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衛生材料用ポリオレフィン樹脂不織布
説明

衛生材料用ポリオレフィン樹脂不織布

【課題】機械的強度を損なうことなく、水に対する優れた濡れ性を有するポリオレフィン樹脂不織布を提供する。
【解決手段】ポリオレフィン(a)、不飽和(ポリ)カルボン酸(無水物)(b)および炭素数6〜36のα−オレフィン(c)を含有し、スチレンもしくはスチレン誘導体を含有しない共重合成分をラジカル開始剤(d)の存在下で共重合させてなるポリオレフィン樹脂改質剤(A)、およびポリオレフィン樹脂(B)を含有してなるポリオレフィン樹脂組成物からなる衛生材料用ポリオレフィン樹脂不織布。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衛生材料用ポリオレフィン樹脂不織布に関する。さらに詳しくは、機械的強度を損なうことなく優れた濡れ性を有する衛生材料用ポリオレフィン樹脂不織布に関する。ここおよび以下において濡れ性とは、水に対する親和性を意味し、後述する濡れ張力で評価されるものである。
【背景技術】
【0002】
ポリオレフィン樹脂不織布は、剛性、耐熱性、耐薬品性等に優れ、また安価であることから水に対する濡れ性が必要とされる衛生材料用途に広く使用されている。しかしながら、ポリオレフィン樹脂は疎水性であるため水に対する濡れ性を必要とする該用途に用いるためには、様々な処理を施すことにより濡れ性を付与しなければならなかった。
従来、濡れ性を向上させる方法としては、ポリオレフィン樹脂不織布の表面にコロナ処理またはプラズマ処理を施す方法(例えば特許文献1参照)、ポリオレフィン樹脂に熱可塑性ポリエチレンオキサイドおよび界面活性剤を添加する方法(例えば特許文献2参照)等が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−040575号公報
【特許文献2】特開平8−157650号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、不織布表面にコロナ処理またはプラズマ処理を施す方法では、処理後の時間の経過とともに、濡れ性が低下するという問題がある。また、ポリオレフィン樹脂に界面活性剤を添加する方法では、改質効果を十分発揮する添加量を加えると元のポリオレフィン樹脂不織布が本来有する機械的強度(引張強度等。以下同じ。)が損なわれたり、界面活性剤が不織布からブリードアウトしたりするという問題等があり改善が切望されていた。
本発明の目的は、機械的強度を損なうことなく、水に対する優れた濡れ性を有するポリオレフィン樹脂不織布を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、本発明に到達した。すなわち、ポリオレフィン(a)、不飽和(ポリ)カルボン酸(無水物)(b)および炭素数6〜36のα−オレフィン(c)を含有し、スチレンもしくはスチレン誘導体を含有しない共重合成分をラジカル開始剤(d)の存在下で共重合させてなるポリオレフィン樹脂改質剤(A)、およびポリオレフィン樹脂(B)を含有してなるポリオレフィン樹脂組成物からなる衛生材料用ポリオレフィン樹脂不織布である。
【発明の効果】
【0006】
本発明のポリオレフィン樹脂不織布は衛生材料用途に求められる下記の効果を奏する。
(1)本来の機械的強度を損なうことなく水に対する優れた濡れ性を有する。
(2)該濡れ性は持続性に優れる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
[ポリオレフィン(a)]
本発明におけるポリオレフィン(a)には、オレフィンの1種または2種以上の(共)重合体、並びにオレフィンの1種または2種以上と他の単量体の1種または2種以上との共重合体が含まれる。
上記オレフィンには、炭素数(以下、Cと略記)2〜30のアルケン、例えばエチレン、プロピレン、1−および2−ブテン、およびイソブテン、並びにC5〜30のα−オレフィン(1−ヘキセン、1−デセン、1−ドデセン等);他の単量体には、オレフィンとの共重合性を有するC4〜30の不飽和単量体、例えば酢酸ビニルが含まれる。
【0008】
(a)の具体例には、エチレン単位含有(プロピレン単位非含有)(共)重合体、例えば高、中、および低密度ポリエチレン、およびエチレンとC4〜30の不飽和単量体[ブテン(1−ブテン等)、C5〜30のα−オレフィン(1−ヘキセン、1−ドデセン等)、酢酸ビニル等]との共重合体[重量比は樹脂組成物の成形性および後述の(a)の分子中の二重結合数の観点から好ましくは30/70〜99/1、さらに好ましくは50/50〜95/5)等;プロピレン単位含有(エチレン単位非含有)(共)重合体、例えばポリプロピレン、プロピレンとC4〜30の不飽和単量体(前記に同じ)との共重合体[重量比は(a)の分子中の二重結合数および樹脂組成物の成形性の観点から、好ましくは30/70〜99/1、さらに好ましくは50/50〜95/5];エチレン/プロピレン共重合体[重量比は樹脂組成物の成形性および(a)の分子中の二重結合数の観点から、好ましくは0.5/99.5〜30/70、さらに好ましくは2/98〜20/80];C4以上のオレフィンの(共)重合体、例えばポリブテンが含まれる。
これらのうち、後述する不飽和(ポリ)カルボン酸(無水物)(b)およびC6〜36のα−オレフィン(c)との共重合性の観点から好ましいのはポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレン共重合体、プロピレン/C4〜30の不飽和単量体共重合体、さらに好ましいのはエチレン/プロピレン共重合体である。
(a)は、後述の不飽和(ポリ)カルボン酸(無水物)(b)およびC6〜36のα−オレフィン(c)との共重合性の観点から分子鎖中および/または分子末端に二重結合を有することが好ましい。
(a)の炭素1,000個当たりの二重結合数は、(a)と、(b)、(c)との共重合性および(A)の生産性の観点から好ましくは0.1〜20個、さらに好ましくは0.3〜18個、とくに好ましくは0.5〜15個である。
ここにおいて該二重結合数は、(a)の1H−NMR(核磁気共鳴)分光法のスペクトルから求めることができる。すなわち、該スペクトル中のピークを帰属し、(a)の4.5〜6ppmにおける二重結合由来の積分値および(a)由来の積分値から、(a)の二重結合数と(a)の炭素数の相対値を求め、(a)の炭素1,000個当たりの該分子末端および/または分子鎖中の二重結合数を算出する。後述の実施例における二重結合数は該方法に従った。
【0009】
ポリオレフィン(a)の製造方法には、重合法(例えば特開昭59−206409号公報に記載のもの)および減成法[熱的、化学的および機械的減成法等、これらのうち熱的減成法(以下において熱減成法ということがある)としては、例えば特公昭43−9368号公報、特公昭44−29742号公報、特公平6−70094公報に記載のもの]が含まれる。
【0010】
重合法には前記オレフィンの1種または2種以上を(共)重合させる方法、およびオレフィンの1種または2種以上と他の単量体の1種または2種以上を共重合させる方法が含まれる。
【0011】
減成法には、前記重合法で得られる高分子量〔数平均分子量[以下、Mnと略記。測定は後述のゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)法による]が後述の不飽和(ポリ)カルボン酸(無水物)および炭素数6〜36のα−オレフィンとの共重合性および(a)の生産性の観点から好ましくは30,000〜400,000、さらに好ましくは50,000〜200,000〕のポリオレフィン(a0)を熱的、化学的または機械的に減成する方法が含まれる。
【0012】
本発明におけるGPCによるMnの測定条件は以下のとおりである。
装置 :高温ゲルパーミエイションクロマトグラフィー
[「Alliance GPC V2000」、
Waters(株)製]
溶媒 :オルトジクロロベンゼン
基準物質 :ポリスチレン
サンプル濃度:3mg/ml
カラム固定相:PLgel 10μm MIXED−B
[ポリマーラボラトリーズ(株)製]を2本直列に接続
カラム温度 :135℃
【0013】
熱減成法には、前記高分子量のポリオレフィン(a0)を窒素通気下で、(1)有機過酸化物不存在下、通常300〜450℃で0.5〜10時間、熱減成する方法、および(2)有機過酸化物存在下、通常180〜300℃で0.5〜10時間、熱減成する方法等が含まれる。
これらのうち得られるポリオレフィン(a)の、(b)、(c)との共重合性の観点から好ましいのは、分子鎖中および/または分子末端の二重結合数のより多いものが得られやすい(1)の方法である。
【0014】
これらの(a)の製造方法のうち、分子鎖中および/または分子末端の二重結合数のより多いものが得られやすく、(a)と、(b)、(c)との共重合が容易であるとの観点から好ましいのは減成法、さらに好ましいのは熱減成法である。
【0015】
(a)のMnは、後述の衛生材料用ポリオレフィン樹脂不織布の機械的強度および(A)の生産性の観点から好ましくは800〜50,000、さらに好ましくは1,500〜30,000である。
【0016】
[不飽和(ポリ)カルボン酸(無水物)(b)]
本発明における不飽和(ポリ)カルボン酸(無水物)(b)は、重合性不飽和基を1個有するC3〜30の(ポリ)カルボン酸(無水物)である。なお、本発明において不飽和(ポリ)カルボン酸(無水物)は、不飽和モノカルボン酸、不飽和ポリカルボン酸および/または不飽和ポリカルボン酸無水物を意味する。
該(b)のうち、不飽和モノカルボン酸としては、脂肪族(C3〜24、例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−エチルアクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸)、脂環含有(C6〜24、例えばシクロヘキセンカルボン酸);不飽和ポリ(2〜3またはそれ以上)カルボン酸(無水物)としては、不飽和ジカルボン酸(無水物)[脂肪族ジカルボン酸(無水物)(C4〜24、例えばマレイン酸、フマール酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、およびこれらの無水物)、脂環含有ジカルボン酸(無水物)(C8〜24、例えばシクロへキセンジカルボン酸、シクロヘプテンジカルボン酸、ビシクロヘプテンジカルボン酸、メチルテトラヒドロフタル酸、およびこれらの無水物)等]等が挙げられる。(b)は1種単独でも、2種併用してもいずれでもよい。
これらのうち後述するC6〜36のα−オレフィン(c)との共重合性の観点から好ましいのは不飽和ジカルボン酸(無水物)、さらに好ましいのは不飽和ジカルボン酸無水物、とくに好ましいのは無水マレイン酸である。
【0017】
[C6〜36のα−オレフィン(c)]
本発明におけるα−オレフィン(c)には、C6〜36、好ましくはC8〜30の、直鎖α−オレフィンおよび分岐鎖を有するα−オレフィンが含まれる。(c)のCが6未満ではポリオレフィン樹脂不織布の機械的強度が低下し、36を超えるとポリオレフィン樹脂不織布の濡れ性が悪くなる。
(c)のうち直鎖α−オレフィンとしては、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、およびこれらの2種以上の混合物等が挙げられる。
また、分岐鎖を有するα−オレフィンとしては、プロピレン三量体、プロピレン四量体およびこれらの2種以上の混合物等が挙げられる。
これらのうち前記(a)、(b)との共重合性の観点から好ましいのは直鎖α−オレフィン、さらに好ましいのは1−デセンである。
【0018】
(a)、(b)、(c)の合計重量に基づく各成分の含有量は、(a)は(A)の生産性およびポリオレフィン樹脂不織布の濡れ性向上の観点から好ましくは30〜98%、さらに好ましくは40〜90%;(b)はポリオレフィン樹脂不織布の濡れ性向上および(A)の生産性の観点から好ましくは0.03〜40%、さらに好ましくは0.5〜35%;(c)はポリオレフィン樹脂不織布の機械的強度および濡れ性向上の観点から好ましくは0.6〜65%、さらに好ましくは1〜50%である。
【0019】
[ラジカル開始剤(d)]
本発明における(a)、(b)および(c)は、ラジカル開始剤(d)の存在下で共重合させる。
(d)としては、例えばアゾ化合物(アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソバレロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビスシクロヘキサン−1−カルボニトリル、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)等)、過酸化物〔単官能(分子内にパーオキシド基を1個有するもの)(ベンゾイルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、ジクミルパーオキシド等)および多官能(分子内にパーオキシド基を2個以上有するもの)[2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート、ジアリルパーオキシジカーボネート等]〕等が挙げられる。
【0020】
これらのうち(a)、(b)および(c)の共重合性の観点から好ましいのは過酸化物、さらに好ましいのは単官能過酸化物、とくに好ましいのはジ−t−ブチルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、ジクミルパーオキシドである。
【0021】
(d)の使用量は、反応性および副反応抑制の観点から、(a)、(b)および(c)の合計重量に基づいて好ましくは0.05〜10%、さらに好ましくは0.2〜5%、とくに好ましくは0.5〜3%である。
【0022】
[ポリオレフィン樹脂改質剤(A)]
本発明におけるポリオレフィン樹脂改質剤(A)は、ラジカル開始剤(d)の存在下で、ポリオレフィン(a)、不飽和(ポリ)カルボン酸(無水物)(b)およびC6〜36のα−オレフィン(c)を含有し、スチレンもしくはスチレン誘導体を含有しない共重合成分を共重合させてなる。
【0023】
ポリオレフィン樹脂改質剤(A)を構成する共重合成分にはスチレンもしくはスチレン誘導体は含まれない。共重合成分にスチレンもしくはスチレン誘導体が含まれない場合は、(A)の生産性がさらに優れたものとなる。
該スチレン誘導体にはC9〜15のもの、例えばα−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、m−ブチルスチレン等が含まれる。
【0024】
(A)の具体的な製造方法には、以下の[1]、[2]の方法が含まれる。
[1](a)、(b)および(c)を適当な有機溶媒[C3〜18、例えば炭化水素(ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ドデカン、ベンゼン、トルエン、キシレン等)、ハロゲン化炭化水素(ジ−、トリ−およびテトラクロロエタン、ジクロロブタン等)、ケトン(アセトン、メチルエチルケトン、ジ−t−ブチルケトン等)、エーテル(エチル−n−プロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、ジ−t−ブチルエーテル、ジオキサン等)]に懸濁あるいは溶解させ、これに(d)[もしくは(d)を適当な有機溶媒(上記に同じ)に溶解させた溶液]、および必要により後述の連鎖移動剤(t)を加えて加熱撹拌する方法(溶液法);
[2](a)、(b)、(c)および(d)、および必要により(t)を予め混合し、押出機、バンバリーミキサー、ニーダ等を用いて溶融混練する方法(溶融法)。
【0025】
溶液法での反応温度は、(a)が有機溶媒に溶解する温度であればよく、(A)の生産性および(a)、(b)、(c)の反応制御の観点から好ましくは50〜220℃、さらに好ましくは110〜210℃、とくに好ましくは120〜180℃である。
【0026】
また、溶融法での反応温度は、(a)が溶融する温度であればよく、(a)、(b)および(c)の共重合性および反応生成物の分解温度の観点から好ましくは120〜260℃、さらに好ましくは130〜240℃である。
【0027】
前記連鎖移動剤(t)としては、アルコール(C1〜24、例えばメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−ブタノール、アリルアルコール);チオール(C1〜24、例えばエチルチオール、プロピルチオール、1−および2−ブチルチオール、1−オクチルチオール);アルデヒド(C2〜18、例えば2−メチル−2−プロピルアルデヒド、1−および2−ブチルアルデヒド、1−ペンチルアルデヒド);フェノール(C6〜36、例えばフェノール、o−、m−およびp−クレゾール);アミン(C3〜24、例えばジエチルメチルアミン、トリエチルアミン、ジフェニルアミン);ジスルフィド(C2〜24、例えばジエチルジスルフィド、ジ−1−プロピルジスルフィド)等が挙げられる。
(t)の使用量は、(a)、(b)および(c)の合計重量に基づいて通常30%以下、(A)の生産性および後述するポリオレフィン樹脂不織布の機械的強度の観点から好ましくは0.1〜20%である。
【0028】
ポリオレフィン樹脂改質剤(A)のMnは、後述するポリオレフィン樹脂不織布の機械的強度および樹脂組成物の成形性の観点から好ましくは1,500〜70,000、さらに好ましくは2,000〜60,000、とくに好ましくは2,500〜50,000である。
【0029】
(A)の酸価は、ポリオレフィン樹脂不織布の濡れ性および(A)の生産性の観点から好ましくは0.5〜200mgKOH/g(以下数値のみを示す)、さらに好ましくは1〜180、とくに好ましくは5〜160である。ここにおける酸価はJIS K0070に準じて、以下の(i)〜(iii)の手順で測定して得られる値である。
(i)100℃に温度調整したキシレン100gに(A)1gを溶解させる。
(ii)フェノールフタレインを指示薬として、0.1mol/L水酸化カリウムエタノール溶液[商品名「0.1mol/Lエタノール性水酸化カリウム溶液」、和光純薬(株)製]で滴定を行う。
(iii)滴定に要した水酸化カリウム量をmgに換算して酸価(単位:mgKOH/g)を算出する。
【0030】
本発明における改質剤(A)は、後述するポリオレフィン樹脂(B)用の改質剤として用いられる。
【0031】
[ポリオレフィン樹脂(B)]
本発明におけるポリオレフィン樹脂(B)には、前記(a)の製造方法として例示した重合法で得られるもの、または高分子量(好ましくはMn30,000〜400,000)ポリオレフィンの減成(熱的、化学的および機械的減成)法で得られるものが含まれ、該(B)には、前記例示のエチレン単位含有(プロピレン単位非含有)(共)重合体、プロピレン単位含有(エチレン単位非含有)(共)重合体、エチレン/プロピレン共重合体およびC4以上のオレフィンの(共)重合体等が含まれる。
【0032】
本発明における(A)と(B)の組合せとしては、(B)の構成単位と(A)を構成するポリオレフィン(a)の構成単位が同じか類似している場合が(A)と(B)との相溶性の観点から好ましい。例えば、(B)がプロピレン単位含有(エチレン単位非含有)(共)重合体である場合は、(A)を構成する(a)もプロピレン単位含有(エチレン単位非含有)(共)重合体である場合が好ましい。
【0033】
(B)のMnは、ポリオレフィン樹脂不織布の機械的強度および(A)との相溶性の観点から好ましくは10,000〜500,000、さらに好ましくは20,000〜400,000である。
【0034】
[ポリオレフィン樹脂組成物]
本発明におけるポリオレフィン樹脂組成物は、前記改質剤(A)とポリオレフィン樹脂(B)を含有してなる。
【0035】
前記ポリオレフィン樹脂組成物には、本発明の効果を阻害しない範囲で必要によりさらに種々の添加剤(C)を含有させることができる。
(C)としては、着色剤(C1)、難燃剤(C2)、充填剤(C3)、滑剤(C4)、帯電防止剤(C5)、酸化防止剤(C6)および紫外線吸収剤(C7)からなる群から選ばれる1種または2種以上が挙げられる。
【0036】
着色剤(C1)としては顔料および染料が挙げられる。
顔料としては、無機顔料(アルミナホワイト、グラファイト等)、有機顔料(アゾレーキ系等);染料としては、アゾ系、アントラキノン系等が挙げられる。
【0037】
難燃剤(C2)としては、有機難燃剤〔含窒素化合物[尿素化合物、グアニジン化合物等の塩等]、含硫黄化合物[硫酸エステル、スルファミン酸、およびそれらの塩、エステル、アミド等]、含珪素化合物[ポリオルガノシロキサン等]、含リン系[リン酸エステル等]等〕;無機難燃剤〔三酸化アンチモン、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ポリリン酸アンモニム等〕等が挙げられる。
【0038】
充填剤(C3)としては、炭酸塩(炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等)、硫酸塩(硫酸アルミニウム等)、亜硫酸塩(亜硫酸カルシウム等)、金属硫化物(二硫化モリブデン等)、珪酸塩(珪酸アルミニウム等)、珪藻土、珪石粉、タルク、シリカ、ゼオライト、およびこれらの混合物等が挙げられる。
【0039】
滑剤(C4)としては、ワックス(カルナバロウワックス等)、高級脂肪酸(ステアリン酸等)、高級アルコール(ステアリルアルコール等)、高級脂肪酸アミド(ステアリン酸アミド等)等が挙げられる。
【0040】
帯電防止剤(C5)としては、低分子型帯電防止剤(米国特許第3,929,678および4,331,447号明細書に記載の、非イオン性、カチオン性、アニオン性および両性の界面活性剤等)、および高分子型永久帯電防止剤(ポリオレフィンとポリオキシアルキレングリコールのブロック共重合体、ポリアミドとポリオキシアルキレングリコールのブロック共重合体等)が挙げられる。
【0041】
酸化防止剤(C6)としては、ヒンダードフェノール化合物[p−t−アミルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂、ノルジヒドログアヤレチック酸(NDGA)、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)、2−t−ブチル−4−メチルフェノール(BHA)、6−t−ブチル−2,4,−メチルフェノール(24M6B)、2,6−ジ−t−ブチルフェノール(26B)等];含イオウ化合物[N,N’−ジフェニルチオウレア、ジミリスチルチオジプロピオネート等];含リン化合物[2−t−ブチル−α−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−p−クメニルビス(p−ノニルフェニル)ホスファイト、ジオクタデシル−4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルベンジルホスホネート等]等が挙げられる。
【0042】
紫外線吸収剤(C7)としては、サリチレート化合物[フェニルサリチレート等];ベンゾフェノン化合物[2,4−ジヒドロキシゼンゾフェノン等];ベンゾトリアゾール化合物[2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−ベンゾトリアゾール等]等が挙げられる。
【0043】
ポリオレフィン樹脂組成物中の(C)全体の含有量は、該組成物の全重量に基づいて、通常20%以下、各(C)の機能発現および工業上の観点から好ましくは0.05〜10%、さらに好ましくは0.1〜5%である。
該組成物の全重量に基づく各添加剤の使用量は、(C1)は通常5%以下、好ましくは0.1〜3%;(C2)は通常8%以下、好ましくは1〜3%;(C3)は通常5%以下、好ましくは0.1〜1%;(C4)は通常8%以下、好ましくは1〜5%;(C5)は通常25%以下、好ましくは1〜20%;(C6)は通常2%以下、好ましくは0.05〜0.5%;(C7)は通常2%以下、好ましくは0.05〜0.5%である。
【0044】
上記(C1)〜(C7)の間で添加剤が同一で重複する場合は、それぞれの添加剤が該当する添加効果を奏する量の他の添加剤としての効果に関わりなく使用するのではなく、他の添加剤としての効果も同時に得られることをも考慮し、使用目的に応じて使用量を調整するものとする。
【0045】
本発明におけるポリオレフィン樹脂組成物の製造方法としては、
(1)前記(A)、(B)および必要により(C)を一括混合してポリオレフィン樹脂組成物とする方法(一括法);
(2)(B)の一部、(A)の全量、および必要により(C)の一部もしくは全量を混合して高濃度の(A)を含有するマスターバッチポリオレフィン樹脂組成物を一旦作成し、その後残りの(B)および必要により(C)の残りを加えて混合してポリオレフィン樹脂組成物とする方法(マスターバッチ法)が含まれる。
(A)の混合効率の観点から好ましいのは(2)の方法である。
【0046】
本発明におけるポリオレフィン樹脂組成物中の(A)と(B)の重量比は、後述するポリオレフィン樹脂不織布の濡れ性および機械的強度の観点から好ましくは1/99〜40/60、さらに好ましくは5/95〜35/65、とくに好ましくは10/90〜30/70である。
【0047】
前記の樹脂組成物の製造方法における具体的な混合方法としては、
(i)混合する各成分を、例えば粉体混合機〔「ヘンシエルミキサ」[商品名「ヘンシエルミキサFM150L/B」、三井鉱山(株)製]、「ナウタミキサ」[商品名「ナウタミキサDBX3000RX」、ホソカワミクロン(株)製]、「バンバリーミキサー」[商品名「MIXTRON BB−16MIXER」、(株)神戸製鋼所製]等〕で混合した後、溶融混練装置[バッチ混練機、連続混練機(単軸混練機、二軸混練機等)等]を使用して通常120〜220℃で0.5〜30分間混練する方法;
(ii)混合する各成分をあらかじめ粉体混合することなく、上記と同様の溶融混練装置を使用して同様の条件で直接混練する方法が挙げられる。
これらの方法のうち混合効率の観点から(i)の方法が好ましい。
【0048】
[衛生材料用ポリオレフィン樹脂不織布]
本発明のポリオレフィン樹脂不織布は前記ポリオレフィン樹脂組成物からなる不織布である。
【0049】
本発明のポリオレフィン樹脂不織布の製造方法としては、該樹脂組成物を用いて、例えばスパンボンド法やメルトブロー法、フラッシュ紡糸法等の直接法や、短繊維からカードウェブを得、これを水流絡合、エンボスあるいはニードルパンチなどの繊維固定方法により製造する方法があり、これら不織布の製造方法については特に限定されない。
【0050】
該不織布の繊維断面の形態は特に制限されるものではなく、円形であっても、異型であっても、中空であっても何ら問題なく、紡糸口金の形状を適宜選択することで、様々な断面形状とすることができる。
【0051】
前記の不織布の製造方法は具体的には以下のとおりである。
(i)スパンボンド法:
ポリオレフィン樹脂組成物を加熱溶融して紡糸口金から吐出させ、吐出された紡出糸条を横型吹き付けや環状吹きつけ等の種々の冷却装置を用いて冷却した後、引き取り手段(例えば、エアサッカー等の吸引装置やローラー等)を用いて牽引細化し、引き続き、吸引装置から排出された糸条群を開繊させた後、スクリーンから成るコンベアの如き移動堆積装置上に開繊堆積させて塊状の繊維を得る。次いで、この移動堆積装置上に形成された塊状の繊維に、加熱されたエンボス装置または超音波融着装置などの部分熱圧着装置を用いて部分的に熱圧着を施すことにより不織布を得る。
(ii)メルトブロー法:
紡糸孔から溶融紡出すると同時に、紡糸孔に隣接して設置されたスリット状気体吹出口から紡糸温度とほぼ同じ温度の高温高速気体を噴出して細繊維化した極細繊維流を移動するコンベアネット上に捕集して不織布を得る。
これらのポリオレフィン樹脂不織布の製造方法のうち、生産性の観点から好ましいのはスパンボンド法およびメルトブロー法、さらに好ましいのはスパンボンド法である。
【0052】
本発明のポリオレフィン樹脂不織布の水に対する濡れ性は、該不織布を溶融、成形したフィルムの濡れ張力によって評価できる。該フィルムの濡れ張力は、高い濡れ性が求められる衛生材料用途への適用および該不織布の機械的強度の観点から好ましくは33〜50mN/m、さらに好ましくは34〜45mN/mである。
また、該不織布の形態を保持したままの水に対する濡れ性は、例えば後述の不織布の保水率によって評価できる。該保水率は、上記と同様の観点から好ましくは70〜300%、さらに好ましくは80〜200%、とくに好ましくは100〜150%である。
【0053】
本発明における衛生材料としては、紙おむつ、マスク、ガーゼおよび包帯等、特に水に対する濡れ性、およびその持続性が優れるという特性が求められるものが挙げられる。
【実施例】
【0054】
以下実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。実施例中の部は重量部、モル%以外の%は重量%を表す。
【0055】
[ポリオレフィン(a)の製造]
製造例1
反応容器に、プロピレン98モル%およびエチレン2モル%を構成単位とするポリオレフィン(a0−1)[商品名「サンアロマーPZA20A」、サンアロマー(株)製、重合法によるもの、炭素数1,000個当たりの二重結合数0個、Mn100,000、以下同じ。]100部を窒素雰囲気下に仕込み、気相部分に窒素を通気しながらマントルヒーターにて加熱溶融し、撹拌しながら360℃で70分間熱減成を行い、ポリオレフィン(a−1)を得た。(a−1)は、炭素1,000個当たりの二重結合数は7.2個、Mnは3,000であった。
【0056】
製造例2
製造例1において、熱減成時間を70分間から100分間に変えたこと以外は製造例1と同様に行い、ポリオレフィン(a−2)を得た。(a−2)は、炭素1,000個当たりの二重結合数は18個、Mnは1,200であった。
【0057】
製造例3
製造例1において、熱減成時間を70分間から20分間に変えたこと以外は製造例1と同様に行い、ポリオレフィン(a−3)を得た。(a−3)は、炭素1,000個当たりの二重結合数は0.3個、Mnは45,000であった。
【0058】
製造例4
製造例1において、ポリオレフィン(a0−1)100部に代えて、プロピレン80モル%、1−ブテン20モル%を構成単位とするポリオレフィン(a0−2)[商品名「タフマーXM−5080、以下同じ。」、三井化学(株)製、Mn90,000]100部を用いたこと以外は製造例1と同様に行い、ポリオレフィン(a−4)を得た。(a−4)は、炭素1,000個当たりの二重結合数は7.2個、Mnは3,000であった。
【0059】
[ポリオレフィン樹脂改質剤(A)の製造]
製造例5
反応容器に(a−1)100部、無水マレイン酸(b−1)24部、1−デセン(c−1)18.5部、およびキシレン100部を仕込み、窒素置換後、窒素通気下に130℃まで加熱昇温して均一に溶解させた。ここにジクミルパーオキサイド[商品名「パークミルD」、日油(株)製]0.5部をキシレン10部に溶解させた溶液を10分間で滴下した後、キシレン還流下3時間撹拌を続けた。その後、減圧下(1.5kPa、以下同じ。)でキシレンおよび未反応の無水マレイン酸を留去してポリオレフィン樹脂改質剤(A−1)を得た。(A−1)は、酸価は95、Mnは5,000であった。
【0060】
製造例6
製造例5において、(a−1)100部、(b−1)24部、(c−1)18.5部に代えて、(a−2)100部、(b−1)100部、(c−1)85.7部を用いたこと以外は製造例5と同様に行い、ポリオレフィン樹脂改質剤(A−2)を得た。(A−2)は、酸価は200、Mnは4,000であった。
【0061】
製造例7
製造例5において、(a−1)100部、(b−1)24部、(c−1)18.5部に代えて、(a−3)100部、(b−1)1部、(c−1)2部を用いたこと以外は製造例5と同様に行い、ポリオレフィン樹脂改質剤(A−3)を得た。(A−3)は、酸価は6、Mnは45,000であった。
【0062】
製造例8
製造例5において、(a−1)100部に代えて、(a−4)100部を用いたこと以外は製造例5と同様に行い、ポリオレフィン樹脂改質剤(A−4)を得た。(A−4)は、酸価は95、Mnは5,000であった。
【0063】
製造例9
製造例5において、(c−1)18.5部に代えて、1−ヘキセン(c−2)3.8部を用いたこと以外は製造例5と同様に行い、ポリオレフィン樹脂改質剤(A−5)を得た。(A−5)は、酸価は108、Mnは4,800であった。
【0064】
製造例10
製造例5において、(b−1)24部、(c−1)18.5部に代えて、(b−1)33部、1−ヘキサトリアコンテン(C36のα−オレフィン)(c−3)200部を用いたこと以外は製造例5と同様に行い、ポリオレフィン樹脂改質剤(A−6)を得た。(A−6)は、酸価は57、Mnは7,000であった。
【0065】
製造例11
製造例5において、(b−1)24部、(c−1)18.5部に代えて、アクリル酸(b−2)[商品名「アクリル酸」、日本触媒(株)製]17.6部、(c−1)18.5部を使用し、さらに1−オクタデセン[商品名「リニアレン18」、出光興産(株)製、C18のα−オレフィン](c−4)2.7部を用いたこと以外は、製造例5と同様に行い、ポリオレフィン樹脂改質剤(A−7)を得た。(A−7)は、酸価は95、Mnは5,000であった。
【0066】
製造例12
製造例5において、(a―1)100部、(b−1)24部、(c−1)18.5部に代えて、(a0−1)100部、マレイン酸(b−3)[商品名「マレイン酸」、和光純薬工業(株)製]5部、(c−1)3部を用いたこと以外は、製造例5と同様に行い、ポリオレフィン樹脂改質剤(A−8)を得た。(A−8)は、酸価は45、Mnは105,000であった。
【0067】
製造例13
製造例5において、(a―1)100部、(b−1)24部、(c−1)18.5部に代えて、(a−1)100部、(b−1)150部、(c−1)150部を用いたこと以外は、製造例5と同様に行い、ポリオレフィン樹脂改質剤(A−9)を得た。(A−9)は、酸価は214、Mnは6,000であった。
【0068】
比較製造例1
製造例5において、(b−1)24部、(c−1)18.5部に代えて、(b−1)11部を使用し、(c−1)を使用しなかったこと以外は、製造例5と同様に行いポリオレフィン樹脂改質剤(比A−1)を得た。(比A−1)は、酸価は50、Mnは3,500であった。
【0069】
比較製造例2
製造例5において、(b−1)24部、(c−1)18.5部に代えて、(b−1)27部、1−ブテン(比c−1)7部を用いたこと以外は、製造例5と同様に行い、ポリオレフィン樹脂改質剤(比A−2)を得た。(比A−2)は、酸価は57、Mnは3,500であった。
【0070】
比較製造例3
製造例5において、(c−1)18.5部に代えて、1−ペンタコンテン(C50のα−オレフィン)(比c−2)120部を用いたこと以外は、製造例5と同様に行い、ポリオレフィン樹脂改質剤(比A−3)を得た。(比A−3)は、酸価は57、Mnは3,000であった。
【0071】
実施例1〜13、比較例1〜8
(A−1)〜(A−7)、(比A−1)〜(比A−3)、市販の低分子量改質剤(比A−4)[脂肪族エステル系非イオン界面活性剤、商品名「ケミスタット1100」、三洋化成工業(株)製]、市販のポリプロピレン(B−1)[商品名「サンアロマーPL500A」、サンアロマー(株)製、Mn300,000]、市販のポリエチレン(B−2)[商品名「ノバテックHJ490」、日本ポリエチレン(株)製、Mn300,000]および市販のエチレン/プロピレン共重合体(B−3)[商品名「サンアロマーPB222A」、サンアロマー(株)製、Mn350,000]を、表1の配合組成(部)に従って、それぞれヘンシエルミキサで3分間ブレンドした後、ベント付き2軸押出機にて、180℃、100rpm、滞留時間5分の条件で溶融混練してポリオレフィン樹脂組成物を得た。各ポリオレフィン樹脂組成物を後述するスパンボンド不織布製造方法で得られたポリオレフィン樹脂不織布を後述の評価方法に従って評価した。結果を表1に示す。
【0072】
[スパンボンド製造方法]
各ポリオレフィン樹脂組成物を230℃に加熱され温度調節された紡糸ノズルから溶融紡糸し、冷却装置で35℃、65%R.H.の冷却風を吹き当てて冷却し、糸条牽引エアージェット装置にて4,500m/分の紡速で牽引細化延伸し、引き続き、吸引装置から排出された糸条群を開繊させた後、塊状の繊維を得る。次いで、この移動堆積装置上に形成された塊状の繊維に、150℃に加熱されたエンボス装置を用いて部分的に熱圧着を施すことにより繊維径2.5dtex、目付け量40g/m2の不織布を得た。
【0073】
<評価方法>
1.引張強度[単位:(N/50mm)/(g/m2)]
幅50mm、縦方向の測定長さ200mmに裁断した不織布を、JIS L−1906 5.3.1(2000)に準拠して測定した。
【0074】
2.濡れ性(単位:mN/m)
各不織布をプレス機[型番「TABLE TYPE TEST PRESS SA−302」、テスター産業(株)製]を用い、180℃、5.0MPaの条件で溶融、加圧して成形し、フィルムにした。そのフィルムの濡れ張力をJIS K6768に準拠して測定した。濡れ張力が大であるほど濡れ性が良好であることを示す。
3.濡れ性の持続性(単位:mN/m)
各不織布を50℃に調整した循風恒温器[商品名「DN410H」、ヤマト科学(株)製]中に30日間静置したものを10分間水洗浄した後、50℃の循風乾燥機で乾燥させた。その各不織布を上記2.と同様に濡れ張力を測定した。
【0075】
4.不織布の保水率(単位:%)
気温25℃、湿度65%の雰囲気下で5時間静置した各不織布試験片(タテ5cm×ヨコ5cm)の重量(W0)を測定する。次に温度25℃の水中に試験片を1時間浸漬した後、水中から引き上げて気温25℃、湿度65%の雰囲気下で10分間吊した後、試験片の重量(W1)を測定し、次式より保水率を算出した。

保水率(%)=(W1−W0)×100/W0

5.不織布の保水率の持続性(単位:%)
上記4.の評価後の各不織布試験片を40℃の水に1時間浸積した後、50℃の循風乾燥機で乾燥させた。この手順をさらに4回、合計5回行った。乾燥後の各不織布試験片を上記4.と同様に不織布の保水率を算出した。
【0076】
【表1】

【0077】
表1の結果から、本発明の衛生材料用ポリオレフィン樹脂不織布は、比較のものに比べ機械的強度および水に対する優れた濡れ性を有し、その持続性にも優れていることがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明の衛生材料用ポリオレフィン樹脂不織布は、不織布の機械的強度を低下させることなく水に対する濡れ性を付与することに優れ、さらに濡れ性の持続性にも優れることから、紙おむつ、マスク、フィルター、ガーゼおよび包帯等の衛生材料用途に適用することができ極めて有用である。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリオレフィン(a)、不飽和(ポリ)カルボン酸(無水物)(b)および炭素数6〜36のα−オレフィン(c)を含有し、スチレンもしくはスチレン誘導体を含有しない共重合成分をラジカル開始剤(d)の存在下で共重合させてなるポリオレフィン樹脂改質剤(A)、およびポリオレフィン樹脂(B)を含有してなるポリオレフィン樹脂組成物からなる衛生材料用ポリオレフィン樹脂不織布。
【請求項2】
(b)が、不飽和ジカルボン酸(無水物)である請求項1記載の不織布。
【請求項3】
(a)が、分子鎖中および/または分子末端に炭素数1,000個当たり0.1〜20個の不飽和結合を有する請求項1または2記載の不織布。
【請求項4】
(a)が、数平均分子量30,000〜400,000のポリオレフィンの熱減成物である請求項1〜3のいずれか記載の不織布。
【請求項5】
(a)、(b)および(c)の合計重量に基づく割合が、(a)が30〜98%、(b)が0.03〜40%、(c)が0.6〜65%である請求項1〜4のいずれか記載の不織布。
【請求項6】
(A)と(B)の重量比が、1/99〜40/60である請求項1〜5のいずれか記載の不織布。
【請求項7】
不織布を溶融し成形してなるフィルムの濡れ張力が、33〜50mN/mである請求項1〜6のいずれか記載の不織布。
【請求項8】
衛生材料が、紙おむつ、マスク、フィルター、ガーゼおよび包帯からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜7のいずれか記載の不織布。

【公開番号】特開2013−108204(P2013−108204A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−236573(P2012−236573)
【出願日】平成24年10月26日(2012.10.26)
【出願人】(000002288)三洋化成工業株式会社 (1,719)
【Fターム(参考)】