説明

表示装置、表示モジュール、および電子機器

【課題】駆動TFT及び発光素子に必要以上に電圧を印加することなく、発光素子が劣化しても動作点が飽和領域となる電圧を印加することによる表示装置を提供する。
【解決手段】モニタ画素は、モニタ画素電源線と、第1の発光素子と、第1TFTとを有し、画素は、電源線と、駆動TFTとなる第2TFTと、第2TFTのゲートに信号を与える信号線と、第3TFTと、第2の発光素子とを有する。モニタ画素のモニタ画素電源線と第1TFTのゲート電位とをそれぞれサンプリングし、信号線の電位及び電源線の電位とする。発光素子の劣化に合わせて、常に第2TFTと第2の発光素子との動作点を第2TFTのピンチオフ点近くの飽和領域にするこができるので、電源線と対向電極との電位差を必要以上に大きくする必要がなくすことができる。こうして、消費電力を小さくし、且つ長寿命な表示装置を提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はアクティブマトリクス型の表示装置及びその駆動方法に関する。本発明は特に、薄膜トランジスタ(以下、TFTと表記する)等のスイッチング素子と発光素子とを画素毎に有する表示装置及びその駆動方法に関する。また、表示装置及びその駆動方法を用いた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、TFTを形成する技術が大幅に進歩し、アクティブマトリクス型の表示装置への応用開発が進められている。特に、活性層としてポリシリコン膜を用いたTFTは、従来のアモルファスシリコン膜を用いたTFTよりも電界効果移動度(モビリティともいう)が高いので、高速動作が可能である。そのため、画素が形成された基板と同一の基板上にTFTを用いて形成した駆動回路によって、画素の制御を行うことが可能となっている。画素が形成された基板と同一基板上にTFTによって様々な回路を作りこんだ表示装置では、製造のコストの低減、小型化、歩留まりの上昇、スループットの低減など、様々な利点が得られる。
【0003】
表示装置の各画素が有する表示素子として、発光素子であるエレクトロルミネッセンス素子(以下、EL素子と表記する)を有したアクティブマトリクス型のEL表示装置の研究が活発化している。EL表示装置は有機ELディスプレイ(OELD:Organic EL Display)又は有機ライトエミッティングダイオード(OLED:Organic Light Emitting Diode)とも呼ばれている。
【0004】
一般に、EL素子の発光輝度はEL素子に流れる電流値と比例関係にあるため、EL素子を表示素子として用いたEL表示装置では、電流値で発光輝度を制御する。階調表現の方法として、2本の電源線の間にEL素子とTFT(以下、駆動TFTという)とを直列に接続した構成において、駆動TFTを飽和領域で動作させ、駆動TFTのゲートとソースの間の電圧を変化させ、EL素子に流れる電流値を制御する方法がある。また、EL素子に流れる電流値は一定で、所定の時間あたりにEL素子に電流が流れる時間で発光輝度を制御し階調を表現する駆動方法もある(以下の特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】特開2001−5426号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
所定の電位差に保たれた2本の電源線の間に、EL素子(発光素子)と駆動TFT(駆動トランジスタ)とを直列に接続した構成において、発光素子が劣化すると、駆動トランジスタと発光素子との動作点が駆動トランジスタの線形領域となる可能性があった。このため、駆動トランジスタが線形領域で動作しないように、発光素子の2つの電極のうち駆動トランジスタと接続されていない側の電極(以下、対向電極ともいう)の電位を下げる必要があった。こうして、駆動トランジスタのソースと対向電極との電位差を大きくしなければならなかった。
【0007】
上記で、駆動トランジスタのソースと対向電極との電位差を大きくしなければならない理由を図1、図2を用いて説明する。
【0008】
図1は、基本的な有機ELディスプレイの画素構成である。図1において、101及び102はTFT、103は容量素子、104は発光素子、105は発光素子104の対向電極、106は電源線、107はソース信号線、108はゲート信号線、109はノードVmである。TFT101が上記駆動トランジスタに相当し、TFT101と発光素子104とは、電源線106と対向電極105に所定の電位を与える電源線との間に直列に接続されている。
【0009】
図2は、図1の画素構成のTFT101と発光素子104との動作点の関係を示した図である。図2において、201はTFT101の特性を示し、202は発光素子104の特性を示し、203及び204は発光素子104が劣化したときの特性を示し、205は201と202との動作点を示し、206は201と203との動作点を示し、207は201と204との動作点を示し、208はピンチオフ点を示し、209はピンチオフ曲線を示し、210は対向電極105の電位を示し、211は電源線106の電位を示し、212はTFT101のソースとドレインの間を流れる電流を示し、213は発光素子104を流れる電流を示し、214はTFT101のソースとドレインの間の電圧を示し、215は発光素子104の一対の電極の間の電圧を示す。
【0010】
図2では、TFT101のゲートとソースの間の電圧を任意の一定の電圧とし、発光素子104が劣化したときのTFT101と発光素子104との動作点の変化を示した。発光素子104が劣化すると、発光素子104の特性は、特性202から特性203、特性204へと変化する。また、動作点も動作点205から動作点206、動作点207へと変化する。発光素子104の劣化により動作点が飽和領域から線形領域になると発光素子104に流れる電流値が急に小さくなるため、発光素子104の輝度が急に小さくなることになる。そのため、発光素子104の劣化によって動作点が線形領域とならないようにするために、対向電極105と電源線106との電位差をあらかじめ大きくしておく必要があった。
【0011】
対向電極105と電源線106との電位差を大きくする方法として、図1のように駆動TFT(TFT101)としてPチャネル型TFTを使用している場合は、対向電極105の電位を下げる方法がある。これは、電源線106の電位を大きくすると駆動TFTのゲートとソースの間の電位差も変わってしまい、輝度調整が難しくなるからである。
【0012】
このように、対向電極105と電源線106との電位差を大きくすると、発光素子に流れる電流値および輝度は、ほとんど変わらないにもかかわらず、印加される電圧のみが大きくなるため、消費電力が大きくなるという問題があった。
【0013】
本発明では、上記欠点を解決し、発光素子の劣化に合わせて発光素子と駆動トランジスタとの動作点をピンチオフ点付近とすることで、対向電極105の電位を必要以上に変化させず、表示装置の低消費電力化を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の表示装置は、電流源と、第1の配線と、第2の配線と、第1の発光素子と、第1のトランジスタを有し、第1のトランジスタのソースとドレインのうち一方が第1の配線を介して電流源と電気的に接続され、第1のトランジスタのソースとドレインのうち他方、及びゲートが第2の配線、及び第1の発光素子の一方の電極に電気的に接続されることを特徴とする。
本発明の表示装置の他の構成は、電流源と、第1の配線と、第2の配線と、第1の発光素子と、第1のトランジスタを有し、第1のトランジスタのソースとドレインのうち一方、及びゲートが第1の配線を介して電流源と電気的に接続され、第1のトランジスタのソースとドレインのうち他方が、第2の配線、及び第1の発光素子の一方の電極に電気的に接続されることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の表示装置の他の構成は、電流源と、第1の配線と、第2の配線と、第1のサンプリング回路と、第2のサンプリング回路と、第1の発光素子と、第1のトランジスタを有し、第1のサンプリング回路は第1の配線と電気的に接続され、第2のサンプリング回路は第2の配線と電気的に接続され、第1のトランジスタのソースとドレインのうち一方が第1の配線を介して電流源と電気的に接続され、第1のトランジスタのソースとドレインのうち他方、及びゲートが第2の配線、及び第1の発光素子の一方の電極に電気的に接続されることを特徴とする。
また、本発明の表示装置の他の構成は、電流源と、第1の配線と、第2の配線と、デジタルアナログ変換回路と、第1の発光素子と、第1のトランジスタを有し、デジタルアナログ変換回路は第1の配線と電気的に接続され、また、第2の配線と電気的に接続され、第1のトランジスタのソースとドレインのうち一方が第1の配線を介して前記電流源と電気的に接続され、第1のトランジスタのソースとドレインのうち他方、及びゲートが第2の配線、及び第1の発光素子の一方の電極に電気的に接続されることを特徴とする。
また、本発明の表示装置の他の構成は、電流源と、第1の配線と、第2の配線と、第3の配線と、第1のサンプリング回路と、第2のサンプリング回路と、デジタルアナログ変換回路と、第1の発光素子と、第2の発光素子と、第1のトランジスタと、第2のトランジスタを有し、第1のサンプリング回路は第1の配線、および第3の配線と電気的に接続され、第2のサンプリング回路は第2の配線と電気的に接続され、デジタルアナログ変換回路は第1のサンプリング回路、および第2のサンプリング回路と電気的に接続され、第1のトランジスタのソースとドレインのうち一方が第1の配線を介して電流源と電気的に接続され、第1のトランジスタのソースとドレインのうち他方、及びゲートが第2の配線、及び第1の発光素子の一方の電極に電気的に接続され、第2のトランジスタのソースとドレインのうち一方が第3の配線に電気的に接続され、第2のトランジスタのソースとドレインのうち他方が第2の発光素子の一方の電極に電気的に接続されることを特徴とする。
また、本発明の表示装置の他の構成は、電流源と、第1の配線と、第2の配線と、第3の配線と、第1の発光素子と、第2の発光素子と、ソースとドレインのうち一方が第1の配線を介して電流源と電気的に接続され、ソースとドレインのうち他方、及びゲートが第2の配線、及び第1の発光素子の一方の電極に電気的に接続された第1のトランジスタと、ソースとドレインのうち一方が第3の配線に電気的に接続され、ソースとドレインのうち他方が第2の発光素子の一方の電極に電気的に接続された第2のトランジスタと、第1の配線の電位を一定期間保持し、第3の配線に供給する第1のサンプリング回路と、第2の配線の電位を一定期間保持する第2のサンプリング回路と、第1のサンプリング回路に保持された電位と、第2のサンプリング回路に保持された電位とによって最小出力となる電位、及び最大出力となる電位が決定されるデジタルアナログ変換回路と、デジタルアナログ変換回路の出力に応じた信号を第2のトランジスタのゲートに供給する回路と、第1のサンプリング回路の出力に応じた電位を第3の配線に供給する回路と、を有することを特徴とする。
また、本発明の表示装置の他の構成は、電流源と、第1の配線と、第2の配線と、第3の配線と、第4の配線と、第5の配線と、第1の発光素子と、第2の発光素子と、ソースとドレインのうち一方が第1の配線を介して電流源と電気的に接続され、ソースとドレインのうち他方、及びゲートが第2の配線、及び第1の発光素子の一方の電極に電気的に接続された第1のトランジスタと、ソースとドレインのうち一方が第3の配線に電気的に接続され、ソースとドレインのうち他方が第2の発光素子の一方の電極に電気的に接続された第2のトランジスタと、ソースとドレインのうち一方が第4の配線に電気的に接続され、ソースとドレインのうち他方が第2のトランジスタのゲートに電気的に接続され、ゲートが第5の配線に電気的に接続された第3のトランジスタと、第1の配線の電位を一定期間保持し、第3の配線に供給する第1のサンプリング回路と、第2の配線の電位を一定期間保持する第2のサンプリング回路と、第1のサンプリング回路に保持された電位と、第2のサンプリング回路に保持された電位とによって最小出力となる電位、及び最大出力となる電位が決定されるデジタルアナログ変換回路と、デジタルアナログ変換回路の出力に応じた信号を第4の配線に供給するソースドライバと、選択信号を第5の配線に供給するゲートドライバと、第1のサンプリング回路の出力に応じた電位を第3の配線に供給する回路と、を有することを特徴とする。
【0016】
なお、上記構成においてデジタルアナログ変換回路の出力に応じた信号の電位は、第1の配線の電位よりも小さい構成であってもよい。また、第1のトランジスタと、第2のトランジスタはPチャネル型であっても良い。また、第1のトランジスタのチャネル幅、及びチャネル長は、第2のトランジスタのチャネル幅、及びチャネル長と同一の構成としても良い。また、第1のトランジスタと、第2のトランジスタは、第2のトランジスタと、第2の発光素子と同一基板上に形成されていてもよい。
また、上記構成において、第1のトランジスタと、第1の発光素子の動作点、及び第2のトランジスタと、第2の発光素子の動作点は、それぞれ、第1のトランジスタの飽和領域及び第2のトランジスタの飽和領域であっても良い。また、第1の発光素子の構造は、第2の発光素子の構造と同一であっても良い。また、第1のトランジスタはノーマリーオフ型であっても良い。
【0017】
より詳細には、複数のモニタ画素と、モニタ画素電源線と、複数の画素と、電源線と、第2のトランジスタのゲートの電位を決定する信号線とを有する。複数のモニタ画素それぞれは、第1のトランジスタと、一対の電極を有する第1の発光素子とを有する。複数の画素それぞれは、第2のトランジスタと、一対の電極を持つ第2の発光素子とを有する。モニタ画素電源線は第1のトランジスタのソースとドレインのうち一方に接続され、第1のトランジスタのソースとドレインのうち他方は第1の発光素子の一方の電極、及び第1のトランジスタのゲートに接続されている。また、電源線は第2のトランジスタのソースとドレインのうち一方と接続され、第2のトランジスタのソースとドレインのうち他方は第2の発光素子の一方の電極と接続され、第2のトランジスタのゲートには信号線から電位が与えられる。ここで、第1のトランジスタと第1の発光素子とに一定の電流を流すときのモニタ画素のモニタ画素電源線の電位と第1のトランジスタのゲートの電位とをそれぞれサンプリングする。サンプリングした第1のトランジスタのゲートの電位を画素の信号線の電位とし、サンプリングしたモニタ画素電源線の電位を画素の電源線の電位とすることで、発光素子の劣化に合わせて、常に第2のトランジスタと第2の発光素子との動作点を第2のトランジスタのピンチオフ点近くの飽和領域にするこができ、電源線と対向電極との電位差を必要以上に大きくしないようにできる。
【0018】
モニタ画素において、サンプリングした電位について説明する。モニタ画素の第1のトランジスタのソースとドレインのうち他方と第1の発光素子の一方の電極との接続点は第1のトランジスタのゲート電極に接続されている。そのため、第1のトランジスタの動作点がピンチオフ点(Vds=Vgs−Vth)に近い点となるときの、モニタ画素電源線の電位と第1のトランジスタのゲートの電位をサンプリングすることができる。Vdsはモニタ画素電源線と第1の発光素子の一方の電極との間の電位差、Vgsはモニタ画素電源線と第1のトランジスタのゲートとの電位差、Vthは第1のトランジスタのしきい値電圧を示している。ここで、第1の発光素子の一方の電極と第1のトランジスタのゲート電極とは接続されているため、同電位である。すなわち、VdsとVgsとは、同電位ということになる。よって、モニタ画素電源線の電位と第1のトランジスタのゲートの電位とをサンプリングし、表示画素領域の複数の画素にフィードバックすることで、常に最大輝度時に、第2のトランジスタをピンチオフ点付近で動作させるこができる。
即ち、第1のトランジスタのゲートの電位は、表示画素領域の複数の画素の最大輝度時の電位として信号線へフィードバックする。モニタ画素電源線の電位は、表示画素領域の複数の画素の非発光時の電位として画素の信号線と画素の電源線とへフィードバックする。こうして、常に最大輝度時に、第2のトランジスタをピンチオフ点付近で動作させるこができる。
【0019】
第1のトランジスタのゲート電極の電位を表示画素領域の複数の画素の最大輝度時の電位として信号線へフィードバックするときは、第1のトランジスタ、第2のトランジスタのばらつきを考慮して、第2のトランジスタの動作点が飽和領域側になるように、サンプリングされた電位に対して信号線や電源線に与える電位を変化させてもよい。
【0020】
上記駆動方法で表示を行う表示装置の構成について、以下に説明する。
【0021】
(第1の構成)
本発明は、複数のモニタ画素と、複数の画素と、第1の配線と、第2の配線と、第3の配線と、第4の配線と、第5の配線と、第6の配線と、定電流源と、第1のサンプリング回路と、第2のサンプリング回路と、デジタルアナログ変換回路と、ソースドライバと、ゲートドライバとを有する表示装置である。複数のモニタ画素それぞれは、Pチャネル型の第1のトランジスタと、一対の電極を有する第1の発光素子とを有し、複数の画素それぞれは、Pチャネル型の第2のトランジスタと、第3のトランジスタと、一対の電極を持つ容量素子と、一対の電極を持つ第2の発光素子とを有する。定電流源は第1の配線と接続される。第1の配線は第1のトランジスタのソースとドレインのうち一方と接続される。第1のトランジスタのソースとドレインのうち他方は第1の発光素子の一方の電極、及び第2の配線、及び第1のトランジスタのゲートと接続される。第1の配線は第1のサンプリング回路の入力と接続される。第2の配線は第2のサンプリング回路の入力と接続される。第1のサンプリング回路の出力はデジタルアナログ変換回路の電源、及び第4の配線と接続される。第2のサンプリング回路の出力はデジタルアナログ変換回路の電源と接続される。第3の配線はデジタルアナログ変換回路の入力と接続され、デジタルのビデオ信号が入力される。デジタルアナログ変換回路の出力はソースドライバにビデオ信号として入力される。第4の配線は第2のトランジスタのソースとドレインのうち一方と接続される。第2のトランジスタのソースとドレインのうち他方は第2の発光素子の一方の電極と接続される。第2のトランジスタのゲートは容量素子の一方の電極、及び第3のトランジスタのソースとドレインのうち一方と接続される。第3のトランジスタの他方は第5の配線と接続される。容量素子の他方の電極は第4の配線と接続される。第3のトランジスタのゲートは第6の配線と接続される。第5の配線はソースドライバの出力、第6の配線はゲートドライバの出力に接続されている。第1の配線、及び第2の配線により得られる電位を第1のサンプリング回路、及び第2のサンプリング回路によりサンプリングする。第1のサンプリング回路及び第2のサンプリング回路それぞれの出力をデジタルアナログ変換回路の電源として用い、それにより得られる電位をビデオ信号としてソースドライバを介して第5の配線から出力することを特徴とする。
【0022】
また、1つの画素中に2つのトランジスタと1つの容量素子とを有する画素構成を示したがこれに限定されない。ソースドライバから電圧を出力し、第2のトランジスタ(駆動トランジスタ)のソースに電源線の電位を与える駆動法であれば、画素構成は何でもよい。例えば、駆動トランジスタのしきい値電圧を補正する構成を有していても良い。
【0023】
また、第1トランジスタ、及び第2のトランジスタとしては、Pチャネル型のトランジスタを用いたが、Nチャネル型のトランジスタを用いてもよい。第1のトランジスタにNチャネル型のトランジスタを用いる場合は、第1のトランジスタのゲートを第1の発光素子の一方の電極に接続するのではなく、第1の配線と接続すればよい。
【0024】
また、容量素子の第4の配線に接続された端子は、第2のトランジスタの動作時に一定の電位に保たれていれば、何処に接続されていてもよい。例えば、第2の発光素子の他方の電極に接続されていてもよいし、その他の配線に接続されていてもよい。
【0025】
(第2の構成)
本発明は、複数のモニタ画素と、複数の画素と、第1の配線と、第2の配線と、第3の配線と、第4の配線と、第5の配線と、第6の配線と、定電流源と、第1のサンプリング回路と、第2のサンプリングス回路と、ソースドライバと、ゲートドライバとを有する表示装置である。複数のモニタ画素それぞれは、Pチャネル型の第1のトランジスタと、一対の電極を有する第1の発光素子とを有する。複数画素それぞれは、Pチャネル型の第2のトランジスタと、第3のトランジスタと、一対の電極を持つ容量素子と、一対の電極を持つ第2の発光素子とを有する。定電流源は第1の配線と接続される。第1の配線は第1のトランジスタのソースとドレインのうち一方と接続される。第1のトランジスタのソースとドレインのうち他方は第1の発光素子の一方の電極、及び第2の配線、及び第1のトランジスタのゲートと接続される。第1の配線は第1のサンプリング回路の入力と接続される。第2の配線は第2のサンプリング回路の入力と接続される。第1のサンプリング回路の出力はソースドライバのバッファ部の電源、及びソースドライバのレベルシフタ部の電源、及び第4の配線と接続される。第2のサンプリング回路の出力はソースドライバのバッファ部の電源、及びソースドライバのレベルシフタ部の電源と接続される。当該バッファ部と当該レベルシフタ部は、ソースドライバにおける各信号線への出力直前のバッファ部とレベルシフタ部である。第3の配線はソースドライバにビデオ信号を入力する。第4の配線は第2のトランジスタのソースとドレインのうち一方と接続される。第2のトランジスタのソースとドレインのうち他方は第2の発光素子の一方の電極と接続される。第2のトランジスタのゲートは容量素子の一方の電極、及び第3のトランジスタのソースとドレインのうち一方と接続される。第3のトランジスタの他方は第5の配線と接続される。容量素子の他方の電極は第4の配線と接続される。第3のトランジスタのゲートは第6の配線と接続される。第5の配線はソースドライバの出力、第6の配線はゲートドライバの出力に接続されている。第1の配線、及び第2の配線により得られる電位を第1のサンプリング回路、及び第2のサンプリング回路によりサンプリングする。第1のサンプリング回路及び第2のサンプリング回路それぞれの出力をソースドライバのバッファ部、及びソースドライバのレベルシフタ部の電源として用い、それにより得られる電位をビデオ信号として、第5の配線から出力することを特徴とする。
【0026】
また、1つの画素中に2つのトランジスタと1つの容量素子とを有する画素構成を示したがこれに限定されない。ソースドライバから電圧を出力し、第2のトランジスタ(駆動トランジスタ)のソースに電源線の電位を与える駆動法であれば、画素構成は何でもよい。例えば、駆動トランジスタのしきい値電圧を補正する構成を有していても良い。ビデオ信号とは別の信号によって、発光素子を非発光とする手段を設けてもよい。例えば、容量素子と並列にトランジスタを設け、当該トランジスタをONすることによって容量素子に保持された電荷を放電し、駆動トランジスタをOFFして発光素子を非発光とする構成としても良い。
【0027】
また、第1のトランジスタ、及び第2のトランジスタは、Pチャネル型のトランジスタを用いたが、Nチャネル型のトランジスタを用いてもよい。第1のトランジスタにNチャネル型のトランジスタを用いる場合は、トランジスタのゲートを第1の発光素子の一方の電極に接続するのではなく、第1の配線と接続すればよい。
【0028】
また、容量素子の第4の配線に接続された電極は、第2のトランジスタの動作時に一定の電位に保たれていれば、何処に接続されていてもよい。例えば、第2の発光素子の他方の電極に接続されていてもよいし、その他の配線に接続されていてもよい。
【0029】
なお、トランジスタのゲートとソースの間にしきい値電圧を超える電圧が印加され、ソースとドレイン間に電流が流れる状態になることをトランジスタがONすると呼ぶ。また、トランジスタのゲートとソースの間にしきい値電圧以下の電圧が印加され、ソースとドレイン間に電流が流れない状態になることをトランジスタがOFFすると呼ぶ。
【0030】
本発明において、接続されているとは、電気的に接続されていることと同義である。したがって、本発明の構成において、所定の接続関係に加え、その間に電気的な接続を可能とする他の素子(例えば、スイッチや、トランジスタ、ダイオード、容量素子等の素子)が配置されていてもよい。
【0031】
第1の構成、第2の構成では、スイッチング素子の一例としてトランジスタを用いた例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。スイッチング素子としては、電流を制御できる素子であれば、電気的スイッチでも機械的スイッチでも良い。スイッチング素子として、ダイオードを用いても良いし、ダイオードとトランジスタを組み合わせた論理回路を用いてもよい。
【0032】
また、本発明において、スイッチング素子として適用可能なトランジスタの種類に限定はなく、非晶質シリコンや多結晶シリコンに代表される非単結晶半導体膜を用いたTFT、半導体基板やSOI基板を用いて形成されるMOS型トランジスタ、接合型トランジスタ、バイポーラトランジスタ、有機半導体やカーボンナノチューブを用いたトランジスタ、その他のトランジスタを適用することができる。また、トランジスタが形成される基板の種類に限定はなく、単結晶基板、SOI基板、石英基板、ガラス基板、樹脂基板などを自由に用いることができる。
【0033】
また、トランジスタのソースの電位が低電位側電源に近い場合には、当該トランジスタはNチャネル型とするのが望ましい。一方、トランジスタのソースの電位が高電位側電源に近い場合には、当該トランジスタはPチャネル型とするのが望ましい。このような構成とすることによって、トランジスタのゲートとソースの間の、電圧の絶対値を大きくできるため、当該トランジスタをスイッチとして動作させやすい。なお、Nチャネル型トランジスタとPチャネル型トランジスタとの両方を用いて、CMOS型のスイッチング素子としてもよい。
【0034】
本発明は、発光素子として、一対の電極間に流れる電流と輝度が比例関係にある素子を用いた表示装置に適用することができる。例えば、発光素子としてEL素子や発光ダイオードを用いた表示装置に適用することができる。
【発明の効果】
【0035】
モニタ画素電源線の電位と第1のトランジスタのゲート電位とをそれぞれサンプリングすることにより、画素の電源線の電位、及び画素の信号線の電位として最適な値を出力することができる。また、モニタ画素のモニタ画素電源線の電位と第1のトランジスタのゲート電位とをそれぞれサンプリングし、画素の電源線の電位、及び画素の信号線の電位とすることで、発光素子の劣化に合わせて、常に第2のトランジスタと第2の発光素子との動作点を第2のトランジスタのピンチオフ点近くの飽和領域にすることができる。そのため、電源線と対向電極との電位差が必要以上に大きくならずにすむ。こうして、消費電力が小さく、且つ長寿命な表示装置を提供することができる。
【0036】
また、本発明は、電圧のビデオ信号を用いるため、画素に映像信号を入力する駆動回路の構成を簡単にすることができる。
【0037】
また、本発明は、発光素子が劣化した場合だけでなく、発光素子の電圧−電流特性が変化した場合すべてにおいて有効となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
本発明の実施形態について説明する。ただし、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、本発明の主旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。したがって、本実施形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0039】
(第1の実施形態)
第1の構成の表示装置について、図4を用いて説明する。
【0040】
図4において、401、402、及び411はTFT、403は容量素子、404、及び412は発光素子、405、及び413は対向電極、406はソース信号線、407はゲート信号線、409はソースドライバ、410はゲートドライバ、414、及び420は電源線、415はサンプリング線、416は定電流源、417、及び418はサンプリング回路、419はデジタルアナログ変換回路、421はモニタ画素領域、422は表示画素領域、423はビデオ信号線である。
【0041】
画素はそれぞれ、容量素子403と、発光素子404と、TFT401とTFT402を有する。また、モニタ画素はそれぞれ、発光素子412と、TFT411を有する。
【0042】
定電流源416は電源線414、及びサンプリング回路417の入力と接続され、電源線414はTFT411のソースとドレインのうち一方と接続される。TFT411のソースとドレインのうち他方はTFT411のゲート、サンプリング線415、及び発光素子412の一方の電極と接続される。サンプリング線415はサンプリング回路418の入力と接続される。サンプリング回路417の出力はデジタルアナログ変換回路419の電源、及び電源線420と接続される。サンプリング回路418の出力はデジタルアナログ変換回路419の電源と接続される。ビデオ信号423はデジタルのビデオ信号であり、デジタルアナログ変換回路419に入力される。デジタルアナログ変換回路419の出力はソースドライバ409にビデオ信号として入力される。ソースドライバ409の出力はソース信号線406と接続される。ゲートドライバ410の出力はゲート信号線407と接続される。電源線420はTFT401のソースとドレインのうち一方と接続される。TFT401のソースとドレインのうち他方は発光素子404の一方の電極と接続される。TFT401のゲートは容量素子403の一方の電極、及びTFT402のソースとドレインのうち一方と接続される。TFT402のソースとドレインのうち他方はソース信号線406と接続される。TFT402のゲートはゲート信号線407と接続されている。
【0043】
TFT401と発光素子404の一方の電極との接続点をノードVm408とする。
【0044】
図4の駆動方法について、説明する。
【0045】
本発明では、表示する際に使用する表示画素領域422と電位をサンプリングするためのモニタ画素領域421とを分けた構成としているがこれに限られない。
【0046】
まず、モニタ画素領域421の動作について説明する。
【0047】
モニタ画素領域421では、TFT411と発光素子412との動作点がTFT411の飽和領域と線形領域との境界で動作するような関係となる電位をサンプリングする。
【0048】
また、飽和領域と線形領域との境界はピンチオフ点と呼ばれる。Pチャネル型TFTの場合、ピンチオフ点では以下の式が満たされる。
Vds=Vgs−Vth
(Vds:ソースとドレインの間の電圧、Vgs:ソースとゲートの間の電圧、Vth:しきい値電圧)
また、飽和領域では以下の式を満たす。
Vds<Vgs−Vth
また、線形領域では以下の式を満たす。
Vds>Vgs−Vth
【0049】
モニタ画素領域421では、TFT411のソースとドレインのうち他方とTFT411のゲートと発光素子412の一方の電極が接続され、TFT411のソースとドレインの間と発光素子412に定電流を流すことで、TFT411と発光素子412との動作点をTFT411のピンチオフ点近くとなる電圧としている。定電流源416は、電源線414から対向電極413へ電流を流す方向とし、TFT411はPチャネル型TFTであることから、TFT411の電源線414に接続された側がソース、TFT411の発光素子412に接続された側がドレインとなる。上記のモニタ画素領域421の接続関係より、TFT411のソースとドレインの間の電圧(ドレイン電圧)とソースとゲートの間の電圧(ゲート電圧)が等しくなるため、TFT411がノーマリーオンの場合(しきい値電圧が正の場合)に線形領域で動作し、TFT411がノーマリーオフの場合(しきい値電圧が負の場合)に飽和領域で動作する。すなわち、TFT411と発光素子412の動作点はピンチオフ点に極めて近い、又はピンチオフ点となる。
【0050】
定電流源416の電流値は、表示画素領域422の発光素子404において発光させたい最大輝度時の電流値を、モニタ画素領域421の発光素子412の数だけ足し合わせた値である。例えば、表示画素領域422の発光素子404において、発光させたい最大輝度時の電流値をIpixとすると、モニタ画素領域421の発光素子412がn個ある場合に、定電流源416から流す電流値は、n×Ipixである。
【0051】
次に、モニタ画素領域421の電位のサンプリング方法について説明する。
【0052】
電源線414の電位、及びサンプリング線415の電位をサンプリングする。電源線414はTFT411のソースの電位、サンプリング線415の電位はTFT411のゲートとドレインの電位となる。また、上記のように、TFT411と発光素子412の動作点はTFT411のピンチオフ点に極めて近い、又はピンチオフ点である。
【0053】
電源線414はサンプリング回路417の入力に接続されている。サンプリング回路417において電源線414の電位のサンプリングを行い、サンプリング回路417はサンプリングされた電位に対応した電位を出力する。また、このサンプリング回路417の構成は、どのような構成でもよく、特に限定しない。また、サンプリング回路417は必ずしも必要ではなく、サンプリング回路417を有さない構成としても良い。
【0054】
サンプリング線415はサンプリング回路418の入力に接続されている。サンプリング回路418においてサンプリング線415の電位のサンプリングを行い、サンプリング回路418はサンプリングされた電位に対応した電位を出力する。また、このサンプリング回路の構成は、どのような構成でもよく、特に限定しない。また、サンプリング回路418は必ずしも必要ではなく、サンプリング回路418を有さない構成としても良い。
【0055】
サンプリング回路417、及びサンプリング回路418の出力は、デジタルアナログ変換回路419の電源に接続されている。サンプリング回路417、及びサンプリング回路418の出力をデジタルアナログ変換回路419の電源として用いることで、サンプリング回路417の出力の電位とサンプリング回路418の出力の電位との間の値の電位をデジタルアナログ変換回路419により出力することができる。また、デジタルアナログ変換回路419により出力する電位は、デジタルアナログ変換回路419の入力へ接続されているビデオ信号423により制御される。デジタルアナログ変換回路419は、一般的な回路構成を用いればよい。また、本実施形態に示すデジタルアナログ変換回路に限らず、サンプリング回路417、及びサンプリング回路418の出力に応じて出力電位が決定する回路であれば、どのような構成でもよい。
【0056】
次に、表示画素領域422、ソースドライバ409、ゲートドライバ410の動作について説明する。
【0057】
サンプリング回路417の出力は電源線420と接続され、モニタ画素領域421の電源線414の電位が出力されている。ここで、ソースドライバ409の構成は限定せず、デジタルアナログ変換回路419の出力電位をソース信号線406へ出力する回路構成であれば良い。また、ゲートドライバ410の回路構成は限定せず、ゲート信号線407を走査する構成であればよい。
【0058】
表示画素領域422において、電源線420からTFT401を介して発光素子404に電流を供給している。この電流は、TFT401のゲートとソースの間の電圧(ゲート電圧)により制御され、TFT401のゲートの電位はゲート信号線407により選択されONとなったTFT402を介してソース信号線406から供給されている。また、このソース信号線により供給された電位は容量素子403に保持されるため、ゲート信号線407により選択されONとなったTFT402がOFFとなってもしばらくの間TFT401のゲートの電位は保持される。
【0059】
ここで、ソース信号線406より供給される電位はモニタ画素領域421の電源線414の電位とサンプリング線415の電位の間の値をもつ電位である。電源線420より供給される電位はモニタ画素領域421の電源線414の電位である。また、モニタ画素領域421の電源線414の電位とサンプリング線415の電位とは発光素子412が最大輝度時となる際の電位の関係を有しており、最大輝度時における動作点は、TFT411のピンチオフ点近傍となる。
【0060】
ソース信号線406の電位がサンプリング線415の電位のときにTFT401と発光素子404との動作点はピンチオフ点近くとなり、ソース信号線406の電位が電源線414の電位に近づいたとしても、ピンチオフ点からより飽和領域へ動作点が移動する。これについて図3を用いて説明する。
【0061】
301はTFT401の特性、302はTFT401のVgsを大きくしたときの特性、303はTFT401のVgsをさらに大きくしたときの特性、304は発光素子404の特性、305は、TFT401の特性301と発光素子404の特性304との動作点、306は、TFT401のVgsを大きくしたときの特性302と発光素子404の特性304との動作点、307はTFT401のVgsをさらに大きくしたときの特性303と発光素子404の特性304との動作点、308はピンチオフ曲線、309は対向電極405の電位、310は電源線420の電位、311はTFT401のソースとドレインの間を流れる電流、312は発光素子404を流れる電流である。
【0062】
305、306、及び307の動作点での電位が図4に示すノードVm408の電位となる。
【0063】
ピンチオフ曲線308と、TFT401の特性301、TFT401のVgsを大きくしたときの特性302、または、TFT401のVgsをさらに大きくしたときの特性303との交差点がピンチオフ点となる。TFT401のVgsを大きくしていくと動作点がより飽和領域の側に移動している。本実施形態では、Vgsが最小となる電位の関係をモニタ画素領域421で決定しているため、TFT401と発光素子404との動作点が線形領域となることはない。
【0064】
また、モニタ画素領域421が有するTFT411のサイズ(チャネル幅、チャネル長など)、及び特性(移動度、しきい値電圧など)は、表示画素領域422が有するTFT401のサイズ、及び特性と同一、又はその近傍にすることが望ましい。また、モニタ画素領域421が有する発光素子412の開口率、及び形状などは、表示画素領域422が有する発光素子404の開口率、形状と同一、又はその近傍にすることが望ましい。
【0065】
本実施形態において、輝度階調を表現する方法として、デジタルアナログ変換回路419に入力するビデオ信号423により、デジタルアナログ変換回路419の出力を制御する。こうして、ソース信号線406の電位を変えることにより、TFT401のゲート電圧を調整する。その結果、発光素子404に流れる電流値を変化させることで、輝度階調を表現する。
【0066】
また、本実施形態において、TFT411、及びTFT401はPチャネル型TFTを用いたが、Nチャネル型TFTを用いてもよい。TFT411にNチャネル型TFTを用いる場合、TFT411のゲートとTFT411のソースとドレインのうち一方とを接続する(つまり、電源線414と接続する)。
【0067】
(第2の実施形態)
第2の構成の表示装置について、図5を用いて説明する。
【0068】
図5において、501、502、及び511はTFT、503は容量素子、504、及び512は発光素子、505、及び513は対向電極、506はソース信号線、507はゲート信号線、509はソースドライバ、510はゲートドライバ、514、及び520は電源線、515はサンプリング線、516は定電流源、517、及び518はサンプリング回路、519はモニタ画素領域、521は表示画素領域である。
【0069】
画素はそれぞれ、容量素子503と、発光素子504と、TFT501とTFT502を有する。また、モニタ画素はそれぞれ、発光素子512と、TFT511を有する。
【0070】
定電流源516は電源線514、及びサンプリング回路517の入力と接続される。電源線514はTFT511のソースとドレインのうち一方と接続される。TFT511のソースとドレインのうち他方はTFT511のゲート、サンプリング線515、及び発光素子512の一方の電極と接続される。サンプリング線515はサンプリング回路518の入力と接続される。サンプリング回路517の出力はソースドライバ509のレベルシフタ、バッファの電源と接続される。サンプリング回路518の出力はソースドライバ509のレベルシフタ、バッファの電源と接続される。ソースドライバ509の出力はソース信号線506と接続され、ゲートドライバ510の出力はゲート信号線507と接続される。電源線520はTFT501のソースとドレインのうち一方と接続される。TFT501のソースとドレインのうち他方は発光素子504の一方の電極と接続される。TFT501のゲートは容量素子503の一方の電極、及びTFT502のソースとドレインのうち一方と接続される。TFT502のソースとドレインのうち他方はソース信号線506と接続される。TFT502のゲートはゲート信号線507と接続されている。
【0071】
TFT501と発光素子504の一方の電極との接続点をノードVm508とする。
【0072】
図5の駆動方法について、説明する。
【0073】
本発明では、表示する際に使用する表示画素領域521と、電位をサンプリングするためのモニタ画素領域519とを分けた構成としているがこれに限られない。
【0074】
まず、モニタ画素領域519の動作について説明する。
【0075】
モニタ画素領域519では、TFT511と発光素子512との動作点がTFT511の飽和領域と線形領域との境界で動作するような関係となる電圧を調べる。
【0076】
また、飽和領域と線形領域との境界はピンチオフ点と呼ばれる。Pチャネル型TFTの場合、ピンチオフ点では以下の式が満たされる。
Vds=Vgs−Vth
(Vds:ソースとドレインの間の電圧、Vgs:ソースとゲートの間の電圧、Vth:しきい値電圧)
また、飽和領域では以下の式を満たす。
Vds<Vgs−Vth
また、線形領域では以下の式を満たす。
Vds>Vgs−Vth
【0077】
モニタ画素領域519では、TFT511のソースとドレインのうち他方とTFT511のゲートと発光素子512の一方の電極が接続され、TFT511のソースとドレインの間と発光素子512に定電流を流すことで、TFT511と発光素子512との動作点をピンチオフ点近くとなる電圧としている。定電流源は、電源線514から対向電極513へ電流を流す方向とし、TFT511はPチャネル型TFTであることから、TFT511の電源線514に接続された側がソース、TFT511の発光素子512に接続された側がドレインとなる。上記のモニタ画素領域519の接続関係より、TFT511のドレイン電圧とゲート電圧が等しくなるため、TFT511がノーマリーオンの場合(しきい値電圧が正の場合)に線形領域で動作し、TFT511がノーマリーオフの場合(しきい値電圧が負の場合)に飽和領域で動作する。すなわち、TFT511と発光素子512の動作点はピンチオフ点に極めて近い、又はピンチオフ点となる。
【0078】
定電流源516の電流値は、表示画素領域521の発光素子504において発光させたい最大輝度時の電流値を、モニタ画素領域519の発光素子512の数だけ足し合わせた値である。例えば、表示画素領域521の発光素子504において、発光させたい最大輝度時の電流値をIpixとすると、モニタ画素領域519の発光素子512がn個ある場合に、定電流源516から流す電流値は、n×Ipixである。
【0079】
次に、モニタ画素領域519の電位のサンプリング方法について説明する。
【0080】
電源線514の電位、及びサンプリング線515の電位をサンプリングする。電源線514はTFT511のソース側の電位、サンプリング線515の電位はTFT511のゲートとドレインの電位となる。また、上記のように、TFT511と発光素子512の動作点はTFT511のピンチオフ点に極めて近い、又はピンチオフ点である。
【0081】
電源線514はサンプリング回路517の入力に接続されている。サンプリング回路517において電源線514の電位のサンプリングを行い、サンプリング回路517はサンプリングされた電位に対応した電位を出力する。また、このサンプリング回路517の構成は、どのような構成でもよく、特に限定しない。また、サンプリング回路517は必ずしも必要ではなく、サンプリング回路517を有さない構成としても良い。
【0082】
サンプリング線515はサンプリング回路518の入力に接続されている。サンプリング回路518においてサンプリング線515の電位のサンプリングを行い、サンプリング回路518はサンプリングされた電位に対応した電位を出力する。また、このサンプリング回路の構成は、どのような構成でもよく、特に限定しない。また、サンプリング回路518は必ずしも必要ではなく、サンプリング回路518を有さない構成としても良い。
【0083】
サンプリング回路517、及びサンプリング回路518の出力は、ソースドライバ509のレベルシフタ、及びバッファの電源と接続されている。
【0084】
次に、表示画素領域521、ソースドライバ509、ゲートドライバ510の動作について説明する。
【0085】
サンプリング回路517の出力は電源線520と接続され、モニタ画素領域519の電源線514の電位が出力されている。ここで、ソースドライバ509の構成は限定せず、サンプリング回路517、及びサンプリング回路518の出力電位をソース信号線506へ出力する構成であればよい。また、ゲートドライバ510の構成は限定せず、ゲート信号線507を走査する構成であればよい。
【0086】
表示画素領域521において、電源線520からTFT501を介して発光素子504に電流を供給している。この電流は、TFT501のゲートとソースの間の電圧(ゲート電圧)により制御され、TFT501のゲートの電位はゲート信号線507により選択されONとなったTFT502を介してソース信号線506から供給されている。また、このソース信号線により供給された電位は容量素子503に保持されるため、ゲート信号線507により選択されONとなったTFT502がOFFとなってもしばらくの間TFT501のゲートの電位は保持される。
【0087】
ここで、ソース信号線506より供給される電位はモニタ画素領域519の電源線514の電位とサンプリング線515の電位の間の値をもつ電位である。電源線520より供給される電位はモニタ画素領域519の電源線514の電位である。また、モニタ画素領域519の電源線514の電位とサンプリング線515の電位とは発光素子512が最大輝度時となる際の電位の関係を有しており、最大輝度時における動作点は、TFT511のピンチオフ点近傍となる。
【0088】
ソース信号線506の電位がサンプリング線515の電位のときにTFT501と発光素子504との動作点はピンチオフ点近くとなり、ソース信号線506の電位が電源線514の電位に近づいたとしても、上記の式(Vds<Vgs−Vthの関係のとき飽和領域)より、ピンチオフ点からより飽和領域へ動作点が移動する。
【0089】
また、モニタ画素領域519が有するTFT511のサイズ(チャネル幅、チャネル長など)、及び特性(移動度、しきい値電圧など)は、表示画素領域521が有するTFT501のサイズ、及び特性と同一、又はその近傍にすることが望ましい。また、モニタ画素領域519が有する発光素子512の開口率、及び形状などは、表示画素領域521が有する発光素子504の開口率、形状と同一、又はその近傍にすることが望ましい。
【0090】
本実施形態において、輝度階調を表現する方法として、発光素子が発光している時間を制御する方法(時分割階調)がある。その場合、ソースドライバ509からはTFT501をONする場合の信号電圧と、TFT501をOFFする場合の信号電圧との2値のみが、ソース信号線506へ出力される。
【0091】
また、本実施形態において、TFT511、及びTFT501はPチャネル型TFTを用いたが、Nチャネル型TFTを用いてもよい。TFT511にNチャネル型TFTを用いる場合、TFT511のゲートとTFT511のソースとドレインのうち一方とを接続する(つまり、電源線514と接続する)。
【0092】
第1の実施形態、及び第2の実施形態において、図4、及び図5を用いてTFTの配置を説明した。しかし、本発明において、TFTの配置は、図4、及び図5の配置に限定されない。第1の実施形態、及び第2の実施形態において説明した駆動ができさえすれば、任意の場所にTFTを配置することが可能である。例えば、ビデオ信号とは異なる信号によって発光素子を非発光とするためにTFTを追加してもよいし、駆動TFTのしきい値電圧を補正するためにTFTを追加してもよい。
【0093】
また、本発明において、ブロック図で示すソースドライバ、ゲートドライバ、サンプリング回路、及びデジタルアナログ変換回路等の回路構成は、第1の実施形態、及び第2の実施形態において説明した駆動ができさえすれば、どのようなものであってもよい。
【0094】
本発明では、画素に信号を入力する駆動回路として公知なものを用いることができる。
【実施例1】
【0095】
本発明の表示装置を実際に作製した例について説明する。
【0096】
図6(A)及び図6(B)は、発明を実施するための最良の形態で説明した第1の実施形態、及び第2の実施形態の表示装置の画素の断面図である。第1の実施形態、及び第2の実施形態の画素に配置されるトランジスタとして、TFTを用いた例を示す。
【0097】
図6(A)及び図6(B)において、1000は基板、1001は下地膜、1002は半導体層、1102は半導体層、1003は第1の絶縁膜、1004はゲート電極、1104は容量素子の電極、1005は第2の絶縁膜、1006はソース電極又はドレイン電極、1007は第1の電極、1008は第3の絶縁膜、1009は発光層、1010は第2の電極である。また、1100はTFT、1011は発光素子、1101は容量素子である。
【0098】
図6では、画素を構成する素子として、TFT1100と、容量素子1101と発光素子1011を代表で示した。なお、モニタ画素も同様の構成とすることができる。
【0099】
図6(A)の構成について説明する。
【0100】
基板1000としては、例えばバリウムホウケイ酸ガラスや、アルミノホウケイ酸ガラスなどのガラス基板、石英基板、セラミック基板等を用いることができる。また、ステンレスを含む金属基板や半導体基板の表面に絶縁膜を形成したものを用いても良い。プラスチック等の可撓性を有する合成樹脂からなる基板を用いても良い。基板1000の表面を、CMP法などの方法により平坦化しておいても良い。
【0101】
下地膜1001としては、酸化珪素や、窒化珪素または窒化酸化珪素などの絶縁膜を用いることができる。下地膜1001を設けることによって、基板1000に含まれるナトリウム(Na)などのアルカリ金属やアルカリ土類金属が半導体層1002に拡散しTFT1100の特性に悪影響を与えるのを防ぐことができる。図6(A)では、下地膜1001を単層の構造としているが、2層以上の積層構造としてもよい。なお、石英基板など不純物の拡散がさして問題とならない場合には、下地膜1001を必ずしも設ける必要はない。
【0102】
半導体層1002及び半導体層1102としては、結晶性半導体膜や非晶質半導体膜を用いることができる。結晶性半導体膜は非晶質半導体膜を結晶化して得ることができる。結晶化方法としては、レーザ結晶化法、RTA又はファーネスアニール炉を用いる熱結晶化法、結晶化を助長する金属元素を用いる熱結晶化法等を用いることができる。半導体層1002は、チャネル形成領域と、導電型を付与する不純物元素が添加された一対の不純物領域とを有する。なお、チャネル形成領域と一対の不純物領域との間に、不純物元素が低濃度で添加された不純物領域を有していてもよい。半導体層1102は、全体に導電型を付与する不純物元素が添加された構成とすることができる。
【0103】
第1の絶縁膜1003は、酸化珪素、窒化珪素または窒化酸化珪素等を用い、単層または複数の膜の積層とすることができる。
【0104】
ゲート電極1004及び容量素子の電極1104としては、タンタル(Ta)、タングステン(W)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、クロム(Cr)、ネオジム(Nd)から選ばれた一種の元素、またはこれらの元素を複数含む合金若しくは化合物からなる単層または積層構造を用いることができる。
【0105】
TFT1100は、半導体層1002と、ゲート電極1004と、半導体層1002とゲート電極1004との間の第1の絶縁膜1003と、によって構成される。図6(A)では、画素を構成するTFTとして、発光素子1011の第1の電極1007に接続されたTFT1100のみを示したが、複数のTFTを有する構成としてもよい。また、本実施例では、TFT1100をトップゲート型のトランジスタとして示したが、半導体層の下方にゲート電極を有するボトムゲート型のトランジスタであっても良いし、半導体層の上下にゲート電極を有するデュアルゲート型のトランジスタであっても良い。
【0106】
容量素子1101は、第1の絶縁膜1003を誘電体とし、第1の絶縁膜1003を挟んで対向する半導体層1102と容量素子の電極1104とを一対の電極として構成される。なお、図6(A)では、画素が有する容量素子として、一対の電極の一方をTFT1100の半導体層1002と同時に形成される半導体層1102とし、他方の電極をTFT1100のゲート電極1004と同時に形成される容量素子の電極1104とした例を示したが、この構成に限定されない。
【0107】
第2の絶縁膜1005としては、無機絶縁膜や有機絶縁膜の単層または積層を用いることができる。無機絶縁膜としては、CVD法により形成された酸化シリコン膜や、SOG(Spin On Glass)法により形成された酸化シリコン膜などを用いることができ、有機絶縁膜としてはポリイミド、ポリアミド、BCB(ベンゾシクロブテン)、アクリルまたはポジ型感光性有機樹脂、ネガ型感光性有機樹脂等の膜を用いることができる。
【0108】
また、第2の絶縁膜1005として、シリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が構成される材料を用いることができる。この材料の置換基として、少なくとも水素を含む有機基(例えばアルキル基、芳香族炭化水素)が用いられる。置換基として、フルオロ基を用いてもよい。または置換基として、少なくとも水素を含む有機基と、フルオロ基とを用いてもよい。
【0109】
ソース電極又はドレイン電極1006としては、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、炭素(C)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、白金(Pt)、銅(Cu)、タンタル(Ta)、金(Au)、マンガン(Mn)から選ばれた一種の元素、またはこれらの元素を複数含む合金からなる単層または積層構造を用いることができる。
【0110】
第1の電極1007及び第2の電極1010の一方もしくは両方を透明電極とすることができる。透明電極としては、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、ガリウムを添加した酸化亜鉛(GZO)その他の透光性酸化物導電材料を用いることができる。ITO及び酸化珪素を含む酸化インジウムスズ(以下、ITSOと記す)や、ITO及び酸化チタンを含む酸化インジウムスズ(以下、ITTOと記す)や、ITO及び酸化モリブデンを含む酸化インジウムスズ(以下、ITMOと記す)や、ITOにチタン、モリブデン又はガリウムを添加したものや、酸化珪素を含んだ酸化インジウムにさらに2〜20wt%の酸化亜鉛(ZnO)を混合したターゲットを用いて形成されたものを用いても良い。
【0111】
第1の電極1007及び第2の電極1010の他方は、透光性を有さない材料で形成されていてもよい。例えば、リチウム(Li)やセシウム(Cs)等のアルカリ金属、およびマグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)等のアルカリ土類金属、これらを含む合金(Mg:Ag、Al:Li、Mg:Inなど)、およびこれらの化合物(フッ化カルシウム、窒化カルシウム)の他、イッテルビウム(Yb)やエルビウム(Er)等の希土類金属を用いることができる。
【0112】
第3の絶縁膜1008としては、第2の絶縁膜1005と同様の材料を用いて形成することができる。第3の絶縁膜1008は、第1の電極1007の端部を覆うように第1の電極1007の周辺に形成され、隣り合う画素において発光層1009を分離する機能を有する。
【0113】
発光層1009は、単層または複数の層で構成されている。複数の層で構成されている場合、これらの層は、キャリア輸送特性の観点から正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層などに分類することができる。なお各層の境界は必ずしも明確である必要はなく、互いの層を構成している材料が一部混合し、界面が不明瞭になっている場合もある。各層には、有機系の材料、無機系の材料を用いることが可能である。有機系の材料として、高分子系、中分子系、低分子系のいずれの材料も用いることが可能である。
【0114】
発光素子1011は、発光層1009と、発光層1009を介して重なる第1の電極1007及び第2の電極1010とによって構成される。第1の電極1007及び第2の電極1010の一方が陽極に相当し、他方が陰極に相当する。発光素子1011は、陽極と陰極の間にしきい値電圧より大きい電圧が順バイアスで印加されると、陽極から陰極に電流が生じて発光する。
【0115】
図6(B)の構成について説明する。なお、図6(A)と同様の部分には同じ符号を用いて示し、説明は省略する。
【0116】
図6(B)は、図6(A)において、第2の絶縁膜1005と第3の絶縁膜1008の間に第4の絶縁膜1108を有する構成である。
【0117】
ソース電極又はドレイン電極1006と第1の電極1007とは、第4の絶縁膜1108に設けられたコンタクトホールにおいて、接続用電極1106によって接続されている。
【0118】
第4の絶縁膜1108は、第2の絶縁膜1005と同様の構成とすることができる。接続用電極1106は、ソース電極又はドレイン電極1006と同様の構成とすることができる。
【0119】
本実施例は、発明を実施する最良の形態と自由に組み合わせて実施することができる。
【実施例2】
【0120】
本実施例では、表示装置の封止を行った構成について、図7を用いて説明する。図7(A)は、表示装置を封止することによって形成された表示パネルの上面図であり、図7(B)、図7(C)はそれぞれ図7(A)のA−A’における断面図である。図7(B)と図7(C)とは、異なる方法で封止を行った例である。
【0121】
図7(A)乃至図7(C)において、基板1301上には、複数の画素を有する表示部1302が配置され、これらを囲むようにしてシール材1306が設けられ封止用の材料1307が貼り付けられている。画素の構造については、上述の発明を実施するための最良の形態や、実施例1で示した構成を用いることができる。
【0122】
図7(B)の表示パネルでは、図7(A)の封止用の材料1307は、対向基板1321に相当する。シール材1306を接着層として用いて透明な対向基板1321が貼り付けられ、基板1301、対向基板1321及びシール材1306によって密閉空間1322が形成される。対向基板1321には、カラーフィルタ1320と該カラーフィルタを保護する保護膜1323が設けられる。表示部1302に配置された発光素子から発せられる光は、該カラーフィルタ1320を介して外部に放出される。密閉空間1322は、不活性な樹脂もしくは液体などで充填される。なお、密閉空間1322に充填する樹脂として、吸湿材を分散させた透光性を有する樹脂を用いても良い。また、シール材1306と密閉空間1322に充填される材料とを同一の材料として、対向基板1321の接着と表示部1302の封止とを同時に行っても良い。
【0123】
図7(C)に示した表示パネルでは、図7(A)の封止用の材料1307は、封止用の材料1324に相当する。シール材1306を接着層として用いて封止用の材料1324が貼り付けられ、基板1301、シール材1306及び封止用の材料1324によって密閉空間1308が形成される。封止用の材料1324には予め凹部の中に吸湿剤1309が設けられ、上記密閉空間1308の内部において、水分や酸素等を吸着して清浄な雰囲気に保ち、発光素子の劣化を抑制する役割を果たす。この凹部は目の細かいメッシュ状のカバー材1310で覆われている。カバー材1310は空気や水分は通すが、吸湿剤1309は通さない。なお、密閉空間1308は、窒素もしくはアルゴン等の希ガスで充填しておけばよく、不活性であれば樹脂もしくは液体で充填することも可能である。
【0124】
基板1301上には、表示部1302等に信号を伝達するための入力端子部1311が設けられ、該入力端子部1311へはFPC(フレキシブルプリントサーキット)1312を介して映像信号等の信号が伝達される。入力端子部1311では、基板1301上に形成された配線とFPC1312に設けられた配線とを、導電体を分散させた樹脂(異方性導電樹脂:ACF)を用いて電気的に接続してある。
【0125】
表示部1302が形成された基板1301上に、表示部1302に信号を入力する駆動回路が一体形成されていても良い。表示部1302に信号を入力する駆動回路をICチップで形成し、基板1301上にCOG(Chip On Glass)で接続しても良いし、ICチップをTAB(Tape Auto Bonding)やプリント基板を用いて基板1301上に配置しても良い。
【0126】
本実施例は、発明を実施するための最良の形態、実施例1と自由に組み合わせて実施することができる。
【実施例3】
【0127】
本発明は、表示パネルに信号を入力する回路を実装した表示モジュールに適用することができる。
【0128】
図8は表示パネル1200と回路基板1204を組み合わせた表示モジュールを示している。
【0129】
図8では、回路基板1204上にコントロール回路1205や信号分割回路1206などが形成されている例を示した。回路基板1204上に形成される回路はこれに限定されない。表示パネルを制御する信号を生成する回路であればどのような回路が形成されていてもよい。
【0130】
回路基板1204上に形成されたこれらの回路から出力された信号は、接続配線1207によって表示パネル1200に入力される。
【0131】
表示パネル1200は、表示部1201と、ソースドライバ1202と、ゲートドライバ1203とを有する。表示パネル1200の構成は、実施例2等で示した構成と同様とすることができる。図8では、表示部1201が形成された基板と同一基板上に、ソースドライバ1202及びゲートドライバ1203が形成されている例を示した。しかし、本発明の表示モジュールはこれに限定されない。表示部1201が形成された基板と同一基板上にゲートドライバ1203のみが形成され、ソースドライバは回路基板上に形成されていても良い。ソースドライバ及びゲートドライバの両方が回路基板上に形成されていても良い。
【0132】
このような表示モジュールを組み込んで、様々な電子機器の表示部を形成することができる。
【0133】
本実施例は、発明を実施するための最良の形態、及び実施例1、実施例2と自由に組み合わせて実施することができる。
【実施例4】
【0134】
本発明の表示モジュールを用いた電子機器として、ビデオカメラやデジタルスチルカメラ等のカメラ、ゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、オーディオコンポ等)、パーソナルコンピュータ、ゲーム機器、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話、携帯型ゲーム機または電子書籍等)、記録媒体読み込み部を備えた画像再生装置(具体的にはDigital Versatile Disc(DVD)等の記録媒体を再生し、その画像を表示しうるディスプレイを備えた装置)などが挙げられる。特に、斜め方向から画面を見る機会が多い携帯情報端末は、視野角の広さが重要視されるため、自発光型の表示装置を用いることが望ましい。本発明は、消費電力の低減が重要な課題となる携帯情報機器に特に有効である。
【0135】
電子機器の具体例を図9に示す。なお、ここで示す電子機器はごく一例であり、これらの用途に限定するものではない。
【0136】
図9(A)はディスプレイであり、筐体2001、支持台2002、表示部2003、スピーカー部2004、ビデオ入力端子2005等を含む。本発明の表示モジュールは表示部2003に用いることが出来る。なお、ディスプレイには、パーソナルコンピュータ用、TV放送受信用、広告表示用などの全ての情報表示用表示装置が含まれる。
【0137】
図9(B)はデジタルスチルカメラであり、本体2101、表示部2102、受像部2103、操作キー2104、外部接続ポート2105、シャッター2106等を含む。本発明の表示モジュールは表示部2102に用いることが出来る。
【0138】
図9(C)はパーソナルコンピュータであり、本体2201、筐体2202、表示部2203、キーボード2204、外部接続ポート2205、ポインティングパッド2206等を含む。本発明の表示モジュールは表示部2203に用いることが出来る。
【0139】
図9(D)はモバイルコンピュータであり、本体2301、表示部2302、スイッチ2303、操作キー2304、赤外線ポート2305等を含む。本発明の表示モジュールは表示部2302に用いることが出来る。
【0140】
図9(E)は記録媒体読み込み部を備えた携帯型の画像再生装置(具体的にはDVD再生装置)であり、本体2401、筐体2402、表示部A2403、表示部B2404、記録媒体(DVD等)読み込み部2405、操作キー2406、スピーカー部2407等を含む。表示部A2403は主として画像情報を表示し、表示部B2404は主として文字情報を表示するが、本発明の表示モジュールはこれら表示部A2403、表示部B2404に用いることが出来る。なお、記録媒体を備えた画像再生装置にはゲーム機器なども含まれる。
【0141】
図9(F)はゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)であり、本体2501、表示部2502、アーム部2503を含む。本発明の表示モジュールは表示部2502に用いることが出来る。
【0142】
図9(G)はビデオカメラであり、本体2601、表示部2602、筐体2603、外部接続ポート2604、リモコン受信部2605、受像部2606、バッテリー2607、音声入力部2608、操作キー2609等を含む。本発明の表示モジュールは表示部2602に用いることが出来る。
【0143】
ここで図9(H)は携帯電話であり、本体2701、筐体2702、表示部2703、音声入力部2704、音声出力部2705、操作キー2706、外部接続ポート2707、アンテナ2708等を含む。本発明の表示モジュールは表示部2703に用いることが出来る。なお、表示部2703は黒色の背景に白色の文字を表示することで携帯電話の消費電力を更に抑えることが出来る。
【0144】
なお、将来的に発光素子の発光輝度が高くなれば、出力した画像情報を含む光をレンズ等で拡大投影してフロント型若しくはリア型のプロジェクターに用いることも可能となる。
【0145】
また、上記電子機器はインターネットやCATV(ケーブルテレビ)などの電子通信回線を通じて配信された情報を表示することが多くなり、特に動画情報を表示する機会が増してきている。発光材料の応答速度は非常に高いため、本発明の表示モジュールは動画表示に好ましい。
【0146】
また、本発明の表示装置は発光している部分が電力を消費するため、発光部分が極力少なくなるように情報を表示することが望ましい。従って、携帯情報端末、特に携帯電話や音響再生装置のような文字情報を主とする表示部に表示モジュールを用いる場合には、非発光部分を背景として文字情報を発光部分で形成するように駆動することが望ましい。
【0147】
以上の様に、本発明の適用範囲は極めて広く、あらゆる分野の電子機器に用いることが可能である。
【0148】
本実施例は、発明を実施するための最良の形態、及び実施例1乃至実施例3と自由に組み合わせて実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0149】
【図1】従来の画素の構成を示す回路図。
【図2】図1の画素の特性を示す図。
【図3】本発明の画素の特性を示す回路図。
【図4】本発明の画素の構成を示す回路図。
【図5】本発明の画素の構成を示す回路図。
【図6】本発明の実施例1を示す図。
【図7】本発明の実施例2を示す図。
【図8】本発明の実施例3を示す図。
【図9】本発明の電子機器の例を示す図。
【符号の説明】
【0150】
401 TFT
402 TFT
403 容量素子
404 発光素子
405 対向電極
406 ソース信号線
407 ゲート信号線
408 ノードVm
409 ソースドライバ
410 ゲートドライバ
411 TFT
412 発光素子
413 対向電極
414 電源線
415 サンプリング線
416 定電流源
417 サンプリング回路
418 サンプリング回路
419 デジタルアナログ変換回路
420 電源線
421 モニタ画素領域
422 表示画素領域
423 ビデオ信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電流源と、第1の配線と、第2の配線と、第1の発光素子と、第1のトランジスタを有し、
前記第1のトランジスタのソースとドレインのうち一方が前記第1の配線を介して前記電流源と電気的に接続され、
前記第1のトランジスタのソースとドレインのうち他方、及びゲートが前記第2の配線、及び前記第1の発光素子の一方の電極に電気的に接続されることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
電流源と、第1の配線と、第2の配線と、第1の発光素子と、第1のトランジスタを有し、
前記第1のトランジスタのソースとドレインのうち一方、及びゲートが前記第1の配線を介して前記電流源と電気的に接続され、
前記第1のトランジスタのソースとドレインのうち他方が、前記第2の配線、及び前記第1の発光素子の一方の電極に電気的に接続されることを特徴とする表示装置。
【請求項3】
電流源と、第1の配線と、第2の配線と、第1のサンプリング回路と、第2のサンプリング回路と、第1の発光素子と、第1のトランジスタを有し、
前記第1のサンプリング回路は前記第1の配線と電気的に接続され、
前記第2のサンプリング回路は前記第2の配線と電気的に接続され、
前記第1のトランジスタのソースとドレインのうち一方が前記第1の配線を介して前記電流源と電気的に接続され、
前記第1のトランジスタのソースとドレインのうち他方、及びゲートが前記第2の配線、及び前記第1の発光素子の一方の電極に電気的に接続されることを特徴とする表示装置。
【請求項4】
電流源と、第1の配線と、第2の配線と、デジタルアナログ変換回路と、第1の発光素子と、第1のトランジスタを有し、
前記デジタルアナログ変換回路は前記第1の配線と電気的に接続され、また、前記第2の配線と電気的に接続され、
前記第1のトランジスタのソースとドレインのうち一方が前記第1の配線を介して前記電流源と電気的に接続され、
前記第1のトランジスタのソースとドレインのうち他方、及びゲートが前記第2の配線、及び前記第1の発光素子の一方の電極に電気的に接続されることを特徴とする表示装置。
【請求項5】
電流源と、第1の配線と、第2の配線と、第3の配線と、第1のサンプリング回路と、第2のサンプリング回路と、デジタルアナログ変換回路と、第1の発光素子と、第2の発光素子と、第1のトランジスタと、第2のトランジスタを有し、
前記第1のサンプリング回路は前記第1の配線、および前記第3の配線と電気的に接続され、
前記第2のサンプリング回路は前記第2の配線と電気的に接続され、
前記デジタルアナログ変換回路は前記第1のサンプリング回路、および前記第2のサンプリング回路と電気的に接続され、
前記第1のトランジスタのソースとドレインのうち一方が前記第1の配線を介して前記電流源と電気的に接続され、
前記第1のトランジスタのソースとドレインのうち他方、及びゲートが前記第2の配線、及び前記第1の発光素子の一方の電極に電気的に接続され、
前記第2のトランジスタのソースとドレインのうち一方が前記第3の配線に電気的に接続され、
前記第2のトランジスタのソースとドレインのうち他方が前記第2の発光素子の一方の電極に電気的に接続されることを特徴とする表示装置。
【請求項6】
電流源と、第1の配線と、第2の配線と、第3の配線と、第1の発光素子と、第2の発光素子と、
ソースとドレインのうち一方が前記第1の配線を介して前記電流源と電気的に接続され、ソースとドレインのうち他方、及びゲートが前記第2の配線、及び前記第1の発光素子の一方の電極に電気的に接続された第1のトランジスタと、
ソースとドレインのうち一方が前記第3の配線に電気的に接続され、ソースとドレインのうち他方が前記第2の発光素子の一方の電極に電気的に接続された第2のトランジスタと、
前記第1の配線の電位を一定期間保持し、前記第3の配線に供給する第1のサンプリング回路と、
前記第2の配線の電位を一定期間保持する第2のサンプリング回路と、
前記第1のサンプリング回路に保持された電位と、前記第2のサンプリング回路に保持された電位とによって最小出力となる電位、及び最大出力となる電位が決定されるデジタルアナログ変換回路と、
前記デジタルアナログ変換回路の出力に応じた信号を前記第2のトランジスタのゲートに供給する回路と、
前記第1のサンプリング回路の出力に応じた電位を前記第3の配線に供給する回路と、
を有することを特徴とする表示装置。
【請求項7】
電流源と、第1の配線と、第2の配線と、第3の配線と、第4の配線と、第5の配線と、第1の発光素子と、第2の発光素子と、
ソースとドレインのうち一方が前記第1の配線を介して前記電流源と電気的に接続され、ソースとドレインのうち他方、及びゲートが前記第2の配線、及び前記第1の発光素子の一方の電極に電気的に接続された第1のトランジスタと、
ソースとドレインのうち一方が前記第3の配線に電気的に接続され、ソースとドレインのうち他方が前記第2の発光素子の一方の電極に電気的に接続された第2のトランジスタと、
ソースとドレインのうち一方が前記第4の配線に電気的に接続され、ソースとドレインのうち他方が前記第2のトランジスタのゲートに電気的に接続され、ゲートが前記第5の配線に電気的に接続された第3のトランジスタと、
前記第1の配線の電位を一定期間保持し、前記第3の配線に供給する第1のサンプリング回路と、
前記第2の配線の電位を一定期間保持する第2のサンプリング回路と、
前記第1のサンプリング回路に保持された電位と、前記第2のサンプリング回路に保持された電位とによって最小出力となる電位、及び最大出力となる電位が決定されるデジタルアナログ変換回路と、
前記デジタルアナログ変換回路の出力に応じた信号を前記第4の配線に供給するソースドライバと、
選択信号を前記第5の配線に供給するゲートドライバと、
前記第1のサンプリング回路の出力に応じた電位を前記第3の配線に供給する回路と、
を有することを特徴とする表示装置。
【請求項8】
請求項6または請求項7において、
前記デジタルアナログ変換回路の出力に応じた信号の電位は、前記第1の配線の電位よりも小さいことを特徴とする表示装置。
【請求項9】
請求項5乃至請求項8のいずれか一項において、
前記第1のトランジスタと、前記第2のトランジスタはPチャネル型であることを特徴とする表示装置。
【請求項10】
請求項5乃至請求項9のいずれか一項において、
前記第1のトランジスタのチャネル幅、及びチャネル長は、前記第2のトランジスタのチャネル幅、及びチャネル長と同一であることを特徴とする表示装置。
【請求項11】
請求項5乃至請求項10のいずれか一項において、
前記第1のトランジスタと、前記第2のトランジスタは、前記第2のトランジスタと、前記第2の発光素子と同一基板上に形成されていることを特徴とする表示装置。
【請求項12】
請求項5乃至請求項11のいずれか一項において、
前記第1のトランジスタと、前記第1の発光素子の動作点、及び前記第2のトランジスタと、前記第2の発光素子の動作点は、それぞれ、前記第1のトランジスタの飽和領域及び前記第2のトランジスタの飽和領域であることを特徴とする表示装置。
【請求項13】
請求項5乃至請求項12のいずれか一項において、
前記第1の発光素子の構造は、前記第2の発光素子の構造と同一であることを特徴とする表示装置。
【請求項14】
請求項1乃至請求項13のいずれか一項において、
前記第1のトランジスタはノーマリーオフ型であることを特徴とする表示装置。
【請求項15】
請求項1乃至請求項14のいずれか一項に記載の表示装置を用いた表示モジュール。
【請求項16】
請求項15に記載の表示モジュールを用いた電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−309172(P2006−309172A)
【公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−65053(P2006−65053)
【出願日】平成18年3月10日(2006.3.10)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】