説明

衛星−地上間光通信特性シミュレータ

【課題】衛星−地上間光通信の受信特性を、特に伝搬経路が雲等による遮断され、或いは大気のゆらぎにより変化する場合を考慮しつつより正確にシミュレートする。
【解決手段】光通信の信号を受信可能であってその連続受信時間が短い状態A、光通信の信号を受信可能であってその連続受信時間が長い状態B、光通信の信号を受信不能であってその連続受信不能時間が短い状態C、光通信の信号を受信可能であってその連続受信不能時間が長い状態D、の4状態が予め定義されるとともに、各状態間の状態遷移が予め設定されたマルコフモデルを使用して状態A〜Dの何れの状態であるかを時間毎に求める。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衛星−地上間光通信の受信特性をシミュレートするための衛星−地上間光通信特性シミュレータ及び方法、並びにこの受信特性に応じた擬似的な出力光を生成する擬似出力光生成装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年において、地球規模の高速通信ネットワーク構築の手段として、衛星と地上局間において光通信を行う、いわゆる衛星−地上間光通信が注目されている。この衛星−地上間光通信は、電波による通信と比較して秘匿性が高く、通信機器が小型、軽量で低消費電力であっても実現可能であり、更には超高速で通信を行うことができるという利点がある。
【0003】
しかしながら、衛星から地上局にレーザ光を送信し続けるという非常に精密な技術が必要となる。特に衛星と地上局間において雲が存在する場合には、衛星から送信されたレーザ光が雲によって遮蔽される場合もある。また、大気のゆらぎによって受光電力や偏光状態などが変動し、これが衛星−地上間の伝搬路状態に影響し、その結果、受信信号の品質が著しく低下してしまうという問題点があった。
【0004】
ちなみに、電波を用いた衛星−地上間通信では、シャドウイング等による伝搬路変動を考慮に入れた伝搬路モデルが提案されている(例えば、非特許文献1参照。)。これに対して、衛星−地上間光通信では、かかる大気ゆらぎ等による伝搬路の変化を考慮した伝搬路モデルとしなければならないが、従来においてかかるモデルは未だ十分に検討されていないのが現状であった。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Rec. ITU-R P.681-6, "Propagation data required for the design of earth-space land mobile telecommunication systems," 2003.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特に、衛星−地上間光通信システムにおける受信信号の品質向上を検討するためには、衛星−地上間光通信の伝搬路モデルを定式化したシミュレータを開発することが必要になる。逆にこのようなシミュレータを開発することができれば、実際の衛星から地上局等に対する光通信リンクを擬似的に創出してシステム実験を行うことが可能となり、また様々な通信パラメータを変更しながら通信性能を試験することが可能となり、衛星−地上間光通信に最適な変調方式や通信パラメータの仕様を策定する上で大きな役割を果たすことになる。
【0007】
そこで本発明は、衛星−地上間光通信の受信特性を、特に伝搬経路が雲等による遮断され、或いは大気のゆらぎにより変化する場合を考慮しつつより正確にシミュレートすることが可能な衛星−地上間光通信特性シミュレータ及び方法、並びにこの受信特性に応じた擬似的な出力光を生成することが可能な擬似出力光生成装置及び方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、以下の観点から上述した課題の解決を図るものである。
【0009】
図1は、衛星−地上間光通信システム1の一例を示している。この衛星−地上間光通信システム1は、人工衛星2と、地球上の地上局との間で光通信を行うものである。この人工衛星2は、地球の自転周期と一致する又は無関係の軌道周期をもって周回し、人工衛星2自体が取得した情報を光信号として地上局3へと送信するものである。地上局3は、かかる人工衛星2から送信されてくる光信号を受信し、これを地上通信ネットワークへと配信していく役割を担う。また、この衛星−地上間光通信システム1では、地上局3から人工衛星2に向けて光信号を送信する場合もある。
【0010】
このとき、人工衛星2と地上局3との間に雲4が存在する場合には、人工衛星2と地上局3との間で光信号の伝搬経路が遮断されてしまう。また大気のゆらぎがあった場合には、人工衛星2と地上局3との間における光信号の伝搬経路自体が変化してしまう。その結果、人工衛星2からの光信号の受信特性は大きく変化してしまうことになる。
【0011】
図2は、地上局3が実際に人工衛星2から受信した光信号の受信特性の一例を示している。この図2では、横軸は時刻であり、縦軸は地上局3が人工衛星2から受信した受信光の電力(dBm)を示している。受信光電力は、上述した雲4の存在や大気のゆらぎにより、時間の経過に応じて変動する。実際に地上局3において受信電力があまりに低い場合には、これを受信して情報を復調する(以下、 "受信する"と表現)ことができない。即ち、この地上局3は、受信光電力が受信可能レベルを超えたものでないと受信することができない。ここで受信可能レベルが−70dBmであるものと仮定した場合に、この受信光電力が70dBm以上の時間において、人工衛星2からの光信号を受信することができ、受信光電力が70dBm未満の時間では、人工衛星2からの光信号を受信することができない。ここで、衛星2からの光信号を受信できる通信可能な時間領域をLoSと定義し、人工衛星2からの光信号を受信できる通信不能な時間領域をNLoSと定義する。その結果、人工衛星2と地上局3との間における光通信の伝搬路状態は、図2における示すように、受信光電力が受信可能レベル以上のLoSと、受信光電力が受信可能レベル未満のNLoSがそれぞれ時間毎に分布することになる。
【0012】
ここで、LoSが連続する時間、換言すれば光信号を連続して受信可能な時間を連続受信時間という。また、NLoSが連続する時間、換言すれば光信号を連続して受信不能な時間を連続受信不能時間という。連続受信時間と、連続受信不能時間とは、図2に示す受信光電力と受信可能レベルの関係から決まるものである。受信光電力が受信可能レベル付近において小刻みに振動する場合には、連続受信時間と、連続受信不能時間とが短い周期で繰り返されることになる。これに対して、受信光電力が受信可能レベルを大きく超える場合には、LoSの時間、即ち連続受信時間が長く続くことになる。また、受信光電力が受信可能レベルを大きく下回る場合には、LoSの時間、即ち連続受信時間が長く続くことになる。
【0013】
このような、受信光電力と受信可能レベルの関係から決まる連続受信時間と、連続受信不能時間の長短に着目し、本発明では以下の状態A〜状態Dの4状態を新たに定義する。
【0014】
状態Aは、光通信の信号を受信可能であってその連続受信時間が短い状態である。状態Bは、光通信の信号を受信可能であってその連続受信時間が長い状態である。状態Cは、光通信の信号を受信不能であってその連続受信不能時間が短い状態である。状態Dは、光通信の信号を受信可能であってその連続受信不能時間が長い状態である。図2に示す例において、このような4つの状態A〜Dを当てはめる。横軸の時刻は、状態遷移時間分解能Δtによって分割されているものとし、分割された各時間内において状態A〜Dのうち何れか1状態が維持され、次の時間に移行した場合に、状態A〜Dのうち何れか1状態に遷移することになる。
【0015】
ここで、NLoSからLoSへ遷移した場合には、状態Aになる。その理由として、このLoSに遷移したばかりでは、LoSの連続時間がまだ短いためである。またLoSに遷移した後、しばらくLoSが連続する場合には、連続受信時間が長い状態となるため、状態Bとなる。
【0016】
またLoSからNLoSへと移行した場合には、状態Cとなる。その理由として、このNLoSに遷移したばかりでは、NLoSの連続時間がまだ短いためである。またNLoSに遷移した後、しばらくNLoSが連続する場合には、連続受信不能時間が長い状態となるため、状態Cとなる。
【0017】
本発明者は、LoS、NLosの連続時間の長短に対する各状態A〜Dの当てはめを行った結果、これらの状態A〜Dの遷移について、マルコフモデルを用いて説明できることを新たに見出した。図3は、状態A〜Dの遷移をマルコフモデルで表したものである。このマルコフモデルでは、状態A(LoS、時間短)は、状態C(NLoS、時間短)又は状態B(LoS、時間長)に遷移し得る。また、状態Bは、状態Bを繰り返し実行するか、状態Cへ遷移し得る。状態Cは、状態A又は状態D(NLoS、時間長)に遷移し得る。また、状態Dは、状態Dを繰り返し実行するか、状態Aへと遷移し得る。以上の傾向を新たに抽出してモデル化したものである。
【0018】
そして状態Aから状態Cへの状態遷移確率PAC、状態Cから状態Aへの状態遷移確率PCA、状態Aから状態Bへの状態遷移確率PAB=1−PAC、状態Cから状態Dへの状態遷移確率PCD=1−PCA、状態Bから状態Cへの状態遷移確率PBC、状態Dから状態Aへの状態遷移確率PDA、状態Bを繰り返す確率PBB=1−PBC、状態Dを繰り返す確率PDD=1−PDA、により各状態間の状態遷移が定義されるものとする。
【0019】
ちなみに、この状態遷移確率PAC、PCA、PBC、PDAは予め設定されているものとする。そして、状態遷移確率PAC、PCA、PBC、PDAについてマルコフモデルを使用して状態A〜Dの何れの状態であるかを時間毎に求める。
【0020】
その結果、状態A又は状態Bである場合には受信可能であり、状態C又は状態Dである場合には受信不能である旨の出力を時間毎に行う。これにより、図2に示すようなLoSとNLoSの遷移や連続時間に応じた判定を行うことができ、人工衛星2からの受信特性を的確にシミュレートすることが可能となる。このとき、状態A又は状態Bである場合には高出力光を生成し、状態C又は状態Dである場合には低出力光を生成することにより、人工衛星2からの受信特性に応じた擬似出力光を生成することが可能となる。
【0021】
即ち、本発明に係る衛星−地上間光通信特性シミュレータは、衛星−地上間光通信の受信特性をシミュレートするための衛星−地上間光通信特性シミュレータにおいて、上記光通信の信号を受信可能であってその連続受信時間が短い状態A、上記光通信の信号を受信可能であってその連続受信時間が長い状態B、上記光通信の信号を受信不能であってその連続受信不能時間が短い状態C、上記光通信の信号を受信可能であってその連続受信不能時間が長い状態D、の4状態が予め定義されるとともに、上記状態Aから上記状態Cへの状態遷移確率PAC、上記状態Cから上記状態Aへの状態遷移確率PCA、上記状態Aから上記状態Bへの状態遷移確率PAB=1−PAC、上記状態Cから上記状態Dへの状態遷移確率PCD=1−PCA、上記状態Bから上記状態Cへの状態遷移確率PBC、上記状態Dから上記状態Aへの状態遷移確率PDA、上記状態Bを繰り返す確率PBB=1−PBC、上記状態Dを繰り返す確率PDD=1−PDA、により各状態間の状態遷移が定義され、更に上記状態遷移確率PAC、PCA、PBC、PDAが予め設定されたマルコフモデルを使用して上記状態A〜Dの何れの状態であるかを時間毎に求める演算手段と、上記状態A又は状態Bである場合には受信可能であり、状態C又は状態Dである場合には受信不能である旨の出力を上記時間毎に行う出力手段とを備えることを特徴とする。
【0022】
本発明に係る擬似出力光生成装置は、衛星−地上間光通信の受信特性に応じた擬似的な出力光を生成する擬似出力光生成装置において、上記光通信の信号を受信可能であってその連続受信時間が短い状態A、上記光通信の信号を受信可能であってその連続受信時間が長い状態B、上記光通信の信号を受信不能であってその連続受信不能時間が短い状態C、上記光通信の信号を受信可能であってその連続受信不能時間が長い状態D、の4状態が予め定義されるとともに、上記状態Aから上記状態Cへの状態遷移確率PAC、上記状態Cから上記状態Aへの状態遷移確率PCA、上記状態Aから上記状態Bへの状態遷移確率PAB=1−PAC、上記状態Cから上記状態Dへの状態遷移確率PCD=1−PCA、上記状態Bから上記状態Cへの状態遷移確率PBC、上記状態Dから上記状態Aへの状態遷移確率PDA、上記状態Bを繰り返す確率PBB=1−PBC、上記状態Dを繰り返す確率PDD=1−PDA、により各状態間の状態遷移が定義され、更に上記状態遷移確率PAC、PCA、PBC、PDAが予め設定されたマルコフモデルを使用して上記状態A〜Dの何れの状態であるかを時間毎に求める演算手段と、上記状態A又は状態Bである場合には高出力光を生成し、上記状態C又は状態Dである場合には低出力光を生成することを上記時間毎に行う出力光生成手段とを備えることを特徴とする。
【0023】
本発明に係る衛星−地上間光通信特性シミュレーション方法は、衛星−地上間光通信の受信特性をシミュレートするための衛星−地上間光通信特性シミュレーション方法において、上記光通信の信号を受信可能であってその連続受信時間が短い状態A、上記光通信の信号を受信可能であってその連続受信時間が長い状態B、上記光通信の信号を受信不能であってその連続受信不能時間が短い状態C、上記光通信の信号を受信可能であってその連続受信不能時間が長い状態D、の4状態が予め定義されるとともに、上記状態Aから上記状態Cへの状態遷移確率PAC、上記状態Cから上記状態Aへの状態遷移確率PCA、上記状態Aから上記状態Bへの状態遷移確率PAB=1−PAC、上記状態Cから上記状態Dへの状態遷移確率PCD=1−PCA、上記状態Bから上記状態Cへの状態遷移確率PBC、上記状態Dから上記状態Aへの状態遷移確率PDA、上記状態Bを繰り返す確率PBB=1−PBC、上記状態Dを繰り返す確率PDD=1−PDA、により各状態間の状態遷移が定義され、更に上記状態遷移確率PAC、PCA、PBC、PDAが予め設定されたマルコフモデルを使用して上記状態A〜Dの何れの状態であるかを時間毎に求め、上記状態A又は状態Bである場合には受信可能であり、状態C又は状態Dである場合には受信不能である旨の出力を上記時間毎に行うことを特徴とする。
【0024】
本発明に係る擬似出力光生成方法は、衛星−地上間光通信の受信特性に応じた擬似的な出力光を生成する擬似出力光生成方法において、上記光通信の信号を受信可能であってその連続受信時間が短い状態A、上記光通信の信号を受信可能であってその連続受信時間が長い状態B、上記光通信の信号を受信不能であってその連続受信不能時間が短い状態C、上記光通信の信号を受信可能であってその連続受信不能時間が長い状態D、の4状態が予め定義されるとともに、上記状態Aから上記状態Cへの状態遷移確率PAC、上記状態Cから上記状態Aへの状態遷移確率PCA、上記状態Aから上記状態Bへの状態遷移確率PAB=1−PAC、上記状態Cから上記状態Dへの状態遷移確率PCD=1−PCA、上記状態Bから上記状態Cへの状態遷移確率PBC、上記状態Dから上記状態Aへの状態遷移確率PDA、上記状態Bを繰り返す確率PBB=1−PBC、上記状態Dを繰り返す確率PDD=1−PDA、により各状態間の状態遷移が定義され、更に上記状態遷移確率PAC、PCA、PBC、PDAが予め設定されたマルコフモデルを使用して上記状態A〜Dの何れの状態であるかを時間毎に求め、上記状態A又は状態Bである場合には高出力光を生成し、上記状態C又は状態Dである場合には低出力光を生成することを上記時間毎に行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
上述した構成からなる本発明によれば、伝搬経路が雲等による遮断され、或いは大気のゆらぎにより変化する場合を考慮しつつ、衛星−地上間光通信の伝搬路モデルを定式化した正確なシミュレーションを行うことが可能となり、実際の衛星から地上局等に対する光通信リンクを擬似的に創出してシステム実験を行うことが可能となる。また、これに加えて、本発明によれば、また様々な通信パラメータを変更しながら通信性能を試験することが可能となり、衛星−地上間光通信に最適な変調方式や通信パラメータの仕様を策定する上で大きな役割を果たすことも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】衛星−地上間光通信システムの一例を示す図である。
【図2】地上局が実際に人工衛星から受信した光信号の受信特性の一例を示す図である。
【図3】状態A〜Dの遷移をマルコフモデルで表した図である。
【図4】受信可能レベルが−80dBmと低めに設定されている場合の例を示す図である。
【図5】受信可能レベルが−60dBmと高めに設定されている場合をの例を示す図である。
【図6】擬似出力光生成装置として具体化する場合のブロック構成を示す図である。
【図7】擬似出力光生成装置として具体化する場合の動作例を示す図である。
【図8】擬似出力光生成装置として具体化する場合における他のブロック構成を示す図である。
【図9】(a)は、横軸に連続正解長(ms)を、縦軸はその確率密度を示したグラフであり、(b)は、横軸に連続誤り長(ms)を、縦軸はその確率密度を示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態について、衛星−地上間光通信の受信特性をシミュレートするための衛星−地上間光通信特性シミュレータについて、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0028】
本発明を適用した衛星−地上間光通信特性シミュレータは、以下に説明する状態遷移確率PAC、PCA、PBC、PDAが予め設定されたマルコフモデルを使用して、受信可能か、又は受信不能かを出力するものである。本発明では、図3に示すような状態A〜Dの4状態を新たに定義している。この状態A〜Dは、図2に示すLoS、NLosの連続時間の長短を、状態遷移時間分解能Δtによって分割された単位時間毎に割り当てられるものであり、分割された単位時間内において状態A〜Dのうち何れか1状態が維持され、次の単位時間に移行した場合に、状態A〜Dのうち何れか1状態に遷移することになる。
【0029】
ここで、状態Aは、光通信の信号を受信可能であってその連続受信時間が短い状態である。状態Bは、光通信の信号を受信可能であってその連続受信時間が長い状態である。状態Cは、光通信の信号を受信不能であってその連続受信不能時間が短い状態である。状態Dは、光通信の信号を受信可能であってその連続受信不能時間が長い状態である。
【0030】
そして状態Aから状態Cへの状態遷移確率PAC、状態Cから状態Aへの状態遷移確率PCA、状態Aから状態Bへの状態遷移確率PAB=1−PAC、状態Cから状態Dへの状態遷移確率PCD=1−PCA、状態Bから状態Cへの状態遷移確率PBC、状態Dから状態Aへの状態遷移確率PDA、状態Bを繰り返す確率PBB=1−PBC、状態Dを繰り返す確率PDD=1−PDA、により各状態間の状態遷移が定義されるものとする。
【0031】
ちなみに、この状態遷移確率PAC、PCA、PBC、PDAは予め設定されているものとする。そして、状態遷移確率PAC、PCA、PBC、PDAについてマルコフモデルを使用して状態A〜Dの何れの状態であるかを時間毎に求める。
【0032】
その結果、状態A又は状態Bである場合には受信可能であり、状態C又は状態Dである場合には受信不能である旨の出力を時間毎に行う。図2に対応させて説明した場合、状態A、Bである旨が判定された場合には、LoS状態が出力され、受信光電力が、受信可能レベル以上である状態が擬似的に作り出されるものとなる。これに対して、状態C、Dである旨が判定された場合には、NLoS状態が出力されることとなり、受信光電力が、受信可能レベル未満である状態が擬似的に作り出されるものとなる。即ち、上述したマルコフモデルを利用することにより、地上局3が人工衛星2から実際に受信する光信号特性を的確にシミュレートしたLoS状態、NLoS状態を作り出すことが可能となる。ユーザは、このLoS状態又はNLoS状態の出力を得ることで、衛星−地上間光通信システムにおける受信信号の品質向上に関する各種アプローチを検討することができ、様々な角度からシミュレーションによる検証を行うことも可能となる。
【0033】
実際にこのような構成からなるシミュレータを使用する場合には、上述の如きフローを実行するプログラムをPC(パーソナルコンピュータ)にインストールすることで行っていくことになる。
【0034】
なお、この状態遷移確率PAC、PCA、PBC、PDA、およびΔtの設定は、実際にシミュレーションを行う前にユーザ側において任意の値に設定するようにしてもよいし、出荷時において予め固定値が設定されていてもよい。
【0035】
実際にこの状態遷移確率PAC、PCA、PBC、PDA、およびΔtの設定は、実際に受信すべき光信号の受信可能レベルに応じて予め決定されていてもよい。例えば図4に示すように受信可能レベルが−80dBmと低めに設定されている場合を仮定したシミュレータとするとき、LoSの時間率が、NLoSの時間率よりも多くなる。かかる場合には、そのLoSの時間率が高くなるような状態遷移確率PAC、PCA、PBC、PDAを設定する必要がある。具体的には、PDA>PBC、PCA>PACの関係となるように、状態遷移確率を設定することにより、図4に示すようなLoS、NLoSの状態を作り出すことが可能となる。
【0036】
また、図5に示すように受信可能レベルが−60dBmと高めに設定されている場合を仮定したシミュレータとするとき、NLoSの時間率が、LoSの時間率よりも多くなる。かかる場合には、そのNLoSの時間率が高くなるような状態遷移確率PAC、PCA、PBC、PDAを設定する必要がある。具体的には、PBC>PDA、PAC>PCAの関係となるように、状態遷移確率を設定することにより、図5に示すようなLoS、NLoSの状態を作り出すことが可能となる。
【0037】
また、図2に示すようにNLoSの時間率が、LoSの時間率が、ほぼ同時間率となるように設定されていることを仮定した場合に、状態遷移確率PAC、PCAが、状態遷移確率PBC、PDAよりも高く設定されていることでこれを再現することが可能となる。
【0038】
なお、本発明は、上述した衛星−地上間光通信特性シミュレータとして具体化される場合に加え、例えば図6に示すような擬似出力光生成装置10として具体化されるものであってもよい。
【0039】
擬似出力光生成装置10は、制御部11と、駆動回路12と、光強度変調器13とを備えている。
【0040】
制御部11は、上述した衛星−地上間光通信特性シミュレータと同様の演算処理を実行可能なPC、或いはこれを構成するCPU(Central Processing Unit)を最小単位として構成するものである。この制御部11は、マルコフモデルに基づいて状態A〜Dの何れかに属すかを演算により求め、演算結果に応じた制御電圧を駆動回路12へと出力する。また制御部11内にはクロック電圧が発生するように構成されており、このクロック電圧の発生間隔は、状態遷移時間分解能Δtによって分割された単位時間に相当するものである。制御部11はクロック電圧の発生タイミングに応じて、マルコフモデルを用いて状態A〜Dの何れに属すかを順次演算する。そして、状態A、Bである場合には、低い制御電圧VLを発生させ、状態C、Dである場合には、高い制御電圧VHを出力する。
【0041】
駆動回路12は、制御部11からの制御電圧を受けて、光強度変調器13を駆動させる。駆動回路12は、制御電圧VLを受けた場合には、光強度変調器13内を通過する光をそのまま通すようにし、制御電圧VHを受けた場合には、光強度変調器13内を通過する光を遮蔽するように駆動する。
【0042】
光強度変調器13は、例えばニオブ酸リチウム(LiNbO3)に代表される強誘電体結晶を用いたMach-Zehnder干渉計型の光変調器である。この強誘電体結晶は、その結晶構造によって決まる光学異方性を示すものである。このような強誘電体結晶に電圧を印加するとその屈折率が変化し、導波路内を通過する光の強度が変化することになる。ちなみに、この屈折率の変化は、印加電圧に比例することになる。即ち、制御電圧VLの場合には、屈折率があまり変化しないことから、導波路内を通過する光の強度は殆ど変化せず干渉計光出力の電力が高くなり、制御電圧VHの場合には、屈折率が大きく変化することから、導波路内を通過する光の位相が大きく変化して干渉計光出力電力が低くなる。
【0043】
このような光強度変調器13の導波路内に、図示しない光源から発生された光を通過させる。この光源から発生された入力光信号は、時間の経過に対して強度がほぼ一定のものとして構成される。駆動回路12を介して、制御部11からの制御電圧VL又はVHが印加され、これに応じて、光出力電力が制御されることになる。その結果、図7に示すように、状態A、Bである場合には、光出力電力が高くなり、状態C、Dである場合には光出力電力が低くなる。その結果、光強度変調器13から出射される出力光信号は、時間の経過に対して、状態A〜状態Dに応じた強度変調がなされたものとなる。
【0044】
なお、上述した構成からなる擬似出力光生成装置10によれば、実際の人工衛星2から地上局3に対する光通信リンクを擬似的に創出してシステム実験を行うことが可能となり、また様々な通信パラメータを変更しながら通信性能を試験することが可能となる。
【0045】
また、この擬似出力光生成装置10は、更に図8に示すようなシステムに適用されるようにしてもよい。このシステムでは、上述した強度変調に加えて、プリチャネルシミュレータ23やポストチャネルシミュレータ33を通じて更に高速な振幅変動や、周波数変動(位相変動)を施すものである。このプリチャネルシミュレータ23、ポストチャネルシミュレータ33はそれぞれ上述した光強度変調器13と同様の構成からなる光変調器で構成されていてもよく、入力された電気信号に応じて通過する光に対して変調を施すものである。プリチャネルミュレータ23は、光強度変調器13の前段に設けられ、ポストチャネルミュレータ33は、光強度変調器13の後段に設けられている。プリチャネルミュレータ23は、制御部21からの制御信号により駆動回路22を介して変調が制御されることになる。ポストチャネルミュレータ33は、制御部31からの制御信号により駆動回路32を介して変調が制御されることになる。
【0046】
即ち、これらのプリチャネルミュレータ23や、ポストチャネルミュレータ33と、擬似出力光生成装置10とを組み合わせることにより、図8に示すように、時間の経過に対して強度や周波数が一定である入力光信号が、状態A〜状態Dに応じて強度変調され、更には高速な振幅変動や、周波数変動(位相変動)が施された出力光信号を生成することが可能となる。
【0047】
なお、上述した構成からなる本発明では、衛星−地上間光通信システム1では、人工衛星2から地上局3へ向けた光信号のみならず、地上局3から人工衛星2に向けた光信号をも同様にシミュレートすることができることは勿論である。
【実施例1】
【0048】
上述した衛星−地上間光通信特性シミュレータによるシミュレート結果と実験データとの相関性を確認するために、以下に示す検証を行った。
【0049】
本発明を適用した衛星−地上間光通信特性シミュレータに対応した、4状態のマルコフモデルに連続LoS長、連続NLoS長の確率密度をそれぞれ算出した。先ず設定された回数に亘り、マルコフモデルを用いて状態遷移判定を行い、伝搬路状態(状態A〜D)の変化を全て記憶する。これと同時にLoSの回数と、NLoSの回数も記憶しておく、状態遷移判定が終了した場合には、記憶してある伝搬路状態と、状態遷移時間分解能Δtとを乗算することにより、連続正解長、連続誤り長を算出し、最後に確率密度を計算してその値を算出する。
【0050】
以下、Δt×10秒間の伝搬路を生成した場合を例に、確率密度特性を導く例を示す。仮定として、OK_countはLoS状態となった回数(即ちAもしくはBの状態が保持された回数)、NG_countはNLoS状態となった回数(即ちCもしくはDの状態が保持された回数)、OK_memoを連続LoSを全て記憶する配列、NG_memoを連続NLoSを全て記憶する配列、OK_lengthを連続LoS時間長を全て記憶する配列、NG_lengthを連続NLoS長を全て記憶する配列とする。ここでOK_length=OK_memo×Δt、NG_length=NG_memo×Δtである。
【0051】
マルコフモデルによる状態遷移判定の結果、伝搬路状態S(k) (ここでkはΔtごとに変化するステップ数)が以下のように変化したものとする。
伝搬路変化S(1:10)={A, B, B, C, A, B, C, D, D, A}
【0052】
このとき、LoSの回数はS(1:3)、S(5:6)、及びS(10)の3回のためOK_count=3、NLoSの回数はS(4)、S(7:9)の2回のためNG_count=2である。 また、上記に対応して、連続LoS数OK_memoは、(3、2、1)であり、連続NLoS数NG_memoは、(1、3)である。ここで、状態遷移時間分解能Δtを0.05とした場合、OK_length=(0.15、0.10、0.05)、NG_length=(0.10、0.05)となる。
【0053】
上記のOK_lengthおよびNG_lengthの配列から、対象とする伝搬路観測時間中における、各々の連続LoS時間長もしくは連続NLoS時間長の頻出度合いを計算することで、確率密度特性を得ることができる。
【0054】
OK_lengthとNG_lengthから確率密度を求めた結果例を図9に示す。この図9(a)では、横軸に連続正解長(ms)を、縦軸はその確率密度を示している。また、図9(b)では、横軸に連続誤り長(ms)を、縦軸はその確率密度を示している。この図9には、シミュレーションの結果以外に、実験データを重ねて示している。この実験データとしては、人工衛星2として、“きらり(OICETS)”と地上局3との間でリンクが確立されている衛星−地上間光通信システムから取得した受信光強度の伝搬特性を用いている。なお、この図9のシミュレーションでは、状態遷移確率について、PACを36%、PCAを22%、PBCを7%、PDAを6%に設定している。
【0055】
その結果、シミュレーションの結果と、実験データは、連続正解長、連続誤り長ともによい一致を示していた。このため、上述したシミュレーションモデルの有効性を確認することができた。
【符号の説明】
【0056】
10 擬似出力光生成装置
11、21、31 制御部
12、22、32 駆動回路
13、光強度変調器13
23 プリチャネルシミュレータ
33 ポストチャネルシミュレータ



【特許請求の範囲】
【請求項1】
衛星−地上間光通信の受信特性をシミュレートするための衛星−地上間光通信特性シミュレータにおいて、
上記光通信の信号を受信可能であってその連続受信時間が短い状態A、上記光通信の信号を受信可能であってその連続受信時間が長い状態B、上記光通信の信号を受信不能であってその連続受信不能時間が短い状態C、上記光通信の信号を受信可能であってその連続受信不能時間が長い状態D、の4状態が予め定義されるとともに、上記状態Aから上記状態Cへの状態遷移確率PAC、上記状態Cから上記状態Aへの状態遷移確率PCA、上記状態Aから上記状態Bへの状態遷移確率PAB=1−PAC、上記状態Cから上記状態Dへの状態遷移確率PCD=1−PCA、上記状態Bから上記状態Cへの状態遷移確率PBC、上記状態Dから上記状態Aへの状態遷移確率PDA、上記状態Bを繰り返す確率PBB=1−PBC、上記状態Dを繰り返す確率PDD=1−PDA、により各状態間の状態遷移が定義され、更に上記状態遷移確率PAC、PCA、PBC、PDAが予め設定されたマルコフモデルを使用して上記状態A〜Dの何れの状態であるかを時間毎に求める演算手段と、
上記状態A又は状態Bである場合には受信可能であり、状態C又は状態Dである場合には受信不能である旨の出力を上記時間毎に行う出力手段とを備えること
を特徴とする衛星−地上間光通信特性シミュレータ。
【請求項2】
上記演算手段は、実際に受信すべき上記光信号の受信可能レベルに応じて予め決定されている上記状態遷移確率PAC、PCA、PBC、PDAを用いること
を特徴とする請求項1記載の衛星−地上間光通信特性シミュレータ。
【請求項3】
上記演算手段は、実際に受信すべき上記光信号の受信可能レベルが、ほぼ同時間率で上記受信可能と上記受信不能が生じるように設定されていることを仮定した場合に、上記状態遷移確率PAC、PCAが、上記状態遷移確率PBC、PDAよりも高く設定されている上記状態遷移確率を用いること
を特徴とする請求項2記載の衛星−地上間光通信特性シミュレータ。
【請求項4】
衛星−地上間光通信の受信特性に応じた擬似的な出力光を生成する擬似出力光生成装置において、
上記光通信の信号を受信可能であってその連続受信時間が短い状態A、上記光通信の信号を受信可能であってその連続受信時間が長い状態B、上記光通信の信号を受信不能であってその連続受信不能時間が短い状態C、上記光通信の信号を受信可能であってその連続受信不能時間が長い状態D、の4状態が予め定義されるとともに、上記状態Aから上記状態Cへの状態遷移確率PAC、上記状態Cから上記状態Aへの状態遷移確率PCA、上記状態Aから上記状態Bへの状態遷移確率PAB=1−PAC、上記状態Cから上記状態Dへの状態遷移確率PCD=1−PCA、上記状態Bから上記状態Cへの状態遷移確率PBC、上記状態Dから上記状態Aへの状態遷移確率PDA、上記状態Bを繰り返す確率PBB=1−PBC、上記状態Dを繰り返す確率PDD=1−PDA、により各状態間の状態遷移が定義され、更に上記状態遷移確率PAC、PCA、PBC、PDAが予め設定されたマルコフモデルを使用して上記状態A〜Dの何れの状態であるかを時間毎に求める演算手段と、
上記状態A又は状態Bである場合には高出力光を生成し、上記状態C又は状態Dである場合には低出力光を生成することを上記時間毎に行う出力光生成手段とを備えること
を特徴とする擬似出力光生成装置。
【請求項5】
上記演算手段は、実際に受信すべき上記光信号の受信可能レベルに応じて予め決定されている上記状態遷移確率PAC、PCA、PBC、PDAを用いること
を特徴とする請求項4記載の擬似出力光生成装置。
【請求項6】
上記演算手段は、実際に受信すべき上記光信号の受信可能レベルが、ほぼ同時間率で上記受信可能と上記受信不能が生じるように設定されていることを仮定した場合に、上記状態遷移確率PAC、PCAが、上記状態遷移確率PBC、PDAよりも高く設定されている上記状態遷移確率を用いること
を特徴とする請求項5記載の擬似出力光生成装置。
【請求項7】
衛星−地上間光通信の受信特性をシミュレートするための衛星−地上間光通信特性シミュレーション方法において、
上記光通信の信号を受信可能であってその連続受信時間が短い状態A、上記光通信の信号を受信可能であってその連続受信時間が長い状態B、上記光通信の信号を受信不能であってその連続受信不能時間が短い状態C、上記光通信の信号を受信可能であってその連続受信不能時間が長い状態D、の4状態が予め定義されるとともに、上記状態Aから上記状態Cへの状態遷移確率PAC、上記状態Cから上記状態Aへの状態遷移確率PCA、上記状態Aから上記状態Bへの状態遷移確率PAB=1−PAC、上記状態Cから上記状態Dへの状態遷移確率PCD=1−PCA、上記状態Bから上記状態Cへの状態遷移確率PBC、上記状態Dから上記状態Aへの状態遷移確率PDA、上記状態Bを繰り返す確率PBB=1−PBC、上記状態Dを繰り返す確率PDD=1−PDA、により各状態間の状態遷移が定義され、更に上記状態遷移確率PAC、PCA、PBC、PDAが予め設定されたマルコフモデルを使用して上記状態A〜Dの何れの状態であるかを時間毎に求め、
上記状態A又は状態Bである場合には受信可能であり、状態C又は状態Dである場合には受信不能である旨の出力を上記時間毎に行うこと
を特徴とする衛星−地上間光通信特性シミュレーション方法。
【請求項8】
衛星−地上間光通信の受信特性に応じた擬似的な出力光を生成する擬似出力光生成方法において、
上記光通信の信号を受信可能であってその連続受信時間が短い状態A、上記光通信の信号を受信可能であってその連続受信時間が長い状態B、上記光通信の信号を受信不能であってその連続受信不能時間が短い状態C、上記光通信の信号を受信可能であってその連続受信不能時間が長い状態D、の4状態が予め定義されるとともに、上記状態Aから上記状態Cへの状態遷移確率PAC、上記状態Cから上記状態Aへの状態遷移確率PCA、上記状態Aから上記状態Bへの状態遷移確率PAB=1−PAC、上記状態Cから上記状態Dへの状態遷移確率PCD=1−PCA、上記状態Bから上記状態Cへの状態遷移確率PBC、上記状態Dから上記状態Aへの状態遷移確率PDA、上記状態Bを繰り返す確率PBB=1−PBC、上記状態Dを繰り返す確率PDD=1−PDA、により各状態間の状態遷移が定義され、更に上記状態遷移確率PAC、PCA、PBC、PDAが予め設定されたマルコフモデルを使用して上記状態A〜Dの何れの状態であるかを時間毎に求め、
上記状態A又は状態Bである場合には高出力光を生成し、上記状態C又は状態Dである場合には低出力光を生成することを上記時間毎に行うこと
を特徴とする擬似出力光生成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−239102(P2011−239102A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−107649(P2010−107649)
【出願日】平成22年5月7日(2010.5.7)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成22年3月2日 社団法人 電子情報通信学会発行の「EiC 電子情報通信学会 2010年総合大会プログラム」に発表
【出願人】(301022471)独立行政法人情報通信研究機構 (1,071)
【出願人】(304021277)国立大学法人 名古屋工業大学 (784)
【Fターム(参考)】