説明

衛星通信回線制御システムおよび衛星通信回線制御方法

【課題】地球局が衛星通信回線を初期設定する際に、地球局の送信レベルおよび偏波角の調整を容易に行う。
【解決手段】通信衛星を介して通信を行う地球局と、通信衛星を介して地球局との間で制御信号を送受信する共通シグナリング回線を設定する制御局とを備え、地球局が通信衛星との間の衛星通信回線を初期設定する際に、地球局の送信レベルおよび偏波角の調整を行う衛星通信回線制御システムにおいて、制御局は、地球局が送信するアップリンク信号を通信衛星を介して受信し、その送信レベルおよび偏波角を適正値に調整する制御信号を共通シグナリング回線を用いて地球局に送信する制御手段を備え、地球局は、通信衛星に関する情報に基づいて当該通信衛星を捕捉し、共通シグナリング回線の制御信号に応じてアップリンク信号の送信レベルおよび偏波角を調整する制御手段を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信衛星を介して通信を行う地球局が衛星通信回線を初期設定する際に、地球局の送信レベルおよび偏波角の調整を行う衛星通信回線制御システムおよび衛星通信回線制御方法に関する。
特に、頻繁に設置場所を変更する可搬型または移動型の地球局において、設置場所変更後の衛星通信回線を初期設定する際に用いられる衛星通信回線制御システムおよび衛星通信回線制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の地球局における衛星通信回線の初期設定では、地球局のオペレータが、地球局の送信信号を通信衛星で折り返して受信する監視局のオペレータの指示に基づいて、地球局の送信レベルおよび偏波角の調整を手動で行うアップリンクアクセステスト(以下、「UAT」という)を行っていた(非特許文献1)。この地球局と監視局のオペレータ間の連絡には、固定電話回線または携帯電話回線または通信衛星を介した電話チャネルのように、これから設定しようとしている衛星回線とは別の連絡用回線が用いられていた。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】スカパーJSAT株式会社、”初回アップリンクアクセステスト事前点検手順”、平成21年10月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
頻繁に設置場所を変更する可搬型または移動型の地球局は、設置場所変更後の衛星通信回線を初期設定する際にUATを行う必要がある。
【0005】
従来の地球局のUATでは、地球局から送信して通信衛星で折り返した信号を監視局で受信し、監視局のオペレータがその受信信号の解析を行い、その結果を地球局のオペレータに対して電話回線等を介して伝達し、地球局のオペレータが送信レベルおよび偏波角の調整を手動で行っていたため時間と手間がかかっていた。また、UAT用周波数の伝達や設定場所の確認などに時間がかかり、かつ周波数の誤操作を引き起こす可能性も高かった。また、地球局で通信衛星を捕捉するには熟練度が必要であり、さらに電波を送出するため無線従事者の国家資格が必要であるが、このような有資格者を地球局に派遣して衛星通信回線の初期設定を行うことは作業効率が低く、改善が求められていた。
【0006】
本発明は、地球局が衛星通信回線を初期設定する際に、地球局の送信レベルおよび偏波角の調整を容易に行うことができる衛星通信回線制御システムおよび衛星通信回線制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明は、通信衛星を介して通信を行う地球局と、通信衛星を介して地球局との間で制御信号を送受信する共通シグナリング回線を設定する制御局とを備え、地球局が通信衛星との間の衛星通信回線を初期設定する際に、地球局の送信レベルおよび偏波角の調整を行う衛星通信回線制御システムにおいて、制御局は、地球局が送信するアップリンク信号を通信衛星を介して受信し、その送信レベルおよび偏波角を適正値に調整する制御信号を共通シグナリング回線を用いて地球局に送信する制御手段を備え、地球局は、通信衛星に関する情報に基づいて当該通信衛星を捕捉し、共通シグナリング回線の制御信号に応じてアップリンク信号の送信レベルおよび偏波角を調整する制御手段を備える。
【0008】
第1の発明の衛星通信回線制御システムにおいて、制御局の制御手段および地球局の制御手段は、無変調波のアップリンク信号を用いて偏波角を調整し、次に変調波のアップリンク信号を用いて送信レベルを調整する構成である。
【0009】
第1の発明の衛星通信回線制御システムにおいて、制御局の制御手段および地球局の制御手段は、共通シグナリング回線として用いるチャネルのみ設定しておき、アップリンク信号の送信に用いるチャネルは、共通シグナリング回線を用いて制御局の制御手段から地球局の制御手段に設定する構成である。
【0010】
第1の発明の衛星通信回線制御システムにおいて、地球局が送信するアップリンク信号を通信衛星を介して受信し、その送信レベルおよび偏波角をモニタし、制御局の制御手段にアップリンク信号の送信レベルおよび偏波角の情報を通知する監視局を備えてもよい。
【0011】
第2の発明は、通信衛星を介して通信を行う地球局と、通信衛星を介して地球局との間で制御信号を送受信する共通シグナリング回線を設定する制御局とを備え、地球局が通信衛星との間の衛星通信回線を初期設定する際に、地球局の送信レベルおよび偏波角の調整を行う衛星通信回線制御方法において、制御局の制御手段は、地球局が送信するアップリンク信号を通信衛星を介して受信し、その送信レベルおよび偏波角を適正値に調整する制御信号を共通シグナリング回線を用いて地球局に送信し、地球局の制御手段は、通信衛星に関する情報に基づいて当該通信衛星を捕捉し、共通シグナリング回線の制御信号に応じてアップリンク信号の送信レベルおよび偏波角を調整する。
【0012】
第2の発明の衛星通信回線制御方法において、制御局の制御手段および地球局の制御手段は、無変調波のアップリンク信号を用いて偏波角を調整し、次に変調波のアップリンク信号を用いて送信レベルを調整する。
【0013】
第2の発明の衛星通信回線制御方法において、制御局の制御手段および地球局の制御手段は、共通シグナリング回線として用いるチャネルのみ設定しておき、アップリンク信号の送信に用いるチャネルは、共通シグナリング回線を用いて制御局の制御手段から地球局の制御手段に設定する。
【0014】
第2の発明の衛星通信回線制御方法において、地球局が送信するアップリンク信号を通信衛星を介して受信し、その送信レベルおよび偏波角をモニタする監視局を備え、当該監視局から制御局の制御手段にアップリンク信号の送信レベルおよび偏波角の情報を通知する。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、制御局が地球局のアップリンク信号の送信レベルおよび偏波角をモニタし、共通シグナリング回線を用いてその送信レベルおよび偏波角を調整することができる。これにより、地球局はオペレータの操作を必要とせずに衛星通信回線の初期設定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の衛星通信回線制御システムの実施例構成を示す図である。
【図2】地球局10の構成例を示す図である。
【図3】制御局20の構成例を示す図である。
【図4】本発明の衛星通信回線制御方法の処理手順例1を示す図である。
【図5】本発明の衛星通信回線制御方法の処理手順例2を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、本発明の衛星通信回線制御システムの実施例構成を示す。
図1において、本実施例の衛星通信回線制御システムは、地球局10、制御局20、通信衛星30により構成される。地球局10と制御局20との間には、通信衛星30を介して双方向に制御信号を伝送するために最適化された共通シグナリング回線が設定され、制御局20から地球局の送信レベルや偏波角の調整に用いる共通シグナリング信号の伝送、地球局10から制御局20への共通シグナリング応答信号が伝送される。なお、共通シグナリング回線は、例えば周波数分割多元接続方式(FDMA:Frequency Division Multiple Access)に基づいてデータ通信を行うシステムの場合は、一部の周波数帯域を共通シグナリング回線用として割り当てることによって構成される。時分割多元接続方式(TDMA:Time Division Multiple Access )で運用するシステムの場合は、タイムスロットの一部を固定的に割り当てることによって構成される。すなわち、制御局20と地球局10との間で共通で使用される固定のチャネルである。
【0018】
UATでは、制御局20から共通シグナリング信号による制御に基づいて、地球局10が制御対象のアップリンク回線および通信衛星30を介して制御局20にUAT信号を送信する。制御局20はUAT信号を受信する監視局機能を備え、地球局10から送信されたUAT信号を受信して偏波角をチェックし、地球局10の位置から推定される送信レベルをチェックし、適格な偏波角や適正な送信レベルで送信するように共通シグナリング信号を用いて誘導する。なお、地球局10がUAT信号を送信するアップリンク回線は、当該地球局10が実際に通信に用いるために割り当てられたチャネルまたはUAT用の専用の周波数を利用する。すなわち、当該地球局10と通信の相手方となる地球局との間での通信のための割り当てられたチャネルまたは専用の周波数を用いて、UAT信号が送信される。このとき、制御局20の監視局機能では、当該チャネルまたは専用の周波数について、例えばスペクトルアナライザで偏波ごとの受信電力を測定することによって、測定対象の地球局の送信レベルや偏波角をチェックすることができる。
【0019】
図2は、地球局10の構成例を示す。
図2において、地球局10は、アンテナ11、自動捕捉処理部12、表示部13、共通シグナリング信号処理部14、UAT処理部15、操作部16、記憶部17、変復調部18から構成される。
【0020】
アンテナ11は、通信衛星30との間で信号の送受信を行う。
記憶部17は、通信衛星30の位置情報、周波数情報、偏波角情報、送信レベルを記憶する。当該情報は地球局オペレータが操作部16から設定してもよいが、周波数情報等は、共通シグナリング回線として割り当てられたチャネルのみ設定しておき、UATを行うチャネルおよび実際の通信で用いるチャネルについては、共通シグナリング回線を用いて制御局20が地球局10に設定する。このような構成により、制御局20側で柔軟にチャネルの割り当てを行うことが可能となる。
【0021】
自動捕捉処理部12は、記憶部17に記録された通信衛星30の位置情報、周波数情報、偏波角情報を元に、アンテナ11を制御して通信衛星30の方向に向ける。
【0022】
表示部13は、自動捕捉が完了し、所望の通信衛星30からの共通シグナリング信号を受信したことを表示する。
【0023】
共通シグナリング信号処理部14は、共通シグナリング応答信号および共通シグナリング信号を受信し、後述の手順に基づいて当該地球局10の衛星通信回線の設定・開放を行う。
【0024】
UAT処理部15は、UATモードへの切り替えに応じて動作を開始し、制御局20から送信された送信レベルと偏波角を設定する共通シグナリング信号に基づいて、当該地球局10の送信レベルと偏波角の調整を行う。
【0025】
操作部16は、地球局10が通常の通信を行う運用モードとUATモードの切り替え、通信衛星30の位置情報、周波数情報、偏波角情報の入力を行うが、本実施例ではこれらの設定は共通シグナリング回線を用いて制御部20により行われる。
【0026】
変復調部18は、通常の通信を行う運用モードにおいて、外部の通信機器からの信号を変調し、衛星通信回線経由で通信相手に送る。また、通信相手から衛星通信回線経由で受信した信号を復調し、外部の通信機器へ送る。
【0027】
図3は、制御局20の構成例を示す。
図3において、制御局20は、アンテナ21、共通シグナリング信号処理部22、表示部23、操作部24、UAT処理部25、スペクトラムアナライザ26、変復調部27から構成される。
【0028】
アンテナ21は、通信衛星30との間で信号の送受信を行う。
共通シグナリング信号処理部22は、共通シグナリング回線を介して伝送される共通シグナリング信号および共通シグナリング応答信号を送受信し、後述の手順に基づいて通信回線の設定・開放を行う。
【0029】
表示部23は、地球局10から送信された共通シグナリング応答信号を制御局20が受信した場合、地球局10からのUAT要求があった場合にその旨を表示する。
【0030】
操作部24は、UATのフローに応じたCW(Clean Wave:無変調波)の送出、変調波の送出、送信レベルの調整、偏波角の調整を手動で行うための指示を入力する。
【0031】
UAT処理部25は、CW送信指示、変調波送信指示、送信レベル調整、偏波角調整を行う共通シグナリング信号を送信する。地球局10のUAT処理部15は、当該共通シグナリング信号に応じて地球局10の送信レベルと偏波角の調整を行う。
【0032】
スペクトラムアナライザ26は、地球局10から受信した信号の周波数、送信レベル、偏波角を解析する。当該解析の結果に応じて、UAT処理部25を介して地球局10に指示を出す。
【0033】
変復調部27は、外部の通信機器からの信号を変調し、衛星通信回線経由で通信相手に送る。また、通信相手から衛星通信回線経由で来た信号を復調し、外部の通信機器へ送る。
【0034】
図4は、本発明の衛星通信回線制御方法の処理手順例1を示す。図5は、本発明の衛星通信回線制御方法の処理手順例2を示す。なお、処理手順例1,2は、連続した処理手順であり、図2に示す地球局10のUAT処理部15および図3に示す制御局20のUAT処理部25で実施される。
【0035】
まず、地球局は、通信する場所に設置して電源を投入すると、記憶部から通信衛星の位置、周波数、偏波角等の情報を読み出し、指定された通信衛星を捕捉する動作に入る。
【0036】
地球局は、制御局から送信されている共通シグナリング信号を受信すると、指定された通信衛星であることを確認してUATモードに切り替え、制御局に対して共通シグナリング応答信号を送信する。制御局は、共通シグナリング応答信号を受信すると、地球局に対して低レベルのCWを送信するように指示する共通シグナリング信号を送信する。
【0037】
共通シグナリング信号を受信した地球局は、低レベルのCWのUAT信号を専用の周波数で送信する。制御局は、CWのUAT信号を受信し、スペクトラムアナライザで周波数が合っているか否かをチェックをする。ここで、周波数が合っていない場合は、UATを中止する。CWの周波数が合っていた場合は、制御局は地球局に対して高レベルのCWを送信するように指示する共通シグナリング信号を送信する。
【0038】
共通シグナリング信号を受信した地球局は、高レベルのCWのUAT信号を所定の偏波角で送信する。制御局は、CWのUAT信号を受信し、スペクトラムアナライザで偏波角をチェックする。ここで、CWの偏波角が適正値でない場合は、地球局に対して偏波角を調整する共通シグナリング信号を送信する。共通シグナリング信号を受信した地球局は、偏波角を調整した高レベルのCWのUAT信号を送信する。制御局は、CWのUAT信号を受信し、スペクトラムアナライザで偏波角をチェックし、偏波角が適正値になるまでこの手順を繰り返す。
【0039】
CWの偏波角が適正値になると、制御局は地球局に対してCWの停波を指示する共通シグナリング信号を送信する。共通シグナリング信号を受信した地球局はCWの送信を停止する。
【0040】
次に、制御局はCWの停波を確認すると、地球局に対して低レベルの変調波を送信するように指示する共通シグナリング信号を送信する。共通シグナリング信号を受信した地球局は、低レベルの変調波のUAT信号を専用の周波数または割り当てられたチャネルで送信する。制御局は、変調波のUAT信号を受信し、変調波の周波数、電波型式をチェックする。ここで、変調波が適格でない場合は、UATを中止する。変調波が適格な場合は、制御局は地球局に対して運用レベルの変調波のUAT信号を送信するように指示する共通シグナリング信号を送信する。
【0041】
共通シグナリング信号を受信した地球局は、運用レベルの変調波のUAT信号を送信する。制御局は、変調波のUAT信号を受信し、送信レベルをチェックする。変調波の送信レベルが適正でない場合は、制御局は地球局に対して変調波の送信レベルが適正になるように指示する共通シグナリング信号を送信する。共通シグナリング信号を受信した地球局は、変調波のUAT信号を指示された送信レベルで送信する。制御局はUAT信号を受信し、変調波の送信レベルが適正値になるまでこの手順を繰り返す。
【0042】
変調波の送信レベルが適正値になると、制御局は地球局に対して変調波の停波を指示する共通シグナリング信号を送信してUATを終了する。共通シグナリング信号を受信した地球局は、変調波の送信を停止し、送信レベルを記憶してUATを終了し、通常運用を開始する。
【0043】
以上説明した実施例では、制御局20にスペクトラムアナライザなどの監視局機能を搭載し、地球局10が送信するアップリンク回線のUAT信号を受信して送信レベルや偏波角をモニタし、共通シグナリング信号を用いて地球局10をフィードバック制御する構成であった。なお、この制御局20の監視局機能は、制御局20とは別に配置される監視局を利用し、この監視局からUAT信号の送信レベルや偏波角の情報を取得し、UAT信号処理部25に入力する構成としてもよい。
【0044】
また、地球局10では、共通シグナリング信号によりUATモードから運用モードに変更しているが、制御局オペレータが、地球局オペレータに電話や携帯電話等を用いて運用モードに戻すように指示し、地球局オペレータが操作部16の操作により地球局10を運用モードに変更してもよい。
【符号の説明】
【0045】
10 地球局
11 アンテナ
12 自動捕捉処理部
13 表示部
14 共通シグナリング信号処理部
15 UAT処理部
16 操作部
17 記憶部
18 変復調部
20 制御局
21 アンテナ
22 共通シグナリング信号処理部
23 表示部
24 操作部
25 UAT処理部
26 スペクトラムアナライザ
27 変復調部
30 通信衛星

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信衛星を介して通信を行う地球局と、
前記通信衛星を介して前記地球局との間で制御信号を送受信する共通シグナリング回線を設定する制御局と
を備え、前記地球局が前記通信衛星との間の衛星通信回線を初期設定する際に、前記地球局の送信レベルおよび偏波角の調整を行う衛星通信回線制御システムにおいて、
前記制御局は、前記地球局が送信するアップリンク信号を前記通信衛星を介して受信し、その送信レベルおよび偏波角を適正値に調整する制御信号を前記共通シグナリング回線を用いて前記地球局に送信する制御手段を備え、
前記地球局は、前記通信衛星に関する情報に基づいて当該通信衛星を捕捉し、前記共通シグナリング回線の制御信号に応じて前記アップリンク信号の送信レベルおよび偏波角を調整する制御手段を備えた
ことを特徴とする衛星通信回線制御システム。
【請求項2】
請求項1に記載の衛星通信回線制御システムにおいて、
前記制御局の制御手段および前記地球局の制御手段は、無変調波のアップリンク信号を用いて前記偏波角を調整し、次に変調波のアップリンク信号を用いて前記送信レベルを調整する構成である
ことを特徴とする衛星通信回線制御システム。
【請求項3】
請求項1に記載の衛星通信回線制御システムにおいて、
前記制御局の制御手段および前記地球局の制御手段は、前記共通シグナリング回線として用いるチャネルのみ設定しておき、前記アップリンク信号の送信に用いるチャネルは、前記共通シグナリング回線を用いて前記制御局の制御手段から前記地球局の制御手段に設定する構成である
ことを特徴とする衛星通信回線制御システム。
【請求項4】
請求項1に記載の衛星通信回線制御システムにおいて、
前記地球局が送信するアップリンク信号を前記通信衛星を介して受信し、その送信レベルおよび偏波角をモニタし、前記制御局の制御手段にアップリンク信号の送信レベルおよび偏波角の情報を通知する監視局を備えた
ことを特徴とする衛星通信回線制御システム。
【請求項5】
通信衛星を介して通信を行う地球局と、
前記通信衛星を介して前記地球局との間で制御信号を送受信する共通シグナリング回線を設定する制御局と
を備え、前記地球局が前記通信衛星との間の衛星通信回線を初期設定する際に、前記地球局の送信レベルおよび偏波角の調整を行う衛星通信回線制御方法において、
前記制御局の制御手段は、前記地球局が送信するアップリンク信号を前記通信衛星を介して受信し、その送信レベルおよび偏波角を適正値に調整する制御信号を前記共通シグナリング回線を用いて前記地球局に送信し、
前記地球局の制御手段は、前記通信衛星に関する情報に基づいて当該通信衛星を捕捉し、前記共通シグナリング回線の制御信号に応じて前記アップリンク信号の送信レベルおよび偏波角を調整する
ことを特徴とする衛星通信回線制御方法。
【請求項6】
請求項5に記載の衛星通信回線制御方法において、
前記制御局の制御手段および前記地球局の制御手段は、無変調波のアップリンク信号を用いて前記偏波角を調整し、次に変調波のアップリンク信号を用いて前記送信レベルを調整する
ことを特徴とする衛星通信回線制御方法。
【請求項7】
請求項5に記載の衛星通信回線制御方法において、
前記制御局の制御手段および前記地球局の制御手段は、前記共通シグナリング回線として用いるチャネルのみ設定しておき、前記アップリンク信号の送信に用いるチャネルは、前記共通シグナリング回線を用いて前記制御局の制御手段から前記地球局の制御手段に設定する
ことを特徴とする衛星通信回線制御方法。
【請求項8】
請求項5に記載の衛星通信回線制御方法において、
前記地球局が送信するアップリンク信号を前記通信衛星を介して受信し、その送信レベルおよび偏波角をモニタする監視局を備え、当該監視局から前記制御局の制御手段にアップリンク信号の送信レベルおよび偏波角の情報を通知する
ことを特徴とする衛星通信回線制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−175217(P2012−175217A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−32916(P2011−32916)
【出願日】平成23年2月18日(2011.2.18)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】