説明

蛍光体フィルム、照明装置、及び、これを有する表示装置

【課題】 導光板の設計に大きな影響を与えず、蛍光体を用いて長寿命で効率の良く、広い色再現範囲を持った照明装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 蛍光体粒子と蛍光体粒子を被覆して内部に閉じ込める非通水性材料とから形成される蛍光体ビーズと、前記蛍光体ビーズを保持する高分子フィルムとから蛍光体フィルムを構成した。本発明の照明装置は、前記蛍光体ビーズまたは蛍光体フィルムを前記導光板の光照射面または前記導光板の裏面または前記導光板の光入射面の少なくとも1箇所以上に配置した構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源からの光を波長変換する蛍光体ビーズまたは蛍光体フィルムと、それを用いた携帯情報機器や携帯電話などに用いられる液晶表示装置、液晶表示装置の中でも特に液晶表示素子を照射するフロントライトやバックライトなどの照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の携帯電話やモバイルコンピュータなどに用いられる表示装置としては、高精細カラー画像が少ない消費電力で得られる液晶表示装置が多く用いられている。これらの液晶表示装置に用いられる液晶素子を照明するため、高輝度の白色LEDを用いた光源が照明装置用光源として用いられるようになっている。
【0003】
特に携帯電話においては、開口が大きく明るい反射型液晶表示装置や、表裏両面から画像情報を表示することが可能な両面可視型液晶表示装置が用いられている。これらの表示装置の照明に用いられている白色LEDは、青色LEDの発光面の直前に樹脂中に分散させた緑色蛍光体または黄色蛍光体を配して、その結果得られる緑色光または黄色光と元の青色光とを混色させて白色光を得る構造としたものが一般的である。
【0004】
図15は従来の白色LEDの色再現範囲を説明するXY色度図である。図中RGBで示される点を結んだ色三角形はカラーCRTのものである。これらRGB画素の輝度を調節することによって、この色三角形の内部に存在する色を全て表現することができる。このカラーCRTの色三角形の面積を100%として、CRT以外のカラー表示装置が有する色三角形の面積の大きさをNTSC比として定義されており、色再現性の指標となっている。従来の白色LEDは、励起光の青色LEDのみの色度座標101と波長変換で得られる黄色光のみの色度座標102とを結ぶ直線上でのみしか色再現ができないために、色再現範囲は極めて狭かった。もちろん、黄色蛍光体は黄色以外にも緑色光成分や赤色光成分も波長変換によって生じるために、彩度は低いが赤色や緑色の色表現も可能である。蛍光体としては希土類元素を添加したイットリウムアルミニウムガーネットなどの酸化物蛍光体やカルコゲナイド化合物が多く用いられている。
【0005】
一方、上記従来の白色LEDでの蛍光体の用い方では蛍光体に照射される光強度が強いために、その光劣化を防ぐことを目的として導光板の裏面に蛍光体を所定の形成密度で塗布形成したものが開示されている(例えば、特許文献1を参照)。
【0006】
さらにまた、上記特許文献に開示されている方法に比べて、より少ない面積で蛍光体を用いて波長変換を行なうために、青色LEDと導光板の光入射面との間に層状の波長変換体を設けたものが開示されている(例えば、特許文献2を参照)。
【特許文献1】特開平7−176794号公報(第2頁、第1図)
【特許文献2】特開平10−269822号公報(第3項、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の酸化物蛍光体は光変換効率が低いという課題を有していた。この課題を解決するため、光変換効率の高い硫化物やセレン化物やテルル化物などのいわゆるカルコゲナイド化合物を用いる場合は、これらの蛍光体の耐湿性が悪いために蛍光体の長寿命化が困難であるという新規の課題を有していた。
【0008】
また、従来の青色LEDと緑色蛍光体または黄色蛍光体を組み合わせて白色光を得る従来の照明装置においては、赤色の発光強度が弱くなるために色再現範囲が狭いという課題を有していた。
【0009】
また、蛍光体を導光板の裏面に塗布した従来の照明装置においては、導光板内部の光強度の分布に合わせて塗布濃度を合わせこまなければならないために、導光板の仕様が変更する度に塗布条件を合わせこまなければならないという課題を有していた。さらにまた、導光板の裏面に蛍光体を塗布することによって、導光板内部での光伝播特性が変化するため導光板設計が困難になるという課題を有していた。
【0010】
さらにまた、光源と導光板の光入射面との間に層状の波長変換体を配した従来の照明装置においては、光源とその波長変換体との距離が近接しているために波長変換体に照射される光強度の分布が大きく、混色性が悪いという課題を有していた。
【0011】
そこで、本発明は、導光体の設計に大きな影響を与えず、効率が高く長寿命で広い色再現範囲を持った蛍光体フィルムと照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため本発明の蛍光体フィルムは、蛍光体粒子の表面を疎水性材料で被覆して形成された蛍光体ビーズと、蛍光体ビーズを保持する高分子フィルムを用いて構成されている。このとき、蛍光体ビーズを高分子フィルムの内部に分散してもよいし、結合剤を介して高分子フィルム上に保持してもよい。このとき、蛍光体ビーズは高分子フィルム上に互いに重ならないように単層で設けることもできる。さらに、蛍光体を含有しない透光性ビーズを所定の割合で混合することとした。また、蛍光体粒子と発光波長が異なる第二蛍光体の表面を疎水性材料で被覆して形成された第二蛍光体ビーズを所定の割合で混合されることもできる。
【0013】
また、本発明の照明装置は、光源と、光源からの光を伝播して平面状に照射する導光板と、蛍光体粒子の表面を疎水性材料で被覆して形成された蛍光体ビーズと、蛍光体ビーズを保持する母材を備える蛍光体層とを有するとともに、蛍光体層が、導光板の光照射面、導光板の裏面、導光板の光入射面のうち、少なくとも1箇所に配置されている。
【0014】
蛍光体層は、導光板の光出射面上に蛍光体ビーズを分散させた母材を印刷して形成することができる。また、母材中に分散された蛍光体ビーズの面積密度は、光源の輻射強度分布に反比例するように設けられている。
【0015】
ここで、蛍光体層には、蛍光体粒子と発光波長が異なる第二蛍光体の表面を疎水性材料で被覆して形成された第二蛍光体ビーズが所定の割合で混合することとした。
【0016】
また、光源として青色光源を用い、蛍光体層を、青色光を赤色光に変換する赤色蛍光体層と、青色光を緑色光に変換する緑色蛍光体層を用いて構成することとした。
【0017】
あるいは、光源として青色光源を用い、緑色蛍光体層と赤色蛍光体層を導光板の裏面と光出射面の少なくとも一方に設け、導光板の裏面または光出射面に導光板の内部を伝播する光を表面に照射するためのホログラムを設けることとした。
【0018】
あるいは、光源として紫外線光源と青色光源を用い、蛍光体層を、紫外光を緑色光に変換する緑色蛍光体フィルムと、紫外光を赤色光に変換する赤色蛍光体フィルムを用いて構成することとした。
【0019】
また、蛍光体ビーズと第二蛍光体ビーズのうち、波長の短い光を発光する蛍光体ビーズが他方の蛍光体ビーズより光源側に配置することとした。
【0020】
さらに、光源からの光を伝播し線状に照射する光パイプを導光板の光入射面側に備え、光パイプ中に、蛍光体粒子の表面を疎水性材料で被覆して形成された蛍光体ビーズと、この蛍光体粒子と発光波長が異なる第二蛍光体の表面を疎水性材料で被覆して形成された第二蛍光体ビーズとを、所定の割合で分散することとした。
【0021】
あるいは、光源からの光を伝播し線状に照射する光パイプを導光板の光入射面側に備え、光パイプ中には蛍光体粒子の表面を疎水性材料で被覆して形成された蛍光体ビーズが分散され、光パイプと導光板の光入射面との間に、蛍光体粒子と発光波長が異なる第二蛍光体の表面を疎水性材料で被覆して形成された第二蛍光体ビーズを含んだ蛍光体フィルムが設けられた構成とした。
【0022】
さらに、本発明の表示装置は、非自発光型の表示素子と、この表示素子を照明するために前述のいずれかの構成の照明装置を備えることとした。
【発明の効果】
【0023】
本発明の液晶表示装置は、長寿命で色再現領域が広く光利用効率の高い照明装置を有する液晶表示装置とすることができるために、平面を照明するための良好なカラー液晶表示装置とすることができるという効果を有する。また、発光効率の高いカルコゲナイド系蛍光体を劣化することなく用いることができるために、高輝度で長寿妙な液晶表示装置が実現できる。また、本発明の液晶表示装置を用いることによって、素子の色再現性が向上し、より高鮮明なカラー液晶表示装置を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明の蛍光体フィルムは、蛍光体粒子とこの蛍光体粒子を被覆して内部に閉じ込める非通水性材料とから形成される蛍光体ビーズと、蛍光体ビーズを保持する高分子フィルムを用いて構成されている。
【0025】
そして、高分子フィルム上に蛍光体ビーズを保持する方法として、蛍光体ビーズを透明高分子母材内部に分散して透明高分子母材をフィルム化するか、または高分子結合剤または無機結合剤を介して高分子フィルム上に塗布形成する。このようにして、蛍光体粒子としてカルコゲナイド化合物を用いても、水分による劣化が少なく長寿命の蛍光体フィルムを実現することができた。
【0026】
蛍光体ビーズ中に含まれる蛍光体粒子の個数は1つでも良いし、2つ以上複数の粒子であっても良い。蛍光体ビーズに含まれる蛍光体粒子の個数が1つの場合は、蛍光体粒子の平均粒径は5nmから50μm程度のものを用いることができるが、蛍光体ビーズ中に複数の蛍光体粒子を混合する場合は、蛍光体の平均粒径の最大値を蛍光体ビーズ粒径の1/5程度以下とするのが好ましい。
【0027】
また、本発明の照明装置は、光源と、光源からの光を伝播して平面状に照射する導光板を備えており、前述のいずれかの構成の蛍光体層が、導光板の光照射面、導光板の裏面、導光板の光入射面のうち、少なくとも1箇所に配置されている。
【0028】
そして、光源として青色光源と緑色光源を用い、青色光を赤色光に変換する赤色蛍光体層と、青色光を緑色光に変換する緑色蛍光体層とを各々空間的に分離して形成した。さらに、2種類の蛍光体層のうち、波長の短い光を発光する蛍光体層を、より光源側に配置した。これら蛍光体層には各々の蛍光体粒子を非通水性材料で覆って形成した蛍光体ビーズが保持されている。このような構成によって、導光板の伝播特性を変えることなく、効率の良い波長変換を行なうことが可能になった。また、蛍光体ビーズまたは蛍光体フィルムを空間的に分離して配置することによって、より波長変換効率の悪い蛍光体を光源の近くに配置することができ、結果として各色に対する色変換効率を最大化することが可能となった。
【0029】
また、光源として紫外線光源と青色光源を用い、蛍光体層を、紫外光を緑色光に変換する緑色蛍光体層と、紫外光を赤色光に変換する赤色蛍光体層で構成とした。これら緑色蛍光体層および赤色蛍光体層には各々緑色蛍光体粒子および赤色蛍光体粒子を非通水性材料で覆って形成した緑色蛍光体ビーズおよび赤色蛍光体ビーズが保持されている。このような構成によって、発光効率の高い緑色発光と赤色発光を実現し、これを青色光と混色することによって色再現範囲の広い照明装置とすることができた。
【0030】
また、蛍光体層は、透明な基材上に高分子結合材または無機結合材に蛍光体ビーズを分散させた発光層を印刷または塗布して形成した。そして、蛍光体印刷層または塗布層は、高分子母材に第一蛍光体ビーズと第二蛍光体ビーズを混合分散させて形成した。これによって、蛍光体層を1層だけ用いて多色への波長変換を可能とすることができた。
【0031】
また、蛍光体を含まない透光性ビーズを所定の割合で第一蛍光体ビーズと第二蛍光体ビーズに混合したものを、高分子結合剤または無機結合剤等の結合剤を用いて透明フィルム上におよそ単層で形成した。このような構成により、光源の青色発光を蛍光体に影響されずに光出射面へ導くことが可能となった。なお、このとき、互いの蛍光体が形成されている領域を充分小さく、かつ近接させることができるために混色特性を改善し、色むらのない波長変換を可能とした。
【0032】
さらに、蛍光体ビーズの面積密度を必要とする光強度に比例して設計するようにした。このことによって、一様な色混合比を持った照明装置とすることができた。
【0033】
一方、蛍光体ビーズを用いる別の方法として、光源からの光を伝播し線状に上記導光板の光入射面に照射する光パイプ中に、第一蛍光体ビーズと第二蛍光体ビーズとを所定の割合で混合分散させて、光パイプ内で波長変換と混色を同時に行なった。光パイプ内に蛍光体を混合分散させることによって、均一で強い光強度内での波長変換が可能となり、波長変換効率を向上させることが可能となった。また、光パイプ内では、光源からの光が多重反射を繰り返して均一な光強度を形成するために、光の混色性も向上させることが可能となった。
【0034】
さらに、蛍光体フィルムと光パイプを併用する構成とした。これは、光源からの光を伝播し線状にして導光板の光入射面に照射する光パイプ中に第一蛍光体ビーズを分散させ、光パイプと導光板の光入射面との間に第二蛍光体ビーズを印刷または塗布した蛍光体フィルムを配した構造である。これによって、光パイプ内への蛍光体の分散を均一に行なうことが可能となり、より均一な色変換が可能となった。また、蛍光体層に照射される光強度も一様となるために、蛍光体層も蛍光体を一様に塗布することが可能となり、その作製が容易となった。
【0035】
また、導光板の光出射面に直接第一蛍光体ビーズと第二蛍光体ビーズを配することもできる。そして、このようにすることで、本発明の照明装置の構成要素を減らすことが可能となる。
【0036】
また、本発明の表示装置は、上述の構成のうちいずれか一つの照明装置と、照明装置の光照射面側に設けられた非自発光型の表示素子を備えている。
【0037】
以下に本発明の実施例を、図面を用いて具体的に説明する。
【実施例1】
【0038】
図1は本実施例の蛍光体フィルムの構成を模式的に示す断面図である。図示するように蛍光体ビーズ1は透明母材2中に混合分散されている。蛍光体ビーズ1は、蛍光体粒子4が非通水性材料3によって被覆されて略球形に形成されている。このとき、透明母材2はフィルム形状になっている。非通水性材料3としては、シリコン樹脂やシクロオレフィン系樹脂などの高分子材料や二酸化ケイ素やガラスなどの無機材料を用いることができる。非通水性材料3として前述の無機材料を用いる場合は、良く知られているゾルゲル法を用いて蛍光体粒子4の周りに無機材料を成長させることによって形成できる。透明母材2としては、アクリル樹脂、シリコン樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、シクロオレフィン樹脂などの高分子材料や二酸化ケイ素などの無機材料を用いることができる。透明母材2として二酸化ケイ素などの無機材料を用いる場合は、シリカゾルに蛍光体ビーズ1を混合分散させて平板上に塗布し、その後加熱して硬化させることによって得られることができる。蛍光体粒子としては、希土類元素を含有したYAG蛍光体微粒子やカルコゲナイド化合物蛍光体微粒子を用いることができる。特に、カルコゲナイド蛍光体微粒子は発光効率が高いが、吸湿性が大きく、吸湿によって特性が劣化するものが多くある。本発明に示したように、カルコゲナイド蛍光体微粒子を非通水性材料で被覆してビーズ中に含有させることによって、この吸湿による劣化がなくなり、長寿命化を実現することができた。
【0039】
本実施例においては、蛍光体ビーズ1中には多数の蛍光体粒子4が混合されている。蛍光体粒子4の平均粒径としては、5nm〜10μmであり、ビーズの径に比較して十分小さな径を有している。具体的には、ビーズ径の1/5程度以下の粒径であることが好ましい。これよりも粒径が大きくなると、蛍光体粒子の一部がビーズからはみ出て吸湿劣化を起こす場合があるため好ましくない。
【0040】
青色光により励起されて赤色光を発光する赤色蛍光体粒子を非通水性材料で被覆して形成した赤色ビーズと、青色光により励起されて緑色光を発光する緑色蛍光体粒子を非通水性材料で被覆した緑色蛍光体ビーズを所定の割合で混合して図1に示す蛍光体フィルムを作製することによって、この蛍光体フィルムに青色光を照射することによって目的の色度を持った発光色を得ることが可能となる。この発光色による色再現範囲は、用いる赤色蛍光体粒子と緑色蛍光体粒子の材料や、これらの混合比率や、各々の蛍光体粒子の混合濃度や、各々の蛍光体粒子の平均粒径、および照射する青色光の濃度を調節することによって任意に制御することが可能となる。
【実施例2】
【0041】
図2に本実施例の蛍光体フィルムの断面構成を模式的に示す。本実施例が実施例1と異なるところは、蛍光体粒子4の1つ1つが非通水性材料3によって被覆されていることである。この場合も、実施例1と同様の蛍光体粒子と非通水性材料を用いることができる。蛍光体粒子4を1つ1つ非通水性材料3で被覆することによって、蛍光体ビーズ1を形成するときに平均粒径が50μm程度の大きな蛍光体粒子を用いることが可能となる。市販されている多くの蛍光体粒子の最大粒径は10〜50μm程度であるため、本実施例の蛍光体ビーズを用いることによって蛍光体粒子の材料を選択する自由度が大きくなり、発光色の設計がし易くなる。
【0042】
また、本実施例で示す構造の蛍光体ビーズ1とすることによって、非通水性材料3の被覆厚を任意に制御することが可能となる上に蛍光体粒子を非通水性材料で完全に被覆することができるために、蛍光体粒子の持つ発光特性の長寿命化を図ることができる。
【0043】
実施例1と同様に、青色光で赤色の蛍光を発する赤色蛍光体粒子を非通水性材料で被覆して形成した赤色蛍光体ビーズと、青色光で緑色の蛍光を発する緑色蛍光体粒子を非通水性材料で被覆した緑色蛍光体ビーズを所定の割合で混合して図2に示す蛍光体フィルムを作製することによって、この蛍光体フィルムに青色光を照射することによって目的の色度を持った発光色を得ることが可能となる。この発光色による色再現範囲は、用いる赤色蛍光体粒子と緑色蛍光体粒子の材料や、蛍光体ビーズの混合比率や、各々の蛍光体粒子の平均粒径、および照射する青色光の濃度を調節することによって任意に制御することが可能となる。
【実施例3】
【0044】
次に本実施例に係わる蛍光体フィルムの断面図を図3に模式的に示す。本実施例においては、前述の実施例で説明した赤色蛍光体ビーズ6と緑色蛍光体ビーズ7と一緒に、内部に蛍光体を含まない透光性ビーズ8が結合剤9によって透明フィルム10上に単層結合して混在している。これらの蛍光体ビーズの混合割合は、混色によって得ようとする発光色の色度によって調整するのは実施例1や実施例2の場合と同様である。透光性ビーズ8はスチレン樹脂やアクリル樹脂などの高分子樹脂や、二酸化珪素やガラスなどの無機材料を用いたゾルゲル法で作製することができる。
【0045】
本実施例の蛍光体フィルムは、例えば、ポリエチレン樹脂、アクリル樹脂またはシクロオレフィン系樹脂で形成した透明フィルム10上に、印刷、ロールコーター、またはドクターブレードなどを用いて紫外線硬化型接着剤を結合剤9として塗布することで作製される。紫外線硬化型接着剤の塗布厚みは、蛍光体ビーズや透光性ビーズの平均粒径よりも薄くするのが好ましい。このようにして塗布した紫外線硬化型接着剤に紫外線を所定の時間照射して仮硬化する。その後、所定の割合で充分混合した赤色蛍光体ビーズ6と緑色蛍光体ビーズ7と透光性ビーズ8とをスキージなどを用いて表面にほぼ単層展開されるように押し付けて紫外線硬化型接着剤の中に埋め込み、その後再度紫外線を照射すると同時に加熱して埋め込んだビーズを固定する。
【0046】
結合剤9としては、透光性のものであれば、紫外線硬化型接着剤以外にも通常の熱硬化型接着剤や自然硬化型接着剤や粘着材などを用いることができる。
【0047】
この透光性ビーズ8を赤色蛍光体ビーズ6や緑色蛍光体ビーズ7と混合して用いることによって、透光性ビーズ8を透過した励起光である青色光を直接照明光として用いることができるために、青色光の色純度を高めることができる。また、透光性ビーズ8を赤色蛍光体ビーズ6や緑色蛍光体ビーズ7と一緒に混合することによって、透明フィルム10の上に空き領域を作らず一様にビーズを固定することが可能となり、色むらの少ない蛍光体フィルムが実現できた。
【実施例4】
【0048】
図4に本実施例の照明装置の断面を模式的に示す。光源11から出射された青色光は、導光板12の内部を伝播してその裏面に形成された微小プリズム群で偏向または屈折されて光路を変え、一部は裏面から抜けて光反射板13で反射されてから、また一部は導光板12の光出射面から直接に出射する。ここで、導光板12の光出射面には蛍光体ビーズ1が塗布されている。このように、導光板12の光出射面の表面には、実施例3と同様に結合剤によって蛍光体ビーズ1が固定されている。この蛍光体ビーズ1は、赤色蛍光体ビーズと緑色蛍光体ビーズと透光性ビーズとが混合されたものとなっている。従って、導光板12の光出射面から出て赤色蛍光体ビーズを透過した青色光はその一部が内部の赤色蛍光体によって波長変換されて赤色光を発する。また、導光板12の光出射面から出て緑色蛍光体ビーズを透過した青色光はその一部が内部の緑色蛍光体によって波長変換されて緑色光を発する。一方、透光性ビーズを透過した青色光はそのまま出射される。このようにして、所望の色座標を持った照明光を生成することが可能となる。
【0049】
この実施例における照射光の色変換に関する作用は実施例3で示したものと同様となるが、この実施例では蛍光体ビーズを導光板の光出射面に直接形成するために、後で説明する他の照明装置の実施例と比較して部品点数を削減することが可能となる。
【0050】
図16にこの照明装置を有する液晶表示装置の断面を模式的に示す。照明装置31の上部には拡散シート27、プリズムシート28、29、液晶パネル34が設けられている。また、照明装置31の下部には反射シート32が配してあり、全体を筐体30で固定している。
【実施例5】
【0051】
図5は本実施例の照明装置の構成を模式的に示す断面図である。導光板12の光入射面と光源11の間に第一蛍光体フィルム14が設けられ、導光板12と反射板13の間に第二蛍光体フィルム15が設けられている。光源11は青色LEDであり、導光板12の光入射面に通常2つ以上配されている。また、導光板12は、アクリル樹脂やポリカーボネート樹脂やシクロオレフィン系樹脂などの透明高分子で形成されており、光源11からの光を光入射面から取り込んで内部に伝播する。一般に、導光板12の光出射面または裏面には微細なプリズム群や散乱構造体が形成されており、光出射面から面上の均一な光を照射する。図5に示す実施例では、導光板12の裏面には微細なプリズム群が形成されており、内部を伝播する光を所定の割合で裏面に照射し、この裏面から照射された光は反射板13で反射されて再び導光板12を透過して、導光板12の光出射面から照射される。反射板13としては、高分子基材上にAlやAgまたはAgとPdとの合金などを蒸着した反射層を形成したものや、内部に反射率の高い白色顔料を混合した透明高分子基材などを用いることができる。
【0052】
第一蛍光体フィルム14と第二蛍光体フィルム15は、各々異なった発光色を持った蛍光体ビーズのみが表面に塗布または内部に混合された透明フィルムである。励起波長が同一の場合、波長変換して得られる光の波長が長くなるほど波長変換効率は低下する。従って、同じ光強度の変換光を得ようとすると、変換波長が長くなるほど照射光強度を大きくする必要がある。従って、赤色蛍光体フィルムを光源11の近傍に配することにより、青色光を赤色光に効率良く変換することができる。また、導光板12を形成する透明高分子材料の赤色光に対する吸収係数は、緑色光や青色光に比較して少ないため、変換後の光路が長くなっても照射されるまでの損失を少なくすることができる。一方、青色光から緑色光に波長変換する緑色蛍光体は波長変換効率が良いため、第二蛍光体フィルム15として用いて導光板12の裏面の均一な光照射の下で波長変換を行なう。
【0053】
本実施例の蛍光体フィルムの具体的な構成としては、実施例1〜3で説明したものを用いることができる。ただし、本実施例では、第一蛍光体フィルム14には赤色蛍光体ビーズのみ、または赤色蛍光体ビーズと透光性ビーズとを所定の割合で混合したものである。また、第二蛍光体フィルム15には緑色蛍光体ビーズのみ、または緑色蛍光体ビーズと透光性ビーズとを所定の割合で混合したものである。
【0054】
図11、図12は蛍光体フィルムを詳細に説明した図である。図11では、蛍光体ビーズ17は透明フィルム18上に単層形成されている。この場合、図5に示した第一蛍光体フィルム14のように光源11と導光板12の入射面との間に配置することや第二蛍光体フィルム15のように反射板13の上に配置することが可能となる。一方、図12では蛍光体ビーズ17が反射板13上に直接配置されており、この構造を用いることで図5に示した第二蛍光体フィルム15と反射板13を同一部品とすることが可能になり、照明装置の部品点数を削減することが可能となる。
【0055】
図14に本発明の照明装置の色再現範囲を説明するためのXY色度図を示す。本発明の照明装置は、光源からの青色光による色座標24と、緑色光による色座標25と、赤色光による色座標26が色三角形を形成し、これらの混色によってこの色三角形内部の色を任意に表現することができる。この色三角形は、一般のカラーCRTの色三角形103よりは小さいが、従来の白色LEDを用いた照明装置の色三角形よりも十分大きく、色再現範囲が広がっている。
【0056】
なお、本実施例で説明する照明装置の構成として、照明光の輝度分布や放射角を制御するために、導光板2の光出射面上に光拡散板やプリズムシートなどを配する場合が多いことは言うまでもない。
【実施例6】
【0057】
図6に本実施例の照明装置の構成を模式的に示す。本実施例では、第一蛍光体フィルム14を導光板12の裏面に、第二蛍光体フィルム15を導光板12の表面に配した。光源11には発光波長460nmの青色LEDを用いた。そして、第一蛍光体フィルム14には赤色蛍光体粒子として発光波長615nmの硫化物系赤色蛍光体ビーズを、第二蛍光体フィルム15には緑色蛍光体粒子として発光波長522nmの酸化物系緑色蛍光体ビーズを用いた。このような構成によって、色表現領域の広い照明装置とすることが可能となった。また、第一蛍光体フィルム14を通過する青色光は導光板12側からの照射光と反射板13側からの反射光で2回利用されるために、1回だけ青色光を波長変換する場合に比べて第一蛍光体フィルム14に含有させる蛍光体ビーズ濃度を半分にすることができる。
【0058】
また、本実施例では導光板12の内部を伝播する光は実質的に青色光だけとなるため、光出射面から照射するための導光板12の構造設計を容易にすることができる。これにより、照明効率が向上すると共に設計納期が短縮できる。さらに、導光板12内部を伝播する光を外部に取り出して照射する手段として、導光板12の光出射面または裏面に微細プリズム群や微細散乱構造体を用いる以外に、ホログラムを用いることが可能となる。このホログラムとしては、二光束干渉縞によって得たパターンをリソグラフィーによって転写したり、リップマン型ホログラムなどの計算機ホログラムをリソグラフィーによって形成したりすることによって容易に作製することができる。また、第一蛍光体フィルム14を反射板13の反射面に直接形成することもできる。
【実施例7】
【0059】
図7に本実施例の照明装置の断面構成を模式的に示す。本実施例が実施例6と異なる点は、第一蛍光体フィルム14と第二蛍光体フィルム15が両方とも導光板12の光出射面側に配されていることである。導光板12の光出射光は光強度分布が70%以上の均一性を有しているために、このような配置にすることによって第一蛍光体フィルム14および第二蛍光体フィルム15による波長変換によって得られた発光を均一にし、混色性を向上させることができた。さらに、赤色蛍光体ビーズを有する第一蛍光体フィルム14と、緑色蛍光体を有する第二蛍光体フィルム15を用いることによって、波長変換効率を向上させることができた。
【実施例8】
【0060】
図8に本実施例の照明装置の断面構成を模式的に示す。本実施例では、第一蛍光体フィルム14と第二蛍光体フィルム15を光源11と導光板12の光入射面との間に配した。この場合も、第一蛍光体フィルム14に赤色蛍光体ビーズを、第二蛍光体フィルム15に緑色蛍光体ビーズを用いることによって、波長変換効率を向上させることができた。
【0061】
また、この場合、第一蛍光体フィルム14と第二蛍光体フィルム15とは光源11に近いために、これら蛍光体層に照射される光強度分布が大きくなる。そのため、これら蛍光体層で波長変換されて発光する光強度は、励起光の強度が大きな部分が強くなるために導光板内部で混色されるときに色むらが発生してしまう。そこで、励起光の光照射強度が大きな部分は蛍光体層に塗布する蛍光体ビーズ濃度を薄く、励起光の光照射強度が小さな部分は蛍光体層に塗布する蛍光体ビーズ濃度を濃くして、励起光と波長変換で得られた発光光との比がほぼ一定になるようにした。
【0062】
そして、光源11には近紫外光を発光する紫外線LEDと青色光を発光する青色LEDを近接して配した光源を用いることができる。例えばGaNなどの材料で形成した紫外線LEDは発光波長365nmであり、蛍光体に対する励起エネルギーが高いために高効率の波長変換を行なうことができる。しかしながら、紫外線は導光板12を構成する高分子材料などの照明装置の構成部材によって大きな吸収を受けるために、紫外線を導光板12内に伝播させて広い領域で均一に蛍光体を励起することは好ましくない。従って、図8に示すように紫外線LEDと導光板12の間隙に蛍光体層を配置して、導光板内では変換後の可視光を伝播させて用いると効率が良い。また、このとき、蛍光体ビーズを構成する非通水性材料として紫外線吸収の少ない二酸化ケイ素を用いることによって紫外線の利用効率を向上させることができる。
【0063】
図13は光源を3つ並列に並べて配置した場合の、第一蛍光体フィルム14および第二蛍光体フィルム15に塗布する蛍光体ビーズの濃度分布を模式的に示した平面図である。図13において、領域19、20、21の順に蛍光体ビーズの濃度が高くなっている。領域19は光源の輝度中心に対応しており照射光強度が最も強く、この輝度中心から離れるに従って照射光強度が弱くなる。蛍光体は一般に照射光強度が強いほど波長変換効率が高くなり変換光成分が多くなる。従って、このように光源の輝度中心から遠ざかるにつれて蛍光体ビーズの濃度を大きくすることによって一様な色分布の照明光を得ることが可能となる。このような領域の作製は、スクリーン印刷やオフセット印刷などで各領域に対応した印刷版を用いて蛍光体ビーズ濃度の異なる母材を順次印刷することによって容易に得ることができる。蛍光体ビーズ濃度の異なる母材は、赤色蛍光体ビーズまたは緑色蛍光体ビーズに混合する透光性ビーズの混合割合を調節することによって容易に作製することができる。図13では各光源に対応して領域を19、20、21の3領域に分割したが、より多くの領域に分割した方が色分布を良くすることができる。
【0064】
このように、図8における第一蛍光体フィルム14と第二蛍光体フィルム15に形成する蛍光体ビーズ濃度に分布を設けることによって、色再現性が良く混色も良好な照明装置を得ることができた。
【0065】
なお、紫外線LEDを光源として用いた場合には、照明装置の構成部材である高分子材料の劣化、液晶装置に含まれる液晶成分の劣化を促進させる。さらには、観測者の目にも悪影響を与える。そのため、図8には明示していないが、本実施例では第二蛍光体フィルム15と導光板12の光入射面との間に、紫外線吸収フィルムを挿入した。
【実施例9】
【0066】
図9は本実施例の照明装置の構成を模式的に示す斜視図である。図示するように、二つの青色光源11a、11bを光パイプ16の両側端に配してある。これらの青色光源から出射した光は光パイプ16の内部を伝播して均一化されて、光パイプ16の導光板12との対向面またはその逆面に形成されたプリズムによって偏向され、導光板12の光入射面に一様に照射されて導光板12の内部に導かれる。本実施例では、光パイプ16の中に赤色蛍光体ビーズを混合して、光パイプ16内部で青色光を赤色光に波長変換することとした。これによって、均一な波長変換と混色を実現した。また、光パイプ16の中では青色光は繰り返し反射する上に、光強度が強いために効率の良い波長変換が可能となった。
【0067】
一方、導光板12の裏面には第二蛍光体フィルム15が配されており、緑色蛍光体ビーズがその表面に一様に配されているか、または内部に一様に混合されている。このような構成によって色再現性が良く混色性に優れた照明装置とすることができた。
【実施例10】
【0068】
図10は、本実施例の照明装置の構成を模式的に示す斜視図である。本実施例が実施例9と異なる点は、第二蛍光体フィルム15が光パイプ16と導光板12の光入射面との間に挿入されている点である。実施例9で説明したように、光パイプ16の内部に混合された赤色蛍光体ビーズは、光パイプ16内部の均一で強度の強い青色光によって効率良く青色光を赤色光に波長変換する。また、光パイプ内部で青色光と赤色光とは、充分均一に混色することができる。さらに、光パイプ16から導光板12の光入射面側に出射される光は均一であるために、実施例8とは異なり、緑色蛍光体ビーズは第二蛍光体フィルム15の表面に均一に塗布または内部に混合されていれば良い。また、実施例9に比べて、第二蛍光体フィルム15に照射される光強度が強いために、青色光を緑色光に変換する効率を高くすることができるという特長を持っている。そして、第二蛍光体フィルム15の面積を実施例9に比較して小さくすることができるために、使用する蛍光体の量を減らすことができ、照明装置の製造コストを削減することができる。このようにして、本実施例においても、色再現性が良く、混色性に優れた照明装置を実現することができた。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明による蛍光体フィルムの構成を示す模式的断面図である。
【図2】本発明による蛍光体フィルムの構成を示す模式的断面図である。
【図3】本発明による蛍光体フィルムの構成を示す模式的断面図である。
【図4】本発明による照明装置の構成を示す模式的断面図である。
【図5】本発明による照明装置の構成を示す模式的断面図である。
【図6】本発明による照明装置の構成を示す模式的断面図である。
【図7】本発明による照明装置の構成を示す模式的断面図である。
【図8】本発明による照明装置の構成を示す模式的断面図である。
【図9】本発明による照明装置の構成を示す模式的斜視図である。
【図10】本発明による照明装置の構成を示す模式的斜視図である。
【図11】本発明による照明装置に用いた蛍光体フィルムの構成を示す詳細な断面図である。
【図12】本発明による照明装置に用いた蛍光体フィルムの構成を示す詳細な断面図である。
【図13】本発明による照明装置に用いた蛍光体フィルムの構成を示す模式的平面図である。
【図14】本発明の照明装置の色再現範囲を説明する色度座標図である。
【図15】従来の白色LEDを用いた照明装置の色再現範囲を説明する色度座標図である。
【図16】本発明の照明装置の全体構成を示す模式的断面図である。
【符号の説明】
【0070】
1 蛍光体ビーズ
2 透明母材
3 非通水性材料
4 蛍光体粒子
6 赤色蛍光体ビーズ
7 緑色蛍光体ビーズ
8 透光性ビーズ
9 結合剤
10 透明フィルム
11 光源
11a、11b 青色光源
12 導光板
13 反射板
14 第一蛍光体フィルム
15 第二蛍光体フィルム
16 光パイプ
17 蛍光体ビーズ
18 透明フィルム
19、20、21 領域
24 青色光による色度座標
25 緑色光による色度座標
26 赤色光による色度座標
27 拡散シート
28 プリズムシート
29 プリズムシート
30 筐体
31 導光板
32 反射シート
33 FPC
101 青色LEDのみの色度座標
102 黄色光のみの色度座標
103 カラーCRTの色三角形

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蛍光体粒子の表面を疎水性材料で被覆して形成された蛍光体ビーズと、前記蛍光体ビーズを保持する高分子フィルムを備える蛍光体フィルム。
【請求項2】
前記蛍光体ビーズは、前記高分子フィルムの内部に分散されていることを特徴とする請求項1に記載の蛍光体フィルム。
【請求項3】
前記蛍光体ビーズは結合剤を介して前記高分子フィルム上に保持されたことを特徴とする請求項1または2に記載の蛍光体フィルム。
【請求項4】
前記蛍光体ビーズは前記高分子フィルム上に互いに重ならないように単層で設けられたことを特徴とする請求項3に記載の蛍光体フィルム。
【請求項5】
蛍光体を含有しない透光性ビーズが所定の割合で混合されたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の蛍光体フィルム。
【請求項6】
前記蛍光体粒子と発光波長が異なる第二蛍光体の表面を疎水性材料で被覆して形成された第二蛍光体ビーズが所定の割合で混合されたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の蛍光体フィルム。
【請求項7】
光源と、前記光源からの光を伝播して平面状に照射する導光板を備える照明装置において、
前記請求項1〜6のいずれか一項に記載の蛍光体フィルムが、前記導光板の光照射面、前記導光板の裏面、前記導光板の光入射面のうち、少なくとも1箇所に配置されたことを特徴とする照明装置。
【請求項8】
光源と、
前記光源からの光を伝播して平面状に照射する導光板と、
蛍光体粒子の表面を疎水性材料で被覆して形成された蛍光体ビーズと、前記蛍光体ビーズを保持する母材を備える蛍光体層と、を有するとともに、
前記蛍光体層が、前記導光板の光照射面、前記導光板の裏面、前記導光板の光入射面のうち、少なくとも1箇所に配置されたことを特徴とする照明装置。
【請求項9】
前記蛍光体層は、前記導光板の光出射面上に前記蛍光体ビーズを分散させた母材を印刷してなることを特徴とする請求項8に記載の照明装置。
【請求項10】
前記母材中に分散された前記蛍光体ビーズの面積密度は、前記光源の輻射強度分布に反比例することを特徴とする請求項8または9に記載の照明装置。
【請求項11】
前記蛍光体層には、前記蛍光体粒子と発光波長が異なる第二蛍光体の表面を疎水性材料で被覆して形成された第二蛍光体ビーズが所定の割合で混合されたことを特徴とする請求項8〜10のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項12】
前記光源は青色光源であり、前記蛍光体層は、青色光を赤色光に変換する赤色蛍光体層と、青色光を緑色光に変換する緑色蛍光体層を含むことを特徴とする請求項11に記載の照明装置。
【請求項13】
青色光源を用い、前記緑色蛍光体層と前記赤色蛍光体層は前記導光板の裏面と光出射面の少なくとも一方に設けられ、前記導光板の裏面または光出射面に前記導光板の内部を伝播する光を表面に照射するためのホログラムが設けられたことを特徴とする請求項12に記載の照明装置。
【請求項14】
前記光源は紫外線光源と青色光源であり、前記蛍光体層は、紫外光を緑色光に変換する緑色蛍光体フィルムと、紫外光を赤色光に変換する赤色蛍光体フィルムを含むことを特徴とする請求項11に記載の照明装置。
【請求項15】
前記蛍光体ビーズと前記第二蛍光体ビーズのうち、波長の短い光を発光する蛍光体ビーズが他方の蛍光体ビーズより光源側に配置されたことを特徴とする請求項11に記載の照明装置。
【請求項16】
前記光源からの光を伝播し線状に照射する光パイプを前記導光板の光入射面側に備え、前記光パイプ中に前記蛍光体層を備えるとともに、前記蛍光体層には、前記蛍光体ビーズと、前記蛍光体粒子と発光波長が異なる第二蛍光体の表面を疎水性材料で被覆して形成された第二蛍光体ビーズとが所定の割合で分散されたことを特徴とする請求項8に記載の照明装置。
【請求項17】
前記光源からの光を伝播し線状に照射する光パイプを前記導光板の光入射面側に備え、前記光パイプ中には前記蛍光体ビーズが分散され、前記光パイプと前記導光板の光入射面との間に、前記蛍光体粒子と発光波長が異なる第二蛍光体の表面を疎水性材料で被覆して形成された第二蛍光体ビーズを含んだ蛍光体フィルムが設けられたことを特徴とする請求項8に記載の照明装置。
【請求項18】
非自発光型の表示素子と、前記表示素子を照明するために設けられた請求項7から17のいずれか一項に記載の照明装置と、を備えることを特徴とする表示装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate


【公開番号】特開2006−291064(P2006−291064A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−114516(P2005−114516)
【出願日】平成17年4月12日(2005.4.12)
【出願人】(000002325)セイコーインスツル株式会社 (3,629)
【Fターム(参考)】