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2009−211597(P2009−211597A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−55972(P2008−55972)
【出願日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】