説明

衝突状況におけるビークルの操縦を識別するためのシステムおよび方法

本発明は、衝突状況におけるビークルの操縦を識別するためのシステムおよび方法を対象としている。ビークルが一定のレンジのミスディスタンスで少なくとも1つの他の対象との衝突を回避することになる複数のミスポイントが、ビークルの状態ならびに対象の状態に対して計算される。ミスポイントは、ビークルが所与の衝突の度合を示す所与のミスディスタンスで衝突を回避することになる複数のミスポイントと、ビークルが衝突の度合がより小さいことを示すより大きいミスディスタンスで衝突を回避することになる他のミスポイントとを視覚的に区別することができるように表示される。結果として得られるディスプレイの表示は、潜在衝突の度合の変化を表しており、衝突の度合の変化に応じてビークルを操縦するために利用することができるレンジを指向性ビューディスプレイに提供している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衝突状況におけるビークルの操縦を識別するためのシステムおよび方法を対象としている。本発明は、とりわけ、それには限定されないが、航空機と航空機の間の空中衝突を回避するための航空機ディスプレイシステム、あるいはそれとは全く逆に、空中における敵機邀撃のための航空機ディスプレイシステムに対するアプリケーションを有している。また、本発明は、大型船舶にも同様の目的で使用することができることが理解されよう。
【0002】
本明細書において使用されているように、「ビークル」という表現は、航空機、船舶、自動車等々などの従来のビークルに限定されず、無人ビークルも含まれている。
【0003】
本明細書において使用されているように、「衝突状況」という表現には広義の意味が含まれており、ビークルと他の対象との間の衝突または接近すなわちニアミスが存在している、という意味において、ビークルが他の対象と衝突し得る状況を意味している。この表現には、それらに限定されないが、ビークルによる衝突、ニアミスおよび敵機邀撃が含まれている。
【0004】
本明細書において使用されているように、「状態」という表現は、ビークルまたは対象に関連する様々なパラメータを意味している。これらのパラメータには、それらに限定されないが、位置(高度を含む)、方位、機首(船首)方位、速度、加速度等々が含まれている。
【背景技術】
【0005】
ビークルにおける衝突防止システムについては知られている。現在使用されているシステムには、慣性、レーダおよびソナーセンサに基づくシステムの派生物であるビークル自身の領域のディスプレイが使用されており、他のビークルの存在を示す視覚描写を提供している。このようなシステムによって提供される情報は、あらゆる潜在衝突を回避するための最適操縦方法に関する情報に限定されている。
【0006】
航空機衝突防止装置(Traffic Alert and Collision Avoidance System(TCASII))は、航空機に現在使用されているシステムの一例である。侵入機として認知される第2の航空機が第1の航空機のオンボードシステムに検出されると、操縦室の乗務員に警報信号が送信される。この警報信号は、トラフィックアドバイザリ信号として知られている。システムは、次に、上昇するかあるいは降下するよう、パイロットに聴覚および視覚命令を発する。これは、レゾリューションアドバイザリ信号として知られている。
【0007】
第2の航空機がTCASIIを装備している場合、この第2の航空機の乗務員も同様のトラフィックアドバイザリ信号を受信する。しかしながら、第2の航空機が受信する(TCASIIを装備している場合)レゾリューションアドバイザリ命令は、第1の航空機に与えられる信号とは逆である。したがってシステムは、衝突を回避するために両方の航空機に示唆的操縦(上昇または降下のいずれか)を提供している。このシステムのための操縦室ディスプレイが存在しているが、極めて簡潔であり、衝突領域における第2の航空機を視覚識別することができない場合がある。
【0008】
上で説明したように、TCASIIがパイロットに提供しているのは、衝突を回避するための上昇オプションまたは降下オプションのみである。パイロットが旋回または速度変更のための命令を受け取ることはない。また、TCASIIシステムは、衝突の可能性があるゾーンに存在する複数の航空機を適切に処理することはできない。
【0009】
衝突を識別するための他の従来技術によるシステムは、空対空レーダディスプレイである。このようなディスプレイは、通常、戦闘機に使用され、民間用ビークルには実施されていない。図1は、空対空の戦闘で目標敵機に対して主として使用されるディスプレイの主な特徴を示したものである(図面参照:Shaw、R.L.、(1988)Fighter Combat:The Art and Science of Air−to−Air Combat、Patrick Stephens Limited)。目標がレンジ外に位置している場合、ディスプレイは、航空機または自己機/自己船を単純に目標との衝突進路に導く。パイロットは、点100がディスプレイの中心に位置するように進路を取ることによって必要な方向を達成することができる。
【0010】
図1に示すディスプレイは、本質的に、レーダなどの自己船のセンサによって走査された方向の正面長方形の投影である。したがって三次元における方向は、ディスプレイ上では二次元の点になる。目標の見通し線(LOS)102は点になり、この例では、パイロットに表示される他の記号と区別するために正方形で表されている。許容される操縦誤差(ASE)円104は、可能発射方向のレンジを表している。つまり、操縦点100が円104の内側に位置している場合、発射は成功する。ディスプレイは、邀撃点までの時間および距離(図示せず)などの他の情報を含むことができる。このようなディスプレイは、パイロットが自己船を単純に目標から進路を外れて操縦する衝突防止装置として作用することも可能であることは理解されよう。
【0011】
KnechtおよびSmithに対する米国特許第6,970,104号に、従来技術による他のシステムが開示されている。ここでは、自己船の到達可能領域内における衝突領域を計算するために飛行情報が使用されている。ディスプレイは、衝突領域の人工三次元表示(方位、速度および高度)をパイロットに表示する。ディスプレイは、自己船に対する三次元位置を示さず、単に衝突領域に関する操縦空間を表示するだけである。つまり、パイロットは、ディスプレイの表示から、衝突領域から離れた領域を識別し、必要な方位、速度および高度を計算し、その後に、これらの計算に従って自己船を操縦しなければならない。
【0012】
KnechtおよびSmithの衝突領域は、両方の航空機がどの程度旋回し、上昇し、降下し、加速し、あるいは減速することができるかについての仮定から計算される。したがって両方の航空機が衝突する領域は、疑う余地のない明白な情報および直ちに役に立つデータの表示ではなく、疑わしい仮定と、かなりの量に及ぶデータ処理の両方に基づいている。
【0013】
また、パイロットは、選択した機首方位、速度および高度に関連する危険度を知らされない。衝突領域が選択した時間水平線(見通し分)をちょうど超えたところに存在し、したがってディスプレイに表示されない場合、パイロットは、自己機を将来的に衝突状況に置くことになる。
【0014】
したがって、衝突状況の可能性があることをビークルのパイロットに直ちに知らせ、また、ビークルの可能操縦に対する固有の危険度を表示するビークル用ディスプレイを提供する必要がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明の目的は、衝突状況におけるビークルの望ましい操縦を識別するための知られているシステムおよび方法に取って代わるシステムおよび方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
一般に、一態様では、本発明は、ビークルと少なくとも1つの他の対象を含む衝突状況における該ビークルの操縦を識別するシステムおよび方法に関している。ビークルが一定のレンジのミスディスタンスで少なくとも1つの他の対象との衝突を回避することになる複数のミスポイントが、ビークルおよび対象の状態に対して計算される。
【0017】
これらのミスポイントは、ビークルが所与の衝突の度合を示す所与のミスディスタンスで衝突を回避することになる複数のミスポイントと、ビークルが衝突の度合がより小さいことを示すより大きいミスディスタンスで衝突を回避することになる他のミスポイントとを視覚的に区別することができるように表示される。結果として得られるディスプレイの表示は、潜在衝突の度合の変化を表しており、衝突の度合の変化に応じてビークルを操縦するために利用することができるレンジを指向性ビューディスプレイに提供している。
【0018】
視覚的に区別することができる複数のミスポイントの実施形態の1つは、等角マッピング、および好ましくはカラーバンディングを特徴としている。本発明の他の実施形態によれば、指向性ビューディスプレイは単色ディスプレイであり、あるいは好ましくはカラーディスプレイである。
【0019】
一般に、本発明の他の態様は、他のビークルおよび対象の状態の計算に関しており、それにより、操縦に利用することができる表示レンジがビークルおよび他の対象の状態変化に応じて更新される。他の好ましい実施形態では、ビークルが他の対象と衝突することになる少なくとも1つの衝突点の位置が、所与のビークルおよび対象の状態に対して計算される。次に、この少なくとも1つの衝突点が指向性ビューディスプレイに表示される。
【0020】
一般に、本発明の他の態様は、2つの航空機の間の空中衝突を回避するための方法およびシステムに関している。
【0021】
本発明の他の実施形態では、船舶のための航海システムが記述される。
【0022】
一般に、他の態様では、本発明は、移動対象を邀撃するための方法に関している。
【0023】
他の実施形態では、本発明は、コンピュータ可読媒体に埋め込まれた、上記システムおよび方法を実施するための論理に関している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明についてより詳細に説明する。図2aおよび2bは、潜在衝突状況に接近しつつある2つの航空機(自己機200、侵入機202)を示したものである。図2cは、本発明による好ましい操縦室ディスプレイを示したもので、図2aに示す状況が参照されている。
【0025】
図2aおよび2bに示されている状況例は、以下のパラメータを有している。
・自己機速度400ft/s
・侵入機速度780ft/s
【0026】
航空機200、202はいずれも水平に飛行しており、自己機200は侵入機202より200フィート上空を飛行している。両機の下方には両機の降下を妨げる他の交通が存在している(図示せず)。
【0027】
図2aの平面図は、斜めから見たシーンを示している。点線204および206は、自己機200および侵入機202の現在の速度ベクトルの方向をそれぞれ示している。自己機から出ている実線208および210は、衝突状況に導くであろう方向を示している。これらの線は、いずれの航空機もその速度が変化せず、また、侵入機202は、その現在の速度ベクトル206を維持するものとして計算されている。
【0028】
侵入機202の方が速く、また、これらの2つの航空機が接近しているため、2つの衝突点が存在している。航空機の位置および速度ベクトルは時間と共に変化するため、その方向は動的に変化する。侵入機202の速度が自己機200より遅い場合、存在する衝突方向は、せいぜい1つである。
【0029】
図2bは、上で説明した状況と同じ状況を側面から見たものである。
【0030】
図2cは、本発明による好ましいディスプレイの一例を示したものである。左側のディスク212は、自己機の四方の方向の前方の半球の天頂図である。天頂とは、真直ぐ前方を意味している。右側のディスク214は後方の半球である。この後方の半球が含まれている理由は、自己機の後方の、自己機より速度が速い侵入機によって衝突状況が生じる可能性があることによるものである。
【0031】
クロスヘアは、自己機の機体軸と一致している。つまり、前方投影の中心は、自己機の長手方向の機体軸すなわちパイロットの真直ぐ前方の観察点に対応している。後方投影の中心は、自己機の正反対の後方に向かっている。
【0032】
中心方向に対して三次元の等半径方向角度は、投影の中心からの等半径方向距離として示されている。円の円周は中心から90°に位置しており、これらの円は、いずれも、長手方向の軸に対して90°の平面の中心にパイロットが位置している輪を表している。
【0033】
自己機200から見た侵入機202の方向であるLOSは、正方形216で示されることが好ましい。この正方形のサイズは、侵入機までの距離を表しているが、その最小サイズは固定されていることが好ましい。衝突点218および220は、十字として示されることが好ましい。侵入機に関しても同様に、衝突点218、220のサイズは、潜在衝突までの距離を表している。衝突点を取り囲んでいる帯は、衝突ゾーン222を画定している。衝突ゾーンの内側の陰影の変化は、ミスディスタンス、つまり自己機のすべての仮想方向に対する自己機と侵入機の間の将来の最小分離を表している。つまり、陰影の変化は、衝突の度合を画定している。陰影は、パイロットがミスディスタンスを危険の度合に直ちに関連付けることができるよう、色の度合であることが好ましい。
【0034】
衝突の度合の変化を計算する方法をさらに説明するために、自己機の仮想方向が選択される。つまり、現在の速度のままで、クロスヘアが所望の方向に向かって抽象的に配置される。これは、ミスポイントと呼ばれる。図2cを参照すると、侵入機がその現在の速度ベクトルを維持する場合、このミスポイントに対して仮想ミスディスタンスを計算することができる(以下で説明する)。
【0035】
色は、このミスディスタンスに適したキャプション224から選択されることが好ましく、また、スクリーンピクセルは、そのミスポイントに応じて着色されることが好ましい。カラーディスプレイを利用することができない場合、適切な陰影を施すことにより、衝突の度合を表示することができる。図2cでは5kftであるキャプション224のレンジを超えるミスディスタンスが計算された場合、ピクセルすなわちミスポイントは黒のままである。このアルゴリズムを継続して、仮想自己機方向の連続体に対するミスディスタンスを計算し、衝突の度合を表示することができる。
【0036】
衝突ゾーンの内側の衝突の度合の変化により、パイロットは、取り得るあらゆる進路に関連する危険の度合を直ちに評価することができる。したがって、その意図が衝突点を回避することである場合、パイロットは、適切なミスディスタンス(そのミスポイントに関連する色/陰影によって直ちに引き出される)が確保されるようにビークルを操縦することができる。その意図が侵入機を邀撃することである場合、パイロットは、衝突点に向かってビークルを操縦し、衝突の度合を評価して邀撃の方向を補助することができる。
【0037】
ディスプレイには、パイロットを補助するためのデータ情報226が含まれていることが好ましい。図2cに示すように、本発明の好ましい実施形態には、さらに、それらに限定されないが、その記号に併記された侵入機の現在距離、ならびに衝突点までの距離および時間が含まれている。また、この表示とは別に、衝突の度合228が即座に表示されることが好ましい。最接近アプローチまでの時間および距離230を表示することも可能である。
【0038】
図には示されていないが、他のデータ情報には、侵入機が通過する際に自己機と交差する位置(つまり上方、下方、左側または右側)を示す矢印などの視覚表示が含まれていることが好ましい。さらに、交差する位置が侵入機の上方または下方の場合、ミスディスタンスを表す垂直成分の数値Hが含まれていることが好ましい。また、交差する位置が侵入機の左側または右側の場合、ミスディスタンスの水平成分の数値Wを含めることも可能である。したがって、矢印の方向およびミスディスタンスの値は、衝突を回避するかあるいは侵入機を邀撃するかに応じて、衝突の度合を変化させるために自己機を操縦すべき方法を示している。
【0039】
図2dは、ディスプレイの他の実施形態を示したもので、球全体のメルカトル図が示されている。ここで図に示されている飛行状況は、図2cに示されている状況と同じである。図2cの場合と同様、ディスプレイの軸は自己機の軸である。方位の等角は、等水平方向距離として示されている。高度の等角は、等垂直方向距離として示されている。その軸に対する自己機の真上の点は上縁にマップされており、したがってこの近傍における方向は著しく拡大され、かつ、ひずんでいる。同様に、自己機の真下の点は下縁にマップされている。この図は、自己機の後方の垂直方向の切断を除き、前方および後方の投影が連続する利点を有している。
【0040】
図2dに示されているこのディスプレイには、この例では平らで、かつ、水平である水平線の投影が組み込まれている。水平線の上方の点は、パイロットを補助するためには、異なる色/陰影で示されることが好ましい。自己機がピッチアップすると、水平線は、中心の近くが低くなり、左側および右側の端の近くが高くなる(図3dから分かるように)。自己機が旋回してバンクすると、水平線が傾斜し、正弦波の形になる。水平線(図示せず)は、必要に応じて、図2cの二重半球投影に追加することも可能である。
【0041】
図2dに示されている内側の窓232は、パイロットの典型的な視覚視野を近似している。つまり、航空機の横方向の軸および長手方向の軸に対して、それぞれ水平方向に−90°から+90°まで、および垂直方向に−20°から+20°まで近似している。
【0042】
図3aは、図2に関連して上で説明した状況の他の上面図を示したもので、一定の時間が経過し、自己機300と侵入機302の間の潜在衝突状況がさらに接近している。図2aおよび2bの場合と同様、点線301および303は、自己機300および侵入機302の現在の速度ベクトルの方向をそれぞれ示している。自己機から出ている線305および307は、衝突に導くであろう方向を示している。図3bから分かるように、自己機300は、上昇するために回避的な進路を取っている。
【0043】
図3cに示すディスプレイ上の衝突ゾーン304のサイズは適切に、図2cのサイズと比較すると大きくなっており、危険に対するより大きい視覚的印象をもたらしている。また、これは、自己機の安全な操縦方向がより極端であり、緊急のアクションが必要であることを通知している。
【0044】
図3dは、代替ディスプレイを示したもので、球全体のメルカトル図が示されている。この実施形態では、ディスプレイの一番下にデータ情報306が示されており、潜在衝突点に関する正確な情報をビークルのパイロットに与えている。
【0045】
この状況が継続すると、自己機は、衝突点を回避するために上昇を続ける。図3cに示す天頂図および図3dに示すメルカトル図のクロスヘアは、同様に、衝突の許容度合を示す色または陰影によって示される衝突ゾーン内の安全な領域へ移動することは当業者には理解されよう。
【0046】
したがって、図2a〜dおよび図3a〜dに示す状況を要約すると、自己機200は、ほぼ真直ぐ前方の主衝突点218を識別している。これは、自己機の現在の機首方位に明るい色/陰影を施すことによって示され、また、データ情報ボックスに228で示される。
【0047】
たとえ極わずかな方向の変動であっても衝突を招くことになる。したがって、自己機は、ディスプレイが衝突の許容度合に応じてサポートしている右方向へ旋回することができる。その場合、侵入機202がその進路を維持していると、自己機の右側70°に第2の衝突点220の危険が存在することになる。
【0048】
自己機は、図3a〜3cに示すように、上昇を開始することによって予測垂直方向分離を大きくすることを決定する。自己機300は、10秒の期間にわたって5°の上昇角まで上向きに旋回した後、この角度を維持する。自己機300は、1秒当たり0.15°で右側へ若干旋回することができる。侵入機302は、この例では自己機300の存在に気が付いていないため、その方向を変えない。ディスプレイ上の主衝突点318は、必要に応じて下方および左側へ変動する。ここで、データ情報ボックス306に示されているように、投影された分離測度が大きくなる。衝突の度合は、自己機の現在の方向(図3cのクロスヘア320および図3dのクロスヘア324)における、またデータ情報ボックス内では328における色/陰影によって示される。
【0049】
侵入機が後退する場合などのいくつかの状況では、衝突点が存在しないことは理解されよう。しかしながら、内側のいくつかの陰影/色は失われるが、衝突ゾーンおよび衝突の度合は、依然として存在している可能性がある。
【0050】
本発明によるシステムは、複数の侵入機に関連する複数の衝突ゾーンを表示することができる。追加衝突ゾーンは、そのときの天候または地勢によってもたらされることがある。必要な情報は、以下で説明するように計算され、それらの記号(たとえば十字および正方形)、衝突ゾーンおよび関連する衝突の度合を使用してディスプレイ上に重畳される。2つの侵入機に対して異なる色または陰影をディスプレイピクセルに持たせる場合(つまり衝突の度合を衝突ゾーン内の同じ位置で変化させる場合)、ディスプレイピクセルには、より短いミスディスタンスの色/陰影が割り当てられることが好ましい。
【0051】
図4は、図3a〜3dに関連して上で説明した飛行状況の他のディスプレイ実施形態を示したものである。これは、自己機の四方の方向の球全体の天頂図である。内側のディスク400は、図3cに示す前方の半球の天頂図と全く同じであり、したがって等半径方向角度は、等半径方向距離として示されている。しかしながら、この図の場合、半径方向角度は、180°にわたって続いている。自己機の真後ろの点は、外側の円周402上にマップされており、したがってこの近傍の方向は著しく拡大され、かつ、ひずんでいる。
【0052】
この描写における水平線(図示せず)は、場合によっては解釈が困難である閉じた曲線を形成することがある。しかしながら、この描写には、前方および後方の半球が連続する利点がある。好ましいことには、本発明のディスプレイは、ビークルのオペレータによって、必要に応じて交換することができる。
【0053】
わずかな角度の変化を示すためには、あらゆる投影において、角度の範囲を制限することができることが好ましい。また、パイロットの要求に応じて、あるいはアルゴリズムに従って衝突の度合を変化させることができる。そのため、有利には、航空機が異常接近した場合およびより正確な操縦を必要とする場合の分離の分解能をより細かくすることができる。
【0054】
カラーイメージまたは陰影が変化するイメージの代わりに、衝突の度合を表すために単色ディスプレイを使用することが可能であることは当業者には理解されよう。図5a、5bおよび5cに示す変化などの単色ディスプレイには、衝突の度合を即座に表示するための1つまたは複数の輪郭線500が含まれていることが好ましい。地形学的タイプのディスプレイ上の個々の輪郭は、一定のミスディスタンスに対応しており、したがって一定の衝突の度合に対応している。これらのディスプレイの派生物は、ヘッドアップディスプレイ(HUD)に含めるためにはとりわけ有用である。
【0055】
図6は、本発明の一実施形態による、船舶のブリッジの計器板上のディスプレイのための他の設計を示したものである。このディスプレイは、衝突の度合を即座に表示するために使用される。つまり、他の船舶または地勢などの他の障害物と衝突する危険の程度。
【0056】
ディスプレイは二次元平面図である。クロスヘアは自己船の軸と一致しており、したがって船舶に対して真直ぐ前方は、ディスプレイ上の12時の方向である。この例では11時の近くに示されている内側の針600は、侵入船の現在のLOSである。侵入船は、現在、自己船の前方で交差する進路上を航行している。
【0057】
ディスプレイ上の外側のディスク内に示されている、着色または陰影が施された帯602は、自己船の仮想速度毎のミスディスタンスと結合した衝突の度合の変化を示している。
【0058】
船舶の当面の状況に応じて、衝突の度合に対する適切なスケールを選択することができる。たとえば、外洋を航行している船舶は、港内巡視船が必要とするスケールより大きいスケールを有することができる。関連するキャプション604は、個々の衝突の度合に関連するミスディスタンスの数値を提供することが好ましい。ミスディスタンスは、個々の船舶の中心点から測定することができ、あるいは船舶の大きさおよび配向を要因に取り入れることも可能である。
【0059】
図6に示されているディスプレイは、自己船が、その現在の船首方位では、約300ユニットの差で侵入船との衝突を回避するであろうことを示している。自己船を衝突点に導く危険方向は1時の方向である。
【0060】
衝突点が固定対象(たとえば地勢)である場合、衝突の度合は、本発明による方法で依然として表示されることになる。この例では、固定潜在衝突点に対するLOSを示すための内側の針は不要であることは当業者には理解されよう。
【0061】
ディスプレイは、場合によっては、衝突点までの時間および距離を示す数値(図示せず)によって強化されることが好ましい。別のLOS針および別の着色/陰影帯のセットによって他の侵入船を示すことも可能である。LOS針は、周囲の記号または他の見易い様々な形態に置き換えることも可能である。
【0062】
本発明の一実施形態の実例を使用して上で説明したこのようなディスプレイは、ビークルが潜在衝突に遭遇する位置を突き止めることに限定されないことは当業者には理解されよう。たとえば、本発明によるシステムおよび方法は、航空交通管制システムの中で実施することができる。
【0063】
次に、衝突の度合を計算するための好ましい方法について説明する。以下の命名法は、以下で説明する計算全体を通して使用される。
【数1】

x=ULOSに平行の座標
y=ULOSおよびVの平面内におけるULOSに直角の座標
z=xおよびyに直角の座標
Rx=Vのx成分;VRyおよびVRzについても同様
Tx=Vのx成分;VTyおよびVTzについても同様
【0064】
【数2】

【0065】
θ=円錐の半角
β=tanθ
h=円錐の頂点からx方向の一点の距離
(φ)=式(12)の解;h(φ)は他の解
φ=円錐の軸の周囲の一点の極角
CDTI=交通情報の操縦室ディスプレイ
LOS=見通し線
【0066】
以下の計算のための値は、無線データリンク送信などの知られている方法で受け取ることができる。これらの値は、全地球測位システム(GPS)から受信した高分解能座標の精度で計算されることが好ましい。
【0067】
図7aに示されている衝突幾何学を参照すると、自己機は三次元速度ベクトルVを有しており、侵入機は三次元速度ベクトルVを有している。それらの現在の三次元距離はRであり、侵入機に対するLOSは、単位ベクトルULOSで与えられる。
【0068】
ここで、Fは、第1の人であり、Tは、侵入者または敵機あるいは交通である。侵入機の観点、つまり侵入機の基準系からすると、自己機は、V≠Vの場合、速度V=V−Vで、単位ベクトルU=V/|V|の方向に移動しているように見える。
【0069】
図7bは、自己機が通過するU方向の線に対する侵入機からのミスディスタンスが最短経路であることを示している。最短経路は、この線に対して直角である。相対位置ベクトルRLOSのUに沿った成分は、C=RLOS・Uであり、点はスカラ積を表している。V=Vである場合、C=0である。したがって、最接近アプローチにおける侵入機から自己機までのベクトルは、
=CU−RLOS (1)
になる。
【0070】
ピタゴラスの定理によれば、ミスディスタンスは、
【0071】
【数3】

である。
【0072】
この公式を使用して、すべての仮想自己機方向に対するミスディスタンスが計算され(ミスポイント)、図2から6に示す色領域または陰影領域として衝突の度合が表示される。自己機の現在の方向に対しては、Rの自己機の上向きの軸に沿った成分Hおよび自己機の右側の翼に沿った成分Wが同じく計算される。それらは、自己機が最接近アプローチで侵入機の上空を通過する高さ、および自己機の右側までの侵入機の距離を示しており、また、それらの値は、情報データディスプレイに表示されることが好ましい。
【0073】
衝突点はRMD=0に対応しており、(2)が示しているようにU=ULOSの場合に生じ、したがってULOS、VおよびVは共面になる。x軸がULOSに沿って位置し、また、y軸がULOSおよびVの平面に位置している直交座標(x、y、z)が使用されており、したがってVは、正のy成分VTyを有している。z軸は、右手の法則によって画定されている。図8aに示されている衝突三角形は、V>Vの場合を示したものである。V<VTyの場合、衝突点は存在しない。そうでない場合、ピタゴラスの定理によれば、標準公式、
【0074】
【数4】

が与えられ、自己機の速度ベクトルは、
F1=V+|V|ULOS (4)
になる。
【0075】
このベクトルの方向は、十字としてディスプレイ上に投影される。図8bは、V<Vの場合を示したもので、2つの衝突方向が存在している。第2の場合、(3)の平方根の前のプラスはマイナスになる。したがって、第2の自己機速度ベクトルVF2が得られ、その方向は、第2の十字としてディスプレイ上に投影される。そのパラメータは、ディスプレイの情報データセクションの下側の十字に対して与えられることが好ましい。自己機の現在の速度ベクトルおよび衝突方向に対しては、最小分離に到達するまでの時間C/|V|がデータボックスに表示される。
【0076】
もう一度図5aを参照すると、天頂ディスプレイの線プロットバージョンが示されており、閉じた曲線衝突ゾーンは、2000フィートのミスディスタンスに対応している。ここでは、衝突点は、十字の代わりに点で示されている。LOSは、実線の正方形として示されており、クロスヘアは減少している。説明を分かり易くするために、航空機はいずれも水平に飛行しており、自己機の速度は500ft/sである。侵入機は、その速度が400ft/sであり、6000フィートの距離を隔てており、また、自己機の左側30°、下方7°である。侵入機は、自己機の前方で、自己機の経路に対して90°で交差している。10.7秒で衝突点に到達することになる。しかしながら、図5aは、それらが約1200フィートの差で衝突を回避することになることを示している。
【0077】
コンピュータプログラムは、ピクセル毎に2000フィートの輪郭を得ることができるが、これは、その計算が高くつき、また、滑らかな曲線を作成しない。その代わりに、図8aに示す衝突幾何学を参照することにより、輪郭の式が得られる。式(2)は、
【0078】
【数5】

の形で表すことができ、これは、
【0079】
【数6】

として、成分で表現することができる。
【0080】
仮想自己機速度は、
【0081】
【数7】

であり、成分X、Y、Zは、輪郭を画定することになる変数である。したがって、Vはz成分を有していないため、
Rx=X−VTx
Ry=Y−VTy (7)
Rz=Z
である。ここで、(6)は、
β(X−VTx=(Y−VTy+Z (8)
に減少する。上式で、
【0082】
【数8】

である。
【0083】
式(8)は、頂点Vを有する円錐、x軸に沿った軸、および半角θ=arctanβを画定している。図9は一例を示したものである。自己機の実際の現在速度V≡|V|は、すべての仮想自己機方向に対して仮定されていることを想起すると、
【0084】
【数9】

である。
【0085】
これは、図9に示されているように、原点を中心とする半径Vの球の表面を画定している。連立方程式(8)および(10)は、2つの閉じた曲線を画定しており、円錐と球が交差している。この場合、仮想自己機速度
【0086】
【数10】

は、図9の曲線上に位置している。また、衝突点は、RMD=0の場合、β=0であるため、円錐の軸と球の表面の交点に位置している。
【0087】
【数11】

は、単位ベクトル
【0088】
【数12】

で与えられる方向を有している。図9に、
【0089】
【数13】

の投影をプロットするために、(8)は、媒介変数形式
X−VTx=h
Y−VTy=hβcosφ (11)
Z=hβsinφ
で表される。hは、円錐の頂点の上方の垂直方向の距離であり、φは、図9の円錐の軸の周りの極角である。これを(10)に代入すると、hに対する二次方程式
【0090】
【数14】

が得られる。
【0091】
2つの解は、h(φ)およびh(φ)で表される。h(φ)を(11)に代入すると、図9の上側の曲線の式は、単一パラメータφの形で表現される。次に、緊密に間隔を隔てたφの値で範囲(0、2π)をステッピングすることにより、(11)から曲線を作成することができる。次に、図5aに示されているディスプレイを生成するために、方向
【0092】
【数15】

が天頂投影される。
【0093】
図9の下側の曲線は、同様の方法でh(φ)から得ることができる。しかしながら、円錐の下側半分は、過去に生じた最小分離に対応しており、したがって物理的には関連していない。
【0094】
しかしながら、図10aに示されているシナリオを考察すると、曲線はいずれも円錐の上側半分に位置しており、将来的に生じる。得られる投影は、図5cに示されている2つの輪郭を生成している。
【0095】
可能状況は、以下の通りである。自己機の方が速い(V≧V)場合、正確に1つの衝突点が存在する。これは、円錐の頂点が図9の球の内側に位置することによるものである。自己機の方が遅い(V<V)場合、頂点は球の外側に位置し、2つの主なケースが存在する。
(i)VTx>0である場合、円錐の頂点が球の上方に位置するため(図10c参照)、衝突点は存在しない。VTx<0で、かつ、VTy>Vである場合、円錐の頂点が球の側面に位置するため(図10d参照)、衝突点は存在しない。いずれの場合も、Vが十分に大きい場合、衝突ゾーン(輪郭)も存在しない。
(ii)VTx<0で、かつ、VTy<Vである場合、円錐の頂点が球の下方に位置するため(図10aおよび10b参照)、2つの衝突点が存在する。少なくとも1つの輪郭が必ず存在する。場合によってはダンベル形である単一の輪郭がこれらの2つの衝突点を取り囲み(図10b参照)、衝突ゾーンを形成することがある。あるいは2つの個別の輪郭がそれぞれ1つの衝突点を含むことも可能である(図10a参照)。V<<Vではない限り、1つの衝突点がはるかに近く、かつ、はるかに大きい輪郭を有している。これらの図から、異なるタイプの輪郭に対する数学的条件を演繹することができる。
【0096】
一例として、図5bは、図2からの輪郭を示したものであり、一方、図5cは、図3または4からの輪郭を示したものである。図5cは、図10bと同様の例である。視覚情報は完璧ではないが、これらの線プロットディスプレイを使用して、上で説明した衝突を回避することができる。多くのミスディスタンスが計算され、衝突の度合に対する有利な表示が得られることが好ましい。
【0097】
航空機の垂直方向の寸法は比較的短く、また、航空機の場合、作戦上の垂直方向の操縦が必要であることは理解されよう。したがって、場合によっては、垂直方向の微細スケールを有することがより有利である。これには、恐らく、垂直方向のカラーキャプションおよび水平方向のカラーキャプションが使用されることになる。たとえば水平方向のミスディスタンスaは、たとえば垂直方向のミスディスタンスbと同じ輪郭(同じ色/陰影)上に出現し、比率b/aは、ビークルの寸法および操縦性に基づく1未満の固定数である。立体プロット中の水平位置に対する角度がφの場合、ミスディスタンスの適切な値は、
【0098】
【数16】

である。
【0099】
このミスディスタンスは、角度φの半径に沿ったディスプレイ上の点として見出すことができ、その点を通って輪郭が描かれ、あるいは関連する色/陰影を使用してピクセルに着色/陰影が施される。したがって、垂直方向のミスディスタンスの分解能がより細かいディスプレイが得られ、衝突の度合をより正確に測定することができる。
【0100】
上記の計算は、単一平面ビークル状態(すなわち一定方向)に限定されないことは当業者には理解されよう。座標点の他の派生物を使用して、侵入ビークルのバンキング(旋回)あるいは速度変更を仮想計算することができ、また、そのような操縦によって自己機が衝突することになる起こり得る衝突の度合を仮想計算することができる。たとえば、侵入機が危険な方法で旋回した場合、最短時間における仮想衝突を計算し、衝突の可能性が自己機に差し迫っていることをパイロットに知らせることができる。
【0101】
当然、以上の説明は、本発明の実例実施例を示したものにすぎず、当業者には明らかであると思われる以上の説明に対するすべてのこのような改変および変形形態ならびに他の改変および変形形態は、特許請求の範囲に示されている本発明の広義の範囲に包含されるものと見なされることは認識されよう。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】主として空対空戦闘に使用される従来技術によるディスプレイシステムを示す図である。
【図2a】2つの航空機に対する潜在衝突状況を示す図である。
【図2b】2つの航空機に対する潜在衝突状況を示す図である。
【図2c】本発明による、図2aおよび2bに示す潜在衝突状況のディスプレイを示す図である。
【図2d】本発明による、図2aおよび2bに示す潜在衝突状況のディスプレイを示す図である。
【図3a】一定の時間が経過した後の図2aから2dに示す衝突状況、および2つの航空機の潜在衝突状況がより接近したことを示す図である。
【図3b】一定の時間が経過した後の図2aから2dに示す衝突状況、および2つの航空機の潜在衝突状況がより接近したことを示す図である。
【図3c】本発明による、図3aおよび3bに示す潜在衝突状況のディスプレイを示す図である。
【図3d】本発明による、図3aおよび3bに示す潜在衝突状況のディスプレイを示す図である。
【図4】図3aおよび3bに示す潜在衝突状況の代替ディスプレイを示す図である。
【図5a−c】本発明の一実施形態による単色ディスプレイを示す図である。
【図6】本発明の一実施形態による代替ディスプレイを示す図である。
【図7a−b】本発明によるミスディスタンスの幾何学ベクトルを示す図である。
【図8a−b】本発明による衝突幾何学ベクトルを示す図である。
【図9】本発明による輪郭および衝突点の衝突投影を示す図である。
【図10a−d】本発明に従って計算された輪郭および衝突点の他の投影を示す図である。
【符号の説明】
【0103】
100 操縦点
102 目標の見通し線(LOS)
104 許容される操縦誤差(ASE)円
200、300 自己機
202、302 侵入機
204、301 自己機の現在の速度ベクトル
206、303 侵入機の現在の速度ベクトル
208、210 衝突状況に導くであろう方向
212、400 自己機の四方の方向の前方の半球の天頂図を示すディスク
214 自己機の四方の方向の後方の半球の天頂図を示すディスク
216 自己機から見た侵入機の方向であるLOS
218、318 衝突点(主衝突点)
220 衝突点(第2の衝突点)
222、304 衝突ゾーン
224、604 キャプション
226、306 データ情報(データ情報ボックス)
228、328 衝突の度合
230 最接近アプローチまでの時間および距離
232 内側の窓
320 クロスヘア
402 ディスク400の外側の円周
500 衝突の度合を即座に表示するための1つまたは複数の輪郭線
600 侵入船の現在のLOSを示す針
602 自己船の仮想速度毎のミスディスタンスと結合した衝突の度合の変化を示す帯

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビークルと少なくとも1つの他の対象を含む衝突状況における前記ビークルの操縦を識別する方法であって、
所与のビークルおよび対象の状態に対して、前記ビークルが一定のレンジのミスディスタンスで前記少なくとも1つの他の対象との衝突を回避することになる複数のミスポイントを計算するステップと、
前記ビークルが所与の衝突の度合を示す所与のミスディスタンスで衝突を回避することになる複数のミスポイントと、前記ビークルが衝突の度合がより小さいことを示すより大きいミスディスタンスで衝突を回避することになる他のミスポイントとを視覚的に区別することができるように前記ミスポイントを表示するステップと
を含み、前記表示が潜在衝突の度合の変化を表し、それにより、衝突の度合の変化に応じて前記ビークルを操縦するために利用することができるレンジが指向性ビューディスプレイに提供される方法。
【請求項2】
前記視覚的に区別することができる複数のミスポイントが等角マッピングを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記視覚的に区別することができる複数のミスポイントがカラーバンディングを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記複数のミスポイントが高分解能座標によって計算される、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
請求項1で定義されているステップを他のビークルおよび対象の状態に対して繰り返すステップをさらに含み、表示される、操縦に利用することができるレンジが、前記ビークルおよび他の対象の状態の変化に応じて更新される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記指向性ビューディスプレイが単色ディスプレイである、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記指向性ビューディスプレイがカラーディスプレイである、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
所与のビークルおよび対象の状態に対して、前記ビークルが前記他の対象と衝突することになる少なくとも1つの衝突点の位置を計算するステップと、
前記少なくとも1つの衝突点を前記指向性ビューディスプレイに表示するステップと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
ビークルと少なくとも1つの他の対象を含む衝突状況における前記ビークルの操縦を識別するためのシステムであって、
所与のビークルおよび対象の状態に対して、前記ビークルが一定のレンジのミスディスタンスで前記少なくとも1つの他の対象との衝突を回避することになる複数のミスポイントを計算するための手段と、
前記ビークルが所与の衝突の度合を示す所与のミスディスタンスで衝突を回避することになる複数のミスポイントと、前記ビークルが衝突の度合がより小さいことを示すより大きいミスディスタンスで衝突を回避することになる他のミスポイントとを視覚的に区別することができるように前記ミスポイントを表示するための手段と
を備え、前記表示が潜在衝突の度合の変化を表し、それにより、衝突の度合の変化に応じて前記ビークルを操縦するために利用することができるレンジが指向性ビューディスプレイに提供されるシステム。
【請求項10】
前記視覚的に区別することができる複数のミスポイントが等角マッピングを特徴とする、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記視覚的に区別することができる複数のミスポイントがカラーバンディングを特徴とする、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記複数のミスポイントが高分解能座標によって計算される、前記請求項のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
請求項9で定義されている計算を他のビークルおよび対象の状態に対して繰り返すステップをさらに含み、表示される、操縦に利用することができるレンジが、前記ビークルおよび他の対象の状態の変化に応じて更新される、請求項9に記載のシステム。
【請求項14】
前記指向性ビューディスプレイが単色ディスプレイである、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記指向性ビューディスプレイがカラーディスプレイである、請求項13に記載のシステム。
【請求項16】
所与のビークルおよび対象の状態に対して、前記ビークルが前記他の対象と衝突することになる少なくとも1つの衝突点の位置を計算するための手段と、
前記少なくとも1つの衝突点を前記指向性ビューディスプレイに表示するための手段と
をさらに備えた、請求項9に記載のシステム。
【請求項17】
前記少なくとも1つの衝突点からの前記ビークルの時間および距離を計算し、かつ、数値表示で示すための手段をさらに備えた、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
第1の航空機と第2の航空機の間の空中衝突を回避するための方法であって、
前記第1および第2の航空機の所与の状態に対して、前記第1の航空機が一定のレンジのミスディスタンスで前記第2の航空機との衝突を回避することになる複数のミスポイントを計算するステップと、
前記第1の航空機が所与の衝突の度合を示す所与のミスディスタンスで前記第2の航空機との衝突を回避することになる複数のミスポイントと、前記第1の航空機が衝突の度合がより小さいことを示すより大きいミスディスタンスで前記第2の航空機との衝突を回避することになる他のミスポイントとを視覚的に区別することができるように前記ミスポイントを表示するステップと
を含み、前記表示が潜在衝突の度合の変化を表し、それにより、衝突の度合の変化に応じて前記第1または第2の航空機を操縦するために利用することができるレンジが指向性ビューディスプレイに提供される方法。
【請求項19】
前記視覚的に区別することができる複数のミスポイントが等角マッピングを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記視覚的に区別することができる複数のミスポイントがカラーバンディングを特徴とする、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記複数のミスポイントが高分解能座標によって計算される、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
請求項18で定義されているステップを他のビークルおよび対象の状態に対して繰り返すステップをさらに含み、表示される、操縦に利用することができるレンジが、前記ビークルおよび他の対象の状態の変化に応じて更新される、請求項18に記載の方法。
【請求項23】
前記指向性ビューディスプレイが単色ディスプレイである、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記指向性ビューディスプレイがカラーディスプレイである、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
船舶のための航海システムであって、
前記船舶が所与の船舶および少なくとも1つの他の対象の状態に応じた一定のレンジのミスディスタンスで少なくとも1つの他の対象との衝突を回避することになる複数のミスポイントを計算するための手段と、
前記船舶が所与の衝突の度合を示す所与のミスディスタンスで衝突を回避することになる複数のミスポイントと、前記船舶が衝突の度合がより小さいことを示すより大きいミスディスタンスで衝突を回避することになる他のミスポイントとを視覚的に区別することができるように前記ミスポイントを表示するための手段と
を備え、前記表示手段が潜在衝突の度合の変化を表示し、それにより、衝突の度合の変化に応じて前記船舶を操縦するために利用することができるレンジが指向性ビューディスプレイに提供されるシステム。
【請求項26】
前記視覚的に区別することができる複数のミスポイントがカラーバンディングを特徴とする、請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
請求項25で定義されている計算を他の船舶および少なくとも1つの他の対象の状態に対して繰り返すステップをさらに含み、表示される、操縦に利用することができるレンジが、前記船舶および少なくとも1つの他の対象の状態の変化に応じて更新される、請求項25に記載のシステム。
【請求項28】
前記指向性ビューディスプレイが単色ディスプレイである、請求項27に記載のシステム。
【請求項29】
前記指向性ビューディスプレイがカラーディスプレイである、請求項27に記載のシステム。
【請求項30】
少なくとも1つの衝突点からの前記船舶の時間および距離を計算し、かつ、数値表示で示すための手段をさらに備えた、請求項25に記載のシステム。
【請求項31】
対象を邀撃するための方法であって、
前記対象を邀撃するためのビークルを提供するステップと、
前記ビークルおよび前記対象の所与の状態に対して、前記ビークルが一定のレンジのミスディスタンスで前記対象との衝突を回避することになる複数のミスポイントを計算するステップと、
前記ビークルが所与の衝突の度合を示す所与のミスディスタンスで前記対象航空機との衝突を回避することになる複数のミスポイントと、前記ビークルが衝突の度合がより小さいことを示すより大きいミスディスタンスで前記対象との衝突を回避することになる他のミスポイントとを視覚的に区別することができるように前記ミスポイントを表示するステップと
を含み、前記表示が潜在衝突の度合の変化を表し、それにより、前記対象を邀撃するべく衝突の度合の変化に応じて前記ビークルを操縦するために利用することができるレンジが指向性ビューディスプレイに提供される方法。
【請求項32】
コンピュータ可読媒体に埋め込まれた、請求項1、請求項18または請求項32に記載の方法を実施するための論理。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図2d】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図3d】
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【図4】
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【図5a−c】
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【図6】
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【図7a−b】
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【図8a−b】
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【図9】
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【図10a−d】
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【公表番号】特表2009−527403(P2009−527403A)
【公表日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−555564(P2008−555564)
【出願日】平成19年2月20日(2007.2.20)
【国際出願番号】PCT/AU2007/000179
【国際公開番号】WO2007/095671
【国際公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【出願人】(305039998)コモンウェルス サイエンティフィック アンド インダストリアル リサーチ オーガニゼイション (92)
【Fターム(参考)】