説明

蛍光面及び画像表示装置

【課題】 高輝度で駆動した場合においても劣化が少なく、また放電が起こりにくい蛍光面及びこの蛍光面を組み込んだ画像表示装置を提供する。
【解決手段】 無機透明基板7上に配列された、画素に相当する大きさの蛍光体セラミックス片6R、6G、6Bと、蛍光体セラミックス片6R、6G、6Bの表面に形成されたメタルバック層9とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蛍光面及び画像表示装置に関し、例えば電界放出型ディスプレイ装置等の電子線励起型の薄型画像表示装置及びこの画像表示装置に好適な蛍光面に関する。
【背景技術】
【0002】
薄型大画面の表示装置として電界放出型ディスプレイ(FED:フィールドエミッションディスプレイ)等の電子線励起薄型画像表示装置(電子線励起フラットパネルディスプレイ)が開発されている。これらの画像表示装置は、陽極となる蛍光面に対して数ミリメートル以下の近接した位置から電子線を放出することにより、蛍光面を形成する蛍光体を電子線で励起して発光を得るものである。このような画像表示装置においては、個々の画素毎にそれに対応する電子源が設けられている。
【0003】
従来の電子線励起ディスプレイの蛍光面には、粒径が数μmの粉体蛍光体を塗布したものが使用されている。すなわち、ガラス基板上に粉体蛍光体を塗布し、光露光法などによってパターンを形成し、赤色、緑色、青色の各蛍光体についてこの方法を適用することによって三原色の蛍光体パターンを形成するようになされている。これはCRT(陰極線管)においては広く行われていることであり、電子線励起フラットパネルディスプレイにおいても粉体蛍光体を用いて蛍光面を形成している。
【0004】
CRTに好適な蛍光体としては、青色蛍光体として銀付活硫化亜鉛、緑色蛍光体として銅付活硫化亜鉛、赤色蛍光体としてユーロピウム付活酸硫化イットリウムの粉体蛍光体が知られており、電子線励起フラットパネルディスプレイにおいてもこれらの蛍光体が使用されている。しかしながら、硫化亜鉛蛍光体は劣化し易く、ディスプレイの長寿命化を図ることが困難である。また輝度を高くするために励起強度を強くすると輝度飽和が起こり、発光効率が低下する。一方、励起強度を強くして使用する場合又は長寿命化を図る場合には、投射型CRTに好適な、ユーロピウム付活酸化イットリウム、テルビウム付活ケイ酸イットリウム、セリウム付活ケイ酸イットリウムなどの粉体の希土類蛍光体を電子線励起フラットパネルディスプレイ用蛍光体として選択することも考えられる。しかしながら、これらの蛍光体でも強励起下では劣化が大きくなる。
【特許文献1】特開2003−229075
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のように電子線励起フラットパネルディスプレイにおいて、従来の粉体蛍光体を使用した蛍光面では、特に高輝度で表示しようとする場合に劣化が大きくなり、寿命が短くなる。また、特許文献1に開示されているように、電子線励起フラットパネルディスプレイにおいては高輝度を得る目的で加速電圧を上げた場合、陽極と陰極が近接しているために放電が起こり易い。
【0006】
本発明は、このような技術的課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、高輝度で駆動した場合においても劣化が少なく、また放電が起こりにくい蛍光面及びこの蛍光面を組み込んだ画像表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施の形態に係る特徴は、蛍光面において、無機透明基板上に配列された、画素に相当する大きさの蛍光体セラミックス片と、蛍光体セラミックス片の表面に形成されたメタルバック層とを備えることである。
【0008】
また本発明の実施の形態に係る特徴は、画像表示装置において、無機透明基板上に配列された画素に相当する大きさの蛍光体セラミックス片及び蛍光体セラミックス片の表面に形成されたメタルバック層が組み込まれたフェースプレートと、フェースプレートに対して対面配置され、蛍光面の各画素に電子を放出する複数の電子源が配置されたリアプレートとを備えることである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、高輝度で駆動した場合においても劣化が少なく、放電の発生が少ない蛍光面及びこの蛍光面を組み込んだ画像表示装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。以下の図面の記載において、同一の部分には同一の符号を付し、重複する記載は省略する。
【0011】
(実施の形態)
本実施の形態に係る画像表示装置1は、図1に示すように、個々の画素に対向して設けられた電子源2から放出された電子線で蛍光体層6を励起し、この励起により発光した光を無機透明基板(ガラス基板7)を通して電子源2と反対側から見る構成の薄型の画像表示装置であって、画素に相当する大きさの蛍光体セラミックス片6R、6G、6Bを並べることによって蛍光体層6が形成されている。
【0012】
図1に示す画像表示装置1においては、電子を放出するための電界放出型の電子源2がガラス基板3上に設けられているリアプレート4と、電子源2から放出された電子が衝突することにより発光する蛍光体層6がガラス基板7上に設けられているフェースプレート8とが数mmの間隔で対向配置されている。リアプレート4とフェースプレート8との間の空隙は、リアプレート4及びフェースプレート8の周囲設けられた側壁(図示せず)によって気密性が保たれるようになされており、真空状態に維持される。
【0013】
フェースプレート8上に設けられた蛍光体層6のリアプレート4に対向する面部にはメタルバック層としてアルミニウム層9が蒸着されており、蛍光体層6及びアルミニウム層9によって蛍光面を構成している。
【0014】
蛍光体層6においては、ガラス基板7上の画素形成位置に赤色、緑色、青色に発光する各画素の蛍光体セラミックス片6R、6G、6Bがそれぞれ配置及び固定されており、また各蛍光体セラミックス片間には、光反射層11が設けられている。この光反射材11によって蛍光体層6における発光出力(輝度)の向上を図ることができる。なお、光反射材11に代えてブラックマトリクスを設けることにより、蛍光体層6によって表示される画像のコントラストを向上させることもできる。
【0015】
蛍光体セラミックス片6R、6G、6Bの厚みは、好ましくは0.02〜0.5mmである。蛍光体セラミックス片6R、6G、6Bの厚みを0.02〜0.5mmの範囲とする理由は、この範囲よりも薄くすると蛍光体セラミックス片6R、6G、6Bの機械的強度が低下して製造時の取り扱いが困難になり、またこの範囲よりも厚くすると発光出力が低下するためである。
【0016】
アルミニウム層はCRTの場合と同様に帯電を防ぐとともに後方(電子線入射側)に放出される発光を反射することによって発光出力を増大させる目的で形成するもので、蒸着法のほか転写法によって形成することも可能である。アルミニウム層の厚さは、電子線の入射に対する阻害が少なく、発光に対しては十分な反射率を示す厚さが好ましく、本実施の形態では50〜100nmに設定する。このアルミニウム層9によって蛍光体セラミックス片6R、6G、6Bの脱落を防止するようにもなされている。
【0017】
蛍光体セラミックス片6R、6G、6Bを構成する蛍光体の種類は、カラーCRT用蛍光体として知られている青色発光の銀付活硫化亜鉛(ZnS:Ag、Al)、緑色発光の銅付活硫化亜鉛(ZnS:Cu、Al)、赤色発光のユーロピウム付活酸硫化イットリウム(YS:Eu)や、希土類蛍光体のユーロピウム付活酸化イットリウム(Y:Eu)、テルビウム付活ケイ酸イットリウム(YSiO:Tb)、セリウム付活ケイ酸イットリウム(YSiO:Ce)など電子線励起用として知られている蛍光体を使用することができるが、結晶系が立方晶系以外の物質で空隙率の少ないセラミックスの方が発光出力を向上させる点において好ましい。すなわち、蛍光体セラミックスの電子源2に対向する表面付近において発光した光の一部は、蛍光体セラミックス内部で全反射してブラックマトリクスが設けられた横方向に漏れることにより、発光出力の低下を招くことになるが、結晶系が立方晶系以外の物質を用いれば、この横方向の漏れを光の散乱によって少なくすることができる。好ましい蛍光体物質の例としては、一般式がLnS:R(ただし、LnはY、La、Gd、Luからなる群から選ばれる少なくとも一つの元素、Rは希土類元素)で表される希土類オキシ硫化物蛍光体又は六方晶の硫化亜鉛蛍光体などである。さらに好ましくは、十分な輝度を得ること、及び鮮明な発光色を得ることを目的として、赤色発光用としてEu付活希土類オキシ硫化物、緑色発光用としてTb又はPr付活希土類オキシ硫化物、青色発光用としてTm付活希土類オキシ硫化物又はAg付活六方晶硫化亜鉛が好適である。
【0018】
蛍光体セラミックス片6R、6G、6Bは、熱間静水圧プレス法によって製造することができる。熱間静水圧プレス法とは、蛍光体の粉末を金属製のカプセルに封入し、千数百℃、数十MPa程度で昇温、昇圧することにより蛍光体セラミックスを得る方法である。なお、蛍光体セラミックス片6R、6G、6Bの製造方法としては、熱間静水圧プレス法に限らず、例えば蛍光体の粉末を上下からプレスするホットプレス法等、他の製造方法を用いることができる。
【0019】
熱間静水圧プレス法によって作製された蛍光体セラミックスを、ダイシング及び研磨加工することにより、画素に応じた大きさ及び所定厚の蛍光体セラミックス片を得る。
【0020】
このようにして作製された蛍光体セラミックス片6R、6G、6Bを、ガラス基板7上の所定位置に設置した後に固定する方法としては、低温で溶融し得る無機物質を蛍光体セラミックス片6R、6G、6Bとガラス基板7の間、又は蛍光体セラミックス片6R、6G、6Bの周囲に設置し、過熱することによって達成できる。具体的には、例えばガラス基板7上にフリットガラス粉末を塗布した後に蛍光体セラミックス片6R、6G、6Bを設置する工程、又は蛍光体セラミックス片6R、6G、6Bを設置した後に水ガラスまたは水溶性バインダ液を滴下乾燥処理する工程等の後に熱処理を行うことによって達成できる。
【0021】
画素間に光反射層11又はブラックマトリックスは、蛍光体セラミックス片6R、6G、6Bの間に印刷によって所定物質を充填することにより形成することができる。この光反射層11又はブラックマトリクスを充填することにより、各蛍光体セラミックス片6R、6G、6Bが容易に脱落しないようにもなされている。
【0022】
アルミニウム層9は、ガラス基板7上に固定された蛍光体セラミックス片6R、6G、6Bの表面に有機フィルム層を形成し、アルミニウムを蒸着した後、ベーキングによって有機フィルムを除去することによって得られる。
【0023】
また本実施の形態の画像表示装置1は、上述のようにして透明なガラス基板7上に蛍光体層6を形成したフェースプレート8と、蛍光体層6の画素ピッチと同じ間隔で電界放出型の電子源アレイを設けたリアプレート4とをスペーサによって所定の間隔を保ったまま対向して配置させ、パネル内部を排気し、フリットガラスなどで封止することによって製造することができる。リアプレート4に設けられた電界放出型の電子源2においては、ガラス基板3上に透明なカソード電極12が設けられていると共に、このカソード電極12上に三角錐形状のカソード13がその頂点を蛍光体層6に向けるようにして画素位置に応じた位置に点在されている。また各カソード13の間においては、カソード電極12上に絶縁材14を介してゲート電極15が設けられている。
【0024】
カソード13においては、ゲート電極15との間の電位差によって電子が生じる。この電子は、電界放出によってカソード13から放出され、フェースプレート8のアルミニウム層9に印加される加速電圧によって加速されて、カソード13に対向する蛍光セラミックス片6R、6G又は6Bに衝突する。これにより蛍光セラミックス片6R、6G、6Bを発光させることができる。
【0025】
図2に示すように、蛍光面の製造方法は、まず熱間静水圧プレス法によって蛍光体セラミックスを作製し(ステップS1)、作製された蛍光体セラミックスをダイシング及び研磨加工することにより、蛍光体セラミックスを画素に応じた大きさの蛍光体セラミックス片6R、6G、6Bに分割する(ステップS2)。そして、作製された蛍光体セラミックス片6R、6G、6Bを、低温で溶融する無機物質によってガラス基板7上に固着させた後(ステップS3)、ガラス基板7上に固定された各蛍光体セラミックス片6R、6G、6Bの間に光反射層11(又はブラックマトリクス)の材料を充填する(ステップS4)。そして蛍光体セラミックス片6R、6G、6B及び光反射層11(又はブラックマトリクス)の表面にアルミニウム層(メタルバック層)9を蒸着する(ステップS5)。このようにして蛍光面を製造することができる。
【0026】
(比較例1)
CRTの蛍光面を形成する際に一般に行われている、ガラス基板上にスラリー塗布、露光、現像を順次繰り返す方法により、赤色としてYS:Eu蛍光体粉体、緑色としてZnS:Cu、Al蛍光体粉体、青色として立方晶のZnS:Ag、Al蛍光体粉体のパターンを形成した。このときの蛍光体層の厚みは約20μm、画素のピッチは縦方向が0.6mm、横方向が0.28mmで、横方向に赤緑青が順次繰り返されるストライプ状のパターンである。この後蛍光面に水を含浸させ、ラッカーを噴霧して有機フィルムを形成し、乾燥後厚さが100nmのアルミニウムを真空蒸着し、450℃でベーキングすることによってアルミニウム層を形成することによって、比較例1の蛍光面を作製した。
【0027】
次に、この蛍光面の各画素と対向する位置に電界放出型電子源のアレイを形成したリアプレートを作製し、スペーサによって比較例1の蛍光面と2mmの距離で対向させて封止し、対角10インチのディスプレイを作製した。蛍光面(陽極)に10kVの加速電圧を印加し、画面の初期輝度が500cd/mとなるように電子源アレイの駆動条件を設定し、蛍光体発光効率が50%に低下するまでの時間を評価したところ2000時間であった。また、この後加速電圧を1kVづつ上昇させていったところ、12kVでは1時間保持しても放電は起こらなかったが、13kVで約10分間の駆動を行ったところで放電が発生した。
【0028】
(比較例2)
緑色としてYS:Tb蛍光体粉体、青色としてLaS:Tm蛍光体粉体を用いる以外は比較例1と同様の方法で比較例2の蛍光面を作製した。次に比較例1の場合と同様にして対角10インチのディスプレイを作製し、画面の初期輝度が500cd/mとなるように電子源アレイの駆動条件を設定して寿命を評価したところ、蛍光体発光効率が50%に低下するまでの時間は9000時間であった。また、この後に加速電圧を1kVづつ上昇させていったところ、12kVで約30分間の駆動を行ったところで放電が発生した。
【0029】
(実施例1)
金属製カプセルを用いた熱間静水圧プレス法によってYS:Eu、YS:Tb、LaS:Tmの各セラミックスを作製し、それぞれから縦0.5mm×横0.25mm×厚さ0.05mmの蛍光体セラミックス片を切り出した。それらを縦0.6mm、横0.28mmのピッチで横方向にはYS:Eu、YS:Tb、LaS:Tmの各蛍光体セラミックス片を順次繰り返して並べ水ガラス水溶液を滴下し、静置乾燥後450℃でベーキングして各セラミックス片を固定した。次に、印刷法により白色の酸化チタン粉末をセラミックス片の間に充填した。さらに比較例1と同様にして、ラッカーで有機フィルムを形成した後アルミニウムを蒸着し、次いでベーキングを行うことで厚さ100nmのアルミニウム層を形成し、実施例1の蛍光面を作製した。これを比較例1と同様の電子源アレイを形成したリアプレートと2mmの距離で対向させて封止し、対角10インチのディスプレイを作製した。画面の初期輝度が500cd/mとなるように電子源アレイの駆動条件を設定してこの寿命を評価したところ、蛍光体発光効率が50%に低下するまでの時間は32000時間であり、比較例1、2に比べて大幅な改善がみられた。また、この後に加速電圧を1kVづつ上昇させていったところ、13kVで1時間の駆動を行っても放電は発生せず、放電が発生しにくいことを確認できた。
【0030】
(実施例2)
緑色としてGd2O2S:Pr蛍光体セラミックス片、青色として六方晶のZnS:Ag、Al蛍光体セラミックス片を用いる以外は実施例1と同様の方法で実施例2の蛍光面を作製した。次に比較例1の場合と同様にして対角10インチのディスプレイを作製し、画面の初期輝度が500cd/mとなるように電子源アレイの駆動条件を設定して寿命を評価したところ、蛍光体発光効率が50%に低下するまでの時間は22000時間であり、この場合においても比較例1、2に比べて大幅な改善がみられた。また、この後に加速電圧を1kVづつ上昇させていったところ、13kVで1時間の駆動を行っても放電は発生せず、放電が発生しにくいことを確認できた。
【0031】
(実施の形態の効果)
電子源2を設けたリアプレート4と蛍光体層6を設けたフェースプレート8との間隔が数mmである薄型の電界放出型の画像表示装置1においては、カソードと蛍光体層側との間の距離がCRTに比べて小さいこと、スクリーンの蛍光体を発光させるための電子線の加速電圧がCRTにおける加速電圧に比べて低く、逆にその電流密度が高密度であることにより、従来の蛍光体粉を塗布した蛍光面では、電子線の衝突による劣化を生じ易い。特に電界放出型の画像表示装置のように加速電圧が低い低エネルギー陰極線ディスプレイにおいては、スクリーンの画面輝度やエネルギー効率が減少することにより、この不足分を補うために、CRTに比べて、励起エネルギーを高密度で蛍光体にかける必要がある。また、電子源2を設けたリアプレート4と蛍光体層6を設けたフェースプレート8との間隔が数mmである薄型の電界放出型の画像表示装置1において、高輝度を得る目的で加速電圧を上げた場合には、従来の蛍光体粉を塗布した蛍光面では放電が起こり易い。
【0032】
本実施の形態の画像表示装置1においては、蛍光体セラミックス片6R、6G、6Bを配置して蛍光面を形成したことにより、電子線の衝突による蛍光面(蛍光体セラミックス6R、6G、6B)の劣化を少なくすることができると共に、放電の発生を抑制することができる。
【0033】
従って、高輝度で駆動した場合においても劣化が少なく、放電の発生が少ない蛍光面及びこの蛍光面を組み込んだ電界放出型の画像表示装置を実現することができる。
【0034】
(他の実施の形態)
上述の実施の形態においては、蛍光体セラミックス片6R、6G、6Bからなる蛍光面を電界放出型の電子源2を有する画像表示装置1に適用する場合について述べたが、例えば表面伝導型ディスプレイ(SED)と呼ばれる画像表示装置に適用することもできる。この場合、電子源として、導電性薄膜に亀裂状の電子放出部を備えた表面伝導電子放出(SCE:サーフェイス・コンダクション・エレクトロン・エミッタ)と呼ばれる素子を設け、フェースプレート側には図1について上述した蛍光体セラミックス片を並べた蛍光体層を設けるようにすればよい。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】実施の形態に係る画像表示装置を示す断面図である。
【図2】図の画像表示装置の蛍光面の製造工程を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0036】
1 画像表示装置
2 電子源
3、7 ガラス基板
4 リアプレート
6 蛍光体層
6R、6G、6B 蛍光体セラミックス片
8 リアプレート
9 アルミニウム層
11 光反射材
12 カソード電極
13 カソード
14 絶縁材
15 ゲート電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無機透明基板上に配列された、画素に相当する大きさの蛍光体セラミックス片と、
前記蛍光体セラミックス片の表面に形成されたメタルバック層と、
を備えることを特徴とする蛍光面。
【請求項2】
前記蛍光体セラミックス片は、立方晶系以外の物質からなることを特徴とする請求項1に記載の蛍光面。
【請求項3】
前記蛍光体セラミックス片は、LnS:R(ただし、LnはY、La、Gd、Luからなる群から選ばれる少なくとも一つの元素、Rは希土類元素)で表される希土類オキシ硫化物蛍光体であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の蛍光面。
【請求項4】
前記蛍光体セラミックス片は、赤色発光の画素においてはEu付活希土類オキシ硫化物、緑色発光の画素においてはTb又はPr付活希土類オキシ硫化物、青色発光の画素においてはTm付活希土類オキシ硫化物又はAg付活六方晶硫化亜鉛であることを特徴とする請求項3記載の蛍光面。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれかに記載された蛍光面が組み込まれたフェースプレートと、
前記フェースプレートに対して対面配置され、前記蛍光面の各画素に電子を放出する複数の電子源が配置されたリアプレートと、
を備えることを特徴とする画像表示装置。


【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−164854(P2006−164854A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−357168(P2004−357168)
【出願日】平成16年12月9日(2004.12.9)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】