説明

表示装置、表示装置用基板、及び、表示装置の製造方法

【課題】狭額縁の表示装置、表示装置用基板、及び、表示装置の製造方法を提供する。
【解決手段】実施形態によれば、第1基板と、第2基板と、表示層と、シール部と、凸部と、間隔調整層と、を含む表示装置が提供される。前記表示層は、前記第1基板と前記第2基板との間に設けられる。前記シール部は、前記第1基板と前記第2基板との間において前記表示層を囲む。前記凸部は、前記第1基板の前記表示層に面する第1主面上の前記シール部の外側において前記シール部の外縁に沿って設けられる。前記間隔調整層は、前記シール部の前記外側において前前記外縁に沿って設けられ、前記第1基板から前記第2基板に向かう方向に沿ってみたときに前記凸部と重なる部分を有し前記凸部と接する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、表示装置、表示装置用基板、及び、表示装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、2枚の基板間に液晶を挟んだ液晶表示装置がある。このような表示装置の製造においては、基板よりも大きいサイズの元基板に、表示のための電極などが形成され、これらの2枚の元基板が組み合わされた後に、不要な周辺部分などがカットされることで、表示装置が作製される。また、1組の元基板から一括して複数の表示装置を作製する場合には、複数の表示装置どうし分けるために、元基板が分断される。
【0003】
表示装置の表示領域の周りには2枚の基板を接合するシール部が設けられている。シール部が、上記のカットや分断の位置と重なると、カット不良が発生する。カット位置とシール部とを遠ざけると、額縁が広くなってしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−300475号公報
【特許文献2】特開2010−175727号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施形態は、狭額縁の表示装置、表示装置用基板、及び、表示装置の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態によれば、第1基板と、第2基板と、表示層と、シール部と、凸部と、間隔調整層と、を含む表示装置が提供される。前記表示層は、前記第1基板と前記第2基板との間に設けられる。前記シール部は、前記第1基板と前記第2基板との間において前記表示層を囲む。前記凸部は、前記第1基板の前記表示層に面する第1主面上の前記シール部の外側において前記シール部の外縁に沿って設けられる。前記間隔調整層は、前記シール部の前記外側において前記外縁に沿って設けられ、前記第1基板から前記第2基板に向かう方向に沿ってみたときに前記凸部と重なる部分を有し前記凸部と接する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1(a)〜図1(c)は、第1の実施形態に係る表示装置の構成を例示する模式図である。
【図2】第1の実施形態に係る表示装置の製造方法を例示するフローチャート図である。
【図3】図3(a)及び図3(b)は、第1の実施形態に係る表示装置の製造方法を例示する模式的平面図である。
【図4】第1の実施形態に係る表示装置の製造方法を例示する模式的断面図である。
【図5】第1の実施形態に係る表示装置の構成を例示する模式的断面図である。
【図6】図6(a)〜図6(c)は、第1の実施形態に係る別の表示装置の構成を例示する模式的断面図である。
【図7】第1の実施形態に係る別の表示装置の構成を例示する模式的断面図である。
【図8】図8(a)〜図8(c)は、第1の実施形態に係る別の表示装置の構成を例示する模式的断面図である。
【図9】第1の実施形態に係る別の表示装置の構成を例示する模式的断面図である。
【図10】第2の実施形態に係る表示装置の構成を例示する模式的断面図である。
【図11】第2の実施形態に係る表示装置の製造方法を例示する模式的断面図である。
【図12】図12(a)〜図12(c)は、第2の実施形態に係る別の表示装置の構成を例示する模式的断面図である。
【図13】第2の実施形態に係る別の表示装置の構成を例示する模式的断面図である。
【図14】第2の実施形態に係る別の表示装置の構成を例示する模式的断面図である。
【図15】図15(a)〜図15(c)は、第2の実施形態に係る別の表示装置の構成を例示する模式的断面図である。
【図16】第2の実施形態に係る別の表示装置の構成を例示する模式的断面図である。
【図17】第2の実施形態に係る別の表示装置の構成を例示する模式的断面図である。
【図18】第5の実施形態に係る表示装置の構成を例示する模式的断面図である。
【図19】第6の実施形態に係る表示装置の構成を例示する模式的断面図である。
【図20】図20(a)〜図20(c)は、第7の実施形態に係る表示装置の構成を例示する模式図である。
【図21】図21(a)〜図21(c)は、第7の実施形態に係る別の表示装置の構成を例示する模式的断面図である。
【図22】図22は、第7の実施形態に係る別の表示装置の構成を例示する模式的断面図である。
【図23】図23(a)〜図23(c)は、第7の実施形態に係る別の表示装置の構成を例示する模式的断面図である。
【図24】第7の実施形態に係る別の表示装置の構成を例示する模式的断面図である。
【図25】第8の実施形態に係る表示装置の構成を例示する模式的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本発明の各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0009】
(第1の実施形態)
図1(a)〜図1(c)は、第1の実施形態に係る表示装置の構成を例示する模式図である。
図1(a)は平面図である。図1(b)は、図1(a)のA1−A2線断面図である。図1(c)は、図1(a)のA3−A2線断面図であり、図1(b)の部分拡大図である。
【0010】
図1(a)〜図1(c)に表したように、本実施形態に係る表示装置110は、第1基板11と、第2基板21と、表示層30と、シール部40と、凸部(第1凸部50)と、間隔調整層65と、を含む。
【0011】
第1基板11及び第2基板21には、例えば、ガラスなどの透明基板が用いられる。表示層30は、第1基板11と第2基板21との間に設けられる。
第1基板11は、第1基板11の表示層30に面する第1主面10aを有する。第2基板21は、第2基板21の表示層30に面する第2主面20aを有する。
【0012】
ここで、第1基板11から第2基板21に向かう方向に対して平行な軸をZ軸(第1軸)とする。Z軸に対して垂直な1つの軸をX軸(第2軸)とする。Z軸とX軸とに対して垂直な軸をY軸(第3軸)とする。
Z軸は、第1主面10aに対して垂直である。Z軸は、第2主面20aに対して垂直である。
【0013】
例えば、表示装置110が液晶表示装置である場合は、表示層30として、液晶層31が用いられる。また、表示装置110が、例えば発光型の有機EL表示装置である場合は、表示層30として、有機発光層が用いられる。以下では、表示層30が液晶層31である場合として説明する。
【0014】
シール部40は、第1基板11と第2基板21との間において、表示層30を囲む。シール部40には、例えば、エポキシ樹脂等の有機材料が用いられる。シール部40は、第1基板11と第2基板21とを接合(例えば接着)する。シール部40には、例えば、液状の組成物が、硬化したものを用いることができる。なお、この硬化の際に、例えば、加熱及び光照射など少なくともいずれかの処理が行われても良い。すなわち、表示装置110の製造工程において、例えば、シール部40は流動性の材料から形成される。
【0015】
この例では、第1凸部50は、第1基板11の表示層30に面する第1主面10a上のシール部40の外側において設けられる。図1(a)に表したように、第1凸部50は、シール部40の外縁40oに沿って設けられる。第1凸部50は、例えば、外縁40oに沿う。
【0016】
間隔調整層65は、シール部40の外側において、シール部40の外縁40oに沿って設けられる。間隔調整層65は、Z軸に沿ってみたときに、第1凸部50と重なる部分を有する。以下では、間隔調整層65として、第2凸部60を用いる例について説明する。
【0017】
第2凸部60は、シール部40の外側において第2基板21の表示層30に面する第2主面20a上に設けられる。図1(a)に表したように、第2凸部60は、外縁40oに沿う。図1(b)に表したように、第2凸部60は、第1凸部50と接する。第2凸部60は、第1凸部50と当たる。
【0018】
第1凸部50と第2凸部60とは、Z軸に沿って互いに対向する。例えば、第1基板11の1つの辺に対して平行な軸をX軸とする。シール部40は、例えば、X軸に沿って延在する部分と、Y軸に沿って延在する部分と、を有する。
【0019】
シール部40で囲まれた領域内に、表示層30(液晶層31)が設けられる。シール部40で囲まれた領域を、表示領域30aとする。シール部40よりも外側を外側領域30oとする。
【0020】
すなわち、表示装置110において、表示領域30aと、外側領域30oと、が設定される。第1基板11において、シール部40の内側となる表示領域30aと、シール部40の外側となる外側領域30oと、が設けられる。同様に、第2基板21において、シール部40の内側となる表示領域30aと、シール部40の外側となる外側領域30oと、が設けられる。
【0021】
図1(c)は、表示装置110の表示領域30aの周辺部分と、シール部40と、外側領域30oと、の構成の例を示している。
【0022】
図1(c)に表したように、この例では、第1基板部10と、第2基板部20と、が用いられる。第1基板部10は、第1基板11を含む。この例では、第1基板部10は、配線12と、スイッチング素子13と、層間絶縁層14と、画素電極15と、をさらに含む。複数の配線12が設けられる。複数の配線12は、例えばX軸に沿って延在する。この図では、1つの配線12が図示されている。複数の別の配線(図1(a)に例示した配線12a)が、さらに設けられる。別の配線(配線12a)は、例えばY軸に沿って延在する。スイッチング素子13は、複数設けられる。複数のスイッチング素子13のそれぞれは、複数の配線12のいずれかと、複数の別の配線(配線12a)のいずれかと、接続される(図1(a)参照)。複数のスイッチング素子13は、X軸とY軸とに沿ってマトリクス状に設けられる。
【0023】
層間絶縁層14は、配線12、別の配線(配線12a)、及び、スイッチング素子13を覆う。層間絶縁層14の上に、画素電極15が設けられる。画素電極15は、層間絶縁層14に設けられる開口部を介して、スイッチング素子13と接続される。
【0024】
第2基板部20は、第2基板21を含む。この例では、第2基板部20は、遮光層22(例えば、ブラックマトリクス)と、着色層23と、オーバーコート層24と、対向電極25と、をさらに含む。遮光層22には、例えば、金属、金属化合物及び樹脂の少なくともいずれかが用いられる。着色層23のいずれかは、例えば青色であり、着色層23の別のいずれかは、例えば緑色であり、着色層23の別のいずれかは、例えば赤色である。複数の着色層23のそれぞれは、複数の画素電極15のそれぞれと、対向する。遮光層22は、表示領域30aの周辺部分を遮蔽する。オーバーコート層24は、遮光層22及び着色層23を覆う。対向電極25は、オーバーコート層24の上に設けられる。これらの要素は必要に応じて設けられ、場合によっては省略される。着色層23及びオーバーコート層24の少なくともいずれかには、アクリル系樹脂またはポリイミド系樹脂などが用いられる。
【0025】
この例では、第1基板部10はアレイ基板部であり、第2基板部20は対向基板部である。そして、第1基板部10の第1基板11の第1主面10a上に凸部(第1凸部50)が設けられている。但し、実施形態はこれに限らず、第1基板部10が対向基板部で、第2基板部20がアレイ基板部でも良い。すなわち、第1基板部10の第1基板11の第1主面10a上に、遮光層、着色層、オーバーコート層及び対向電極などが設けられても良い。そして、第2基板部20の第2基板21の第2主面20a上にスイッチング素子及び画素電極15が設けられても良い。この場合において、対向基板部側の主面上に凸部が設けられる。
【0026】
画素電極15と対向電極25との間に電圧が印加され、液晶層31に電圧が印加され、液晶層31の光学特性が変化する。第1基板11の外側、及び、第2基板21の外側に、偏光層(図示しない)が設けられる。光学特性の変化が、透過率の変化に変換される。これにより、表示装置110は表示を行う。
【0027】
なお、対向電極25は、第1基板部10に設けられても良い。この場合は、Z軸に対して垂直な成分を有する電界が液晶層31に印加され、これにより、光学特性が変化する。このように、液晶層31の構成及び動作モードは任意である。
【0028】
また、表示層30として、有機ELが用いられる場合は、スイッチング素子13を介して有機発光層32(図1(a)〜図1(c)参照)に電流が供給され、所望の光が放出される。
【0029】
この例では、表示装置110は、複数の間隔保持部55(スペーサ)をさらに含んでいる。間隔保持部55は、シール部40で囲まれた内部(表示領域30a内)に設けられる。この例では、間隔保持部55は、第1基板11の第1主面10a上に設けられている。複数の間隔保持部55のそれぞれは、第1基板11と第2基板21との間の間隔を保持する。
【0030】
本願明細書において、「上に設けられる状態」は、直接接して設けられる状態の他に、間に別の要素が挿入されて設けられる状態も含む。
【0031】
この例では、複数の間隔保持部55は、層間絶縁層14の上に設けられている。この層間絶縁層14は、第1基板11の第1主面10aの上に設けられた配線12の上を覆っており、この例では、層間絶縁層14のうちの配線12を覆う部分の上に、間隔保持部55が設けられている。この場合も、間隔保持部55は、第1基板11の第1主面10a上に設けられる場合に含まれる。このように、この例では、間隔保持部55は、第1基板部10の上に設けられる。
【0032】
間隔保持部55には、例えば、有機樹脂材料を用いることができる。間隔保持部55には、例えば、アクリル系樹脂やポリイミド樹脂を用いることができる。ただし、間隔保持部55には、任意の材料を用いることができる。間隔保持部55は、絶縁性であることが望ましい。
【0033】
この例では、第1凸部50は、第1基板11の上に設けられた層間絶縁層14の上に設けられている。すなわち、第1凸部50は、第1基板部10の上に設けられている。この場合も、第1凸部50は、第1基板11の第1主面10a上に設けられる場合に含まれる。
【0034】
第1凸部50は、間隔保持部55に含まれる材料と同じ材料を含むことができる。例えば、第1凸部50には、間隔保持部55に用いられる材料と同じ材料を用いることができる。この場合には、第1凸部50は、間隔保持部55と同時に、一括して形成することができ、高い生産性が得られる。なお、間隔調整層65(例えば第2凸部60)が、間隔保持部55に含まれる材料と同じ材料を含んでも良い。
【0035】
この例では、第2凸部60は、対向電極25の上に設けられている。この対向電極25は、第2基板21の第2主面20aの上に設けられた遮光層22及びその上に設けられたオーバーコート層24の上に設けられている。この場合も、第2凸部60は、第2基板21の第2主面20a上に設けられる場合に含まれる。このように、この例では、第2凸部60は、第2基板部20の上に設けられる。
【0036】
第2凸部60には、例えば、有機樹脂材料を用いることができる。第2凸部60には、例えば、アクリル系樹脂やポリイミド樹脂を用いることができる。ただし、第2凸部60には、任意の材料を用いることができる。第2凸部60は、絶縁性であることが望ましい。
【0037】
表示層30として液晶層31を用いる場合、液晶層31の厚さは、例えば2マイクロメートル(μm)以上8μm以下程度である。このとき、間隔保持部55は、液晶層31の厚さと実質的に同じ厚さ(高さ)を有する。
【0038】
第1凸部50の高さは、間隔保持部55の高さと実質的に同じ高さとすることができる。第2凸部60の高さは、例えば、0.5μm以上3μm以下とすることができる。
【0039】
第1凸部50の幅(表示領域30aから外側領域30oに向かう方向に沿った長さであり、図1(c)では、Y軸に沿った長さ)は、例えば、10μm以上100μm以下である。ここで、第1凸部50の幅は、その第1凸部50が沿っているシール部40の外縁40oの延在軸と直交する軸に沿う、第1凸部50の長さである。
【0040】
第2凸部60の幅(表示領域30aから外側領域30oに向かう方向に沿った長さであり、図1(c)では、Y軸に沿った長さ)は、例えば、10μm以上100μm以下である。ここで、第2凸部60の幅は、その第2凸部60が沿っているシール部40の外縁40oの延在軸と直交する軸に沿う、第2凸部60の長さである。第2凸部60の幅は、第1凸部50の幅以下でも、以上でも良い。
【0041】
以下、本実施形態に係る表示装置の製造方法の例について説明する。
図2は、第1の実施形態に係る表示装置の製造方法を例示するフローチャート図である。
図3(a)及び図3(b)は、第1の実施形態に係る表示装置の製造方法を例示する模式的平面図である。
すなわち、図3(a)は平面図である。図3(b)は、図3(a)の一部PAを示す拡大平面図である。
図4は、第1の実施形態に係る表示装置の製造方法を例示する模式的断面図である。
図4は、図3(a)のA1−A2線断面図である。
【0042】
図2に表したように、本実施形態に係る表示装置の製造方法は、構造体の形成(ステップS110)と、分断(ステップS120)と、を含む。
【0043】
図3(a)及び図4に表したように、本実施形態に係る表示装置の製造方法においては、構造体110sを形成する。
【0044】
構造体110sは、第1元基板11Mと、第2元基板21Mと、シール部40と、第1凸部50と、第2凸部60と、を含む。
【0045】
この例は、1組の第1元基板11M及び第2元基板21Mから、2つの表示装置110(表示装置110a及び110b)を一括して作製する例である。なお、1組の第1元基板11M及び第2元基板21Mから作製される表示装置110の数は任意である。
【0046】
後述するように、第1元基板11Mがカットされて第1基板11が形成される。第2元基板21Mがカットされて第2基板21が形成される。
【0047】
第1元基板11Mと第2元基板21Mとの間に、表示領域30aが設けられる。この例では、2つの表示領域30aが設けられる。シール部40は、第1元基板11Mと第2元基板21Mとの間に設けられる表示領域30aを囲む。
【0048】
第1凸部50は、シール部40の外側において、第1元基板11Mの第2元基板21Mに面する第1主面10a上に設けられる。第1凸部50は、シール部40の外縁40oに沿う。
【0049】
第2凸部60は、シール部40の外側において、第2元基板21Mの第1元基板11Mに面する第2主面20a上に設けられる。第2凸部60は、シール部40の外縁40oに沿う。第2凸部60は、第1凸部50と接する。第2凸部60は、第1凸部50と当たる。
【0050】
そして、本製造方法においては、さらに、第1元基板11Mのうちのシール部40よりも外側の部分を第1元基板11Mのうちのシール部40よりも内側の部分から分断し、第2元基板21Mのうちのシール部40よりも外側の部分を第2元基板21Mのうちのシール部40よりも内側の部分から分断する(ステップS120)。
【0051】
図3(a)に表したように分断線DL1〜DL6に沿って、第1元基板11M及び第2元基板21Mをカットする。なお、分断線DL1、DL2、DL3及びDL6においては、第1元基板11M及び第2元基板21Mをカットする。分断線DL4においては、第2元基板21Mをカットする。分断線DL5においては、第1元基板11Mをカットする。これにより、2つの表示装置110(表示装置110a及び110b)が得られる。
【0052】
なお、ステップS110において形成される構造体110sは、表示層30が形成された後の状態を有していても良い。この場合には、液晶層31(または有機発光層32など)の表示層30が第1元基板11Mと第2元基板21Mとの間に挟まれた状態で、ステップS120が実施される。
【0053】
また、ステップS110において形成される構造体110sは、表示層30が形成される前の状態を有していても良い。この場合には、例えば、第1元基板11Mと第2元基板21Mとの間に空間がある状態でステップS120が実施される。そして、この後、分断された表示装置110a及び110bのそれぞれのその空間に液晶が注入され、液晶層31(表示層30)が形成される。
このように、本製造方法は、種々に変形が可能である。
【0054】
図3(b)に表したように、第1凸部50及び第2凸部60は、シール部40の外縁40oに沿っている。
【0055】
この例では、図3(b)及び図4に表したように、表示装置110aの側の第1凸部50と表示装置110bの側の第1凸部50との間、及び、表示装置110aの側の第2凸部60と表示装置110bの側の第2凸部60との間に、分断線DL2が設けられる。
【0056】
第1凸部50と第2凸部60とが互いに接し(当接し)、第1凸部50は、第2凸部60と密着している。すなわち、第1凸部50は、第2凸部60と共に、壁を形成する。このため、例えば、シール部40の位置が設計位置からずれた場合や、シール部40の幅が設計値から大きくなった場合においても、第1凸部50及び第2凸部60による壁により、シール部40となる液状の組成物が堰き止められる(組成物の流れが止められる)。これにより、このような場合においても、分断線DL2は、シール部40と重なることがない。これにより、カット不良の発生が抑制される。
【0057】
また、シール部40が、分断線DL2と重ならないため、シール部40と分断線DL2とを近づけることができる。これにより、額縁の幅を狭くすることができる。なお、額縁の幅は、例えば、表示領域30aの端から、第1基板11及び第2基板21の端までの距離である。
このように、本実施形態においては、狭額縁の表示装置が提供できる。
【0058】
なお、第1凸部50が、間隔保持部55と同時に一括して形成されるときには、間隔保持部55の上面の高さよりも、第1凸部50の上面の高さの方が低くなりやすい。
【0059】
これは、図1(c)に例示したように、間隔保持部55は、画素(例えば画素電極15に対応する)どうしの間に配置され、間隔保持部55が、第1基板部10に含まれる種々の層(例えば、配線12など)の上に設けられることが起因する。このため、その層の厚さだけ、間隔保持部55の上面の高さよりも、第1凸部50の上面の高さの方が低くなる。
【0060】
このとき、第1凸部50に接する(当接する)第2凸部60を設けない場合においては、第1凸部50と第2基板部20との間に隙間が生じる。この隙間が存在すると、シール部40の材料(液状の組成物)はこの隙間を通って、分断線(例えば分断線DL2)の位置に進入する。分断線の下にシール部40となる材料が入り込むと、元基板のカットの際にカット不良が発生する。
【0061】
このため、第2凸部60を設けない場合には、シール部40の位置を第1基板11の端及び第2基板21の端に十分に近づけることができない。このため、額縁の幅を狭めることに限界がある。
【0062】
これに対して、本実施形態に係る表示装置110においては、第1凸部50と、第1凸部50と接する(当接する)第2凸部60と、を設けることで、第1凸部50及び第2凸部60が壁を形成する。これにより、分断線DL2は、シール部40と重ならず、カット不良の発生が抑制される。そして、狭額縁の表示装置が提供できる。
【0063】
第1凸部50及び第2凸部60が壁を形成できるように、第1凸部50は、シール部40の外縁40oに沿い、第2凸部60は、シール部40の外縁40oに沿う。第1凸部50及び第2凸部60は、シール部40の外縁40oに沿って連続的に設けられることが望ましい。なお、表示装置110に、液晶を注入するための注入口が設けられる場合には、注入口を形成する部分のシール部40には、第1凸部50及び第2凸部60は沿っていなくても良い。
【0064】
第1凸部50及び第2凸部60が壁を形成し、シール部40を分断線と重ならないように制御できれば、第1凸部50及び第2凸部60の少なくともいずれかは、不連続であっても良い。
【0065】
第2凸部60の全ては、第1凸部50と接している(当接している)ことが好ましい。これにより、シール部40となる材料を堰き止める効果が高まる、ただし、第1凸部50及び第2凸部60が壁を形成し、シール部40の材料を堰き止め、シール部40と分断線とが実質的に重ならないようにできれば、第2凸部60の一部が、第1凸部50と離間していても良い。例えば、製造工程におけるばらつきなどにより、第1凸部50及び第2凸部60の少なくともいずれかの一部の高さが、他よりも低い場合が生じることがある。
【0066】
また、第1凸部50及び第2凸部60によって形成される壁と、シール部40と、の間の空間に含まれる気体が、その空間外と出入りが可能なように、第1凸部50と第2凸部60との間に部分的に若干の隙間を作製しておいても良い。これにより、表示装置の温度変化によって生じる可能性がある不良を抑制することができる。
【0067】
このように、第1凸部50と第2凸部60との間に部分的に若干の隙間が形成される場合においても、第1凸部50及び第2凸部60が全体として壁を形成し、シール部40の材料を堰き止める(すなわち、シール部40の材料の流れを止める)ことで、カット不良の発生を抑制し、狭額縁の表示装置が提供できる。
【0068】
図5は、第1の実施形態に係る表示装置の構成を例示する模式的断面図である。
同図は、表示装置110の周辺部分の構成を例示している。
図5に表したように、本実施形態に係る表示装置110において、シール部40は、第1凸部50及び第2凸部60の少なくともいずれかと接していても良い。例えば、製造工程のばらつきなどにより、表示装置110aの側では、シール部40が、第1凸部50及び第2凸部60と接し、表示装置110bの側では、シール部40が、第1凸部50及び第2凸部60と離れていることもある。
【0069】
このような場合においても、第1凸部50及び第2凸部60が壁を形成し、これによりシール部40の材料は堰き止められる。
【0070】
図6(a)〜図6(c)は、第1の実施形態に係る別の表示装置の構成を例示する模式的断面図である。
これらの図は、実施形態に係る表示装置の周辺部分の構成を例示している。
【0071】
図6(a)に表したように、表示装置111においては、分断線DL2と第2凸部60とが重なる。すなわち、表示装置111aと表示装置111bとの境界上に第2凸部60が設けられている。表示装置111aにおいて設けられる第1凸部50が、第2凸部60の一部と、接触している。表示装置111bにおいて設けられる第1凸部50が、第2凸部60の別の一部と、接触している。このように、第2凸部60は、隣接する表示装置111a及び111bで共有されても良い。
【0072】
図6(b)に表したように、表示装置112においては、分断線DL2と第1凸部50とが重なる。すなわち、表示装置112aと表示装置112bとの境界上に第1凸部50が設けられている。表示装置112aにおいて設けられる第2凸部60が、第1凸部50の一部と、接触している。表示装置112bにおいて設けられる第2凸部60が、第1凸部50の別の一部と、接触している。このように、第1凸部50は、隣接する表示装置112a及び112bで共有されても良い。
【0073】
図6(c)に表したように、表示装置113においては、第1凸部50及び第2凸部60は、分断線DL2と重なる。すなわち、表示装置113aと表示装置113bとの境界上に、第1凸部50と、第2凸部60と、が設けられている。第1凸部50及び第2凸部60は、隣接する表示装置113a及び113bで共有されても良い。
【0074】
図7は、第1の実施形態に係る別の表示装置の構成を例示する模式的断面図である。
図7に表したように、表示装置114においては、第1凸部50と第2凸部60は、シール部40と接している。すなわち、互いに隣接する表示装置114aと表示装置114bとの境界上に第1凸部50と第2凸部60とが設けられ、シール部40は、第1凸部50及び第2凸部60に密着している。この構成により、非常に狭い額縁が得られる。この場合においても、第1凸部50及び第2凸部60が壁となるため、分断線DL2とシール部40とが重ならない。これにより、カット不良の発生を抑制できる。
【0075】
図8(a)〜図8(c)及び図9は、第1の実施形態に係る別の表示装置の構成を例示する模式的断面図である。
これらの図は、図6(a)〜図6(c)及び図7に例示した状態から第1元基板11M及び第2元基板21Mをカットして形成された表示装置111〜114の端面部分を示している。
【0076】
図8(a)〜図8(c)及び図9に表したように、第1凸部50は、第1外端面50eと第1内端面50fとを有する。第1外端面50e及び第1内端面50fは、第1主面10aに対して非平行である。第1内端面50fは、シール部40の外縁40oに対向する。第1外端面50eは、第1内端面50fとは反対側の面である。第1外端面50eは、表示装置の外部に面している。
【0077】
第2凸部60は、第2外端面60eと第2内端面60fとを有する。第2外端面60e及び第2内端面60fは、第2主面20aに対して非平行である。第2内端面60fは、シール部40の外縁40oに対向する。第2外端面60eは、第2内端面60fとは反対側の面である。第2外端面60eは、表示装置の外部に面している。
【0078】
第1基板11は、第1主面10aに対して非平行な端面(例えば第1基板端面11e)を有している。第2基板21は、第2主面20aに対して非平行な端面(例えば第2基板端面21e)を有している。
【0079】
図8(a)に表したように、表示装置111においては、第2外端面60eは、第2基板21の1つの端面(第2基板端面21e)が含まれる平面内に位置する。これは、図6(a)に例示したように、第2基板21と第2凸部60とが、1つの分断線DL2で一括して分断されることに起因する。
【0080】
図8(b)に表したように、表示装置112においては、第1外端面50eは、第1基板11の1つの端面(第1基板端面11e)が含まれる平面内に位置する。これは、図6(b)に例示したように、第1基板11と第1凸部50とが、1つの分断線DL2で一括して分断されることに起因する。
【0081】
図8(c)に表したように、表示装置113においては、第1外端面50e及び第2外端面60eは、第1基板11の1つの端面(第1基板端面11e)が含まれる平面内に位置する。第1外端面50e及び第2外端面60eは、第2基板21の1つの端面(第2基板端面21e)が含まれる平面内に位置する。これは、図6(c)に例示したように、第1基板11、第2基板21、第1凸部50及び第2凸部60が、1つの分断線DL2で一括して分断されることに起因する。
【0082】
図9に表したように、表示装置114においても、第1外端面50e及び第2外端面60eは、第1基板11の1つの端面(第1基板端面11e)が含まれる平面内に位置する。第1外端面50e及び第2外端面60eは、第2基板21の1つの端面(第2基板端面21e)が含まれる平面内に位置する。
【0083】
このように、表示装置112、113及び114においては、凸部(第1凸部50)の外端面(第1外端面50e)の少なくとも一部は、第1基板11の1つの端面(第1基板端面11e)が含まれる平面内に位置する。第1凸部50の少なくともいずれかは、分断線DL2の位置と重なる。これにより、額縁をさらに狭くできる。
【0084】
第1基板11の第1主面10a内の第1方向(例えばY軸方向)の1つの端(第1基板端面11e)の第1方向の位置は、凸部(第1凸部50)のうちで上記の1つの端を含む外縁40oに設けられている部分の上記の第1方向の端(第1外端面50e)の上記の第1方向の位置上にある。
【0085】
さらに、表示装置114においては、シール部40を第1凸部50及び第2凸部60に接触させることで、額縁をさらに狭くできる。
【0086】
(第2の実施形態)
図10は、第2の実施形態に係る表示装置の構成を例示する模式的断面図である。
同図は、図1(a)のA3−A2線断面に相当する断面図である。
図10に表したように、本実施形態に係る表示装置120は、第1基板11と、第2基板21と、表示層30と、シール部40と、第1凸部50と、第2凸部60と、を含む。
【0087】
この場合も、第1凸部50は、シール部40の外側において第1基板11の表示層30に面する第1主面10a上に設けられる。第1凸部50は、シール部40の外縁40oに沿う。
【0088】
第2凸部60は、シール部40の外側において第2基板21の表示層30に面する第2主面20a上に設けられる。第2凸部60は、外縁40oに沿い、第2凸部60は、第1凸部50と接する。第2凸部60は、第1凸部50に当接している。
【0089】
表示装置120においては、第2凸部60は、積層構造を有している。すなわち、第2基板21の第2主面20a上に、遮光層22と、着色層23と、オーバーコート層24と、対向電極25と、が、この順で設けられている。そして、第2凸部60は、第1凸部用着色層23pを含む。第1凸部用着色層23pは、シール部40の外側において第2基板21の表示層30に面する第2主面20a上に設けられる。第1凸部用着色層23pは、外縁40oに沿う。このような第1凸部用着色層23pの上に、オーバーコート層24と、対向電極25と、が、この順で設けられている。この例では、シール部40の外側の領域において、第1凸部用着色層23pと、その上に設けられるオーバーコート層24及び対向電極25と、が、設けられ、これらの積層膜が、第2凸部60に含まれる。
【0090】
このように、表示装置120は、シール部40で囲まれた内部において第2基板21の第2主面20a上に設けられた着色層23をさらに含むことができる。そして、第2凸部60は、着色層23に含まれる材料と同じ材料を含む。この場合は、第2凸部60は、着色層23に含まれる材料で形成される第1凸部用着色層23pを含んでいる。
【0091】
なお、既に説明したように、着色層23は、例えば、青、緑及び赤などの互いに異なる色の層を含むことができ、第1凸部用着色層23pには、任意の色の材料を用いることができる。間隔調整層65(第2凸部60)は、青色の部分、及び、緑色の部分の少なくともいずれかを含むことができる。第1凸部用着色層23pが青色または緑色であると、第1凸部用着色層23pが目立ち難い。特に、青色は視認性が低いため、第1凸部用着色層23pが青色であることが、外観上好ましい。
【0092】
このように、第2凸部60の少なくとも一部として、着色層23と同様の層を用いることができ、これにより、第2凸部60を生産性良く形成することができる。
【0093】
表示装置120も、既に説明したステップS110とステップS120とを含む製造方法により製造できる。
【0094】
図11は、第2の実施形態に係る表示装置の製造方法を例示する模式的断面図である。
図11は、図3(a)のA1−A2線断面図に相当する断面図である。
図11に表したように、表示装置120においても、複数の表示装置120(表示装置120a及び120b)を一括して製造できる。
【0095】
図11に表したように、表示装置120aの側の第1凸部50及び第2凸部60と、表示装置120bの側の第1凸部50及び第2凸部60と、の間に、分断線DL2が設けられる。
【0096】
この場合も、第1凸部50と第2凸部60とが互いに接し(当接し)、第1凸部50は第2凸部60と共に、壁を形成する。この壁により、シール部40となる材料が堰き止められる。これにより、カット不良の発生が抑制される。また、狭額縁の表示装置が提供できる。
【0097】
図12(a)〜図12(c)は、第2の実施形態に係る別の表示装置の構成を例示する模式的断面図である。
これらの図は、本実施形態に係る表示装置の周辺部分の構成を例示している。
【0098】
図12(a)に表したように、表示装置121においては、分断線DL2と第2凸部60とが重なる。表示装置121aと表示装置121bとの境界上に、第1凸部用着色層23pを含む第2凸部60が設けられている。第1凸部用着色層23pを含む第2凸部60は、隣接する表示装置121a及び121bで共有されても良い。
【0099】
図12(b)に表したように、表示装置122においては、分断線DL2と第1凸部50とが重なる。表示装置122aと表示装置122bとの境界上に第1凸部50が設けられている。表示装置122a及び122bのそれぞれにおいて、第1凸部用着色層23pを含む第2凸部60が設けられている。
【0100】
図12(c)に表したように、表示装置123においては、第1凸部50、及び、第1凸部用着色層23pを含む第2凸部60が、分断線DL2と重なる。表示装置123aと表示装置123bとの境界上に、第1凸部50と、第1凸部用着色層23pを含む第2凸部60と、が設けられている。
【0101】
図13は、第2の実施形態に係る別の表示装置の構成を例示する模式的断面図である。 図13に表したように、本実施形態に係る表示装置124においては、第2凸部60は、積層された複数の着色層を含む。すなわち、第1凸部用着色層23pの上に、第2凸部用着色層23qが設けられている。第1凸部用着色層23pの色は、第2凸部用着色層23qの色とは異なる。なお、第2凸部用着色層23qの上に、さらに、別の凸部用着色層を設けても良い。第2凸部60は、第1凸部用着色層23p及び第2凸部用着色層23qを含む。この例では、第2凸部60は、さらに、遮光層22とオーバーコート層24とを含む。
【0102】
第2凸部60が複数の凸部用着色層(第1凸部用着色層23p及び第2凸部用着色層23qなど)を含むことで、第2凸部60の高さが高くできる。これにより、第2凸部60は、第1凸部50とより強固に密着する。
【0103】
図14は、第2の実施形態に係る別の表示装置の構成を例示する模式的断面図である。 図14に表したように、表示装置125においては、第2凸部60が第1凸部用着色層23pを含む。そして、第1凸部50と第2凸部60は、シール部40と接している。すなわち、互いに隣接する表示装置125aと表示装置125bとの境界上に第1凸部50と第2凸部60とが設けられ、シール部40は、第1凸部50及び第2凸部60に密着している。これにより、非常に狭い額縁が得られる。この場合も、第1凸部50及び第2凸部60が壁となり、分断線DL2とシール部40とが重ならないため、カット不良の発生を抑制できる。
【0104】
図11、図12(a)〜図12(c)、図13及び図14においては、図を見やすくするために、対向電極25の図示を省略している。
【0105】
図15(a)〜図15(c)並びに図16は、第2の実施形態に係る別の表示装置の構成を例示する模式的断面図である。
これらの図は、図12(a)〜図12(c)及び図14に例示した状態から第1元基板11M及び第2元基板21Mをカットして形成された表示装置121〜123及び125の端面部分を示している。
【0106】
これらの図に表したように、第1凸部50は、第1外端面50eと第1内端面50fとを有する。第2凸部60は、第2外端面60eと第2内端面60fとを有する。第2凸部60は、第1凸部用着色層23pを含んでおり、第2凸部60の第2外端面60eが含まれる平面内に、第1凸部用着色層23pの端面23peは位置する。
【0107】
図15(a)に表したように、表示装置121においては、第2外端面60eは、第2基板21の1つの端面(第2基板端面21e)が含まれる平面内に位置する。例えば、第1凸部用着色層23pの端面23peは、第2基板21の1つの端面(第2基板端面21e)が含まれる平面内に位置する。これは、第2基板21と第2凸部60とが、1つの分断線DL2で一括して分断されることに起因する。
【0108】
図15(b)に表したように、表示装置122においては、第1外端面50eは、第1基板11の1つの端面(第1基板端面11e)が含まれる平面内に位置する。これは、第1基板11と第1凸部50とが、1つの分断線DL2で一括して分断されることに起因する。
【0109】
図15(c)に表したように、表示装置123においては、第1外端面50e及び第2外端面60eは、第1基板11の1つの端面(第1基板端面11e)が含まれる平面内に位置する。第1外端面50e及び第2外端面60eは、第2基板21の1つの端面(第2基板端面21e)が含まれる平面内に位置する。これは、第1基板11、第2基板21、第1凸部50及び第2凸部60が、1つの分断線DL2で一括して分断されることに起因する。この例では、第1凸部用着色層23pの端面23peは、第2基板21の1つの端面(第2基板端面21e)が含まれる平面内に位置する。第1凸部用着色層23pの端面23peは、第1基板11の1つの端面(第1基板端面11e)が含まれる平面内に位置する。
【0110】
図16に表したように、表示装置125においても、第1外端面50e及び第2外端面60eは、第1基板11の1つの端面(第1基板端面11e)が含まれる平面内に位置する。第1外端面50e及び第2外端面60eは、第2基板21の1つの端面(第2基板端面21e)が含まれる平面内に位置する。この例では、第1凸部用着色層23pの端面23peは、第2基板21の1つの端面(第2基板端面21e)が含まれる平面内に位置する。第1凸部用着色層23pの端面23peは、第1基板11の1つの端面(第1基板端面11e)が含まれる平面内に位置する。
【0111】
図17は、第2の実施形態に係る別の表示装置の構成を例示する模式的断面図である。 図17に表したように、実施形態に係る表示装置126においては、表示装置124において、第1凸部50と第2凸部60がシール部40と接している構成を有する。すなわち、第2凸部60は、積層された複数の着色層(例えば、第1凸部用着色層23p、及び、第1凸部用着色層23pの上に設けられた第2凸部用着色層23q)を含む。第1凸部用着色層23pの色は、第2凸部用着色層23qの色とは異なる。なお、第2凸部用着色層23qの上に、さらに、別の凸部用着色層を設けても良い。第2凸部60は、第1凸部用着色層23p及び第2凸部用着色層23qを含む。
【0112】
この場合も、第1外端面50e及び第2外端面60eは、第1基板11の1つの端面(第1基板端面11e)が含まれる平面内に位置する。第1外端面50e及び第2外端面60eは、第2基板21の1つの端面(第2基板端面21e)が含まれる平面内に位置する。この例では、第1凸部用着色層23pの端面23peは、第2基板21の1つの端面(第2基板端面21e)が含まれる平面内に位置する。第2凸部60に含まれる第2凸部用着色層23qの端面23qeは、第2凸部60の第2外端面60eが含まれる平面内に位置する。
【0113】
上記の構成においては、第1凸部50及び第2凸部60の少なくともいずれかは、分断線(例えば分断線DL2)の位置と重なる。これにより、額縁をさらに狭くできる。さらに、シール部40を第1凸部50及び第2凸部60に接触させることで、額縁をさらに狭くできる。
【0114】
(第3の実施形態)
本実施形態は、表示装置用基板に係る。
表示装置用基板は、例えば、図1(a)〜図1(c)に例示した第2基板部20である。表示装置用基板は、第1の実施形態に関して説明した表示装置110〜114、及び、第2の実施形態に関して説明した表示装置120〜126のいずれかに関して説明した第2基板部20である。
【0115】
すなわち、表示装置用基板(第2基板部20)は、表示装置(例えば表示装置110など)に含まれるその2枚の基板の少なくともいずれかとして使用される。この表示装置は、2枚の基板(例えば第1基板11と第2基板21)と、それらの基板どうしの間に設けられた表示層30と、基板どうしの間において表示層30を取り囲むシール部40と、を含む。
【0116】
表示装置用基板(第2基板部20)は、板状の基体(例えば第2基板21)と、凸部(例えば第2凸部60)と、を含む。
【0117】
基体(例えば第2基板21)は、シール部40の内側となる表示領域30aと、シール部40の外側となる外側領域30oと、が設けられた主面(例えば第2主面20a)を有する。
【0118】
凸部(第2凸部60)は、その主面(第2主面20a)の外側領域30oに設けられる。凸部(第2凸部60)は、シール部40の外縁40oとなるラインに沿う。
これにより、狭額縁の表示装置を実現する表示装置用基板が提供できる。
【0119】
既に説明したように、本実施形態に係る表示装置用基板(第2基板部20)は、その主面(第2主面20a)の表示領域30aに設けられた着色層23をさらに含むことができる。このとき、凸部(第2凸部60)は、着色層23に含まれる材料と同じ材料を含むことができる。すなわち、凸部は、既に説明した第1凸部用着色層23p(及び第2凸部用着色層23qなど)を含むことができる。
【0120】
なお、本実施形態に係る表示装置用基板は、第2元基板21Mを含むことができる。すなわち、表示装置用基板において、複数の表示領域30aが設けられることができる。これにより、複数の表示装置を一括して製造できる。
【0121】
(第4の実施形態)
本実施形態は、表示装置の製造方法に係る。本製造方法の例は、既に図2に関して説明した通りである。
すなわち、本製造方法においては、例えば、第1元基板11Mと、第2元基板21Mと、シール部40と、第1凸部50と、第2凸部60と、を含む構造体110sを形成する(ステップS110)。そして、第1元基板11Mのうちのシール部40よりも外側の部分を第1元基板11Mのうちのシール部40よりも内側の部分から分断し、第2元基板21Mのうちのシール部40よりも外側の部分を第2元基板21Mのうちのシール部40よりも内側の部分から分断する(ステップS120)。
これにより、狭額縁の表示装置を生産性良く製造できる。
【0122】
(第5の実施形態)
図18は、第5の実施形態に係る表示装置の構成を例示する模式的断面図である。
図18に表したように、本実施形態に係る表示装置130においては、間隔調整層65が第1基板11の第1主面10a上に設けられる。すなわち、間隔調整層65として、高さ調整層66が用いられる。高さ調整層66は、例えば、第1基板11と第1凸部50との間に設けられる。本具体例では、高さ調整層66は、層間絶縁層14と第1凸部50との間に設けられている。ただし、実施形態は、これに限らず、高さ調整層66は、層間絶縁層14と第1基板11との間に設けられても良い。
【0123】
また、高さ調整層66は、第1凸部50の上に設けられても良い。このとき、高さ調整層66は、第1凸部50と第2基板部20との間に配置される。
【0124】
表示装置130においても、高さ調整層66と第1凸部50とがシールを堰き止める壁となり、カット不良の発生が抑制される。そして、狭額縁の表示装置が提供できる。
【0125】
(第6の実施形態)
図19は、第6の実施形態に係る表示装置の構成を例示する模式的断面図である。
図19に表したように、本実施形態に係る表示装置140においては、間隔調整層65が第2基板21の第2主面20a上に設けられる。すなわち、間隔調整層65として、第2主面20a上に設けられた高さ調整層67が用いられる。
【0126】
また、本具体例では、第2主面20a上に間隔保持部68(スペーサ)が設けられている。高さ調整層67は、間隔保持部68に含まれる材料と同じ材料を含むことができる。
【0127】
表示装置140においても、高さ調整層67と第1凸部50とがシールを堰き止める壁となり、カット不良の発生が抑制される。そして、狭額縁の表示装置が提供できる。
【0128】
(第7の実施形態)
図20(a)〜図20(c)は、第7の実施形態に係る表示装置の構成を例示する模式図である。
図20(a)は平面図である。図20(b)は、図20(a)のA1−A2線断面図である。図20(c)は、図20(a)のA3−A2線断面図であり、図20(b)の部分拡大図である。
【0129】
図20(a)〜図20(c)に表したように、本実施形態に係る表示装置150は、第1基板部10(アレイ基板部)と、第2基板部20(対向基板部)と、表示層30と、シール部40と、を含む。
【0130】
第1基板部10は、第1主面10aを有する第1基板11と、複数の画素電極15と、複数のトランジスタ(スイッチング素子13)と、を含む。複数の画素電極15は、第1主面10a上に設けられる。複数のトランジスタ(スイッチング素子13)は、第1主面10a上に設けられる。複数のトランジスタ(スイッチング素子13)のそれぞれは、複数の画素電極15のそれぞれに接続される。第1基板部10は、層間絶縁層14をさらに含むことができる。層間絶縁層14は、トランジスタ(スイッチング素子13)と画素電極15との間に設けられる。第1基板部10は、上記の他、配線12及び配線12aをさらに含むことができる。
【0131】
画素電極15、トランジスタ(スイッチング素子13)、層間絶縁層14、配線12及び配線12aの構成は、第1の実施形態に関して説明した構成を適用できるので説明を省略する。
【0132】
第2基板部20は、第2基板21を含む。第2基板21は、第1主面10aに対向する第2主面20aを有する。
【0133】
表示層30は、第1基板部10と第2基板部20との間に設けられる。表示層30には、例えば、液晶層31または有機発光層32などが用いられる。
【0134】
シール部40は、第1基板部10と第2基板部20との間において表示層30を囲む。この場合も、シール部40で囲まれた領域を、表示領域30aとする。シール部40よりも外側を外側領域30oとする。
【0135】
本実施形態においては、第2基板部20(対向基板部)は、凸部70と、間隔調整層80と、をさらに含む。間隔調整層80は、第2主面20a上のシール部40の外側(外側領域30o)においてシール部40の外縁40oに沿って設けられる。間隔調整層80は、第2基板21と凸部70との間において外縁40oに沿って設けられる。間隔調整層80は、第1基板11から第2基板21向かうZ軸方向に沿ってみたときに凸部70と重なる部分を有する。間隔調整層80は、第1主面10aに対して平行な平面に投影したときに、凸部70と重なる部分を有する。間隔調整層80は、凸部70と接する。
【0136】
表示装置150は、図2に関して説明した、構造体の形成(ステップS110)と、分断(ステップS120)と、を含む製造方法により製造できる。このとき、凸部70と間隔調整層80とが互いに接し、凸部70は、間隔調整層80と共に、壁を形成する。このため、例えば、シール部40の位置が設計位置からずれた場合や、シール部40の幅が設計値から大きくなった場合においても、凸部70及び間隔調整層80による壁により、シール部40となる液状の組成物の流れが止められる。これにより、このような場合においても、分断線DL2は、シール部40と重なることがない。これにより、カット不良の発生が抑制される。
【0137】
また、シール部40が、分断線DL2と重ならないため、シール部40と分断線DL2とを近づけることができる。これにより、額縁の幅を狭くすることができる。本実施形態によれば、狭額縁の表示装置が提供できる。
【0138】
この例では、第2基板部20(対向基板部)は、第2主面20a上に設けられた複数の着色層23をさらに含む。着色層23は、第1色を有する第1着色膜23aと、第2色を有する第2着色膜23bと、第3色を有する第3着色膜23cと、を含む。第2色は、第1色とは異なる。第3色は、第1色とは異なり、第2色とも異なる。例えば、第1色は赤であり、第2色は緑であり、第3色は青である。着色層23はカラーフィルタである。
【0139】
複数の着色層23のそれぞれは、複数の画素電極15のそれぞれに対向する。すなわち、第1主面10aに平行な平面に投影したときに、複数の着色層23のそれぞれは、複数の画素電極15のそれぞれと重なる。
【0140】
この例では、間隔調整層80として、着色層23の少なくとも一部が用いられる。間隔調整層80には、例えば、第1凸部用着色層23p、第2凸部用着色層23q及び第3凸部用着色層23rを含む積層膜23sが用いられる。例えば、第1凸部用着色層23pの上に第2凸部用着色層23qが設けられ、第2凸部用着色層23qの上に第3凸部用着色層23rが設けられる。例えば、第1凸部用着色層23p、第2凸部用着色層23q及び第3凸部用着色層23rのそれぞれには、例えば、第1着色膜23a、第2着色膜23b及び第3着色膜23cのそれぞれとなる膜を用いることができる。
【0141】
間隔調整層80として、着色層23となる、第1着色膜23a、第2着色膜23b及び第3着色膜23cのそれぞれとなる膜の2つの層の積層膜を用いても良い。すなわち、間隔調整層80には、第1着色膜23a、第2着色膜23b及び第3着色膜23cのうちの少なくとも2つの膜を含む積層膜23sを含むことができる。また、間隔調整層80は、第1着色膜23a、第2着色膜23b及び第3着色膜23cのいずれかを用いても良い。
【0142】
間隔調整層80は、着色層23に含まれる材料と同じ材料を含むことができる。間隔調整層80は、着色層23の形成の際に、同時に形成できる。これにより、高い生産性が得られる。また、複数の着色層23(例えば、第1着色膜23a、第2着色膜23b及び第3着色膜23cなど)による積層膜23sを用いることで、間隔調整層80の厚さを容易に制御できる。これにより、凸部70と間隔調整層80との密着性が高まり、シール部40となる液状の組成物の流れの抑制がより効果的となる。
【0143】
また、この例では、第2基板部20は、複数の間隔保持部68(スペーサ)をさらに含む。複数の間隔保持部68は、シール部40で囲まれた内部(表示領域30a)において第2主面20a上に設けられる。間隔保持部68は、第1基板部10と第2基板部20との間の間隔を保持する。間隔保持部68には、例えば、アクリル系樹脂やポリイミド樹脂を用いることができる。ただし、間隔保持部68には、任意の材料を用いることができる。間隔保持部68は、絶縁性であることが望ましい。
【0144】
この例では、凸部70は、間隔保持部68に用いられる材料により形成される。すなわち、凸部70は、間隔保持部68(スペーサ)に含まれる材料と同じ材料を含む。凸部70は、間隔保持部68の形成の際に、同時に形成できる。これにより、高い生産性が得られる。
【0145】
表示装置150においても、凸部70は、内端面70fと、外端面70eと、を有する。内端面70fは、第2主面20aに対して非平行で、シール部40の外縁40oに対向する。外端面70eは、第2主面20aに対して非平行で、内端面70fとは反対側の端面である。外端面70e(外端面70eの少なくとも一部)は、第2基板21の1つの端面(第2基板端面21e)が含まれる平面内に位置する。
【0146】
例えば、図3(a)、図3(b)及び図6(c)などに関して説明した製造方法と同様の製造方法を用い、凸部70を分断線DL2の位置に設け、第2基板21と凸部70とが、1つの分断線DL2で一括して分断されることで、このような構成が形成される。これにより、額縁をさらに狭くできる。
【0147】
また、この例では、間隔調整層80は、内端面80fと、外端面80eと、を有する。内端面80fは、第2主面20aに対して非平行で、シール部40の外縁40oに対向する。外端面80eは、第2主面20aに対して非平行で、内端面80fとは反対側の端面である。外端面80e(外端面80eの少なくとも一部)は、第2基板21の1つの端面(第2基板端面21e)が含まれる平面内に位置する。
【0148】
この例では、間隔調整層80は、第1凸部用着色層23p、第2凸部用着色層23q及び第3凸部用着色層23rを含む。第1凸部用着色層23pの端面23pe(外端面)、第2凸部用着色層23qの端面23qe(外端面)、及び、第3凸部用着色層23rの端面23re(外端面)は、第2基板21の1つの端面(第2基板端面21e)が含まれる平面内に位置する。
【0149】
図21(a)〜図21(c)は、第7の実施形態に係る別の表示装置の構成を例示する模式的断面図である。
これらの図は、本実施形態に係る表示装置の周辺部分の構成を例示している。
【0150】
図21(a)に表したように、表示装置151においては、分断線DL2と間隔調整層80とが重なる。表示装置151aと表示装置151bとの境界上に、第1凸部用着色層23pを含む間隔調整層80が設けられている。そして、表示装置151aと表示装置151bとのそれぞれに、凸部70が設けられている。
【0151】
図21(b)に表したように、表示装置152においては、分断線DL2と凸部70とが重なる。表示装置152aと表示装置152bとの境界上に凸部70が設けられている。表示装置152a及び152bのそれぞれにおいて、第1凸部用着色層23pを含む間隔調整層80が設けられている。
【0152】
図21(c)に表したように、表示装置153においては、凸部70、及び、第1凸部用着色層23pを含む間隔調整層80が、分断線DL2と重なる。表示装置153aと表示装置153bとの境界上に、凸部70と、第1凸部用着色層23pを含む間隔調整層80と、が設けられている。
【0153】
図22は、第7の実施形態に係る別の表示装置の構成を例示する模式的断面図である。 図22に表したように、表示装置154においては、間隔調整層80が第1凸部用着色層23pを含む。そして、凸部70と間隔調整層80は、シール部40と接している。すなわち、互いに隣接する表示装置154aと表示装置154bとの境界上に凸部70と間隔調整層80とが設けられ、シール部40は、凸部70及び間隔調整層80に密着している。これにより、非常に狭い額縁が得られる。この場合も、凸部70及び間隔調整層80が壁となり、分断線DL2とシール部40とが重ならないため、カット不良の発生を抑制できる。
【0154】
図21(a)〜図21(c)及び図22においては、図を見やすくするために、対向電極25の図示を省略している。
【0155】
図23(a)〜図23(c)及び図24は、第7の実施形態に係る別の表示装置の構成を例示する模式的断面図である。
これらの図は、図21(a)〜図21(c)及び図22に例示した状態から第1元基板11M及び第2元基板21Mをカットして形成された表示装置151〜154の端面部分を示している。
【0156】
図23(a)に表したように、表示装置151においては、外端面80eは、第2基板21の1つの端面(第2基板端面21e)が含まれる平面内に位置する。例えば、第1凸部用着色層23pの端面23peは、第2基板21の1つの端面(第2基板端面21e)が含まれる平面内に位置する。
【0157】
図23(b)に表したように、表示装置152においては、凸部70の外端面70eは、第2基板21の1つの端面(第2基板端面21e)が含まれる平面内に位置する。
【0158】
図23(c)及び図24に表したように、表示装置153及び154においては、外端面70e及び外端面80eは、第2基板21の1つの端面(第2基板端面21e)が含まれる平面内に位置する。また、この例では、外端面70e及び外端面80eは、第1基板11の1つの端面(第1基板端面11e)が含まれる平面内に位置する。これは、第1基板11、第2基板21、凸部70及び間隔調整層80が、1つの分断線DL2で一括して分断されることに起因する。これにより、額縁をさらに狭くできる。
【0159】
さらに、図24に表したように、表示装置154においては、凸部70と間隔調整層80がシール部40と接している。これにより、額縁をさらに狭くできる。
【0160】
図25は、第8の実施形態に係る表示装置の構成を例示する模式的断面図である。
図25は、図20(a)のA2−A3線断面に相当する断面図である。
図25に表したように、本実施形態に係る表示装置160は、第1基板部10(アレイ基板部)と、第2基板部20(対向基板部)と、表示層30と、シール部40と、を含む。
【0161】
この場合も、第1基板部10は、第1主面10aを有する第1基板11と、複数の画素電極15と、複数のトランジスタ(スイッチング素子13)と、を含む。第2基板部20は、第2基板21を含む。表示層30は、第1基板部10と第2基板部20との間に設けられる。シール部40は、第1基板部10と第2基板部20との間において表示層30を囲む。これらの構成に関しては、表示装置150と同様なので説明を省略する。
【0162】
表示装置160においては、第2基板部20(対向基板部)は、凸部70を含む。この場合も、凸部70は、第2基板21の第2主面20a上のシール部40の外側(外側領域30o)においてシール部40の外縁40oに沿って設けられる。
【0163】
そして、第1基板部10が、間隔調整層80を含む。間隔調整層80は、第1基板11の第1主面10a上の外側(外側領域30o)において、シール部40の外縁40oに沿って設けられる。間隔調整層80は、第1基板11から第2基板21に向かう方向に沿ってみたときに凸部70と重なる部分を有し、凸部70と接する。間隔調整層80は、第1主面10aに対して平行な平面に投影したときに凸部70と重なる部分を有する。
【0164】
この例では、第1基板部10は、画素電極15とトランジスタ(スイッチング素子13)との間に設けられた層間絶縁層14をさらに含んでいる。そして、間隔調整層80の少なくとも一部は、層間絶縁層14により形成される。この例では、第1主面10aの外側領域30oにおいて、配線12となる層を含む周辺部層12fが設けられる。周辺部層12fの上に、層間絶縁層14となる層が設けられる。間隔調整層80は、層間絶縁層14となる層と、周辺部層12fと、を含む。間隔調整層80は、層間絶縁層14に含まれる材料と同じ材料を含む。間隔調整層80は、層間絶縁層14の形成の際に、同時に形成できる。これにより、高い生産性が得られる。
【0165】
表示装置160も、図2に関して説明した、構造体の形成(ステップS110)と、分断(ステップS120)と、を含む製造方法により製造できる。この例でも、凸部70と間隔調整層80とが互いに接し、凸部70は、間隔調整層80と共に、壁を形成する。このため、例えば、シール部40の位置が設計位置からずれた場合や、シール部40の幅が設計値から大きくなった場合においても、凸部70及び間隔調整層80による壁により、シール部40となる液状の組成物の流れが止められる。これにより、このような場合においても、分断線DL2は、シール部40と重なることがない。これにより、カット不良の発生が抑制される。
【0166】
また、シール部40が、分断線DL2と重ならないため、シール部40と分断線DL2とを近づけることができる。これにより、額縁の幅を狭くすることができる。本実施形態によれば、狭額縁の表示装置が提供できる。
【0167】
表示装置160においても、第2基板部20(対向基板部)は、第2主面20a上に設けられた複数の着色層23(例えば、第1着色膜23a、第2着色膜23b及び第3着色膜23c)を含む。複数の着色層23のそれぞれは、複数の画素電極15のそれぞれに対向している。第2基板部20は、カラーフィルタ基板である。
【0168】
表示装置160においても、第2基板部20は、複数の間隔保持部68(スペーサ)をさらに含む。複数の間隔保持部68は、シール部40で囲まれた内部(表示領域30a)において第2主面20a上に設けられる。間隔保持部68は、第1基板部10と第2基板部20との間の間隔を保持する。
【0169】
凸部70は、間隔保持部68(スペーサ)に含まれる材料と同じ材料を含む。凸部70は、間隔保持部68の形成の際に、同時に形成できる。これにより、高い生産性が得られる。
【0170】
表示装置160においても、凸部70は、内端面70fと、外端面70eと、を有する。内端面70fは、第2主面20aに対して非平行で、シール部40の外縁40oに対向する。外端面70eは、第2主面20aに対して非平行で、内端面70fとは反対側の端面である。外端面70e(外端面70eの少なくとも一部)は、第2基板21の1つの端面(第2基板端面21e)が含まれる平面内に位置する。
【0171】
例えば、図3(a)、図3(b)及び図6(c)などに関して説明した製造方法と同様の製造方法を用い、凸部70を分断線DL2の位置に設け、第2基板21と凸部70とが、1つの分断線DL2で一括して分断されることで、このような構成が形成される。これにより、額縁をさらに狭くできる。
【0172】
また、間隔調整層80は、内端面80fと、外端面80eと、を有する。外端面80e(外端面80eの少なくとも一部)は、第1基板11の1つの端面(第1基板端面11e)が含まれる平面内に位置する。
【0173】
実施形態によれば、狭額縁の表示装置、表示装置用基板、及び、表示装置の製造方法が提供される。
【0174】
なお、本願明細書において、「垂直」及び「平行」は、厳密な垂直及び厳密な平行だけではなく、例えば製造工程におけるばらつきなどを含むものであり、実質的に垂直及び実質的に平行であれは良い。
【0175】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明の実施形態は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、表示装置に含まれる第1基板、第2基板、第1基板部、第2基板部、表示層、液晶層、シール部、第1凸部、第2凸部、間隔調整層、間隔保持部、高さ調整層、層間絶縁層、スイッチング素子(トランジスタ)、画素電極、着色層、着色膜及び凸部用着色層などの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
【0176】
その他、本発明の実施の形態として上述した表示装置を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての表示装置も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
【0177】
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
【0178】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0179】
10…第1基板部、 10a…第1主面、 11…第1基板、 11M…第1元基板、 11e…第1基板端面、 12、12a…配線、 12f…周辺部層、 13…スイッチング素子、 14…層間絶縁層、 15…画素電極、 20…第2基板部、 20a…第2主面、 21…第2基板、 21M…第2元基板、 21e…第2基板端面、 22…遮光層、 23…着色層、 23a〜23c…第1〜第3着色膜、 23p、23q、23r…第1〜第3凸部用着色層、 23pe、23qe、23re…端面、 23s…積層膜、 24…オーバーコート層、 25…対向電極、 30…表示層、 30a…表示領域、 30o…外側領域、 31…液晶層、 32…有機発光層、 40…シール部、 40o…外縁、 50…第1凸部、 50e…第1外端面、 50f…第1内端面、 55…間隙保持部、 60…第2凸部、 60e…第2外端面、 60f…第2内端面、 65…間隔調整層、 66、67…高さ調整層、 68…間隔保持部、 70…凸部、 70e…外端面、 70f…内端面、 80…間隔調整層、 80e…外端面、 80f…内端面、 110、110a、110b…表示装置、 110s…構造体、 111、111a、111b、112、112a、112b、113、113a、113b、114、114a、114b、120、120a、120b、121a、121b、122、122a、122b、123、123a、123b、124、124a、124b、125、125a、125b、126、130、140、150、151、151a、151b、152、152a、152b、153、153a、153b、154、154a、154b、160…表示装置、 DL1〜DL6…分断線、 PA…一部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板と、
第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に設けられた表示層と、
前記第1基板と前記第2基板との間において前記表示層を囲むシール部と、
前記第1基板の前記表示層に面する第1主面上の前記シール部の外側において前記シール部の外縁に沿って設けられた凸部と、
前記シール部の前記外側において前記外縁に沿って設けられ、前記第1基板から前記第2基板に向かう方向に沿ってみたときに前記凸部と重なる部分を有し前記凸部と接する間隔調整層と、
を備えた表示装置。
【請求項2】
前記間隔調整層は、前記第1主面上に設けられる請求項1記載の表示装置。
【請求項3】
前記凸部は、
前記第1主面に対して非平行で前記外縁に対向する内端面と、
前記第1主面に対して非平行で前記内端面とは反対側の外端面と、
を有し、
前記外端面の少なくとも一部は、前記第1基板の1つの端面が含まれる平面内に位置する請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記シール部で囲まれた内部に設けられた複数の着色層をさらに備え、
前記間隔調整層は、前記着色層に含まれる材料と同じ材料を含む請求項1〜3のいずれか1つに記載の表示装置。
【請求項5】
前記着色層は、前記第1主面上に設けられる請求項4記載の表示装置。
【請求項6】
前記複数の着色層は、第1色を有する第1着色膜と、前記第1色とは異なる第2色を有する第2着色膜と、前記第1色とは異なり前記第2色とは異なる第3色を有する第3着色膜と、を含み、
前記間隔調整層は、前記第1着色膜、前記第2着色膜及び前記第3着色膜のうちの少なくとも2つの膜を含む積層膜を含む請求項4または5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記間隔調整層は、青色の部分、及び、緑色の部分の少なくともいずれかを含む請求項4〜6のいずれか1つに記載の表示装置。
【請求項8】
前記シール部で囲まれた内部に設けられ、前記第1基板と前記第2基板との間の間隔を保持する複数の間隔保持部をさらに備え、
前記凸部及び前記間隔調整層の少なくともいずれかは、前記間隔保持部に含まれる材料と同じ材料を含む請求項1〜7のいずれか1つに記載の表示装置。
【請求項9】
前記間隔保持部は、前記第1主面上に設けられる請求項8記載の表示装置。
【請求項10】
前記間隔調整層は、前記第2基板の前記表示層に面する第2主面上に設けられることを特徴とする請求項1記載の表示装置。
【請求項11】
2枚の基板と、前記基板どうしの間に設けられた表示層と、前記基板どうしの間において前記表示層を取り囲むシール部と、を含む表示装置の前記2枚の基板の少なくともいずれかとして使用され、
前記シール部の内側となる表示領域と、前記シール部の外側となる外側領域と、が設けられた主面を有する板状の基体と、
前記主面の前記外側領域において前記シール部の外縁となるラインに沿って設けられた凸部と、
を備えたことを特徴とする表示装置用基板。
【請求項12】
前記主面の前記表示領域に設けられた着色層をさらに備え、
前記凸部は、前記着色層に含まれる材料と同じ材料を含むことを特徴とする請求項11記載の表示装置用基板。
【請求項13】
第1元基板と、第2元基板と、前記第1元基板と前記第2元基板との間に設けられる表示領域を囲むシール部と、前記シール部の外側において前記第1元基板の前記第2元基板に面する第1主面上において前記シール部の外縁に沿って設けられた第1凸部と、前記シール部の前記外側において前記第2元基板の前記第1元基板に面する第2主面上において前記外縁に沿って設けられ前記第1凸部と当接する第2凸部と、を含む構造体を形成し、
前記第1元基板のうちの前記シール部よりも外側の部分を前記第1元基板のうちの前記シール部よりも内側の部分から分断し、前記第2元基板のうちの前記シール部よりも外側の部分を前記第2元基板のうちの前記シール部よりも内側の部分から分断することを特徴とする表示装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2013−37338(P2013−37338A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−112868(P2012−112868)
【出願日】平成24年5月16日(2012.5.16)
【出願人】(302020207)株式会社ジャパンディスプレイセントラル (2,170)
【Fターム(参考)】