説明

表示制御装置及びこれを用いた鉄道車両情報案内システム

【課題】運行情報を確実かつ容易に乗客に提供し、かつ、突発的な事情が発生したとしても容易に運行情報の変更に対応可能な表示制御装置を提供する。
【解決手段】鉄道車両100の運行情報である表示用コンテンツを車両内に設けられた複数の表示パネル3に表示させるための表示制御装置であって、表示用コンテンツの表示用ファイルが複数格納されたメモリ22と、指令部1から送信されるステータスデータを受信し、このステータスデータに基づいて、特定文字列を生成するステータスデータ変換部20と、特定文字列に基づいて作成されたファイル名を含む少なくとも1つの表示用ファイルを抽出するファイル抽出部21と、抽出された表示用ファイルに基づき、表示用コンテンツを表示パネル3に出力する表示用コンテンツ出力制御部23と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄道車両の運行情報である表示用コンテンツを車両内に設けられた複数の表示部に表示させるための表示制御装置及びこれを用いた鉄道車両情報案内システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
かかる鉄道車両情報案内システムとして、下記特許文献1に開示される鉄道車両用車内情報表示システムが知られている。このシステムは、編成車両内に設けられた通信網と、通信網に接続され車内情報の報知が可能な複数の報知手段と、送信元装置として配置された制御装置と各車両ごとに配置された端末器とを備えており、個々の報知手段は、各々独立して、複数の送信元装置から送られてくる車内情報のうちの少なくとも1種類以上を選択的に報知することが可能である。これにより、個々の鉄道車両を対象として、または、個々の乗降ドアを対象として、個別の車内情報を個別のタイミングで報知することが可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第2793145号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記先行技術の場合は、予め設定された運行情報を順番に表示するものであり、突発的な事情によって運行情報を変更された場合に対応できず、間違った運行情報が表示されたりすることがあり、乗客を困惑させるという問題があった。また、アナウンス等で案内しても、視覚的に表示するものではなく、確実に乗客に変更された運行情報を伝えることが困難であった。
【0005】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その課題は、運行情報を確実かつ容易に乗客に提供し、かつ、突発的な事情が発生したとしても容易に運行情報の変更に対応可能な表示制御装置及びこれを用いた鉄道車両情報案内システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため本発明に係る表示制御装置は、
鉄道車両の運行情報である表示用コンテンツを車両内に設けられた複数の表示部に表示させるための表示制御装置であって、
前記表示用コンテンツの表示用ファイルが複数格納されたファイル記憶部と、
指令部から送信されるステータスデータを受信し、このステータスデータに基づいて、特定文字列を生成するステータスデータ変換部と、
前記特定文字列に基づいて作成されたファイル名を含む少なくとも1つの表示用ファイルを抽出するファイル抽出部と、
抽出された表示用ファイルに基づき、表示用コンテンツを表示部に出力する表示用コンテンツ出力制御部と、を備えていることを特徴とするものである。
【0007】
かかる構成による表示制御装置の作用・効果を説明する。まず、鉄道車両には、運行情報を表示させるための表示部(例えば、液晶パネルやPDPパネル)が設けられている。運行情報としては、例えば、「次駅は○○です」「まもなく○○駅です」などがある。表示部に表示させるべき表示用コンテンツは、表示用ファイルとして複数がファイル記憶部に格納されている。ファイル記憶部として、半導体メモリやハードディスクなどを用いることができる。
【0008】
表示部に運行情報を表示させるためにステータスデータが指令部から送信されてくる。このステータスデータには、表示モードに対応した情報、例えば、走行状態情報が含まれており、表示用ファイルを特定するために必要な情報が含まれている。
【0009】
ステータスデータ変換部は、ステータスデータを受信すると、特定文字列を生成する。その一方で、表示用ファイルのファイル名が、上記特定文字列に基づいて付けられている。したがって、その特定文字列が含まれるファイル名を検索して表示用ファイルを抽出することで、表示部で表示すべき表示用コンテンツを抽出することができる。この抽出された表示用コンテンツを、表示データ出力制御部から各表示部へと出力すればよい。なお、抽出される表示用ファイルは1つとは限らず複数でもよい。例えば、進行方向の右側と左側の表示部では、異なる表示をさせる場合もあるからである。あるいは、複数の表示用コンテンツを切り替えながら表示させる場合もあるからである。
【0010】
従って、例えば、何らかの突発的な事情により表示部の表示用コンテンツを変更しなければならなくなった場合、ステータスデータに含まれる表示モードに対応した情報を変更して送信すれば、それに対応した表示用ファイルを抽出して表示させることができる。従って、仮に緊急事態が生じたとしても適切な表示をさせることができる。その結果、運行情報を確実かつ容易に乗客に提供し、かつ、突発的な事情が発生したとしても容易に運行情報の変更に対応可能な表示制御装置を提供することができる。
【0011】
本発明において、前前記ステータスデータは、鉄道車両の走行状態を表す走行状態情報を含み、走行状態情報には、少なくとも駅停車中を表す駅停車中情報と、鉄道車両が走行中であることを表す走行中情報を含むことが好ましい。
【0012】
表示部に表示させるべき表示用コンテンツとして、鉄道車両の走行状態に対応したコンテンツを表示させることがある。例えば、「ただいま○○駅です」という駅停車中情報である。かかる走行状態情報をステータスデータに含ませることで、走行状態に対応した適切な表示用ファイルを抽出させることができる。
【0013】
本発明に係る前記特定文字列は、表示モードを特定する表示モード管理コードを含み、
前記表示モードの優先順位を判断する優先順位判断部を備え、前記ステータスデータ変換部は、優先順位判断部の判断結果により生成された表示モード管理コードに従い、前記特定文字列を生成することが好ましい。
【0014】
表示部に表示すべき運行情報には、他の運行情報に比べて優先度の高いもの、低いものが存在する。例えば、「非常通報中」であることを表示させようとする場合、他の運行情報に比べて優先度が高いといえる。かかる場合、優先順位判断部により表示モードの優先順位を判断することで、現在表示されている表示用コンテンツを変更すべきか否かを決めることができ、緊急の事態が発生した場合にでも、的確な運行情報を案内することができる。
【0015】
本発明に係る前記ステータスデータは、次に停車する駅を表す次駅コードと、次に停車する前の駅を表す現在駅コードとを含み、
前記ステータスデータ変換部は、ステータスデータに駅停車中情報が含まれていると判断したときは、現在駅コードを含む特定文字列を生成し、走行中情報が含まれていると判断したときは、次駅コードを含む特定文字列を生成することが好ましい。
【0016】
ステータスデータには、次駅コードと現在駅コードが含まれており、いずれかの駅コードを含む特定文字列が生成される。次駅コードと現在駅コードのいずれを使用するかについては、表示モードによるものであり、これにより、走行状態に応じた適切な表示を行うことができる。例えば、次駅コードを含む特定文字列を生成することで次駅情報を表示させることができ、突発的な事情により次に停車すべき駅が変更になった場合も容易に対応することができる。すなわち、指令部から変更された次駅コードを含むステータスデータを送信することで、それに対応した表示用ファイルを抽出することができ、表示部に適切な表示をさせることができる。
【0017】
上記課題を解決するため本発明に係る鉄道車両情報案内システムは、鉄道車両の運行情報である表示用コンテンツを車両内に設けられた複数の表示部に表示させるための鉄道車両情報案内システムであって、
前記表示用コンテンツの表示用ファイルを特定するためのステータスデータを送信する指令部と、
この指令部からのステータスデータを受信し、前記表示部に表示させるべき表示コンテンツを出力させる本発明に係る表示制御装置と、を備えたことを特徴とするものである。
【0018】
かかる構成による鉄道車両情報案内システムの作用・効果はすべに述べてきた通りである。例えば、ステータスデータには次駅コードが含まれていれば、突発的な事情により次に停車すべき駅が変更になった場合も容易に対応することができる。従って、指令部から変更された次駅コードを含むステータスデータを送信することで、それに対応した表示用ファイルを抽出することができ、表示部に適切な表示をさせることができる。その結果、運行情報を確実かつ容易に乗客に提供し、かつ、突発的な事情が発生したとしても容易に運行情報の変更に対応可能な鉄道車両情報案内システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】鉄道車両情報案内システム全体の構成を示すブロック図
【図2】図1における1車両分のブロック図を拡大して示す図
【図3】表示制御装置の構成を示すブロック図
【図4】ステータスデータ変換部の構成を示す図
【図5】オプションコードの構成を示す図
【図6】本発明に係るシステムの動作を説明する図(動作例1)
【図7】本発明に係るシステムの動作を説明する図(動作例2)
【図8】優先順位判断部の動作を説明するフローチャート
【図9】変形例の動作を説明するフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明に係る表示制御装置を備えた鉄道車両情報案内システムの好適な実施形態を図面を用いて説明する。図1は、システム全体の構成を示すブロック図である。図2は、図1における1車両分のブロック図を拡大して示す図である。
【0021】
<システムブロック図>
図1において、複数の鉄道車両100が連結して構成されている。鉄道車両100には、進行方向から順に先頭車両100a、中間車両100b、後尾車両100cが連結されている。なお、本発明において鉄道車両を何台連結するかは任意であり、特定の連結台数に限定されるものではない。
【0022】
先頭車両100aと後尾車両100cには指令部1が設けられている。指令部1は、各車両に設けられた表示パネル3(表示部に相当)に所定の運行情報を表示させるためにステータスデータを定期的に送信する。図1では、前後に2つの指令部1が設けられているが、指令部1は1つであってもよい。指令部1が複数あることにより、いずれかの指令部1が故障した場合に、他の指令部1を活用することができる。また、指令部1は、複数ある車両のどの車両に配置してもよい。ステータスデータについては後述するが、表示用ファイルを特定するために必要な情報が含まれている。
【0023】
指令部1から送信されるステータスデータは、例えば、200msec間隔で送信されるが、送信間隔については、適宜設定することができる。
【0024】
指令部1から送信されるステータスデータは、各車両100に設けられた表示制御装置2へと送信される。各車両100には表示制御装置2が1つずつ配置されており、ステータスデータが各表示制御装置2に送信される。ステータスデータは、すべての車両に同じステータスデータを送信することもできるが、ステータスデータに含まれる車両IDを利用して、車両ごとに異なるステータスデータを送信することもできる。
【0025】
表示制御装置2の機能の詳細については後述するが、ステータスデータを受信して、メモリから必要な表示用ファイルを読み出して、所定の運行情報(表示用コンテンツ)を表示パネル3に表示させる。表示制御装置2には、複数の表示パネル3が接続されており、各表示パネル3の動作を制御する。表示パネル3には、進行方向に対して右側に位置する表示パネル3Rと左側に位置する表示パネル3Lがある。なお、進行方向が逆になれば、右側表示パネル3Rは左側表示パネル3Lになるので、右側、左側の区別は絶対的なものではない。
【0026】
接続される表示パネル3の数は特に限定されるものではなく、適宜設定することができる。例えば、ドアの上部に配置するのであれば、ドアの数に対応して表示パネル3を配置することができる。もちろん、表示パネル3の配置は、ドアの上に限定されるものではない。表示パネル3には、夫々電源4が接続される。
【0027】
指令部1と表示制御装置2、及び、隣接する車両の表示制御装置2同士は、例えば、RS−485規格に従うシリアル通信を行うことができる。また、表示制御装置2と各表示パネル3とは、専用のRGBケーブルやLAN等により接続することができる。
【0028】
指令部1には、ドアの開閉状態を検知するための開閉検知センサー5が接続されており、常時ドアの開閉状態をモニターしている。入力部6は、種々のデータを入力するためのインターフェースである。緊急事態が生じた場合に、表示用コンテンツを変更させるための指令もこの入力部6を介して行う。
【0029】
指令部1内にはステータスレジスタ1aが種々設けられており、例えば、「駅停車中」であるか否か「走行中」であるか否か等のステータスを判定するためのフラグが設定されている。具体的には、非常通報フラグ、スペシャルメッセージフラグ、駅通過フラグ、出発後フラグ、走行中フラグ、到着前フラグ、駅停車中フラグ、ドア閉フラグがある。これらのフラグは、表示モードに対応している。
【0030】
メモリ1bには、現在駅コード、次駅コード、始発駅コード、終着駅コードなどの表示用ファイルを抽出するために必要なデータが記憶される。現在駅コードや次駅コードは、鉄道車両の走行に応じて、適宜最新のコードに書き換えられる。タイマー1cは、所定時間を計測する機能を有する。表示モードの切り替えの際に、所定時間が経過したのちに表示モードを変更することがあるので、そのために所定時間をタイマー1cの機能により計測する。
【0031】
<表示制御装置の構成>
図3は、表示制御装置2の機能を説明するためのブロック図である。ステータスデータ変換部20は、指令部1から送信されてくるステータスデータを受信し、このステータスデータに基づいて、特定文字列を生成する。特定文字列とは、後述するように、表示モード管理コードとコンテンツ管理コードにより構成されるデータである。
【0032】
ステータスデータ変換部20は、優先順位判断部20aを備えており、受信されたステータスデータに含まれるフラグ情報に基づいて、表示モードの優先順位を判断する。
【0033】
ファイル抽出部21は、ステータスデータ変換部20により変換された特定文字列に基づき、メモリ22に格納されている表示用ファイルを抽出する。具体的には、ファイル名に特定文字列が含まれている表示用ファイルを抽出する。すなわち、表示用ファイルを容易に検索できるように、特定文字列が含まれるようなファイル名を付けているのである。ファイル名をつけるときの規則については、後述する。なお、このとき抽出される表示用ファイルは1つであるとは限らず、複数の表示用ファイルが抽出されることもある。
【0034】
表示コンテンツ出力制御部23は、抽出された表示用ファイルに基づき、表示データを夫々の表示パネルに出力する。表示コンテンツ出力制御部23の出力ラインは、夫々の表示パネル3と接続されている。例えば、右側用の表示パネルの表示データであれば、右側の表示パネル3Rに表示データを送出するようにデータの流れを制御する。
【0035】
メモリ22には、多数の表示用ファイルが格納されている。前述のように、表示用ファイルは所定の規則に基づいてファイル名が付けられている。所定の規則については後述する。
【0036】
表示用ファイル入力部24は、メモリ22内に表示用ファイルを入力するときのインターフェースであり、例えば、USBメモリを装着することで、メモリ22内に表示用ファイルを記憶させることができる。また、一旦格納した表示用ファイルの削除も可能であり、表示用ファイルを更新した場合にも、上書き保存等により、新たなファイルに更新することができる。入力部24の形態は、種々の変形例が可能であり、USBメモリ以外の記憶媒体を介して表示用ファイルを入力してもよいし、通信ラインを介してファイルを入力してもよい。
【0037】
<ステータスデータについて>
ステータスデータは指令部1から各表示制御装置2に向けて送信されるデータであり、ルートコード、現在駅コード、次駅コード、始発駅コード、終着駅コード、運行情報、前述の表示モードのフラグ情報、車両IDである。
【0038】
ルートコードとは、ルート(路線)を表すコードである。例えば、「環状線」「山陽本線」などの路線をコードで表したものである。
【0039】
各駅には、その駅に固有のコードが割り振られている。現在駅コードは、現在車両が停車している駅、あるいは、当該駅を発車したが次駅に到着する前の駅を表すコードである。次駅コードとは、次に到着する駅をコードで表したものである。始発駅コードはその路線の起点になる駅をコードで表したものであり、終着駅コードはその路線の終点になる駅をコードで表したものである。進行方向が変われば、すなわち、上りと下りでは、始発駅と終着駅が入れ替わる。フラグ情報は、前述の各フラグのオン/オフ情報である。運行情報は、鉄道車両の運行状態を表す情報である。具体的には、「駅通過」「出発後」「走行中(モード1)(モード2)」「到着前」「駅停車中」の各表示モードに対応する情報である。
【0040】
<ステータスデータ変換部の機能>
次に、ステータスデータから特定文字列を生成するときの仕組みを図4により説明する。
【0041】
図4の左側の欄は表示モードを示し、右側の欄は各表示モードに対応する表示用ファイル名を示す。表示部3にどのような表示用コンテンツを表示させるべきか、すなわち、表示モードは何であるかは、ステータスデータに含まれるフラグ情報から判断される。
【0042】
ステータスデータ変換部20は、指令部から送信されてくるステータスデータを受信し、このステータスデータに基づいて、特定文字列を生成する。特定文字列は、表示モード管理コード(上位コード)とコンテンツ管理コード(下位コード)により構成され、(3ケタの数値)(ハイフン)(3ケタの数値)からなる文字列を生成する。
【0043】
<表示モード管理コード>
表示モード管理コードとは、各表示モードを表すコードのことである。表示モード管理コードを生成するときに、表示モードと一対になった特定の文字列に変換される第1表示モードと、1つの表示モードに対して、複数の特定の文字列に変換される第2表示モードがある。第1表示モードには、「非常通報中」、「スペシャルメッセージ」、「デフォルト」の各表示モードであり、第2表示モードは、「駅通過」、「出発後」、「走行中(モード1)(モード2)」、「到着前」、「駅停車中」、「駅出発」の各表示モードである(図4参照)。なお、説明の便宜上、「出発後」、「走行中(モード1)(モード2)」、「到着前」の4つを「走行中情報」と定義し、この「走行中情報」と「駅停車中」、「駅出発」を合わせて「走行状態情報」と定義する。
【0044】
第2表示モードでは、ステータスデータ変換部20で、ステータスデータからフラグ情報、ルートコード、F,R情報を抽出して表示モード管理コードが生成される。
【0045】
なお表示モードには優先順位があり、優先順位の高い順番に1,2,3,4の数値が付けられている。すなわち、「非常通報中」は最優先すべき表示モードであり、優先順位が最も高くなっている。
【0046】
具体的な表示モード管理コードを説明すると、「非常通報中」では「900」、「スペシャルメッセージ」では「700」である。また、「駅通過」と「走行中情報」と「駅停車中」ではルートコード(00F〜49Fまたは49R〜00R)が表示モード管理コードになる。なお、ルートコードのうち、「F(上り)」あるいは「R(下り)」の判別は、ステータスデータに含まれる始発駅コードと終着駅コードから、上りか下りかの判別を行うことができる。あるいは、現在駅コードと次駅コードからも、車両がどちらの方向に向かっているかが分かるので、これらから判別して「F」あるいは「R」を付加してもよい。例えば、始発駅コード<終着駅コードであれば、「F(上り)」と判断でき、始発駅コード>終着駅コードであれば、「R(下り)」となる。
【0047】
「駅出発」では「60F」または「60R」、「デフォルト」では「999」が生成される。「駅出発」における「F」あるいは「R」も上記と同じ意味である。
【0048】
<コンテンツ管理コード>
コンテンツ管理コードとは、表示モード管理コードと一体になって表示部3に表示させる表示用コンテンツを表すコードである。
【0049】
「非常通報中」「スペシャルメッセージ」「駅出発」「デフォルト」では、任意の文字列をあらかじめ設定しておき、ステータスデータ変換部20で設定された文字列が生成される。図4に示す具体例では、「非常通報中」「スペシャルメッセージ」の場合は、「001〜999」の任意のコードが設定される。「駅出発」「デフォルト」の場合は、夫々「000」「999」のみが設定される。いずれも3桁の数字である。
【0050】
「駅通過」、「出発後」、「走行中(モード1)(モード2)」、「到着前」の各表示モードでは、コンテンツ管理コードは、次駅コード(最初の2桁)+運行情報(残り1桁)である。次駅コードとして駅コード「00〜99」が割り当てられ、運行情報として「0〜4」が割り当てられている。
「駅停車中」の表示モードでは、現在駅コード(最初の2桁)+運行情報(残り1桁)である。現在駅コードとして駅コード「00〜99」が割り当てられ、運行情報として「5」が割り当てられている。
【0051】
<変形例>
なお、表示モード管理コードとコンテンツ管理コードは上記に限定されるものではなく、種々の変形例が可能である。例えば、「駅通過」は第1表示モードとし、表示モード管理コードとして「500」を割り当て、コンテンツ管理コードとして「002〜999」を割り当てることができる。具体的には、特定文字列が「500−002」のとき「1駅分通過します」と表示させ、「500−005」のとき「4駅分通過します」と表示させることができる。
【0052】
以上のように、ステータスデータ変換部20は、受信したステータスデータに従って、特定文字列を生成し、具体的には(3ケタの数値)(ハイフン)(3ケタの数値)からなる文字列、すなわち、表示モード管理コードとコンテンツ管理コードの組み合わせからなる文字列を生成する。ただし、本発明として、特定文字列は上記に限定されるものではない。数値のケタ数は任意に決めることができる。また数値だけではなく、数値と文字の組み合わせで特定文字列を構成してもよい。
【0053】
<ファイル名の命名規則>
次に、メモリ22に格納される表示用ファイルのファイル名の命名規則について説明する。図4にも示すように、表示用ファイルのファイル名は、「特定文字列」+「オプションコード」+「拡張子」により付けられる。特定文字列については、上記で説明したとおりである。
【0054】
オプションコードの構成を図5に示す。オプションコードは最大5文字で構成されるが、もちろん、これに限定されるものではない。
【0055】
5文字のうちの1文字目は「L/R/W」である。Lは進行方向に向かって左側の表示パネル3に表示すべきファイルであることを示す。Rは進行方向に向かって右側の表示パネル3に表示すべきファイルであることを示す。Wは左右の表示パネルに共通のファイルであることを示す。
【0056】
5文字のうちの2番目から4番目は「−SR/−SL」「−CA/−CB」の4通りである。これらの文字列は、静止画コンテンツのエフェクト動作(スクロール表示や、切り替え表示)を指定する際に付与されるコードである。エフェクト動作をしない場合は、オプションコードは不要である。
【0057】
5文字のうちの最後の1文字は、複数のコンテンツをつなげてスクロールしたり、切り替え表示したいときに、つなげたい表示用ファイルの1から順番に連番が付与される。最後の1文字は、「1〜5」の数値を設定できる。「5」であれば5枚の静止画コンテンツをスクロールさせることができる。なお5枚以上を設定可能に構成してもよい。
【0058】
上記において「−SL」は静止画コンテンツを左方向にスクロールさせて表示することを示す。「−SR」は同じく右方向にスクロールさせる。スクロール表示させる場合、最後の1文字がなければ単一ファイルをスクロールさせる。最後の1文字があれば、複数の静止画コンテンツを連続してスクロールさせる。
【0059】
「−CA」は2〜5枚の静止画コンテンツを、切り替え時間3秒で切り替え表示させる。「−CB」は同じく5秒で切り替え表示させる。なお、スクロール方向は左右に限定されるものではなく、上下方向であってもよい。また、切り替え時間については、適宜決めることができる。
【0060】
拡張子については、静止画コンテンツであれば「jpg」「bmp」「gif」など、動画コンテンツであれば「mpg」などが例示される。
【0061】
図3に例示されているファイル名「10F−253L−SR.jpg」であるが、「10」はルートコード、「25」は次駅コード、「3」は運行状態を表すコード(この場合、走行中モード(モード1))を表し、右方向へスクロールさせるべき静止画コンテンツであることが分かる。
【0062】
<ファイル抽出部の構成>
ステータスデータ変換部20により、ステータスデータから特定文字列が生成されると、ファイル抽出部21は、メモリ22内の表示用ファイルを検索し、その特定文字列がファイル名に含まれる表示用ファイルを抽出する。抽出される表示用ファイルは1つとは限定されず、複数の表示用ファイルが抽出される場合もある。すなわち、生成された特定文字列がファイル名に含まれていれば、それらがすべて抽出される。
【0063】
例えば、特定文字列が「10F−253」であれば、ファイル名に「10F−253」が含まれるすべての表示用ファイルが抽出される。図3の例では、「10F−253L−SR.jpg」と「10F−253L−SL.jpg」の2つが抽出される。前述のような複数ファイルをスクロールしたり切り替え表示させる場合は、もっと多くの表示用ファイルが抽出される。
【0064】
表示コンテンツ出力制御部23は、抽出された表示用ファイルに基づき、表示データを各表示パネル3に出力するように制御する。特に、表示用ファイルのファイル名に従って、出力先の表示パネル3や出力形態の制御をおこなう。例えば、「10F−253L−SR.jpg」であれば、表示データを左側の表示パネル3に向けて出力する。
【0065】
<動作例1>
次に、本発明に係るシステムの動作を図6により説明する。この図は、「24駅」から各駅停車で「27駅」まで運行する場合(上り)と、「27駅」から各駅停車で「24駅」まで運行する場合(下り)を示している。図6の一番上の欄で「状態」とあるのは、表示モードとその表示モードに対応した運行情報(図4参照)を示している。「表示例」は、表示パネル3に実際に表示される運行情報(表示用コンテンツ)等を示している。なお、表示される内容が文字情報であったとしても、表示用ファイルは静止画ファイルあるいは動画ファイルにより作成される。
【0066】
現在駅状態と次駅状態は、指令部1内のメモリ1bに記憶されるデータであり、それぞれ現在駅コードと次駅コードに対応する。現在駅状態として、現在駅コード(例えば、「24駅」を表すコード)が記憶され、次駅状態として、次駅コード(例えば、「25駅」を表すコード)が記憶される。記憶される駅コードは、車両走行に伴い逐次更新される。なお「動作」とあるのは、その駅コードが有効であるか否か示す指標である。○であれば、その駅コードが表示用ファイル抽出のために有効であり、×であれば、その駅コードは表示パネル抽出のために必要ないことを示す。−と表示されているのは、駅に関係のない表示内容であることを示す。「上下」とあるのは、「上り(F)」であるか「下り(R)」であるかを示す。Fileとあるのは、表示用ファイルを抽出するための特定文字列を示している。
【0067】
(24駅停車中)
図6に示す動作を上から順番に追って説明する。「24駅」に停車中は、表示モードは「駅停車中」(コンテンツ管理コードの3ケタ目は「5」)である。具体的な表示内容は「ただいま○○駅です」である。現在駅状態は「24駅」がセットされ、次駅状態は「25駅」がセットされている。上下は上りを表す「F」がセットされている。ルートコードは10Fであるから、特定文字列は「10F245」である。「24駅」や「25駅」のセット値(駅コード)は、前述のように、指令部1内のメモリ1bにセットされている。この表示モードの場合は、次駅コードではなく、現在駅コードが必要である。従って、「現在駅状態」の「動作」のところに○が示され、「次駅状態」の「動作」のところに×が示される。
【0068】
上記の場合、変換される表示モード管理コードは、ルートコードの「10F」であり、コンテンツ管理コードは、現在駅コードの「24」および運行状態を表す「5」である。
【0069】
(24駅発車)
ドアが閉まると車両が発車する。ドアが閉まってから所定時間は、表示モードは「駅出発」である。駅出発の時は、「(発車)」という文字表示をさせる。現在駅状態は「24駅」がセットされ、次駅状態は「25駅」がセットされているが、表示用コンテンツは特定の駅とは無関係である。また、ルートコードとも関係がない。この場合、特定文字列は「60F000」となる(図4参照)。
【0070】
この場合、表示モード管理コードは「60F」または「60R」であり、コンテンツ管理コードは「000」である。
【0071】
(出発後)
「駅出発」の次の表示モードは「出発後」である。このときは、「次は25駅です」という表示をさせる。従って、次駅コードが必要である。「駅出発」から「出発後」への表示モードの変更は、時間により設定することができる。特定文字列は「10F251」である。表示モード管理コードは、ルートコードの「10F」であり、コンテンツ管理コードは、次駅コードの「25」および運行状態を表す「1」である。
【0072】
(走行中(モード1))
「出発後」の表示モードの次は、「走行中(モード1)」の表示モードである。このときは、「地図表示と25駅はここです」という表示をさせる。従って、次駅コードが必要である。「出発後」から「走行中(モード1)」への表示モードの変更は、時間により設定することができる。特定文字列は「10F252」である。表示モード管理コードは、ルートコードの「10F」であり、コンテンツ管理コードは、次駅コードの「25」および運行状態を表す「2」である。
【0073】
(走行中(モード2))
「走行中(モード1)」の表示モードの次は、「走行中(モード2)」の表示モードである。このときは「広告」を表示する。例えば、24駅と25駅の間を走行中に出すのにふさわしい広告を表示させる。例えば、25駅の最寄りの店の広告を表示させる。このような広告は、25駅に到着前に出すことが好ましい。従って、次駅コードが必要である。「走行中(モード1)」から「走行中(モード2)」への表示モードの変更は、時間により設定することができる。特定文字列は「10F253」である。表示モード管理コードは、ルートコードの「10F」であり、コンテンツ管理コードは、次駅コードの「25」および運行状態の「3」である。
【0074】
(到着前)
「走行中(モード2)」の表示モードの次は、「到着前」の表示モードである。このときは、「まもなく25駅です」という表示をさせる。従って、次駅コードが必要である。「走行中(モード2)」から「到着前」への変更は、例えば、駅到着時刻の所定時間前と決めることができる。特定文字列は「10F254」である。表示モード管理コードは、ルートコードの「10F」であり、コンテンツ管理コードは、次駅コードの「25」および運行状態の「4」である。
【0075】
(駅停車中)
次駅である「25駅」に到着すると、ドアが開かれる。開閉検知センサー5は、このドア開を検出して、現在駅状態と次駅状態としてセットされている駅コードが更新される。すなわち、現在駅コードのセット値は24駅から25駅に更新され、次駅コードのセット値は25駅から26駅に更新される。「駅停車中」の表示モードは前述の通りであり、特定文字列は「10F255」である。以下の動作は、前述と同様の動作が繰り返される。
【0076】
終着駅に到着した場合には、次駅は存在しないので、次駅コードがセットされない。終着駅に到着すると、次の走行は下りとなる。下りにおける動作は上りの場合と基本的に同じである。下りの場合は、ルートコードの「F」が「R」に変わる点が異なっている。
【0077】
<動作例2>
次に、図7により、別の動作例を説明する。図6の例と同じように、「24駅」から「27駅」まで運行する場合(上り)と、「27駅」から「24駅」まで運行する場合(下り)を示している。ただし、「26駅」を通過する設定であり、上りの場合「25駅」の次は「27駅」であり、下りの場合「27駅」の次が「25駅」となる。
【0078】
ここで、25駅に到着してドアが開くと、現在駅コードのセット値は24駅から25駅に更新され、次駅コードのセット値は25駅から27駅に更新される。「駅停車中」の表示モードでは、「ただいま25駅です」という表示がされる。この表示モードのときは、現在駅コードを利用するので、図6の表示例の場合と同じ内容の表示になる。
【0079】
ドアが閉まって出発すると、「駅出発」の表示モードに次いで「出発後」の表示モードになる。「駅出発」の表示モードは駅に関係ない表示であるので、図6の場合と同じである。「出発後」の表示モードでは、次駅コードが「27駅」にセットされているので、特定文字列は「10F271」となる。このときの表示内容は「次は27駅です」となる。現在駅コードは25であるが、これは表示内容には関係がない。従って、「26駅」を通過させる場合も、変換された表示モード管理コード(上位コード)、コンテンツ管理コード(下位コード)に基づいて、適切な表示をさせることができる。
【0080】
「26駅」を通過させる場合とは、急行や特急電車を走行させる場合の他に、緊急事態が発生して、次に到着すべき駅を急きょ変更する場合がある。その場合にも、指令部1側の次駅コードのセット値を変更するだけで、各表示パネル3の表示内容の変更を緊急に対応することができる。
【0081】
駅を通過するときは「駅通過」の表示モードになり、例えば、「27駅まで止まりません」という表示をさせる。この場合、次駅コード(27駅)に基づいて、特定文字列が生成される。
【0082】
<優先順位判断部の動作>
次に、図8のフローチャートにより、優先順位判断部20aの動作を説明する。ステータスデータ変換部20の優先順位判断部20aは、ステータスデータに含まれるフラグ情報に基づいて、表示モードの優先順位を判断している。
【0083】
まず、フラグ情報のうち、非常通報フラグがオンか否かを判断する(S1)。オンであれば、非常通報時モードの表示モード管理コード「900」を生成する(S1−1)。「非常通報中」は、非常通報中であることを知らせる表示モードであり、最優先される。
【0084】
ステップS1でフラグがオフであれば、スペシャルメッセージフラグがオンか否かを判断する(S2)。オンであれば、スペシャルメッセージモードの表示モード管理コード「700」を生成する(S2−1)。
【0085】
ステップS2でフラグがオフであれば、駅通過フラグがオンか否かを判断する(S3)。オンであれば、駅通過表示モードの表示モード管理コードを生成する(S3−1)。これは図4で説明したように、ルートコードにより構成される。「駅通過」は、駅を通過中(特急電車等の場合)であることを表示させる表示モードである。
【0086】
ステップS3でフラグがオフであれば、出発後フラグがオンか否かを判断する(S4)。オンであれば、出発後モードの表示モード管理コードを生成する(S4−1)。これも、ルートコードにより構成される。「出発後」は駅出発後に次の停車駅を表示する表示モードである。
【0087】
ステップS4でフラグがオフであれば、走行中フラグがオンか否かを判断する(S5)。オンであれば、走行中モードの表示モード管理コードを生成する(S5−1)。これもルートコードにより構成される。「走行中(モード1)」は、駅と駅の間を走行中に路線名等を静止画で表示する表示モードである。「走行中(モード2)」は、駅と駅の間を走行中に広告等の動画を表示する表示モードである。
【0088】
ステップS5でフラグがオフであれば、到着前フラグがオンか否かを判断する(S6)。オンであれば、到着前モードの表示モード管理コードを生成する(S6−1)。これもルートコードにより構成される。「到着前」は、次駅到着前に到着駅名等を表示する表示モードである。
【0089】
ステップS6でフラグがオフであれば、駅停車中フラグがオンか否かを判断する(S7)。オンであれば、ドア閉フラグがオンか否かを判断する(S8)。オンであれば、駅出発モードの表示モード管理コードを生成する(S8−2)。オフであれば、駅停車中モードの表示モード管理コードを生成する(S8−1)。「駅停車中」は、駅停車中に停車駅名を表示する表示モードである。ステップS7でフラグがオフであれば、デフォルト表示モードの表示モード管理コードを生成する(S7−1)。
【0090】
以上のようにフラグ情報を判断する順序に基づいて、各表示モードの優先順位が設定されている。
【0091】
非常通報フラグがオンになるのは、指令部1の入力部6を介して非常通報である旨の情報(スイッチ)が入力されたときである。オフも同様に行うことができる。スペシャルメッセージがオンになるのは、指令部1の入力部6を介してその旨の情報(スイッチ)が入力されたときである。オフも同様に行うことができる。
【0092】
駅通過フラグは、駅を通過するときにオンになるフラグである。駅停車中フラグは、駅停車中とドアが閉じた後の所定時間だけオンになるフラグである。出発後フラグは、駅停車中フラグがオフになった後、所定時間オンになるフラグである。
【0093】
走行中フラグは、車両が走行状態にあるときにオンになるフラグである。このフラグがオンになるのは、「到着前」モードになるまでである。到着前フラグは、走行中フラグがオフになった後、次の駅に停車するまでの間にオンになるフラグである。
【0094】
ドア閉フラグは、開閉検知センサー5からの開閉信号により、ドアが閉じているときにオンになるフラグである。
【0095】
<変形例(駅通過)の動作>
次に、「駅通過」の変形例の動作を図9のフローチャートにより説明する。駅通過表示処理がスタートすると、車両の進行方向が「F」か否かを判断する(S10)。「R」であれば「現在駅コード」−「次駅コード」を確認する(S11−1)。「F」であれば「次駅コード」−「現在駅コード」を確認する(S11−2)。それぞれの演算結果が「1」か否かを判定する(S12−1,12−2)。
【0096】
「1」であれば、駅通過ではないので、元に戻る。「1」でなければ、コンテンツ管理コードが「002〜999」のいずれかの表示用ファイルが抽出される。例えば、演算結果が「2」であれば、特定文字列は「500−002」であり、「1駅分通過します」という表示をさせる。
【0097】
<効果>
本発明に係る表示制御装置及び鉄道車両情報案内システムによれば、表示用ファイルを特定するための上位コードと下位コードに基づいてファイル名が作成されているので、必要な表示用ファイルを検索するときに簡単に行うことができ、緊急事態が発生したとしても、容易に対応することができる。
【0098】
<別実施形態>
本発明に係る表示制御装置は、種々の鉄道車両に対して応用することができる。通常の鉄道のみならず、モノレールやケーブルカーなどにも応用することができる。
【0099】
本発明において、運行情報を知らせるための表示用コンテンツについては、種々の変形例がある。文字情報に限定されるものではなく、画像情報や、文字と画像の組み合わせ等、適宜のコンテンツを組み合わせて構成することができる。
【0100】
また、表示用ファイルとしては、静止画や動画だけでなく、音声ファイル(音声により運行情報を表示させる)も含ませることができる。
【0101】
表示モード管理コードとコンテンツ管理コードの具体的な例は、本実施形態に限定されるものではなく、種々の変形例が考えられる。例えば、コードのケタ数は適宜設定することができる。コードは文字、文字、記号などを任意に組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0102】
1 指令部
1a ステータスレジスタ
1b メモリ
2 表示制御装置
3,3R,3L 表示パネル
20 ステータスデータ変換部
20a 優先順位判断部
21 ファイル抽出部
22 メモリ(ファイル記憶部)
23 表示コンテンツ出力制御部
24 表示用ファイル入力部
100 鉄道車両

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄道車両の運行情報である表示用コンテンツを車両内に設けられた複数の表示部に表示させるための表示制御装置であって、
前記表示用コンテンツの表示用ファイルが複数格納されたファイル記憶部と、
指令部から送信されるステータスデータを受信し、このステータスデータに基づいて、特定文字列を生成するステータスデータ変換部と、
前記特定文字列に基づいて作成されたファイル名を含む少なくとも1つの表示用ファイルを抽出するファイル抽出部と、
抽出された表示用ファイルに基づき、表示用コンテンツを表示部に出力する表示用コンテンツ出力制御部と、を備えていることを特徴とする表示制御装置。
【請求項2】
前記ステータスデータは、鉄道車両の走行状態を表す走行状態情報を含み、
走行状態情報には、少なくとも駅停車中を表す駅停車中情報と、鉄道車両が走行中であることを表す走行中情報を含むことを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記特定文字列は、表示モードを特定する表示モード管理コードを含み、
前記表示モードの優先順位を判断する優先順位判断部を備え、前記ステータスデータ変換部は、優先順位判断部の判断結果により生成された表示モード管理コードに従い、前記特定文字列を生成することを特徴とする請求項1又は2に記載の表示制御装置。
【請求項4】
前記ステータスデータは、次に停車する駅を表す次駅コードと、次に停車する前の駅を表す現在駅コードとを含み、
前記ステータスデータ変換部は、ステータスデータに駅停車中情報が含まれていると判断したときは、現在駅コードを含む特定文字列を生成し、走行中情報が含まれていると判断したときは、次駅コードを含む特定文字列を生成することを特徴とする請求項2又は3に記載の表示制御装置。
【請求項5】
鉄道車両の運行情報である表示用コンテンツを車両内に設けられた複数の表示部に表示させるための鉄道車両情報案内システムであって、
前記表示用コンテンツの表示用ファイルを特定するためのステータスデータを送信する指令部と、
この指令部からのステータスデータを受信し、前記表示部に表示させるべき表示コンテンツを出力させる請求項1〜4のいずれか1項に記載の表示制御装置と、を備えたことを特徴とする鉄道車両情報案内システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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