説明

表示パネルの経時的劣化補正方法

【課題】 この発明は、表示素子の経時的劣化の補正精度の向上化が図れる表示パネルの経時的劣化補正方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 映像表示中においては、経時的劣化測定部に対しては、入力信号積算値が最大となっている画素に対する入力信号と同じ信号を入力させる第3ステップ、任意の時点において、表示パネル内の画素のうち経時劣化測定部内の画素を白表示させるとともに経時劣化測定部以外の画素を黒表示させて、表示パネルに流れる電流を測定し、測定された電流値とその時点での入力信号積算値の最大値とを組として記録させる第4ステップ、ならびに表示パネル内の映像表示部内の各画素に対する入力信号を、その画素に対する入力信号積算値と第4ステップで記録されたデータとに基づいて補正する第5ステップを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、有機ELディスプレイ等の表示パネルの経時的劣化補正方法に関する。
【背景技術】
【0002】
有機ELディスプレイにおいては、有機EL素子の発光特性が発光時間の経過によって劣化する。そこで、予め実験等によって得られた有機EL素子の経時的劣化曲線に基づいて各画素の劣化率を求め、求めた劣化率に基づいて有機EL素子の劣化を補うように入力映像信号を補正(経時的劣化補正)するといったことが行われている。
【0003】
しかしながら、従来方法では、実際の使用環境とは異なる環境、実際とは異なる有機ELディスプレイで測定した経時的劣化曲線を用いているため、実際の使用環境では劣化曲線が予め用意していたものと異なり、経時的劣化の補正精度が低いという問題がある。
【特許文献1】特開2002−175041号公報
【特許文献2】特開2002−258792号公報
【特許文献3】特開2002−278513号公報
【特許文献4】特開2002−304155号公報
【特許文献5】特開2002−311898号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明は、表示素子の経時的劣化の補正精度の向上化が図れる表示パネルの経時的劣化補正方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、表示パネル内の映像表示部以外の画素領域に経時的劣化測定部を設定しておく第1ステップ、映像表示中においては、表示パネル内の映像表示部内の各画素毎に入力信号積算値を算出する第2ステップ、映像表示中においては、経時的劣化測定部に対しては、入力信号積算値が最大となっている画素に対する入力信号と同じ信号を入力させる第3ステップ、任意の時点において、表示パネル内の画素のうち経時劣化測定部内の画素を白表示させるとともに経時劣化測定部以外の画素を黒表示させて、表示パネルに流れる電流を測定し、測定された電流値とその時点での入力信号積算値の最大値とを組として記録させる第4ステップ、ならびに表示パネル内の映像表示部内の各画素に対する入力信号を、その画素に対する入力信号積算値と第4ステップで記録されたデータとに基づいて補正する第5ステップを備えていることを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載の発明は、表示パネル内の映像表示部以外の画素領域に経時的劣化測定部を設定しておくとともに、経時劣化測定部の電極を、経時劣化測定部以外の画素の電極と別個に設けておく第1ステップ、映像表示中においては、表示パネル内の映像表示部内の各画素毎に入力信号積算値を算出する第2ステップ、映像表示中においては、経時的劣化測定部に対しては、入力信号積算値が最大となっている画素に対する入力信号と同じ信号を入力させる第3ステップ、任意の時点において、表示パネル内の画素のうち経時劣化測定部内の画素を白表示させて、経時劣化測定部に流れる電流を測定し、測定された電流値とその時点での入力信号積算値の最大値とを組として記録させる第4ステップ、ならびに表示パネル内の映像表示部内の各画素に対する入力信号を、その画素に対する入力信号積算値と第4ステップで記録されたデータとに基づいて補正する第5ステップを備えていることを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載の発明は、表示パネル内の映像表示部以外の画素領域に経時的劣化測定部を設定しておく第1ステップ、映像表示中においては、表示パネル内の映像表示部内の各画素毎に入力信号積算値を算出する第2ステップ、映像表示中においては、経時的劣化測定部に対しては入力信号が取りうる最大値に相当する信号を入力させるとともに、経時的劣化測定部内の1画素に対して入力される信号の積算値を算出する第3ステップ、任意の時点において、表示パネル内の画素のうち経時劣化測定部内の画素を白表示させるとともに経時劣化測定部以外の画素を黒表示させて、表示パネルに流れる電流を測定し、測定された電流値とその時点において第3ステップで算出されている積算値とを組として記録させる第4ステップ、ならびに表示パネル内の映像表示部内の各画素に対する入力信号を、その画素に対する入力信号積算値と第4ステップで記録されたデータとに基づいて補正する第5ステップを備えていることを特徴とする。
【0008】
請求項4に記載の発明は、表示パネル内の映像表示部以外の画素領域に経時的劣化測定部を設定しておくとともに、経時劣化測定部の電極を、経時劣化測定部以外の画素の電極と別個に設けておく第1ステップ、映像表示中においては、表示パネル内の映像表示部内の各画素毎に入力信号積算値を算出する第2ステップ、映像表示中においては、経時的劣化測定部に対しては入力信号が取りうる最大値に相当する信号を入力させるとともに、経時的劣化測定部内の1画素に対して入力される信号の積算値を算出する第3ステップ、任意の時点において、表示パネル内の画素のうち経時劣化測定部内の画素を白表示させて、経時的劣化測定部に流れる電流を測定し、測定された電流値とその時点において第3ステップで算出されている積算値とを組として記録させる第4ステップ、ならびに表示パネル内の映像表示部内の各画素に対する入力信号を、その画素に対する入力信号積算値と第4ステップで記録されたデータとに基づいて補正する第5ステップを備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、表示素子の経時的劣化の補正精度の向上化が図れるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照して、この発明を有機ELディスプレイ等の表示デバイスを備えた表示装置に適用した場合の実施例について説明する。
【0011】
まず、本願発明の考え方について説明する。
【0012】
図1は、アクティブ型の有機ELディスプレイの基本画素構成を示している。
【0013】
アクティブ型の有機ELディスプレイの1画素分の回路は、スイッチング用TFT201と、コンデンサ202と、駆動用TFT203と、有機EL素子204とから構成されている。
【0014】
スイッチング用TFT201のドレインには、表示信号ライン211を介して表示信号Data(Vin) が印加される。スイッチング用TFT201のゲートには、選択信号ライン212を介して選択信号SCANが印加される。スイッチング用TFT201のソースは、駆動用TFT203のゲートに接続されているとともに、コンデンサ202を介して接地されている。
【0015】
駆動用TFT203のソースには、駆動電源電圧Vdd が印加されている。駆動用TFT203のドレインは、有機EL素子204の陽極に接続されている。有機EL素子204の陰極は接地されている。
【0016】
スイッチング用TFT201は、選択信号SCANによってオンオフ制御される。コンデンサ202は、スイッチング用TFT201がオンのときに、スイッチング用TFT201を介して供給される表示信号Data(Vin) によって充電される。そして、スイッチング用TFT201がオフのときには、充電電圧を保持する。駆動用TFT203は、そのゲートに加えられるコンデンサ202の保持電圧に応じた電流を有機EL素子204に供給する。
【0017】
図2は、駆動用TFT203の電圧−電流特性と、有機EL素子204の電圧−電流特性とを示している。
【0018】
曲線Aは駆動用TFT203のゲート−ソース間電圧VGSが一定である場合の駆動用TFT203の電圧−電流特性を示している。曲線Bは有機EL素子204の電圧−電流特性を示している。曲線Aと曲線Bとの交点が動作点である。有機EL素子204が劣化すると、有機EL素子204の電圧−電流特性は破線Cで示すようになり、有機EL素子204に流れる電流が低下する。
【0019】
ところで、有機ELディスプレイを備えた表示装置においては、図3に示すように、表示パネル100全体のうちの周辺部102を除く部分が映像表示部101として前方から観察できる状態とされ、周辺部102は前方から観察できない状態とされている。
【0020】
本願発明では、表示パネル100全体のうちの周辺部102の映像表示可能な部分を経時的劣化測定部として用いる。図3の例では、周辺部102のうち、映像表示部101の下側に位置する部分Sが経時的劣化測定部として用いられる。
【0021】
経時的劣化測定部S内の各画素には、各フレームにおいて、(a)映像表示部の各画素の中で、最も累積発光量(入力信号の積算値)が大きな画素に入力される入力信号と同じ入力信号または(b)入力信号で取りうる最大値(入力信号が8ビットである場合には、255)が与えられる。
【0022】
そして、映像表示中においては、上記(a)の場合には、映像表示部101の各画素の累積発光量(入力信号の積算値)を記録し、上記(b)の場合には、映像表示部101の各画素の累積発光量(入力信号の積算値)を記録するとともに、経時的劣化測定部S内の画素の累積発光量(入力信号で取りうる最大値の積算値)を記録する。
【0023】
任意の時点において、経時的劣化測定部Sの画素劣化状況を測定する。図2を用いて説明したように、表示素子に流れる電流を制御する駆動用TFTを線形領域で動作させると、表示素子に流れる電流は、表示素子が経時的に劣化するに伴って低下する。そこで、映像表示部101の電極と経時的劣化測定部Sの電極とが別々である場合には、経時的劣化測定部Sを白表示にして経時的劣化測定部Sに流れる電流を測定する。
【0024】
映像表示部101の電極と経時的劣化測定部Sの電極とが同じである場合には、映像表示部101を黒表示し、経時的劣化測定部Sを白表示にして、表示パネル100全体に流れる電流を測定する。
【0025】
一般的には、経時的劣化測定部Sの画素劣化状況の測定は、電源投入時毎に行うようにしてもよい。また、電源が投入されている場合において、所定時間間隔(例えば、10分間隔)で電流測定を行うようにしてもよい。
【0026】
経時的劣化測定部Sに流れる電流を測定する毎に、測定した電流値と、その時点での経時的劣化測定部S内の画素の累積発光量とを組として記録する。この記録から、経時的劣化曲線を作成する。そして、映像表示部101の各画素の累積発光量と、経時的劣化曲線とに基づいて、映像表示部101の各画素の劣化率を算出し、算出された劣化率に基づいて、経時的劣化の補正を行う。
【0027】
なお、劣化曲線の作成、各画素の累積発光量の記録および劣化率の算出はRGB個別に行う。
【実施例1】
【0028】
経時的劣化測定部Sに、各フレームにおいて、映像表示部の各画素の中で、最も累積発光量(入力信号の積算値)が大きな画素に入力される入力信号と同じ入力信号を与える場合の実施例について説明する。
【0029】
図4は、表示装置の構成を示している。
【0030】
ここでは、RGBのうちの1つについてのみ説明する。
【0031】
入力データは、遅延回路1、乗算器2、セレクタ3および映像信号処理回路4を介して有機ELパネル10に送られる。11は、有機ELパネル10に電源を供給するための電源である。12は、有機ELパネル10の経時的劣化測定部Sの画素劣化状況を測定するために用いられる電流測定部である。
【0032】
また、入力データは、表示パネル100の映像表示部101内の画素毎に入力データを積算して保存するための積算回路21に送られるとともにレジスタ22(ラッチ回路22)に送られる。積算回路21は、画素毎の入力信号の積算値を記憶するためのメモリ21bと、入力データとメモリ21bに記憶されているそれまでの当該画素に対応する積算値とを加算する加算器21aとから構成される。
【0033】
メモリ21bに記憶されている画素毎の入力データ積算値は、補正値演算回路23に送られるとともに最大値検出および画素位置検出回路24に送られる。最大値検出および画素位置検出回路24は、1フレーム毎に、メモリ21bに記憶されている画素毎の入力信号の積算値(1フレーム前までの積算値)のうちの最大値(最大積算値)を検出して保持するとともに、入力信号の積算値が最大値となっている画素位置を検出する。そして、検出された画素位置に対応する入力データがレジスタ22に入力するタイミングで、ラッチ信号を出力する。レジスタ22は、ラッチ信号に基づいて入力データをラッチし、ラッチした入力データをセレクタ3に送る。
【0034】
セレクタ3は、経時的劣化測定部Sに対する入力データが入力されるタイミングにおいては、レジスタ22から送られてきているデータを選択して出力する。これにより、各フレームにおいて、2フレーム前において映像表示部の各画素の中で最も累積発光量(入力信号の積算値)が大きな画素に現フレームで入力される入力データと同じデータが経時的劣化測定部Sに与えられる。
【0035】
図示しない制御部は、任意の時点(たとえば、電源投入時または所定時間間隔で規定される時点)において、経時的劣化測定部Sの画素劣化状況を測定する。つまり、映像表示部101の電極と経時的劣化測定部Sの電極とが別々である場合には、経時的劣化測定部Sを白100%表示にして、電流測定部12によって経時的劣化測定部Sに流れる電流を測定する。映像表示部101の電極と経時的劣化測定部Sの電極とが同じである場合には、映像表示部101を黒表示し、経時的劣化測定部Sを白100%表示にして、電流測定部12によって、表示パネル100全体に流れる電流を測定する。
【0036】
そして、電流測定部12によって測定された電流値と、その時点において最大値検出および画素位置検出回路24によって保持されている積算最大値(映像表示部の各画素の累積発光量のうちの最大値)とを組としてメモリ25に記録する。
【0037】
補正値演算回路23は、映像表示部101内の各画素の入力信号積算値と、メモリ25に記録されているデータ(電流値と最大積算値の組)に基づいて、映像表示部101内の各画素毎に補正係数を演算し、得られた補正係数を乗算器2に与える。乗算器2では、入力信号に補正係数を乗算し、得られた乗算結果をセレクタ3に与える。なお、遅延回路1は、入力データが乗算器2に入るタイミングと、補正値演算回路23によって当該入力データに対応する補正係数が乗算器2に入るタイミングとを合わせるために、入力データを遅延させるものである。
【0038】
メモリ25に記録された積算最大値と電流値が、例えば、図5の左側の表(a)に示すような値(実際値ではない)であると仮定して、補正値演算回路23による補正係数の算出方法について具体的に説明する。図6は、図5の左側の表(a)に基づいて作成した経時的劣化曲線である。
【0039】
映像表示部内の画素のうち、電流測定時に入力信号の積算値が最大である画素をM画素と呼び、それ以外のある画素をA画素と呼ぶことにする。
【0040】
各画素の補正係数は、次式(1)に基づいて、算出される。
【0041】
補正係数=初期電流値/積算値に対応する経時的劣化曲線上の電流値 …(1)
【0042】
図5の中央の表(b)は、表(a)の各電流測定時点での、M画素の補正係数を示している。また、図5の右側の表(c)は、A画素の積算値と補正係数との関係を示している。
【0043】
例えば、M画素の電流値が90である場合には、その画素に対する補正係数は、100/90=1.11となる。また、A画素の積算値が70である場合には、図6の経時的劣化曲線から電流値が73であるので、100/73=1.37となる。
【0044】
なお、補正係数を次式(2)に基づいて、算出してもよい。このようにすると、表示素子の電流の低下を防ぐだけでなく、表示素子の発光効率の低下も補正することができる。
【0045】
補正係数=(初期電流値/積算値に対応するグラフ上の電流値)×定数 …(2)
【実施例2】
【0046】
経時的劣化測定部Sに、各フレームにおいて、入力信号で取りうる最大値(入力信号が8ビットである場合には、255)が与えられる場合の実施例について説明する。
【0047】
図7は、表示装置の構成を示している。
【0048】
ここでは、RGBのうちの1つについてのみ説明する。
【0049】
入力データは、セレクタ31、遅延回路32、乗算器33および映像信号処理回路34を介して有機ELパネル10に送られる。11は、有機ELパネル10に電源を供給するための電源である。12は、有機ELパネル10の経時的劣化測定部Sの画素劣化状況を測定するために用いられる電流測定部である。
【0050】
セレクタ31には、入力データで取りうる最大値(入力データ範囲の最大値)も与えられている。セレクタ31は、常時は入力データを選択して出力し、有機ELパネル10の経時的劣化測定部Sに対応する入力データが入力されるタイミングでは、入力データ範囲の最大値を選択して出力する。したがって、有機ELパネル10の経時的劣化測定部Sには、各フレームにおいて、入力データで取りうる最大値に対応する電圧が印加される。
【0051】
セレクタ31の出力データは、表示パネル100内の各画素(経時的劣化測定部Sの画素も含む)毎に入力データを積算して保存するための積算回路41に送られる。積算回路41は、画素毎の入力信号の積算値を記憶するためのメモリ41bと、入力データとメモリ41bに記憶されているそれまでの当該画素に対応する積算値とを加算する加算器41aとから構成される。メモリ41bに記憶されている画素毎の入力データ積算値は、補正値演算回路42に送られる。
【0052】
図示しない制御部は、任意の時点において、経時的劣化測定部Sの画素劣化状況を測定する。つまり、映像表示部101の電極と経時的劣化測定部Sの電極とが別々である場合には、経時的劣化測定部Sを白100%表示にして、電流測定部12によって経時的劣化測定部Sに流れる電流を測定する。映像表示部101の電極と経時的劣化測定部Sの電極とが同じである場合には、映像表示部101を黒表示し、経時的劣化測定部Sを白100%表示にして、電流測定部12によって、表示パネル100全体に流れる電流を測定する。
【0053】
そして、電流測定部12によって測定された電流値と、その時点においてメモリ41bに記憶されている経時的劣化測定部S内の画素に対応する積算値(入力データ範囲の最大値の積算値)とを組としてメモリ43に記録する。
【0054】
補正値演算回路42は、映像表示部101内の各画素の入力信号積算値と、メモリ43に記録されているデータ(電流値と入力データ範囲の最大値の積算値)に基づいて、映像表示部101内の各画素毎に補正係数を演算し、得られた補正係数を乗算器33に与える。なお、表示パネル100内の各画素のうち、映像表示部101以外の画素(経時的劣化測定部Sの画素も含む)に対する補正係数は常に1.0である。
【0055】
乗算器33では、入力データに補正係数を乗算し、得られた乗算結果を映像信号処理回路34に与える。なお、遅延回路32は、入力データが乗算器33に入るタイミングと、補正値演算回路42によって当該入力データに対応する補正係数が乗算器33に入るタイミングとを合わせるために、入力データを遅延させるものである。
【0056】
映像表示部101内の各画素毎に補正係数は、上記式(1)または(2)と同じ式に基づいて、算出される。なお、上記式(1)または式(2)は一例であり、これに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】アクティブ型の有機ELディスプレイの基本画素構成を示す回路図である。
【図2】駆動用TFT203の電圧−電流特性と、有機EL素子204の電圧−電流特性とを示すグラフである。
【図3】表示パネル100内に設定された経時的劣化測定部Sを示す模式図である。
【図4】表示装置の構成を示すブロック図である。
【図5】メモリ25に記録された積算最大値と電流値、各電流測定時点でのM画素の補正係数およびA画素の積算値と補正係数との関係をそれぞれ示す表である。
【図6】図5の左側の表(a)に基づいて作成したグラフである。
【図7】表示装置の構成の他の例を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0058】
2、33 乗算器
3、31 セレクタ
4、34 映像信号処理回路
10 有機ELパネル
11 電源
12 電流測定部
21 積算回路
22 レジスタ
23 補正値演算回路
24 最大値検出および画素位置検出回路
25 メモリ
41 積算回路
42 補正値演算回路
43 メモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示パネル内の映像表示部以外の画素領域に経時的劣化測定部を設定しておく第1ステップ、
映像表示中においては、表示パネル内の映像表示部内の各画素毎に入力信号積算値を算出する第2ステップ、
映像表示中においては、経時的劣化測定部に対しては、入力信号積算値が最大となっている画素に対する入力信号と同じ信号を入力させる第3ステップ、
任意の時点において、表示パネル内の画素のうち経時劣化測定部内の画素を白表示させるとともに経時劣化測定部以外の画素を黒表示させて、表示パネルに流れる電流を測定し、測定された電流値とその時点での入力信号積算値の最大値とを組として記録させる第4ステップ、ならびに
表示パネル内の映像表示部内の各画素に対する入力信号を、その画素に対する入力信号積算値と第4ステップで記録されたデータとに基づいて補正する第5ステップ、
を備えていることを特徴とする表示パネルの経時的劣化補正方法。
【請求項2】
表示パネル内の映像表示部以外の画素領域に経時的劣化測定部を設定しておくとともに、経時劣化測定部の電極を、経時劣化測定部以外の画素の電極と別個に設けておく第1ステップ、
映像表示中においては、表示パネル内の映像表示部内の各画素毎に入力信号積算値を算出する第2ステップ、
映像表示中においては、経時的劣化測定部に対しては、入力信号積算値が最大となっている画素に対する入力信号と同じ信号を入力させる第3ステップ、
任意の時点において、表示パネル内の画素のうち経時劣化測定部内の画素を白表示させて、経時劣化測定部に流れる電流を測定し、測定された電流値とその時点での入力信号積算値の最大値とを組として記録させる第4ステップ、ならびに
表示パネル内の映像表示部内の各画素に対する入力信号を、その画素に対する入力信号積算値と第4ステップで記録されたデータとに基づいて補正する第5ステップ、
を備えていることを特徴とする表示パネルの経時的劣化補正方法。
【請求項3】
表示パネル内の映像表示部以外の画素領域に経時的劣化測定部を設定しておく第1ステップ、
映像表示中においては、表示パネル内の映像表示部内の各画素毎に入力信号積算値を算出する第2ステップ、
映像表示中においては、経時的劣化測定部に対しては入力信号が取りうる最大値に相当する信号を入力させるとともに、経時的劣化測定部内の1画素に対して入力される信号の積算値を算出する第3ステップ、
任意の時点において、表示パネル内の画素のうち経時劣化測定部内の画素を白表示させるとともに経時劣化測定部以外の画素を黒表示させて、表示パネルに流れる電流を測定し、測定された電流値とその時点において第3ステップで算出されている積算値とを組として記録させる第4ステップ、ならびに
表示パネル内の映像表示部内の各画素に対する入力信号を、その画素に対する入力信号積算値と第4ステップで記録されたデータとに基づいて補正する第5ステップ、
を備えていることを特徴とする表示パネルの経時的劣化補正方法。
【請求項4】
表示パネル内の映像表示部以外の画素領域に経時的劣化測定部を設定しておくとともに、経時劣化測定部の電極を、経時劣化測定部以外の画素の電極と別個に設けておく第1ステップ、
映像表示中においては、表示パネル内の映像表示部内の各画素毎に入力信号積算値を算出する第2ステップ、
映像表示中においては、経時的劣化測定部に対しては入力信号が取りうる最大値に相当する信号を入力させるとともに、経時的劣化測定部内の1画素に対して入力される信号の積算値を算出する第3ステップ、
任意の時点において、表示パネル内の画素のうち経時劣化測定部内の画素を白表示させて、経時的劣化測定部に流れる電流を測定し、測定された電流値とその時点において第3ステップで算出されている積算値とを組として記録させる第4ステップ、ならびに
表示パネル内の映像表示部内の各画素に対する入力信号を、その画素に対する入力信号積算値と第4ステップで記録されたデータとに基づいて補正する第5ステップ、
を備えていることを特徴とする表示パネルの経時的劣化補正方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−17779(P2006−17779A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−192679(P2004−192679)
【出願日】平成16年6月30日(2004.6.30)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】