説明

衛生設備室用床およびその施工方法

【課題】衛生設備室を設置するスペースに合わせて大きさを調整でき、さらにその施工が容易になる衛生設備室用床およびその施工方法を提供する。
【解決手段】浴槽35の長手方向に沿う側面に隣接して配置されるフレーム10と、フレーム10の上に設置されるフロアとで衛生設備室用床を構成した。そして、フレーム10に、作業用開口部と脚部12a,12bを設けた。また、フロアは、ともに浴槽35の長手方向の衛生設備室の幅に幅を合わせてフレーム10上に設置される排水口21eを備えた排水部フロア21と主フロア25とで構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴槽を備えた浴室や、浴槽の他に洗面設備や便器も備えた浴室等の衛生設備室に設置される衛生設備室用床およびその施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、システムバス等の衛生設備室には、浴槽の側部に洗い場を形成する衛生設備室用床が設置されている。この衛生設備室用床としては大きさの異なる複数種類の成形品からなるものを準備して、衛生設備室を設置するスペースに応じて決定した衛生設備室の広さに適した衛生設備室用床を選択して使用している。しかしながら、これによると大きさの異なる複数種類の衛生設備室用床を成形しなければならないため、金型等の費用がかさむようになる。このような費用を減少させるために、大きさの調節ができる衛生設備室用床も開発されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この衛生設備室用床(寸法可変式床パン)は、洗い場部と、浴槽載置部とをそれぞれ2枚の分割片と、各2枚の分割片間に設置される蓋プレートとで構成している。そして、それぞれの2枚の分割片の対向する部分には、互いに重なった状態で摺接することにより重なった部分の幅を変更できる幅寸法調整部が設けられている。また、蓋プレートとしては、予め大きなものを準備して、この蓋プレートを、適宜、幅寸法調整部の幅に切断して幅寸法調整部上に設置している。これによって、洗い場部と、浴槽載置部との寸法を調整することができ、幅寸法調整部の上部は蓋プレートで覆うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−27856号公報
【発明の概要】
【0005】
衛生設備室を組み立てる際には、洗い場部と浴槽載置部だけでなく、浴槽、壁面部等の設置や各種の配管等の接続も必要になる。しかしながら、前述した衛生設備室用床では、床下での作業に対する配慮がなされていないため、床下での配管接続の作業がし難いという問題がある。
【0006】
本発明は、前述した問題に対処するためになされたもので、その目的は、衛生設備室を設置するスペースに合わせて大きさを調整でき、さらにその施工が容易になる衛生設備室用床およびその施工方法を提供することである。なお、本発明において、衛生設備室とは、少なくとも、浴槽と洗い場とを有する浴室をいい、浴槽と洗い場と洗面設備とを有する浴室や、浴槽と洗い場と洗面設備と便器とを有する浴室など他の設備を有するものを含むものとする。また、下記本発明の各構成要件の記載においては、本発明の理解を容易にするために、実施形態の対応箇所の符号を括弧内に記載しているが、本発明の構成要件は、実施形態の符号によって示された対応箇所の構成に限定解釈されるべきものではない。
【0007】
前述した目的を達成するため、本発明に係る衛生設備室用床の構成上の特徴は、浴槽(35)の長手方向に沿う側面(浴槽の長辺側の側面)に隣接して配置されるフレーム(10)と、フレームの上に設置されるフロア(20)とからなる衛生設備室用床(A)であって、フレームは、作業用開口部(16)と脚部(12a,12b)とを備え、フロアは、ともに浴槽の長手方向の衛生設備室の幅に幅を合わせて前記フレーム上に設置される排水口(21e)を備えた排水部フロア(21)と主フロア(25)とからなることにある。
【0008】
本発明に係る衛生設備室用床は、フレーム上に設置される排水部フロアと主フロアとして、切断し、サイズ調整し得る大きさのものを準備しておく。そして排水部フロアと主フロアとを、それぞれ切断して設置することにより、衛生設備室用床の大きさを任意のものにすることができる。また、フレームについては、例えば、棒状の部材を所定の長さに切断して枠状に組み立てることにより、各種サイズに対応できる。
【0009】
さらに、フレームには、作業用開口部と脚部とが備わっている。このため、配管接続作業等の床下で行う作業の終了後に主フロアを設置するようにして、その間、作業用開口部が開口した状態にしておくと、フレームに設けた脚部により、フレームの下方に生じた空間に、作業用開口部から手を延ばして配管の接続作業等を行うことができる。なお、脚部としては、高さ調節ができるものを用いることが好ましい。
【0010】
本発明に係る衛生設備室用床の他の構成上の特徴は、排水部フロアには、排水口に向けた水勾配(b)が設けられ、主フロアは平板で構成され、排水部フロアに向けた水勾配(a)が形成されるように設置されていることにある。これによると、施工後の使用の際に、衛生設備室用床上の湯水が排水口に向かって流れるため、衛生設備室用床上に湯水が溜まることがなくなる。また、主フロアを平板で構成しているため、主フロアをどの部分で切断しても、その切断面形状、すなわち、排水部フロアと隣接する側面形状が同じになるので、切断するだけで排水部フロアと隣接して設置することができる。
【0011】
本発明に係る衛生設備室用床の施工方法の構成上の特徴は、浴槽の長手方向に沿う側面に隣接して、作業用開口部と脚部とを備えるフレームと、フレームの上に設置されるフロアとを設置する衛生設備室用床の施工方法であって、フレーム上の一方に、排水部フロアを設置する排水部フロア設置工程と、排水部フロア設置工程の後に、フレーム上の他方に、排水部フロアの幅に幅を揃えて主フロアを設置する主フロア設置工程とを備えたことにある。
【0012】
本発明によると、フロアを構成する排水部フロアと主フロアとを、それぞれ所定の大きさに切断して設置することにより、衛生設備室用床の大きさを衛生設備室のスペースに合った大きさにすることができる。また、各工程の最後に、主フロアを設置してフレームの作業用開口部を塞ぐようにしているので、作業用開口部を利用して床下での配管の接続作業等が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態に係る衛生設備室用床を示した斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る衛生設備室用床を示した平面図である。
【図3】表面材を除いた衛生設備室用床の分解斜視図である。
【図4】表面材を除いた衛生設備室用床を示しており、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。
【図5】図4(a)の5−5断面図である。
【図6】図4(a)の6−6断面図である。
【図7】図4(a)の7−7断面図である。
【図8】衛生設備室用床が取り付けられたシステムバスを示した斜視図である。
【図9】衛生設備室用床の水勾配を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態を図面を用いて説明する。図1および図2は、同実施形態に係る衛生設備室用床Aを示しており、この衛生設備室用床Aは、システムバスB(図8参照)の洗い場側の床面を構成するものである。衛生設備室用床Aは、フレーム10と、フレーム10の上部に設置されたフロア20と、フロア20の上面に張り付けられた表面材30とで構成されており、図3は、表面材30を除いた衛生設備室用床Aを分解した状態を示している。また、図4には、図3に示した各部材を組み付けた状態を示しており、図4(a)は上方から見た状態、図4(b)は前方から見た状態、図4(c)は側方から見た状態を示している。なお、図2ないし図4は、衛生設備室用床Aを模式的に示した図であり、各部分の寸法関係等については実際のものとは異なっている。
【0015】
フレーム10は、図3に示したように、金属製の中空角材を枠状に組み立てて構成されるフレーム本体11と、フレーム本体11の前端部の下面両側に設けられた2個の脚部12aと、フレーム本体11の後部の下面両側に設けられた2個の脚部12b(図4(c)参照)とで構成されている。本実施形態においては、図2を基準として、図2の左右方向を左右方向とし、図2の上下方向を前後方向(下方が前方で上方が後方)として説明する。フレーム本体11は、衛生設備室を設置するスペースに応じて決定した衛生設備室の寸法に合わせて切断され、洗い場の前後の奥行き分間隔を保って配置された一対の前桟13a,後桟13bと、前桟13a,後桟13bの対向する端部どうしを接続する一対の左桟14a,右桟14bとからなる四角形の外枠を備えている。
【0016】
後桟13bの近傍には、後桟13bに平行して延びる中桟13cが配置されており、その両端は左桟14a,右桟14bに固定されている。また、前桟13aと中桟13cとの間には、左桟14aと右桟14bとの間隔を略3等分するようにして一対の補強桟15a,15bが配置されており、その両端はそれぞれ前桟13aと中桟13cとに固定されている。これらの各桟は、溶接で固定されている。なお、各桟は、ボルト等の固定部材で固定してもよい。なお、中桟13cは、後桟13bとの間の寸法が後述する排水部フロア21の前後方向の長さに対応するように設置される。また、前桟13a、中桟13c、左桟14aおよび右桟14bで囲まれる3つの空間で本発明に係る作業用開口部16が形成される。
【0017】
脚部12aは、前桟13aの下面における左右両側部分に設けられ、脚部12bは、中桟13cの下面における左右両側部分に設けられている。この脚部12a,12bは、ともに、前桟13a、中桟13cに固定され内部にねじが形成された筒状部と、筒状部のねじに螺合するねじが外周に形成され下部に略円板状の支持面が形成された支持部とで構成されている。このため、筒状部に対して支持部を回転させることにより、フレーム10の高さを調節することができる。
【0018】
フロア20は、それぞれ樹脂の成形体からなる排水部フロア21と、一対の側部壁載置部材22,23(図5参照)と、前部壁載置部材24と、主フロア25とで構成されている。排水部フロア21は、左右に長い長方形のフロア21gの中央に略四角箱形の排水口部21aが形成され、フロア21gの後縁部に上方に突出する堰21bが形成されるとともに、前縁部に段差部からなるフロア載置部21cが形成された構成をしている。また、フロア21gの上面における堰21bの前部には左右両端から排水口部21aに向かって下り傾斜になった排水用溝21dが堰21bに沿って形成されている。そして、排水口部21aの底部には外部に連通する排水口21eが形成されている。
【0019】
フロア21gの上面は、前部から後部にかけて下り傾斜になった傾斜面に形成されている。すなわち、このフロア21gの上面は、前部から後部に向かって下り、後部では左右両側から中央に向かって下り排水口部21aに連なっている。この排水部フロア21は、大き目に形成されたものをフレーム10の後部上面に設置できるように、左桟14aと右桟14bとの外側面間の幅に合わせて切断して使用される。その切断の際に、排水部フロア21の両側部には、それぞれ図1に示した段差部からなる壁載置部21fが形成される。また、壁載置部21fの下部外側面が、それぞれ左桟14aと右桟14bとの外側面よりも外側に位置するように、壁載置部21fの下部を外側に突出させる。
【0020】
側部壁載置部材22は、図4(c)に示したように、左桟14aの上面に設置されて、排水部フロア21の壁載置部21fと連続する壁載置部を形成するとともに、主フロア25の左縁部を支持するものである。側部壁載置部材22は、上下面が平行する平面で構成された細長い角柱状に形成された壁載置部22aと、壁載置部22aの上面における右側部分に形成され、上面が前部から後部にかけて下り傾斜になったフロア載置部22bとで構成されている。また、壁載置部22aの前端部は、フロア載置部22bの前端部よりも前方に突出しており、これによって、側部壁載置部材22の左側面と前面とには連続した段差が形成されている。
【0021】
側部壁載置部材23は、側部壁載置部材22と左右対称に形成されており、壁載置部23aとフロア載置部23bとで構成されている。この側部壁載置部材23は、排水部フロア21の右側の壁載置部21fと連続する壁載置部を形成するとともに、主フロア25の右縁部を支持するものである。
【0022】
前部壁載置部材24は、前桟13aの上面に設置されて、壁載置部22a,23aと連続する壁載置部を形成するとともに、図7に示したように、主フロア25の前縁部を支持するものである。前部壁載置部材24は、上下面が平行する平面で構成された細長い角柱状に形成された壁載置部24aと、壁載置部24aの上面における後部側から上方に突出し、上面が前部から後部にかけて下り傾斜になったフロア載置部24bとで構成されている。この前部壁載置部材24は、壁載置部24aの前部を前桟13aの前面よりも前方に突出させて前桟13aの上面に設置される。なお、排水部フロア21、側部壁載置部材22,23および前部壁載置部材24は、それぞれボルト等でフレーム10に固定される。
【0023】
主フロア25は、厚みが排水部フロア21のフロア載置部21cの段差高さと略同じ寸法で、左右および前後の寸法が、想定した最大の大きさ、例えば、左右が2mで前後が2mの平板で構成されている。そして、前後の長さが前桟13aと中桟13cとの間の寸法と略一致し、左右の寸法が、左桟14aと右桟14bとの間の寸法と略一致するように切断される。この主フロア25は、フロア載置部21c,22b,23b,24bの上面に設置され、外周側の所定部分がボルト等で排水部フロア21、側部壁載置部材22,23および前部壁載置部材24に固定される。また、補強桟15a,15bの上面には、主フロア25の中央部分を支持する支持部材26が設置されている。
【0024】
表面材30は、厚みが、1〜3mmの樹脂シートで構成されており、フロア20における堰21b、排水口部21aおよび排水用溝21dを除いた部分の上面に載置されている。この表面材30の表面には、滑り止めの目的と、美観を向上させる目的のための凹凸模様が施されている。また、表面材30は、排水部フロア21と主フロア25の境界部の繋ぎ目を隠す機能や、クッション性および防水性を向上させる機能も備えている。
【0025】
つぎに、前述した各部材を用いて構成される衛生設備室用床Aの施工方法を説明する。衛生設備室用床Aを、所定のスペースに設置してシステムバスBを施工する場合には、まず、洗い場のスペースに合わせてフレーム10を組み立てる。この場合、前桟13a、後桟13b、左桟14aおよび右桟14bを洗い場スペースの前後および左右の寸法に合わせて切断し、四角枠状に組み立てる。つぎに、中桟13cを、左桟14aと右桟14bとの内側面間の寸法に切断し、排水部フロア21の前後の寸法分後桟13bから距離を保たせて左桟14aと右桟14bとに固定する。
【0026】
ついで、左桟14aから所定距離を保たせて、補強桟15aを前桟13aと中桟13cに固定し、右桟14bから所定距離を保たせて、補強桟15bを前桟13aと中桟13cに固定する。そして、前桟13aの下面に、2個の脚部12aを取り付け、中桟13cの下面に、2個の脚部12bを取り付ける。これによって、脚部12a,12bを備え、後部を除く大部分が作業用開口部16になったフレーム10が形成される。
【0027】
つぎに、フレーム10の上面の後部に排水部フロア21を設置し、フレーム10の上面の左右における排水部フロア21の前側に側部壁載置部材22,23を設置するとともに、フレーム10の前部に前部壁載置部材24を設置する。このとき、排水部フロア21、側部壁載置部材22,23および前部壁載置部材24は、それぞれフレーム10の各部分の長さに合わせて切断する。ついで、排水部フロア21、側部壁載置部材22,23および前部壁載置部材24が設置されたフレーム10の後部を、浴槽用防水パン36(図8参照)の前部壁の上端縁部に係合させる。この係合は所定の取付用部材等を用いて行う。そして、脚部12a,12bを調節して、フレーム10の高さを調節する。
【0028】
つぎに、フレーム10と浴槽用防水パン36との周囲に壁面部37およびドア(図示せず)を設置するとともに、壁面部37およびドアの上部に天井部(図示せず)を設置する。このとき、各壁面部37の下端面が壁載置部21f,22a,23a,24aの上面に位置するようにする。なお、ドアは、衛生設備室用床Aの前部中央に設置する。そして、衛生設備室内に浴槽35を搬入して、浴槽用防水パン36の内部上面に設置する。
【0029】
つぎに、フレーム10の高さ調整、排水部フロア21の排水口部21aの底部の排水口21eと排水管の接続等のフロア20の下での作業を行う。このとき、作業者は、作業用開口部16から排水部フロア21やフレーム10の下部側に手を延ばして作業を行う。そして、排水部フロア21の後縁部と浴槽35の前部上縁部との間にエプロン35aを設置したのちに、主フロア25を作業用開口部16の周囲に位置するフロア載置部21c,22b,23b,24bの上面に設置して、図8の状態にする。このとき、主フロア25の左右の側面および前面は、フロア載置部22b,23b,24bの外縁部に一致する。そして、フロア20の上面に表面材30を貼り付けてシステムバスBが完成する。これによって、表面材30の表面には、図9に示したように、前部から後部に向かう水勾配aと、後部で左右両側から中央に向かう水勾配bとが形成される。
【0030】
このように、本実施形態に係る衛生設備室用床Aでは、排水部フロア21、主フロア25等の各部材としてそれぞれ大きなものを1種類だけ準備するようにしている。そして、衛生設備室を設置するスペースに合わせて決定した衛生設備室の広さに応じて、排水部フロア21、主フロア25等を、切断するようにしている。このため、少ない種類の成形用金型で種々のサイズの衛生設備室用床Aを形成することができる。また、フレーム10には、脚部12a,12bと作業用開口部16とが備わっている。このため、主フロア25を、フロア20を設置する工程の最後に設置することにより、作業用開口部16を利用してや衛生設備室用床Aの下部空間での作業ができるため、配管の接続作業等を容易に行うことができる。
【0031】
さらに、主フロア25は、排水部フロア21に向けた水勾配が設けられた平板で構成され、フロア21gには前部から後部に向けた水勾配が設けられている。そして、排水部フロア21には、左右両端から排水口部21aに向かって下り傾斜になった排水用溝21dが形成されている。このため、施工後の使用の際に、衛生設備室用床A上の湯水が排水口部21aに向かって流れるようになり、衛生設備室用床A上に湯水が溜まることがなくなる。また、主フロア25を平板で構成しているため、主フロア25をどの部分で切断しても、排水部フロア21との境界部に段差がない連続した面のように形成することができる。
【0032】
また、本発明に係る衛生設備室用床は、前述した実施形態に限定するものでなく、本発明の技術的範囲において適宜変更して実施することができる。例えば、衛生設備室としては、前述した浴槽35だけを備えたシステムバスBに限らず、浴槽35の他に、洗面設備を備えたシステムバスとしてもよい。また、前述した実施形態では、浴槽35を浴槽用防水パン36上に設置しているが、この浴槽用防水パン36は用いなくてもよい。その場合、衛生設備室用床Aは、取付用部材等を用いて、直接浴槽35に係合させる。また、表面材30としては、樹脂シートに代えてタイルを用いることができる。その場合、モルタルや接着剤でタイルをフロア20の表面に貼り付ける。さらに、衛生設備室用床の施工順序は、前述したものに限定するものでなく、適宜、状況に応じて順序を入れ替えることができる。
【符号の説明】
【0033】
10…フレーム、12a,12b…脚部、16…作業用開口部、20…フロア、21…排水部フロア、21d…排水用溝、21e…排水口、25…主フロア、35…浴槽、A…衛生設備室用床、水勾配…a,b。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴槽の長手方向に沿う側面に隣接して配置されるフレームと、前記フレームの上に設置されるフロアとからなる衛生設備室用床であって、
前記フレームは、作業用開口部と脚部とを備え、
前記フロアは、ともに前記浴槽の長手方向の衛生設備室の幅に幅を合わせて前記フレーム上に設置される排水口を備えた排水部フロアと主フロアとからなることを特徴とする衛生設備室用床。
【請求項2】
前記排水部フロアには、前記排水口に向けた水勾配が設けられ、前記主フロアは平板で構成され、前記排水部フロアに向けた水勾配が形成されるように設置されている請求項1に記載の衛生設備室用床。
【請求項3】
浴槽の長手方向に沿う側面に隣接して、作業用開口部と脚部とを備えるフレームと、前記フレームの上に設置されるフロアとを設置する衛生設備室用床の施工方法であって、
前記フレーム上の一方に、排水部フロアを設置する排水部フロア設置工程と、
前記排水部フロア設置工程の後に、前記フレーム上の他方に、前記排水部フロアの幅に幅を揃えて主フロアを設置する主フロア設置工程とを備えたことを特徴とする衛生設備室用床の施工方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−172475(P2012−172475A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−37810(P2011−37810)
【出願日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【出願人】(392008529)ヤマハリビングテック株式会社 (349)
【Fターム(参考)】