説明

融雪装置

【課題】 屋根などの融雪部の形状および大きさに容易に合わせることができ、かつ、使用しない場合には容易に取り外すことができる。
【解決手段】 通電によって発熱する複数の発熱ブロック10と、複数の発熱ブロック10を互いに電気的に接続する雄型端子12および雌型端子13と、複数の発熱ブロック10および雄型端子12および雌型端子13に電力を供給する電力供給部20と、複数の発熱ブロック10を雄型端子12および雌型端子13を介して接続した状態で、屋根Rに着脱可能に保持する保持具30と、を備え、複数の発熱ブロック10は、雄型端子12および雌型端子13を介して接続した状態で、屋根Rの形状および大きさに合わせて配置可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、屋根などの融雪部の形状に合致させて配置することが可能な融雪装置に関する。
【背景技術】
【0002】
積雪量の多い地域では、家屋の屋根に積もった雪の重みによって家屋が倒壊したりしないように雪下ろしを行う必要がある。この雪下ろしは、足場の悪い高所作業であり危険な上に、体力も要する重労働である。また、道路や歩道においては、通行の支障とならないように除雪作業を行う必要があるが、手間と時間とを要する。そこで、屋根や道路、歩道などに積もった雪を融かすために融雪装置が設置されている。
【0003】
従来から、熱によって融雪するものとして、ヒートパイプの蒸発部を、温水管の外表面に接触させて設け、この温水管とヒートパイプの蒸発部とを、金属製のクランパで一体に把持して、このクランパを介しても熱伝達されるように設けるヒートパイプ式融雪装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
また、屋根の融雪装置として、複数のブロックで構成されている融雪ブロック(例えば、特許文献2参照。)や、電熱ボードのそれぞれを屋根上に着脱自在に固定するように構成されている屋根融雪システム(例えば、特許文献3参照。)が知られている。さらに、ブロック状ヒータに関しては、通電により発熱する炭シートを繊維強化樹脂によって構成される保護ボードによって挟み、更にこの炭シートの端縁に沿って電極を配置する技術が知られている(例えば、特許文献4参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開平06−040008号公報
【特許文献2】実用新案登録第3127256号公報
【特許文献3】特開2006−336415号公報
【特許文献4】特開2008−034285号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、屋根や道路などの被融雪対象部の形状および大きさはそれぞれ異なり、それぞれ適合する融雪装置を設置するためコストが高いものとなっていた。また、屋根などに設置した融雪装置は、着脱自在な構造でないため、積雪の少ない季節でも取り外すことが困難であるという問題がある。
【0007】
しかしながら、特許文献1ないし4に記載された発明は、屋根や道路などの被融雪対象部にあわせて形状や大きさを容易に合わせることができるものではなかった。
【0008】
そこで、この発明は、前記の課題を解決し、屋根などの被融雪対象部の形状および大きさに容易に合わせることができ、かつ、使用しない場合には容易に取り外すことができる融雪装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、通電によって発熱する複数の発熱部と、前記複数の発熱部を互いに電気的に接続する導電部と、前記複数の発熱部および前記導電部に電力を供給する電力供給部と、前記複数の発熱部を前記接続体を介して接続した状態で、屋根や道路などの被融雪対象部に着脱可能に保持する保持部と、を備え、前記複数の発熱部は、前記導電部を介して接続した状態で、前記被融雪対象部の形状および大きさに合わせて配置可能である、ことを特徴とする融雪装置である。
【0010】
この発明によれば、複数の発熱部は、導電部を介して接続した状態で被融雪対象部の形状および大きさに合わせて配置可能であるので、積雪時には被融雪対象部を全体にわたって昇温させることが可能となる。また、融雪が不要な季節には、発熱部と導電部とを被融雪対象部から取外すことが可能となる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載された融雪装置において、前記発熱部は、前記被融雪対象部に向けて突出する突起部が形成されている、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の発明によれば、複数の発熱部は、導電部を介して接続した状態で、屋根や道路などの被融雪対象部の形状および大きさに合わせることができる。すなわち、接続する発熱部の数や配置、導電部を介して接続する形状を変えることで、被融雪対象部の形状および大きさの差異に柔軟に対応でき、融雪装置の設置に要するコストを抑えることができる。
【0013】
また、融雪装置は保持具によって被融雪対象部に着脱自在に保持することができるので、積雪期間のみ被融雪対象部に設置し、積雪期間以外は取り外すことができる。このため、積雪期間以外は直射日光にさらされることがなくなるので、紫外線などによる融雪装置の劣化を低減することができる。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、発熱部は、被融雪対象部に向けて突出する突起部が形成されているため、被融雪対象部に対する融雪装置のずれを防止することができる。また、発熱部に突起部が形成されることにより、発熱部と被融雪対象部の表面との間に空間が形成されるため、融けた雪が発熱部と被融雪対象部との間で凍ってしまうことを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施の形態1に係る融雪装置を屋根に取り付けた状態を示す斜視図である。
【図2】図1の融雪装置の融雪モジュールを示す平面図である。
【図3】図2の融雪モジュールを示す側面図である。
【図4】図2の融雪モジュールを直列に接続した状態を示す平面図である。
【図5】図2の融雪モジュールを接続し、長方形状とした状態を示す平面図である。
【図6】本発明の実施の形態2に係る融雪装置の融雪モジュールを折り返すように接続した状態を示す平面図である。
【図7】融雪モジュールを折り返すように接続し、長方形状とした状態を示す平面図である。
【図8】本発明の実施の形態3に係る融雪装置の融雪モジュールを示す平面図である。
【図9】融雪装置を屋根に取り付けた状態を示す斜視図である。
【図10】融雪モジュールを折り返すように接続した状態を示す平面図である。
【図11】融雪モジュールを折り返すように接続した状態を示す平面図である。
【図12】本発明の実施の形態4に係る融雪装置の発熱ブロックを示す平面図である。
【図13】融雪装置の導電部を示す平面図である。
【図14】菱形状の融雪モジュールを示す平面図である。
【図15】図14の融雪モジュールを示す側面図である。
【図16】円形状の融雪モジュールを示す平面図である。
【図17】図16の融雪モジュールを示す側面図である。
【図18】リング状の融雪モジュールを示す平面図である。
【図19】図18の融雪モジュールを示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
つぎに、この発明の実施の形態について図面を用いて詳しく説明する。
【0017】
(実施の形態1)
図1ないし図5は、この発明の実施の形態1を示している。融雪装置1は、屋根や道路、歩道などの被融雪対象部に取付けられるものである。ここで、被融雪対象部とは、積雪時に雪下し作業や除雪作業が必要とされ、融雪装置1によって雪を融かす場所のことである。ここでは、融雪装置1は、図1に示すように、家屋Hの屋根Rに取付けられ、主として、融雪モジュール10と、電力供給部20と、保持具30とを有している。
【0018】
融雪モジュール10は、図2および図3に示すように、発熱部としての発熱ブロック11と、導電部としての雄型端子12および3つの雌型端子13(13a、13b、13c)と、突起部14とを有している。
【0019】
発熱ブロック11は、雪を確実に融かすために、例えば45℃〜60℃まで温度上昇するように構成されている。発熱ブロック11は、1辺の長さが数cmから数10cmの正方形の板状部材で構成され、例えば抵抗発熱部(図示略)としてのニッケルクロム合金線を内蔵したセラミックス、ガラス繊維などで構成され、抵抗発熱部が通電されて発熱することによってセラミックスなどが面状に発熱するようになっている。この発熱ブロック11の端部において、抵抗発熱部の端部が雄型端子12および雌型端子13と導通するように配設され、雄型端子12と雌型端子13とが導通することで、発熱ブロック11は発熱する。
【0020】
雄型端子12は、導電体で構成され、図4に示すように、他の融雪モジュール10i+1の雌型端子13と係合した状態で電気的に接続可能なものであり、図2および図3に示すように、可動爪12aと、プラグ121と、可橈部122とを有している。プラグ121は、上部に弾性変形可能な可動爪12aを有しており、可橈部122は、絶縁被覆電線である。雄型端子12は、可動爪12aを下方に変位させることにより、雌型端子13の開口部へのプラグ121の挿入、抜き取りが可能となる。
【0021】
雌型端子13は、導電体で構成され、図2に示すように、1つの発熱ブロック11に3つの雌型端子13a、13b、13cが配設されている。この雌型端子13は、図4に示すように、他の融雪モジュール10iー1の雄型端子12が侵入可能な空間部(開口部)が形成され、雌型端子13と他の融雪モジュール10iー1の雄型端子12とは、係合した状態で電気的に接続可能となっている。
【0022】
このように、融雪モジュール10の雄型端子12が他の融雪モジュール10i+1の雌型端子13に係合し、融雪モジュール10の雌型端子13が他の融雪モジュール10iー1の雄型端子12と係合することによって、複数の融雪モジュール10、10i+1、10iー1が電気的に接続可能となる。また、雄型端子12および雌型端子13の外部に露出する部位は、電気絶縁性かつ防水性を有する樹脂などの部材で構成され、雄型端子12と雌型端子13との接続部分は防水機構を備えている。
【0023】
突起部14は、発熱ブロック11の底面に配設され、屋根Rに向けて突出したものであり、逆四角すい状部材で構成されている。突起部14は、発熱ブロック11と同じ材料で構成されており、発熱ブロック11と同様に発熱する。融雪モジュール10を屋根Rに載置した際に、突起部14は支柱、支持脚となって融雪モジュール10を支持するようになっている。このため、屋根Rと融雪モジュール10との間に、突起部14の高さ分の空間(スペース)Sが形成されることになり、融雪モジュール10によって融かされた雪が、スペースSを通してスムーズに流れるようになる。このとき、発熱ブロック11の底面側や突起部14が発熱することにより、融けて流れる雪が再び凍結しないようになっている。
【0024】
このような構成の融雪モジュール10は、雄型端子12および雌型端子13によって複数を直列または並列に接続した状態で、任意の形状および大きさを形成することができるようになっている。この実施の形態では、図5に示すように、N個の融雪モジュール10を直列に接続して構成される融雪モジュール集合体2を、並列にM列接続し、長方形状としている。
【0025】
各融雪モジュール集合体2は、商用電源(図示略)に接続された電力供給部20に接続されている。つまり、電力供給部20には、融雪モジュール集合体2が並列に接続されている。電力供給部20は、融雪モジュール集合体2に電力を供給するもので、コンバータ(図示略)やスイッチ(図示略)などを備え、電源を入切したり、温度調節したりできるようになっている。この電力供給部20から電力が供給されることによって、各融雪モジュール10は発熱する。
【0026】
融雪モジュール集合体2の先頭の融雪モジュール1011は、接続用電線22、21を介して電力供給部20に接続され、融雪モジュール集合体2の末尾の融雪モジュール101Nは、接続用電線23を介して電力供給部20に接続されている。そして、接続用電線21、23には、保持具30が配設されている。
【0027】
保持具30は、複数の発熱ブロック11を雄型端子12および雌型端子13を介して接続した状態で、屋根Rに着脱可能に保持させるためのものであり、例えばフックなどで構成され、家屋Hの軒下などに固定されている固定具40に着脱自在に係止できるようになっている。つまり、長方形状に接続された融雪モジュール10は、引っ張られた状態で保持具30を介して固定具40によって固定されるので、風などによってずれることを防止できるようになっている。
【0028】
次に、このような構成の融雪装置1の使用方法および作用について説明する。まず、融雪装置1を設置する屋根Rの形状および大きさに合わせて必要数の融雪モジュール10を用意する。ここでは、屋根Rに合わせた長方形状とするために、融雪モジュール10をN×M個用意する。
【0029】
そして、図4、図5に示すように、融雪モジュール1011の雄型端子12を、融雪モジュール1012の雌型端子13bと係合する。さらに、融雪モジュール1012の雄型端子12を、融雪モジュール1013の雌型端子13bと係合する。1列目の終端の融雪モジュール101Nまで同様に接続し、複数の融雪モジュール1011〜101Nを直列に接続して、導通可能とする。このようなN個の融雪モジュール10から構成された融雪モジュール集合体2を並列にM列接続して、長方形状とする。
【0030】
そして、融雪モジュール集合体2の先頭の融雪モジュール1011を、接続用電線22、21を介して電力供給部20に接続し、末尾の融雪モジュール101Nを、接続用電線23を介して電力供給部20に接続する。また、接続用電線21、23には、保持具30を配設する。さらに、屋根Rの軒下などに設けた固定具40に、保持具30を係止する。
【0031】
そして、電源供給部20を所定の位置に配設して、商用電源に接続し、融雪装置1に電力を供給できるようにする。
【0032】
このようにして屋根Rに融雪装置1が取り付けられ、積雪量の多い時は電力供給部20からの電力供給によって、融雪モジュール10の発熱ブロック11と突起部14とを発熱させる。そして、この発熱によって屋根Rは融雪される。このとき、融かされた雪は融雪モジュール10と屋根RとのスペースSを通って雨どいなどに流れ落ちるため、再凍結が防止される。発熱ブロック11は、例えば45℃〜60℃まで温度上昇するように構成されているので、屋根Rに多量の雪が積もった場合でも、雪は確実に融雪される。
【0033】
このように構成された実施の形態によれば、融雪モジュール10の雄型端子12と、他の融雪モジュール10の雌型端子13とが着脱自在であり、複数の融雪モジュール10が導通可能に接続されるので、融雪装置1を設置する屋根Rなどの被融雪対象部の形状および大きさに合わせて容易に形状を変更することができる。つまり、融雪モジュール10の数や組み合わせる形状を変えることで、屋根Rの形状および大きさの差異に柔軟に対応でき、融雪装置1の設置に要するコストを抑えることができる。また、雄型端子12の可動爪12aを変位させない限りは雌型端子13から取り外すことができないので、不用意に融雪モジュール10の接続が解除されてしまうことを防止できる。
【0034】
また、融雪モジュール10は雄型端子12および雌型端子13によって着脱自在に接続されるため、不具合の生じた融雪モジュール10を交換することが可能である。
【0035】
また、融雪モジュール10を屋根Rの軒先(端部)にかかるような形状および大きさに形成することによって、軒先を高温にすることができるため、雪や水が軒先で凍結し、つららとなることを防止することが可能である。このため、つらら除去作業を回避することが可能となる。
【0036】
また、融雪装置1は保持具30によって屋根Rなどの被融雪対象部に着脱自在に保持することができるので、積雪期間のみ屋根Rに設置し、積雪期間以外は取り外すことができる。このため、積雪期間以外は融雪装置1を直射日光にさらされることがなくなるので、紫外線などによる融雪装置1の劣化を低減することができる。
【0037】
また、この融雪装置1は、既設の屋根Rを瓦の葺き替えなどを行わなくとも配設することができるため、取り付けが容易である。さらに、融雪モジュール10が1辺の長さが数cmからと小型であるため軽量で、しかも、屋根Rを覆う面積が小さくなるため取り付けた際に美観を損なわない。
【0038】
さらに、屋根Rの表面と係合可能な突起部14が融雪モジュール10に形成されているため、屋根Rに対する融雪装置1のずれを防止することができる。また、融雪モジュール10に突起部14が形成されることにより、融雪モジュール10と屋根Rの表面との間にスペースSが形成されるため、融けた雪が融雪モジュール10と屋根Rとの間で凍ってしまうことを防ぐことができる。
【0039】
(実施の形態2)
図6および図7は、この発明の実施の形態2を示している。この実施の形態では、融雪モジュール10の接続が実施の形態1と異なる。このため、実施の形態1と同等の構成については、同一または対応する符号を付することで、その説明を省略する。以下の実施の形態においても同様とする。
【0040】
ここでは、N×M個の融雪モジュール10を直列に接続して長方形状の融雪モジュール集合体2Sを構成する。そのために、列と列の接続部(折り返し部)においては、図6に示すように、融雪モジュール10の雄型端子12を、融雪モジュール10j+1の雌型端子13aと係合する。そして、融雪モジュール10j+1の雄型端子12を、融雪モジュール10j+2の雌型端子13aと係合する。さらに、融雪モジュール10j+2の雄型端子12を、融雪モジュール10j+3の雌型端子13bと係合する。このようにして、列の終端で折り返しながら複数の融雪モジュール1011〜10MNを直列に接続して長方形状とし、導通可能とする。
【0041】
この融雪モジュール集合体2Aは、接続用電線21、23を介して電力供給部20と接続されている。また、融雪モジュール集合体2Aの折り返し部側は、例えばロープなどの長尺の保持部材31に例えば結束バンドなどの係止具32を介して固定されている。また、接続用電線23および保持部材31には、保持具30が配設されている。
【0042】
このように、屋根Rの形状や、必要となる接続用電線21、23の長さなどから、複数の融雪モジュール10を折り返すようにして接続することが可能であるので、所望の形状を自在に構成することができる。
【0043】
(実施の形態3)
図8ないし図11は、この発明の実施の形態3を示している。この実施の形態では、図2および図3に示すような発熱ブロック10のみならず、図8に示すような雄型端子112の可橈部1122の長さが異なる(長い)発熱ブロック110を有している。ここでは、融雪装置1を、図9に示すような家屋H2の屋根R2に設置する場合について説明する。この屋根R2は、第1の屋根R21と、第2の屋根R22とが組み合わされて構成されている。
【0044】
図9のA1で示す箇所は、図10に示すように、融雪モジュール110の雄型端子112を、融雪モジュール10k+1の雌型端子13bと係合する。また、図9のA2で示す箇所は、図11に示すように、融雪モジュール110l+1の雄型端子112を、融雪モジュール10l+2の雌型端子13bと係合する。さらに、図9のA3で示す箇所は、実施の形態2の図6に示すように、融雪モジュール10を接続する。このように融雪モジュール10、110を組み合わせて接続することで、屋根R21、R22に適した形状および大きさに構成される。
【0045】
このように、融雪モジュール10および融雪モジュール110を使用することで、屋根R2にあわせた所望の形状および大きさをより容易に形成することができる。つまり、融雪モジュール10、110の配置間隔が異なる場合であっても、融雪モジュール10、110同士を接続し、導通可能とすることができる。
【0046】
(実施の形態4)
図12および図13は、この発明の実施の形態3を示している。この実施の形態では、発熱ブロック120と導電部としての導電体130とが別々に構成されている点で、実施の形態1の発熱ブロック10と雄型端子12および雌型端子13と異なる。
【0047】
発熱ブロック120は、1辺の長さが数cmから数10cmの正方形の板状部材で構成され、側面に4つの雌型端子123(123a、123b、123c、123d)が配設されている。
【0048】
導電体130は、可橈部131の両端に雄型端子132、133を有している。雄型端子132、133は、発熱ブロック120の雌型端子123と係合し、導電体130によって、複数の発熱ブロック120を導通可能に接続することができる。
【0049】
このように、発熱ブロック120と導電体130とが別々に構成されており、複数の発熱ブロック120を接続する際に方向性がないため、導電体130による接続が容易となる。また、例えば、1つの発熱ブロック120に複数の導電体130を介して複数の発熱ブロック120を接続することも可能となり、形状をより自在に形成することができる。
【0050】
以上、この発明の実施の形態について説明したが、具体的な構成は、これらの実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。例えば、実施の形態1では、雄型端子12と雌型端子13とは着脱自在となるようにして説明したが、例えば雄型端子12を結束バンドのテール部状部材で構成し、雌型端子13を結束バンドのヘッド部状部材で構成することにより、雌型端子13の挿通孔に雄型端子12のテール部状部材を挿入すると、取り外しが不可能となる構成にしてもよい。このような構成では、雄型端子12と雌型端子13とを切り離すことができないので、不用意に融雪モジュール10の接続が解除されてしまうことを確実に防止できる。
【0051】
また、実施の形態1においては、複数の融雪モジュール10を互いに電気的に接続する導電部を、雄型端子12と雌型端子13とから構成しているが、導電部は、コンセント状の構成を有するものや、絶縁電線などを介して融雪モジュール10同士を電気的に接続するものなど、他の構造であってもよいことはもちろんである。
【0052】
また、発熱ブロック10は、導電性を有する抵抗発熱部であれば、抵抗発熱部としてニッケルクロム合金線を内蔵しなくてもよく、例えば面状に発熱する発熱パネルなどで構成してもよい。
【0053】
また、融雪モジュール10は、図2および図3に示す構成には限定されず、例えば、図14および図15に示すように、融雪モジュール140は、1辺の長さが数cmから数10cmの菱形の板状部材で構成された発熱ブロック141と、雄型端子142および雌型端子143とを有し、雄型端子142および雌型端子143は菱形の頂点部に配設されている構成であってもよい。また、図16および図17に示すように、融雪モジュール150は、直径が数cmから数10cmの円形の板状部材で構成された発熱ブロック150と、雄型端子152および雌型端子153とを有し、雄型端子152および雌型端子153が発熱ブロック151の外周に配設されている構成であってもよい。このとき、突起部154は、逆円すい状部材で構成され、発熱ブロック151の底面に配設されている。さらにまた、図18および図19に示すように、融雪モジュール160は、直径が数cmから数10cmのリング状部材で構成された発熱ブロック161と、雄型端子162および雌型端子163とを有し、雄型端子162および雌型端子163が外周に配設されている構成であってもよい。このとき、突起部164は、逆円すい状部材で構成され、発熱ブロック161の底面に2つ配設されている。このように融雪モジュール140、150、160の形状は限定されないため、屋根Rの形状や外観に合わせて融雪モジュール140、150、160の形状を選択したり組み合わせたりすることによって、屋根Rに隙間なく配設したり、美観を損なわないように配設したりすることが可能である。
【0054】
さらに、この融雪装置1の供給する電力は、複数の融雪モジュール10の全体だけではなく、所定位置に配設されている一部の融雪モジュール10だけに電力を供給することもできるようにしてもよい。例えば、融雪モジュール10を屋根Rの複数の部位ごと(軒先部、中央部、棟部)に接続し、それぞれに電力供給部20を接続し、電力を供給する部位を切替スイッチによって全体、軒先部、中央部、頂部と切替可能としてもよい。この場合は、積雪の多い場所、例えば、北側の屋根や、屋根の下側(軒先)のみを発熱させることもできるようになる。
【符号の説明】
【0055】
1 融雪装置
10 融雪モジュール
11 発熱ブロック(発熱部)
12 雄型端子(導電部)
13 雌型端子(導電部)
14 突起部
20 電力供給部
30 保持具(保持部)
40 固定具
110 融雪モジュール
120 融雪モジュール
130 導電体(導電部)
140 融雪モジュール
150 融雪モジュール
160 融雪モジュール
S 空間(スペース)
H 家屋
R 屋根(被融雪対象部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通電によって発熱する複数の発熱部と、
前記複数の発熱部を互いに電気的に接続する導電部と、
前記複数の発熱部および前記導電部に電力を供給する電力供給部と、
前記複数の発熱部を前記接続体を介して接続した状態で、屋根や道路などの被融雪対象部に着脱可能に保持する保持部と、
を備え、
前記複数の発熱部は、前記導電部を介して接続した状態で、前記被融雪対象部の形状および大きさに合わせて配置可能である、
ことを特徴とする融雪装置。
【請求項2】
前記発熱部は、前記被融雪対象部に向けて突出する突起部が形成されている、ことを特徴とする請求項1に記載の融雪装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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