蛍光ランプおよび照明装置
【課題】バルブ端部における蛍光体層劣化を抑えることにより、バルブの端部から端部まで輝度むらが少ない蛍光ランプおよび照明装置を提供する。
【解決手段】バルブ10は、側周壁10aと両端の端壁10b,10cとからなる筒形形状である。端壁10b,10cには、バルブ10aの外径よりも径の小さな開口が形成されている。バルブ10の端壁10b,10cを含む壁の内面には蛍光体層が形成されている。バルブ10の両端の開口を封止するステムには、リード31が挿通されている。そして、リード31のバルブ10内側における端部には、電極33が接続されている。
【解決手段】バルブ10は、側周壁10aと両端の端壁10b,10cとからなる筒形形状である。端壁10b,10cには、バルブ10aの外径よりも径の小さな開口が形成されている。バルブ10の端壁10b,10cを含む壁の内面には蛍光体層が形成されている。バルブ10の両端の開口を封止するステムには、リード31が挿通されている。そして、リード31のバルブ10内側における端部には、電極33が接続されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蛍光ランプおよび照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般家庭やオフィス、あるいは作業場等の照明としては、蛍光ランプが広く使われている。これは、蛍光ランプが白熱電球等に比べてランプ効率が高く、また色再現性の高い光を得られるためである。
【0003】
蛍光ランプは、円筒形のガラス管に内壁面に蛍光体層が形成され、管両端がステム封止されている。ステムには、リードが挿通されており、ガラス管内方におけるリードの先端部分には、電極が接合されている。ガラス管外方に延出されたリードは口金ピンに接続され、この口金ピンは、ガラス管の軸方向外側に向く状態に設けられている。
【0004】
ところで、上記のような構造の蛍光ランプをその長さ方向に直列に複数本配置した場合(所謂、ライン照明)には、隣り合う蛍光ランプと蛍光ランプとの間に蛍光ランプの口金および口金ピンの装着を受けるソケットが介挿されることになる。よって、一般的な従来の蛍光ランプを用いる場合には、隣り合う蛍光ランプと蛍光ランプとの間に光を発しない暗部が生じることが避けられない。店舗用の照明として直管形の蛍光ランプを用いる際には、装飾性の向上という観点から、複数本の蛍光ランプをその長さ方向に直列に配置する場合(所謂、ライン照明)にも、それらが恰も一本のランプであるように光ることが求められる。
【0005】
そこで、上記要望に応えるべく、電極に接続される口金ピンをガラス管の軸方向ではなく、ガラス管の側周面上から管軸に交差する方向の外方に向けて設けた、所謂、シームレス形蛍光ランプが開発されている(例えば、特許文献1〜3)。従来技術に係る蛍光ランプの構造について、図6を用い説明する。
【0006】
まず、図6(a)に示すように、特許文献1、2で提案されている蛍光ランプは、ガラスバルブ910がガラス管911と当該ガラス管911の内壁面に形成されてなる蛍光体層912とを有してなる。そして、ガラスバルブ910の端部近傍の側周壁910aには開口910hが設けられ、当該開口910hがステム932で封止されている。ステム932には、その厚み方向にリード931が挿通されており、リード931の内側端部に電極933が架設されている。なお、ステム932と、これを挿通するリード931、さらにはリード931に接合された電極933の構成体をステムマウント930と呼ぶことにする。
【0007】
次に、図6(b)に示すように、特許文献3で提案されている蛍光ランプでは、ガラスバルブ960の端部近傍の側周壁960aに補助管965が接合され、補助管965にステム982が取り付けられている。ステム982には、リード981が挿通され、リード981に電極983が接合されている構成は、ステム体930と同様である。この構成体についても、ステムマウント980と呼ぶことにする。なお、蛍光体層962は、ガラス管961の内壁面に形成されており、補助管965には形成されていない。
【0008】
特許文献1、2、3で提案されている蛍光ランプでは、図6(a)、(b)に示すように、ガラスバルブ910、960の端部910b、960bから管軸方向外側に向けて口金ピンを立設しない構造を採用することによって、複数の蛍光ランプを直列に配置する場合にも、蛍光ランプと蛍光ランプとの間の非発光領域(口金やソケット等の発光しない領域)を少なくすることができる。
【特許文献1】実開昭61−48548号公報
【特許文献2】特許3149077号公報
【特許文献3】特開2004−247276号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、図6(a)、(b)に示す従来技術に係る蛍光ランプでは、ガラスバルブ910、960の端部領域(矢印Cおよび矢印Dで示す領域)での輝度が低いという問題がある。これは、図6(a)、(b)における矢印Cおよび矢印Dで示す領域における蛍光体層912、962が製造過程で劣化していることに起因するものである。これについて、図7を用い具体的に説明する。
【0010】
図7に示すように、上記特許文献1〜3で提案されている蛍光ランプでは、ステム932での封止の際や補助管965を取り付ける際に、ガラス管9110の側周面の一部を、バーナー800により開口することが必要となる。このため、ガラス管9110の内壁面にすでに形成されている蛍光体層9120の一部(矢印Eで示す領域)が、バーナー800の炎の影響を受けて劣化する。特に、バーナー800の炎の影響を最も強く受ける矢印Fで示す領域において、蛍光体層9120の劣化が顕著となる。
【0011】
なお、上記では、所謂、シームレス形の蛍光ランプについて、その問題点を述べたが、端部に口金が取り付けられた従来型の蛍光ランプにおいても、同様に端部まで輝度を向上することが望ましい。
【0012】
本発明は、このような問題の解決を図ろうとなされたものであって、バルブ端部における蛍光体層劣化を抑えることにより、バルブの端部から端部まで輝度むらが少ない蛍光ランプおよび照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、本発明は、次の構成を採用することとする。
【0014】
本発明に係る蛍光ランプは、内面に蛍光体層を有するとともに、両端に端壁を有するガラス製のバルブと、バルブの両端の端壁に溶着され、バルブの外径よりも小径なステムとを備えている。そして、ステムには、その厚み方向にリードが挿通されており、リードのバルブ内に位置する一方の端部には、電極が接続されている。さらに、バルブ内面における蛍光体層は、端壁における上記ステムが溶着された部分の周囲部分に形成されていることを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る照明装置は、上記本発明に係る蛍光ランプと、この蛍光ランプの装着を受け入れる器具とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る蛍光ランプでは、バルブにおける端壁にステム(リードが挿通され、バルブ内に位置するリードの一方の端部に電極が接続されている)が溶着されている。よって、図6に示す従来技術に係る蛍光ランプに比べ、ステム封止される箇所の周辺における蛍光体層の劣化を抑制することができる。即ち、図6および図7に示すように、従来技術に係る蛍光ランプでは、電極933を挿入する(ステム封止)目的や補助管965を取り付ける目的等でガラス管9110の外周側壁を吹き破るという工程を得る必要がない。
【0017】
上述のように、図7に示すように、従来技術に係る構成を採用する場合には、外周側壁を吹き破るという工程を経る必要があり、その際に周辺領域での蛍光体層9120の劣化を生じるが、外周側壁を吹き破る必要がない本発明に係る蛍光ランプでは、当該領域における蛍光体層の劣化を抑制することができる。これより、本発明に係る蛍光ランプでは、上記特許文献1〜3に代表される従来技術に係る蛍光ランプに比べ、バルブの軸方向の中央部分に対する管端部での輝度の低下を抑えることができる。
【0018】
また、端壁におけるステム溶着部の周囲部分、言い換えれば端壁の内面に蛍光体層が形成されていることからも、本発明に係る蛍光ランプでは、バルブ端部の輝度を高くすることができる。即ち、本発明に係る蛍光ランプでは、バルブ端部を発光領域とし、輝度の向上が図られる。
【0019】
従って、本発明に係る蛍光ランプは、バルブ端部における蛍光体層劣化を抑えることにより、バルブの端部から端部まで輝度むらが少なく高い特性を有する。また、本発明に係る照明装置は、上記本発明に係る蛍光ランプを備えることを特徴とするので、上記本発明に係る蛍光ランプが有する効果をそのまま有することになる。
【0020】
本発明に係る蛍光ランプでは、次のようなバリエーションを採用することもできる。
【0021】
上記本発明に係る蛍光ランプでは、バルブが円形断面の外観形状を有し、ステムがバルブ外径よりも小径な円形をしており、バルブに対するステムの径の比率が0.4以上0.7以下である、という構成を採用することができる。なお、このような構成の場合には、端壁に対するステムの溶着部についても円環状とすることができる。
【0022】
上記本発明に係る蛍光ランプでは、バルブに対するステムの径の比率が0.5以上0.6以下である、という構成を採用することができる。
【0023】
上記本発明に係る蛍光ランプでは、ステムがガラス材料からなり、その外観形状が平板状である(所謂、ボタン形ステム)、という構成を採用することができる。なお、ステムの厚みについては特に限定を設ける必要はないが、ガラスバルブにおける端壁の厚みに対して、ステムの厚みを厚くする場合にはステムの封着がしやすい、という優位性が得られる。
【0024】
また、本発明に係る蛍光ランプでは、リードのバルブ外に延出された端部に、バルブの管軸に対して交差する方向に向けて立設された口金ピンに接続されている構成(所謂、シームレス形の蛍光ランプ)、という構成を採用することもできる。この構成を採用する蛍光ランプでは、リードに接続されている口金ピンが、バルブの管軸に対して交差する方向の外方に向けて立設されている。このため、本発明に係る蛍光ランプを複数用い、これらを長手方向に直列配置してライン照明を実現する場合において、隣り合う蛍光ランプと蛍光ランプとの間の隙間を短縮することができ、よって、長手方向に直列配置した複数の蛍光ランプが恰も一本の蛍光ランプの如く発光することになり、装飾性という観点から優れる。
【0025】
なお、本発明に係る蛍光ランプでは、バルブの放電空間に面する側であるステムの内壁に蛍光体層を形成し、バルブの端壁のみならずステムも発光領域とすることで、バルブ端部におけるより一層の輝度向上を図ることができる。一方、ステムの内壁に蛍光体層を形成しない場合には、製造上の優位性を得られる。即ち、端壁の開口部へステムを溶着した後において、バルブ内に位置するリードの一方の端部に接続された電極がバルブの内壁に接触していないか否か等を外側から目視確認をすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下では、本発明を実施するための最良の形態について、一例を示して説明する。なお、以下の説明で用いる形態は、本発明の構成および作用・効果を分かりやすく説明するために用いる一例であって、本発明は、その本質的な特徴部分以外に何ら以下の形態に限定を受けるものではない。
(実施の形態)
1.蛍光ランプ1の構成
本実施の形態に係る蛍光ランプ1の構成について、図1を用い説明する。
【0027】
図1に示すように、蛍光ランプ1は、Y軸方向に細長い円筒形状をしたガラスバルブ10と、そのY軸方向両端に設けられた口金20とを有する。口金20には、ガラスバルブ10の管軸(Y軸)に対して交差するZ軸方向に立設された口金ピン21がそれぞれ設けられている。即ち、本実施の形態に係る蛍光ランプ1では、口金ピン21がガラスバルブ10の端壁10b、10cから各Y軸方向外側に向けて立設されているのではなく、ガラスバルブ10の側周壁10a上にZ軸方向外側に向けて立設されている。
【0028】
図1の拡大部分に示すように、口金ピン21には、ガラスバルブ10から延出されたリード31が接続されているのであるが、蛍光ランプ1では、リード31がガラスバルブ10の端壁10bから延出され、端壁10bおよび側周壁10aに沿って配され、先端部分が口金ピン21に接続されている。なお、もう一方の端部におけるリード31も同様に配されている(図示を省略)。
【0029】
2.蛍光ランプ1の端部構成
蛍光ランプ1の端部における構成について、図2を用い説明する。図2(a)は、蛍光ランプ1の端部の構成を示す模式断面図であり、図2(b)は、蛍光ランプ1の端壁10bを平面視して示す図である。
【0030】
図2(a)に示すように、ガラスバルブ10は、ガラス管11と、このガラス管11の内壁に形成された蛍光体層12とを有してなる。ガラスバルブ10は、円筒状の側周壁10aとドーナツ状で中央に開口10hを有する端壁10b,10cを有してなる(図2では、一方の端壁10bを図示し、同様の構成を有する他方の端壁10cの図示は省略している)。端壁10bの開口10hにはボタンステム30が溶着されてガラスバルブ10を封止している。これにより、本実施の形態に係る蛍光ランプ1のガラスバルブ10の両端部の端面には、内壁に蛍光体層が形成された端壁10b,10cと、内壁に蛍光体層を形成していないボタンステム30が設けられている。開口10hおよびボタンステム30におけるステム32は、ともに円形をしており、ステム32は、平板状のボタン形をしている。
【0031】
なお、本実施の形態では、ガラスバルブ10の端壁10b、10cよりも厚みの厚いステム32を採用している。これは、ステムの厚みがガラスバルブの端壁の厚みと同じかそれよりも薄いものを採用する場合に比べて、ステム32の溶着がしやすいという優位性があるためである。
【0032】
ボタンステム30は、ステム32の他に、ステム32をその厚み方向に挿通した一対のリード31と、ガラスバルブ10の放電空間に位置するリード31間に架設された電極33とを有する。電極33は、所謂、熱陰極タイプのものであり、少なくとも1ターン以上のコイル部分を有する。
【0033】
ガラスバルブ10の端壁10bとステム32とは、矢印Aで示す部分(開口10hを臨む縁部分)で気密に接合されている。ここで、本実施の形態に係る蛍光ランプ1では、ガラスバルブ10の端壁10b,10cの内周側であって、開口10hの周囲縁でステム32と封着されている。
【0034】
ガラスバルブ10における放電空間10dには、水銀(Hg)と、希ガスとしてのアルゴン(Ar)ガス等とが封入されている(図示を省略)。ガラスバルブ10における蛍光体層12は、例えば、次に示すような蛍光体からなる3波長型蛍光体を用い形成されている。
【0035】
・Y2O3:Eu3+
・LaPO4:Ce,Tb
・BaMgAl10O17:Eu,Mn
ガラスバルブ10においては、蛍光体層12が側周壁10aの内壁だけでなく、端壁10bの内壁にも連続して形成されている。具体的には、蛍光体層12は端壁10b,10cの内壁におけるステム32が溶着された開口10hの部分の周囲部分の領域に形成されている。図2(a)では図示を省略しているが、ガラスバルブ10におけるもう一方の端壁10cについても同様の構成となっている。
【0036】
図2(b)に示すように、ガラスバルブ10の端壁10bを平面視すると、ステム32の外径φD1がガラスバルブ10の外径φD0に比べて小さく形成されている。これにより、上述のように、本実施の形態に係る蛍光ランプ1においては、端壁10bの内壁面にも蛍光体層12が形成できることになる。なお、図2(b)に示すように、ガラスバルブ10の側周壁10aの外壁面からZ軸方向に向けて排気管22が立設されている。
【0037】
ガラスバルブ10の外径φD0に対するステム32の径φD1の比率は、0.4以上0.7以下の範囲内となるように設定することが望ましく、0.5以上0.6以下の範囲内となるように設定することがより望ましい。この理由については、後述する。
【0038】
3.照明装置
上記構成の蛍光ランプ1を構成要素として有する本実施の形態に係る照明装置について、図3を用い説明する。
【0039】
図3に示すように、本実施の形態に係る照明装置では、一例として、2本の蛍光ランプ1を備え、2本の蛍光ランプ1は、直列配置される。照明装置には、器具ベース500に4つのソケット501が配設されている。器具ベース500上における4つのソケット501のそれぞれは、蛍光ランプ1の口金ピン21の装着を受け入れる。このため、4つのソケット501は、Y軸方向に直列配置されている。
【0040】
本実施の形態に係る照明装置では、器具ベース500のソケット501に2本の蛍光ランプ1の口金ピン21をそれぞれ差し込むことにより、2本の蛍光ランプ1が直列配置される。この場合、図3の円で囲む部分に示すように、蛍光ランプ1と蛍光ランプ1との長手方向(Y軸方向)における隙間Wは、従来の長手方向端部に口金を有する蛍光ランプに比べて狭くすることができる。
【0041】
4.蛍光ランプ1および照明装置の優位性
本実施の形態に係る蛍光ランプ1では、図1に示すように、口金20に設けられた口金ピン21が、ガラスバルブ10の管軸に対して交差する方向(図1のZ軸方向)の外方に向けて立設されている。このため、図3に示すように、2本の蛍光ランプ1をその長さ方向に直列配置する場合においても、隣り合う蛍光ランプ1と蛍光ランプ1との間の隙間4が広くなってしまうことがない。よって、蛍光ランプ1を用いる照明装置では、上記特許文献1〜3で提案されている蛍光ランプと同様に、直列配置した2本の蛍光ランプ1が恰も一本の蛍光ランプの如く発光することになり、装飾性という観点から優れる。
【0042】
また、蛍光ランプ1では、図2(a)に示すように、ガラスバルブ10における両端にステム32が溶着されている。より具体的には、ガラスバルブ10の開口10hは、ステム32により封止されている。よって、図6に示す従来技術に係る蛍光ランプに比べ、ステム32が溶着される箇所の周囲における蛍光体層12の劣化を抑制することができる。即ち、図6および図7に示すように、従来技術に係る蛍光ランプでは、電極933を挿入する(ステム封止)目的や補助管965を取り付ける目的等でガラス管9110の外周側壁を吹き破るという工程が必要であるが、本実施の形態に係る蛍光ランプ1の製造においては、吹き破り工程を必要としない。
【0043】
上述のように、外周側壁を吹き破る際には周辺領域での蛍光体層9120の劣化を生じるが、外周側壁を吹き破る必要がない本実施の形態に係る蛍光ランプ1では、当該領域における蛍光体層12の劣化を抑制することができる。これより、図3の円で囲む部分に示すように、蛍光ランプ1では、上記特許文献1〜3に代表される従来技術に係る蛍光ランプに比べ、ガラスバルブ10の管軸方向(Y軸方向)における端部10eでの輝度の低下を抑えることができる。
【0044】
また、本実施の形態に係る蛍光ランプ1では、ガラスバルブ10における端壁10b,10cを発光領域とし、ステム32を非発光領域としている。端壁10b,10cの内面に蛍光体層12を形成して発光領域とすることで、蛍光ランプ1における端部10eの輝度向上が図られる。また、ステム32には蛍光体層を形成しない構成を採用することにより、ステム32の溶着時において、電極33やリード31がガラスバルブ10の内面(蛍光体層12)に接触していないか否かを外部より目視で確認することができる。
【0045】
従って、本実施の形態に係る蛍光ランプ1は、ガラスバルブ10の側周壁10a上に管軸に対し交差する方向(図1のZ軸方向)に口金ピン21を立設することで、所謂、シームレス化を実現することができ、ガラスバルブ10の端部10e(図3を参照。)における蛍光体層12の劣化を抑えることにより、ガラスバルブ10の端部10eから端部10eまで輝度むらが少なく高い装飾性を有する。
【0046】
また、本実施の形態に係る照明装置は、上記構成を有する蛍光ランプ1を構成要素として備えるので、上記優位性をそのまま享受することができる。即ち、本実施の形態に係る照明装置では、蛍光ランプ1をその長さ方向に複数直列配置するが、ランプ点灯時において、蛍光ランプ1と蛍光ランプ1との間の非発光領域を略なくすることが可能であり、装飾性に優れたものである。
【0047】
5.ガラスバルブ10の外径(φD0)とステム32の径(φD1)との関係
(1)ガラスバルブ10の外径φD0:φ25.5[mm]
ガラスバルブ10の外径φD0をφ25.5[mm]として、9種のサンプルを作製した。
【0048】
サンプル1〜サンプル9は、互いにステム径が異なっており、これに伴って電極33のコイルターン数も異なっている。そして、9種のサンプルについて、確保可能寿命と点灯時における外観の判定とを実施した。なお、点灯時における外観の判定とは、蛍光ランプ1における端部10eの発光具合を目視で判定したものである。結果を(表1)に示す。
【0049】
【表1】
a)寿命判定
(表1)に示すように、サンプル3〜サンプル9では、確保可能寿命が6000[hr.]以上確保されており、”○”または”◎”の判定となっている。また、サンプル4〜サンプル9では、確保可能寿命が10000[hr.]以上となっている。ここで、寿命に関しては、従来品との比較において6000[hr.]で合格レベルである。よって、確保可能寿命という観点からは、径の比率(=ステム径/管外径)が0.3以上確保することが望ましい。
【0050】
b)外観判定
次に、(表1)に示すように、外観判定は、サンプル2〜サンプル5が”○”であり、サンプル6が”△”である。よって、径の比率が0.2以上0.6以下の範囲内にあれば、端部10eの発光が十分であるといえる。
【0051】
従って、確保可能寿命と外観との両結果を勘案する場合、0.4以上0.7以下の範囲の径の比率を採用することが望ましい。
【0052】
なお、サンプル1に関しては、コイルターン数を確保することができないので、評価を行っていない。
【0053】
(2)ガラスバルブ10の外径φD0:φ20.0[mm]
次に、ガラスバルブ10の外径φD0をφ20.0[mm]として、7種のサンプルを作製した。
【0054】
上記同様に、サンプル11〜サンプル17は、互いにステム径が異なっており、これに伴って電極33のコイルターン数も異なっている。そして、7種のサンプルについて、確保可能寿命と点灯時における外観の判定とを実施した。結果を(表2)に示す。
【0055】
【表2】
a)寿命判定
(表2)に示すように、確保可能寿命という観点からは、サンプル13〜サンプル17が6000[hr.]以上確保されており、従来品との比較において合格レベルである。また、サンプル14〜サンプル17では、確保可能寿命が10000[hr.]以上となっている。よって、確保可能寿命という観点からは、径の比率(=ステム径/管外径)を0.4以上確保することが望ましい。
【0056】
b)外観判定
次に、(表2)に示すように、外観判定では、サンプル12〜サンプル14が”○”であり、サンプル15が”△”である。よって、径の比率が0.3以上0.7以下の範囲内にあれば、端部10eの発光が十分であるといえる。
【0057】
従って、確保可能寿命と外観との両結果を勘案する場合、0.4以上0.7以下の範囲の径の比率を採用することが望ましい。
【0058】
なお、サンプル11については、コイルターン数を確保することができないので、評価を行っていない。
【0059】
(3)考察
外径がφ25.5[mm]とφ20.0[mm]との上記検討結果を考察すると、確保可能寿命と外観との両特性を満足するのは、径の比率(=ステム径/管外径)が0.4以上0.7以下の範囲であり、0.5以上0.6以下の範囲であれば両特性との関係でより望ましい。
【0060】
6.蛍光ランプ1の製造方法
本実施の形態に係る蛍光ランプ1の製造方法について、図4および図5を用い説明する。なお、以下では、蛍光ランプ1の製造方法の中でも特徴的な部分のみを説明し、従来技術に係る蛍光ランプの製造方法と同様の過程については説明を省略する。
【0061】
図4(a)に示すように、円筒状の管半製品100を準備する。管半製品100は、放電空間100d側に面する内壁面に蛍光体層12が形成されている。蛍光体層12は、上記蛍光体材料(Y2O3:Eu3+ 、LaPO4:Ce,Tb、BaMgAl10O17:Eu,Mn)を用い形成されている。
【0062】
次に、図4(b)に示すように、管軸を回転軸として管半製品101を回転させながら、両端部(矢印Bで指す部分)を加熱バーナー601で加熱しながら、成型ローラー602を用い縮径して行く。成型ローラー602の侵入深さは、縮径後の管半製品101の径および予定している開口10hの径に基づいて規定されている。
【0063】
なお、成型ローラー602については、加熱バーナー601により加熱されている管半製品101の該当部分との温度差を小さくするために、ローラー加熱バーナー603により加熱されている。また、管半製品101の両開口部分は、グレージングバーナー604により加熱されている。
【0064】
図4(c)に示すように、所定の径まで縮径することで、両端近傍部分に縮径部分102aを有する管半製品102が形成される。
【0065】
次に、縮径部分102aの底に当たる部分をカットする。これにより、図5(a)に示すように、開口を有する両端部分103aを有する本体部103と、カットにより生ずるカット端部分104とに分けられる。なお、端部をカットする方法としては、例えば、砥石を用いた砥石カットや、シャープな炎のバーナーを用いたチルカット等を採用することができる。
【0066】
図5(a)に示す工程では、両端部分103aがまだ熱を有しているので、時間の経過とともに表面張力により開口径が縮径されてくる(図5(b)を参照)。図5(b)に示すように、ある程度時間が経過すると、両端壁105aにバルブの外径よりも径の小さな開口10h(図2を参照。)を有する管半製品105が形成されるに至る。
【0067】
図5(c)に示すように、管半製品105における開口10hを、ボタンステム30のステム32により封止する。なお、ステム30を用いた封止に先行して排気管22用の細管220を接続しておく。なお、細管220の取り付けに際しては、バーナーにより吹き破りを実行する(不図示)。
【0068】
以上のように、本実施の形態に係る蛍光ランプ1のガラスバルブ10が形成されるのであるが、蛍光ランプ1の製造過程において、図7に示すようなバーナーでの高い火力を用いる吹き破り工程を必要とせずに開口10hを形成することができるため、蛍光体層12の劣化の防止という観点から優れている。このため、ガラスバルブ10の端部10eにおける輝度の低下を抑制することができる。
【0069】
7.その他の事項
上記実施の形態では、口金ピン21がガラスバルブ10の管軸に対し交差する方向に立設されてなる、所謂、シームレス・タイプの蛍光ランプを一例として説明したが、本発明はこれに限定されず、管軸方向に口金ピンが立設されるタイプの蛍光ランプに対して採用することもできる。この場合においても、ガラスバルブの端部も明るく光り、また、量産性、外観品質および強度等の観点から優れたものとすることができる。
【0070】
また、上記実施の形態では、直管形の蛍光ランプ1を一例として用いたが、円環型の蛍光ランプに対して本発明を適用することももちろん可能である。円環型の蛍光ランプに対して本発明を採用する場合にも、管の一方の端部と他方の端部との接近箇所間における非発光領域を少なくすることができ、また、管の端部における輝度低下という問題を生じず、装飾性という観点から優れることになる。
【0071】
また、上記実施の形態では、ボタン型のステム32を採用したが、本発明は、必ずしもボタン型ステムを採用する必要はなく、バルブの外径よりも小径なフレア型のステムを採用することもできる。なお、この場合においても、端壁10b,10cを形成し、その内面にも蛍光体層12を形成すればよい。
【0072】
また、上記実施の形態では、ステム32の内壁には蛍光体層を形成しないこととしている。これにより、ステム封止をした後に、電極33とガラスバルブ10の内面とが接触していないことを外部から目視確認できるという優位性を有する。一方、本発明に係る蛍光ランプでは、ステム32の内壁にも蛍光体層を形成する、という構成を採用することも可能である。この場合には、ステム32の内面にも蛍光体層を形成した分だけ、輝度向上を図ることができるという効果が得られる。
【0073】
また、上記実施の形態では、蛍光体層12の構成材料として上記蛍光体材料を採用したが、本発明は、これに限定を受けるものではない。一般的に蛍光ランプの形成において用いられている蛍光体材料に適宜変更することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明は、バルブの端部から端部まで輝度むらが少なく、複数を直列配置する際にも隣り合う蛍光ランプ同士の間の非発光領域が少ない装飾性に優れる蛍光ランプおよび照明装置を実現するのに有効な技術的思想である。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】実施の形態に係る蛍光ランプ1の外観斜視図である。
【図2】(a)は、蛍光ランプ1の端部を示す断面図であり、(b)は、蛍光ランプ1の端部を示す平面図である。
【図3】蛍光ランプ1をソケット501に装着する状態を示す模式側面図である。
【図4】蛍光ランプ1の製造過程を示す工程図である。
【図5】蛍光ランプ1の製造過程を示す工程図である。
【図6】従来技術に係る蛍光ランプの端部構造を示す断面図である。
【図7】従来技術に係る蛍光ランプの製造過程の一部工程を示す工程図である。
【符号の説明】
【0076】
1.蛍光ランプ
10.ガラスバルブ
11.ガラス管
12.蛍光体層
20.口金
21.口金ピン
22.排気管
30.ボタンステム
31.リード
32.ステム
33.電極
100,101,102,103,105.管半製品
500.器具ベース
501.ソケット
601.加熱バーナー
602.成型ローラー
603.ローラー加熱バーナー
604.グレージングバーナー
【技術分野】
【0001】
本発明は、蛍光ランプおよび照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般家庭やオフィス、あるいは作業場等の照明としては、蛍光ランプが広く使われている。これは、蛍光ランプが白熱電球等に比べてランプ効率が高く、また色再現性の高い光を得られるためである。
【0003】
蛍光ランプは、円筒形のガラス管に内壁面に蛍光体層が形成され、管両端がステム封止されている。ステムには、リードが挿通されており、ガラス管内方におけるリードの先端部分には、電極が接合されている。ガラス管外方に延出されたリードは口金ピンに接続され、この口金ピンは、ガラス管の軸方向外側に向く状態に設けられている。
【0004】
ところで、上記のような構造の蛍光ランプをその長さ方向に直列に複数本配置した場合(所謂、ライン照明)には、隣り合う蛍光ランプと蛍光ランプとの間に蛍光ランプの口金および口金ピンの装着を受けるソケットが介挿されることになる。よって、一般的な従来の蛍光ランプを用いる場合には、隣り合う蛍光ランプと蛍光ランプとの間に光を発しない暗部が生じることが避けられない。店舗用の照明として直管形の蛍光ランプを用いる際には、装飾性の向上という観点から、複数本の蛍光ランプをその長さ方向に直列に配置する場合(所謂、ライン照明)にも、それらが恰も一本のランプであるように光ることが求められる。
【0005】
そこで、上記要望に応えるべく、電極に接続される口金ピンをガラス管の軸方向ではなく、ガラス管の側周面上から管軸に交差する方向の外方に向けて設けた、所謂、シームレス形蛍光ランプが開発されている(例えば、特許文献1〜3)。従来技術に係る蛍光ランプの構造について、図6を用い説明する。
【0006】
まず、図6(a)に示すように、特許文献1、2で提案されている蛍光ランプは、ガラスバルブ910がガラス管911と当該ガラス管911の内壁面に形成されてなる蛍光体層912とを有してなる。そして、ガラスバルブ910の端部近傍の側周壁910aには開口910hが設けられ、当該開口910hがステム932で封止されている。ステム932には、その厚み方向にリード931が挿通されており、リード931の内側端部に電極933が架設されている。なお、ステム932と、これを挿通するリード931、さらにはリード931に接合された電極933の構成体をステムマウント930と呼ぶことにする。
【0007】
次に、図6(b)に示すように、特許文献3で提案されている蛍光ランプでは、ガラスバルブ960の端部近傍の側周壁960aに補助管965が接合され、補助管965にステム982が取り付けられている。ステム982には、リード981が挿通され、リード981に電極983が接合されている構成は、ステム体930と同様である。この構成体についても、ステムマウント980と呼ぶことにする。なお、蛍光体層962は、ガラス管961の内壁面に形成されており、補助管965には形成されていない。
【0008】
特許文献1、2、3で提案されている蛍光ランプでは、図6(a)、(b)に示すように、ガラスバルブ910、960の端部910b、960bから管軸方向外側に向けて口金ピンを立設しない構造を採用することによって、複数の蛍光ランプを直列に配置する場合にも、蛍光ランプと蛍光ランプとの間の非発光領域(口金やソケット等の発光しない領域)を少なくすることができる。
【特許文献1】実開昭61−48548号公報
【特許文献2】特許3149077号公報
【特許文献3】特開2004−247276号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、図6(a)、(b)に示す従来技術に係る蛍光ランプでは、ガラスバルブ910、960の端部領域(矢印Cおよび矢印Dで示す領域)での輝度が低いという問題がある。これは、図6(a)、(b)における矢印Cおよび矢印Dで示す領域における蛍光体層912、962が製造過程で劣化していることに起因するものである。これについて、図7を用い具体的に説明する。
【0010】
図7に示すように、上記特許文献1〜3で提案されている蛍光ランプでは、ステム932での封止の際や補助管965を取り付ける際に、ガラス管9110の側周面の一部を、バーナー800により開口することが必要となる。このため、ガラス管9110の内壁面にすでに形成されている蛍光体層9120の一部(矢印Eで示す領域)が、バーナー800の炎の影響を受けて劣化する。特に、バーナー800の炎の影響を最も強く受ける矢印Fで示す領域において、蛍光体層9120の劣化が顕著となる。
【0011】
なお、上記では、所謂、シームレス形の蛍光ランプについて、その問題点を述べたが、端部に口金が取り付けられた従来型の蛍光ランプにおいても、同様に端部まで輝度を向上することが望ましい。
【0012】
本発明は、このような問題の解決を図ろうとなされたものであって、バルブ端部における蛍光体層劣化を抑えることにより、バルブの端部から端部まで輝度むらが少ない蛍光ランプおよび照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、本発明は、次の構成を採用することとする。
【0014】
本発明に係る蛍光ランプは、内面に蛍光体層を有するとともに、両端に端壁を有するガラス製のバルブと、バルブの両端の端壁に溶着され、バルブの外径よりも小径なステムとを備えている。そして、ステムには、その厚み方向にリードが挿通されており、リードのバルブ内に位置する一方の端部には、電極が接続されている。さらに、バルブ内面における蛍光体層は、端壁における上記ステムが溶着された部分の周囲部分に形成されていることを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る照明装置は、上記本発明に係る蛍光ランプと、この蛍光ランプの装着を受け入れる器具とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る蛍光ランプでは、バルブにおける端壁にステム(リードが挿通され、バルブ内に位置するリードの一方の端部に電極が接続されている)が溶着されている。よって、図6に示す従来技術に係る蛍光ランプに比べ、ステム封止される箇所の周辺における蛍光体層の劣化を抑制することができる。即ち、図6および図7に示すように、従来技術に係る蛍光ランプでは、電極933を挿入する(ステム封止)目的や補助管965を取り付ける目的等でガラス管9110の外周側壁を吹き破るという工程を得る必要がない。
【0017】
上述のように、図7に示すように、従来技術に係る構成を採用する場合には、外周側壁を吹き破るという工程を経る必要があり、その際に周辺領域での蛍光体層9120の劣化を生じるが、外周側壁を吹き破る必要がない本発明に係る蛍光ランプでは、当該領域における蛍光体層の劣化を抑制することができる。これより、本発明に係る蛍光ランプでは、上記特許文献1〜3に代表される従来技術に係る蛍光ランプに比べ、バルブの軸方向の中央部分に対する管端部での輝度の低下を抑えることができる。
【0018】
また、端壁におけるステム溶着部の周囲部分、言い換えれば端壁の内面に蛍光体層が形成されていることからも、本発明に係る蛍光ランプでは、バルブ端部の輝度を高くすることができる。即ち、本発明に係る蛍光ランプでは、バルブ端部を発光領域とし、輝度の向上が図られる。
【0019】
従って、本発明に係る蛍光ランプは、バルブ端部における蛍光体層劣化を抑えることにより、バルブの端部から端部まで輝度むらが少なく高い特性を有する。また、本発明に係る照明装置は、上記本発明に係る蛍光ランプを備えることを特徴とするので、上記本発明に係る蛍光ランプが有する効果をそのまま有することになる。
【0020】
本発明に係る蛍光ランプでは、次のようなバリエーションを採用することもできる。
【0021】
上記本発明に係る蛍光ランプでは、バルブが円形断面の外観形状を有し、ステムがバルブ外径よりも小径な円形をしており、バルブに対するステムの径の比率が0.4以上0.7以下である、という構成を採用することができる。なお、このような構成の場合には、端壁に対するステムの溶着部についても円環状とすることができる。
【0022】
上記本発明に係る蛍光ランプでは、バルブに対するステムの径の比率が0.5以上0.6以下である、という構成を採用することができる。
【0023】
上記本発明に係る蛍光ランプでは、ステムがガラス材料からなり、その外観形状が平板状である(所謂、ボタン形ステム)、という構成を採用することができる。なお、ステムの厚みについては特に限定を設ける必要はないが、ガラスバルブにおける端壁の厚みに対して、ステムの厚みを厚くする場合にはステムの封着がしやすい、という優位性が得られる。
【0024】
また、本発明に係る蛍光ランプでは、リードのバルブ外に延出された端部に、バルブの管軸に対して交差する方向に向けて立設された口金ピンに接続されている構成(所謂、シームレス形の蛍光ランプ)、という構成を採用することもできる。この構成を採用する蛍光ランプでは、リードに接続されている口金ピンが、バルブの管軸に対して交差する方向の外方に向けて立設されている。このため、本発明に係る蛍光ランプを複数用い、これらを長手方向に直列配置してライン照明を実現する場合において、隣り合う蛍光ランプと蛍光ランプとの間の隙間を短縮することができ、よって、長手方向に直列配置した複数の蛍光ランプが恰も一本の蛍光ランプの如く発光することになり、装飾性という観点から優れる。
【0025】
なお、本発明に係る蛍光ランプでは、バルブの放電空間に面する側であるステムの内壁に蛍光体層を形成し、バルブの端壁のみならずステムも発光領域とすることで、バルブ端部におけるより一層の輝度向上を図ることができる。一方、ステムの内壁に蛍光体層を形成しない場合には、製造上の優位性を得られる。即ち、端壁の開口部へステムを溶着した後において、バルブ内に位置するリードの一方の端部に接続された電極がバルブの内壁に接触していないか否か等を外側から目視確認をすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下では、本発明を実施するための最良の形態について、一例を示して説明する。なお、以下の説明で用いる形態は、本発明の構成および作用・効果を分かりやすく説明するために用いる一例であって、本発明は、その本質的な特徴部分以外に何ら以下の形態に限定を受けるものではない。
(実施の形態)
1.蛍光ランプ1の構成
本実施の形態に係る蛍光ランプ1の構成について、図1を用い説明する。
【0027】
図1に示すように、蛍光ランプ1は、Y軸方向に細長い円筒形状をしたガラスバルブ10と、そのY軸方向両端に設けられた口金20とを有する。口金20には、ガラスバルブ10の管軸(Y軸)に対して交差するZ軸方向に立設された口金ピン21がそれぞれ設けられている。即ち、本実施の形態に係る蛍光ランプ1では、口金ピン21がガラスバルブ10の端壁10b、10cから各Y軸方向外側に向けて立設されているのではなく、ガラスバルブ10の側周壁10a上にZ軸方向外側に向けて立設されている。
【0028】
図1の拡大部分に示すように、口金ピン21には、ガラスバルブ10から延出されたリード31が接続されているのであるが、蛍光ランプ1では、リード31がガラスバルブ10の端壁10bから延出され、端壁10bおよび側周壁10aに沿って配され、先端部分が口金ピン21に接続されている。なお、もう一方の端部におけるリード31も同様に配されている(図示を省略)。
【0029】
2.蛍光ランプ1の端部構成
蛍光ランプ1の端部における構成について、図2を用い説明する。図2(a)は、蛍光ランプ1の端部の構成を示す模式断面図であり、図2(b)は、蛍光ランプ1の端壁10bを平面視して示す図である。
【0030】
図2(a)に示すように、ガラスバルブ10は、ガラス管11と、このガラス管11の内壁に形成された蛍光体層12とを有してなる。ガラスバルブ10は、円筒状の側周壁10aとドーナツ状で中央に開口10hを有する端壁10b,10cを有してなる(図2では、一方の端壁10bを図示し、同様の構成を有する他方の端壁10cの図示は省略している)。端壁10bの開口10hにはボタンステム30が溶着されてガラスバルブ10を封止している。これにより、本実施の形態に係る蛍光ランプ1のガラスバルブ10の両端部の端面には、内壁に蛍光体層が形成された端壁10b,10cと、内壁に蛍光体層を形成していないボタンステム30が設けられている。開口10hおよびボタンステム30におけるステム32は、ともに円形をしており、ステム32は、平板状のボタン形をしている。
【0031】
なお、本実施の形態では、ガラスバルブ10の端壁10b、10cよりも厚みの厚いステム32を採用している。これは、ステムの厚みがガラスバルブの端壁の厚みと同じかそれよりも薄いものを採用する場合に比べて、ステム32の溶着がしやすいという優位性があるためである。
【0032】
ボタンステム30は、ステム32の他に、ステム32をその厚み方向に挿通した一対のリード31と、ガラスバルブ10の放電空間に位置するリード31間に架設された電極33とを有する。電極33は、所謂、熱陰極タイプのものであり、少なくとも1ターン以上のコイル部分を有する。
【0033】
ガラスバルブ10の端壁10bとステム32とは、矢印Aで示す部分(開口10hを臨む縁部分)で気密に接合されている。ここで、本実施の形態に係る蛍光ランプ1では、ガラスバルブ10の端壁10b,10cの内周側であって、開口10hの周囲縁でステム32と封着されている。
【0034】
ガラスバルブ10における放電空間10dには、水銀(Hg)と、希ガスとしてのアルゴン(Ar)ガス等とが封入されている(図示を省略)。ガラスバルブ10における蛍光体層12は、例えば、次に示すような蛍光体からなる3波長型蛍光体を用い形成されている。
【0035】
・Y2O3:Eu3+
・LaPO4:Ce,Tb
・BaMgAl10O17:Eu,Mn
ガラスバルブ10においては、蛍光体層12が側周壁10aの内壁だけでなく、端壁10bの内壁にも連続して形成されている。具体的には、蛍光体層12は端壁10b,10cの内壁におけるステム32が溶着された開口10hの部分の周囲部分の領域に形成されている。図2(a)では図示を省略しているが、ガラスバルブ10におけるもう一方の端壁10cについても同様の構成となっている。
【0036】
図2(b)に示すように、ガラスバルブ10の端壁10bを平面視すると、ステム32の外径φD1がガラスバルブ10の外径φD0に比べて小さく形成されている。これにより、上述のように、本実施の形態に係る蛍光ランプ1においては、端壁10bの内壁面にも蛍光体層12が形成できることになる。なお、図2(b)に示すように、ガラスバルブ10の側周壁10aの外壁面からZ軸方向に向けて排気管22が立設されている。
【0037】
ガラスバルブ10の外径φD0に対するステム32の径φD1の比率は、0.4以上0.7以下の範囲内となるように設定することが望ましく、0.5以上0.6以下の範囲内となるように設定することがより望ましい。この理由については、後述する。
【0038】
3.照明装置
上記構成の蛍光ランプ1を構成要素として有する本実施の形態に係る照明装置について、図3を用い説明する。
【0039】
図3に示すように、本実施の形態に係る照明装置では、一例として、2本の蛍光ランプ1を備え、2本の蛍光ランプ1は、直列配置される。照明装置には、器具ベース500に4つのソケット501が配設されている。器具ベース500上における4つのソケット501のそれぞれは、蛍光ランプ1の口金ピン21の装着を受け入れる。このため、4つのソケット501は、Y軸方向に直列配置されている。
【0040】
本実施の形態に係る照明装置では、器具ベース500のソケット501に2本の蛍光ランプ1の口金ピン21をそれぞれ差し込むことにより、2本の蛍光ランプ1が直列配置される。この場合、図3の円で囲む部分に示すように、蛍光ランプ1と蛍光ランプ1との長手方向(Y軸方向)における隙間Wは、従来の長手方向端部に口金を有する蛍光ランプに比べて狭くすることができる。
【0041】
4.蛍光ランプ1および照明装置の優位性
本実施の形態に係る蛍光ランプ1では、図1に示すように、口金20に設けられた口金ピン21が、ガラスバルブ10の管軸に対して交差する方向(図1のZ軸方向)の外方に向けて立設されている。このため、図3に示すように、2本の蛍光ランプ1をその長さ方向に直列配置する場合においても、隣り合う蛍光ランプ1と蛍光ランプ1との間の隙間4が広くなってしまうことがない。よって、蛍光ランプ1を用いる照明装置では、上記特許文献1〜3で提案されている蛍光ランプと同様に、直列配置した2本の蛍光ランプ1が恰も一本の蛍光ランプの如く発光することになり、装飾性という観点から優れる。
【0042】
また、蛍光ランプ1では、図2(a)に示すように、ガラスバルブ10における両端にステム32が溶着されている。より具体的には、ガラスバルブ10の開口10hは、ステム32により封止されている。よって、図6に示す従来技術に係る蛍光ランプに比べ、ステム32が溶着される箇所の周囲における蛍光体層12の劣化を抑制することができる。即ち、図6および図7に示すように、従来技術に係る蛍光ランプでは、電極933を挿入する(ステム封止)目的や補助管965を取り付ける目的等でガラス管9110の外周側壁を吹き破るという工程が必要であるが、本実施の形態に係る蛍光ランプ1の製造においては、吹き破り工程を必要としない。
【0043】
上述のように、外周側壁を吹き破る際には周辺領域での蛍光体層9120の劣化を生じるが、外周側壁を吹き破る必要がない本実施の形態に係る蛍光ランプ1では、当該領域における蛍光体層12の劣化を抑制することができる。これより、図3の円で囲む部分に示すように、蛍光ランプ1では、上記特許文献1〜3に代表される従来技術に係る蛍光ランプに比べ、ガラスバルブ10の管軸方向(Y軸方向)における端部10eでの輝度の低下を抑えることができる。
【0044】
また、本実施の形態に係る蛍光ランプ1では、ガラスバルブ10における端壁10b,10cを発光領域とし、ステム32を非発光領域としている。端壁10b,10cの内面に蛍光体層12を形成して発光領域とすることで、蛍光ランプ1における端部10eの輝度向上が図られる。また、ステム32には蛍光体層を形成しない構成を採用することにより、ステム32の溶着時において、電極33やリード31がガラスバルブ10の内面(蛍光体層12)に接触していないか否かを外部より目視で確認することができる。
【0045】
従って、本実施の形態に係る蛍光ランプ1は、ガラスバルブ10の側周壁10a上に管軸に対し交差する方向(図1のZ軸方向)に口金ピン21を立設することで、所謂、シームレス化を実現することができ、ガラスバルブ10の端部10e(図3を参照。)における蛍光体層12の劣化を抑えることにより、ガラスバルブ10の端部10eから端部10eまで輝度むらが少なく高い装飾性を有する。
【0046】
また、本実施の形態に係る照明装置は、上記構成を有する蛍光ランプ1を構成要素として備えるので、上記優位性をそのまま享受することができる。即ち、本実施の形態に係る照明装置では、蛍光ランプ1をその長さ方向に複数直列配置するが、ランプ点灯時において、蛍光ランプ1と蛍光ランプ1との間の非発光領域を略なくすることが可能であり、装飾性に優れたものである。
【0047】
5.ガラスバルブ10の外径(φD0)とステム32の径(φD1)との関係
(1)ガラスバルブ10の外径φD0:φ25.5[mm]
ガラスバルブ10の外径φD0をφ25.5[mm]として、9種のサンプルを作製した。
【0048】
サンプル1〜サンプル9は、互いにステム径が異なっており、これに伴って電極33のコイルターン数も異なっている。そして、9種のサンプルについて、確保可能寿命と点灯時における外観の判定とを実施した。なお、点灯時における外観の判定とは、蛍光ランプ1における端部10eの発光具合を目視で判定したものである。結果を(表1)に示す。
【0049】
【表1】
a)寿命判定
(表1)に示すように、サンプル3〜サンプル9では、確保可能寿命が6000[hr.]以上確保されており、”○”または”◎”の判定となっている。また、サンプル4〜サンプル9では、確保可能寿命が10000[hr.]以上となっている。ここで、寿命に関しては、従来品との比較において6000[hr.]で合格レベルである。よって、確保可能寿命という観点からは、径の比率(=ステム径/管外径)が0.3以上確保することが望ましい。
【0050】
b)外観判定
次に、(表1)に示すように、外観判定は、サンプル2〜サンプル5が”○”であり、サンプル6が”△”である。よって、径の比率が0.2以上0.6以下の範囲内にあれば、端部10eの発光が十分であるといえる。
【0051】
従って、確保可能寿命と外観との両結果を勘案する場合、0.4以上0.7以下の範囲の径の比率を採用することが望ましい。
【0052】
なお、サンプル1に関しては、コイルターン数を確保することができないので、評価を行っていない。
【0053】
(2)ガラスバルブ10の外径φD0:φ20.0[mm]
次に、ガラスバルブ10の外径φD0をφ20.0[mm]として、7種のサンプルを作製した。
【0054】
上記同様に、サンプル11〜サンプル17は、互いにステム径が異なっており、これに伴って電極33のコイルターン数も異なっている。そして、7種のサンプルについて、確保可能寿命と点灯時における外観の判定とを実施した。結果を(表2)に示す。
【0055】
【表2】
a)寿命判定
(表2)に示すように、確保可能寿命という観点からは、サンプル13〜サンプル17が6000[hr.]以上確保されており、従来品との比較において合格レベルである。また、サンプル14〜サンプル17では、確保可能寿命が10000[hr.]以上となっている。よって、確保可能寿命という観点からは、径の比率(=ステム径/管外径)を0.4以上確保することが望ましい。
【0056】
b)外観判定
次に、(表2)に示すように、外観判定では、サンプル12〜サンプル14が”○”であり、サンプル15が”△”である。よって、径の比率が0.3以上0.7以下の範囲内にあれば、端部10eの発光が十分であるといえる。
【0057】
従って、確保可能寿命と外観との両結果を勘案する場合、0.4以上0.7以下の範囲の径の比率を採用することが望ましい。
【0058】
なお、サンプル11については、コイルターン数を確保することができないので、評価を行っていない。
【0059】
(3)考察
外径がφ25.5[mm]とφ20.0[mm]との上記検討結果を考察すると、確保可能寿命と外観との両特性を満足するのは、径の比率(=ステム径/管外径)が0.4以上0.7以下の範囲であり、0.5以上0.6以下の範囲であれば両特性との関係でより望ましい。
【0060】
6.蛍光ランプ1の製造方法
本実施の形態に係る蛍光ランプ1の製造方法について、図4および図5を用い説明する。なお、以下では、蛍光ランプ1の製造方法の中でも特徴的な部分のみを説明し、従来技術に係る蛍光ランプの製造方法と同様の過程については説明を省略する。
【0061】
図4(a)に示すように、円筒状の管半製品100を準備する。管半製品100は、放電空間100d側に面する内壁面に蛍光体層12が形成されている。蛍光体層12は、上記蛍光体材料(Y2O3:Eu3+ 、LaPO4:Ce,Tb、BaMgAl10O17:Eu,Mn)を用い形成されている。
【0062】
次に、図4(b)に示すように、管軸を回転軸として管半製品101を回転させながら、両端部(矢印Bで指す部分)を加熱バーナー601で加熱しながら、成型ローラー602を用い縮径して行く。成型ローラー602の侵入深さは、縮径後の管半製品101の径および予定している開口10hの径に基づいて規定されている。
【0063】
なお、成型ローラー602については、加熱バーナー601により加熱されている管半製品101の該当部分との温度差を小さくするために、ローラー加熱バーナー603により加熱されている。また、管半製品101の両開口部分は、グレージングバーナー604により加熱されている。
【0064】
図4(c)に示すように、所定の径まで縮径することで、両端近傍部分に縮径部分102aを有する管半製品102が形成される。
【0065】
次に、縮径部分102aの底に当たる部分をカットする。これにより、図5(a)に示すように、開口を有する両端部分103aを有する本体部103と、カットにより生ずるカット端部分104とに分けられる。なお、端部をカットする方法としては、例えば、砥石を用いた砥石カットや、シャープな炎のバーナーを用いたチルカット等を採用することができる。
【0066】
図5(a)に示す工程では、両端部分103aがまだ熱を有しているので、時間の経過とともに表面張力により開口径が縮径されてくる(図5(b)を参照)。図5(b)に示すように、ある程度時間が経過すると、両端壁105aにバルブの外径よりも径の小さな開口10h(図2を参照。)を有する管半製品105が形成されるに至る。
【0067】
図5(c)に示すように、管半製品105における開口10hを、ボタンステム30のステム32により封止する。なお、ステム30を用いた封止に先行して排気管22用の細管220を接続しておく。なお、細管220の取り付けに際しては、バーナーにより吹き破りを実行する(不図示)。
【0068】
以上のように、本実施の形態に係る蛍光ランプ1のガラスバルブ10が形成されるのであるが、蛍光ランプ1の製造過程において、図7に示すようなバーナーでの高い火力を用いる吹き破り工程を必要とせずに開口10hを形成することができるため、蛍光体層12の劣化の防止という観点から優れている。このため、ガラスバルブ10の端部10eにおける輝度の低下を抑制することができる。
【0069】
7.その他の事項
上記実施の形態では、口金ピン21がガラスバルブ10の管軸に対し交差する方向に立設されてなる、所謂、シームレス・タイプの蛍光ランプを一例として説明したが、本発明はこれに限定されず、管軸方向に口金ピンが立設されるタイプの蛍光ランプに対して採用することもできる。この場合においても、ガラスバルブの端部も明るく光り、また、量産性、外観品質および強度等の観点から優れたものとすることができる。
【0070】
また、上記実施の形態では、直管形の蛍光ランプ1を一例として用いたが、円環型の蛍光ランプに対して本発明を適用することももちろん可能である。円環型の蛍光ランプに対して本発明を採用する場合にも、管の一方の端部と他方の端部との接近箇所間における非発光領域を少なくすることができ、また、管の端部における輝度低下という問題を生じず、装飾性という観点から優れることになる。
【0071】
また、上記実施の形態では、ボタン型のステム32を採用したが、本発明は、必ずしもボタン型ステムを採用する必要はなく、バルブの外径よりも小径なフレア型のステムを採用することもできる。なお、この場合においても、端壁10b,10cを形成し、その内面にも蛍光体層12を形成すればよい。
【0072】
また、上記実施の形態では、ステム32の内壁には蛍光体層を形成しないこととしている。これにより、ステム封止をした後に、電極33とガラスバルブ10の内面とが接触していないことを外部から目視確認できるという優位性を有する。一方、本発明に係る蛍光ランプでは、ステム32の内壁にも蛍光体層を形成する、という構成を採用することも可能である。この場合には、ステム32の内面にも蛍光体層を形成した分だけ、輝度向上を図ることができるという効果が得られる。
【0073】
また、上記実施の形態では、蛍光体層12の構成材料として上記蛍光体材料を採用したが、本発明は、これに限定を受けるものではない。一般的に蛍光ランプの形成において用いられている蛍光体材料に適宜変更することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明は、バルブの端部から端部まで輝度むらが少なく、複数を直列配置する際にも隣り合う蛍光ランプ同士の間の非発光領域が少ない装飾性に優れる蛍光ランプおよび照明装置を実現するのに有効な技術的思想である。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】実施の形態に係る蛍光ランプ1の外観斜視図である。
【図2】(a)は、蛍光ランプ1の端部を示す断面図であり、(b)は、蛍光ランプ1の端部を示す平面図である。
【図3】蛍光ランプ1をソケット501に装着する状態を示す模式側面図である。
【図4】蛍光ランプ1の製造過程を示す工程図である。
【図5】蛍光ランプ1の製造過程を示す工程図である。
【図6】従来技術に係る蛍光ランプの端部構造を示す断面図である。
【図7】従来技術に係る蛍光ランプの製造過程の一部工程を示す工程図である。
【符号の説明】
【0076】
1.蛍光ランプ
10.ガラスバルブ
11.ガラス管
12.蛍光体層
20.口金
21.口金ピン
22.排気管
30.ボタンステム
31.リード
32.ステム
33.電極
100,101,102,103,105.管半製品
500.器具ベース
501.ソケット
601.加熱バーナー
602.成型ローラー
603.ローラー加熱バーナー
604.グレージングバーナー
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内面に蛍光体層を有するとともに、両端に端壁を有するガラス製のバルブと、
前記バルブの両端の端壁に溶着され、前記バルブの外径よりも小径なステムとを備え、
前記ステムには、その厚み方向にリードが挿通されており、前記リードの前記バルブ内に位置する一方の端部には、電極が接続されており、
前記蛍光体層は、前記端壁における前記ステムが溶着された部分の周囲部分に形成されている
ことを特徴とする蛍光ランプ。
【請求項2】
前記バルブは、円環状断面を有しており、
前記ステムは、前記バルブ外径よりも小径な円形をしており、
前記バルブに対する前記ステムの径の比率は、0.4以上0.7以下である
ことを特徴とする請求項1に記載の蛍光ランプ。
【請求項3】
前記バルブに対する前記ステムの径の比率は、0.5以上0.6以下である
ことを特徴とする請求項2に記載の蛍光ランプ。
【請求項4】
前記ステムは、ガラス材料からなり、平板状の外観形状を有する
ことを特徴とする請求項2または3に記載の蛍光ランプ。
【請求項5】
前記リードの前記バルブの外に延出された他方の端部には、前記バルブの管軸に対して交差する方向に向けて立設された口金ピンに接続されている
ことを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の蛍光ランプ。
【請求項6】
請求項1から5の何れかの蛍光ランプと、
前記蛍光ランプの装着を受け入れる器具とを有する
ことを特徴とする照明装置。
【請求項7】
前記器具では、複数の前記蛍光ランプの装着を、その長さ方向に直列配置した状態で受け入れ自在となっている
ことを特徴とする請求項6に記載の照明装置。
【請求項1】
内面に蛍光体層を有するとともに、両端に端壁を有するガラス製のバルブと、
前記バルブの両端の端壁に溶着され、前記バルブの外径よりも小径なステムとを備え、
前記ステムには、その厚み方向にリードが挿通されており、前記リードの前記バルブ内に位置する一方の端部には、電極が接続されており、
前記蛍光体層は、前記端壁における前記ステムが溶着された部分の周囲部分に形成されている
ことを特徴とする蛍光ランプ。
【請求項2】
前記バルブは、円環状断面を有しており、
前記ステムは、前記バルブ外径よりも小径な円形をしており、
前記バルブに対する前記ステムの径の比率は、0.4以上0.7以下である
ことを特徴とする請求項1に記載の蛍光ランプ。
【請求項3】
前記バルブに対する前記ステムの径の比率は、0.5以上0.6以下である
ことを特徴とする請求項2に記載の蛍光ランプ。
【請求項4】
前記ステムは、ガラス材料からなり、平板状の外観形状を有する
ことを特徴とする請求項2または3に記載の蛍光ランプ。
【請求項5】
前記リードの前記バルブの外に延出された他方の端部には、前記バルブの管軸に対して交差する方向に向けて立設された口金ピンに接続されている
ことを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の蛍光ランプ。
【請求項6】
請求項1から5の何れかの蛍光ランプと、
前記蛍光ランプの装着を受け入れる器具とを有する
ことを特徴とする照明装置。
【請求項7】
前記器具では、複数の前記蛍光ランプの装着を、その長さ方向に直列配置した状態で受け入れ自在となっている
ことを特徴とする請求項6に記載の照明装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【公開番号】特開2009−187884(P2009−187884A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−28992(P2008−28992)
【出願日】平成20年2月8日(2008.2.8)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年2月8日(2008.2.8)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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