説明

表示装置、表示方法、プログラム

【課題】運転者の眠気の程度の情報を、高い視認性や誘目性を有する表示により、運転者に対して効果的に報知できる表示装置、表示方法、プログラムを提供する。
【解決手段】車両のメータ表示部20内に、コーヒーが入ったコーヒーカップの画像50を表示する。車両の運転者の眠気レベルを検出して、眠気レベルが高くなるほど、画像50内のコーヒーの量を多くし、色をブラックに近づける。画像50には、車速の数字画像を重畳して、眠気メータとスピードメータを兼用させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置、表示方法、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車の車両用の表示装置において、液晶ディスプレイ(LCD)、特にTFT液晶ディスプレイなどで表示装置を構成して、その画面上に、コンピュータグラフィックス技術により作成されたメータ(計器)の画像を表示する場合が増えてきている。その場合、組付けの容易さやデザイン変更の自由度の高さなどの利点がある。
【0003】
例えば下記特許文献1には、メータの枠部分であるリング画像で光沢感を表現するとともに、指針が現示している部分を視認し易い輝度に自動的に調節する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−157434号公報
【特許文献2】特開2009−45418号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方上記特許文献2では、運転者の眠気を検出する装置が開示されている。具体的に同装置では、運転者の顔の画像を撮影し、そこから画像解析によって眠気に関係する特徴を抽出し、運転者の眠気の程度を推定している。眠気を検出したあとで、その情報をメータ画像と組み合わせて表示して、運転者に効果的に眠気の情報を報知できれば運転の安全性を向上することに寄与することができるが、従来技術においてそのような提案はない。
【0006】
そこで本発明が解決しようとする課題は、上記問題点に鑑み、運転者の眠気の程度の情報を、高い視認性や誘目性を有する表示により、運転者に対して効果的に報知できる表示装置、表示方法、プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0007】
上記課題を達成するために、本発明に係る車両用表示装置は、車両の車室内に配置されて、車両の計器を表示する表示部と、前記車両の運転者の眠気の程度を検出する検出手段と、前記表示部に、飲料を収容可能な容器の画像を表示し、その容器内に、前記検出手段によって検出された運転者の眠気の程度に応じて量又は色が変化する飲料の画像を表示する表示制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
これにより本発明に係る表示装置では、車両の運転者の眠気の程度を検出して、車両の計器を表示する表示部において、容器と、その容器内に収容された飲料の画像を表示し、運転者の眠気の程度に応じてその飲料の量又は色を変化させる。一般に嗜好用の飲料には人体の覚醒度を高める作用を有するものが多い。したがって、こうした飲料の性質が見る者に喚起されることを隠喩の形式で利用することにより、効果的に運転者に自身の眠気程度を自覚させることができる。よって運転の安全性の向上に寄与する表示装置が実現できる。
【0009】
また前記表示制御手段は、前記容器内の飲料の画像に重畳させて、前記計器の計測値情報を表示するとしてもよい。
【0010】
これにより、前記容器内の飲料の画像に重畳させて、前記計器の計測値情報を表示するので、運転者が計器を見るたびに、自身の眠気に関する情報も自然に得ることとなる。したがって、特に眠気表示部を見る動作を必要とせずに、眠気程度を報知できる。さらに眠気の表示と計器の表示とを重畳するので、表示部の限られたスペースを有効利用することができる。
【0011】
また前記計器は速度計であるとしてもよい。
【0012】
これにより、眠気の表示に、運転者が頻繁に見る速度計の表示が重畳されるので、運転者が速度計を見るたびに、自身の眠気に関する情報も自然に得ることとなる。したがって、特に眠気表示部を見る動作を必要とせずに、眠気程度を確実に報知できる。
【0013】
また前記表示制御手段は、前記計器の計測値の表示を、前記検出手段によって検出された運転者の眠気の程度に応じて変化させるとしてもよい。
【0014】
これにより、表示された飲料の量と色のみでなく、計器の計測値の表示も運転者の眠気に応じて変化させるので、運転者にさらに確実に自身の眠気程度を報知することができる。
【0015】
また前記飲料はコーヒーであり、前記表示制御手段は、前記検出手段によって検出された運転者の眠気の程度が高くなるほど、前記表示部において前記容器に収容されたコーヒーの量を多く、コーヒーの色を濃く表示させるとしてもよい。
【0016】
これにより、運転者の眠気の程度が高くなるほど、表示されたコーヒーの量を多く、コーヒーの色を濃くするので、コーヒーを飲むと覚醒度が高まるという広く認識された知見を効果的に隠喩の形式で利用して、運転者に自身の眠気の情報を確実に報知することができ、運転の安全性の一層の向上に寄与する表示装置が実現できる。
【0017】
また本発明に係る表示方法は、車両の車室内に配置されて車両の計器を表示する表示部に対して用いられる表示方法であって、前記車両の運転者の眠気の程度を検出する検出ステップと、前記表示部に、飲料を収容可能な容器の画像を表示し、その容器内に、前記検出手段によって検出された運転者の眠気の程度に応じて量又は色が変化する飲料の画像を表示する表示制御ステップと、を実行することを特徴とする。
【0018】
これにより、車両の運転者の眠気の程度を検出して、車両の計器を表示する表示部において、容器と、その容器内に収容された飲料の画像を表示し、運転者の眠気の程度に応じてその飲料の量又は色を変化させる。一般に嗜好用の飲料には人体の覚醒度を高める作用を有するものが多い。したがって、こうした飲料の性質が見る者に喚起されることを隠喩の形式で利用することにより、効果的に運転者に自身の眠気程度を自覚させることができる。よって運転の安全性の向上に寄与する表示方法が実現できる。
【0019】
また本発明に係るプログラムは、車両の車室内に配置されて車両の計器を表示する表示部と、前記車両の運転者の眠気の程度を検出する検出手段と、に接続されたコンピュータが読取可能なプログラムであって、前記コンピュータを、前記表示部に、飲料を収容可能な容器の画像を表示し、その容器内に、前記検出手段によって検出された運転者の眠気の程度に応じて量又は色が変化する飲料を表示する表示制御手段として機能させることを特徴とする。
【0020】
これにより車両の運転者の眠気の程度を検出して、車両の計器を表示する表示部において、容器と、その容器内に収容された飲料の画像を表示し、運転者の眠気の程度に応じてその飲料の量又は色とを変化させる。一般に嗜好用の飲料には人体の覚醒度を高める作用を有するものが多い。したがって、見る者にこうした飲料の性質が喚起されることを隠喩の形式で利用することにより、効果的に運転者に自身の眠気程度を自覚させることができる。よって運転の安全性の向上に寄与する表示装置を実現するプログラムが構成できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施例における表示装置の構成図。
【図2】表示制御処理のフローチャート。
【図3】メータ表示部を示す図。
【図4】第1の表示例を示す図。
【図5】第2の表示例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態を図面を参照しつつ説明する。まず図1は、本発明に係る車両用表示システム1(表示装置)の装置構成の概略図である。表示装置1は例えば自動車の車両に装備される。
【0023】
表示システム1は、メータ電子制御装置(ECU:Electronic Control Unit)2、ボディECU3、眠気レベル検出ユニット4を備え、これらが多重通信バス5で接続されて情報の受け渡しが可能とされている。多重通信バス5を介した車内通信は例えばCAN(Controller Area Network)通信とすればよい。
【0024】
メータECU2は、通常のコンピュータの構造を有するとし、各種演算や情報処理を実行するCPU、その作業領域としての一時記憶部であるRAM、各種情報を記憶するためのROM、車内通信のためのインターフェイス部等を備えるとすればよい。なおROMは記憶内容の消去や書き換えが可能なEEPROMを含むとする。
【0025】
そしてメータECU2は、液晶ディスプレイ20(LCD:Liquid crysal Display)、バックライトモジュール21と接続されている。LCD20は例えばTFT液晶によるLCDとし、ダッシュボード(インストルメントパネル)における運転席に面した場所に設置される。LCD20はメータ表示部であり、メータ画像が表示されて、それにより運転者に車両の状態や走行に関する各種情報を報知する。バックライトモジュール21はLCD20の裏側から光を照射して、LCD20の画像が運転者に視認できるようにする。
【0026】
またメータECU2は、LCD20への表示のために描画LSI、グラフィックメモリを備えるとする。描画LSIによりグラフィックメモリ上で画像を形成して、その画像をLCD20に伝えて表示させる。なおLCD20は、プラズマディスプレイやELディスプレイなどの自発光ディスプレイに変更してもよい。
【0027】
ボディECU3(ECU)は、車速センサ30、エンジン回転数センサ31、燃料残量センサ32、水温センサ33と接続されている。車速センサ30は、周知のロータリエンコーダ等の回転検出部を含み、例えば車輪取り付け部付近に設置されて車輪の回転を検出してパルス信号としてECU3に送る。ECU3では、その車輪の回転数を車両の速度に換算する。
【0028】
エンジン回転数センサ31は、エンジンの(単位時間あたりの)回転数を計測する。具体的には、エンジン回転数センサ22は、例えばエンジンから連結されたクランクの回転角度を計測するクランク角センサであり、その検出値がECU3へ送られてエンジンの回転数が算出される。燃料残量センサ32は、車両の燃料タンクにおける燃料の残量を検出する。
【0029】
水温センサ33は、エンジンの冷却水の温度を検出する。またECU3は、シフトレバー34の位置情報や、方向指示灯35のオンオフ情報も取得する。ボディECU3がこうして取得した情報がメータECU2へ送られてLCD20に表示される。
【0030】
眠気レベル検出ユニット4は運転者の眠気レベルを検出する機能を有する。眠気レベル検出ユニット4で用いられる検出原理は、例えば特開2009−45418号公報に開示された方法とすればよい。すなわち撮影部40を運転者の顔を撮影できる位置に設置して、これにより撮影された運転者の顔の画像に対して画像解析を行って運転者の眠気の程度に関する特徴を抽出する。
【0031】
具体的には、運転者の顔画像から例えば、左右の口角の距離,眉と目の距離,頭部傾き角度,眉頭の中点と目頭の中点間の距離,眉頭間の距離,鼻下端の中点と目頭の中点間の距離,口端の中点と目頭の中点間の距離,下唇下端と目頭の中点間の距離,上まぶたと下まぶた間の距離,左右鼻孔外側端間の距離,上唇上端と目頭の中点間の距離などを検出する。そして、それらの数値を運転者の覚醒時も含めて取得しておいて、その蓄積された数値から、個々の数値における眠気の有無判定のための閾値を定める。各数値と閾値との大小を比較して、その結果をまとめて運転者の眠気レベルを算出する。眠気レベル検出ユニット4で算出する眠気レベルは、例えば不連続な数値(整数値)でもよく、連続的な数値でもよい。
【0032】
以上の構成のもとで、表示システム1は、LCD20上に眠気レベルを図柄によって表示する。具体的にはLCD20上にコーヒーカップ画像を表示し、眠気レベルに応じてそのカップ内のコーヒーの色と量とを変更する。さらに以下の例では、そのような眠気レベルメータの画像はスピードメータと兼用とする。
【0033】
LCD20全体の表示例が図3に、眠気レベルメータ画像の2つの例が図4及び図5に示されている。詳細な説明は後述するが、スピード・眠気レベル兼用メータ50(メータ)は、コーヒーカップ画像51a、51b内にコーヒー画像52a、52bを合成して表示する。そしてコーヒー画像52a、52bにおけるコーヒーの色と量を眠気レベルに応じて変化させる。図4の場合はコーヒーカップ画像51aを上方から見た画像であり、図5の場合はコーヒーカップ画像51bを側方から見た画像である。図5の場合はコーヒーカップ画像51bを透過する形態でコーヒー画像52bを表示している。
【0034】
眠気レベルが高くなるほど、コーヒーの色を濃く、コーヒーの量を多くする。コーヒーを飲むと覚醒度が高まり眠気が低減することは広く知られているので、コーヒーの色が濃く、コーヒーの量が多いほど、直感的に眠気レベルが高いことが運転者に報知できる。またメータ50には車速の数値画像53a、53bと単位画像54a、54bが重畳して表示される。
【0035】
車速の数値画像53a、53bは眠気レベルが高くなるほど数字(文字、フォント)の太さを太く表示する。あるいは眠気レベルが高くなるほど車速の数値画像53a、53bの大きさを大きく表示してもよい。あるいは眠気レベルが高くなるほど車速の数値画像53a、53bの色の明度を高める(白色に近い色にする)としてもよい。
【0036】
本実施例における眠気メータ表示の処理手順は図2に示されている。図2のフローチャートはプログラム化されて例えばメータECU2内の記憶部に記憶しておき、メータECU2が自動的にそれを呼び出して車両の運転中常に実行すればよい。
【0037】
図2の処理ではまず手順S10で眠気レベル検出ユニット4により運転者の眠気レベルを検出する。上述のとおり眠気レベルは例えば不連続な数値(整数)で表された複数(多段階)のレベルであってもよく、連続的な数値によって表されたレベルでもよい。
【0038】
次にS20で、S10で検出した眠気レベルに応じて、コーヒーの色を設定する。眠気レベルが高いほど色を濃く設定する。具体的には、眠気レベルが低いほど、クリームまたはミルクが多く含まれたコーヒー、あるいはカフェイン量が相対的に少ないコーヒーをイメージ(想起)させる色、すなわち明度の高い茶系統色とし、眠気レベルが高いほど、ブラックコーヒー、あるいはカフェイン量が相対的に多いコーヒーをイメージさせる色、つまり暗度の高いこげ茶系統色あるいは黒色とする。そして眠気レベルの変化により、これらの色の間を連続的に変化するように色を設定する。
【0039】
次にS30で、S10で検出した眠気レベルに応じて、コーヒーの量を設定する。具体的には眠気レベルが高いほどコーヒーの量を多く設定する。
【0040】
次にS40で、S20で設定された色、S30で設定された量に従ってコーヒー画像52a又は52bを作成する。図4におけるコーヒー画像52aを作成する場合、コーヒー画像52aに陰影、ハイライトが形成されているが、例えば単一のコーヒー画像を記憶しておき、コーヒーの量が多い(少ない)ほど、その画像を拡大(縮小)した上で、コーヒーの色を変化させるという方法で作成すれば、簡易的である。
【0041】
図5におけるコーヒー画像52bを作成する場合には、コーヒー画像52aに陰影、ハイライトを形成せず、例えば、設定されたコーヒーの量によって定まる領域を、設定された色で塗りつぶすという方法で作成すればよい。
【0042】
次にS50でコーヒーカップ画像51a又は51bを呼び出す。つまり図2の処理においては、コーヒーカップ画像51a又は51bは予め記憶しておき、それをS50で呼び出す。コーヒーカップ画像51a又は51bの一部には取っ手部の画像55a又は55bが含まれている。取っ手部画像55a又は55bの存在により、運転者は直ちにコーヒーカップであることが認識できる。
【0043】
次にS60で車速情報を取得する。これは、車速センサ30による計測値を車内通信で取得すればよい。
【0044】
そしてS70で、S60で取得した数値により車速数字画像53a又は53bを作成する。車速数字画像53a又は53bは、例えば予め数字のフォントをメータECU2で記憶しておき、それを呼び出して作成する。その際に図4や図5で示されているように、数字が背景から浮き上がって視認されるように数字に影をつけてもよい。これにより車速数字の視認性が向上する。
【0045】
さらに図4や図5で示されているように、眠気レベルが高くなるほど、車速数字画像53a又は53bが太くなるように調節する。あるいは眠気レベルが高くなるほど、車速数字画像53a又は53bの大きさを大きくしてもよく、色の明度を上げる(白色に近づける)としてもよい。こうした処理により視認性や誘目性が高まって、運転者への眠気の報知に好適となる。なお図5の場合、コーヒー画像52bの面積が小さい場合は、車速数字画像53bは、コーヒー画像52bの外部でコーヒーカップ画像51bの内部の領域に、視認しやすい色(例えば黒色)で表示すればよい。
【0046】
また車速数字画像53a又は53bには、車速の単位(例えばkm/h)の文字画像である単位文字画像54a又は54bを付加(重畳)する。単位文字画像54a又は54bがあることで、数字が車速を示していることを運転者に誤認識なく確実に認識させる効果がある。
【0047】
次にS80で、S40で作成したコーヒー画像52a又は52b、S50で呼び出したコーヒーカップ画像51a又は51b、S70で作成した車速数字画像53a又は53bをを合成(重畳)する。こうして図4または図5で示されたメータ画像50が形成される。
【0048】
S90で、このメータ画像をLCD20上の定められた場所に表示する。図3の例では、メータ50をLCD20の中央に表示している。そして、その周囲に、シフトレバーの表示部60、燃料残量計61、方向指示灯の表示部62が表示されている。LCD20における表示例はこれに限定されず、エンジン回転数センサ31によって検出されたエンジン回転数を示す回転数計(タコメータ)や、水温センサ33によって検出された水温を示す水温計を表示してもよい。
【0049】
イグニションオフなどの場合は(S100:YES)表示処理を終了し、そうでなければ(S100:NO)S10に戻って上記手順を繰り返す。これにより、運転している間、常に運転者の時々刻々の眠気レベルがLCD20に表示される。以上が図2の処理手順である。
【0050】
以上述べた実施形態は1つの実施形態に過ぎず、特許請求の範囲に記載された範囲内で適宜変更してよい。例えば上記ではホットコーヒーを想起させる画像を用いたが、アイスコーヒーを想起させる画像でもよい。その際には容器をコーヒーカップではなく、コップ、グラス等としてもよく、例えばコーヒーに氷を浮かせ、ストローを付加した画像などとしてもよい。また図4、図5では上方、側方からの画像としたが、斜め上方向からの画像としてもよい。
【0051】
さらに上記実施例ではコーヒーを用いたが、本発明はコーヒーに限定せず、紅茶、緑茶など、眠気の低減機能を有するとみなされる他のあらゆる飲料でもよい。さら上記では、コーヒーカップを用いたが、これはコーヒーカップさらには椀状の食器のみに限定されず、飲料を収容可能な容器(食器)全般でよく、グラス、(紙)コップ、缶、ボトル等に変更してもよい。
【0052】
また図3から図5の例では、スピードメータは数字によるディジタル表示としたが、これをアナログ表示にしてもよい。具体的には、図4、5の画像における車速数字の画像の部分(と車速単位の画像)の部分を、例えば指針部と目盛部とからなるアナログのスピードメータに置き換える。
【0053】
図3から図5の例ではスピードメータと眠気レベルメータとを兼用(重畳、合成)したが、これらを別々に表示してもよい。つまり図4、5の場合では、例えばスピードメータ(コーヒーカップ画像を用いない通常のスピードメータ)を中央に配置し、メータ表示部20におけるそれ以外の領域(他のメータとも重ならない領域)に上記のようなコーヒーカップ画像による眠気レベルメータを表示する。また上記では眠気に応じてコーヒーの色と量をともに変化させる例を示したが、どちらか一方のみを眠気レベルに応じて変化させるとしてもよい。
【0054】
また上記では眠気レベルメータとスピードメータとを兼用(重畳、合成)したが、スピードメータ以外の計器、例えばタコメータ(エンジン回転数計)、あるいは燃料残量計、水温メータと眠気レベルメータとを兼用してもよい。その場合、図4、図5の例では、車速の数字画像53a、53b(及び単位画像54a、54b)をエンジン回転数、燃料残量、水温の数字画像に置き換える。この場合もエンジン回転数、燃料残量、水温の計測値を数字画像に限定せず、アナログメータ画像やグラフ画像に置き換えてよい。
【符号の説明】
【0055】
1 表示システム
2 メータECU
3 ボディECU
4 眠気レベル検出ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の車室内に配置されて、車両の計器を表示する表示部と、
前記車両の運転者の眠気の程度を検出する検出手段と、
前記表示部に、飲料を収容可能な容器の画像を表示し、その容器内に、前記検出手段によって検出された運転者の眠気の程度に応じて量又は色が変化する飲料の画像を表示する表示制御手段と、
を備えたことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記容器内の飲料の画像に重畳させて、前記計器の計測値情報を表示する請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記計器は速度計である請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、前記計器の計測値の表示を、前記検出手段によって検出された運転者の眠気の程度に応じて変化させる請求項2又は3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記飲料はコーヒーであり、
前記表示制御手段は、前記検出手段によって検出された運転者の眠気の程度が高くなるほど、前記表示部において前記容器に収容されたコーヒーの量を多く、コーヒーの色を濃く表示させる請求項1乃至4のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項6】
車両の車室内に配置されて車両の計器を表示する表示部に対して用いられる表示方法であって、
前記車両の運転者の眠気の程度を検出する検出ステップと、
前記表示部に、飲料を収容可能な容器の画像を表示し、その容器内に、前記検出ステップによって検出された運転者の眠気の程度に応じて量又は色が変化する飲料を表示する表示制御ステップと、
を実行することを特徴とする表示方法。
【請求項7】
車両の車室内に配置されて車両の計器を表示する表示部と、前記車両の運転者の眠気の程度を検出する検出手段と、に接続されたコンピュータが読取可能なプログラムであって、
前記コンピュータを、前記表示部に、飲料を収容可能な容器の画像を表示し、その容器内に、前記検出手段によって検出された運転者の眠気の程度に応じて量又は色が変化する飲料を表示する表示制御手段として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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