説明

血液流動性改善剤

【課題】 安全性が高く容易に製造することができ、健康食品や保健機能食品(特定保健用食品、栄養機能食品)などの飲食品、又は医薬品、医薬部外品、化粧品などに利用することができる、血液流動性改善剤およびそれを含む組成物を提供する
【解決手段】 甘草疎水性抽出物を含有する血液流動性改善剤に関し、さらに血液流動性改善剤を含有する医薬、食品組成物に関する。また、甘草疎水性抽出物を含有する血液流動性改善剤を封入してなるソフトカプセル剤に関する。さらに甘草疎水性抽出物を含有する血液流動性改善剤を含有する、医薬、食品組成物、ソフトカプセル剤により、ヒトあるいは哺乳類動物の血液流動性を改善する方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、健康食品や保健機能食品(特定保健用食品、栄養機能食品)などの
飲食品、又は医薬品、医薬部外品、化粧品などに使用することができる血液流動性改善剤に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、食生活の欧米化や運動不足など生活環境の悪化による肥満者の数は増大し、肥満の増加に伴う生活習慣病が大きな社会問題として取り上げられるようになった。また、喫煙や生活に起因するストレスも生活習慣病の原因の一つである。生活習慣病としての内臓脂肪型肥満、2型糖尿病、高脂血症、高血圧症が相互に関連する場合をメタボリックシンドロームと呼び、メタボリックシンドロームはやがて動脈硬化症、心筋梗塞、脳梗塞などの血管病を引き起こす。喫煙やストレスもそれら血管病の一因と考えられており、さらに最近はエコノミークラス症候群と呼ばれる下肢血栓の形成に起因する疾患など、血液の流動性がこれら疾患と密接に関係付けられている。これら血液流動性悪化を予防及び/又は改善する効果を有する組成物が望まれており、その組成物の形態としては、日常的に摂取することができる健康食品や保健機能食品(特定保健用食品、栄養機能食品)などの飲食品、又は医薬品、医薬部外品、化粧品などが望まれている。
従来、微小循環系の血行改善としてシロスタゾールや塩酸サルポグレラートなどの薬剤が用いられており、血小板凝集抑制、血管収縮抑制または血管平滑筋弛緩作用により薬効を示すものである。また、最近は血清脂質低下作用をもつ薬剤としてイコサペント酸エチルなども閉塞性動脈硬化症に伴う潰瘍、疼痛及び冷感の改善に用いられている。さらに、プラスミノーゲンアクチベーターインヒビター-1(PAI-1)は、抗血栓作用のある組織型プラスミノーゲンアクチベーター(t-PA)を阻害する血栓惹起性因子であり、PAI-1の産生を抑制することで血栓症を予防することができる。しかし、個々の薬効単独ではなく、メタボリックシンドロームなど複数の要因が想定される疾患またはその予備軍を予防あるいは改善するため、血液流動性を改善させるものは知られていない。
一方、甘草はマメ科カンゾウ属(Glycyrrhiza属)の植物であり、食用や医薬用(生薬)として利用されており、主な品種としてグリキルリーザ・グラブラ(Glycyrrhiza. glabra)、G.ウラレンシス(G. uralensis)、G.インフラータ(G. inflata)などが挙げられる。いずれの品種にも親水性成分であるグリチルリチン(グリチルリチン酸)が含まれており、疎水性成分のフラボノイドは品種によって特異的な化合物が含まれている。この品種特異的なフラボノイドは、甘草の品種同定に利用されることもある。
甘草から得られる抽出物のうち、甘草フラボノイドを多く含み、グリチルリチン含量が極微量である甘草疎水性抽出物は、マルチプル・リスク・ファクター症候群の予防及び/又は改善に有用であることが見出されている(特許文献1)。
【0003】
一方、甘草疎水性抽出物に含まれる甘草疎水性フラボノイドは、水にほとんど溶解せず、また、有機溶媒抽出物のままでは固結し易く、着色の進行も早いなど、経時的変化が著しいという性質があるため、利用し難い。それを解決するために、甘草疎水性フラボノイドを中鎖脂肪酸トリグリセリドに溶解し、その甘草疎水性フラボノイド製剤を酸化防止剤、抗菌剤、酵素阻害剤、着色料、抗腫瘍剤、抗アレルギー剤、抗ウイルス剤として利用している(特許文献2)。
【0004】
甘草の生薬抽出物は血液粘性低下作用を持つことが報告されているが、水抽出物とその有効成分に限られており、本発明の疎水性抽出物とはその含まれる有効成分が異なる(特許文献3)。また、生薬甘草から得られた化合物を有効成分とする循環器疾患治療薬に関する報告(特許文献4)があるが、本発明はそこで示された特定の化合物に限るものではなく、カンゾウ疎水性抽出物に含まれるすべての化合物類を有効成分とする。
【特許文献1】WO02/47699
【特許文献2】特許2794433号
【特許文献3】特開平6-172196
【特許文献4】特開平7-17857
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者らは、安全性が高く容易に製造することができ、健康食品や保健機能食品(特定保健用食品、栄養機能食品)などの飲食品、又は医薬品、医薬部外品、化粧品などに利用することができる、血液流動性改善剤およびそれを含む組成物を提供することを課題として検討を進めた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、甘草疎水性抽出物に血液流動性改善作用を見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は、甘草疎水性抽出物を含有する血液流動性改善剤に関し、さらに血液流動性改善剤を含有する医薬、食品組成物に関する。また、甘草疎水性抽出物を含有する血液流動性改善剤を封入してなるソフトカプセル剤に関する。さらに甘草疎水性抽出物を含有する血液流動性改善剤を含有する、医薬、食品組成物、ソフトカプセル剤により、ヒトあるいは哺乳類動物の血液流動性を改善する方法に関する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、天然物由来の血液流動性改善剤およびそれを含有する組成物を提供できる。本発明の血液流動性改善剤およびそれを含有する組成物は、飲食品または医薬品、医薬部外品、化粧品などに利用することで、血液流動性改善あるいはその予防をする上で有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下に、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
本明細書にいう甘草は、グリキルリーザ(Glycyrrhiza)属に属する植物ならどれでもよい。具体的には、グリキルリーザ ウラレンシス(Glycyrrhiza uralensis(G.uralensis))、グリキルリーザ インフラータ(G.inflata)、グリキルリーザ グラブラ(G.glabra)、グリキルリーザ エウリカーパ(G.eurycarpa)、グリキルリーザ アスペラ(G.aspera)等が挙げられる。好ましくは、G.uralensis、G.inflata、G.glabra等である。さらに好ましくは、G.glabraである。
本発明の甘草疎水性抽出物とは、G.グラブラ種、G.ウラレンシス種、G.インフラータ種の甘草より得ることができる。該抽出物を甘草から得る場合、その方法は特に限定されないが、例えば甘草またはその粉末から疎水性成分を、有機溶媒を用いた抽出により得ることが出来る。あるいは、あらかじめ甘草の親水性成分を水或いはアルカリ水溶液を用いて抽出・除去した後、その甘草残渣または残渣を乾燥させたものから疎水性成分を有機溶媒を用いた抽出により得ることができる。あるいは、上記方法で一度抽出された疎水性抽出物を、さらに別種の有機溶媒で抽出することにより得ることができる。ここで用いる有機溶媒は、医薬品や食品、食品添加物などの製造、加工に使用が許可されたものが好ましく、アルコール類、例えばエタノール、エステル類、例えば酢酸エチル、ケトン類、例えばアセトン、炭化水素類、例えばヘキサンなどの有機溶媒や油脂類、例えば中鎖脂肪酸が挙げられる。また、これら溶媒のうち少なくとも2種以上を混合して用いてもよいし、これらの含水溶媒を用いても良い。甘草の疎水性成分を抽出して得た抽出液、またはそれから抽出溶媒を除去したものを甘草疎水性抽出物とする。甘草疎水性抽出物は、抽出物のまま使用してもよいが、さらに精製工程、たとえばカラム処理、脱臭処理、脱色処理などにより粗精製又は精製したものを使用してもよい。勿論、該抽出物は、甘草培養細胞などでも本発明において使用することができる。本発明の甘草疎水性抽出物は成分として甘草ポリフェノールを含み、甘草ポリフェノールをその総量として約0.01〜100重量%含有する。また、その甘草ポリフェノールはプレニルフラボノイドを含有することを特徴とする。この甘草ポリフェノールは抗酸化作用を有している。
本発明の甘草疎水性抽出物は、下記式I〜IVで表される化合物類のみを含有するものを除いてもよい:
【0009】
【化1】

(ただし、R1およびR2は同じにまたは異なって、水素原子または3,3-ジメチルアリル基を示す。)
【0010】
【化2】

【0011】
【化3】

【0012】
【化4】

また、抽出物に含まれる成分は主として中鎖脂肪酸に溶解するものが多い。よって、本発明は甘草疎水性抽出物および油脂を含有する、血液流動性改善用の油脂含有組成物を提供する。該組成物は、前記抽出物を、油脂と混合することを含む製造方法により製造する。
本発明で使用される油脂は、グリセリン脂肪酸エステルであって、具体的には中鎖脂肪酸トリグリセリドまたは部分グリセリドが好ましい。
本発明で使用される中鎖脂肪酸トリグリセリドは、中鎖脂肪酸トリグリセリドを含むグリセリン脂肪酸エステルであって、好ましくは中鎖脂肪酸トリグリセリドを50重量%以上含むグリセリン脂肪酸エステル、より好ましくは中鎖脂肪酸トリグリセリドを70重量%以上含むグリセリン脂肪酸エステルである。ここでの中鎖脂肪酸トリグリセリドは、炭素原子数6〜12の脂肪酸を構成脂肪酸とし、その脂肪酸の構成比率は特に限定されないが、炭素原子数8〜10の脂肪酸の構成比率は50重量%以上が好ましく、70重量%以上がより好ましい。とりわけ、20℃での比重が0.94〜0.96、20℃での粘度が23〜28cPの中鎖脂肪酸トリグリセリドがさらに好ましい。また、中鎖脂肪酸トリグリセリドは、天然由来のものやエステル交換などにより調製したものなど、いずれも使用することができる。
【0013】
また、本発明で使用される部分グリセリドは、部分グリセリドを含むグリセリン脂肪酸エステルであって、好ましくは部分グリセリドを50重量%以上含むグリセリン脂肪酸エステル、より好ましくは部分グリセリドを70重量%以上含むグリセリン脂肪酸エステルである。ここでの部分グリセリドとは、ジグリセリド(1,2−ジアシルグリセロール、1,3−ジアシルグリセロール)又はモノグリセリド(1−モノアシルグリセロール、2−モノアシルグリセロール)であり、いずれを用いても良いし、両者が混合されたものを用いても良いが、加工性の観点からジグリセリドが好ましい。また、部分グリセリドは、天然由来のものやエステル交換などにより調製したものなど、いずれも使用することができる。
上記部分グリセリドを構成する脂肪酸残基は、炭素数4〜24のものが例示され、用途に応じてそれらの飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸等を選択することが可能である。例えば、流動性が必要とされる場合は不飽和脂肪酸であることが好ましく、可塑性が必要とされる場合は飽和脂肪酸を含んでも良い。また、イソステアリン酸等の分岐脂肪酸を用いることも可能である。
【0014】
さらに、本発明で使用される油脂は、上記の中鎖脂肪酸トリグリセリドと部分グリセリドが混合されたものを用いても良いし、中鎖脂肪酸の部分グリセリドを用いることもできる。
【0015】
また、抽出物は、予めエタノールなどの有機溶媒に溶解し、その溶液と油脂を混合した後に、有機溶媒を留去することもできる。
本発明の甘草疎水性抽出物を含有する血液流動性改善剤またはそれを含む組成物について、その形態は特に限定されず、健康食品や保健機能食品(特定保健用食品、栄養機能食品)などの飲食品、又は医薬品、医薬部外品、化粧品などに利用することができる。例えば、そのまま単独で調理用、ソフトカプセル製剤用、ローション用などとして利用することができる。また、ソフトカプセル製剤として利用する場合、甘草ポリフェノールを、その総量として、カプセル当たりに約0.01〜300mg含むことができる。目的に応じて、ビタミンA,C,D,Eなどの各種ビタミン類、ミツロウなどの製剤用基剤、乳化剤などをさらに添加してもよい。この場合、乳化剤としては特に限定されず、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリソルベート、リン脂質等が挙げられる。中でもグリセリン脂肪酸エステルが好ましく、更に好ましくはポリグリセリン脂肪酸エステルである。ポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、ジグリセリンモノオレイン酸エステルやポリグリセリン縮合リシノール酸エステルが特に好ましい。
【0016】
ソフトカプセル製剤は、従来用いられているソフトカプセルの製法により製造できる。例えばロータリー式全自動ソフトカプセル 成型機を用いた打ち抜き法、二枚のゼラチンシート間に内容物を入れ金型で両面から圧縮して打ち抜く平板法或いは二重ノズルを用いた滴下法(シームレスカプセル等)等を用いて、カプセル皮膜に充填し、成型および乾燥することにより、ソフトカプセル製剤を製造できる。前記ソフトカプセルの原料は、好ましくは蜜蝋であり得る。前記ソフトカプセルの形状は、各種の形状、例えばフットボール(oval)型、長楕円型、チューブ型、球形、フィッシュ型、セルフカット型、等が挙げられる。また、前記ソフトカプセル の大きさは、目的に応じて適宜選定することができる。例えば、カプセル直径は約6mm〜9mm、カプセル外皮の厚みは約0.4mm〜1.2mm、質量約0.1g〜0.25gであり得る。
本発明の医薬または食品組成物は、カンゾウ疎水性抽出物を、例えば約0.01〜約99.99重量%、好ましくは約0.1〜99.9重量%含み得る。本発明の血液流動性改善剤またはそれを含有する組成物が効果を発揮するためには、総量として成人一日一人当たり0.01〜100mg/kg体重、好ましくは0.1〜30mg/kg体重を摂取できる量の該抽出物を含んでいることが望ましい。
血液流動性は、赤血球変形能、白血球粘着性、血小板凝集作用などの複数の要因が重なって決まるものであり、血液さらさらと呼ばれる血液状態もこの血液流動性が良い状態を指す。血液流動性の改善とは、複数の要因が改善することにより血栓や動脈硬化になりにくい状態となること指している。すなわち、一つの化合物で赤血球変形能、白血球粘着性、血小板凝集作用を改善することは難しく、また、血液流速測定法は体の水分補給状態やストレスなどで値が変動しやす、正しく血液状態を示すものとは言いがたい。そのため、抽出物など複数の成分が含まれている組成物を用いることで体質を改善し、より効果的な血液流動性改善効果を達成し得る。
赤血球変形能は、ある狭い空間を流れる赤血球の通過速度を測定したり、変形状態を直接顕微鏡観察等で調べる、マイクロピペット法、フィルター法、マイクロチャネル法により測定する(参考文献1、参考文献2、参考文献3)。
白血球粘着性は、ある狭い空間を通過する白血球の通過時間や通過状態を顕微鏡観察することにより測定する(参考文献2、参考文献3)。
血小板凝集性は、クエン酸血上清(platelet−rich plasma, PRP)に凝集惹起剤を加え、その透光度の増加で測定する方法や、全血を用いるインピーダンス法、Screen Filtration Pressure(SFP)法により測定する(参考文献3、参考文献4)。
(参考文献1)日本バイオレオロジー誌、11, 15, 1997
(参考文献2)Microvasc. Res., 47, 126, 1994
(参考文献3)日本ヘモレオロジー誌、7, 3, 2004
(参考文献4)Circulation, 33, 617, 1966
【実施例】
【0017】
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(甘草疎水性抽出物の調製)
(実施例1)
アフガン産甘草(G.グラブラ)1.0kgからエタノール抽出(5.0L、45℃、2時間、2回抽出)を行った後、減圧下でエタノールを留去して濃縮液0.4Lを得た。次いで、活性炭処理を行った後、減圧濃縮によりエタノールを除去して甘草疎水性抽出物16.5gを得た。
(油脂含有組成物の製造例)
(実施例2)
アフガン産甘草(G.グラブラ)1.0kgからエタノール抽出(5.0L、45℃、2時間、2回抽出)を行った後、減圧下でエタノールを留去して濃縮液0.4Lを得た。次いで、活性炭処理を行った後、更に濃縮により甘草疎水性抽出物を含有したエタノール溶液121.0gを得た。
【0018】
上記のエタノール溶液と中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCT)であるアクターM−2(理研ビタミン(株):脂肪酸組成はC8:C10=99:1)45.0gを混合し、約80℃に保温しながら約1時間撹拌した後、減圧濃縮によりエタノールを除去した。吸引濾過により不溶分を分離して、油脂含有組成物57.2gを得た。
(医薬または食品組成物の製造例)
(実施例3)
タブレットの製造
実施例1の甘草疎水性抽出物45重量部、乳糖35重量部、結晶セルロース15重量部、ショ糖脂肪酸エステル5重量部を用い、ロータリー式打錠機により飲食用タブレットを作成した。
【0019】
(実施例4)
ソフトカプセル剤の製造
実施例2の油脂含有組成物を、ロータリー式ソフトカプセル製造装置を用いてゼラチン皮膜に圧入して内容量350mgの飲食用ソフトカプセル剤を得た。
【0020】
(実施例5)
マヨネーズの製造
醸造酢10重量部、食塩1重量部、砂糖0.6重量部、マスタード粉末0.2重量部、グルタミン酸ナトリウム0.2重量部を混合器の中に加え、15〜20℃下で攪拌・混合し水相を調製した。その後、米白絞油68重量部、実施例2の油脂含有組成物10重量部に卵黄10重量部を加え、攪拌乳化して得た乳化液(10〜15℃)を少しずつ加えながら15〜20℃下で攪拌し、予備乳化した。次いで、コロイドミルを用いて仕上げ乳化を行いマヨネーズを得た。
【0021】
(実施例6)
マーガリンの製造
硬化綿実油(商品名:スノーライト、株式会社カネカ)80重量部、実施例2の油脂含有組成物20重量部、無塩バター(四つ葉乳業(株))10重量部に、グリセリンモノ脂肪酸エステル(商品名:エマルジーMS、理研ビタミン(株))0.2重量部、レシチン0.2重量部を添加し、60℃に加熱溶解し油相を調製した。
【0022】
調製された油相84.9重量部に撹拌しながら水15.1重量部を添加し、20分間乳化を行った後、コンビネーターで冷却捏和してマーガリンを作製した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
甘草疎水性抽出物を含有する血液流動性改善剤。
【請求項2】
請求項1記載の血液流動性改善剤を含有する医薬または食品組成物。
【請求項3】
請求項1記載の血液流動性改善剤を含有する、哺乳動物の血液をさらさらにし得る医薬または食品組成物。
【請求項4】
請求項1記載の血液流動性改善剤および油脂を含有する、血液流動性改善用の油脂含有組成物。
【請求項5】
請求項4記載の組成物を封入してなるソフトカプセル剤。
【請求項6】
有効量の、請求項1〜4のいずれか1項記載の組成物あるいはソフトカプセル剤を、哺乳動物対象に投与することを含む、哺乳類動物対象の血液流動性を改善する方法。
【請求項7】
甘草材料を疎水性溶媒と接触させ抽出物を得ることを含む、血液流動性改善剤の製造方法。
【請求項8】
甘草材料を疎水性溶媒と接触させ抽出物を得ること、および、該抽出物を油脂と混合することを含む、血液流動性改善用の油脂含有組成物の製造方法。

【公開番号】特開2006−89387(P2006−89387A)
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−273473(P2004−273473)
【出願日】平成16年9月21日(2004.9.21)
【出願人】(000000941)株式会社カネカ (3,932)
【Fターム(参考)】