説明

表示制御装置、表示制御方法、及び表示制御プログラム

【課題】音声対話における対話時間に関する正確な情報を、読み上げ速度や対話の進捗具合に基づいて算出して表示する表示制御装置等を提供する。
【解決手段】対話時間に関する情報を表示する表示制御装置であって、対話の流れを示す情報が記載されたスクリプト文を入力する入力部210と、入力されたスクリプト文を格納するスクリプト情報250と、スクリプト情報250からスクリプト文を読み込んで、全文を平仮名、又はカタカナに変換する変換部220と、変換した結果に基づいて、スクリプト文を読み上げる場合の全発声数を算出し、当該全発声数、当該スクリプト文を読み上げるために実際に発声した実発声数、及び対話に要した実対話時間に基づいて、当該スクリプト文を完結するのに必要な読上時間を算出する読上時間算出部230と、算出された読上時間に関する情報、前記実対話時間、及び/又は前記スクリプト文を読上情報として画面上に表示する表示制御部240とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音声対話を行う際の対話時間に関する情報を表示する表示制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
発信業務型のコールセンターにおいて、電話連絡を多数の相手に対して行う場合は、一般的に、スクリプトフロー(会話の流れを手引きする紙ベースの流れ図)に沿って、話が横道にそれないように進める指導や、机にフローを記した資料を用意してそれ見てメモを取りながら話を進め方法が多い。近年では、コンピュータでスクリプト画面を表示し、相手から得た内容を画面から入力するようなソフトウエアもある。
また、音声対話機能を有し、複数の音声入出力の競合を防止する技術として、特許文献1に示す技術が開示されている。
【特許文献1】特開2008−26621号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記のような、スクリプトフローに沿ってメモを取りながら話を進め方法や、コンピュータでスクリプト画面を表示し、相手から得た内容を画面から入力する方法のいずれの場合においても、着信者の答え方や、着信者の答えそのもの量や質(例:短い住所の場合は、復唱確認時間が短いが、長い住所や、読み方が難しい住所の場合は、入力や復唱確認が長いといった事)の違いにより、着信者から「あとどれくらい時間が必要なのか?」といった問いに対して、大まかな時間を答えられない。また、発信者側も、残り時間の把握ができないことで、気構えができないという課題を有する。
【0004】
特に、不慣れなテレホンオペレータの場合は、残予測時間がわからず、ストレスを感じるケースが多い。また、ベテランテレホンオペレータにおいても、慣れすぎていることで逆に会話の進行を必要以上に早めている場合(早口になっていたり、せっかちに会話を進めていたりすること)があり、気づかないところで相手に不快感を与えているケースもある。
【0005】
また、特許文献1に示す技術は、複数の音声入出力の間の競合を防止することができ、ユーザに対して複数の音声入出力をそれぞれ適正なタイミングで円滑に行うことが可能であるが、文字情報の読み上げに要する時間を算出する場合には、機械による読み上げを行うことが前提となっており、発信業務型のコールセンターにおける対話の場合のように、個性を持った人間が、未知の異なる内容の文字情報を読み上げるときには、対応することができないという課題を有する。
【0006】
そこで、本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、音声対話における対話時間に関する正確な情報を、読み上げ速度や対話の進捗具合に基づいて算出して表示する表示制御装置、表示制御方法、及び表示制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1.表示制御装置)
本願に開示する表示制御装置は、音声対話を行う場合に、対話時間に関する情報を表示する表示制御装置であって、対話の流れを示す情報が記載されたスクリプト文を入力するスクリプト入力手段と、前記スクリプト入力手段が入力したスクリプト文を格納するスクリプト格納手段と、前記スクリプト格納手段が格納するスクリプト文を読み込んで、全文を平仮名、又はカタカナに変換する変換手段と、前記変換手段が変換した結果に基づいて、当該スクリプト文を読み上げる場合の全発声数を算出する発声数算出手段と、前記発声数算出手段が算出した全発声数、当該スクリプト文を読み上げるために実際に発声した実発声数、及び対話に要した実対話時間に基づいて、当該スクリプト文を完結するのに必要な読上時間を算出する読上時間算出手段と、前記読上時間算出手段が算出した読上時間に関する情報、前記実対話時間、及び/又は前記スクリプト文を読上情報として画面上に表示する表示制御手段とを備えるものである。
【0008】
このように、本願に開示する表示制御装置においては、対話の流れを示す情報が記載されたスクリプト文を読み込んで、全文を平仮名、又はカタカナに変換し、変換した結果に基づいて、当該スクリプト文を読み上げる場合の全発声数を算出し、算出した全発声数、当該スクリプト文を読み上げるために実際に発声した実発声数、及び当該実発声数を発声するのに要した実発声時間に基づいて、当該スクリプト文を完結するのに必要な読上時間を算出し、当該読上時間に関する情報、前記実発声時間、及び/又は前記スクリプト文を読上情報として画面上に表示するため、スクリプト文を完結させるのに要する残余時間や、対話の進捗具合を動的に確認しながら対話を行うことができ、発信者が、残り時間の把握ができないことで、気構えができないということがなくなるという効果を奏する。
【0009】
また、不慣れなテレホンオペレータが、残予測時間がわからないことで、ストレスを感じてしまうこともなく、ベテランテレホンオペレータにおいても、慣れすぎていることで逆に会話の進行を必要以上に早めて、相手に不快感を与えているケースを減少させることができるという効果を奏する。
【0010】
さらに、スクリプト文を完結するのに必要な読上時間を算出する場合に、着信者の発声時間を実対話時間として含めているため、着信者の応答時間に従って、対話時間に関する情報(読上時間、実対話時間、残余時間等)を動的に表示することで、着信者の個性や、未知の対話内容の場合であっても、正確な対話時間に関する情報を表示して、業務を効率よく遂行することができるという効果を奏する。
【0011】
(2.文字の表示態様)
本願に開示する表示制御装置は、前記表示制御手段が読上情報として表示するスクリプト文について、実際に発声された言葉と当該スクリプト文に記載された文字が一致する場合に、当該表示されたスクリプト文における実際に発声された文字の表示態様を変更するものである。
【0012】
(3.標準読上情報の表示)
本願に開示する表示制御装置は、前記スクリプト文を完結した場合の読上情報を、読上実績情報として当該スクリプト文ごとに記録する実績情報記録手段を備え、前記表示制御手段が前記読上情報を表示すると共に、当該読上情報として表示されるスクリプト文と同一のスクリプト文についての、前記実績情報記録手段が記録する読上実績情報の平均値を、標準読上情報として表示するものである。
【0013】
(4.スクリプト文の分割)
本願に開示する表示制御装置は、前記スクリプト文を任意の項目に応じて複数のブロックに分割する分割手段と、前記分割手段により複数に分割されたスクリプト文のブロックごとにユニークなキーワードを抽出する抽出手段とを備え、前記読上時間算出手段が、前記抽出手段にて抽出された任意の一のキーワードが発声された場合に、当該任意の一のキーワードを含むブロックが読み上げられた判断して読上時間を算出するものである。
【0014】
これまで、本発明を装置として示したが、所謂当業者であれば明らかであるように本発明を方法、及び、プログラムとして捉えることもできる。これら前記の発明の概要は、本発明に必須となる特徴を列挙したものではなく、これら複数の特徴のサブコンビネーションも発明となり得る。
【0015】
すなわち、本願に開示する表示制御装置の構成要素または構成要素の任意の組合せを、方法、装置、回路、システム、コンピュータプログラム、記録媒体、データ構造などに適用したものも、他の態様として有効である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を説明する。本発明は多くの異なる形態で実施可能である。従って、本実施形態の記載内容のみで本発明を解釈すべきではない。また、本実施形態の全体を通して同じ要素には同じ符号を付けている。
【0017】
以下の実施の形態では、主に装置について説明するが、所謂当業者であれば明らかな通り、本発明は方法、及び、コンピュータを動作させるためのプログラムとしても実施できる。また、本発明はハードウェア、ソフトウェア、または、ハードウェア及びソフトウェアの実施形態で実施可能である。プログラムは、ハードディスク、CD−ROM、DVD−ROM、光記憶装置、または、磁気記憶装置等の任意のコンピュータ可読媒体に記録できる。さらに、プログラムはネットワークを介した他のコンピュータに記録することができる。
【0018】
(本発明の第1の実施形態)
本実施形態に係る表示制御装置について、図1ないし図6を用いて説明する。図1は、本実施形態に係る表示制御装置のハードウェア構成図、図2は、本実施形態に係る表示制御装置の機能ブロック図、図3は、本実施形態に係る表示制御装置のテーブル構成の一例を示す図、図4は、本実施形態に係る表示制御装置の準備段階の動作を示すフローチャート、図5は、本実施形態に係る表示制御装置の業務段階の動作を示すフローチャート、図6は、本実施形態に係る表示制御装置の表示画面の一例を示す図である。
【0019】
(1.構成)
以下、本実施形態に係る表示制御装置の構成について説明する。図1において、コンピュータ1は、CPU(Central Processing Unit)101、RAM(Random Access Memory)102、ROM(Read Only Memory)103、フラッシュメモリ(Flash Memory)104、外部記憶装置であるHD(Hard Disk)105、LAN(Local Area Network)カード106、マウス107、キーボード108、ビデオカード109、このビデオカード109と電気的に接続する表示装置であるディスプレイ109a、サウンドカード110、このサウンドカード110と電気的に接続する音出力装置であるスピーカ/マイク110a及びフレキシブルディスク、CD−ROM、DVD−ROM等の記憶媒体を読み書きするドライブ111からなる。
なお、上記ハードウェア構成はあくまで一例を示したものであり、構成要素の変更をすることができるのは当然である。
【0020】
図2において、表示制御装置200は、入力部210と変換部220と読上時間算出部230と表示制御部240とスクリプト情報250と変換情報260とを備える。
入力部210は、入力情報205の入力を受け付ける処理を行う。入力情報がスクリプト文の場合は、スクリプト情報250に情報を格納し、音声情報や経過時間情報の場合は読上時間算出部230、及び表示制御部240に情報を渡す。
変換部220は、スクリプト情報250の情報に格納されているスクリプト文を平仮名、又は片仮名に変換し、変換情報260に格納する処理を行う。
【0021】
読上時間算出部230は、スクリプト文の全発声数、当該スクリプト文を読み上げるために実際に発声した実発生数、及び対話に要した実対話時間に基づいて、スクリプト文を完結するのに必要な読上時間を算出する処理を行う。つまり、実発声数と実対話時間から読上速度を算出し、全発声数を読上速度で割ると全発声数に対する読上時間を算出することができる。
【0022】
なお、読上時間算出部230が、読上時間を算出する場合に、予め設定されている質問の種別(2択形式の質問、語群選択の質問、内容形式の質問等)に応じて対話相手の回答時間を推定する推定手段を備え、推定された回答時間に基づいて読上時間を算出するようにしてもよい。例えば、2択形式の質問の場合は、「はい」か「いいえ」の回答しかないため、対話相手の回答時間を短く(例えば、3〜5秒程度)設定し、内容形式の質問の場合は、細かい内容を話すため、対話相手の回答時間を長く(例えば、30秒〜1分)設定して読上時間を算出するようにしてもよい。
【0023】
表示制御部240は、読上時間算出部230が算出した読上時間、入力部210が入力した実対話時間、及び/又はスクリプト情報250に格納されるスクリプト文を読上情報としてディスプレイ109aに表示する処理を行う。
【0024】
スクリプト情報250は、入力部210が入力を受け付けたスクリプト文の情報を格納するデータ部である。
変換情報260は、変換部220により、平仮名又は片仮名に変換されたスクリプト文を格納するデータ部である。
【0025】
ここで、スクリプト情報250と変換情報250の構成について詳細に説明する。図3(a)は、スクリプト情報テーブルのテーブル構成例、図3(b)は、変換情報テーブルのテーブル構成例である。図3(a)において、入力されたスクリプト文が文章ごとに区切られて格納されている。ここで格納されている情報は、変換元の情報として利用すると共に、画面に表示するための情報としても利用される。
【0026】
図3(b)において、表示文、表示開始位置、表示の長さ、読み上げ方、及び読み上げ文字数がそれぞれ格納されている。表示文、表示開始位置、及び表示の長さは、読み上げた文字の表示態様を変更する際に利用する情報である。例えば、「わたくし」が音声情報で入力されると、1行目の1文字目から2文字分の表示態様が変更される。読み上げ方は、表示文を平仮名に変更した情報であり、読み上げ文字数は、読み上げに必要な発声数の情報である。つまり、読み上げ文字数を合計したものが、スクリプト文全文を読み上げるための全発声数となる。
以上が、本実施形態に係る表示制御装置の構成についての説明である。
【0027】
(2.動作)
以下に、本実施形態に係る表示制御装置の動作について説明する。図4において、まず、準備段階の処理として、ケース別のスクリプト文が入力部210に入力され、スクリプト情報250に格納される(ステップS41)。ケース別というのは、対話の流れが場面により変化するため、その変化に対応できるように、様々なケースを想定してスクリプト文が入力される。スクリプト情報250に格納されたスクリプト文を全文平仮名、又は片仮名に変換されて、変換情報260に格納される(ステップS42)。
以上が準備段階の処理についての説明である。
【0028】
次に、業務段階における表示制御装置の動作について説明する。まず、これから実施する業務で利用するケースに該当するスクリプト文に対応する変換情報を変換情報260から読み込む(ステップS51)。スクリプト情報250の表示文を表示し、読上時間の初期計算を行う(ステップS52)。読上時間の初期計算の際には、読み上げた実績や経過時間の情報がないため、日本人の平均朗読速度である400文字=1分を用いて読上時間を計算する。つまり、スクリプト文の全文字数(全発声数)が400文字であった場合は、残り時間が60秒で表示される。このとき、スクリプト文の全文を平仮名、又は片仮名に変換し、発声数に基づいて計算される。
なお、初期計算の際には、上述のように日本人の平均朗読速度に基づいて計算してもよいし、発信者の過去の実績情報から、平均の読上速度を抽出して計算してもよい。
【0029】
次に、発信者によりスクリプト文の読み上げが開始され(ステップS53)、読み上げ(対話)に要した経過時間が随時メモリに格納される。読み上げた音声を取得し、音声データを平仮名、又は片仮名に変換する(ステップS54)。音声データと変換情報260(図3における変換情報テーブル)の文字列を比較し(ステップS55)、変換情報テーブルが全て読み上げられていれば業務段階の処理を終了する。音声データと変換情報テーブルの文字列が一致していなければステップS54に戻る。音声データと変換情報テーブルの文字列が一致していれば、表示されているスクリプト文の該当する文字の表示態様を変化させて表示し(ステップS56)、対話の経過時間と読上文字数から読上速度を算出し、残りの読み上げに必要な時間を算出し、対話の経過時間とともにディスプレイ109aに表示する(ステップS57)。例えば、スクリプト文の全文字数(全発声数)が400文字で、52文字を読み上げるのに10秒掛かったとすると、残り時間は、残りの文字数÷今までの読上速度=(400文字−52文字)÷(52文字÷10秒)≒67(秒)となる。ステップS54からステップS57までの処理は、変換情報テーブルが全て読み上げられるか、対話が終了(通話が切断)されるまで繰り返して行われる。
【0030】
上記処理における表示画面の一例を図6に示す。会話進捗状況グラフには、経過時間と残り時間が表示されており、現在の進捗率を視覚により直感的に把握することができる。この会話進捗状況グラフは、対話が進行するに従って常時更新されており、発信者は対話の状況をリアルタイムに把握することができる。例えば、発信者の質問に対する着信者の回答が長い場合には、読上速度が遅くなる(スクリプト文の読み上げは行われないが、経過時間は加算される)ため、常時更新処理が行われることで、リアルタイムに進捗率や残り時間を表示することができる。
【0031】
また、「あー、」や「えー、」等のスクリプト文に関係ない音声や、会話の流れで発生する挨拶等の音声が入力された場合も、スクリプト文の読み上げは行われないが、経過時間は加算されるため、読上速度が遅くなり、常時更新処理が行われることで、進捗率や残り時間をリアルタイムに表示することができる。
【0032】
さらに、スクリプト文は様々なケースに応じて用意されているため、対話の進行パターンの変更に応じてスクリプト文も変更され、スクリプト文の全文字数にも変更が発生する。このような場合であっても、読上情報が常時更新処理されることで、リアルタイムに進捗率や残り時間を表示することができる。
【0033】
スクリプト領域には、スクリプト文が表示されており、発信者はここに表示されたスクリプト文を読み上げて対話を進める。そして、表示されたスクリプト文の文字列と実際の音声データが一致する場合には、一致する文字列の表示態様が変化する。例えば、「わたくし、ふじつうぎんこう」まで読み上げると、表示されているスクリプト文の文字列と、実際の音声データが一致するため、図6に示すように「私、富士通銀行」までの表示態様が変化する。この変化の表示は、音声データと図3(b)の変換情報テーブルとを対応付けることで、容易に制御することができる。つまり、変換情報テーブルの表示開始位置と表示の長さから、音声データと一致するスクリプト文の文字列が、スクリプト領域に表示されているスクリプト文の何文字目から何文字分かを抽出することができるため、該当する文字列の表示態様を変化させればよい。仮に、「おいそがしいところおそれいります、わたくしふじつうぎんこう」と発声した場合は、「おいそがしいところおそれいります」までは表示態様に変化がなく、「わたくしふじつうぎんこう」を発声すると表示態様が変化する。
【0034】
なお、表示態様の変化は、色、フォント、太さ、大きさ、下線、塗りつぶし、点滅、又はそれらの組み合わせ等、発信者が視認できる変化であればよい。
「電話を掛ける」、及び「電話を切る」ボタンは、それぞれ電話を掛けたり電話を切る際にマウスで押下して操作する。
【0035】
なお、上述したように、スクリプト文における<相手の返答>の箇所については、その質問種別から、予め回答時間を推定し、推定した値で会話進捗状況グラフの計算を行ってもよい。例えば、「田中様のお宅でしょうか?」は2択形式の質問であるため、回答時間は短く設定される。また、仮に「○○商品の使い心地はいかがでしたか?」といった質問がある場合は、内容形式の質問であるため、回答時間は長く設定される。
以上が、本実施形態に係る表示制御装置の動作についての説明である。
【0036】
このように、本実施形態に係る表示制御装置によれば、対話の流れを示す情報が記載されたスクリプト文を読み込んで、全文を平仮名、又はカタカナに変換し、変換した結果に基づいて、当該スクリプト文を読み上げる場合の全発声数を算出し、算出した全発声数、当該スクリプト文を読み上げるために実際に発声した実発声数、及び当該実発声数を発声するのに要した実発声時間に基づいて、当該スクリプト文を完結するのに必要な読上時間を算出し、当該読上時間、前記実発声時間、及び/又は前記スクリプト文を読上情報として画面上に表示するため、スクリプト文を完結させるのに要する残余時間や、対話の進捗具合を動的に確認しながら対話を行うことができ、発信者が、残り時間の把握ができないことで、気構えができないということがなくなる。
【0037】
また、不慣れなテレホンオペレータが、残予測時間がわからないことで、ストレスを感じてしまうこともなく、ベテランテレホンオペレータにおいても、慣れすぎていることで逆に会話の進行を必要以上に早めて、相手に不快感を与えているケースを減少させることができる。
【0038】
さらに、スクリプト文を完結するのに必要な読上時間を算出する場合に、着信者の発声時間を実対話時間として含めているため、着信者の応答時間に従って、対話時間に関する情報(読上時間、実対話時間、残余時間等)を動的に表示することで、着信者の個性や、未知の対話内容の場合であっても、正確な対話時間に関する情報を表示して、業務を効率よく遂行することができる。
【0039】
さらにまた、実際に発声された言葉とスクリプト文に記載された文字が一致する場合に、当該表示されたスクリプト文における実際に発声された文字の表示態様を変更するため、発信者が同じ行を重複して読み上げてしまったり、行を読み飛ばしてしまうといったことを防止することができる。
【0040】
さらにまた、スクリプト文における質問の種別を特定し、特定された質問種別に応じて、対話相手の回答時間を推定し、推定された対話相手の回答時間に基づいて読上時間を算出するため、2択形式(例えば、はい/いいえ)の質問、語群選択(例えば、ア〜エから1つを選択)の質問、内容形式(例えば、感想を問う)の質問等に応じた正確な読上時間を算出することができ、より正確な対話時間に関する情報を表示することができる。
【0041】
(本発明の第2の実施形態)
本実施形態に係る表示制御装置について、図7及び図8を用いて説明する。図7は、本実施形態に係る表示制御装置の機能ブロック図、図8は、本実施形態に係る表示制御装置の表示画面の一例を示す図である。
【0042】
図7において、第1の実施形態に係る表示制御装置の機能ブロック図(図2)と比較して、実績情報710を新たに構成要素として備えている。
実績情報710は、一又は複数のオペレータが行った業務の実績情報が格納されているデータ部である。実績情報には、一又は複数のオペレータが過去に行ったスクリプト文ごとの実績情報が含まれており、具体的には対話に要した時間、読上速度、進捗情報等が含まれる。これらの情報は、入力部210、及び読上時間算出部230から入力され、表示制御部240に出力されてディスプレイ109aに表示される。なお、表示する際に、複数のオペレータの実績情報が格納されている場合には、その平均値を表示してもよい。
【0043】
実績情報が表示される場合の表示画面の一例について説明する。図8において、図6の場合と比較して、基準グラフが新たに表示されている。この基準グラフが実績情報710に基づいて表示される情報である。つまり、過去の実績の平均のグラフを基準グラフとして表示することで、進捗の程度や目標とする読上速度を常に確認することができ、対話の目安にすることができる。
【0044】
図8の場合、基準グラフのほうが、会話進捗グラフに比べて進捗が進んでいる。つまり、過去の実績情報と比較して、現在の進捗が遅れていることが直感的にわかる。発信者は、進捗が遅れていることを認識することで、以降の対話をなるべく早く進めるように勤めることができる。
【0045】
なお、ここでは、同じ時間における読み上げの進み具合を進捗情報として基準グラフにより示しているが、同じスクリプト文の同じ文字数を発声するのに、過去の実績情報ではどれくらいの時間を要したかを表示してもよい。
【0046】
また、実績情報の平均値等をそのまま表示してもよいし、実績情報に基づく目標値(目安となる値)を算出して表示してもよい。特に、目標値を表示することは、1日のノルマ件数があるような場合に有効である。例えば、1日に50件のノルマがあるような場合には、1件を5分程度でおわらせる必要があるため、基準となる目標時間を設けることで、対話の速度を調整して業務を効率よく遂行することができる。
【0047】
さらに、本実施形態に係る表示制御装置の動作は、第1の実施形態と同様であり、読上情報を表示すると共に、過去の実績情報に基づいた読上情報(基準グラフや対話に要した時間)を表示する点が異なる。
さらにまた、どの程度の進捗の遅れや進みが発生しているかを算出して表示してもよい。
【0048】
(本発明の第3の実施形態)
本実施形態に係る表示制御装置について、図9ないし図12を用いて説明する。図9は、本実施形態に係る表示制御装置の機能ブロック図、図10は、本実施形態に係る表示制御装置の準備段階の動作を示すフローチャート、図11は、本実施形態に係る表示制御装置の業務段階の動作を示すフローチャート、図12は、本実施形態に係る表示制御装置の表示画面の一例を示す図である。
【0049】
本実施形態においては、スクリプト文を任意の項目に応じて複数のブロックに分割し、ブロックごとにユニークなキーワードを抽出する。それらの情報を用いて、より正確な読上情報を表示するものである。発信者が業務を進める上で、スクリプト文に記載された順番で対話が進めばよいが、会話の流れ上、スクリプト文の順番通りに対話が進まないこともある。例えば、スクリプト文においては、最後の方にある質問を、会話の流れ上、最初の方でしてしまうことがある。このような場合に、実際はスクリプト文を読み上げているにも関わらず、進捗に反映されないと、残り時間の算出が実際の値とずれを生じてしまう可能性がある。本実施形態においては、スクリプト文の順番に関わらず、読み上げられたスクリプト文のブロックについては、進捗に反映する。
【0050】
(1.構成)
図9において、第2の実施形態に係る表示制御装置の機能ブロック図(図7)と比較して、分割部910とキーワード抽出部920を新たに構成要素として備えている。
分割部910は、スクリプト情報250に格納されているスクリプト文を、任意の項目(例えば、質問ごと)に応じて、複数のブロックに分割する処理を行う。分割された情報は、キーワード抽出部920に渡されると共に、スクリプト情報250に格納される。
【0051】
キーワード抽出部920は、分割部910で分割されたブロックごとにユニークなキーワードを抽出する処理を行う。抽出されたキーワードは、分割された情報と共にスクリプト情報250に格納される。
【0052】
読上時間算出部230は、入力された音声データに、キーワード抽出部920で抽出されたキーワードが含まれているかどうかを判断し、含まれていなければ、スクリプト文が読み上げられていない(話が横道に逸れている)として、進捗を進めず(文字数をカウントせず)、含まれていれば、そのキーワードを含むスクリプト文が読み上げられているとして、進捗を進めて(文字数をカウントして)、読上時間の算出を行う。
【0053】
スクリプト情報250は、入力部210が入力を受け付けたスクリプト文の情報を格納すると共に、分割部910で複数に分割された情報、及びキーワード抽出部920で抽出されたキーワードを格納する。
【0054】
変換情報260は、変換部220により、平仮名又は片仮名に変換されたスクリプト文を格納すると共に、分割部910で複数に分割された情報、及びキーワード抽出部920で抽出されたキーワードを格納する。このとき、キーワードは平仮名又は片仮名に変換されている。
入力部210、変換部220、表示制御部240、及び実績情報710の機能は、第1又は第2の実施形態と同様であるため説明は省略する。
【0055】
(2.動作)
図10において、まず、準備段階の処理として、ケース別のスクリプト文が入力部210に入力され、スクリプト情報250に格納される(ステップS1001)。スクリプト情報250に格納されたスクリプト文を分割部910が任意の項目に応じて複数のブロックに分割し、ブロックごとにユニークなキーワードを抽出する(ステップS1002)。変換部220により、スクリプト文がブロックごとに全文平仮名、又は片仮名に変換されて、変換情報260に格納される(ステップS1003)。このとき、キーワードも平仮名、又は片仮名に変換されて、変換情報260に格納される。
【0056】
なお、ユニークなキーワードの抽出ができない場合もあり得るため、スクリプト文を作成する際にユニークなキーワードを予めスクリプト文に随所に挿入しておくことで対応するようにしてもよい。
【0057】
また、各ブロックの先頭にユニークなキーワードが挿入されるようにすることで、音声データとキーワードの対応付けを、ブロックの冒頭が読上げられた段階で行うことができ、よりリアルな対話時間を表示することができる。従って、ブロックの先頭文字列(例えば、会話の切り出し方等)が、ブロックごとにユニークになるようにスクリプト文を作成しておくことが望ましい。
以上が準備段階の処理についての説明である。
【0058】
次に、業務段階における表示制御装置の動作について説明する。まず、これから実施する業務で利用するケースに該当するスクリプト文に対応する変換情報を変換情報260から読み込む(ステップS1101)。スクリプト情報250の表示文を表示し、読上時間の初期計算を行う(ステップS1102)。読上時間の初期計算方法は、上記第1の実施形態に場合と同じである。次に、発信者によりスクリプト文の読み上げが開始され(ステップS1103)、読み上げ(対話)に要した経過時間が随時メモリに格納される。読み上げた音声を取得し、音声データを平仮名、又は片仮名に変換する(ステップS1104)。変換した音声データの文字列に、キーワード抽出部920が抽出したキーワードが含まれるかどうかを判定し(ステップS1105)、含まれていなければステップS1104に戻る。含まれていれば、キーワードを含むブロックのスクリプト文を変換情報260(図3の変換情報テーブル)から抽出し(ステップS1106)、読み上げた音声データと抽出したスクリプト文とを比較する(ステップS1107)。
【0059】
変換情報テーブルが全て読み上げられていれば業務段階の処理を終了する。音声データと変換情報テーブルの文字列が一致していなければステップS1104に戻る。音声データと変換情報テーブルの文字列が一致していれば、表示されているスクリプト文の該当する文字の表示態様を変化させて表示し(ステップS1108)、対話の経過時間と読上文字数から読上速度を算出し、残りの読み上げに必要な時間を算出し、対話の経過時間とともにディスプレイ109aに表示する(ステップS1109)。ステップS1104からステップS1109までの処理は、変換情報テーブルが全て読み上げられるか、対話が終了(通話が切断)されるまで繰り返して行われる。
【0060】
上記処理における表示画面の一例を図12に示す。ここでは、スクリプト領域が質問ごとに複数のブロック(領域1〜領域3)に分割されて表示されている。また、領域1のキーワードが「この度」、領域2のキーワードが「兄弟」、領域3のキーワードが「家族」であり、ユニークなキーワードとして抽出されているとする。
【0061】
対話の中で、「このたび」という音声データが入力されると、抽出されたキーワードと比較して、領域1の「この度」と一致すると判断されると、領域1のブロックが読み上げられていると判断して、読上時間の算出を行う。他の領域についても同様に、「きょうだい」という音声データが入力されると、領域2のブロックが読み上げられていると判断し、「かぞく」という音声データが入力されると、領域3のブロックが読み上げられていると判断される。
【0062】
図12においては、領域1の背景と領域3の背景色が変更されている。これは、読み上げられたブロックについては背景色を変更しているためである。つまり、図12においては、話の流れ上、領域1と領域3については先に読み上げが完了し、本来であれば領域1のブロックの後で、領域3のブロックの前に完了すべき領域2については読み上げが完了していないことを示す。このように、読み上げ済みのブロックと読み上げが未完のブロックを明確に表示することで、再び同じ質問を行ってしまったり、不要な質問を行うことを防止することが可能となる。
【0063】
このように、本実施形態に係る表示制御装置によれば、スクリプト文を任意の項目に応じて複数のブロックに分割し、ブロックごとにユニークなキーワードを抽出し、抽出された任意の一のキーワードが発声された場合に、当該任意の一のキーワードを含む、ブロックが読み上げられたと判断して読上時間を算出するため、対話の流れ上スクリプト文の順番通りに対話が進まず、例えばスクリプト文の最後の質問を対話の最初の方で行ったような場合であっても、消化されたスクリプト文については、確実に読上時間として計上され、対話時間に関する情報を正確に表示することができる。
【0064】
また、読上時間算出手段にて読み上げられたと判断されたブロックについて、当該ブロックの読み上げが完結した場合には、当該ブロックの表示態様を変更して表示するため、読み上げ済みのブロックと読み上げが未完のブロックとを明確に区別して表示することができ、再び同じ質問を行ってしまったり、不要な質問を行うことを防止することすることができると共に、スクリプト文に記載された順番で対話が進まないような場合であっても、発信者が対話全体の流れを質問単位で把握することができるため、発信者の気持ちを安定させて、効率的な業務を遂行することができるという効果を奏する。
【0065】
なお、上記実施形態に示すように、読み上げた文字列の表示態様を変更することで、読み上げた文字と読み上げていない文字を区別することが可能であるが、ブロックの背景色等も併せて変更することで、読み上げ済みかどうかの把握をより明確で確実に行うことができる。
【0066】
(その他の実施形態)
(1.属性の表示)
本実施形態に係る表示制御装置について、図13を用いて説明する。図13は、本実施形態に係る表示制御装置の表示画面の一例を示す図である。
図13において、画面上に本人属性と相手属性が表示されている。この属性は、実対話時間、当該実対話時間で発声した発声数、及び/又は当該実対話時間に対するスクリプト文の読上時間の割合等から決定される。
【0067】
例えば、実対話時間が長い場合は、対話相手が、対話に対して好感を持っており、実対話時間が短い場合は、対話に対して嫌悪感を持っていると判断することができる。また、実対話時間で発声した発声数により、対話が早口で行われているかゆっくりとした口調で行われているかを判断することができる。これは、発信者側も着信者側も同様に判断することができる。対話が早口である場合には、せっかち型の人であると判断され、対話がゆっくりとした口調である場合には、おっとり型の人であると判断される(図13に例示)。
【0068】
さらに、実対話時間に対するスクリプト文の読上時間の割合により、割合が高ければ、横道に逸れず本題を中心に対話が行われ、割合が低ければ、横道に逸れた話題が多く行われたことになる。横道に逸れた話題が多く行われた場合には、その対話相手が話し好きな性格であると判断することができる(図13の相手属性に例示)。
【0069】
これらの判断結果を対話者の属性として画面に表示する。場合によっては、例えば、「話し好き」で且つ「せっかち」という属性が表示される場合もある。つまり、上記の判断により複数の属性が決定される場合もある(図13に例示)。発信者側は、これらの属性を参考にしながら、対話のペースを調整したり、相手の性格に合わせた対話を行うことができる。
なお、この属性の表示は、対話の状況に応じてリアルタイムに変更してもよいし、対話が開始されてから、現時点までの平均データから属性を決定して表示してもよい。
【0070】
このように、本実施形態に係る表示制御装置によれば、実対話時間、当該実対話時間で発声した発声数、及び/又は当該実対話時間に対するスクリプト文の読上時間の割合に基づいて、対話者の属性を設定して表示するため、発信者、及び着信者の対話属性(おっとり型、せっかち型等)に応じて対話を進めることができ、業務が効率良く遂行できる。
【0071】
以上の前記各実施形態により本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は実施形態に記載の範囲には限定されず、これら各実施形態に多様な変更又は改良を加えることが可能である。そして、かような変更又は改良を加えた実施の形態も本発明の技術的範囲に含まれる。このことは、特許請求の範囲及び課題を解決する手段からも明らかなことである。
【0072】
(2.付記)
前記各実施形態に関して次の付記を示す。
(付記1)音声対話を行う場合に、対話時間に関する情報を表示する表示制御装置であって、対話の流れを示す情報が記載されたスクリプト文を入力するスクリプト入力手段と、前記スクリプト入力手段が入力したスクリプト文を格納するスクリプト格納手段と、前記スクリプト格納手段が格納するスクリプト文を読み込んで、全文を平仮名、又はカタカナに変換する変換手段と、前記変換手段が変換した結果に基づいて、当該スクリプト文を読み上げる場合の全発声数を算出する発声数算出手段と、前記発声数算出手段が算出した全発声数、当該スクリプト文を読み上げるために実際に発声した実発声数、及び対話に要した実対話時間に基づいて、当該スクリプト文を完結するのに必要な読上時間を算出する読上時間算出手段と、前記読上時間算出手段が算出した読上時間に関する情報、前記実対話時間、及び/又は前記スクリプト文を読上情報として画面上に表示する表示制御手段とを備える表示制御装置。
【0073】
(付記2)付記1に記載の表示制御装置において、前記表示制御手段が読上情報として表示するスクリプト文について、実際に発声された言葉と当該スクリプト文に記載された文字が一致する場合に、当該表示されたスクリプト文における実際に発声された文字の表示態様を変更する表示制御装置。
【0074】
(付記3)付記1又は2に記載の表示制御装置において、前記スクリプト文を完結した場合の読上情報を、読上実績情報として当該スクリプト文ごとに記録する実績情報記録手段を備え、前記表示制御手段が前記読上情報を表示すると共に、当該読上情報として表示されるスクリプト文と同一のスクリプト文についての、前記実績情報記録手段が記録する読上実績情報の平均値を、標準読上情報として表示する表示制御装置。
【0075】
(付記4)付記1ないし3のいずれかに記載の表示制御装置において、前記スクリプト文を任意の項目に応じて複数のブロックに分割する分割手段と、前記分割手段により複数に分割されたスクリプト文のブロックごとにユニークなキーワードを抽出する抽出手段とを備え、前記読上時間算出手段が、前記抽出手段にて抽出された任意の一のキーワードが発声された場合に、当該任意の一のキーワードを含むブロックが読み上げられたと判断して読上時間を算出する表示制御装置。
【0076】
(付記5)付記4に記載の表示制御装置において、前記表示制御手段が、前記読上時間算出手段にて読み上げられたと判断されたブロックについて、当該ブロックの読み上げが完結した場合には、当該ブロックの表示態様を変更して表示する表示制御装置。
【0077】
(付記6)付記1ないし5のいずれかに記載の表示制御装置において、前記スクリプト文における質問の種別を特定する質問種別特定手段と、前記質問種別特定手段が特定する質問種別に応じて、対話相手の回答時間を推定する推定手段とを備え、前記読上時間算出手段が、前記推定手段が推定した対話相手の回答時間に基づいて読上時間を算出する表示制御装置。
【0078】
(付記7)付記1ないし6のいずれかに記載の表示制御装置において、前記実対話時間、当該実対話時間で発声した発声数、及び/又は当該実対話時間に対するスクリプト文の読上時間の割合に基づいて、対話者の属性を設定して表示する表示制御装置。
【0079】
(付記8)音声対話を行う場合に、対話時間に関する情報を表示する表示制御方法であって、対話の流れを示す情報が記載されたスクリプト文を入力するスクリプト入力ステップと、前記スクリプト入力ステップで入力されたスクリプト文を格納し、当該格納されたスクリプト文を読み込んで、全文を平仮名、又はカタカナに変換する変換ステップと、前記変換ステップで変換された結果に基づいて、当該スクリプト文を読み上げる場合の全発声数を算出する発声数算出ステップと、前記発声数算出ステップで算出された全発声数、当該スクリプト文を読み上げるために実際に発声した実発声数、及び当該実発声数を発声するのに要した実発声時間に基づいて、当該スクリプト文を完結するのに必要な読上時間を算出する読上時間算出ステップと、前記読上時間算出ステップで算出された読上時間に関する情報、前記実発声時間、及び/又は前記スクリプト文を読上情報として画面上に表示する表示制御ステップとを含む表示制御方法。
【0080】
(付記9)付記8に記載の表示制御方法において、前記表示制御ステップで読上情報として表示されるスクリプト文について、実際に発声された言葉と当該スクリプト文に記載された文字が一致する場合に、当該表示されたスクリプト文における実際に発声された文字の表示態様を変更する表示制御方法。
【0081】
(付記10)付記8又は9に記載の表示制御方法において、前記スクリプト文を完結した場合の読上情報を、読上実績情報として当該スクリプト文ごとに記録し、前記表示制御ステップで前記読上情報が表示されると共に、当該読上情報として表示されるスクリプト文と同一のスクリプト文についての、前記記録された読上実績情報の平均値を、標準読上情報として表示する表示制御方法。
【0082】
(付記11)付記8ないし10のいずれかに記載の表示制御方法において、前記スクリプト文を任意の項目に応じて複数のブロックに分割する分割ステップと、前記分割ステップで複数に分割されたスクリプト文のブロックごとにユニークなキーワードを抽出する抽出ステップとを含み、前記読上時間算出ステップで、前記抽出ステップにて抽出された任意の一のキーワードが発声された場合に、当該任意の一のキーワードを含むブロックが読み上げられたと判断して読上時間が算出される表示制御方法。
【0083】
(付記12)付記11に記載の表示制御方法において、前記表示制御ステップが、前記読上時間算出ステップにて読み上げられたと判断されたブロックについて、当該ブロックの読み上げが完結した場合には、当該ブロックの表示態様を変更して表示する表示制御方法。
【0084】
(付記13)付記8ないし12のいずれかに記載の表示制御方法において、前記スクリプト文における質問の種別を特定する質問種別特定ステップと、前記質問種別特定ステップで特定された質問種別に応じて、対話相手の回答時間を推定する推定ステップとを含み、前記読上時間算出ステップで、前記推定ステップにて推定された対話相手の回答時間に基づいて読上時間が算出される表示制御方法。
【0085】
(付記14)付記8ないし13のいずれかに記載の表示制御方法において、前記実対話時間、当該実対話時間で発声した発声数、及び/又は当該実対話時間に対するスクリプト文の読上時間の割合に基づいて、対話者の属性を設定して表示する表示制御方法。
【0086】
(付記15)音声対話を行う場合に、対話時間に関する情報を表示するようにコンピュータを機能させる表示制御プログラムであって、対話の流れを示す情報が記載されたスクリプト文を入力するスクリプト入力手段、前記スクリプト入力手段が入力したスクリプト文を格納するスクリプト格納手段、前記スクリプト格納手段が格納するスクリプト文を読み込んで、全文を平仮名、又はカタカナに変換する変換手段、前記変換手段が変換した結果に基づいて、当該スクリプト文を読み上げる場合の全発声数を算出する発声数算出手段、前記発声数算出手段が算出した全発声数、当該スクリプト文を読み上げるために実際に発声した実発声数、及び当該実発声数を発声するのに要した実発声時間に基づいて、当該スクリプト文を完結するのに必要な読上時間を算出する読上時間算出手段、前記読上時間算出手段が算出した読上時間に関する情報、前記実発声時間、及び/又は前記スクリプト文を読上情報として画面上に表示する表示制御手段としてコンピュータを機能させる表示制御プログラム。
【0087】
(付記16)付記15に記載の表示制御プログラムにおいて、前記表示制御手段が読上情報として表示するスクリプト文について、実際に発声された言葉と当該スクリプト文に記載された文字が一致する場合に、当該表示されたスクリプト文における実際に発声された文字の表示態様を変更する表示制御プログラム。
【0088】
(付記17)付記15又は16に記載の表示制御プログラムにおいて、前記スクリプト文を完結した場合の読上情報を、読上実績情報として当該スクリプト文ごとに記録する実績情報記録手段としてコンピュータを機能させ、前記表示制御手段が前記読上情報を表示すると共に、当該読上情報として表示されるスクリプト文と同一のスクリプト文についての、前記実績情報記録手段が記録する読上実績情報の平均値を、標準読上情報として表示する表示制御プログラム。
【0089】
(付記18)付記15ないし17のいずれかに記載の表示制御プログラムにおいて、前記スクリプト文を任意の項目に応じて複数のブロックに分割する分割手段、前記分割手段により複数に分割されたスクリプト文のブロックごとにユニークなキーワードを抽出する抽出手段としてコンピュータを機能させ、前記読上時間算出手段が、前記抽出手段にて抽出された任意の一のキーワードが発声された場合に、当該任意の一のキーワードを含むブロックが読み上げられたと判断して読上時間を算出する表示制御プログラム。
【0090】
(付記19)付記18に記載の表示制御プログラムにおいて、前記表示制御手段が、前記読上時間算出手段にて読み上げられたと判断されたブロックについて、当該ブロックの読み上げが完結した場合には、当該ブロックの表示態様を変更して表示する表示制御プログラム。
【0091】
(付記20)付記15ないし19のいずれかに記載の表示制御プログラムにおいて、前記スクリプト文における質問の種別を特定する質問種別特定手段、前記質問種別特定手段が特定する質問種別に応じて、対話相手の回答時間を推定する推定手段としてコンピュータを機能させ、前記読上時間算出手段が、前記推定手段が推定した対話相手の回答時間に基づいて読上時間を算出する表示制御プログラム。
【0092】
(付記21)付記15ないし20のいずれかに記載の表示制御プログラムにおいて、前記実対話時間、当該実対話時間で発声した発声数、及び/又は当該実対話時間に対するスクリプト文の読上時間の割合に基づいて、対話者の属性を設定して表示する表示制御プログラム。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】第1の実施形態に係る表示制御装置のハードウェア構成図である。
【図2】第1の実施形態に係る表示制御装置の機能ブロック図である。
【図3】第1の実施形態に係る表示制御装置のテーブル構成の一例を示す図である。
【図4】第1の実施形態に係る表示制御装置の準備段階の動作を示すフローチャートである。
【図5】第1の実施形態に係る表示制御装置の業務段階の動作を示すフローチャートである。
【図6】第1の実施形態に係る表示制御装置の表示画面の一例を示す図である。
【図7】第2の実施形態に係る表示制御装置の機能ブロック図である。
【図8】第2の実施形態に係る表示制御装置の表示画面の一例を示す図である。
【図9】第3の実施形態に係る表示制御装置の機能ブロック図である。
【図10】第3の実施形態に係る表示制御装置の準備段階の動作を示すフローチャートである。
【図11】第3の実施形態に係る表示制御装置の業務段階の動作を示すフローチャートである。
【図12】第3の実施形態に係る表示制御装置の表示画面の一例を示す図である。
【図13】その他の実施形態に係る表示制御装置の表示画面の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0094】
1 コンピュータ
101 CPU
102 RAM
103 ROM
104 フラッシュメモリ
105 HD
106 LANカード
107 マウス
108 キーボード
109 ビデオカード
109a ディスプレイ
110 サウンドカード
110a スピーカ/マイク
111 ドライブ
200 表示制御装置
205 入力情報
210 入力部
220 変換部
230 読上時間算出部
240 表示制御部
250 スクリプト情報
260 変換情報
710 実績情報
910 分割部
920 キーワード抽出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
音声対話を行う場合に、対話時間に関する情報を表示する表示制御装置であって、
対話の流れを示す情報が記載されたスクリプト文を入力するスクリプト入力手段と、
前記スクリプト入力手段が入力したスクリプト文を格納するスクリプト格納手段と、
前記スクリプト格納手段が格納するスクリプト文を読み込んで、全文を平仮名、又はカタカナに変換する変換手段と、
前記変換手段が変換した結果に基づいて、当該スクリプト文を読み上げる場合の全発声数を算出する発声数算出手段と、
前記発声数算出手段が算出した全発声数、当該スクリプト文を読み上げるために実際に発声した実発声数、及び対話に要した実対話時間に基づいて、当該スクリプト文を完結するのに必要な読上時間を算出する読上時間算出手段と、
前記読上時間算出手段が算出した読上時間に関する情報、前記実対話時間、及び/又は前記スクリプト文を読上情報として画面上に表示する表示制御手段とを備える表示制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の表示制御装置において、
前記表示制御手段が読上情報として表示するスクリプト文について、実際に発声された言葉と当該スクリプト文に記載された文字が一致する場合に、当該表示されたスクリプト文における実際に発声された文字の表示態様を変更する表示制御装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の表示制御装置において、
前記スクリプト文を完結した場合の読上情報を、読上実績情報として当該スクリプト文ごとに記録する実績情報記録手段を備え、
前記表示制御手段が前記読上情報を表示すると共に、当該読上情報として表示されるスクリプト文と同一のスクリプト文についての、前記実績情報記録手段が記録する読上実績情報の平均値を、標準読上情報として表示する表示制御装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の表示制御装置において、
前記スクリプト文を任意の項目に応じて複数のブロックに分割する分割手段と、
前記分割手段により複数に分割されたスクリプト文のブロックごとにユニークなキーワードを抽出する抽出手段とを備え、
前記読上時間算出手段が、前記抽出手段にて抽出された任意の一のキーワードが発声された場合に、当該任意の一のキーワードを含むブロックが読み上げられたと判断して読上時間を算出する表示制御装置。
【請求項5】
音声対話を行う場合に、対話時間に関する情報を表示する表示制御方法であって、
対話の流れを示す情報が記載されたスクリプト文を入力するスクリプト入力ステップと、
前記スクリプト入力ステップで入力されたスクリプト文を格納し、当該格納されたスクリプト文を読み込んで、全文を平仮名、又はカタカナに変換する変換ステップと、
前記変換ステップで変換された結果に基づいて、当該スクリプト文を読み上げる場合の全発声数を算出する発声数算出ステップと、
前記発声数算出ステップで算出された全発声数、当該スクリプト文を読み上げるために実際に発声した実発声数、及び当該実発声数を発声するのに要した実発声時間に基づいて、当該スクリプト文を完結するのに必要な読上時間を算出する読上時間算出ステップと、
前記読上時間算出ステップで算出された読上時間に関する情報、前記実発声時間、及び/又は前記スクリプト文を読上情報として画面上に表示する表示制御ステップとを含む表示制御方法。
【請求項6】
請求項5に記載の表示制御方法において、
前記表示制御ステップで読上情報として表示されるスクリプト文について、実際に発声された言葉と当該スクリプト文に記載された文字が一致する場合に、当該表示されたスクリプト文における実際に発声された文字の表示態様を変更する表示制御方法。
【請求項7】
音声対話を行う場合に、対話時間に関する情報を表示するようにコンピュータを機能させる表示制御プログラムであって、
対話の流れを示す情報が記載されたスクリプト文を入力するスクリプト入力手段、
前記スクリプト入力手段が入力したスクリプト文を格納するスクリプト格納手段、
前記スクリプト格納手段が格納するスクリプト文を読み込んで、全文を平仮名、又はカタカナに変換する変換手段、
前記変換手段が変換した結果に基づいて、当該スクリプト文を読み上げる場合の全発声数を算出する発声数算出手段、
前記発声数算出手段が算出した全発声数、当該スクリプト文を読み上げるために実際に発声した実発声数、及び当該実発声数を発声するのに要した実発声時間に基づいて、当該スクリプト文を完結するのに必要な読上時間を算出する読上時間算出手段、
前記読上時間算出手段が算出した読上時間に関する情報、前記実発声時間、及び/又は前記スクリプト文を読上情報として画面上に表示する表示制御手段としてコンピュータを機能させる表示制御プログラム。
【請求項8】
請求項7に記載の表示制御プログラムにおいて、
前記表示制御手段が読上情報として表示するスクリプト文について、実際に発声された言葉と当該スクリプト文に記載された文字が一致する場合に、当該表示されたスクリプト文における実際に発声された文字の表示態様を変更する表示制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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