説明

表示窓保護用シート

【課題】薄肉化で打ち抜き加工時に問題となる強度を改善し、シート成形時に生じる表面不良を低減させ、ハードコート処理や反射防止処理、帯電防止処理での外観不良を防止する、優れた薄肉シートを用いた表示窓保護用シートを提供する。
【解決手段】メタクリル酸メチル単位70〜99.5wt%とこれに共重合可能な他のビニル単量体単位0.5〜30wt%とからなるメタクリル系樹脂に、多段重合で得られるアクリル系ゴム0.5〜30wt%を含有したメタクリル樹脂組成物を用い、押出し成形で得られたシートの厚み1mm換算の50%破壊エネルギーが0.055J以上である表示窓保護用シート。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薄肉化で打ち抜き加工時に問題となる強度を改善し、シート成形時の生じる表面不良を低減させ、ハードコート処理や反射防止処理、帯電防止処理での外観不良を防止する、優れた薄肉シートを用いた表示窓保護用シートに関する。
【背景技術】
【0002】
メタクリル樹脂は、透明樹脂として他のプラスチック透明樹脂よりその高い光透過率、耐候性、高い剛性に特徴があり、車両用部品、照明器具、建築用材料、看板、絵画や、表示装置の表示窓や銘板等広い用途で用いられている。中でも、携帯電話の表示窓は、内部の液晶表示を見やすくすると同時に、外からの衝撃や圧力から、内部の液晶を守り、平滑性が必要なことから、メタクリル樹脂シートが広く用いられている。この携帯電話は、近年の小型化、薄肉化に従い、この表示窓のメタクリル樹脂シートも厚み精度の高い薄肉化が進んでいる。
【0003】
一般的にメタクリル樹脂シートの製造方法としては、平滑性と厚み精度と量産性から、Tダイ及びロールを用いた押出樹によるシート押出し法が広く用いられている。しかし、シートが薄肉になると、ロール引き取り中に樹脂が冷却されて、引取りが難しくなるため、引き取りの線速を上げて製造が行われる。このときに、板厚とロールの鏡面の転写性を上げるために、ロールのところにバンクと呼ばれる溶融した樹脂の溜りを設けて製造するが、このバンクが、引き取りの線速を上げるに従い、シート幅方向でのバンクの大きさが不均一になる。バンクが小さくなると、ロールの鏡面の転写が不十分となったり、厚みが薄くなったりする。バンクが大きくなると、厚みが厚くなったり、バンクがきれいにつぶれずにシート表面にバンク模様が生じる不具合が生じる。また、表示窓として用いられるシートは、携帯電話使用中の耐擦傷性のためのハードコート処理や表示を見やすくするための反射防止処理や、ゴミ、ほこり付着防止のための帯電防止処理が望まれる。
【0004】
この処理の際に、シートのみでは見られなかった表面凹凸の不良がさらに大きく見える現象が発生し、処理後のシートの外観がより悪くなる不具合が生じる。また、薄肉シートを表示保護用窓の形状にする場合、一般的に打ち抜き加工で形状を切り抜く方法が取られているが、この時、シートの強度が弱いために割れてしまうという問題が発生する。
これまで、一般的にアクリル樹脂フィルムを透明樹脂シートに張り合わせた、表示保護用窓がある。こうすることで、窓の基板となる透明シートの不具合が目立たなくなるが、シートを張り合わせるという工程がかかるため生産性が悪くなる。また、打ち抜きでの割れを防止するため、射出成形でインモールド成形で行う場合、表示用保護窓の端面にヒケが発生するため表示が見にくくなる(例えば、特許文献1、2参照。)。
【特許文献1】特開2004−143365号公報
【特許文献2】特開2003−258968号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、薄肉化で打ち抜き加工で問題となる強度を改善し、なおかつ薄肉のシート成形不良による外観不良を低減し、ハードコート処理や反射防止処理、帯電防止処理での外観不良を防止する、優れた表示窓用シートを用いた表示保護用窓を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
これらの問題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、メタクリル系樹脂に適正な割合で多段重合で得られるアクリル系ゴムを含有することで、薄肉のシートの外観不良が無く、ハードコート処理や反射防止処理、帯電防止処理での外観不良を防止した優れた表示窓用シートが出来ることを見出した。
すなわち、メタクリル酸メチル単位70〜99.5wt%とこれに共重合可能な他のビニル単量体単位0.5〜30wt%とからなるメタクリル系樹脂に、多段重合で得られるアクリル系ゴムを0.5〜30wt%含有したメタクリル樹脂組成物を用い、押出し成形で得られたシートの厚み1mm換算の50%破壊エネルギーが0.055〜0.4Jである表示窓保護用シートである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下本発明をさらに詳細に説明する。本発明におけるメタクリル系樹脂とはメタクリル酸メチル単位70〜99.5wt%と0.5〜30wt%の共重号可能な他のビニル単量体からなる。メタクリル酸メチル単量体が70〜99.5wt%含まれる。70wt%より少ないと、耐熱性や光学性能が低下するために良くない。99.5wt%より多いと、熱安定性が良くないため良くない。特に好ましくは、85〜99wt%である。
他のビニル単量体としては、アルキル基の数が2〜18のアルキルメタクリレート、アルキル基の炭素数が2〜18のアルキルアクリレートの他、アクリル酸やメタクリル酸等のα,β−不飽和酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和基含有二価カルボン酸及びそれらのアルキルエステル、スチレン、α−メチルスチレン、核置換スチレン等の芳香族ビニル化合物、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物、無水マレイン酸、マレイミド、N−置換マレイミド等が挙げられ、これらは、単独或いは2種類以上を併用して用いることが出来る。これらの中でも、耐光性、熱安定性、耐熱性、流動性の観点から、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、s−ブチルアクリレート、2−エチルエキシルアクリレート等が好ましく用いられ、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレートが特に好ましい。
【0008】
さらに本発明におけるメタクリル系樹脂はその全部または一部を分岐を有する重合体とすることも可能である。この場合もその製造方法には特に制限は無く、例えば下記のような方法を用いることができ、これらは単独で実施することも、あるいは組み合わせて実施することも可能である。
a.片末端に重合反応可能な官能基を有するポリマーまたはオリゴマー(いわゆるマクロマー、マクロモノマー)とこれと共重合可能な単量体と共重合することによってグラフトポリマーを精製する製造方法。
b.幹となるポリマーに水素引き抜き反応などで重合開始点を生成させ、ここから単量体の重合を開始することによってグラフトポリマーを生成する製造方法。
【0009】
c.1分子中に3個以上の重合反応開始可能な官能基を有する多官能性開始剤を使用して分岐ポリマーを生成する製造方法。
d.1分子中に3個以上の連鎖移動可能な官能基を有する多官能性連鎖移動剤を使用して分岐ポリマーを含むポリマーを生成する製造方法。
e.片末端に官能基を有するポリマーまたはオリゴマーと反応しうる官能基を1分子中に3個以上有する化合物とカップリング反応させて分岐ポリマーを生成する製造方法。
これらの分岐を有する重合体の場合にも、例えば重合性オリゴマーまたはポリマーの分子量を制御して製造し、これを単量体とを今日重合する際の分子量も連鎖移動剤の使用などの方法で制御することによって、所望の分子量及び分子量分布を有する樹脂を製造することが可能である。また、分子量及び分子量分布を制御する実用的な方法として、1分子中に2個以上の重合可能な官能基を有する多官能性単量体を通常の単官能性単量体と共重合する際に、多官能性単量体の共重合率と生成共重合体の分子量及び分子量分布を幅広く制御でき、かつ分散状態は均一な重合体を製造しうるところが有利な点である。
【0010】
多官能性単量体としては、例えばエチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート(分子中のエチレンオキシド単位は2〜20個)、ポリエチレングリコールジメタクリレート(分子中のエチレンオキシド単位は2〜20個)、2,2’−ビス(4−メタクリロイルオキシフェニル)プロパン、アリルメタクリレート、ジビニルベンゼンなどの2官能単量体、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、グリセリントリスアクリレート、グリセリントリスメタクリレートなどの3官能性単量体が挙げられる。
【0011】
また、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレートなどの4官能性単量体、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレートなどの6官能性単量体などが挙げられ、これらは単独で使用しても、あるいは2種類以上を併用しても良い。多官能性単量体の共重合率は、得られる重合体が熱可塑性である必要があるため、一般的にはかなり少量の共重合で実施しうる。これらは、単独でも、2種類以上の分岐重合体を含んでも良く、また分岐構造と通常の非分岐重合体(リニア重合体)との混合物であっても良い。
より好ましくは本発明におけるメタクリル系樹脂は、メタクリル酸メチル単量体70〜99.5wt%及びメタクリル酸メチルに共重合可能な他のビニル単量体の少なくとも1種で構成される単量体0.5〜30wt%からなる共重合体であって、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した重量平均分子量が5万〜18万である共重合体(1)を97〜50wt%および重量平均分子量が20万〜80万である共重合体(2)を3〜50wt%含んでなるメタクリル系樹脂である。
【0012】
このようなメタクリル系樹脂を使用すると、シート押出し加工時のシート加工性が向上するため、シート外観の平滑性がとれて、より好ましい。また、高分子量成分により、ゴム量が低くても高いシート1mm厚時の50%破壊エネルギーが高くなるため、打ち抜き加工時の割れ等の問題が発生しなくなり好ましい。また、ハードコート等の処理を行ったときのクラック等の発生がないため好ましい。
本発明における、共重合体(1)もしくは共重合体(2)の組成は、また、共重合体(1)を100wt%としたときの共重合体1を構成するメタクリル酸メチル単体量の重量百分率と共重合体(2)を100wt%としたときの共重合体2を構成するメタクリル酸メチル単量体の重量百分率の差が15wt%以内が好ましい。その差が15wt%以上であると、共重合体1と共重合体2の屈折率差が大きくなりすぎるため、得られたメタクリル樹脂組成物の光学特性が低下するため好ましくない。より好ましくは、10wt%以内である。
【0013】
また、共重合体(1)に用いられる共重合体1の粘度平均分子量は5万〜18万が好ましく、共重合体(2)の粘度平均分子量は20万〜80万が好ましい。共重合体1の粘度平均分子量が5万より低いと、樹脂の機械強度が低下するために好ましくない。18万より大きいと、共重合体(2)の分子量差が小さくなるために、シートを押出したときのバンク安定性が改良されない。共重合体2の分子量が20万より小さい場合、やはり、共重合体1との分子量差が小さいためにシートを押出したときのバンク安定性が改良されずらく好ましくない。80万より大きいと、シートを押出したとき、シート内に未溶融樹脂が発生し、シート表面に小さな凹凸形状が発生するために好ましくない。より好ましくは、共重合体1の粘度平均分子量が8万から14万であり、共重合体2の粘度平均分子量が22万〜50万である。
【0014】
本発明で測定される粘度平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定される。あらかじめ、分子量分布が狭く、分子量が既知で試薬として入手可能な、標準メタクリル樹脂を用いて、溶出時間と分子量から、検量線を作成しその検量線から、各試料の分子量を測定することが出来る。
本発明における共重合体(1)の単量体の組成及び粘度平均分子量範囲内及び共重合体(2)の単量体の組成及び粘度平均分子量範囲内にある共重合体は、それぞれ1つであっても複数であっても良い。複数の場合例えば、共重合体(1)の組成及び粘度平均分子量範囲にある共重合体が2つ以上存在する場合、組成は平均した単量体組成が共重合体(1)の組成であり、平均した粘度平均分子量が共重合体1の粘度平均分子量である。共重合体(2)の場合も同様である。
【0015】
本発明における共重合体(2)の好ましい比率は3〜40wt%であり、共重合体(2)の比率は97〜60wt%である。共重合体1の比率が3wt%より少ないと効果が無い。40wt%より多いと、全体の樹脂の流動性が小さくなりすぎるために好ましくない。より好ましくは5〜30wt%である。
本発明におけるメタクリル系樹脂の製造方法は特に制限無く、懸濁重合、乳化重合、塊状重合、溶液重合等公知の方法のいずれも可能である。また、共重合体(1)と共重合体(2)は別々に重合し、混合して、シート押出し機で溶融、混練して用いる。もしくは、混合して、押出し機で溶融、混練して、ペレット化し、シート押出し機に用いることも可能である。また、共重合体1ならびに共重合体2を連続して重合しても良い。
【0016】
例えば、
1.複数の反応器を用いて重合反応を並列して行う段階と、各々の反応器で生成した重合体を溶液状態または溶融状態で均一に混合して、それぞれの比率と分子量が制御して、製造する、
2.複数の直列した反応器を用いて重合反応を連続して行い、各々の反応器で生成する比率及び分子量を制御して製造する、
3.あらかじめどちらかの共重合体を重合しておき、残りの共重合体を重合するための規定の量の単量体にすでに得られた規定量の共重合体を溶解し、その後重合反応を行うことによって、それぞれの比率、分子量を制御して、製造する方法、
4.あらかじめどちらかの共重合体を重合する途中で、連鎖移動剤及び/又は単量体を後添加することによって最終的に比率及び分子量を制御して、製造する方法、
が挙げられる。
【0017】
本発明におけるメタクリル系樹脂を製造するための重合開始剤としては、フリーラジカル重合を用いる場合は、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジラウロイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサンなどのパーオキサイド系や、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソバレロニトリル、1,1−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)などのアゾ系の一般的なラジカル重合開始剤を用いることができ、これらは単独でもあるいは2種類以上を併用しても良い。これらのラジカル開始剤と適当な還元剤とを組み合わせてレドックス系開始剤として実施しても良い。その他にアルキルリチウムなどを用いたアニオン重合法、有機金属錯体を用いた配位重合法、基転移重合法などを用いて製造しても良い。これらの開始剤は、単量体混合物に対して、0.001〜1wt%の範囲で用いるのが一般的である。
【0018】
本発明における共重合体1及び共重合体2の分子量を調整するために、ラジカル重合法で製造する場合には一般的に用いられている連鎖移動剤を使用できる。連鎖移動剤としては、例えばn−ブチルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、2−エチルヘキシルチオグリコレート、エチレングリコールジチオグリコレート、トリメチロールプロパントリス(チオグリコート)、ペンタエリスリトールテトラキス(チオグリコレート)などのメルカプタン類が好ましく用いられる。一般的に単量体混合物に対して、0.001〜1wt%の範囲で用いるのが一般的である。
【0019】
本発明における多段重合で得られるアクリル系ゴムとは、1段目もしくは2段目にアクリル酸メチルもしくはメタクリル酸メチル、それと共重合可能なビニル系単量体および多官能性単量体で架橋させ、その外側にメタクリル酸メチルもしくはアクリル酸メチル及びそれと共重合可能なビニル系単量体と共重合させた、多層構造を有するグラフト共重合体である。層の数は多ければ多いほど、その弾性をコントロールしたゴムが重合可能であるが、製造コストの点から、2〜3層が好ましく、特に好ましくは3層であり、その構成として、最内層(b−1)がメタクリル酸メチル70〜99.9wt%、他の共重合性単量体0〜30wt%及び共重合性多官能単量体0.1〜5wt%とを共重合して得られる共重合体であり、中央層(b−2)がアクリル酸エステル77〜99.9wt%、その他の共重合性単量体0〜30wt%及び共重合性多官能単量体0.1〜5wt%とを共重合して得られるゴム弾性共重合体であり、最外層(b−3)がメタクリル酸メチル70〜99.8重量%とこれに共重合可能な他のビニル単量体の少なくとも1種0.2〜30wt%からなる共重合体からなるものである三段構造を有する微粒子である。
【0020】
多層構造微粒子の最内層(b−1)のメタクリル酸メチルと共重合されるその他の単量体としてはメタクリル系樹脂(I)に用いられるメタクリル酸メチルと共重合される単量体と同様のものが使用され、多官能性単量体としては、特に限定しないが、好ましくはエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アリル、トリアリルイソシアヌレート、マレイン酸ジアリル、ジビニルベンゼン等から1種又は2種以上併用して用いられる。特に好ましいのは、(メタ)アクリル酸アリルである。
【0021】
中央層(b−2)はゴム弾性を示す共重合体であり、樹脂組成物に衝撃強度を付与するには重要である。使用されるアクリル酸エステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル等を1種又は2種以上を併用して用いられるが、これらのうちではアクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシルが特に好ましい。また、アクリル酸エステルと共重合される他のビニル単量体としては、メタクリル系樹脂(I)の他のビニル単量体と同様のものを用いることができるが、好ましくは(b−2)層の屈折率を調整して樹脂組成物の透明性を良好にするためにスチレンあるいはその誘導体が用いられる。また、多官能性単量体は最内層(b−1)で用いられる多官能性単量体と同様のものが用いられるが0.1wt%未満では十分架橋せず、また、5wt%を超えると架橋が強すぎ、いずれもゴム弾性体効果が小さくなり樹脂組成物の衝撃強度が低下するので好ましくない。
【0022】
最外層(b−3)のメタクリル酸メチルと共重合されるその他のビニル単量体はメタクリル樹脂(I)との混練分散性をよくするため、連鎖移動剤を用いて分子量を調整することもできる。樹脂組成物の透明性をよくする為には、本発明のメタクリル系樹脂と多層構造粒子との屈折率を一致させる必要があるが、多層構造粒子の各層の内、アクリル酸エステルを主成分として共重合して得られる中央層(b−2)の屈折率を該メタクリル系樹脂と完全に一致させることはきわめて困難である。
例えば屈折率を合わせるためにアクリル酸エステルとスチレン系単量体を共重合させる事が行われているがこの場合、ある温度では屈折率が略等しくなり不十分ながらある程度透明性は向上するものの、温度を変化させると屈折率のズレが生じ透明性は悪くなる。この中央層(b−2)の厚みを小さくすることが有効であるが、これは中央層の内側に該メタクリル系樹脂とほぼ屈折率が一致している最内層(b−1)を設けることにより達成できる。この最内層が存在しない領域では顕著に透明性が低下するので透明性と耐衝撃性を満足させるためにこのような3層構造が好ましいのである。多層構造微粒子の(b−1)/(b−2)/(b−3)の構成比は重量比で(5〜50)/(10〜80)/(5〜50)である。この範囲を外れると樹脂組成物の衝撃強度が低下したり透明性が低下する。
【0023】
また、多層構造粒子の層構成は本発明で示した最内層、中央層および最外層がこの順番で配置されていればよい。例えば最内層、中央層および最外層がこの順番で配置されていれば、必要に応じて各層の間に任意の層を設けることができる。例えば最内層と中央層の間、中央層と最外層の間に任意の共重合体からなる層を設けることは、成形加工性、耐衝撃性、透明性等の必要な特性を損なわない範囲で可能である。
本発明の多層構造微粒子は乳化重合で得ることが望ましい。乳化剤、開始剤の存在下に初めに(b−1)層の単量体混合物を添加し、重合を完結させ、次に(b−2)層の単量体混合物を添加して重合を完結させ、次いで(b−3)層の単量体混合物を添加して重合を完結させる事により容易に多層構造粒子がラテックスとして得られる。この多層構造粒子はラテックスから塩析、噴霧乾燥、凍結乾燥などの公知の方法によって紛体として回収できる。
【0024】
本発明におけるアクリル系ゴムは、原料であるメタクリル系樹脂に添加することで製品の衝撃強度が改善できる効果があることは公知であるが、その存在により、さらに、シート成形時にバンクの安定性が向上し、その結果、平滑なシート加工性得られ、品質の良い表示窓が得られる。そのためには、添加するアクリル系ゴム0.5wt%以上30wt%以下である。樹脂組成物中にアクリル系ゴムが0.5wt%未満であるとシート成形時に加工性が向上しない。30wt%より多いと、シート外観に微細な凹凸不良が発生するために良くない。より好ましくは2〜20wt%である。
本発明におけるアクリル系ゴムの平均粒子経は0.05〜0.5μmであり0.05μ未満だと取り扱いの点で好ましくない。0.5μmを超えると成形体の透明性が悪くなるので好ましくない。
本発明におけるアクリル系ゴムをメタクリル系樹脂(I)に含有させるには該メタクリル系樹脂とアクリル系ゴムを溶融混練する事によって得ることができる。あらかじめこれらの重合体の所定量をブレンダー、ヘンシェルミキサー等で紛体混合しておいた後、公知の押出し機、ロール、バンバリーミキサー等を使用して溶融混練する方法を用いることができる。
【0025】
本発明におけるシートの1mm厚み換算での50%破壊エネルギーは0.055J以上である。この50%破壊エネルギーとは、直径15.8mm、重さ0.012kgの鋼球を直径16mmの両方が空いた真っ直ぐなパイプをシート面の垂直に立ててパイプ内からシートから鋼球を5cmごとに高さを変えてシート面に落とした時にシートが1cm以上の割れが生じるときの高さを用いて求められる。なお、このときの高さは、JIS K 7211の7、8章に記載している操作、計算で求められる50%破壊高さ及び50%破壊高さに鋼球の重量0.012kgと重力の加速度9.80665m/sを掛けることでシート自体の50%破壊エネルギーを求めることが出来る。この値をシートの厚みで割ることでシート厚み1mm換算での50%破壊エネルギーが得られる。この方法で得た50%破壊エネルギーは、シートの打ち抜き加工性と相関がある事を今回見出した。なお、JIS K 7211 50%破壊エネルギーが0.055Jより小さいと、厚みを問わず、シートから表示保護用窓に打ち抜き加工を行ったときに割れが発生する不良が生じる。より好ましくは0.058J以上であり、0.4J以下、好ましくは0.3J以下である。
【0026】
本発明の表示窓に用いられるシートの厚みは0.55〜1.5mmである。0.55mm未満であると、剛性が無く下の液晶部分を保護することができなくなり好ましくない。1.5mmより厚いと携帯電話の筐体面より表示窓がはみ出す形状となるため、フィリップ式(折りたたみ式)に対しては、折りたたみができなくなるという不具合が生じるため筐体の形状が複雑になり好ましくない。より好ましくは0.6〜1.0mmである。
本発明におけるメタクリル樹脂組成物は、薄肉シート押出し成形中もしくはシート押出し後に、片面もしくは両面にハードコート処理、反射防止処理、もしくは、帯電防止処理のいずれかもしくは1種以上の処理を施すことが好適である。これらは、一般的に用いられている公知の方法が用いられる。例えばハードコート処理としては、エタノール、トルエン等の溶媒やアクリル系硬化樹脂にシリカや酸化チタン等を添加した液を塗布もしくは液にシートを浸漬する方法や熱硬化性アクリル樹脂や熱硬化性シリコン樹脂を塗布し、硬化する方法や、半硬化性アクリル樹脂シートやシリコン樹脂シートをシートに張り合わせて、硬化する方法等が挙げられる。これらの方法は、シート押出しの工程中もしくは、シート成形後に処理を行うことが出来る。
【0027】
本発明における押出しシート用メタクリル樹脂を製造する際、もしくは押出し機で使用する際に、必要に応じて染料、顔料、ヒンダードフェノール系やリン酸塩等の熱安定剤、ベンゾトリアゾール系、2−ヒドロキシベンゾフェノン系、サリチル酸フェニルエステル系などの紫外線吸収剤、フタル酸エステル系、脂肪酸エステル系、トリメリット酸エステル系、リン酸エステル系、ポリエステル系などの可塑剤、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸のモノ、ジ、またはトリグリセリド系などの離型剤、高級脂肪酸エステル、ポリオレフィン系などの滑剤、ポリエーテル系、ポリエーテルエステル系、ポリエーテルエステルアミド系、アルキルスフォン酸塩、アルキルベンゼンスルフォン酸塩などの帯電防止剤、リン系、リン/塩素系、リン/臭素系などの難燃剤、反射光のぎらつきを防止するためにメタクリル酸メチル/スチレン共重合体ビーズなどの有機系光拡散剤、硫酸バリウム、酸化チタン、炭酸カルシウム、タルクなどの無機系光拡散剤、補強剤として多段十号で得られるアクリル系ゴム等を使用しても良い。これらの添加剤を配合するときには、公知の方法で実施しうる。例えば、単量体混合物にあらかじめ添加剤を溶解しておき重合する方法や、溶融状態、ビーズ状あるいはペレット状の樹脂に添加剤をミキサー等でドライブレンドし、押出し機を用いて混練、造粒する方法などが挙げられる。
【実施例】
【0028】
以下に実施例、比較例を用いて本発明をさらに具体的に説明する。単位を部で表示しているところは、重量部を表す。
1.メタクリル樹脂の粘度平均分子量の測定
トーソー株式会社製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(HLC−8120+8020)カラムに東ソー製TSKスーパーHH−M(2本)+スーパーH2500(1本)を直列に並び検出器をRIで行い、測定試料は、0.02gのメタクリル樹脂を20ccのTHF溶媒に溶解し、注入量10ml、展開流量0.3ml/minで溶出時間と、強度を測定した。ジーエルサイエンス製の単分散の粘度平均分子量が既知なメタクリル樹脂を標準試料とした検量線を元に粘度平均分子量を求めた。混合物の粘度平均分子量の測定は、どれか単体の粘度平均分子量を元に混合物の粘度平均分子量から引くことで、混合物の残りの単体の粘度平均分子量及び比率を求めることにした。
【0029】
2.押出しシート成形性の評価
Tダイのついた50mmφの押出し機と3本の縦に並んだポリッシングロールとその先に引き取りロールを組み合わせたシート押出し機を用い、押出し機温度250℃Tダイ温度255℃で、Tダイより溶融した樹脂を下から1本目と2本目のポリッシングロール間に入れて、0.65mm厚のシートを作成した。シートの幅は30cmである。
3.シート1mm厚換算50%破壊エネルギーの評価
直径15.8mm、重さ0.012kgの鋼球を直径16mmの両方が空いた真っ直ぐなパイプをシート面の垂直に立ててパイプ内からシートから鋼球を5cmごとに高さを変えてシート面に落とした時にシートが1cm以上の割れが生じたり割れなかったりする高さを求める。その高さでまず鋼球をシートに落としたときに割れなかった場合5cm上げて鋼球を落とし、割れた場合5cm下げて鋼球を落とし、割れたか割れなかったかで、高さを5cm上げたり、下げたりする。これを計20回行い、JIS K 7211の7、8章に記載している操作、計算で求められる50%破壊高さ及び50%破壊高さに鋼球の重量0.012kgと重力の加速度9.80665m/sを掛けることでシート自体の50%破壊エネルギーを求めた。その値をシート厚み0.65mmを割ることで、シート1mm厚換算時の50%破壊エネルギーを求めた。
【0030】
4.押出しシートの加工性の評価
得られたシートを打ち抜き加工機で、2.1inchの液晶表示を持つ携帯電話の表示部分の形状になるよう打ち抜いた。100枚打ち抜いたときに割れや、ヒビが入った枚数を数えた。
5.シート外観の評価
打ち抜いたシートを携帯電話の表示窓保護として、筐体と両面テープで張り合わせた。 蛍光灯がついている部屋で、蛍光灯が上からシートに写りこむ(反射する)ようにし、表示部分を斜めから見て蛍光灯の像がゆがむ個所で凹凸の有無を評価する。次に液晶を照らして、表示を行い、表示が見えにくい部分がないか、画像がにじむ個所がないかどうかを評価した。100枚中ゆがみや表示が見えにくい不良の発生した枚数を数えた。
6.ハードコート処理表示窓の評価
表示窓外観で問題なかったシートについて、市販のJPC製ハードコート液TKH−36Aに得られたシートを浸漬し、引き上げて、紫外線を照射し、ハードコート層をシート表面に形成した。その後4.と同等の外観の評価を行い、シートに凹凸がないか、鏡面性のない部分、蛍光灯でシートが光って見える処理によるクラックは発生していないかを評価する。100枚中シートに凹凸がある、鏡面性がないもの、蛍光灯でシートが光って見える、処理によるクラックが発生している、などの不良が発生した枚数を数えた。
【0031】
a)メタクリル系樹脂 樹脂(1)の製造
60Lの攪拌機付反応器にメタクリル酸メチル94wt%及びアクリル酸メチル6wt%の比率でこれらの合計を100部と、ラウリルパ−オキサイド0.205部、n−オクチルメルカプタン0.275部(以上が共重合体の原料)、脱イオン水200部、三リン酸カルシウム0.5部、炭酸カルシウム0.3部、ラウリル硫酸ナトリウム0.003部を投入し攪拌混合し、反応器の反応温度を80℃で150分懸濁重合し、続いて92℃で60分熟成し、重合反応を実質終了し、次に50℃まで冷却して鉱酸を投入し、洗浄脱水乾燥処理し、ビーズ状のメタクリル系樹脂 樹脂(1)を得た。
【0032】
b)メタクリル系樹脂 樹脂(2)の製造
60Lの反応器にメタクリル酸メチル94wt%及びアクリル酸メチル6wt%の比率でこれらの合計を70部と、ラウリルパ−オキサイド0.21部、n−オクチルメルカプタン0.193部(以上が共重合体1の原料)、脱イオン水200部、三リン酸カルシウム0.5部、炭酸カルシウム0.3部、ラウリル硫酸ナトリウム0.003部を投入し、攪拌混合し、反応器の反応温度を80℃で150分懸濁重合し、重合物を少量を抜き取った。これをゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定し、粘度平均分子量10万の共重合体(1)であることを確認した。その10分後に共重合体(2)の原料であるメタクリル酸メチル94wt%及びアクリル酸メチル6wt%の比率でこれらの合計を30部と、ラウリルパ−オキサイド0.006部、n−オクチルメルカプタン0.012部を反応器に投入し、引き続き80℃で90分懸濁重合し、続いて92℃で60分熟成し、重合反応を実質終了し、次に50℃まで冷却して鉱酸を投入し、洗浄脱水乾燥処理し、ビーズ状メタクリル樹脂(共重合体(1)と共重合体(2)の混合物)を得た。
このビーズ状ポリマーをゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定し、表1の結果の通り、先の共重合体(1)の粘度平均分子量の結果を用いて計算し、粘度平均分子量が10万で比率が72wt%の共重合体(1)と粘度平均分子量が46万で比率が28wt%の共重合体(2)の混合物であることを確認した。
【0033】
c)アクリル系ゴム ゴム(1)の製造
60Lの攪拌機付反応器にイオン交換水300部を仕込み窒素置換しながら70℃に昇温した後ジヘキシルスルフォコハク酸ナトリウム0.3部と過硫酸カリ0.3部を仕込んだ。続いてメタクリル酸メチル28wt%とアクリル酸n−ブチル2wt%とメタクリル酸アリル0.3wt%からなる単量体混合物を仕込み1時間保持して反応を完結した。次いでアクリル酸n−ブチル32wt%とスチレン8wt%とメタクリル酸アリル1.0wt%からなる単量体混合物を2時間かけて添加した後2時間保持して反応を完結させた。次いでメタクリル酸メチル27wt%とアクリル酸ブチル3wt%とn−オクチルメルカプタン0.05部からなる単量体混合物を1時間かけて添加した後1時間保持して反応を完結させた。得られたラテックスを硫酸ナトリウムを塩析剤として用いて塩析した後、脱水、水洗、脱水、乾燥を行い、粉体としてゴム(1)を得た。
【0034】
[実施例1〜9および比較例1,2]
a)樹脂(1)、(2)にゴム(1)を、表1の組成に従い、タンブラーを用いて均一混合し、30mmφ2軸押出し機で成形温度255℃で押出して、ペレタイズを行った。これを用いて押出しシート成形を行い、評価を行った。その結果を表1に示す。
実施例1〜9では、1mm厚換算での50%破壊エネルギーが0.055Jより大きいであったため、打ち抜き加工でいずれも不良品が10%以下という高いレベルであった。一方、比較例1は打ち抜き加工での不良品が20%以上であり、良品採取の比率が低い。
また、打ち抜き後及びハードコート処理後の外観不良は、実施例1〜9においては90%以上が良品であるが、比較例1では、シート成形時のバンクの安定性ムラであるバンク模様という鏡面と鏡面でない部分との繰り返し波模様による蛍光灯の写り込み不良が17%であった。比較例2ではゴム量が50wt%と多いため、打ち抜き後の外観で、50%未満しか良品が無かった。表面にゴムの凝集物と思われる表面不良が多量発生した。さらに外観にハードコート処理することで、さらに小さな点状の不良が29%も見えて良くなかった。
【0035】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明の押出しシート用メタクリル樹脂組成物を用いることにより、外観品質が非常に重要な、携帯電話等、液晶モニター、液晶テレビの表示(装置)窓や、表示装置の前面板や絵画等の額や、外光を取り入れる窓、表示用看板、車両用光学部品等の表示窓保護において、打ち抜きによる不良を低減させながら、外観品質のよい表示窓保護用シートを提供することが可能となる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メタクリル酸メチル単位70〜99.5wt%とこれと共重合可能な他のビニル単量体単位0.5〜30wt%からなるメタクリル系樹脂に、多段重合で得られるアクリル系ゴム0.5〜30wt%を含有したメタクリル樹脂組成物を用い、押出し成形で得られたシートの厚み1mm換算の50%破壊エネルギーが0.055〜0.4Jであることを特徴とする表示窓保護用シート。
【請求項2】
該アクリル系ゴムの含有量が、2〜20wt%であることを特徴とする請求項1に記載の表示窓保護用シート。
【請求項3】
該多段重合で得られるアクリル系ゴムが、最内層(b−1)がメタクリル酸メチル70〜99.9wt%、他の共重合性単量体0〜30wt%及び共重合性多官能単量体0.1〜5wt%を共重合して得られる共重合体であり、中央層(b−2)がアクリル酸エステル77〜99.9wt%、その他の共重合性単量体0〜30wt%及び共重合性多官能単量体0.1〜5wt%を共重合して得られるゴム弾性共重合体であり、最外層(b−3)がメタクリル酸メチル70〜99.8重量%とこれに共重合可能な他のビニル単量体0.2〜30wt%からなる共重合体からなるものである三段構造を有する微粒子であることを特徴とする請求項1または2記載の表示窓保護用シート。
【請求項4】
請求項1に記載のメタクリル系樹脂が、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した重量平均分子量が5万〜18万である共重合体(1)97〜50wt%および重量平均分子量が20万〜100万である共重合体(2)3〜50wt%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の表示窓保護用シート。
【請求項5】
該シートの厚みが、0.55〜1.5mmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の表示窓保護用シート。
【請求項6】
該シートの片面もしくは両面に、ハードコート処理、反射防止処理および帯電防止処理の1種以上の処理を施すことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の表示窓保護用シート。

【公開番号】特開2006−232879(P2006−232879A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−45509(P2005−45509)
【出願日】平成17年2月22日(2005.2.22)
【出願人】(303046314)旭化成ケミカルズ株式会社 (2,513)
【Fターム(参考)】