説明

衣服または履物の品物におけるにおいを軽減するデバイス

【課題】脱臭剤、特に、モノリシックな形態に形成された多孔性担体材料を有する脱臭剤基板、および多孔性担体材料の中のにおいを中和する組成物を提供すること。
【解決手段】本発明の一実施形態は、におい脱臭剤である。におい脱臭剤は、45〜100ミクロンの範囲にある孔を有する細孔の高密度ポリエチレンの円盤状の多孔性担体材料と、多孔性担体材料の中のウンデシレン酸および/またはその誘導体のにおいを中和する組成物と、靴にフィットするように寸法設定され、複数の穴を有し、かつ多孔性担体を収容する、円盤状でタルクを混ぜられた射出成形可能なポリプロピレンのハウジングであって、ハウジングは、開いた構成と閉じた構成との間で可動である、ハウジングとを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、35 U.S.C. 119(e)の下で、“Device for Mitigating Odor in an Article of Clothing or Footwear”という名称で2006年12月21日に出願された米国仮特許出願第60/876,934号に対する優先権を主張する。上記出願の全体の内容は、本明細書において、参考として援用される。
【0002】
(発明の分野)
本発明の一部の例示的な実施形態は、概して脱臭剤に関し、特にモノリシックな形態に形成された多孔性の担体材料を有する脱臭剤基板と、多孔性の担体材料中のにおいを中和する組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
悪臭は、通例、非常に低い濃度で知覚される化学物質によってもたらされる。悪臭は、低レベルでは必ずしも健康に対して危険であり得るとは限らないが、悪臭は、人の環境についての楽しみに影響を及ぼし得る。それらの悪臭の中で、靴/足のにおいは、人々の日常生活における一般的な問題である。
【0004】
従来の脱臭剤は、パウダーおよびスプレーを含む。脱臭剤のパウダーは、所望の効果を提供するために、例えばアルミニウム、亜鉛、ジルコニウムの無機化合物のような多様な成分を用いる。しかしながら、パウダーおよびスプレーは、汚れた状態(mess)をもたらし得、長いブーツまたは上部が高いスニーカーの足の部分のような一部の位置にパウダーまたはスプレーを適用することはほとんど不可能である。
【0005】
他の従来の脱臭剤は、靴の中敷またはパッチを含む。
【0006】
通例では芳香物質を含有する香水の比較的多量の添加(すなわち、約10ミリグラム(mg)またはそれよりも多い)が、悪臭を隠すために環境中に芳香を拡散することによって十分な「においのマスキング」を提供するために、中敷またはスプレーの組成物中に用いられ得る。香水成分中の芳香物質のそのような高濃度の添加は、高価であり得、脱臭剤を履物に保持する接着剤が軟化することをもたらし、脱臭剤が履物からはずれる原因となり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
有効な成分が汚すことなく容易に靴の内側に適用され、除去され得る、そして十分なにおいのマスキングとにおいの中和とを同時に提供し得る、便利で経済的な脱臭剤を提供することが望ましい。有効な脱臭能力と長い貯蔵寿命との両方を有するような脱臭剤を提供することは、さらに望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一つの例示的な実施形態は、におい脱臭剤である。におい脱臭剤は、45〜100ミクロンの範囲の孔を有する細孔の高密度ポリエチレンの、円盤状の多孔性担体材料と、多孔性担体材料の中のウンデシレン酸および/またはその誘導体のにおいを中和する組成物と、靴にフィットするように寸法設定され、複数の穴を有し多孔性担体を収容する、円盤状でタルクを混ぜられた射出成形可能なポリプロピレンの、(開いた構成と閉じた構成との間で可動である)ハウジングとを含み得る。
【0009】
本発明の第二の例示的な実施形態は、靴の脱臭剤である。靴の脱臭剤は、ケーシングなしにモノリシックな形態に形成され、靴の中に挿入されるように寸法設定される多孔性担体材料、および多孔性担体材料の中のにおいを中和する組成物を含み得る。オプションとして、担体材料は、多孔性ポリアルキレン材料であり得る。ポリアルキレン材料は、ポリエチレンまたは細孔の高密度ポリエチレンであり得る。オプションとして、担体材料の孔の大きさは、算術平均で約100ミクロンまでであり、より好ましくは、算術平均で約45ミクロンから約90ミクロンまでである。第二の例示的な実施形態の一部の例において、靴の脱臭剤は、靴のにおいの90%までを除去する。オプションとして、においを中和する組成物は、ウンデシレン酸および/またはその誘導体と、芳香またはフレーバー物質のうちの少なくとも一つとをさらに含む。オプションとして、ウンデシレン酸誘導体は、メチルエステルウンデシレン酸誘導体およびエチルエステルウンデシレン酸誘導体であり、メチルエステルウンデシレン酸誘導体のエチルエステルウンデシレン酸誘導体に対する比率は、重量で約5/95から約30/70までである。オプションとして、ウンデシレン酸および、またはその誘導体の量は、においを中和する組成物の重量で約5%から約50%までである。オプションとして、靴の脱臭剤基板は、靴型または靴型の殻、または円盤の形状に形成される。オプションとして、靴の脱臭剤は、靴型に形成されるときは特に、靴の脱臭剤基板に操作可能に結合され、靴の中に靴の脱臭剤基板を保持するように構成される機械式の部分をさらに含み得、機械式の部分は、オプションとして靴の脱臭剤基板から延びる柔軟な棒であり得る。
【0010】
本発明の第三の例示的な実施形態は、におい脱臭剤である。におい脱臭剤は、多孔性担体材料と、多孔性担体材料の中のにおいを中和する組成物と、(多孔性担体を収容し)複数の穴を含有するハウジングとを含み得る。オプションとして、ハウジングは、におい中和剤および、または芳香物質を吸収する傾向が極めて少ない材料から形成される。ハウジングの材料は、オプションとして、プラスチックの材料、例えば、タルクを混ぜられ射出成形されたポリプロピレン材料であり得る。オプションとして、ハウジングは、複数の穴の少なくとも部分的な集まりを覆うように構成される少なくとも一つの覆いを有し得る。覆いは、オプションとして、ハウジングに可動なように連結され、閉じた位置から開いた位置に可動である。オプションとして、穴の数および寸法は、8時間で悪臭の少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%を除去するように選ばれ得る。オプションとして、穴の数は、50まで、より好ましくは42までであり得る。オプションとして、穴は、直径3.0mmまで、より好ましくは直径2.0mmまでであり得る。穴の寸法および数は、少なくとも20回、好ましくは少なくとも30回の脱臭剤の使用を提供するように選ばれ得、オプションとして、各使用は、においを約8時間脱臭剤にさらすことを包含する。
【0011】
本発明の第四の例示的な実施形態は、工業生産(manufacture)の品物である。工業生産の品物は、多孔性のモノリシックな担体中に有効な量のウンデシレン酸および、またはその誘導体を含有する靴の脱臭剤基板と、熱融着の有機物蒸気低透過性のパッケージングフィルムで少なくとも部分的に形成される、シールされたパッケージとを含み得、パッケージは靴の脱臭剤基板を収容する。品物は、オプションとして、それが50℃で1ヶ月のエイジングの後に、においを中和する組成物の5%未満を、40℃で3ヶ月のエイジングの後に、においを中和する組成物の5%未満を失うように構成され得、エイジングは、シールされたパッケージ内に収容された靴の脱臭剤基板について生じる。オプションとして、品物は、約1年から2年までの貯蔵寿命を有し得る。オプションとして、シールされたパッケージは、パッケージングフィルムの内側に配置され、靴の脱臭剤基板を囲んでいるポリエチレンテレフタレートのシールされた内側の層をさらに含み得る。オプションとして、品物は、有効期限の日付を有さないことがあり得る。
【0012】
本発明の第五の例示的な実施形態は、靴の脱臭剤を調製する方法である。方法は、ウンデシレン酸および、またはその誘導体の有効な量を備える、においを中和するプレミックス組成物を提供することと、多孔性担体材料をある形状に形成することと、プレミックスを形成された形状の担体材料に付加することと、担体材料からの有効な量のにおいを中和する組成物の放出を可能にすることとを含み得る。オプションとして、プレミックスは、液体の調合物である。オプションとして、プレミックスは、形成された形状の担体材料の中に吸収を介して付加される。
【0013】
本発明の適用可能性のさらなる分野は、以下で提供される一部の例示的な実施形態の詳細な説明から明らかになる。詳細な説明および特定の例が、本発明の一部の例示的な好適な実施形態を説明しているが、説明の目的のみのために意図され、本発明の範囲を限定するようには意図されていないことが、理解されるべきである。
例えば、本発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
i)45〜100ミクロンの範囲にある孔を有する、細孔の高密度ポリエチレンの円盤状の多孔性担体材料と、
ii)該多孔性担体材料の中のウンデシレン酸および/またはその誘導体のにおいを中和する組成物と、
iii)靴にフィットするように寸法設定され、複数の穴を有し、かつ多孔性担体を収容する、円盤状でタルクを混ぜられた射出成形可能なポリプロピレンのハウジングであって、該ハウジングは、開いた構成と閉じた構成との間で可動である、ハウジングと
を備えている、におい脱臭剤。
(項目2)
前記におい脱臭剤は、靴の脱臭剤であって、該靴の脱臭剤は、
i)ケーシングなしにモノリシックな形態に形成され、靴の中に挿入されるように寸法設定される多孔性担体材料と、
ii)該多孔性担体材料の中のにおいを中和する組成物と
を備えている、項目1に記載のにおい脱臭剤。
(項目3)
前記担体材料は、多孔性ポリアルキレン材料である、項目1または項目2に記載のにおい脱臭剤。
(項目4)
前記ポリアルキレン材料は、ポリエチレンまたは細孔の高密度ポリエチレンである、項目1〜項目3のうちのいずれか一項に記載のにおい脱臭剤。
(項目5)
前記担体材料の孔の寸法は、算術平均で約100ミクロンまでである、項目1〜項目4のうちのいずれか一項に記載のにおい脱臭剤。
(項目6)
前記担体材料の孔の寸法は、算術平均で約45ミクロンから約90ミクロンまでである、項目1〜項目5のうちのいずれか一項に記載のにおい脱臭剤。
(項目7)
前記においを中和する組成物は、靴のにおいの少なくとも約80%を除去する、項目1〜項目6のうちのいずれか一項に記載のにおい脱臭剤。
(項目8)
前記においを中和する組成物は、靴のにおいの少なくとも約90%を除去する、項目7に記載のにおい脱臭剤。
(項目9)
前記においを中和する組成物は、ウンデシレン酸および/またはその誘導体と、芳香またはフレーバー物質のうちの少なくとも一つとをさらに備えている、項目1〜項目8のうちのいずれか一項に記載のにおい脱臭剤。
(項目10)
前記ウンデシレン酸誘導体は、メチルエステルウンデシレン酸誘導体およびエチルエステルウンデシレン酸誘導体であり、メチルエステルウンデシレン酸誘導体のエチルエステルウンデシレン酸誘導体に対する比率は、重量で約5/95から約30/70までである、項目1〜項目9のうちのいずれか一項に記載のにおい脱臭剤。
(項目11)
前記ウンデシレン酸およびその誘導体の全体量は、重量で前記においを中和する組成物の約5%から約50%までである、項目1〜項目10のうちのいずれか一項に記載のにおい脱臭剤。
(項目12)
前記におい脱臭剤基板は、靴型または靴型の殻、または円盤の形状に形成される、項目1〜項目11のうちのいずれか一項に記載のにおい脱臭剤。
(項目13)
前記におい脱臭剤基板に操作可能なように結合され、該におい脱臭剤基板を靴の中に保持するように構成される機械式の部分をさらに備えている、項目1〜項目12のうちのいずれか一項に記載のにおい脱臭剤。
(項目14)
前記機械式の部分は、前記におい脱臭剤基板から延びる柔軟な棒である、項目1〜項目13のうちのいずれか一項に記載のにおい脱臭剤。
(項目15)
i)多孔性担体材料と、
ii)該多孔性担体材料の中のにおいを中和する組成物と、
iii)複数の穴を収容するハウジングであって、該ハウジングは、該多孔性担体を収容する、ハウジングと
を備えている、におい脱臭剤。
(項目16)
前記ハウジングは、前記におい中和剤または芳香物質を吸収する傾向が極めて少ない材料から成形される、項目1〜15のうちのいずれか一項に記載のにおい脱臭剤。
(項目17)
前記ハウジングの前記材料は、プラスチック材料である、項目1〜項目16のうちのいずれか一項に記載のにおい脱臭剤。
(項目18)
前記ハウジングの前記材料は、タルクを混ぜられ射出成形されたポリプロピレン材料である、項目17に記載のにおい脱臭剤。
(項目19)
前記ハウジングは、前記複数の穴の少なくとも部分的な集まりを覆うように構成される少なくとも一つの覆いをさらに備えている、項目1〜項目18のうちのいずれか一項に記載のにおい脱臭剤。
(項目20)
前記覆いは、可動なように前記ハウジングに連結され、閉じた位置から開いた位置に可動である、項目19に記載のにおい脱臭剤。
(項目21)
前記ハウジングの前記穴の数および寸法は、悪臭の少なくとも約80%を8時間で除去するように選ばれる、項目1〜項目20のうちのいずれか一項に記載のにおい脱臭剤。
(項目22)
前記ハウジングの前記穴の数および寸法は、悪臭の少なくとも約90%を8時間で除去するように選ばれる、項目1〜項目21のうちのいずれか一項に記載のにおい脱臭剤。
(項目23)
前記穴の数は、50までである、項目1〜項目22のうちのいずれか一項に記載のにおい脱臭剤。
(項目24)
前記穴の数は、42までである、項目1〜項目22のうちのいずれか一項に記載のにおい脱臭剤。
(項目25)
前記穴の前記寸法は、直径で3.0mmまでである、項目1〜項目24のうちのいずれか一項に記載のにおい脱臭剤。
(項目26)
前記穴の前記寸法は、直径で2.0mmまでである、項目1〜項目24のうちのいずれか一項に記載のにおい脱臭剤。
(項目27)
前記ハウジングの穴の前記寸法および数は、前記脱臭剤の少なくとも20回の使用を提供するように選ばれる、項目1〜項目26のうちのいずれか一項に記載のにおい脱臭剤。
(項目28)
前記ハウジングの穴の前記寸法および数は、前記脱臭剤の少なくとも30回の使用を提供するように選ばれる、項目1〜項目27のうちのいずれか一項に記載のにおい脱臭剤。
(項目29)
各使用は、前記においを前記脱臭剤におよそ8時間さらすことを包含する、項目1〜項目28のうちのいずれか一項に記載のにおい脱臭剤。
(項目30)
各使用は、前記においを前記脱臭剤におよそ8時間さらすことを包含する、項目1〜項目28のうちのいずれか一項に記載のにおい脱臭剤。
(項目31)
熱融着の有機物蒸気低透過性のパッケージングフィルムで少なくとも部分的に形成されたシールされたパッケージであって、該パッケージは、前記脱臭剤基板を収容する、シールされたパッケージをさらに備えている、項目1〜項目30のうちのいずれか一項に記載の脱臭剤。
(項目32)
50℃で1ヶ月のエイジングの後に、においを中和する組成物の5%未満を、また40℃で3ヶ月のエイジングの後に、においを中和する組成物の5%未満を失う、項目31に記載の脱臭剤であって、該エイジングは、前記シールされたパッケージ内に収容された前記におい脱臭剤基板について生じる、脱臭剤。
(項目33)
項目27における工業生産の品物の貯蔵寿命は、約1年から約2年までである、項目31または項目32に記載の脱臭剤。
(項目34)
前記シールされたパッケージは、前記パッケージングフィルムの内側に配置され、前記におい脱臭剤基板を囲むポリエチレンテレフタレートのシールされた内側の層をさらに備えている、項目31〜項目33のうちのいずれか一項に記載の脱臭剤。
(項目35)
前記品物は、有効期限の日付を有していない、項目31〜項目34のうちのいずれか一項に記載の脱臭剤。
(項目36)
前記品物は、靴の脱臭剤である、項目1〜項目35のうちのいずれか一項に記載の脱臭剤。
(項目37)
におい脱臭剤を調製する方法であって、
ウンデシレン酸および/またはその誘導体の有効な量を備えているにおいを中和するプレミックスの組成物を提供することと、
多孔性担体材料をある形状に形成することと、
該プレミックスを該形成された形状の担体材料に付加することと、
該担体材料から該においを中和する組成物の有効な量の放出を可能にすることと
を包含する、方法。
(項目38)
前記プレミックスは、液体の調合物である、項目37に記載の方法。
(項目39)
前記プレミックスは、吸収を介して前記形成された形状の担体材料に付加される、項目37または項目38に記載の方法。
(項目40)
項目1〜項目36のうちのいずれか一項の脱臭剤を製造することをさらに包含する、項目37〜項目39のうちのいずれか一項に記載の方法。
【0014】
本発明は、例示的な実施形態の詳細な説明および添付の図面からより十分に理解されるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、本発明の例示的な実施形態による脱臭剤の一例の斜視図である。
【図2】図2は、開いた位置にあるハウジングの穴を示す、本発明の例示的な実施形態による例示的な脱臭剤の側面図である。
【図3】図3は、開いた位置にあるハウジングの穴を示す、本発明の例示的な実施形態による例示的な脱臭剤の上面図である。
【図4】図4は、閉じた位置にあるハウジングの穴を示す、本発明の例示的な実施形態による例示的な脱臭剤の上面図である。
【図5】図5は、開いた位置にあるハウジングの穴を示す、本発明の例示的な実施形態による例示的な脱臭剤の正面からの側面図である。
【図6】図6は、ハウジングに連結された覆いを示す、本発明の例示的な実施形態による例示的な脱臭剤の背面からの側面図である。
【図7】図7は、本発明の例示的な実施形態による別の例示的な脱臭剤の図である。
【図8】図8は、異なる形状をしたにおい脱臭剤基板の図のセットである。
【図9】図9は、好ましい担体タイプ(多孔性の高密度なポリエチレン円盤)に装填された芳香物質/におい中和剤の量の、放出速度に対する影響を決定するための、実験の結果を示すグラフである。
【図10】図10は、いかに芳香物質/におい中和剤の混合物の放出速度が、本来のベースの調合物の連続的な希釈を介して修正および/または制御され得るかを決定するための、実験の結果を示すグラフである。
【図11】図11は、内側の回転可能なハウジングの開いた穴の面積の広さの影響を決定するための、実験の結果を示すグラフである。
【図12】図12は、内側のハウジング上の穴の集まりをふさぐことの、芳香物質の「放出速度」に対する影響を決定するための、実験の結果を示すグラフである。
【図13】図13は、三つの異なる芳香物質/におい中和剤の担体タイプ、すなわち多孔性円盤、ヴァーサジェル(versa gel)およびワックスボール(wax ball)を比較する実験の結果を示すグラフであり、実験の結果は、芳香物質の放出速度で評価された。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(例示的な実施形態の詳細な説明)
一部の例示的な実施形態の以下の説明は、本質的に、例示的なものに過ぎず、本発明、その適用、または使用を限定することはまったく意図されていない。
【0017】
本発明の一部の例示的な実施形態は、脱臭剤に対し、「においの中和」(靴の中の悪臭の分子と複合体を形成する分子を拡散することによって、悪臭の蒸発を低減または除去すること)と、「においのマスキング」(環境中に芳香を拡散すること)との二重の機構を同時に提供する。本発明の他の例示的な実施形態は、脱臭剤に対し、においの中和機構のみを提供する。
【0018】
特に、一つの例示的な実施形態は、ケーシングなしにモノリシックな形態に形成され靴の中に挿入されるように寸法設定される多孔性担体材料と、多孔性担体材料の中のにおいを中和する組成物とを備えている、靴の脱臭剤基板を提供する。一つの代替の例示的な実施形態は、多孔性担体材料と、多孔性担体材料の中のにおいを中和する組成物と、複数の穴を有するハウジングとを備える、におい脱臭剤を提供する。ハウジングを有する例示的な実施形態は、開いている状態と閉じている状態とのいずれかであり得るが、これらの例示的な実施形態の中和する組成物は、いかなる動きも、または評価できる部分ににおいの中和作用を開始するように要求することもなしに、担体材料の多孔性構造から拡散し得る。
【0019】
「靴」という用語は、本明細書において靴、スニーカー、靴の中敷、靴のアーチ、運動用の履物、サンダル等のような、脱臭剤が挿入または装着され得る足用の任意の製品を意味するように用いられる。
【0020】
「ウンデシレン酸」という用語は、本明細書において、いくつかの異性体直鎖不飽和酸C1120のうちの任意のものを(ウンデシレン酸として)意味するように用いられる。「ウンデシレン酸」は、10−ウンデセン酸(CH=CH(CHCOOH)の一般的な名称であり、10−ウンデセン酸は、圧力の下で天然ひまし油を分留することから誘導される有機不飽和脂肪酸である。ウンデシレン酸は、フケ防止シャンプー、抗菌パウダーを含む医薬品、化粧品および香水の製造、および香水やアロマにおけるジャコウの香りとして用いられ用いられる。
【0021】
ウンデシレン酸は、天然の殺真菌剤であり、皮膚の障害または問題用の店頭販売薬物としてFDAに承認されている。それは、皮膚の感染症用の薬物における活性成分であり、かゆみ、炎症、および過敏症を軽減する。例えば、それは、水虫、白癬、カンジダアルビカンスのような真菌性皮膚感染症に対して用いられる。ウンデシレン酸はまた、抗菌特性および単純疱疹ウイルスのようなウイルス性皮膚感染症に有効な抗ウイルス特性を有することが証明されている。
【0022】
米国特許第6,495,097号は、悪臭および悪い風味を中和または低減するためにウンデシレン酸組成物を用いる組成物および方法を開示している。米国特許第5,182,103号は、多くの他の化合物の中でも、ウンデシレン酸が、冷蔵庫、ごみの缶、自動車、靴のレザー中敷、紙おむつ、生理用品および一般的な室内での使用向けに改善された脱臭剤を提供するためにアルミノメタケイ酸に覆われた合成物との組み合わせにおいて、有用であることを開示している。米国特許第4,517,919号は、動物用ごみ箱を含むいくつかの製品における使用のための、柔軟な吸収性パッドにおける脱臭剤としてのウンデシレン酸の使用を開示している。
【0023】
「においを中和する組成物」という用語は、他の成分、例えば芳香のある組成物、またはフレーバーの組成物、またはそれらの組み合わせを含み得る、においを中和する特性を有する組成物のことをいう。
【0024】
本明細書で用いられているように、「孔」は、担体材料における多くの小さな開口部を意味する。
【0025】
本明細書で用いられているように、「穴」は、脱臭剤のハウジングにおけるくり抜かれた場所を意味する。
【0026】
「高密度ポリエチレン」(HDPE)という用語は、本明細書において、一般的には石油または他の炭化水素から作られるポリエチレン熱可塑性樹脂を意味する。HDPEは、ほとんどブランチングを有さず、より低密度のポリエチレンよりも強い分子間の力と引っ張り強さとを与える。HDPEは、より硬く、より半透明で、いくらかはより高い温度(短期間の間は120℃、継続的には110℃)に耐え得る。高密度ポリエチレンは、ポリプロピレンと違って、通常要求されるオートクレブの条件に耐え得ない。
【0027】
「タルク」という用語は、本明細書において、HMg(SiOまたはMgSi10(OH)の化学式を有する水酸化ケイ酸マグネシウムからなる鉱物を意味する。
【0028】
図1は、本発明の例示的実施形態による例示的な脱臭剤の斜視図である。例示的な脱臭剤50は、複数の穴30を有するハウジング10、および覆い20を含み得る。図2は、図1の対応する側面図である。図3および図4は、それぞれ開いた位置および閉じた位置におけるハウジング10の穴30を示す図1の対応する上面図である。
【0029】
覆い20は、可動なようにハウジング10に連結され、図4に示される閉じた位置から、図3に示される開いた位置にまで可動である。代替案として、覆い20は、ハウジング10から可動でないこともあり得る。ハウジング10および、または覆い20は、におい中和剤または芳香物質を吸収する傾向が極めて少ない材料から成形され得る。例えば、ハウジング10の材料は、タルク入りの、射出成形可能なポリエチレン材料のようなプラスチック材料であり得る。覆い20は、ハウジング10の穴30を通してにおいを中和する組成物を環境中に放出することを遅らせるように構成され得る。実施例のセクションで論じられるように、平坦な円盤の形状は、特に有利であり、デバイスが一般的な靴に便利に挿入されることを一方では可能にしながら、改善された性能を提供することがわかっている。
【0030】
図1、図3、図4および図6を参照すると、覆い20は、ハウジング10に、例えばハウジング10の中心点で連結され得る。代替的な方法において、二つ以上の覆いが、ハウジング10に連結され得る。覆い20およびハウジング10はまた、例えば、商標またはシンボルまたは装飾模様等の描写を可能にするように設計され得る。
【0031】
図1、図2、図3および図5を参照すると、穴30は、担体材料70の中のにおいを中和する組成物60の蒸発速度を制御するように設計される。穴30の数は、50までである。ハウジング10の例示的な実施形態は、42の穴、または30の穴、または35の穴、または25の穴、または45の穴等を備える。
【0032】
穴30の寸法は、直径で3.0mmまでである。例えば、穴30の寸法は、約1.5mm、または約1.3mm等であり得る。穴30の数および寸法は、例示の脱臭剤を調整するために変化し得、その結果として、例示の脱臭剤は、悪臭の90%までを除去する。例えば、靴のにおいのモデルであるイソ吉草酸のほとんど90%が、穴30が完全に開いている脱臭剤50によって8時間で除去される。イソ吉草酸テストは、当業者に公知であり、米国特許第6,936,220号において例証されている。各使用の後に、脱臭剤50の穴30は、閉じた位置で覆い20によって覆われ得る。使用されていない間、脱臭剤50は、穴30が閉じた位置で保管され得る。脱臭剤50は、約30回まで、用いられ得る。
【0033】
本発明の製造される品物の実施形態の一つは、図7に示されるように、靴の脱臭剤基板90およびパッケージ80を備えている。図7において、靴の脱臭剤基板90は、多孔性担体材料70およびにおいを中和する組成物60を備えている。多孔性担体材料70は、ケーシングなしで靴に挿入されるように寸法設定され、モノリシックな形態、例えば、球またはより好ましくは平坦な円盤に形成される。においを中和する組成物60は、多孔性担体材料70の中にある。図1〜図6に示されるようなプラスチックのハウジングを有する例はまた、この態様でパッケージされ得ることが認識される。
【0034】
靴の脱臭剤基板90は、脱臭剤基板90を比較的厚い、有機物蒸気低透過性のパッケージングフィルム80の中に熱融着することによって、においを中和する組成物のかなりの量の事前の損失に対して保護される。
【0035】
好ましくは、靴の脱臭剤基板90は、50℃での1ヶ月のエイジングまたは40℃での3ヶ月のエイジングの下で、においを中和する組成物60の5%未満を失う。好ましくは、靴の脱臭剤基板90は、1年まで用いられ得る。
【0036】
例示的なにおいを中和する組成物60は、ウンデシレン酸および/またはその誘導体、および、または芳香物質、および、またはフレーバーの物質を備えている。好ましくは、ウンデシレン酸および、またはその誘導体の量は、においを中和する組成物60の重量で約5%から約50%までである。好ましくは、ウンデシレン酸誘導体は、メチルエステルウンデシレン酸誘導体およびエチルエステルウンデシレン酸誘導体である。より好ましくは、ウンデシレン酸誘導体は、重量比で約5/95から約30/70までのメチルエステル誘導体対エチルエステル誘導体の比率を備えている。
【0037】
本発明の他の例示的な実施形態において、におい中和剤60の量およびタイプは、所望のにおいの除去および所望の製品中の調合物の寿命を達成するように多様である。例えば、5グラム、または2グラム、または1.6グラムのにおい中和剤60が、靴の脱臭剤基板90において用いられ得る。におい中和剤は、単独でまたは図1〜図6のデバイスと組み合わせて用いられ得ることが認識される。
【0038】
本発明の例示的な一実施形態において、担体材料70は、多孔性ポリアルキレン材料である。好ましくは、担体材料70は、ポリエチレンまたは細孔の高密度ポリエチレン(HDPE)である。担体材料70の例示的な実施形態は、約100ミクロンまで、または約45ミクロンから約90ミクロンまでの平均の孔の直径の寸法を含み得る。好ましい靴の脱臭剤構成における、担体材料70の孔の容積および内部の孔の表面積は、8時間(または一晩)で30回までの靴処理のための効果的なにおいの中和を可能にする。
【0039】
担体材料からのにおいを中和する組成物の放出/蒸発の速度は、a)多孔性担体材料の量および担体材料中のにおいを中和する組成物の量、b)組成物中の比較的低い揮発性の芳香物質担体の量、c)多孔性担体材料の平均の孔の寸法、孔のねじれ、および孔の内部表面積の合計、d)多孔性担体材料の外部表面積、のうちの少なくとも一つによって制御される。パッケージフィルム80の中の脱臭剤基板90の製造される品物は、上記の変数の適切な調節に基づいて、約1年から2年までの貯蔵寿命を有し得る。
【0040】
靴の脱臭剤基板90は、任意の形状、例えば、フットボール、サッカーボール、ハート、花、石鹸、三角形、立方体、靴型の殻、または円盤であり得る。図8aに図示されている一実施形態において、靴型の足の前の部分91aは、図8aに図示されているように、本質的に靴の脱臭剤基板90aで全体を作られ得る。足の前の部分91aは、柔軟な棒、ねじ、またはばねのような機械式の部分92に結号され得、機械式の部分92は、靴の中に靴型を保持するように構成され得る。図8bに図示されている別の例示的な実施形態において、靴型の形状の殻は、靴の脱臭剤基板90bで作られ得、それは、例えば接着剤を用いて、またはピン、フック、およびループファブリック(loop fabric)、ねじ等のような何らかの他の機械的結合の形態によって、靴型の足の前の部分91bに直接結合される。図8cに図示されている本発明のさらに別の例示的な実施形態において、円盤状の靴の脱臭剤基板90aは、例えばナットまたは座金部品などの保持器とともに靴型の足の前の部分91cに、例えば接着剤を用いて機械的に結合され得る。ばねまたは柔軟な棒である機械式の部分92は、基板90を貫通して足の前の部分91cと機械的に接続し得、足の前の部分91cと組み合わされて靴の中の適所に靴の脱臭剤を保持するように構成され得る。図8a〜図8cに図示されている上記の例示的な脱臭剤のうちの任意のものは、靴のにおいを除去することと、おしゃれ用の靴の原形を保つこととの両方を同時に行い得る。
【0041】
本発明のさらに別の例示的な実施形態において、ウンデシレン酸および、またはウンデシレン酸誘導体含有の脱臭剤を調製する例示的な手順が提供される。例示的な手順は、
i)ウンデシレン酸および、またはウンデシレン酸誘導体の有効な量、芳香および、またはフレーバー物質を備えている、においを中和するプレミックス組成物を提供することと、
ii)多孔性担体材料をある形状に形成することと、
iii)プレミックスを形成された形状の担体材料に付加することと、
iv)担体材料からにおいを中和する組成物の有効な量の放出を可能にすることと
を含み得る。
【0042】
好ましくは、プレミックスは、液体の調合物である。より好ましくは、プレミックスは、吸収を介して、形成された形状の担体材料に付加される。
【0043】
本発明の実施形態をより明確に説明するために、以下の実施例が提供される。これらの実施例は、本発明の範囲を限定するように意図されておらず、当業者は、他の実施形態が特許請求の範囲内にあることを理解するであろう。
【実施例】
【0044】
(実施例1) 開いたデバイスからのにおい中和剤の拡散に対する、脱臭剤の担体タイプの影響。
【0045】
図13に描かれているように、三つの異なる芳香物質/におい中和剤の「担体速度」である、多孔性の円盤、ヴァーサジェルおよびワックスボールが、芳香の「放出速度」に関して評価された。担体は、特定の量の独占販売権のある芳香物質/におい中和剤の調合物が予め添加されている。多孔性で高密度のポリエチレン円盤担体(INTECH Systemsによって提供される)に関して、予め添加することは、多孔性で高密度のポリエチレン円盤担体が実験室の秤の上の成形されたプラスチックの半球内にある間に、調合物をピペットで移すことによって、重量の損失の調査を始める直前に行われる。ワックスボール担体は、芳香物質/におい中和剤の製造業者(Quest)によって調合され、供給された。「Versagel」担体(独占販売権のあるポリマー/鉱油の混合物)は、Versagelの製造業者(Panreco)によって調合され、供給された。「放出速度」が、重量の損失として、グラムで、較正された四か所で計る実験室の秤を用いて測定された。これらの芳香物質を添加された担体は、図13に示されている時間に重量を計測され、図13は、芳香物質/におい中和剤の調合物の周囲の環境への放出の速度が、装填された芳香物質/におい中和剤の量に加えて、異なる担体タイプの選択によっていかに制御され得るかを図示している。図13は、ポリエチレン円盤担体がジェルまたはワックスボールよりも高速で芳香物質/においの除去の拡散を達成することを図示している。
【0046】
(実施例2) 開いた多孔性円盤からのにおい中和剤の拡散速度に対する、脱臭剤に装填された量の影響。
【0047】
図9に示されるように、「放出速度」に対する好ましい担体タイプ(多孔性で高密度のポリエチレン円盤)に装填された芳香物質/におい中和剤の量の影響は、例1に説明された方法を用いて決定された。三つの異なるサンプルの量、1.47g、0.98gおよび0.55gが多孔性円盤に加えられ、多孔性円盤からの重量の損失が100時間にわたって続いた。芳香物質をより多く添加することがより損失の速度を高めることが決定された。多孔性円盤からの重量の損失は、円盤の内部の孔からの拡散と、それに続く開いた環境への蒸発とによって制御されることが決定された。
【0048】
(実施例3) におい中和剤の拡散に対する、より揮発性の少ない成分による脱臭剤のにおい中和剤を希釈する影響。
【0049】
芳香混合物の調合において、「弱いにおい」および/または不活性の成分のいずれかを用いて「強いにおい」すなわち調合物のより揮発性の高い成分を希釈することは、調合コストを低減し、「より強いにおい」が調合物から放出される時間の長さを延ばすために、あるいは特定の製品の要求を満たすため臭覚の認知を弱めるために、頻繁に行われる。図10は、芳香物質/におい中和剤の混合物の「放出速度」が、「本来の」ベースの調合物からの順次の希釈を介していかに修正/制御され得るかを図示している。SSIV、SSIIIおよびSSIIとラベルを付けられた調合物は、その順に、順次により多くの、「ベース」の調合物よりも「弱いにおい」の(すなわち、揮発性が低い)調合物の成分を含有していた。これらの重量の損失の調査は、多孔性のHDPE円盤担体に上記の実施例1および実施例2に説明された各芳香調合物の同一の量(約1.5グラム)を添加することによって実行された。添加された円盤は、図1〜図3に図示された成形プラスチックのアセンブリの中に配置された。アセンブリの外側のハウジングは、内側のハウジング内に形成された穴/開口部の配列を露出するために回転され、それは、芳香物質/におい中和剤の周辺への限定された漏出をもたらした。この例において、穴は、直径が約0.8mmと測定された。図10に示されるように、SSIIは、より多くの「弱いにおい」、すなわちより揮発性が低い調合物の成分に起因して、最も低い放出速度を有している。
【0050】
(実施例4) 開いたデバイスからのにおい中和剤の拡散に対する、脱臭剤のハウジングにおける穴の大きさの影響。
【0051】
図11は、内側の回転可能なハウジングにおける開いた穴の面積の広さの影響を決定するためのテストの結果を図示している。三つの穴の直径が検査され、約3mm、約2mmおよび約0.8mmであった。括弧内の数字は、デバイスの穴の数である。用いられたデバイスは、例1に説明されたような多孔性のHDPE円盤担体上に添加された芳香物質を収容する、例3に説明された成形されたプラスチックのデバイスであった。用いられた芳香物質は、SSIIであり、SSIIは、上記の実施例1および例2に説明されたように多孔性のHDPE円盤担体上に添加された。最小の穴の直径(0.8mm)は、芳香物質/におい中和剤の漏出が成形されたプラスチックのアセンブリから拡散する、最小の開いた部分の面積を提供する。アセンブリの回転可能な構成要素においてより大きな穴を順次選択することは、周囲の環境へのより速い「放出速度」が達成されることを可能にする。重量の損失の調査を約120時間行った後で、最初のかなり高速な「放出速度」が大幅に減速し、このことは、調合物の混合物のより揮発性の高い「強いにおい」が、プラスチックのアセンブリから拡散して減少することに起因し得る。
【0052】
(実施例5) におい中和剤の拡散に対する、開いたデバイス対閉じたデバイスの影響。
【0053】
図12は、すべての穴が外側のハウジングによって覆われるまで構成要素を回転することによって内側のハウジング上の穴の集まりをふさぐことの、芳香物質の「放出速度」に対する影響を図示している。「開いた球」および「閉じた球」の場合において、用いられたデバイスは、回転可能な内側のハウジングに直径2mmの42個の穴を有する、実施例3に説明された成形されたプラスチックのデバイスであった。用いられた芳香物質は、ベースの調合物(本来のSS)であり、ベースの調合物は、上記の実施例1および実施例2で説明されたように多孔性のHDPE円盤担体上に添加された。デバイス内の円盤に対するテストの場合には、円盤は、それが組み立てられたデバイス内にあるときに添加された。図12の「開いた円盤」の曲線は、制御を表現し、芳香物質を添加された円盤は、組み立てられた靴の球形のアセンブリ内に収容されず、極めて高速な芳香物質の損失を明示している。「閉じた球」の曲線は、内側のハウジング上の穴がデバイスの外側のハウジングによって完全に覆われた、内側に添加された多孔性のHDPE円盤担体を収容する、図4〜図6に描かれたような組み立てられたデバイスを表現している。「開いた球」の曲線は、内側のハウジング上の穴がデバイスの外側のハウジングの外に十分に露出された、内側に添加された多孔性のHDPE円盤担体を収容する、図4〜図6に描かれたような組み立てられたデバイスを表現している。重量の損失の調査は、選択された数の用途のために再使用の可能なデバイスの設計に関係があり、その用途は、例えば、組み立てられたデバイスが各使用サイクルの後に閉じた位置に回転されると仮定すれば、「オーバーナイトの用途」である。このように、実験は、デバイスが使用されていないとき(すなわち、穴が十分に閉じている)ときには、デバイスは、すべての穴が十分に露出されて使用されるときか、または円盤担体が完全にデバイスの外に露出されているときと比べて、比較的低い速度で芳香物質を放出することを明らかにしている。
【0054】
特定の実施形態において、ポリエステルフィルムの一次パッケージングと、ビニールまたは類似の二次パッケージングとのような適切なパッケージングが、輸送中、保管中、および小売店での販売待ち状態の間に要求され得るような保管安定性を確立するために用いられ得る。特定の実施形態において、一次パッケージングは、使用の前に少なくとも1年の保管を可能にし得る。特定の実施形態において、一次パッケージングは、使用の前に少なくとも2年の保管を可能にし得る。靴の脱臭剤デバイスは、実施例3〜実施例5で説明され、図4〜図6に図示されたように、パッケージングの外での製品寿命に関して1度テストされ、芳香物質/におい中和剤の供給業者の「インビトロ」な実験室でのテストを用いて、8時間の「オーバーナイト」の使用を連続して30回まで実証した。このテストにおいて、芳香を付けられなかった靴の中敷は、「モデル」悪臭物質である蒸留食塩水溶液中のイソ吉草酸によって処理された。中敷は、閉じた容器中で48時間にわたりIVAによって平衡状態にされ、次いで「開いた」靴脱臭剤デバイスが、キャンバス生地の「スニーカー」靴の中に8時間置かれた。30日間のテスト期間中、靴の脱臭剤デバイスは、スニーカー内に8時間「開いた」状態で置かれ、その後に、それは、次の選択された時点におけるスニーカーの次の処理まで、閉じられた。スニーカー/脱臭剤デバイスの上部に配置されたサンプリング管の中に集められたヘッドスペースサンプルは、次いで残留IVAをGC−MS分析によって分析された。IVAの低減のパーセントは、結果を、靴の脱臭剤デバイスを収容しなかった「比較対象」スニーカーの結果と比較することによって、予め選択された8時間使用の回数ごとに計算された。3組の最初の調査は、優れた再現性を示した。最後の調査は、次いで単一のサンプルと、42個の直径約1.4mmの穴を有する靴の脱臭剤構成と、より遅く放出する調合物(SS V)に対して行われた。
【0055】
ポリエチレンテレフタレートの一次パッケージに、次いでビニールの二次パッケージにパッケージされた、(42個の直径約1.4mmの穴を有するプラスチックの球と、SS V調合物とを有する)最終的な好適な製品構成が、「保管安定性」を保証するために、50℃で1ヶ月の間、および40℃で3ヶ月までの間、テストされた。有効期限の日付は、このタイプの製品に対しては要求されない。
【0056】
本発明が特定の好適な実施形態および実施例を参照して説明されてきたが、当業者は、本発明の範囲が本明細書に収められたような実施形態および実施例よりも広範であることを認識する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書に記載の発明。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−179431(P2012−179431A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−135876(P2012−135876)
【出願日】平成24年6月15日(2012.6.15)
【分割の表示】特願2009−542943(P2009−542943)の分割
【原出願日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【出願人】(398029706)エムエスディー コンシューマー ケア, インコーポレイテッド (30)
【Fターム(参考)】