説明

表示装置、表示方法、ならびに、プログラム

【課題】ユーザが注目する位置の変化の度合を分かり易く提示するのに好適な表示装置等を提供する。
【解決手段】表示装置300は、複数のオブジェクトが配置される仮想空間を見た様子を表す様子画像を生成する様子生成部301、生成された様子画像を表示する表示部302、表示された様子画像内の注目位置を指定する指示入力を受け付ける受付部303、を備える。表示部302は、注目位置の変化の度合が所定の閾値以下である場合、第1の指示画像を様子画像の注目位置に重ねて表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザが注目する位置の変化の度合を分かり易く提示するのに好適な表示装置、表示方法、ならびに、これらをコンピュータにより実現するためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザが、モニターに表示されている仮想空間上の標的を射撃する射撃ゲームが知られている。このような射撃ゲームを制御するゲーム装置は、複数のオブジェクトが配置される仮想空間を見た様子を表す様子画像をモニターに表示する。一方、ユーザは、ゲーム装置に接続された模擬銃やコントローラなどを操作して、様子画像中に表されている標的に照準を合わせるための指示入力をした後、弾丸を発射するための指示入力をする。このような射撃ゲームには、様子画像により表される様子を、照準の位置を中心に拡大して、当該照準の位置を中心に所定の大きさへ切り出した詳細画像をモニターに表示する機能を備えるものがある。
【0003】
このような詳細画像は、様子画像とは独立してモニターに表示される場合もあるし、様子画像に重ねられてモニターに表示される場合もある。いずれの場合も、ユーザが射撃に必要な情報を適切に把握できるように、詳細画像が表示される必要がある。例えば、特許文献1には、ユーザが射撃に必要な情報を適切に把握できるように、詳細画像を適切に表示することが可能なゲームシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3345600号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示されているゲームシステムにおいては、ユーザは、モニターに表示されている画像に基づいて、照準が定まっているか否かを直ちに判断することはできなかった。このため、射撃ゲームにおいて、照準の位置の変化の度合を知りたいという要望は強い。このほか、画像内において注目している位置の周辺の様子の詳細を知りたいという要望もある。
【0006】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、ユーザが注目する位置の変化の度合を分かり易く提示するのに好適な表示装置、表示方法、ならびに、これらをコンピュータにより実現するためのプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の第1の観点に係る表示装置は、様子生成部、表示部、受付部、を備え、以下のように構成する。
【0008】
まず、様子生成部が、複数のオブジェクトが配置される仮想空間を見た様子を表す様子画像を生成する。この仮想空間は、三次元の仮想空間であってもよいし、二次元の仮想空間であってもよい。そして、表示部が、様子生成部により生成された様子画像を表示する。
【0009】
また、受付部が、表示部に表示された様子画像内の注目位置を指定する指示入力を受け付ける。受付部は、加速度センサや角速度センサを備えたコントローラなどにより構成されてもよい。この場合、ユーザは、コントローラの角度を調節することにより、注目位置を指定する。ここで、例えば、射撃ゲームにおいて、照準を合わせる位置を、注目位置とすることができる。この場合、当該指示入力は、ユーザによりなされた、照準を合わせる位置を指定するコントローラの操作となる。
【0010】
一方、表示部は、注目位置の変化の度合が所定の閾値以下である場合、第1の指示画像を様子画像の注目位置に重ねて表示する。なお、注目位置の変化の度合は、注目位置の変動する程度を表すものであれば、どのように定義してもよい。例えば、注目位置の移動する速さ、あるいは、注目位置の移動範囲の大きさを、注目位置の変化の度合とすることができる。以下、本発明を射撃ゲームに適用した場合の表示部の動作について具体例を挙げて説明する。ここでは、注目位置の移動する速さを、注目位置の変化の度合とする場合について説明する。まず、表示部は、指示入力により指定された注目位置が大きく変化したか否かを判定する。例えば、表示部は、ユーザが模擬銃やコントローラを操作することにより定まる画面上における照準の位置を、所定のサンプリング周期でサンプリングする。ここで、表示部は、サンプリング毎に、前回サンプリングされた照準の位置と今回サンプリングされた照準の位置との距離をサンプリング周期で除算することにより、照準の位置の移動する速さを求める。そして、表示部は、照準の位置の移動する速さの所定期間における平均値を求め、当該平均値が所定の閾値以下であるか否かを判定する。そして、表示部は、当該平均値が所定の閾値以下であると判定した場合、つまり、注目位置が大きく変化していないと判定した場合に、第1の指示画像を表示する。ここで、第1の指示画像は、様子画像の注目位置に重ねられて表示される。例えば、照準が定まっていることを表す画像(典型的には、照準を表す画像)を第1の指示画像とすることができる。これにより、ユーザは、第1の指示画像が表示されている場合に、照準が定まっていると判断することができる。
【0011】
本発明の表示装置によれば、ユーザが注目する位置の変化の度合を分かり易く提示することができる。
【0012】
また、本発明の表示装置において、表示部を以下に示すように構成することができる。すなわち、表示部は、注目位置の変化の度合が所定の閾値を超える場合、第2の指示画像を様子画像の注目位置に重ねて表示する。例えば、射撃ゲームにおいて、表示部は、照準の位置の移動する速さの所定期間における平均値が所定の閾値を超えると判定した場合、照準が定まっていないことを表す画像(典型的には、照準以外の目印を表す画像)を第2の指示画像として、様子画像の注目位置に重ねて表示することができる。これにより、ユーザは、第2の指示画像が表示されている場合に、照準が定まっていないと判断することができる。
本発明の表示装置によれば、ユーザが注目する位置の変化の度合を分かり易く提示することができる。
【0013】
また、本発明の表示装置は、以下に示す詳細生成部をさらに備えるものであってもよい。すなわち、詳細生成部は、注目位置の変化の度合が所定の閾値以下である場合、様子画像より小さい所定の大きさの詳細画像を生成する。この詳細画像は、様子画像により表される様子を、注目位置を中心に拡大して、注目位置を中心に所定の大きさへ切り出した画像である。すなわち、詳細画像は、様子画像内の注目位置を拡大鏡で覗いた場合に、拡大鏡に映し出されるような画像である。ここで、表示部は、詳細画像が生成された場合、詳細画像を第1の指示画像とする。すなわち、表示部は、注目位置の変化の度合が所定の閾値以下である場合、詳細画像を第1の指示画像として表示する。
【0014】
本発明を射撃ゲームに適用すると、例えば、照準が定まっていると判定される場合に、仮想空間中の照準が合っている領域を詳細に表す詳細画像が表示される。従って、ユーザは、詳細画像を参照することによって、精度良く照準を合わせることが可能となる。
本発明の表示装置によれば、ユーザが注目する位置の変化の度合を分かり易く提示することができる。また、本発明の表示装置によれば、様子画像内の注目位置に表されている様子を詳細に表す詳細画像を提示することができる。従って、本発明の表示装置によれば、ユーザは、さらに精度良く注目位置を指定することができる。
【0015】
また、本発明の表示装置において、仮想空間を、複数のウインドウもしくはアイコンが配置されるデスクトップ空間とすることができる。すなわち、本発明は、二次元のデスクトップ空間を表す様子画像を表示する表示装置に適用することができる。かかる構成によれば、画面の解像度を変更するなどの操作がなくても、デスクトップ上のユーザが注目する部分を詳細に示す画像が表示される。
本発明の表示装置によれば、デスクトップ上のユーザが注目する部分を詳細に示す画像を提示することができる。
【0016】
また、本発明の表示装置において、仮想空間を、複数のオブジェクトが配置される三次元空間とすることができる。この場合において、様子画像を、仮想空間内に配置された第1の視点から見た様子を表す画像とする。また、詳細画像を、仮想空間において、第1の視点から様子画像において注目位置に描画されているオブジェクトへ近づいた第2の視点から、仮想空間を見た様子を表す画像とする。かかる構成によれば、様子画像において注目位置に描画されているオブジェクトを詳細に表す画像を、詳細画像とすることができる。つまり、詳細画像は、様子画像内の注目位置に表されている様子を詳細に表す画像であるが、当該第2の視点を基準にして新たに生成された画像とすることができる。このように、第2の視点を基準にして新たに生成された詳細画像は、様子画像に基づいて生成された詳細画像(例えば、様子画像を拡大して、所定の大きさに切り出した画像。)に比べて、様子画像内の注目位置に表されている様子をより鮮明に表す画像となる。
本発明の表示装置によれば、様子画像内の注目位置に表されている様子を詳細に表す詳細画像を提示することができる。
【0017】
また、本発明の表示装置において、第1の視点から第2の視点までの距離(以下「第1の距離」という。)を、第1の視点から注目位置に描画されているオブジェクトまでの距離(以下「第2の距離」という。)にあらかじめ対応付けられている長さとすることができる。上述したように、様子画像は、第1の視点から注目位置に描画されているオブジェクトを見た様子を表す画像であり、詳細画像は、第1の視点から当該オブジェクトへ近づいた第2の視点から、当該オブジェクトを見た様子を表す画像である。つまり、詳細画像は、様子画像により表される様子を拡大して表す画像であるが、その拡大率は、第1の距離と第2の距離との割合に依存する。従って、第1の距離と第2の距離との割合を適宜調整することにより、所望の拡大率を得ることができる。例えば、第1の距離を、第2の距離に比例する長さにすることにより、拡大率を一定にすることができる。すなわち、拡大率をK倍にするためには、第2の距離を第1の距離のK/(K−1)倍にする。また、例えば、第1の距離を、第2の距離から一定の長さを減じた長さにすることにより、オブジェクトから一定の距離離れた位置から当該オブジェクトを見た様子を表す画像を詳細画像とすることができる。すなわち、オブジェクトからDだけ離れた位置から当該オブジェクトを見た様子を表す画像を詳細画像とするためには、第1の視点の位置にかかわらず、第2の視点の位置をオブジェクトからDだけ離れた位置とする。このとき、遠くにある物に照準が合っているほど拡大率が大きくなり、近くにある物に照準が合っているほど拡大率が小さくなる。これらの構成によれば、様子画像において注目位置に描画されているオブジェクトを詳細に表す画像を、詳細画像とすることができる。また、様子画像により表される様子をどの程度の倍率で拡大したものを表す画像を詳細画像とするかを指定することができる。
本発明の表示装置によれば、様子画像内の注目位置に表されている様子を詳細に表す詳細画像を提示することができる。
【0018】
また、本発明の表示装置において、詳細画像の大きさを、注目位置の変化の度合にあらかじめ対応付けられている大きさとすることができる。例えば、本発明を射撃ゲームに適用した場合に、注目位置の変化の度合が小さいほど、詳細画像が大きくなるようにする。すなわち、射撃ゲームにおいて照準が定まっているとき(注目位置の変化の度合が小さいとき)は、正確に照準を定めるために、より大きな画角の詳細画像を表示することが望まれるためである。なお、射撃ゲームにおいては、照準の位置の移動する速さ(もしくは、照準の位置の移動する加速度の絶対値)の所定の期間における平均値が小さいほど、詳細画像が大きくなるようにしてもよいし、所定の期間における照準の位置の移動範囲が小さいほど、詳細画像が大きくなるようにしてもよい。
本発明の表示装置によれば、指示入力により指定された注目位置の変化の度合に応じて、様子画像内の注目位置に表されている様子を詳細に表す詳細画像の大きさを変化させて、当該詳細画像を提示することができる。
【0019】
また、本発明の表示装置において、注目位置の変化の度合を、最近の所定期間における注目位置の移動する速さの平均値とすることができる。例えば、射撃ゲームにおいて、画面更新周期毎にサンプリングされた過去2秒間の照準の位置に基づいて、当該2秒間における照準の位置の移動する速さの平均値を算出し、当該算出した平均値を注目位置の変化の度合とする。このように、注目位置の移動する速さに基づいた値を、注目位置の変化の度合とすることができる。この場合、例えば、最近の所定期間における注目位置の移動する速さの平均値が大きいほど、注目位置の変化の度合が大きいものとして扱う。例えば、射撃ゲームにおいては、最近の所定期間における照準の位置の移動する速さの平均値が所定の閾値以下である場合に、照準が定まっていると判定され、第1の指示画像が様子画像の照準の位置に重ねて表示される。一方、ユーザは、第1の指示画像が表示されている場合に、照準が定まっていると判定して、射撃を実行することができる。
本発明の表示装置によれば、ユーザが注目する位置の変化の度合を分かり易く提示することができる。
【0020】
また、本発明の表示装置において、注目位置の変化の度合を、最近の所定期間における注目位置の移動範囲の大きさとすることができる。例えば、射撃ゲームにおいて、画面更新周期毎にサンプリングされた過去2秒間の照準の位置に基づいて、当該2秒間における照準の位置の移動範囲の大きさを求め、当該求めた移動範囲の大きさを注目位置の変化の度合とする。このように、注目位置の移動範囲の大きさに基づいた値を、注目位置の変化の度合とすることができる。この場合、例えば、最近の所定期間における注目位置の移動範囲が大きいほど、注目位置の変化の度合が大きいものとして扱う。例えば、射撃ゲームにおいては、最近の所定期間における照準の位置の移動範囲の大きさが所定の閾値以下である場合に、照準が定まっていると判定され、第1の指示画像が様子画像の照準の位置に重ねて表示される。一方、ユーザは、第1の指示画像が表示されている場合に、照準が定まっていると判定して、射撃を実行することができる。
本発明の表示装置によれば、ユーザが注目する位置の変化の度合を分かり易く提示することができる。
【0021】
また、本発明の表示装置において、受付部を以下に示すように構成し、以下に示す移動部をさらに備えるようにしてもよい。すなわち、受付部は、所定の移動可能オブジェクトの移動を行う旨を指定する指示入力をさらに受け付ける。なお、この所定の移動可能オブジェクトは、仮想空間に配置される複数のオブジェクトのうち、第1の視点(様子画像により表される様子を見る視点であって仮想空間内に配置された視点)からの相対的な位置が固定された移動開始位置に配置されるオブジェクトである。また、移動部は、移動を行う旨を指定する指示入力が受け付けられると、移動可能オブジェクトを以下に示すように移動させる。すなわち、移動部は、移動可能オブジェクトを移動開始位置から、注目位置に描画されているオブジェクトへ、時間の経過とともに移動させる。例えば、本発明を射撃ゲームに適用した場合、弾丸を移動可能オブジェクトとして扱うことができる。この場合、移動部は、弾丸の発射を行う旨を指示する指示入力が受付部により受け付けられると、弾丸を移動開始位置から照準で示される位置へ、時間の経過とともに移動させる。ここで、照準が定まっていると判定されると、弾丸の到達予想位置に第1の指示画像が表示される。一方、ユーザは、当該第1の指示画像が表示された場合に、弾丸を発射する旨の指示入力を行う。当該指示入力が受け付けられると、弾丸が移動開始位置から照準で示される位置へ時間経過とともに移動する。
本発明の表示装置によれば、移動可能オブジェクトの到達先を適切に提示することができる。
【0022】
上記目的を達成するために、本発明のその他の観点に係る表示方法は、様子生成部、表示部、受付部、を備える表示装置が実行する表示方法であって、様子生成工程、表示工程、受付工程、を備え、以下のように構成する。
【0023】
まず、様子生成工程では、様子生成部が、複数のオブジェクトが配置される仮想空間を見た様子を表す様子画像を生成する。そして、表示工程では、表示部が、様子生成部により生成された様子画像を表示する。また、受付工程では、受付部が、表示部に表示された様子画像内の注目位置を指定する指示入力を受け付ける。
【0024】
一方、表示工程では、表示部は、注目位置の変化の度合が所定の閾値以下である場合、第1の指示画像を様子画像の注目位置に重ねて表示する。すなわち、表示工程では、表示部は、まず、指示入力により指定された注目位置が大きく変化したか否かを判定する。そして、表示工程では、表示部は、注目位置が大きく変化していないと判定した場合に、第1の指示画像を表示する。なお、第1の指示画像は、様子画像の注目位置に重ねられて表示される。
【0025】
本発明の表示装置によれば、ユーザが注目する位置の変化の度合を分かり易く提示することができる。
【0026】
本発明の他の観点に係るプログラムは、コンピュータを、上記の表示装置の各部として機能させ、または、コンピュータに、上記の表示方法の各工程を実行させるように構成する。
また、本発明のプログラムは、コンパクトディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、ディジタルビデオディスク、磁気テープ、半導体メモリ等のコンピュータ読取可能な情報記録媒体に記録することができる。上記プログラムは、プログラムが実行されるコンピュータとは独立して、コンピュータ通信網を介して配布・販売することができる。また、上記情報記録媒体は、コンピュータとは独立して配布・販売することができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、ユーザが注目する位置の変化の度合を分かり易く提示するのに好適な表示装置、表示方法、ならびに、これらをコンピュータにより実現するためのプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る表示装置が実現される典型的な情報処理装置の概要構成を示すブロック図である。
【図2】コントローラユニットの概要構成を示す模式図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る表示装置の構成を示すブロック図である。
【図4A】本発明の第1の実施形態に係る表示装置により表示される第2の指示画像を説明するための図である。
【図4B】本発明の第1の実施形態に係る表示装置により表示される第1の指示画像を説明するための図である。
【図5A】本発明の第1の実施形態に係る表示装置により表示される様子画像を拡大した画像を示す図である。
【図5B】本発明の第1の実施形態に係る表示装置により表示される詳細画像を示す図である。
【図5C】本発明の第1の実施形態に係る表示装置により表示される照準器を表す画像を示す図である。
【図5D】本発明の第1の実施形態に係る表示装置により表示される第1の指示画像を示す図である。
【図5E】本発明の第1の実施形態に係る表示装置により表示される第2の指示画像を示す図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る表示装置が実行する表示制御処理を示すフローチャートである。
【図7】照準位置の変化の度合を取得する手法を説明するための図である。
【図8A】様子画像を生成する手法を説明するための図である。
【図8B】詳細画像を生成する手法を説明するための図である。
【図9A】本発明の第2の実施形態に係る表示装置により表示される第2の指示画像を説明するための図である。
【図9B】本発明の第2の実施形態に係る表示装置により表示される第1の指示画像を説明するための図である。
【図10】変形例に係る表示装置により表示される第1の指示画像を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下に本発明の実施形態を説明する。以下では、理解を容易にするため、ゲーム専用の情報処理装置に本発明が適用される実施形態を説明するが、各種のコンピュータ、PDA(Personal Data Assistants)、携帯電話などの情報処理装置においても同様に本発明を適用することができる。すなわち、以下に説明する実施形態は説明のためのものであり、本願発明の範囲を制限するものではない。したがって、当業者であればこれらの各要素もしくは全要素をこれと均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であるが、これらの実施形態も本発明の範囲に含まれる。
【0030】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る表示装置が実現される典型的な情報処理装置の概要構成を示す模式図である。以下、本図を参照して、本発明の第1の実施形態に係る表示装置を説明する。なお、本実施形態においては、射撃ゲームを実現する情報処理装置に本発明を適用した場合について説明する。
【0031】
(情報処理装置の構成)
情報処理装置100は、CPU(Central Processing Unit)101と、ROM(Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103と、インターフェース104と、コントローラユニット105と、外部メモリ106と、画像処理部107と、DVD(Digital Versatile Disk)−ROMドライブ108と、NIC(Network Interface Card)109と、音声処理部110と、RTC(Real Time Clock)111と、を備える。
【0032】
ゲーム用のプログラムおよびデータを記憶したDVD−ROMをDVD−ROMドライブ108に装着して、情報処理装置100の電源を投入することにより、プログラムが実行され、本実施形態の表示装置が実現される。
【0033】
CPU 101は、情報処理装置100全体の動作を制御し、各構成要素と接続され制御信号やデータをやりとりする。CPU 101は、各構成要素から各種のデータを取得し、当該各種のデータを種々の演算により加工して各構成要素にデータや制御信号として与える。CPU 101では、各種のデータはいったんCPU 101が備えるキャッシュに格納され、さらにCPU 101が備えるレジスタに取得されてから各種の演算が施される。
【0034】
ROM 102には、電源投入直後に実行されるIPL(Initial Program Loader)が記録され、これが実行されることにより、DVD−ROMに記録されたプログラムをRAM 103に読み出してCPU 101による実行が開始される。
また、ROM 102には、情報処理装置100全体の動作制御に必要なオペレーティングシステムのプログラムや各種のデータが記録される。
【0035】
RAM 103は、データやプログラムを一時的に記憶するためのもので、DVD−ROMから読み出したプログラムやデータ、その他ゲームの進行や通信に必要なデータが保持される。このほか、情報処理装置100に接続される各種の機器から伝達される種々の情報や、各種の機器に伝達すべき種々の情報も、一時的に格納される。
【0036】
インターフェース104を介して接続されたコントローラユニット105は、ユーザがゲーム実行の際に行う操作入力を受け付ける。以下、図2を参照してコントローラユニット105を説明する。図2は、コントローラユニット105の概要を説明するための外観図である。
【0037】
コントローラユニット105は、図2に示すようなコントローラ210とセンサバー220とを含んで構成される。情報処理装置100は、所定のケーブルを介してセンサバー220及びディスプレイ290とそれぞれ接続される。
【0038】
コントローラ210は、例えば、テレビ等のリモコンと類似した外観を有し、情報処理装置100とワイヤレスで(無線通信によって)接続される。ユーザは、コントローラ210を片手で把持して、ゲームをプレイすることになる。なお、情報処理装置100において、コントローラ210を右手で把持することが、正しい(標準的な)持ち方として定められている。
また、センサバー220は、所定の長さの棒状に形成され、ディスプレイ290の上部に、画面の向きに沿って適宜固定される。このセンサバー220には、両端に1つずつ発光素子221が埋設されている。なお、埋設される発光素子221の数は一例であり、これらの数より多くてもよい。
センサバー220は、情報処理装置100から電源供給を受けて発光素子221を適宜発光させる。
【0039】
コントローラ210は、先端にCCDカメラ211が配置され、先端がディスプレイ290に向けられると、このCCDカメラ211がセンサバー220の2つの発光素子221(2つの発光点)を含む画像を撮影する。また、コントローラ210は、内部に無線通信部を備えており、撮影した画像の情報を、無線通信にて情報処理装置100に順次送信する。
そして、情報処理装置100は、コントローラ210から送られた画像中における2つの発光点の位置関係等に基づいて、コントローラ210の位置及び向き等を適宜取得する。例えば、CPU 101及び画像処理部107等は、コントローラ210から見える2つの発光点の位置関係等を解析して、コントローラ210の空間位置及び、その先端の向き(長手軸線の方向)を算定し、最終的に、ユーザがコントローラ210を画面上のどこに向けて操作しているか等を取得する。
なお、このようなコントローラ210の位置等の計測は、例えば、垂直同期割り込み(1/60秒)毎に行われる。
【0040】
また、コントローラ210は、内部に、3軸の加速度センサを備えており、コントローラ210の3軸方向の動きを測定することが可能となっている。なお、このような加速度センサの代わりに、角速度センサや傾きセンサ等により、コントローラ210の動きを測定してもよい。
コントローラ210は、このような測定結果(例えば、3軸それぞれの加速度情報)を情報処理装置100に順次送信する。
そして、情報処理装置100は、コントローラ210から送られる測定結果に基づいて、コントローラ210の動きを検出する。例えば、ユーザがコントローラ210を振る、ひねる、突くといった動作やその移動方向を取得する。
なお、このようなコントローラ210の動きの検出も、例えば、垂直同期割り込み毎に行われる。
【0041】
コントローラ210の上面には、十字形キー212が配置されており、ユーザが任意の方向を指定した指示入力を行うことができる。また、Aボタン213や、各種ボタン215も上面に配置されており、ユーザはこれらのボタンに対応付けられた指示入力を行うことができる。
【0042】
一方、Bボタン214は、コントローラ210の下面に配置される。Bボタン214は、押圧される面に窪みが構成され、ユーザがトリガを引くように操作することができるようになっている。
【0043】
コントローラ210の上面には、複数の小さな孔216が設けられており、内部に埋設されたスピーカからクリアな音声を出力できるようになっている。
【0044】
コントローラ210の上面のインジケータ217は、コントローラ210が複数使用された場合でもユーザが識別できるように、適宜点灯する。
また、コントローラ210の上面に用意された電源ボタン218は、例えば、情報処理装置100のオン・オフを指示する。
【0045】
更に、コントローラ210の内部には、バイブレータ等の振動機構が配置され、情報処理装置100から送られる指示情報に応答して、振動を発生させることもできるようになっている。
【0046】
このように、コントローラ210とセンサバー220との組合せによって、コントローラ210の操作や位置等が得られる。なお、コントローラ210等の位置の測定は、センサバー220の発光点(発光素子221)をCCDカメラ211が撮影する手法に限られず、他の手法でも適宜適用可能である。例えば、センサバー220を介した2地点間の無線通信の時差等から、コントローラ210等の位置を求めてもよく、また、超音波や赤外線等を使用して、三角測量の原理にてコントローラ210等の位置を求めてもよい。
【0047】
図1の説明に戻る。インターフェース104を介して着脱自在に接続された外部メモリ106には、ゲームの進行状態を示すデータなどが書き換え可能に記憶される。ユーザは、例えば、コントローラユニット105を介して指示入力を行うことにより、これらのデータを適宜外部メモリ106に記録することができる。
【0048】
DVD−ROMドライブ108に装着されるDVD−ROMには、ゲームを実現するためのプログラムとゲームに付随する画像データや音声データが記録される。CPU 101の制御によって、DVD−ROMドライブ108は、これに装着されたDVD−ROMに対する読み出し処理を行って、必要なプログラムやデータを読み出し、これらはRAM 103等に一時的に記憶される。
【0049】
画像処理部107は、DVD−ROMから読み出されたデータをCPU 101や画像処理部107が備える画像演算プロセッサ(図示せず)によって加工処理した後、これを画像処理部107が備えるフレームメモリ(図示せず)に記録する。フレームメモリに記録された画像情報は、所定の同期タイミングでビデオ信号に変換され、ディスプレイ290へ出力される。これにより、各種の画像表示が可能となる。
【0050】
画像演算プロセッサは、2次元の画像の重ね合わせ演算やαブレンディング等の透過演算、各種の飽和演算を高速に実行できる。また、仮想3次元空間に配置され、各種のテクスチャ情報が付加されたポリゴン情報を、Zバッファ法によりレンダリングして、所定の視点位置から仮想3次元空間に配置されたポリゴンを俯瞰したレンダリング画像を得る演算の高速実行も可能である。特に、点光源や平行光源、円錐光源などの典型的な(正)光源によってポリゴンが照らされる度合を計算する機能が、ライブラリ化もしくはハードウェア化され、高速に計算できるようになっている。
【0051】
さらに、CPU 101と画像演算プロセッサが協調動作することにより、文字の形状を定義するフォント情報にしたがって、文字列を2次元画像としてフレームメモリへ描画したり、各ポリゴン表面へ描画したりすることが可能である。フォント情報は、ROM 102に記録されているが、DVD−ROMに記録された専用のフォント情報を利用することも可能である。
【0052】
NIC 109は、情報処理装置100をインターネット等のコンピュータ通信網(図示せず)に接続するためのものであり、LAN(Local Area Network)を構成する際に用いられる10BASE−T/100BASE−T規格にしたがうものや、電話回線を用いてインターネットに接続するためのアナログモデム、ISDN(Integraged Services Digital Network)モデム、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line Modem)モデム、ケーブルテレビジョン回線を用いてインターネットに接続するためのケーブルモデム等と、これらとCPU 101との仲立ちを行うインターフェース(図示せず)により構成される。
【0053】
音声処理部110は、DVD−ROMから読み出した音声データをアナログ信号に変換し、これに接続されたスピーカ(図示せず)から出力させる。また、CPU 101の制御の下、ゲームの進行の中で発生させるべき効果音や楽曲データを生成し、これに対応した音声をスピーカから出力させる。音声処理部110からは、たとえば、BGMやカラオケとして再生される楽曲の音や、ユーザのボタン操作に合わせて再生される効果音などを変換する。
【0054】
RTC 111は、水晶振動子や発振回路などを備える計時用のデバイスである。RTC 111は、内蔵電池から電源を供給され、情報処理装置100の電源がオフのときでも動作し続ける。
【0055】
このほか、情報処理装置100は、ハードディスク等の大容量外部記憶装置を用いて、ROM 102、RAM 103、外部メモリ106、DVD−ROMドライブ108に装着されるDVD−ROM等と同じ機能を果たすように構成してもよい。
【0056】
(表示装置の構成)
次に、本実施形態の表示装置300の各部の構成について、図面を参照して説明する。図3は、本実施形態に係る表示装置300の構成を示すブロック図である。なお、表示装置300は、射撃ゲームの実行中の画面をユーザに提示する装置である。具体的には、表示装置300は、図4A、Bに示すような画面を提示する。図4A、Bには、複数の標的オブジェクト401が仮想空間に配置されている様子が示されている。この射撃ゲームにおいて、ユーザは、照準を標的オブジェクト401に合わせるための指示入力を行い、照準の位置が標的オブジェクト401の位置に重なったと判定したときに、標的オブジェクト401に向かって弾丸オブジェクト408を発射させるための指示入力を行う。本実施形態においては、照準が定まっていない間は、図4Aに示す第2の指示画像403が表示され、照準が定まると、図4Bに示す第1の指示画像404が表示される。なお、本実施形態においては、照準の位置がユーザの注目している位置(以下、「注目位置」という。)であるものとする。図4A、Bにおいて、黒点402により示される位置(座標)が注目位置である。なお、図4Bには、弾丸オブジェクト408が発射された様子を示している。
【0057】
図3に示すように、本実施形態に係る表示装置300は、様子生成部301と、表示部302と、受付部303と、詳細生成部304と、移動部305と、第2の指示画像生成部306と、記憶部307と、を備える。
【0058】
様子生成部301は、標的オブジェクト401や弾丸オブジェクト408などの複数のオブジェクトが配置される仮想空間を見た様子を表す様子画像410を生成する。具体的には、様子生成部301は、後述する記憶部307に記憶されている仮想空間情報に基づいて様子画像410を生成する。本実施形態においては、この仮想空間は、標的オブジェクト401や弾丸オブジェクト408などの複数のオブジェクトが配置される三次元仮想空間である。そして、様子画像410は、仮想空間内に配置された第1の視点から見た様子を表す画像である。様子生成部301は、例えば、CPU 101と画像処理部107とによって実現される。
【0059】
表示部302は、様子生成部301により生成された様子画像410を表示する。表示部302は、ディスプレイ290などにより実現される。
【0060】
受付部303は、様子画像410内の注目位置を指定する指示入力を受け付ける。注目位置は、ユーザが注目している様子画像410内の位置である。射撃ゲームにおいては、注目位置は、様子画像410内における照準の位置と考えることができる。また、受付部303は、弾丸オブジェクト408の移動を行う旨を指定する指示入力をさらに受け付ける。ここで、弾丸オブジェクト408は、仮想空間に配置される複数のオブジェクトのうち、第1の視点から相対的な位置が固定された移動開始位置に配置されるオブジェクトである。射撃ゲームにおいては、弾丸オブジェクト408は、射撃の際に発射される弾丸などを表すオブジェクトと考えることができる。受付部403は、例えば、コントローラユニット105などにより実現される。
【0061】
詳細生成部304は、注目位置の変化の度合が所定の閾値以下である場合、様子画像410より小さい所定の大きさの詳細画像を生成する。具体的には、詳細生成部304は、後述する記憶部307に記憶されている仮想空間情報に基づいて詳細画像を生成する。ここで、詳細画像は、様子画像410により表される様子を、注目位置を中心に拡大して、注目位置を中心に所定の大きさに切り出した画像である。従って、詳細画像は、仮想空間において、第1の視点から様子画像410において注目位置に描画されている標的オブジェクト401に近づいた第2の視点から、仮想空間を見た様子を表す画像と考えることができる。詳細生成部304は、例えば、CPU 101と画像処理部107とによって実現される。
【0062】
移動部305は、受付部303により移動を行う旨の指示入力がなされると、弾丸オブジェクト408を、移動開始位置から、注目位置に描画されている標的オブジェクト401へ、時間の経過とともに移動させる。具体的には、移動部305は、画面更新周期毎に、仮想空間における弾丸オブジェクト408の座標を計算して、計算された座標を表す情報を後述する記憶部307に記憶する。
【0063】
第2の指示画像生成部306は、注目位置の変化の度合が所定の閾値を超える場合、第2の指示画像403を生成する。あらかじめ定められたオブジェクトを表す画像を第2の指示画像403として採用することができる。第2の指示画像生成部306は、例えば、CPU 101と画像処理部107とによって実現される。
【0064】
ここで、表示部302は、注目位置の変化の度合が所定の閾値以下である場合、第1の指示画像404を様子画像410の注目位置に重ねて表示する。一方、表示部302は、注目位置の変化の度合が所定の閾値を超える場合、第2の指示画像403を様子画像410の注目位置に重ねて表示する。ここで、表示部302は、詳細生成部304が生成した詳細画像を含む画像を、第1の指示画像404として表示する。
【0065】
記憶部307は、仮想空間情報を記憶する。仮想空間情報は、三次元仮想空間に配置される標的オブジェクト401や弾丸オブジェクト408などの複数のオブジェクトの三次元仮想空間における位置、大きさ、形状などを表す情報を含む。記憶部307は、RAM 103などにより実現される。
【0066】
ここで、図4A、Bを参照して、第1の指示画像404と第2の指示画像403とについて詳細に説明する。図4Aは、第2の指示画像403を説明するための図である。図4Bは、第1の指示画像404を説明するための図である。
【0067】
注目位置の変化の度合が所定の閾値を超える場合、ディスプレイ290には、図4Aに示すような合成画像が表示される。この合成画像は、様子画像410の注目位置に第2の指示画像403が重なるように、様子画像410と第2の指示画像403とが合成された画像である。図4Aには、標的オブジェクト401が注目位置に描画されている場合において、第2の指示画像403が標的オブジェクト401に重ねられて表示される例を示す。なお、図4Aに示す例においては、第2の指示画像403は、十字型の照準を表す画像となっている。
【0068】
一方、注目位置の変化の度合が所定の閾値以下である場合、ディスプレイ290には、図4Bに示すような合成画像が表示される。この合成画像は、様子画像410の注目位置に第1の指示画像404が重なるように、様子画像410と第1の指示画像404とが合成された画像である。ここで、本実施形態においては、様子画像410により表される様子を、注目位置を中心に拡大して、注目位置を中心に所定の大きさへ切り出した詳細画像を含む画像を、第1の指示画像404として採用している。図4Bには、標的オブジェクト401が注目位置に描画されている場合において、第1の指示画像404が標的オブジェクト401に重ねられて表示される例を示す。なお、図4Bに示す例においては、第1の指示画像404は、様子画像410において注目位置を中心とする円で囲まれた部分により表される仮想空間内の様子を拡大して表す画像と照準を表す画像とを合成して得られる画像となっている。従って、第1の指示画像404は、照準器を用いて注目位置を観察したときに、照準器に映し出される様子を表す画像と考えることができる。
【0069】
ここで、図5A〜Eを参照して、第1の指示画像404と第2の指示画像403とについて説明する。
図5Aに、様子画像410により表される様子を、注目位置を中心に拡大した画像405を示す。なお、図5Aには、理解を容易にするため、注目位置の座標を示す黒点402を示している。図5Bに、画像405から注目位置を中心にして、所定の大きさへ切り出した詳細画像406を示す。図5Cに、照準器を表す画像407を示す。図5Dに、詳細画像406と画像407とを合成して得られる第1の指示画像404を示す。図5Eに、第2の指示画像403を示す。
上述したように、注目位置の変化の度合によって、ディスプレイ290には異なる合成画像が表示される。なお、注目位置の変化の度合が所定の閾値以下であるか否かは、例えば、注目位置の移動する速さ、あるいは、注目位置の移動範囲の大きさが所定の閾値以下であるか否かにより判別することができる。なお、注目位置の変化の度合が所定の閾値以下であるか否かを判別する具体的な手法については、後述する。
【0070】
(表示装置の動作)
次に、本実施形態に係る表示装置300の動作について、図面を参照して説明する。図6は、本実施形態に係る表示装置300が実行する表示制御処理を示すフローチャートである。なお、図6のフローチャートに示す表示制御処理は、表示装置300による射撃ゲームの実行中に実行される。
【0071】
まず、CPU 101は、現在の時刻が画面更新時刻であるか否かを判別する(ステップS101)。画面更新時刻は、ディスプレイ290のリフレッシュレートによって定められる時間間隔毎に到来する時刻であり、例えば、1/60秒毎に到来する時刻である。
【0072】
CPU 101は、現在の時刻が画面更新時刻ではないと判別すると(ステップS101:NO)、現在の時刻が画面更新時刻であるか否かを判別する処理(ステップS101)に処理を戻す。一方、CPU 101は、現在の時刻が画面更新時刻であると判別すると(ステップS101:YES)、弾丸オブジェクト408の移動を指定する旨の指示入力があるか否かを判別する(ステップS102)。具体的には、例えば、CPU 101は、コントローラ210の下面に配置されたBボタン214が押圧されたか否かを判別する。
【0073】
CPU 101は、弾丸オブジェクト408の移動を指定する旨の指示入力があると判別すると(ステップS102:YES)、弾丸オブジェクト408の移動を開始する(ステップS103)。弾丸オブジェクト408は、様子画像410に表される仮想空間を見る視点からの相対的な位置が固定された移動開始位置に配置されているオブジェクトである。CPU 101は、当該指示入力があったと判別すると、弾丸オブジェクト408を移動開始位置から、注目位置に描画されている標的オブジェクト401へ、時間の経過とともに移動させる。具体的には、例えば、CPU 101は、移動開始フラグをRAM 103にセットする。なお、弾丸オブジェクト408は、例えば、弾丸を表すオブジェクトである。
【0074】
CPU 101は、弾丸オブジェクト408の移動を指定する旨の指示入力がないと判別した後(ステップS102:NO)、もしくは、弾丸オブジェクト408の移動を開始する処理(ステップS103)を終了した後、様子画像410を生成する(ステップS104)。具体的には、CPU 101は、RAM 103に記憶されている仮想空間情報に基づいて、仮想空間内に配置された第1の視点から見た様子を表す様子画像410を生成する。なお、RAM 103に移動開始フラグがセットされている場合には、CPU 101は、弾丸オブジェクト408の座標情報を更新してから、様子画像410を生成する処理を実行する。
【0075】
CPU 101は、様子画像410の生成(ステップS104)を終了すると、コントローラ210から送信された画像に基づいて、注目位置を取得する(ステップS105)。具体的には、まず、CPU 101は、コントローラ210から送信された画像中における2つの発光点の位置を求める。そして、CPU 101は、2つの発光点の位置に基づいて、ディスプレイ290に表示されている様子画像410内の、コントローラ210の先端が向けられている位置を求める。ここで、CPU 101は、求めた位置を注目位置として扱う。CPU 101は、取得した注目位置を表す情報を、RAM 103などに記憶する。なお、注目位置は、例えば、ディスプレイ290の最左端を基準として横軸方向の位置をドットで示す座標(以下「X座標」という。)と、ディスプレイ290の最下端を基準として縦軸方向の位置をドットで示す座標(以下「Y座標」という。)と、により表される。
【0076】
CPU 101は、注目位置の取得(ステップS105)を終了すると、注目位置の変化の度合を取得する(ステップS106)。注目位置の変化の度合をどのように定義するかは任意であるが、本実施形態においては、最近の所定期間における注目位置の移動範囲の大きさを注目位置の変化の度合とする。以下、図7を参照して、注目位置の変化の度合を取得する手法について説明する。
【0077】
まず、CPU 101は、最近の画面更新周期10回分の期間において取得された、10個の注目位置を表す情報をRAM 103から全て読み出す。図7に、10個の注目位置の座標を×で示す。次に、CPU 101は、10個の注目位置のうち、X軸方向の座標が最も小さい注目位置Plと、X軸方向の座標が最も大きい注目位置Prと、Y軸方向の座標が最も小さい注目位置Pdと、Y軸方向の座標が最も大きい注目位置Puと、を特定する。そして、CPU 101は、注目位置PlのX座標と注目位置PrのX座標との差であるX軸方向の移動長さLxと、注目位置PdのY座標と注目位置PuのY座標との差であるY軸方向の移動長さLyと、を求める。ここで、CPU 101は、LxとLyを乗じた値を求めて、求めた値を移動範囲の大きさとする。図7において、破線で示す長方形で囲まれた領域の面積が移動範囲の大きさとなる。
【0078】
図6の説明に戻る。CPU 101は、注目位置の変化の度合を取得する処理(ステップS106)を終了すると、注目位置の変化の度合が閾値以上であるか否かを判別する(ステップS107)。本実施形態においては、注目位置の変化の度合は、注目位置の移動範囲の大きさであるため、この閾値は面積の閾値となる。なお、この閾値は、ROM 102などにあらかじめ記憶されている値を用いても良いが、ユーザの射撃の技量などに応じて定めるようにしてもよい。この理由は、標的を発見したときに照準を定める能力は、ユーザの射撃の技量などによって異なると考えられるためである。すなわち、射撃の技量が高いユーザは、照準を定める操作が上手であるため、標的発見後の注目位置の変化の度合が小さいことが期待される。一方、射撃の技量が低いユーザは、照準を定める操作が下手であるため、標的発見後の注目位置の変化の度合が大きいことが期待される。従って、例えば、射撃ゲームのプレイ中に得られた得点が大きいほど閾値が小さく設定されるようにする。
【0079】
CPU 101は、注目位置の変化の度合が閾値以下である、つまり、所定期間における注目位置の移動範囲の大きさが所定の範囲内であると判別すると(ステップS107:YES)、第1の指示画像404を生成する(ステップS108)。本実施形態においては、第1の指示画像404は、詳細画像406を含む画像(詳細画像406と画像407との合成画像)である。以下、図8A、Bを参照して詳細画像406(図8A、Bに関する説明においては詳細画像803)について説明する。
【0080】
上述したように、様子画像410は、三次元仮想空間内に配置された第1の視点から見た様子を表す画像である。図8Aに示す例では、第1の視点V1から見た様子を、当該第1の視点V1からの距離が距離Dscrである投影面に投影させることにより得られる画像を、様子画像801(図8A、B以外の説明においては様子画像410)としている。なお、本実施形態においては、様子画像801は、640(dot)×480(dot)の大きさの画像である。また、本実施形態においては、投影面が平面であるものとして説明しているが、投影面は曲面でもよい。ここで、様子画像801内における標的オブジェクト401の大きさは、三次元仮想空間における標的オブジェクト401の大きさと、第1の視点V1から標的オブジェクト401までの距離である距離Dtar1と、により定まる。従って、当該様子画像801内における標的オブジェクト401の大きさは、距離Dtar1が長いほど小さくなり、距離Dtar1が短いほど大きくなる。
【0081】
一方、詳細画像803は、様子画像801により表される様子を、注目位置を中心に拡大して、注目位置を中心に所定の大きさに切り出した画像である。ここで、図8A、Bにおいては、注目位置は、様子画像801に表されている標的オブジェクト401の重心の位置であるものとして説明する。また、本実施形態においては、詳細画像803は、三次元仮想空間内に配置された第2の視点V2から、三次元仮想空間を見た様子を表す画像である。ここで、第2の視点V2は、三次元仮想空間において、第1の視点V1から様子画像801において注目位置に描画されている標的オブジェクト401へ近づいた視点である。図8Bに示す例では、第1の視点V1から標的オブジェクト401へ近づいた第2の視点V2から見た様子を、当該第2の視点V2からの距離が距離Dscrである投影面に投影させることにより得られる画像を、画像802としている。この画像802は、様子画像801により表される様子を、注目位置を中心に拡大した様子を表す画像である。なお、本実施形態においては、画像802は、640(dot)×480(dot)の大きさの画像である。そして、画像802から、注目位置を中心に所定の大きさに切り出した画像が詳細画像803である。詳細画像803は、様子画像801を単純に拡大して得られる画像から切り出した画像ではなく、様子画像801よりも標的オブジェクト401から近い視点から見た様子を表す画像としている。このため、詳細画像803は、注目位置近傍の画像により表される三次元仮想空間の様子を鮮明に表す画像となる。
【0082】
ここで、画像802から切り出される詳細画像803の大きさは、注目位置の変化の度合に応じて定められる。例えば、注目位置の変化の度合が小さいほど、すなわち、注目位置の移動範囲の大きさが小さいほど詳細画像803が大きくなるようにする。これは、注目位置の変化の度合が小さいほど、すなわち、注目位置の移動範囲の大きさが小さいほど照準が定まっていると考えられるためである。すなわち、照準の位置の変化が小さいほど注目位置に描画されている標的オブジェクト401がより詳細に提示されることで、ユーザはさらに正確に照準を定めることが可能となる。
【0083】
また、画像802内における標的オブジェクト401の大きさは、三次元仮想空間における標的オブジェクト401の大きさと、第2の視点V2から標的オブジェクト401までの距離である距離Dtar2と、により定められる。従って、画像802内における標的オブジェクト401の大きさは、距離Dtar2が長いほど小さくなり、距離Dtar2が短いほど大きくなる。また、詳細画像803は、様子画像801に表される様子をDtar1/Dtar2倍に拡大した様子を表す画像となる。
【0084】
ここで、例えば、拡大率を一定にする場合、第1の視点V1から標的オブジェクト401までの距離と、第2の視点V2から標的オブジェクト401までの距離との割合が一定の割合になるようにする。具体的には、距離Dtar1から距離Dtar2を減じた距離である距離D12と距離Dtar1との割合が一定の値になるように、第2の視点V2を定める。すなわち、第1の視点V1から第2の視点V2までの距離である距離D12を、距離Dtar1にあらかじめ対応付けられている長さとする。
以上で詳細画像803の説明を終了し、図6に示すフローチャートの説明に戻る。
【0085】
CPU 101は、注目位置の変化の度合が閾値以下ではない、つまり、所定期間における注目位置の移動範囲の大きさが所定の範囲内ではないと判別すると(ステップS107:NO)、第2の指示画像403を生成する(ステップS109)。第2の指示画像403は、あらかじめ定められたオブジェクトを表す画像であり、第1の指示画像404とは異なる画像である。第2の指示画像403は、例えば、図4Aに第2の指示画像403として示すような画像とすることができる。このように、第2の指示画像403を第1の指示画像404と異なる画像とすることにより、注目位置の変化の度合が所定の閾値以下であるか否かをユーザに示すことができる。
【0086】
CPU 101は、第1の指示画像404を生成する処理(ステップS108)もしくは第2の指示画像403を生成する処理(ステップS109)を終了すると、合成画像を生成する(ステップS110)。合成画像は、ステップS104で生成された様子画像410と、ステップS108で生成された第1の指示画像404もしくはステップS109で生成された第2の指示画像403のいずれかの画像とが合成されることにより得られる画像である。例えば、合成画像は、様子画像410を背景画像として、第1の指示画像404もしくは第2の指示画像403が上書きされた画像とすることができる。この場合において、第1の指示画像404もしくは第2の指示画像403が半透明で表示されるようにしてもよい。
【0087】
CPU 101は、合成画像を生成する処理(ステップS110)を終了すると、合成画像を表示する(ステップS111)。具体的には、CPU 101は、ステップS110で生成した合成画像を表す信号をディスプレイ290に供給する。一方、ディスプレイ290は、供給された信号に従って、合成画像を表示する。
【0088】
CPU 101は、合成画像を表示する処理(ステップS111)を終了すると、画面更新時刻であるか否かを判別する処理(ステップS101)に処理を戻す。
以上で表示装置300が実行する表示制御処理の説明を終了する。
【0089】
表示装置300によれば、注目位置の変化の度合が小さい場合、つまり、所定期間における注目位置の移動範囲の大きさが所定の範囲内である場合に様子画像410の注目位置に第1の指示画像404が重ねて表示され、注目位置の変化の度合が大きい場合、つまり、所定期間における注目位置の移動範囲の大きさが所定の範囲内ではない場合に様子画像410の注目位置に第2の指示画像403が重ねて表示される。このため、表示装置300によれば、注目位置の変化の度合が所定の閾値以下であるか否か、つまり、所定期間における注目位置の移動範囲の大きさが所定の大きさ以下であるか否かを提示するとともに、注目位置を提示することができる。
また、第1の指示画像404は、様子画像410により表される様子を、注目位置を中心に拡大して、注目位置を中心に所定の大きさへ切り出した詳細画像406を含む画像である。このため、表示装置300によれば、注目位置をさらに精度良く指定させるため情報を提示することができる。
また、表示装置300によれば、第2の視点V2を適宜調整することにより、詳細画像406の拡大率を調整することができる。
また、表示装置300によれば、注目位置の変化の度合が小さいほど、詳細画像406を大きくすることができる。
以上説明したように、本実施形態にかかる表示装置300によれば、ユーザが注目する位置の変化の度合を分かり易く提示することができる。
【0090】
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、複数のオブジェクトが配置される三次元仮想空間を見た様子を表す画像を表示する表示装置に本発明を適用する例について説明した。しかし、本発明は、複数のウインドウもしくはアイコンが配置されるデスクトップ空間を見た様子を表す画像を表示する表示装置に適用することも可能である。以下、第2の実施形態にかかる表示装置について説明する。なお、第2の実施形態にかかる表示装置は、例えば、パーソナルコンピュータなどを用いて実現することができる。この場合、マウスやキーボードなどにより上述した受付部303が実現される。しかしながら、第2の実施形態にかかる表示装置の構成ならびに表示制御処理は、基本的には第1の実施形態のものと同様である。
【0091】
本実施形態においては、複数のウインドウもしくはアイコンが配置されるデスクトップ空間を見た様子を表す画像が様子画像910として生成される。そして、様子画像910内の注目位置を指定する指示入力は、マウスやキーボードなどにより受け付けられる。本実施形態においては、マウスやキーボードなどが操作されない限り、注目位置が変化しない。このため、基本的には様子画像910の注目位置に第1の指示画像902が重ねて表示され、マウスやキーボードなどが操作された場合に様子画像910の注目位置に第2の指示画像901が重ねて表示される。以下、図9A、Bを参照して、第2の実施形態にかかる表示装置が表示する画像について説明する。
【0092】
注目位置の変化の度合が所定の閾値を超える場合、例えば、所定期間における注目位置の移動範囲の大きさが所定の範囲内である場合、ディスプレイ290には、図9Aに示すような合成画像が表示される。この合成画像は、様子画像910の注目位置に第2の指示画像901が重なるように、様子画像910と第2の指示画像901とが合成された画像である。図9Aには、標的オブジェクトである文字列“KB”が注目位置に描画されている場合において、第2の指示画像901が文字列“KB”に重ねられて表示される例を示す。なお、図9Aに示す例においては、第2の指示画像901は、矢印型のポインタを表す画像となっている。
【0093】
一方、注目位置の変化の度合が所定の閾値以下である場合、例えば、所定期間における注目位置の移動範囲の大きさが所定の範囲内ではない場合、ディスプレイ290には、図9Bに示すような合成画像が表示される。この合成画像は、様子画像910の注目位置に第1の指示画像902が重なるように、様子画像910と第1の指示画像902とが合成された画像である。ここで、本実施形態においては、様子画像910により表される様子を、注目位置を中心に拡大して、注目位置を中心に所定の大きさへ切り出した詳細画像を含む画像を、第1の指示画像902としている。図9Bには、標的オブジェクトである文字列“KB”が注目位置に描画されている場合において、第1の指示画像902が文字列“KB”に重ねられて表示される例を示す。なお、図9Bに示す例においては、第1の指示画像902は、様子画像910において注目位置を中心とする円で囲まれた領域により表される画像を拡大した詳細画像と虫眼鏡を表す画像とを合成して得られる画像となっている。従って、第1の指示画像902は、虫眼鏡を用いて注目位置を観察したときに見ることができる様子を表す画像と考えることができる。
このように、注目位置の変化の度合によって、ディスプレイ290には異なる合成画像が表示される。
【0094】
本実施形態においては、マウスやキーボードなどによる操作がない場合は、注目位置近傍の領域を拡大表示する比較的大きな第1の指示画像902が様子画像910の注目位置に重ねて表示され、マウスやキーボードなどによる操作がある場合は、比較的小さな第2の指示画像901が様子画像910の注目位置に表示される。このため、ユーザは、マウスやキーボードなどを操作していないときは、注目位置に描画されている標的オブジェクトの詳細を観察することができる。一方、ユーザは、マウスやキーボードなどを操作しているときは、注目位置を正確に移動することができる。
このように、本実施形態にかかる表示装置300によれば、ユーザが注目する位置の変化の度合を分かり易く提示することができる。
【0095】
(変形例)
上記実施形態では、様子画像410により表される様子を、注目位置を中心に拡大して、注目位置を中心に所定の大きさに切り出した詳細画像406と画像407とから構成される画像を、第1の指示画像404とする例を示した。しかし、第1の指示画像404は第2の指示画像403と異なる画像であれば、どのような画像であってもよい。例えば、図10に示すように、照準器を表す画像407を第1の指示画像404とすることができる。これにより、照準が定まっていることを提示することができるとともに、様子画像410内の照準が定まっている位置を提示することができる。また、詳細画像406そのものを、第1の指示画像404としてもよい。
【0096】
上記実施形態では、注目位置の変化の度合が所定の閾値を超える場合に第2の指示画像403を様子画像410の注目位置に重ねて表示する例を示した。しかし、第2の指示画像403は必ずしも表示されなくてもよい。第1の指示画像404が表示されているか否かによって、注目位置の変化の度合を提示することが可能なためである。
また、第2の指示画像403を、第1の指示画像404と同じ形状であって、第1の指示画像404と異なる色彩の画像とすることができる。かかる場合であっても、注目位置の変化の度合を提示することが可能である。
【0097】
上記実施形態では、詳細画像406の拡大率が一定になるように、第2の視点V2を定める例を示した。しかし、例えば、ディスプレイ290における標的オブジェクト401の大きさが一定になるようにしてもよい。この場合、第2の視点V2から標的オブジェクト401までの距離が一定の距離になるように、第2の視点V2を定める。
【0098】
上記実施形態では、所定期間における注目位置の移動範囲の大きさが、所定期間に所定のサンプリング周期(画面更新周期)でサンプリングされた注目位置の、最左端、最右端、最下端、および、最上端の座標に基づいて定められる例を示した。しかし、注目位置の移動範囲の大きさをどのように定義するかは任意である。例えば、注目位置の移動範囲の大きさを、所定期間に所定のサンプリング周期でサンプリングされた注目位置のうち、最も遠い2つの注目位置間の距離と定義することができる。また、例えば、注目位置の移動範囲の大きさを、所定期間に所定のサンプリング周期でサンプリングされた注目位置のうち、注目位置の重心から最も遠い注目位置から当該注目位置の重心までの距離と定義することができる。また、例えば、注目位置の移動範囲の大きさを、所定期間に所定のサンプリング周期でサンプリングされた注目位置の全てを囲む、最も面積が小さい所定の形状の図形(多角形、円、楕円)の面積と定義することができる。
【0099】
上記実施形態では、注目位置の変化の度合を、所定期間における注目位置の移動範囲の大きさとする例を示した。しかし、注目位置の変化の度合を、所定期間における注目位置の移動する速さの平均値とすることができる。例えば、所定期間内における所定のサンプリング周期毎に、注目位置をサンプリングするとともに、前回サンプリングされた注目位置との差分を求めて注目位置の移動する速さを求める。そして、所定期間内における所定のサンプリング周期毎に求めた注目位置の移動する速さの当該所定期間における平均値を、注目位置の変化の度合とする。
【0100】
上記実施形態では、画面更新周期の10回分の期間において画面更新周期毎にサンプリングされた10個の注目位置に基づいて、注目位置の変化の度合が取得される例を示した。しかし、注目位置をサンプリングする期間、ならびに、注目位置をサンプリングする周期は適宜調整することが可能である。
【0101】
上記実施形態では、様子画像410とは別に詳細画像406が生成される例を示した。しかし、様子画像410を拡大して得られる画像から、注目位置を中心にして、所定の大きさに切り出された画像が、詳細画像406となるようにしてもよい。かかる手法によれば、詳細画像406を生成する時間が短縮されることが期待できる。
【産業上の利用可能性】
【0102】
以上説明したように、本発明によれば、ユーザが注目する位置の変化の度合を分かり易く提示するのに好適な表示装置、表示方法、ならびに、これらをコンピュータにより実現するためのプログラムを提供することができる。
【符号の説明】
【0103】
100 情報処理装置
101 CPU
102 ROM
103 RAM
104 インターフェース
105 コントローラユニット
106 外部メモリ
107 画像処理部
108 DVD−ROMドライブ
109 NIC
110 音声処理部
111 RTC
210 コントローラ
211 CCDカメラ
212 十字形キー
213 Aボタン
214 Bボタン
215 ボタン
216 孔
217 インジケータ
218 電源ボタン
220 センサバー
221 発光素子
290 ディスプレイ
300 表示装置
301 様子生成部
302 表示部
303 受付部
304 詳細生成部
305 移動部
306 第2の指示画像生成部
307 記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のオブジェクトが配置される仮想空間を見た様子を表す様子画像を生成する様子生成部、
前記生成された様子画像を表示する表示部、
前記表示された様子画像内の注目位置を指定する指示入力を受け付ける受付部、を備え、
前記表示部は、前記注目位置の変化の度合が所定の閾値以下である場合、第1の指示画像を前記様子画像の前記注目位置に重ねて表示する
ことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の表示装置であって、
前記表示部は、前記注目位置の変化の度合が前記所定の閾値を超える場合、第2の指示画像を前記様子画像の前記注目位置に重ねて表示する
ことを特徴とする表示装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の表示装置であって、
前記注目位置の変化の度合が前記所定の閾値以下である場合、前記様子画像より小さい所定の大きさの詳細画像を生成する詳細生成部、をさらに備え、
前記表示部は、前記詳細画像が生成された場合、当該詳細画像を前記第1の指示画像とし、
前記詳細画像は、前記様子画像により表される様子を、前記注目位置を中心に拡大して、前記注目位置を中心に前記所定の大きさへ切り出した画像である
ことを特徴とする表示装置。
【請求項4】
請求項3に記載の表示装置であって、
前記仮想空間は、複数のウインドウもしくはアイコンが配置されるデスクトップ空間である
ことを特徴とする表示装置。
【請求項5】
請求項4に記載の表示装置であって、
前記仮想空間は、複数のオブジェクトが配置される三次元空間であり、
前記様子画像は、前記仮想空間内に配置された第1の視点から見た様子を表す画像であり、
前記詳細画像は、前記仮想空間において、前記第1の視点から前記様子画像において前記注目位置に描画されているオブジェクトへ近づいた第2の視点から、前記仮想空間を見た様子を表す画像である
ことを特徴とする表示装置。
【請求項6】
請求項5に記載の表示装置であって、
前記第1の視点から前記第2の視点までの距離は、前記第1の視点から前記注目位置に描画されているオブジェクトまでの距離にあらかじめ対応付けられている長さである
ことを特徴とする表示装置。
【請求項7】
請求項4乃至6のいずれか1項に記載の表示装置であって、
前記詳細画像の大きさは、前記注目位置の変化の度合にあらかじめ対応付けられている大きさである
ことを特徴とする表示装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の表示装置であって、
前記注目位置の変化の度合は、最近の所定期間における前記注目位置の移動する速さの平均値である
ことを特徴とする表示装置。
【請求項9】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の表示装置であって、
前記注目位置の変化の度合は、最近の所定期間における前記注目位置の移動範囲の大きさである
ことを特徴とする表示装置。
【請求項10】
請求項5又は6に記載の表示装置であって、
前記受付部は、前記複数のオブジェクトのうち、前記第1の視点からの相対的な位置が固定された移動開始位置に配置される所定の移動可能オブジェクトの移動を行う旨を指定する指示入力をさらに受け付け、
前記移動を行う旨を指定する指示入力が受け付けられると、前記移動可能オブジェクトを前記移動開始位置から、前記注目位置に描画されているオブジェクトへ、時間の経過とともに移動させる移動部、をさらに備える
ことを特徴とする表示装置。
【請求項11】
様子生成部、表示部、受付部を備える表示装置が実行する表示方法であって、
前記様子生成部が、複数のオブジェクトが配置される仮想空間を見た様子を表す様子画像を生成する様子生成工程、
前記表示部が、前記生成された様子画像を表示する表示工程、
前記受付部が、前記表示された様子画像内の注目位置を指定する指示入力を受け付ける受付工程、を備え、
前記表示部は、前記注目位置の変化の度合が所定の閾値以下である場合、第1の指示画像を前記様子画像の前記注目位置に重ねて表示する
ことを特徴とする表示方法。
【請求項12】
コンピュータを、
複数のオブジェクトが配置される仮想空間を見た様子を表す様子画像を生成する様子生成部、
前記生成された様子画像を表示する表示部、
前記表示された様子画像内の注目位置を指定する指示入力を受け付ける受付部、
として機能させるためのプログラムであって、
前記表示部は、前記注目位置の変化の度合が所定の閾値以下である場合、第1の指示画像を前記様子画像の前記注目位置に重ねて表示する
ことを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図5E】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10】
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