説明

衛生洗浄装置

【課題】給水源から洗浄水が供給されている状態であっても、供給配管を容易に取り付け及び取り外しでき、かつ供給配管の取り付け及び取り外しの際の水漏れを抑制することができる衛生洗浄装置を提供すること。
【解決手段】身体を洗浄するための洗浄水を吐水する吐水部と、前記吐水部に前記洗浄水を供給する供給配管と、を有する衛生洗浄本体部と、外部電源に接続され前記外部電源から電力が供給される給電部と、前記洗浄水の給水源と、前記供給配管と、の間に設けられるノーマルクローズ型の電磁弁を有する給水接続部と、を備え、前記電磁弁は、前記給電部を介して供給された前記電力に基づく制御電力により開き、前記給水源から前記給水接続部に前記洗浄水が供給されている状態において、前記給水接続部への前記供給配管の取り付け及び取り外しが可能とされたことを特徴とする衛生洗浄装置が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の態様は、一般的に、衛生洗浄装置に関し、具体的には便器に取り付けられ、洗浄水によって身体を洗浄する機能を備えた衛生洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
衛生洗浄装置を便器に取り付ける時や便器から取り外す時には、給水配管の着脱とともに、電気配線の着脱も行われる。
多くの衛生洗浄装置では、給水配管や電気配線が便座の後方に配置されている。このため、作業者は入り込み難い狭い場所で脱着作業を行わなければならない。しかも、床面に近いところでの作業を強いられるため、作業性の点で改善の余地がある。
【0003】
特許文献1では、衛生洗浄装置の着脱の作業性を向上させる観点から、便座取付面の上面または後方側立面に給水給電の接続部を設置し、給水管の取り外しが容易に行える構造の衛生洗浄装置が提案されている。この構造では、給水管の取り付けや取り外しと同時に止水弁が動作するため、給水管の取り付けや取り外しを容易に行うことができる。
【0004】
しかしながら、特許文献1で開示された構造では、給水管の取り付け及び取り外しと同時に止水弁が作動するため、水圧がかかったままの状態で作業を行わなければならない。このため、給水接続部への給水管の取り付け、取り外しの際の操作力を大きくする必要がある。また、給水接続部への給水管の取り付け、取り外しの際に止水弁が閉じるタイミングによっては、多少の漏水が生ずることもあり得る。これを回避するためには、着脱作業前に給水源の元栓を閉じる必要があり、そのぶんだけ作業の手間が増えてしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3591485号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、給水源から洗浄水が供給されている状態であっても、供給配管を容易に取り付け及び取り外しでき、かつ供給配管の取り付け及び取り外しの際の水漏れを抑制することができる衛生洗浄装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明は、身体を洗浄するための洗浄水を吐水する吐水部と、前記吐水部に前記洗浄水を供給する供給配管と、を有する衛生洗浄本体部と、外部電源に接続され前記外部電源から電力が供給される給電部と、前記洗浄水の給水源と、前記供給配管と、の間に設けられるノーマルクローズ型の電磁弁を有する給水接続部と、を備え、前記電磁弁は、前記給電部を介して供給された前記電力に基づく制御電力により開き、前記給水源から前記給水接続部に前記洗浄水が供給されている状態において、前記給水接続部への前記供給配管の取り付け及び取り外しが可能とされたことを特徴とする衛生洗浄装置である。
【0008】
この衛生洗浄装置によれば、衛生洗浄本体部の便座への取り付け及び便座からの取り外し作業を行う際、電磁弁への制御電力の供給を遮断し、電磁弁を閉の状態にするだけで、供給配管への洗浄水の供給を停止することができる。このため、供給配管に水圧がかからない状態となって、供給配管の取り付け及び取り外しを容易に行うことができるようになる。しかも、電磁弁によって確実に止水されるため、漏水の危険がない状態で作業を行うことができる。よって、作業者の施工性が大幅に向上する。
【0009】
また、第2の発明は、第1の発明において、前記衛生洗浄本体部と前記給水接続部とのあいだには、前記電磁弁へ前記制御電力を供給する電力供給部が設けられ、前記制御電力が前記電力供給部を通過して前記電磁弁を開かせることを特徴とする衛生洗浄装置である。
【0010】
この衛生洗浄装置によれば、衛生洗浄本体部への電力供給を遮断するだけで、電磁弁を確実に閉じることができる。このため、衛生洗浄本体部の取り外し作業において電源部からの電力供給が遮断されると、電磁弁が閉じて漏水の発生を抑制することができる。
【0011】
また、第3の発明は、第2の発明において、前記供給配管に前記給水接続部を取り付ける際に、前記供給配管の前記給水接続部への接続が行われた後に、前記電力供給部を介して前記制御電力が前記電磁弁へ供給されることを特徴とする衛生洗浄装置である。
【0012】
この衛生洗浄装置によれば、供給配管を給水接続部に接続する前に、電磁弁へ制御電力が供給されることはない。このため、電磁弁によって確実に止水された状態で、供給配管の接続作業を行うことができる。よって、衛生洗浄本体部の取り付けに伴う供給配管の取り付けを、水圧がかからない状態で、かつ漏水の危険がない状態で、行うことができる。したがって、作業者にとって、施工性が大幅に向上する。
【0013】
また、第4の発明は、第2または第3の発明において、前記供給配管を前記給水接続部から取り外す際に、前記供給配管が前記給水接続部から取り外される前に、前記電力供給部を介した前記電磁弁への前記制御電力の供給が停止されることを特徴とする衛生洗浄装置である。
【0014】
この衛生洗浄装置によれば、供給配管を給水接続部から取り外す前に、必ず電磁弁への制御電力の供給が停止され、止水状態となる。このため、衛生洗浄本体部の取り外しに伴う供給配管の取り外しを、水圧がかからない状態で、かつ漏水の危険がない状態で、行うことができる。したがって、作業者にとって、施工性が大幅に向上する。
【0015】
また、第5の発明は、第2乃至第4のいずれかの発明において、前記電力供給部が配置された位置は、前記給水接続部の前記供給配管が接続される位置よりも上方であることを特徴とする衛生洗浄装置である。
【0016】
この衛生洗浄装置によれば、供給配管を給水接続部から取り外す際、供給配管内にわずかにある洗浄水が下方へ垂れても、給水接続部の供給配管が接続される位置よりも上方にある電力供給部には垂れた洗浄水はかからない。よって、供給配管を取り外す際の電力供給部への被水を防止できる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の態様によれば、給水源から洗浄水が供給されている状態であっても、供給配管を容易に取り付け及び取り外しでき、かつ供給配管の取り付け及び取り外しの際の水漏れを抑制することができる衛生洗浄装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】第1の実施形態に係る衛生洗浄装置を備えたトイレ装置を例示する模式的斜視図である。
【図2】衛生洗浄本体部の着脱の状態を例示する模式的斜視図である。
【図3】給水接続部の構造を説明する一部破断の模式的斜視図である。
【図4】第1の実施形態に係る衛生洗浄装置の要部構成を例示するブロック図である。
【図5】第1の実施形態に係る衛生洗浄装置の要部構成の他の具体例を例示するブロック図である。
【図6】衛生洗浄本体部を取り外す状態を例示する模式図である。
【図7】衛生洗浄本体部を取り付ける状態を例示する模式図である。
【図8】第2の実施形態に係る衛生洗浄装置の要部構成を例示するブロック図である。
【図9】第2の実施形態に係る衛生洗浄装置の要部構成の他の具体例を例示するブロック図である。
【図10】衛生洗浄本体部を取り外す状態を例示する模式図である。
【図11】衛生洗浄本体部を取り付ける状態を例示する模式図である。
【図12】給水接続部の他の例を説明する模式的斜視図である。
【図13】他のトイレ装置へ衛生洗浄装置を取り付けた状態を例示する模式的斜視図である。
【図14】他のトイレ装置から衛生洗浄装置を取り外した状態を例示する模式的斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0020】
(第1の実施形態)
先ず、第1の実施形態に係る衛生洗浄装置の例を説明する。
図1は、第1の実施形態に係る衛生洗浄装置を備えたトイレ装置を例示する模式的斜視図である。
図1に表したトイレ装置は、洋式腰掛便器(便器800)と、その上に設けられた衛生洗浄装置110と、を備える。衛生洗浄装置110は、衛生洗浄本体部100と、給電部500と、給水接続部600と、を備える。
【0021】
衛生洗浄本体部100は、ケーシング400と、便座200と、便蓋300と、を有する。便座200と便蓋300とは、ケーシング400に対して開閉自在にそれぞれ軸支されている。便蓋300は、閉じた状態において便座200の上方を覆うことができる。
【0022】
ここで、本実施形態では、衛生洗浄本体部100の便座200の着座面200aの側を上方向(上方)、これと反対側を下方向(下方)、衛生洗浄装置110の便座200が軸支される側を後方向(後方)、これと反対側を前方向(前方)、上下方向及び前後方向と直交する方向のうち後方に向いて右側を右方向(右側方)、左側を左方向(左側方)、ということにする。
【0023】
便座200の内部には、必要に応じてヒータ(図示せず)が設けられており、便座200を暖めることができるようになっている。ヒータには、例えば「シーズヒータ」や、「ハロゲンヒータ」や、「カーボンヒータ」が用いられる。
【0024】
また、便座200を加熱する手段として、便座200または便蓋300の内部に、高周波電流が通電されることにより磁界を発生する誘導加熱コイル(図示せず)が設けられていてもよい。この場合、便座200には、誘導加熱コイルから発生した磁界により誘導加熱される導電体が設けられる。
【0025】
ケーシング400の内部には、衛生洗浄装置110としての機能部が併設されている。すなわち、ケーシング400には、便座200に座った使用者の「おしり」などに向けて洗浄水を噴出する吐水ノズル410を有する衛生洗浄機能部が内蔵されてる。なお、本願明細書において「洗浄水」という場合には、給水源から供給される通常の水、殺菌処理等を施した水も含まれるものとする。また、「水」には、冷水のみならず、加熱されたお湯も含まれるものとする。
【0026】
また、ケーシング400の内部には、便座200に座った使用者の「おしり」などに向けて温風を吹き付けて乾燥させる「温風乾燥機能」や「脱臭ユニット」や「室内暖房ユニット」などの各種の機構が適宜設けられていてもよい。
【0027】
衛生洗浄本体部100には供給配管P1が設けられている。給水源から供給される洗浄水は、供給配管P1を介して衛生洗浄機能部に供給される。
【0028】
給電部500は、例えば、交流100ボルトの外部電源に接続され、衛生洗浄本体部100に電力を供給する。図1に表した具体例においては、給電部500は、コンセントである。
【0029】
給水接続部600は、洗浄水の給水源と、衛生洗浄本体部100に設けられた供給配管P1と、の間に設けられる。すなわち、給水接続部600の上流側には給水源から洗浄水を供給する供給管(図示せず)が接続され、給水接続部600の下流側には供給配管P1が接続される。
【0030】
供給配管P1は、給水接続部600に対して着脱自在に接続される。例えば、衛生洗浄本体部100を便器800から取り外す際、衛生洗浄本体部100の取り外しによる移動とともに供給配管P1が給水接続部600から取り外される。
一方、衛生洗浄本体部100を便器800に取り付ける際、衛生洗浄本体部100の取り付けによる移動とともに供給配管P1が給水接続部600に取り付けられる。
【0031】
給水接続部600には、ノーマルクローズ型の電磁弁650が設けられている。電磁弁650は、給電部500を介して供給された電力に基づく制御電力が供給されている間、開状態になる。後に詳述するように、制御電力としては、給電部500に供給される電力(例えば、交流100ボルト)をそのまま用いてもよいし、図示しない電源回路により変換された電力(例えば、直流12ボルト)を用いてもよい。
電磁弁650は、制御電力が供給されない間、閉状態になる。すなわち、給水接続部600に設けられた電磁弁650の動作によって、給水源から供給された洗浄水の供給配管P1への通水が制御される。本実施形態では、電磁弁650に制御電力が供給されている状態で供給配管P1への通水が行われ、制御電力が供給されていない状態で供給配管P1への通水が遮断される。
【0032】
図2は、衛生洗浄本体部の着脱の状態を例示する模式的斜視図である。
図2(a)では、衛生洗浄本体部100が便器800に装着されている状態を示し、図2(b)では、衛生洗浄本体部100が便器800から外された状態を示している。
図2(b)に表したように、便器800の上面800aの後方には、ベースプレート700が固定されている。ベースプレート700は、便器800に例えばネジによって固定されている。衛生洗浄本体部100は、ベースプレート700を介して便器800に固定される。
【0033】
衛生洗浄本体部100は、ベースプレート700のガイド701に沿ってスライドし、装着位置で固定される。図2(a)に表した衛生洗浄本体部100は、ベースプレート700の装着位置で固定された状態になっている。
衛生洗浄本体部100を便器800から取り外すには、図示しない固定解除ボタンまたはレバーを操作すると、ベースプレート700に対する衛生洗浄本体部100の固定が解除され、衛生洗浄本体部100をベースプレート700のガイド701に沿ってスライドさせることができるようになる。これにより、図2(b)に表したように、衛生洗浄本体部100をスライドさせ、ベースプレート700から取り外すことができる。
【0034】
本実施形態に係る衛生洗浄本体部100では、このような衛生洗浄本体部100の便器800に対する取り付け及び取り外しを行う際に、供給配管P1の給水接続部600に対する取り付け及び取り外しも行われる。
【0035】
給水接続部600は、例えばベースプレート700に取り付けられている。すなわち、給水接続部600は便器800に対して固定されており、衛生洗浄本体部100を便器800に取り付ける際には、衛生洗浄本体部100に設けられた供給配管P1が給水接続部600の接続孔610に挿入される。一方、衛生洗浄本体部100を便器800から取り外す際には、衛生洗浄本体部100を便器800から引き離すことによって供給配管P1が給水接続部600の接続孔610から抜けるようになっている。
これにより、衛生洗浄本体部100の取り付け及び取り外しと一緒に供給配管P1の取り付け及び取り外しも行うことができる。
【0036】
本実施形態に係る衛生洗浄本体部100では、給水接続部600にノーマルクローズ型の電磁弁650が設けられており、給水源から洗浄水が供給されている状態であっても、給水接続部600と供給配管P1との取り付け及び取り外しを行うことが可能になっている。
【0037】
すなわち、本実施形態に係る衛生洗浄本体部100は、供給配管P1を給水接続部600に取り付ける際には、供給配管P1の給水接続部600への取り付けが行われた後に電磁弁650へ制御電力が供給され、供給配管P1への通水が行われる構造となっている。したがって、供給配管P1への通水が行われていない状態で供給配管P1の給水接続部600への取り付けを行うことができる。
【0038】
一方、供給配管P1を給水接続部600から取り外す際には、供給配管P1が給水接続部600から取り外される前に電磁弁650への制御電力の供給が停止され、供給配管P1への通水が遮断される構造となっている。したがって、供給配管P1への通水が行われていない状態で供給配管P1を給水接続部600から取り外すことができる。具体的な接続構造については、以下にて、説明する。
【0039】
図3は、給水接続部の構造を説明する一部破断の模式的斜視図である。
図3に表したように、給水接続部600には上流側の接続孔620と、下流側の接続孔610と、が設けられ、接続孔620と接続孔610との間にノーマルクローズ型の電磁弁650が設けられている。上流側の接続孔620には給水源側の給水管P2が接続されている。
【0040】
下流側の接続孔610の孔の向きは、ベースプレート700のガイド701に沿ってスライドする衛生洗浄本体部100の移動方向Xに沿っている。
一方、衛生洗浄本体部100に設けられた供給配管P1の延出方向も、移動方向Xに沿っている。
また、接続孔610と供給配管P1との配置関係は、衛生洗浄本体部100がベースプレート700のガイド701に沿ってスライドする際、供給配管P1の延出方向の軸と、接続孔610の孔の軸と、が合致する位置関係になっている。
【0041】
したがって、衛生洗浄本体部100をベースプレート700に装着し、ガイド701に沿ってスライドさせるだけで、供給配管P1が接続孔610に挿入されることになる。接続孔610の内周面にはOリング(図示せず)等のシール材が設けられており、供給配管P1の先端側の一部がシール材の位置を超えて挿入されると、十分な漏水防止機能を発揮できるようになっている。また、衛生洗浄本体部100がベースプレート700の固定位置まで装着されると、供給配管P1は接続孔610の奥までしっかりと挿入され、より確実な接続がなされる。
【0042】
また、給水接続部600及び衛生洗浄本体部100のケーシング400には、電力供給部160が設けられている。電力供給部160は、給水接続部600の電磁弁650に制御電力を供給する部分である。
【0043】
電力供給部160は、例えば電極端子160A及び160Bを備えている。電極端子160Aは給水接続部600側に設けられる。電極端子160Bは衛生洗浄本体部100のケーシング400側に設けられる。電極端子160Aは例えば凹型端子、電極端子160Bは例えば凸型端子になっている。これにより、衛生洗浄本体部100をベースプレート700に装着し、ガイド701に沿ってスライドさせるだけで、電極端子160Aに電極端子160Bが挿入され、電気的な接続が完了する。一方、衛生洗浄本体部100をベースプレート700から取り外すと、電極端子160Bから電極端子160Aが抜けて、電気的な接続も解除される。
【0044】
このような給水接続部600の構造によって、ベースプレート700を介した衛生洗浄本体部100の取り付け及び取り外しとともに、供給配管P1の取り付け及び取り外し、並びに電力供給部160の電気的な接続及び解除が行われることになる。
【0045】
図4は、第1の実施形態に係る衛生洗浄装置の要部構成を例示するブロック図である。
なお、図4では、水路系を白矢印、電気系を黒矢印で示している。
衛生洗浄装置110の水路系においては、給水源20から止水弁21を介して給水接続部600の電磁弁650に洗浄水が送られる。なお、止水弁21は、衛生洗浄本体部100の調圧弁130の上流側に設けられていてもよい。
【0046】
給水接続部600に設けられた電磁弁650には、止水弁21の下流側に設けられた給水管P2が接続される。給水接続部600の下流側の接続孔610には、衛生洗浄本体部100の供給配管P1が接続される。
【0047】
衛生洗浄本体部100の水路系には、調圧弁130、熱交換ユニット140及び流量調整弁ユニット150が設けられている。調圧弁130の上流側には供給配管P1が接続され、給水源20から給水接続部600及び供給配管P1を介して送られた洗浄水が供給される。
【0048】
調圧弁130の下流側に設けられた熱交換ユニット140では、流路を通過する洗浄水を所定の温度まで暖めて、流量調整弁ユニット150に送る。流量調整弁ユニット150は、下流に設けられた衛生洗浄機能部(吐水部)401に所定の流量の洗浄水を供給する。流量調整弁ユニット150は、衛生洗浄機能部401に設けられた身体洗浄用の吐水ノズル410及びノズル洗浄室490に洗浄水を供給する。
【0049】
衛生洗浄装置110の電気系には、制御部1000、操作部1500、ノズルモータ480及び着座センサ470などが設けられている。また、電源回路510が設けられている。電源回路510は、給電部500を介して供給された電力(例えば、交流100ボルト)を適宜変換し(例えば、直流12ボルト)て、電気系に供給する。なお、電源回路510は、例えば、直流12ボルトと直流5ボルトのように、複数種類の電圧の電力を電気系に供給してもよいし、給電部500を介して供給された電力をそのまま供給してもよい。例えば、制御部1000には直流5ボルトを供給し、熱交換ユニット140には、交流100ボルトを供給してもよい。
【0050】
電源回路510は、外部電源30から送られた電力PWに基づき、制御部1000に電力PW1を送る。また、電源回路510は、電磁弁650に制御電力PW2を送る。
制御部1000は、熱交換ユニット140、流量調整弁ユニット150及びノズルモータ480を制御する。制御部1000には、着座センサ470等の各種センサからの信号が送られる。また、制御部1000には、操作部1500から操作のための信号が送られる。
【0051】
利用者は、操作部1500のボタン等を操作して、洗浄動作、水温調整、水圧調整等の所望の動作及び設定を制御部1000に指示する。制御部1000は、各種センサ及び操作部1500から送られる信号に基づき、各部に制御信号を送り、利用者の所望の動作を実行する。なお、操作部1500には、便座200に取り付けられるもののほか、リモートコントローラも含まれる。リモートコントローラの場合、操作部1500は衛生洗浄本体部100には含まれない。
【0052】
電源回路510から出力される制御電力PW2は、衛生洗浄本体部100と給水接続部600との間に設けられた電力供給部160に送られる。制御電力PW2は、衛生洗浄本体部100から電力供給部160を通過して電磁弁650に供給される。制御電力PW2が供給されている間、電磁弁650は開状態になる。電磁弁650が開状態になると、給水源20から給水管P2を介して供給された洗浄水は、電磁弁650を通過して、供給配管P1から衛生洗浄本体部100へ供給される。
【0053】
一方、電力供給部160の電極端子160A及び160B(図3参照)の接触が解除されると、電磁弁650には制御電力PW2が供給されなくなる。これにより、電磁弁650は閉状態になる。電磁弁650が閉状態になると、給水源20から給水管P2を介して供給された洗浄水は、電磁弁650で遮断され、供給配管P1には供給されなくなる。
図5は、第1の実施形態に係る衛生洗浄装置の要部構成の他の具体例を例示するブロック図である。
本具体例においては、電源回路510は、衛生洗浄本体部100とは別体として設けられている。そして、電源回路510と衛生洗浄本体部100とを接続する電源線を介して、電力PW1と制御電力PW2とがそれぞれ供給される。なお、図5では便宜上、2種類の電源線のみを表したが、これら以外にも、例えば交流100ボルトや、他の電圧の直流電力などを供給する電源線を設けてもよい。
【0054】
次に、衛生洗浄本体部100の取り付け及び取り外しにともなう供給配管P1及び電力供給部160の接続及び解除の動作について説明する。
図6は、衛生洗浄本体部を取り外す状態を例示する模式図である。
図7は、衛生洗浄本体部を取り付ける状態を例示する模式図である。
【0055】
先ず、衛生洗浄本体部100を取り外す際の動作を説明する。
図6(a)に表したように、衛生洗浄本体部100を便器800に取り付けた状態では、まず最初に、給水接続部600の接続孔610に衛生洗浄本体部100の供給配管P1が挿入されている。また、電力供給部160の電極端子160A及び160Bは接触しており、電磁弁650に制御電力PW2が供給される。これにより、電磁弁650は開状態になって、給水源20から給水管P2を介して給水接続部600に送られた洗浄水は、電磁弁650を通過して、供給配管P1から衛生洗浄本体部100に送られる。
【0056】
図6(b)に表したように、衛生洗浄本体部100を給水接続部600から引き離すと、電力供給部160の電極端子160Aと160Bとの接触が解除される。これにより、電磁弁650に供給されていた制御電力PW2が遮断され、電磁弁650は閉状態になる。
【0057】
ここで、電極端子160Aと160Bとの接触が解除された段階では、供給配管P1は接続孔610内のシール材610aの位置よりも奥に挿入されている。すなわち、供給配管P1が接続孔610から抜けるよりも前に、電磁弁650への制御電力PW2の供給が遮断され、電磁弁650を閉状態にすることができる。
電磁弁650が閉状態になることで、給水源20から送られた洗浄水は、電磁弁650で遮断され、供給配管P1へは通水されない。
【0058】
続いて、衛生洗浄本体部100をさらに給水接続部600から引き離すと、図6(c)に表したように、供給配管P1が給水接続部600の接続孔610から引き抜かれる状態になる。この状態では、既に供給配管P1に水圧はかかっておらず、容易に引き抜くことが可能となる。
【0059】
このように、衛生洗浄本体部100の取り外しでは、給水源20から給水接続部600に洗浄水が供給されたままの状態(例えば、止水弁21によって給水を止めない状態)であっても、供給配管P1を接続孔610から簡単に引き抜くことができる。したがって、衛生洗浄本体部100の取り外し作業を非常に簡単に行うことが可能となる。
【0060】
次に、衛生洗浄本体部100を取り付ける際の動作を説明する。
図7(a)に表したように、衛生洗浄本体部100と給水接続部600とが完全に離れている状態では、電磁弁650に制御電力PW2が供給されず、電磁弁650は閉状態になっている。これにより、給水源20から給水接続部600に洗浄水が送られてきても、電磁弁650で遮断される。
【0061】
次に、図7(b)に表したように、衛生洗浄本体部100を給水接続部600に近づけて、供給配管P1を給水接続部600の接続孔610に挿入する。ここで、供給配管P1が接続孔610内のシール材610aの位置よりもわずかに奥まで挿入された状態では、電力供給部160の電極端子160Aと電極端子160Bとは接触しない。このため、電磁弁650には制御電力PW2は供給されず、閉状態のままである。
【0062】
さらに衛生洗浄本体部100を給水接続部600に近づけることで、始めて、図7(c)に表したように、電力供給部160の電極端子160Aと電極端子160Bとが接触する状態となる。これにより、制御電力PW2は電力供給部160を通過して電磁弁650に供給される。電磁弁650は制御電力PW2の供給によって開状態になる。ここで、電磁弁650が開状態になるのは、供給配管P1が接続孔610に挿入された後、すなわち、供給配管P1が接続孔610内のシール材610aの位置よりも奥に挿入された後である。したがって、電磁弁650が開状態になって、洗浄水の通水が開始された段階では、既に供給配管P1と接続孔610との間の密閉性が確保されており、漏水の心配はない。
【0063】
このように、衛生洗浄本体部100の取り付けでは、給水源20から給水接続部600に洗浄水が供給されたままの状態(例えば、止水弁21によって給水を止めない状態)であっても、供給配管P1を接続孔610に挿入する際には水圧がかかっていないため、簡単に挿入することができる。したがって、衛生洗浄本体部100の取り付け作業を非常に簡単に行うことが可能となる。
【0064】
なお、電極端子160Aと電極端子160Bとの接触及び非接触が切り替わる際において、供給配管P1は接続孔610になるべく深く挿入されていることが望ましい。例えば、衛生洗浄本体部100をベースプレート700に装着し、後方にスライドさせて固定位置に至るわずかに手前の状態で電極端子160Aと電極端子160Bとの接触が行われるようにするとよい。これにより、供給配管P1が接続孔610にしっかりと挿入されている状態で、電磁弁650の開閉の切り替わりが行われることになり、供給配管P1の取り付け及び取り外しの際の漏水を効果的に抑制できることになる。
【0065】
本実施形態では、衛生洗浄本体部100を便器800に取り付け及び取り外しする際の動作だけで、供給配管P1への通水及び遮断を簡単に行うことができる。したがって、作業者によって施工性が大幅に向上することになる。
【0066】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係る衛生洗浄装置の例を説明する。
図8は、第2の実施形態に係る衛生洗浄装置の要部構成を例示するブロック図である。
図8では、水路系を白矢印、電気系を黒矢印で示している。
第2の実施形態に係る衛生洗浄装置110Aは、第1の実施形態に係る衛生洗浄装置110と、水路系は同じであるが、電気系が相違する。
【0067】
すなわち、図8に表したように、衛生洗浄装置110Aでは、給電部500から給水接続部600へ電力PWが直接供給される。電磁弁650へ送られる制御電力PW2は、外部電源30の電力PWと同じである。外部電源30から送られる電力は、給水接続部600内で分岐しており、電力供給部161を通過して衛生洗浄本体部100に設けられた電源回路510へ送られる。
【0068】
給電部500から送られる制御電力PW2は、スイッチSW1によって断続される。すなわち、スイッチSW1が閉状態になると、給電部500から送られた制御電力PW2は電磁弁650に供給される。一方、スイッチSW1が開状態になると、制御電力PW2は電磁弁650には供給されない。
【0069】
スイッチSW1は、例えば給水接続部600に取り付けられている。スイッチSW1は、衛生洗浄本体部100が給水接続部600に近づくと閉状態になる。また、スイッチSW1は、衛生洗浄本体部100が給水接続部600から離れると開状態になる。
図9は、第2の実施形態に係る衛生洗浄装置の要部構成の他の具体例を例示するブロック図である。
本具体例においては、電源回路510が、衛生洗浄本体部100とは別体として設けられている。そして、電源回路510を介して制御電力PW2が電磁弁650に供給され、電力PW1が電力供給部161を通過して衛生洗浄本体部100に設けられた制御部1000に供給される。
なお、図9に表した具体例においては、電源回路510は、給水接続部600とも別体とされているが、本発明はこれに限定されない。すなわち、電源回路510が、給水接続部600に設けられていてもよい。
【0070】
次に、衛生洗浄本体部100の取り付け及び取り外しにともなう供給配管P1及び電力供給部161の接続及び解除の動作について説明する。
図10は、衛生洗浄本体部を取り外す状態を例示する模式図である。
図11は、衛生洗浄本体部を取り付ける状態を例示する模式図である。
【0071】
先ず、衛生洗浄本体部100を取り外す際の動作を説明する。
図10(a)に表したように、衛生洗浄本体部100を便器800に取り付けた状態では、給水接続部600の接続孔610に衛生洗浄本体部100の供給配管P1が挿入されている。また、衛生洗浄本体部100の突起101によりスイッチSW1が押され、閉状態になっている。これにより、給電部500または電源回路510から制御電力PW2が電磁弁650に供給され、電磁弁650は開状態になる。よって、給水源20から給水管P2を介して給水接続部600に送られた洗浄水は、電磁弁650を通過して、供給配管P1から衛生洗浄本体部100に送られる。
【0072】
また、衛生洗浄本体部100を便器800に取り付けた状態では、電力供給部161の電極端子161A及び161Bは接触しており、給電部500から供給された電力PWまたは電源回路510から供給された電力PW1が、電力供給部161を通過して衛生洗浄本体部100へ送られる。
【0073】
図10(b)に表したように、衛生洗浄本体部100を給水接続部600から引き離すと、スイッチSW1を押していた衛生洗浄本体部100の突起101が離れ、スイッチSW1は閉状態になる。これにより、電磁弁650に供給されていた制御電力PW2が遮断され、電磁弁650は閉状態になる。
【0074】
この際、電力供給部161の電極端子161Aと161Bとは未だ接触状態にある。また、この段階では、供給配管P1は接続孔610内のシール材610aの位置よりも奥に挿入されている。すなわち、供給配管P1が接続孔610から抜けるよりも前に、電磁弁650への制御電力PW2の供給が、確実に遮断され、電磁弁650を閉状態にすることができる。
電磁弁650が閉状態になることで、給水源20から送られた洗浄水は、電磁弁650で遮断され、供給配管P1へは通水されない。
【0075】
続いて、衛生洗浄本体部100をさらに給水接続部600から引き離すと、図10(c)に表したように、供給配管P1が給水接続部600の接続孔610から引き抜かれる状態になる。この状態では、既に供給配管P1に水圧はかかっておらず、容易に引き抜くことが可能となる。また、電力供給部161の電極端子161Aと電極端子161Bとの接触が解除さる。これにより、衛生洗浄本体部100に供給されていた電力PWまたはPW1が、確実に遮断される。
【0076】
このように、衛生洗浄本体部100の取り外しでは、給水源20から給水接続部600に洗浄水が供給されたままの状態(例えば、止水弁21によって給水を止めない状態)であっても、供給配管P1を接続孔610から簡単に引き抜くことができる。したがって、衛生洗浄本体部100の取り外し作業を非常に簡単に行うことが可能となる。
また、衛生洗浄本体部100の取り外しによって、外部電源30や給電部500と衛生洗浄本体部100との電気配線も分離される。これにより、水路系及び電気系の両方を分離して、衛生洗浄本体部100だけを自由な状態で便器800から取り外すことが可能になる。
【0077】
次に、衛生洗浄本体部100を取り付ける際の動作を説明する。
図11(a)に表したように、衛生洗浄本体部100と給水接続部600とが完全に離れている状態では、スイッチSW1は開状態になっている。このため、電磁弁650に制御電力PW2が供給されず、電磁弁650は閉状態になる。したがって、給水源20から給水接続部600に洗浄水が送られてきても、電磁弁650で遮断される。
【0078】
次に、図11(b)に表したように、衛生洗浄本体部100を給水接続部600に近づけて、供給配管P1を給水接続部600の接続孔610に挿入する。ここで、供給配管P1が接続孔610内のシール材610aの位置よりもわずかに奥まで挿入された状態では、スイッチSW1は突起101によって押されず、開状態のままである。このため、電磁弁650には制御電力PW2は供給されず、閉状態のままである。
【0079】
一方、電力供給部161の電極端子161Aと電極端子161Bとは接触する。これにより、給電部500から供給された電力PWまたは電源回路510から供給された電力PW1は、電力供給部161を通過して衛生洗浄本体部100に送られる。
【0080】
さらに衛生洗浄本体部100を給水接続部600に近づけることで始めて、図11(c)に表したように、衛生洗浄本体部100の突起101がスイッチSW1を押して、すなわちスイッチSW1が閉状態になる。これにより、給電部500または電源回路510から制御電力PW2が電磁弁650に供給される。電磁弁650は制御電力PW2の供給によって開状態になる。ここで、電磁弁650が開状態になるのは、供給配管P1が接続孔610に挿入された後、すなわち、供給配管P1が接続孔610内のシール材610aの位置よりも奥に挿入された後である。したがって、電磁弁650が開状態になって、洗浄水50の通水が開始された段階では、既に供給配管P1と接続孔610との間の密閉性が確保されており、漏水の心配はない。
【0081】
このように、衛生洗浄本体部100の取り付けでは、給水源20から給水接続部600に洗浄水が供給されたままの状態(例えば、止水弁21によって給水を止めない状態)であっても、供給配管P1を接続孔610に挿入する際には水圧がかかっていないため、簡単に挿入することができる。したがって、衛生洗浄本体部100の取り付け作業を非常に簡単に行うことが可能となる。
【0082】
本実施形態では、衛生洗浄本体部100を便器800に取り付け及び取り外しする際の動作だけで、供給配管P1への通水及び遮断を簡単に行うことができる。また、衛生洗浄本体部100を便器800から取り外した際、水路系のほか、電気系の配線も分離されるため、電気配線を引きずることなく衛生洗浄本体部100を単独で取り外すことができるしたがって、作業者によって施工性が大幅に向上することになる。
【0083】
なお、上記説明した衛生洗浄装置110Aにおいて、スイッチSW1は、必ずしも給水接続部600に取り付けられていなくてもよい。すなわち、上記のような供給配管P1の接続孔610への取り付け及び取り外しのタイミングに合わせた電磁弁650の開閉切り替えを行うことができれば、どのような位置に配置されていてもよい。
【0084】
図12は、給水接続部の他の例を説明する模式的斜視図である。
図12(a)に表した給水接続部600Aでは、電力供給部160及び161の位置が、接続孔610の位置よりも上方に配置されている。
【0085】
給水接続部600Aの接続孔610に対して供給配管P1を取り外しする際には、供給配管P1内にわずかに残っている洗浄水が下方へ垂れる可能性がある。給水接続部600Aでは、電力供給部160及び161が接続孔610の位置よりも上方にあるため、接続孔610の付近から洗浄水が垂れても、電力供給部160及び161にかかることを防止できる。これにより、供給配管P1を取り外す際の電力供給部への被水を防止できる。
【0086】
図12(b)に表した給水接続部600Bでは、接続孔610と電力供給部160及び161との間に溝630が設けられている。この溝630があることで、給水接続部600Bの外装に付着した水分が溝630内に入り込み、電力供給部160及び161への被水を抑制することができる。
なお、給水接続部600Bにおいては、溝630の代わりに凸部(壁)を設けてもよい。この凸部によって、給水接続部600Bの外装に付着した水分が、接続孔610の側から電力供給部160及び161の側へ伝わることを防ぐことができる。
【0087】
図13及び図14は、衛生洗浄装置の他のトイレ装置への適用例を例示する模式的斜視図である。
図13では、実施形態に係る衛生洗浄装置110及び110Aを便器800に取り付けた状態を示している。
図14では、実施形態に係る衛生洗浄装置110及び110Aを便器800から取り外した状態を示している。
【0088】
図13に表したように、このトイレ装置では、便器800の斜め上方、後方にロータンク10が配置されている。ロータンク10の側面10bと、便器800の側面800bと、の間にはカバー11が設けられている。このカバー11の内側に、給水管P2が収納されている。給水管P2は、カバー11の内側において、給水接続部600の上流側に接続されている。
衛生洗浄装置110及び110Aが便器800に取り付けられている状態では、供給配管P1は給水接続部600の下流側の接続孔610に接続されている。
【0089】
図14に表したように、衛生洗浄装置110及び110Aを便器800から取り外すと、給水接続部600の接続孔610から供給配管P1が取り外される。衛生洗浄装置110及び110Aの取り外しの際には、供給配管P1が接続孔610から取り外される前に、電磁弁650への制御電力PW2の供給が停止され、電磁弁650が閉状態になっている。したがって、供給配管P1に水圧がかからない状態で、簡単に供給配管P1を接続孔610から取り外すことができる。
【0090】
衛生洗浄装置110及び110Aは、供給配管P1によって給水接続部600と接続されているため、衛生洗浄装置110及び110Aを取り外した際には、便座200側にホース類が残らない。また、図13及び図14に表したトイレ装置では、給水管P2がカバー11の内側に収納されているため、衛生洗浄装置110及び110Aを取り外した状態で、ホース類が外に露出しない。つまり、実施形態に係る衛生洗浄装置110及び110Aをこのトイレ装置に適用すると、衛生洗浄装置110及び110Aを取り外した際の見栄えがよく、清掃性も非常に優れたものとなる。
【0091】
以上説明したように、実施形態に係る衛生洗浄装置110及び110Aによれば、給水源20から洗浄水が供給されている状態であっても、供給配管P1を容易に取り付け及び取り外しでき、かつ供給配管P1の取り付け及び取り外しの際の水漏れを抑制することができるようになる。
【0092】
なお、上記説明した実施形態において、衛生洗浄本体部100が便器800の前後方向にスライドして取り付け及び取り外しできる構造を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、衛生洗浄本体部100を、便器800に対して上下方向に沿って取り付け及び取り外しできる構造、便器800に対して左右方向に沿って取り付け及び取り外しできる構造、及び便器800に対して斜め上下方向に沿って取り付け及び取り外しできる構造、でも適用可能である。
【0093】
また、給水接続部600と供給配管P1との接続では、給水接続部600の接続孔610に供給配管P1を挿入する例を示したが、接続孔610の代わりに接続管を設け、この接続管を供給配管P1に挿入するようにしてもよい。
【0094】
また、実施形態では、衛生洗浄本体部100の便器800に対する取り付け及び取り外しの動作に連動して、供給配管P1の取り付け及び取り外しを行う例を説明したが、本発明発明はこれに限定されない。例えば、衛生洗浄本体部100の取り付け及び取り外しの動作とは別個に、レバー等の操作により供給配管P1及び電力供給部160の取り付け及び取り外しが行われるようになっていてもよい。
【0095】
また、実施形態では、ベースプレート700に衛生洗浄本体部100が装着して衛生洗浄装置110及び110Aを便器800に固定する例を説明したが、ベースプレート700を介さずに固定してもよい。この場合、給水接続部600、600A及び600Bは直接または何らかの支持部材によって便器800に固定されることになる。
【0096】
また、上記実施形態では、衛生洗浄装置110及び110Aに便蓋300が設けられた例を説明したが、便蓋300が設けられていないものであっても適用可能である。
【0097】
以上、本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。
また、前述した各実施形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0098】
20…給水源、21…止水弁、30…外部電源、100…衛生洗浄本体部、110,110A…衛生洗浄装置、160,161…電力供給部、160A,160B,161A,161B…電極端子、200…便座、200a…着座面、300…便蓋、400…ケーシング、500…給電部、510…電源回路、600,600A,600B…給水接続部、610,620…接続孔、610a…シール材、650…電磁弁、700…ベースプレート、701…ガイド、800…便器、800…洋式腰掛便器、P1…供給配管、P2…給水管、PW…電力、PW1…電力、PW2…制御電力、SW1…スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
身体を洗浄するための洗浄水を吐水する吐水部と、前記吐水部に前記洗浄水を供給する供給配管と、を有する衛生洗浄本体部と、
外部電源に接続され前記外部電源から電力が供給される給電部と、
前記洗浄水の給水源と、前記供給配管と、の間に設けられるノーマルクローズ型の電磁弁を有する給水接続部と、
を備え、
前記電磁弁は、前記給電部を介して供給された前記電力に基づく制御電力により開き、
前記給水源から前記給水接続部に前記洗浄水が供給されている状態において、前記給水接続部への前記供給配管の取り付け及び取り外しが可能とされたことを特徴とする衛生洗浄装置。
【請求項2】
前記衛生洗浄本体部と前記給水接続部とのあいだには、前記電磁弁へ前記制御電力を供給する電力供給部が設けられ、
前記制御電力が前記電力供給部を通過して前記電磁弁を開かせることを特徴とする請求項1記載の衛生洗浄装置。
【請求項3】
前記供給配管に前記給水接続部を取り付ける際に、前記供給配管の前記給水接続部への接続が行われた後に、前記電力供給部を介して前記制御電力が前記電磁弁へ供給されることを特徴とする請求項2記載の衛生洗浄装置。
【請求項4】
前記供給配管を前記給水接続部から取り外す際に、前記供給配管が前記給水接続部から取り外される前に、前記電力供給部を介した前記電磁弁への前記制御電力の供給が停止されることを特徴とする請求項2または3に記載の衛生洗浄装置。
【請求項5】
前記電力供給部が配置された位置は、前記給水接続部の前記供給配管が接続される位置よりも上方であることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1つに記載の衛生洗浄装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−67531(P2012−67531A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−213964(P2010−213964)
【出願日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【出願人】(000010087)TOTO株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】