衛生薄葉紙の製造方法
【課題】エンボスが鮮明・明瞭に付与された衛生薄葉紙の製造方法とする。
【解決手段】被加工原紙Woを、エンボスロールE,R間に通して、衛生薄葉紙Wを得る。この際、エンボスロールEを加熱しておく。
【解決手段】被加工原紙Woを、エンボスロールE,R間に通して、衛生薄葉紙Wを得る。この際、エンボスロールEを加熱しておく。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ティッシュペーパー、トイレットペーパー、タオルペーパー、キッチンペーパー、化粧用紙などの衛生薄葉紙の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の衛生薄葉紙は、嵩高性の向上や、吸収性の向上、拭き取り性の向上、肌触り感の改善、見映えの向上などを目的として、エンボスを付与することが、汎用技術となっている。通常、かかるエンボスは、被加工原紙を、表面に雄雌に相当する凹凸が形成された金属ロール間に通して、あるいは、金属ロールとゴムなどからなる弾性ロールとの間に通して付与する。これらの付与方法のうち、前者の方法は、後者の方法に比して、ロールの凹凸形状を被加工原紙に転写し易い、との特性を有する。しかしながら、前者の方法は、長期操業において、ロールのクリアランス調整が難しい、ロールに紙粉等が詰まるなどの、不具合を生じることがある。
【0003】
ところで、衛生薄葉紙に付与するエンボスについては、多くの提案がなされており、本出願人も、いくつかの提案をしている(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。そして、例えば、キッチンペーパーのエンボスに関しては、「Tip to Tip」形態(例えば、特許文献3参照。)や、「ネステッド」形態(例えば、特許文献4参照。)などが、提案されている。
【0004】
前者の「Tip to Tip」形態は、図1に示すように、一方のシート101のエンボス凸部101Aの天部と、他方のシート102のエンボス凸部102Aの天部とが、接着剤3により接着されるものである。他方、後者の「ネステッド」形態は、図2に示すように、一方のシート101のエンボス凸部101Aが、他方のシート102のエンボス凹部102B内に嵌り込み、その嵌り込み域において、空間Hが形成されるように、エンボス凸部1Aの天部とエンボス凹部2Bの底部とが、接着剤3により接着されるものである。これらのエンボスが付与されたキッチンペーパーは、エンボス空間(H)内に、水分や油分を吸収・保持することによって、吸収性能を発揮する。
【0005】
しかしながら、現在の技術では、エンボスを鮮明・明瞭に付与することができないため、エンボス空間(H)を正確に形成することができず、吸収性能が効果的に発揮されていないとの問題がある。また、以上の「Tip to Tip」形態や「ネステッド」形態のほかに、厚み感や見映えの向上などを目的として、被加工原紙に、規則性を有しないエンボスを付与した「ランダム」形態もあるが、エンボスを鮮明・明瞭に付与することができないため、厚み感や見映えが十分に向上しないとの問題がある。そして、エンボスを鮮明・明瞭に付与することができないとの問題は、坪量の低くさや、紙厚の薄さなどを大きな要因とするため、かかる問題は、衛生薄葉紙一般に存在する。特に、トイレットパーパー等は、坪量が、12.0〜21.0g/m3と著しく低く、また、その厚さも、80〜160μmと著しく薄いため、大きな問題とされている。
【特許文献1】特開2002―88694号公報
【特許文献2】特開2004―130053号公報
【特許文献3】特開昭57−195430号公報
【特許文献4】特開昭61−33628号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の主たる課題は、エンボスが鮮明・明瞭に付与された衛生薄葉紙の製造方法を、提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題を解決した本発明は、次のとおりである。
〔請求項1記載の発明〕
被加工原紙を、エンボスロール間に通して、衛生薄葉紙を得る方法であって、
前記エンボスロールの少なくとも一方が、加熱されている、ことを特徴とする衛生薄葉紙の製造方法。
【0008】
〔請求項2記載の発明〕
被加工原紙を、エンボスロール間に通して、衛生薄葉紙を得る方法であって、
前記エンボスロールが、弾性ロールと加熱されたエンボス凸部を有する金属ロールとからなる、ことを特徴とする衛生薄葉紙の製造方法。
【0009】
〔請求項3記載の発明〕
弾性ロール表面のショア硬度が、50〜80とされている、請求項2記載の衛生薄葉紙の製造方法。
【0010】
〔請求項4記載の発明〕
被加工原紙が、パルプ繊維、再生繊維及びレーヨンの群から選ばれた1種又は2種以上の原料素材からなる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の衛生薄葉紙の製造方法。
【0011】
〔請求項5記載の発明〕
加熱ロールの表面温度が、40〜140℃とされている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の衛生薄葉紙の製造方法。
【0012】
〔請求項6記載の発明〕
エンボス圧が、5〜30kg/cmとされている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の衛生薄葉紙の製造方法。
【発明の効果】
【0013】
本発明の衛生薄葉紙の製造方法によれば、エンボスが鮮明・明瞭に付与された衛生薄葉紙が製造される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
次に、本発明の実施の形態について、説明する。なお、以下では、まず、衛生薄葉紙一般について説明し、次に、そのより具体的な例として、キッチンペーパー、トイレットペーパー及びティシュペーパーについて、説明する。
【0015】
〔衛生薄葉紙の製造〕
(原料素材)
本製造方法においては、原料パルプを抄紙するなどして、原料素材から被加工原紙を得た後、この被加工原紙にエンボスを付与して、衛生薄葉紙とする。なお、本明細書では、エンボス付与の対象となる原紙を、被加工原紙という。
【0016】
被加工原紙(衛生薄葉紙)の原料素材は、特に限定されず、キッチンペーパー、トイレットペーパー、ティシュペーパー等の用途に応じて、適宜のものを使用することができる。原料素材として、パルプ繊維を使用する場合、このパルプ繊維(原料パルプ)としては、例えば、木材パルプ、非木材パルプ、合成パルプ、古紙パルプ、などから、より具体的には、砕木パルプ(GP)、ストーングランドパルプ(SGP)、リファイナーグランドパルプ(RGP)、加圧式砕木パルプ(PGW)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)、ブリーチケミサーモメカニカルパルプ(BCTMP)等の機械パルプ(MP)、化学的機械パルプ(CGP)、半化学的パルプ(SCP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)等のクラフトパルプ(KP)、ソーダパルプ(AP)、サルファイトパルプ(SP)、溶解パルプ(DP)等の化学的パルプ(CP)、ナイロン、レーヨン、ポリエステル、ポリビニルアルコール(PVA)等を原料とする合成パルプ、脱墨パルプ(DIP)、ウエストパルプ(WP)等の古紙パルプ、かすパルプ(TP)、木綿、アマ、麻、黄麻、マニラ麻、ラミー等を原料とするぼろパルプ、わらパルプ、エスパルトパルプ、バガスパルプ、竹パルプ、ケナフパルプ等の茎稈パルプ、靭皮パルプ等の補助パルプなどから、一種又は数種を適宜選択して使用することができる。
【0017】
ただし、被加工原紙は、パルプ繊維、再生繊維及びレーヨンの群から選ばれた1種又は2種以上の原料素材からなるのが好ましい。これらを原料素材とすると、加熱されたエンボスロールを使用することによって、エンボスを鮮明・明瞭に付与するという本発明の効果が、効果的に発揮される。
【0018】
(抄紙)
パルプ繊維等の原料素材は、例えば、公知の抄紙工程、具体的には、ワイヤパート、プレスパート、ドライヤパート、サイズプレス、カレンダパート等を経るなどして、被加工原紙とする。この抄紙に際しては、例えば、分散剤、苛性ソーダ、アンモニア水等のpH調整剤、消泡剤、防腐剤、蛍光染料、離型剤、耐水化剤、流動変性剤、歩留まり向上剤などの適宜の薬品を添加することができる。
【0019】
(エンボスの付与)
原料素材を加工して得た被加工原紙は、加熱された一対のエンボスロール間に通して、エンボスを付与することにより、衛生薄葉紙とする。このエンボスの付与は、一対のエンボスロールが両方とも加熱されていても、一方のエンボスロールのみが加熱されていても行うことができる。エンボスロールが加熱されていると、エンボスが鮮明・明瞭に付与されるようになる。
【0020】
一対のエンボスロールは、両方とも金属ロールとすることもできるが、一方をゴムなどからなる弾性ロールとし、他方を加熱されたエンボス凸部を有する金属ロールとするのが、好ましい。弾性ロール及び金属ロールの組み合わせが好ましいのは、ロールのクリアランス調整の問題や、ロールに紙粉等が詰まるなどの不具合が生じないためである。
【0021】
加熱されているエンボスロールは、弾性ロールであってもよいが、金属ロールである方が、好ましい。これは、金属ロールの方が、熱伝導率がよく効果的に加熱による効果が発揮されるということのほか、金属ロールが加熱されていると、エンボスの形状に対応したかたちで、被加工原紙に熱が与えられることになり、付与されるエンボスが、より鮮明・明瞭になるためである。
【0022】
加熱ロールの表面温度は、一対のエンボスロールが、両方とも金属ロールであるか、弾性ロールと金属ロールとの組み合わせであるか、弾性ロール及び金属ロールのいずれが加熱されているか、などに関わらず、40〜140℃、好ましくは60〜120℃、より好ましくは80〜100℃とされる。加熱温度が低すぎると、エンボスが鮮明になるとの効果が、十分に発揮されないおそれがある。他方、加熱温度が高すぎると、エネルギーロスとなるほか、被加工原紙が焼き付くおそれや、製造される衛生薄葉紙が固くなるおそれがある。
【0023】
エンボスの付与は、一対のエンボスロール間のエンボス圧が、5〜30kg/cm、好ましくは10〜25kg/cm、より好ましくは15〜20kg/cmとなるように行う。エンボス圧が低すぎると、エンボスが鮮明になるとの効果が、十分に発揮されないおそれがある。他方、エンボス圧が高すぎると、被加工原紙がちぎれてしまうおそれがある。
【0024】
一対のエンボスロールを、弾性ロールと金属ロールとの組み合せとする場合、弾性ロールは、その表面のショア硬度(Shore hardness)が、50〜80であるのが好ましい。ショア硬度が低すぎると、つまり弾性ロール表面がやわらかすぎると、被加工原紙が破断するおそれがある。他方、ショア硬度が高すぎると、つまり弾性ロール表面が硬すぎると、エンボスが入らなくなるおそれがある。
【0025】
以上のようにして付与するエンボスの形状は、特に限定されない。例えば、キッチンペーパー、トイレットペーパー、ティシュペーパー等の用途や見映えなどをファクターとして、適宜設計することができる。エンボスの具体的な形状については、以下において、詳しく説明する。
【0026】
〔キッチンペーパーの製造〕
次に、家庭用衛生薄葉紙が、キッチンペーパーである場合を例に、図3及び図4を参照しながら、説明する。
本形態の製造方法においては、図4に示すように、シート1とシート2とを2枚重ね状態で接着するもので、その坪量が、10〜50g/m2となるようにしている。坪量が小さすぎると、シートに皺が入り易くなり、また、エンボスを鮮明・明瞭に付与したとしても崩れやすいため、本発明の効果が減殺される。他方、坪量が大きすぎると、柔軟性が低下する。
【0027】
シート1とシート2との接着態様は、「Tip to Tip」形態としており、一方のシート1のエンボス凸部1Aの天部と、他方のシート2のエンボス凸部2Aの天部とを、PVA、CMC、MC、デンプン等からなる接着剤3により接着している。なお、エンボス付与の方法は、前述した「衛生薄葉紙の製造」の場合と同様であり、加熱されたエンボスロールを使用している。
【0028】
本形態の製造方法では、エンボスの形状を、裁切四角錐形としているが、これに限定されるものではない。例えば、裁切円錐形や、天部が平面形状の楕円形、三角形、その他の多角形などとすることができる。シート相互の接着のためには、天部を平坦とするのが好ましい。天部の面積は、0.1〜40mm2、より好ましくは0.25〜4.0mm2、特に好ましくは0.5〜2.0mm2である。天部の面積が狭すぎる、シート相互の十分な接着強度を得ることができなくなる。他方、天部の面積が広すぎると、エンボスによる吸収空間の容積が小さくなるため、十分な吸収能力を得ることができなくなる。なお、本発明よると、鮮明・明瞭にエンボスを付与することができるため、以上のような細かなエンボス形状の設計も、十分可能である。
【0029】
以上の山形のエンボスは、図3に示すように、規則的に多数形成し、エンボスセクションX,X…を形成している。このエンボスセクションX,X…間には、エンボスが形成されておらず、かつ、シート1とシート2とを接着していない、例えば、正四角形、長方形、菱形等の格子状の抜き柄セクションYを形成している。この抜き柄セクションYによって、水分や油分を吸収する際に、かかる水分や油分が、セクションYに沿って拡散することになる。したがって、水分や油分は、セクションYに沿って速やかに拡散されつつ、各エンボスによる吸収空間に吸収・保持されることになるので、一部に留まって過飽和状態になり、エンボスが崩れとの問題が生じない。また、セクションYは、例えば、六角形状とすることもできるが、この形状では、拡散性効果をほとんど期待することができない。これに対して、セクションYを、格子状とすると、水分や油分を、格子の直線に沿って遠くまで拡散させることができるため、拡散性に優れるものとなる。
【0030】
セクションYの格子の一辺の長さは、1.731mm〜50mm、好ましくは15mm〜50mm、幅は0.824mm〜20mm、好ましくは1.2mm〜5.0mmである。格子の一辺の長さが短すぎると、エンボスセクションX,X…による十分な吸収力が得られなくなる。他方、格子の一辺の長さが長すぎると、セクションYによる平面方向への拡散を十分に図ることができなくなる。
【0031】
本セクションYの面積は、エンボスセクションXの面積の10〜50%とするのが好ましく、20〜30%とするのがより好ましい。
【0032】
エンボスセクションX内の接着剤3による接着部分の総面積は、対応するエンボスセクションXの面積に対して、5〜30%、好ましくは9〜25%、特に好ましくは10〜14.5%である。接着部分の総面積が狭すぎると、吸収空間の容積は増えるものの、シート相互の十分な接着強度を得ることができなくなる。他方、接着部分の総面積が広すぎると、エンボスによる吸収空間の容積が減り、十分な吸収力を得ることができなくなる。
【0033】
エンボスを有するシートを2枚重ねとし、かつその坪量が10〜50g/m2となるようにする場合は、「Tip to Tip」形態とするか、「ネステッド」形態とするか等に関わらず、また、エンボスの形状をいかなるものとするか等にも関わらず、2枚重ねのシートの横方向の湿潤強度を、縦方向(マシン方向)の湿潤強度以下とし、かつその横方向の湿潤強度を120CN以上とするのが好ましく、150CN以上とするのがより好ましい。一般に、現在市販されている坪量10〜50g/m2のキッチンペーパーは、横方向の湿潤強度が、100CN程度であるものが多い。しかるに、本形態では、横方向の湿潤強度を高めることによって、天ぷらや揚げ物等に含まれる水分や油分を吸収した際においても、鮮明・明瞭に付与したエンボスが崩れことがなく、天ぷらや揚げ物等がべたついたり、貼り付いたりすることがない。横方向の湿潤強度を高めることによって、汚れを拭き取る際に、シートが破れることがほとんどなくなるとの利点もある。
【0034】
キッチンペーパーの横方向の湿潤強度を高めるためには、例えば、原料パルプにカイメン等の湿潤紙力増強剤を添加することや、原料パルプの種類を選択し、あるいは原料パルプの叩解を強めるなどして、湿潤紙力増強剤の定着を高めること、などによることができる。ただし、過度に横方向の湿潤強度を高めると、シートの柔軟性などの阻害要因となるため、横方向の湿潤強度は、500CN以下とするのが好ましく、350CN以下とするのがより好ましい。一方、縦方向の湿潤強度は、適宜選定できるが、通常は横の湿潤強度の1倍以上である。
【0035】
〔トイレットペーパーの製造〕
次に、衛生薄葉紙が、トイレットペーパーである場合を例に、説明する。
図5は、トイレットペーパーWの一部拡大平面図であり、図6は、そのI−I線断面図である。なお、図1及び図2中には、各部分の寸法を示している。
【0036】
本トイレットペーパーWの製造においては、実質的に平坦な頂面(天部)Tを有する菱形のエンボスを付与している。頂面Tの形状は、菱形のほか、例えば、円形、楕円形、多角形などとすることができる。また、頂面Tの形状は、例えば、星型とすることもできるが、頂面Tに細長い形状の部分があると、その部分が破損しやすいため実用的ではない。
【0037】
本エンボスは、最大径aが0.8mm、最小径bが0.4mmとなっており、また、長ピッチAが3.0mm、短ピッチBが1.4mmとなっている。さらに、本エンボスは、深さが0.54mmとなっている。そして、頂面T,T…間の凹部の形状は、図6に示すように、断面が曲線部を持たない形状となっており、全体としていわゆる台形型のエンボスとなっている。エンボスの断面形状は、台形型のほか、富士山型などの適宜の形状とすることができる。ただし、富士山型は、凹部の形状が不明瞭となるため、本発明の効果(鮮明・明瞭なエンボスの付与)は、台形型の場合の方が、いかんなく発揮される。また、台形型の方が、見映えの点でも好ましいものとなる。
【0038】
本形態によると、トイレットペーパーWが、滑らかで、ざらつき感が少なくなる。これは、本形態が、従来の形態に比して、小さい面積のエンボス(従来の約1/3)が、単位面積あたりにより多く(従来の約6倍)形成されていることによるものである。また、本トイレットペーパーWは、しなやかさにも優れている。これは、滑らかさと同様、細かいエンボスが多数形成されているため、トイレットペーパーWの各シートのコシがくだかれていることによる。さらに、本トイレットペーパーWは、沈み深さが、9.68mm(従来は7.48mm)と深いため、ふんわり感にも優れている。この点、エンボスを深く付与しようとしてもできなければこの効果は得られないが、本発明によると、鮮明・明瞭にエンボスを付与することができるため、確実にかかる深さとすることができる。
【0039】
本トイレットペーパーWの坪量は、特に限定されず、例えば、12.0〜17.0g/m2とすることができる。このように坪量が小さいと、一般にエンボスを鮮明・明瞭に付与することができないとされるが、本発明よると、エンボスを鮮明・明瞭に付与することができるため、以上のような細かなエンボス形状の設計も、十分可能である。なお、本トイレットペーパーWには、頂面T,T・を、10mm2当たりに約47個分形成している。
【0040】
エンボスの付与は、具体的には、例えば、図7に示すように、加熱された金属ロールEによって行うことができる。金属ロールEには、その表面に複数の突起(凸部)が設けられており、この突起は、トイレットペーパーWに形成するエンボスと同様の形状となっている。
【0041】
本方法では、金属ロールEを使用して、対となる表面がゴムなどからなる弾性可撓性ロールとの間に、あるいは金属ロールEの凹部に各突起(凸部)が嵌る金属雌ロールRとの間に、図7に示すように、被加工原紙Woをニップしながら通すことによって、エンボスを付与する。なお、図7中の符号31は、繰り出しロール、符号32は、巻取ロールである。
【0042】
エンボスの付与方法は、以上の方法に限定されない。例えば、トイレットペーパーを2プライとする場合であれば、図8に示すように、弾性ロールR2、金属ロールE、金属ロールE、弾性ロールR2の順に積み重なるエンボス付与装置を用いることができる。この装置においては、1枚の被加工原紙Woが、下側の弾性ロールR2と金属ロールEとの間を通されるとともに、もう一枚の被加工原紙Woが、上側の弾性ロールR2と金属ロールEとの間を通され、これらの通紙によりそれぞれエンボスを付与された両シートが、下側の金属ロールEと上側の金属ロールEとの間を通されて、2枚のシートが重なった2プライのトイレットペーパーWとされる。
【0043】
〔ティシュペーパーの製造〕
次に、衛生薄葉紙が、ティシュペーパーである場合を例に、説明する。
本形態の製造方法においては、2枚重ねで一組(2プライ)のティシュペーパーとする。本ティシュペーパーの各シート(1枚)のJIS P 8124に基づく米坪(坪量)は、10〜13g/m2とするのが好ましく、11.9〜12.7g/m2とするのがより好ましい。坪量が、10g/m2未満であると、エンボス付与は可能であるものの、抄造が困難となる。他方、坪量が、13g/m2を超えると、柔らかさが低下し、使用感や収納箱からの引き出し性が低下する。
【0044】
本ティッシュペーパーは、2枚重ね一組での紙厚が、90〜120μmであるのが好ましく、94〜112μmであるのがより好ましい。紙厚が薄すぎると、使用者が感じる紙薄感が顕著になり、また、吸水性に劣りティシュペーパーとしての機能が低下する。他方、紙厚が厚すぎると、所定枚数を収納箱に収めて製品としたときの引き出し性に劣るようになる。また、本ティシュペーパーは、JIS S 3104に規定される、引張り強さ、吸水度、白色度の範囲とするのが好ましい。
【0045】
本ティシュペーパーには、前述した加熱されたエンボスロールによって、エンボスを付与する。付与するエンボスの形状は、例えば、図9に示すように、四隅の丸まった長方形状のエンボスF,F…などを例示することができる。本エンボスF,F…は、相互に隣接するエンボスF,F間の離間距離が、1.1mmとされている。また、エンボスFの一端から、これに隣接するエンボスFの一端までの距離が、5.0mmとされている。このような離間距離の短いエンボスパターンは、従来の製造方法によると付与困難であるが、本形態の製造方法によると、鮮明・明瞭にエンボスF,F…を付与することができるので、付与可能である。もちろん、このエンボスパターンは、先に説明したキッチンペーパーやトイレットペーパー等にも利用することができる。
【0046】
本形態の製造方法によると、鮮明・明瞭にエンボスを付与することができるので、例えば、特開2004―130053号公報などの意匠性を重視したエンボスパターンも好適に付与することができる。
【実施例1】
【0047】
次に、本発明の実施例について、説明する。
トイレットペーパー用の被加工原紙及びキッチンペーパー用の被加工原紙について、それぞれ弾性ロールとエンボス凸部を有する金属ロールとの間を通して、エンボスを付与した。このエンボスの付与は、金属ロールを、加熱しない場合(従来例)、60℃に加熱した場合(実施例)、140℃に加熱した場合(実施例)の3通り行った。なお、トイレットペーパー用の被加工原紙は、パルプを主原料とし、坪量を、17.0g/m2とした。また、キッチンペーパー用の被加工原紙は、パルプを主原料とし、湿潤紙力剤として、ポリアミドポリアミンエピクロロヒドリン樹脂を用い、坪量を、22.0g/m2とした。
【0048】
〔試験例1〕
エンボスを付与した後のトイレットペーパー及びキッチンペーパーについて、紙厚(μm)を測定した。この紙厚の測定は、尾崎製作所製のピーコックG型の測定子径10mmφを用いて行った。具体的には、プランジャーと測定台の間にゴミ、チリ等がないことを確認してプランジャーを測定台の上におろし、ゲージのメモリを移動させてゼロ点に合わせ、次いで、プランジャーを上げて試料(トイレットペーパー又はキッチンペーパー)を測定台の上におき、プランジャーを下ろして、そのときのゲージを読み取った。このとき、プランジャーは、試料の上にのせるだけとした。なお、測定は、1枚で行い、10回の平均値とした。結果を、表1に示した。
【0049】
【表1】
【0050】
〔試験例2〕
エンボスを付与した後のトイレットペーパー及びキッチンペーパーについて、試験例1と同様の方法で、紙厚(μm)を測定した。ただし、本試験においては、プランジャーを、700μmの高さから、試料の上に、落とすこととした。結果を、表2に示した。
【0051】
【表2】
【0052】
〔試験例3〕
エンボスを付与した後のトイレットペーパー及びキッチンペーパーについて、試験例1と同様の方法で、嵩(μm)を測定した。ただし、本試験においては、測定子径30mmφとした。結果を、表3に示した。
【0053】
【表3】
【0054】
〔試験例4〕
エンボスを付与した後のトイレットペーパー及びキッチンペーパーについて、試験例2と同様の方法で、嵩(μm)を測定した。ただし、本試験においては、測定子径30mmφとした。結果を、表4に示した。
【0055】
【表4】
【0056】
〔試験例5〜8〕
エンボスを付与した後のトイレットペーパー及びキッチンペーパーについて、曲げ剛性(B)及び曲げヒステリシス (2HB)を測定した。この曲げ特性の試験は、カトーテック株式会社製の自動化純曲げ試験機「KESFB2−AUTO−A」を用いて行った。この測定の具体的な方法は、図10に示すように、幅20cmの試料を、チャック間隔を1cmとし、一方を常に円弧を保つ純曲げにより最大曲率2.5cm-1まで表側に曲げた後に元に戻し、次に最大曲率−2.5cm-1まで裏側に曲げた後に元に戻したときにおける、曲率と曲げモーメントとの関係を評価するものである。この関係は、図11に示すヒステリシス曲線上の値として得られ、試料の曲げ剛性(B)は、曲率0.5〜1.5cm-1の間における平均傾斜であらわされる。なお、曲げ剛性(B)が大きいほど曲げ難く固いということになる。また、試料の曲げヒステリシス (2HB)は、曲率0.5〜1.5cm-1の間における曲げモーメントの平均ヒステリシス幅であらわされる。曲げヒステリシス (2HB)が大きいほど、曲げ回復性が悪い(低い)ことを意味する。曲げ剛性(B)縦(MD:Machine Direction)の結果を表5に、横(CD:Cross Direction)の結果を表6に、曲げヒステリシス (2HB)縦の結果を表7に、横の結果を表8に示した。
【0057】
【表5】
【0058】
【表6】
【0059】
【表7】
【0060】
【表8】
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明の製造方法は、ティッシュペーパー、トイレットペーパー、タオルペーパー、キッチンペーパー、化粧用紙などの家庭などにおいて使用される衛生薄葉紙の製造に、適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】「Tip to Tip」の接合形態の説明図である。
【図2】「ネステッド」の接合形態の説明図である。
【図3】キッチンペーパーのエンボスパターンを示す平面図である。
【図4】キッチンペーパーのエンボスパターンを示す断面図である。
【図5】トイレットペーパーのエンボスパターンを示す平面図である。
【図6】図5のI−I線断面図である。
【図7】エンボスの付与方法を示す図である。
【図8】エンボスの付与方法を示す図である。
【図9】ティシュペーパーのエンボスパターンを示す平面図である。
【図10】曲げ特性の試験方法の説明図である。
【図11】曲げ特性の関係図である。
【符号の説明】
【0063】
1,2…シート、3…接着剤、E…金属ロール、R1,R2…弾性ロール。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ティッシュペーパー、トイレットペーパー、タオルペーパー、キッチンペーパー、化粧用紙などの衛生薄葉紙の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の衛生薄葉紙は、嵩高性の向上や、吸収性の向上、拭き取り性の向上、肌触り感の改善、見映えの向上などを目的として、エンボスを付与することが、汎用技術となっている。通常、かかるエンボスは、被加工原紙を、表面に雄雌に相当する凹凸が形成された金属ロール間に通して、あるいは、金属ロールとゴムなどからなる弾性ロールとの間に通して付与する。これらの付与方法のうち、前者の方法は、後者の方法に比して、ロールの凹凸形状を被加工原紙に転写し易い、との特性を有する。しかしながら、前者の方法は、長期操業において、ロールのクリアランス調整が難しい、ロールに紙粉等が詰まるなどの、不具合を生じることがある。
【0003】
ところで、衛生薄葉紙に付与するエンボスについては、多くの提案がなされており、本出願人も、いくつかの提案をしている(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。そして、例えば、キッチンペーパーのエンボスに関しては、「Tip to Tip」形態(例えば、特許文献3参照。)や、「ネステッド」形態(例えば、特許文献4参照。)などが、提案されている。
【0004】
前者の「Tip to Tip」形態は、図1に示すように、一方のシート101のエンボス凸部101Aの天部と、他方のシート102のエンボス凸部102Aの天部とが、接着剤3により接着されるものである。他方、後者の「ネステッド」形態は、図2に示すように、一方のシート101のエンボス凸部101Aが、他方のシート102のエンボス凹部102B内に嵌り込み、その嵌り込み域において、空間Hが形成されるように、エンボス凸部1Aの天部とエンボス凹部2Bの底部とが、接着剤3により接着されるものである。これらのエンボスが付与されたキッチンペーパーは、エンボス空間(H)内に、水分や油分を吸収・保持することによって、吸収性能を発揮する。
【0005】
しかしながら、現在の技術では、エンボスを鮮明・明瞭に付与することができないため、エンボス空間(H)を正確に形成することができず、吸収性能が効果的に発揮されていないとの問題がある。また、以上の「Tip to Tip」形態や「ネステッド」形態のほかに、厚み感や見映えの向上などを目的として、被加工原紙に、規則性を有しないエンボスを付与した「ランダム」形態もあるが、エンボスを鮮明・明瞭に付与することができないため、厚み感や見映えが十分に向上しないとの問題がある。そして、エンボスを鮮明・明瞭に付与することができないとの問題は、坪量の低くさや、紙厚の薄さなどを大きな要因とするため、かかる問題は、衛生薄葉紙一般に存在する。特に、トイレットパーパー等は、坪量が、12.0〜21.0g/m3と著しく低く、また、その厚さも、80〜160μmと著しく薄いため、大きな問題とされている。
【特許文献1】特開2002―88694号公報
【特許文献2】特開2004―130053号公報
【特許文献3】特開昭57−195430号公報
【特許文献4】特開昭61−33628号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の主たる課題は、エンボスが鮮明・明瞭に付与された衛生薄葉紙の製造方法を、提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題を解決した本発明は、次のとおりである。
〔請求項1記載の発明〕
被加工原紙を、エンボスロール間に通して、衛生薄葉紙を得る方法であって、
前記エンボスロールの少なくとも一方が、加熱されている、ことを特徴とする衛生薄葉紙の製造方法。
【0008】
〔請求項2記載の発明〕
被加工原紙を、エンボスロール間に通して、衛生薄葉紙を得る方法であって、
前記エンボスロールが、弾性ロールと加熱されたエンボス凸部を有する金属ロールとからなる、ことを特徴とする衛生薄葉紙の製造方法。
【0009】
〔請求項3記載の発明〕
弾性ロール表面のショア硬度が、50〜80とされている、請求項2記載の衛生薄葉紙の製造方法。
【0010】
〔請求項4記載の発明〕
被加工原紙が、パルプ繊維、再生繊維及びレーヨンの群から選ばれた1種又は2種以上の原料素材からなる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の衛生薄葉紙の製造方法。
【0011】
〔請求項5記載の発明〕
加熱ロールの表面温度が、40〜140℃とされている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の衛生薄葉紙の製造方法。
【0012】
〔請求項6記載の発明〕
エンボス圧が、5〜30kg/cmとされている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の衛生薄葉紙の製造方法。
【発明の効果】
【0013】
本発明の衛生薄葉紙の製造方法によれば、エンボスが鮮明・明瞭に付与された衛生薄葉紙が製造される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
次に、本発明の実施の形態について、説明する。なお、以下では、まず、衛生薄葉紙一般について説明し、次に、そのより具体的な例として、キッチンペーパー、トイレットペーパー及びティシュペーパーについて、説明する。
【0015】
〔衛生薄葉紙の製造〕
(原料素材)
本製造方法においては、原料パルプを抄紙するなどして、原料素材から被加工原紙を得た後、この被加工原紙にエンボスを付与して、衛生薄葉紙とする。なお、本明細書では、エンボス付与の対象となる原紙を、被加工原紙という。
【0016】
被加工原紙(衛生薄葉紙)の原料素材は、特に限定されず、キッチンペーパー、トイレットペーパー、ティシュペーパー等の用途に応じて、適宜のものを使用することができる。原料素材として、パルプ繊維を使用する場合、このパルプ繊維(原料パルプ)としては、例えば、木材パルプ、非木材パルプ、合成パルプ、古紙パルプ、などから、より具体的には、砕木パルプ(GP)、ストーングランドパルプ(SGP)、リファイナーグランドパルプ(RGP)、加圧式砕木パルプ(PGW)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)、ブリーチケミサーモメカニカルパルプ(BCTMP)等の機械パルプ(MP)、化学的機械パルプ(CGP)、半化学的パルプ(SCP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)等のクラフトパルプ(KP)、ソーダパルプ(AP)、サルファイトパルプ(SP)、溶解パルプ(DP)等の化学的パルプ(CP)、ナイロン、レーヨン、ポリエステル、ポリビニルアルコール(PVA)等を原料とする合成パルプ、脱墨パルプ(DIP)、ウエストパルプ(WP)等の古紙パルプ、かすパルプ(TP)、木綿、アマ、麻、黄麻、マニラ麻、ラミー等を原料とするぼろパルプ、わらパルプ、エスパルトパルプ、バガスパルプ、竹パルプ、ケナフパルプ等の茎稈パルプ、靭皮パルプ等の補助パルプなどから、一種又は数種を適宜選択して使用することができる。
【0017】
ただし、被加工原紙は、パルプ繊維、再生繊維及びレーヨンの群から選ばれた1種又は2種以上の原料素材からなるのが好ましい。これらを原料素材とすると、加熱されたエンボスロールを使用することによって、エンボスを鮮明・明瞭に付与するという本発明の効果が、効果的に発揮される。
【0018】
(抄紙)
パルプ繊維等の原料素材は、例えば、公知の抄紙工程、具体的には、ワイヤパート、プレスパート、ドライヤパート、サイズプレス、カレンダパート等を経るなどして、被加工原紙とする。この抄紙に際しては、例えば、分散剤、苛性ソーダ、アンモニア水等のpH調整剤、消泡剤、防腐剤、蛍光染料、離型剤、耐水化剤、流動変性剤、歩留まり向上剤などの適宜の薬品を添加することができる。
【0019】
(エンボスの付与)
原料素材を加工して得た被加工原紙は、加熱された一対のエンボスロール間に通して、エンボスを付与することにより、衛生薄葉紙とする。このエンボスの付与は、一対のエンボスロールが両方とも加熱されていても、一方のエンボスロールのみが加熱されていても行うことができる。エンボスロールが加熱されていると、エンボスが鮮明・明瞭に付与されるようになる。
【0020】
一対のエンボスロールは、両方とも金属ロールとすることもできるが、一方をゴムなどからなる弾性ロールとし、他方を加熱されたエンボス凸部を有する金属ロールとするのが、好ましい。弾性ロール及び金属ロールの組み合わせが好ましいのは、ロールのクリアランス調整の問題や、ロールに紙粉等が詰まるなどの不具合が生じないためである。
【0021】
加熱されているエンボスロールは、弾性ロールであってもよいが、金属ロールである方が、好ましい。これは、金属ロールの方が、熱伝導率がよく効果的に加熱による効果が発揮されるということのほか、金属ロールが加熱されていると、エンボスの形状に対応したかたちで、被加工原紙に熱が与えられることになり、付与されるエンボスが、より鮮明・明瞭になるためである。
【0022】
加熱ロールの表面温度は、一対のエンボスロールが、両方とも金属ロールであるか、弾性ロールと金属ロールとの組み合わせであるか、弾性ロール及び金属ロールのいずれが加熱されているか、などに関わらず、40〜140℃、好ましくは60〜120℃、より好ましくは80〜100℃とされる。加熱温度が低すぎると、エンボスが鮮明になるとの効果が、十分に発揮されないおそれがある。他方、加熱温度が高すぎると、エネルギーロスとなるほか、被加工原紙が焼き付くおそれや、製造される衛生薄葉紙が固くなるおそれがある。
【0023】
エンボスの付与は、一対のエンボスロール間のエンボス圧が、5〜30kg/cm、好ましくは10〜25kg/cm、より好ましくは15〜20kg/cmとなるように行う。エンボス圧が低すぎると、エンボスが鮮明になるとの効果が、十分に発揮されないおそれがある。他方、エンボス圧が高すぎると、被加工原紙がちぎれてしまうおそれがある。
【0024】
一対のエンボスロールを、弾性ロールと金属ロールとの組み合せとする場合、弾性ロールは、その表面のショア硬度(Shore hardness)が、50〜80であるのが好ましい。ショア硬度が低すぎると、つまり弾性ロール表面がやわらかすぎると、被加工原紙が破断するおそれがある。他方、ショア硬度が高すぎると、つまり弾性ロール表面が硬すぎると、エンボスが入らなくなるおそれがある。
【0025】
以上のようにして付与するエンボスの形状は、特に限定されない。例えば、キッチンペーパー、トイレットペーパー、ティシュペーパー等の用途や見映えなどをファクターとして、適宜設計することができる。エンボスの具体的な形状については、以下において、詳しく説明する。
【0026】
〔キッチンペーパーの製造〕
次に、家庭用衛生薄葉紙が、キッチンペーパーである場合を例に、図3及び図4を参照しながら、説明する。
本形態の製造方法においては、図4に示すように、シート1とシート2とを2枚重ね状態で接着するもので、その坪量が、10〜50g/m2となるようにしている。坪量が小さすぎると、シートに皺が入り易くなり、また、エンボスを鮮明・明瞭に付与したとしても崩れやすいため、本発明の効果が減殺される。他方、坪量が大きすぎると、柔軟性が低下する。
【0027】
シート1とシート2との接着態様は、「Tip to Tip」形態としており、一方のシート1のエンボス凸部1Aの天部と、他方のシート2のエンボス凸部2Aの天部とを、PVA、CMC、MC、デンプン等からなる接着剤3により接着している。なお、エンボス付与の方法は、前述した「衛生薄葉紙の製造」の場合と同様であり、加熱されたエンボスロールを使用している。
【0028】
本形態の製造方法では、エンボスの形状を、裁切四角錐形としているが、これに限定されるものではない。例えば、裁切円錐形や、天部が平面形状の楕円形、三角形、その他の多角形などとすることができる。シート相互の接着のためには、天部を平坦とするのが好ましい。天部の面積は、0.1〜40mm2、より好ましくは0.25〜4.0mm2、特に好ましくは0.5〜2.0mm2である。天部の面積が狭すぎる、シート相互の十分な接着強度を得ることができなくなる。他方、天部の面積が広すぎると、エンボスによる吸収空間の容積が小さくなるため、十分な吸収能力を得ることができなくなる。なお、本発明よると、鮮明・明瞭にエンボスを付与することができるため、以上のような細かなエンボス形状の設計も、十分可能である。
【0029】
以上の山形のエンボスは、図3に示すように、規則的に多数形成し、エンボスセクションX,X…を形成している。このエンボスセクションX,X…間には、エンボスが形成されておらず、かつ、シート1とシート2とを接着していない、例えば、正四角形、長方形、菱形等の格子状の抜き柄セクションYを形成している。この抜き柄セクションYによって、水分や油分を吸収する際に、かかる水分や油分が、セクションYに沿って拡散することになる。したがって、水分や油分は、セクションYに沿って速やかに拡散されつつ、各エンボスによる吸収空間に吸収・保持されることになるので、一部に留まって過飽和状態になり、エンボスが崩れとの問題が生じない。また、セクションYは、例えば、六角形状とすることもできるが、この形状では、拡散性効果をほとんど期待することができない。これに対して、セクションYを、格子状とすると、水分や油分を、格子の直線に沿って遠くまで拡散させることができるため、拡散性に優れるものとなる。
【0030】
セクションYの格子の一辺の長さは、1.731mm〜50mm、好ましくは15mm〜50mm、幅は0.824mm〜20mm、好ましくは1.2mm〜5.0mmである。格子の一辺の長さが短すぎると、エンボスセクションX,X…による十分な吸収力が得られなくなる。他方、格子の一辺の長さが長すぎると、セクションYによる平面方向への拡散を十分に図ることができなくなる。
【0031】
本セクションYの面積は、エンボスセクションXの面積の10〜50%とするのが好ましく、20〜30%とするのがより好ましい。
【0032】
エンボスセクションX内の接着剤3による接着部分の総面積は、対応するエンボスセクションXの面積に対して、5〜30%、好ましくは9〜25%、特に好ましくは10〜14.5%である。接着部分の総面積が狭すぎると、吸収空間の容積は増えるものの、シート相互の十分な接着強度を得ることができなくなる。他方、接着部分の総面積が広すぎると、エンボスによる吸収空間の容積が減り、十分な吸収力を得ることができなくなる。
【0033】
エンボスを有するシートを2枚重ねとし、かつその坪量が10〜50g/m2となるようにする場合は、「Tip to Tip」形態とするか、「ネステッド」形態とするか等に関わらず、また、エンボスの形状をいかなるものとするか等にも関わらず、2枚重ねのシートの横方向の湿潤強度を、縦方向(マシン方向)の湿潤強度以下とし、かつその横方向の湿潤強度を120CN以上とするのが好ましく、150CN以上とするのがより好ましい。一般に、現在市販されている坪量10〜50g/m2のキッチンペーパーは、横方向の湿潤強度が、100CN程度であるものが多い。しかるに、本形態では、横方向の湿潤強度を高めることによって、天ぷらや揚げ物等に含まれる水分や油分を吸収した際においても、鮮明・明瞭に付与したエンボスが崩れことがなく、天ぷらや揚げ物等がべたついたり、貼り付いたりすることがない。横方向の湿潤強度を高めることによって、汚れを拭き取る際に、シートが破れることがほとんどなくなるとの利点もある。
【0034】
キッチンペーパーの横方向の湿潤強度を高めるためには、例えば、原料パルプにカイメン等の湿潤紙力増強剤を添加することや、原料パルプの種類を選択し、あるいは原料パルプの叩解を強めるなどして、湿潤紙力増強剤の定着を高めること、などによることができる。ただし、過度に横方向の湿潤強度を高めると、シートの柔軟性などの阻害要因となるため、横方向の湿潤強度は、500CN以下とするのが好ましく、350CN以下とするのがより好ましい。一方、縦方向の湿潤強度は、適宜選定できるが、通常は横の湿潤強度の1倍以上である。
【0035】
〔トイレットペーパーの製造〕
次に、衛生薄葉紙が、トイレットペーパーである場合を例に、説明する。
図5は、トイレットペーパーWの一部拡大平面図であり、図6は、そのI−I線断面図である。なお、図1及び図2中には、各部分の寸法を示している。
【0036】
本トイレットペーパーWの製造においては、実質的に平坦な頂面(天部)Tを有する菱形のエンボスを付与している。頂面Tの形状は、菱形のほか、例えば、円形、楕円形、多角形などとすることができる。また、頂面Tの形状は、例えば、星型とすることもできるが、頂面Tに細長い形状の部分があると、その部分が破損しやすいため実用的ではない。
【0037】
本エンボスは、最大径aが0.8mm、最小径bが0.4mmとなっており、また、長ピッチAが3.0mm、短ピッチBが1.4mmとなっている。さらに、本エンボスは、深さが0.54mmとなっている。そして、頂面T,T…間の凹部の形状は、図6に示すように、断面が曲線部を持たない形状となっており、全体としていわゆる台形型のエンボスとなっている。エンボスの断面形状は、台形型のほか、富士山型などの適宜の形状とすることができる。ただし、富士山型は、凹部の形状が不明瞭となるため、本発明の効果(鮮明・明瞭なエンボスの付与)は、台形型の場合の方が、いかんなく発揮される。また、台形型の方が、見映えの点でも好ましいものとなる。
【0038】
本形態によると、トイレットペーパーWが、滑らかで、ざらつき感が少なくなる。これは、本形態が、従来の形態に比して、小さい面積のエンボス(従来の約1/3)が、単位面積あたりにより多く(従来の約6倍)形成されていることによるものである。また、本トイレットペーパーWは、しなやかさにも優れている。これは、滑らかさと同様、細かいエンボスが多数形成されているため、トイレットペーパーWの各シートのコシがくだかれていることによる。さらに、本トイレットペーパーWは、沈み深さが、9.68mm(従来は7.48mm)と深いため、ふんわり感にも優れている。この点、エンボスを深く付与しようとしてもできなければこの効果は得られないが、本発明によると、鮮明・明瞭にエンボスを付与することができるため、確実にかかる深さとすることができる。
【0039】
本トイレットペーパーWの坪量は、特に限定されず、例えば、12.0〜17.0g/m2とすることができる。このように坪量が小さいと、一般にエンボスを鮮明・明瞭に付与することができないとされるが、本発明よると、エンボスを鮮明・明瞭に付与することができるため、以上のような細かなエンボス形状の設計も、十分可能である。なお、本トイレットペーパーWには、頂面T,T・を、10mm2当たりに約47個分形成している。
【0040】
エンボスの付与は、具体的には、例えば、図7に示すように、加熱された金属ロールEによって行うことができる。金属ロールEには、その表面に複数の突起(凸部)が設けられており、この突起は、トイレットペーパーWに形成するエンボスと同様の形状となっている。
【0041】
本方法では、金属ロールEを使用して、対となる表面がゴムなどからなる弾性可撓性ロールとの間に、あるいは金属ロールEの凹部に各突起(凸部)が嵌る金属雌ロールRとの間に、図7に示すように、被加工原紙Woをニップしながら通すことによって、エンボスを付与する。なお、図7中の符号31は、繰り出しロール、符号32は、巻取ロールである。
【0042】
エンボスの付与方法は、以上の方法に限定されない。例えば、トイレットペーパーを2プライとする場合であれば、図8に示すように、弾性ロールR2、金属ロールE、金属ロールE、弾性ロールR2の順に積み重なるエンボス付与装置を用いることができる。この装置においては、1枚の被加工原紙Woが、下側の弾性ロールR2と金属ロールEとの間を通されるとともに、もう一枚の被加工原紙Woが、上側の弾性ロールR2と金属ロールEとの間を通され、これらの通紙によりそれぞれエンボスを付与された両シートが、下側の金属ロールEと上側の金属ロールEとの間を通されて、2枚のシートが重なった2プライのトイレットペーパーWとされる。
【0043】
〔ティシュペーパーの製造〕
次に、衛生薄葉紙が、ティシュペーパーである場合を例に、説明する。
本形態の製造方法においては、2枚重ねで一組(2プライ)のティシュペーパーとする。本ティシュペーパーの各シート(1枚)のJIS P 8124に基づく米坪(坪量)は、10〜13g/m2とするのが好ましく、11.9〜12.7g/m2とするのがより好ましい。坪量が、10g/m2未満であると、エンボス付与は可能であるものの、抄造が困難となる。他方、坪量が、13g/m2を超えると、柔らかさが低下し、使用感や収納箱からの引き出し性が低下する。
【0044】
本ティッシュペーパーは、2枚重ね一組での紙厚が、90〜120μmであるのが好ましく、94〜112μmであるのがより好ましい。紙厚が薄すぎると、使用者が感じる紙薄感が顕著になり、また、吸水性に劣りティシュペーパーとしての機能が低下する。他方、紙厚が厚すぎると、所定枚数を収納箱に収めて製品としたときの引き出し性に劣るようになる。また、本ティシュペーパーは、JIS S 3104に規定される、引張り強さ、吸水度、白色度の範囲とするのが好ましい。
【0045】
本ティシュペーパーには、前述した加熱されたエンボスロールによって、エンボスを付与する。付与するエンボスの形状は、例えば、図9に示すように、四隅の丸まった長方形状のエンボスF,F…などを例示することができる。本エンボスF,F…は、相互に隣接するエンボスF,F間の離間距離が、1.1mmとされている。また、エンボスFの一端から、これに隣接するエンボスFの一端までの距離が、5.0mmとされている。このような離間距離の短いエンボスパターンは、従来の製造方法によると付与困難であるが、本形態の製造方法によると、鮮明・明瞭にエンボスF,F…を付与することができるので、付与可能である。もちろん、このエンボスパターンは、先に説明したキッチンペーパーやトイレットペーパー等にも利用することができる。
【0046】
本形態の製造方法によると、鮮明・明瞭にエンボスを付与することができるので、例えば、特開2004―130053号公報などの意匠性を重視したエンボスパターンも好適に付与することができる。
【実施例1】
【0047】
次に、本発明の実施例について、説明する。
トイレットペーパー用の被加工原紙及びキッチンペーパー用の被加工原紙について、それぞれ弾性ロールとエンボス凸部を有する金属ロールとの間を通して、エンボスを付与した。このエンボスの付与は、金属ロールを、加熱しない場合(従来例)、60℃に加熱した場合(実施例)、140℃に加熱した場合(実施例)の3通り行った。なお、トイレットペーパー用の被加工原紙は、パルプを主原料とし、坪量を、17.0g/m2とした。また、キッチンペーパー用の被加工原紙は、パルプを主原料とし、湿潤紙力剤として、ポリアミドポリアミンエピクロロヒドリン樹脂を用い、坪量を、22.0g/m2とした。
【0048】
〔試験例1〕
エンボスを付与した後のトイレットペーパー及びキッチンペーパーについて、紙厚(μm)を測定した。この紙厚の測定は、尾崎製作所製のピーコックG型の測定子径10mmφを用いて行った。具体的には、プランジャーと測定台の間にゴミ、チリ等がないことを確認してプランジャーを測定台の上におろし、ゲージのメモリを移動させてゼロ点に合わせ、次いで、プランジャーを上げて試料(トイレットペーパー又はキッチンペーパー)を測定台の上におき、プランジャーを下ろして、そのときのゲージを読み取った。このとき、プランジャーは、試料の上にのせるだけとした。なお、測定は、1枚で行い、10回の平均値とした。結果を、表1に示した。
【0049】
【表1】
【0050】
〔試験例2〕
エンボスを付与した後のトイレットペーパー及びキッチンペーパーについて、試験例1と同様の方法で、紙厚(μm)を測定した。ただし、本試験においては、プランジャーを、700μmの高さから、試料の上に、落とすこととした。結果を、表2に示した。
【0051】
【表2】
【0052】
〔試験例3〕
エンボスを付与した後のトイレットペーパー及びキッチンペーパーについて、試験例1と同様の方法で、嵩(μm)を測定した。ただし、本試験においては、測定子径30mmφとした。結果を、表3に示した。
【0053】
【表3】
【0054】
〔試験例4〕
エンボスを付与した後のトイレットペーパー及びキッチンペーパーについて、試験例2と同様の方法で、嵩(μm)を測定した。ただし、本試験においては、測定子径30mmφとした。結果を、表4に示した。
【0055】
【表4】
【0056】
〔試験例5〜8〕
エンボスを付与した後のトイレットペーパー及びキッチンペーパーについて、曲げ剛性(B)及び曲げヒステリシス (2HB)を測定した。この曲げ特性の試験は、カトーテック株式会社製の自動化純曲げ試験機「KESFB2−AUTO−A」を用いて行った。この測定の具体的な方法は、図10に示すように、幅20cmの試料を、チャック間隔を1cmとし、一方を常に円弧を保つ純曲げにより最大曲率2.5cm-1まで表側に曲げた後に元に戻し、次に最大曲率−2.5cm-1まで裏側に曲げた後に元に戻したときにおける、曲率と曲げモーメントとの関係を評価するものである。この関係は、図11に示すヒステリシス曲線上の値として得られ、試料の曲げ剛性(B)は、曲率0.5〜1.5cm-1の間における平均傾斜であらわされる。なお、曲げ剛性(B)が大きいほど曲げ難く固いということになる。また、試料の曲げヒステリシス (2HB)は、曲率0.5〜1.5cm-1の間における曲げモーメントの平均ヒステリシス幅であらわされる。曲げヒステリシス (2HB)が大きいほど、曲げ回復性が悪い(低い)ことを意味する。曲げ剛性(B)縦(MD:Machine Direction)の結果を表5に、横(CD:Cross Direction)の結果を表6に、曲げヒステリシス (2HB)縦の結果を表7に、横の結果を表8に示した。
【0057】
【表5】
【0058】
【表6】
【0059】
【表7】
【0060】
【表8】
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明の製造方法は、ティッシュペーパー、トイレットペーパー、タオルペーパー、キッチンペーパー、化粧用紙などの家庭などにおいて使用される衛生薄葉紙の製造に、適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】「Tip to Tip」の接合形態の説明図である。
【図2】「ネステッド」の接合形態の説明図である。
【図3】キッチンペーパーのエンボスパターンを示す平面図である。
【図4】キッチンペーパーのエンボスパターンを示す断面図である。
【図5】トイレットペーパーのエンボスパターンを示す平面図である。
【図6】図5のI−I線断面図である。
【図7】エンボスの付与方法を示す図である。
【図8】エンボスの付与方法を示す図である。
【図9】ティシュペーパーのエンボスパターンを示す平面図である。
【図10】曲げ特性の試験方法の説明図である。
【図11】曲げ特性の関係図である。
【符号の説明】
【0063】
1,2…シート、3…接着剤、E…金属ロール、R1,R2…弾性ロール。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被加工原紙を、エンボスロール間に通して、衛生薄葉紙を得る方法であって、
前記エンボスロールの少なくとも一方が、加熱されている、ことを特徴とする衛生薄葉紙の製造方法。
【請求項2】
被加工原紙を、エンボスロール間に通して、衛生薄葉紙を得る方法であって、
前記エンボスロールが、弾性ロールと加熱されたエンボス凸部を有する金属ロールとからなる、ことを特徴とする衛生薄葉紙の製造方法。
【請求項3】
弾性ロール表面のショア硬度が、50〜80とされている、請求項2記載の衛生薄葉紙の製造方法。
【請求項4】
被加工原紙が、パルプ繊維、再生繊維及びレーヨンの群から選ばれた1種又は2種以上の原料素材からなる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の衛生薄葉紙の製造方法。
【請求項5】
加熱ロールの表面温度が、40〜140℃とされている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の衛生薄葉紙の製造方法。
【請求項6】
エンボス圧が、5〜30kg/cmとされている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の衛生薄葉紙の製造方法。
【請求項1】
被加工原紙を、エンボスロール間に通して、衛生薄葉紙を得る方法であって、
前記エンボスロールの少なくとも一方が、加熱されている、ことを特徴とする衛生薄葉紙の製造方法。
【請求項2】
被加工原紙を、エンボスロール間に通して、衛生薄葉紙を得る方法であって、
前記エンボスロールが、弾性ロールと加熱されたエンボス凸部を有する金属ロールとからなる、ことを特徴とする衛生薄葉紙の製造方法。
【請求項3】
弾性ロール表面のショア硬度が、50〜80とされている、請求項2記載の衛生薄葉紙の製造方法。
【請求項4】
被加工原紙が、パルプ繊維、再生繊維及びレーヨンの群から選ばれた1種又は2種以上の原料素材からなる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の衛生薄葉紙の製造方法。
【請求項5】
加熱ロールの表面温度が、40〜140℃とされている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の衛生薄葉紙の製造方法。
【請求項6】
エンボス圧が、5〜30kg/cmとされている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の衛生薄葉紙の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−45690(P2006−45690A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−224383(P2004−224383)
【出願日】平成16年7月30日(2004.7.30)
【出願人】(390029148)大王製紙株式会社 (2,041)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年7月30日(2004.7.30)
【出願人】(390029148)大王製紙株式会社 (2,041)
【Fターム(参考)】
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