説明

表示装置、通信システムおよび方法

【課題】 大容量の情報伝達を確実に行うことを可能とする信頼性の高い表示装置、通信システムおよび方法を提供する。
【解決手段】 表示装置1および入出力端末2は、動画像の表示と光の受光とが可能な受発光部11,21をそれぞれ備える。入出力端末2が、動画2次元コードを構成する各シンボルを受発光部21に順次表示し、表示装置1が、この各シンボルを受発光部11により読み取ると共に、読み取ったシンボルに基づいてシンボル送受信状態情報SIを取得し、このシンボル送受信状態情報SIに基づいて表示条件DCを決定し、その後はこの表示条件DCに基づいて動画2次元コードの各シンボルを表示する。送信相手である入出力端末2の受発光部21が確実に読み取ることができる態様で表示することにより、表示装置1と入出力端末2との間で確実にコンテンツデータを送受信することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示画面を通して他の装置に情報を伝達する機能を備える表示装置、通信システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、バーコードや2次元コードなどを取り扱う技術が存在し、これらの技術は、主に物流管理などに利用されている。
【0003】
2次元コードを用いた技術においては、様々なフォーマットが提案され、利用されている。ところが、これらの技術はいずれも印刷物などの静的物品を対象とした技術であることから、利用できる情報の容量は最大でも数Kバイト程度であり、大容量の情報を取り扱うことが困難である。そこで本出願人は、例えば特許文献1において、複数の2次元コードを順次動的に表示すると共に、これらを順次動的に検出するようにした技術を提案している。この技術によれば、大容量の情報伝達を実現する可能性もある。
【0004】
【特許文献1】特開2004−127272号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記した特許文献1の技術では、他の情報処理装置との間の情報伝達方式に関し、例えば同文献の図7に示されているような概念的な内容が提案されているにすぎず、具体的な内容は明らかではなかった。このため、実際に他の情報処理装置との間で大容量の情報伝達を行うに際しては、必ずしも効率的かつ確実に情報伝達を行うことが可能になるという保証はなかった。
【0006】
このように、従来の技術では、効率性を確保しつつ大容量の情報伝達を確実に行うことが困難であり、改善の余地があった。
【0007】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、2次元コードの動的表示および検出を通じて、大容量の情報伝達を確実かつ効率的に行うことを可能とする信頼性の高い表示装置、通信システムおよび通信方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の通信方法は、一の表示装置において、動画2次元コードを構成する複数のシンボルを時間軸に沿って第1の受発光画面に順次表示し、他の表示装置において、この複数のシンボルを第2の受発光画面により読み取ると共に、この読み取ったシンボルに基づいて、第2の受発光画面と第1の受発光画面との相対角度を示す情報、第1の受発光画面に表示されているシンボルの大きさを示す情報、および、読み取ったシンボルの受光位置を示す情報のうちの少なくとも1つを含むシンボル送受信状態情報を取得し、このシンボル送受信状態情報に基づいて、第2の受発光画面に動画2次元コードを表示する際のシンボルの表示角度、大きさおよび表示位置のうちの少なくとも1つの表示条件を決定し、この決定された表示条件に基づいて、第2の受発光画面に動画2次元コードを表示するものである。
【0009】
ここで、「動画2次元コード」とは、時間軸に沿って変化する一連の2次元コードからなるコード情報である。ここで、「2次元コード」とは、各時点において静止した内容をもつシンボルであって、所定のフォーマットに従って予めその構成や意味内容が規定されている。なお、バーコードは、2次元コードの特殊な一態様である。また、「シンボル」とは、例えば複数の表示エレメントを配置して構成される画像パターンである。通常は、各表示エレメントごとに例えば輝度や色等の光学的物理量を設定することにより、そのような画像パターンとしてのシンボルが形成される。
【0010】
また、「シンボル送受信状態情報」とは、例えば上記のように、シンボルの大きさや受光位置、互いの受発光画面間の相対角度(シンボルの相対角度)など、受発光画面において読み取ったシンボルに関する送受信状態を意味し、受発光画面相互の空間的な配置(例えば、距離、位置、角度など)を表すものである。なお、受光位置とはこの場合、第2の受発光画面における位置を意味し、相対角度とは、受発光画面同士の回転角度を意味する。ここで、動画2次元コードを構成する各シンボルが複数の基準エレメントを含むように構成し、他の表示装置において、各シンボルにおけるこの基準エレメントの受光位置に基づいて、シンボル送受信状態情報を取得するようにしてもよい。なお、「基準エレメント」とは、上記のようなシンボル送受信状態情報を取得することを可能とする特定のエレメントを意味し、あらかじめシンボル内の所定の位置に設定されるようになっている。
【0011】
また、「表示条件」とは、例えば上記のように、シンボルを表示する際の大きさ、表示位置、表示角度などの条件を意味し、シンボル送受信状態情報に基づいて、受発光画面相互の空間的な配置に対して適切な条件となるように決定されるものである。この際、読み取ったシンボルの受光位置からの位置ずれの余裕度や、第2の受発光画面と第1の受発光画面との相対角度からの角度ずれの余裕度なども考慮して、表示条件を決定するようにするのが好ましい。ここで、「位置ずれの余裕度」とは、シンボルの受光位置が、受光すべき位置(例えば、登録されている受光位置の座標など)に対する平行移動によりずれてしまうことを想定して設けられる、受光位置に対する平行移動のマージンを意味する。また、「角度ずれの余裕度」とは同様に、シンボルの受光位置が、受光すべき位置に対する回転移動によりずれてしまうことを想定して設けられる、受光位置に対する回転移動のマージンを意味する。このような余裕度も考慮して表示条件を決定するようにした場合、より確実かつ効率的に、シンボルの表示および読み取りを行うことが可能となる。
【0012】
さらに、動画2次元コードを構成する複数のシンボルを、データ送信用フォーマットで表現された2次元コードであるデータシンボルと、アンカー送信用フォーマットで表現された2次元コードであるアンカーシンボルとを含むように構成し、一の表示装置において、データシンボルを時間軸に沿って第1の受発光画面に表示すると共に、このデータシンボルを1または複数回表示するごとにアンカーシンボルを第1の受発光画面に表示し、他の表示装置において、これらデータシンボルおよびアンカーシンボルを第2の受発光画面により読み取ると共にそこからアンカーシンボルを検出し、この検出したアンカーシンボルに基づいて前記表示条件を決定するようにしてもよい。ここで、「1または複数回」とは、必ずしも一定の回数を意味するものではなく、各アンカーシンボル間に表示されるデータシンボルの回数が互いに異なるようにしてもよい。なお、このアンカーシンボルが複数の基準エレメントを含むようにアンカー送信用フォーマットを構成し、他の表示装置において、このアンカーシンボルにおける基準エレメントの受光位置に基づいて、シンボル送受信状態情報を取得するようにしてもよい。
【0013】
本発明の表示装置は、動画像の表示と光の受光とが可能な第2の受発光画面と、他の一の表示装置の第1の受発光画面から、そこに表示された動画2次元コードを構成する複数のシンボルを第2の受発光画面を用いて読み取る読取制御手段と、この読取制御手段により読み取られたシンボルに基づいて、第2の受発光画面と第1の受発光画面との相対角度を示す情報、第1の受発光画面に表示されているシンボルの大きさを示す情報、および、読み取ったシンボルの受光位置を示す情報のうちの少なくとも1つを含むシンボル送受信状態情報を取得する取得手段と、この取得手段により取得したシンボル送受信状態情報に基づいて、第2の受発光画面に動画2次元コードを表示する際のシンボルの表示角度、大きさおよび表示位置のうちの少なくとも1つの表示条件を決定する決定手段と、複数のシンボルから構成される動画2次元コードを生成する生成手段と、上記決定手段により決定した表示条件に基づいて、この生成手段により生成された動画2次元コードにおける複数のシンボルを時間軸に沿って第2の受発光画面に順次表示させる表示制御手段とを備えたものである。
【0014】
本発明の通信システムは、一の表示装置が、動画像の表示と光の受光とが可能な第1の受発光画面と、複数のシンボルから構成される動画2次元コードを生成する第1の生成手段と、この第1の生成手段により生成された動画2次元コードにおける複数のシンボルを、時間軸に沿って第1の受発光画面に順次表示させる第1の表示制御手段とを備え、他の表示装置が、動画像の表示と光の受光とが可能な第2の受発光画面と、一の表示装置の第1の受発光画面から、そこに表示された動画2次元コードを構成する複数のシンボルを第2の受発光画面を用いて読み取る読取制御手段と、この読取制御手段により読み取られたシンボルに基づいて、第2の受発光画面と第1の受発光画面との相対角度を示す情報、第1の受発光画面に表示されているシンボルの大きさを示す情報、および、読み取ったシンボルの受光位置を示す情報のうちの少なくとも1つを含むシンボル送受信状態情報を取得する取得手段と、この取得手段により取得したシンボル送受信状態情報に基づいて、第2の受発光画面に動画2次元コードを表示する際のシンボルの表示角度、大きさおよび表示位置のうちの少なくとも1つの表示条件を決定する決定手段と、複数のシンボルから構成される動画2次元コードを生成する第2の生成手段と、上記決定手段により決定した表示条件に基づいて、この第2の生成手段により生成された動画2次元コードにおける複数のシンボルを時間軸に沿って第2の受発光画面に順次表示させる第2の表示制御手段とを備えたものである。
【0015】
本発明の通信方法または通信システムでは、一の表示装置において、動画2次元コードを構成する複数のシンボルが時間軸に沿って第1の受発光画面に順次表示される。また、他の表示装置において、この複数のシンボルが第2の受発光画面により読み取られ、この読み取られたシンボルに基づいて、シンボル送受信状態情報が取得される。さらに、このシンボル送受信状態情報に基づいて表示条件が決定され、この決定された表示条件に基づいて、第2の受発光画面に動画2次元コードが表示される。したがって、動画2次元コードの各シンボルが、一の表示装置における第1の受発光画面にて確実に読み取ることができる態様で表示される。
【0016】
本発明の表示装置では、他の一の表示装置の第1の受発光画面から、そこに表示された動画2次元コードを構成する複数のシンボルが、第2の受発光画面を用いて読み取られる。また、この読み取られたシンボルに基づいて、シンボル送受信状態情報が取得される。さらに、この取得したシンボル送受信状態情報に基づいて表示条件が決定され、この決定した表示条件に基づいて、動画2次元コードが第2の受発光画面に順次表示される。したがって、動画2次元コードの各シンボルが、他の一の表示装置における第1の受発光画面にて確実に読み取ることができる態様で表示される。
【発明の効果】
【0017】
本発明の通信方法または通信システムによれば、一の表示装置において、動画2次元コードを構成する複数のシンボルを順次表示し、他の表示装置において、この複数のシンボルを読み取ってシンボル送受信状態情報を取得し、このシンボル送受信状態情報に基づいて表示条件を決定し、この表示条件に基づいて動画2次元コードを表示するようにしたので、大容量の情報を確実かつ効率的に伝達することが可能となる。
【0018】
本発明の表示装置によれば、他の一の表示装置から動画2次元コードを構成する複数のシンボルを読み取ってシンボル送受信状態情報を取得し、このシンボル送受信状態情報に基づいて表示条件を決定し、この表示条件に基づいて動画2次元コードを表示するようにしたので、大容量の情報を確実かつ効率的に伝達することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、単に実施の形態という。)について、図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明の一実施の形態に係る通信方法は、本実施の形態に係る通信システムによって具現化されるので、併せて説明する。
【0020】
図1は、本発明の一実施の形態に係る通信システムの全体構成を表すものである。この通信システムは、所定の図形や文字などの動画像を表示する機能を有する表示装置1と、所定の情報の入出力機能を有する入出力端末2とから構成される。ここで、表示装置1は、例えばテレビ装置などから構成され、入出力端末2は、例えば携帯電話などから構成される。ただし、これらの機能を備えていれば、表示装置1および入出力端末2は、他の種類(例えばCD(Compact Disc;登録商標)プレーヤ、パーソナルコンピュータ等)の装置から構成されていてもよい。
【0021】
ここで、本実施の形態における表示装置1および入出力端末2はそれぞれ、本発明における「他の表示装置」および「一の表示装置」の一具体例に対応するものである。
【0022】
表示装置1は、複数の各画素が全面に渡ってマトリクス状に配置された、例えば有機または無機のEL(ElectroLuminescence)ディスプレイやLCD(Liquid Crystal Display)などから構成される受発光部11を備える。この受発光部11における各画素は、1つの受発光素子を含む受発光セルから構成され、各画素が受発光動作機能を行うようになっている。このように各画素における発光動作および受光動作を利用し、後述する動画2次元コードの表示および読み取りを行うことにより、この受発光部11を用いて情報を送受信することが可能となる。
【0023】
図2は、図1の表示装置1の受発光部11における受発光セルの配置構成の一例を断面図で模式的に表したものである。なお、図2の例では、受発光セルに含まれる受発光素子が有機EL素子であり、1対の透明基板の間に有機EL層が設けられている場合を示している。この図において、位置を表す符号であるi,jはある自然数を表す。
【0024】
この受発光部11は、1対の透明基板111A,111Bと、これらの透明基板111A,111Bの間に配置され、隔壁112によって互いに分離された構造の複数の受発光セルCWR(CWRij)とを有する。また、この例では上記のように受発光セルCWRは受発光素子として有機EL素子を含む。なお、一般的な有機ELディスプレイにおけるその他の層については図示せず、省略している。
【0025】
なお、本実施の形態に係る受発光部11における受発光セルCWRの配置構成例の断面図はこれに限られるものではなく、他の配置構成でもよい。また、図2に示した断面図の例においては、受発光素子ELが有機EL素子から構成されている例で説明したが、この受発光素子は発光機能および受光機能を備える素子ならば他のものでもよく、また発光素子と受光素子とを組み合わせて配置するように構成してもよい。その場合例えば、発光素子として液晶素子を、受光素子としてCCD(Charge-Coupled Devices)素子を配置するようにすることが可能である。
【0026】
図3は、図2における受発光セルCWRの回路構成を表すものである。
【0027】
この受発光セルCWRには、発光駆動対象として受発光素子ELを選択するための発光用ゲート線Gと、受発光素子ELへ表示用のデータを供給するためのデータ供給線DWと、受発光素子ELに対する発光駆動と受光駆動とを切り換える切換線Sと、受発光素子ELから受光信号を読み取るためのデータ読取線DRとが、それぞれ1本ずつ接続された構成となっている。つまり、通常の発光素子を備える1画素分のセルと比べて、受光用の分だけゲート線およびデータ線が1本ずつ増加した構成となっている。また、受発光セルCWRは、1つの受発光素子ELと、キャパシタCと、抵抗Rと、第1のスイッチSW1と、第2のスイッチSW2と、第3のスイッチSW3とを有する。第1のスイッチSW1は、発光用ゲート線Gから供給される選択信号に応じて、データ供給線DWとキャパシタCの一端との間を選択的に導通させるものである。また、第2のスイッチSW2および第3のスイッチSW3は、切換線Sから供給される切換信号に応じて、それぞれ、キャパシタの他端と受発光素子ELの一端との間を選択的に導通させ、受発光素子ELの一端とデータ読取線DRとの間を選択的に導通させるものである。なお、受発光素子ELの他端は接地されている。また、抵抗Rの一端はデータ読取線DRに接続されており、抵抗Rの他端は接地、または負バイアス点(図示せず)に接続されている。
【0028】
ここで、具体的に発光動作時および受光動作時における受発光セルの挙動について簡単に説明しておく。発光動作および受光動作は、以下のような受発光素子ELの性質を利用して行う。つまり、この図の例において受発光素子として構成されている有機EL素子あるいはLED素子などは、順方向バイアス電圧を印加すると発光動作をするが、逆方向バイアス電圧を印加すると、受光して電流を発生する性質を有する。よってこの受発光素子ELは、発光動作および受光動作を同時に行うことはできず、両方の動作を行うには時分割で動作させる必要がある。
【0029】
発光動作時には、上記のように発光用ゲート線Gから供給される選択信号および切換線Sから供給される切換信号に応じて第1のスイッチSW1および第2のスイッチSW2がオン状態かつ第3のスイッチSW3がオフ状態となると共に、受発光素子ELには順方向バイアス電圧が印加される。ここで、表示信号に応じた輝度の発光となるよう、データ供給線DWからI1の経路にてキャパシタCが充電され、それに基づいてI2の経路にて受発光素子ELに電流が流れ、発光動作を行うようになっている。
【0030】
一方、受光動作時には、上記のように切換線Sから供給される切換信号に応じて第2のスイッチがオフ状態、第3のスイッチSW2がオン状態となると共にこの受発光素子ELに逆方向バイアス電圧が印加され、受発光素子ELにおいて受光した光量に応じた電流がI3の経路にてデータ読取線DRへ供給され、受光動作を行うようになっている。なお、発光動作および受光動作のいずれの動作も行っていない時には、第1のスイッチSW1、第2のスイッチSW2および第3のスイッチSW3のいずれのスイッチもオフ状態となっており、データ供給線DWおよびデータ読取線DRはそれぞれ、受発光素子ELとは切断されるようになっている。なお、データ読取線DRに接続されている抵抗Rは、上記のようにI3の経路でデータ読取線DRに供給された電流に基づいて抵抗Rの両端に電位差を生じさせ、これを受光信号として出力する機能を有する。
【0031】
以上のように制御することで、受発光部11における各画素が発光動作および受光動作を行うことが可能となる。
【0032】
再び、図1に戻って説明する。
【0033】
表示装置1は例えば、画面上に同時に複数のウィンドウ12A,12B,12Cを表示し、このウィンドウ内に所定の図形や文字などを表示するようになっている(この場合、ウィンドウ12Aには所定の図形を、ウィンドウ12B,12Cには所定の文字を表示している。)。
【0034】
また、受発光部11に表示されている各ウィンドウ12A〜12C内には、それぞれウィンドウの右下の隅にシンボル13A〜13Cが表示されている。これらのシンボル13A〜13Cは、例えば所定の領域内に複数の白または黒の表示エレメントが配置され、受発光部11による1フレームごとにその白黒のパターンが切り換えられるようになっており、後述するように時間軸に沿って変化する2次元コードである動画2次元コードを構成する。なお、通常各表示エレメントは、複数の受発光セルによって構成されている。また、これらのシンボル13A〜13Cは、入出力端末2への送信対象の情報である種々のコンテンツデータ、例えばそれぞれそのウィンドウ12A〜12Cに表示されている図形や文字などに関する情報を表現したものであり、これらのシンボルが構成する動画2次元コードを用いて入出力端末2へ送信することにより、これらのコンテンツデータを入出力端末2と共有できるようになっている。
【0035】
なお、図1においては、各シンボル13A〜13Cはそれぞれ、各ウィンドウ12A〜12Cの右下の隅に表示されているが、これに限られるものではなく、受発光部11内の任意の位置に表示することが可能である。以下の図においても同様である。
【0036】
入出力端末2は、表示装置1と同様に例えば有機または無機のELディスプレイやLCDなどから構成される受発光部21を備え、上記のようにこの受発光部21を利用して動画2次元コードを表示あるいは読み取ることにより、表示装置1との間で情報を送受信できるようになっている。
【0037】
図4は、図1の通信システムにおける動画2次元コードを用いた通信状況の一例を斜視図で表すものである。
【0038】
図の様に、ユーザは例えば、表示装置1が備える受発光部11に表示されているシンボル13Aの領域付近に入出力端末2が備える受発光部21を接近させることで、矢印Xで示したように、シンボル13Aを介して情報を直感的に送受信することができるようになっている。これにより、表示装置1と入出力端末2との間で種々の情報を容易に共有することが可能となる。具体的には、例えば、シンボル13Aを介して表示装置1から入出力端末2へコンテンツデータを送信することにより、そのシンボル13Aが位置するウィンドウ12A内に表示されているコンテンツ(この図では、画像121A)を、入出力端末2の受発光部21上で表示することが可能となる。
【0039】
図5は、図1の入出力端末2における機能構成の一例を表すものである。この入出力端末2は、動画2次元コードを用いた情報の送信機能を有する送信機能部24と、動画2次元コードを用いた情報の受信機能を有する受信機能部25とを備える。また、これら送信機能部24および受信機能部25に対する制御は、図示しない制御部が行う。
【0040】
送信機能部24は、画像信号生成部241、シンボル生成部242、表示信号生成部243、受発光制御部210および受発光部21を有する。一方、受信機能部25は、受発光制御部210、受発光部21、記憶部251、画像処理部252、デコード部253および情報取得部254を有する。つまり、図5に示したように、受発光制御部210および受発光部21は、送信機能部24および受信機能部25について共通部分となっている。
【0041】
まず、送信機能部24の各構成要素について説明する。
【0042】
画像信号生成部241は、例えば図示しないTVチューナやネットワーク接続部などから供給される種々のコンテンツデータDなどの情報に基づいて、例えば1画面ごと(1フレームの表示ごと)に表示するための画像信号を生成する。このようにして生成した1画面ごとの画像信号は、シンボル生成部242および表示信号生成部243へ出力される。
【0043】
シンボル生成部242は、画像信号生成部241から出力される1画面ごとの画像信号に基づいて、例えば、動画2次元コードを構成する1画面ごとのシンボルを生成する。具体的には、例えば、画像信号をシンボルごとのデータに分割し、これに動画2次元コードに含まれるヘッダ情報(後述するヘッダシンボルに含まれる情報)やCRC(Cyclic Redundancy Check)の算出値なども付加し、1画面ごとのシンボルを生成する。そして生成された1画面ごとのシンボルは、表示信号生成部243へ出力される。
【0044】
なお、このようにして生成するシンボルは、1フレームごとに異なるシンボルのパターンであるとは限らず、数フレームに対して1つのシンボルのパターンであってもよい。この場合、数フレーム間は同じパターンのシンボルが表示されることになる。以下、1秒当たりのシンボルのパターン数を、「シンボル/秒」という単位で表すものとする。
【0045】
表示信号生成部243は、画像信号生成部241から出力される1画面ごとの画像信号と、シンボル生成部242から出力される1画面ごとのシンボルとを合成し、受発光部21において表示する1画面ごとの表示信号を生成する。このようにして生成された1画面ごとの表示信号は、受発光制御部210へ出力される。
【0046】
受発光制御部210は、表示信号生成部243から出力される表示信号に基づいて、受発光部21において表示信号に応じたコンテンツや動画2次元コードの各シンボルを表示するための駆動動作を行う。具体的には、例えば、一般的に用いられている線順次駆動動作の場合、この受発光制御部210はゲートドライバおよびデータドライバなどから構成される。そして、図3において説明したように、ゲートドライバから受発光部21へ1水平ライン分の各画素を選択する選択信号が発光用ゲート線Gを介して供給されると共に、データドライバから受発光部21の1水平ライン分の各画素へデータ供給線DWを介して表示信号が供給される。このような線順次駆動動作を受発光部21の全水平ラインに渡って行うことにより、受発光部21において表示信号に応じたコンテンツや動画2次元コードの各シンボルを表示することが可能となる。
【0047】
受発光部21は、上記のように例えば線順次駆動動作により表示信号に応じたコンテンツや動画2次元コードの各シンボルを表示する。このように、受発光部21が種々のコンテンツ自体と共に、コンテンツデータに基づいて生成された動画2次元コードの各シンボルを表示することにより、発光光線LWを介してコンテンツデータなどの情報を入出力端末2へ送信することが可能となる。
【0048】
次に、受信機能部25の各構成要素について説明する。
【0049】
受発光部21はまた、前述のように表示信号に応じたコンテンツや動画2次元コードの各シンボルを表示すると共に、光を受光する機能も有する。つまり、表示装置1における受発光部11に表示された動画2次元コードの各シンボルを受光光線LRとして読み取ることにより、コンテンツデータなどの情報を受信することが可能となる。
【0050】
この場合、受発光制御部210は、受発光部21に対して表示のための駆動動作を行うと共に、受光するための駆動動作をも行うことになる。具体的には例えば、上記の線順次駆動動作の場合、図3において説明したように、以下の通りとなる。つまり、ゲートドライバから受発光部21へ1水平ライン分の各画素を受光駆動対象として切り換える切換信号が切換線Sを介して供給されると共に、受発光部21の1水平ライン分の各画素からの受光信号がデータ読取線DRを介して取得される。このような線順次駆動動作を受発光部21の全水平ラインに渡って行うことにより、受発光部21において動画2次元コード各シンボルを受光光線LRとして読み取り、受光信号を取得することが可能となる。このようにして取得された受光信号は、受信機能部25内の記憶部251へ出力される。
【0051】
記憶部251は、受発光部21から出力される受光信号を1画面ごとの受光信号に再構成し、例えばSRAM(Static Random Access Memory)などから構成されるフレームメモリに格納して保持する。記憶部251において格納された1画面分の受光信号は、画像処理部252へ出力される。なお、この記憶部251はメモリ以外の記憶素子から構成されていてもよく、例えば受光信号のデータをアナログデータとして保持しておくことも可能である。
【0052】
画像処理部252は、記憶部251から出力される1画面分の受光信号を画像処理する。具体的には、この1画面分の受光信号のデータから動画2次元コードの各シンボルを抽出する。シンボルの抽出方法としては、後述するように各シンボルの含まれるロゴマークや認識用エリアを、それらの位置座標などから検出することにより行う。このようにして画像処理し、抽出された動画2次元コードの各シンボルのデータは、デコード部253へ出力される。
【0053】
デコード部253は、画像処理部252から出力される動画2次元コードの各シンボルのデータをデコードする。具体的にはまず、各シンボルのデータに基づいてCRCを実行する。シンボル内のデータにおいてエラー訂正の必要が生じた場合には、後述する所定の処理により、シンボル内のデータのエラー訂正あるいはシンボル自体のデータのエラー訂正を行う。そしてこれらのデータをデコードしていくが、この際、もし同一のシンボルが重複して取得されていた場合には、この重複したデータを取得しないようにするか、あるいは削除する。このようにして各シンボルのデータをデコードし、デコードされたデータは、情報取得部254へ出力される。
【0054】
情報取得部254は、デコード部253から出力されるデコードデータを蓄積していき、その蓄積されたデコードデータに基づいて各シンボルに含まれるヘッダ情報やコンテンツデータなどの受信データRDを復元し、取得する。このようにして各シンボルから復元された受信データRDは、制御部(図示せず)へ出力され、これらの情報に応じた処理が実行されるようになっている。具体的には、例えば前述のように、このコンテンツデータを送信した装置が表示しているコンテンツを、受信した装置上で表示するといった処理を実行することが可能となる。
【0055】
図6は、図1の表示装置1における機能構成の一例を表すものである。この表示装置1は、図5に示した入出力端末2と同様、動画2次元コードを用いた情報の送信機能を有する送信機能部14と、動画2次元コードを用いた情報の受信機能を有する受信機能部15とを備える。また、これら送信機能部14および受信機能部15に対する制御は、図示しない制御部が行う。
【0056】
送信機能部14は、図5に示した入出力端末2と同様、画像信号生成部141、シンボル生成部142、表示信号生成部143、受発光制御部110および受発光部11を有する。一方、受信機能部15は、送信機能部14との共通部分である受発光制御部110および受発光部11、記憶部151、画像処理部152、デコード部153、情報取得部154、シンボル送受信状態情報取得部155ならびに表示条件決定部156を有する。つまり、図5に示した入出力端末2の場合と比べて、シンボル送受信状態情報取得部155および表示条件決定部156を追加した構成となっている。
【0057】
次に、受信機能部15の各構成要素について説明する。なお、送信機能部14の各構成要素については、図5に示した入出力端末2の送信機能部24と同様であるので、その説明を省略する。また、受信機能部15の各構成要素についても、基本的には入出力端末2の受信機能部25と同様であるので、適宜説明を省略する。
【0058】
受発光部11は、前述のように表示信号に応じたコンテンツや動画2次元コードの各シンボルを表示すると共に、光を受光する機能も有する。つまり、入出力端末2における受発光部21に表示された動画2次元コードの各シンボルを受光光線LRとして読み取ることにより、コンテンツデータなどの情報を受信することが可能となる。
【0059】
受発光制御部110は、受発光部11に対して表示のための駆動動作を行うと共に、受光するための駆動動作を行う。取得された受光信号は、受信機能部15内の記憶部151へ出力される。
【0060】
記憶部151は、受発光部11から出力される受光信号を1画面ごとの受光信号に再構成し、例えばSRAMなどから構成されるフレームメモリに格納して保持する。記憶部151において格納された1画面分の受光信号は、画像処理部152へ出力される。
【0061】
画像処理部152は、記憶部151から出力される1画面分の受光信号を画像処理する。具体的には、画像処理部252と同様に、この1画面分の受光信号のデータから動画2次元コードの各シンボルを抽出する。シンボルの抽出方法としては、後述するように各シンボルの含まれるロゴマークや認識用エリアを、それらの位置座標などから検出することにより行う。このようにして画像処理し、抽出された動画2次元コードの各シンボルのデータは、デコード部153へ出力されると共に、後述する同期シンボルおよびアンカーシンボルのデータについては、シンボル送受信状態情報取得部155へも出力される。
【0062】
デコード部153は、画像処理部152から出力される動画2次元コードの各シンボルのデータをデコードする。デコードされたデータは、情報取得部154へ出力される。
【0063】
情報取得部154は、デコード部153から出力されるデコードデータを蓄積していき、その蓄積されたデコードデータに基づいて各シンボルに含まれるヘッダ情報やコンテンツデータ、あるいは後述する依頼情報など受信データRDを復元し、取得する。このようにして各シンボルから復元された受信データRDは、制御部(図示せず)へ出力され、これらの情報に応じた処理が実行されるようになっている。
【0064】
シンボル送受信状態情報取得部155は、画像処理部152から出力される、後述する同期シンボルおよびアンカーシンボルのデータに基づいて、シンボル送受信状態情報SIを算出し、取得する。このシンボル送受信状態情報SIとしては、例えば、入出力端末2の受発光部21と表示装置1の受発光部11との相対角度を示す情報、受発光部21に表示されている動画2次元コードのシンボルの大きさを示す情報、表示装置1が読み取った動画2次元コードのシンボルの受発光部11における受光位置を示す情報などが挙げられる。このようなシンボル送受信状態情報SIを算出し、取得する方法については、後述する。取得されたシンボル送受信状態情報SIは、表示条件決定部156へ出力される。
【0065】
表示条件決定部156は、シンボル送受信状態情報取得部155から出力されるシンボル送受信状態情報SIに基づいて、受発光部11にその後動画2次元コードのシンボルを表示する際の表示条件DCを決定する。この表示条件DCとしては、シンボルの表示角度、大きさ、表示位置などが挙げられる。このような表示条件DCを決定する方法については、後述する。決定された表示条件DCは、送信機能部14の表示信号生成部143へ出力され、その後はこの表示条件DCを考慮して、表示信号が生成されるようになっている。
【0066】
次に、本実施の形態における動画2次元コードの構成の詳細を説明する。
【0067】
図7は、動画2次元コードのシンボルの形状の一例を表すものである。この動画2次元コードのシンボル5は、4種類のシンボルの形状から構成されている。この図において、(A)は、同期シンボル51の形状、(B)は、ヘッダシンボル52の形状、(C)は、アンカーシンボル53の形状、(D)は、データシンボル54の形状を表している。
【0068】
これらの4種類のシンボルはそれぞれ、以下の用途で使用される。つまり、同期シンボル51は、動画2次元コードにおける先頭のシンボルであること(つまり、動画2次元コードによるデータ通信の開始点であること)の認識用およびこれ以降の各シンボルの角度、大きさ、受光位置の検出用、ヘッダシンボル52はヘッダ情報を含み、これらヘッダ情報の認識用、アンカーシンボル53は各データシンボルの受光位置や角度の検出用、データシンボル54はデータ情報用である。
【0069】
同期シンボル51の形状は、7×7=合計49ドットの白あるいは黒の表示エレメントが配置されたコード部511と、長方形形状の表示エレメントでありコード部511の下部に配置されたロゴマーク部512とから構成される。また、四隅の各4ドット分の領域はそれぞれ、後述する認識用エリアとなっている。よって、合計49ドットから構成されるコード部511から認識用エリアを除くと、49−4×4=33ドットとなる。一方、ロゴマーク部512は、この動画2次元コードの所定のロゴマークを表示したものである。
【0070】
同期シンボル51は、その用途が動画2次元コードにおける先頭のシンボルであることの認識用およびこれ以降の各シンボルの角度、大きさ、受光位置の検出用であるので、シンボル全体として常に予め設定された固定パターンが配置されるようになっている。なお、この同期シンボル51の形状は、図7(A)に示した形状に限られず、先頭のシンボルであることが認識でき、各シンボルの受光位置を検出できれば、他の任意の形状にしてもよい。
【0071】
ヘッダシンボル52の形状は、図7(A)に示した同期シンボル51の形状とは異なり、7×9=合計63ドットの白あるいは黒の表示エレメントが配置されたコード部521のみから構成される。また、コード部521内の各ドットは、シンボルごとに任意の白黒パターンが配置される。このコード部521には認識用エリアが存在しないので、その分のドット(4×4=16ドット)も任意のパターンとして使用することが可能であり、同期シンボル51と比べデータ容量が増加するようになっている。
【0072】
アンカーシンボル53の形状は、図7(A)に示した同期のシンボル51の形状と同様、7×7=合計49ドットの白あるいは黒の表示エレメントが配置されたコード部531と、長方形形状でありコード部531の下部に配置されたロゴマーク部532とから構成される。ただ、コード部531内の各ドットは、認識用エリアを除いてシンボルごとに任意の白黒パターンが配置される。一方、ロゴマーク部532は、同期のシンボル51の形状と同様、常に固定のパターンが配置されるようになっている。以後、固定のパターンである認識用エリアおよびロゴマーク部532を、基準エレメントと称する。後述するようにこの基準エレメントは、アンカーシンボルであることの認識用および受発光部11,21におけるデータシンボル54の角度、大きさ、受光位置の検出用として利用される。
【0073】
データシンボル54の形状は、図7(B)のヘッダシンボル52の形状と同様、7×9=合計63ドットの白あるいは黒の表示エレメントが配置されたコード部541のみから構成される。また、コード部541内の各ドットは、シンボルごとに任意の白黒パターンが配置され、やはり図7(B)のヘッダシンボル52の形状と同様、このコード部541には認識用エリアが存在せず、同期シンボル51およびアンカーシンボル53と比べデータ容量が増加している。
【0074】
図8は、図7のシンボルにおける各ドットの構成および機能を表すものである。この図において、(A)はアンカーシンボル53、(B)はヘッダシンボル52およびデータシンボル54における各ドットの構成および機能を表したものである。
【0075】
アンカーシンボル53のコード部531における四隅の各4ドット分の領域は、上記のようにそれぞれ認識用エリア533A〜533Dとなっている。よって、合計49ドットから構成されるコード部531の内、49−4×4=33ドットが、任意の白黒パターンとして利用できるようになっている。
【0076】
また、この認識用エリア533A〜533Dを除いた33ドットの内、9ドット分はCRC用ビット534として、シンボル内のデータのエラー訂正に利用される。よって、最終的に任意のデータビット535として利用できるのは、33−9=24ドット分となる。なお、この24ドット分のデータビット535は、半分の12ドット分の正転データビット535Aと、残り半分の12ドット分の反転データビット535Bとから構成される。
【0077】
一方、ヘッダシンボル52のコード部521およびデータシンボル54のコード部541は、合計63ドットの内、15ドット分はCRC用ビット522および542として、シンボル内のデータのエラー訂正に利用される。よって、任意のデータビット523および543として利用できるのは、63−15=48ドット分となる。なお、この48ドット分のデータビットは、半分の24ドット分の正転データビット523Aおよび543Aと、残り半分の24ドット分の反転データビット523Bおよび543Bとから構成される。
【0078】
図9は、図7のシンボルにおけるデータ構成の一例を表すものである。この図において、(A)〜(D)は、それぞれ、(A)同期シンボル51、(B)ヘッダシンボル52、(C)アンカーシンボル53、(D)データシンボル54のコード部511,521,531,541内において認識用エリアを除いた領域のデータ構成の内訳を表したものである。なお、(A)〜(D)の認識用エリアを除いた領域は、前述のようにそれぞれ、33ビット、63ビット、33ビット、63ビットとなっている。
【0079】
また、後述するように、動画2次元コードにおいて、(A)〜(D)はそれぞれ、2シンボル、4〜8シンボル、1シンボル、1〜16シンボルがひとまとまりの単位となっており、送受信におけるシンボル欠落(後述するシンボルエラー)防止のために、同期シンボル51およびヘッダシンボル52は常に同一のシンボルが2シンボルずつとなるように構成されている。
【0080】
なお、アンカーシンボル53の欠落に関しては、このシンボルの用途は主にデータシンボル54の角度、大きさ、受光位置の検出用なので、基本的には欠落しても問題はない。後述するようにこのアンカーシンボル53の欠落の有無や頻度により、通信品質を判断することも可能である。また、データシンボル54の欠落に関しては、後述するシンボルエラー訂正用データを用いて訂正するようになっており、それでも訂正ができなかった場合には、表示装置1に該当するシンボルを再送信させるようになっている。
【0081】
図9(A)に示したように、同期シンボル51において認識用エリアを除いた33ビット分のデータ構成55は、このシンボルの用途が動画2次元コードにおける先頭のシンボルであることの認識用およびこれ以降の各シンボルの角度、大きさ、受光位置の検出用であるので、データ情報はなしとなっている。
【0082】
また、図9(B)に示したように、ヘッダシンボル52においては認識用エリアが存在しないので、そのまま63ビット分のデータが利用可能であり、そのデータ構成56は以下のようになっている。つまり、4〜8シンボルについて共通に、63ビットの内、4ビット分はサブシンボルID561として、15ビット分は前述のようにCRC用ビット522として構成され、残りの44ビット分が任意のデータ領域として構成される。
【0083】
また、この任意のデータ領域はさらに、最初の2シンボル内においては、20ビット分の全アンカーシンボル数562と、24ビット分のデータタイプ563とから構成される。一方、その後のシンボル内においては未定義となっており、データ領域は将来のフォーマットで規定するための領域であり、任意の使用は禁止となっている。
【0084】
サブシンボルID561は、このヘッダシンボル52内におけるシンボルの順番(4ビット分あるので、最大で1〜8まで。)を示す識別子であり、これによりヘッダシンボル内の各シンボルを識別することが可能となる。また、CRC用ビット522は、CRCによるシンボル内のエラー訂正に利用されるものである。全アンカーシンボル数562は、動画2次元コードに含まれるアンカーシンボル53の総数を示すものであり、20ビット分あるので、1Mシンボルまで定義することが可能である。データタイプ563は、データシンボル54に含まれるデータの種別を示すものである。
【0085】
図9(C)に示したように、アンカーシンボル53において認識用エリアを除いた33ビット分のデータ構成57は、20ビット分はアンカーシンボルID571として、4ビット分はデータシンボルのサブシンボル数572として、残りの9ビット分が前述のようにCRC用ビット534として構成される。
【0086】
アンカーシンボルID571は、前述の全アンカーシンボル数562によって定義された全アンカーシンボルの内の何番目かを示す識別子であり、このアンカーシンボルID571と、データシンボル54に含まれる4ビット分のサブシンボルID581とにより、動画2次元コードにおける各データシンボルを識別可能となる。また、各データシンボルの識別子を、アンカーシンボルID571とサブシンボルID581との2段構成を採用することにより、識別子を全データシンボルについての通し番号とする必要がなくなる。よって、サブシンボルID581のビット数を4ビット分のみに抑え、任意のデータ情報のビット数をより多く確保することができ、送信できるデータ情報の総量が増加するので、データ情報を効率的に送信することが可能となる。なお、CRC用ビット534は、前述のようにCRCによるシンボル内のエラー訂正に利用されるものである。
【0087】
データシンボルのサブシンボル数572は、1組の単位におけるデータシンボル(前述のように1〜16シンボル)に含まれるサブシンボル数であり、これによりデータシンボルに含まれるサブシンボル数を定義することができる。以下、この1組のデータシンボルの単位を、1セクタと称する。
【0088】
図9(D)に示したように、データシンボル54においては、図9(B)のヘッダシンボル52と同様、認識用エリアが存在しないので、そのまま63ビット分のデータが利用可能であり、そのデータ構成58は以下のようになっている。つまり、1〜16シンボルについて共通に、63ビットの内、4ビット分はサブシンボルID581として、44ビット分が任意のデータ情報として構成され、残りの15ビット分は前述のようにCRC用ビット542として構成される。
【0089】
なお、図中の矢印583で示した2シンボルのように、4ビット分のサブシンボルIDを除いた59ビット分の領域は、シンボルエラー訂正用データ582として使用される場合もある。このシンボルエラー訂正用データ582は、動画2次元コードを用いたデータの送受信時にデータシンボル自体が欠落してしまったときに、このシンボルエラーを訂正する役割を担うデータである。よって、送受信時にデータシンボル自体の欠落が生じなかったときは、上記のようにデータシンボル54のデータ構成58は、全てのシンボルについて、サブシンボルID581、任意のデータ情報およびCRC用ビット542から構成される。
【0090】
図10は、図7の動画2次元コードのシンボルの順序構成を表すものである。この図は、時間軸に沿ってシンボルの順序構成を模式的に表したものであり、同期シンボル51をSと、ヘッダシンボル52をHと、アンカーシンボル53をAと、データシンボル54をDとして示している。このフォーマットにおける動画2次元コードのシンボルは、前述のように時間軸に沿って動画2次元コードの最初から、2シンボルの同期シンボル、4〜8シンボルのヘッダシンボル、(1シンボルのアンカーシンボル、1セクタのデータシンボル)、(1シンボルのアンカーシンボル、1セクタのデータシンボル)、…という順序構成になっている。つまり、1シンボルのアンカーシンボルと1セクタのデータシンボルとが組みになって繰り返し構成されるようになっている。
【0091】
このようなシンボルの順序構成となっているので、各アンカーシンボル53に含まれるデータシンボルのサブシンボル数572により、各セクタ単位のデータシンボル54のサブシンボル数を別個に設定することが可能となる。
【0092】
なお、このような構成の動画2次元コードにおいて利用可能な最大シンボル数は、前述のようにヘッダシンボル52に含まれる20ビットの全アンカーシンボル数562および各セクタのアンカーシンボル53に含まれるデータシンボルのサブシンボル数572から算出され、(2の20乗)×(2の4乗)=16Mシンボルである。また、利用可能な最大データ容量は、前述のように各データシンボル54には44ビット分の任意のデータ情報が確保されているので、上記のシンボルエラー訂正用データ582がないものとすると、16Mシンボル×44ビット=約738Mビット=約92Mバイトとなり、従来のバーコードや2次元コード(最大で約数Kバイト程度)と比べて、格段に大容量のデータを利用することが可能となる。
【0093】
また、最大データ転送速度は、例えば、1フレームに対して1つのシンボルパターンとし、1秒当たりのシンボルのパターン数を、NTSC(National TV Standards Committee)方式を参照して60(シンボル/秒)とした場合、60(シンボル/秒)×44(ビット/シンボル)×(16/17)=約2485bps(ビット/秒)となる。なお、計算式中の(16/17)は、1セクタあたり最大で、17シンボルの内16シンボルのデータシンボル54が含まれている(残りの1シンボルは、アンカーシンボル53)ことを表すものである。
【0094】
なお、本実施の形態における動画2次元コードのシンボルの形状およびデータ構成は、以上のような形態に限られるものではなく、他の形態から構成されていてもよい。
【0095】
次に、以上のような構成の通信システムにおいて、表示装置1と入出力端末2との間でコンテンツデータを送受信する処理の概略について説明する。
【0096】
図11は、図1の通信システムにおける表示装置1と入出力端末2との間で情報を送受信する処理の概略を表すものである。なお、この例では、最初に入出力端末2が表示装置1に対してコンテンツデータの送信の依頼を行い(送信を依頼するための依頼情報を送信し)、依頼情報を受信した表示装置1が入出力端末2に対してコンテンツデータを送信する場合を示している。
【0097】
まずユーザは、図4に示したように、入出力端末2の受発光部21を表示装置1の受発光部11に接近させることで、動画2次元コードを用いてコンテンツデータ(例えば、図4中の画像121A)の送信を依頼するための依頼情報を、表示装置1へ送信する(ステップS101)。
【0098】
この動画2次元コードを受信(ステップS102)した表示装置1は、動画2次元コードの各シンボルを画像処理およびデコード処理して送信依頼情報を取得すると共に、前述のように同期シンボル51やアンカーシンボル53からシンボル送受信状態情報SIを算出して取得し、その後入出力端末2へ動画2次元コードを用いてコンテンツデータを送信する際の表示条件DCを決定する(ステップS103)。
【0099】
次に表示装置1は、この決定した表示条件DCを考慮して、動画2次元コードの各シンボルを受発光部11に表示させることで、入出力端末2へコンテンツデータを送信する(ステップS104)。入出力端末2はこのコンテンツデータを受信し(ステップS105)、表示装置1と入出力端末2との間でコンテンツデータを送受信する処理が終了する。
【0100】
このようにして、表示装置1が、入出力端末2が送信する動画2次元コードのシンボルに基づいて表示条件DCを決定し、この表示条件DCを考慮して、入出力端末2へ動画2次元コードを用いたコンテンツデータの送信を行うようにしたので、コンテンツデータを確実に送受信することが可能となる。
【0101】
次に、以上のように表示装置1と入出力端末2との間でコンテンツデータを送受信する処理の詳細を説明する。
【0102】
図12は、入出力端末2が表示装置1へ動画2次元コードを用いて情報を送信する処理の一例を表すものであり、図11のステップS101に対応するものである。
【0103】
まず、例えばこの場合図示しない操作部などから入力された情報(依頼情報)に基づいて、画像信号生成部241が1画面分の画像信号を生成し、シンボル生成部242へ出力する。つまり、シンボル生成部242は、動画2次元コードにおける各シンボルを生成するための依頼情報を取得する(ステップS201)。
【0104】
次に、シンボル生成部242は、動画2次元コードに含むデータシンボル数を算出し、取得した依頼情報を算出したデータシンボル数に応じて分割する(ステップS202)。データシンボル数の算出は、例えば、依頼情報のデータ容量と、その動画2次元コードのフォーマットに応じて算出される。具体的には、各データシンボルのデータ容量は44ビットであり、これらのデータ容量に基づいてデータシンボル数が算出される。
【0105】
シンボル生成部242は、依頼情報に基づいて動画2次元コードに含まれるヘッダ情報を生成し(ステップS203)、CRC用のデータなども算出する(ステップS204)。そしてシンボル生成部242は、これらヘッダ情報やCRC用のデータを依頼情報に付加し、1画面ごとのシンボルを生成する(ステップS205)。なお、このようにして生成されるシンボルは、1フレームごとに異なるシンボルのパターンであるとは限らず、数フレームに対して1つのシンボルのパターンであってもよい。
【0106】
次に、表示信号生成部243は、画像信号生成部241から出力される1画面ごとの画像信号と、シンボル生成部242から出力される1画面ごとのシンボルとを合成し、受発光部21において表示する1画面ごとの表示信号を生成する(ステップS206)。
【0107】
そして受発光制御部210および受発光部21は、表示信号生成部243から出力される表示信号に基づいて、1フレーム分の図形や文字などの画像およびシンボル生成部242において生成された動画2次元コードの各シンボルを表示し、依頼情報を送信する(ステップS207)。このようにして、順次動画2次元コードのシンボルを表示していく。この動画2次元コードに含まれる全シンボルが表示完了するまではステップS204〜S207までの処理が繰り返され、表示完了した場合は、入出力端末2が表示装置1へ動画2次元コードを用いて依頼情報を送信する処理が終了となる(ステップS208)。
【0108】
図13は、表示装置1が入出力端末2から動画2次元コードを用いて情報を受信する処理の一例を表すものであり、図11のステップS102に対応するものである。
【0109】
まず記憶部151は、受発光部11が受光した受光信号を1画面ごとの受光信号に再構成し、フレームメモリに格納して保持する。つまり、まずこのようにして受光信号を読み取る。次に画像処理部152が画像処理をして動画2次元コードの各シンボルを抽出し、読み取ったシンボルが同期シンボル51かどうかを判断する。同期シンボル51の抽出は、まず図7(A)に示した同期シンボルの形状における長方形形状のロゴマーク部512をその長方形形状および縦横の長さ比などから検出し(ステップS301)、次にコード部511に含まれる認識用エリアをその形状から検出し(ステップS302)、最後に予め設定されているコード部511全体の形状を検出することにより行う。そしてこれらの形状に基づいて同期シンボル51かどうかを判断し(ステップS303)、読み取ったシンボルが同期シンボル51でなかった場合には、ステップS301へ戻り同期シンボルを読み取るまでこの処理を繰り返す。
【0110】
読み取ったシンボルが同期シンボル51であった場合、シンボル送受信状態情報取得部155が、画像処理部152において抽出された同期シンボルのデータに基づいて、前述のシンボル送受信状態情報SIを算出し、取得する(ステップS304)。
【0111】
以下、シンボル送受信状態情報取得部155において、シンボル送受信状態情報SIを算出して取得する処理の詳細を説明する。
【0112】
図14は、図11において表示装置1がシンボル送受信状態情報SIを算出して取得する処理の一例を表すものである。この図において、(A)は、表示装置1の受発光部11が入出力端末2の受発光部21から受光した同期シンボルの形状を表し、(B)は、受光した同期シンボルに基づいてシンボル送受信状態情報SIを算出する処理について表したものである。
【0113】
図14(A)に示したように、表示装置1の受発光部11が、入出力端末2の受発光部21から同期シンボル536を、右にα=10度傾いた形状で受光したと仮定する。つまりこの例では、表示装置1の受発光部11に対する入出力端末2の受発光部21の角度α(受発光部21と受発光部11との相対角度)が、10度であると検出された場合を表している。なお、図中のFR1は、同期シンボル536の四隅の認識用エリアの中でも最も端の各ドットを結んだ長方形を表し、W1はこの長方形FR1の短辺長を表している。
【0114】
なお、この角度α、長方形FR1およびその短辺長W1は、画像処理部152が抽出した同期シンボル536内の各ドットの位置座標に基づいて、シンボル送受信状態情報取得部155が検出したものである。シンボル送受信状態情報取得部155は、その後の入出力端末2へのコンテンツデータの送信を確実に行うようにするため、この角度αおよび短辺長W1に基づいてシンボル送受信状態情報を算出し、表示条件決定部156において適切な表示条件DCが決定されるようにする必要がある。
【0115】
まず、表示装置1は、長方形FR1の枠内にシンボルを表示する必要がある。なぜならば、受信側である入出力端末2の受発光部21が、この長方形FR1の枠外のどの領域まで認識可能なのか知るすべがないからである。また、次にシンボル送受信状態情報SIを算出して取得するまで(この場合、後述するようにステップS311においてアンカーシンボルに基づいて取得するまで)の間に、角度αから左右に角度β分だけ角度ずれの余裕度をさらに考慮するようにする。ここで、長方形FR2およびFR3はそれぞれ、長方形FR1に対して左右に角度β分だけずれたものを表している。なおこの例では、図に示したように角度ずれの余裕度βが15度である場合で説明するが、この角度ずれの余裕度βは、使用の目的及び用途に応じてユーザが任意に設定することが可能である。
【0116】
次に、シンボル送受信状態情報取得部155はこの角度ずれの余裕度βを考慮して、長方形W1〜W3のいずれの枠内にも短辺長が収まるような長方形FR4を算出する。このような長方形FR4の短辺長W2は、以下の式(1)により算出することができる。
【0117】
W2 = W1×(1−sinβ)/cosβ ……(1)
【0118】
そしてこのようにして算出された短辺長W2を有する長方形FR4に対して、さらにシンボルの受光位置からの位置ずれの余裕度を考慮するようにする。つまり、長方形FR4の短辺および長辺長をそれぞれ例えば0.9倍した大きさ(図14(B)の短辺長W3)で、シンボルを表示するようにする(図14(B)のシンボル537)。このように角度ずれおよび位置ずれの余裕度を考慮することにより、さらに確実にコンテンツデータを送信することが可能となる。なおこの例では、位置ずれの余裕度βが0.9倍である場合で説明するが、この位置ずれの余裕度は、角度ずれの余裕度βと同様、使用の目的及び用途に応じてユーザが任意に設定することが可能である。
【0119】
このようにして、シンボル送受信状態情報取得部155は、角度α,βなどの受発光部21と受発光部11との相対角度を示す情報、長方形の短辺長W2,W3などの受発光部21に表示されている動画2次元コードのシンボルの大きさを示す情報、および動画2次元コードのシンボルの受発光部11における受光位置を示す情報などからなるシンボル送受信状態情報SIを算出して取得し、表示条件決定部156へ出力する。
【0120】
そして表示条件決定部156は、これらのシンボル送受信状態情報SIを登録し(ステップS305)、前述のようにその後ステップS103において表示条件DCを決定し、ステップS104においてコンテンツデータを送信する際に考慮されるようになっている。
【0121】
なお、シンボル送受信状態情報SIを算出して取得する処理は、以上説明した例に限られるものではなく、適切な表示条件DCを決定するものであれば、他の手法により算出するように構成してもよい。
【0122】
図13の説明に戻り、次に、記憶部151および画像処理部152は、ステップS301と同様にして次のシンボルを読み取り、その抽出したシンボルをデコード部153へ出力する。そしてデコード部153は、デコード処理およびCRCの実行を行い、読み取ったシンボルがヘッダシンボル52であるかを判断する(ステップS306)。ヘッダシンボル52でなかった場合には、ヘッダシンボル52を読み取るまでこの処理を繰り返す。
【0123】
読み取ったシンボルがヘッダシンボル52であった場合、ヘッダシンボル52に含まれるヘッダ情報(全アンカーシンボル数562およびデータタイプ563など)を取得する(ステップS307)。そして情報取得部154がこのヘッダ情報を取得することにより、これらの情報を把握することが可能となる。
【0124】
次に記憶部151および画像処理部152は、ステップS301〜S302と同様にして次のシンボルを読み取り、図7(C)に示したアンカーシンボルの形状におけるロゴマーク部の検出(ステップS308)および認識用エリアの検出(ステップS309)により(つまり基準エレメントにより)、このシンボルがアンカーシンボル53であるかを判断する(ステップS310)。
【0125】
アンカーシンボル53であった場合、ステップS304〜S305と同様に、シンボル送受信状態情報取得部155が抽出されたアンカーシンボルのデータに基づいてシンボル送受信状態情報SIを算出および取得し(ステップS311)、表示条件決定部156がこれらのシンボル送受信状態情報SIを更新、つまり再登録する(ステップS305)。このように、表示装置1がセクタ単位の頻度でシンボル送受信状態情報SIを更新し、最終的に表示条件DCを決定するように構成することで、より確実に入出力端末2へコンテンツデータを送信することが可能となる。
【0126】
一方、ステップS308〜S309において読み取ったシンボルがアンカーシンボル53ではなかった場合(前述のように、アンカーシンボル53は1セクタに対して1シンボルのみなので、読み取り時にシンボルを欠落してしまう場合が考えられる。)、あるいはデコード部153がアンカーシンボルであると認識できなかった場合には、シンボル送受信状態情報SIの取得および再登録を行わずにそのまま次の処理(ステップS313のデータシンボル54の読み取り)へと進む。アンカーシンボル53の用途は主にデータシンボルの角度、大きさ、受光位置の検出用であり、これらの検出はセクタ単位で行うので、たとえ1回くらい検出ができなくても問題ないからである。また逆に、このアンカーシンボル53の欠落の有無や頻度により、この動画2次元コードを用いた通信の通信品質を判断することも可能である。
【0127】
次にデータシンボル54を読み取り(ステップS313)、デコード部153がデコード処理およびCRCの実行を行う。そしてシンボル数の確認を行い、もし同一のシンボルを重複して読み取っていた場合には、重複したデータを削除する(ステップS314)。シンボルが重複しているかどうかは、例えば、アンカーシンボルID571やサブシンボルID581により判断される。
【0128】
次に、1セクタのデータシンボル54の読み取りが終了したかどうかを判断する(ステップS315)。読み取りが終了していない場合には、ステップS313へ戻って次のデータシンボルを読み取る。読み取りが終了した場合において、シンボルエラー(読み取り時におけるデータシンボル54自体の欠落)が生じていたときには、このシンボルエラーの訂正を行う(ステップS316)。データシンボル54のシンボルエラーの訂正方法に関しては、まずはシンボルエラー訂正用データ582を用いて訂正し、それでも訂正ができなかった場合には、入出力端末2に該当するデータシンボルを再送信させるようにする。
【0129】
1セクタのデータシンボル54の読み取りが終了したかどうかは、サブシンボルID581およびセクタごとの各アンカーシンボルに含まれる、データシンボルのサブシンボル数572により判断される。
【0130】
次に情報取得部154がデコードデータを蓄積していき(ステップS317)、情報取得部154が全シンボルを読み取り完了したかどうかを判断する(ステップS318)。読み取り完了していない場合にはステップS305へ戻り、次のセクタのアンカーシンボル53の受光信号を取得する。読み取り完了した場合には、情報取得部154が情報(この場合、依頼情報)を復元して取得し(ステップS319)、動画2次元コードを用いて情報を受信する処理が終了となる。
【0131】
次に、このようにしてステップS102において入出力端末2から依頼情報を受信し、シンボル送受信状態情報SIを取得した表示装置1が、表示条件DCを決定し、この決定した表示条件DCで入出力端末2へコンテンツデータを送信する処理(図11のステップS103〜S104に対応)の詳細を説明する。
【0132】
表示条件決定部156は、ステップS319において受信完了した依頼情報を復元し、その依頼情報の内容を把握すると、登録してあるシンボル送受信状態情報SIに基づいて、表示条件DC(その後入出力端末2の受発光部21に対してシンボルを表示する際の表示角度、大きさおよび表示位置など)を決定し、これらの表示条件DCを表示信号生成部143へ出力する。その後、表示信号生成部143はこの表示条件DCを考慮して表示信号を生成するので、表示条件DCに基づいた態様で動画2次元コードのシンボルが表示される。
【0133】
なお、表示装置1が生成した動画2次元コードのシンボルを用いてコンテンツデータを入出力端末2へ送信する処理、およびこの入出力端末2がこのコンテンツデータを受信する処理の詳細については、前述のステップS101およびステップS102と同様であるので、その説明を省略する(ただし、この場合入出力端末2は表示装置1と異なり、図6で示したようにシンボル送受信状態情報取得部155および表示条件決定部156を有していないので、シンボル送受信応対情報SIを取得し、表示条件DCを決定する処理は行われない)。
【0134】
以上のように、本実施の形態の表示装置、通信システムおよび通信方法によれば、表示装置1および入出力端末2が、動画像の表示と光の受光とが可能な受発光部11,21をそれぞれ備え、入出力端末2において、動画2次元コードを構成する各シンボルを時間軸に沿って受発光部21に順次表示し、表示装置1において、この各シンボルを受発光部11により読み取ると共に、この読み取ったシンボルに基づいて、受発光部21と受発光部11との相対角度を示す情報、受発光部21に表示されているシンボルの大きさを示す情報、および読み取ったシンボルの受光位置などからなるシンボル送受信状態情報SIを取得し、このシンボル送受信状態情報SIに基づいて、受発光部11により受発光部21に対して動画2次元コードを表示する際の表示角度、大きさおよび表示位置などの表示条件DCを決定し、その後はこの表示条件DCに基づいて動画2次元コードの各シンボルを表示するようにしたので、送信相手である入出力端末2の受発光部21が確実に読み取ることができる態様で表示することにより、表示装置1と入出力端末2との間で確実かつ効率的にコンテンツデータを送受信することが可能となる。
【0135】
また、動画2次元コードの各シンボルを、同期シンボル51、ヘッダシンボル52、データシンボル54、およびアンカーシンボル53からなる複数種類のフォーマットで構成し、このうち、シンボル内に複数の基準エレメントを含むヘッダシンボルおよびアンカーシンボルによりシンボル送受信状態情報SIを取得するようにしたので、予め所定の形状に設定された基準エレメントから効率的にシンボル送受信状態情報SIを取得することができる。また、アンカーシンボル51をセクタ単位で表示するように構成したので、定期的にシンボル送受信状態情報SIを更新することも可能となる。
【0136】
さらに、入出力端末2の受発光部21よりも動画像の表示と光の受光とが可能な領域が広い受発光部11を備える表示装置1の側で、表示条件DCの決定およびこの条件に基づいた動画2次元コードの表示を行うようにし、また、この表示条件DCを決定する際に、読み取ったシンボルの受光位置からの位置ずれの余裕度や、受発光部21に対する受発光部11の角度からの角度ずれの余裕度なども考慮して決定するようにしたので、ユーザが入出力端末2を手持ちにより表示装置1に対向配置させることから生じる受発光部21の位置や角度のずれに対してこれらの余裕度を包含し、より確実にコンテンツデータを送受信することが可能となる。
【0137】
以下、実施の形態についての変形例1について説明する。
【0138】
[変形例1]
実施の形態においては、図14に示したように、入出力端末2から傾いた形状でシンボル536を受光した表示装置1が、その傾いた角度は保持しつつ、シンボルの位置や大きさを調整することによりシンボル送受信状態情報SIを算出し、表示条件DCを決定する場合の例について説明したが、本変形例では、表示装置1が、シンボルの位置や大きさの調整に加え、さらにその傾いた角度も戻すような調整も行うことによりシンボル送受信状態情報SIを算出し、表示条件DCを決定する場合の例について説明する。
【0139】
図15は、本変形例において表示装置1がシンボル送受信状態情報SIを算出して取得する処理の一例を表すものであり、実施の形態における図14に対応するものである。図14と同様、(A)は、表示装置1の受発光部11が入出力端末2の受発光部21から受光した同期シンボルの形状を表し、(B)は、受光した同期シンボルに基づいてシンボル送受信状態情報SIを算出する処理について表したものである。なお、以下、図14(A)に示した場合と同様に、表示装置1の受発光部11が、入出力端末2の受発光部21から同期シンボル536を右にα=10度傾いた形状で受光した場合で説明する。また、アンカーシンボルの場合における処理については、同期シンボルの場合の処理と同様であるので、その説明を省略する。
【0140】
図15(A)に示したように、表示装置1の受発光部11は、入出力端末2の受発光部21から同期シンボル536を、右にα=10度傾いた形状で受光しているものとする。この場合、前述のようにまず表示装置1は、長方形FR1の枠内にシンボルを表示する必要がある。また、前述のように角度αから左右に角度β分だけ角度ずれの余裕度を考慮するようにする。
【0141】
ここでシンボル送受信状態情報取得部155は、この角度ずれの余裕度βを考慮して長方形W1〜W3のいずれの枠内にも短辺長が収まり、かつ傾いた角度αを0度に戻した場合に相当する長方形FR5を算出する。このような長方形FR5は、以下のようにして求める。つまり図に示したように、まず長方形FR1〜3の共通の中心から角度α=0度の方向へ対角線Y,Zを引き、中心からこの対角線Y,Zが長方形FR2の枠とぶつかる点までの距離W4,W5をそれぞれ求める(この場合の例では、長方形FR2と長方形FR3とでは、中心からの距離が短いほうの長方形FR2を選択したが、状況に応じて短いほうの長方形を選択すればよい)。次に、距離W4,W5のうち距離が短いほうのW4を選択し、このW4を対角線とする長方形が、FR5となる。
【0142】
そして、このようにして求めた長方形FR5(短辺長W6)に対して、前述のようにさらにシンボルの受光位置からの位置ずれの余裕度を考慮する。つまり、長方形FR5の短辺および長辺長をそれぞれ例えば0.9倍した大きさ(図15(B)の短辺長W7)で、シンボルを表示するようにする(図15(B)のシンボル538)。以上により、表示装置1がシンボル送受信状態情報SIを算出して取得する処理が終了となる。
【0143】
このようにして、本変形例の表示装置、通信システムおよび通信方法によれば、表示装置1が、シンボルの位置や大きさの調整に加え、さらにその傾いた角度を戻すような調整も行うことによりシンボル送受信状態情報SIを算出し、表示条件DCを決定するようにしたので、上記の実施の形態の効果に加え、シンボルの大きさを最大限にとることが可能となる。よって、シンボルの大きさを最大限にとることにより、シンボルのフォーマットによっては、送受信する情報量を増加させることが可能となる。
【0144】
次に、実施の形態についての変形例2について説明する。
【0145】
[変形例2]
実施の形態においては、図7〜図10に示したように、動画2次元コードの各シンボルを、同期シンボル51、ヘッダシンボル52、アンカーシンボル53およびデータシンボル54からなる複数種類の形状のフォーマットで構成する場合の例で説明したが、本変形例では、動画2次元コードの各シンボルを単一の形状のフォーマットから構成する場合の例について説明する。
【0146】
まず、本変形例に係る動画2次元コードの形状ならびに各ドットの構成および機能について説明する。
【0147】
図16は、本変形例に係る動画2次元コードのシンボルの形状ならびに各ドットの構成および機能の一例を表すものであり、実施の形態における図7および図8に対応するものである。この図において、(A)は、このシンボルの外見の形状を表し、(B)は、このシンボルにおける各ドットの構成および機能を表したものである。
【0148】
図16(A)に示したように、この動画2次元コードのシンボル6の形状は、7×7=合計49ドットのコード部61と、コード部61の下部に配置されたロゴマーク部62とから構成される。
【0149】
図16(B)に示したように、このコード部61における四隅の各4ドット分の領域は、それぞれ認識用エリア613A〜613Dとなっている。よって、上記のように合計49ドットから構成されるコード部61の内、49−4×4=33ドットが、任意の白黒パターンとして利用できるようになっている。
【0150】
また、この認識用エリア613A〜613Dを除いた33ドットの内、9ドット分はCRC用ビット614として利用される。よって、最終的に任意のデータビット615として利用できるのは、33−9=24ドット分となる。なお、この24ドット分のデータビット615は、半分の12ドット分の正転データビット615Aと、残り半分の12ドット分の反転データビット615Bとから構成されるようになっている。
【0151】
次に、本変形例に係る動画2次元コードのシンボルにおけるデータ構成について説明する。
【0152】
図17は、図16のシンボルにおけるデータ構成の一例を表すものであり、実施の形態における図9に対応するものである。この図において、(A)は、上記のようにコード部61内において任意の白黒パターンとして利用可能な33ビット分のデータ領域のデータ構成の内訳を表したものであり、(B)は、その33ビット分のデータにおいて、シンボルIDの値とデータ領域の内容との関係を表したものである。
【0153】
図17(A)に示したように、この33ビット分の任意データ領域のデータ構成63は、前述の9ビット分のCRC用ビット614と、4ビット分のシンボルID632と、20ビット分のデータ領域633とから構成される。
【0154】
また、図17(B)に示したように、この4ビット分のシンボルID632の値に応じて、データ領域633の内容は以下のように構成される。
【0155】
まず、シンボルID632の値が「1000b」の場合、このシンボルは、動画2次元コードにおけるスタートシンボル635として機能し、データ領域633の内容は、この動画2次元コードを構成する全シンボル数を定義するようになっている。
【0156】
また、シンボルID632の値が「1001b」〜「1111b」の場合、このシンボルは、動画2次元コードにおけるヘッダシンボル636として機能し、データ領域633の内容は、シンボルID632の値が「1001b」〜「1110b」の場合、この動画2次元コードにおけるファイル名を定義するようになっている。なお、シンボルID632の値が「1111b」の場合は未定義となっており、この場合におけるデータ領域633は使用されない。
【0157】
また、シンボルID632の値が「0000b」〜「0111b」の場合、このシンボルは、動画2次元コードにおけるデータシンボル637として機能し、データ領域633の内容は、この動画2次元コードにおけるデータ情報(コンテンツデータ)を表す。なお、このデータシンボル637におけるシンボルID632の値は、「0000b」〜「0111b」が周期的に変化していくようになっており、8シンボル分までは各シンボルを区別することが可能である。
【0158】
なお、本変形例に係る動画2次元コードにおいて利用可能な最大シンボル数は、前述のようにスタートシンボル635における20ビット分のデータ領域633で定義するので、2の20乗=1Mシンボルである。よって、利用可能な最大データ容量は、前述のようにシンボルごとに20ビットのデータ領域が確保されているので、1Mシンボル×20ビット=20Mビット=2.5Mバイトとなり、実施の形態に示した動画2次元コードのフォーマットと同様、従来のバーコードや2次元コード(最大で数Kバイト程度)と比べて、格段に大容量のデータを利用することが可能である。また、最大データ転送速度は、例えば、1フレームに対して1つのシンボルパターンとし、1秒当たりのシンボルのパターン数をNTSC方式を参照して60(シンボル/秒)とした場合、60(シンボル/秒)×20(ビット/シンボル)=1200bps(ビット/秒)となる。
【0159】
次に、以上のような構成の単一の形状のフォーマットからなる動画2次元コードを用いて、実施の形態と同様に、表示装置1がシンボル送受信状態情報SIを取得して表示条件DCを決定する処理について説明する。
【0160】
この場合、図16(B)に示したように、動画2次元コードの全てのシンボルが認識用エリア613を含むような構成になっている。よって、表示装置1は、実施の形態における同期シンボル51およびアンカーシンボル53の場合(図12のステップS304〜S305およびステップS311〜S312)と同様に、この認識用エリア613を用いてシンボルごとにシンボル送受信状態情報SIを取得し、更新することができる。よって実施の形態と同様に、表示条件決定部516がこれらのシンボル送受信状態情報SIに基づいて表示条件DCを決定し、表示装置1は、この表示条件DCに基づいて動画2次元コードの各シンボルを表示することも可能である。
【0161】
このようにして、本変形例の表示装置、通信システムおよび通信方法によれば、動画2次元コードの各シンボルを単一の形状のフォーマットから構成し、各シンボルに含まれる認識用エリア613を用いてシンボルごとにシンボル送受信状態情報SIを取得するようにしたので、上記の実施の形態の効果に加え、各シンボルの受信ごとにシンボル送受信状態情報を更新することが可能になると共に、動画2次元コードのフォーマットを簡素化することが可能となる。
【0162】
以上、実施の形態およびその変形例を挙げて本発明を説明したが、本発明はこれに限定されず、種々の変形が可能である。例えば上記実施の形態等では、最初に入出力端末2の側から表示装置1に対してコンテンツデータの送信依頼を行い、それに対応して表示装置1がコンテンツデータを送信する場合の例で説明してきたが、動画像の表示と光の受光とが可能な領域が入出力端末2の受発光部21よりも広い受発光部11を備える表示装置1の側で、表示条件DCの決定およびこの条件に基づいた動画2次元コードの表示を行うのであれば、逆に最初に表示装置1の側から、入出力端末2に対して処理を行うように構成することも可能である。つまり、より広い受発光部を備える表示装置1の側で表示条件DCの決定およびこれに基づいた表示を行うのであれば、最初に処理を行うのはどちらの装置でも構わない。
【0163】
具体的には、図18に示したように、例えばまず表示装置1側から、動画2次元コードを用いて送信することが可能なコンテンツデータに関する検索情報(例えば、図4中のウィンドウ12Aに画像121Aが表示されていないが、動画2次元コードを用いて送信可能な場合における、このコンテンツデータの内容に関する文字情報など)を定常的に、動画2次元コードを用いて送信しているものとする(ステップS401)。この場合ユーザは、入出力端末2の受発光部21を表示装置1の受発光部11に接近させることで、このコンテンツデータに関する索引情報を動画2次元コードを用いて受信することができる(ステップS402)。ここで、ユーザがこのコンテンツデータの受信を希望した場合、この状態で図11のステップS101と同様に、動画2次元コードを用いてコンテンツデータの送信依頼情報を表示装置1へ送信するようにすればよい(ステップS403)。以後の処理(ステップS404〜S407)は、図11のステップS102〜S105の場合と同様なので、その説明を省略する。
【0164】
このように、最初に表示装置1の側から処理を行うように構成した場合でも、上記の実施の形態等と同様にして、コンテンツデータを確実に送受信することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0165】
【図1】本発明の一実施の形態に係る通信システムの全体構成を表すブロック図である。
【図2】図1の表示装置の受発光部における受発光セルの配置構成の一例を模式的に表す断面図である。
【図3】図2における受発光セルの構成を表す回路図である。
【図4】図1の通信システムにおける動画2次元コードを用いた通信状況の一例を表す斜視図である。
【図5】図1の入力端末における機能構成の一例を表すブロック図である。
【図6】図1の表示装置における機能構成の一例を表すブロック図である。
【図7】動画2次元コードのシンボルの形状の一例を表す模式図である。
【図8】図7のシンボルにおける各ドットの構成および機能を表す模式図である。
【図9】図7のシンボルにおけるデータ構成の一例を表す模式図である。
【図10】図7の動画2次元コードの各シンボルの順序構成を表す模式図である。
【図11】図1の通信システムにおける表示装置と入出力端末との間の情報の送受信処理の一例を表す流れ図である。
【図12】図11において入出力端末が表示装置へ動画2次元コードを用いて情報を送信する処理の一例を表す流れ図である。
【図13】図11において表示装置が入出力端末から動画2次元コードを用いて情報を受信する処理の一例を表す流れ図である。
【図14】図11において表示装置がシンボル送受信状態情報を算出して取得する処理の一例を表す模式図である。
【図15】変形例1において表示装置がシンボル送受信状態情報を算出して取得する処理の一例を表す模式図である。
【図16】変形例2に係る動画2次元コードのシンボルの形状ならびに各ドットの構成および機能の一例を表す模式図である。
【図17】図16のシンボルにおけるデータ構成の一例を表す模式図である。
【図18】図1の通信システムにおける表示装置と出力端末との間の情報の送受信処理の他の例を表す流れ図である。
【符号の説明】
【0166】
1…表示装置、2…入出力端末、11,21…受発光部、110,210…受発光制御部、111…透明基板、112…隔壁、12…ウィンドウ、13…シンボル、14,24…送信機能部、141,241…画像信号生成部、142,242…シンボル生成部、143,243…表示信号生成部、15,25…受信機能部、151,251…記憶部、152,252…画像処理部、153,253…デコード部、154,254…情報取得部、155…シンボル送受信状態情報取得部、156…表示条件決定部、5,6…動画2次元コードのシンボル、51…同期シンボル、52,636…ヘッダシンボル、53…アンカーシンボル、54,637…データシンボル、635…スタートシンボル、511,521,531,541,61…コード部、512,532,62…ロゴマーク部、533,613…認識用エリア、522,534,542,614…CRC用ビット、523,535,543,615…データビット、55…同期シンボルのデータ構成、56…ヘッダシンボルのデータ構成、561…サブシンボルID、562…全アンカーシンボル数、563…データタイプ、57…アンカーシンボルのデータ構成、571…アンカーシンボルID、572…データシンボルのサブシンボル数、58…データシンボルのデータ構成、581…サブシンボルID、582…シンボルエラー訂正用データ、63…動画2次元コードのシンボルのデータ構成、632…シンボルID、633…データ領域、LW…発光光線、LR…受光光線、CWR…受発光セル、G…発光用ゲート線、S…切換線、DW…データ供給線、DR…データ読取線、EL…受発光素子、C…キャパシタ、R…抵抗、SW1…第1のスイッチ、SW2…第2のスイッチ、SW3…第3のスイッチ、I1…表示信号電流路、I2…受光信号電流路、D…コンテンツデータ、RD…受信データ、SI…シンボル送受信状態情報、DC…表示条件。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
動画像の表示と光の受光とが可能な第1の受発光画面を備えた一の表示装置と、動画像の表示と光の受光とが可能な第2の受発光画面を備えた他の表示装置との間で、時間軸に沿って変化する2次元コードである動画2次元コードを用いて行う通信方法であって、
前記一の表示装置において、前記動画2次元コードを構成する複数のシンボルを時間軸に沿って前記第1の受発光画面に順次表示し、
前記他の表示装置において、前記複数のシンボルを前記第2の受発光画面により読み取ると共に、この読み取ったシンボルに基づいて、前記第2の受発光画面と前記第1の受発光画面との相対角度を示す情報、前記第1の受発光画面に表示されているシンボルの大きさを示す情報、および、読み取ったシンボルの受光位置を示す情報のうちの少なくとも1つを含むシンボル送受信状態情報を取得し、このシンボル送受信状態情報に基づいて、前記第2の受発光画面に前記動画2次元コードを表示する際のシンボルの表示角度、大きさおよび表示位置のうちの少なくとも1つの表示条件を決定し、この決定された表示条件に基づいて、前記第2の受発光画面に前記動画2次元コードを表示する
ことを特徴とする通信方法。
【請求項2】
前記動画2次元コードを構成する各シンボルが複数の基準エレメントを含むように構成し、
前記他の表示装置において、各シンボルにおける前記基準エレメントの受光位置に基づいて、前記シンボル送受信状態情報を取得する
ことを特徴とする請求項1に記載の通信方法。
【請求項3】
前記他の表示装置において、前記読み取ったシンボルの受光位置からの位置ずれの余裕度も考慮して、前記表示条件を決定する
ことを特徴とする請求項1に記載の通信方法。
【請求項4】
前記他の表示装置において、前記第2の受発光画面と前記第1の受発光画面との相対角度からの角度ずれの余裕度も考慮して、前記表示条件を決定する
ことを特徴とする請求項1に記載の通信方法。
【請求項5】
前記複数のシンボルを、データ送信用フォーマットで表現された2次元コードであるデータシンボルと、アンカー送信用フォーマットで表現された2次元コードであるアンカーシンボルとを含むように構成し、
前記一の表示装置において、前記データシンボルを時間軸に沿って前記第1の受発光画面に表示すると共に、前記データシンボルを1または複数回表示するごとに前記アンカーシンボルを前記第1の受発光画面に表示し、
前記他の表示装置において、前記データシンボルおよび前記アンカーシンボルを前記第2の受発光画面により読み取ると共にそこからアンカーシンボルを検出し、この検出したアンカーシンボルに基づいて前記表示条件を決定する
ことを特徴とする請求項1に記載の通信方法。
【請求項6】
前記アンカーシンボルが複数の基準エレメントを含むように前記アンカー送信用フォーマットを構成し、
前記他の表示装置において、前記アンカーシンボルにおける前記基準エレメントの受光位置に基づいて、前記シンボル送受信状態情報を取得する
ことを特徴とする請求項5に記載の通信方法。
【請求項7】
時間軸に沿って変化する2次元コードである動画2次元コードを用いて、動画像の表示と光の受光とが可能な第1の受発光画面を備えた他の一の表示装置との間で通信を行う表示装置であって、
動画像の表示と光の受光とが可能な第2の受発光画面と、
前記一の表示装置の第1の受発光画面から、そこに表示された前記動画2次元コードを構成する複数のシンボルを前記第2の受発光画面を用いて読み取る読取制御手段と、
前記読取制御手段により読み取られたシンボルに基づいて、前記第2の受発光画面と前記第1の受発光画面との相対角度を示す情報、前記第1の受発光画面に表示されているシンボルの大きさを示す情報、および、読み取ったシンボルの受光位置を示す情報のうちの少なくとも1つを含むシンボル送受信状態情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得したシンボル送受信状態情報に基づいて、前記第2の受発光画面に前記動画2次元コードを表示する際のシンボルの表示角度、大きさおよび表示位置のうちの少なくとも1つの表示条件を決定する決定手段と、
複数のシンボルから構成される前記動画2次元コードを生成する生成手段と、
前記決定手段により決定した表示条件に基づいて、前記生成手段により生成された動画2次元コードにおける複数のシンボルを時間軸に沿って前記第2の受発光画面に順次表示させる表示制御手段と
を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項8】
前記一の表示装置において、前記動画2次元コードを構成する各シンボルが複数の基準エレメントを含むように構成したとき、
前記取得手段は、各シンボルにおける前記基準エレメントの受光位置に基づいて、前記シンボル送受信状態情報を取得する
ことを特徴とする請求項7に記載の表示装置。
【請求項9】
前記決定手段は、前記読み取ったシンボルの受光位置からの位置ずれの余裕度も考慮して、前記表示条件を決定する
ことを特徴とする請求項7に記載の表示装置。
【請求項10】
前記決定手段は、前記第2の受発光画面と前記第1の受発光画面との相対角度からの角度ずれの余裕度も考慮して、前記表示条件を決定する
ことを特徴とする請求項7に記載の表示装置。
【請求項11】
前記第2の受発光画面を構成する受発光素子が、有機EL素子である
ことを特徴とする請求項7に記載の表示装置。
【請求項12】
前記読取制御手段は、データ送信用フォーマットで表現された2次元コードであるデータシンボルと、アンカー送信用フォーマットで表現された2次元コードであるアンカーシンボルとを含む複数のシンボルから構成される動画2次元コードを読み取り、
前記取得手段は、前記読取制御手段により読み取られたシンボルからアンカーシンボルを検出し、この検出したアンカーシンボルに基づいて、前記シンボル送受信状態情報のうちの少なくとも1つを取得する
ことを特徴とする請求項7に記載の表示装置。
【請求項13】
前記一の表示装置において、前記アンカーシンボルが複数の基準エレメントを含むように前記アンカー送信用フォーマットを構成したとき、
前記取得手段は、前記アンカーシンボルにおける前記基準エレメントの受光位置に基づいて、前記シンボル送受信状態情報を取得する
ことを特徴とする請求項12に記載の表示装置。
【請求項14】
時間軸に沿って変化する2次元コードである動画2次元コードを用いて通信を行う2つの表示装置からなる通信システムであって、
一の表示装置が、
動画像の表示と光の受光とが可能な第1の受発光画面と、
複数のシンボルから構成される前記動画2次元コードを生成する第1の生成手段と、
前記第1の生成手段により生成された動画2次元コードにおける複数のシンボルを、時間軸に沿って前記第1の受発光画面に順次表示させる第1の表示制御手段と
を備え、
他の表示装置が、
動画像の表示と光の受光とが可能な第2の受発光画面と、
前記一の表示装置の第1の受発光画面から、そこに表示された前記動画2次元コードを構成する複数のシンボルを前記第2の受発光画面を用いて読み取る読取制御手段と、
前記読取制御手段により読み取られたシンボルに基づいて、前記第2の受発光画面と前記第1の受発光画面との相対角度を示す情報、前記第1の受発光画面に表示されているシンボルの大きさを示す情報、および、読み取ったシンボルの受光位置を示す情報のうちの少なくとも1つを含むシンボル送受信状態情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得したシンボル送受信状態情報に基づいて、前記第2の受発光画面に前記動画2次元コードを表示する際のシンボルの表示角度、大きさおよび表示位置のうちの少なくとも1つの表示条件を決定する決定手段と、
複数のシンボルから構成される前記動画2次元コードを生成する第2の生成手段と、
前記決定手段により決定した表示条件に基づいて、前記第2の生成手段により生成された動画2次元コードにおける複数のシンボルを時間軸に沿って前記第2の受発光画面に順次表示させる第2の表示制御手段と
を備える
ことを特徴とする通信システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2006−65599(P2006−65599A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−247740(P2004−247740)
【出願日】平成16年8月27日(2004.8.27)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】