説明

衝突検出装置

【課題】小型化、薄型化に伴う弊害を解消した衝突検出装置を提供することである。
【解決手段】金属からなる車両ボディの外板2aの内側にこの外板2aと対向して配置され、この外板2aの方向に磁界を発生するコイル13と、コイル13のインダクタンスの変化に基づいて車両ボディの変形を検出することにより車両ボディへの物体の衝突を検出して衝突検出信号を出力する処理回路15とを有する衝突検出装置10において、外板2aと対向して配置される多層構造を有する回路基板12を有し、コイル13と処理回路15とは多層構造内の異なる層に形成され、処理回路15の層がコイル13の層よりも外板2aから遠い位置に配置され、コイル13の層と処理回路15の層との間にシールド14の層を設けたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両への物体の衝突を検出する衝突検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両内の乗員保護のためには物体の車両への衝突を検出するのが有効である。そこで、車両に衝突検出装置を搭載し、これにより物体の車両への衝突を検出してエアバッグを作動させ、乗員への衝突衝撃を低減し乗員を保護するようにしている。
【0003】
特許文献1は、この衝突検出装置について開示している。特許文献1に記載の衝突検出装置では、金属製の車両ボディの外板の方向に磁界を発生するコイルを設け、これによって衝突を検出するようにしている。すなわち、コイルの発生した磁界によって、車両ボディの外板に渦電流が流れ、外板も磁界を発生する。渦電流によって発生した磁界はコイルに鎖交する。車両ボディに物体が衝突すると、外板がコイル側に変形し、コイルに鎖交する磁界が変化する。それに伴い、コイルのインダクタンスも変化する。衝突検出装置ではこのコイルのインダクタンスの変化による共振周波数の変化を捉え、車両ボディへの物体の衝突を検出するようにしている。
【特許文献1】特開2007−292593号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車両の側方への物体の衝突を検出するには、車両ドア内に衝突検出装置を搭載する必要があるが、近年、小型車両の開発、普及が進み、車両ドアも小型化、薄型化される傾向にあり、衝突検出装置の搭載スペースが非常に狭く薄くなってきている。そこで、衝突検出装置の小型化、薄型化に望まれる。
【0005】
特許文献1ではこのような衝突検出装置の小型化、薄型化に関しては何ら検討されておらず、小型化、薄型化することの弊害に対し何ら解決策を提示するものではなかった。
【0006】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、小型化、薄型化に伴う弊害を解消した衝突検出装置を提供することを解決すべき技術課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下、上記課題を解決するのに適した各手段につき、必要に応じて作用効果等を付記しつつ説明する。
【0008】
1. 金属からなる車両ボディの外板の内側に該外板と対向して配置され、該外板の方向に磁界を発生するコイルと、前記コイルのインダクタンスの変化に基づいて前記車両ボディの変形を検出することにより該車両ボディへの物体の衝突を検出して衝突検出信号を出力する処理回路とを有する衝突検出装置において、
前記外板と対向して配置される多層構造を有する回路基板を有し、
前記コイルと前記処理回路とは前記多層構造内の異なる層に形成され、前記処理回路の層が前記コイルの層よりも前記外板から遠い位置に配置され、
前記コイルの層と前記処理回路の層との間に磁界を遮蔽するシールド層を設けた、
ことを特徴とする衝突検出装置。
【0009】
手段1によれば、車両ボディの外板と略平行な面の多層構造を有する回路基板の異なる層にコイルおよび処理回路を形成することにより、コイルと処理回路とを積層することができ、衝突検出装置の小型化、薄型化を実現することができる。
【0010】
また、手段1によれば、コイルの層と処理回路の層との間に磁界を遮蔽するシールド層を設けたので、コイルによる磁界の影響を処理回路に与えることなく、処理回路の誤動作を防止することができるという効果を奏する。
【0011】
また、手段1によれば、シールド層によって検出対象(たとえば車両ドアの外板)と反対側における磁界を遮蔽することができ、検出対象(たとえば車両ドアの外板)と反対側の部材(たとえば車両ドアの内板)が金属であったとしても、コイルによる磁界がその反対側の部材の影響を受けないので、衝突検出装置をその反対側の部材に直接取り付けることができて取り付け時の調整が不要であり、取り付け作業を容易に行うことができるという効果を奏する。
【0012】
2. 前記処理回路の層よりも前記外板から遠い層に磁性体を設けたことを特徴とする手段1に記載の衝突検出装置。
【0013】
手段2によれば、磁性体の層によって、コイルによる磁束の磁路を確保し、衝突検出の精度を向上させることができるという効果を奏する。
【0014】
また、手段2によれば、シールド層および磁性体の層によって、検出対象(たとえば車両ドアの外板)と反対側における磁界を遮蔽することができ、検出対象(たとえば車両ドアの外板)と反対側の部材(たとえば車両ドアの内板)が金属であったとしても、コイルによる磁界がその反対側の部材の影響を受けないので、衝突検出装置をその反対側の部材に直接取り付けることができて取り付け時の調整が不要であり、取り付け作業を容易に行うことができるという効果を奏する。
【0015】
3. 前記処理回路は、前記コイルとともに共振回路を構成する共振用素子と、前記共振回路を励振する発振回路と、前記共振回路の共振周波数の変化を検出することによって前記コイルのインダクタンスの変化を検出して前記衝突検出信号を出力する共振周波数変化検出回路とを有することを特徴とする手段1または2に記載の衝突検出装置。
【0016】
手段3によれば、コイルのインダクタンスの変動を検出する回路である共振用素子や発振回路や共振周波数変化検出回路を、処理回路として、回路基板の1つの層に実装するようにしたので、衝突検出装置の小型化、薄型化を実現することができる。
【0017】
4. 前記共振周波数変化検出回路が、前記共振回路の出力信号を整流する整流回路と、前記整流回路によって整流された信号を増幅し前記衝突検出信号として出力する増幅回路とからなることを特徴とする手段3に記載の衝突検出装置。
【0018】
手段4によれば、共振周波数変化検出回路を構成する整流回路や増幅回路を、処理回路として、回路基板の1つの層に実装するようにしたので、衝突検出装置の小型化、薄型化を実現することができる。
【0019】
また手段4によれば、共振周波数変化検出回路を整流回路や増幅回路で構成したので、簡単な回路構成で共振周波数変化検出回路を実現できるという効果を奏する。
【0020】
5. 前記コイルは、前記回路基板に配線パターンとして形成されていることを特徴とする手段1ないし4のいずれかに記載の衝突検出装置。
【0021】
手段5によれば、コイルが、回路基板の1つの層に配線パターンとして形成されているので、衝突検出装置の小型化、薄型化を実現することができる。
【0022】
6. 前記コイルの巻き回しの径方向に広がる領域において、前記シールド層および前記処理回路は、前記コイルが形成される領域以内の領域に形成され、前記磁性体は、前記シールド層が形成される領域以内の領域と前記コイルが形成される領域以外の領域との間の領域に形成されることを特徴とする請求項2ないし5のいずれかに記載の衝突検出装置。
【0023】
手段6によれば、処理回路に対してコイルから生じる磁界を効率よく遮蔽することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明に係る衝突検出装置の実施形態について詳しく説明する。本実施形態では、本発明に係る衝突検出装置を、特に車両側面への物体の衝突を検出する側突検出装置に適用した例を示す。
【0025】
なお、説明する実施形態はあくまでも実施形態の例にすぎず、本発明に係る衝突検出装置は、下記実施形態に限定されるものではない。本発明に係る衝突検出装置は、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、当業者が行い得る変更、改良等を施した種々の形態にて実施することができる。
【0026】
(実施形態1)
まず、本実施形態の側突検出装置が用いられる環境を説明する。図1は、本実施形態の側突検出装置が用いられる環境の平面図である。
【0027】
車両1は側方にドア2を有し、ドア2内に側突検出装置10を有する。車両1の側方から他の車両や障害物等の物体3が衝突した場合、ドア2の変形を側突検出装置10が検出し、この検出結果に応じて図示しないサイドエアバッグを作動させ、乗員に対する衝撃の緩和を図る。
【0028】
図2は、図1に示したドア2を車両1の上方から見て、その内部構造を示す断面図である。ドア2は、車外側に金属製の外板2aを有するとともに、車内側に金属製の内板2bを有して構成される。外板2aと内板2bとの間には空間が設けられ、その空間には、ドア2を補強する金属製の円筒状部材であるドアビーム2cや、側突検出装置10や、図示しない樹脂部材等が収容されている。本実施形態では、側突検出装置10が外板2aやドアビーム2cの変形を検出するように構成されている。以下では、この外板2aやドアビーム2cを被検出物と呼ぶ。
【0029】
本実施形態の側突検出装置10は、たとえば樹脂製のケース11内に、回路基板12を収容して構成されている。回路基板12は多層構造を有し、各素子を積層することにより、面積が小さくて済み小型化を可能にしている。回路基板12の各層のうち最も被検出物(外板2aやドアビーム2c)に近い層にはコイル13が形成され、その次の層にはシールド14が形成され、その次の層には処理回路15が形成される。また本実施形態では、回路基板12の被検出物と反対側の面には磁性体16aおよび16bが設けられている。磁性体16aおよび16bは酸化鉄、酸化クロム、コバルト、フェライトといった磁性体を平板状に形成したものである。
【0030】
図3は、図2に示した側突検出装置10の各層の素子を示す斜視図であり、見易さのため回路基板12を省略して示す図である。
【0031】
コイル13は、たとえば回路基板12の1つの層にプリントパターンすなわち配線パターンによって形成される。コイル13は、その厚みが配線パターン自体の厚みのみになるように、外周に向かって渦状に形成されている。シールド14は、たとえば銅の薄い層で形成されており、その面積は、処理回路15をコイル13による磁界からシールドするように、処理回路15の面積と略同等に形成されている。処理回路15は、回路基板12の1つの層に、後述する回路素子を実装して構成される。コイル13の面積は、側突検出に必要な強度の磁界を生じさせるコイルを形成するのに必要とされる面積により規定され、処理回路15の面積は、実装する回路素子により必要とされる面積により規定される。ここで、コイル13の巻き回しの径方向に広がる領域において、シールド14および処理回路15は、コイル13が形成される領域以内の領域に形成され、磁性体16aおよび16bは、シールド14が形成される領域以内の領域とコイル13が形成される領域以外の領域との間の領域に形成される。これにより、処理回路15に対してコイル13から生じる磁界を効率よく遮蔽することができる。また、以上のようにすることにより側突検出装置10の薄型化を実現することができる。
【0032】
なお、コイル13や処理回路15は、必要とする回路基板12の面積を減少させるために複数の層で構成するようにしてもよい。コイル13と処理回路15とのように、回路上、電気的に接続が必要であるが、層が異なるもの同士の電気的接続は、たとえば回路基板12に各層同士を接続するスルーホールを設けて接続するようにすればよい。
【0033】
図4は、図2に示したコイル13および処理回路15の電気的接続を示す回路図である。本実施形態では、側突検出装置10を図2に示したようにドア2内に収容して被検出物(外板2aやドアビーム2c)が変形していない状態において、コイル13のインダクタンスはLsであり、このコイル13とともに共振回路19を構成する共振用素子20は、図4に示すように容量がCsおよびCoのコンデンサからなる。共振回路19の共振周波数Foは1/2π√(Ls・(Cs+Co))となる。
【0034】
この共振回路19は、発振回路17による発振周波数F、電圧Viの信号を入力し、電圧Voを出力する。被検出物が変形するとコイル13のインダクタンスが変化して共振回路19の共振周波数が変化し、これにより共振回路19の出力電圧Voが変動する。共振周波数変化検出回路21は、共振回路19の出力電圧Voの変動を衝突検出信号としてエアバッグ制御回路22に対して出力する。
【0035】
図5は、図4に示した共振周波数変化検出回路21の内部構成の一例を示すブロック図である。共振周波数変化検出回路21は、共振回路19の出力電圧Voを半波整流する整流回路23と、整流回路23の出力を増幅する増幅回路24とを有して構成される。この例によれば、共振周波数変化検出回路21は、共振回路19の共振周波数の変化に応じた信号を出力し、エアバッグ制御回路22はこの信号に基づいて図示しないサイドエアバッグを作動させる。
【0036】
図4に示したコイル13は、図2に示したコイル13として1つの層に形成される。また、図4に示した発振回路17と共振用素子20と共振周波数変化検出回路21とを有する処理回路15は、図2に示した処理回路15として1つの層に形成される。ただし、本発明はこれに限られるものではなく、図2に示した処理回路15に対して所定の回路素子の追加や削除を行うことも可能である。
【0037】
以下、図面を参照しながら本実施形態の側突検出装置10の動作について説明する。図6は、図4に示した共振回路19の周波数特性を示す図であり、図7は、図6に示した周波数Fの信号を発振回路17によって生成して共振回路19に印加した場合の、コイル13のインダクタンスの特性および共振回路19の出力電圧Voの特性を示す図である。なお、図6において、縦軸は共振回路19の出力電圧Voであり、横軸は共振回路19に入力される信号の周波数である。また、図7において、縦軸は、破線の曲線についてはコイル13のインダクタンスであり、実線の曲線については共振回路19の出力電圧Voであり、横軸はコイル13と被検出物との距離である。
【0038】
本実施形態では、側突検出装置10において、発振回路17は、共振回路19の共振周波数より高い所定周波数Fの交流電圧Viを共振回路19の入力端子に入力する。これにより、コイル13は被検出物の方向に磁界を発生する。シールド14はこの磁界から処理回路15をシールドする。コイル13の発生した磁界により、被検出物に渦電流が流れ、被検出物も磁界を発生する。
【0039】
ここで、たとえば車両ドア2に物体3が衝突すると、被検出物がコイル13に近づく方向に変形し、被検出物とコイル13との間の距離が減少する。それに伴い、コイル13に鎖交する渦電流によって発生した磁界が増加する。被検出物とコイル13との間の距離が減少するに従って、コイル13のインダクタンスは、連続的に、しかも即座に減少する(図7の破線の曲線を参照)。
【0040】
このようにコイル13のインダクタンスが減少すると、共振回路19の共振周波数は上昇する。つまり、車両ドア2に物体3が衝突することで、共振回路19の共振周波数が上昇し、周波数特性が全体的に高周波側にシフトすることとなる(図6参照)。これに伴い、共振回路19に入力された所定周波数Fの交流電圧Viに対して、共振回路19から出力される交流電圧Voの大きさも増加する。前述したように、被検出物の変形によりコイル13のインダクタンスは連続的に減少する。このため、被検出物とコイル13との間の距離が減少するに従って、共振回路19から出力される交流電圧Voの大きさも、連続的に、しかも即座に増加する(図7の実線の曲線を参照)。
【0041】
共振周波数変化検出回路21は、この交流電圧Voを入力し、これを整流回路23によって半波整流し、この整流結果を増幅回路24によって増幅して衝突検出信号としてエアバッグ制御回路22に対して出力する。エアバッグ制御回路22では入力した信号をたとえば所定の閾値と比較し、入力信号の大きさがこの閾値以上のときに、被検出物とコイル13との間の距離が所定距離以下になったことから、車両ドア2に物体3が衝突したと判定し、サイドエアバッグを作動させ、乗員の保護を図る。
【0042】
なお、本実施形態では、上述したように、回路基板12の各層のうち最も被検出物に近い層にはコイル13が形成され、その次の層にはシールド14が形成され、その次の層には処理回路15が形成され、回路基板12の被検出物と反対側の面には磁性体16aおよび16bが設けられている。以下では、この積層構造による磁場への影響について説明する。
【0043】
図8は、コイル13により発生させた磁界による磁場を示す図であって、コイル13の層と処理回路15の層のみを設けた場合の磁場を示す図であり、(A)は各層の面を見た平面図であり、(B)はその側面図であり、(C)は(B)の側面図の周囲の磁場強度を示す図である。
【0044】
図9は、コイル13により発生させた磁界による磁場を示す図であって、コイル13の層とシールド14の層と処理回路15の層のみを設けた場合の磁場を示す図であり、(A)は各層の面を見た平面図であり、(B)はその側面図であり、(C)は(B)の側面図の周囲の磁場強度を示す図である。
【0045】
図10は、コイル13により発生させた磁界による磁場を示す図であって、コイル13の層とシールド14の層と処理回路15の層と磁性体16aおよび16bの層を設けた場合の磁場を示す図であり、(A)は各層の面を見た平面図であり、(B)はその側面図であり、(C)は(B)の側面図の周囲の磁場強度を示す図である。
【0046】
図8(C)を参照して分かるように、コイル13の層と処理回路15の層のみを設けた場合には、コイル13の層の両面に強い磁場が形成されており、この状態では、処理回路15はコイル13により発生させた磁界の影響を受けて誤動作してしまう虞がある。
【0047】
これに対して、コイル13の層と処理回路15の層との間にシールド14の層を設けた場合には、図9(C)を参照して分かるように、中央付近で処理回路15の側の磁場強度が弱くなっている。これによりコイル13により発生させた磁界の、処理回路15への影響を低減することができ、誤動作を防止することができる。
【0048】
さらに、磁性体16aおよび16bの層を設けた場合には、図10(C)を参照して分かるように、処理回路15のある中央付近であって、処理回路15のある面側で、磁場強度がさらに弱まり、ほとんどなくすことができている。これによりコイル13により発生させた磁界の、処理回路15への影響を低減することができ、誤動作を防止することができる。また、磁性体16aおよび16bを設けた場合には、磁性体16aおよび16bにより磁路を確保することができ、被検出物の側の磁場強度を強い状態に保つことができている。これにより衝突検出において検出精度を高めることができる。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明は、車両への側突検出に適用することができるが、他にも、金属性の物質の急激な接近を検出する検出装置全般に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本実施形態の側突検出装置が用いられる環境の平面図である。
【図2】図1に示したドア2を車両1の上方から見て、その内部構造を示す断面図である。
【図3】図2に示した側突検出装置10の各層の素子を示す斜視図であり、見易さのため回路基板12を省略して示す図である。
【図4】図2に示したコイル13および処理回路15の電気的接続を示す回路図である。
【図5】図4に示した共振周波数変化検出回路21の内部構成の一例を示すブロック図である。
【図6】図4に示した共振回路19の周波数特性を示す図であり、
【図7】図6に示した周波数Fの信号を発振回路17によって生成して共振回路19に印加した場合の、コイル13のインダクタンスの特性および共振回路19の出力電圧Voの特性を示す図である。
【図8】コイル13により発生させた磁界による磁場を示す図であって、コイル13の層と処理回路15の層のみを設けた場合の磁場を示す図であり、(A)は各層の面を見た平面図であり、(B)はその側面図であり、(C)は(B)の側面図の周囲の磁場強度を示す図である。
【図9】コイル13により発生させた磁界による磁場を示す図であって、コイル13の層とシールド14の層と処理回路15の層のみを設けた場合の磁場を示す図であり、(A)は各層の面を見た平面図であり、(B)はその側面図であり、(C)は(B)の側面図の周囲の磁場強度を示す図である。
【図10】コイル13により発生させた磁界による磁場を示す図であって、コイル13の層とシールド14の層と処理回路15の層と磁性体16aおよび16bの層を設けた場合の磁場を示す図であり、(A)は各層の面を見た平面図であり、(B)はその側面図であり、(C)は(B)の側面図の周囲の磁場強度を示す図である。
【符号の説明】
【0051】
1 車両
2 車両ドア
2a 外板
2b 内板
2c ドアビーム
3 物体
10 側突検出装置(衝突検出装置)
11 ケース
12 回路基板
13 コイル
14 シールド
15 処理回路
16a、16b 磁性体
17 発振回路
19 共振回路
20 共振用素子
21 共振周波数変化検出回路
22 エアバッグ制御回路
23 整流回路
24 増幅回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属からなる車両ボディの外板の内側に該外板と対向して配置され、該外板の方向に磁界を発生するコイルと、前記コイルのインダクタンスの変化に基づいて前記車両ボディの変形を検出することにより該車両ボディへの物体の衝突を検出して衝突検出信号を出力する処理回路とを有する衝突検出装置において、
前記外板と対向して配置される多層構造を有する回路基板を有し、
前記コイルと前記処理回路とは前記多層構造内の異なる層に形成され、前記処理回路の層が前記コイルの層よりも前記外板から遠い位置に配置され、
前記コイルの層と前記処理回路の層との間に磁界を遮蔽するシールド層を設けた、
ことを特徴とする衝突検出装置。
【請求項2】
前記処理回路の層よりも前記外板から遠い層に磁性体を設けたことを特徴とする請求項1に記載の衝突検出装置。
【請求項3】
前記処理回路は、前記コイルとともに共振回路を構成する共振用素子と、前記共振回路を励振する発振回路と、前記共振回路の共振周波数の変化を検出することによって前記コイルのインダクタンスの変化を検出して前記衝突検出信号を出力する共振周波数変化検出回路とを有することを特徴とする請求項1または2に記載の衝突検出装置。
【請求項4】
前記共振周波数変化検出回路が、前記共振回路の出力信号を整流する整流回路と、前記整流回路によって整流された信号を増幅し前記衝突検出信号として出力する増幅回路とからなることを特徴とする請求項3に記載の衝突検出装置。
【請求項5】
前記コイルは、前記回路基板に配線パターンとして形成されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の衝突検出装置。
【請求項6】
前記コイルの巻き回しの径方向に広がる領域において、前記シールド層および前記処理回路は、前記コイルが形成される領域以内の領域に形成され、前記磁性体は、前記シールド層が形成される領域以内の領域と前記コイルが形成される領域以外の領域との間の領域に形成されることを特徴とする請求項2ないし5のいずれかに記載の衝突検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−112792(P2010−112792A)
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−284408(P2008−284408)
【出願日】平成20年11月5日(2008.11.5)
【出願人】(000004695)株式会社日本自動車部品総合研究所 (1,981)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】