説明

表示制御プログラム及び方法、並びにコンピュータ

【課題】複数の表示装置が接続されているコンピュータにおいて、利便性を低下させずに省電力化を可能にする。
【解決手段】複数の表示装置に接続されたコンピュータにおいて、ポインティングデバイスによるポイント先を示すポインタが複数の表示装置のうちの1つの表示装置に表示されていないこと、と、この1つの表示装置に所定のプログラムにより生成されるウィンドウが表示されていないこと、の双方の条件を少なくとも満たす場合に、この1つの表示装置の輝度を低下させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、コンピュータによる表示制御技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶表示装置などの表示装置の価格が下落すると共に、作業効率向上のため、コンピュータに複数の表示装置を接続して利用するケースが増加している。しかし、このような利用態様では、消費電力が増加してしまう傾向にある。
【0003】
一般に、複数の表示装置を利用していたとしても、常に複数の表示装置を利用しているわけではなく、多くの場合注視している表示装置は1つであり、他の表示装置は注視されない。
【0004】
例えば、複数の表示装置のうちマウスポインタが表示されている表示装置以外の表示装置については輝度を下げるといった技術が存在している。しかしながら、図1に示すように、表示装置を3つ使用する場合に、表示装置1に作業中のプログラムのウィンドウ及びマウスポインタを表示し、表示装置2及び3に表示内容を参照中のウィンドウをそれぞれ表示している場合には不都合が生ずる。すなわち、表示装置2及び3にはマウスポインタが存在しないので、表示装置2及び3の輝度が下げられてしまい、表示内容の参照が妨げられて、利便性が低下するという問題がある。また、異なる表示装置に表示されているウィンドウ間の操作についても考慮されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−215284号公報
【特許文献2】特開平5−281943号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本技術の目的は、一側面においては、複数の表示装置が接続されているコンピュータにおいて、省電力化を可能にする新規な技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の態様に係る表示制御方法は、ポインティングデバイスによるポイント先を示すポインタが複数の表示装置のうちの1つの表示装置に表示されていないこと、と、当該1つの表示装置に所定のプログラムにより生成されるウィンドウが表示されていないこと、の双方の条件を少なくとも満たす場合に、当該1つの表示装置の輝度を低下させる処理を含む。
【0008】
第2の態様に係る表示制御方法は、(A)コンピュータに接続されている複数の表示装置のうちいずれかの表示装置に表示されているアクティブウィンドウに対する、予め定められた操作を検出する検出処理と、(B)アクティブウィンドウが表示されている表示装置である第1の表示装置を特定する処理と、(C)検出処理から所定時間経過後第1の表示装置にポインティングデバイスによるポイント先を示すポインタが表示されていない場合には、第1の表示装置の輝度を低下させる設定を行う処理とを含む。
【発明の効果】
【0009】
複数の表示装置が接続されているコンピュータにおいて、省電力化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、従来技術の問題を説明するための図である。
【図2A】図2Aは、第1の実施の形態を説明するための図である。
【図2B】図2Bは、第1の実施の形態を説明するための図である。
【図3A】図3Aは、第1の実施の形態を説明するための図である。
【図3B】図3Bは、第1の実施の形態を説明するための図である。
【図4】図4は、第1の実施の形態に係る装置の機能ブロック図である。
【図5】図5は、閾値格納部に格納されるデータの一例を示す図である。
【図6】図6は、滞在時間格納部に格納されるデータの一例を示す図である。
【図7】図7は、輝度テーブルに格納されるデータの一例を示す図である。
【図8】図8は、対応テーブル格納部に格納されるデータの一例を示す図である。
【図9】図9は、ビューア登録テーブル格納部に格納されるデータの一例を示す図である。
【図10】図10は、実行プロセス格納部に格納されるデータの一例を示す図である。
【図11】図11は、第1の実施の形態に係る処理フローを示す図である。
【図12】図12は、第1の実施の形態に係る処理フローを示す図である。
【図13】図13は、第1の実施の形態に係る処理フローを示す図である。
【図14】図14は、ビューア展開数取得処理の処理フローを示す図である。
【図15】図15は、ビューア展開数取得処理で用いられるデータの一例を示す図である。
【図16】図16は、ビューア展開数取得処理で用いられるデータの一例を示す図である。
【図17A】図17Aは、第2の実施の形態を説明するための図である。
【図17B】図17Bは、第2の実施の形態を説明するための図である。
【図17C】図17Cは、第2の実施の形態を説明するための図である。
【図18】図18は、第2の実施の形態を説明するための図である。
【図19】図19は、第2の実施の形態に係る装置の機能ブロック図である。
【図20】図20は、滞在時間格納部に格納されるデータの一例を示す図である。
【図21】図21は、第2の実施の形態に係る処理フローを示す図である。
【図22】図22は、第2の実施の形態に係る処理フローを示す図である。
【図23】図23は、第2の実施の形態に係る処理フローを示す図である。
【図24】図24は、第2の実施の形態に係る処理フローを示す図である。
【図25】図25は、第2の実施の形態に係る処理フローを示す図である。
【図26】図26は、コンピュータの機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[実施の形態1]
本実施の形態では、以下のような表示制御を行う。すなわち、図2Aに示すように、表示装置1に作業用アプリケーションのウィンドウ及びマウスポインタが表示されており、表示装置2に参照用アプリケーションのウィンドウが表示されており、表示装置3には参照用アプリケーションも作業用アプリケーションも表示されていない状態であるものとする。そしてこの状態が、一定期間継続すると、図2Bに示すように、表示装置1及び表示装置2については輝度の低下を行わず、表示装置3については輝度を150cd[カンデラ]から20cd[カンデラ]まで低下させることによって、省電力化が図られる。なお、参照用アプリケーションのウィンドウを表示している表示装置2の表示装置の輝度を下げていないので、参照用アプリケーションのウィンドウを参照しつつ作業を行っているユーザの利便性を低下させることはない。なお、本実施の形態において、輝度を下げるということは、コンピュータから表示装置への表示データの出力を停止するようなことも含まれるものとする。
【0012】
従って、図3Aに示すように、表示装置1に作業用アプリケーションのウィンドウ及びマウスポインタが表示されており、表示装置2及び3にそれぞれ参照用アプリケーションのウィンドウが表示されているような状態であれば、一定期間経過後であっても図3Bに示すようにいずれの表示装置についても輝度の低下は行われない。これによってユーザの利便性が低下しないようにしている。
【0013】
次に、図4乃至図16を用いて、上で述べたような表示制御を実施するためのコンピュータの構成について説明する。コンピュータ本体100には、入力装置としてマウス200が接続されている。マウス200だけではなくキーボードなどについても接続されている場合があるが、本実施の形態ではマウス200に着目する。また、コンピュータ本体100には、表示部300が接続されており、表示部300には、表示装置1乃至3が含まれる。表示装置の数は2以上であれば特に限定はない。
【0014】
また、コンピュータ本体100は、I/O処理部110と、制御部120と、データ格納部130とを有する。I/O処理部110は、マウス200の操作からポインタ座標を検出するポインタ座標検出部111を有している。ポインタ座標検出部111は、検出したマウスポインタの座標値を制御部120に出力する。
【0015】
また、制御部120は、ディスプレイデータ制御部121と、タイマ122と、輝度制御部123とを有する。タイマ122は、現在時刻を出力する機能を有する。また、ディスプレイデータ制御部121は、データ格納部130のデータを変更すると共に、輝度制御部123に動作の指示を出力する。輝度制御部123は、例えばディスプレイデータ制御部121からの指示に応じて、データ格納部130に格納されている輝度設定のデータに従って、表示部300に含まれる表示装置1乃至3の輝度の変更するための動作を行う。
【0016】
データ格納部130は、閾値時間格納部131と、滞在時間格納部132と、輝度テーブル格納部133と、対応テーブル格納部134と、ビューア登録テーブル格納部135と、実行プロセス格納部136とを含む。
【0017】
閾値時間格納部131に格納されているデータの一例を図5に示す。図5の例では、表示装置毎に、以下で説明する処理において用いられる閾値時間が登録されるようになっている。但し、接続されている全ての表示装置について同一の閾値時間を採用する場合には、1つの値を登録すればよい。
【0018】
また、滞在時間格納部132に格納されているデータの一例を図6に示す。図6の例では、表示装置毎に、滞在時間を登録するようになっている。典型的には、マウス200が1つであればマウスポインタも1つであるので、現在マウスポインタが滞在している表示装置の識別子と滞在時間とを対応付けて管理すればよいが、図6のようなデータ構造であれば、複数のマウス200が接続されている場合に対処できる。
【0019】
さらに、輝度テーブル格納部133に格納される輝度テーブルの一例を図7に示す。図7の例では、表示装置毎に、設定輝度のレベルと、デフォルト輝度のレベルと、マウスポインタが非滞在時の輝度である非滞在時輝度のレベル(デフォルト輝度のレベル値よりも低いレベル値)とを登録するようになっている。デフォルト輝度及び非滞在時輝度については予め設定しておき、設定輝度については輝度制御部123が表示装置に対して指示する輝度についてのレベルを登録するようになっている。
【0020】
また、対応テーブル格納部134に格納される対応テーブルの一例を図8に示す。図8の例では、表示装置毎に、当該表示装置の表示画面の範囲を表す座標値(xmin,xmax,ymin,ymax)が登録されるようになっている。
【0021】
さらに、ビューア登録テーブル格納部135に格納されるビューア登録テーブルの一例を図9に示す。図9の例では、ビューアとして判断されるプログラムの名称が登録されるようになっている。
【0022】
また、実行プロセス格納部136に格納されるデータの一例を図10に示す。図10の例では、実行中のプログラム毎に、表示中の表示装置の識別子が登録されるようになっている。
【0023】
次に、図11乃至図16を用いて、図4に示した装置の動作について説明する。まず、ポインタ座標検出部111は、ユーザによるマウス操作を検出して、マウスポインタの現在の座標値を特定し、ディスプレイデータ制御部121に出力する。ディスプレイデータ制御部121は、ポインタ座標検出部111からマウスポインタの現在の座標値を取得する(ステップS1)。そして、ディスプレイデータ制御部121は、マウスポインタの現在の座標値と対応テーブル格納部134に格納されている対応テーブルとから、マウスポインタが現在表示されている表示装置をマウスポインタの滞在表示装置として特定する(ステップS3)。図8に一例を示したように、各表示装置の表示画面の範囲と照合すれば、いずれの表示装置の表示画面に表示されているのかは特定できる。マウスポインタの滞在表示装置については、メインメモリなどの記憶装置に格納しておく。また、ディスプレイデータ制御部121は、タイマ122から現在時刻を取得する(ステップS5)。この現在時刻のデータについては例えばメインメモリなどの記憶装置に保持しておく。
【0024】
そして、ディスプレイデータ制御部121は、マウスポインタの滞在表示装置が変化したか判断する(ステップS7)。ステップS3で特定された滞在表示装置とその前のステップS3実行時に特定された滞在表示装置とが異なるか判断する。なお、初回は比較対象の滞在表示装置が存在しないので、マウスポインタの滞在表示装置が変化したものと判断することにする。マウスポインタの滞在表示装置が変化した場合には、端子Aを介して図12の処理に移行する。ここでは、先に図12の処理について説明するものとする。
【0025】
図12の処理に移行すると、ディスプレイデータ制御部121は、滞在時間格納部132において、滞在表示装置に対応付けて滞在時間=「0」を設定する(ステップS17)。また、ディスプレイデータ制御部121は、自身が管理する滞在表示装置の制御フラグがオンになっているか確認する(ステップS19)。本実施の形態では、各表示装置について、輝度を低下させるように制御を行った場合にオンに設定される制御フラグを、ディスプレイデータ制御部121が管理しているものとする。初期的に制御フラグはオフに設定されており、初めてステップS19を実行する際には制御フラグはオフになっている。
【0026】
滞在表示装置の制御フラグがオフである場合にはステップS27に移行する。一方、滞在表示装置の制御フラグがオンになっている場合には、一旦輝度を低下させるように制御が行われた表示装置が、マウスポインタが滞在する表示装置となったことを意味する。従って、ディスプレイデータ制御部121は、輝度テーブル格納部133の輝度テーブルにおいて、当該滞在表示装置の設定輝度に、当該滞在表示装置のデフォルト輝度のレベル値を設定する(ステップS21)。また、ディスプレイデータ制御部121は、輝度制御部123に対して制御を指示し、輝度制御部123は、これに応じて、輝度テーブルにおける設定輝度のレベル値に従って、表示装置1乃至3の輝度を更新するように制御を行う(ステップS23)。なお、表示装置1乃至3ではなく、マウスポインタの滞在表示装置についてのみ、輝度テーブルの設定輝度のレベル値に従って、輝度を更新するようにしても良い。ステップS23を実施すると、輝度制御部123は、ディスプレイデータ制御部121に対して、輝度更新に応じて各表示装置の制御フラグを変更させる(ステップS25)。少なくとも、マウスポインタの滞在表示装置についての制御フラグをオフに設定させる。これによって、滞在表示装置の輝度がデフォルト輝度のレベル値になっていることが設定される。ここでもマウスポインタの滞在表示装置のみの制御フラグをオフにするようにしても良い。
【0027】
ステップS27に移行して、ディスプレイデータ制御部121は、処理を継続すべきか判断する(ステップS27)。例えばユーザから処理終了を指示されていない場合には、処理を継続すべきと判断し、端子Dを介して図11のステップS1に戻る。一方、処理終了と指示されている場合には、処理を終了する。
【0028】
このような処理を実施することによって、初めて処理を実行した場合やマウスポインタの滞在表示装置が変化した場合には、マウスポインタの現在の滞在表示装置の輝度がデフォルト輝度に設定されることが担保される。
【0029】
一方、図11の処理の説明に戻って、ステップS7においてマウスポインタの滞在表示装置が変化していないと確認されると、ディスプレイデータ制御部121は、滞在時間格納部132において、滞在表示装置についての滞在時間を、ステップS5で取得された現在時刻とその前にステップS5を実行した際に取得した時刻との差だけ増分する(ステップS9)。
【0030】
そして、ディスプレイデータ制御部121は、滞在表示装置についての滞在時間が、閾値時間格納部131に格納されている、当該滞在表示装置についての閾値時間を超えているか判断する(ステップS11)。滞在表示装置におけるマウスポインタの滞在時間が、当該滞在表示装置の閾値時間を超えていない場合には、現状を維持する動作として、端子Bを介して図12のステップS27に移行する。
【0031】
一方、滞在表示装置についての滞在時間が、当該滞在表示装置についての閾値時間を超えている場合には、ディスプレイデータ制御部121は、輝度制御部123に対して制御を指示し、輝度制御部123は、これに対して各表示装置の輝度を、輝度テーブル格納部133内の輝度テーブルにおける、当該表示装置の設定輝度に従って更新するように制御する(ステップS13)。さらに、輝度制御部123は、デフォルト輝度のレベル値以外のレベル値が設定されている表示装置、すなわち輝度が低下させられている表示装置について、ディスプレイデータ制御部121に対して制御フラグをオンに設定させ、デフォルト輝度のレベル値が設定されている表示装置、すなわち輝度が低下させられていない表示装置について、ディスプレイデータ制御部121に対して制御フラグをオフに設定させる(ステップS15)。処理は端子Bを介して図12のステップS27に移行する。
【0032】
これによって、輝度が低下するように制御されている表示装置を制御フラグによって特定できるようになる。また、マウスポインタの滞在表示装置が一定期間不変であった後に、輝度の実際の変更が行われる。
【0033】
図11及び図12に示した処理フローが、マウスポインタが滞在している表示装置に基づく制御を表すメインの処理フローであるが、本実施の形態では図13及び図14に示す処理を、図11及び12に示した処理フローとは別のプロセスとして実施する。
【0034】
まず、ディスプレイデータ制御部121は、ビューア展開数取得処理を実施する(図13:ステップS31)。ビューア展開数取得処理について、図14乃至図16を用いて説明する。
【0035】
ディスプレイデータ制御部121は、例えばコンピュータ本体100のオペレーティングシステムからウィンドウハンドルと当該ウィンドウの実行プロセスとウィンドウの座標値とを取得する(図14:ステップS51)。ウィンドウの座標値は、例えばウィンドウの左上の座標値などを取得する。例えば図15に示すようなデータを取得する。図15の例では、ウィンドウハンドルと、当該ウィンドウの実行プロセスの名称と、座標値とが取得される。
【0036】
次に、ディスプレイデータ制御部121は、ウィンドウの座標値から当該ウィンドウが属する表示装置を、対応テーブル格納部134内の対応テーブル(図8)に従って特定する(ステップS53)。そして、ディスプレイデータ制御部121は、実行プロセスと表示装置との対応付けを実施し、当該対応付けのデータを実行プロセス格納部136(図10)に格納する(ステップS55)。
【0037】
そして、ディスプレイデータ制御部121は、実行プロセス格納部136に格納されているデータ及びビューア登録テーブル格納部135内のビューア登録テーブルを用いて、表示装置毎に、実行プロセスのうちビューアのプロセスを計数し、計数結果を例えばメインメモリなどの記憶装置に格納する(ステップS57)。具体的には、表示装置毎に、実行プロセス格納部136に登録されている実行プロセスを抽出し、抽出された実行プロセスがビューア登録テーブルに登録されているか否かを確認し、登録されていればカウント値をインクリメントする。例えば、図16に示すようなデータが得られる。図16の例では、表示装置毎に、ビューアとしてビューア登録テーブルに登録されているプロセスの数をビューア展開数として登録するようになっている。なお、プロセスの数を計数せずに、1つでも該当プロセスがあればその表示装置についてはフラグをオンにセットするようにしても良い。
【0038】
このようにすれば、ビューアのプロセスのウィンドウが表示されている表示装置が特定できるようになる。
【0039】
図13の処理の説明に戻って、ディスプレイデータ制御部121は、未処理の表示装置を1つ特定する(ステップS33)。そして、ディスプレイデータ制御部121は、図16のようなデータにおいて、特定された表示装置についてのビューア展開数が1以上となっているか判断する(ステップS35)。特定された表示装置についてのビューア展開数が1以上であれば、ディスプレイデータ制御部121は、輝度テーブルにおいて、特定された表示装置の設定輝度にデフォルト輝度を設定する(ステップS37)。そしてステップS43に移行する。
【0040】
一方、特定された表示装置についてのビューア展開数が0であれば、ディスプレイデータ制御部121は、特定された表示装置が、マウスポインタの滞在表示装置であるか判断する(ステップS39)。上で述べた処理フロー(図11)で特定されたデータを用いて判断する。そして、特定された表示装置がマウスポインタの滞在表示装置である場合にはステップS43に移行する。一方、特定された表示装置がマウスポインタの滞在表示装置ではない場合には、ディスプレイデータ制御部121は、輝度テーブルにおいて、特定された表示装置の設定輝度に非滞在時輝度を設定する(ステップS41)。すなわち、輝度を低下させるように設定を行う。そしてステップS43に移行する。
【0041】
ステップS43では、ディスプレイデータ制御部121は、未処理の表示装置が存在するか判断する(ステップS43)。未処理の表示装置が存在する場合には、ステップS33に戻る。一方、未処理の表示装置が存在しない場合には、ディスプレイデータ制御部121は、処理続行であるか判断する(ステップS45)。処理続行である場合にはステップS31に戻る。一方、処理続行でなければ処理を終了する。
【0042】
このようにすれば、マウスポインタが存在せず、さらにビューアとして登録されているプロセスのウィンドウが表示されていない表示装置については、輝度を低下させるように設定ができるようになる。すなわち、ユーザの利便性とは関係のない表示装置については輝度を低下させて、省電力化が図られる。
【0043】
なお、図13の処理では設定のみを実施して、設定輝度に従って実際に輝度を更新するのは、図11及び図12の処理フローにおいて行われる。しかし、ステップS37及びS41の後に設定輝度に従って実際の輝度を更新するようにしてもよい。そうすれば、新たにビューアのウィンドウが開いたり、閉じたりした場合に、早期に輝度の調整が行われるようになる。
【0044】
また、輝度レベルの調整を行うようになっているが、表示装置へ表示データを出力させるか又は出力を停止させるかの設定を行うようにしても良い。
【0045】
[実施の形態2]
第2の実施の形態では、以下のような表示制御を行う。すなわち、図17Aに示すように、表示装置1においてマウスポインタを時刻t0に配置した後、表示装置3に表示されるウィンドウ上で「Ctrl−C」といったコピーを指示するキー操作を時刻t1に実施し、さらに、表示装置1に表示されているウィンドウ上で「Ctrl−V」といったペーストを指示するキー操作を時刻t2に実施したものとする。なお、表示装置2にはウィンドウもマウスポインタも表示されていないものとする。そして、例えば時刻t0から時間T1が経過すると、図17Bに示すように、ウィンドウもマウスポインタも表示されていない表示装置2については、輝度を150cdから20cdに低下させるが、表示装置1及び3については輝度の低下は行われない。その後、時刻t1から時間T2が経過しても、表示装置3についてさらなる操作等が行われない場合には、ユーザの関心もなくなったものとして、図17Cに示すように、表示装置3についての輝度を150cdから20cdへ低下させる。
【0046】
このような表示制御をまとめると、図18に示すようになる。上段が表示装置3の輝度の時間変化を表し、中段が表示装置1の輝度の時間変化を表し、下段が表示装置2の輝度の時間変化を表す。下段に示すように、表示装置2については、表示装置1にマウスポインタの滞在が開始された時刻t0からT1経過後に、輝度が低下する。一方、表示装置3については、マウスポインタの滞在開始ではなく、コピーを指示するキー操作が行われた時刻t1から時間T2経過までに注目すべき他のキー操作が行われなければ、時刻t1から時間T2経過後に輝度を低下させる。さらに、表示装置1については、マウスポインタの滞在する限り、ペーストを指示するキー操作から時間T3を経過しても輝度の低下は行われない。
【0047】
なお、本実施の形態においても、輝度を下げるということは、コンピュータから表示装置への表示データの出力を停止するようなことも含まれるものとする。
【0048】
このようにすることによって、マウスポインタの滞在という単純な判断基準ではなく、注目すべきキー操作(場合によってはマウスの操作であってもよい)が行われてユーザが関心を有すると推定されるウィンドウが表示されている表示装置については、輝度の低下を、予め定められたキー操作を基準に行うことで、ユーザによる利便性の低下を抑制しつつ、省電力化を図っている。
【0049】
次に、図19乃至図25を用いて、上で述べたような表示制御を実施するためのコンピュータの構成について説明する。コンピュータ本体500には、入力デバイス600としてキーボード610及びマウス620が接続されている。また、コンピュータ本体500には、表示部700が接続されており、表示部700には、表示装置1乃至3が接続されている。表示装置の数は2以上であれば特に限定はない。
【0050】
また、コンピュータ本体500は、I/O処理部510と、制御部520と、データ格納部530とを有する。I/O処理部510は、キーボード610の操作から所定のキー操作(例えばコピー(カットを含む)及びペーストのためのキー操作)を検出するキー操作検出部511と、マウス620の操作からポインタ座標を検出するポインタ座標検出部512を有している。キー操作検出部511は、所定のキー操作を検出すると、検出したことを制御部520に出力する。また、ポインタ座標検出部512は、検出したマウスポインタの座標値を制御部520に出力する。なお、ポインタ座標検出部512によって、マウス620によるコピー及びペーストの操作の指示を検出して、制御部520に出力するようにしても良い。
【0051】
また、制御部520は、ディスプレイデータ制御部521と、タイマ522と、輝度制御部523とを有する。タイマ522は、現在時刻を出力する機能を有する。また、ディスプレイデータ制御部521は、データ格納部530のデータを変更すると共に、輝度制御部523に動作の指示を出力する。輝度制御部523は、例えばディスプレイデータ制御部521からの指示に応じて、データ格納部530に格納されている輝度設定のデータに従って、表示部700に含まれる表示装置1乃至3の輝度の変更するための動作を行う。
【0052】
データ格納部530は、閾値時間格納部531と、滞在時間格納部532と、輝度テーブル格納部533と、対応テーブル格納部534とを含む。なお、滞在時間格納部532以外の格納部については、第1の実施の形態と同様である。滞在時間格納部532に格納されるデータの一例を図20に示す。図20の例では、表示装置毎に、滞在時間と輝度低下までの猶予時間とを登録するようになっている。例えば、コピーのための操作を検出すると、猶予時間を所定時間に設定して、カウントダウンしてゆく。所定時間については、コピーとペーストとでは異なる値であってもよい。
【0053】
また、典型的には、マウス620が1つであればマウスポインタも1つであるので、現在マウスポインタが滞在している表示装置の識別子と滞在時間とを対応付けて管理すればよいが、図20のようなデータ構造であれば、複数のマウス620が接続されている場合に対処できる。
【0054】
次に、図21乃至図25を用いて、図19に示した装置の動作について説明する。まず、ポインタ座標検出部512は、ユーザによるマウス操作を検出して、マウスポインタの現在の座標値を特定し、ディスプレイデータ制御部521に出力する。ディスプレイデータ制御部521は、ポインタ座標検出部512からマウスポインタの現在の座標値を取得する(ステップS101)。そして、ディスプレイデータ制御部521は、マウスポインタの現在の座標値と対応テーブル格納部534に格納されている対応テーブルとから、マウスポインタが現在表示されている表示装置をマウスポインタの滞在表示装置として特定する(ステップS103)。マウスポインタの滞在表示装置については、メインメモリなどの記憶装置に格納しておく。また、ディスプレイデータ制御部521は、タイマ522から現在時刻を取得する(ステップS105)。この現在時刻のデータについては例えばメインメモリなどの記憶装置に保持しておく。
【0055】
そして、ディスプレイデータ制御部521は、マウスポインタの滞在表示装置が変化したか判断する(ステップS107)。ステップS103で特定された滞在表示装置とその前のステップS103実行時に特定された滞在表示装置とが異なるか判断する。なお、初回は比較対象の滞在表示装置が存在しないので、マウスポインタの滞在表示装置が変化したものと判断することにする。マウスポインタの滞在表示装置が変化した場合には、端子Eを介して図22の処理に移行する。ここでは、先に図22の処理について説明するものとする。
【0056】
図22の処理に移行すると、ディスプレイデータ制御部521は、滞在時間格納部532において、滞在表示装置に対応付けて滞在時間=「0」を設定する(ステップS113)。また、ディスプレイデータ制御部521は、自身が管理する滞在表示装置の制御フラグがオンになっているか確認する(ステップS115)。本実施の形態では、各表示装置について、輝度を低下させるように制御を行った場合にオンに設定される制御フラグを、ディスプレイデータ制御部521が管理しているものとする。初期的に制御フラグはオフに設定されており、初めてステップS115を実行する際には制御フラグはオフになっている。
【0057】
滞在表示装置の制御フラグがオフである場合にはステップS123に移行する。一方、滞在表示装置の制御フラグがオンになっている場合には、一旦輝度を低下させるように制御を行った表示装置が、マウスポインタが滞在する表示装置となったことを意味する。従って、ディスプレイデータ制御部521は、輝度テーブル格納部533の輝度テーブルにおいて、当該滞在表示装置の設定輝度に、当該滞在表示装置のデフォルト輝度のレベル値を設定する(ステップS117)。また、ディスプレイデータ制御部521は、輝度制御部523に対して制御を指示し、輝度制御部523は、輝度テーブルにおける設定輝度のレベル値に従って、表示装置1乃至3の輝度を更新するように制御を行う(ステップS119)。なお、表示装置1乃至3ではなく、マウスポインタの滞在表示装置についてのみ、輝度テーブルの設定輝度のレベル値に従って、輝度を更新するようにしても良い。ステップS119を実施すると、輝度制御部523は、ディスプレイデータ制御部521に対して、輝度更新に応じて各表示装置の制御フラグを変更させる(ステップS121)。少なくとも、マウスポインタの滞在表示装置についての制御フラグをオフに設定させる。これによって、滞在表示装置の輝度がデフォルト輝度のレベル値になっていることが設定される。ここでもマウスポインタの滞在表示装置のみの制御フラグをオフにするようにしても良い。
【0058】
ステップS123に移行して、ディスプレイデータ制御部521は、処理を継続すべきか判断する(ステップS123)。例えばユーザから処理終了を指示されていない場合には、処理を継続すべきと判断し、端子Hを介して図21のステップS101に戻る。一方、処理終了と指示されている場合には、処理を終了する。
【0059】
このような処理を実施することによって、初めての場合やマウスポインタの滞在表示装置が変化した場合には、マウスポインタの現在の滞在表示装置の輝度がデフォルト輝度に設定されることが担保される。
【0060】
一方、図21の処理の説明に戻って、ステップS107においてマウスポインタの滞在表示装置が変化していないと確認されると、ディスプレイデータ制御部521は、滞在時間格納部532において、滞在表示装置についての滞在時間を、ステップS105で取得された現在時刻とその前にステップS105を実行した際に取得した時刻との差だけ増分する(ステップS109)。
【0061】
そして、ディスプレイデータ制御部521は、滞在表示装置についての滞在時間が、閾値時間格納部531に格納されている、当該滞在表示装置についての閾値時間を超えているか判断する(ステップS111)。滞在表示装置におけるマウスポインタの滞在時間が、当該滞在表示装置の閾値時間を超えていない場合には、現状を維持する動作として、端子Gを介して図22のステップS123に移行する。
【0062】
一方、滞在表示装置についての滞在時間が、当該滞在表示装置についての閾値時間を超えている場合には、端子Fを介して、図23の処理フローに移行する。
【0063】
ディスプレイデータ制御部521は、マウスポインタが滞在していない未処理の非滞在表示装置を1つ特定する(ステップS125)。そして、ディスプレイデータ制御部521は、滞在時間格納部532において、特定された非滞在表示装置の猶予時間が「0」になっているか確認する(ステップS127)。このような処理にて、マウスポインタも滞在しておらず、コピー又はペーストのための操作も行われていない表示装置であるか判断している。このような表示装置であれば、ディスプレイデータ制御部521は、輝度テーブル格納部533内の輝度テーブルにおいて、特定された非滞在表示装置の設定輝度に、マウスポインタの非滞在時輝度を設定する(ステップS129)。そしてステップS131に移行する。一方、特定された非滞在表示装置の猶予時間が「0」以外であれば、輝度調整できないのでステップS131に移行する。
【0064】
ステップS131に移行して、ディスプレイデータ制御部521は、未処理の非滞在表示装置が存在しているか判断する(ステップS131)。未処理の非滞在表示装置が存在している場合にはステップS125に戻る。一方、未処理の非滞在表示装置が存在していない場合には、ディスプレイデータ制御部521は、輝度制御部523に対して指示を出力し、この指示に応じて輝度制御部523は、各表示装置の輝度を、輝度テーブルにおける設定輝度に従って更新するように制御する(ステップS133)。
【0065】
さらに、輝度制御部523は、デフォルト輝度のレベル値以外のレベル値が設定されている表示装置、すなわち輝度が低下させられている表示装置について、ディスプレイデータ制御部521に対して制御フラグをオンに設定させ、デフォルト輝度のレベル値が設定されている表示装置、すなわち輝度が低下させられていない表示装置について、ディスプレイデータ制御部521に対して制御フラグをオフに設定させる(ステップS135)。処理は端子Gを介して図22のステップS123に移行する。
【0066】
このような処理を行うことによって、マウスポインタの滞在表示装置に基づく輝度の変更が行われる。具体的には、マウスポインタが滞在している表示装置の輝度を上げ、マウスポインタが滞在しておらず且つコピー又はペーストのための操作に関係しない表示装置について輝度を下げるようにする。これによって、利便性に悪影響を及ぼすことなく、省電力化が図られる。
【0067】
次に、図24を用いて、図21乃至図23の処理フローとは別プロセスとして実行されるプロセスの内容について説明する。キー操作検出部511等は、コピー又はペーストのための操作が行われたか判断する(ステップS141)。コピー又はペーストのための操作を検出していない場合にはステップS147に移行する。一方、コピー又はペーストのための操作を検出した場合には、ディスプレイデータ制御部521に通知して、当該通知に応じてディスプレイデータ制御部521は、コピー又はペーストが行われたアクティブウィンドウが表示されている表示装置を特定する(ステップS143)。例えば、アクティブウィンドウの座標値を取得して、当該座標値で例えば対応テーブル格納部534内の対応テーブルを検索して、アクティブウィンドウの座標値が表示されている表示装置を特定する。
【0068】
そして、ディスプレイデータ制御部521は、滞在時間格納部532において、特定された表示装置の猶予時間に所定値を設定する(ステップS145)。所定値については、表示装置毎に異なる値を設定しても良いし、共通の値を設定するようにしても良い。そしてステップS147に移行する。
【0069】
ステップS147に移行すると、ディスプレイデータ制御部521は、処理継続であるか判断し(ステップS147)、処理継続であればステップS141に戻り、処理継続でなければ処理を終了する。
【0070】
ステップS145は、コピー又はペーストのための操作を検出する毎に実施されるので、このような操作を繰り返し実施すればその都度猶予時間は初期値に更新される。
【0071】
また、図25を用いて、図21乃至図24の処理とは別プロセスとして実行されるプロセスの内容について説明する。なお、図25の処理については表示装置毎に実施されるものとする。まず、ディスプレイデータ制御部521は、図24の処理を実施するプロセスによって猶予時間の設定を検出すると(ステップS151)、タイマ522から得られる現時刻と先に得られた時刻との差分だけ、滞在時間格納部532における猶予時間を減算する(ステップS153)。そして、ディスプレイデータ制御部521は、猶予時間が「0」になったか判断する(ステップS155)。猶予時間が「0」でなければステップS153に戻る。なお、図24で初期値に戻る場合があるので猶予時間は単調に減少しない場合がある。
【0072】
一方、猶予時間が「0」となっていれば、ディスプレイデータ制御部521は、処理に係る表示装置にマウスポインタが滞在しているか判断する(ステップS157)。これは、ポインタ座標検出部512からのマウスポインタの座標値と、対応テーブル格納部534のデータから判断する。
【0073】
マウスポインタが、処理に係る表示装置に滞在している場合には、本処理では輝度の変更を行うことはできないので、処理を終了する。一方、マウスポインタが、処理に係る表示装置に滞在していない場合には、ディスプレイデータ制御部521は、輝度テーブル格納部533内の輝度テーブルにおいて、該当表示装置の設定輝度に、マウスポインタの非滞在輝度を設定する(ステップS159)。また、ディスプレイデータ制御部521は、輝度制御部523に対して指示を行い、指示に応じて輝度制御部523は、該当表示装置の輝度を設定輝度に従って更新するように制御する(ステップS161)。さらに、輝度制御部523は、デフォルト輝度のレベル値以外のレベル値が設定されている、すなわち輝度が低下させられた該当表示装置について、ディスプレイデータ制御部521に対して制御フラグをオンに設定させる(ステップS163)。そして処理を終了する。
【0074】
このように、マウスポインタが滞在していない表示装置については、猶予時間が経過した時点において、当該表示装置の輝度を低下させるようにすることで、省電力化を図る。猶予時間を経過する段階においてマウスポインタが配置されていない場合や、何ら次のコピー又はペーストのための操作などが行われない場合には、ユーザの利便性も低下しないものと考えられる。
【0075】
このように、第2の実施の形態でも、ユーザの利便性を低下させずに、省電力化が図られるようになる。
【0076】
以上本技術の実施の形態を説明したが、本技術はこれに限定されるものではない。例えば、図4及び図19に示した機能ブロック図は一例であって、必ずしも実際のプログラムモジュール構成に対応しない場合もある。データ格納部についても、一例であって、他のデータ格納態様を採用しても良い。
【0077】
また、上で述べた処理フローは一例であって、処理結果が変わらない限り、ステップの順番を入れ替えたり、並列実施するようにしても良い。
【0078】
なお、上で述べたコンピュータ本体100及び500は、コンピュータ装置であって、図26に示すように、メモリ2501とCPU2503とハードディスク・ドライブ(HDD)2505と表示装置2509及び表示装置2510に接続されるディスプレイコントローラ2507とリムーバブル・ディスク2511用のドライブ装置2513と入力装置2515とネットワークに接続するための通信制御部2517とがバス2519で接続されている。オペレーティング・システム(OS:Operating System)及び本実施の形態における処理を実施するためのプログラムは、HDD2505に格納されており、CPU2503により実行される際にはHDD2505からメモリ2501に読み出される。CPU2503は、プログラムの処理内容に応じてディスプレイコントローラ2507、通信制御部2517、ドライブ装置2513を制御して、所定の動作を行わせる。また、処理途中のデータについては、主としてメモリ2501に格納されるが、HDD2505に格納されるようにしてもよい。本技術の実施の形態では、上で述べた処理を実施するためのプログラムはコンピュータ読み取り可能なリムーバブル・ディスク2511に格納されて頒布され、ドライブ装置2513からHDD2505にインストールされる。インターネットなどのネットワーク及び通信制御部2517を経由して、HDD2505にインストールされる場合もある。このようなコンピュータ装置は、上で述べたCPU2503、メモリ2501などのハードウエアとOS及びアプリケーションプログラムなどのプログラムとが有機的に協働することにより、上で述べたような各種機能を実現する。
【0079】
なお、輝度を変化させるような構成を採用する場合には、ディスプレイコントローラ2507及び表示装置2509及び2510が、例えばVESA(Video Electronics Standards Association)のDDC/CI(Display Data Channel Command Interface)を採用していれば、I2C信号線によって制御することができる。一方、輝度を下げるために表示データの出力を停止するような構成を採用する場合には、アナログインタフェースでもディジタルインタフェースでも可能である。
【0080】
以上述べた本実施の形態をまとめると、以下のようになる。
【0081】
本実施の形態における第1の態様に係る表示制御方法は、(A)コンピュータに接続されている複数の表示装置の各々について、予めデータ格納部に登録されている所定のプログラムのウィンドウが表示されているか確認するステップと、(B)所定のプログラムのウィンドウが表示されていない表示装置のうちコンピュータに接続されているマウスのポインタも表示されていない表示装置である第1の表示装置の輝度を低下させる設定を行うステップとを含む。
【0082】
所定のプログラムのウィンドウを参照しながら作業を行っている場合であれば、当該ウィンドウを表示している表示装置にマウスポインタが配置されていなくとも、輝度の低下させるべきではない。従って、所定のプログラムのウィンドウを表示している表示装置については輝度を低下させる設定を行わず、ユーザの利便性に配慮する。より具体的には、所定のプログラムのウィンドウが表示されている表示装置については、予め定められた輝度にする設定を行う。一方、所定のプログラムのウィンドウを表示しておらず且つマウスポインタも表示されていないような表示装置であれば、輝度を低下させる設定を行って、省電力化を図る。
【0083】
また、第1の態様に係る表示制御方法において、マウスのポインタが表示されている表示装置が一定期間不変であることを確認した後に、上記設定に従って上記第1の表示装置の輝度を変更するステップをさらに含むようにしても良い。輝度の変更タイミングは、このようにマウスのポインタを表示する表示装置が一定時間変化しない場合に行うようにしても良いし、すぐさま行うようにしても良い。
【0084】
さらに、上で述べた設定が、第1の表示装置への表示データの出力停止の設定である場合もある。輝度レベルの調整を行っても良いが、このように表示自体を行わないようにしてもよい。
【0085】
また、第1の態様に係る表示制御方法において、マウスのポインタが表示されている表示装置が変化したことを検出すると、マウスのポインタが現在表示されている表示装置である第2の表示装置の輝度が上記設定に従って低下させられているか否かを判断するステップと、第2の表示装置の輝度が上記設定に従って低下させられている場合には、第2の表示装置の輝度を予め定められた輝度に戻すステップとをさらに含むようにしてもよい。マウスのポインタを表示する表示装置が変化した場合には、その表示装置の輝度を直ぐに元に戻して、ユーザビリティの低下を防止するものである。
【0086】
本実施の形態における第2の態様に係る表示制御方法は、(A)コンピュータに接続されている複数の表示装置のうちいずれかの表示装置に表示されているアクティブウィンドウに対する、予め定められた操作を検出する検出ステップと、(B)アクティブウィンドウが表示されている表示装置である第1の表示装置を特定するステップと、(C)検出ステップから所定時間経過後第1の表示装置にマウスのポインタが表示されていない場合には、第1の表示装置の輝度を低下させる設定を行うステップとを含む。
【0087】
典型的には、ユーザが例えばコピー又はペーストのための操作を行ったウィンドウについては、マウスポインタの有無に拘わらず、ユーザが着目しているウィンドウであり、操作後もしばらくの間は参照している可能性がある。従って、上で述べた処理を実施すれば、ユーザの利便性を低下させずに、省電力化が図られる。
【0088】
また、第2の態様に係る表示制御方法において、マウスのポインタが表示されている表示装置が一定期間不変であることを確認した後に、複数の表示装置に含まれる表示装置について上記所定時間の計測中であるか判断するステップと、所定時間の計測中ではないと判断され且つマウスポインタを表示していない表示装置について、輝度を低下させる設定を行うステップとをさらに含むようにしてもよい。このように、マウスポインタを表示しておらず、上で述べたような操作の対象であるウィンドウを表示している表示装置でもなければ、ユーザの利便性には影響はほとんどないので、輝度を低下させて省電力化を図るものである。
【0089】
さらに、上で述べた設定が、第1の表示装置への表示データの出力停止の設定である場合もある。輝度レベルの調整を行っても良いが、このように表示自体を行わないようにしてもよい。
【0090】
また、第2の態様に係る表示制御方法において、マウスのポインタが表示されている表示装置が変化したことを検出すると、マウスのポインタが現在表示されている表示装置である第2の表示装置の輝度が上記設定に従って低下させられているか否かを判断するステップと、第2の表示装置の輝度が上記設定に従って低下させられている場合には、第2の表示装置の輝度を予め定められた輝度に戻すステップとをさらに含むようにしてもよい。マウスのポインタを表示する表示装置が変化した場合には、その表示装置の輝度を直ぐに元に戻して、ユーザビリティの低下を防止するものである。
【0091】
なお、上で述べたような処理をコンピュータに実施させるためのプログラムを作成することができ、当該プログラムは、例えばフレキシブル・ディスク、CD−ROMなどの光ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリ(例えばROM)、ハードディスク等のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体又は記憶装置に格納される。なお、処理途中のデータについては、RAM等の記憶装置に一時保管される。
【0092】
以上の実施例を含む実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0093】
(付記1)
複数の表示装置に接続されたコンピュータに実行させるプログラムにおいて、
ポインティングデバイスによるポイント先を示すポインタが前記複数の表示装置のうちの1つの表示装置に表示されていないこと、と、該1つの表示装置に所定のプログラムにより生成されるウィンドウが表示されていないこと、の双方の条件を少なくとも満たす場合に、前記1つの表示装置の輝度を低下させる処理、
を前記コンピュータに実行させることを特徴とする表示制御プログラム。
【0094】
(付記2)
前記ポインタが表示されている表示装置が一定期間不変である場合に、前記1つの表示装置の輝度を変更する処理
をさらに前記コンピュータに実行させるための付記1記載の表示制御プログラム。
【0095】
(付記3)
前記輝度の低下が、前記1つの表示装置への表示データの出力停止により行われる
付記1又は2記載の表示制御プログラム。
【0096】
(付記4)
前記ポインタが表示されている表示装置が変化したことを検出すると、前記ポインタが現在表示されている第2の表示装置の輝度が低下させられているか判断する処理と、
前記第2の表示装置の輝度が低下させられている場合には、前記第2の表示装置の輝度を予め定められた輝度に戻す処理と、
を、さらに前記コンピュータに実行させるための付記1乃至3のいずれか1つ記載の表示制御プログラム。
【0097】
(付記5)
前記所定のプログラムにより生成されるウィンドウが表示されている表示装置については、予め定められた輝度にする処理
をさらに前記コンピュータに実行させるための付記1乃至4のいずれか1つ記載の表示制御プログラム。
【0098】
(付記6)
コンピュータに接続されている複数の表示装置のうちいずれかの表示装置に表示されているアクティブウィンドウに対する、予め定められた操作を検出する検出処理と、
前記アクティブウィンドウが表示されている表示装置である第1の表示装置を特定する処理と、
前記検出処理から所定時間経過後前記第1の表示装置にポインティングデバイスによるポイント先を示すポインタが表示されていない場合には、前記第1の表示装置の輝度を低下させる設定を行う処理と、
を、前記コンピュータに実行させるための表示制御プログラム。
【0099】
(付記7)
前記ポインタが表示されている表示装置が一定期間不変であることを確認した後に、前記複数の表示装置に含まれる表示装置について前記所定時間の計測中であるか判断する処理と、
前記所定時間の計測中ではないと判断され且つ前記ポインタを表示していない表示装置について、輝度を低下させる設定を行う処理と、
をさらに前記コンピュータに実行させるための付記5記載の表示制御プログラム。
【0100】
(付記8)
前記設定が、前記第1の表示装置への表示データの出力停止の設定である
付記5又は6記載の表示制御プログラム。
【0101】
(付記9)
前記ポインタが表示されている表示装置が変化したことを検出すると、前記ポインタが現在表示されている表示装置である第2の表示装置の輝度が前記設定に従って低下させられているか否かを判断する処理と、
前記第2の表示装置の輝度が前記設定に従って低下させられている場合には、予め定められた輝度に戻す処理と、
をさらに前記コンピュータに実行させるための付記5乃至7のいずれか1つ記載の表示制御プログラム。
【0102】
(付記10)
複数の表示装置に接続されたコンピュータにより実行される表示制御方法において、
ポインティングデバイスによるポイント先を示すポインタが前記複数の表示装置のうちの1つの表示装置に表示されていないこと、と、該1つの表示装置に所定のプログラムにより生成されるウィンドウが表示されていないこと、の双方の条件を少なくとも満たす場合に、前記1つの表示装置の輝度を低下させる処理、
を含む表示制御方法。
【0103】
(付記11)
コンピュータに接続されている複数の表示装置のうちいずれかの表示装置に表示されているアクティブウィンドウに対する、予め定められた操作を検出する検出処理と、
前記アクティブウィンドウが表示されている表示装置である第1の表示装置を特定する処理と、
前記検出処理から所定時間経過後前記第1の表示装置にポインティングデバイスによるポイント先であるポインタが表示されていない場合には、前記第1の表示装置の輝度を低下させる設定を行う処理と、
を含み、前記コンピュータにより実行される表示制御方法。
【0104】
(付記12)
複数の表示装置に接続されるコンピュータにおいて、
ポインティングデバイスによるポイント先を示すポインタが前記複数の表示装置のうちの1つの表示装置に表示されていないこと、と、該1つの表示装置に所定のプログラムにより生成されるウィンドウが表示されていないことと、の双方の条件を少なくとも満たす場合に、前記1つの表示装置の輝度を低下させる
をコンピュータ。
【0105】
(付記13)
複数の表示装置に接続されるコンピュータであって、
前記複数の表示装置のうちいずれかの表示装置に表示されているアクティブウィンドウに対する、予め定められた操作を検出し、前記アクティブウィンドウが表示されている表示装置である第1の表示装置を特定し、前記検出から所定時間経過後前記第1の表示装置にポインティングデバイスによるポイント先であるポインタが表示されていない場合には、前記第1の表示装置の輝度を低下させる設定を行う第1制御部と、
前記設定に従って、前記第1の表示装置の輝度を変更する第2制御部と、
を有するコンピュータ。
【符号の説明】
【0106】
111,512 ポインタ座標検出部
121,521 ディスプレイデータ制御部
122,522 タイマ
123,523 輝度制御部
130,530 データ格納部
131,531 閾値時間格納部
132,532 滞在時間格納部
133,533 輝度テーブル格納部
134,534 対応テーブル格納部
300,700 表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の表示装置に接続されたコンピュータに実行させるプログラムにおいて、
ポインティングデバイスによるポイント先を示すポインタが前記複数の表示装置のうちの1つの表示装置に表示されていないこと、と、該1つの表示装置に所定のプログラムにより生成されるウィンドウが表示されていないこと、の双方の条件を少なくとも満たす場合に、前記1つの表示装置の輝度を低下させる処理、
を前記コンピュータに実行させることを特徴とする表示制御プログラム。
【請求項2】
前記ポインタが表示されている表示装置が一定期間不変である場合に、前記1つの表示装置の輝度を変更する処理
をさらに前記コンピュータに実行させるための請求項1記載の表示制御プログラム。
【請求項3】
前記輝度の低下が、前記1つの表示装置への表示データの出力停止により行われる
請求項1又は2記載の表示制御プログラム。
【請求項4】
前記ポインタが表示されている表示装置が変化したことを検出すると、前記ポインタが現在表示されている第2の表示装置の輝度が低下させられているか判断する処理と、
前記第2の表示装置の輝度が低下させられている場合には、前記第2の表示装置の輝度を予め定められた輝度に戻す処理と、
を、さらに前記コンピュータに実行させるための請求項1乃至3のいずれか1つ記載の表示制御プログラム。
【請求項5】
前記所定のプログラムにより生成されるウィンドウが表示されている表示装置については、予め定められた輝度にする処理
をさらに前記コンピュータに実行させるための請求項1乃至4のいずれか1つ記載の表示制御プログラム。
【請求項6】
コンピュータに接続されている複数の表示装置のうちいずれかの表示装置に表示されているアクティブウィンドウに対する、予め定められた操作を検出する検出処理と、
前記アクティブウィンドウが表示されている表示装置である第1の表示装置を特定する処理と、
前記検出処理から所定時間経過後前記第1の表示装置にポインティングデバイスによるポイント先を示すポインタが表示されていない場合には、前記第1の表示装置の輝度を低下させる設定を行う処理と、
を、前記コンピュータに実行させるための表示制御プログラム。
【請求項7】
前記ポインタが表示されている表示装置が一定期間不変であることを確認した後に、前記複数の表示装置に含まれる表示装置について前記所定時間の計測中であるか判断する処理と、
前記所定時間の計測中ではないと判断され且つ前記ポインタを表示していない表示装置について、輝度を低下させる設定を行う処理と、
をさらに前記コンピュータに実行させるための請求項5記載の表示制御プログラム。
【請求項8】
前記設定が、前記第1の表示装置への表示データの出力停止の設定である
請求項5又は6記載の表示制御プログラム。
【請求項9】
前記ポインタが表示されている表示装置が変化したことを検出すると、前記ポインタが現在表示されている表示装置である第2の表示装置の輝度が前記設定に従って低下させられているか否かを判断する処理と、
前記第2の表示装置の輝度が前記設定に従って低下させられている場合には、予め定められた輝度に戻す処理と、
をさらに前記コンピュータに実行させるための請求項5乃至7のいずれか1つ記載の表示制御プログラム。
【請求項10】
複数の表示装置に接続されたコンピュータにより実行される表示制御方法において、
ポインティングデバイスによるポイント先を示すポインタが前記複数の表示装置のうちの1つの表示装置に表示されていないこと、と、該1つの表示装置に所定のプログラムにより生成されるウィンドウが表示されていないこと、の双方の条件を少なくとも満たす場合に、前記1つの表示装置の輝度を低下させる処理、
を含む表示制御方法。
【請求項11】
コンピュータに接続されている複数の表示装置のうちいずれかの表示装置に表示されているアクティブウィンドウに対する、予め定められた操作を検出する検出処理と、
前記アクティブウィンドウが表示されている表示装置である第1の表示装置を特定する処理と、
前記検出処理から所定時間経過後前記第1の表示装置にポインティングデバイスによるポイント先であるポインタが表示されていない場合には、前記第1の表示装置の輝度を低下させる設定を行う処理と、
を含み、前記コンピュータにより実行される表示制御方法。
【請求項12】
複数の表示装置に接続されるコンピュータにおいて、
ポインティングデバイスによるポイント先を示すポインタが前記複数の表示装置のうちの1つの表示装置に表示されていないこと、と、該1つの表示装置に所定のプログラムにより生成されるウィンドウが表示されていないことと、の双方の条件を少なくとも満たす場合に、前記1つの表示装置の輝度を低下させる
をコンピュータ。
【請求項13】
複数の表示装置に接続されるコンピュータであって、
前記複数の表示装置のうちいずれかの表示装置に表示されているアクティブウィンドウに対する、予め定められた操作を検出し、前記アクティブウィンドウが表示されている表示装置である第1の表示装置を特定し、前記検出から所定時間経過後前記第1の表示装置にポインティングデバイスによるポイント先であるポインタが表示されていない場合には、前記第1の表示装置の輝度を低下させる設定を行う第1制御部と、
前記設定に従って、前記第1の表示装置の輝度を変更する第2制御部と、
を有するコンピュータ。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17A】
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【図17B】
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【図17C】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2012−198348(P2012−198348A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−61783(P2011−61783)
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】