説明

表示装置、発光装置、照明装置、及び電子機器

【課題】光源(発光素子からの発光を含む)からの放射光を効率よく電力に変換し、消費電力が小さい光エネルギー再利用型の表示装置、発光装置、及び照明装置を提供する。
【解決手段】一対の基板間に光電変換素子を挟持し、該光電変換素子をカラーフィルタ(有色層)として機能させることで、光源(発光素子からの発光を含む)からの放射光を効率よく電力に変換し、消費電力が小さい光エネルギー再利用型の表示装置、発光装置、及び照明装置を実現できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の一態様は、光エネルギー再利用型の発光装置、照明装置、及び表示装置に関する。また、該光エネルギー再利用型の発光装置、照明装置、及び表示装置を用いた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、表示装置として液晶素子を有する液晶表示装置、エレクトロルミネッセンス(Electroluminescence:EL)を利用した発光素子を有する発光装置、及び電気泳動素子を用いた電子ペーパーなど様々なディスプレイが競合し、開発されている。
【0003】
また、上述のエレクトロルミネッセンスを利用した発光素子は、面光源であるため、ディスプレイ用途以外にも、その特徴を生かし液晶ディスプレイのバックライトや照明装置等の光源としての応用も考えられている。
【0004】
一方、これらの表示装置、発光装置、及び照明装置のカラー化技術として、光源(発光素子からの発光を含む)から特定の波長帯域の光を透過し、特定波長帯域以外の光を吸収するカラーフィルタを設ける技術が知られている(例えば、特許文献1)。
【0005】
しかしながら、カラーフィルタを用いると、特定の波長帯域以外の光は当該カラーフィルタに吸収されるために、光損失となり光源からの放射光を有効利用できていない。そのため、所望の輝度を十分に得るためには、光損失分を光源からの発光で補う必要があり、光源の発光を高める必要がある。光源の発光を高めることにより、結果として消費電力が高くなるといった問題が生じる。
【0006】
このように、上述の表示装置、発光装置、及び照明装置の共通の課題として、消費電力の低減が求められている。また、昨今のエネルギー問題の観点からも、消費電力を低減し、エネルギーの有効利用が求められる。
【0007】
この問題を解決するために、表示素子(液晶素子、EL素子)上に、多色の色素増感型太陽電池を形成し、該色素増感型太陽電池をカラーフィルタとして使用することで、表示素子からの光エネルギーを光電変換させて、消費電力を低減させる技術が提案されている(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第4034022号公報
【特許文献2】特開2000−268891号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献2に開示されている技術では、表示素子(液晶素子、EL素子)の外側に色素増感型太陽電池を形成しており、表示素子を形成した後に、色素増感型太陽電池を形成する必要があり、作製工程が複雑になってしまう。また、色素増感型太陽電池を形成する際に、表示素子に直接色素増感型太陽電池を形成した場合や、表示素子が形成された基板に色素増感型太陽電池を形成した場合においても、表示素子、及び表示素子を駆動させているトランジスタ等が破壊してしまう可能性がある。
【0010】
また、表示素子の外側に色素増感型太陽電池を設けた場合には、該色素増感型太陽電池の信頼性を考慮すると更にガラス基板等により封止する必要があり最適な構造とはいえない。
【0011】
上記問題に鑑み、本明細書等において開示する発明の一態様は、一対の基板間に光電変換素子を挟持し、該光電変換素子をカラーフィルタ(有色層)として機能させることで、光源(発光素子からの発光を含む)からの放射光を効率よく電力に変換し、消費電力が小さい光エネルギー再利用型の表示装置、発光装置、及び照明装置を提供することを課題の一つとする。
【0012】
また、該光エネルギー再利用型の表示装置、発光装置、及び照明装置を用いた電子機器を提供することを課題の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本明細書等において開示する発明の一態様では、一対の基板間に光電変換素子を挟持し、該光電変換素子をカラーフィルタ(有色層)として機能させることで、光源(発光素子からの発光を含む)からの放射光を効率よく電力に変換し、消費電力が小さい光エネルギー再利用型の表示装置、発光装置、及び照明装置を実現できる。より詳細には次の通りである。
【0014】
本発明の一態様は、一対の基板間に挟持された光電変換素子と発光素子とトランジスタと、を有し、発光素子は、トランジスタと電気的に接続され、光電変換素子は、発光素子と対向して設けられ、発光素子からの放射光のうち特定波長帯域の光に対して透過性を示す有色層を有し、発光素子からの放射光が、有色層を介して射出することを特徴とする発光装置である。
【0015】
また、本発明の他の一態様は、一対の基板間に挟持された光電変換素子と発光素子と、を有し、光電変換素子は、発光素子と対向して設けられ、発光素子からの放射光のうち特定波長帯域の光に対して透過性を示す有色層を有し、発光素子からの放射光が、有色層を介して射出することを特徴とする照明装置である。
【0016】
上記各構成において、発光素子は、エレクトロルミネッセンス層(EL層ともいう)を含んで構成されてもよい。
【0017】
本発明の他の一態様は、光源と、一対の基板間に挟持された光電変換素子と表示素子と、を有し、光電変換素子は、表示素子と対向して設けられ、光源からの放射光のうち特定波長帯域の光に対して透過性を示す有色層を有し、光源からの放射光が、有色層を介して射出することを特徴とする表示装置である。
【0018】
上記構成において、表示素子は、液晶素子、または電気泳動素子を含んで構成されてもよい。
【0019】
また、上記各構成において、光電変換素子は、有機薄膜太陽電池を含んで構成されてもよい。また、光電変換素子は、赤色、緑色、または青色の光の中から少なくとも一つの色を透過する構成としてもよい。
【0020】
また、本発明の他の一態様は、上記各構成を有する表示装置、発光装置、または照明装置を用いた電子機器である。
【0021】
また、本明細書等において、光電変換素子には、色素増感型太陽電池、高分子塗布型太陽電池、有機薄膜太陽電池等の太陽電池が含まれる。
【0022】
なお、本明細書等において「上」や「下」の用語は、構成要素の位置関係が「直上」または「直下」であることを限定するものではない。例えば、「ゲート絶縁層上のゲート電極」の表現であれば、ゲート絶縁層とゲート電極との間に他の構成要素を含むものを除外しない。
【0023】
また、本明細書等において「電極」や「配線」の用語は、これらの構成要素を機能的に限定するものではない。例えば、「電極」は「配線」の一部として用いられることがあり、その逆もまた同様である。さらに、「電極」や「配線」の用語は、複数の「電極」や「配線」が一体となって形成されている場合をなどをも含む。
【0024】
また、「ソース」や「ドレイン」の機能は、極性の異なるトランジスタを採用する場合や、回路動作において電流の方向が変化する場合などには入れ替わることがある。このため、本明細書においては、「ソース」や「ドレイン」の用語は、入れ替えて用いることができるものとする。
【発明の効果】
【0025】
光源(発光素子からの発光を含む)からの放射光を効率よく電力に変換し、消費電力が小さい光エネルギー再利用型の表示装置、発光装置、及び照明装置を提供することができる。
【0026】
また、信頼性が高い発光エネルギー再利用型の表示装置、発光装置、及び照明装置を提供することができる。
【0027】
また、該光エネルギー再利用型の表示装置、発光装置、及び照明装置を用いた電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】発光装置を説明する図。
【図2】発光装置の作製方法を説明する図。
【図3】発光装置の作製方法を説明する図。
【図4】発光装置の作製方法を説明する図。
【図5】発光装置を説明する図。
【図6】発光装置を説明するブロック図。
【図7】発光素子の例を説明する図。
【図8】発光装置を説明する図。
【図9】照明装置を説明する図。
【図10】表示装置、または発光装置を用いた電子機器を説明する図。
【図11】発光装置を用いた照明装置を説明する図。
【図12】表示装置を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定されず、本明細書などにおいて開示する発明の趣旨から逸脱することなく形態および詳細を様々に変更し得ることは当業者にとって自明である。また、異なる実施の形態に係る構成は、適宜組み合わせて実施することが可能である。なお、以下に説明する発明の構成において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号を用い、その繰り返しの説明は省略する。
【0030】
なお、図面などにおいて示す各構成の、位置、大きさ、範囲などは、理解の簡単のため、実際の位置、大きさ、範囲などを表していない場合がある。このため、開示する発明は、必ずしも、図面などに開示された位置、大きさ、範囲などに限定されない。
【0031】
なお、本明細書等における「第1」、「第2」、「第3」などの序数は、構成要素の混同を避けるために付すものであり、数的に限定するものではないことを付記する。
【0032】
(実施の形態1)
本実施の形態においては、本発明の一態様である発光装置の構成について、図1(A)乃至図1(C)を用いて説明する。
【0033】
〈発光装置の構成〉
図1(A)乃至図1(C)は、発光装置の画素の一部分に相当する断面図、または平面図である。本実施の形態においては、図1(A)乃至図1(C)に示した画素の一部分も発光装置とすることを付記する。
【0034】
図1(A)に示す発光装置は、図1(B)、及び図1(C)におけるA1−A2の断面図に相当する。なお、図1(B)は、第1の基板101を第1の電極114側からみた平面図であり、図1(C)は、第2の基板151を第3の電極152a側からみた平面図である。また、図1(B)、図1(C)の平面図においては、本発明の構成要素である一部(例えば、発光素子120など)を図面の煩雑を避けるために、省略してある。
【0035】
図1(A)に示す発光装置として、発光素子の駆動を制御するトランジスタ130と、トランジスタ130と電気的に接続された第1の電極114と、第1の電極114の上に設けられたEL層118と、EL層118の上に設けられた第2の電極119と、を有した第1の基板101と、ブラックマトリクスとして機能する遮光膜153と、光電変換素子152と、を有した第2の基板151により構成されている。また、第1の基板101と第2の基板151との間には空間160を有している。
【0036】
なお、第1の電極114とEL層118と第2の電極119により発光素子120を構成している。
【0037】
このように、発光素子120、及び光電変換素子152が第1の基板101と第2の基板151との間に挟持されることにより、発光素子120と、光電変換素子152を同時に封止することができる。
【0038】
また、図1(A)に示す発光装置は、図1(A)に矢印で示す方向に光を発する。すなわち、発光素子120が形成された第1の基板101を介することなく、第2の基板151を介して発光するトップエミッション構造(上面射出構造)の発光装置である。
【0039】
なお、発光素子120は、EL層118を含むためEL素子として呼ぶこともできる。発光素子120からの光は、光電変換素子152により特定波長帯域の光を透過し、特定波長帯域域以外の光を吸収することで、所望の発光色が第2の基板151側に射出される。また、光電変換素子152により吸収された光は、電力に変換される。すなわち、光電変換素子152は、光電変換機能と、カラーフィルタ機能を同時に備えた構成となる。
【0040】
ここで、光電変換素子152の詳細について以下説明を行う。
【0041】
光電変換素子152は、第3の電極152a、第1のバッファ層152b、有色層152c、第2のバッファ層152d、及び第4の電極152eにより構成されている。第1のバッファ層152b、及び第2のバッファ層152dは、電荷輸送機能を有していれば良く、LiF、TiOxなどの無機化合物や、CuPc(銅フタロシアニン)等の低分子有機化合物や、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(スチレンスルホン酸)(PEDOT/PSS)などの高分子化合物を用いることができる。また、有色層152cは、有機材料を用いることができる。有機材料としては、p型半導体とn型半導体の混合物や、p型半導体とn型半導体の積層膜や、p型半導体とn型半導体のコポリマー等のインクジェットやスクリーン印刷等の塗布型の安価な装置で、各画素に対して塗り分け可能なものであれば様々なものを使用することができる。有色層152cで得られた電力は、第3の電極152a、及び第4の電極152eにより、外部に取り出すことができる。
【0042】
なお、上述の光電変換素子152は、有色層152cに有機材料を用いることから、有機薄膜太陽電池、または、有機太陽電池と呼ぶこともできる。
【0043】
ただし、光電変換素子152は、有機薄膜太陽電池に限定されない。例えば、色素増感型太陽電池なども使用することができる。色素増感型太陽電池は、液相が一般的であり、表示素子と一緒に用いることが難しい。また、色素増感型太陽電池は、固相の材料もあるがカラーフィルタとしての色を考えた場合に、材料の色に選択性が少ない。よって、本実施の形態に示したように、有機薄膜太陽電池を使用することが好適である。
【0044】
また、第3の電極152a、及び第4の電極152eは、発光素子120からの発光を透過させる必要があるため、透光性の高いものを使用する。
【0045】
このように、発光素子120と光電変換素子152が近接して設けられることにより、発光素子120と光電変換素子152の間に光が反射、または吸収する材料がほとんどない。即ち、遮光膜153に入射する光以外は全て光電変換素子152に入射する。この効果は、本実施の形態に示すように、トップエミッション構造の発光素子(EL素子)と、有機薄膜太陽電池によって構成された光電変換素子との複合化でしか得られない効果である。その結果、効率の良い光エネルギーの回収が実現できる。
【0046】
なお、第1の基板101と第2の基板151の間にある空間160は、特に限定はなく、透光性を有していれば良い。ただし、空間160は、屈折率が空気よりも大きい透明な材料で充填した方が好ましい。屈折率が小さい場合、発光素子120から射出された斜め方向の光が、空間160によりさらに屈折し、場合によっては隣接の画素から光が射出してしまう。例えば、空間160としては、第1の基板101と第2の基板151とを、接着可能な屈折率が大きい透光性の接着剤を用いることにより形成することができる。また、空間160としては、窒素やアルゴンなどの不活性な気体などが充填された雰囲気としてもよい。
【0047】
また、発光素子120の駆動を制御するトランジスタ130、及び発光素子120が形成された第1の基板101と、光電変換素子152が形成された第2の基板151とは、異なる基板で形成できる。ただし、第1の基板101と、第2の基板151の構成はこれに限定されない。第1の基板101に光電変換素子152を形成しても良い。しかし、本実施の形態に示した構造のように、異なる基板に形成するほうが好適である。なぜなら、光電変換素子152を第2の基板151に直接形成することができ、他の材料(例えば、発光素子を構成する材料)、及び工程(例えば、加熱工程)による制限がないため、簡単な製造工程で作製することができる。また、このように、トランジスタ130、及び発光素子120と、光電変換素子152を別々の基板に形成することにより、不良発生率が低く、高い歩留まりを実現できる。
【0048】
続けて、図1(A)乃至図1(C)に示した発光装置の作製方法について、図2、及び図3を用いて説明を行う。
【0049】
まず、発光素子120の駆動を制御するトランジスタ130、及び発光素子120が形成された第1の基板101の作製方法について図2(A)乃至図2(D)を用いて説明を行う。
【0050】
〈第1の基板101の作製方法〉
絶縁表面を有する基板である第1の基板101上に、導電層を形成した後、第1のフォトリソグラフィ工程を行い、レジストマスクを形成し、エッチングにより不要な部分を除去してゲート電極102を形成する(図2(A)参照)。図2(A)に示すように、ゲート電極102の端部にテーパー形状が形成されるようにエッチングすると、積層する膜の被覆性が向上するため好ましい。
【0051】
第1の基板101に使用することができる基板に大きな制限はないが、少なくとも、後の加熱処理に耐えうる程度の耐熱性を有していることが必要となる。第1の基板101にはガラス基板を用いることができる。
【0052】
ガラス基板としては、後の加熱処理の温度が高い場合には、歪み点が730℃以上のものを用いると良い。また、ガラス基板には、例えば、アルミノシリケートガラス、アルミノホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラスなどのガラス材料が用いられている。なお、酸化ホウ素(B)と比較して酸化バリウム(BaO)を多く含ませることで、より実用的な耐熱ガラスが得られる。このため、BよりBaOを多く含むガラス基板を用いることが好ましい。
【0053】
なお、上記のガラス基板に代えて、セラミック基板、石英基板、サファイア基板などの絶縁体でなる基板を用いても良い。他にも、結晶化ガラスなどを用いることができる。本実施の形態で示す発光装置は、第2の基板151を介して発光を取り出すトップエミッション構造であるので、第1の基板101としては、非透光性の金属基板等の基板を用いることもできる。
【0054】
また、下地膜となる絶縁膜を第1の基板101とゲート電極102との間に設けてもよい。下地膜は、第1の基板101からの不純物元素の拡散を防止する機能があり、窒化シリコン膜、酸化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜、又は酸化窒化シリコン膜から選ばれた一又は複数の膜による積層構造により形成することができる。
【0055】
ゲート電極102の材料は、モリブデン、チタン、クロム、タンタル、タングステン、アルミニウム、銅、ネオジム、スカンジウム等の金属材料又はこれらを主成分とする合金材料を用いて、単層で又は積層して形成することができる。
【0056】
次に、ゲート電極102上にゲート絶縁層104を形成する(図2(A)参照)。ゲート絶縁層104は、プラズマCVD法又はスパッタリング法等を用いて、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜、又は酸化アルミニウム膜を単層で又は積層して形成することができる。例えば、成膜ガスとして、SiH、NOなどを用いてプラズマCVD法により酸化窒化シリコン膜を形成すればよい。
【0057】
次に、半導体層を形成し第2のフォトリソグラフィ工程、及びエッチング工程により島状の半導体層106を形成する(図2(A)参照)。
【0058】
半導体層106の材料は、シリコン半導体や酸化物半導体を用いて形成することができる。シリコン半導体としては、単結晶シリコンや多結晶シリコンなどがあり、酸化物半導体としては、In−Ga−Zn−O系金属酸化物などを、適宜用いることができる。ただし、半導体層106としては、In−Ga−Zn−O系金属酸化物である酸化物半導体を用いると好適である。In−Ga−Zn−O系金属酸化物である酸化物半導体は、オフ電流が低い特徴を有しており、また電界効果移動度が高いため、このような材料を半導体層106に使用することで、後に形成される発光素子のオフ時のリーク電流の抑制や、高速での制御が可能となる。
【0059】
次に、ゲート絶縁層104、及び半導体層106上に導電膜を形成し、第3のフォトリソグラフィ工程、及びエッチング工程によりソース電極及びドレイン電極108を形成する(図2(A)参照)。
【0060】
ソース電極及びドレイン電極108に用いる導電膜としては、例えば、Al、Cr、Cu、Ta、Ti、Mo、Wから選ばれた元素を含む金属膜、または上述した元素を成分とする金属窒化物膜(窒化チタン膜、窒化モリブデン膜、窒化タングステン膜)等を用いることができる。また、Al、Cuなどの金属膜の下側又は上側の一方または双方にTi、Mo、Wなどの高融点金属膜またはそれらの金属窒化物膜(窒化チタン膜、窒化モリブデン膜、窒化タングステン膜)を積層させた構成としても良い。また、ソース電極及びドレイン電極108に用いる導電膜としては、導電性の金属酸化物で形成しても良い。導電性の金属酸化物としては、酸化インジウム(In)、酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウム酸化スズ合金(In―SnO、以下ITOと略記する)、酸化インジウム酸化亜鉛合金(In―ZnO)、またはこれらの金属酸化物材料に酸化シリコンを含ませたものを用いることができる。
【0061】
以上の工程により、発光素子120の駆動を制御するトランジスタ130が形成できる(図2(A)参照)。
【0062】
次に、半導体層106、及びソース電極及びドレイン電極108上に、第1の絶縁層110を形成する(図2(B)参照)。第1の絶縁層110としては、酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜などの無機絶縁膜を用いることができる。
【0063】
次に、第1の絶縁層110上に第2の絶縁層112を形成する(図2(B)参照)。
【0064】
第2の絶縁層112としては、トランジスタ起因の表面凹凸を低減するために平坦化機能を有する絶縁膜を選択するのが好適である。例えば、ポリイミド、アクリル、ベンゾシクロブテン、等の有機材料を用いることができる。また上記有機材料の他に、低誘電率材料(low−k材料)等を用いることができる。なお、これらの材料で形成される絶縁膜を複数積層させることで、第2の絶縁層112を形成してもよい。
【0065】
次に、第4のフォトリソグラフィ工程、及びエッチング工程により、第2の絶縁層112、及び第1の絶縁層110にソース電極及びドレイン電極108に達する開口を形成する。開口方法は、ドライエッチング、ウェットエッチングなど適宜選択すれば良い。
【0066】
次に、第2の絶縁層112、ソース電極及びドレイン電極108上に導電膜を形成し、第5のフォトリソグラフィ工程、及びエッチング工程により、第1の電極114を形成する(図2(B)参照)。
【0067】
第1の電極114としては、EL層118(後に形成される)が発する光を効率よく反射する材料が好ましい。なぜなら光の取り出し効率を向上できるためである。なお、第1の電極114を積層構造としてもよい。例えば、第1の電極114としては、発光物質を含むEL層118に接する側に金属酸化物による導電膜、またはチタン等を薄く形成し、その上に反射率の高い金属膜(アルミニウム、アルミニウムを含む合金、または銀など)を形成した積層構造を用いることができる。このような構成とすることで、EL層118と反射率の高い金属膜(アルミニウム、アルミニウムを含む合金、または銀など)との間に形成される絶縁膜の生成を抑制することができるので好適である。
【0068】
次に、第1の電極114上に隔壁116を形成する(図2(C)参照)。
【0069】
隔壁116としては、有機絶縁材料、又は無機絶縁材料を用いて形成する。特に感光性の樹脂材料を用い、第1の電極114上に開口部を形成し、その開口部の側壁が連続した曲率を持って形成される傾斜面となるように形成することが好ましい。
【0070】
次に、第1の電極114、及び隔壁116上にEL層118を形成する(図2(D)参照)。EL層118は、単数の層で構成されていても、複数の層が積層されるように構成されていてもどちらでも良いが、EL層118が発する光は白色であることが好ましく、赤、緑、青のそれぞれの波長領域にピークを有する光が好ましい。
【0071】
次に、EL層118上に第2の電極119を形成する(図2(D)参照)。
【0072】
なお、第1の電極114、または第2の電極119は、いずれか一方は発光素子120の陽極として機能し、他方は発光素子120の陰極として機能する。陽極として機能する電極には、仕事関数の大きな物質が好ましく、陰極として機能する電極には仕事関数の小さな物質が好ましい。
【0073】
以上の工程により、発光素子120の駆動を制御するトランジスタ130、及び発光素子120が設けられた第1の基板101が形成される。
【0074】
次に、光電変換素子152、及びブラックマトリクス機能を有する遮光膜153が形成された第2の基板151の作製方法について、図3(A)乃至図3(E)を用いて説明を行う。
【0075】
〈第2の基板151の作製方法〉
まず、第2の基板151上に第3の電極152aを形成する(図3(A)参照)。
【0076】
第3の電極152aとしては、可視光を透過する導電膜を用いる。可視光を透過する導電膜としては、例えば、酸化インジウム(In)、酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)、ITO、酸化インジウム酸化亜鉛合金(In―ZnO)、またはこれらの金属酸化物材料に酸化シリコンを含ませたものを用いることができる。また、光を透過する程度(好ましくは、1nm〜30nm程度)の金属薄膜を用いることもできる。
【0077】
次に、第2の基板151上、及び第3の電極152a上に、遮光膜153を形成する(図3(B)参照)。遮光膜153は、各画素間の混色を防止するために設けられ、所謂ブラックマトリクスとして機能する。
【0078】
遮光膜153としては、発光素子120からの放射光を遮光できればよく、金属膜、及び黒色染料や黒色顔料を含有した有機樹脂膜等を用いることができる。なお、ここでは第3の電極152a形成後に遮光膜153を形成する方法について例示したが、これに限定されない。例えば、第3の電極152aを形成する前に、遮光膜153を形成しても良いし、遮光膜153は形成しなくても良い。
【0079】
次に、第3の電極152a、及び遮光膜153上に第1のバッファ層152bを形成する(図3(C)参照)。
【0080】
第1のバッファ層152bとしては、電荷輸送機能を有していれば良く、LiF、TiOxなどの無機化合物や、CuPc(銅フタロシアニン)等の低分子有機化合物や、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(スチレンスルホン酸)(PEDOT/PSS)などの高分子化合物を用いることができる。また、第1のバッファ層152bは、スクリーン印刷法、インクジェット法、蒸着法、スピンコート法、キャスト法、スパッタリング法、プラズマCVD法など適宜用いて形成することができる。
【0081】
次に第1のバッファ層152b上に有色層152cを形成する(図3(D)参照)。
【0082】
本実施の形態では、有色層152cは、R(赤色)、G(緑色)、B(青色)の3色を用いた構成について説明を行うが、これに限定されない。例えば、R、G、B、Y(黄色)の4色を用いた構成や、4色以上の構成を用いても良い。なお、1種類の材料のみで所望の領域に発光スペクトルがない場合には、2種類以上の材料を組み合わせても良い。
【0083】
有色層152cは、p型半導体とn型半導体の混合物を使用し、インクジェット法やスクリーン印刷法などにより塗布し形成することができる。また、RGBの各色は、p型半導体とn型半導体の吸収スペクトルの調整を行うことで所望の色にすることができる。塗布可能な材料としては、ポリマー材料や、溶媒に可溶な低分子材料、無色のポリマー側鎖を色素材料に一部置換したものを使用することができる。有色層152cに使用することができる材料の具体的な作製方法の一例を以下に示す。
【0084】
〈R(赤色)の有色層の作製方法〉
p型半導体として、ポリフルオレン(略称:PFO、構造式(A−1)参照)を使用し、n型半導体として、N,N’−ジヘキシルペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸ジイミド(略称:HexPTC、構造式(A−2)参照)を使用することができる。PFO(略称)とHexPTC(略称)をトルエン、クロロホルム、ジクロロエタン、クロロベンゼン等の溶媒に溶かして塗布することでp型半導体とn型半導体の混合物からなるR(赤色)の有色層を形成することができる。
【0085】
【化1】

【0086】
【化2】

【0087】
〈G(緑色)の有色層の作製方法〉
p型半導体として、フェノキシ基で置換されたバナジウムフタロシアニン(略称:Pho−VoPc、構造式(A−3)参照)を使用し、n型半導体として、[6、6]−Phenyl−C61−Butyric acid Methyl ester(フェニルC61酪酸メチルエステル)(略称:PCBM、構造式(A−4)参照)を使用することができる。Pho−VoPc(略称)とPCBM(略称)をトルエン、クロロホルム、ジクロロエタン、クロロベンゼン等の溶媒に溶かして塗布することでp型半導体とn型半導体の混合物からなるG(緑色)の有色層を形成することができる。
【0088】
【化3】

【0089】
【化4】

【0090】
〈B(青色)の有色層の作製方法〉
p型半導体として、青色顔料として一般的な銅フタロシアニン(略称:CuPc)に、溶媒に溶けるように、置換基(本実施の形態においてはt−Bu)を導入したCuPc誘電体(構造式(A−5)参照)を使用することができる。また、n型半導体として、PCBM(略称)(構造式(A−4)参照)を使用した。CuPc誘電体とPCBM(略称)をトルエン、クロロホルム、ジクロロエタン、クロロベンゼン等の溶媒に溶かして塗布することでp型半導体とn型半導体の混合物からなるB(青色)の有色層を形成することができる。
【0091】
【化5】

【0092】
【化6】

【0093】
有色層152cは、上記n型半導体材料、及びp型半導体材料に限定されず、電荷輸送性を高めるために、その他材料を混合しても良い。
【0094】
以上のように、有色層152cをRGBの所望の色として形成することができる。このように、有色層152cを所望の色とすることで、光電変換素子152は、カラーフィルタとして機能することができる。
【0095】
次に、第1のバッファ層152b、及び有色層152c上に第2のバッファ層152dを形成する(図3(E)参照)。第2のバッファ層152dとしては、第1のバッファ層152bと同様な材料、及び方法により形成することができる。また、先に形成した第1のバッファ層152b、及び第2のバッファ層152dは、有色層152cの各色(RGB)で共通化して用いることができる。このような構成にすることにより、作製工程が短縮できるため好適である。
【0096】
次に、第2のバッファ層152d上に第4の電極152eを形成する(図3(E)参照)。第4の電極152eとしては、可視光を透過する導電膜を用いることができる。例えば、第3の電極152aと同様の材料を用いればよい。
【0097】
以上の工程により、第2基板151上に光電変換素子152と遮光膜153を形成することができる。なお、本明細書においては、第3の電極152a、第1のバッファ層152b、有色層152c、第2のバッファ層152d、及び第4の電極152eの構成を光電変換素子152とする。
【0098】
このように、第1の基板101と、第2の基板151と、を別の基板で形成することにより、不良発生率が低く、高い歩留まりを実現できる。また、第1の基板101と、第2の基板151とをアライメントして貼り合わせを行い、発光装置とする。第1の基板101と、第2の基板151との貼り合わせは、特に限定はなく、接着可能な屈折率が大きい透光性の接着剤などを用いて行うことができる。
【0099】
なお、第1の基板101に設けられた発光素子120の光は、第2の基板151に設けられた光電変換素子152により、特定波長帯域の光が透過し、特定波長帯域以外の光が吸収し電力に変換される。
【0100】
また、光電変換素子152を透過する光は、光電変換素子152内の有色層152cの材料であるp型半導体とn型半導体を調整することにより、RGBの色を射出する構成としているために、光電変換素子152は、カラーフィルタとしても機能している。
【0101】
以上のように、一対の基板間に光電変換素子と発光素子が挟持されることにより、光電変換素子と発光素子間の距離が短くなり、発光素子からの放射光は、ほとんど光電変換素子に入射される。したがって、発光素子からの放射光を効率よく電力に変換し、消費電力が小さい光エネルギー再利用型の発光装置を提供することができる。
【0102】
また、このように一対の基板間に光電変換素子と発光素子が挟持されることにより、発光素子と光電変換素子を同時に封止することができ、信頼性の向上も実現できる。
【0103】
また、従来までカラーフィルタ(有色層)に入射した光は、有色層を透過する特定の波長帯域以外の光が吸収され、光損失となっていた。しかしながら、開示する本発明では、有色層が光電変換素子の一部分であるため、有色層を透過しない波長帯域の光は電力に変換される。このように開示する本発明では、発光装置において、必ず生じてしまう無駄な光エネルギーを回収する光エネルギー再利用型の発光装置を実現できる。
【0104】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0105】
(実施の形態2)
本実施の形態においては、先の実施の形態1と異なった光電変換素子と遮光膜が形成された第2の基板151の作製方法について、図4(A)乃至図4(E)を用いて説明を行う。
【0106】
本実施の形態においては、光電変換素子と、さらに遮光膜にも光電変換機能を有した構造を例示する。このように、光電変換機素子と遮光膜を組み合わせることにより、発光素子120からの放射光をさらに有効利用することができる。
【0107】
まず、第2の基板151の上に第3の電極152aの形成を行う(図4(A)参照)。第3の電極152aとしては、可視光を透過する導電膜を用いる。可視光を透過する導電膜としては、例えば、酸化インジウム(In)、酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)、ITO、酸化インジウム酸化亜鉛合金(In―ZnO)、またはこれらの金属酸化物材料に酸化シリコンを含ませたものを用いることができる。また、光を透過する程度(好ましくは、1nm〜30nm程度)の金属薄膜を用いることもできる。
【0108】
次に、第3の電極152a上に、第5の電極153aを形成する(図4(A)参照)。第5の電極153aとしては、スパッタリング法にて形成した金属膜、例えばTiなどを用いて形成することができる。
【0109】
次に、第5の電極153a上にp型半導体層153b、i型半導体層153c、n型半導体層153dを順に積層するように形成する(図4(B)参照)。
【0110】
p型半導体層153b、i型半導体層153c、及びn型半導体層153dとしては、スパッタリング法、LPCVD法、またはプラズマCVD法等により、非晶質半導体膜、多結晶半導体膜、微結晶半導体膜などを用いて形成することができる。これらの作製方法を用いる場合、p型半導体層153b、i型半導体層153c、及びn型半導体層153dは、その界面にゴミなどが付着するのを防ぐために、大気に曝さずに連続して形成することが望ましい。
【0111】
p型半導体層153b、i型半導体層153c、及びn型半導体層153dに用いられる半導体の材料として、シリコン、炭化シリコン、ゲルマニウム、シリコンゲルマニウムなどを用いることができる。
【0112】
例えば、非晶質シリコンを用いた場合、p型半導体層153b、i型半導体層153c、及びn型半導体層153dは、シラン、ジシランなどのシリコンを含む成膜ガスを、グロー放電分解することにより形成することができる。
【0113】
また、p型半導体層153bは、例えばp型を付与する不純物元素としてボロンを用いる場合、ボロン、ジボラン、三フッ化ホウ素などを、成膜ガスに加えることで形成することができる。n型半導体層153dは、例えばn型を付与する不純物元素として例えばリンを用いる場合、ホスフィンなどを、成膜ガスに加えることで形成することができる。
【0114】
なお、i型半導体層153cに用いられる半導体は、含まれるp型、またはn型を付与する不純物が1×1020cm−3以下の濃度であり、暗伝導度に対して光伝導度が100倍以上である半導体を指す。i型半導体層153cには、周期表第13族、または第15族の不純物元素を有するものも、その範疇に含む。すなわち、i型半導体層153cは、価電子制御を目的とした不純物元素を意図的に添加しないときに弱いn型の電気伝導性を示すため、p型を付与する不純物元素が、成膜時、または成膜後に、意図的、または非意図的に添加されたものをその範疇に含む。
【0115】
また、炭化シリコンを有する非晶質シリコンを用いた場合、p型半導体層153b、i型半導体層153c、及びn型半導体層153dは、炭素を含む気体とシリコンを含む気体とを成膜ガスとして用い、該成膜ガスをグロー放電分解することにより形成することができる。炭素を含む気体としては、メタン、エタンなどが挙げられる。シリコンを含む気体としては、シラン、ジシランが挙げられる。シリコンを含む気体を、水素、水素及びヘリウムで希釈して用いても良い。
【0116】
また、シリコンを有する微結晶半導体を用いた場合、p型半導体層153b、i型半導体層153c、及びn型半導体層153dは、シリコンを含む気体を水素で希釈したガスを用い、周波数が数十MHz乃至数百MHzの高周波プラズマCVD装置、または周波数が1GHz以上のマイクロ波プラズマCVD装置を用いることで形成できる。シリコンを含む気体は、シラン、ジシランなどの水素化シリコン、フッ化シリコンまたは塩化シリコンを用いればよい。また、水素に加え、ヘリウム、アルゴン、クリプトン、ネオンから選ばれた一種または複数種の希ガスで希釈してもよい。
【0117】
また、多結晶半導体を用いた場合、p型半導体層153b、i型半導体層153c、及びn型半導体層153dは、非晶質半導体または微結晶半導体を、レーザ結晶化法、熱結晶化法、またはニッケルなどの結晶化を助長する触媒元素を用いた熱結晶化法等を単独で、或いは複数組み合わせて実施することで、形成することができる。また、多結晶半導体を、スパッタリング法、プラズマCVD法、熱CVD法などを用いて、直接形成しても良い。
【0118】
なお、本実施の形態では、p型半導体層153b、i型半導体層153c、及びn型半導体層153dを順に積層することでpin接合を形成する場合を例示しているが、この構成に限定されない。n型半導体層153d、i型半導体層153c、p型半導体層153bの順に積層しても良い。
【0119】
なお、p型半導体層153b、i型半導体層153c、及びn型半導体層153dは、フォトリソグラフィ工程によりレジストマスクを形成し、エッチングにより不要な部分を除去することで形成することができる。エッチングは、ドライエッチング、またはウェットエッチング等により行うことができる。
【0120】
ドライエッチングで行う場合、エッチングガスには、塩素、塩化硼素、塩化シリコンまたは四塩化炭素などの塩素系ガス、四フッ化炭素、フッ化硫黄またはフッ化窒素などのフッ素系ガス、酸素などを適宜用いることができる。また、ドライエッチングは、例えば、反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)法、ICP(Inductively Coupled Plasma)エッチング法、ECR(Electron Cyclotron Resonance)エッチング法、平行平板型(容量結合型)エッチング法、マグネトロンプラズマエッチング法、2周波プラズマエッチング法またはヘリコン波プラズマエッチング法等を用いれば良い。
【0121】
また、ウェットエッチングを用いる場合、エッチング液には、水酸化テトラメチルアンモニウム(tetramethylammonium hydroxide、略称:TMAH)溶液を用いることができる。
【0122】
次に、n型半導体層153d上に導電膜を形成し、フォトリソグラフィ工程、及びエッチング工程を行い、第6の電極153eを形成する(図4(B)参照)。
【0123】
第6の電極153eとしては、可視光を透過する導電膜を用いる。可視光を透過する導電膜としては、例えば、酸化インジウム(In)、酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)、ITO、酸化インジウム酸化亜鉛合金(In―ZnO)、またはこれらの金属酸化物材料に酸化シリコンを含ませたものを用いることができる。また、光を透過する程度(好ましくは、1nm〜30nm程度)の金属薄膜を用いることもできる。
【0124】
以上の工程により遮光膜153が形成される。なお、本実施の形態においては、第5の電極153a、p型半導体層153b、i型半導体層153c、n型半導体層153d、及び第6の電極153eの構成で遮光膜153とする。
【0125】
次に、第3の電極152a、及び遮光膜153上に絶縁層155を形成する(図4(C)参照)。絶縁層155は、例えば、黒色の顔料を含んだ有機樹脂などをスピンコーターにより形成することができる。
【0126】
次に、絶縁層155の全面エッチング(所謂エッチバック)を行い、遮光膜153の側壁以外の絶縁層155を除去し、サイドウォール層156を形成する(図4(D)参照)。このような構成とすることで、発光素子からの斜め方向の光を当該サイドウォール層156にて吸収することができる。また、後に形成される光電変換素子152と遮光膜153との横方向での接触を防止することもできる。
【0127】
次に、第3の電極152a、遮光膜153、及びサイドウォール層156の上にバッファ層152b、有色層152c、及び第2のバッファ層152dを形成する(図4(E)参照)。バッファ層152b、有色層152c、及び第2のバッファ層152dは、先の実施の形態で示した、材料、及び方法を参酌することで形成できる。
【0128】
次に、バッファ層152d、及びサイドウォール層156、及び第6の電極153e上に第4の電極152eを形成する(図4(E)参照)。なお、第3の電極152a、バッファ層152b、有色層152c、第2のバッファ層152d、及び第4の電極152eにより、光電変換素子152を構成している。また、第4の電極152eと第6の電極153eは直接接しているため、電気的に導通している。このような構成とすることで、光電変換素子152と遮光膜153の電極を共通して用いることができる。
【0129】
以上の工程により、光電変換素子152と、遮光膜153を第2の基板151の上に形成することができる。また、本実施の形態では、遮光膜153も光電変換機能を有しているため、発光素子120からの放射光を有効利用することができる。
【0130】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0131】
(実施の形態3)
本実施の形態においては、先の実施の形態1に示した発光装置と異なる構成について、図5(A)、及び図5(B)を用いて説明を行う。
【0132】
実施の形態1においては、トランジスタ、及び発光素子が形成された基板とは、逆側の面から発光を取り出すトップエミッション構造(上面射出構造)について例示したが、本実施の形態においては、ボトムエミッション構造(下面射出構造)、及びデュアルエミッション構造(両面射出構造)について例示する。本発明は、このようにどのような射出構造の発光装置にも適用することができる。
【0133】
ボトムエミッション構造の発光装置について、図5(A)を用いて説明する。
【0134】
図5(A)は、駆動用トランジスタ330、接続端子340、光電変換素子352、及び発光素子320が形成された第1の基板300と、第2の基板350により構成されている。
【0135】
なお、第1の基板300と第2の基板350との間には、空間322を有し、発光素子320、及び光電変換素子352が挟持されている。
【0136】
このように、発光素子320、及び光電変換素子352が第1の基板300と第2の基板350との間に挟持されることにより、発光素子320と、光電変換素子352を同時に封止することができる。
【0137】
第1の基板300としては、実施の形態1に示した第1の基板101と同様の材料により形成することができる。
【0138】
駆動用トランジスタ330としては、実施の形態1に示したトランジスタ130と同様に形成することができる。
【0139】
光電変換素子352としては、接続端子340に電気的に接続された第3の電極352a、第1のバッファ層352b、有色層352c、第2のバッファ層352d、第4の電極352eにより形成されている。なお、光電変換素子352としては、実施の形態1に示した光電変換素子152と同様の材料、及び手法により形成することができる。なお、実施の形態1に示した光電変換素子152同様に光電変換素子352はカラーフィルタとしても機能する。
【0140】
接続端子340としては、光電変換素子352が有する第3の電極352aが配線と電気的に接続されている。なお、光電変換素子352が有する第4の電極352eは、別の接続端子(図示しない)と電気的に接続されている。接続端子340により、光電変換素子352により変換された電力は外部に取り出すことができる。
【0141】
また、発光素子320としては、駆動用トランジスタ330上に形成された絶縁層310、及び、隔壁312上に形成されており、駆動用トランジスタ330と電気的に接続された第1の電極314上に、EL層316、第2の電極318が順に積層されている。
【0142】
また、絶縁層310としては、光電変換素子352と発光素子320を分離し、駆動用トランジスタ330の凹凸を平坦化できる材料が好ましい。また、発光素子320からの光を透過できる材料が好ましい。本実施の形態においては、有機樹脂膜として透光性の高いアクリル樹脂を用いる。また、隔壁312としては、ポリイミド、アクリル、ポリアミド、エポキシ等の有機樹脂膜、無機絶縁膜または有機ポリシロキサンを用いて形成することができる。
【0143】
第1の電極314としては、可視光を透過する導電膜を用いる。可視光を透過する導電膜としては、例えば、酸化インジウム(In)、酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)、ITO、酸化インジウム酸化亜鉛合金(In―ZnO)、またはこれらの金属酸化物材料に酸化シリコンを含ませたものを用いることができる。また、光を透過する程度(好ましくは、1nm〜30nm程度)の金属薄膜を用いることもできる。
【0144】
EL層316としては、実施の形態1に示したEL層118と同様な材料、及び手法により形成することができる。
【0145】
第2の電極318としては、EL層316が発する光を効率よく反射する材料が好ましい。なぜなら光の取り出し効率を向上できるためである。なお、第2の電極318を積層構造としてもよい。例えば、第2の電極318としては、発光物質を含むEL層316に接する側に金属酸化物による導電膜、またはチタン等を薄く形成し、その上に反射率の高い金属膜(アルミニウム、アルミニウムを含む合金、または銀など)を形成した積層構造を用いることができる。このような構成とすることで、EL層316と反射率の高い金属膜との間に形成される絶縁膜の生成を抑制することができるので好適である。
【0146】
第2の基板350としては、発光素子320、及び光電変換素子352を封止できる材料であればよい。また、図5(A)に示す発光装置は、ボトムエミッション構造のため、透光性を有していない基板でも良い。例えば、第2の基板350として使用できる基板としては、ガラス基板、金属基板など適宜用いることができる。
【0147】
また、空間322としては、実施の形態1に示した空間160と同様の材料、及び手法により形成することができる。また、空間322に発光素子320、及び光電変換素子352に浸入する水分等を取り除くことができる乾燥剤などを封入してもよい。
【0148】
なお、図5(A)に示す発光装置においては、第1の電極314、EL層316、及び第2の電極318により発光素子320を形成している。図5(A)に示した素子構造の場合、発光素子320からの発光は、矢印で示すように第1の基板300側に射出し、光電変換素子352を通過して外部へ射出する。
【0149】
次に、デュアルエミッション構造の発光装置について、図5(B)を用いて説明する。
【0150】
図5(B)は、駆動用トランジスタ430、接続端子440、光電変換素子452、及び発光素子420が形成された第1の基板400と、第2の基板450により構成されている。
【0151】
なお、第1の基板400と第2の基板450との間には、空間422を有し、発光素子420、及び光電変換素子452が挟持されている。
【0152】
このように、発光素子420、及び光電変換素子452が第1の基板400と第2の基板450との間に挟持されることにより、発光素子420と、光電変換素子452を同時に封止することができる。
【0153】
駆動用トランジスタ430としては、実施の形態1に示したトランジスタ130と同様に形成することができる。
【0154】
光電変換素子452としては、接続端子440に電気的に接続された第3の電極452a、第1のバッファ層452b、有色層452c、第2のバッファ層452d、第4の電極452eにより形成されている。なお、光電変換素子452としては、実施の形態1に示した光電変換素子152と同様の材料、及び手法により形成することができる。なお、実施の形態1に示した光電変換素子152同様に光電変換素子452はカラーフィルタとしても機能する。
【0155】
接続端子440としては、光電変換素子452が有する第3の電極452aが配線と電気的に接続されている。なお、光電変換素子452が有する第4の電極452eは、別の接続端子(図示しない)と電気的に接続されている。接続端子440により、光電変換素子452により変換された電力は外部に取り出すことができる。
【0156】
また、発光素子420としては、駆動用トランジスタ430上に形成された絶縁層410、及び、隔壁412上に形成されており、駆動用トランジスタ430と電気的に接続された第1の電極414上に、EL層416、第2の電極418が順に積層されている。
【0157】
絶縁層410としては、光電変換素子452と発光素子420を分離し、駆動用トランジスタ430の凹凸を平坦化できる材料が好ましい。また、発光素子420からの光を透過できる材料が好ましい。本実施の形態においては、有機樹脂膜として透光性の高いアクリル樹脂を用いる。また、隔壁412としては、ポリイミド、アクリル、ポリアミド、エポキシ等の有機樹脂膜、無機絶縁膜または有機ポリシロキサンを用いて形成することができる。
【0158】
第1の電極414としては、可視光を透過する導電膜を用いる。可視光を透過する導電膜としては、例えば、酸化インジウム(In)、酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)、ITO、酸化インジウム酸化亜鉛合金(In―ZnO)、またはこれらの金属酸化物材料に酸化シリコンを含ませたものを用いることができる。また、光を透過する程度(好ましくは、1nm〜30nm程度)の金属薄膜を用いることもできる。
【0159】
EL層416としては、実施の形態1に示したEL層118と同様な材料、及び手法により形成することができる。
【0160】
第2の電極418としては、可視光を透過する導電膜を用いる。ただし、第1の電極414、または第2の電極418のどちらか一方が陽極として機能し、他方が陰極として機能する。そのため、第1の電極414と第2の電極418は、仕事関数が異なる材料を使用することが好ましい。陽極として機能する電極には、仕事関数の大きな物質が好ましく、陰極として機能する電極には仕事関数の小さな物質が好ましい。
【0161】
また、第1の基板400、及び第2の基板450としては、発光素子420、及び光電変換素子452を封止できる材料であればよい。ただし、図5(B)に示す発光装置は、デュアルエミッション構造のため、第1の基板400、及び第2の基板450ともに透光性の材料を用いる。例えば、第1の基板400、及び第2の基板450として使用できる基板としては、ガラス基板など適宜用いることができる。
【0162】
また、空間422としては、実施の形態1に示した空間160と同様の材料、及び手法により形成することができる。また、空間422に発光素子420、及び光電変換素子452に浸入する水分等を取り除くことができる乾燥剤などを封入してもよい。ただし、乾燥剤などを封入した場合、発光素子420からの光を遮光する可能性があるため、設けなくてもよい。
【0163】
本実施の形態においては、第1の電極414、EL層416、及び第2の電極418により発光素子420を形成している。図5(B)に示した素子構造の場合、発光素子420からの発光は、矢印で示すように第1の基板400側、及び第2の基板450側両方に射出する。
【0164】
ただし、発光素子420の光は、第1の基板400側に射出された場合、光電変換素子452を通過するため、光電変換素子452による光の吸収が行われるが、第2の基板450側に射出された光は、光電変換素子452を通過しない。従って、このようなデュアルエミッション構造の発光素子を用いる場合、どちらの表示面もカラー表示とするために、第2の基板450に実施の形態1に示した第2の基板151と同様な構成の基板を設けることが好ましい。
【0165】
以上のように、一対の基板間に光電変換素子と発光素子が挟持されることにより、光電変換素子と発光素子間の距離が短くなり、発光素子からの放射光は、ほとんど光電変換素子に入射される。したがって、発光素子からの放射光を効率よく電力に変換し、消費電力が小さい光エネルギー再利用型の発光装置を提供することができる。
【0166】
また、このように一対の基板間に光電変換素子と発光素子が挟持されることにより、発光素子と光電変換素子を同時に封止することができ、信頼性の向上も実現できる。
【0167】
また、従来までカラーフィルタ(有色層)に入射した光は、有色層を透過する特定の波長帯域以外の光が吸収され、光損失となっていた。しかしながら、開示する本発明では、有色層が光電変換素子の一部分であるため、有色層を透過しない波長領域の光は電力に変換される。このように開示する本発明では、発光装置において、必ず生じてしまう無駄な光エネルギーを回収する光エネルギー再利用型の発光装置を実現できる。
【0168】
本実施の形態は他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【0169】
(実施の形態4)
本実施の形態においては、本発明の一態様である発光装置について、図6を用いて説明を行う。
【0170】
図6は、発光装置1000、及び周辺回路等のブロック図を示しており、光電変換素子1010、発光素子1020、電力制御回路1030、蓄電池1040、発光制御回路1050により構成されている。なお、電力制御回路1030は、コンバータ1002、コンバータ1003、及びSW1乃至SW3を有する構造について例示している。また、発光制御回路1050は、コンバータ1003と、SW3、及び蓄電池1040を有する構造について例示している。なお、発光素子1020は、発光素子、及び発光素子を駆動させるトランジスタを含む構成である。
【0171】
まず、発光素子1020からの放射光、及び、外部からの光が光電変換素子1010により吸収され、電力に変換され発電される場合の動作について説明する。
【0172】
光電変換機能を有する光電変換素子1010で発電した電力は、蓄電池1040を充電するための電圧となるようにコンバータ1002で昇圧または降圧がなされる。そして、発光素子1020の動作に光電変換素子1010からの電力が用いられる際にはスイッチSW1をオンにし、コンバータ1003で発光素子1020の動作に必要な電圧に昇圧または降圧をすることとなる。また、発光素子1020で表示を行わない際には、SW1をオフにし、SW2をオンにして蓄電池1040の充電を行う構成とすればよい。
【0173】
また、光電変換素子1010からの電力のみで発光素子1020に必要な電力が得られない場合には、SW1、及びSW3をオンにして光電変換素子1010からの電力と、蓄電池1040からの電力を合わせて用いることもできる。
【0174】
次に、光電変換素子1010が発電されない場合、すなわち発光素子1020が未発光時、及び外部からの光が光電変換素子1010により吸収されない時の動作について説明する。
【0175】
光電変換素子1010からの電力が与えられないため、予め蓄電池1040に蓄えられていた電力を使用するために、発光制御回路1050が機能する。すなわち、蓄電池1040に蓄電された電力は、スイッチSW3をオンにすることでコンバータ1003により昇圧または降圧がなされる。そして、発光素子1020の動作に蓄電池1040からの電力が用いられることとなる。
【0176】
なお、蓄電池1040としては、特に限定は無いが、リチウムイオン電池を用いると、小型化を図れる等の利点があるため好適である。
【0177】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0178】
(実施の形態5)
本実施の形態においては、実施の形態1で示した第1の電極114、EL層118、及び第2の電極119からなる発光素子120の詳細について、図7(A)、及び図7(B)を用いて説明を行う。
【0179】
〈発光素子の構成〉
図7(A)に示す発光素子120は、一対の電極(第1の電極114、第2の電極119)間に発光領域を含むEL層118が挟まれた構造を有する。なお、以下の本実施の形態の説明においては、例として、第1の電極114を陽極として用い、第2の電極119を陰極として用いるものとする。
【0180】
また、EL層118は、少なくとも発光層を含んで形成されていればよく、発光層以外の機能層を含む積層構造であっても良い。発光層以外の機能層としては、正孔注入性の高い物質、正孔輸送性の高い物質、電子輸送性の高い物質、電子注入性の高い物質、バイポーラ性(電子及び正孔の輸送性の高い物質)の物質等を含む層を用いることができる。具体的には、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層等の機能層を適宜組み合わせて用いることができる。
【0181】
図7(A)に示す発光素子120は、第1の電極114と第2の電極119との間に生じた電位差により電流が流れ、EL層118において正孔と電子とが再結合し、発光するものである。つまりEL層118に発光領域が形成されるような構成となっている。
【0182】
本発明において、発光素子からの発光は、第1の電極114、または第2の電極119側から外部に取り出される。従って、第1の電極114、または第2の電極119のいずれか一方は透光性を有する物質で成る。
【0183】
なお、EL層118は、図7(B)のように第1の電極114と第2の電極119との間に複数積層されていても良い。n(nは2以上の自然数)層の積層構造を有する場合には、m(mは自然数、mは1以上n−1以下)番目のEL層と、(m+1)番目のEL層との間には、それぞれ電荷発生層118aを設けることが好ましい。
【0184】
電荷発生層118aは、有機化合物と金属酸化物の複合材料、金属酸化物、有機化合物とアルカリ金属、アルカリ土類金属、またはこれらの化合物との複合材料の他、これらを適宜組み合わせて形成することができる。有機化合物と金属酸化物の複合材料としては、例えば、有機化合物と酸化バナジウムや酸化モリブデンや酸化タングステン等の金属酸化物を含む。有機化合物としては、芳香族アミン化合物、カルバゾール誘導体、芳香族炭化水素、高分子化合物(オリゴマー、デンドリマー、ポリマー等)など、種々の化合物を用いることができる。なお、有機化合物としては、正孔輸送性有機化合物として正孔移動度が10−6cm/Vs以上であるものを適用することが好ましい。但し、電子よりも正孔の輸送性の高い物質であれば、これら以外のものを用いてもよい。なお、電荷発生層118aに用いるこれらの材料は、キャリア注入性、キャリア輸送性に優れているため、発光素子120の低電流駆動、および低電圧駆動を実現することができる。
【0185】
なお、電荷発生層118aは、有機化合物と金属酸化物の複合材料と他の材料とを組み合わせて形成してもよい。例えば、有機化合物と金属酸化物の複合材料を含む層と、電子供与性物質の中から選ばれた一の化合物と電子輸送性の高い化合物とを含む層とを組み合わせて形成してもよい。また、有機化合物と金属酸化物の複合材料を含む層と、透明導電膜とを組み合わせて形成してもよい。
【0186】
このような構成を有する発光素子120は、エネルギーの移動や消光などの問題が起こり難く、材料の選択の幅が広がることで高い発光効率と長い寿命とを併せ持つ発光素子とすることが容易である。また、一方の発光層で燐光発光、他方で蛍光発光を得ることも容易である。
【0187】
なお、電荷発生層118aとは、第1の電極114と第2の電極119に電圧を印加したときに、電荷発生層118aに接して形成される一方のEL層118に対して正孔を注入する機能を有し、他方のEL層118に電子を注入する機能を有する。
【0188】
図7(B)に示す発光素子120は、EL層に用いる発光物質の種類を変えることにより様々な発光色を得ることができる。また、発光物質として発光色の異なる複数の発光物質を用いることにより、ブロードなスペクトルの発光や白色発光を得ることもできる。
【0189】
図7(B)に示す発光素子120を用いて、白色発光を得る場合、複数のEL層の組み合わせとしては、赤、青及び緑色の光を含んで白色に発光する構成であればよく、例えば、青色の蛍光材料を発光物質として含む第1のEL層と、緑色と赤色の燐光材料を発光物質として含む第2のEL層を有する構成が挙げられる。また、赤色の発光を示す第1のEL層と、緑色の発光を示す第2のEL層と、青色の発光を示す第3のEL層とを有する構成とすることもできる。または、補色の関係にある光を発するEL層を有する構成であっても白色発光が得られる。EL層が2層積層された積層型素子において、第1のEL層から得られる発光の発光色と第2のEL層から得られる発光の発光色を補色の関係にする場合、補色の関係としては、青色と黄色、あるいは青緑色と赤色などが挙げられる。
【0190】
なお、上述した積層型素子の構成において、積層されるEL層の間に電荷発生層を配置することにより、電流密度を低く保ったまま、高輝度領域での長寿命素子を実現することができる。また、電極材料の抵抗による電圧降下を小さくできるので、大面積での均一発光が可能となる。
【0191】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0192】
(実施の形態6)
本実施の形態では、本発明の一態様である発光装置について、図8を用いて説明する。図8(A)は、第1の基板上に形成された発光素子駆動用トランジスタ及び発光素子と、第2の基板上に形成された遮光膜、及び光電変換素子と、をシール材によって封止したパネルの平面図であり、図8(B)は、図8(A)のB1−B2における断面図に相当する。また、図8(C)は、図8(A)のC1−C2における断面図に相当する。
【0193】
図8(A)は、第1の基板4501上に設けられた画素部4502、信号線駆動回路4503a、信号線駆動回路4503b、及び走査線駆動回路4504a、走査線駆動回路4504bを囲むようにして、シール材4505が設けられている。また画素部4502、信号線駆動回路4503a、信号線駆動回路4503b、及び走査線駆動回路4504a、走査線駆動回路4504bの上に第2の基板4506が設けられている。
【0194】
なお、第2の基板4506上には、光電変換素子4521、及び遮光膜4522が設けられている。光電変換素子4521、及び遮光膜4522については、実施の形態1で示した光電変換素子152、及び遮光膜153と同様な手法により形成することができる。
【0195】
このような構造とすることで、画素部4502、信号線駆動回路4503a、信号線駆動回路4503b、及び走査線駆動回路4504a、走査線駆動回路4504bは、第1の基板4501とシール材4505と第2の基板4506とによって、充填材4507と共に密封されている。このように外気に曝されないように脱ガスの少ない保護フィルム(貼り合わせフィルム、紫外線硬化樹脂フィルム等)やカバー材でパッケージング(封入)することにより、気密性が高くなり好ましい。
【0196】
また、第1の基板4501上に設けられた画素部4502、信号線駆動回路4503a、信号線駆動回路4503b、及び走査線駆動回路4504a、走査線駆動回路4504bは、薄膜トランジスタを複数有しており、図8(B)では、画素部4502に含まれるトランジスタ4510と、信号線駆動回路4503aに含まれるトランジスタ4509とを例示している。
【0197】
トランジスタ4509、及びトランジスタ4510は、実施の形態1で示したトランジスタ130と同様な手法により形成することができる。
【0198】
また、発光素子4511が有する第1の電極4514は、トランジスタ4510のソース電極またはドレイン電極と電気的に接続されている。なお、発光素子4511の構成は、第1の電極4514、EL層4512、第2の電極4513の積層構造である。発光素子4511の構成としては、実施の形態5で示した素子構造を適用することができる。
【0199】
隔壁4520は、有機樹脂膜、無機絶縁膜または有機ポリシロキサンを用いて形成する。特に感光性の材料を用い、第1の電極4514上に開口部を形成し、その開口部の側壁が連続した曲率を持って形成される傾斜面となるように形成することが好ましい。
【0200】
EL層4512は、単数の層で構成されていても、複数の層が積層されるように構成されていてもどちらでも良い。
【0201】
発光素子4511に酸素、水素、水分、二酸化炭素等が侵入しないように、第2の電極4513及び隔壁4520上に保護膜を形成してもよい。保護膜としては、窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜等を形成することができる。
【0202】
また、信号線駆動回路4503a、信号線駆動回路4503b、走査線駆動回路4504a、走査線駆動回路4504b、または画素部4502に与えられる各種信号及び電位は、FPC4518から供給されている。
【0203】
接続端子電極4517は、発光素子4511が有する第1の電極4514と同じ導電膜から形成され、端子電極4516は、トランジスタ4509、及びトランジスタ4510が有するソース電極及びドレイン電極と同じ導電膜から形成されている。
【0204】
また、接続端子電極4517は、FPC4518が有する端子と、異方性導電膜4519を介して電気的に接続されている。
【0205】
発光素子4511からの光は、第2の基板4506側から射出される。そのため、第2の基板4506は、透光性を持たせる必要があり、例えば、ガラス板、プラスチック板、ポリエステルフィルムまたはアクリルフィルムのような材料を用いる。
【0206】
また、充填材4507としては窒素やアルゴンなどの不活性な気体の他に、紫外線硬化樹脂または熱硬化樹脂を用いることができ、PVC(ポリビニルクロライド)、アクリル、ポリイミド、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、PVB(ポリビニルブチラル)またはEVA(エチレンビニルアセテート)を用いることができる。例えば充填材として窒素を用いればよい。
【0207】
また、必要であれば、第2の基板4506に偏光板、又は円偏光板(楕円偏光板を含む)、位相差板(λ/4板、λ/2板)などの光学フィルムを適宜設けてもよい。また、偏光板又は円偏光板に反射防止膜を設けてもよい。例えば、表面の凹凸により反射光を拡散し、映り込みを低減できるアンチグレア処理を施すことができる。
【0208】
信号線駆動回路4503a、信号線駆動回路4503b、及び走査線駆動回路4504a、走査線駆動回路4504bは、別途用意された基板上に単結晶半導体膜又は多結晶半導体膜によって形成された駆動回路で実装されていてもよい。また、信号線駆動回路のみ、或いは一部、又は走査線駆動回路のみ、或いは一部のみを別途形成して実装しても良く、図8の構成に限定されない。
【0209】
次に、図8(C)について、説明を行う。図8(C)は光電変換素子4521と、接続端子部4523において、FPC4518が有する端子と、導電層4530a、及び導電層4530bを介して電気的に接続されている。
【0210】
導電層4530a、及び導電層4530bは、導電性を有していればよく、例えば、銀ペースト、銅ペースト、カーボンペースト等の導電性接着剤、または、導電性ビーズを含有した樹脂、または半田接合等の方法を用いて接続端子部4523と接続されれば良い。
【0211】
なお、光電変換素子4521が有する第3の電極4521aは、接続端子部4523aと電気的に接続されており、発光素子4511が有する第1の電極4514と同じ導電膜から形成されている電極4517aと、トランジスタ4510が有するソース電極及びドレイン電極と同じ導電膜から形成された電極4516aに接続され、さらにトランジスタ4510が有するゲート電極と同じ導電膜から形成された電極4515aと電気的に接続されている。
【0212】
また、光電変換素子4521が有する第4の電極4521bは、接続端子部4523bと電気的に接続されており、発光素子4511が有する第1の電極4514と同じ導電膜から形成されている電極4517bと、トランジスタ4510が有するソース電極及びドレイン電極と同じ導電膜から形成された電極4516bに接続され、さらにトランジスタ4510が有するゲート電極と同じ導電膜から形成された電極4515bと電気的に接続されている。
【0213】
本実施の形態においては、光電変換素子4521からの電力は、FPC4518から取り出す構造を例示しているが、これに限定されない。第3の電極4521aと、第4の電極4521bにそれぞれ電極を繋げ、電力を取り出す構造とすれば良く、別途外部に蓄電部等を実装しても良く、図8の構成に限定されない。
【0214】
以上のように、一対の基板間に光電変換素子と発光素子が挟持されることにより、光電変換素子と発光素子間の距離が短くなり、発光素子からの放射光は、ほとんど光電変換素子に入射される。したがって、発光素子からの放射光を効率よく電力に変換し、消費電力が小さい光エネルギー再利用型の発光装置を提供することができる。
【0215】
また、このように一対の基板間に光電変換素子と発光素子が挟持されることにより、発光素子と光電変換素子を同時に封止することができ、信頼性の向上も実現できる。
【0216】
また、従来までカラーフィルタ(有色層)に入射した光は、有色層を透過する特定の波長帯域以外の光が吸収され、光損失となっていた。しかしながら、開示する本発明では、有色層が光電変換素子の一部分であるため、有色層を透過しない波長領域の光は電力に変換される。このように開示する本発明では、発光装置において、必ず生じてしまう無駄な光エネルギーを回収する光エネルギー再利用型の発光装置を実現できる。
【0217】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0218】
(実施の形態7)
本実施の形態では、本発明の一態様である発光装置を用いた照明装置の構成について、図9を用いて説明する。図9(A)は、第1の基板上に形成されたEL層を含む発光素子と、第2の基板に形成された光電変換素子と、を充填材によって封止された発光装置の断面図であり、図9(B)は発光装置の斜視図を示す。なお、図9(A)は、図9(B)のD1−D2線における断面図に相当する。
【0219】
本実施の形態においては、第1の基板上にトランジスタが形成されない構成である。すなわち、第1の基板上には、第1の電極、EL層、及び第2の電極を含む発光素子で構成されている。
【0220】
図9(A)に示した発光装置について、以下詳細に説明する。
【0221】
図9に示す発光装置は、外部電源(図示していない)から電力を与えることで、発光素子が発光し、照明装置として使用することができる。
【0222】
図9(A)に示すように、第1の基板101上には、第1の電極114、EL層118、及び第2の電極119からなる発光素子120が形成されており、第2の基板151上には、第3の電極152a、第1のバッファ層152b、有色層152c、第2のバッファ層152d、及び第4の電極152eからなる光電変換素子152が形成されている。また、第1の基板101と、第2の基板151は、充填材280により、密封されている。
【0223】
図9(A)に示す発光装置は、図9(A)に矢印で示す方向に発光する構造であり、EL層118の光は、光電変換素子152により、吸収、及び透過する。
【0224】
光電変換素子152は、先の実施の形態に示した材料、及び形成方法により作製することができる。また、発光素子120からの光は、光電変換素子152により特定波長帯域の光を透過し、特定波長帯域域以外の光を吸収することで、所望の発光色が第2の基板151側に射出される。また、光電変換素子152により吸収された光は、電力に変換される。すなわち、光電変換素子152は、光電変換機能と、カラーフィルタ機能を同時に備えた構成となる。
【0225】
充填材280としては窒素やアルゴンなどの不活性な気体の他に、紫外線硬化樹脂または熱硬化樹脂を用いることができ、PVC(ポリビニルクロライド)、アクリル、ポリイミド、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、PVB(ポリビニルブチラル)またはEVA(エチレンビニルアセテート)を用いることができる。例えば充填材として窒素を用いればよい。
【0226】
このように、発光素子120と光電変換素子152が近接して設けられることにより、発光素子120と光電変換素子152の間に光が反射、または吸収する材料がほとんどない。よって、発光素子120からの光を効率良く光電変換素子152で吸収することができる。
【0227】
なお、図9(B)に示す筐体290は、図9(A)に示す発光装置を収納することができ、照明装置として、用いることができる。
【0228】
以上のように、一対の基板間に光電変換素子と発光素子が挟持されることにより、光電変換素子と発光素子間の距離が短くなり、発光素子からの放射光は、ほとんど光電変換素子に入射される。したがって、発光素子からの放射光を効率よく電力に変換し、消費電力が小さい光エネルギー再利用型の照明装置を提供することができる。
【0229】
また、このように一対の基板間に光電変換素子と発光素子が挟持されることにより、発光素子と光電変換素子を同時に封止することができ、信頼性の向上も実現できる。
【0230】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0231】
(実施の形態8)
本実施の形態では、表示装置として、液晶パネル、及び電子ペーパーについて図12(A)、及び図12(B)を用いてそれぞれ説明する。
【0232】
なお、本明細書等においては、図12(A)に示した液晶パネル、及び図12(B)に示した電子ペーパーは、表示素子(液晶素子、ツイストボール素子、電気泳動素子など含む)を利用した表示装置とする。
【0233】
まず、図12(A)に示した液晶パネルについて説明を行う。図12(A)は、トランジスタ502と、トランジスタ502を覆う第1の絶縁層504、及び第2の絶縁層506と、トランジスタ502と電気的に接続された第1の電極508と、を有した第1の基板500と、遮光膜552と、光電変換素子554と、光電変換素子554の上に設けられた第3の絶縁層560と、第3の絶縁層560の上に設けられた対向電極562と、を有した第2の基板550と、により液晶層556が挟持されている。
【0234】
トランジスタ502、第1の絶縁層504、第2の絶縁層506及び第1の電極508は、それぞれ、先の実施の形態1に記載したトランジスタ130、第1の絶縁層110、第2の絶縁層112、及び第1の電極114と同様の材料、及び手法により形成することができる。
【0235】
このように、光電変換素子554が第1の基板500と第2の基板550との間に挟持されることにより、光電変換素子554を封止することができる。
【0236】
また、光電変換素子554は、第3の電極554a、第1バッファ層554b、有色層554c、第2のバッファ層554d、第4の電極554eにより構成されている。光電変換素子554は、先の実施の形態1に記載した光電変換素子152と同様の材料、及び手法により形成することができる。
【0237】
第3の絶縁層560は、光電変換素子554と対向電極562とを絶縁することができればよく、例えばスパッタリング法を用いて酸化シリコン膜、及び酸化窒化シリコン膜などを形成することができる。第3の絶縁層560は、光電変換素子554に対して、外部からの水分などの浸入を防止することができる。また、第3の絶縁層560に開口部を設け、光電変換素子554の第4の電極554eの電極を外部に取り出す構造としてもよい。
【0238】
第1の電極508は、反射電極として機能する。第1の電極508としては、実施の形態1に示した第1の電極114と同様の材料、及び手法により形成することができる。
【0239】
なお、第1の電極508は、外部からの光を反射し利用することで、表示を行う。そのため、第1の電極508自身が発光しないが、本明細書等においては、外部からの反射光を利用する反射膜、および反射板なども光源として扱うこととする。
【0240】
また、第1の電極508、及び対向電極562は、それぞれ配向膜510、及び配向膜564が設けられており、配向膜510、及び配向膜564を介して液晶層556が挟持されている。また、対向電極562の上には、スペーサ558が設けられており、第1の基板500と第2の基板550はシール材(図示しない)により、封止されている。
【0241】
対向電極562は、ITOなどの透光性の導電性材料を用いることができる。第1の電極508と対向電極562に電圧を印加することにより、液晶層556の電界を制御することができる。
【0242】
スペーサ558は、絶縁膜を選択的にエッチングすることで得られる柱状のスペーサであり、第1の電極508と対向電極562との間の距離(セルギャップ)を制御するために設けられている。なお球状のスペーサを用いていても良い。
【0243】
また、第1の基板500、及び第2の基板550としては、透光性基板を用いることができ、ガラス、セラミックス、プラスチックを用いることができる。プラスチックとしては、FRP(Fiberglass−Reinforced Plastics)板、PVF(ポリビニルフルオライド)フィルム、ポリエステルフィルム、またはアクリル樹脂フィルムを用いることができる。
【0244】
液晶層556は、特に限定されず、TN(Twisted Nematic)液晶、VA(Vertical Alignment)液晶、OCB(Optically Compensated Birefringence)液晶、高分子分散型液晶、ディスコティック液晶などの材料を適宜用いることができる。
【0245】
また、配向膜を用いないブルー相を示す液晶を用いてもよい。ブルー相は液晶相の一つであり、コレステリック液晶を昇温していくと、コレステリック相から等方相へ転移する直前に発現する相である。ブルー相は狭い温度範囲でしか発現しないため、温度範囲を改善するために数重量%以上のカイラル剤を混合させた液晶組成物を用いてもよい。ブルー相を示す液晶とカイラル剤とを含む液晶組成物は、応答速度が1msec以下と短く、光学的等方性であるため配向処理が不要であり、視野角依存性が小さい。また配向膜を設けなくてもよいのでラビング処理も不要となるため、ラビング処理によって引き起こされる静電破壊を防止することができ、作製工程中の液晶表示装置の不良や破損を軽減することができる。よって液晶表示装置の生産性を向上させることが可能となる。特に、酸化物半導体をトランジスタとして用いた場合、静電気の影響によりトランジスタの電気的な特性が著しく変動して設計範囲を逸脱する恐れがある。よって酸化物半導体をトランジスタとして用いた場合、ブルー相の液晶材料を用いることはより効果的である。
【0246】
なお、本実施の形態においては、反射型の液晶表示装置について例示しているが、透過型液晶表示装置、及び半透過型液晶表示装置でも適用できる。ただし、透過型液晶表示装置、及び半透過型液晶表示装置では、第1の電極508として、使用できる材料が反射性を有する材料ではなく、透光性を有する材料に変更することができる。
【0247】
また、偏光部材、位相差部材、反射防止部材などの光学部材(光学基板)などは適宜設けてもよい。例えば、偏光基板及び位相差基板による円偏光を用いてもよい。また、透過型液晶表示装置、及び半透過型液晶表示装置にする場合には、光源としてバックライト、サイドライトなどを用いてもよい。
【0248】
また、透過型液晶表示装置、及び半透過型液晶表示装置の動画特性を改善するため、バックライトとして複数のLED(発光ダイオード)光源または複数のEL光源などを用いてもよい。
【0249】
次に、図12(B)に示した電子ペーパーについて説明を行う。図12(B)は、アクティブマトリクス型の電子ペーパーの断面図を示す。
【0250】
なお、図12(B)は、図12(A)に示した液晶表示パネルと同様な部分には、同様の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0251】
一般的に電子ペーパーは、液晶素子に比べて反射率が高いため、補助ライトは不要であり、また消費電力が小さく、薄暗い場所でも表示部を認識することが可能である。また、表示部に電源が供給されない場合であっても、一度表示した像を保持することが可能である。
【0252】
ただし、表示部に電源が供給されない場合であっても、演算処理部(CPU)等は、電力を消費しているため、本実施の形態に示した光電変換素子554を用いることで、消費電力をさらに小さくすることができる。
【0253】
図12(B)に示した電子ペーパーは、ツイストボール表示方式を用いた表示装置の例である。ツイストボール表示方式とは、白と黒に塗り分けられた球形粒子を表示素子に用い、電極層である第1の電極508及び電極590の間に配置し、第1の電極508及び電極590に電位差を生じさせての球形粒子の向きを制御することにより、表示を行う方法である。
【0254】
電子ペーパーは、このように白と黒に塗り分けられた球形粒子により、白黒表示を行うのが用いられているが、本実施の形態においては、カラーフィルタとして、光電変換素子554を使用することでカラー表示の電子ペーパーとすることができる。
【0255】
また、図12(B)に示した電子ペーパーは、第1の電極508と電極590との間には黒色領域590a、及び白色領域590bを有し、周りに液体で満たされているキャビティ594を含む球形粒子589が設けられており、球形粒子589の周囲は樹脂等の充填材595で充填されている。本実施の形態においては、第1の電極508が画素電極に相当し、第2の基板550に設けられる電極590が共通電極に相当する。
【0256】
また、第1の基板500と対向して第2の基板550が配置されており、第2の基板550は、ブラックマトリクスとして機能する遮光膜552、光電変換素子554、第3の絶縁層560、及び対向電極562が設けられている。
【0257】
なお、白色領域590bが視認側に位置した際に、白色領域590bによって反射した光が、カラーフィルタとして設けた光電変換素子554を透過することにより、カラー表示を行うことができる。
【0258】
また、白色領域590bは、外部からの光を反射し利用することで、表示を行う。そのため、白色領域590b、または白色領域590bを含む球形粒子589自身が発光しないが、本明細書等においては、外部からの反射光を利用する球形粒子なども光源として扱うこととする。
【0259】
また、ツイストボールの代わりに、電気泳動素子を用いることも可能である。透明な液体と、正に帯電した白い微粒子と負に帯電した黒い微粒子とを封入した直径10μm〜200μm程度のマイクロカプセルを用いる。第1の電極508と電極590との間に設けられるマイクロカプセルは、第1の電極508と電極590によって、電場が与えられると、白い微粒子と、黒い微粒子が逆の方向に移動し、白または黒を表示することができる。白い微粒子が視認側に位置する際に、白い微粒子によって反射した光が、カラーフィルタとして設けた光電変換素子554を透過することにより、カラー表示を行うことができる。
【0260】
以上のように、従来までカラーフィルタ(有色層)に入射した光は、有色層を透過する特定の波長帯域以外の光が吸収され、光損失となっていた。しかしながら、開示する本発明では、有色層が光電変換素子の一部分であるため、有色層を透過しない波長領域の光は電力に変換される。このように開示する本発明では、表示装置において、必ず生じてしまう無駄な光エネルギーを回収する光エネルギー再利用型の表示装置を実現できる。
【0261】
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0262】
(実施の形態9)
本実施の形態では、上記実施の形態に示した表示装置、及び発光装置を含む電子機器について図10を用いて説明する。
【0263】
上記実施の形態に示した発光装置、及び表示装置を有する電子機器の一例として、ビデオカメラ、デジタルビデオカメラ等のカメラ、ゴーグル型ディスプレイ、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、オーディオコンポ等)、コンピュータ、ゲーム機器、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話、携帯型ゲーム機または電子書籍等)、記録媒体を備えた画像再生装置(具体的にはDigital Versatile Disc(DVD)等の記録媒体を再生し、その画像を表示しうる表示装置を備えた装置)などが挙げられる。これらの電子機器の具体例を図10に示す。
【0264】
図10(A)はテレビ装置であり、筐体9101、支持台9102、表示部9103、スピーカー部9104、ビデオ入力端子9105等を含む。このテレビ装置は、表示部9103は、上記実施の形態に示した発光装置、及び表示装置を用いることによって作製される。光エネルギー再利用型の発光装置、及び表示装置を搭載したテレビ装置は、表示部9103の光を再利用することが可能であるため、消費電力が小さいテレビ装置を提供することができる。
【0265】
図10(B)はコンピュータであり、本体9201、筐体9202、表示部9203、キーボード9204、外部接続ポート9205、ポインティングデバイス9206等を含む。このコンピュータは、表示部9203に上記実施の形態に示した発光装置、及び表示装置を用いることによって作製される。光エネルギー再利用型の発光装置、及び表示装置を搭載したコンピュータは、表示部9203の光を再利用することが可能であるため、消費電力が小さいコンピュータを提供することができる。また、携帯可能なコンピュータである場合には、消費電力が小さいため長時間使用することができる。
【0266】
図10(C)は携帯電話であり、本体9401、筐体9402、表示部9403、音声入力部9404、音声出力部9405、操作キー9406、外部接続ポート9407、アンテナ9408等を含む。この携帯電話は、表示部9403が上記実施の形態に示した発光装置、及び表示装置を用いることによって作製される。光エネルギー再利用型の発光装置、及び表示装置を搭載した携帯電話は、表示部9403の光を再利用することが可能であるため、消費電力が小さい携帯電話を提供することができる。また、消費電力が小さい携帯電話とすることによって、長時間使用することができる。
【0267】
図10(D)はデジタルビデオカメラであり、本体9501、表示部9502、筐体9503、外部接続ポート9504、リモコン受信部9505、受像部9506、バッテリー9507、音声入力部9508、操作キー9509、接眼部9510等を含む。このデジタルビデオカメラは、表示部9502は、上記実施の形態に示した発光装置、及び表示装置を用いることによって作製される。光エネルギー再利用型の発光装置、及び表示装置を搭載したデジタルビデオカメラは、表示部9502の光を再利用することが可能であるため、消費電力が小さいデジタルビデオカメラを提供することができる。
【0268】
以上のように、上記実施の形態に示した発光装置、及び表示装置の適用範囲は極めて広く、この発光装置、及び表示装置をあらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。
【0269】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0270】
(実施の形態10)
本実施の形態では、実施の形態7に示す発光装置の一形態である照明装置について図11(A)及び図11(B)を用いて説明する。
【0271】
図11(A)は、本発明の一態様の照明装置を電気スタンドとして用いた例である。電気スタンドは、筐体1001と、照明部1005とを有している。そして、照明部1005として、本発明の一態様の照明装置が用いられている。
【0272】
図11(B)は、本発明の一態様の照明装置を、室内用照明装置として用いた例である。室内用照明装置は、筐体1004と、照明部1006とを有している。そして、照明部1006として、本発明の照明装置が用いられている。
【0273】
以上のように、本発明の一態様の照明装置を用いることで、光エネルギーを再利用することが可能であるため、消費電力が少なく、環境に対する負荷を低減した照明装置を提供することができる。
【0274】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【符号の説明】
【0275】
101 基板
102 ゲート電極
104 ゲート絶縁層
106 半導体層
108 ドレイン電極
110 絶縁層
112 絶縁層
114 電極
116 隔壁
118 EL層
118a 電荷発生層
119 電極
120 発光素子
130 トランジスタ
151 基板
152 光電変換素子
152a 電極
152b バッファ層
152c 有色層
152d バッファ層
152e 電極
153 遮光膜
153a 電極
153b p型半導体層
153c i型半導体層
153d n型半導体層
153e 電極
155 絶縁層
156 サイドウォール層
160 空間
280 充填材
290 筐体
300 基板
310 絶縁層
312 隔壁
314 電極
316 EL層
318 電極
320 発光素子
322 空間
330 駆動用トランジスタ
340 接続端子
350 基板
352 光電変換素子
352a 電極
352b バッファ層
352c 有色層
352d バッファ層
352e 電極
400 基板
410 絶縁層
412 隔壁
414 電極
416 EL層
418 電極
420 発光素子
422 空間
430 駆動用トランジスタ
440 接続端子
450 基板
452 光電変換素子
452a 電極
452b バッファ層
452c 有色層
452d バッファ層
452e 電極
500 基板
502 トランジスタ
504 絶縁層
506 絶縁層
508 電極
510 配向膜
550 基板
552 遮光膜
554 光電変換素子
554a 電極
554b バッファ層
554c 有色層
554d バッファ層
554e 電極
556 液晶層
558 スペーサ
560 絶縁層
562 対向電極
564 配向膜
589 球形粒子
590 電極
590a 黒色領域
590b 白色領域
594 キャビティ
595 充填材
1000 発光装置
1001 筐体
1002 コンバータ
1003 コンバータ
1004 筐体
1005 照明部
1006 照明部
1010 光電変換素子
1020 発光素子
1030 電力制御回路
1040 蓄電池
1050 発光制御回路
4501 基板
4502 画素部
4503a 信号線駆動回路
4503b 信号線駆動回路
4504a 走査線駆動回路
4504b 走査線駆動回路
4505 シール材
4506 基板
4507 充填材
4509 トランジスタ
4510 トランジスタ
4511 発光素子
4512 EL層
4513 電極
4514 電極
4515a 電極
4515b 電極
4516 端子電極
4516a 電極
4516b 電極
4517 接続端子電極
4517a 電極
4517b 電極
4518 FPC
4519 異方性導電膜
4520 隔壁
4521 光電変換素子
4521a 電極
4521b 電極
4522 遮光膜
4523 接続端子部
4523a 接続端子部
4523b 接続端子部
4530a 導電層
4530b 導電層
9101 筐体
9102 支持台
9103 表示部
9104 スピーカー部
9105 ビデオ入力端子
9201 本体
9202 筐体
9203 表示部
9204 キーボード
9205 外部接続ポート
9206 ポインティングデバイス
9401 本体
9402 筐体
9403 表示部
9404 音声入力部
9405 音声出力部
9406 操作キー
9407 外部接続ポート
9408 アンテナ
9501 本体
9502 表示部
9503 筐体
9504 外部接続ポート
9505 リモコン受信部
9506 受像部
9507 バッテリー
9508 音声入力部
9509 操作キー
9510 接眼部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の基板間に挟持された光電変換素子と発光素子とトランジスタと、を有し、
前記発光素子は、前記トランジスタと電気的に接続され、
前記光電変換素子は、前記発光素子と対向して設けられ、前記発光素子からの放射光のうち特定波長帯域の光に対して透過性を示す有色層を有し、
前記発光素子からの放射光が、前記有色層を介して射出することを特徴とする発光装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記光電変換素子は、有機薄膜太陽電池を含んで構成されることを特徴とする発光装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、
前記光電変換素子は、赤色、緑色、または青色の光の中から少なくとも一つの色を透過することを特徴とする発光装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一において、
前記発光素子は、エレクトロルミネッセンス層を含んで構成されることを特徴とする発光装置。
【請求項5】
一対の基板間に挟持された光電変換素子と発光素子と、を有し、
前記光電変換素子は、前記発光素子と対向して設けられ、前記発光素子からの放射光のうち特定波長帯域の光に対して透過性を示す有色層を有し、
前記発光素子からの放射光が、前記有色層を介して射出することを特徴とする照明装置。
【請求項6】
請求項5において、
前記光電変換素子は、有機薄膜太陽電池を含んで構成されることを特徴とする照明装置。
【請求項7】
請求項5または請求項6において、
前記光電変換素子は、赤色、緑色、または青色の光の中から少なくとも一つの色を透過することを特徴とする照明装置。
【請求項8】
請求項5乃至請求項7のいずれか一において、
前記発光素子は、エレクトロルミネッセンス層を含んで構成されることを特徴とする照明装置。
【請求項9】
光源と、
一対の基板間に挟持された光電変換素子と表示素子と、を有し、
前記光電変換素子は、前記表示素子と対向して設けられ、前記光源からの放射光のうち特定波長帯域の光に対して透過性を示す有色層を有し、
前記光源からの放射光が、前記有色層を介して射出することを特徴とする表示装置。
【請求項10】
請求項9において、
前記光電変換素子は、有機薄膜太陽電池を含んで構成されることを特徴とする表示装置。
【請求項11】
請求項9または請求項10において、
前記光電変換素子は、赤色、緑色、または青色の光の中から少なくとも一つの色を透過することを特徴とする表示装置。
【請求項12】
請求項9乃至請求項11のいずれか一において、
前記表示素子は、液晶素子、または電気泳動素子を含んで構成されることを特徴とする表示装置。
【請求項13】
請求項1乃至請求項4のいずれか一に記載の発光装置を有する電子機器。
【請求項14】
請求項5乃至請求項8のいずれか一に記載の照明装置を有する電子機器。
【請求項15】
請求項9乃至請求項12のいずれか一に記載の表示装置を有する電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−164645(P2012−164645A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−6721(P2012−6721)
【出願日】平成24年1月17日(2012.1.17)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】