説明

血流促進装置

【課題】血流計測部が計測する所定部位に血流促進部により容易に血流を促進することのできる血流促進装置を提供する。
【解決手段】血流促進装置1は、身体の所定部位の血流を計測する血流計測部40と、身体の所定部位に刺激を与えることにより血流を促進させる血流促進部50とを含む。そして、血流促進装置1の所定部位に対応する面に血流促進部50と血流計測部40とが設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用者の身体の外部から血流を促進させる血流促進装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記血流促進装置として、例えば特許文献1に記載の湯水制御装置が知られている。
この湯水制御装置では、浴槽に設けられた血流検出手段によって検出された血流値に基づいて、例えばハンドシャワーの噴射量中の炭酸ガス濃度を調節している。これにより、体温が低い場合には、炭酸ガス濃度を上げることにより血流を促進して体温を上昇させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−277122号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記湯水制御装置では、入浴者は、血流を検出するとき、浴槽の湯に浸かった状態で血流検出手段に身体を接触させる。そしてこの状態において、血流検出手段に対応する所定部位のみの血流を促進させる場合、浴室に取り付けられたハンドシャワーで所定部位のみに湯水を噴射させなければならないので、血流検出手段に対応する所定部位のみの血流を促進する作業が煩雑であった。
【0005】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、血流計測部が計測する所定部位に血流促進部により容易に血流を促進することのできる血流促進装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の血流促進装置は、血流を促進させるものであり、身体の所定部位の血流を計測する血流計測部と、前記身体の所定部位の血流を促進させる血流促進部とを含み、当該血流促進装置の前記身体の所定部位に対応する面に前記血流促進部および前記血流計測部が設けられることを特徴とする。
【0007】
この血流促進装置において、前記血流計測部および前記血流促進部が設けられる本体部を含み、この本体部が前記身体の所定部位に接触した状態で前記血流計測部による前記身体の所定部位の血流の計測および前記血流促進部による同所定部位の血流の促進を行うことが好ましい。
【0008】
この血流促進装置において、前記血流促進部は、前記身体の所定部位に向けて光を照射することにより血流を促進させることが好ましい。
この血流促進装置において、前記血流計測部は、前記身体の所定部位に向けて光を照射する計測用発光素子と、前記身体の所定部位を伝播した光を受光する計測用受光素子とを含むことが好ましい。
【0009】
この血流促進装置において、前記血流促進部は、前記身体の所定部位に向けて光を照射する促進用発光素子を含み、前記血流計測部は、前記身体の所定部位に向けて光を照射する計測用発光素子と、前記身体の所定部位を伝播した光を受光する計測用受光素子とを含み、前記促進用発光素子の中心波長と前記計測用発光素子の中心波長とが互いに等しいことが好ましい。
【0010】
この血流促進装置において、前記血流促進部は、前記計測用発光素子と前記計測用受光素子とに挟まれるように設けられることが好ましい。
この血流促進装置において、前記血流計測部には、外乱光を遮断する遮光部が設けられることが好ましい。
【0011】
この血流促進装置において、前記血流促進部が複数設けられ、前記各血流促進部は独立して制御可能であることが好ましい。
この血流促進装置において、前記血流計測部により計測された血流情報に基づいて、前記血流促進部が血流を促進させる前記身体の所定部位および前記血流促進部が血流を促進させる度合の少なくとも一方を変更することが好ましい。
【0012】
この血流促進装置において、予め定められたプログラムに基づいて、前記血流促進部が血流を促進させる前記身体の所定部位および前記血流促進部が血流を促進させる度合の少なくとも一方を変更することが好ましい。
【0013】
この血流促進装置において、フレキシブルな基板に前記血流促進部および前記血流計測部が設けられることが好ましい。
この血流促進装置において、前記血流促進部は、前記身体の所定部位に向けて光を照射することにより血流を促進させるものであり、前記血流促進部として有機EL素子が用いられることが好ましい。
【0014】
この血流促進装置において、前記血流計測部が計測した血流情報を表示する表示部を含むことが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、血流計測部が計測する所定部位に血流促進部により容易に血流を促進することのできる血流促進装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1実施形態の血流促進装置について、(a)はその正面構造を模式的に示す正面図、(b)はその断面構造を示す断面図。
【図2】同実施形態の血流促進装置について、(a)はその使用の一例を示す模式図、(b)はその断面構造を示す断面図。
【図3】同実施形態の血流促進装置について、表示装置により表示された血流情報の一例を示す模式図。
【図4】本発明の第2実施形態の血流促進装置について、その正面構造を示す正面図。
【図5】同実施形態の血流促進装置について、その断面構造を示す断面図。
【図6】同実施形態の血流促進装置について、表示装置により表示された血流情報の一例を示す模式図。
【図7】本発明の第3実施形態の血流促進装置について、その正面構造を示す正面図。
【図8】同実施形態の血流促進装置について、ユニットの断面構造を示す断面図。
【図9】同実施形態の血流促進装置について、ヘモグロビン吸光度と波長との関係を示すグラフ。
【図10】同実施形態の血流促進装置について、ユニット周囲の断面構造を示す断面図。
【図11】本発明の第4実施形態の血流促進装置について、その断面構造を示す断面図。
【図12】本発明の第5実施形態の血流促進装置について、(a)はユニットの正面構造を示す正面図、(b)はユニットの断面構造を示す断面図。
【図13】同実施形態の血流促進装置について、その断面構造を示す断面図。
【図14】本発明の第6実施形態の血流促進装置について、これを使用者が装着した状態の正面構造を示す正面図。
【図15】同実施形態の血流促進装置について、その回路構成を示す回路図。
【図16】同実施形態の血流促進装置について、操作部の正面構造を示す正面図。
【図17】本発明の第7実施形態の血流促進装置について、「血流促進処理」の具体的な手順を示すフローチャート。
【図18】本発明の第8実施形態の血流促進装置について、これを使用者が装着した状態の正面構造を示す正面図。
【図19】同実施形態の血流促進装置について、(a)は「静脈還流コース」が選択されたときの血流促進部の刺激態様を示す模式図、(b)は「活性化コース」が選択されたときの血流促進部の刺激態様を示す模式図。
【図20】本発明の第9実施形態の血流促進装置について、これを使用者が装着した状態の正面構造を示す正面図。
【図21】本発明の第10実施形態の血流促進装置について、(a)はその正面構造を示す正面図、(b)はその断面構造を示す断面図。
【図22】本発明の第11実施形態の血流促進装置について、(a)はその正面構造を示す正面図、(b)はその断面構造を示す断面図、(c)はその平面構造を示す平面図。
【図23】同実施形態の血流促進装置について、その断面構造を示す断面図。
【図24】本発明の第12実施形態の血流促進装置について、(a)は血流を促進させる前の状態の血流情報の一例を示す表示装置の模式図、(b)は血流を促進させた後の状態の血流情報の一例を示す表示装置の模式図。
【図25】本発明のその他の実施形態の血流促進装置について、その正面構造を示す正面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(第1実施形態)
図1〜図3を参照して、本発明の第1実施形態について説明する。
図1(a)に示すように、血流促進装置1は、使用者の血流量の計測および血流を促進するための本体部10と、本体部10に電力を供給する電源装置20と、計測した血流量の結果を表示する表示装置30とを含む。
【0018】
本体部10は、血流促進装置1の筐体を構成するとともに扁平長方形状のカバー体11が設けられている。このカバー体11には、使用者の所定部位に密着する粘着パッド12が取り付けられている。カバー体11の内部には、電子部品によりそれぞれ構成される1つの血流計測部40と1つの血流促進部50とが設けられている。血流計測部40と血流促進部50とは、本体部10の長手方向において互いに隣接している。
【0019】
電源装置20には、血流計測部40および血流促進部50と表示装置30とに電力をそれぞれ供給するためのコード21が設けられている。これにより、血流計測部40が血流量の計測を行い、かつ血流促進部50が血流を促進させる。
【0020】
表示装置30には、血流計測部40と電気的に接続するためのコード31と、計測した血流情報としての血流量の結果を表示するモニタである表示部32とが設けられている。これにより、血流計測部40は、コード31を介して計測した血流量としての出力信号を表示装置30に出力する。表示部32には、その出力結果が表示される。
【0021】
図1(b)に示すように、カバー体11において血流計測部40および血流促進部50に対応するところには、開口部11A,11Bがそれぞれ設けられている。
血流計測部40は、中央に凹部41Aが形成された筐体41と、凹部41A内に収容された回路基板42と、回路基板42上に取り付けられた超音波送信素子43および超音波受信素子44とを含む。超音波送信素子43および超音波受信素子44は、本体部10の長手方向において互いに隣接している。また超音波受信素子44としては、共振周波数が10MHzの圧電素子が用いられている。
【0022】
血流促進部50は、筐体51と、筐体51上に設けられた促進用発光素子52と、筐体51内に設けられた回路基板53とを含む。促進用発光素子52には、回路基板53に接続するための接続導体52Aが設けられている。促進用発光素子52としては、発光ダイオードを用いられている。促進用発光素子52は、中心波長が1550nmの遠赤外線領域の光を照射する。
【0023】
図2および図3を参照して、血流促進装置1の使用態様について説明する。
図2(a)に示すように、使用者は、背中の肌に血流促進装置1を粘着パッド12が密着するように取り付けるとともに、その状態にて椅子2に着座する。この状態において、血流促進装置1は、背中と椅子2の背もたれ2Aとの間に挟まれるようにしてその位置が固定される。また使用者は、表示装置30を把持することにより表示部32(図1(a)参照)を視認することができる。
【0024】
図2(b)に示すように、使用者の背中の所定部位60に対応する血流促進装置1の本体部10の面に血流計測部40および血流促進部50がそれぞれ設けられている。このとき、本体部10は、所定部位60に接触している。ここで、血流促進部50は、血流計測部40よりも動脈62の上流側(心臓側)となるように使用する。
【0025】
そして血流促進装置1の図示しない電源スイッチをオン操作することにより、所定部位60の筋肉61内にある動脈62に向けて促進用発光素子52が発光する。これにより、所定部位60の筋肉61が徐々に温められるため、動脈62が徐々に拡張する。その結果、血流が促進される。
【0026】
また電源スイッチをオン操作することにより、所定部位60の動脈62に向けて超音波送信素子43から超音波f0が送信される。このとき、動脈62中の赤血球により反射した反射超音波f1が超音波受信素子44に受信される。これにより、血流計測部40は、動脈62において促進用発光素子52により血流が促進された部位に隣接したところの血流を計測する。
【0027】
この反射超音波f1は、超音波f0に対して赤血球の移動速度、すなわち血流速度Vに比例した周波数が所定量偏位する。具体的には、血流速度Vが大きくなるにつれて超音波f0に対する反射超音波f1の偏位量は増大する。
【0028】
反射超音波f1は、以下の式にて示される。

f1=f0・(1+2V・cosθ/C)

θ:入射角
C:音速

これにより、上記偏位量df(=f1―f0)は以下の式にて示される。
【0029】

df=f0・2V・cosθ/C

この式に基づいて、血流速度Vは、以下の式にて示される。
【0030】

V=C・df/2f0cosθ

動脈62内を流れる血液の流量(以下、「血流量BQ」)は、血流速度Vに所定の定数を乗算することにより算出される。
【0031】
このときの血流量BQの計測結果は、図3に示すような時間に対する血流量BQの変化を示すグラフとして表示される。以下に血流量BQの変化傾向の一例について説明する。
血流量BQの計測開始時および血流促進の開始時である時刻t0から時間の経過とともに血流量BQは増大する。これは促進用発光素子52により動脈62(ともに図2(b)参照)が拡張したため、血流量BQが増大したものと考えられる。そして所定時刻t1において動脈62の拡張が止まるとともにその状態を維持するため、血流量BQは時刻t0のときの血流量BQよりも多い血流量BQを維持する。このように使用者は血流量BQの変化傾向を表示部32により視認するため、血流が改善されていることを認識することができる。
【0032】
本実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)本実施形態では、血流促進部50と血流計測部40とが本体部10の使用者の身体の所定部位60に対応する面に設けられている。したがって、血流促進部50は血流計測部40に対応した局所的な身体の部位(所定部位60)の血流を容易に促進することができる。
【0033】
(2)血流促進装置1の使用中において、血流促進装置1が移動してしまうと、血流促進部50による血流を促進させる所定部位60および血流計測部40による血流を計測する所定部位60が異なったところとなってしまう。その結果、安定した血流の促進および血流の計測が困難となる。
【0034】
その点、本実施形態では、所定部位60に本体部10を接触した状態で血流促進部50による血流の促進および血流計測部40による血流量BQの計測を行う。すなわち、血流促進装置1の使用中において、本体部10は所定部位60に固定されている。したがって、血流促進装置1の使用中に所定部位60に対して血流促進部50および血流計測部40が移動することを抑制することができる。その結果、血流促進装置1の使用中の移動に起因する血流促進部50による血流の促進および血流計測部40による血流の計測への影響を抑制することができる。したがって、安定して血流の促進および血流の計測を行うことができる。
【0035】
(3)本実施形態では、血流促進部50として促進用発光素子52を用いている。したがって、血流促進部50として電熱ヒータ線を用いる場合と比較して、血流促進部50の薄型化を図ることができる。その結果、血流促進装置1の薄型化を図ることができる。
【0036】
(4)本実施形態では、表示装置30の表示部32により血流情報としての時間に対する血流量BQの変化のグラフが表示される。これにより、血流促進装置1の使用中において、使用者は血流情報を確認することができるため、血流の改善度合を認識することができる。
【0037】
(5)本実施形態では、促進用発光素子52の中心波長が1550nmの光を照射している。この中心波長の光は所定部位60に含まれる水分に殆ど吸収されるため、水分量の多い筋肉61を効率よく温めることができる。これにより、筋肉61の血流を効率よく促進させることができる。
【0038】
(第2実施形態)
図4〜図6を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態では、第1実施形態と異なる点について詳細に説明し、同一部材には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0039】
第1実施形態では、本体部10に血流計測部40および血流促進部50がそれぞれ1つ設けられている。これに対して本実施形態では、本体部10に血流計測部40および血流促進部50をそれぞれ6個設けている。
【0040】
図4に示すように、各血流計測部40A〜40Fおよび各血流促進部50A〜50Fは、本体部10の長手方向に配列されている。血流計測部40Aと血流促進部50Aとは、本体部10の長手方向において互いに隣接している。これは各対応する血流計測部40B〜40Fおよび血流促進部50B〜50Fも同様である。
【0041】
電源装置20のコード21は、血流計測部40A〜40Fおよび血流促進部50A〜50Fにそれぞれ電気的に接続されている。表示装置30のコード31は、血流計測部40A〜40Fにそれぞれ電気的に接続されている。
【0042】
図5を参照して、血流量BQの計測および血流促進について説明する。
所定部位60の筋肉61の筋緊張の有無によって動脈62中の血流量BQが異なる。具体的には、筋肉61において筋緊張が生じている第1領域R1と筋緊張が生じていない第2領域R2とを区画したとき、第1領域R1に対応するところの血流量BQは、第2領域R2に対応するところの血流量BQよりも少ない。
【0043】
血流計測部40A〜40Cおよび血流促進部50A〜50Cが第1領域R1に対応するところにそれぞれ配置されている。そして血流計測部40D〜40Fおよび血流促進部50D〜50Fが第2領域R2に対応するところにそれぞれ配置されている。
【0044】
使用者が血流促進装置1の電源スイッチをオン操作したとき、表示部32には、図6に示すように、各血流計測部40A〜40Fにより計測された各血流量BQの時間に対する変化のグラフがそれぞれ表示される。図中の上段が第1領域R1におけるグラフを示し、図中の果断が第2領域R2におけるグラフを示している。
【0045】
血流促進部50により計測開始時から時間の経過とともに血流量BQが増大する。また、血流計測部40A〜40Cにより計測された血流量BQ、すなわち第1領域R1に対応する血流量BQの増加量は、血流計測部40D〜40Fにより計測された血流量BQ、すなわち第2領域R2に対応する血流量BQの増加量よりも少ない。ここで、血流量BQの増加量は、時刻t1の血流量BQと時刻t0の血流量BQとの差により表される。使用者は、血流計測部40A〜40Fでの血流量BQの変化傾向を表示部32により視認することができる。
【0046】
本実施形態によれば、第1実施形態の効果(1)〜(5)に加え、以下の効果を奏することができる。
(6)本実施形態では、複数の血流促進部50により所定部位60の動脈62の複数個所の血流を促進させたときに複数の血流計測部40により計測された血流情報を表示部32にそれぞれ表示する。これにより、使用者は、所定部位60の複数の部分の血流情報を認識することができる。
【0047】
(第3実施形態)
図7〜図10を参照して、本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態では、第2実施形態と異なる点について詳細に説明し、同一部材には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0048】
第2実施形態では、血流計測部40と血流促進部50とを各別の筐体を用いるとともに、血流計測部40は動脈62への超音波の送信および動脈62中の反射超音波の受信により血流量BQを計測している。これに対して、本実施形態では、血流計測部40と血流促進部50とを一体構造とするとともに、血流計測部40は動脈62への発光および所定部位60からの受光により血流量BQを計測している。
【0049】
図7に示すように、ユニット70は、本体部10の長手方向において6個配列されている。本体部10の短手方向においてユニット70の両側には、粘着パッド12がユニット70を挟むように設けられている。電源装置20のコード21および表示装置30のコード31は、各ユニット70にそれぞれ電気的に接続されている。
【0050】
図8に示すように、ユニット70は、筐体71と、筐体71上に設けられた計測用発光素子72と、計測用受光素子73と、促進用発光素子74とを含む。計測用受光素子73と計測用発光素子72と促進用発光素子74は、本体部10(図1参照)の長手方向に沿って図中の左側から順に配列されている。以降では、ユニット70において計測用発光素子72および計測用受光素子73を含むとともに、これらにより血流量BQを計測する部分を「血流計測部77」とする。また、ユニット70において促進用発光素子74を含むとともに、これにより血流を促進させる部分を「血流促進部78」とする。
【0051】
筐体71内には、回路基板75が設けられている。計測用発光素子72および計測用受光素子73および促進用発光素子74のそれぞれは、各接続部72A,73A,74Aにより回路基板75上に実装されるとともに、回路基板75と電気的に接続されている。
【0052】
促進用発光素子74は、中心波長が800nmの遠赤外線領域の光を照射する。促進用発光素子74の出力は、所定部位60の血流の促進に適した出力である。
計測用発光素子72は、中心波長が800nmの近赤外線領域の光を照射する。計測用受光素子73は、中心波長が800nmの近赤外線領域に受光感度を有している。計測用発光素子72の出力は、所定部位60の血流の計測に適した出力である。また、促進用発光素子74の出力は計測用発光素子72の出力よりも大きい。
【0053】
ここで、血液中の赤血球の中には、酸素を運搬する役割を担うヘモグロビンがある。このヘモグロビンは、酸素と結合することにより酸素化ヘモグロビンとして動脈62内を流れる。また酸素化ヘモグロビンは酸素を放出することにより脱酸素化ヘモグロビンとして静脈63内を流れる。
【0054】
図9を参照して、光の波長に対する酸素化ヘモグロビンおよび脱酸素化ヘモグロビンの吸光度の変化について説明する。
図中の実線の曲線L1にて示すように、酸素化ヘモグロビンは光の中心波長が大きくなるにつれて吸光度が小さくなる傾向を示す。図中の一点鎖線の曲線L2にて示すように、脱酸素化ヘモグロビンは、光の中心波長が大きくなるにつれて吸光度が徐々に大きくなる傾向を示す。光の中心波長が例えば700nmのように同中心波長が小さいときには、脱酸素化ヘモグロビンの吸光度に対して酸素化ヘモグロビンの吸光度が顕著に大きくなっている。一方、光の中心波長が例えば900nmのように同中心波長が大きいときには、脱酸素化ヘモグロビンの吸光度に対して酸素化ヘモグロビンの吸光度が僅かに小さくなっている。また光の中心波長が800nm付近のときには、酸素化ヘモグロビンの吸光度と脱酸素化ヘモグロビンの吸光度とが互いに等しくなる。このような酸素化ヘモグロビンは動脈62(図10参照)に多く含まれ、脱酸素化ヘモグロビンは静脈63(図10参照)に多く含まれる。
【0055】
図10を参照して、ユニット70による血流量BQの計測について説明する。
計測用発光素子72は動脈62に向けて光を照射する。この光の一部は、動脈62の赤血球の酸素化ヘモグロビンにより吸収される。そして吸収されなかった残りの光は、計測用受光素子73に到達する。これにより、赤血球が増大するにつれて、すなわちヘモグロビンが増大するにつれて光吸収量が増大するため、光吸収量が増大するにつれて血流量BQが増大することが分かる。したがって、血流促進装置1は、計測用発光素子72の発光量と計測用受光素子73の受光量との差に基づいて、血流量BQを算出している。
【0056】
ところで、使用者の所定部位60の筋肉61においてユニット70と動脈62との間に静脈63がある場合には、計測用発光素子72の光は、その中心波長によって静脈63の脱酸素化ヘモグロビンの増減に伴う影響を受けるおそれがある。具体的には、酸素化ヘモグロビンの吸光度と脱酸素化ヘモグロビンの吸光度とに差がある光の中心波長の場合には、脱酸素化ヘモグロビンの増減による計測用受光素子73の受光量の変化と酸素化ヘモグロビンの増減による同受光量の変化とが異なる。その結果、脱酸素化ヘモグロビンの増減に伴い、動脈62の血流量BQの計測に誤差が生じてしまう。
【0057】
このような問題を解決するため、本実施形態では、計測用発光素子72の光の中心波長として、酸素化ヘモグロビンの吸光度と脱酸素化ヘモグロビンの吸光度とが互いに等しい800nmに設定している。これにより、血流量BQの計測の誤差を抑制することができる。
【0058】
本実施形態によれば、第1実施形態および第2実施形態の効果(1)〜(6)に加え、以下の効果を奏することができる。
(7)本実施形態では、促進用発光素子52の中心波長と計測用発光素子72の中心波長とが互いに等しい。したがって、促進用発光素子52と計測用発光素子72とを共通の部品として用いることができる。これにより、血流促進装置1を安価に提供することができる。
【0059】
(8)本実施形態では、計測用発光素子72の光の中心波長を800nmに設定している。これにより、静脈63の脱酸素化ヘモグロビンの増減の影響を受けにくくなるため、血流量BQの計測の誤差を抑制することができる。
【0060】
(第4実施形態)
図11を参照して、本発明の第4実施形態について説明する。本実施形態では、第3実施形態と異なる点について詳細に説明し、同一部材には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0061】
第3実施形態では、計測用受光素子73と計測用発光素子72と促進用発光素子74とは、本体部10の長手方向に沿って図7中の左側から順に配列されている。これに対して、本実施形態では、本体部10の長手方向において計測用受光素子73と計測用発光素子72との間に促進用発光素子74が配置されている。
【0062】
図11に示すように、本体部10の長手方向において促進用発光素子74が計測用受光素子73および計測用発光素子72に挟まれるため、血流計測部77は、血流促進部78により血流を促進させた動脈62の部位の血流量BQを測定する。
【0063】
本実施形態によれば、第1実施形態〜第3実施形態の効果(1)〜(8)に加え、以下の効果を奏することができる。
(9)本実施形態では、計測用発光素子72と計測用受光素子73との間に促進用発光素子74が設けられている。これにより、ユニット70は、促進用発光素子74により血流を促進させた所定部位60の血流を計測することができる。
【0064】
(第5実施形態)
図12および図13を参照して、本発明の第5実施形態について説明する。本実施形態では、第4実施形態と異なる点について詳細に説明し、同一部材には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0065】
本実施形態の装置は、第4実施形態の構成に遮光部76を追加した構成である。
図12に示すように、遮光部76は、筐体71上に固定されるとともに遮光性を有する樹脂材料にて成形されている。遮光部76は黒色のABS樹脂により成形している。
【0066】
遮光部76には、計測用発光素子72、計測用受光素子73および促進用発光素子74の全てを外側から囲う外壁76Aと、計測用発光素子72、計測用受光素子73および促進用発光素子74の全てを覆う上壁76Bとが設けられている。
【0067】
上壁76Bにおいて計測用発光素子72、計測用受光素子73および促進用発光素子74にそれぞれ対応するところには、光を通過させるための開口部76C〜76Eが設けられている。これら開口部76C〜76Eの内径はそれぞれ対応する計測用発光素子72および計測用受光素子73および促進用発光素子74の外径よりも若干小さい。
【0068】
図13に示すように、血流促進装置1の使用中において、計測用発光素子72は開口部76Cを通じて動脈62に向けて光が照射される。そして動脈62の赤血球に光の一部が吸収されるとともに、吸収されなかった残りの光が開口部76Dを通じて計測用受光素子73に到達する。促進用発光素子74は、開口部76Eを通じて動脈62に向けて光を照射する。ここで、外乱光がユニット70に侵入しようとしても遮光部76により計測用受光素子73に外乱光が侵入することを抑制している。
【0069】
本実施形態によれば、第1実施形態〜第4実施形態の効果(1)〜(9)に加え、以下の効果を奏することができる。
(10)本実施形態では、ユニット70に遮光部76が設けられている。これにより、外乱光が計測用受光素子73に侵入することを抑制することができる。したがって、外乱光に起因する血流量BQの計測精度の低下を抑制することができる。
【0070】
(第6実施形態)
図14〜図16を参照して、本発明の第6実施形態について説明する。本実施形態では、第4実施形態と異なる点について詳細に説明し、同一部材には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0071】
第4実施形態では、本体部10の長手方向に沿ってユニット70を6個配列する構成としている。これに対して本実施形態では、本体部10の長手方向に沿ってユニット70を3個配列する組を本体部10の短手方向に2つ設ける構成としている。
【0072】
図14に示すように、血流促進装置1は、使用者の背中に取り付けられている。このとき、図中に示すようにユニット70に#1〜#6の番号を付す。ここで、#1、#2は、所定部位60としての肩部に対応し、#3、#4は所定部位60としての背部に対応し、#5、#6は所定部位60としての腰部に対応する。
【0073】
図15に示すように、本体部10には、6個のユニット70と、促進用スイッチ14と、計測用スイッチ15と、促進用増幅器16と、計測用増幅器17とが設けられている。これら各部品は、電源装置20と電気的に接続されている。
【0074】
促進用スイッチ14は、リレー等により構成されるアナログスイッチであり、各ユニット70の促進用発光素子74に電気的に接続されている。これにより、#1〜#6のユニット70において電源装置20の電力を供給するユニット70の促進用発光素子74を選択することができる。
【0075】
計測用スイッチ15は、リレー等により構成されるアナログスイッチであり、計測用発光素子72に電気的に接続されている。これにより、#1〜#6のユニット70において電源装置20の電力を供給するユニット70の計測用発光素子72を選択することができる。
【0076】
促進用増幅器16は、電源装置20と促進用スイッチ14との間に設けられている。これにより、促進用発光素子74の出力が所定部位60の血流の促進に適した出力となるように増幅される。
【0077】
計測用増幅器17は、電源装置20と計測用スイッチ15との間に設けられている。これにより、計測用発光素子72の出力が所定部位60の血流の計測に適した出力となるように増幅される。
【0078】
図16に示すように、血流促進装置1には、駆動するユニット70(図14参照)を選択するための操作部80が設けられている。操作部80は、使用者が把持するための本体ケース81と、本体ケース81に設けられた操作スイッチ82〜85と、電源スイッチ86と、切替スイッチ87とを含む。
【0079】
操作スイッチ82は、肩部に相当する#1、#2のユニット70のオンオフを切り替える。例えば、操作スイッチ82を1回押操作すると、左肩に対応する#1のユニット70がオン状態となり、2回押操作すると、右肩に対応する#2のユニット70がオン状態となり、3回押操作すると、両肩に対応する#1、#2のユニット70がオン状態となる。また操作スイッチ82を長押しすると、#1、#2のユニット70がオフ状態となる。
【0080】
操作スイッチ83は、背部に相当する#3、#4のユニット70のオンオフを切り替える。例えば、操作スイッチ83を1回押操作すると、左背に対応する#3のユニット70がオン状態となり、2回押操作すると、右背に対応する#4のユニット70がオン状態となり、3回押操作すると、両背に対応する#3、#4のユニット70がオン状態となる。また操作スイッチ83を長押しすると、#3、#4のユニット70がオフ状態となる。
【0081】
操作スイッチ84は、腰部に相当する#5、#6のユニット70のオンオフを切り替える。例えば、操作スイッチ84を1回押操作すると、左腰に対応する#5のユニット70がオン状態となり、2回押操作すると、右腰に対応する#6のユニット70がオン状態となり、3回押操作すると、両腰に対応する#5、#6のユニット70がオン状態となる。また操作スイッチ82を長押しすると、#5、#6のユニット70がオフ状態となる。
【0082】
操作スイッチ85は、身体の所定部位60としての肩部、背部および腰部の全てに対応する#1〜#6のユニット70のオンおよびオフを切り替える。
切替スイッチ87は、ユニット70のうちの血流計測部77と血流促進部78との操作の切り替えを行うチャンネルCH1,CH2を有する。例えば、切替スイッチ87をチャンネルCH1としたと、血流計測部77が選択可能となる。これにより、各操作スイッチ82〜85は、血流計測部77のオンおよびオフの切り替えが行われる。一方、切替スイッチ87をチャンネルCH2としたと、血流促進部78が選択可能となる。これにより、各操作スイッチ82〜85は、血流促進部78のオンおよびオフの切り替えが行われる。
【0083】
本実施形態によれば、第1実施形態〜第5実施形態の効果(1)〜(10)に加え、以下の効果を奏することができる。
(11)本実施形態では、操作部80の操作スイッチ82〜85を操作することにより、#1〜#6のユニット70に対してオンオフを切り替える。これにより、使用者が身体の血流を促進したいところおよび血流を計測したいところを選択することができる。
【0084】
(第7実施形態)
図17を参照して、本発明の第7実施形態について説明する。本実施形態では、第4実施形態と異なる点について詳細に説明し、同一部材には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0085】
第4実施形態では、血流促進部78の出力が一定である。これに対して本実施形態では、血流計測部77によって計測された血流量BQに基づいて、血流促進部78の血流を促進させる度合(以下、「血流促進度合」)を変更する。
【0086】
血流促進部78による血流の促進は、長時間にわたり継続して行った場合および血流促進部78による刺激が過度に強い場合、筋肉に刺激を与え続けるため、使用者が不快感を覚えるおそれがある。一方、血流促進部78による刺激が過度に弱い場合、血流の改善を図ることができない。
【0087】
そこで、本実施形態では、血流量BQに基づいて血流促進度合を変更する血流促進制御を行う。この血流促進制御は、次のように行う。すなわち、所定部位60の血流促進部78によって血流を促進する前に血流計測部77により血流量BQを計測する。このときの計測値を基準値する。そして、血流促進部78によって血流を促進させているときの血流量(以下、「促進時血流量BQV」)を算出する。このとき、促進時血流量BQVが基準値から所定値を加算した上限閾値BQHよりも大きいとき、血流促進部78の血流促進度合を小さくする。一方、促進時血流量BQVが基準値から所定値を減算した下限閾値BQL以下のとき、血流促進度合を大きくする。この血流促進度合の変更は、図15に示す促進用増幅器16の増幅度合の変更に基づいて促進用発光素子74の出力を変更することにより行なわれる。
【0088】
また血流促進制御は、血流促進装置1を使用する時間、すなわち血流促進部78が血流を促進させる時間が所定時間を経過したとき、血流の促進を停止する。このような血流促進制御により、適度な血流の促進を維持することができるとともに使用者に不快感を覚えることを抑制することができる。
【0089】
次に、血流促進制御の具体的な手順を示す血流促進処理について説明する。本処理は、血流促進装置1の図示しない制御装置が所定時間毎に繰り返し実行する。
ステップS10において、使用者が血流を促進させたい所定部位60に応じて操作部80により選択された所定部位60に対応するユニット70の血流計測部77により血流量BQを計測する。
【0090】
ステップS11において、血流量BQの計測開始時から所定時間TXを経過したか否かを判定する。ここで、所定時間TXは、血流計測部40が所定部位60の血流量BQを計測する時間である。
【0091】
ステップS11において所定時間TXを経過していない旨判定したとき、血流量BQが計測できていないと判定する。そして計測状態を維持する。一方、ステップS11において所定時間TXを経過した旨判定したとき、血流量BQが計測完了したと判定する。そしてステップS12において所定部位60の血流の促進を開始する。
【0092】
次にステップS13において、電源スイッチがオフか否かを判定する。ステップS13において電源スイッチがオフのとき、本処理は一旦終了する。一方、ステップS13において電源スイッチがオフではないとき、ステップS14において、使用時間が使用基準時間KTよりも短いか否かを判定する。ここで、使用時間とは、ステップS12において所定部位60の血流の促進の開始時から経過した時間であり、例えばカウンタにより計測される。使用基準時間KTとは、所定部位60に対して継続して血流の促進を行うことにより使用者が不快感を覚え始める時間の最小時間であり、実験等により予め設定される。
【0093】
ステップS14において使用時間が使用基準時間KT以上である旨判定したとき、ステップS15において、強制的に血流促進部78による血流の促進を終了する。
ステップS14において使用時間が使用基準時間KTよりも短い旨判定したとき、ステップS16において、促進時血流量BQVが上限閾値BQHよりも大きいか否かを判定する。
【0094】
ステップS16において促進時血流量BQVが上限閾値BQHよりも大きいとき、所定部位60が過度に血流を促進させていると判定する。そしてステップS17において、血流促進度合を小さくする。具体的には、血流促進度合を小さくすることにより促進時血流量BQVを上限閾値BQH以下となるようにする。
【0095】
一方、ステップS16において促進時血流量BQVが上限閾値BQH以下である旨判定したとき、所定部位60の血流が過度に促進されていないと判定する。そしてステップS18において、促進時血流量BQVが下限閾値BQLよりも小さいか否かを判定する。
【0096】
ステップS18において促進時血流量BQVが下限閾値BQLよりも小さい旨判定したとき、所定部位60の血流の促進不足であると判定する。そしてステップS19において、血流促進度合を大きくする。具体的には、血流促進度合を大きくすることにより促進時血流量BQVが下限閾値BQL以上となるようにする。
【0097】
一方、ステップS18において促進時血流量BQVが下限閾値BQL以上である旨判定したとき、所定部位60の血流が適切に促進されていると判定する。そしてステップS20において、選択されたユニット70の全ての促進時血流量BQVが適正範囲BQX内か否かを判定する。ここで、適正範囲BQXは、下限閾値BQL以上かつ上限閾値BQH以下の範囲によって規定される。
【0098】
ステップS20において全ユニット70のうちの少なくとも1つの促進時血流量BQVが適正範囲BQX内ではない旨判定したとき、ステップS21において適正範囲BQX内ではない所定部位60の血流量BQを計測するとともにステップS14に移行する。
【0099】
一方、ステップS21において選択されたユニット70の全ての促進時血流量BQVが適正範囲BQX内である旨判定したとき、ステップS22において、所定部位60の血流量BQの計測を終了するとともにステップS13に移行する。
【0100】
本実施形態によれば、第1実施形態〜第5実施形態の効果(1)〜(10)に加え、以下の効果を奏することができる。
(12)本実施形態では、血流計測部77により計測された血流情報である血流量BQに基づいて、血流促進部78が刺激する所定部位60および血流促進度合を変更する。これにより、所定部位60の血流を効率的に促進することができる。
【0101】
(第8実施形態)
図18および図19を参照して、本発明の第8実施形態について説明する。本実施形態では、第4実施形態と異なる点について詳細に説明し、同一部材には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0102】
第4実施形態では、本体部10の長手方向において6個のユニット70を配列する構成であり、かつ血流促進度合が一定である。これに対して本実施形態では、本体部10の長手方向においてユニット70が5個配列された組を短手方向において3つ配列する構成であり、かつ血流促進部78は予め設定されたプログラムに基づいて血流促進度合を変更する。
【0103】
血流促進装置1の制御装置は、上記プログラムとして、「静脈還流コース」および「活性化コース」を有している。これらコースは、使用者が操作部80(図16参照)に設けられた「静脈還流コース」と記載された操作スイッチ(不図示)と、「活性化コース」と記載された操作スイッチ(不図示)との一方を選択することにより実行される。
【0104】
図19(a)に示すように、「静脈還流コース」は、身体の末梢部分から心臓に向けて、血流促進部78が対応する所定部位60に対して順に刺激を与えるプログラムである。これにより、身体の末梢部分から心臓に向けて所定部位60の血流が順に促進されるため、静脈の心臓への還流を促進させている。
【0105】
図19(b)に示すように、「活性化コース」は、心臓から身体の末梢部分に向けて、血流促進部78が対応する所定部位60に対して順に刺激を与えるプログラムである。これにより、心臓から身体の末梢部分に向けて血流が順に促進されるため、血流を全身に巡らすことを促進させている。
【0106】
本実施形態によれば、第1実施形態〜第5実施形態の効果(1)〜(10)に加え、以下の効果を奏することができる。
(13)本実施形態では、操作部80により「静脈還流コース」および「活性化コース」を選択することにより、これらコースに基づいて血流を促進させる順番を変更する。したがって、使用者は静脈還流の促進および血液を全身に巡らせる効果を容易に得ることができる。
【0107】
(第9実施形態)
図20を参照して、本発明の第9実施形態について説明する。本実施形態では、第4実施形態と異なる点について詳細に説明し、同一部材には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0108】
第4実施形態では、リジッドな本体部10にユニット70が設けられている。これに対して本実施形態では、フレキシブルな基板にユニット70が設けられている。
身体には、例えば肩甲骨のように凹凸を有する部位がある。加えて身体表面は平面状ではなく曲面状であるとともに弾性変形する。そのため、本体部10がリジッドである場合には、本体部10と身体表面との距離が本体部10の場所に応じて異なる。これにより、ユニット70の配置位置によって身体表面との距離が変わってしまうため、血流促進部78による血流促進度合や血流計測部77による血流量BQの計測にばらつきを生じるおそれがある。
【0109】
このような問題に対して、本実施形態では、基板90が身体表面に応じて弾性変形するため、基板90が身体表面に対して密着する。これにより、基板90の場所に対してユニット70と身体表面との距離が変わることを抑制している。したがって、例えば図20に示すように、身体表面の凹凸が大きい両肩にわたり血流促進装置1を取り付けたとしても、血流促進部78による血流促進度合や血流計測部77による血流量BQの計測にばらつきを抑制することができる。
【0110】
本実施形態によれば、第1実施形態〜第8実施形態の効果(1)〜(13)に加え、以下の効果を奏することができる。
(14)本実施形態では、ユニット70がフレキシブルな基板90上に設けられている。したがって、身体の凹凸に応じた位置に血流計測部77と血流促進部78とを配置することができる。
【0111】
(第10実施形態)
図21を参照して、本発明の第10実施形態について説明する。本実施形態では、第4実施形態と異なる点について詳細に説明し、同一部材には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0112】
第4実施形態では、血流促進部78としての促進用発光素子74の光が直接身体の所定部位60の筋肉61内の動脈62に照射されることにより、動脈62の血流量BQを増大させるものである。これに対して本実施形態では、血流促進部120として有機EL素子100を含む構成を用いる。そしてこれに基づいて動脈62の血流量BQを増大させる。
【0113】
図21(a)に示すように、本体部10の長手方向の中央には、セラミックス板104と、2組の計測用発光素子72および計測用受光素子73が設けられた血流計測部110とが設けられている。セラミックス板104の短手方向の両側には、粘着パッド12が長手方向に延びるように設けられている。
【0114】
図21(b)に示すように、セラミックス板104上には、透明樹脂材料を平板形状に成形した基板105が設けられている。この基板105上には、血流計測部110が設けられている。
【0115】
血流促進部120は、有機EL素子100と、光熱変換層106とを含む。有機EL素子100は、陰極101と、陽極102と、発光層103とを含む。有機EL素子100は次のように発光する。すなわち、陰極101および陽極102の2つの電極から電子および正孔が発生する。これら電子および正孔が発光層103で結合することにより発光する。
【0116】
光熱変換層106は、有機EL素子100の光を吸収することにより発熱する。この光熱変換層106の熱がセラミックス板104に伝達されることにより、セラミックス板104から赤外線が放射される。
【0117】
血流促進装置1の使用態様について説明する。
身体の所定部位60に血流促進装置1の本体部10を接触させた後に電源スイッチをオンするとき、有機EL素子100が発光することにより、光熱変換層106を介してセラミックス板104から赤外線が所定部位60に向けて放射される。これにより、所定部位60の筋肉61が次第に暖められるため、血流が次第に促進される。また電源スイッチをオンしたとき、血流計測部110により血流量BQが計測される。この血流量BQの情報は表示装置30により表示される。
【0118】
本実施形態によれば、第1実施形態〜第9実施形態の効果(1)〜(14)に加え、以下の効果を奏することができる。
(15)本実施形態では、血流促進部120として有機EL素子100を用いている。したがって、血流促進部120として例えば発光ダイオードを用いた場合よりも血流促進装置1の薄型化を図ることができる。
【0119】
(第11実施形態)
図22および図23を参照して、本発明の第11実施形態について説明する。本実施形態では、第1実施形態と異なる点について詳細に説明し、同一部材には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0120】
第1実施形態は、促進用発光素子52の光が直接身体の所定部位60の筋肉61内の動脈62に照射されることにより、動脈62の血流量BQを増大させるものである。これに対して本実施形態は、促進用発光素子52に代えて血流促進部130として発熱体131とセラミックス板132とを用いて、所定部位60を暖めることにより動脈62の血流量BQを増大させるものである。
【0121】
図22(a)に示すように、本体部10は、発熱体131(図22(b)参照)およびセラミックス板132を有する血流促進部130と、血流計測部40と、カバー体11と、粘着パッド12とを含む。セラミックス板132は、赤外線を放射する鉱物等を含む。
【0122】
図22(b)に示すように、本体部10は以下のように構成される。
平板状の発熱体131の上には、平面視において長方形状のセラミックス板132が取り付けられている。これら発熱体131およびセラミックス板132は、カバー体11により覆われている。
【0123】
カバー体11に設けられた開口部11Aと対応するところには、血流計測部40がセラミックス板132上に取り付けられる態様にて設けられている。
図22(c)に示すように、発熱体131は、平板状の基板133と、基板133上に接着剤にて固定された電熱ヒータ線134とを含む。電熱ヒータ線134は、平面視において基板133の長手方向に蛇行する形状にて設けられている。
【0124】
図23を参照して、血流促進装置1の使用態様について説明する。
身体の所定部位60に血流促進装置1の本体部10を固定させた後に電源スイッチをオン操作するとき、電熱ヒータ線134(図22(c)参照)が加熱されることによりセラミックス板132に伝熱される。これにより、セラミックス板132から赤外線が所定部位60に向けて放射されるため、所定部位60の筋肉61が次第に暖められる。その結果、動脈62が次第に拡張するため、血流が次第に促進される。
【0125】
また電源スイッチをオンしたとき、血流計測部40により血流量BQが計測される。この血流量BQの情報は表示装置30により表示される。
本実施形態によれば、第1実施形態の効果(1)および(2)に準じた効果を奏することができる。
【0126】
(第12実施形態)
図24を参照して、本発明の第12実施形態について説明する。本実施形態では、第1実施形態と異なる点について詳細に説明し、同一部材には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0127】
第1実施形態では、表示装置30の表示部32に時間に対する血流量BQの変化を示すグラフを表示している。これに対して本実施形態では、上記グラフに代えて表示部32に血流状態レベルを表示する。
【0128】
表示部32は、血流促進装置1が身体に取り付けられる位置と、血流計測部40(図1参照)により計測された血流状態レベルとを表示している。血流状態レベルは、5段階のメータとして表示されている。
【0129】
図24(a)に示すように、血流促進部50(図1参照)が所定部位60の血流を促進する前の状態では、例えば所定部位60の血流状態レベルが3段階目である標準(中)と表示される。その後、血流促進部50が所定時間にわたり所定部位60の血流を促進した後、血流計測部40により所定部位60の血流状態レベルを測定する。その測定結果が例えば、所定部位60の血流状態レベルが5段階目である良好(高)と表示される。これにより、使用者は血流状態レベルを視認することにより、血流促進部50による血流の促進の効果を認識することができる。
【0130】
本実施形態によれば、第1実施形態〜第11実施形態の効果(1)〜(15)に加え、以下の効果を奏することができる。
(16)本実施形態では、血流促進部50による血流の促進の効果の具合をメータとして表示している。これにより、血流の促進の効果として時間に対する血流量BQの変化傾向を示すグラフで示す場合よりも上記効果の具合を容易に把握することができる。
【0131】
(その他の実施形態)
本発明の血流促進装置の具体的な構成は、上記各実施形態に限定されることなく、例えば以下の変更が可能である。また、以下の変形例は、上記各実施形態についてのみ適用されるものでなく、異なる変形例同士を互いに組み合わせて実施することもできる。
【0132】
・第2実施形態では、血流計測部40が6個設けられたが、血流計測部40の数はこれに限られない。血流計測部40は1個〜5個または7個以上あればよい。
・第3実施形態では、計測用発光素子72の中心波長および促進用発光素子74の中心波長がともに800nmであったが、これら素子の中心波長はこれに限られない。例えば、計測用発光素子72の中心波長および促進用発光素子74の中心波長をともに1550nmとすることもできる。要するに計測用発光素子72の中心波長と促進用発光素子74の中心波長がともに一致していれば、800nm以外の中心波長とすることもできる。
【0133】
・また例えば、計測用発光素子72の中心波長を800nmとし、促進用発光素子74の中心波長を1550nmとすることもできる。また計測用発光素子72の中心波長を1550nmとし、促進用発光素子74の中心波長を800nmとすることもできる。
【0134】
・第6実施形態では、ユニット70による血流の計測と、ユニット70による血流の促進とを独立して選択したが、選択したユニット70によって血流の計測および血流の促進の両方を行う構成とすることもできる。この場合、操作部80の切替スイッチ87が省略される。
【0135】
・第5実施形態では、遮光部76が計測用発光素子72、計測用受光素子73および促進用発光素子74の全てを外囲する構成であったが、遮光部76の構成はこれに限られない。遮光部76は、少なくとも計測用受光素子73に侵入する外乱光を遮光する構成であればよい。
【0136】
・第7実施形態では、選択された所定部位60の促進時血流量BQVが下限閾値BQLよりも小さいときに所定部位60に対応するユニット70により血流を促進させたが、血流を促進させる態様はこれに限られない。例えば、促進時血流量BQVが下限閾値BQLよりも小さい状態が所定時間以上継続したときには、所定部位60に対応するユニット70に加え、このユニット70の周囲のユニット70によって血流を促進させることもできる。また周囲のユニット70の血流促進度合を大きくすることもできる。これにより、所定部位60の血流の促進を効果的に行うことができる。
【0137】
・第10実施形態では、有機EL素子100が光熱変換層106を介してセラミックス板104に伝熱されることにより、セラミックス板104から赤外線が放射される構成であったが、有機EL素子100の光を所定部位60に向けて直接放射してもよい。この場合、有機EL素子100は、中心波長が800nmの近赤外線領域の光を所定部位60に向けて照射することにより血流の促進を図る。これにより、セラミックス板104を省略することができるため、血流促進装置1の薄型化を図ることができる。
【0138】
・第11実施形態では、血流計測部40が1つのみであったが、図25に示すように、血流計測部40を複数個設けることもできる。
・第3〜第12実施形態では、計測用発光素子72の中心波長が800nmとしたが、計測用発光素子72の中心波長は、厳密に800nmに限られない。酸素化ヘモグロビンの吸光度と脱酸素化ヘモグロビンの吸光度とが等しくなる光の波長であれば、中心波長が800nmの周辺の波長であってもよい。
【0139】
・第1〜第8および第10〜第12実施形態において、使用者の肩部に血流促進装置1を装着することもできる。また第9実施形態において、使用者の背中から腰にかけて血流促進装置1を装着することもできる。
【0140】
・第1〜第3および第12実施形態において、血流計測部40が血流促進部50よりも動脈62の下流側に設けられたが、血流計測部40は血流促進部50よりも動脈62の上流側に設けることもできる。また第1および第2実施形態では、血流計測部40において超音波送信素子43が超音波受信素子44よりも動脈62の上流側に設けられたが、超音波送信素子43は超音波受信素子44よりも動脈62の下流側に設けることもできる。また第3実施形態では、血流計測部40において計測用発光素子72が計測用受光素子73よりも動脈62の上流側に設けられたが、計測用発光素子72は計測用受光素子73よりも動脈62の下流側に設けることもできる。
【0141】
・第5〜第10実施形態において、計測用発光素子72および計測用受光素子73の間に挟まれるように促進用発光素子74が配置される構成であったが、これら素子の配置構成はこれに限られない。計測用発光素子72および計測用受光素子73の両方が促進用発光素子74よりも動脈62の下流側または上流側に設けることもできる。
【0142】
・上記各実施形態では、本体部10と粘着パッド12とが各別の部材として設けられていたが、本体部10が粘着パッド12を含んで構成することもできる。
・上記各実施形態において、本体部10に粘着パッド12を省略することもできる。
【0143】
・上記各実施形態において、血流情報として血流量BQを計測したが、血流情報として血流に基づく他の情報であってもよい。
・上記各実施形態では、所定部位の血流を促進させる手段として、促進用発光素子52,74による光および有機EL素子100や電熱ヒータ線134からセラミックス板104,132による赤外線であったが、血流を促進させる手段はこれらに限られない。例えば、所定部位60に微弱電流を供給することにより血流を促進させることもできる。また所定部位60にソレノイド等により振動を付与することにより血流を促進させることもできる。
【0144】
・上記各実施形態では、電源装置20と表示装置30とが本体部10から離間したところに設けられる構成であったが、血流促進装置1の構成はこれに限られない。血流促進装置1として、本体部10に電源装置20および表示装置30の少なくとも一方が本体部10に設けることもできる。
【0145】
・上記各実施形態では、血流促進装置1を背中や肩に装着したが、腕や脚や首等に装着することもできる。
・上記各実施形態では、所定部位60と本体部10とが互いに接触した状態で血流の計測および血流の促進を行ったが、所定部位60と本体部10とが互いに離間した状態で血流の計測および血流の促進を行うこともできる。
【符号の説明】
【0146】
1…血流促進装置、32…表示部、40,40A〜40F…血流計測部、50,50A〜50F…血流促進部、52…促進用発光素子、60…所定部位、72…計測用発光素子、73…計測用受光素子、74…促進用発光素子、76…遮光部、77…血流計測部、78…血流促進部、90…基板(フレキシブルな基板)、100…有機EL素子、110…血流計測部、120…血流促進部、130…血流促進部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
血流を促進させる血流促進装置において、
身体の所定部位の血流を計測する血流計測部と、前記身体の所定部位の血流を促進させる血流促進部とを含み、
当該血流促進装置の前記身体の所定部位に対応する面に前記血流促進部および前記血流計測部が設けられる
ことを特徴とする血流促進装置。
【請求項2】
請求項1に記載の血流促進装置において、
前記血流計測部および前記血流促進部が設けられる本体部を含み、
この本体部が前記身体の所定部位に接触した状態で前記血流計測部による前記身体の所定部位の血流の計測および前記血流促進部による同所定部位の血流の促進を行う
ことを特徴とする血流促進装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の血流促進装置において、
前記血流促進部は、前記身体の所定部位に向けて光を照射することにより血流を促進させる
ことを特徴とする血流促進装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の血流促進装置において、
前記血流計測部は、前記身体の所定部位に向けて光を照射する計測用発光素子と、前記身体の所定部位を伝播した光を受光する計測用受光素子とを含む
ことを特徴とする血流促進装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の血流促進装置において、
前記血流促進部は、前記身体の所定部位に向けて光を照射する促進用発光素子を含み、
前記血流計測部は、前記身体の所定部位に向けて光を照射する計測用発光素子と、前記身体の所定部位を伝播した光を受光する計測用受光素子とを含み、
前記促進用発光素子の中心波長と前記計測用発光素子の中心波長とが互いに等しい
ことを特徴とする血流促進装置。
【請求項6】
請求項4または5に記載の血流促進装置において、
前記血流促進部は、前記計測用発光素子と前記計測用受光素子とに挟まれるように設けられる
ことを特徴とする血流促進装置。
【請求項7】
請求項4〜6のいずれか一項に記載の血流促進装置において、
前記血流計測部には、外乱光を遮断する遮光部が設けられる
ことを特徴とする血流促進装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の血流促進装置において、
前記血流促進部が複数設けられ、
前記各血流促進部は独立して制御可能である
ことを特徴とする血流促進装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に記載の血流促進装置において、
前記血流計測部により計測された血流情報に基づいて、前記血流促進部が血流を促進させる前記身体の所定部位および前記血流促進部が血流を促進させる度合の少なくとも一方を変更する
ことを特徴とする血流促進装置。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一項に記載の血流促進装置において、
予め定められたプログラムに基づいて、前記血流促進部が血流を促進させる前記身体の所定部位および前記血流促進部が血流を促進させる度合の少なくとも一方を変更する
ことを特徴とする血流促進装置。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか一項に記載の血流促進装置において、
フレキシブルな基板に前記血流促進部および前記血流計測部が設けられる
ことを特徴とする血流促進装置。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか一項に記載の血流促進装置において、
前記血流促進部は、前記身体の所定部位に向けて光を照射することにより血流を促進させるものであり、
前記血流促進部として有機EL素子が用いられる
ことを特徴とする血流促進装置。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか一項に記載の血流促進装置において、
前記血流計測部が計測した血流情報を表示する表示部を含む
ことを特徴とする血流促進装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2012−5595(P2012−5595A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−143038(P2010−143038)
【出願日】平成22年6月23日(2010.6.23)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】