説明

血液から免疫グロブリンを得るためのシステムおよび方法

本開示は、一般に、ドナーからの血液を担体に運ぶように構成された第1の導管であって、前記血液が少なくとも1種の第1の成分および少なくとも1種の第2の成分を含み、前記血液の第1の成分が免疫グロブリンを含み、前記担体が免疫グロブリンに結合するように適合させられている、第1の導管と;第1の導管からの血液の第2の成分の少なくとも一部をドナーに運ぶように構成されている第2の導管を含む、ドナーの血液から薬学的に許容される免疫グロブリンを得るためのシステムに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(分野)
本開示は、一般に、例えば免疫グロブリン(例えば、IgG)を含む血液の成分を得るため、および/または単離するためのシステムおよび方法に関する。ドナーから単離された免疫グロブリンは、レシピエントに移送(例えば、直接注入)してもよい。本開示は、一般に、本開示のシステムによりドナーから単離された免疫グロブリンをレシピエントに投与することによって、免疫不全に関連したものを含む疾患または障害を処置するための方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
(背景)
免疫グロブリン(抗体とも呼ばれる)は、脊椎動物の血液またはその他の体液中に見出される特殊化抗原結合タンパク質であり、細菌およびウイルスなどの外来物質による侵襲に対する防御として主に働く。抗体は、アイソタイプとして公知の様々な種類になることができる。哺乳動物では、IgA、IgD、IgE、IgG、およびIgMとして公知の5種の抗体アイソタイプがあり、このそれぞれは、異なるエフェクタ機能を含む。IgGは、侵襲病原体に対する抗体ベースの免疫性の大部分を提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
数多くの疾患および/または障害は、免疫不全(例えば、IgGの低減)または免疫修飾の欠陥(例えば、慢性炎症)に関連している。処置は、抗体増殖および/または成熟を促進させる薬剤の投与を含んでいてもよい。さらに、または代替として、そのような処置はまた、免疫低下被験体への免疫グロブリンの投与を含んでいてもよい。しかし、ドナーから免疫グロブリンを得るための方法は、しばしばドナーおよびレシピエントから異なる位置にある1つまたは複数の設備でのいくつかの加工ステップを必要とし、このことは輸液を遅らせ、さらに高いコストをもたらす。したがって、現場から離れた加工を必要とすることなく、ドナーから免疫グロブリンを得、その後レシピエントに注入することが可能になる方法が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
(概要)
血液から免疫グロブリンを得るためのシステムおよび方法が、提供される。本開示のシステムにより血液から得られた免疫グロブリンは、免疫不全または免疫修飾の欠陥に関連した数多くの疾患または障害(例えば、アルツハイマー病)を処置するのに使用してもよい。
【0005】
ドナーから担体(substrate)に血液を運ぶよう構成された第1の導管であって、前記血液が、少なくとも1種の第1の成分および少なくとも1種の第2の成分を含み、前記血液の第1の成分が免疫グロブリンを含み、前記担体が免疫グロブリンに結合するように適合させられている、第1の導管と;第1の導管からの血液の第2の成分の少なくとも一部をドナーに運ぶよう構成された第2の導管とを含む、ドナーの血液から薬学的に許容される免疫グロブリンを得るためのシステムが提供される。
【0006】
いくつかの実施例では、免疫グロブリンがIgGである。
【0007】
いくつかの実施形態では、第1の導管は、血液の第1の成分を担体に運ぶように構成されている。いくつかの実施形態では、第1の成分は実質的に血漿である。
【0008】
いくつかの実施形態では、第2の成分は実質的に細胞である。いくつかの実施形態では、第2の成分は、第2の量の免疫グロブリンを含む。いくつかの実施形態では、免疫グロブリンの第2の量は、免疫グロブリンの第1の量未満である。いくつかの実施形態では、免疫グロブリンの第2の量が実質的にゼロである。いくつかの実施形態では、ドナーに運ばれる血液の第2の成分の一部は、赤血球を含む。いくつかの実施形態では、ドナーに運ばれる血液の第2の成分の一部は、血小板を含む。
【0009】
いくつかの実施形態では、第3の導管は、前記担体から単離された高濃度の免疫グロブリンを含む生成物を運ぶように構成されている。
【0010】
いくつかの実施形態では、生成物(例えば、免疫グロブリン)は、治療有効量の免疫グロブリンを含む。いくつかの実施形態では、第3の導管は、第1の導管または第2の導管の設備とは異なる設備に配置されている。
【0011】
いくつかの実施形態では、結合した免疫グロブリンを有する担体は、第3の導管の設備に移送することが可能である。
【0012】
いくつかの実施形態では、第4の導管が提供され、生成物(例えば、免疫グロブリン)をレシピエントに運ぶように構成されている。
【0013】
いくつかの実施形態では、生成物(例えば、免疫グロブリン)は、さらに加工することなくレシピエントに投与される。いくつかの実施形態では、生成物は、少なくとも1つのプロセスによってレシピエントに投与するために加工される。いくつかの実施形態では、このプロセスは、生成物中の免疫グロブリンの濃度の調節、免疫グロブリンからのIgGの少なくとも一部の単離、前記ドナーからの生成物と少なくとも1名のその他のドナーからの生成物とを組み合わせること、生成物の免疫グロブリンを液体で再構成すること、生成物の滅菌、および薬学的に許容される生成物の生成からなる群より選択される。
【0014】
いくつかの実施形態では、生成物(例えば、免疫グロブリン)は、第1の導管または第2の導管の設備以外の設備でさらに加工される。
【0015】
いくつかの実施形態では、生成物(例えば、免疫グロブリン)を、前記システムを使用して10名未満のドナーから得られた生成物と共にプールする。いくつかの実施形態では、生成物は、5名未満のドナーから得られた生成物と共にプールされる。いくつかの実施形態では、免疫グロブリンを、1から10名またはそれ以上のドナーから得てプールしてもよい。
【0016】
タンパク質生成物(例えば、免疫グロブリン)のために1名のドナーから得られるタンパク質の量を増加させるための方法も提供され、この方法は:少なくとも1種の第1の成分および少なくとも1種の第2の成分を含み、前記第1の成分がタンパク質を含む血液を、ドナーから採取するステップと;採取した血液の第1の成分を、前記タンパク質を結合するように適合させた担体に曝露するステップと;採取した血液の第2の成分の少なくとも一部をドナーに戻すステップと;前記担体から、高濃度の前記タンパク質を含む生成物を単離するステップを含む。
【0017】
いくつかの実施形態では、タンパク質が免疫グロブリンである。さらなる実施例では、免疫グロブリンがIgGである。
【0018】
いくつかの実施形態では、ドナーから血液を採取するステップは、血液から血漿を少なくとも約650ミリリットル得るのに十分な量の血液を、ドナーから採取するステップを含む。いくつかの実施形態では、ドナーから血液を採取するステップは、ドナーから血液を少なくとも2リットル採取するステップを含む。いくつかの実施形態では、ドナーから血液を採取するステップは、実質的に全てのドナー血液量が少なくとも1回担体に曝露されるまで、ドナーから血液を連続的に採取するステップを含む。いくつかの実施形態では、ドナーから血液を採取するステップは、有効量のタンパク質が前記担体に結合されるまで、ドナーから血液を連続的に採取するステップを含む。いくつかの実施形態では、ドナーから血液を採取するステップは、ドナーから血液を少なくとも2部(two portions)連続して採取するステップを含む。
【0019】
いくつかの実施形態では、ドナーから採取した血液の少なくとも1部は、少なくとも約500ミリリットルである。
【0020】
いくつかの実施形態では、第1の成分は第2の成分を含む。いくつかの実施形態では、第1の成分は実質的に血漿である。いくつかの実施形態では、第2の成分は実質的に細胞である。いくつかの実施形態では、採取した血液の第1の成分を担体に曝露するステップは、ドナーの血液の実質的に全ての第1の成分を、少なくとも1回、担体に曝露するステップを含む。
【0021】
いくつかの実施形態では、生成物は、治療有効量のタンパク質を含む。
【0022】
いくつかの実施形態では、第2の成分は、第2の量のタンパク質を含む。いくつかの実施例では、タンパク質の第2の量は、タンパク質の第1の量未満である。その他の実施形態では、タンパク質の第2の量は、実質的にゼロである。
【0023】
いくつかの実施形態では、この方法は、採取した血液の第1の成分の少なくとも一部をドナーに戻すステップを含む。いくつかの実施形態では、この方法は、ドナーに前記一部を戻す前に、採取した血液の第1の成分の一部を処理するステップを含む。いくつかの実施形態では、この方法は、担体に結合していない、採取した血液の一部をドナーに戻すステップを含む。いくつかの実施形態では、この方法は、採取した血液の第2の成分の実質的に全てをドナーに戻すステップを含む。いくつかの実施形態では、ドナーに戻された、採取した血液の第2の成分の一部は、赤血球を含む。いくつかの実施形態では、ドナーに戻された、採取した血液の第2の成分の一部は、血小板を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも、血液を採取し、前記血液の第1の成分を担体に曝露するステップを、有効量のタンパク質が担体に結合されるまで繰り返す。
【0024】
いくつかの実施形態では、有効量のタンパク質は、担体から単離することが可能である。
【0025】
いくつかの実施形態では、前記方法のステップのそれぞれは、同じ設備で行う。いくつかの実施形態では、担体から生成物を単離するステップは、前記方法のステップの少なくとも1つ以外の設備で行う。
【0026】
いくつかの実施形態では、少なくとも、血液を採取し、前記血液の第1の成分を担体に曝露するステップは、ドナーを担体に動作可能に接続するように適合させた流体回路で行う。
【0027】
いくつかの実施形態では、この方法は、生成物を患者に投与するステップを含む。いくつかの実施形態では、生成物は、10名未満のドナーのそれぞれから得られる。いくつかの実施形態では、生成物は、5名未満のドナーのそれぞれから得られる。
【0028】
いくつかの実施形態では、生成物は、さらに加工することなく患者に投与される。いくつかの実施形態では、この方法は、患者に投与されるように生成物を調製するステップを含む。いくつかの実施形態では、生成物を調製するステップは、生成物中のタンパク質の濃度を調節するステップと、タンパク質から免疫グロブリンの少なくとも一部を単離するステップと、前記ドナーからの生成物と少なくとも1名のその他のドナーからの生成物を組み合わせるステップと、生成物のタンパク質を液体で再構成するステップと、生成物を滅菌するステップと、薬学的に許容される生成物を生成するステップからなる群より選択されるステップの少なくとも1つを含む。
【0029】
いくつかの実施形態では、生成物を調製するステップは、生成物中のタンパク質の濃度を調節するステップ、タンパク質から免疫グロブリンの少なくとも一部を単離するステップ、前記ドナーからの生成物と少なくとも1名のその他のドナーからの生成物とを組み合わせるステップ、生成物のタンパク質を液体で再構成するステップ、生成物を滅菌するステップ、または薬学的に許容される生成物を生成するステップの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態では、患者に投与されるように生成物を調製するステップは、前記方法のその他のステップの少なくとも1つ以外の設備で行われる。
【0030】
本開示の方法によって、10名未満のドナーのそれぞれから得られたタンパク質生成物を含む組成物も、提供される。
【0031】
いくつかの実施形態では、タンパク質生成物は、5名未満のドナーのそれぞれから得られる。いくつかの実施形態では、組成物は、患者に投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、さらに加工することなく患者に投与される。
【0032】
本開示の方法によって、少なくとも1名のドナーから得られた生成物を含む組成物の有効量を投与するステップを含む、アルツハイマー病を処置するための方法も提供される。
【0033】
いくつかの実施形態では、組成物は、10名未満のドナーのそれぞれから得られた生成物を含む。
【0034】
タンパク質生成物用に1名のドナーから得られるタンパク質の量を増加させるための方法であって:第1の設備で、ドナーから、少なくとも1種の第1の成分および少なくとも1種の第2の成分を含む血液を採取するステップであって、ここで前記第1の成分はタンパク質を含む、ステップと;採取した血液の第1の成分を、第1の設備で前記タンパク質に結合するように適合させた担体に曝露するステップと;採取した血液の第2の成分の少なくとも一部を第1の設備でドナーに戻すステップと;第2の設備で、高濃度の前記タンパク質を含む生成物を前記担体から単離するステップを含む方法が提供される。
【0035】
ドナーから血液を採取するステップと;担体上でドナーの血液からの1種または複数の血液成分を、被験体に投与するための1種または複数の血液成分を含む第1の画分、およびドナーに戻される1種または複数の血液成分を含む第2の画分に分離するステップと;被験体に投与するための1種または複数の血液成分の画分を得るステップと;1種または複数の血液成分を含む第2の画分を、ドナーに戻すステップと;1名または複数のドナーからの1種または複数の血液成分を含む第1の画分をプールするステップと;プールされた1種または複数の血液成分の有効量を、被験体に直接投与するステップによって、1種または複数の血液成分で疾患または障害を有する被験体を処置するための方法も提供される。いくつかの実施形態では、第1および第2の画分は、全血から分離してもよい。その他の実施形態では、第1および第2の画分は、血漿から分離してもよい。いくつかの実施形態では、第1および第2の画分の分離は、細胞レベルとは対照的に分子レベルで行われる。
【0036】
いくつかの実施形態では、タンパク質は免疫グロブリンである。さらなる実施形態では、免疫グロブリンはIgGである。
【0037】
いくつかの実施形態では、ドナーから血液を採取するステップは、血液から血漿を少なくとも約650ミリリットル得るのに十分な量の血液を、ドナーから採取するステップを含む。いくつかの実施形態では、ドナーから血液を採取するステップは、ドナーから血液を少なくとも2リットル採取するステップを含む。いくつかの実施形態では、ドナーから血液を採取するステップは、実質的に全てのドナー血液量が少なくとも1回担体に曝露されるまで、ドナーから血液を連続的に採取するステップを含む。いくつかの実施形態では、ドナーから血液を採取するステップは、タンパク質の有効量が前記担体に結合されるまで、ドナーから血液を連続的に採取するステップを含む。いくつかの実施形態では、ドナーから血液を採取するステップは、ドナーから血液を少なくとも2部連続して採取するステップを含む。いくつかの実施形態では、ドナーから採取した血液の少なくとも1部は、少なくとも約500ミリリットルである。いくつかの実施形態では、第1の成分は、第2の成分を含む。
【0038】
いくつかの実施形態では、第1の成分は、実質的に血漿である。いくつかの実施形態では、第2の成分は、実質的に細胞である。
【0039】
いくつかの実施形態では、採取した血液の第1の成分を担体に曝露するステップは、ドナーの血液の実質的に全ての第1の成分を、担体に少なくとも1回曝露するステップを含む。
【0040】
いくつかの実施形態では、生成物は、治療有効量のタンパク質を含む。
【0041】
いくつかの実施形態では、第2の成分は、第2の量のタンパク質を含む。いくつかの実施形態では、タンパク質の第2の量は、タンパク質の第1の量未満である。いくつかの実施形態では、タンパク質の第2の量は、実質的にゼロである。
【0042】
いくつかの実施形態では、この方法は、採取した血液の第1の成分の少なくとも一部をドナーに戻すステップを含む。いくつかの実施形態では、この方法は、ドナーに前記一部を戻す前に、採取した血液の第1の成分の一部を処理するステップを含む。いくつかの実施形態では、この方法は、担体に結合されていない、採取した血液の一部をドナーに戻すステップを含む。いくつかの実施形態では、この方法は、採取した血液の第2の成分の実質的に全てをドナーに戻すステップを含む。いくつかの実施形態では、ドナーに戻された、採取した血液の第2の成分の一部は、赤血球を含む。いくつかの実施形態では、ドナーに戻された、採取した血液の第2の成分の一部は、血小板を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも、血液を採取し、前記血液の第1の成分を担体に曝露するステップを、有効量のタンパク質が担体に結合されるまで繰り返す。
【0043】
いくつかの実施形態では、有効量のタンパク質を、担体から単離することが可能である。
【0044】
いくつかの実施形態では、少なくとも、血液を採取し、前記血液の第1の成分を担体に曝露するステップは、ドナーを担体に動作可能に接続するように適合させた流体回路で行われる。
【0045】
いくつかの実施形態では、この方法は、患者に生成物を投与するステップを含む。その他の実施例では、生成物は、10名未満のドナーのそれぞれから得られる。いくつかの実施形態では、タンパク質生成物は、5名未満のドナーのそれぞれから得られる。さらにその他の実施形態では、生成物は、さらなる加工なしに患者に投与される。いくつかの実施例では、タンパク質生成物は、10名未満のドナーのそれぞれから得られる。いくつかの実施形態では、タンパク質生成物は、5名未満のドナーのそれぞれから得られる。
【0046】
いくつかの実施形態では、この方法は、患者に投与されるように生成物を調製するステップを含む。
【0047】
いくつかの実施形態では、生成物を調製するステップは、生成物中のタンパク質の濃度を調節するステップと、タンパク質から免疫グロブリンの少なくとも一部を単離するステップと、前記ドナーからの生成物と少なくとも1名のその他のドナーからの生成物を組み合わせるステップと、生成物のタンパク質を溶液で再構成するステップと、生成物を滅菌するステップと、薬学的に許容される生成物を生成するステップからなる群より選択されるステップの少なくとも1つを含む。
【0048】
いくつかの実施形態では、生成物を調製するステップは、生成物中のタンパク質の濃度を調節するステップ、タンパク質から免疫グロブリンの少なくとも一部を単離するステップ、前記ドナーからの生成物と少なくとも1名のその他のドナーからの生成物とを組み合わせるステップ、生成物のタンパク質を溶液で再構成するステップ、生成物を滅菌するステップ、または薬学的に許容される生成物を生成するステップの少なくとも1つを含む。
【0049】
いくつかの実施形態では、患者に投与されるように生成物を調製するステップは、第1の設備および第2の設備以外の設備で行われる。
【0050】
開示される方法により10名未満のドナーのそれぞれから得られたタンパク質生成物を含む組成物も、提供される。
【0051】
いくつかの実施例では、タンパク質生成物は、5名未満のドナーのそれぞれから得られる。いくつかの実施形態では、組成物は患者に投与される。さらにその他の実施形態では、組成物は、さらに加工することなく患者に投与される。
【0052】
アルツハイマー病を処置するための、この開示の方法により得られた医薬の製造における、免疫グロブリンの使用は、本開示によって提供される。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】図1は、ドナーからの全血からの血漿成分の分離と、血漿からの免疫グロブリンの、レシピエントへの注入を示す図である。
【図2】図2は、ドナーからレシピエントへの、血液成分の移送を示す図である。
【図3】図3は、ドナーからの全血からの免疫グロブリンの分離と、分離された免疫グロブリンの、レシピエントへの注入を示す図である。
【図4】図4は、ドナーからレシピエントへの、血液成分の移送を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
(詳細な説明)
本開示は、レシピエントへの直接注入を目的として、ドナーの血液から、薬学的に許容される免疫グロブリンを得るためのシステムを提供する。担体は、ドナーから免疫グロブリン(これは、ドナーおよびレシピエントの位置から離れた1つまたは複数の場所で加工する必要なしにレシピエントに直接注入するのに使用してもよい)を得る(単離を含む)のに使用してもよいことが発見されている。単離された免疫グロブリンは、アルツハイマー病ならびに/または免疫不全および/もしくは免疫修飾の欠陥に関連した疾患を、改善も含めて処置するのに使用してもよい。
【0055】
本開示は、ドナーの血液から、薬学的に許容される免疫グロブリンを得、次いでいくつかの実施例では、この免疫グロブリンをレシピエントに直接注入することができるシステムを提供する。このシステムは、ドナーから担体に血液を運ぶよう構成された第1の導管であって、前記血液は少なくとも1種の第1の成分および少なくとも1種の第2の成分を含み、血液の前記第1の成分は免疫グロブリンを含み、前記担体は免疫グロブリンに結合するように適合させられている、第1の導管と;第1の導管からの血液の第2の成分の少なくとも一部をドナーに運ぶよう構成された第2の導管を含む。第1の導管は、血液の第1の成分を担体に運ぶように構成されていてもよい。任意選択で、第3の導管は、前記担体から単離された高濃度の免疫グロブリンを含む生成物を運ぶように、構成されていてもよい。この第3の導管は、第1の導管または第2の導管の設備とは異なる設備に配置されてもよい。任意選択で、第4の導管は、レシピエントに生成物を運ぶよう構成されていてもよい。
【0056】
本開示はまた、タンパク質生成物用に1名のドナーから得られるタンパク質の量を増加させるための方法であって:ドナーから、少なくとも1種の第1の成分および少なくとも1種の第2の成分を含む血液を採取するステップであって、ここで前記第1の成分がタンパク質を含む、ステップと;採取した血液の第1の成分を、前記タンパク質に結合するように適合させた担体に曝露するステップと;採取した血液の第2の成分の少なくとも一部をドナーに戻すステップと;前記担体から、高濃度の前記タンパク質を含む生成物を単離するステップを含む、方法も提供する。任意選択で、この方法は、採取した血液の第1の成分の少なくとも一部をドナーに戻すステップを含んでいてもよい。この方法は、さらなる加工を行って、または加工を行うことなく、患者に生成物(例えば、免疫グロブリン)を投与するステップを含んでいてもよい。
【0057】
本開示はまた、有効量の組成物を投与することによる、アルツハイマー病および/または免疫不全に関連した疾患もしくは障害を処置するための方法であって、前記組成物は、本開示の方法によって少なくとも1名のドナーから得られた生成物(例えば、免疫グロブリン)を含む、方法も提供する。組成物は、さらなる加工を行って、または加工を行うことなく、患者に投与してもよい。
【0058】
本開示はまた、タンパク質生成物用に1名のドナーから得られるタンパク質(例えば、免疫グロブリン)の量を増加させるための方法であって:第1の設備で、ドナーから、少なくとも1種の第1の成分および少なくとも1種の第2の成分を含む血液を採取するステップであって、ここで前記第1の成分はタンパク質を含む、ステップと;採取した血液の第1の成分を、第1の設備で前記タンパク質と結合するように適合させた担体に曝露するステップと;採取した血液の第2の成分の少なくとも一部を第1の設備でドナーに戻すステップと;前記担体から、第2の設備で高濃度の前記タンパク質を含む生成物を単離するステップによる、方法も提供する。
【0059】
本開示はまた、1種または複数の血液成分で疾患または障害を有する被験体を処置するための方法であって、ドナーから全血を採取するステップと;担体上でドナーの全血からの1種または複数の血液成分を、被験体に投与するための1種または複数の血液成分(例えば、IgG)を含む第1の画分、およびドナーに戻される1種または複数の血液成分を含む第2の画分に分離するステップと;被験体に投与するための1種または複数の血液成分の画分を得るステップと;1種または複数の血液成分を含む第2の画分をドナーに戻すステップと;1名または複数のドナーからの1種または複数の血液成分を含む第1の画分をプールするステップと;有効量の、プールされた1種または複数の血液成分を、被験体に直接投与するステップによる、方法も提供する。いくつかの実施形態では、第1および/または第2の画分は、タンパク質および/または分子の分離である。
【0060】
本明細書に記述されるものに類似したかまたは均等な、任意の方法および材料は、本開示の実施または試験に使用することができるが、好ましい方法および材料が記述される。本明細書で使用される単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が他を明示しない限り、複数対象を含む。本明細書で使用される全ての技術的および科学的用語は、他に明示されない限り、この開示が属している分野の当業者に一般に理解されるものと同じ意味を有する。
【0061】
(血液から免疫グロブリンを得るためのシステム)
本開示は、とりわけ、1名または複数のレシピエントに注入するために、ドナーの血液から薬学的に許容される免疫グロブリン(例えば、IgG)を得るためのシステムを提供する。
【0062】
システムは、ドナーからの血液を担体に運ぶよう構成された第1の導管を含んでいてもよい。血液は、少なくとも1種の第1の成分(例えば、実質的に血漿)と、少なくとも1種の第2の成分(例えば、実質的に細胞)を含んでいてもよく、血液の前記第1の成分は、免疫グロブリンを含む。
【0063】
担体は、免疫グロブリンに結合するように適合させてもよい(例えば、プロテインA)。第1の導管は、血液の第1の成分(例えば、血漿)を担体に運ぶように構成されていてもよい。採取した血液の第1の成分は、ドナーの血液の実質的に全てが担体に少なくとも1回接触するまで、担体に曝露されてもよい。第2の導管は、第1の導管からの血液の第2の成分の少なくとも一部をドナーに運ぶように構成されていてもよい。血液を採取し、前記血液の第1の成分を担体に曝露するステップは、担体にドナーを動作可能に接続するように適合させた流体回路で行ってもよい。任意選択で、第3の導管は、前記担体から単離された生成物(例えば、免疫グロブリン)を運ぶよう構成されていてもよい。第3の導管は、第1の導管または第2の導管の設備とは異なる設備に配置されてもよい。結合した免疫グロブリンを有する担体は、第3の導管の設備に移ることが可能であってもよい。任意選択で、第4の導管を、生成物がレシピエントに運ばれるように構成してもよい。
【0064】
本開示のシステムは、レシピエント(例えば、患者)への注入のために、ドナーから免疫グロブリンを得る(単離を含む)のに使用してもよい。例示的な方法は:ドナーから血液を得るステップ、血液を加工するステップ、血液から免疫グロブリンを単離するステップ、およびレシピエントに免疫グロブリンを注入するステップ、または製造のために免疫グロブリンをパッケージするステップを含んでいてもよい。任意選択で、免疫グロブリンを欠いている血液を、ドナーに戻してもよい。この方法ステップを、以下により詳細に論じる。
【0065】
(1.ドナーから血液を得るステップ)
血液成分(例えば、IgGなどの免疫グロブリン)は、当技術分野における任意の公知の方法によって、ドナーから得てもよい。
【0066】
潜在的ドナーに関し、その血液の使用を安全ではないようにし得る何れかについて、スクリーニングしてもよい。スクリーニングは、HIVおよびウイルス性肝炎を含む、輸血により感染する可能性のある疾患についての、試験を含んでいてもよい。ドナーにはまた、病歴について尋ねてもよく、簡単な身体検査を行って、献血がその健康に有害ではないことを確実にしてもよい。
【0067】
採取される血液の量および方法は様々であるが、典型的な献血量は、全血が約500ミリリットルであってもよい。収集は、手作業でまたは血液の特定の一部のみ採取する自動化機器で行うことができる。血液は、静脈および/または動脈から採取してよい。血液が凝固しないように、血液をクエン酸ナトリウム、ホスフェート、デキストロース、および/またはアデニンと混合してもよい。
【0068】
免疫グロブリンは、有効量の免疫グロブリンが担体に結合されるまで、ドナーから血液を連続的に採取することによってドナーから採取してもよい(例えば、PAカラムベースの免疫吸着(Immunosorba(登録商標)、Fresenius Medical Care、ドイツ)または抗体ベースIgG免疫吸着(Ig−Therasorb、PlasmaSelect、Teterow、ドイツ)参照)。適切な担体は、Staphylococcus aureusプロテインAまたはStreptococcusプロテインGを含んでいてもよい。十分な量の血液をドナーから採取して、少なくとも約650ミリリットルの血漿を血液から得てもよい(例えば、血液を少なくとも2リットル)。血液は、実質的に全てのドナー血液量が担体に少なくとも1回曝露されるまで、ドナーから採取してもよい。
【0069】
カラムにStaphylococcus aureusプロテインAを結合させる。このプロテインAは、あるサブクラスのヒトIgGに結合する(Immunosorba(登録商標)、Excorim(登録商標)、Lund、スウェーデン)。いくつかの実施例では、プロテインAまたはプロテインGを、Sepharoseに結合させてもよい。あるサブクラスのIgGの採取は、現在、レシピエントの血漿をこれらのS.aureusプロテインA−結合カラム上で灌流することによって実現される。カラムマトリックス材料は、(1)汚染微生物数を低減させるための、発熱物質を含まない滅菌水での一連の濯ぎ、その後の(2)マトリックス材料を融解させない条件下、好ましくは115℃で少なくとも20分間、<2バールでの(F=6まで)水蒸気滅菌によって、滅菌してもよい。全ての滅菌手順は、クラス100,000のクリーンルーム内に配置された、グローブボックスを備えた滅菌アイソレータ内で実施してもよい。
【0070】
血液を採取し、この血液の第1の成分を担体に曝露するステップは、例えばIgGを含む有効量の免疫グロブリンが担体に結合されるまで、繰り返す。免疫グロブリンの有効量は、被験体(例えば、レシピエント)の疾患または障害を処置することが可能な免疫グロブリンの量である。
【0071】
(2.単離された血液成分の加工および調製)
本明細書では生成物と呼ばれる血液成分(例えば、免疫グロブリン)は、加工をして、または加工なしでレシピエントに投与してもよい。
【0072】
加工は、例えば、生成物中の免疫グロブリンの濃度を調節すること、免疫グロブリンからIgGの少なくとも一部を単離すること、前記ドナーからの生成物と少なくとも1名のその他のドナーからの生成物とを組み合わせること、生成物の免疫グロブリンを液体で再構成すること、生成物を滅菌すること、および/または薬学的に許容される生成物を生成することを含んでいてもよい。
【0073】
免疫グロブリンなどの1種または複数の血液成分の加工は、第1の導管または第2の導管の設備以外の設備で行ってもよい。
【0074】
タンパク質生成物用の、1名のドナーから得られるタンパク質(例えば、IgGなどの免疫グロブリン)の量は、ドナーから、少なくとも1種の第1の成分および少なくとも1種の第2の成分を含む血液を採取するステップであって、前記第1の成分がタンパク質を含む、ステップと;採取した血液の第1の成分を、前記タンパク質に結合するように適合させた担体に曝露するステップと;採取した血液の第2の成分の少なくとも一部をドナーに戻すステップと;前記担体から、高濃度の前記タンパク質を含む生成物を単離するステップによって増加させてもよい。
【0075】
生成物は、生成物中のタンパク質の濃度を調節すること、タンパク質から免疫グロブリンの少なくとも一部を単離すること、前記ドナーからの生成物と少なくとも1名のその他のドナーからの生成物とを組み合わせること、生成物のタンパク質を液体で再構成すること、生成物を滅菌すること、および/または薬学的に許容される生成物を生成することによって、調製してもよい。患者に投与されるように生成物を調製するステップは、前記方法のその他のステップの少なくとも1つ以外の設備で行ってもよい。
【0076】
(3.血液からの免疫グロブリンの単離)
免疫グロブリンは、例えば、プロテインAなどの免疫グロブリン結合タンパク質の使用を含めた、当技術分野で公知の任意の方法を使用することによって、全血から単離してもよい。例えば、IgGに結合するプロテインAを使用する適切な方法は、米国特許第5,817,528号に記載されている。固定化した場合、プロテインAは、血清またはその他のサンプルから抗体を精製するのに使用することができ、または免疫沈降中、溶液中で抗体/抗原複合物に特異的に結合するように使用することができる。免疫グロブリン結合タンパク質は、アガロースなどのビーズに固定化してもよい。結合免疫グロブリンは、低pH緩衝液を用いることによって溶出してもよい。
【0077】
好ましい溶出緩衝液には:
(1)5mMクエン酸一ナトリウム/10mMクエン酸、pH2.8;
(2)5mMクエン酸一ナトリウム/63mMクエン酸、pH2.2;
(3)5mM酢酸ナトリウム/酢酸、pH2.8;
(4)0.1mグリシン−HCl pH2.0〜4.5;
(5)0.5Mアルギニン pH3.8〜4.4;および
(6)0.36Mアルギニン pH4.4
が含まれる。
【0078】
(4.レシピエントへの免疫グロブリンの注入)
免疫グロブリンは、静脈内投与、例えばボーラスとして、またはある期間にわたる連続注入によって、また筋肉内、腹腔内、脳脊髄内、皮下、関節内、滑膜内、クモ膜下内、または経口経路などによる公知の方法によって、例えばヒト患者を含めたレシピエントに投与してもよい。免疫グロブリンの静脈内、腹腔内、または皮下投与が好ましく、皮下または腹腔内経路が特に好ましい。
【0079】
1種または複数の血液成分(例えば、免疫グロブリン)を含まない血液を、ドナーに戻してもよい。担体に結合していない、採取した血液の一部は、ドナーに戻してもよい。採取した血液の第1の成分の一部は、その一部をドナーに戻す前に処理してもよい。採取した血液の第2の成分の実質的に全てを、ドナーに戻してもよい。ドナーに戻される、採取した血液の第2の成分の一部は、赤血球および/または血小板を含んでいてもよい。
【0080】
(処置方法)
本開示は、本開示の方法によって得られた1種または複数の血液成分をレシピエント(例えば、患者)に注入することによる、免疫不全に関連した疾患および/または障害を処置するための方法を提供する。
【0081】
本開示の方法によって処置してもよい疾患は、原発性および続発性の両方の免疫不全疾患を含む。例示的な続発性免疫不全疾患には、例えば、ループス/SLE、線維筋痛症、自己免疫疾患、糖尿病、リウマチ様関節炎、多発性硬化症、クローン病、AIDS、がん、ITP、貧血、サルコイドーシス、白血病、EBV、HPV、およびレイノー病が含まれる。
【0082】
本開示の方法によって処置してもよいその他の疾患には、Kowasocki症候群、ループス、およりアルツハイマー病が含まれる。
【0083】
その他の治療レジメンは、ヒト化vWF抗体の投与と組み合わせてもよい。組み合わせ投与には、個別の処方物または単一の医薬品処方物を使用した共投与(co-administration)と、いずれかの順序による連続投与が含まれ、好ましくは、両方(または全て)の活性剤がそれらの生物学的活性を同時に発揮する時間が存在し得る。
【0084】
免疫グロブリンの好ましい有効容量の選択は、当業者に公知となるいくつかの因子の考慮に基づいて、当業者が決定することができる(例えば、臨床試験を介して)。そのような因子には、処置または予防されるべき疾患、関与する症状、患者の体重、患者の免疫状態、および投与された医薬品組成物の正しさを反映する、当業者に公知のその他の因子が含まれる。
【0085】
処方物に用いられるべき正確な用量は、投与経路およびがんの重症度にも左右されることになり、医師の判断および各患者の状況に応じて決定されるべきである。有効用量は、インビトロまたは動物モデル試験システムから導き出された用量−応答曲線から推定してもよい。
【0086】
免疫グロブリンの場合、患者に投与される投薬量は、典型的には、患者の体重の、0.1mg/kgから100mg/kgである。好ましくは、患者に投与される投薬量は、患者の体重の、0.1mg/kgから20mg/kgの間であり、より好ましくは、患者の体重の、1mg/kgから10mg/kgである。一般に、ヒトおよびヒト化免疫グロブリンは、外来ポリペプチドに対する免疫応答が原因で、その他の種の抗体よりも人体内で長い半減期を有する。したがって、ヒト免疫グロブリンの、より低い投薬量と、より少ない頻度の投与が、しばしば可能になる。
【0087】
治療有効量または有効量は、症状を改善もしくは予防するのに、または処置がなされる被験体の生存を延ばすのに有効な量を指すことができる。治療有効量の決定は、特に本明細書に示される詳細な開示に照らし、当業者の能力の十分な範囲内にある。本明細書に記載される治療有効量は、被験体の免疫不全に関連した疾患または障害を処置するのに有効な、免疫グロブリンの量を含む。
【0088】
治療上有効な用量または有効用量は、症状を改善もしくは予防するのに、または処置がなされる被験体の生存を延ばすのに有効な用量を指すことができる。本明細書に記述される治療上有効な用量は、被験体の免疫不全に関連した疾患または障害の処置に有効な免疫グロブリンの用量を含む。
【0089】
(医薬品組成物)
1種または複数の単離された血液成分(例えば、IgGなどの免疫グロブリン)を含む医薬品処方物が、提供される。免疫グロブリンの処方物は、凍結乾燥した処方物または水溶液の形で、任意選択で薬学的に許容されるキャリア、賦形剤、または安定化剤(Remington’s Pharmaceutical Sciences第16版、Osol,A.編、(1980年))と共に所望の純度を有する免疫グロブリンを混合することによって、貯蔵を目的に調製してもよい。許容されるキャリア、賦形剤、または安定化剤は、用いられる投薬量および濃度でレシピエントに無毒性であり、リン酸塩、クエン酸塩およびその他の有機酸などの緩衝剤;アスコルビン酸およびメチオニンを含む抗酸化剤;保存剤(オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド;塩化ヘキサメトニウム;塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム;フェノール、ブチル、またはベンジルアルコール;メチルまたはプロピルパラベンなどのアルキルパラベン;カテコール;レゾルシノール;シクロヘキサノール;3−ペンタノール;およびm−クレゾールなど);低分子量(約10残基未満)ポリペプチド;血清アルブミン、ゼラチン、または免疫グロブリンなどのタンパク質;ポリビニルピロリドンなどの親水性ポリマー;グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニン、またはリシンなどのアミノ酸;単糖、二糖、およびその他の炭水化物(グルコース、マンノース、またはデキストリンを含む);EDTAなどのキレート剤;スクロース、マンニトール、トレハロース、またはソルビトールなどの糖;ナトリウムなどの塩形成対イオン;金属錯体(例えば、Zn−タンパク質錯体);および/またはTWEENTM、PLURONICSTM、またはポリエチレングリコール(PEG)などの非イオン性界面活性剤を含む。
【0090】
本明細書の処方物はまた、処置がなされる特定の適応症に対して必要に応じて複数の活性化合物を含有してもよく、好ましくは、互いに悪影響を及ぼさない相補的活性を有するものを含有してもよい。
【0091】
免疫グロブリンはまた、例えば、コアセルベーション技法によって、または界面重合によって調製されたマイクロカプセル、例えばヒドロキシメチルセルロースまたはゼラチンマイクロカプセルおよびポリ(メチルメタクリレート(methylmethacylate))マイクロカプセルに、コロイド状薬物送達系(例えば、リポソーム、アルブミン微小球、マイクロエマルジョン、ナノ粒子、およびナノカプセル)に、またはマクロエマルジョンに、それぞれ捕捉されてもよい。そのような技法は、Remington’sPharmaceutical Sciences第16版、Osol,A.編、(1980年)に開示されている。
【0092】
持続放出調製物を調製してもよい。持続放出調製物の適切な例には、免疫グロブリンを含有する固体疎水性ポリマーの半透性マトリックスが含まれ、このマトリックスは、成形品、例えばフィルムまたはマイクロカプセルの形をとる。持続放出マトリックスの例には、ポリエステル、ヒドロゲル(例えば、ポリ(2−ヒドロキシエチル−メタクリレート)またはポリ(ビニルアルコール))、ポリアクチド(米国特許第3,773,919号)、L−グルタミン酸およびγエチル−L−グルタメートのコポリマー、非分解性エチレン−酢酸ビニル、LUPRON DEPOTM(乳酸−グリコール酸コポリマーおよびロイプロリドアセテートからなる注入可能な微小球)などの分解性乳酸−グリコール酸コポリマー、およびポリ−D−(−)−3−ヒドロキシ酪酸が含まれる。
【0093】
インビボ投与で使用される処方物は、滅菌されているべきである。これは、滅菌濾過膜を通した濾過によって実現されてもよい。
【0094】
(製造物品)
1種または複数の血液成分を含有する製造物品が提供される。製造物品は、容器と、容器上の、または容器に付随したラベルまたはパッケージ挿入物を含んでいてもよい。適切な容器には、例えば、瓶、バイアル、または注射器が含まれる。容器は、ガラスまたはプラスチックなどの様々な材料から形成されていてもよい。容器は、免疫不全に関連した疾患または障害を処置するのに有効と考えられる組成物を保持し、滅菌アクセスポートを有していてもよい(例えば、容器は、静脈内溶液バッグ、または皮下注射針により穿刺可能な栓を有するバイアルであってもよい。)。組成物中の少なくとも1種の活性剤は、本明細書に記述される、単離された免疫グロブリンであってもよい。ラベルまたはパッケージ挿入物は、免疫不全などの選択された状態を処置するのにこの組成物を使用してもよいことを、示してもよい。一実施形態では、ラベルまたはパッケージ挿入物は、免疫不全に関連した疾患または障害を処置するのに、免疫グロブリンを含む組成物を使用してもよいことを示してもよい。
【0095】
さらに、製造物品は、(a)その内部に組成物が含まれている第1の容器であって、この組成物が本明細書の免疫グロブリンを含む、第1の容器と、(b)その内部に組成物が含まれている第2の容器であって、この組成物が免疫グロブリン以外の治療薬を含む、第2の容器とを含んでいてもよい。この開示のこの実施形態の製造物品は、さらに、免疫不全に関連した疾患または障害を処置するために、第1および第2の組成物を組み合わせて使用することができることを示す、パッケージ挿入物を含んでいてもよい。あるいは、またはさらに、製造物品は、注射用静菌水(BWFI)、リン酸緩衝生理食塩水、リンガー液、およびデキストロース溶液などの薬学的に許容される緩衝液を含む、第2の(または第3の)容器をさらに含んでいてもよい。その他の緩衝液、希釈液、フィルタ、針、および注射器を含めた、商業的および使用者の観点から望ましいその他の材料を、さらに含んでいてもよい。
【実施例】
【0096】
(実施例)
(実施例1 ドナーからレシピエントへの、血漿からの免疫グロブリンの注入)
免疫グロブリンは、ドナーから得てもよく(単離も含む)、レシピエントに注入するのに使用してもよい。
【0097】
例示的な方法では、当技術分野で公知の任意の方法によって、血液をまずレシピエントから得る。次いで血漿を、ドナーの血液から分離し、滅菌して、ウイルスを不活性化する。次に、滅菌した血漿を、プロテインAのマトリックスに接触させる。あるいは、IgGを捕捉するのに代わりのカラムを使用してもよい。カラムを、別のカラムに進入する溶出IgGで洗浄してもよい(例えば、図2参照)。あるいは、プロテインAまたは免疫グロブリン用の別の捕捉リガンドを有する中空糸膜を使用してもよい(例えば、図3および4参照)。任意選択で、血漿が少ないIgGおよび血液をドナーに戻してもよい。捕捉されたIgGを、献血中にまたは献血とは別に、マトリックスから溶出してもよい。溶出は、献血とは別にまたは献血と同時に行ってもよい。溶出したIgGは、レシピエントに注入するために使用してもよく、またはバルク供給用にIgGを製造するのに使用してもよい。溶出したIgGは、10%に濃縮してもよく、pHを弱酸性pHに、例えばpH4.5に調節してもよい。次に、賦形剤および緩衝液をIgGに添加して、医薬品組成物を生成してもよい。組成物を、滅菌容器内に入れ、レシピエントに注入するのに使用してもよい(例えば、図1参照)。
【0098】
上述の本発明の対象の態様は、単独で、または1つもしくは複数のその他の態様と組み合わせて有益であると考えられる。先の記述を限定するものではないが、本明細書の対象の一態様によれば、第1の導管および第2の導管を含む、ドナーの血液から薬学的に許容される免疫グロブリンを得るためのシステムが提供される。第1の導管は、ドナーからの血液を担体に運ぶように構成され、前記血液は、少なくとも1種の第1の成分および少なくとも1種の第2の成分を含み、血液の前記第1の成分は免疫グロブリンを含み、前記担体は免疫グロブリンに結合するように適合させられている。第2の導管は、第1の導管からの血液の第2の成分の少なくとも一部をドナーに運ぶよう構成されている。
【0099】
使用してもよくまたは先の態様のいずれかと組み合わせてもよい、別の態様によれば、免疫グロブリンはIgGである。
【0100】
使用してもよくまたは先の態様のいずれかと組み合わせてもよい、別の態様によれば、第1の導管は、血液の第1の成分を担体に運ぶように構成されている。
【0101】
使用してもよくまたは先の態様のいずれかと組み合わせてもよい、別の態様によれば、第1の成分は、実質的に血漿である。
【0102】
使用してもよくまたは先の態様のいずれかと組み合わせてもよい、別の態様によれば、第2の成分は、実質的に細胞である。
【0103】
使用してもよくまたは先の態様のいずれかと組み合わせてもよい、別の態様によれば、第2の成分は、第2の量の免疫グロブリンを含む。
【0104】
使用してもよくまたは先の態様と組み合わせてもよい、別の態様によれば、免疫グロブリンの第2の量は、免疫グロブリンの第1の量未満である。
【0105】
使用してもよくまたは先の態様と組み合わせてもよい、別の態様によれば、免疫グロブリンの第2の量は、実質的にゼロである。
【0106】
使用してもよくまたは先の態様のいずれかと組み合わせてもよい、別の態様によれば、ドナーに運ばれる血液の第2の成分の一部は、赤血球を含む。
【0107】
使用してもよくまたは先の態様と組み合わせてもよい、別の態様によれば、ドナーに運ばれる血液の第2の成分の一部は、血小板を含む。
【0108】
使用してもよくまたは先の態様のいずれかと組み合わせてもよい、別の態様によれば、システムは、前記担体から単離された高濃度の免疫グロブリンを含む生成物を運ぶよう構成された、第3の導管を含む。
【0109】
使用してもよくまたは先の態様と組み合わせてもよい、別の態様によれば、生成物は、治療有効量の免疫グロブリンを含む。
【0110】
使用してもよくまたは先の2つの態様のいずれかと組み合わせてもよい、別の態様によれば、第3の導管は、第1の導管または第2の導管の設備とは異なる設備に配置される。
【0111】
使用してもよくまたは先の3つの態様のいずれかと組み合わせてもよい、別の態様によれば、結合された免疫グロブリンを有する担体は、第3の導管の設備に移すことが可能である。
【0112】
使用してもよくまたは先の4つの態様のいずれかと組み合わせてもよい、別の態様によれば、システムは、生成物をレシピエントに運ぶよう構成された第4の導管を含む。
【0113】
使用してもよくまたは先の5つの態様のいずれかと組み合わせてもよい、別の態様によれば、生成物は、さらに加工することなくレシピエントに投与される。
【0114】
使用してもよくまたは先の6つの態様のいずれかと組み合わせてもよい、別の態様によれば、生成物は、少なくとも1つのプロセスによって、レシピエントへの投与のために加工される。
【0115】
使用してもよくまたは先の態様と組み合わせてもよい、別の態様によれば、プロセスは、生成物中の免疫グロブリンの濃度を調節するステップ、免疫グロブリンからIgGの少なくとも一部を単離するステップ、前記ドナーからの生成物と少なくとも1名のその他のドナーからの生成物とを組み合わせるステップ、生成物の免疫グロブリンを液体で再構成するステップ、生成物を滅菌するステップ、および薬学的に許容される生成物を生成するステップからなる群より選択される。
【0116】
使用してもよくまたは先の2つの態様のいずれかと組み合わせてもよい、別の態様によれば、生成物は、第1の導管または第2の導管の設備以外の設備でさらに加工される。
【0117】
使用してもよくまたは先の10個の態様のいずれかと組み合わせてもよい、別の態様によれば、生成物は、前記システムを使用して10名未満のドナーから得られた生成物と共にプールされ、または生成物は、前記システムを使用して5名未満のドナーから得られた生成物と共にプールされる。
【0118】
先の記述を限定するものではないが、本明細書の対象の別の態様によれば、タンパク質生成物用に1名のドナーから得られるタンパク質の量を増加させる方法が提供され、この方法は:ドナーから、少なくとも1種の第1の成分および少なくとも1種の第2の成分を含む血液を採取するステップであって、前記第1の成分がタンパク質を含む、ステップと;採取した血液の第1の成分を、前記タンパク質に結合するように適合させた担体に曝露するステップと;採取した血液の第2の成分の少なくとも一部をドナーに戻すステップと;前記担体から、高濃度の前記タンパク質を含む生成物を単離するステップを含む。
【0119】
使用してもよくまたは先の態様のいずれかと組み合わせてもよい、別の態様によれば、免疫グロブリンはIgGである。
【0120】
使用してもよくまたは先の態様のいずれかと組み合わせてもよい、別の態様によれば、第1の導管は、血液の第1の成分を担体に運ぶように構成されている。
【0121】
使用してもよくまたは先の態様のいずれかと組み合わせてもよい、別の態様によれば、第1の成分は、実質的に血漿である。
【0122】
使用してもよくまたは先の態様のいずれかと組み合わせてもよい、別の態様によれば、第2の成分は、実質的に細胞である。
【0123】
使用してもよくまたは先の態様のいずれかと組み合わせてもよい、別の態様によれば、第2の成分は、第2の量の免疫グロブリンを含む。
【0124】
使用してもよくまたは先の態様と組み合わせてもよい、別の態様によれば、免疫グロブリンの第2の量は、免疫グロブリンの第1の量未満である。
【0125】
使用してもよくまたは先の態様と組み合わせてもよい、別の態様によれば、免疫グロブリンの第2の量は、実質的にゼロである。
【0126】
使用してもよくまたは先の態様のいずれかと組み合わせてもよい、別の態様によれば、ドナーに運ばれる血液の第2の成分の一部は、赤血球を含む。
【0127】
使用してもよくまたは先の態様と組み合わせてもよい、別の態様によれば、ドナーに運ばれる血液の第2の成分の一部は、血小板を含む。
【0128】
使用してもよくまたは先の態様のいずれかと組み合わせてもよい、別の態様によれば、システムは、前記担体から単離された高濃度の免疫グロブリンを含む生成物を運ぶように構成された、第3の導管を含む。
【0129】
使用してもよくまたは先の態様と組み合わせてもよい、別の態様によれば、生成物は、治療有効量の免疫グロブリンを含む。
【0130】
使用してもよくまたは先の2つの態様のいずれかと組み合わせてもよい、別の態様によれば、第3の導管は、第1の導管または第2の導管の設備とは異なる設備に配置される。
【0131】
使用してもよくまたは先の3つの態様のいずれかと組み合わせてもよい、別の態様によれば、結合した免疫グロブリンを有する担体は、第3の導管の設備に移すことが可能である。
【0132】
使用してもよくまたは先の4つの態様のいずれかと組み合わせてもよい、別の態様によれば、生成物は、さらに加工することなくレシピエントに投与される。
【0133】
使用してもよくまたは先の5つの態様のいずれかと組み合わせてもよい、別の態様によれば、生成物は、少なくとも1つのプロセスによって、レシピエントへの投与のために加工される。
【0134】
使用してもよくまたは先の態様と組み合わせてもよい、別の態様によれば、プロセスは、生成物中の免疫グロブリンの濃度を調節するステップと、免疫グロブリンからIgGの少なくとも一部を単離するステップと、前記ドナーからの生成物と少なくとも1名のその他のドナーからの生成物を組み合わせるステップと、生成物の免疫グロブリンを液体で再構成するステップと、生成物を滅菌するステップと、薬学的に許容される生成物を生成するステップからなる群より選択される。
【0135】
使用してもよくまたは先の2つの態様のいずれかと組み合わせてもよい、別の態様によれば、生成物は、第1の導管または第2の導管の設備以外の設備で、さらに加工される。
【0136】
使用してもよくまたは先の10個の態様のいずれかと組み合わせてもよい、別の態様によれば、生成物は、前記システムを使用して10名未満のドナーから得た生成物と共にプールされ、または生成物は、前記システムを使用して5名未満のドナーから得られた生成物と共にプールされる。
【0137】
使用してもよくまたは先の態様のいずれかと組み合わせてもよい、別の態様によれば、方法は、この方法のその他のステップの少なくとも1つで使用される設備以外の設備で患者に投与されるように生成物を、調製するステップを含む。
【0138】
先の記述を限定するものではないが、本明細書の対象の別の態様によれば、本明細書に開示される方法のいずれかによって10名未満のドナーのそれぞれから得られたタンパク質生成物を含む、組成物が提供される。
【0139】
使用してもよくまたは先の態様と組み合わせてもよい、別の態様によれば、タンパク質生成物は、5名未満のドナーのそれぞれから得られる。
【0140】
使用してもよくまたは先の2つの態様のいずれかと組み合わせてもよい、別の態様によれば、組成物は、患者に投与される。
【0141】
使用してもよくまたは先の3つの態様のいずれかと組み合わせてもよい、別の態様によれば、組成物は、さらに加工することなく患者に投与される。
【0142】
先の記述を限定するものではないが、本明細書の対象の別の態様によれば、有効量の組成物を投与するステップを含む、アルツハイマー病を処置する方法であって、前記組成物が、本明細書で提供される方法のいずれかによって少なくとも1名のドナーから得られた生成物を含む、方法が提供される。
【0143】
使用してもよくまたは先の態様と組み合わせてもよい、別の態様によれば、組成物は、10名未満のドナーのそれぞれから得られる生成物を含む。
【0144】
使用してもよくまたは先の2つの態様のいずれかと組み合わせてもよい、別の態様によれば、ドナーから血液を採取するステップと、採取した血液の第1の成分を、前記タンパク質に結合するように適合させた担体に曝露するステップと、採取した血液の第2の成分の少なくとも一部をドナーに戻すステップは、第1の設備で行われ、前記担体から、高濃度の前記タンパク質を含む生成物を単離するステップは、第2の設備で行われる。
【0145】
先の記述を限定するものではないが、本明細書の対象の別の態様によれば、1種または複数の血液成分で、疾患または障害を有する被験体を処置する方法が提供され、前記方法は:ドナーから血液を採取するステップと;担体上でドナーの血液からの1種または複数の血液成分を、被験体に投与するための1種または複数の血液成分を含む第1の画分と、ドナーに戻される1種または複数の血液成分を含む第2の画分とに分離するステップと;被験体に投与するための、1種または複数の血液成分の画分を得るステップと;1種または複数の血液成分を含む第2の画分をドナーに戻すステップと;1名または複数のドナーからの、1種または複数の血液成分を含む第1の画分を、プールするステップと;有効量のプールされた1種または複数の血液成分を、被験体に直接投与するステップを含む。
【0146】
使用してもよくまたは先の態様と組み合わせてもよい別の態様によれば、収集された血液成分はIgGである。
【0147】
使用してもよくまたは先の態様のいずれかと組み合わせてもよい、別の態様によれば、第1の画分および第2の画分は、全血から分離される。
【0148】
使用してもよくまたは先の態様のいずれかと組み合わせてもよい、別の態様によれば、第1の画分および第2の画分は、血漿から分離される。
【0149】
使用してもよくまたは先の態様のいずれかと組み合わせてもよい、別の態様によれば、第1および第2の画分の分離は、分子レベルで行われる。
【0150】
本開示を、様々な特定の材料、手順、および実施例を参照することによって本明細書に記述し例示してきたが、この開示は、その目的で選択された材料および手順の特定の組合せに制限されるものではないことが理解される。そのような詳細の数多くの変形例は、当業者に理解されるように、暗示することができる。明細書および実施例は、単なる例示と見なすものであり、この開示の真の範囲および精神は、以下の特許請求の範囲により示されるものであることが意図される。本出願で言及される全ての参考文献、特許、および特許出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0151】
(項目1)
ドナーから担体に血液を運ぶように構成された第1の導管であって、上記血液は、少なくとも1種の第1の成分および少なくとも1種の第2の成分を含み、上記血液の上記第1の成分は免疫グロブリンを含み、上記担体は、免疫グロブリンに結合するように適合させられている、第1の導管と;
上記第1の導管からの上記血液の上記第2の成分の少なくとも一部を上記ドナーに運ぶように構成された第2の導管
を含む、ドナーの血液から薬学的に許容される免疫グロブリンを得るためのシステム。
【0152】
(項目2)
上記免疫グロブリンがIgGである、項目1に記載のシステム。
【0153】
(項目3)
上記第1の導管が、上記血液の上記第1の成分を上記担体に運ぶように構成されている、項目1に記載のシステム。
【0154】
(項目4)
上記第1の成分が、実質的に血漿である、項目1に記載のシステム。
【0155】
(項目5)
上記第2の成分が、実質的に細胞である、項目1に記載のシステム。
【0156】
(項目6)
上記第2の成分が、第2の量の上記免疫グロブリンを含む、項目1に記載のシステム。
【0157】
(項目7)
上記免疫グロブリンの上記第2の量が、上記免疫グロブリンの第1の量未満である、項目6に記載のシステム。
【0158】
(項目8)
上記免疫グロブリンの上記第2の量が、実質的にゼロである、項目7に記載のシステム。
【0159】
(項目9)
上記ドナーに運ばれる上記血液の上記第2の成分の上記一部が赤血球を含む、項目1に記載のシステム。
【0160】
(項目10)
上記ドナーに運ばれる上記血液の上記第2の成分の上記一部が血小板を含む、項目1に記載のシステム。
【0161】
(項目11)
上記担体から単離された高濃度の免疫グロブリンを含む生成物を運ぶように構成された第3の導管を含む、項目1に記載のシステム。
【0162】
(項目12)
上記生成物が、治療有効量の免疫グロブリンを含む、項目11に記載のシステム。
【0163】
(項目13)
上記第3の導管が、上記第1の導管または上記第2の導管の設備とは異なる設備に配置されている、項目11に記載のシステム。
【0164】
(項目14)
結合された免疫グロブリンを有する上記担体が、上記第3の導管の上記設備に移送されることが可能である、項目11に記載のシステム。
【0165】
(項目15)
上記生成物をレシピエントに運ぶように構成されている、第4の導管を含む、項目11に記載のシステム。
【0166】
(項目16)
上記生成物が、さらに加工されることなくレシピエントに投与される、項目11に記載のシステム。
【0167】
(項目17)
上記生成物が、少なくとも1つのプロセスによってレシピエントに投与されるように加工される、項目11に記載のシステム。
【0168】
(項目18)
上記プロセスが、上記生成物中の上記免疫グロブリンの濃度を調節するステップと、上記免疫グロブリンからIgGの少なくとも一部を単離するステップと、上記ドナーからの上記生成物と少なくとも1名のその他のドナーからの生成物とを組み合わせるステップと、上記生成物の上記免疫グロブリンを液体で再構成するステップと、上記生成物を滅菌するステップと、薬学的に許容される生成物を生成するステップからなる群より選択される、項目17に記載のシステム。
【0169】
(項目19)
上記生成物が、上記第1の導管または上記第2の導管の設備以外の設備でさらに加工される、項目17に記載のシステム。
【0170】
(項目20)
上記生成物が、上記システムを使用して10名未満のドナーから得られた生成物と共にプールされる、項目11に記載のシステム。
【0171】
(項目21)
上記生成物が、上記システムを使用して5名未満のドナーから得られた生成物と共にプールされる、項目20に記載のシステム。
【0172】
(項目22)
ドナーから、少なくとも1種の第1の成分および少なくとも1種の第2の成分を含む血液を採取するステップであって、上記第1の成分はタンパク質を含む、ステップと;
上記採取した血液の上記第1の成分を、上記タンパク質に結合するように適合させた担体に曝露するステップと;
上記採取した血液の上記第2の成分の少なくとも一部を上記ドナーに戻すステップと;
上記担体から、高濃度の上記タンパク質を含む生成物を単離するステップ
を含む、タンパク質生成物用に1名のドナーから得られるタンパク質の量を増加させる、方法。
【0173】
(項目23)
上記タンパク質が免疫グロブリンである、項目22に記載の方法。
【0174】
(項目24)
上記免疫グロブリンがIgGである、項目23に記載の方法。
【0175】
(項目25)
上記ドナーから上記血液を採取するステップが、上記ドナーから血液を、上記血液から少なくとも約650ミリリットルの血漿を得るのに十分な量で採取するステップを含む、項目22に記載の方法。
【0176】
(項目26)
上記ドナーから上記血液を採取するステップが、上記ドナーから少なくとも2リットルの血液を採取するステップを含む、項目22に記載の方法。
【0177】
(項目27)
上記ドナーから上記血液を採取するステップが、実質的に全てのドナー血液量が上記担体に少なくとも1回曝露されるまで、上記ドナーから血液を連続的に採取するステップを含む、項目22に記載の方法。
【0178】
(項目28)
上記ドナーから上記血液を採取するステップが、有効量の上記タンパク質が上記担体に結合されるまで、上記ドナーから血液を連続的に採取するステップを含む、項目22に記載の方法。
【0179】
(項目29)
上記ドナーから上記血液を採取するステップが、上記ドナーから上記血液を少なくとも2部連続して採取するステップを含む、項目22に記載の方法。
【0180】
(項目30)
上記ドナーから採取した上記血液の少なくとも1部が、少なくとも約500ミリリットルである、項目29に記載の方法。
【0181】
(項目31)
上記第1の成分が上記第2の成分を含む、項目22に記載の方法。
【0182】
(項目32)
上記第1の成分が実質的に血漿である、項目22に記載の方法。
【0183】
(項目33)
上記第2の成分が実質的に細胞である、項目22に記載の方法。
【0184】
(項目34)
上記採取した血液の上記第1の成分を上記担体に曝露するステップが、上記ドナーの上記血液の実質的に全ての上記第1の成分を上記担体に少なくとも1回曝露するステップを含む、項目22に記載の方法。
【0185】
(項目35)
上記生成物が、治療有効量のタンパク質を含む、項目22に記載の方法。
【0186】
(項目36)
上記第2の成分が、第2の量の上記タンパク質を含む、項目22に記載の方法。
【0187】
(項目37)
上記タンパク質の上記第2の量が、上記タンパク質の第1の量未満である、項目36に記載の方法。
【0188】
(項目38)
上記タンパク質の上記第2の量が、実質的にゼロである、項目37に記載の方法。
【0189】
(項目39)
上記採取した血液の上記第1の成分の少なくとも一部を上記ドナーに戻すステップを含む、項目22に記載の方法。
【0190】
(項目40)
上記一部を上記ドナーに戻す前に、上記採取した血液の上記第1の成分の上記一部を処理するステップを含む、項目39に記載の方法。
【0191】
(項目41)
上記担体に結合していない、上記採取した血液の一部を上記ドナーに戻すステップを含む、項目22に記載の方法。
【0192】
(項目42)
上記採取した血液の上記第2の成分の実質的に全てを、上記ドナーに戻すステップを含む、項目22に記載の方法。
【0193】
(項目43)
上記ドナーに戻された、上記採取した血液の上記第2の成分の上記一部が、赤血球を含む、項目22に記載の方法。
【0194】
(項目44)
上記ドナーに戻された、上記採取した血液の上記第2の成分の上記一部が、血小板を含む、項目22に記載の方法。
【0195】
(項目45)
少なくとも、上記血液を採取するステップおよび上記血液の上記第1の成分を上記担体に曝露するステップが、有効量の上記タンパク質が上記担体に結合されるまで繰り返される、項目22に記載の方法。
【0196】
(項目46)
上記方法のステップのそれぞれが、同じ設備で行われる、項目45に記載の方法。
【0197】
(項目47)
上記担体から上記生成物を単離するステップが、上記方法のステップの少なくとも1つ以外の設備で行われる、項目22に記載の方法。
【0198】
(項目48)
少なくとも、上記血液を採取するステップおよび上記血液の上記第1の成分を上記担体に曝露するステップが、上記ドナーを上記担体に動作可能に接続するように適合させた流体回路で行われる、項目22に記載の方法。
【0199】
(項目49)
上記生成物を患者に投与するステップを含む、項目22に記載の方法。
【0200】
(項目50)
上記生成物が、10名未満のドナーのそれぞれから得られる、項目49に記載の方法。
【0201】
(項目51)
上記生成物が、5名未満のドナーのそれぞれから得られる、項目50に記載の方法。
【0202】
(項目52)
上記生成物が、さらに加工されることなく患者に投与される、項目49に記載の方法。
【0203】
(項目53)
患者に投与されるように上記生成物を調製するステップを含む、項目22に記載の方法。
【0204】
(項目54)
上記生成物を調製するステップが、上記生成物中の上記タンパク質の濃度を調節するステップと、上記タンパク質から免疫グロブリンの少なくとも一部を単離するステップと、上記ドナーからの上記生成物と少なくとも1名のその他のドナーからの生成物を組み合わせるステップと、上記生成物の上記タンパク質を液体で再構成するステップと、上記生成物を滅菌するステップと、薬学的に許容される生成物を生成するステップからなる群より選択されるステップの少なくとも1つを含む、項目53に記載の方法。
【0205】
(項目55)
上記生成物を調製するステップが、上記生成物中の上記タンパク質の濃度を調節するステップ、上記タンパク質から免疫グロブリンの少なくとも一部を単離するステップ、上記ドナーからの上記生成物と少なくとも1名のその他のドナーからの生成物を組み合わせるステップ、上記生成物の上記タンパク質を液体で再構成するステップ、上記生成物を滅菌するステップ、または薬学的に許容される生成物を生成するステップの少なくとも1つを含む、項目53に記載の方法。
【0206】
(項目56)
患者に投与されるように上記生成物を調製するステップが、上記方法のその他のステップの少なくとも1つ以外の設備で行われる、項目53に記載の方法。
【0207】
(項目57)
項目22に記載の方法によって10名未満のドナーのそれぞれから得られたタンパク質生成物を含む、組成物。
【0208】
(項目58)
上記タンパク質生成物が、5名未満のドナーのそれぞれから得られる、項目57に記載の組成物。
【0209】
(項目59)
上記組成物が患者に投与される、項目57に記載の組成物。
【0210】
(項目60)
上記組成物が、さらに加工されることなく患者に投与される、項目59に記載の組成物。
【0211】
(項目61)
上記ドナーから血液を採取するステップと、上記採取した血液の上記第1の成分を、上記タンパク質に結合するように適合させた担体に曝露するステップと、上記採取した血液の上記第2の成分の少なくとも一部を上記ドナーに戻すステップは、第1の設備で行われ、上記担体から高濃度の上記タンパク質を含む生成物を単離するステップは、第2の設備で行われる、項目22に記載の方法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドナーから担体を含む設備に血液を運ぶように構成された第1の導管であって、前記血液は、少なくとも1種の第1の成分および少なくとも1種の第2の成分を含み、前記血液の前記第1の成分は免疫グロブリンを含み、前記担体は、免疫グロブリンに結合するように適合させられている、第1の導管と;
前記第1の導管からの前記血液の前記第2の成分の少なくとも一部を前記ドナーに運ぶように構成された第2の導管と;
前記担体から単離された高濃度の免疫グロブリンを含む生成物を運ぶように構成された第3の導管と;
前記生成物をレシピエントに直接運ぶように構成された第4の導管と;
を含む、ドナーの血液から薬学的に許容される免疫グロブリンを得るためのシステム。
【請求項2】
前記免疫グロブリンがIgGである、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1の導管が、前記血液の前記第1の成分を前記担体を含む前記設備に運ぶように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1の成分が、実質的に血漿である、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記第2の成分が、実質的に細胞である、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記第2の成分が、第2の量の前記免疫グロブリンを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記免疫グロブリンの前記第2の量が、前記免疫グロブリンの第1の量未満である、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記免疫グロブリンの前記第2の量が、実質的にゼロである、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記ドナーに運ばれる前記血液の前記第2の成分の前記一部が赤血球を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記ドナーに運ばれる前記血液の前記第2の成分の前記一部が血小板を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記生成物が、治療有効量の免疫グロブリンを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記第3の導管が、前記第1の導管または前記第2の導管の設備とは異なる設備に配置されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記担体を含む前記設備が、結合された前記免疫グロブリンを有する前記担体を、前記第3の導管の前記設備に移送する、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記第4の導管が、前記生成物を、さらに加工することなく前記レシピエントに運ぶように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
前記生成物を、少なくとも1つのプロセスによって前記レシピエントへの投与のために加工するための設備をさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
前記プロセスが、前記生成物中の前記免疫グロブリンの濃度を調節するステップと、前記免疫グロブリンからIgGの少なくとも一部を単離するステップと、前記ドナーからの前記生成物と少なくとも1名のその他のドナーからの生成物とを組み合わせるステップと、前記生成物の前記免疫グロブリンを液体で再構成するステップと、前記生成物を滅菌するステップと、薬学的に許容される生成物を生成するステップとからなる群より選択される、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記生成物が、前記第1の導管または前記第2の導管の設備以外の設備でさらに加工される、請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記生成物が、前記システムを使用して10名未満のドナーから得られた生成物と共に設備内にプールされる、請求項1に記載のシステム。
【請求項19】
前記生成物が、前記システムを使用して5名未満のドナーから得られた生成物と共に設備内にプールされる、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
タンパク質生成物用に1名のドナーから得られるタンパク質の量を増加させるためのシステムであって、前記システムは:
前記ドナーから、少なくとも1種の第1の成分および少なくとも1種の第2の成分を含む血液を採取するための第1の導管であって、前記第1の成分はタンパク質を含む、第1の導管と;
前記採取した血液の前記第1の成分を、前記タンパク質に結合するように適合させた担体に曝露させるための設備と;
前記採取した血液の前記第2の成分の少なくとも一部を前記ドナーに戻すための第2の導管と;
前記担体から、高濃度の前記タンパク質を含む生成物を単離するための設備と;
を含み、
ここで、有効量の前記タンパク質が前記担体に結合されるまで、前記ドナーからの前記血液が連続的に採取される、
システム。
【請求項21】
前記タンパク質が免疫グロブリンである、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記免疫グロブリンがIgGである、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記ドナーから前記血液を採取するための前記第1の導管が、前記ドナーから血液を、前記血液から少なくとも約650ミリリットルの血漿を得るのに十分な量で採取する、請求項20に記載のシステム。
【請求項24】
前記ドナーから前記血液を採取するための前記第1の導管が、前記ドナーから少なくとも2リットルの血液を採取する、請求項20に記載のシステム。
【請求項25】
前記ドナーから前記血液を採取するための前記第1の導管が、実質的に全てのドナー血液量が前記担体に少なくとも1回曝露されるまで、前記ドナーから血液を連続的に採取する、請求項20に記載のシステム。
【請求項26】
前記ドナーから前記血液を採取するための前記第1の導管が、有効量の前記タンパク質が前記担体に結合されるまで、前記ドナーから血液を連続的に採取する、請求項20に記載のシステム。
【請求項27】
前記ドナーから前記血液を採取するための前記第1の導管が、前記ドナーから前記血液を少なくとも2部連続して採取する、請求項20に記載のシステム。
【請求項28】
前記ドナーから採取した前記血液の少なくとも1部が、少なくとも約500ミリリットルである、請求項27に記載のシステム。
【請求項29】
前記第1の成分が前記第2の成分を含む、請求項20に記載のシステム。
【請求項30】
前記第1の成分が実質的に血漿である、請求項20に記載のシステム。
【請求項31】
前記第2の成分が実質的に細胞である、請求項20に記載のシステム。
【請求項32】
前記採取した血液の前記第1の成分を前記担体に曝露させるための前記設備が、前記ドナーの前記血液の実質的に全ての前記第1の成分を前記担体に少なくとも1回曝露する、請求項20に記載のシステム。
【請求項33】
前記生成物が、治療有効量のタンパク質を含む、請求項20に記載のシステム。
【請求項34】
前記第2の成分が、第2の量の前記タンパク質を含む、請求項20に記載のシステム。
【請求項35】
前記タンパク質の前記第2の量が、前記タンパク質の第1の量未満である、請求項34に記載のシステム。
【請求項36】
前記タンパク質の前記第2の量が、実質的にゼロである、請求項35に記載のシステム。
【請求項37】
前記採取した血液の前記第1の成分の少なくとも一部を前記ドナーに戻すための導管をさらに含む、請求項20に記載のシステム。
【請求項38】
前記一部を前記ドナーに戻す前に、前記採取した血液の前記第1の成分の前記一部を処理するための設備をさらに含む、請求項37に記載のシステム。
【請求項39】
前記担体に結合していない、前記採取した血液の一部を前記ドナーに戻すための導管をさらに含む、請求項20に記載のシステム。
【請求項40】
前記採取した血液の前記第2の成分の実質的に全てを、前記ドナーに戻すための導管をさらに含む、請求項20に記載のシステム。
【請求項41】
前記ドナーに戻された、前記採取した血液の前記第2の成分の前記一部が、赤血球を含む、請求項20に記載のシステム。
【請求項42】
前記ドナーに戻された、前記採取した血液の前記第2の成分の前記一部が、血小板を含む、請求項20に記載のシステム。
【請求項43】
採取された前記血液の前記第1の成分を、前記タンパク質に結合するように適合された担体に曝露するための前記設備が、前記担体から高濃度の前記タンパク質を含む生成物を単離するための前記設備と同じ設備である、請求項22に記載のシステム。
【請求項44】
採取された前記血液の前記第1の成分を、前記タンパク質に結合するように適合された担体に曝露するための前記設備が、前記担体から高濃度の前記タンパク質を含む生成物を単離するための前記設備とは別の設備である、請求項20に記載のシステム。
【請求項45】
少なくとも、前記血液を採取するステップおよび前記血液の前記第1の成分を前記担体に曝露するステップが、前記ドナーを前記担体に動作可能に接続するように適合させた流体回路で行われる、請求項20に記載のシステム。
【請求項46】
前記生成物を患者に投与するための導管をさらに含む、請求項20に記載のシステム。
【請求項47】
前記生成物が、さらに加工されることなく患者に投与される、請求項46に記載のシステム。
【請求項48】
患者に投与されるように前記生成物を調製するための設備をさらに含む、請求項20に記載のシステム。
【請求項49】
前記生成物を調製するステップが、前記生成物中の前記タンパク質の濃度を調節するステップと、前記タンパク質から免疫グロブリンの少なくとも一部を単離するステップと、前記ドナーからの前記生成物と少なくとも1名のその他のドナーからの生成物を組み合わせるステップと、前記生成物の前記タンパク質を液体で再構成するステップと、前記生成物を滅菌するステップと、薬学的に許容される生成物を生成するステップとからなる群より選択されるステップの少なくとも1つを含む、請求項48に記載のシステム。
【請求項50】
前記生成物を調製するステップが、前記生成物中の前記タンパク質の濃度を調節するステップ、前記タンパク質から免疫グロブリンの少なくとも一部を単離するステップ、前記ドナーからの前記生成物と少なくとも1名のその他のドナーからの生成物を組み合わせるステップ、前記生成物の前記タンパク質を液体で再構成するステップ、前記生成物を滅菌するステップ、または薬学的に許容される生成物を生成するステップの少なくとも1つを含む、請求項48に記載のシステム。
【請求項51】
患者に投与されるように前記生成物を調製するステップが、前記システムのその他のステップの少なくとも1つ以外の設備で行われる、請求項48に記載のシステム。
【請求項52】
請求項20に記載のシステムによって得られたタンパク質生成物を含む、組成物。
【請求項53】
前記組成物が、さらに加工されることなく患者に投与される、請求項52に記載の組成物。
【請求項54】
前記ドナーから血液を採取するステップと、前記採取した血液の前記第1の成分を、前記タンパク質に結合するように適合させた担体に曝露するステップと、前記採取した血液の前記第2の成分の少なくとも一部を前記ドナーに戻すステップとは、第1の設備で行われ、前記担体から高濃度の前記タンパク質を含む生成物を単離するステップは、第2の設備で行われる、請求項20に記載のシステム。
【請求項55】
少なくとも1名の他のドナーとともに前記ドナーから生成物をプールするための設備をさらに含む、請求項1に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2012−512720(P2012−512720A)
【公表日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−542489(P2011−542489)
【出願日】平成21年12月18日(2009.12.18)
【国際出願番号】PCT/US2009/068753
【国際公開番号】WO2010/071809
【国際公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【出願人】(591013229)バクスター・インターナショナル・インコーポレイテッド (448)
【氏名又は名称原語表記】BAXTER INTERNATIONAL INCORP0RATED
【出願人】(501453189)バクスター・ヘルスケヤー・ソシエテ・アノニム (289)
【氏名又は名称原語表記】BAXTER HEALTHCARE S.A.
【Fターム(参考)】