説明

血管新生の可視化

装置が、画像空間内の諸位置と病変部または他の関心対象となる特徴との間の脈管接続の空間的に変動する強さを示す画像空間データ(35)を生成する。データは、画像の輝度が脈管接続の強さを表す最大強度投影(MIP)表示によって呈示されうる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は血管新生(vascularization)の可視化に関する。本願は計算機断層撮影(CT)画像データにおける腫瘍の血管新生の可視化に格別の応用を見出す。本願は、より一般には他の撮像モダリティを使って生成された画像空間データ中で関心対象となる他の病変または特徴の接続性の可視化にも関する。
【背景技術】
【0002】
CT、磁気共鳴(MR)、超音波(US)、単一光子放出計算機断層撮影(SPECT)、陽電子放出断層撮影(PET)およびX線などの医療撮像モダリティは、癌などの疾病の診断および治療において重要な役割を果たしうる。腫瘍または他の疑わしい病変を評価するために使える一つの因子は、その血管新生である。よって、病変部が周辺の脈管構造(vasculature)に接続される度合いおよび仕方が、たとえば腫瘍が良性であるか悪性であるか、その可能な成長などに関する判定との関連で、臨床担当者に有用な情報を提供しうる。
【0003】
残念ながら、脈管可視化(vascular visualization)はいくつかの要因によって複雑化しうる。たとえば、多くの血管が腫瘍の近傍に位置されうるが、そのすべてが病変血液供給に寄与するのではないこともありうる。さらに、さまざまな血管は輝度および大きさにおいて変動がありうる。小さめの血管は、たとえ腫瘍に脈管的に関係していたとしても、比較的可視性は低く、低めのコントラストをもつ傾向がありうる。大きめの血管は、潜在的にはよく可視化されるものの、腫瘍に対してほとんどまたは全く脈管接続をもたないことがありうる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
血管を表すボクセルを同定し、呈示するために、セグメンテーションおよび関係したレンダリング技術が使われてきた。だが、残念ながら、セグメンテーション操作の結果は一般にセグメンテーション・アルゴリズムおよび選択されたセグメンテーション・パラメータに敏感である。たとえば、輝度閾値、ノイズ抑制および最小濃度(thickness)基準はみな、特定の構造が血管として同定されるかどうかに影響しうる。
【0005】
本発明の諸側面はこれらおよびその他の問題に対処する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第一の側面によれば、方法が、病変部および脈管構造を含む第一の画像空間データを評価して、前記第一の画像空間中の位置と前記病変部との間の脈管接続の空間的に変動する強さを決定することを含む。本方法はまた、決定された空間的に変動する強さを示す第二の画像空間データを生成することをも含む。
【0007】
別の側面によれば、装置が、病変部を含む第一の画像空間データを評価して、前記第一の画像空間中の位置と前記病変部との間の脈管接続の空間的に変動する強さを決定する手段を含む。本装置はまた、決定された強さを示す第二の、空間的に変動する画像空間データを生成する手段をも含む。
【0008】
別の側面によれば、コンピュータ可読記憶媒体が、プロセッサによって実行されたときに、該プロセッサにある方法を実行させる命令を含む。前記方法は、関心対象となる特徴を含む第一の画像空間データを評価して、前記第一の画像空間中の位置と前記特徴とが脈管的に接続される空間的に変動する強さを決定し、決定された空間的に変動する強さを示す第二の画像空間データを生成することを含む。
【0009】
別の側面によれば、装置が、オブジェクトを示す画像空間データにおいて、前記オブジェクトの病変部への確からしい脈管接続を表す複数の経路を同定する手段を含む。前記装置はまた、前記経路に沿った位置が前記経路を通じて前記病変部に脈管的に接続されている確からしさ(likelihood)を表す、空間的に変動する脈管接続性データを生成する手段をも含む。
【0010】
当業者は、付属の図面および説明を読み、理解すれば、本発明のさらに他の側面を理解するであろう。
【0011】
本発明は、限定ではなく例として、付属の図面において例解される。図面において、同様の参照符号は同様の要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】CTスキャナを描いた図である。
【図2】方法を描いた図である。
【図3A】画像空間データおよび関係する画像を描いた図である。
【図3B】画像空間データおよび関係する画像を描いた図である。
【図3C】画像空間データおよび関係する画像を描いた図である。
【図3D】画像空間データおよび関係する画像を描いた図である。
【図3E】画像空間データおよび関係する画像を描いた図である。
【図4】方法を描いた図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1を参照すると、CTスキャナ10は、検査領域14のまわりを回転する回転ガントリー18を含む。回転ガントリー18はX線管のようなX線源12を支持する。ガントリー18は、検査領域14の反対側の弧に延在するX線感応検出器20をも支持する。X線源12によって生成されたX線は検査領域14を横切って検出器20によって検出される。スキャナ10および検出器20の構成に依存して、X線源12は、検出器20のカバー範囲とほぼ同じ広がりをもつ概括的に扇形、楔形または円錐形の放射ビームを生成する。したがって、スキャナ10は、検査領域14内に配されたオブジェクトを通じた複数の投影または射線(ray)に沿った放射減衰を示す投影データを生成する。カウチのような支持部16が検査領域14内で患者または他のオブジェクトを支持する。
【0014】
回転するガントリー18上またはその近くに位置されたデータ測定システム23は、検出器20からの信号を受領し、必要なアナログ‐デジタル変換、多重化、インターフェース、データ通信および同様の機能を提供する。
【0015】
再構成器22は、データ測定システム23によって取得された投影データを再構成して患者の内部解剖構造を示す画像空間データ24を生成する。また、フィルタ処理、画質改善および/または他の画像処理操作も画像空間データに対して実行されてもよいことは理解されるであろう。
【0016】
以上は一つの好適なCTスキャナ構成の例であり、他の構成が考えられることを注意しておく。たとえば、第四世代型構成では、検出器20は一般に静止したままであり、回転ガントリー部18が検査領域のまわりを回転する。X線源は従来式のX線管以外の構成であってもよい。電子ビームを使うeビームスキャナも考えられる。さらに、分光CTシステムは、オブジェクトの材料組成についての情報を提供できる。さらに他の変形が当業者によって了解されるであろう。
【0017】
画像空間データ24は通常、ボクセルの三次元(3D)アレイ21として構成される。さまざまなボクセルは、測定される変数の関数として変化する値をもつ。CT画像データの場合、測定される変数は通常はX線減衰であり、X線減衰の値は通常はハウンズフィールド単位(HU)で表される。よって、ボクセル値は、通常、オブジェクトの空間的に変動する放射減衰を表すことになる。
【0018】
引き続き図1を参照すると、関心体積(VOI: volume of interest)抽出器26は、画像空間データ24の関心体積または他の関心領域を、抽出するまたは他の仕方で選択する。今の議論の目的のためには、VOI選択器26は、腫瘍、小結節または関心のある他の病変と、周囲の脈管構造部分とを含むVOIを選択するために使用されるものと想定される。VOI抽出器26は、VOIの抽出を、ユーザーからの手動入力に基づいて、好適な自動特徴検出技法に基づいて、半自動的に、あるいは別の好適な仕方で行いうる。
【0019】
隠蔽構造除去器28は、骨、近隣の組織その他のような隠蔽するまたは干渉する構造を画像空間データから除去してVOIデータ29を生成するために使用されうる。ここでもまた、隠蔽構造除去は、ユーザーによって手動で、好適なセグメンテーションおよび/または構造除去技法を使って自動的に、半自動的にまたは別の好適な仕方で実行されうる。
【0020】
病変識別器30は、画像空間データを処理して、VOIデータ29のうち、関心対象の病変部31に対応する部分を同定する。ある実装では、病変識別器30は、既知のセグメンテーション技法を用いて関心対象の病変をセグメンテーションするセグメンテーション器を含む。ここでもまた、病変識別器30は、自動的に、ユーザーによって手動で、半自動的にまたは他の好適な仕方で実行されうる。
【0021】
脈管経路識別器32は、VOIデータ29を処理して、病変部への可能性のある脈管接続を表す画像空間を通じた諸経路を識別し、のちにさらに論じるように、経路識別器32は優先度付けされた領域成長法を利用して、病変部への強い脈管接続を表す可能性が最も高い画像空間を通じた経路(単数または複数)を優先的に識別する。
【0022】
脈管経路解析器34は、識別された経路を解析して、病変部への比較的弱い脈管接続を表す識別された経路に沿った諸位置を同定する。より具体的には、ある実施形態では、経路解析器34は、画像空間内のさまざまな位置について、病変部と最も弱い脈管接続を表す位置との間の決定された経路沿いのある位置を決定する。
【0023】
脈管接続データ生成器36は、画像空間中のさまざまな位置と病変との間の脈管接続の度合いまたは強さを表す脈管接続性データ35を生成する。より具体的には、データ生成器36は、空間的に変動する接続性のデータ35を生成する。該接続性データ35内の諸位置に与えられる値は、経路解析器34によって決定された位置における、VOIデータの値に依存する。
【0024】
最大強度投影(MIP: maximum intensity projection)生成器38は、VOIデータ29に対して作用して、VOIデータ29を通じた一つまたは複数の角度または投影についてのVOI MIPデータ391-Nを生成する。MIP生成器38はまた、脈管接続性データ36に対しても作用して、接続性MIPデータ401-Nを、脈管接続性データ35を通じた対応する諸投影について生成する。VOI MIPデータ39の場合、画像投影におけるさまざまな位置の輝度はVOIデータ39内で遭遇される値を表す。接続性MIPデータ401-Nの場合、値は、関心対象の病変部への接続性の強さまたは度合いを表す。二つのデータ・セットの表示および/または比較を容易にするために、ボクセル値は同じ単位で表されてもよい(CTデータの場合CT値またはHU)。
【0025】
画像処理器42は、ディスプレイ、モニタまたは他の好適なヒューマン・インターフェース91を介した呈示のために、第一のMIPデータ391-N、接続性MIPデータ401-Nおよびセグメンテーションされた病変データ31を処理する。ここでもまた、比較を容易にするために、VOI MIPデータ39と接続性MIPデータ40はインターフェース91上で並行して、たとえば隣り合わせに、表示されてもよい。MIPデータ39、40はまた、たとえば表示されるMIP画像をある好適な回転軸のまわりに協調して回転させることによって、動くMIP表示として呈示されてもよい。一例では、それらの画像は、三次元性の感覚を与えるために、約±10度の角度で前後に回転させられる。別の例では、MIPは360度を通じて周期的に回転させられる。あるいはまた、ユーザーは、たとえばウィンドウおよびレベル、回転または他のユーザー操作可能なコントロールを介して、データを望むままに回転させる機会を与えられてもよい。
【0026】
ここで、図2との関連で動作について述べる。
【0027】
202において、患者がスキャンされて投影データが生成される。今の議論の目的のためには、投影データは、患者の肺の少なくとも一部を含む領域にわたって収集される。また、病変の種別、周辺の脈管構造およびスキャン・モダリティのような要因に依存して、スキャンは、コントラストを高めた投影データを得るために造影剤の導入とともに調整されてもよい。そのような実装は、そうでなければ病変部または脈管構造の一部または全部を周辺の組織から区別することが難しいことがありうる場合に特に有益である。そのような場合は、病変部および/または脈管構造が心臓または筋肉組織内またはその近くに位置されるときに起こりうる。
【0028】
204では、投影データは画像空間データ24を生成するよう再構成される。また、再構成204および後続の動作が、スキャン動作から離れた時と場所で実行されてもよいことを注意しておく。
【0029】
206では、画像空間データからVOIが抽出される。今の例の目的のためには、VOIは、癌性であることが疑われる肺病変部であって該病変部への血液供給を評価することが望ましいものを含むと想定される。このように、本例の目的のためには、VOIは前記病変部と少なくとも周辺脈管構造の一部分を含むことになる。
【0030】
抽出されたVOI 29の一例が図3Aに概略的に示されている。図解の簡単のため、抽出されたVOI 29は二次元(2D)投影として図示されているが、VOIは通常、病変部304および脈管構造306を含む3D体積を含むことは理解されるであろう。
【0031】
相対的により大きい脈管は通常、より可視的であり、画像中で相対的により明るく見える傾向がある。一方、相対的により小さい脈管はより暗く、より認識するのがより難しいことがありうる。しかしながら、脈管306の可視性または輝度は必ずしも病変部304とのこの脈管接続の強さと相関しないことがありうることも理解されるであろう。たとえば、きわめて可視性の高い脈管が病変部304に(そもそも接続されていたとして)弱く接続されており、よって病変部304血液供給に対してほとんどあるいは全く寄与しないことがありうる。他方、より可視性の低い脈管が病変部304に強く接続されていることがありうる。今の例の目的のためには、脈管306Cが病変部304に対して相対的に強く接続されており、脈管306Dは弱く接続されていると想定する。
【0032】
隠蔽構造が画像データ中にあれば、ステップ208において画像データから除去されうる。
【0033】
210において、たとえば好適なセグメンテーション技法を使って病変部が同定される。セグメンテーションされた病変部31は図3Bにハッチングによって概括的に図示されている。
【0034】
ステップ212で脈管接続データ35が生成される。ボクセル接続性データ35の一例が図3Cに概略的に図示されている。より具体的には、接続性データ35内の各位置またはボクセルは、病変部304へのその脈管接続の強さを表す値を受け取る。接続性データ35中の各ボクセルは、病変部304と当該ボクセルとの間の最も確からしい脈管経路上で遭遇される最小ボクセル値に等しいデータ値を受け取る。こうして、今の例では、脈管306Cは相対的に「明るく」、一方、脈管306Dはそうではない。別の言い方をすると、比較的病変部への接続が弱い脈管306Dは抑制される。
【0035】
ステップ214で、それぞれ接続性データ35およびVOIデータ29を通じた一つまたは複数の投影について、MIPデータ39、40が生成される。ある例示的な投影についてのMIPデータ39、40が図3Dに概略的に図示されている。
【0036】
216で、セグメンテーションされた病変部31がMIPデータ39、40上にスーパーインポーズされうる。
【0037】
ステップ218で、MIPデータ39、40がユーザーに対して呈示される。図3Eに図示されるある実装では、画像空間を通じた対応する諸投影についてのMIPデータ39、40が、ヒューマン・インターフェース91を介して隣り合わせに呈示される。上記したように、呈示される投影を好適な回転軸310のまわりに回転させて、動くMIP表示が生成されてもよい。
【0038】
脈管接続性データ35の生成について、ここで、図4を参照してさらに述べる。図4は、接続性データ35内のボクセルの輝度が、病変部と当該ボクセルとの間の最も強い脈管経路に沿って位置する諸ボクセルの最小輝度を表す、例示的な優先度付けされた領域成長法(prioritized region growing technique)を示している。
【0039】
402では、病変部と境を接するボクセル(すなわち、一次近傍ボクセル)が同定され、候補ボクセルと考えられる。
【0040】
404では、候補ボクセルが、血管を表している可能性に従って順序付けられる。
【0041】
さまざまな可能性基準が使用されうることを注意しておく。ある技法によれば、候補ボクセルはその相対的データ値に従って、たとえば相対的により高い値が先に考えられるよう、順序付けられる。そのような技法は、肺病変のCT撮像のような、血管を表すボクセルが周辺の組織に比較して比較的コントラストが強い状況において特に有用である。ある変形では、ある範囲内のボクセルのみが考慮され、それらのボクセルがその範囲内の位置に従って順序付けられてもよい。追加的または代替的に、形態学的または他の情報が使用されてもよい。当業者は、上記が単に例であり、他の変形が適宜用いられてもよいことを認識するであろう。さらに、領域成長以外の経路生成技法を用いてもよい。
【0042】
406では、血管を表す可能性が最も高い候補ボクセルが訪問される。
【0043】
408では、訪問されたボクセルが経路に追加される。訪問されるボクセルが血管を表す可能性および訪問されるボクセルの位置に依存して、訪問されるボクセルが既存の経路に追加される、既存の経路の分枝と考えられる、あるいは新たな経路の開始をなすことができる。
【0044】
410では、訪問されたボクセルが、現在の経路に沿った諸ボクセルのうちの、病変部への接続を表す可能性が最も低いものである場合、現在の経路についての経路可能性値がその訪問されたボクセルの値に設定される。VOIデータ29がHUで表されるCTデータの場合、経路可能性値は同様にHUで表されてもよい。
【0045】
412では、接続性データ35内の、訪問されたボクセルの位置に対応する位置をもつボクセルが、現在の経路の可能性値に設定される。
【0046】
414では、訪問されたボクセルの一次近傍ボクセルが同定される。
【0047】
416では、前記プロセスが所望に応じて、たとえば第一の画像空間29の全ボクセルが訪問されるまで、繰り返される。
【0048】
上記の技法の一つの利点は、接続性の度合いが脈管の相対的な輝度によって表現されうるということである。さらに、可視化プロセスは、特定の脈管が腫瘍に接続されているかどうかに関する暗黙的な二値判定に依拠しないということである。表面レンダリングに対して、MIP投影はまた、一般に、輝度閾値を要求せず、薄めの構造の抑制を比較的受けにくく、画像ノイズに関してより堅牢である傾向がある。
【0049】
さまざまなステップの順序は変えてもよいことも理解されるであろう。たとえば、所与の経路に沿った最も可能性の低い脈管接続の解析は、経路の生成と同時に実施される必要はなく、別個のステップにおいて実行されてもよい。幅が先、深さが先および他の順序付け技法を用いうる。経路は、領域成長以外を使って同定されてもよい。
【0050】
さらに他の変形が考えられる。たとえば、上記の諸技法はCTデータに限定されるものではなく、これに限られないが、MR、US、SPECT、PETおよびレントゲンを含む他のモダリティを使って生成された画像データとの関連で用いられてもよい。上記の諸技法はまた、腫瘍および小結節以外の病変との関連で用いられてもよいし、病変以外の構造への接続性を可視化するために用いられてもよい。上記の諸技法はまた、脈管の接続性以外の接続性を可視化するために用いられてもよい。
【0051】
さまざまな表示および可視化技法も考えられる。一例として、接続性データ35は、体積レンダリング技法を使って呈示されてもよい。さらに別の例としては、接続性輝度値は色または陰影の変化によって表現されてもよい。
【0052】
上記の諸技法のさまざまなものが、ハードウェアおよび/またはコンピュータ・ソフトウェアまたはファームウェアのさまざまな組み合わせを介して実装されうることは理解されるであろう。ソフトウェア、ファームウェア等の場合、コンピュータ可読命令がコンピュータ可読記憶媒体上に記憶されてもよい。コンピュータ・プロセッサによって実行されたときに、その命令がプロセッサに所望の技法を実行させる。命令はまた、リモートに位置され、必要に応じて、たとえばインターネットを介してダウンロードすることによって、アクセスされてもよい。
【0053】
本発明を、好ましい諸実施形態を参照して記述してきた。修正および変更が、以上の詳細な説明を読み、理解すれば他の者にも思いつくことがありうる。本発明が、付属の請求項またはその等価物の範囲内にはいる限りそれらの修正および変更すべてを含むものと解釈されることが意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
病変部および脈管構造を含む第一の画像空間データを評価して、前記第一の画像空間中の諸位置と前記病変部との間の脈管接続の空間的に変動する強さを決定する段階と;
決定された空間的に変動する強さを示す第二の画像空間データを生成する段階とを含む、
方法。
【請求項2】
前記第二の画像空間データを示す画像を呈示する段階を含む請求項1記載の方法であって、呈示される画像が、決定された空間的に変動する強さを示す空間的に変動する特性を含む、方法。
【請求項3】
前記特性が輝度を含む、請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記第一の画像空間データにおいて、前記病変部への確からしい脈管接続を表す第一の経路であって第一の位置を含む経路を同定する段階と;
前記第一の位置と前記病変部との間の相対的に弱い脈管接続を表す前記経路沿いの第二の位置を同定する段階とを含む、
請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記第一の画像データがオブジェクトを示し、当該方法が、前記第一の位置に対応する前記第二の画像空間データ内の位置の値を、前記第二の位置における前記オブジェクトの測定された特性を示す値に設定する段階を含む、請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記特性がX線減衰である、請求項5記載の方法。
【請求項7】
前記第一の経路が、前記第一の位置と前記病変部との間の最も強い脈管接続を表し、前記第二の位置が前記第一の経路沿いの最も弱い脈管接続を表す、請求項4記載の方法。
【請求項8】
前記第二の画像空間データを示すMIPデータを生成する段階を含む、請求項1記載の方法。
【請求項9】
前記第一の画像空間データを示すMIPデータを生成する段階と;
前記第一の画像空間データを示すMIPデータおよび前記第二の画像空間データを示すMIPデータを、人間が知覚できる形で、並行して呈示する段階とを含む、
請求項1記載の方法。
【請求項10】
オブジェクトを示す第三の画像空間データから前記第一の画像空間データを抽出する段階であって、前記画像空間データは前記病変部および前記周辺の脈管構造の少なくとも一部分を含む、段階と;
前記病変部をセグメンテーションする段階と;
前記セグメンテーションされた病変部および前記第二の画像空間データを示す画像を呈示する段階とを含む、
請求項1記載の方法。
【請求項11】
病変部を含む第一の画像空間データを評価して、前記第一の画像空間中の諸位置と前記病変部との間の脈管接続性の空間的に変動する強さを決定する手段と;
決定された強さを示す第二の、空間的に変動する画像空間データを生成する手段とを有する、
装置。
【請求項12】
前記第一の画像空間データを生成する撮像装置を有する、請求項11記載の装置。
【請求項13】
隠蔽構造除去器と;
病変部識別器と;
脈管経路生成器と;
脈管経路解析器と;
脈管接続性データ生成器とを有する、
請求項11記載の装置。
【請求項14】
プロセッサによって実行されたときに、該プロセッサに方法を実行させる命令を含むコンピュータ可読記憶媒体であって、前記方法は、
関心対象となる特徴を含む第一の画像空間データを評価して、前記第一の画像空間中の諸位置と前記特徴とが脈管的に接続される空間的に変動する強さを決定する段階と;
決定された空間的に変動する強さを示す第二の画像空間データを生成する段階とを含む、
コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項15】
前記方法が前記第二の画像空間データを示す画像を呈示する段階を含み、前記画像が前記空間的に変動する強さを表す空間的に変動する輝度を含む、請求項14記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項16】
前記方法が前記第二の画像空間データを示すMIPデータを生成する段階を含む、請求項14記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項17】
前記方法が:
前記第一の画像空間を通じる確からしい脈管経路を同定する段階と;
相対的に弱い脈管接続を表す前記経路沿いの位置を同定する段階と;
前記同定された位置における第一の画像空間データを使って前記第二の画像空間データを生成する段階とを含む、
請求項14記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項18】
前記第一の画像空間データがオブジェクトを示し、前記方法が:
領域成長法を使って前記特徴とある第一の位置との間の脈管経路を同定する段階と;
前記特徴と前記第一の位置との間の最も弱い脈管位置を表す前記経路沿いの第二の位置を同定する段階と;
前記第二の画像空間データ内のある位置を、前記第二の位置における前記オブジェクトの測定された特性を示す値に設定する段階を含む、
請求項14記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項19】
前記特性がMRスキャナ、PETスキャナまたはSPECTスキャナによって測定される、請求項18記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項20】
前記方法が:
前記関心対象となる特徴を同定する段階と;
前記関心対象となる特徴に隣接する第一の諸位置を同定する段階と;
同定された諸位置が脈管経路を表す可能性に従って同定された諸位置を順序付ける段階と;
最も可能性の高い脈管経路を表す同定された第一の位置に隣接する第二の諸位置を同定する段階と;
順序付けする段階および第二の諸位置を同定する段階を繰り返す段階とを含む、
請求項14記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項21】
オブジェクトを示す画像空間データにおいて、前記オブジェクトの病変部への確からしい脈管接続を表す複数の経路を同定する手段と;
前記経路に沿った位置が前記経路を通じて前記病変部に脈管的に接続されている可能性を表す、空間的に変動する脈管接続性データを生成する手段とを有する、
装置。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図3E】
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【図4】
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【公表番号】特表2011−502680(P2011−502680A)
【公表日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−533684(P2010−533684)
【出願日】平成20年11月4日(2008.11.4)
【国際出願番号】PCT/IB2008/054592
【国際公開番号】WO2009/066195
【国際公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】