説明

衝突混合スプレーガン並びにそれを用いた塗装方法および鋼材

【課題】粘度が高く、粘度差および配合比が大きい2つの材料を衝突させて均一に混合し、得られた混合物を噴出させることができる衝突混合スプレーガン並びにそれを用いた塗装方法および鋼材を得る。
【解決手段】衝突混合スプレーガン10は、ガンブロック14を含む。ガンブロック14内に、オリフィス34,36を有するミキシングモジュール26を配置する。主剤用のオリフィス36と硬化剤用のオリフィス34について、1個当たりの内径比を0.7:1.0〜1.3:1.0とし、かつ合計断面積比を2.0:1.0〜6.0:1.0の範囲にする。主剤用オリフィス36と硬化剤用オリフィス34から混合室70に向かって、主剤と硬化剤との配合比が2.5:1〜5:1の割合で、主剤と硬化剤の粘度差が2倍以上ある主剤と硬化剤とを注入する。主剤と硬化剤とを混合して得られた二液硬化型ウレタン塗料を噴出孔54から噴出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、衝突混合スプレーガン並びにそれを用いた塗装方法および鋼材に関し、特にたとえば、港湾・海洋構造物などに用いられる鉄鋼製品に重防食用塗装を施すための衝突混合スプレーガン並びにそれを用いた塗装方法および鋼材に関する。
【背景技術】
【0002】
鋼管杭や鋼管矢板などは、大水深域や軟弱地盤において優れた機能を有するため、桟橋、岸壁、護岸、防波堤、橋梁、土留めなどに広く使用されている。このような港湾・海洋鋼構造物は、長期耐用が要求されており、従来より、電気防食、塗装、モルタルライニングなどの各種防食法が採用されてきた。これらの防食法においては、耐用年数や経済性などに優れていることが求められる。
【0003】
このような防食法の中で、特に耐用年数が長く、経済性に優れた方法として、鋼構造物に二液硬化型ウレタン塗料による被覆を行う方法がある。二液硬化型ウレタン塗料による被覆を行うために、主剤と硬化剤とを混合して二液硬化型ウレタン塗料を作製し、鋼構造物に二液硬化型ウレタン塗料を塗布して硬化させている。ここで、鋼構造物に二液硬化型ウレタン塗料を塗布する方法として、予め主剤と硬化剤とを混合し、得られた二液硬化型ウレタン塗料を鋼構造物に塗布して硬化させる方法がある。この方法は、主剤と硬化剤とを混合してから硬化するまでの可使時間が10分以上ある二液硬化型ウレタン塗料に用いられる。また、可使時間が0.5分〜5分程度の二液硬化型ウレタン塗料の場合、主剤と硬化剤とを移送しながら混合するスタティックミキサーなどが用いられる。
【0004】
これらの方法においては、主剤と硬化剤とを混合したのち、ミキシング装置が溶剤によって洗浄される。しかしながら、近年、環境問題などにより、溶剤の使用を抑えることが要請されている。そこで、可使時間の短い二液硬化型ウレタン塗料を用いて、鋼構造物に二液硬化型ウレタン塗料を行うための衝突混合スプレーガンが用いられる。
【0005】
衝突混合スプレーガン内には、図8に示すように、ガンブロック1、パターンコントロールディスクボディ2、フロントパッキン3およびミキシングモジュール4などが設けられる。ミキシングモジュール4は、ガンブロック1の内側に配置され、さらにパターンコントロールディスクボディ2およびフロントパッキン3と接するように配置される。また、パターンコントロールディスクボディ2の先端部には、二液硬化型ウレタン塗料を噴出するためのパターンコントロールディスク5が取り付けられる。ミキシングモジュール4には、空洞状の混合室4aが形成され、この混合室4aに向かって2つのオリフィス6a,6bが形成される。さらに、混合室4a内には、スライド可能なバルブロッド7が配置される。
【0006】
この衝突混合スプレーガンでは、一方のオリフィス6aから混合室4a内に主剤が送り込まれ、他方のオリフィス6bから混合室4a内に硬化剤が送り込まれる。送り込まれた主剤および硬化剤は、混合室4a内で衝突して均一に混合され、得られた二液硬化型ウレタン塗料がパターンコントロールディスク5の噴出孔から外部に噴出する。噴出した二液硬化型ウレタン塗料は、鋼構造物に付着して硬化し、二液硬化型ウレタン塗料による被覆が形成される。鋼構造物に二液硬化型ウレタン塗料を吹き付けたのち、バルブロッド7が混合室4a内をスライドして二液硬化型ウレタン塗料が押し出され、混合室4a内が清掃される。このような衝突混合スプレーガンでは、バルブロッド7によって機械的に混合室4a内が清掃されるため、溶剤による洗浄が不要である(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
【特許文献1】特開平9−57157号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このような衝突混合スプレーガンを用いて混合される材料は、たとえば主剤および硬化剤の粘度が低く、主剤と硬化剤との混合比が1:1〜2:1の範囲内で、主剤と硬化剤との粘度差が2倍以内のものである。ところが、近年、高性能の二液硬化型ウレタン塗料として、主剤および硬化剤の粘度が高く、主剤と硬化剤の配合比が大きく、主剤と硬化剤との粘度差が大きい材料が開発されている。しかしながら、従来の衝突混合スプレーガンでは、主剤と硬化剤の粘度が高く、これらの粘度比や配合比が大きい材料を均一に混合させることは困難であった。
【0009】
それゆえに、この発明の主たる目的は、粘度が高く、粘度差および配合比が大きい2つの材料を衝突させて均一に混合し、得られた混合物を噴出させることができる衝突混合スプレーガン並びにそれを用いた塗装方法および鋼材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明は、主剤および硬化剤を衝突させて混合する混合室に通じるオリフィスが形成されたミキシングモジュールを備え、主剤と硬化剤の配合比が容量比で2.5:1.0〜5.0:1.0の割合で、かつ主剤と硬化剤の粘度差が2倍以上ある主剤と硬化剤とを混合して得られる二液硬化型ウレタン塗料を噴出させるための衝突混合スプレーガンであって、ミキシングモジュールに形成された主剤用のオリフィスと硬化剤用のオリフィスの1個当たりの内径比が、0.7:1.0〜1.3:1.0の範囲にあり、かつ主剤用のオリフィスと硬化剤用のオリフィスの合計断面積比が、2.0:1.0〜6.0:1.0の範囲にあることを特徴とする、衝突混合スプレーガンである。
このような衝突混合スプレーガンにおいて、主剤と硬化剤との混合物を噴出させるための噴出孔に対して、硬化剤用のオリフィスが主剤用のオリフィスより遠くに配置され、硬化剤用のオリフィスと主剤用のオリフィスとの間隔Lが、主剤用のオリフィスの内径Dの3倍以上であることが好ましい。
また、この発明は、上述のいずれかの衝突混合スプレーガンを用いて、鋼管、鋼管杭、鋼管矢板、鋼矢板、H型鋼などの鋼材表面に二液硬化型ウレタン塗料を噴霧塗装することを特徴とする、塗装方法である。
このような塗装方法において、噴出孔に対して硬化剤用のオリフィスを主剤用のオリフィスより遠くに配置した衝突混合スプレーガンを用いるとき、硬化剤用のオリフィスから混合室に向かって硬化剤を注入したのち、主剤用のオリフィスから混合室に向かって主剤を注入することにより、混合室内において主剤と硬化剤とが衝突混合される。
また、この発明は、上述のいずれかの衝突混合スプレーガンを用いて噴出される二液硬化型ウレタン塗料が表面に塗装された、鋼材である。
【0011】
主剤用のオリフィスと硬化剤用のオリフィスの内径が近い値となるようにすることにより、1個のオリフィスから混合室に注入される主剤の量と硬化剤の量をほぼ同じようにすることができる。このように、1個のオリフィスから注入される主剤の量と硬化剤の量をほぼ同じにすることにより、複数のオリフィスから異なる量の主剤および硬化剤を注入しても、主剤と硬化剤とを均一に混合させることができることを見出し、配合比の異なる主剤と硬化剤とを均一に混合することができる衝突混合スプレーガンを開発した。さらに、このような衝突混合スプレーガンでは、粘度差の大きい主剤と硬化剤とを均一に混合させることができる。
このような衝突混合スプレーガンを用いて、主剤と硬化剤の配合比が容量比で2.5:1.0〜5.0:1.0の割合で、かつ主剤と硬化剤の粘度差が2倍以上ある主剤と硬化剤とを混合し、二液硬化型ウレタン塗料を噴出させることができる。この場合、主剤用のオリフィスと硬化剤用のオリフィスの1個当たりの内径比を0.7:1.0〜1.3:1.0の範囲とし、かつ主剤用のオリフィスと硬化剤用のオリフィスの合計断面積比を2.0:1.0〜6.0:1.0の範囲とすることにより、主剤と硬化剤の配合比を上述のような配合比とすることができる。
なお、硬化剤に比べて主剤の量が多い場合、硬化剤に向かって主剤を衝突させることにより、より均一に主剤と硬化剤とを混合することができる。そこで、硬化剤用のオリフィスを二液硬化型ウレタン塗料の噴出孔から遠いところに配置し、主剤用のオリフィスを噴出孔に近いところに配置することにより、先に硬化剤を混合室内に注入して噴出孔に向かって移動させ、その移動する硬化剤に向かって主剤を衝突させることができる。ここで、硬化剤用のオリフィスと主剤用のオリフィスとが近接していると、主剤と硬化剤とがほぼ同時に混合室内に注入されることとなり、少量の硬化剤に向かって多量の主剤を衝突させるという効果を得ることができない。このような効果を得るためには、硬化材用のオリフィスと主剤用のオリフィスとの間隔Lが主剤用のオリフィスの内径Dの3倍以上となるように設定することが適当である。
このような衝突混合スプレーガンを用いることにより、粘度が高く、粘度差および量の差が大きい主剤と硬化剤を衝突させて均一に混合し、得られた混合物を噴出させることができる。
また、このような衝突混合スプレーガンを用いることにより、高性能の二液硬化型ウレタン塗料を塗装することができ、防食性に優れた鋼材を得ることができる。
【発明の効果】
【0012】
この発明によれば、これまでの衝突混合スプレーガンでは混合することができなかった主剤と硬化剤とを均一に混合することができ、高性能の二液硬化型ウレタン塗料を海洋構造物などに吹付けることができる。そのため、この発明の衝突混合スプレーガンを用いることにより、防食性能が高く、長期間使用することができる重防食鋼管杭や重防食鋼管矢板などを得ることができる。
【0013】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明を実施するための最良の形態の説明から一層明らかとなろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1は、この発明の衝突混合スプレーガンの一例を示す斜視図である。衝突混合スプレーガン10は、スプレーガン本体12を含む。スプレーガン本体12の内部には、図2に示すように、ガンブロック14が形成される。ガンブロック14の中央部には、貫通する空洞部16が形成される。空洞部16の一方側には、リアパッキンリテーナ18が取り付けられる。リアパッキンリテーナ18には雄螺子部が形成され、この雄螺子部がガンブロック14の内壁に形成された雌螺子部に螺合されることにより、リアパッキンリテーナ18がガンブロック14に取り付けられる。リアパッキンリテーナ18には、ガンブロック14の空洞部16に向かって貫通する貫通孔20が形成される。この貫通孔20には、バルブロッド22がスライド可能に挿通される。ここで、リアパッキンリテーナ18の端部には、バルブロッド22とリアパッキンリテーナ18との間の隙間を埋めるためのリアパッキン24が取り付けられる。
【0015】
また、ガンブロック14の空洞部16内には、ミキシングモジュール26が嵌め込まれる。ミキシングモジュール26の外周面には、図3に示すように、ガンブロック14の空洞部16内に嵌め込まれる凸部28が形成される。この凸部28がガンブロック14の空洞部16内に嵌め込まれることにより、ガンブロック14とリアパッキンリテーナ18とミキシングモジュール26との間で、空洞部16が仕切られて、中空部30が形成される。
【0016】
ミキシングモジュール26の中央部には、リアパッキンリテーナ18の貫通孔20と同軸となるように、貫通孔32が形成される。この貫通孔32は、リアパッキンリテーナ18の貫通孔20とほぼ同じ直径となるように形成される。さらに、ミキシングモジュール26には、凸部28の両側において、オリフィス34,36が形成される。オリフィス34,36は、ミキシングモジュール26の外周面から貫通孔32に向かって貫通するように形成される。一方のオリフィス34は、凸部28の中空部30側において、1つまたは複数形成される。複数のオリフィス34が形成される場合、それぞれのオリフィス34は、貫通孔32を中心として、ミキシングモジュール26の周方向に沿って形成される。したがって、オリフィス34によって、中空部30および貫通孔32が連通される。
【0017】
また、他方のオリフィス36は、凸部28に対して中空部30の反対側に複数形成される。これらのオリフィス36は、貫通孔32を中心として、ミキシングモジュール26の周方向に沿って複数形成される。したがって、それぞれのオリフィス36によって、ガンブロック14とミキシングモジュール26との間の空洞部38および貫通孔32が連通される。なお、オリフィス36は、二液硬化型ウレタン塗料を得るための主剤の通路となるものであるが、主剤に有機系または無機系のフィラーが含まれている場合、オリフィス36の壁面がフィラーの衝突により磨耗し、内径が大きくなってしまうという問題がある。そこで、図4に示すように、オリフィス36の内側に、超硬合金、高速度鋼、焼結セラミックなどの耐磨耗性に優れた材料で形成された円筒状の超硬部材37を嵌め込んでもよい。
【0018】
さらに、ガンブロック14には、二液硬化型ウレタン塗料の原料となる主剤および硬化剤をミキシングモジュール26内に供給するための供給孔40,42が形成される。一方の供給孔40は、中空部30に向かって形成される。また、他方の供給孔42は、ガンブロック14とミキシングモジュール26とで挟まれた空洞部38に向かって形成される。したがって、貫通孔32は、オリフィス34を介して供給孔40に連通されるとともに、オリフィス36を介して供給孔42に連通される。
【0019】
一方のオリフィス34と他方のオリフィス36とは、ほぼ近い内径となるように形成され、好ましくは、主剤を注入するためのオリフィス36と硬化剤を注入するためのオリフィス34との内径比が、0.7:1.0〜1.3:1.0の範囲となるように形成される。また、オリフィス34,36の数を調整することにより、二液硬化型ウレタン塗料を得るための主剤と硬化剤との配合比に対応して、オリフィス34とオリフィス36の合計断面積比が調整される。そして、好ましくは、主剤用のオリフィス36と硬化剤用のオリフィス34の合計断面積比が、2.0:1.0〜6.0:1.0の範囲となるように、オリフィス34,36の数が調整される。
【0020】
さらに、中空部30の反対側におけるミキシングモジュール26には、パターンコントロールディスクボディ44が取り付けられる。パターンコントロールディスクボディ44には、ミキシングモジュール26の貫通孔32と同軸となるように、貫通孔32より大きい内径を有する空洞部46が形成される。そして、パターンコントロールディスクボディ44の空洞部46にミキシングモジュール26の端部が嵌め込まれ、かつガンブロック14の空洞部16側に形成された雌螺子部に、パターンコントロールディスクボディ44の外周側に形成された雄螺子部が螺合される。また、パターンコントロールディスクボディ44の空洞部46内において、バルブロッド22がスライドするように変位するが、バルブロッド22とパターンコントロールディスクボディ44との間に、フロントパッキン48が装填される。
【0021】
さらに、ミキシングモジュール26の反対側におけるパターンコントロールディスクボディ44の端部において、その外周面に雄螺子部が形成される。この雄螺子部には、パターンディスクコントロールリテーナ50に形成された雌螺子部が螺合され、パターンディスクコントロールボディ44とパターンコントロールディスクリテーナ50に挟まれるようにして、パターンコントロールディスク52が保持される。パターンコントロールディスク52の中央部には、衝突混合スプレーガン10内で形成された二液硬化型ウレタン塗料を噴出させるための噴出孔54が形成される。
【0022】
また、パターンコントロールディスク52の端部を押さえるようにして、パターンコントロールディスクエアーキャップ56が取り付けられる。パターンコントロールディスクエアーキャップ56は、その内面に形成された雌螺子部をパターンコントロールディスクリテーナ50の外周面に形成された雄螺子部に螺合することにより固定される。そして、ガンブロック14とパターンコントロールディスクエアーキャップ56との間には、Oリング58が装着される。
【0023】
この衝突混合スプレーガン10には、図1に示すように、二液硬化型ウレタン塗料を形成するための主剤と硬化剤とを注入するための注入口60が形成される。注入口60から注入された主剤と硬化剤とは、バルブ62を介して、衝突混合スプレーガン10内に注入される。また、衝突混合スプレーガン10には、ハンドル64が形成され、ハンドル64を操作することにより、バルブロッド22の位置が調整される。バルブロッド22は、たとえば圧縮空気などの力により操作される。
【0024】
注入口60からは、粘度差が2倍以上ある主剤と硬化剤とが注入される。この衝突混合スプレーガン10は、主剤と硬化剤とが容量比で2.5:1〜5:1程度の配合比の大きい材料の混合に用いられる。二液硬化型ウレタン塗料は、たとえば鋼管、鋼管杭、鋼管矢板、鋼矢板、H型鋼などのような、海洋構造物に用いられる鋼材の重防食用として用いられる。
【0025】
注入口60から注入された硬化剤は、図5に示すように、一方の供給孔40を介して中空部30に充填される。また、注入口60から注入された主剤は、他方の供給孔42を介して、ガンブロック14とミキシングモジュール26との間の空洞部38に充填される。ここで、バルブロッド22が噴出孔54から離れた位置にあるとき、貫通孔32内のミキシングモジュール26とバルブロッド22とで囲まれた部分に混合室70が形成される。そして、一方のオリフィス34を介して、中空部30に充填された硬化剤が混合室70に注入され、他方のオリフィス36を介して、空洞部38に充填された主剤が混合室70に注入される。
【0026】
ここで、オリフィス34,36の内径が近い値となるように形成されていることにより、1個のオリフィスから混合室70内に注入される主剤および硬化剤の量がほぼ等しくなり、主剤と硬化剤とを均一に混合することができる。また、オリフィス34,36の数によって、主剤と硬化剤の量が調整される。このように、オリフィス34,36の内径および数を調整することにより、量の異なる主剤と硬化剤とを均一に混合することができる。混合室70内で主剤と硬化剤とが衝突混合することにより、二液硬化型ウレタン塗料が形成される。このようにして得られた二液硬化型ウレタン塗料は、噴出孔54から外部に噴出され、海洋構造物に用いられる鋼材に噴き付けられる。海洋構造物に用いられる鋼材に噴き付けられた二液硬化型ウレタン塗料は硬化し、ウレタンエラストマーとなって、海洋構造物などの重防食用としての機能が発揮される。二液硬化型ウレタン塗料を噴出した後においては、図6に示すように、バルブロッド22が噴出孔54方向に移動し、混合室70から塗料が排出される。
【0027】
この衝突混合スプレーガン10を用いて、たとえば鋼管杭に二液硬化型ウレタン塗料を噴き付ける場合、図7に示すように、まず円筒状の鋼管杭80の表面が下地処理される。下地処理としては、たとえば鋼粒を吹き付けるショットブラスト、鋼砕粒を吹き付けるグリッドブラスト、砂粒を吹き付けるサンドブラストなどが用いられる。このような下地処理により、鋼管杭表面のさびや異物が除去される。また、鋼管杭80の表面に油汚れなどがある場合、あらかじめ溶剤によって除去される。
【0028】
下地処理された鋼管杭80にプライマー層82が形成され、その上に衝突混合スプレーガン10によって、合成樹脂塗料層84が形成される。海洋構造物の重防食用合成樹脂塗料としては、ポリウレタン樹脂系塗料とエポキシ樹脂系塗料がある。ここで、エポキシ樹脂系塗料は、伸び率が低く、耐衝撃性に劣るという問題があり、ポリウレタン樹脂系塗料が好ましく用いられる。
【0029】
プライマーは、耐腐食性の向上を目的とした表面処理剤であり、その上に被覆されるポリウレタン樹脂系塗料との密着性に優れたものが使用される。ここで、ポリウレタン樹脂系塗料用に使用されるプライマーとしては、たとえばポリエーテルポリオールやポリオレフィンポリオールと有機ポリイソシアネート化合物を反応させたウレタンプレポリマーに無機充填剤を添加した湿気硬化型プライマーが用いられる。このようなプライマーは、鋼材に塗布したときに、空気中の湿気や鋼材表面の吸着水とプレポリマーの末端イソシアネート基が反応して、硬化塗膜が形成されるため、作業性に優れている。
【0030】
また、ポリウレタン樹脂系塗料は、2個以上の水酸基やアミノ基を有するポリオールからなる主剤と、2個以上のイソシアネート基を有する有機ポリイソシアネート化合物からなる硬化剤とを反応させることにより得ることができる。ここで用いられるポリオールとしては、たとえばポリエーテルポリオール、ポリオレフィンポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリブタジエンポリオールなどを好ましく用いることができる。さらに、有機ポリイソシアネート化合物としては、芳香族ポリイソシアネートを好ましく用いることができる。これらの中で、たとえばポリブタジエンポリオール及び/又はヒマシ油ポリオールを主成分とするポリオールと、芳香族ポリイソシアネート、特にポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートとの組み合わせなどが、好ましく用いられる。
【0031】
この発明の衝突混合スプレーガン10で塗布される二液硬化型ウレタン塗料の材料としては、2000〜10000mPa・s/25℃の粘度を有する主剤と、100〜1000mPa・s/25℃の粘度を有する硬化剤との組み合わせにかかるものであり、その配合比が、主剤:硬化剤=2.5:1.0〜5.0:1.0(容量比)となるものである。
【0032】
これらの主剤および硬化剤が、衝突混合スプレーガン10内で均一に混合され、得られた二液硬化型ウレタン塗料が噴出孔54から噴出して、プライマー層82上に塗布される。この二液硬化型ウレタン塗料が硬化することにより、ウレタン樹脂エラストマーが形成される。ここで、鋼管杭などの重防食用として形成されるウレタン樹脂エラストマーの厚みとしては、2.5mm〜6.0mmが好ましく、2.5mm〜3.5mmがより好ましい。ウレタン樹脂エラストマーの厚みが2.5mm未満では、鋼管杭協会の規格外となり、この範囲を超えると、経済的に不利になる傾向がある。
【0033】
このように、この発明の衝突混合スプレーガン10を用いれば、従来の衝突混合スプレーガンでは不可能であったような、粘度が高く、粘度差および配合比が大きい2つの材料を衝突させて均一に混合し、得られた二液硬化型ウレタン塗料を噴出させることができる。二液硬化型ウレタン塗料を噴出した後においては、バルブロッド22が噴出孔54方向に移動し、混合室70から塗料が押し出されて清掃される。そのため、衝突混合スプレーガン10を使用した後に、大量の溶剤を用いて洗浄を行う必要がなく、溶剤による環境破壊を防止することができる。
【0034】
なお、衝突混合スプレーガン10内において、主剤と硬化剤とを混合する際に、主剤と硬化剤とを同時に混合室70内に注入してもよいが、より好ましくは、まず硬化剤を混合室70内に注入した後に、硬化剤に向かって主剤を衝突させることにより、主剤と硬化剤とを均一に混合させることができる。このように、硬化剤を先に注入する場合、図3に示すように、硬化剤用のオリフィス34と主剤用のオリフィス36との間隔をLとし、主剤用のオリフィス36の内径をDとしたとき、L/Dの値を3倍以上とすることが好ましい。2つのオリフィス34,36をこのような関係とすることにより、主剤と硬化剤とを均一に混合できることが確かめられた。
【実施例1】
【0035】
(実施例1)
衝突混合スプレーガンを用いて、主剤と硬化剤とを衝突混合し、二液硬化型ウレタン塗料を形成して噴出した。ここで、主剤として、ポリブタジエンポリオールを主成分とするポリオールと、SiO2 (平均粒径:1μm)を主成分とする無機改質充填剤を75:25(重量比)で分散混合したものを用いた。また、硬化剤として、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートを主成分とするものを用いた。
【0036】
ここで用いられる主剤および硬化剤は、主剤:硬化剤=3.0:1.0の配合比で用いられ、主剤3000mPa・s/25℃、硬化剤200mPa・s/25℃の粘度を有し、かつ主剤1.15g/ml:at25℃、硬化剤1.23g/ml:at25℃の密度を有するものである。使用した衝突混合スプレーガンは、主剤用オリフィスの内径が0.6mmで、数が4個であり、硬化剤オリフィスの内径が0.5mmで、数が2個のものである。したがって、主剤用オリフィスと硬化剤用オリフィスの1個当たりの内径比は1.20に相当し、合計断面積比は2.88:1.0に相当する。衝突混合スプレーガンにおいては、混合室の軸方向における主剤用オリフィスと硬化剤用オリフィスとの間隔Lを0mmとし、衝突混合スプレーガンの混合室へは、主剤と硬化剤とを同時に注入した。そして、得られた二液反応型ポリウレタン系塗料の二次圧力を変化させて、塗装を実施し、塗料の混合状態および硬化状態を指触で判定した。
【0037】
二次圧力6MPaで塗装を行った場合、塗膜に混合不良に起因するベタツキが一部にみられ、不均一な硬化状態の部分があった。二次圧力10MPaおよび15MPaで塗装を行った場合、塗膜に混合不良に起因するベタツキはなく、均一な硬化状態が得られた。
【0038】
(実施例2)
実施例1と同様の材料を用いて、主剤用オリフィスの内径が0.6mmで、数が4個、硬化剤用オリフィスの内径が0.5mmで、数が2個の衝突混合スプレーガンを使用し、二液硬化型ウレタン塗料の塗装を行った。したがって、主剤用オリフィスと硬化剤用オリフィスの1個当たりの内径比は1.20に相当し、合計断面積比は2.88:1.0に相当する。衝突混合スプレーガンにおいては、混合室の軸方向における主剤用オリフィスと硬化剤用オリフィスとの間隔Lが3.0mmであり、主剤用オリフィスの内径Dの5倍に相当するものを使用し、混合室へは硬化剤を先に注入して、主剤を後に注入した。
【0039】
ここでも、二次圧力を6MPa、10MPa、15MPaとして塗装を行い、塗装後の塗料の混合状態および硬化状態を指触で判定した。その結果、どの二次圧力においても、塗膜には、混合不良に起因するベタツキがなく、均一な硬化状態が得られた。
【0040】
(実施例3)
実施例1と同様の材料を用いて、主剤用オリフィスの内径が0.5mmで、数が3個、硬化剤用オリフィスの内径が0.5mmで、数が1個の衝突混合スプレーガンを使用し、二液硬化型ウレタン塗料の塗装を行った。したがって、主剤用オリフィスと硬化剤用オリフィスの1個当たりの内径比は1.00に相当し、合計断面積比は3.00:1.0に相当する。衝突混合スプレーガンにおいては、混合室の軸方向における主剤用オリフィスと硬化剤用オリフィスとの間隔Lが3.0mmであり、主剤用オリフィスの内径Dの6倍に相当するものを使用し、混合室へは硬化剤を先に注入して、主剤を後に注入した。
【0041】
ここでも、二次圧力を6MPa、10MPa、15MPaとして塗装を行い、塗装後の塗料の混合状態および硬化状態を指触で判定した。その結果、どの二次圧力においても、塗膜には、混合不良に起因するベタツキがなく、均一な硬化状態が得られた。
【0042】
(実施例4)
主剤として、ヒマシ油ポリオールを主成分とするポリオールと重質炭酸カルシウム(平均粒径:2μm)を主成分とする無機改質充填剤を50:50(重量比)で分散混合したものを用いた。また、硬化剤として、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートを主成分とするものを用いた。ここで用いられる主剤および硬化剤は、主剤:硬化剤=3.3:1.0の配合比で用いられ、主剤6000mPa・s/25℃、硬化剤200mPa・s/25℃の粘度を有し、かつ主剤1.40g/ml:at25℃、硬化剤1.23g/ml:at25℃の密度を有するものである。これらの材料を用いて、二液硬化型ウレタン塗料を作製した。使用した衝突混合スプレーガンは、主剤用オリフィスの内径が0.5mmで、数が3個であり、硬化剤用オリフィスの内径が0.5mmで、数が1個のものである。したがって、主剤用オリフィスと硬化剤用オリフィスの1個当たりの内径比は1.00に相当し、合計断面積比は3.00:1.0に相当する。衝突混合スプレーガンにおいては、混合室の軸方向における主剤用オリフィスと硬化剤用オリフィスとの間隔Lが3.0mmであり、主剤用オリフィスの内径Dの6倍に相当するものを使用し、混合室へは硬化剤を先に注入して、主剤を後に注入した。
【0043】
ここでも、二次圧力を6MPa、10MPa、15MPaとして塗装を行い、塗装後の塗料の混合状態および硬化状態を指触で判定した。その結果、どの二次圧力においても、塗膜には、混合不良に起因するベタツキがなく、均一な硬化状態が得られた。
【0044】
(比較例1)
実施例1と同様の材料を用いて、主剤用オリフィスの内径が0.7mmで、数が2個、硬化剤用オリフィスの内径が0.4mmで、数が2個の衝突混合スプレーガンを使用し、二液硬化型ウレタン塗料の塗装を行った。したがって、主剤用オリフィスと硬化剤用オリフィスの1個当たりの内径比は1.75に相当し、合計断面積比は3.06:1.0に相当する。衝突混合スプレーガンにおいては、混合室の軸方向における主剤用オリフィスと硬化剤用オリフィスとの間隔Lを0mmとし、主剤と硬化剤とを同時に混合室へ注入した。
【0045】
ここでも、二次圧力を6MPa、10MPa、15MPaとして塗装を行い、塗装後の塗料の混合状態および硬化状態を指触で判定した。その結果、どの二次圧力においても、塗膜に混合不良に起因すると思われるベタツキが多数みられ、不均一な硬化状態であった。
【0046】
(比較例2)
実施例1と同様の材料を用いて、主剤用オリフィスの内径が0.7mmで、数が2個、硬化剤用オリフィスの内径が0.4mmで、数が2個の衝突混合スプレーガンを使用し、二液硬化型ウレタン塗料の塗装を行った。したがって、主剤用オリフィスと硬化剤用オリフィスの1個当たりの内径比は1.75に相当し、合計断面積比は3.06:1.0に相当する。衝突混合スプレーガンにおいては、混合室の軸方向における主剤用オリフィスと硬化剤用オリフィスとの間隔Lが4.2mmであって、主剤用オリフィスの内径Dの6倍に相当するものを使用し、混合室へは硬化剤を先に注入して、主剤を後に注入した。
【0047】
ここでも、二次圧力を6MPa、10MPa、15MPaとして塗装を行い、塗装後の塗料の混合状態および硬化状態を指触で判定した。その結果、二次圧力6MPa、10MPaで塗装を行った場合、塗膜に混合不良に起因すると思われるベタツキが多数みられ、不均一な硬化状態であった。また、二次圧力15MPaで塗装を行った場合、塗膜に混合不良に起因するベタツキが一部にみられ、不均一な硬化状態の部分があった。
【0048】
(比較例3)
実施例1と同様の材料を用いて、主剤用オリフィスの内径が0.6mmで、数が2個、硬化剤用オリフィスの内径が0.5mmで、数が2個の衝突混合スプレーガンを使用し、二液硬化型ウレタン塗料の塗装を行った。したがって、主剤用オリフィスと硬化剤用オリフィスの1個当たりの内径比は1.20に相当し、合計断面積比は1.44:1.0に相当する。衝突混合スプレーガンにおいては、混合室の軸方向における主剤用オリフィスと硬化剤用オリフィスとの間隔Lを0mmとし、主剤と硬化剤とを同時に混合室へ注入した。
【0049】
ここでも、二次圧力を6MPa、10MPa、15MPaとして塗装を行い、塗装後の塗料の混合状態および硬化状態を指触で判定した。その結果、どの二次圧力においても、塗膜に混合不良に起因すると思われるベタツキが多数みられ、不均一な硬化状態であった。これらの実施例1〜実施例4および比較例1〜比較例3について、得られた結果を表1に示す。
【0050】
【表1】

【0051】
このように、比較例1および比較例2では、主剤用オリフィスと硬化剤用オリフィスの1個当たりの内径比が大きすぎるため、主剤と硬化剤とを均一に混合することができない。また、比較例3では、主剤用オリフィスと硬化剤用オリフィスの合計断面積比が小さいため、主剤と硬化剤を均一に混合することができない。それに対して、実施例1〜実施例4のように、主剤用オリフィスおよび硬化剤用オリフィスの内径比と合計断面積比を適当な値に設定することにより、主剤と硬化剤を均一に混合することができた。なお、二次圧力が15MPaでは、二液硬化型ウレタン塗料の吐出量が多すぎて、実用的ではなかった。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】この発明の衝突混合スプレーガンの一例を示す斜視図である。
【図2】図1に示す衝突混合スプレーガンの内部構造を示す断面図である。
【図3】図2に示す衝突混合スプレーガンに用いられるミキシングモジュールを示す断面図である。
【図4】図3に示すミキシングモジュールの変形例を示す断面図である。
【図5】図1および図2に示す衝突混合スプレーガンを用いて二液硬化型ウレタン塗料を噴出させる状態を示す図解図である。
【図6】二液硬化型ウレタン塗料を噴出した後に混合室内を清掃する状態を示す図解図である。
【図7】図1に示す衝突混合スプレーガンを用いて重防食用塗装された鋼管杭を示す図解図である。
【図8】従来の衝突混合スプレーガンの内部構造を示す図解図である。
【符号の説明】
【0053】
10 衝突混合スプレーガン
12 スプレーガン本体
14 ガンブロック
18 リアパッキンリテーナ
22 バルブロッド
24 リアパッキン
26 ミキシングモジュール
34,36 オリフィス
44 パターンコントロールディスクボディ
48 フロントパッキン
50 パターンコントロールディスクリテーナ
52 パターンコントロールディスク
54 噴出孔
56 パターンコントロールディスクエアーキャップ
58 Oリング
60 注入口
62 バルブ
64 ハンドル
70 混合室

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主剤および硬化剤を衝突させて混合する混合室に通じるオリフィスが形成されたミキシングモジュールを備え、前記主剤と前記硬化剤の配合比が容量比で2.5:1.0〜5.0:1.0の割合で、かつ前記主剤と前記硬化剤の粘度差が2倍以上ある前記主剤と前記硬化剤とを混合して得られる二液硬化型ウレタン塗料を噴出させるための衝突混合スプレーガンであって、
前記ミキシングモジュールに形成された前記主剤用のオリフィスと前記硬化剤用のオリフィスの1個当たりの内径比が、0.7:1.0〜1.3:1.0の範囲にあり、かつ前記主剤用のオリフィスと前記硬化剤用のオリフィスの合計断面積比が、2.0:1.0〜6.0:1.0の範囲にあることを特徴とする、衝突混合スプレーガン。
【請求項2】
前記主剤と前記硬化剤との混合物を噴出させるための噴出孔に対して、前記硬化剤用のオリフィスが前記主剤用のオリフィスより遠くに配置され、前記硬化剤用のオリフィスと前記主剤用のオリフィスとの間隔Lが、前記主剤用のオリフィスの内径Dの3倍以上であることを特徴とする、請求項1に記載の衝突混合スプレーガン。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の衝突混合スプレーガンを用いて、鋼管、鋼管杭、鋼管矢板、鋼矢板、H型鋼などの鋼材表面に二液硬化型ウレタン塗料を噴霧塗装することを特徴とする、塗装方法。
【請求項4】
請求項2に記載の衝突混合スプレーガンを用いた塗装方法であって、前記硬化剤用のオリフィスから前記混合室に向かって前記硬化剤を注入したのち、前記主剤用のオリフィスから前記混合室に向かって前記主剤を注入することにより、前記混合室内において前記主剤と前記硬化剤とが衝突混合されることを特徴とする、請求項3に記載の塗装方法。
【請求項5】
請求項1または請求項2に記載の衝突混合スプレーガンを用いて噴出される二液硬化型ウレタン塗料が表面に塗装された、鋼材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−43524(P2006−43524A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−225231(P2004−225231)
【出願日】平成16年8月2日(2004.8.2)
【出願人】(000006655)新日本製鐵株式会社 (6,474)
【出願人】(591005039)東邦機械工業株式会社 (4)
【出願人】(000003506)第一工業製薬株式会社 (491)
【Fターム(参考)】