説明

表示制御装置、表示制御方法及びプログラム

【課題】 ユーザが表示画面を用いて多数の画像の中から所望の画像を検索する際には画像の絞り込みを行う必要があるが、単にグラフを表示しただけでは絞り込みが困難となることがあった。
【解決手段】 画像の検索のためのグラフを作成する際に、画像の属性情報を取得して、所定の属性情報を有する画像の数を画像の内容または属性を示す表示項目の数で示したグラフを作成する。これによりグラフから得られる情報に加えて、グラフを形成する表示項目が示す画像の内容または属性を確認しながら画像の絞りこみをすることができるため、ユーザは所望の画像をより容易に検索することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
記憶媒体に記憶された画像を表示装置に表示させる表示制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年デジタルカメラに使用される記憶媒体の記憶可能な容量は年々大きくなり、記憶媒体に記憶される画像の枚数は増加している。よって、記憶媒体に記憶された大量の画像をデジタルカメラや印刷装置で取り扱うシーンも近年よく見られるようになり、例えばユーザが画像の内容を確認して大量の画像から所望の画像を検索する場合がある。ところが画像の一覧表示を行ったとしても画像の細かな内容を把握することが難しく、ユーザが所望の画像を選択することが困難な場合があった。よって画像を検索する際にユーザが画像の絞り込みを行える技術が求められている。
【0003】
このような状況に対応する技術として例えば特許文献1に記載の技術が提案されている。この技術では、撮影日時等の画像の属性情報を元に画像を振り分け、属性情報とそこに振り分けられた画像の枚数とを示す棒グラフを表示している。これにより画像の枚数を参照しながら所望の画像がどの属性情報に含まれるのかを予測することができる。また、さらにこの技術では、棒グラフの一部を選択すると選択された領域に対応付けられた画像を表示することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−134578号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら上記従来技術においては、所望の画像の属性情報を単に棒グラフが示す画像の枚数を参照して予測するにすぎず十分でない。例えば撮影日付で画像を振り分けた場合に、連日、同程度の枚数を撮影していた場合には、ユーザが棒グラフから所望の画像の撮影日付を予測するのは難しい。よって、ユーザは棒グラフのうち所望の画像に対応した領域を選択するのが困難となり、棒グラフの表示と画像の表示とを繰り返し行って所望の画像を検索するという手間をかけなければならず、操作が煩雑になってしまうという問題があった。
【0006】
本発明は上記の問題を鑑みてなされたものであり、ユーザが表示画面を用いて複数の画像の中から所望の画像を検索する場合に、より容易に画像の検索を行うことができる表示制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために本発明は、記憶媒体に記憶された画像を表示装置に表示させる表示制御方法であって、記憶媒体に記憶された複数の画像の属性情報を取得して、前記複数の画像のうち所定の属性情報を有する画像を抽出し、前記抽出された画像の数を画像のそれぞれに対応し前記画像の内容または属性を示す表示項目の数で示したグラフを表示装置に表示させる第1の表示制御工程と、前記グラフに含まれる表示項目のうち入力した指示に応じて指定された表示項目に対応した画像を前記記憶媒体から読込み、前記表示装置に表示させる第2の表示制御工程と、を有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、画像の検索のためのグラフを形成する表示項目が画像の内容や属性を示すため、表示画面を用いて複数の画像の中から所望の画像を検索する場合に、より容易に画像の検索を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図10に示した印刷装置1000の表示部と操作部とを示す図である。
【図2】画像の詳細表示の例を示す図である。
【図3】棒グラフ101を拡大表示した例を示す図である。
【図4】表示制御装置の機能ブロック図である。
【図5】記憶媒体から画像の検索を行う処理手順を示す図である。
【図6】検索する範囲を指定して棒グラフを作成する処理手順を示す図である。
【図7】画像を検索する範囲を指定する画面の例を示す図である。
【図8】複数の画像を指定して詳細表示を行う例を示す図である。
【図9】拡大表示に伴って棒グラフの表示単位を変更する例を示す図である。
【図10】本実施例における表示制御装置としての印刷装置1000の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施例において、本発明の実施の形態を図面と共に説明する。
【実施例1】
【0011】
図10は、本実施例における表示制御装置としての印刷装置1000の構成図である。図10において1001は、装置全体を制御するための中央演算処理部(CPU)、1002は、プログラムおよびデータなどが記憶されているReadOnlyMemory(ROM)である。1003は、画像などのデータを一時的に記憶する記憶領域として使用される揮発性メモリ(RAM)である。1004は、例えばメモリーカードやUSBメモリといったフラッシュメモリなどの外部記憶媒体を装着する装着部である。1005は、ユーザが操作を行うキーで構成される操作部である。1006は、画像や操作方法メッセージ、エラーメッセージなどを表示する表示画面を有する表示部である。1007は、原稿台に置かれた原稿を読取るための読取部である。1008は、インクジェット機構やサーマルジェット機構などでシートに印刷を行う印刷部である。1009は、本装置の各部のデータ通信を行う際に用いるシステムバスである。
【0012】
図1は、図10に示した印刷装置1000の表示部と操作部とを示す図である。図1において、表示部1006には画像データや棒グラフが表示される。また操作部1005は、決定キー111、ジョグダイヤル112、拡大表示キー113、縮小表示キー114、上下左右キー115からなる。
【0013】
図1において表示部1006には、棒グラフ101、棒グラフの縦軸102、棒グラフの横軸103が表示されている。棒グラフの横軸103は画像の属性情報を表し、装着部1004に装着された外部記憶媒体に記憶された複数の画像のうち横軸103で示された属性情報を有する画像が抽出されて属性情報ごとに振り分けられる。例えば、属性情報を撮影された日付とした場合、日付ごとに画像が振り分けられる。なお、属性情報ごとに画像を振り分けるのに代え、属性情報を所定の範囲ごとに区切り、当該範囲ごとに画像を振り分けるようにしてもよい。例えば、属性情報を日付とした場合、1週間を単位として画像を振り分けても良い。この属性情報を取得する方法として、例えばExif(Exchangeable image file format)形式ファイルであれば、ファイルに含まれるメタデータに撮影された日時が時間情報として記憶されるため、この時間情報を取得すれば良い。また横軸103は、画像が抽出された属性情報のみを示すようにしてもよい。例えば、取得した属性情報により画像が撮影された日付のみを示すようにすると、撮影が行われて長時間経過したあとに再び撮影された場合、横軸103で示す撮影日の数を少なく抑えることができる。
【0014】
また棒グラフの縦軸102は、横軸103で示された属性情報を有する画像の数を示す。図1の例では日付ごとに、その日付に撮影された画像の数が示される。なお、図1の横軸、縦軸を逆にし、縦軸が属性情報を示し、横軸が画像の数を示すようにしてもよい。
【0015】
また縦軸で画像の数を示す際に、本実施例では画像に対応した表示項目の数で示す。つまり棒グラフ101を構成する縦に並んだ表示項目の数が画像の数となる。特に図1では表示項目としてアイコンが表示されている。このアイコンは画像の内容を表す代表色で着色されており、この代表色は例えば画像を解析した結果により決定する。画像を解析して色を分ける場合、例えば周知の顔検出技術により画像の中に人物が含まれるかにより代表色を分けても良いし、他にも画像の画素値の平均をとって画像全体の色味を表現するようにしても良い。なお、上述の人物が写っているか否かのように、画像の内容を対応した色分けで表現する場合、どの色が画像のどのような内容に対応しているのかを説明する表示を行ってもよい。また、使用される色は予め設定されて装置に記憶されていてもよいし、ユーザが設定するものであってもよい。
【0016】
またアイコンの他にも画像の内容を示す表示項目としてサムネイル画像を表示させてもよい。なお、このサムネイル画像は、低解像度の画像を作成しても良いし、Exif形式のファイルの場合にはメタデータとして含まれるサムネイル画像を利用しても良い。
【0017】
なお図1のように、棒グラフにおいて表示項目を表示画面で縦に並べる際には、その順番を画像の属性情報に応じて並べる。その属性情報は限定されないが、実施例1では画像ファイルの作成時刻順に画像を並べるものとする。図1のフォーカス104は表示項目の選択範囲を示し、ユーザが決定キー111を押してフォーカスが表示されたアイコンを指定することにより、対応する画像を詳細表示させることができる。またフォーカス104が表示されているときにユーザが上下左右キー115を押した場合、フォーカス104を表示画面上のキーに対応した方向に移動させる移動制御を行う。なお、この移動制御の際にはジョグダイヤル112を使用するようにしてもよい。また、フォーカス104はどのような大きさであっても良いが、実施例1では棒グラフ101を構成する画像データの中から1つを指定する大きさとする。
【0018】
この棒グラフによりユーザは、属性情報により振り分けられた画像の数を把握できるとともに、棒グラフに含まれる表示項目を見ればその画像の内容を把握することができる。つまりは棒グラフの個々の画像をより明確に識別することができる。
【0019】
図2は、画像の詳細表示の例を示す図である。図1において、フォーカス104が表示された状態で決定キー111を押すと、フォーカスが表示された位置にあるアイコンに対応した画像を読込み、図2に示すように詳細に表示することができる。
【0020】
しかし一方で、図1に示すアイコンの大きさであると画像の内容を把握できない場合もある。そこでグラフの拡大表示を行う。例えば図1の状態で画像に対応するアイコンが表示されていたとすると、拡大表示することで、表示されたアイコンの一部が拡大されて表示される。このように棒グラフの表示スケールを拡大する拡大表示は、拡大表示キー113を使用することで表示が可能となる。
【0021】
図3は、棒グラフ101を拡大表示した例を示す図である。図3(a)では、図1で示した棒グラフのうちフォーカスが当たったアイコンを含む領域を拡大して表示する例を示しているが、棒グラフの横軸103の表示スケールに応じて表示する内容を切替えてもよい。例えば、拡大したことにより1つの表示項目のサイズが縮小画像を表示して認識ができると思われる所定の大きさの場合には、図3(b)のように表示項目として縮小画像を用いて棒グラフ101を表示してもよい。また本実施例における棒グラフの拡大処理は、複数段階にわたって表示スケールを細かくすることが可能であるので、拡大する段階に応じて表示を切替えてもよい。例えば、拡大したとしても1つの画像を表す表示領域が小さいうちは図3(a)のように、さらに拡大を行って所定のスケールになった場合には図3(b)のように表示するようにしてもよい。
【0022】
また以上の説明では表示項目として、代表色で着色されたアイコンもしくはサムネイル画像を例として挙げたが、サムネイル画像の色を代表色で表現するように変換しても良い。つまりこのサムネイル画像は、色は代表色で表現され、画像の有する輝度で画像の中身が表現される。この場合、表示項目が小さく表示されている場合にはアイコンと同様に色で画像の内容を把握でき、グラフの拡大表示することでサムネイル画像の中身を確認することができる。もちろんこの場合であっても、上記図3で説明したような表示項目の切替えを行ってもよく、初めは代表色でサムネイル画像を表示して、拡大されるとサムネイル画像本来の色で表示するようにしてもよい。
【0023】
なお縮小表示キー114は、拡大表示キー113の場合とは逆に、表示スケールを荒くして棒グラフ101を表示するときに使用する。また、このように拡大、縮小のためのキーを設けずに他の操作方法で拡大を行ってもよく、例えばジョグダイヤル112で操作するようにしてもよい。
【0024】
図4は、表示制御装置の機能ブロック図である。図4に示したシステム制御部401、属性情報管理部403、棒グラフ表示部404、画像詳細表示部405は、図10で示したROM1002に保存されCPU1001により実行されるプログラムを機能ごとに分類したものである。システム制御部401は装置全体を制御し、例えば表示部1006に棒グラフ表示や画像の詳細表示等をさせる表示制御や、また操作部1005にされた操作に応じて指示を入力して、入力された指示に応じた各種の制御を行う。例えば、操作部からの入力結果を反映させて検索結果を出力することでユーザインターフェース機能を実現させる。
【0025】
属性情報管理部403は、装着部1004を通して記憶媒体402から読込んだ画像ファイルの属性情報や代表色を取得して、後述の属性情報記憶領域406に記憶する。棒グラフ表示部404は、属性情報記憶領域406から棒グラフを表示するために使用する属性情報や画像の代表色情報を検索範囲に従って取得する。そして現在の表示スケールやフォーカスの位置を加味して棒グラフを作成して表示部1006に表示させる。例えば表示スケールが大きい場合には、図3(a)に示すように代表色で塗りつぶされたアイコンが表示されていた棒グラフを作成し、表示させる。また表示スケールが小さくなり、画像データを表す表示領域が縮小表示を行うに足るサイズになったならば、図3(b)に示すように縮小画像を用いた棒グラフを作成して表示させる。逆に、表示スケールが大きくなり、画像データを表す表示領域が縮小表示を行うに足るサイズにならなくなったならば、図3(a)に示したような棒グラフを表示させる。
【0026】
画像詳細表示部405は、フォーカス104が表示された状態で決定キー111が押されシステム制御部401がその指示を入力した場合に、そのフォーカスの位置に対応する画像を属性情報記憶領域406により特定する。特定した後は、装着部1004を通して記憶媒体402から対象とする画像データを読込み、図2に示すような画像の詳細表示を表示部1006に表示させる。
【0027】
属性情報記憶領域406は、記憶媒体402に保存されている画像のパス名、ファイル名、属性情報、必要に応じて代表色といった情報などを記憶するRAM1003における領域である。これらの情報は、CPU1001により読込まれ、各種の制御に使われる。なお属性情報はどのような情報であっても良いが、実施例ではファイル作成された時刻を示すとする。
【0028】
記憶媒体402は、画像データ、例えばデジタルカメラなどの撮像装置で撮影した画像データやPCで作成した画像データなどを保存している市販のメモリーカード全般やHDD、CD−R、DVDなどの各種大容量記憶メディアも含まれる。装着部1004は、ターゲットとする記憶媒体402に応じたインターフェースを使用することにより、様々な形態の記憶媒体402に対して読込みや書き込みを行うことができる。例えば、各種メモリーカードのカードスロットや、各種大容量記憶メディアに応じたドライブと接続するUSB、無線インターフェースなどを指す。
【0029】
図5は、記憶媒体から画像の検索を行う処理手順を示す図である。この処理手順は、図10に示したROM1002に保存されたプログラムに記述されており、このプログラムをCPU1001が読み出してRAM1003に展開し実行することで、図5に示した処理を行うことができる。
【0030】
まずステップS501では、システム制御部401が装着部1004を通して記憶媒体402から画像を読込む。そして読込んだ画像または画像ファイルに含まれる情報から属性情報管理部403が棒グラフの表示に使用する属性情報や代表色といった情報を取得し、解析結果をファイル名やパス名と一緒に属性情報記憶領域406へ記憶する。ステップS502では、棒グラフ表示部404がフォーカス位置情報、表示スケール情報といった表示条件と、属性情報記憶領域406に記憶されている属性情報から棒グラフを作成し、表示部1006に表示する。なお、最初に棒グラフを表示するときの表示スケールは最も縮小表示になる広いスケールになっているが、取り扱う画像データの属性情報の範囲が狭い場合は、表示スケールの値を狭くする調整を自動で行う。ステップS503では、ユーザによる操作部1005への操作を待つ。ステップS504では、システム制御部401がステップS503にて拡大表示キー113か縮小表示キー114による操作が行われたかを判断し、拡大表示キー113か縮小表示キー114による操作が行われたならば、ステップS505へ進む。拡大表示キー113か縮小表示キー114による操作が行われなかったならば、ステップS506へ進む。
【0031】
ステップS505では、システム制御部401がステップS504で判断した操作内容に従って表示スケールを示す情報を変更し、ステップS502へ戻る。S506では、システム制御部401がステップS503にてどのキーによる操作が行われたかを判断する。ジョグダイヤル112か上下左右キー115による操作が行われたならば、ステップS507へ進む。ジョグダイヤル112か上下左右キー115による操作が行われなかったならば、ステップS508へ進む。ステップS507では、システム制御部401がステップS506で判断した操作内容に従ってフォーカス位置情報を変更し、ステップS502へ戻る。S508では、システム制御部401がステップS503にて決定キー111による操作が行われたかを判断する。決定キー111による操作が行われたならば、ステップS509へ進む。決定キー111による操作が行われなかったならば、ステップS503へ戻る。
【0032】
ステップS509では、画像詳細表示部405がフォーカス位置情報を元に属性情報記憶領域406から選択された画像を特定する。ステップS510ではシステム制御部401が、装着部1004を通して記憶媒体402からステップS509にて特定した画像を読込み、画像の詳細表示を表示部1006に行う。以上の処理により、ユーザは棒グラフから所望の画像を特定し、表示させることができる。
【0033】
ただし、特に大量の画像が記憶されている場合などには、棒グラフを表示させる前にユーザが棒グラフとして表示させる画像の範囲を指定する必要がある。そこで図6は、検索する範囲を指定して棒グラフを作成する処理手順を示す図である。まずステップS601では、検索する画像データの範囲が操作部1005により指定されるのを待つ。図7は、画像を検索する範囲を指定する画面の例を示す図である。検索範囲指定画面700は、ユーザの操作により属性情報検索範囲の先頭の指定欄701と属性情報検索範囲の最後尾の指定欄702が表示されて操作により条件を入力することができる。検索範囲の先頭と最後尾として入力する属性情報は限定されないが、実施例1ではファイル作成時の日付とする。
【0034】
ステップS602では、システム制御部401が装着部1004を通して記憶媒体402から画像データを読込み、属性情報管理部403が読込んだ画像データから棒グラフの縦軸・横軸に使用する属性情報や代表色といった情報を解析する。ステップS603では、ステップS602にて取得した属性情報がステップS601にて入力された検索範囲の範囲内かを属性情報管理部403が判断する。属性情報が範囲内ならばステップS604へ進む。属性情報が範囲外ならばステップS605へ進む。ステップS604では、属性情報管理部403が属性情報をファイル名やパス名と一緒に属性情報記憶領域406へ記憶する記憶制御を行う。ステップS605では、システム制御部401が全ての画像データを読込んだかを判断する。全ての画像データを読込んだならばステップS606へ進む。全ての画像データを読込んでいないならばステップS602へ戻る。ステップS606では、棒グラフ表示部404がフォーカス位置情報、表示スケール情報といった表示条件と、属性情報記憶領域406に記憶されている情報から棒グラフを作成し、表示部1006に表示する。なお、最初に棒グラフを表示するときの表示スケールは最も縮小表示になる荒いスケールになっているが、取り扱う画像データの属性情報の範囲が狭い場合は、表示スケールの値を細かくする調整を自動で行う。なお、以上説明した処理では、画像データを読込んだ後にその属性情報が指定された範囲内かを判別している。しかし、例えば属性情報の範囲を変更した場合など、属性情報記憶領域406に予め属性情報が記憶されている場合がある。この場合には、属性情報記憶領域406を参照し、属性情報が指定された範囲の画像を読込むようにしてもよい。
【0035】
なお、上記の実施例1では、図1においてフォーカス104は棒グラフ101を構成する画像データの中から1つを指定する大きさとしている。しかし、複数を指定する大きさとして、決定キー111押下時に行う画像の詳細表示が複数であってもよい。図8は、複数の画像を指定して詳細表示を行う例を示す図であり、この図のように指定された複数の画像を同時に表示させるようにしてもよい。また、上記実施例1では、図6において検索範囲内の画像データに関する属性情報のみを属性情報記憶領域406に記憶している。しかしこれに限らず、全ての画像データに関する属性情報を属性情報記憶領域406に記憶して、棒グラフ作成時に検索範囲内のデータのみを使う構成であってもよい。
【実施例2】
【0036】
上記の実施例(実施例1)は、棒グラフの横軸103の表示単位がファイルの作成時の日付として説明した。そのため、記憶媒体に長期間にわたって画像データが記憶されていた場合には、フォーカス104を左右に大きく移動させなければ全体像をつかむことができなくなってしまう可能性もある。そこで、実施例2は係る点に対応し、棒グラフの表示スケールが変更されると、表示軸の単位も自動的に表示スケールに追随して変更することで上記の問題を防ぐものである。
【0037】
本発明の実施例2における表示制御装置は図1と同じであり、表示制御装置のブロック図についても図4と同様であるので、説明は省略する。本実施例では、実施例1と比較して棒グラフ表示部404の処理内容が異なり、現在の表示スケール情報から棒グラフの横軸103に適用する表示単位を決定し、その単位に応じた棒グラフを作成する。図9は、拡大表示に伴って棒グラフの表示単位を変更する例を示す図である。図9(a)、図9(b)で示した棒グラフの横軸に適応する表示単位は、それぞれ第1の単位、第2の単位として「年」、「月」となっている。つまりは拡大したことに応じて、属性範囲のより小さな範囲を示す単位に対応した表示項目が表示されることになる。さらに棒グラフを拡大する度に表示単位が細かくして、図9(c)に示したように「日」を範囲としてもよい。このように「年→月→日」と変化することで表示部1006に表示される表示項目の1つに対する情報量を増やしている。
【実施例3】
【0038】
実施例1、実施例2では、棒グラフに含まれる表示項目は画像の内容を示すものとしたが、画像の内容ではなく、画像の属性情報で色分けされた表示項目で表現しても良い。その例として、属性情報としての撮影条件に応じて色を分けることが考えられる。例えば撮影の際にフラッシュを使用したか否かに応じて色を分けても良いし、焦点距離に応じて色を分けても良い。これらの撮影条件は画像ファイルがExif形式のファイルの場合、ファイルに含まれるメタデータから取得することができる。さらに横軸で利用した属性情報により色分けしても良い。例えば横軸を撮影日として、撮影された時刻が午前か午後かで表示項目の色を分けてもよい。確かにこのように表示項目の色を分けなくとも、横軸をより詳細にして撮影日に加えて午前か午後かで分けて表現することができるが、表示項目の色を分けて表現することで横軸の属性情報のスケールをより広くすることができる。
【0039】
このように画像の属性情報で表示項目の色を分けて表現した場合、ユーザはグラフの軸とは別に属性情報を把握できる。なお、表示項目としては実施例1、実施例2と同様に対応する色で塗り潰されたアイコンや対応する色に変換されたサムネイル画像で表現される。なお、このときどの色が画像のどのような内容に対応しているのかを説明する表示を行ってもよい。また、使用される色は予め設定されて装置に記憶されていてもよいし、ユーザが設定するものであってもよい。
【0040】
以上の実施例で説明したように本発明では、ファイル作成の日付等の属性情報とその属性情報を持つ画像の数をグラフから参照できるため、単に画像の一覧表示をする場合に比べて所望の画像の位置を容易に絞り込むことができる。さらに、グラフから得られる情報に加えて、グラフを形成する表示項目が示す画像の内容または属性を確認しながら画像の絞りこみをすることができるため、ユーザは所望の画像をより容易に検索することができる。
【0041】
なお、以上で説明した実施例では画像の内容を示す表示項目で画像の数を示すグラフとして棒グラフを例に説明したが、グラフの種類はこれに限らず、例えば散布図や円グラフであってもよい。散布図の場合、例えば横軸に撮影月、縦軸に撮影日を割り当て、画像に対応して画像の内容を示す表示項目を該当する位置に配置する。これによりユーザは、撮影月と撮影日それぞれに含まれる画像の数、そして画像の内容を参照して画像の選択を行うことができる。さらに、横軸と縦軸に異なる撮影条件また円グラフの場合、例えば撮影月ごとに領域を区切り、区切られた領域内でその撮影月に該当する画像のそれぞれに対応した色でさらに領域を区切ればよい。この場合、画像に対応した色の領域が表示項目となる。これによりユーザは、撮影日がそれぞれ撮影月に含まれる画像の数を把握できるとともに、その画像の内容を予測することができる。
【0042】
また、以上の実施例では外部の画像を記憶した外部の記憶媒体を装着する例を示したが、本発明はこれに限らず、内部に多数の画像を記憶できるだけの記憶媒体を有する装置において、その記憶媒体から画像を読込むものであってもよい。さらに、USBインタフェース等で接続された外部の記憶媒体や、ネットワーク上のサーバ等の外部装置が有する記憶媒体から読込むものであってもよい。
【0043】
また以上の実施例では印刷装置を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らずデジタルカメラのような撮影装置や、携帯電話等の各種のモバイル機器であってもよい。さらには、上述した処理をPCで行って外部の表示装置に棒グラフや画像を表示させる場合であってもよい。
【0044】
さらに、上述の実施例の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録したコンピュータが読取可能な記録媒体を、システムあるいは装置に供給してもよい。その場合、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUまたはMPU)がその記録媒体に格納されたプログラムコードを読み取り実行することによって、本発明の目的が達成される。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施例の機能を実現することとなり、そのプログラムコード自体、またそのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0045】
また本発明は、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施例の機能が実現されるだけに限定されない。本発明は、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOperating System(OS)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって上述の実施例の機能が実現される場合であってもよい。
【符号の説明】
【0046】
1001 CPU
1002 ROM
1003 RAM
1004 装着部
1005 操作部
1006 表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶媒体に記憶された画像を表示装置に表示させる表示制御方法であって、
記憶媒体に記憶された複数の画像の属性情報を取得して、前記複数の画像のうち所定の属性情報を有する画像を抽出し、前記抽出された画像の数を画像のそれぞれに対応し前記画像の内容または属性を示す表示項目の数で示したグラフを表示装置に表示させる第1の表示制御工程と、
前記グラフに含まれる表示項目のうち入力した指示に応じて指定された表示項目に対応した画像を前記記憶媒体から読込み、前記表示装置に表示させる第2の表示制御工程と、
を有することを特徴とする表示制御方法。
【請求項2】
前記第1の表示制御工程では表示項目として、画像に対応するサムネイル画像および前記画像を解析した結果に応じた色のアイコンのいずれかを表示させることを特徴とする請求項1に記載の表示制御方法。
【請求項3】
前記第1の表示制御工程では表示項目として、属性情報に応じた色のアイコンで表示させることを特徴とする請求項1に記載の表示制御方法。
【請求項4】
入力した指示に応じて、前記第1の表示制御工程において表示されたグラフのうち前記指示により指定された表示項目を含む領域を拡大して表示させる拡大表示工程を有し、
前記第2の表示制御工程では、前記拡大表示工程において表示された表示項目に対応した画像を表示させることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の表示制御方法。
【請求項5】
前記第1の表示制御工程において表示項目として画像に対応するアイコンが表示されていた場合に、前記拡大表示工程では画像に対応するサムネイル画像を表示項目として表示させることを特徴とする請求項4に記載の表示制御方法。
【請求項6】
前記第1の表示制御工程では第1の単位が示す属性情報の範囲に対応したグラフが表示され、前記拡大表示工程では前記第1の単位よりも小さな範囲を示す第2の単位が示す属性情報の範囲に対応したグラフが表示させることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の表示制御方法。
【請求項7】
前記第1の表示制御工程では、属性情報を示す第1の軸と前記第1の軸が示す属性情報を有する画像の数を示す第2の軸とを有する棒グラフを表示させることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の表示制御方法。
【請求項8】
前記第1の表示制御工程ではグラフに含まれる表示項目を選択するためのフォーカスが表示され、前記第2の表示制御工程では入力された指示に応じて、フォーカスが示す表示項目に対応した画像を表示させることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の表示制御方法。
【請求項9】
前記記憶媒体に記憶された画像ファイルは作成された時間情報を示す属性情報を含み、前記第1の表示制御工程では画像ファイルに含まれる画像データと時間情報とに基づきグラフを表示させることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の表示制御方法。
【請求項10】
前記第1の表示制御工程では、前記所定の属性情報を有する複数の画像に対応した複数の表示項目が、前記複数の画像の属性情報が示す時間情報の順で並んで表示されることを特徴とする請求項9に記載の表示制御方法。
【請求項11】
請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の表示制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項12】
記憶媒体に記憶された画像を表示装置に表示させる表示制御装置であって、
記憶媒体に記憶された複数の画像の属性情報を取得して、前記複数の画像のうち所定の属性情報を有する画像を抽出し、前記抽出された画像の数を画像のそれぞれに対応し前記画像の内容または属性を示す表示項目の数で示したグラフを表示装置に表示させる第1の表示制御手段と、
前記グラフに含まれる表示項目のうち入力した指示に応じて指定された表示項目に対応した画像を前記記憶媒体から読込み、前記表示装置に表示させる第2の表示制御手段と、
を有することを特徴とする表示制御装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2010−272001(P2010−272001A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−124277(P2009−124277)
【出願日】平成21年5月22日(2009.5.22)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】