説明

表示制御装置、表示制御プログラム、及び表示制御方法

【課題】複数のアプリケーションがそれぞれ割り当てられた複数のフレームの状態の変更及び復元を容易にする技術を提供する。
【解決手段】表示制御装置は、第1割り当て部と、第2割り当て部と、第3割り当て部とを備える。第1割り当て部は、画面上に第1ウィンドウを生成し、第1ウィンドウ上に複数のフレームを生成し、複数のアプリケーションの入出力を複数のフレームに夫々割り当てる。第2割り当て部は、複数のフレームから一つの対象フレームを選択する操作を含む第1操作を検出した場合、画面上に対象フレームより表示領域が大きな第2ウィンドウを生成し、複数のアプリケーションのうち対象フレームに割り当てられた対象アプリケーションの入出力を第2ウィンドウに割り当てる。第3割り当て部は、第2ウィンドウの削除を示す第2操作を検出した場合、対象アプリケーションの入出力を対象フレームに割り当てる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、ウィンドウ及びそのウィンドウ上のフレームの表示を制御する表示制御装置、表示制御プログラム、及び表示制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
GUI(Graphical User Interface)の技術において、一つのウィンドウ上に複数のフレームを配置する技術が知られている。また、ユーザによる操作に応じてウィンドウ上のフレームの大きさを変更し、その変更に応じてそのウィンドウ上の他のフレームの大きさ及び配置を変更する技術が知られている。
【0003】
関連する技術として、以下の技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−9418号公報
【特許文献2】特許第4106058号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、着目するフレームの表示領域を拡大して当該フレームの視認性を高めるために、前述の技術により複数のフレームの大きさ及び配置を変更した後、それらの大きさ及び配置を変更前の状態に復元することは容易でない。例えばユーザは、変更された全てのフレームの大きさ及び配置を元に戻す操作が必要になる。
【0006】
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、複数のアプリケーションがそれぞれ割り当てられた複数のフレームの状態の変更及び復元を容易にする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の表示制御装置は、第1割り当て部と、第2割り当て部と、第3割り当て部とを備える。第1割り当て部は、画面上に第1ウィンドウを生成し、第1ウィンドウ上に複数のフレームを生成し、複数のアプリケーションの入出力を複数のフレームに夫々割り当てる。第2割り当て部は、複数のフレームから一つの対象フレームを選択する操作を含む第1操作を検出した場合、画面上に対象フレームより表示領域が大きな第2ウィンドウを生成し、複数のアプリケーションのうち対象フレームに割り当てられた対象アプリケーションの入出力を第2ウィンドウに割り当てる。第3割り当て部は、対象アプリケーションが第2ウィンドウに割り当てられた後、第2ウィンドウの削除を示す第2操作を検出した場合、対象アプリケーションの入出力を対象フレームに割り当てる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】第1の実施形態における情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【図2】第1の実施形態における情報処理プログラムに含まれるソフトウェアモジュールを示すブロック図である。
【図3】第1の実施形態における情報処理装置の動作を示すフローチャートである。
【図4】第1の実施形態における表示装置の画面の第1状態を示す模式図である。
【図5】第1の実施形態における表示装置の画面の第2状態を示す模式図である。
【図6】第1の実施形態における表示装置の画面の第3状態を示す模式図である。
【図7】第1の実施形態における表示装置の画面の第4状態を示す模式図である。
【図8】第2の実施形態における第1特定操作を示す模式図である。
【図9】第2の実施形態における第2特定操作を示す模式図である。
【図10】第3の実施形態における第1特定操作を示す模式図である。
【図11】第3の実施形態における第2特定操作を示す模式図である。
【図12】第4の実施形態における第1特定操作を示す模式図である。
【図13】第4の実施形態における第2特定操作を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
【0010】
(第1の実施形態)
この実施形態においては、本発明の表示制御装置を適用した情報処理装置と、本発明の表示制御プログラム及び表示制御方法を適用したウィンドウ・マネージャとについて説明する。
【0011】
まず、情報処理装置の構成について説明する。
【0012】
図1は、第1の実施形態における情報処理装置71の構成を示すブロック図である。情報処理装置71は、入力装置72及び表示装置73に接続される。入力装置72は、ユーザにより操作され、その操作を示す操作情報を情報処理装置71へ送る。表示装置73は、情報処理装置71から受けた表示情報に従って画面を表示する。
【0013】
入力装置72は、キーボード、ポインティング・デバイスを含む。ポインティング・デバイスは例えば、マウス、タッチパッド、トラックボール、ポインティング・スティック、タッチパネル、ペンタブレットである。操作情報は例えば、キーボードで押下されたキー、マウスの移動方向、移動距離、押下されたボタンを示す。
【0014】
表示装置73は例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、CRT(Cathode Ray Tube)、PDP(Plasma Display Panel)である。表示情報は画面を示し、画面はウィンドウ、フレーム、それらのウィンドウ又はフレームに割り当てられたアプリケーションによる出力を含む。
【0015】
情報処理装置71は例えばコンピュータであり、CPU11、記憶装置12、周辺機器インタフェース13、ディスプレイ・アダプタ14を有する。記憶装置12はCPU11に接続され、CPU11に情報処理を実行させる情報処理プログラム61を格納し、CPU11により用いられる作業領域を有する。CPU11は、記憶装置12に格納された情報処理プログラム61を読み出し、情報処理プログラム61に従って情報処理を実行する。
【0016】
周辺機器インタフェース13は入力装置72及びCPU11の間に接続され、入力装置72から受けた操作情報をCPU11へ送る。CPU11は、操作情報を周辺機器インタフェース13から受け、操作情報に基づいて表示情報を生成し、表示情報をディスプレイ・アダプタ14へ送る。ディスプレイ・アダプタ14はCPU11及び表示装置73の間に接続され、CPU11から受けた表示情報を表示装置73へ送る。
【0017】
記憶装置12は更に、イベント定義情報を格納する。イベント定義情報は、ユーザによる入力装置72の特定操作を定義する。特定操作は、複数のフレームの一つに表示されているアプリケーションを新ウィンドウへ移動させることを要求する第1特定操作(第1操作)と、そのアプリケーションを元のフレームに戻すことを要求する第2特定操作(第2操作)とを含む。イベント定義情報は、このような特定操作を検出するために、特定操作を示すイベントの条件を有する。イベント定義情報は更に、第1特定操作が行われた場合の新ウィンドウの位置と大きさの決定方法を定義する。イベント定義情報は、ユーザにより定義されても良い。
【0018】
図2は、第1の実施形態における情報処理プログラム61に含まれるソフトウェアモジュールを示すブロック図である。情報処理プログラム61は、プラットフォーム21、ウィンドウ・マネージャ22、イベント・ハンドラ23、プラグイン41a,41b,41c,41d,41e、アプリケーション42a,42b,42c,42d,42eを有する。
【0019】
プラットフォーム21は、例えばOS(Operating System)である。ウィンドウ・マネージャ22はプラットフォーム21上で動作するミドルウェアであり、ウィンドウを制御するためのウィンドウ・オブジェクトを提供する。一つのウィンドウ・オブジェクトは、一つのウィンドウまたは一つのフレームを示す。イベント・ハンドラ23はウィンドウ・マネージャ22上で動作し、操作情報等について予め定義された状態を検出した場合、イベント(割り込み)をウィンドウ・マネージャ22に通知する。
【0020】
プラグイン41a,41b,41c,41d,41eは、それぞれアプリケーション42a,42b,42c,42d,42eの入出力のデータ変換を行う。つまり、プラグイン41a,41b,41c,41d,41eは、それぞれアプリケーション42a,42b,42c,42d,42eの入出力の仕様に合わせて設計されている。これによりアプリケーション42a,42b,42c,42d,42eは、ウィンドウ・マネージャ22により提供される一つのウィンドウ上のそれぞれ異なるフレームを利用して入出力を行うことができる。例えば一つのフレームに割り当てられた一つのアプリケーションにより出力されるデータは、そのフレーム上に表示される。また、そのフレーム上で入力されたデータは、そのアプリケーションに入力される。
【0021】
なお、この実施形態においてアプリケーション42a,42b,42c,42d,42eはウィンドウ・マネージャ22の機能を利用して動作するが、その機能を利用せずにそれぞれが単独で動作することもできる。
【0022】
ウィンドウ・マネージャ22は、第1割り当て部31、第2割り当て部32、第3割り当て部33を有する。第1割り当て部31は、アプリケーション42a,42b,42c,42d,42eの入出力をそれぞれ異なるフレームに割り当て、イベント・ハンドラ23から通知された割り込みに応じた処理を行う。第2割り当て部32は、ユーザによる入力装置72の第1特定操作により指定されたアプリケーションの割り当て先を、フレームから新ウィンドウへ変更する。第3割り当て部33は、ユーザによる入力装置72の第2特定操作に応じて、その指定されたアプリケーションの割り当て先を、新ウィンドウから元のフレームへ変更する。
【0023】
次に、情報処理装置71の動作について説明する。
【0024】
図3は、第1の実施形態における情報処理装置71の動作を示すフローチャートである。まず、ウィンドウ・マネージャ22が起動されると、第1割り当て部31は、起動処理を行う(S11)。
【0025】
図4は、第1の実施形態における表示装置73の画面59の第1状態を示す模式図である。この第1状態は、S11が実行された状態である。
【0026】
この起動処理において、まず第1割り当て部31は、画面59上のウィンドウ51aを示すウィンドウ・オブジェクトを生成する。これにより、画面59上にウィンドウ51aが表示される。次に、アプリケーション42a,42b,42c,42d,42eが起動されると、第1割り当て部31はウィンドウ51a上に、フレーム52a,52b,52c,52d,52eを示すウィンドウ・オブジェクトをそれぞれ生成する。これにより、ウィンドウ51a上にフレーム52a,52b,52c,52d,52eが表示される。次に、第1割り当て部31は、アプリケーション42a,42b,42c,42d,42eの入出力をフレーム52a,52b,52c,52d,52eにそれぞれ割り当てる。これにより、フレーム52a,52b,52c,52d,52eは、アプリケーション42a,42b,42c,42d,42eの出力をそれぞれ表示する。
【0027】
以下の例においては、フレーム52a,52b,52c,52d,52eのうちフレーム52eが対象フレームとして選択される場合について説明する。また、対象フレームを含むウィンドウ51aを対象ウィンドウとし、対象フレームに割り当てられたアプリケーション42eを対象アプリケーションとする。
【0028】
次に、ユーザが入力装置72の操作を行うと、イベント・ハンドラ23は、周辺機器インタフェース13からCPU11が受けた操作情報に応じたイベント(割り込み)をウィンドウ・マネージャ22に通知する(S41)。次に、この割り込みを受けた第1割り当て部31は、受けたイベントと記憶装置12に格納されたイベント定義情報とを比較し、このイベントが第1特定操作を示すか否かの判定を行う(S43)。
【0029】
このイベントが第1特定操作を示さない場合(S43,N)、第1割り当て部31はこのフローをS71へ移行させる。
【0030】
このイベントが第1特定操作を示す場合(S43,Y)、第1割り当て部31は第1特定操作が行われたことを検出する。次に、第2割り当て部32は画面59上の新ウィンドウを示すウィンドウ・オブジェクトを生成して、画面59上に新ウィンドウを表示させ、対象アプリケーションの入出力を新ウィンドウに割り当て、対象フレームを書き込み禁止に設定する(S45)。即ち、対象アプリケーションの入出力の割り当て先が対象フレームから新ウィンドウへ変更される。
【0031】
図5は、第1の実施形態における表示装置73の画面59の第2状態を示す模式図である。この第2状態は、前述した第1状態の後にS45までが実行された状態である。この例において、対象ウィンドウをウィンドウ51aとし、新ウィンドウをウィンドウ51bとする。画面59上には、対象ウィンドウと新ウィンドウが表示されている。S45により、対象アプリケーションの入出力は新ウィンドウ上に移動し、対象アプリケーションの出力を表示していた対象フレーム(フレーム52e)の表示は消去されて空白になる。この図において対象フレームの空白部分は、格子状の塗りつぶしで示されている。
【0032】
ここで、新ウィンドウは、対象ウィンドウ上に重なって表示されても良い。また、対象フレームの表示を消去する代わりに、対象フレームを不可視にしても良い。また、対象フレームの表示を消去する代わりに、新ウィンドウで表示中であることを表す文言やアイコン等の図を対象フレームに表示しても良い。また、対象フレームの表示を消去する代わりに、対象フレームに「元に戻す」ボタンを表示しても良い。
【0033】
次に、対象アプリケーションはユーザによる入力装置72の操作に従って、ウィンドウ51b上の入出力を伴う処理を行う(S51)。この処理は例えば、ウィンドウ51b上にデータを表示すること、操作に従ってデータを編集すること、である。
【0034】
従って、対象アプリケーションの入出力は、対象フレームと新ウィンドウのいずれか一つに割り当てられる。これにより、新ウィンドウの表示中、対象フレーム上で編集が行われることはなく、新ウィンドウ上でのみ編集が行われる。
【0035】
図6は、第1の実施形態における表示装置73の画面59の第3状態を示す模式図である。この第3状態は、前述した第2状態の後にS51が実行された状態である。この例は、ウィンドウ51b上で対象アプリケーションのデータが編集された場合を示す。
【0036】
次に、ユーザが入力装置72の操作を行うと、イベント・ハンドラ23は、周辺機器インタフェース13からCPU11が受けた操作情報に応じたイベント(割り込み)をウィンドウ・マネージャ22に通知する(S61)。次に、この割り込みを受け取った第1割り当て部31は、このイベントと記憶装置12に格納されたイベント定義情報とを比較し、このイベントが第2特定操作を示すか否かの判定を行う(S63)。
【0037】
このイベントが第2特定操作を示さない場合(S63,N)、第1割り当て部31はこのフローをS71へ移行させる。
【0038】
このイベントが第2特定操作を示す場合(S63,Y)、第1割り当て部31は第2特定操作が行われたことを検出する。次に、第3割り当て部33は対象アプリケーションの入出力を再び対象フレームに割り当て、新ウィンドウを示すウィンドウ・オブジェクトを削除し、対象フレームを書き込み許可に設定する(S65)。即ち、対象アプリケーションの入出力の割り当て先が新ウィンドウから対象フレームへ変更される。次に、第3割り当て部33はこのフローをS41へ移行させる。
【0039】
S43においてイベントが第1特定操作を示さない場合(S43、N)、又はS63においてイベントが第2特定操作を示さない場合(S63、N)、このイベントが予め定義された終了操作を示すか否かの判定を行う(S71)。このイベントが終了操作を示さない場合(S71,N)、第1割り当て部31はこのイベントに応じた処理を行い(S72)、処理S41へ移行する。このイベントが終了操作を示す場合(S71,Y)、第1割り当て部31はアプリケーション42a,42b,42c,42d,42e及びウィンドウ・マネージャ22の終了処理を行い(S73)、このフローを終了させる。
【0040】
図7は、第1の実施形態における表示装置73の画面59の第4状態を示す模式図である。この第4状態は、前述した第3状態の後にS65までが実行された状態である。対象アプリケーションの入出力が対象フレーム(フレーム52e)に移動することにより、新ウィンドウが削除され、元の対象ウィンドウ及び対象フレームが復元される。第4状態においてウィンドウ51a上のフレーム52a,52b,52c,52d,52eの配置は、第1状態と同一である。
【0041】
ここで、対象ウィンドウは、新ウィンドウ上に重なって表示されても良い。また、新ウィンドウを削除する代わりに、新ウィンドウ上の表示を消去して空白にしても良い。また、新ウィンドウを削除する代わりに、対象フレームを不可視にしても良い。また、対象フレームの表示を消去する代わりに、新ウィンドウで表示中であることを表す文言やアイコン等の図を対象フレームに表示しても良い。また、対象フレームの表示を消去する代わりに、対象フレームに「元に戻す」ボタンを表示しても良い。
【0042】
前述のように、第1状態、第2状態、第3状態、及び第4状態を通して、対象ウィンドウ上の全てのフレームの大きさ及び配置は変わらない。
【0043】
(第2の実施形態)
以下の各実施形態においては、情報処理装置71をソフトウェア開発装置として機能させ、ウィンドウ・マネージャ22を統合開発環境(IDE:Integrated Development Environment)として機能させる例について説明する。以下の各実施形態における情報処理装置71の構成及び動作は、第1の実施形態と同様である。以下の各実施形態において、アプリケーション42a,42b,42c,42d,42eは、ソフトウェア開発のためのソース・コード・エディタ、コンパイラ、リンカ、デバッガ、ファイル・ブラウザのいずれかを含む。
【0044】
この実施形態において、入力装置72はマウスを含む。
【0045】
この実施形態のイベント定義情報に定義された第1特定操作は、ポインティング・デバイスを用いて、対象フレームのバーを対象ウィンドウ外へドラッグ・アンド・ドロップすることである。この実施形態のイベント定義情報は更に、新ウィンドウの大きさを定義する。
【0046】
図8は、第2の実施形態における第1特定操作を示す模式図である。ウィンドウ51a、フレーム52a,52b,52c,52d,52eはそれぞれ、上部にバー56a,56b,56c,56d,56eをそれぞれ有する。第1の実施形態と同様の第1状態において、入力装置72の操作によりマウスカーソル58がフレーム52eのバー56e上に置かれ、そこを開始位置としてウィンドウ51a外を終了位置とするドラッグ・アンド・ドロップ81aが行われたとする。この第1特定操作に応じて、フレーム52eが対象フレームとして選択され、所定の大きさのウィンドウ51bがドラッグ・アンド・ドロップ81aの終了位置に表示される。これにより画面59は、第2状態になる。この例において、ウィンドウ51bの所定の大きさは、イベント定義情報内に予め定義されている。
【0047】
また、この実施形態のイベント定義情報に定義された第2特定操作は、ポインティング・デバイスを用いて、新ウィンドウのバーを対象ウィンドウ上へドラッグ・アンド・ドロップすることである。
【0048】
図9は、第2の実施形態における第2特定操作を示す模式図である。ウィンドウ51bは上部にバー55bを有する。第3状態において、入力装置72の操作によりマウスカーソル58がウィンドウ51bのバー55b上に置かれ、そこを開始位置としてウィンドウ51a上を終了位置とするドラッグ・アンド・ドロップ81bが行われたとする。この第2特定操作に応じて、ウィンドウ51bが削除され、対象アプリケーションの出力が元の対象フレーム(フレーム52e)上に表示される。これにより画面59は、第4状態になる。即ち、対象ウィンドウ上の全てのフレームが第1状態の配置に戻る。
【0049】
なお、第1特定操作は、対象フレームのバーをクリックすることであっても良い。また、第1特定操作は、対象フレームのバーを右クリックすることであっても良い。また、第1特定操作は、対象フレームのバーをダブルクリックすることであっても良い。また、第1特定操作は、対象フレームのバーをクリックすることにより表示されるコンテキストメニューの中から特定項目を選択することであっても良い。
【0050】
また、第2特定操作は、新ウィンドウのバーをクリックすることであっても良い。また、第2特定操作は、新ウィンドウのバーを右クリックすることであっても良い。また、第2特定操作は、新ウィンドウのバーをダブルクリックすることであっても良い。また、第2特定操作は、新ウィンドウのバーをクリックすることにより表示されるコンテキストメニューの中から特定項目を選択することであっても良い。また、第2特定操作は、対象フレーム内に表示された「元に戻す」ボタンをクリックすることであっても良い。
【0051】
(第3の実施形態)
この実施形態において、入力装置72はキーボードを含む。
【0052】
この実施形態のイベント定義情報に定義された第1特定操作は、対象フレームをアクティブにした状態で、キーボードの特定キーを押下することである。この実施形態のイベント定義情報は更に、新ウィンドウの位置及び大きさを定義する。特定キーは、複数のキーの組み合わせであっても良い。
【0053】
図10は、第3の実施形態における第1特定操作を示す模式図である。入力装置72の操作に従って、ウィンドウ51a及びフレーム52eがアクティブになったとする。この図中でアクティブなウィンドウ及びアクティブなフレームの枠は、斜線の塗りつぶしにより示されている。例えば、ユーザが入力装置72を用いてマウスカーソル58をフレーム52e上に置き、クリックすることにより、フレーム52eはアクティブになる。この状態で、キーボードの特定キーが押下されると、アクティブなフレーム52eが対象フレームとして選択され、所定の位置及び所定の大きさの新ウィンドウが表示される。これにより画面59は、第2状態になる。
【0054】
また、この実施形態のイベント定義情報に定義された第2特定操作は、新ウィンドウをアクティブにした状態で、キーボードの特定キーを押下することである。
【0055】
図11は、第3の実施形態における第2特定操作を示す模式図である。入力装置72の操作によりウィンドウ51bがアクティブになっているとする。この図中でアクティブなウィンドウの枠は、斜線の塗りつぶしによって示されている。例えば、ユーザが入力装置72を用いてウィンドウ51b上に表示されたアプリケーション42eのデータを編集することにより、フレーム52eはアクティブになる。このとき、キーボードの特定キーが押下されると、ウィンドウ51bが削除され、対象アプリケーションの出力が元のフレーム52e上に表示される。これにより画面59は、第4状態になる。即ち、フレーム52a,52b,52c,52d,52eはそれぞれ第1状態の配置に戻る。
【0056】
なお、第1特定操作は、特定キーを押しながら対象フレームをクリックすること、であっても良い。また、第2特定操作は、特定キーを押しながら新ウィンドウをクリックすること、であっても良い。
【0057】
(第4の実施形態)
この実施形態において、入力装置72はマウスを含む。
【0058】
この実施形態のイベント定義情報に定義された第1特定操作は、対象フレーム上に配置された特定ボタンがクリックされることである。この実施形態のイベント定義情報は更に、新ウィンドウの位置及び大きさを定義する。この実施形態の起動処理において、第1割り当て部31はフレーム52a,52b,52c,52d,52e上に、特定ボタン58a,58b,58c,58d,58eを示すボタンオブジェクトをそれぞれ生成する。これにより、フレーム52a,52b,52c,52d,52eの右上部に特定ボタン58a,58b,58c,58d,58eがそれぞれ配置される。
【0059】
図12は、第4の実施形態における第1特定操作を示す模式図である。マウスカーソル58が特定ボタン58a上に置かれ、クリックが行われると、イベント定義情報に定義された位置及び大きさに従って新ウィンドウ(ウィンドウ51b)が表示される。このとき、第2割り当て部32はウィンドウ51b上に特定ボタン57bを示すボタンオブジェクトを生成する。これにより、ウィンドウ51bの右上部に特定ボタン57bが配置される。これにより画面59は、第2状態になる。
【0060】
また、この実施形態のイベント定義情報に定義された第2特定操作は、ウィンドウ51b上に配置された特定ボタン57bがクリックされることである。
【0061】
図13は、第4の実施形態における第2特定操作を示す模式図である。マウスカーソル58が特定ボタン57b上に置かれ、クリックが行われると、ウィンドウ51bが消去され、対象アプリケーションの出力がフレーム52e上に表示される。これにより画面59は、第4状態になる。即ち、フレーム52a,52b,52c,52d,52eはそれぞれ第1状態の配置に戻る。
【0062】
なお、第1特定操作は、対象ウィンドウのメニューの中から対象フレームを示す特定項目を選択すること、であっても良い。また、第2特定操作は、新ウィンドウのメニューの中から特定項目を選択すること、であっても良い。
【0063】
第1ウィンドウは例えば、対象ウィンドウである。第2ウィンドウは例えば、新ウィンドウである。
【0064】
前述の各実施形態において、イベント定義情報が新ウィンドウの大きさを定義する場合、且つ新ウィンドウが対象フレームの表示の拡大を目的とする場合、新ウィンドウの大きさは対象フレームの大きさより大きいことが好ましい。これにより、対象フレームが小さく、対象アプリケーションを出力する領域が小さい場合に、対象アプリケーションの出力を新ウィンドウへ移動させることにより、対象アプリケーションを出力する領域を拡大することができる。また、イベント定義情報は、対象フレームの大きさに基づいて新ウィンドウの大きさを算出するアルゴリズムを定義しても良い。例えばこのアルゴリズムは、新ウィンドウの横の長さは対象フレームの横の長さのW倍に設定し、新ウィンドウの縦の長さは対象フレームの縦の長さのH倍に設定する(W,Hはそれぞれ1より大きい数)。また、イベント定義情報は、ドラッグ・アンド・ドロップの方向に基づいて新ウィンドウの位置を算出するアルゴリズムを定義しても良い。例えばこのアルゴリズムは、ドラッグ・アンド・ドロップの方向が右であれば、新ウィンドウは対象ウィンドウの右側に配置する。
【0065】
また、第2特定操作により対象アプリケーションの入出力の割り当て先を新ウィンドウから対象フレームへ戻すことにより、簡単な操作で対象ウィンドウ上の複数のフレームを第1特定操作前の状態に戻すことができる。
【0066】
情報処理プログラム61はコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納されていても良い。このコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、ディスク、半導体メモリを含む。その形態は、情報処理装置71の内部に設けられた記憶装置、情報処理装置71の外部に設けられた記憶装置、可搬型記録媒体、他のコンピュータの記憶装置を含む。例えば、可搬型記録媒体が情報処理プログラム61を格納し、情報処理装置71がこの可搬型記録媒体の読み取り装置を有する場合、情報処理装置71はこの記録媒体から情報処理プログラム61を読み取っても良い。あるいは、他のコンピュータが情報処理プログラム61を格納し、情報処理装置71が通信インタフェースを有し、通信インタフェースが他のコンピュータに接続されている場合、情報処理装置71は他のコンピュータから情報処理プログラム61を受信しても良い。
【0067】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる、これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0068】
11 CPU
12 記憶装置
13 周辺機器インタフェース
14 ディスプレイ・アダプタ
21 プラットフォーム
22 ウィンドウ・マネージャ
23 イベント・ハンドラ
31 第1割り当て部
33 第2割り当て部
34 第3割り当て部
41a,41b,41c,41d,41e プラグイン
42a,42b,42c,42d,42e アプリケーション
51a,51b ウィンドウ
52a,52b,52c,52d,52e フレーム
55a,55b,56a,56b,56c,56d,56e バー
55b,56a,56b,56c,56d,56e 特定ボタン
58 マウスカーソル
59 画面
61 情報処理プログラム
71 情報処理装置
72 入力装置
73 表示装置
81a,81b ドラッグ・アンド・ドロップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画面上に第1ウィンドウを生成し、前記第1ウィンドウ上に複数のフレームを生成し、複数のアプリケーションの入出力を前記複数のフレームに夫々割り当てる第1割り当て部と、
前記複数のフレームから一つの対象フレームを選択する操作を含む第1操作を検出した場合、前記画面上に前記対象フレームより表示領域が大きな第2ウィンドウを生成し、前記複数のアプリケーションのうち前記対象フレームに割り当てられた対象アプリケーションの入出力を前記第2ウィンドウに割り当てる第2割り当て部と、
前記対象アプリケーションが前記第2ウィンドウに割り当てられた後、前記第2ウィンドウの削除を示す第2操作を検出した場合、前記対象アプリケーションの入出力を前記対象フレームに割り当てる第3割り当て部と
を備える表示制御装置。
【請求項2】
前記第3割り当て部は、前記対象アプリケーションの入出力を前記対象フレームに割り当てる場合、前記第2ウィンドウを削除する、
請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記第2割り当て部は、前記対象アプリケーションの入出力を前記第2ウィンドウに割り当てる場合、前記対象フレーム上の前記対象アプリケーションの出力を消去する、
請求項1または請求項2に記載の表示制御装置。
【請求項4】
前記第2割り当て部は、前記第2ウィンドウを生成する場合、前記第1操作に関連付けられた決定方法に基づいて前記第2ウィンドウの位置及び大きさを決定する、
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の表示制御装置。
【請求項5】
前記複数のアプリケーションは、ソフトウェア開発のためのソース・コード・エディタ、コンパイラ、デバッガ、ファイル・ブラウザのいずれかを含む、
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の表示制御装置。
【請求項6】
画面上に第1ウィンドウを生成し、
前記第1ウィンドウ上に複数のフレームを生成し、
複数のアプリケーションの入出力を前記複数のフレームに夫々割り当て、
前記複数のフレームから一つの対象フレームを選択する操作を含む第1操作を検出した場合、前記画面上に前記対象フレームより表示領域が大きな第2ウィンドウを生成し、前記複数のアプリケーションのうち前記対象フレームに割り当てられた対象アプリケーションの入出力を前記第2ウィンドウに割り当て、
前記対象アプリケーションが前記第2ウィンドウに割り当てられた後、前記第2ウィンドウの削除を示す第2操作を検出した場合、前記対象アプリケーションの入出力を前記対象フレームに割り当てる
ことをコンピュータに実行させる表示制御プログラム。
【請求項7】
前記複数のアプリケーションは、ソフトウェア開発のためのソース・コード・エディタ、コンパイラ、デバッガ、ファイル・ブラウザのいずれかを含む、
請求項6に記載の表示制御プログラム。
【請求項8】
コンピュータが、画面上に第1ウィンドウを生成し、
前記コンピュータが、前記第1ウィンドウ上に複数のフレームを生成し、
前記コンピュータが、複数のアプリケーションの入出力を前記複数のフレームに夫々割り当て、
前記コンピュータが、前記複数のフレームから一つの対象フレームを選択する操作を含む第1操作を検出した場合、前記画面上に前記対象フレームより表示領域が大きな第2ウィンドウを生成し、前記複数のアプリケーションのうち前記対象フレームに割り当てられた対象アプリケーションの入出力を前記第2ウィンドウに割り当て、
前記対象アプリケーションが前記第2ウィンドウに割り当てられた後、前記コンピュータが、前記第2ウィンドウの削除を示す第2操作を検出した場合、前記対象アプリケーションの入出力を前記対象フレームに割り当てる
ことを備える表示制御方法。
【請求項9】
前記複数のアプリケーションは、ソフトウェア開発のためのソース・コード・エディタ、コンパイラ、デバッガ、ファイル・ブラウザのいずれかを含む、
請求項8に記載の表示制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−78905(P2012−78905A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−221026(P2010−221026)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(301063496)東芝ソリューション株式会社 (1,478)
【Fターム(参考)】