衛星放送システムにおける物理層ヘッダスクランブル
【課題】通信システムにおける同一チャネル干渉を最小化するための方法および装置を提供する。
【解決手段】方法は、第1のスクランブル符号を使用して第1の信号の第1のヘッダをスクランブルすることと、第2のスクランブル符号を使用して第2の信号の第2のヘッダをスクランブルすることと、通信システムの異なるチャネルによって、第1の信号及び第2の信号を、スクランブルされた第1のヘッダ及びスクランブルされた第2のヘッダとともに送信することとを含む。
【解決手段】方法は、第1のスクランブル符号を使用して第1の信号の第1のヘッダをスクランブルすることと、第2のスクランブル符号を使用して第2の信号の第2のヘッダをスクランブルすることと、通信システムの異なるチャネルによって、第1の信号及び第2の信号を、スクランブルされた第1のヘッダ及びスクランブルされた第2のヘッダとともに送信することとを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システムに関し、更に詳しくは、信号干渉を最小化するための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図1Aおよび図1Bは、典型的な、衛星ベースの放送システムを図示する。
【0003】
図1Aは通信システム、具体的には、衛星を介してオーディオ信号、ビデオ信号、及びデータ信号を送受信するテレビ放送システム20を示す。本発明は、衛星ベースのテレビ放送システムに関連して説明されるが、本明細書中で説明される技術は、例えば、全地球無線システム、有線ベースのシステム、およびインターネットのようなプログラムコンテンツ配信の他の方法にも等しく適用可能である。更に、本発明は、主としてテレビ番組(すなわちオーディオおよびビデオコンテンツ)に関して説明されるが、ビデオコンテンツ、オーディオコンテンツ、オーディオ及びビデオ関連コンテンツ(例えば、テレビ視聴者チャネル)、或はデータコンテンツ含む広範囲の様々なプログラムコンテンツ材料とともに実施されることができる。
【0004】
テレビ放送システム20は、送信局26、衛星向けパラボラアンテナ(uplink dish)30、少なくとも1つの衛星32、および受信局34A−34C(集合的に受信局34と呼ばれる)を含む。送信局26は、例えば、アナログテレビ信号、デジタルテレビ信号、ビデオテープ信号、オリジナルプログラミング信号、及びHTMLコンテンツを含むコンピュータ生成信号のような様々な信号を受信するための複数の入力22を含む。更に、入力22はハードディスク或いは他のディジタル記憶媒体を有するディジタルビデオサーバからの信号を受信する。送信局26はまた、複数のタイミング入力24も含む。該入力は、例えば、新聞やテレビ案内に含まれるテレビ番組表に見られるような様々なテレビチャネルのタイミングおよび番組についての電子時間割情報(electronic schedule information)を供給する。送信局26は、タイミング入力24からの該データを番組ガイドデータに変換する。番組ガイドデータは、送信局26の現場において手動入力することも可能である。該番組ガイドデータは、複数の“オブジェクト”からなる。番組ガイドデータオブジェクトは、最終的に利用者のテレビ上に表示される電子番組ガイドを構築するためのデータを含む。
【0005】
送信局26は、入力22およびタイミング入力24上で受信される様々な入力信号の受信及び処理を行い、この受信した信号を標準形に変換し、該標準信号を単一の出力データストリーム28にまとめ、そして、出力データストリーム28を衛星向けパラボラアンテナ30へと連続的に送る。出力データストリーム28は、一般的にはMPEG2符号化を使用して圧縮されたディジタルデータストリームであるが、他の圧縮法が使われても良い。
【0006】
出力データストリーム28におけるディジタルデータは複数のパケットに分割され、それぞれのパケットは利用チャネル識別(service channel identification(SCID))番号を用いて印を付けられる。SCIDは後に受信機64(図1Bに示される)によって使用され、それぞれのテレビチャネルに対応するパケットを識別する。誤り訂正データも出力データストリーム28内に含まれる。
【0007】
出力データストリーム28は、標準的な周波数及び偏波変調技術を用いて、送信局26によって変調される多重化された信号である。出力データストリーム28は、好ましくは16の周波数帯域を含み、各周波数帯域は左偏波あるいは右偏波の何れかである。或いは替わりに、垂直偏波および水平偏波が用いられても良い。
【0008】
衛星向けパラボラアンテナ30は、送信局26からの出力データストリーム28を連続的に受信し、この受信した信号を増幅し、そして該信号31を少なくとも1つの衛星32へ送信する。図1には単一の衛星向けパラボラアンテナおよび衛星が示されるが、追加の帯域幅を供給し、信号の連続的伝送を確実にするために、好ましくは多数のパラボラアンテナおよび衛星が使用されるのが良い。
【0009】
衛星32は、地球の周りの静止軌道上を周回する。それぞれの衛星32は、衛星向けパラボラアンテナ30により送信された信号31を受信する複数のトランスポンダ含み、受信信号31を増幅し、該受信信号をより低い周波数帯域に周波数シフトし、そして次に、該増幅され、周波数シフトされた信号33を受信局34へ返信する。
【0010】
受信局34は、衛星32により送信された信号33を受信しそして処理する。受信局34は、図1Bに関して下記に更に詳細に説明される。
【0011】
図1Bは、オーディオ信号、ビデオ信号、及びデータ信号を受信して復号する受信局34のうちの1つのブロック図である。一般的に、受信局34は“セットトップボックス”であり、又統合型受信機復号器(integrated Receiver Decoder(IRD))として知られている。これは衛星放送テレビ信号の受信のため、通常、家庭あるいは集合住宅ユニット内に存在する。受信用パラボラアンテナ60は、戸外ユニット(Outdoor Unit(ODU))でありうるが、通常は、家庭あるいは集合住宅ユニットに取り付けられる小型のパラボラアンテナである。しかしながら、もし望まれるなら、受信用パラボラアンテナ60は、より大きな地上取り付けアンテナでもよい。
【0012】
受信局34は、受信用パラボラアンテナ60、代替コンテンツソース62、受信機64、モニタ66、記録装置68、遠隔制御器86、及びアクセスカード88を含む。受信機64は、チューナ70/復調器/順方向誤り訂正(Forward Error Collection(FEC))復号器71、ディジタル/アナログ(D/A)変換器72、CPU74、クロック76、メモリ78、論理回路80、インタフェース82、赤外(IR)受信機84、及びアクセスカードインタフェース90を含む。受信用パラボラアンテナ60は、衛星32によって送られる信号33を受信し、該信号33を増幅し、そして該信号33をチューナ70に渡す。チューナ70及び復調器/FEC復号器71は、CPU74の制御下で動作する。
【0013】
CPU74は、メモリ78内あるいはCPU74内部の補助メモリ内に記憶されるオペレーティングシステムの制御下で動作する。CPU74により実行される機能は、メモリ78に記憶されている1又は複数の制御プログラム或いはアプリケーションにより制御される。オペレーティングシステム及びアプリケーションは、CPU74により読み込まれ実行されるとき、一般的にはメモリ78に記憶されたデータにアクセスしそれを操作することにより本発明を実施及び/又は使用するのに必要な機能およびステップを受信機64に実施させる命令から構成される。このようなアプリケーションを実施させる命令は、例えば、メモリ78或いはアクセスカード88のようなコンピュータ読取可能媒体の中に明らかに収納される。CPU74はまた、インタフェース82或いは受信用パラボラアンテナ60を介して他の機器と通信し、メモリ78に記憶されるべき命令あるいは指示を受け取る。それにより、本発明に従うコンピュータプログラム製品あるいは製造品(article of manufacture)を作成する。このように本明細書中で使用される用語“製造品”、“プログラム記憶装置”、および“コンピュータプログラム製品”は、任意のコンピュータ可読装置あるいは媒体から、CPU74によってアクセス可能な任意のアプリケーションを包含するように意図される。
【0014】
メモリ78及びアクセスカード88は、受信機64のために様々なパラメータを記憶する。例えば、受信機64が表示を処理し生成することが許可されたチャネルリスト、受信機64が使用される地域の郵便番号および市外局番、受信機64の型名あるいは型番、受信機64のシリアル番号、アクセスカード88のシリアル番号、受信機64の所有者の名前、住所および電話番号、及び受信機64の製造社名等である。
【0015】
アクセスカード88は(図1Bに示されるように)受信機64から取り外し可能である。受信機64に挿入されると、アクセスカード88はアクセスカードインタフェース90に結合され、該インタフェースは、インタフェース82を介してカスタマサービスセンター(図示せず)に通信する。アクセスカード88は、利用者の特別なアカウント情報に基づいてカスタマサービスセンターからアクセス許可情報を受信する。更に、アクセスカード88及びカスタマサービスセンターは、サービスの請求書及び注文書の発行に関して通信を行う。
【0016】
クロック76はCPU74に現在のローカル時間を与える。インタフェース82は、好ましくは、受信局34の所在地で電話ジャック83に結合される。インタフェース82は、受信機64が、電話ジャック83を介して、図1Aに示すような送信局26と通信することを可能にする。インタフェース82はまた、インターネットのようなネットワークとのデータ伝送のためにも使用されうる。
【0017】
受信用パラボラアンテナ60からチューナ70へ送られた信号は、複数の変調された無線周波数(Radio Frequency(RF))信号である。所望のRF信号は次に、チューナ70によってベースバンドにダウンコンバートされる。該チューナはまた同相(in-phase)及び直交(quadrature)(I及びQ)信号を生成する。これら2つの信号は次に、復調器/FEC特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit(ASIC))71へ渡される。復調器71 ASICは次に、該I信号及びQ信号を復調し、FEC復号器が、それぞれの伝送されたシンボルを正確に識別する。4位相シフトキーイング(Quaternary Phase Shift Keying(QPSK))信号、或いは8PSK信号に対して受信されるシンボルは、それぞれ、2或いは3データビットを搬送する。望まれれば、例えば16振幅シフトキーキング(16 Amplitude Shift Keying:16ASKのようなその他のシフトキースキーマも使用されうる。訂正されたシンボルは、データビットに翻訳され、該データビットは、ペイロードデータバイトにまとめられ、最終的にはデータパケットにまとめられる。このデータパケットは、130データバイトあるいは188バイト(187データバイト及び1同期バイト)を搬送することができる。
【0018】
受信用パラボラアンテナ60により受信されるディジタル衛星信号に加えて、好ましくは、テレビコンテンツの他のソースもまた使用される。例えば、代替コンテンツソース62は、モニタ66に追加のテレビコンテンツを提供する。代替コンテンツソース62はチューナ70に結合される。代替コンテンツソース62は、無線信号を切り替えて全米テレビジョン標準化委員会(National Television Standards Committee(NTSC))信号を受信するためのアンテナ、アメリカテレビジョン標準化委員会(American Television Standards Committee(ATSC))信号を受信するためのケーブル、或いは他のコンテンツソースでありうる。ただ1つの代替コンテンツソース62が示されるが、多数のソースが使用されうる。
【0019】
先ず、データが受信機64に入ると、CPU74は、業界で一般的にブートオブジェクトと称されている初期化データを探す。ブートオブジェクトは、他の全ての番組ガイドオブジェクトが見い出されるSCIDを識別する。ブートオブジェクトは常に同じSCIDと共に送信される。従って、CPU74は、そのSCIDで印を付されたパケットを探さなければならないことを知る。ブートオブジェクトからの情報はCPU74により使用され、番組ガイドデータのパケットが識別され、該パケットをメモリ78に転送する。
【0020】
遠隔制御器86は、受信機64内の赤外受信機84により受信される赤外(IR)信号85を発する。一例であって、限定する訳ではないが、例えば、極超短波(UHF)遠隔制御、受信機64上のキーパッド、遠隔キーボードおよび遠隔マウスのようなその他のタイプのデータ入力装置が代わりに使用されても良い。利用者が、遠隔制御器86上の“ガイド”ボタンを押すことによって番組ガイドの表示を要求する時、ガイド要求信号はIR受信機84によって受信され、論理回路80に送信される。論理回路80は、CPU74にこのガイド要求を通知する。このガイド要求に応じて、CPU74はメモリ78に対して、番組ガイドディジタル画像をD/A変換器72に移動させる。D/A変換器72は番組ガイドディジタル画像を標準的なアナログテレビジョン信号に変換する。該信号は次にモニタ66に送信される。次にモニタ66はTVビデオ信号及びオーディオ信号を表示する。或いはそれに代わり、モニタ66はデジタルテレビであってもよい。この場合、受信機64内のディジタル/アナログ変換は必要ない。
【0021】
利用者は、遠隔制御器86を使用して電子番組ガイドとインタラクトする。インタラクトの例は、特別なチャネルを選択すること、および追加ガイド情報を要求することを含む。利用者が遠隔制御器86を使用してチャネルを選択するとき、IR受信機84は、利用者の選択を論理回路80へ中継する。該論理回路は次に該選択をメモリ78に渡し、そこで該選択はCPU74によりアクセスされる。CPU74は、FEC復号器71から得たオーディオ、ビデオ、及び他のパケットにMPEG2復号ステップを実行し、該選択されたチャネルに対するオーディオ信号及びビデオ信号をD/A変換器72に出力する。D/A変換器72は、ディジタル信号をアナログ信号に変換し、そして該アナログ信号をモニタ66に出力する。
【0022】
このような通信システム20は、本明細書でテレビ放送システム20に示される例によって、ディジタル技術により可能にされる高品質伝送に対する要求を受け入れてきた。パケット及び他のデータが、衛星向けパラボラアンテナ30から受信機64へ送信されると、他の受信局34のために意図されるパケット内のシンボルやビットは、一般的には、衛星32から受信機64に同じ周波数で送信される。その理由は、送信周波数が、衛星32の制限により制御され、利用可能な送信周波数が、周波数スペクトル内の特定の周波数での送信に対する政府の許可により制御されるからである。
【0023】
更に、データフレームはそれらが互いに干渉できるように符号化される。そして、受信機64は、該受信機64が復号してモニタ66から表示されると想定されているのは、どのデータパケットであるのかを知ることができない。このような干渉は“同一チャネル”干渉と呼ばれる、この干渉では、1つのチャネルのデータが別のチャネルのデータの受信および復調と干渉する。現実的な用途においては、同一チャネル干渉は、他のシステムオペレータの送信や、隣接する軌道スロットで動作する衛星32、或いはスポットビーム衛星放送システム20における他のスポット送信ビームからも起こり得る。
【0024】
通信システム20がより多くのデータを送信するに従い、モニタ66で見ることができる衛星放送システム上での番組作製チャネルがより多くなり、データパケット間の干渉が増大し、かくして信号受信品質がより劣化する。
【0025】
利用可能な周波数成分の最適利用を図るため、そして、極めて多くの異なる番組チャネルを届けるために、同一周波数を用いる無線伝送が、様々な異なる地理上の領域に向けられることができる。しかしながら、異なるサービス領域と境界を接する領域においては、受信局は所望の伝送を検出できるのみならず、他の同一周波数伝送も検出することができる。望まれない伝送は干渉であり、所望のチャネル受信機の全体的な性能をひどく劣化させることがある。
【0026】
従来、同一チャネル干渉の負の効果は、様々なトランスポンダ或いは衛星32へ割り当てられる周波数割当を再設計することにより最小限にされてきた。しかしこの方法は、ある点を越えた問題を緩和しない。
【0027】
従って、当該技術分野では、放送システムにおける干渉を最小化する必要性があることがわかる。
【発明の概要】
【0028】
本出願は、35U.S.C.§119(e)に基づいて、“Co-channel Interference Mitigation for DVB-S2,”と題し、その全てが本明細書中に参照として組み込まれる、2004年4月12日先行出願の米国特許仮出願番号第60/561,418号の優先権を主張する。
【0029】
先行技術の制約を最小にするために、そして本明細書を読んで理解すれば明白になるその他の制約を最小にするために、本発明は、通信システムにおける同一チャネル干渉を最小化するための方法および装置を開示する。本発明に従う方法は、第1のスクランブル符号を使用して第1の信号の第1のヘッダをスクランブルすることと、第2のスクランブル符号を使用して第2の信号の第2のヘッダをスクランブルすることと、通信システムの異なるチャネルによって、第1の信号及び第2の信号を、スクランブルされた第1のヘッダ及びスクランブルされた第2のヘッダとともに送信することとを含む。
【0030】
本方法のオプションの追加要素は、第1のスクランブル符号を用いてスクランブルされる第1のパイロットブロック、及び第1のペイロード部を更に含む第1の信号と、第2のペイロード部を更に含む第2の信号とを含む。ここで、第1のペイロード部は第3のスクランブル符号を用いてスクランブルされ、第2のペイロード部は第4のスクランブル符号を用いてスクランブルされ、第3のスクランブル符号と第4のスクランブル符号とはゴールド符号であり、第1のスクランブル符号と第3のスクランブル符号とは対をなしており、第1のスクランブル符号と第2のスクランブル符号とは、限定された数の符号から選択され、限定された数の符号の数は、通信システム内で干渉しているチャネルの数に基づいて決定される。そして、この方法は、更に、第1のスクランブル符号及び第2のスクランブル符号に関連する情報を、通信システム内の受信機に送信することを含む。
【0031】
本発明に従った装置は、第1のスクランブル符号を用いて第1の信号の第1のヘッダの少なくとも一部をスクランブルするとともに、第2のスクランブル符号を用いて第2の信号の第2のヘッダの少なくとも一部をスクランブルするスクランブラと、通信システムの異なるチャネルによって第1の信号及び第2の信号を送信する送信機とを備えている。
【0032】
本装置のオプションの追加要素では、第1の信号は更に第1のパイロットブロックを含み、このパイロットブロックは、第1のスクランブル符号を用いてスクランブルされ、第1の信号は更に第1のペイロード部を含み、第2の信号は更に第2のペイロード部を含み、第1のペイロード部は第3のスクランブル符号を用いてスクランブルされ、第2のペイロード部は第4のスクランブル符号を用いてスクランブルされ、第3のスクランブル符号と第4のスクランブル符号とはゴールド符号であり、第1のスクランブル符号と第3のスクランブル符号とは対をなしており、第1のスクランブル符号と第2のスクランブル符号とは、限定された数の符号から選択され、限定された数の符号の数は、通信システム内で干渉しているチャネルの数に基づいて決定される。そして、送信機は、第1のスクランブル符号及び第2のスクランブル符号に関連する情報を、通信システム内の受信機に送信する。
【0033】
本発明に従う別の方法は、第1のスクランブル符号を使用して第1の信号の第1のヘッダをスクランブルすることと、第1のゴールド符号を使用して第1の信号の第1のペイロードをスクランブルすることと、第2のスクランブル符号を使用して第2の信号の第2のヘッダをスクランブルすることと、第2のゴールド符号を使用して第2の信号の第2のペイロードをスクランブルすることと、通信システムの異なるチャネルによって、第1の信号及び第2の信号を、スクランブルされた第1のヘッダ及びスクランブルされた第2のヘッダとともに送信することとを含む。
【0034】
本方法のオプションの追加要素では、第1のスクランブル符号と第2のスクランブル符号とは、第1の信号と第2の信号との間の同一チャネル干渉を最小にするように選択され、第1のスクランブル符号と第1のゴールド符号は対をなす符号として使用され、各信号は更に少なくとも一つのパイロットブロックを含み、このパイロットブロックは、各ヘッダを用いてスクランブルされる。
【0035】
本発明の更に他の態様、特徴および利点は、権利主張され開示されたシステム及び方法に本来備わっており、そして、次の詳細説明および添付図面から明らかである。詳細説明および添付図面は、単に本発明の特定の実施形態及び実装を説明するに過ぎない。しかしながら、本発明は他のそして異なる実施形態も可能である。そして本発明の幾つかの詳細は、本発明の精神及び範囲から全く逸脱することなく、様々な観点で変更されることが可能である。従って、図面および説明は、本来例示であると見なされるべきであり、本発明の限定と見なされるべきではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
本発明は添付図面において一例として図示されるのであって、限定されるものではない。そして図面において同じ参照番号は同様の要素を示している。
【0037】
ディジタル放送および双方向システムにおける同一チャネル干渉を軽減するための装置、方法及びソフトウェアが説明される。以下の説明において、本明細書の一部をなし、そして、本発明の幾つかの実施形態を図示する添付図面が参照される。本発明の範囲を逸脱することなく他の実施形態が利用されることが可能なこと、および、構成変更が行われ得ることが理解される。
【0038】
(概観)
本発明において、送信局26から信号31、衛星32、及び信号33を介して送信されるディジタルデータは3つの主要構成部分、すなわち、物理層ヘッダ或いはPLヘッダと呼ばれるデータフレームのヘッダ部分と、ペイロードデータと、パイロットシンボルと呼ばれ、オプションで追加挿入されるシンボルとを含んでいる。これらは、受信局34における劣化、主に位相雑音の有害な効果を軽減するために受信機64により使用される。PLヘッダを使用することによって、復調器/FEC−復号器71は、全てのデータフレームの開始において正確な位相を迅速に獲得することができる。多くの8PSK及びQPSK伝送モードに関しては、位相雑音をより正確に追跡するためにパイロットシンボルも必要とされる。しかしながら、ある場合には、所望の信号および干渉する同一周波数信号に対するPLヘッダが時間的に整列する時、干渉が非常に大きくなり、復調器/FEC−復号器71が所望の信号に関連付けられる搬送周波数の位相を必要な精度で決定できない。これは、復調器71が所望の信号上に位相同期保持を試みるのであるが、好ましくない信号が同じヘッダシンボル或いはパイロットシンボルを提示すると、復調器71は好ましくない信号の提示により混乱させられる可能性があり、従って所望の信号の位相を追跡することが不可能になることを意味する。復調器71におけるこのような混乱は当該技術では、復調器71が所望の信号を“剥ぎ取られる(pulled off)”こととして知られている。もし復調器71がQPSK伝送に対する最適コンステレーション点から45度だけ引っ張られるならば、該復号器はシンボルを正確には識別しない。これは誤りを招き、そしてもし直ちに正されなければ、データ誤りは同期の逸失と同定される。これは、マイクロプロセッサ74が復調器71に信号を再取得することを命じるように導く。そしてこれは所望の信号が再取得されるまでデータの逸失へと導く。このようなデータの逸失は、モニタ66上に誤ったデータを表示し、そして恐らくは視聴者によって見られるようなサービス中断をモニタ66上に表示する。与えられたモニタ66上の動きと対話のある所望のテレビチャネルを見るのではなく、同一チャネル干渉は、視聴者に、モニタが暗いスクリーンにフェードするのを見させたり、歪んだ画像を見させたり、或いは歪んだ音声を聞かせたりする。同一チャネル干渉が、テレビ放送システム20に有害な影響を引き起こすことがあり得ることは明らかである。
【0039】
本発明は、このような同一チャネル干渉の影響を軽減する幾つかの因子を提供する。
【0040】
第1のアプローチは、このような同一チャネル干渉により影響され得る複数のチャネルに、異なるフレーム開始(SOF)系列及び/又は異なるスクランブル符合を与えることである。そうすれば復調器71は、複数のデータフレームの一方か他方への同調を要求された場合、特定のSOFを探すことができる。そして、それらの間の違いを見分けることができる。それに代わって、或いは連係して、そのような干渉信号をスクランブルするために使われる符号が十分に異なるようにできれば、2つのデータフレーム間の相互相関は、復調器71が所望の伝送上に同期することができ、かつ干渉するチャネルの有害な影響を無視することができる点にまで軽減される。更に、異なるスクランブル技術が異なるチャネル上のPLヘッダに対して使用されることができ、及び/又は、PLヘッダのスクランブル化と連係して或いはPLヘッダとは独立して、異なるスクランブル技術或いはスクランブル符号はペイロードデータに適用されることができる。これらは引き剥がし効果を低減あるいは除去する。
【0041】
同一チャネル干渉の影響を低減するための別の方法は、復調器71が所定の信号の特定位相の追跡から引き離される時を感知することである。このような位相追跡からの引き離し或いは“引き剥がし”は、干渉するデータフレームの存在を知らせる。そして、その時復調器71はPLヘッダ或いはパイロットシンボルからの位相追跡を更新しないことを選択することができる。
【0042】
本発明の別の方法は、変調された無線信号の伝送周波数に僅かな量だけ、例えば1MHz、オフセットを与えることである。従って、復調器71は、ある所定のデータフレームのための異なる周波数空間の中に、PLヘッダのSOF部を探すことができる。オフセット信号の数、及びオフセットの方向、例えば周波数に関して上方あるいは下方の何れか、は同一チャネル干渉を同時に及び潜在的に惹き起こす存在である独立した無線伝送の数、或いは、衛星32の下り回線ビームの数に基づきうる。更に、1信号内の複数のデータフレームも又時間に関してオフセットを与えられることができる。例えば、1つのデータフレームが最初に出発し、そして干渉するデータフレームがある一定シンボル数だけ遅延される。その結果、PLヘッダのSOF部は、それぞれのデータフレームに対して異なる時間に生じる。これは、復調器71が、どのデータフレームが受信されたのかをデータフレームに関する既知のオフセットに基づいて知ることを可能にし、適切な信号を復調できるようにする。
【0043】
本発明の別の方法は、それぞれのデータフレーム内部で異なる偏移変調方式を使用することである。一般的には、QPSK伝送方式は、8PSK伝送方式よりも同一チャネル干渉の影響に対してより抵抗力がある。
【0044】
(システム図)
図2Aは、本発明の一実施形態に従って、同一チャネル干渉を最小化することができるディジタル放送システム100の略図である。ディジタル放送システム100は、1或いは複数の受信機105に対し通信チャネル103を介して放送するための信号波形を生成するディジタル伝送設備101を含む。本発明の一実施形態によれば、該システム100は、例えば双方向サービスと同様オーディオ放送サービスやビデオ放送サービスにも対応する衛星通信システムである。このような通信システムは図1A及び図1Bに示され、そして上述されている。双方向サービスは、例えば、電子番組ガイド(EPG)、高速インターネット接続、双方向広告、電話通信、及び電子メールサービスを含む。これらの双方向サービスは、例えば、ペイパービュー(Pay Per View)、TVコマース(TV Commerce)、ビデオオンデマンド(Video On Demand)、擬似ビデオオンデマンド、及びオーディオオンデマンドのようなテレビサービスも含むことができる。この環境において、受信機105は衛星受信機である。一般的に、衛星受信機は、統合型受信機復号器(IRD)としても知られている、“セットトップボックス”の中に存在する。
【0045】
放送用途においては、連続モード受信機105が広く使用される。低SN比(SNR)環境において良好に機能する符号は、同期(例えば、搬送波の位相および搬送波の周波数)に関してはこれらの受信機105と相反する。物理層ヘッダ及び/又はパイロットシンボルはこのような同期化のために使用されることができる。従って、システム性能に関する重要な考慮すべき点は、物理層ヘッダ及び/又はパイロットシンボル上の同一チャネル干渉に対する考慮である。物理層ヘッダ及び/又はパイロットは、搬送波の位相および搬送波の周波数の捕捉及び/又は追跡のために使用されるので、このような干渉は、受信機性能を低下させうる。
【0046】
多くのディジタル放送システム100は、その同期化処理のためにフレーム構造の中に通常のオーバーヘッドビットを越えて、更に追加のトレーニングシンボルの使用を要求する。オーバーヘッドの増大はSN比(SNR)が低い場合特に要求される。このような環境は、高性能符号が高次変調と共に使用される場合一般的である。従来、連続モード受信機は、搬送波の周波数及び搬送波の位相を捕捉及び追跡するために帰還制御ループを利用する。純粋に、帰還制御ループに基づかれるこのようなアプローチは、強い無線周波数(RF)位相雑音および熱雑音に陥りやすい。これは、受信機全体の動作中に高サイクルのスリップ比とエラーフロアを惹き起こす。従って、これらのアプローチは、限定された捕捉領域と長い捕捉時間に加えて、ある性能目標のためのトレーニングシンボルに関して増大するオーバーヘッドにより重い負担を負わされる。更に、これらの従来の同期化技術は、特別な変調方式に依存しており、このことによって変調方式の利用における柔軟性を妨げている。
【0047】
システム100において、受信機105は、放送データフレーム構造(図4Aに示される)の中に埋め込まれているプリアンブル、ヘッダ、及び/又は、固有のスクランブル符号或いはユニークワード(unique words(UW))を調べ、トレーニング目的で特別に指定される追加的オーバーヘッドの使用を低減することによって、搬送波の同期を達成する。受信機105は、図3に関して下記で更に詳しく説明される。
【0048】
この離散的な通信システム100において、伝送設備101は、媒体コンテンツ(例えば、オーディオ、ビデオ、テキスト情報、データなど)を表現する可能なメッセージの離散的な集合を供給する。それぞれの可能なメッセージは、対応する信号波形を有する。これらの信号波形は、通信チャネル103によって減衰されるか、或いは他の場合には変形される。放送チャネル103における雑音と戦うために、伝送設備101は、例えば、低密度パリティチェック(Low Density Parity Check(LDPC))符号、或いは異なるFEC符合の連結のような、順方向誤り訂正符号を利用する。
【0049】
伝送設備101により生成されるLDPC或いは他の1或いは複数のFEC符号は、如何なる性能低下を伴うことなく高速実現を容易にする。伝送設備101から出力されるこれらの構造化LDPC符号は、少数のチェックノードを、変調方式(例えば、8PSK)に基づいて既にチャネル誤りの危機にあるビットノードに割り当てることを避ける。このようなLDPC符号は、(ターボ符号と異なり)並列化可能な複号処理を有する。該処理は、例えば、和演算、比較、および表ルックアップのような、単純な処理を含み都合が良い。更に、注意深く設計されたLDPC符号はエラーフロア、例えば、たとえSN比が増大しても誤りの減少がないといった徴候を全く示さない。仮にエラーフロアが存在するとすれば、そのようなエラーフロアを顕著に抑制するために、例えば、ボース/チャウドハリ/ホッケンゲム(Bose/Chaudhuri/Hocquenghem(BCH))符号あるいは他の符号のような、別の符号を使用することが可能である。
【0050】
本発明の1つの実施形態によれば、伝送設備101は、以下図2に説明されるような比較的単純な符号化技術を使用して、パリティチェックマトリクスに基づくLDPC符号(該符号は復号化の期間十分なメモリアクセスを容易にする)を生成し衛星受信機105と通信する。
【0051】
(送信機の機能)
図2Bは図2Aのシステム100のディジタル伝送設備において採用される具体例の送信機の略図である。伝送設備101における送信機200は、情報ソース201から入力を受け取り、そして、受信機105における誤り訂正処理のために好適なより高い冗長度からなる符号化されたストリームを出力するLDPC/BCH符号器203が装備されている。情報ソース201は、不連続なアルファベットXからk個の信号を生成する。LDPC符号はパリティチェックマトリクスで指定される。LDPC符号をエンコードすることは、一般には、生成マトリクスを特定することを必要とする。BCH符号はシステム20のエラーフロアを低減するために含まれ、誤り訂正性能を改善する。
【0052】
符号器203は、パリティチェックマトリクスに構造を課することによって唯一のパリティチェックマトリクスを利用する単純な符号化技術を使用して、変調器205に向けアルファベットYから信号を生成する。特に、マトリクスのある部分が3角行列であることを強制することによって、パリティチェックマトリクスに制約が置かれる。このような制約は結果として無視できる程度の性能低下しかもたらさない。従って、魅力的なトレードオフとなる。
【0053】
スクランブラ209は、下記に更に詳しく説明されるように、本発明に従いFEC符号化シンボルをスクランブルし同一チャネル干渉を最小にする。
【0054】
変調器205は、スクランブラ209からのスクランブルされたメッセージを、送信アンテナ207に送信される信号波形に変換する。該アンテナは、これらの波形を、通信チャネル103を介して放射する。送信アンテナ207からの伝送は、下記に説明されるように、復調器へ伝播する。衛星通信システムの場合においては、アンテナ207から送信された信号は衛星を介して中継される。
【0055】
(復調器)
図3は、図1のシステムにおける典型的な復調器/FEC復号器71の略図である。復調器/FEC復号器71は、復調器301、搬送波同期化モジュール/デスクランブラ302、およびLDPC/BCH復号器307を具備し、そしてアンテナ303を介する送信機200からの信号の受信を支援する。本発明の一実施形態に従えば、復調器301は、アンテナ303から受信されたLDPC符号化された信号のフィルタリング及びシンボルタイミングの同期化を与え、搬送波同期化モジュール302は、復調器301から出力された信号の、周波数および位相の捕捉と追跡、及びデスクランブルを与える。復調後、信号はLDPC復号器307に転送される。該復号器は、メッセージX’を生成することにより本来のソースメッセージを再構築することを試みる。
【0056】
受信側に関しては、もし所望の搬送波と干渉する搬送波双方が共に同じ変調および符号化構成(或いは方式)を使用するなら、(図4Aに示される)フレームヘッダが時間的に正確に整列される一方、両者の相対的な周波数オフセットが小さい場合には、干渉は、復調器に対する位相推定の重大な誤りを惹き起こしうる。その結果、復調器は、周期的に誤りを流す。この状態は、問題となる両信号の周波数とシンボルクロックが十分に接近している場合に起こる。もっともそれらは互いに対して揺らぐ場合がある。
【0057】
(フレーム構造)
図4Aは、本発明のシステムにおいて使用される具体例のフレーム構造の略図である。例として、例えば衛星放送および双方向通信サービスに対応できるLDPC符号化フレーム400が示される。フレーム400は物理層ヘッダ(“PLヘッダ”と表示される)401を含み、そしてデータ或いは他のペイロードのための他の複数のスロット403と同様に、1つのスロットを占める。更に、フレーム400は、本発明の一実施形態によれば、搬送波の位相と周波数の同期化を助けるために16スロット毎にパイロットブロック405を利用する。パイロットブロックはオプションであることに留意されたい。16スロット403後に示されているけれども、スクランブルブロックを代表しうるパイロットブロック(或いは、パイロット系列)405は、フレーム400に沿って任意の箇所に挿入されることができる。
【0058】
典型的な実施形態において、パイロット挿入プロセスは、1440シンボル毎にパイロットブロックを挿入する。このシナリオの下では、パイロットブロックは36のパイロットシンボルを含む。例えば、物理層フレーム400において、最初のパイロットブロックは、PLヘッダ401の1440のペイロードシンボル後に、2番目のパイロットブロックは、2880のペイロードシンボル後に、というように挿入される。もしもパイロットブロック位置が次のPLヘッダ401の開始と一致するなら、パイロットブロック405は挿入されない。
【0059】
搬送波同期化モジュール302(図3)は、本発明の一実施形態に従えば、搬送波の周波数同期および位相同期のためにPLヘッダ401及び/又はパイロットブロック405を利用する。PLヘッダ401及び/又はパイロットブロック405は、搬送波同期化のために、すなわち、周波数の捕捉と追跡、および位相追跡ループの動作を支援するために、使用することができる。このようにして、PLヘッダ401及びパイロットブロック405は、“トレーニング”或いは“パイロット”シンボルと考えられ、個々に或いは集合的にトレーニングブロックを構成する。
【0060】
それぞれのPLヘッダ401は一般的には26シンボルを含むフレーム開始(SOF)部、および、64シンボルを含む物理層シグナリング符号(Physical Layer Signaling Code(PLS code)フィールドを備える。一般的には、SOF部は、それ以上のスクランブルなしで送信される全ての信号のための全てのPLヘッダ401に対して同一である。
【0061】
QPSK、8PSK、および他の変調方式の場合、パイロット系列405は(各シンボルは(1+j)/√2である)36−シンボル長のセグメント、すなわち36シンボル(PSK)である。フレーム400において、パイロット系列405はデータの1440シンボル後に挿入されうる。このシナリオの下では、PLヘッダ401は変調、符号化およびパイロットの構成に依存して64の可能な書式を有することができる。
【0062】
干渉する搬送波と所望の搬送波のPLヘッダ401(即ち複数の同一チャネル)が時間的に整列させられる場合、干渉するPLヘッダ401からのコヒーレントな寄与は、重大な位相誤りを招き、許容できない性能低下を惹き起こす。同様に、もし双方の同一チャネルがパイロットシンボルを使用する(パイロットブロック405に対して双方とも同じゴールド符号系列を使用する)ならば、パイロットブロック405は全く同じようにスクランブルされ、干渉する搬送波(或いは同一チャネル)におけるパイロットブロックのコヒーレントな寄与は依然問題をはらむ。
【0063】
同一チャネル干渉の影響を軽減するために、フレーム400は、パイロットモードにおいてスクランブルされる。一般的には、このモードにおいては、非ヘッダ部分407が、送信機に固有のゴールド符号系列でスクランブルされる。しかしながら、放送モードにおいては、パイロットブロック405を含むフレーム400全体が、共通の符号でスクランブルされる。例えば、全ての受信機105には同じゴールド系列が与えられる。スクランブル処理は、図4B、図5,図6,図8及び図9に関連して更に説明される。本明細書中で使われるように、スクランブルされたパイロット系列は、フレーム400の“パイロットセグメント”とも示される。
【0064】
(IおよびQの交換)
本発明に従って使用される別の方法は、同一チャネルの位相をそのままにしながら、1つの信号の同相(I)部分と直角位相(Q)部分を入れ換える事である。このような位相交換は、同一チャネルデータフレーム400における位相コヒーレンスを破壊する。これは、同一チャネル内の2つのデータフレーム400の間の干渉を最小化又は阻止する。
【0065】
(PLヘッダに対する異なるスクランブル符合の適用)
図4Bに見られるように、同一チャネル干渉の影響を低減するために、PLヘッダ401と同じ長さの幾つかの異なるユニークワード(UW)パターンが、それぞれの同一チャネルに対して利用され、PLヘッダ401をスクランブルする。例えば、異なるUWパターン411、413のPLヘッダ401との(XOR論理回路409を介する)排他的ORが、所望の搬送波および干渉する搬送波(即ち、双方の同一チャネル)に対して実行されうる。このアプローチの下では、干渉する搬送波のPLヘッダ401に関連付けられる出力は、所望の搬送波のPLヘッダ401に対してもはやコヒーレントに加算されることはない。
【0066】
フレーム400は、衛星放送および双方向サービスをサポートする(及びディジタルビデオ放送(DVB)−S2標準に応じる)構成に関して説明されるが、本発明の搬送波同期化技術は、その他のフレーム構造に対して適用されうることが認められる。
【0067】
更に、個々のPLヘッダ401は、該PLヘッダ401をフレーム400に付加するのに先行してスクランブルされることができる。また、個々のPLヘッダ401は、他方のPLヘッダ401がスクランブルされることなく、スクランブルされることができる。本発明は、2つのデータフレームの間で予期される同一チャネル干渉に基づいて、スクランブル符号(又は、スクランブル符号を生成するためのシード)を選択すること、或いは、それに替わり、スクランブル符号を選択しないことを想定する。該PLヘッダは、図5に示されるようにデータフレーム400のスクランブルの一部として再びスクランブルされることができる。そうでなければ、暗号化スキーマを使用して暗号化される。
【0068】
PLヘッダ401をスクランブルするために使用される符号411及び符号413は、本発明の範囲から逸脱せずに、本明細書中で説明されたゴールド符号、他のシードから生成された符号、或いは符号化スキームでありうる。このような符号、或いはそのような符号のためのシードは、限定された数の符号あるいはシードから選択されることができる。このような符号あるいはシードは、フレーム400を復調およびデスクランブルするために、データフレーム400をデスクランブルする際の利用のために受信機64へ送られうる。限定された数の符号或いはシードは、衛星32の数、或いは、通信システム100において懸念される同一チャネル干渉の数を含む多くの因子に基づいて選択されうる。
【0069】
(同一チャネルスクランブル)
図5は、本発明の一実施形態に従う、同一チャネル干渉を分離するための系列スクランブラの略図である。スクランブル符号は、本発明の一実施形態に従えば、ゴールド符号から構成されうる複素数系列である。すなわち、スクランブラ209は、スクランブル系列Rn(i)を生成する。表1は、図6のスクランブラ系列生成器に従い、スクランブル系列Rn(i)がスクランブラ209を使用して如何にしてフレームをスクランブルするかを定義する。特に、表1は、スクランブラ209の出力に基づく、入力シンボルの出力シンボルへの変換を示す。
【表1】
【0070】
このような2つのm−系列の生成器のいずれかに対して異なるシードを使用することによって、異なるゴールド系列を生成することができる。異なるサービスに対して異なるシードを使用することにより、相互干渉は低減される。
【0071】
放送モードにおいては、90シンボルの物理層ヘッダ401は、特定の物理チャネルに対して一定のままでいることができる。ゴールド系列は、各フレームの始まりでリセットされ、そして従って、スクランブルされるパイロットもまた、フレーム長さに等しい周期を持って、周期的である。フレーム中にデータを搬送する情報は変化し、ランダムであるとの様相を示すので、同一チャネル干渉はランダムであり、動作SN比を低下させる。このスキームを使用しなければ、元の物理層ヘッダ401及びパイロットブロック405の時間不変的な性質のために、受信機のための搬送波および位相推定は、このような捕捉と追跡のためのこれらのパイロットおよび物理層ヘッダに依存して歪められる。これはランダムデータに関連付けられるSN比の低下以上に性能を低下させる。
【0072】
スクランブラ209は、同一チャネル干渉を更に分離するために、様々な異なるスクランブル系列(図6においてはn個)を利用する。1つのスクランブル系列が、物理層ヘッダのために供給され、1つがパイロットのために供給される。異なるパイロットは、ゴールド系列のn値からの異なるシードに関して特定される。
【0073】
このように、本発明は、同一チャネル干渉軽減のために、PLヘッダ401、パイロットブロック405、およびペイロード403の幾つかの組合せの個別のスクランブリングを考える。システムの複雑さに依存して、所定のチャネルに対するPLヘッダ401およびパイロットブロック405(もしあれば)は、ペイロード403をスクランブルすることなく、同一チャネルとは異なる符号を用いてスクランブルされる。本質的に、1つのチャネル400に存在する全ての非ペイロード403シンボルは、1つの符号を使用してスクランブルされ、別のチャネル400にある全ての非ペイロード403シンボルは、異なる符号を使用してスクランブルされる。
【0074】
更に、2つの異なるチャネルに対するPLヘッダ401およびパイロットブロック405(もしあれば)は、異なるスクランブル符号を用いてスクランブルされる。そして、それらのチャネルに対するペイロード403は、他の符号を使用してスクランブルされる。例えば、第1のスクランブル系列を第1のPLヘッダ401に適用し、第2のスクランブル系列を第2のPLヘッダ401に適用することが可能である。この第1のペイロード403は、第3のスクランブル符号が適用され(一般的にはゴールド符号)、そして第2のペイロードは、第4のスクランブル符号が適用される(一般的にはゴールド符号)。
【0075】
PLヘッダ401とペイロード403に対して結合される対の符号を使用するシステムが存在しうることも本発明内であると考えられる。従って、あるPLヘッダ401上で使用される所定のスクランブル符号は、常に、該PLヘッダ401に対するペイロード403をスクランブルするために使用されるスクランブル符号と共に使用される。これらの符号対は、任意の信号400に適用されることができ、1つの信号400から別の信号400へと望みのままに再割り当てされることができる。
【0076】
システム20内の各ペイロード403信号が固有のスクランブル符号を受け取ることも本発明の範囲内であると考えられる。更に、各PLヘッダ401は、ペイロード403に対するスクランブル符号と結合されることができる固有のスクランブル符号を受け取ることができる。
【0077】
所定のチャネル400に対する単一のスクランブル系列として説明されたけれども、スクランブル系列は、所定数のフレームが送信された後、変更或いは交替されうることも本発明は考慮している。PLヘッダ401、ペイロード403、或いは両者に対するスクランブル系列は、本発明の範囲から逸脱することなく、ランダムベース或いは周期ベースで、望みのままに交替される。
【0078】
(ゴールド系列生成器の図)
図6は、図5のスクランブラにおいて使用される典型的なスクランブル系列生成器の略図である。図6にはゴールド系列生成器が示されているが、他の系列生成器が本発明の範囲から逸脱することなく本発明の中で使用されることができる。複数の同一チャネルに対して異なる系列、すなわち、それぞれの同一チャネルに対して異なる初期化シードを使用することによって、干渉を軽減することができる。本例においては、ゴールド系列生成器700は、好ましい多項式1+X7+X18及び1+Y5+Y7+Y10+Y18を採用する。例えば、n個の同一チャネルを支えるために、本発明の典型的な実施形態においては、複数のシードがm系列生成器701中にプログラムされることができる。同一チャネルに対する所定のシードに基づいて多項式が初期化される。該シードは、本発明の1つの実施形態によれば、同一チャネルのパイロットセグメントのあらゆる対の間の相互相関を最小にする探索アルゴリズムを使用して生成される。
【0079】
(異なるPL系列の生成)
図8は、本発明の一実施形態に従い、異なる物理層系列を生成する処理のフローチャートである。ステップ801において、それぞれの同一チャネルに異なる初期化シードが割り当てられる。次に、ステップ803では、該シードに基づいてゴールド系列が生成される。次に、ステップ805にあるように、スクランブル系列が、それぞれ異なるサービスのためのゴールド系列から構成される。ステップ807において、物理層系列がスクランブラ209によって出力される。
【0080】
本発明はそれぞれのチャネルに対して異なる初期化シードを使用することができる。従って、それぞれの信号における任意のパイロット信号405は、異なるシンボルを含む。このことは、2つの干渉する同一チャネルの間の相互相関を大いに低減する。一旦パイロット信号405が識別可能になれば、復調器71は、パイロット信号405に殆ど完全に基づいてデータフレーム400を追跡できる。このことはデータフレーム400の間の干渉を最小化する。
【0081】
図9は、本発明の一実施形態に従い、スクランブルされた物理ヘッダを生成するための処理のフローチャートである。送信機200(図2Aの)は、ステップ901におけるように、物理ヘッダあるいはパイロット系列に関連付けられる入力シンボルを受信する。ステップ903において、送信機は、スクランブラ209により生成されるスクランブル系列に従い、該入力シンボルを変換する。次に、ステップ905では、出力シンボルが生成される。その後、送信機は、スクランブルされた物理系列及び/又はスクランブルされたパイロット系列と共にフレームを出力する(ステップ907)。
【0082】
図10は、本発明の一実施形態に従い、スクランブルパラメータを送信する処理のフローチャートである。上記で説明したように、パイロットモードに関しては、同一チャネル干渉を低減するために、異なるサービスに対して異なるゴールド系列が採用される。更に、ヘッダ401と同じ長さの異なるUWパターンを使用することによって、ヘッダ401のコヒーレントな加算を最小にすることができる。結果として、受信機は、ペイロードデータおよびパイロットブロックを解読するために適切なゴールド系列を必要とするのと同様に、PLヘッダ401を解読するために適切なUWを必要とする。
【0083】
ステップ1001において、送信機(例えば、送信機200)は、受信機64に向けそれぞれサポートされる搬送波(同一チャネル)のためのスクランブルパラメータを送る。これは一般的には、ペイロード403の改良型番組表(Advanced Program Guide(APG))部分の中へスクランブルパラメータを埋め込むことにより行われる。該番組表は、衛星32からの少なくとも1つのトランスポンダ上で利用可能である。一般に、ペイロード403のAPG部分は、衛星32からの全てのトランスポンダ上で利用可能であり、そして、もし受信機64へのそのような指示が必要であるなら、受信機64は、始動時に特定のトランスポンダ上でAPGを受信するように指示されうる。更に、送信機200は、スクランブル符号を送信するために、例えば、インタフェース82を介して受信機64と相互作用する電話線を介するような他の方法を使用することができる。本発明の一実施形態によれば、スクランブルパラメータは、スクランブル符号の指標、および各搬送波或いはチャネルに対するスクランブル系列番号を含む。デフォルトの搬送波は、PLヘッダ401がスクランブルされず、ペイロードデータ403(及びもしあればパイロットブロック405)がデフォルトのゴールド系列、例えば系列番号0、によってスクランブルされるフレームに対応する。受信機65は、ステップ1003におけるように、先ずこの搬送波に同調してスクランブルパラメータを獲得する。そして(ステップ1005に示すように)、受信されるべき全ての搬送波に対するスクランブルパラメータのセットを記憶する。ステップ1007のように、受信機が別の搬送波に切り替える時、ステップ1009に示すように、該搬送波に対する特定のスクランブルパラメータが検索される。特に、記憶されたゴールド系列番号のみならず、正しいUWを見出すために、記憶された指標が検索される。ステップ1011では、この特定の搬送波を介して受信されたフレームが、適切にデスクランブルされる。
【0084】
図11は、スクランブルパラメータを管理するための本発明の様々な実施形態を示す略図である。本例においては、衛星システム20は、このシステム20において利用される全ての搬送波のために、外部メモリ、すなわちデータベース1102中に、スクランブルパラメータ1100を記憶する送信局26を含む。スクランブルパラメータは、衛星32を介し2つのアプローチを使用して受信局34A−34Cに送られる。
【0085】
第1のアプローチの下では、受信機34は、受信機34に割り当てられる搬送波に対応するスクランブルパラメータの全てのセットを保持する。この方式において、送信局26は、受信機34が特定の搬送波に対して使用するためのスクランブルパラメータの適切なセットに関連付けられる特定のエントリーを示すことのみが必要である。更新命令は、受信機34のデータベース1102におけるこれらのUWおよびゴールド系列番号に対する指標のみを指示する。
【0086】
第2のアプローチは、図12に説明されるように、予め選択された或いは予め指定されたスクランブルパラメータのエントリーのためのキャッシング機構を採用する。このように、受信機34は、予め指定されたパラメータのセットを記憶するためのメモリ78を含む。
【0087】
図12は、本発明の一実施形態に従い、スクランブルパラメータの予め指定されたセットに基づき、受信されたフレームをデスクランブルするためのフローチャートである。このアプローチを用いて、受信機34により使用される搬送波に対応するkセットのスクランブルパラメータが、ステップ1201において、予め選択されるか、予め指定される。
【0088】
換言すれば、k個の予め選択されたUWおよびk個のゴールド系列番号のみが表中に記憶される。kの値は、メモリ78の容量に従って設定されうる。結果として、送信局26は、各搬送波に対して2log2kビットのみを送信すればよい。更に、もしもUWとゴールド系列番号との間の固定された関連付けが保持されるなら、送信されるビット数は、各搬送波に対しlog2kビット更に低減されることができる。かくして、受信機34は、ステップ1203において、メモリ78内にkセットのみのスクランブルパラメータを記憶すればよい。
【0089】
この“キャッシュ”の概念を用いれば、受信機34は、スクランブルパラメータの特定のセットに関して送信局26によって指示される必要がない。この点において、ステップ1205において、もし送信機26がこのような指示を示してきたと受信機34が判断するなら、ステップ1207において、受信機34は、メモリ78から適切なスクランブルパラメータを検索し、特定の搬送波を介して受信されたフレームをデスクランブルする。
【0090】
そうでない場合には、ステップ1209において、kが十分小さいため受信機34の処理能力を過負荷にしないことを前提に、受信機34自身が、メモリ78内部のスクランブルパラメータ表中の妥当なエントリーを決定することができる。受信機34が特定の搬送波に最初に同調する時、受信機34は、メモリ78内に記憶されたあらゆる可能な予め選択されたkセットのUWおよびゴールド系列番号にわたった探索処理を、デフォルト搬送波を介して、これらのパラメータを受信することなく実行することができる。一旦、特定の搬送波に対するUWおよびゴールド系列番号の妥当な或いは正しいセットが探索の後に見つけられると、該情報は、ステップ1211において、この搬送波のためのメモリ78内に記憶される。次に、この情報はフレームをデスクランブルするために利用される(ステップ1213)。その結果、スクランブルパラメータのこの妥当なセットは将来、必要とされる場合には、更なる探索をせずに使用される。
【0091】
上述のアプローチの下で、スクランブルパラメータが如何に受信機34に伝達されるかということに大きな柔軟性が与えられる。送信局26は、限定されたk個のUWおよびゴールド系列番号のセットを、無線プログラミングを介して更新することができる。受信機34のメモリ78内に記憶されたUWおよびゴールド系列番号のk個の内部セットがある間は、それぞれのセットは、送信局26による遠隔命令により新しいUWおよびゴールド系列番号と入れ替えられることができる。例えば、キャッシュ無線更新においては、UWの全長およびゴールド系列番号(例えば、18ビット)が指標と共に送信される。
【0092】
図8〜図10および図12の処理は、低減された同一チャネル干渉を与えることは有益である。これによって、受信機の性能が向上する。これらの処理は、図13に説明されるように、ソフトウェア及び/又はハードウェアとして実現できる。
【0093】
(交互偏移変調方式)
本発明の別の方法は、それぞれのデータフレーム400内で、異なる偏移変調方式を使用することである。一般的には、QPSK伝送方式は、8PSK伝送方式よりもPLヘッダ401干渉効果に対してより抵抗力がある。これにより、あるデータフレーム400は第1のPSKモードで送信され、他のデータフレーム400は第2のPSKモードで送信される。このことは、建設的に干渉するデータフレーム400内部のビット/シンボルの数を低減する。更に、それぞれのスロット403、パイロットブロック405、或いはPLヘッダ401は、建設的干渉を更に低減するために、またこれによって同一チャネル干渉を低減或いは除去するために、異なるPSK或いはASKモードで送信されることができる。
【0094】
(位相追跡引き剥がしの検出)
同一チャネル干渉の影響を低減するために本発明に従う別の方法は、復調器71、あるいは一般的には復調器71内部の搬送波同期化モジュール302が、所定の符号化されたフレーム400の特定の位相を追跡することから急に或いは異常に引き離されている時を検出することである。位相追跡のこのような引き離し、或いは“引き剥がし”は、干渉しているデータフレームの存在を示し、搬送波同期化モジュール302は、PLヘッダ401或いはパイロットシンボル405からの位相追跡を更新しないことを選択することができる。所定の信号あるいは符号化されたフレーム400の位相はゆっくりと変化することができるが、望まれるならば、所定の信号の位相追跡を維持するために、基準位相追跡が、搬送波同期化モジュール302によって用いられる。
【0095】
このように、本発明は、干渉する符号化されたフレーム400の存在を決定するために搬送波同期化モジュール302を使用することができる。そして、搬送波同期化モジュール302に所定の符号化されたフレーム400に対して、既に捕捉された搬送波周波数を追跡させることができるようにするために、搬送波同期化モジュール302の位相追跡情報を更新するか、或いは、該位相追跡情報を無視するか、何れにするかを選択することができる。搬送波同期化モジュール302は、望ましくないそして干渉する符号化されたフレーム400の存在により惹き起こされる位相追跡情報を追うのではなく、所望の符号化されたフレーム400の位相を如何に追跡するかを決定するために、統計モデル或いは他の方法を使用することができる。
【0096】
(SOF系列の変更)
本発明はまた、干渉する符号化されたフレーム400は、このような同一チャネル干渉により影響を受ける可能性のある符号化されたフレーム400のものとは異なるフレーム開始(SOF)系列及び/又はスクランブル符号を有することができることも想定している。一般に、SOFは、90ビットのPLヘッダ401の最初の26ビットであるが、SOFは、より大きな或いは小さなビット量でもよい。更に、SOF系列の変更が説明されるが、これらの技術は、もし望まれるなら、PLヘッダの任意の部分に適用されることができる。その後、復調器71は、1つの或いは他の符号化されたフレーム400に同調すること、そして、所望の信号の上に拘束された状態を維持でき、そして同一チャネル干渉により引き剥がされないことを要求される場合、PLヘッダ401内の異なるSOFを探すことができる。
【0097】
更に、異なるSOF系列は、限定された数のSOF系列のグループから選択され、この限定された数のSOF系列は、受信機64内に記憶されることができる。これによって、受信機64は、要求されたときに、PLヘッダ401の中に特定のSOF系列を検出する或いは探索することができる。
【0098】
(送信フレームタイミングオフセット)
図7に示されるように、2つのフレーム601、605を時間的にオフセットさせることができる。データフレーム400は、図7に示されるように、例えば、1つのデータフレーム400が最初に開始し、干渉するデータフレーム400がシンボルの一定部分或いは全数だけ遅延されるように、時間に関してオフセットされることができる。その結果、PLヘッダ401のSOF部は、それぞれのデータフレームに対して異なる時間に生じ、互いと建設的に干渉することはない。これによって、チューナ70或いは復調器71は、データフレームに対する既知の時間及び/又は周波数オフセットに基づいて、あるいは所望の信号であると推定できる最も強い信号を処理することにより、どちらのデータフレーム400が受信されたのかを知り、適切なデータフレーム400を復調することができる。データフレーム400は、1シンボル時間より長い任意の長さだけオフセットされることができる。
【0099】
(送信周波数オフセット)
本発明の別の方法は、データフレーム601、606の伝送周波数を僅かな量だけ、例えば1MHzオフセットすることである。従って、復調器71は、ある所定のデータフレーム400のための異なる周波数空間の中にPLヘッダ401のSOF部を探索することができる。オフセット信号の数、及びオフセットの方向、例えば周波数に関して上方あるいは下方の何れかは、同一チャネル干渉を同時に及び潜在的に惹き起こす存在である衛星32ダウンリンクビーム又はデータフレーム400の数に基づきうる。
【0100】
(フローチャート)
図13A及び図13Bは、本発明の各ステップを示すフローチャートである。
【0101】
ボックス1300は、第1のスクランブル符号を用いて第1の信号の第1のヘッダをスクランブルすることを示す。
【0102】
ボックス1302は、第2のスクランブル符号を用いて第2の信号の第2のヘッダをスクランブルすることを示す。
【0103】
ボックス1304は、この通信システムの異なるチャネルによって、第1の信号及び第2の信号を、スクランブルされた第1のヘッダ及びスクランブルされた第2のヘッダとともに送信することを示す。
【0104】
あるいは本発明は以下のように実施される。
【0105】
ボックス1306は、第1のスクランブル符号を用いて第1の信号の第1のヘッダをスクランブルすることを示す。
【0106】
ボックス1308は、第1のゴールド符号を用いて第1の信号の第1のペイロードをスクランブルすることを示す。
【0107】
ボックス1310は、第2のスクランブル符号を用いて第2の信号の第2のヘッダをスクランブルすることを示す。
【0108】
ボックス1312は、第2のゴールド符号を用いて第2の信号の第2のペイロードをスクランブルすることを示す。
【0109】
ボックス1314は、この通信システムの異なるチャネルによって、第1の信号及び第2の信号を、スクランブルされた第1のヘッダ及びスクランブルされた第2のヘッダとともに送信することを示す。
【0110】
(結論)
要約すると、本発明は、通信システムにおける同一チャネル干渉を最小化するための方法および装置を具備する。本発明に従う方法は、第1のスクランブル符号を使用して第1の信号の第1のヘッダをスクランブルすることと、第2のスクランブル符号を使用して第2の信号の第2のヘッダをスクランブルすることと、通信システムの異なるチャネルによって、第1の信号及び第2の信号を、スクランブルされた第1のヘッダ及びスクランブルされた第2のヘッダとともに送信することとを含む。
【0111】
本方法のオプションの追加要素は、第1のスクランブル符号を用いてスクランブルされる第1のパイロットブロック、及び第1のペイロード部を更に含む第1の信号と、第2のペイロード部を更に含む第2の信号とを含む。ここで、第1のペイロード部は第3のスクランブル符号を用いてスクランブルされ、第2のペイロード部は第4のスクランブル符号を用いてスクランブルされ、第3のスクランブル符号と第4のスクランブル符号とはゴールド符号であり、第1のスクランブル符号と第3のスクランブル符号とは対をなしており、第1のスクランブル符号と第2のスクランブル符号とは、限定された数の符号から選択され、限定された数の符号の数は、通信システム内で干渉しているチャネルの数に基づいて決定される。そして、この方法は、更に、第1のスクランブル符号及び第2のスクランブル符号に関連する情報を、通信システム内の受信機に送信することを含む。
【0112】
本発明に従った装置は、第1のスクランブル符号を用いて第1の信号の第1のヘッダの少なくとも一部をスクランブルするとともに、第2のスクランブル符号を用いて第2の信号の第2のヘッダの少なくとも一部をスクランブルするスクランブラと、通信システムの異なるチャネルによって第1の信号及び第2の信号を送信する送信機とを備えている。
【0113】
本装置のオプションの追加要素では、第1の信号は更に第1のパイロットブロックを含み、このパイロットブロックは、第1のスクランブル符号を用いてスクランブルされ、第1の信号は更に第1のペイロード部を含み、第2の信号は更に第2のペイロード部を含み、第1のペイロード部は第3のスクランブル符号を用いてスクランブルされ、第2のペイロード部は第4のスクランブル符号を用いてスクランブルされ、第3のスクランブル符号と第4のスクランブル符号とはゴールド符号であり、第1のスクランブル符号と第3のスクランブル符号とは対をなしており、第1のスクランブル符号と第2のスクランブル符号とは、限定された数の符号から選択され、限定された数の符号の数は、通信システム内で干渉しているチャネルの数に基づいて決定される。そして、送信機は、第1のスクランブル符号及び第2のスクランブル符号に関連する情報を、通信システム内の受信機に送信する。
【0114】
本発明に従う別の方法は、第1のスクランブル符号を使用して第1の信号の第1のヘッダをスクランブルすることと、第1のゴールド符号を使用して第1の信号の第1のペイロードをスクランブルすることと、第2のスクランブル符号を使用して第2の信号の第2のヘッダをスクランブルすることと、第2のゴールド符号を使用して第2の信号の第2のペイロードをスクランブルすることと、通信システムの異なるチャネルによって、第1の信号及び第2の信号を、スクランブルされた第1のヘッダ及びスクランブルされた第2のヘッダとともに送信することとを含む。
【0115】
本方法のオプションの追加要素では、第1のスクランブル符号と第2のスクランブル符号とは、第1の信号と第2の信号との間の同一チャネル干渉を最小にするように選択され、第1のスクランブル符号と第1のゴールド符号は対をなす符号として使用され、各信号は更に少なくとも一つのパイロットブロックを含み、このパイロットブロックは、各ヘッダを用いてスクランブルされる。
【0116】
本発明の範囲はこの詳細な説明によって限定されず、むしろ、特許請求の範囲およびその均等物によって限定されることが意図される。上述の仕様、例、およびデータは、本発明の構成の製造および利用についての完全な説明を提供する。本発明の多くの実施形態が、本発明の精神および範囲から逸脱することなく実施されることが可能であるので、本発明は特許請求の範囲およびその均等物の中に存在する。
【図面の簡単な説明】
【0117】
【図1A】図1Aは、関連技術分野における典型的な衛星ベースの放送システムを図示する。
【図1B】図1Bは、関連技術分野における典型的な衛星ベースの放送システムを図示する。
【図2A】図2Aは、本発明の一実施形態に従って、同一チャネル干渉を最小化することができるディジタル放送システムの略図である。
【図2B】図2Bは、図2Aのシステムのディジタル伝送設備において採用される典型的な送信機の略図である。
【図3】図3は、図2Aのシステムにおける典型的な復調器の略図である。
【図4A】図4Aは、本発明の一実施形態に従い、図2Aのシステムにおいて使用されるフレーム構造の略図である。
【図4B】図4Bは、本発明の一実施形態に従い、隣接する同一チャネルを介して送信されるそれぞれのフレームに対して異なるユニークワード(Unique Words(UWs))を用いてフレームヘッダをスクランブルするための論理を示す図である。
【図5】図5は、本発明の様々な実施形態に従い同一チャネル干渉を分離するスクランブラの略図である。
【図6】図6は、図5のスクランブラにおいて使用される典型的なスクランブル系列生成器の略図である。
【図7】図7は、本発明の一実施形態に従い、同一チャネルフレーム間の相互相関の周期的性質を示す略図である。
【図8】図8は、本発明の一実施形態に従い、異なる物理層系列を生成する処理のフローチャートである。
【図9】図9は、本発明の一実施形態に従い、スクランブルされた物理ヘッダを生成する処理のフローチャートである。
【図10】図10は、本発明の一実施形態に従い、スクランブルパラメータを送信する処理のフローチャートである。
【図11】図11は、スクランブルパラメータを管理するための本発明の様々な実施形態を示す略図である。
【図12】図12は、本発明の一実施形態に従い、スクランブルパラメータの予め指定されたセットに基づき、受信されたフレームをデスクランブルするフローチャートである。
【図13A】図13Aは、本発明の実施ステップを示すフローチャートである。
【図13B】図13Bは、本発明の実施ステップを示すフローチャートである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システムに関し、更に詳しくは、信号干渉を最小化するための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図1Aおよび図1Bは、典型的な、衛星ベースの放送システムを図示する。
【0003】
図1Aは通信システム、具体的には、衛星を介してオーディオ信号、ビデオ信号、及びデータ信号を送受信するテレビ放送システム20を示す。本発明は、衛星ベースのテレビ放送システムに関連して説明されるが、本明細書中で説明される技術は、例えば、全地球無線システム、有線ベースのシステム、およびインターネットのようなプログラムコンテンツ配信の他の方法にも等しく適用可能である。更に、本発明は、主としてテレビ番組(すなわちオーディオおよびビデオコンテンツ)に関して説明されるが、ビデオコンテンツ、オーディオコンテンツ、オーディオ及びビデオ関連コンテンツ(例えば、テレビ視聴者チャネル)、或はデータコンテンツ含む広範囲の様々なプログラムコンテンツ材料とともに実施されることができる。
【0004】
テレビ放送システム20は、送信局26、衛星向けパラボラアンテナ(uplink dish)30、少なくとも1つの衛星32、および受信局34A−34C(集合的に受信局34と呼ばれる)を含む。送信局26は、例えば、アナログテレビ信号、デジタルテレビ信号、ビデオテープ信号、オリジナルプログラミング信号、及びHTMLコンテンツを含むコンピュータ生成信号のような様々な信号を受信するための複数の入力22を含む。更に、入力22はハードディスク或いは他のディジタル記憶媒体を有するディジタルビデオサーバからの信号を受信する。送信局26はまた、複数のタイミング入力24も含む。該入力は、例えば、新聞やテレビ案内に含まれるテレビ番組表に見られるような様々なテレビチャネルのタイミングおよび番組についての電子時間割情報(electronic schedule information)を供給する。送信局26は、タイミング入力24からの該データを番組ガイドデータに変換する。番組ガイドデータは、送信局26の現場において手動入力することも可能である。該番組ガイドデータは、複数の“オブジェクト”からなる。番組ガイドデータオブジェクトは、最終的に利用者のテレビ上に表示される電子番組ガイドを構築するためのデータを含む。
【0005】
送信局26は、入力22およびタイミング入力24上で受信される様々な入力信号の受信及び処理を行い、この受信した信号を標準形に変換し、該標準信号を単一の出力データストリーム28にまとめ、そして、出力データストリーム28を衛星向けパラボラアンテナ30へと連続的に送る。出力データストリーム28は、一般的にはMPEG2符号化を使用して圧縮されたディジタルデータストリームであるが、他の圧縮法が使われても良い。
【0006】
出力データストリーム28におけるディジタルデータは複数のパケットに分割され、それぞれのパケットは利用チャネル識別(service channel identification(SCID))番号を用いて印を付けられる。SCIDは後に受信機64(図1Bに示される)によって使用され、それぞれのテレビチャネルに対応するパケットを識別する。誤り訂正データも出力データストリーム28内に含まれる。
【0007】
出力データストリーム28は、標準的な周波数及び偏波変調技術を用いて、送信局26によって変調される多重化された信号である。出力データストリーム28は、好ましくは16の周波数帯域を含み、各周波数帯域は左偏波あるいは右偏波の何れかである。或いは替わりに、垂直偏波および水平偏波が用いられても良い。
【0008】
衛星向けパラボラアンテナ30は、送信局26からの出力データストリーム28を連続的に受信し、この受信した信号を増幅し、そして該信号31を少なくとも1つの衛星32へ送信する。図1には単一の衛星向けパラボラアンテナおよび衛星が示されるが、追加の帯域幅を供給し、信号の連続的伝送を確実にするために、好ましくは多数のパラボラアンテナおよび衛星が使用されるのが良い。
【0009】
衛星32は、地球の周りの静止軌道上を周回する。それぞれの衛星32は、衛星向けパラボラアンテナ30により送信された信号31を受信する複数のトランスポンダ含み、受信信号31を増幅し、該受信信号をより低い周波数帯域に周波数シフトし、そして次に、該増幅され、周波数シフトされた信号33を受信局34へ返信する。
【0010】
受信局34は、衛星32により送信された信号33を受信しそして処理する。受信局34は、図1Bに関して下記に更に詳細に説明される。
【0011】
図1Bは、オーディオ信号、ビデオ信号、及びデータ信号を受信して復号する受信局34のうちの1つのブロック図である。一般的に、受信局34は“セットトップボックス”であり、又統合型受信機復号器(integrated Receiver Decoder(IRD))として知られている。これは衛星放送テレビ信号の受信のため、通常、家庭あるいは集合住宅ユニット内に存在する。受信用パラボラアンテナ60は、戸外ユニット(Outdoor Unit(ODU))でありうるが、通常は、家庭あるいは集合住宅ユニットに取り付けられる小型のパラボラアンテナである。しかしながら、もし望まれるなら、受信用パラボラアンテナ60は、より大きな地上取り付けアンテナでもよい。
【0012】
受信局34は、受信用パラボラアンテナ60、代替コンテンツソース62、受信機64、モニタ66、記録装置68、遠隔制御器86、及びアクセスカード88を含む。受信機64は、チューナ70/復調器/順方向誤り訂正(Forward Error Collection(FEC))復号器71、ディジタル/アナログ(D/A)変換器72、CPU74、クロック76、メモリ78、論理回路80、インタフェース82、赤外(IR)受信機84、及びアクセスカードインタフェース90を含む。受信用パラボラアンテナ60は、衛星32によって送られる信号33を受信し、該信号33を増幅し、そして該信号33をチューナ70に渡す。チューナ70及び復調器/FEC復号器71は、CPU74の制御下で動作する。
【0013】
CPU74は、メモリ78内あるいはCPU74内部の補助メモリ内に記憶されるオペレーティングシステムの制御下で動作する。CPU74により実行される機能は、メモリ78に記憶されている1又は複数の制御プログラム或いはアプリケーションにより制御される。オペレーティングシステム及びアプリケーションは、CPU74により読み込まれ実行されるとき、一般的にはメモリ78に記憶されたデータにアクセスしそれを操作することにより本発明を実施及び/又は使用するのに必要な機能およびステップを受信機64に実施させる命令から構成される。このようなアプリケーションを実施させる命令は、例えば、メモリ78或いはアクセスカード88のようなコンピュータ読取可能媒体の中に明らかに収納される。CPU74はまた、インタフェース82或いは受信用パラボラアンテナ60を介して他の機器と通信し、メモリ78に記憶されるべき命令あるいは指示を受け取る。それにより、本発明に従うコンピュータプログラム製品あるいは製造品(article of manufacture)を作成する。このように本明細書中で使用される用語“製造品”、“プログラム記憶装置”、および“コンピュータプログラム製品”は、任意のコンピュータ可読装置あるいは媒体から、CPU74によってアクセス可能な任意のアプリケーションを包含するように意図される。
【0014】
メモリ78及びアクセスカード88は、受信機64のために様々なパラメータを記憶する。例えば、受信機64が表示を処理し生成することが許可されたチャネルリスト、受信機64が使用される地域の郵便番号および市外局番、受信機64の型名あるいは型番、受信機64のシリアル番号、アクセスカード88のシリアル番号、受信機64の所有者の名前、住所および電話番号、及び受信機64の製造社名等である。
【0015】
アクセスカード88は(図1Bに示されるように)受信機64から取り外し可能である。受信機64に挿入されると、アクセスカード88はアクセスカードインタフェース90に結合され、該インタフェースは、インタフェース82を介してカスタマサービスセンター(図示せず)に通信する。アクセスカード88は、利用者の特別なアカウント情報に基づいてカスタマサービスセンターからアクセス許可情報を受信する。更に、アクセスカード88及びカスタマサービスセンターは、サービスの請求書及び注文書の発行に関して通信を行う。
【0016】
クロック76はCPU74に現在のローカル時間を与える。インタフェース82は、好ましくは、受信局34の所在地で電話ジャック83に結合される。インタフェース82は、受信機64が、電話ジャック83を介して、図1Aに示すような送信局26と通信することを可能にする。インタフェース82はまた、インターネットのようなネットワークとのデータ伝送のためにも使用されうる。
【0017】
受信用パラボラアンテナ60からチューナ70へ送られた信号は、複数の変調された無線周波数(Radio Frequency(RF))信号である。所望のRF信号は次に、チューナ70によってベースバンドにダウンコンバートされる。該チューナはまた同相(in-phase)及び直交(quadrature)(I及びQ)信号を生成する。これら2つの信号は次に、復調器/FEC特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit(ASIC))71へ渡される。復調器71 ASICは次に、該I信号及びQ信号を復調し、FEC復号器が、それぞれの伝送されたシンボルを正確に識別する。4位相シフトキーイング(Quaternary Phase Shift Keying(QPSK))信号、或いは8PSK信号に対して受信されるシンボルは、それぞれ、2或いは3データビットを搬送する。望まれれば、例えば16振幅シフトキーキング(16 Amplitude Shift Keying:16ASKのようなその他のシフトキースキーマも使用されうる。訂正されたシンボルは、データビットに翻訳され、該データビットは、ペイロードデータバイトにまとめられ、最終的にはデータパケットにまとめられる。このデータパケットは、130データバイトあるいは188バイト(187データバイト及び1同期バイト)を搬送することができる。
【0018】
受信用パラボラアンテナ60により受信されるディジタル衛星信号に加えて、好ましくは、テレビコンテンツの他のソースもまた使用される。例えば、代替コンテンツソース62は、モニタ66に追加のテレビコンテンツを提供する。代替コンテンツソース62はチューナ70に結合される。代替コンテンツソース62は、無線信号を切り替えて全米テレビジョン標準化委員会(National Television Standards Committee(NTSC))信号を受信するためのアンテナ、アメリカテレビジョン標準化委員会(American Television Standards Committee(ATSC))信号を受信するためのケーブル、或いは他のコンテンツソースでありうる。ただ1つの代替コンテンツソース62が示されるが、多数のソースが使用されうる。
【0019】
先ず、データが受信機64に入ると、CPU74は、業界で一般的にブートオブジェクトと称されている初期化データを探す。ブートオブジェクトは、他の全ての番組ガイドオブジェクトが見い出されるSCIDを識別する。ブートオブジェクトは常に同じSCIDと共に送信される。従って、CPU74は、そのSCIDで印を付されたパケットを探さなければならないことを知る。ブートオブジェクトからの情報はCPU74により使用され、番組ガイドデータのパケットが識別され、該パケットをメモリ78に転送する。
【0020】
遠隔制御器86は、受信機64内の赤外受信機84により受信される赤外(IR)信号85を発する。一例であって、限定する訳ではないが、例えば、極超短波(UHF)遠隔制御、受信機64上のキーパッド、遠隔キーボードおよび遠隔マウスのようなその他のタイプのデータ入力装置が代わりに使用されても良い。利用者が、遠隔制御器86上の“ガイド”ボタンを押すことによって番組ガイドの表示を要求する時、ガイド要求信号はIR受信機84によって受信され、論理回路80に送信される。論理回路80は、CPU74にこのガイド要求を通知する。このガイド要求に応じて、CPU74はメモリ78に対して、番組ガイドディジタル画像をD/A変換器72に移動させる。D/A変換器72は番組ガイドディジタル画像を標準的なアナログテレビジョン信号に変換する。該信号は次にモニタ66に送信される。次にモニタ66はTVビデオ信号及びオーディオ信号を表示する。或いはそれに代わり、モニタ66はデジタルテレビであってもよい。この場合、受信機64内のディジタル/アナログ変換は必要ない。
【0021】
利用者は、遠隔制御器86を使用して電子番組ガイドとインタラクトする。インタラクトの例は、特別なチャネルを選択すること、および追加ガイド情報を要求することを含む。利用者が遠隔制御器86を使用してチャネルを選択するとき、IR受信機84は、利用者の選択を論理回路80へ中継する。該論理回路は次に該選択をメモリ78に渡し、そこで該選択はCPU74によりアクセスされる。CPU74は、FEC復号器71から得たオーディオ、ビデオ、及び他のパケットにMPEG2復号ステップを実行し、該選択されたチャネルに対するオーディオ信号及びビデオ信号をD/A変換器72に出力する。D/A変換器72は、ディジタル信号をアナログ信号に変換し、そして該アナログ信号をモニタ66に出力する。
【0022】
このような通信システム20は、本明細書でテレビ放送システム20に示される例によって、ディジタル技術により可能にされる高品質伝送に対する要求を受け入れてきた。パケット及び他のデータが、衛星向けパラボラアンテナ30から受信機64へ送信されると、他の受信局34のために意図されるパケット内のシンボルやビットは、一般的には、衛星32から受信機64に同じ周波数で送信される。その理由は、送信周波数が、衛星32の制限により制御され、利用可能な送信周波数が、周波数スペクトル内の特定の周波数での送信に対する政府の許可により制御されるからである。
【0023】
更に、データフレームはそれらが互いに干渉できるように符号化される。そして、受信機64は、該受信機64が復号してモニタ66から表示されると想定されているのは、どのデータパケットであるのかを知ることができない。このような干渉は“同一チャネル”干渉と呼ばれる、この干渉では、1つのチャネルのデータが別のチャネルのデータの受信および復調と干渉する。現実的な用途においては、同一チャネル干渉は、他のシステムオペレータの送信や、隣接する軌道スロットで動作する衛星32、或いはスポットビーム衛星放送システム20における他のスポット送信ビームからも起こり得る。
【0024】
通信システム20がより多くのデータを送信するに従い、モニタ66で見ることができる衛星放送システム上での番組作製チャネルがより多くなり、データパケット間の干渉が増大し、かくして信号受信品質がより劣化する。
【0025】
利用可能な周波数成分の最適利用を図るため、そして、極めて多くの異なる番組チャネルを届けるために、同一周波数を用いる無線伝送が、様々な異なる地理上の領域に向けられることができる。しかしながら、異なるサービス領域と境界を接する領域においては、受信局は所望の伝送を検出できるのみならず、他の同一周波数伝送も検出することができる。望まれない伝送は干渉であり、所望のチャネル受信機の全体的な性能をひどく劣化させることがある。
【0026】
従来、同一チャネル干渉の負の効果は、様々なトランスポンダ或いは衛星32へ割り当てられる周波数割当を再設計することにより最小限にされてきた。しかしこの方法は、ある点を越えた問題を緩和しない。
【0027】
従って、当該技術分野では、放送システムにおける干渉を最小化する必要性があることがわかる。
【発明の概要】
【0028】
本出願は、35U.S.C.§119(e)に基づいて、“Co-channel Interference Mitigation for DVB-S2,”と題し、その全てが本明細書中に参照として組み込まれる、2004年4月12日先行出願の米国特許仮出願番号第60/561,418号の優先権を主張する。
【0029】
先行技術の制約を最小にするために、そして本明細書を読んで理解すれば明白になるその他の制約を最小にするために、本発明は、通信システムにおける同一チャネル干渉を最小化するための方法および装置を開示する。本発明に従う方法は、第1のスクランブル符号を使用して第1の信号の第1のヘッダをスクランブルすることと、第2のスクランブル符号を使用して第2の信号の第2のヘッダをスクランブルすることと、通信システムの異なるチャネルによって、第1の信号及び第2の信号を、スクランブルされた第1のヘッダ及びスクランブルされた第2のヘッダとともに送信することとを含む。
【0030】
本方法のオプションの追加要素は、第1のスクランブル符号を用いてスクランブルされる第1のパイロットブロック、及び第1のペイロード部を更に含む第1の信号と、第2のペイロード部を更に含む第2の信号とを含む。ここで、第1のペイロード部は第3のスクランブル符号を用いてスクランブルされ、第2のペイロード部は第4のスクランブル符号を用いてスクランブルされ、第3のスクランブル符号と第4のスクランブル符号とはゴールド符号であり、第1のスクランブル符号と第3のスクランブル符号とは対をなしており、第1のスクランブル符号と第2のスクランブル符号とは、限定された数の符号から選択され、限定された数の符号の数は、通信システム内で干渉しているチャネルの数に基づいて決定される。そして、この方法は、更に、第1のスクランブル符号及び第2のスクランブル符号に関連する情報を、通信システム内の受信機に送信することを含む。
【0031】
本発明に従った装置は、第1のスクランブル符号を用いて第1の信号の第1のヘッダの少なくとも一部をスクランブルするとともに、第2のスクランブル符号を用いて第2の信号の第2のヘッダの少なくとも一部をスクランブルするスクランブラと、通信システムの異なるチャネルによって第1の信号及び第2の信号を送信する送信機とを備えている。
【0032】
本装置のオプションの追加要素では、第1の信号は更に第1のパイロットブロックを含み、このパイロットブロックは、第1のスクランブル符号を用いてスクランブルされ、第1の信号は更に第1のペイロード部を含み、第2の信号は更に第2のペイロード部を含み、第1のペイロード部は第3のスクランブル符号を用いてスクランブルされ、第2のペイロード部は第4のスクランブル符号を用いてスクランブルされ、第3のスクランブル符号と第4のスクランブル符号とはゴールド符号であり、第1のスクランブル符号と第3のスクランブル符号とは対をなしており、第1のスクランブル符号と第2のスクランブル符号とは、限定された数の符号から選択され、限定された数の符号の数は、通信システム内で干渉しているチャネルの数に基づいて決定される。そして、送信機は、第1のスクランブル符号及び第2のスクランブル符号に関連する情報を、通信システム内の受信機に送信する。
【0033】
本発明に従う別の方法は、第1のスクランブル符号を使用して第1の信号の第1のヘッダをスクランブルすることと、第1のゴールド符号を使用して第1の信号の第1のペイロードをスクランブルすることと、第2のスクランブル符号を使用して第2の信号の第2のヘッダをスクランブルすることと、第2のゴールド符号を使用して第2の信号の第2のペイロードをスクランブルすることと、通信システムの異なるチャネルによって、第1の信号及び第2の信号を、スクランブルされた第1のヘッダ及びスクランブルされた第2のヘッダとともに送信することとを含む。
【0034】
本方法のオプションの追加要素では、第1のスクランブル符号と第2のスクランブル符号とは、第1の信号と第2の信号との間の同一チャネル干渉を最小にするように選択され、第1のスクランブル符号と第1のゴールド符号は対をなす符号として使用され、各信号は更に少なくとも一つのパイロットブロックを含み、このパイロットブロックは、各ヘッダを用いてスクランブルされる。
【0035】
本発明の更に他の態様、特徴および利点は、権利主張され開示されたシステム及び方法に本来備わっており、そして、次の詳細説明および添付図面から明らかである。詳細説明および添付図面は、単に本発明の特定の実施形態及び実装を説明するに過ぎない。しかしながら、本発明は他のそして異なる実施形態も可能である。そして本発明の幾つかの詳細は、本発明の精神及び範囲から全く逸脱することなく、様々な観点で変更されることが可能である。従って、図面および説明は、本来例示であると見なされるべきであり、本発明の限定と見なされるべきではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
本発明は添付図面において一例として図示されるのであって、限定されるものではない。そして図面において同じ参照番号は同様の要素を示している。
【0037】
ディジタル放送および双方向システムにおける同一チャネル干渉を軽減するための装置、方法及びソフトウェアが説明される。以下の説明において、本明細書の一部をなし、そして、本発明の幾つかの実施形態を図示する添付図面が参照される。本発明の範囲を逸脱することなく他の実施形態が利用されることが可能なこと、および、構成変更が行われ得ることが理解される。
【0038】
(概観)
本発明において、送信局26から信号31、衛星32、及び信号33を介して送信されるディジタルデータは3つの主要構成部分、すなわち、物理層ヘッダ或いはPLヘッダと呼ばれるデータフレームのヘッダ部分と、ペイロードデータと、パイロットシンボルと呼ばれ、オプションで追加挿入されるシンボルとを含んでいる。これらは、受信局34における劣化、主に位相雑音の有害な効果を軽減するために受信機64により使用される。PLヘッダを使用することによって、復調器/FEC−復号器71は、全てのデータフレームの開始において正確な位相を迅速に獲得することができる。多くの8PSK及びQPSK伝送モードに関しては、位相雑音をより正確に追跡するためにパイロットシンボルも必要とされる。しかしながら、ある場合には、所望の信号および干渉する同一周波数信号に対するPLヘッダが時間的に整列する時、干渉が非常に大きくなり、復調器/FEC−復号器71が所望の信号に関連付けられる搬送周波数の位相を必要な精度で決定できない。これは、復調器71が所望の信号上に位相同期保持を試みるのであるが、好ましくない信号が同じヘッダシンボル或いはパイロットシンボルを提示すると、復調器71は好ましくない信号の提示により混乱させられる可能性があり、従って所望の信号の位相を追跡することが不可能になることを意味する。復調器71におけるこのような混乱は当該技術では、復調器71が所望の信号を“剥ぎ取られる(pulled off)”こととして知られている。もし復調器71がQPSK伝送に対する最適コンステレーション点から45度だけ引っ張られるならば、該復号器はシンボルを正確には識別しない。これは誤りを招き、そしてもし直ちに正されなければ、データ誤りは同期の逸失と同定される。これは、マイクロプロセッサ74が復調器71に信号を再取得することを命じるように導く。そしてこれは所望の信号が再取得されるまでデータの逸失へと導く。このようなデータの逸失は、モニタ66上に誤ったデータを表示し、そして恐らくは視聴者によって見られるようなサービス中断をモニタ66上に表示する。与えられたモニタ66上の動きと対話のある所望のテレビチャネルを見るのではなく、同一チャネル干渉は、視聴者に、モニタが暗いスクリーンにフェードするのを見させたり、歪んだ画像を見させたり、或いは歪んだ音声を聞かせたりする。同一チャネル干渉が、テレビ放送システム20に有害な影響を引き起こすことがあり得ることは明らかである。
【0039】
本発明は、このような同一チャネル干渉の影響を軽減する幾つかの因子を提供する。
【0040】
第1のアプローチは、このような同一チャネル干渉により影響され得る複数のチャネルに、異なるフレーム開始(SOF)系列及び/又は異なるスクランブル符合を与えることである。そうすれば復調器71は、複数のデータフレームの一方か他方への同調を要求された場合、特定のSOFを探すことができる。そして、それらの間の違いを見分けることができる。それに代わって、或いは連係して、そのような干渉信号をスクランブルするために使われる符号が十分に異なるようにできれば、2つのデータフレーム間の相互相関は、復調器71が所望の伝送上に同期することができ、かつ干渉するチャネルの有害な影響を無視することができる点にまで軽減される。更に、異なるスクランブル技術が異なるチャネル上のPLヘッダに対して使用されることができ、及び/又は、PLヘッダのスクランブル化と連係して或いはPLヘッダとは独立して、異なるスクランブル技術或いはスクランブル符号はペイロードデータに適用されることができる。これらは引き剥がし効果を低減あるいは除去する。
【0041】
同一チャネル干渉の影響を低減するための別の方法は、復調器71が所定の信号の特定位相の追跡から引き離される時を感知することである。このような位相追跡からの引き離し或いは“引き剥がし”は、干渉するデータフレームの存在を知らせる。そして、その時復調器71はPLヘッダ或いはパイロットシンボルからの位相追跡を更新しないことを選択することができる。
【0042】
本発明の別の方法は、変調された無線信号の伝送周波数に僅かな量だけ、例えば1MHz、オフセットを与えることである。従って、復調器71は、ある所定のデータフレームのための異なる周波数空間の中に、PLヘッダのSOF部を探すことができる。オフセット信号の数、及びオフセットの方向、例えば周波数に関して上方あるいは下方の何れか、は同一チャネル干渉を同時に及び潜在的に惹き起こす存在である独立した無線伝送の数、或いは、衛星32の下り回線ビームの数に基づきうる。更に、1信号内の複数のデータフレームも又時間に関してオフセットを与えられることができる。例えば、1つのデータフレームが最初に出発し、そして干渉するデータフレームがある一定シンボル数だけ遅延される。その結果、PLヘッダのSOF部は、それぞれのデータフレームに対して異なる時間に生じる。これは、復調器71が、どのデータフレームが受信されたのかをデータフレームに関する既知のオフセットに基づいて知ることを可能にし、適切な信号を復調できるようにする。
【0043】
本発明の別の方法は、それぞれのデータフレーム内部で異なる偏移変調方式を使用することである。一般的には、QPSK伝送方式は、8PSK伝送方式よりも同一チャネル干渉の影響に対してより抵抗力がある。
【0044】
(システム図)
図2Aは、本発明の一実施形態に従って、同一チャネル干渉を最小化することができるディジタル放送システム100の略図である。ディジタル放送システム100は、1或いは複数の受信機105に対し通信チャネル103を介して放送するための信号波形を生成するディジタル伝送設備101を含む。本発明の一実施形態によれば、該システム100は、例えば双方向サービスと同様オーディオ放送サービスやビデオ放送サービスにも対応する衛星通信システムである。このような通信システムは図1A及び図1Bに示され、そして上述されている。双方向サービスは、例えば、電子番組ガイド(EPG)、高速インターネット接続、双方向広告、電話通信、及び電子メールサービスを含む。これらの双方向サービスは、例えば、ペイパービュー(Pay Per View)、TVコマース(TV Commerce)、ビデオオンデマンド(Video On Demand)、擬似ビデオオンデマンド、及びオーディオオンデマンドのようなテレビサービスも含むことができる。この環境において、受信機105は衛星受信機である。一般的に、衛星受信機は、統合型受信機復号器(IRD)としても知られている、“セットトップボックス”の中に存在する。
【0045】
放送用途においては、連続モード受信機105が広く使用される。低SN比(SNR)環境において良好に機能する符号は、同期(例えば、搬送波の位相および搬送波の周波数)に関してはこれらの受信機105と相反する。物理層ヘッダ及び/又はパイロットシンボルはこのような同期化のために使用されることができる。従って、システム性能に関する重要な考慮すべき点は、物理層ヘッダ及び/又はパイロットシンボル上の同一チャネル干渉に対する考慮である。物理層ヘッダ及び/又はパイロットは、搬送波の位相および搬送波の周波数の捕捉及び/又は追跡のために使用されるので、このような干渉は、受信機性能を低下させうる。
【0046】
多くのディジタル放送システム100は、その同期化処理のためにフレーム構造の中に通常のオーバーヘッドビットを越えて、更に追加のトレーニングシンボルの使用を要求する。オーバーヘッドの増大はSN比(SNR)が低い場合特に要求される。このような環境は、高性能符号が高次変調と共に使用される場合一般的である。従来、連続モード受信機は、搬送波の周波数及び搬送波の位相を捕捉及び追跡するために帰還制御ループを利用する。純粋に、帰還制御ループに基づかれるこのようなアプローチは、強い無線周波数(RF)位相雑音および熱雑音に陥りやすい。これは、受信機全体の動作中に高サイクルのスリップ比とエラーフロアを惹き起こす。従って、これらのアプローチは、限定された捕捉領域と長い捕捉時間に加えて、ある性能目標のためのトレーニングシンボルに関して増大するオーバーヘッドにより重い負担を負わされる。更に、これらの従来の同期化技術は、特別な変調方式に依存しており、このことによって変調方式の利用における柔軟性を妨げている。
【0047】
システム100において、受信機105は、放送データフレーム構造(図4Aに示される)の中に埋め込まれているプリアンブル、ヘッダ、及び/又は、固有のスクランブル符号或いはユニークワード(unique words(UW))を調べ、トレーニング目的で特別に指定される追加的オーバーヘッドの使用を低減することによって、搬送波の同期を達成する。受信機105は、図3に関して下記で更に詳しく説明される。
【0048】
この離散的な通信システム100において、伝送設備101は、媒体コンテンツ(例えば、オーディオ、ビデオ、テキスト情報、データなど)を表現する可能なメッセージの離散的な集合を供給する。それぞれの可能なメッセージは、対応する信号波形を有する。これらの信号波形は、通信チャネル103によって減衰されるか、或いは他の場合には変形される。放送チャネル103における雑音と戦うために、伝送設備101は、例えば、低密度パリティチェック(Low Density Parity Check(LDPC))符号、或いは異なるFEC符合の連結のような、順方向誤り訂正符号を利用する。
【0049】
伝送設備101により生成されるLDPC或いは他の1或いは複数のFEC符号は、如何なる性能低下を伴うことなく高速実現を容易にする。伝送設備101から出力されるこれらの構造化LDPC符号は、少数のチェックノードを、変調方式(例えば、8PSK)に基づいて既にチャネル誤りの危機にあるビットノードに割り当てることを避ける。このようなLDPC符号は、(ターボ符号と異なり)並列化可能な複号処理を有する。該処理は、例えば、和演算、比較、および表ルックアップのような、単純な処理を含み都合が良い。更に、注意深く設計されたLDPC符号はエラーフロア、例えば、たとえSN比が増大しても誤りの減少がないといった徴候を全く示さない。仮にエラーフロアが存在するとすれば、そのようなエラーフロアを顕著に抑制するために、例えば、ボース/チャウドハリ/ホッケンゲム(Bose/Chaudhuri/Hocquenghem(BCH))符号あるいは他の符号のような、別の符号を使用することが可能である。
【0050】
本発明の1つの実施形態によれば、伝送設備101は、以下図2に説明されるような比較的単純な符号化技術を使用して、パリティチェックマトリクスに基づくLDPC符号(該符号は復号化の期間十分なメモリアクセスを容易にする)を生成し衛星受信機105と通信する。
【0051】
(送信機の機能)
図2Bは図2Aのシステム100のディジタル伝送設備において採用される具体例の送信機の略図である。伝送設備101における送信機200は、情報ソース201から入力を受け取り、そして、受信機105における誤り訂正処理のために好適なより高い冗長度からなる符号化されたストリームを出力するLDPC/BCH符号器203が装備されている。情報ソース201は、不連続なアルファベットXからk個の信号を生成する。LDPC符号はパリティチェックマトリクスで指定される。LDPC符号をエンコードすることは、一般には、生成マトリクスを特定することを必要とする。BCH符号はシステム20のエラーフロアを低減するために含まれ、誤り訂正性能を改善する。
【0052】
符号器203は、パリティチェックマトリクスに構造を課することによって唯一のパリティチェックマトリクスを利用する単純な符号化技術を使用して、変調器205に向けアルファベットYから信号を生成する。特に、マトリクスのある部分が3角行列であることを強制することによって、パリティチェックマトリクスに制約が置かれる。このような制約は結果として無視できる程度の性能低下しかもたらさない。従って、魅力的なトレードオフとなる。
【0053】
スクランブラ209は、下記に更に詳しく説明されるように、本発明に従いFEC符号化シンボルをスクランブルし同一チャネル干渉を最小にする。
【0054】
変調器205は、スクランブラ209からのスクランブルされたメッセージを、送信アンテナ207に送信される信号波形に変換する。該アンテナは、これらの波形を、通信チャネル103を介して放射する。送信アンテナ207からの伝送は、下記に説明されるように、復調器へ伝播する。衛星通信システムの場合においては、アンテナ207から送信された信号は衛星を介して中継される。
【0055】
(復調器)
図3は、図1のシステムにおける典型的な復調器/FEC復号器71の略図である。復調器/FEC復号器71は、復調器301、搬送波同期化モジュール/デスクランブラ302、およびLDPC/BCH復号器307を具備し、そしてアンテナ303を介する送信機200からの信号の受信を支援する。本発明の一実施形態に従えば、復調器301は、アンテナ303から受信されたLDPC符号化された信号のフィルタリング及びシンボルタイミングの同期化を与え、搬送波同期化モジュール302は、復調器301から出力された信号の、周波数および位相の捕捉と追跡、及びデスクランブルを与える。復調後、信号はLDPC復号器307に転送される。該復号器は、メッセージX’を生成することにより本来のソースメッセージを再構築することを試みる。
【0056】
受信側に関しては、もし所望の搬送波と干渉する搬送波双方が共に同じ変調および符号化構成(或いは方式)を使用するなら、(図4Aに示される)フレームヘッダが時間的に正確に整列される一方、両者の相対的な周波数オフセットが小さい場合には、干渉は、復調器に対する位相推定の重大な誤りを惹き起こしうる。その結果、復調器は、周期的に誤りを流す。この状態は、問題となる両信号の周波数とシンボルクロックが十分に接近している場合に起こる。もっともそれらは互いに対して揺らぐ場合がある。
【0057】
(フレーム構造)
図4Aは、本発明のシステムにおいて使用される具体例のフレーム構造の略図である。例として、例えば衛星放送および双方向通信サービスに対応できるLDPC符号化フレーム400が示される。フレーム400は物理層ヘッダ(“PLヘッダ”と表示される)401を含み、そしてデータ或いは他のペイロードのための他の複数のスロット403と同様に、1つのスロットを占める。更に、フレーム400は、本発明の一実施形態によれば、搬送波の位相と周波数の同期化を助けるために16スロット毎にパイロットブロック405を利用する。パイロットブロックはオプションであることに留意されたい。16スロット403後に示されているけれども、スクランブルブロックを代表しうるパイロットブロック(或いは、パイロット系列)405は、フレーム400に沿って任意の箇所に挿入されることができる。
【0058】
典型的な実施形態において、パイロット挿入プロセスは、1440シンボル毎にパイロットブロックを挿入する。このシナリオの下では、パイロットブロックは36のパイロットシンボルを含む。例えば、物理層フレーム400において、最初のパイロットブロックは、PLヘッダ401の1440のペイロードシンボル後に、2番目のパイロットブロックは、2880のペイロードシンボル後に、というように挿入される。もしもパイロットブロック位置が次のPLヘッダ401の開始と一致するなら、パイロットブロック405は挿入されない。
【0059】
搬送波同期化モジュール302(図3)は、本発明の一実施形態に従えば、搬送波の周波数同期および位相同期のためにPLヘッダ401及び/又はパイロットブロック405を利用する。PLヘッダ401及び/又はパイロットブロック405は、搬送波同期化のために、すなわち、周波数の捕捉と追跡、および位相追跡ループの動作を支援するために、使用することができる。このようにして、PLヘッダ401及びパイロットブロック405は、“トレーニング”或いは“パイロット”シンボルと考えられ、個々に或いは集合的にトレーニングブロックを構成する。
【0060】
それぞれのPLヘッダ401は一般的には26シンボルを含むフレーム開始(SOF)部、および、64シンボルを含む物理層シグナリング符号(Physical Layer Signaling Code(PLS code)フィールドを備える。一般的には、SOF部は、それ以上のスクランブルなしで送信される全ての信号のための全てのPLヘッダ401に対して同一である。
【0061】
QPSK、8PSK、および他の変調方式の場合、パイロット系列405は(各シンボルは(1+j)/√2である)36−シンボル長のセグメント、すなわち36シンボル(PSK)である。フレーム400において、パイロット系列405はデータの1440シンボル後に挿入されうる。このシナリオの下では、PLヘッダ401は変調、符号化およびパイロットの構成に依存して64の可能な書式を有することができる。
【0062】
干渉する搬送波と所望の搬送波のPLヘッダ401(即ち複数の同一チャネル)が時間的に整列させられる場合、干渉するPLヘッダ401からのコヒーレントな寄与は、重大な位相誤りを招き、許容できない性能低下を惹き起こす。同様に、もし双方の同一チャネルがパイロットシンボルを使用する(パイロットブロック405に対して双方とも同じゴールド符号系列を使用する)ならば、パイロットブロック405は全く同じようにスクランブルされ、干渉する搬送波(或いは同一チャネル)におけるパイロットブロックのコヒーレントな寄与は依然問題をはらむ。
【0063】
同一チャネル干渉の影響を軽減するために、フレーム400は、パイロットモードにおいてスクランブルされる。一般的には、このモードにおいては、非ヘッダ部分407が、送信機に固有のゴールド符号系列でスクランブルされる。しかしながら、放送モードにおいては、パイロットブロック405を含むフレーム400全体が、共通の符号でスクランブルされる。例えば、全ての受信機105には同じゴールド系列が与えられる。スクランブル処理は、図4B、図5,図6,図8及び図9に関連して更に説明される。本明細書中で使われるように、スクランブルされたパイロット系列は、フレーム400の“パイロットセグメント”とも示される。
【0064】
(IおよびQの交換)
本発明に従って使用される別の方法は、同一チャネルの位相をそのままにしながら、1つの信号の同相(I)部分と直角位相(Q)部分を入れ換える事である。このような位相交換は、同一チャネルデータフレーム400における位相コヒーレンスを破壊する。これは、同一チャネル内の2つのデータフレーム400の間の干渉を最小化又は阻止する。
【0065】
(PLヘッダに対する異なるスクランブル符合の適用)
図4Bに見られるように、同一チャネル干渉の影響を低減するために、PLヘッダ401と同じ長さの幾つかの異なるユニークワード(UW)パターンが、それぞれの同一チャネルに対して利用され、PLヘッダ401をスクランブルする。例えば、異なるUWパターン411、413のPLヘッダ401との(XOR論理回路409を介する)排他的ORが、所望の搬送波および干渉する搬送波(即ち、双方の同一チャネル)に対して実行されうる。このアプローチの下では、干渉する搬送波のPLヘッダ401に関連付けられる出力は、所望の搬送波のPLヘッダ401に対してもはやコヒーレントに加算されることはない。
【0066】
フレーム400は、衛星放送および双方向サービスをサポートする(及びディジタルビデオ放送(DVB)−S2標準に応じる)構成に関して説明されるが、本発明の搬送波同期化技術は、その他のフレーム構造に対して適用されうることが認められる。
【0067】
更に、個々のPLヘッダ401は、該PLヘッダ401をフレーム400に付加するのに先行してスクランブルされることができる。また、個々のPLヘッダ401は、他方のPLヘッダ401がスクランブルされることなく、スクランブルされることができる。本発明は、2つのデータフレームの間で予期される同一チャネル干渉に基づいて、スクランブル符号(又は、スクランブル符号を生成するためのシード)を選択すること、或いは、それに替わり、スクランブル符号を選択しないことを想定する。該PLヘッダは、図5に示されるようにデータフレーム400のスクランブルの一部として再びスクランブルされることができる。そうでなければ、暗号化スキーマを使用して暗号化される。
【0068】
PLヘッダ401をスクランブルするために使用される符号411及び符号413は、本発明の範囲から逸脱せずに、本明細書中で説明されたゴールド符号、他のシードから生成された符号、或いは符号化スキームでありうる。このような符号、或いはそのような符号のためのシードは、限定された数の符号あるいはシードから選択されることができる。このような符号あるいはシードは、フレーム400を復調およびデスクランブルするために、データフレーム400をデスクランブルする際の利用のために受信機64へ送られうる。限定された数の符号或いはシードは、衛星32の数、或いは、通信システム100において懸念される同一チャネル干渉の数を含む多くの因子に基づいて選択されうる。
【0069】
(同一チャネルスクランブル)
図5は、本発明の一実施形態に従う、同一チャネル干渉を分離するための系列スクランブラの略図である。スクランブル符号は、本発明の一実施形態に従えば、ゴールド符号から構成されうる複素数系列である。すなわち、スクランブラ209は、スクランブル系列Rn(i)を生成する。表1は、図6のスクランブラ系列生成器に従い、スクランブル系列Rn(i)がスクランブラ209を使用して如何にしてフレームをスクランブルするかを定義する。特に、表1は、スクランブラ209の出力に基づく、入力シンボルの出力シンボルへの変換を示す。
【表1】
【0070】
このような2つのm−系列の生成器のいずれかに対して異なるシードを使用することによって、異なるゴールド系列を生成することができる。異なるサービスに対して異なるシードを使用することにより、相互干渉は低減される。
【0071】
放送モードにおいては、90シンボルの物理層ヘッダ401は、特定の物理チャネルに対して一定のままでいることができる。ゴールド系列は、各フレームの始まりでリセットされ、そして従って、スクランブルされるパイロットもまた、フレーム長さに等しい周期を持って、周期的である。フレーム中にデータを搬送する情報は変化し、ランダムであるとの様相を示すので、同一チャネル干渉はランダムであり、動作SN比を低下させる。このスキームを使用しなければ、元の物理層ヘッダ401及びパイロットブロック405の時間不変的な性質のために、受信機のための搬送波および位相推定は、このような捕捉と追跡のためのこれらのパイロットおよび物理層ヘッダに依存して歪められる。これはランダムデータに関連付けられるSN比の低下以上に性能を低下させる。
【0072】
スクランブラ209は、同一チャネル干渉を更に分離するために、様々な異なるスクランブル系列(図6においてはn個)を利用する。1つのスクランブル系列が、物理層ヘッダのために供給され、1つがパイロットのために供給される。異なるパイロットは、ゴールド系列のn値からの異なるシードに関して特定される。
【0073】
このように、本発明は、同一チャネル干渉軽減のために、PLヘッダ401、パイロットブロック405、およびペイロード403の幾つかの組合せの個別のスクランブリングを考える。システムの複雑さに依存して、所定のチャネルに対するPLヘッダ401およびパイロットブロック405(もしあれば)は、ペイロード403をスクランブルすることなく、同一チャネルとは異なる符号を用いてスクランブルされる。本質的に、1つのチャネル400に存在する全ての非ペイロード403シンボルは、1つの符号を使用してスクランブルされ、別のチャネル400にある全ての非ペイロード403シンボルは、異なる符号を使用してスクランブルされる。
【0074】
更に、2つの異なるチャネルに対するPLヘッダ401およびパイロットブロック405(もしあれば)は、異なるスクランブル符号を用いてスクランブルされる。そして、それらのチャネルに対するペイロード403は、他の符号を使用してスクランブルされる。例えば、第1のスクランブル系列を第1のPLヘッダ401に適用し、第2のスクランブル系列を第2のPLヘッダ401に適用することが可能である。この第1のペイロード403は、第3のスクランブル符号が適用され(一般的にはゴールド符号)、そして第2のペイロードは、第4のスクランブル符号が適用される(一般的にはゴールド符号)。
【0075】
PLヘッダ401とペイロード403に対して結合される対の符号を使用するシステムが存在しうることも本発明内であると考えられる。従って、あるPLヘッダ401上で使用される所定のスクランブル符号は、常に、該PLヘッダ401に対するペイロード403をスクランブルするために使用されるスクランブル符号と共に使用される。これらの符号対は、任意の信号400に適用されることができ、1つの信号400から別の信号400へと望みのままに再割り当てされることができる。
【0076】
システム20内の各ペイロード403信号が固有のスクランブル符号を受け取ることも本発明の範囲内であると考えられる。更に、各PLヘッダ401は、ペイロード403に対するスクランブル符号と結合されることができる固有のスクランブル符号を受け取ることができる。
【0077】
所定のチャネル400に対する単一のスクランブル系列として説明されたけれども、スクランブル系列は、所定数のフレームが送信された後、変更或いは交替されうることも本発明は考慮している。PLヘッダ401、ペイロード403、或いは両者に対するスクランブル系列は、本発明の範囲から逸脱することなく、ランダムベース或いは周期ベースで、望みのままに交替される。
【0078】
(ゴールド系列生成器の図)
図6は、図5のスクランブラにおいて使用される典型的なスクランブル系列生成器の略図である。図6にはゴールド系列生成器が示されているが、他の系列生成器が本発明の範囲から逸脱することなく本発明の中で使用されることができる。複数の同一チャネルに対して異なる系列、すなわち、それぞれの同一チャネルに対して異なる初期化シードを使用することによって、干渉を軽減することができる。本例においては、ゴールド系列生成器700は、好ましい多項式1+X7+X18及び1+Y5+Y7+Y10+Y18を採用する。例えば、n個の同一チャネルを支えるために、本発明の典型的な実施形態においては、複数のシードがm系列生成器701中にプログラムされることができる。同一チャネルに対する所定のシードに基づいて多項式が初期化される。該シードは、本発明の1つの実施形態によれば、同一チャネルのパイロットセグメントのあらゆる対の間の相互相関を最小にする探索アルゴリズムを使用して生成される。
【0079】
(異なるPL系列の生成)
図8は、本発明の一実施形態に従い、異なる物理層系列を生成する処理のフローチャートである。ステップ801において、それぞれの同一チャネルに異なる初期化シードが割り当てられる。次に、ステップ803では、該シードに基づいてゴールド系列が生成される。次に、ステップ805にあるように、スクランブル系列が、それぞれ異なるサービスのためのゴールド系列から構成される。ステップ807において、物理層系列がスクランブラ209によって出力される。
【0080】
本発明はそれぞれのチャネルに対して異なる初期化シードを使用することができる。従って、それぞれの信号における任意のパイロット信号405は、異なるシンボルを含む。このことは、2つの干渉する同一チャネルの間の相互相関を大いに低減する。一旦パイロット信号405が識別可能になれば、復調器71は、パイロット信号405に殆ど完全に基づいてデータフレーム400を追跡できる。このことはデータフレーム400の間の干渉を最小化する。
【0081】
図9は、本発明の一実施形態に従い、スクランブルされた物理ヘッダを生成するための処理のフローチャートである。送信機200(図2Aの)は、ステップ901におけるように、物理ヘッダあるいはパイロット系列に関連付けられる入力シンボルを受信する。ステップ903において、送信機は、スクランブラ209により生成されるスクランブル系列に従い、該入力シンボルを変換する。次に、ステップ905では、出力シンボルが生成される。その後、送信機は、スクランブルされた物理系列及び/又はスクランブルされたパイロット系列と共にフレームを出力する(ステップ907)。
【0082】
図10は、本発明の一実施形態に従い、スクランブルパラメータを送信する処理のフローチャートである。上記で説明したように、パイロットモードに関しては、同一チャネル干渉を低減するために、異なるサービスに対して異なるゴールド系列が採用される。更に、ヘッダ401と同じ長さの異なるUWパターンを使用することによって、ヘッダ401のコヒーレントな加算を最小にすることができる。結果として、受信機は、ペイロードデータおよびパイロットブロックを解読するために適切なゴールド系列を必要とするのと同様に、PLヘッダ401を解読するために適切なUWを必要とする。
【0083】
ステップ1001において、送信機(例えば、送信機200)は、受信機64に向けそれぞれサポートされる搬送波(同一チャネル)のためのスクランブルパラメータを送る。これは一般的には、ペイロード403の改良型番組表(Advanced Program Guide(APG))部分の中へスクランブルパラメータを埋め込むことにより行われる。該番組表は、衛星32からの少なくとも1つのトランスポンダ上で利用可能である。一般に、ペイロード403のAPG部分は、衛星32からの全てのトランスポンダ上で利用可能であり、そして、もし受信機64へのそのような指示が必要であるなら、受信機64は、始動時に特定のトランスポンダ上でAPGを受信するように指示されうる。更に、送信機200は、スクランブル符号を送信するために、例えば、インタフェース82を介して受信機64と相互作用する電話線を介するような他の方法を使用することができる。本発明の一実施形態によれば、スクランブルパラメータは、スクランブル符号の指標、および各搬送波或いはチャネルに対するスクランブル系列番号を含む。デフォルトの搬送波は、PLヘッダ401がスクランブルされず、ペイロードデータ403(及びもしあればパイロットブロック405)がデフォルトのゴールド系列、例えば系列番号0、によってスクランブルされるフレームに対応する。受信機65は、ステップ1003におけるように、先ずこの搬送波に同調してスクランブルパラメータを獲得する。そして(ステップ1005に示すように)、受信されるべき全ての搬送波に対するスクランブルパラメータのセットを記憶する。ステップ1007のように、受信機が別の搬送波に切り替える時、ステップ1009に示すように、該搬送波に対する特定のスクランブルパラメータが検索される。特に、記憶されたゴールド系列番号のみならず、正しいUWを見出すために、記憶された指標が検索される。ステップ1011では、この特定の搬送波を介して受信されたフレームが、適切にデスクランブルされる。
【0084】
図11は、スクランブルパラメータを管理するための本発明の様々な実施形態を示す略図である。本例においては、衛星システム20は、このシステム20において利用される全ての搬送波のために、外部メモリ、すなわちデータベース1102中に、スクランブルパラメータ1100を記憶する送信局26を含む。スクランブルパラメータは、衛星32を介し2つのアプローチを使用して受信局34A−34Cに送られる。
【0085】
第1のアプローチの下では、受信機34は、受信機34に割り当てられる搬送波に対応するスクランブルパラメータの全てのセットを保持する。この方式において、送信局26は、受信機34が特定の搬送波に対して使用するためのスクランブルパラメータの適切なセットに関連付けられる特定のエントリーを示すことのみが必要である。更新命令は、受信機34のデータベース1102におけるこれらのUWおよびゴールド系列番号に対する指標のみを指示する。
【0086】
第2のアプローチは、図12に説明されるように、予め選択された或いは予め指定されたスクランブルパラメータのエントリーのためのキャッシング機構を採用する。このように、受信機34は、予め指定されたパラメータのセットを記憶するためのメモリ78を含む。
【0087】
図12は、本発明の一実施形態に従い、スクランブルパラメータの予め指定されたセットに基づき、受信されたフレームをデスクランブルするためのフローチャートである。このアプローチを用いて、受信機34により使用される搬送波に対応するkセットのスクランブルパラメータが、ステップ1201において、予め選択されるか、予め指定される。
【0088】
換言すれば、k個の予め選択されたUWおよびk個のゴールド系列番号のみが表中に記憶される。kの値は、メモリ78の容量に従って設定されうる。結果として、送信局26は、各搬送波に対して2log2kビットのみを送信すればよい。更に、もしもUWとゴールド系列番号との間の固定された関連付けが保持されるなら、送信されるビット数は、各搬送波に対しlog2kビット更に低減されることができる。かくして、受信機34は、ステップ1203において、メモリ78内にkセットのみのスクランブルパラメータを記憶すればよい。
【0089】
この“キャッシュ”の概念を用いれば、受信機34は、スクランブルパラメータの特定のセットに関して送信局26によって指示される必要がない。この点において、ステップ1205において、もし送信機26がこのような指示を示してきたと受信機34が判断するなら、ステップ1207において、受信機34は、メモリ78から適切なスクランブルパラメータを検索し、特定の搬送波を介して受信されたフレームをデスクランブルする。
【0090】
そうでない場合には、ステップ1209において、kが十分小さいため受信機34の処理能力を過負荷にしないことを前提に、受信機34自身が、メモリ78内部のスクランブルパラメータ表中の妥当なエントリーを決定することができる。受信機34が特定の搬送波に最初に同調する時、受信機34は、メモリ78内に記憶されたあらゆる可能な予め選択されたkセットのUWおよびゴールド系列番号にわたった探索処理を、デフォルト搬送波を介して、これらのパラメータを受信することなく実行することができる。一旦、特定の搬送波に対するUWおよびゴールド系列番号の妥当な或いは正しいセットが探索の後に見つけられると、該情報は、ステップ1211において、この搬送波のためのメモリ78内に記憶される。次に、この情報はフレームをデスクランブルするために利用される(ステップ1213)。その結果、スクランブルパラメータのこの妥当なセットは将来、必要とされる場合には、更なる探索をせずに使用される。
【0091】
上述のアプローチの下で、スクランブルパラメータが如何に受信機34に伝達されるかということに大きな柔軟性が与えられる。送信局26は、限定されたk個のUWおよびゴールド系列番号のセットを、無線プログラミングを介して更新することができる。受信機34のメモリ78内に記憶されたUWおよびゴールド系列番号のk個の内部セットがある間は、それぞれのセットは、送信局26による遠隔命令により新しいUWおよびゴールド系列番号と入れ替えられることができる。例えば、キャッシュ無線更新においては、UWの全長およびゴールド系列番号(例えば、18ビット)が指標と共に送信される。
【0092】
図8〜図10および図12の処理は、低減された同一チャネル干渉を与えることは有益である。これによって、受信機の性能が向上する。これらの処理は、図13に説明されるように、ソフトウェア及び/又はハードウェアとして実現できる。
【0093】
(交互偏移変調方式)
本発明の別の方法は、それぞれのデータフレーム400内で、異なる偏移変調方式を使用することである。一般的には、QPSK伝送方式は、8PSK伝送方式よりもPLヘッダ401干渉効果に対してより抵抗力がある。これにより、あるデータフレーム400は第1のPSKモードで送信され、他のデータフレーム400は第2のPSKモードで送信される。このことは、建設的に干渉するデータフレーム400内部のビット/シンボルの数を低減する。更に、それぞれのスロット403、パイロットブロック405、或いはPLヘッダ401は、建設的干渉を更に低減するために、またこれによって同一チャネル干渉を低減或いは除去するために、異なるPSK或いはASKモードで送信されることができる。
【0094】
(位相追跡引き剥がしの検出)
同一チャネル干渉の影響を低減するために本発明に従う別の方法は、復調器71、あるいは一般的には復調器71内部の搬送波同期化モジュール302が、所定の符号化されたフレーム400の特定の位相を追跡することから急に或いは異常に引き離されている時を検出することである。位相追跡のこのような引き離し、或いは“引き剥がし”は、干渉しているデータフレームの存在を示し、搬送波同期化モジュール302は、PLヘッダ401或いはパイロットシンボル405からの位相追跡を更新しないことを選択することができる。所定の信号あるいは符号化されたフレーム400の位相はゆっくりと変化することができるが、望まれるならば、所定の信号の位相追跡を維持するために、基準位相追跡が、搬送波同期化モジュール302によって用いられる。
【0095】
このように、本発明は、干渉する符号化されたフレーム400の存在を決定するために搬送波同期化モジュール302を使用することができる。そして、搬送波同期化モジュール302に所定の符号化されたフレーム400に対して、既に捕捉された搬送波周波数を追跡させることができるようにするために、搬送波同期化モジュール302の位相追跡情報を更新するか、或いは、該位相追跡情報を無視するか、何れにするかを選択することができる。搬送波同期化モジュール302は、望ましくないそして干渉する符号化されたフレーム400の存在により惹き起こされる位相追跡情報を追うのではなく、所望の符号化されたフレーム400の位相を如何に追跡するかを決定するために、統計モデル或いは他の方法を使用することができる。
【0096】
(SOF系列の変更)
本発明はまた、干渉する符号化されたフレーム400は、このような同一チャネル干渉により影響を受ける可能性のある符号化されたフレーム400のものとは異なるフレーム開始(SOF)系列及び/又はスクランブル符号を有することができることも想定している。一般に、SOFは、90ビットのPLヘッダ401の最初の26ビットであるが、SOFは、より大きな或いは小さなビット量でもよい。更に、SOF系列の変更が説明されるが、これらの技術は、もし望まれるなら、PLヘッダの任意の部分に適用されることができる。その後、復調器71は、1つの或いは他の符号化されたフレーム400に同調すること、そして、所望の信号の上に拘束された状態を維持でき、そして同一チャネル干渉により引き剥がされないことを要求される場合、PLヘッダ401内の異なるSOFを探すことができる。
【0097】
更に、異なるSOF系列は、限定された数のSOF系列のグループから選択され、この限定された数のSOF系列は、受信機64内に記憶されることができる。これによって、受信機64は、要求されたときに、PLヘッダ401の中に特定のSOF系列を検出する或いは探索することができる。
【0098】
(送信フレームタイミングオフセット)
図7に示されるように、2つのフレーム601、605を時間的にオフセットさせることができる。データフレーム400は、図7に示されるように、例えば、1つのデータフレーム400が最初に開始し、干渉するデータフレーム400がシンボルの一定部分或いは全数だけ遅延されるように、時間に関してオフセットされることができる。その結果、PLヘッダ401のSOF部は、それぞれのデータフレームに対して異なる時間に生じ、互いと建設的に干渉することはない。これによって、チューナ70或いは復調器71は、データフレームに対する既知の時間及び/又は周波数オフセットに基づいて、あるいは所望の信号であると推定できる最も強い信号を処理することにより、どちらのデータフレーム400が受信されたのかを知り、適切なデータフレーム400を復調することができる。データフレーム400は、1シンボル時間より長い任意の長さだけオフセットされることができる。
【0099】
(送信周波数オフセット)
本発明の別の方法は、データフレーム601、606の伝送周波数を僅かな量だけ、例えば1MHzオフセットすることである。従って、復調器71は、ある所定のデータフレーム400のための異なる周波数空間の中にPLヘッダ401のSOF部を探索することができる。オフセット信号の数、及びオフセットの方向、例えば周波数に関して上方あるいは下方の何れかは、同一チャネル干渉を同時に及び潜在的に惹き起こす存在である衛星32ダウンリンクビーム又はデータフレーム400の数に基づきうる。
【0100】
(フローチャート)
図13A及び図13Bは、本発明の各ステップを示すフローチャートである。
【0101】
ボックス1300は、第1のスクランブル符号を用いて第1の信号の第1のヘッダをスクランブルすることを示す。
【0102】
ボックス1302は、第2のスクランブル符号を用いて第2の信号の第2のヘッダをスクランブルすることを示す。
【0103】
ボックス1304は、この通信システムの異なるチャネルによって、第1の信号及び第2の信号を、スクランブルされた第1のヘッダ及びスクランブルされた第2のヘッダとともに送信することを示す。
【0104】
あるいは本発明は以下のように実施される。
【0105】
ボックス1306は、第1のスクランブル符号を用いて第1の信号の第1のヘッダをスクランブルすることを示す。
【0106】
ボックス1308は、第1のゴールド符号を用いて第1の信号の第1のペイロードをスクランブルすることを示す。
【0107】
ボックス1310は、第2のスクランブル符号を用いて第2の信号の第2のヘッダをスクランブルすることを示す。
【0108】
ボックス1312は、第2のゴールド符号を用いて第2の信号の第2のペイロードをスクランブルすることを示す。
【0109】
ボックス1314は、この通信システムの異なるチャネルによって、第1の信号及び第2の信号を、スクランブルされた第1のヘッダ及びスクランブルされた第2のヘッダとともに送信することを示す。
【0110】
(結論)
要約すると、本発明は、通信システムにおける同一チャネル干渉を最小化するための方法および装置を具備する。本発明に従う方法は、第1のスクランブル符号を使用して第1の信号の第1のヘッダをスクランブルすることと、第2のスクランブル符号を使用して第2の信号の第2のヘッダをスクランブルすることと、通信システムの異なるチャネルによって、第1の信号及び第2の信号を、スクランブルされた第1のヘッダ及びスクランブルされた第2のヘッダとともに送信することとを含む。
【0111】
本方法のオプションの追加要素は、第1のスクランブル符号を用いてスクランブルされる第1のパイロットブロック、及び第1のペイロード部を更に含む第1の信号と、第2のペイロード部を更に含む第2の信号とを含む。ここで、第1のペイロード部は第3のスクランブル符号を用いてスクランブルされ、第2のペイロード部は第4のスクランブル符号を用いてスクランブルされ、第3のスクランブル符号と第4のスクランブル符号とはゴールド符号であり、第1のスクランブル符号と第3のスクランブル符号とは対をなしており、第1のスクランブル符号と第2のスクランブル符号とは、限定された数の符号から選択され、限定された数の符号の数は、通信システム内で干渉しているチャネルの数に基づいて決定される。そして、この方法は、更に、第1のスクランブル符号及び第2のスクランブル符号に関連する情報を、通信システム内の受信機に送信することを含む。
【0112】
本発明に従った装置は、第1のスクランブル符号を用いて第1の信号の第1のヘッダの少なくとも一部をスクランブルするとともに、第2のスクランブル符号を用いて第2の信号の第2のヘッダの少なくとも一部をスクランブルするスクランブラと、通信システムの異なるチャネルによって第1の信号及び第2の信号を送信する送信機とを備えている。
【0113】
本装置のオプションの追加要素では、第1の信号は更に第1のパイロットブロックを含み、このパイロットブロックは、第1のスクランブル符号を用いてスクランブルされ、第1の信号は更に第1のペイロード部を含み、第2の信号は更に第2のペイロード部を含み、第1のペイロード部は第3のスクランブル符号を用いてスクランブルされ、第2のペイロード部は第4のスクランブル符号を用いてスクランブルされ、第3のスクランブル符号と第4のスクランブル符号とはゴールド符号であり、第1のスクランブル符号と第3のスクランブル符号とは対をなしており、第1のスクランブル符号と第2のスクランブル符号とは、限定された数の符号から選択され、限定された数の符号の数は、通信システム内で干渉しているチャネルの数に基づいて決定される。そして、送信機は、第1のスクランブル符号及び第2のスクランブル符号に関連する情報を、通信システム内の受信機に送信する。
【0114】
本発明に従う別の方法は、第1のスクランブル符号を使用して第1の信号の第1のヘッダをスクランブルすることと、第1のゴールド符号を使用して第1の信号の第1のペイロードをスクランブルすることと、第2のスクランブル符号を使用して第2の信号の第2のヘッダをスクランブルすることと、第2のゴールド符号を使用して第2の信号の第2のペイロードをスクランブルすることと、通信システムの異なるチャネルによって、第1の信号及び第2の信号を、スクランブルされた第1のヘッダ及びスクランブルされた第2のヘッダとともに送信することとを含む。
【0115】
本方法のオプションの追加要素では、第1のスクランブル符号と第2のスクランブル符号とは、第1の信号と第2の信号との間の同一チャネル干渉を最小にするように選択され、第1のスクランブル符号と第1のゴールド符号は対をなす符号として使用され、各信号は更に少なくとも一つのパイロットブロックを含み、このパイロットブロックは、各ヘッダを用いてスクランブルされる。
【0116】
本発明の範囲はこの詳細な説明によって限定されず、むしろ、特許請求の範囲およびその均等物によって限定されることが意図される。上述の仕様、例、およびデータは、本発明の構成の製造および利用についての完全な説明を提供する。本発明の多くの実施形態が、本発明の精神および範囲から逸脱することなく実施されることが可能であるので、本発明は特許請求の範囲およびその均等物の中に存在する。
【図面の簡単な説明】
【0117】
【図1A】図1Aは、関連技術分野における典型的な衛星ベースの放送システムを図示する。
【図1B】図1Bは、関連技術分野における典型的な衛星ベースの放送システムを図示する。
【図2A】図2Aは、本発明の一実施形態に従って、同一チャネル干渉を最小化することができるディジタル放送システムの略図である。
【図2B】図2Bは、図2Aのシステムのディジタル伝送設備において採用される典型的な送信機の略図である。
【図3】図3は、図2Aのシステムにおける典型的な復調器の略図である。
【図4A】図4Aは、本発明の一実施形態に従い、図2Aのシステムにおいて使用されるフレーム構造の略図である。
【図4B】図4Bは、本発明の一実施形態に従い、隣接する同一チャネルを介して送信されるそれぞれのフレームに対して異なるユニークワード(Unique Words(UWs))を用いてフレームヘッダをスクランブルするための論理を示す図である。
【図5】図5は、本発明の様々な実施形態に従い同一チャネル干渉を分離するスクランブラの略図である。
【図6】図6は、図5のスクランブラにおいて使用される典型的なスクランブル系列生成器の略図である。
【図7】図7は、本発明の一実施形態に従い、同一チャネルフレーム間の相互相関の周期的性質を示す略図である。
【図8】図8は、本発明の一実施形態に従い、異なる物理層系列を生成する処理のフローチャートである。
【図9】図9は、本発明の一実施形態に従い、スクランブルされた物理ヘッダを生成する処理のフローチャートである。
【図10】図10は、本発明の一実施形態に従い、スクランブルパラメータを送信する処理のフローチャートである。
【図11】図11は、スクランブルパラメータを管理するための本発明の様々な実施形態を示す略図である。
【図12】図12は、本発明の一実施形態に従い、スクランブルパラメータの予め指定されたセットに基づき、受信されたフレームをデスクランブルするフローチャートである。
【図13A】図13Aは、本発明の実施ステップを示すフローチャートである。
【図13B】図13Bは、本発明の実施ステップを示すフローチャートである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも第1の信号と第2の信号とを有する通信システムにおける同一チャネル干渉を最小にする方法であって、各信号は、前記通信システム内の異なるチャネル上で送信され、
第1のスクランブル符号を使用して前記第1の信号の第1のヘッダをスクランブルすることと、
第2のスクランブル符号を使用して前記第2の信号の第2のヘッダをスクランブルすることと、
前記通信システムの異なるチャネルによって、前記第1の信号及び前記第2の信号を、前記スクランブルされた第1のヘッダ及び前記スクランブルされた第2のヘッダとともに送信することと
を含む方法。
【請求項2】
前記第1の信号は更に第1のパイロットブロックを含み、前記パイロットブロックもまた前記第1のスクランブル符号を用いてスクランブルされる請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の信号は更に第1のペイロード部を含み、前記第2の信号は更に第2のペイロード部を含み、前記第1のペイロード部は第3のスクランブル符号を使用してスクランブルされ、前記第2のペイロード部は第4のスクランブル符号を用いてスクランブルされる請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第3のスクランブル符号及び前記第4のスクランブル符号はゴールド符号である請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のスクランブル符号と前記第3のスクランブル符号とは対をなしている請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のスクランブル符号及び前記第2のスクランブル符号は限定された数の符号から選択される請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記限定された数の符号の数は、前記通信システム内で干渉しているチャネルの数に基づいて決定される請求項6に記載の方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法において更に、
前記第1のスクランブル符号及び前記第2のスクランブル符号に関連した情報を、前記通信システム内の受信機に送信するステップを含む方法。
【請求項9】
少なくとも第1の信号と第2の信号とを有する通信システムにおける同一チャネル干渉を最小にする装置であって、各信号は、前記通信システム内の異なるチャネル上で送信され、
第1のスクランブル符号を用いて前記第1の信号の第1のヘッダの少なくとも一部をスクランブルするとともに、第2のスクランブル符号を用いて前記第2の信号の第2のヘッダの少なくとも一部をスクランブルするスクランブラと、
前記通信システムの異なるチャネルによって前記第1の信号及び前記第2の信号を送信する送信機と
を備えた装置。
【請求項10】
前記第1の信号は更に第1のパイロットブロックを含み、前記パイロットブロックはまた前記第1のスクランブル符号を用いてスクランブルされる請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記第1の信号は更に第1のペイロード部を含み、前記第2の信号は更に第2のペイロード部を含み、前記第1のペイロード部は第3のスクランブル符号を使用してスクランブルされ、前記第2のペイロード部は第4のスクランブル符号を使用してスクランブルされる請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記第3のスクランブル符号及び前記第4のスクランブル符号はゴールド符号である請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記第1のスクランブル符号と前記第3のスクランブル符号とは対をなしている請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記第1のスクランブル符号及び前記第2のスクランブル符号は限定された数の符号から選択される請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記限定された数の符号の数は、前記通信システム内で干渉しているチャネルの数に基づいて決定される請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記送信機は、前記第1のスクランブル符号及び前記第2のスクランブル符号に関連した情報を、前記通信システム内の受信機に送信する請求項9に記載の装置。
【請求項17】
少なくとも第1の信号と第2の信号とを有する衛星ベースの通信システムにおける同一チャネル干渉を最小にする方法であって、各信号は少なくともヘッダとペイロードとを含み、各信号は前記通信システム内で異なるチャネル上で送信され、
第1のスクランブル符号を使用して前記第1の信号の第1のヘッダをスクランブルすることと、
第1のゴールド符号を使用して前記第1の信号の第1のペイロードをスクランブルすることと、
第2のスクランブル符号を使用して前記第2の信号の第2のヘッダをスクランブルすることと、
第2のゴールド符号を使用して前記第2の信号の第2のペイロードをスクランブルすることと、
前記通信システムの異なるチャネルによって、前記第1の信号及び前記第2の信号を、前記スクランブルされた第1のヘッダ及び前記スクランブルされた第2のヘッダとともに送信することと
を含む方法。
【請求項18】
前記第1のスクランブル符号及び前記第2のスクランブル符号は、前記第1の信号と前記第2の信号との間の同一チャネル干渉を最小にするように選択される請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記第1のスクランブル符号と前記第1のゴールド符号とは、対をなす符号として使用される請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記各信号は更に少なくとも一つのパイロットブロックを含み、前記パイロットブロックは、それぞれのヘッダを用いてスクランブルされる請求項19に記載の方法。
【請求項1】
少なくとも第1の信号と第2の信号とを有する通信システムにおける同一チャネル干渉を最小にする方法であって、各信号は、前記通信システム内の異なるチャネル上で送信され、
第1のスクランブル符号を使用して前記第1の信号の第1のヘッダをスクランブルすることと、
第2のスクランブル符号を使用して前記第2の信号の第2のヘッダをスクランブルすることと、
前記通信システムの異なるチャネルによって、前記第1の信号及び前記第2の信号を、前記スクランブルされた第1のヘッダ及び前記スクランブルされた第2のヘッダとともに送信することと
を含む方法。
【請求項2】
前記第1の信号は更に第1のパイロットブロックを含み、前記パイロットブロックもまた前記第1のスクランブル符号を用いてスクランブルされる請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の信号は更に第1のペイロード部を含み、前記第2の信号は更に第2のペイロード部を含み、前記第1のペイロード部は第3のスクランブル符号を使用してスクランブルされ、前記第2のペイロード部は第4のスクランブル符号を用いてスクランブルされる請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第3のスクランブル符号及び前記第4のスクランブル符号はゴールド符号である請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のスクランブル符号と前記第3のスクランブル符号とは対をなしている請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のスクランブル符号及び前記第2のスクランブル符号は限定された数の符号から選択される請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記限定された数の符号の数は、前記通信システム内で干渉しているチャネルの数に基づいて決定される請求項6に記載の方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法において更に、
前記第1のスクランブル符号及び前記第2のスクランブル符号に関連した情報を、前記通信システム内の受信機に送信するステップを含む方法。
【請求項9】
少なくとも第1の信号と第2の信号とを有する通信システムにおける同一チャネル干渉を最小にする装置であって、各信号は、前記通信システム内の異なるチャネル上で送信され、
第1のスクランブル符号を用いて前記第1の信号の第1のヘッダの少なくとも一部をスクランブルするとともに、第2のスクランブル符号を用いて前記第2の信号の第2のヘッダの少なくとも一部をスクランブルするスクランブラと、
前記通信システムの異なるチャネルによって前記第1の信号及び前記第2の信号を送信する送信機と
を備えた装置。
【請求項10】
前記第1の信号は更に第1のパイロットブロックを含み、前記パイロットブロックはまた前記第1のスクランブル符号を用いてスクランブルされる請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記第1の信号は更に第1のペイロード部を含み、前記第2の信号は更に第2のペイロード部を含み、前記第1のペイロード部は第3のスクランブル符号を使用してスクランブルされ、前記第2のペイロード部は第4のスクランブル符号を使用してスクランブルされる請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記第3のスクランブル符号及び前記第4のスクランブル符号はゴールド符号である請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記第1のスクランブル符号と前記第3のスクランブル符号とは対をなしている請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記第1のスクランブル符号及び前記第2のスクランブル符号は限定された数の符号から選択される請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記限定された数の符号の数は、前記通信システム内で干渉しているチャネルの数に基づいて決定される請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記送信機は、前記第1のスクランブル符号及び前記第2のスクランブル符号に関連した情報を、前記通信システム内の受信機に送信する請求項9に記載の装置。
【請求項17】
少なくとも第1の信号と第2の信号とを有する衛星ベースの通信システムにおける同一チャネル干渉を最小にする方法であって、各信号は少なくともヘッダとペイロードとを含み、各信号は前記通信システム内で異なるチャネル上で送信され、
第1のスクランブル符号を使用して前記第1の信号の第1のヘッダをスクランブルすることと、
第1のゴールド符号を使用して前記第1の信号の第1のペイロードをスクランブルすることと、
第2のスクランブル符号を使用して前記第2の信号の第2のヘッダをスクランブルすることと、
第2のゴールド符号を使用して前記第2の信号の第2のペイロードをスクランブルすることと、
前記通信システムの異なるチャネルによって、前記第1の信号及び前記第2の信号を、前記スクランブルされた第1のヘッダ及び前記スクランブルされた第2のヘッダとともに送信することと
を含む方法。
【請求項18】
前記第1のスクランブル符号及び前記第2のスクランブル符号は、前記第1の信号と前記第2の信号との間の同一チャネル干渉を最小にするように選択される請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記第1のスクランブル符号と前記第1のゴールド符号とは、対をなす符号として使用される請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記各信号は更に少なくとも一つのパイロットブロックを含み、前記パイロットブロックは、それぞれのヘッダを用いてスクランブルされる請求項19に記載の方法。
【図1A】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13A】
【図13B】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13A】
【図13B】
【公開番号】特開2011−19236(P2011−19236A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−166157(P2010−166157)
【出願日】平成22年7月23日(2010.7.23)
【分割の表示】特願2007−508446(P2007−508446)の分割
【原出願日】平成17年4月11日(2005.4.11)
【出願人】(504228254)ザ・ディレクティービー・グループ・インコーポレイテッド (22)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−166157(P2010−166157)
【出願日】平成22年7月23日(2010.7.23)
【分割の表示】特願2007−508446(P2007−508446)の分割
【原出願日】平成17年4月11日(2005.4.11)
【出願人】(504228254)ザ・ディレクティービー・グループ・インコーポレイテッド (22)
【Fターム(参考)】
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