説明

表示装置とその製造方法

【課題】プラスチック絶縁基板を使用しながらブラックマトリックスとカラーフィルターの整列不良が減少する表示装置を提供する。
【解決手段】本発明による表示装置は、第1絶縁基板と、前記第1絶縁基板上に形成された薄膜トランジスタとを含む第1基板と;前記第1基板と対向配置されており、プラスチック材質の第2絶縁基板と、前記第2絶縁基板上に形成されており第1方向に延長されている複数の横延長部および前記第1方向と垂直をなす第2方向に延長されており間隔が不均一な複数の縦延長部を有するブラックマトリックスとを含む第2基板と;前記第1基板と前記第2基板の間に位置する液晶層とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置とその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、既存のブラウン管を代替して、液晶表示装置と有機電界発光装置(OLED)のような平板表示装置(flat panel display)が多く使用されている。
液晶表示装置は、互いに対向する薄膜トランジスタ基板およびカラーフィルター基板、そしてこれらの間に液晶層が位置している液晶表示パネルを含む。液晶表示パネルは非発光素子であるので、薄膜トランジスタ基板の後面には光を照射するためのバックライトユニットが配置されている。バックライトユニットから照射された光は液晶層の配列状態によって透過量が調節される。
【0003】
最近、表示装置の軽量化及び薄形化のためにカラーフィルター基板に、従来のガラス絶縁基板の代わりに、プラスチック絶縁基板の適用が活発になっている。
【特許文献1】韓国公開特許2003-019232号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、プラスチック絶縁基板を用いる場合、カラーフィルター形成過程でブラックマトリックスが変形されて、カラーフィルターとブラックマトリックスとの間の整列に不良が発生する問題がある。
従って、本発明の目的は、ブラックマトリックスとカラーフィルターの整列不良が減少する表示装置を提供することにある。
【0005】
本発明の他の目的は、ブラックマトリックスとカラーフィルターの整列不良が減少する表示装置の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明1は、第1絶縁基板と、前記第1絶縁基板上に形成された薄膜トランジスタとを含む第1基板と;前記第1基板と対向配置されており、プラスチック材質の第2絶縁基板と、前記第2絶縁基板上に形成されており第1方向に延長されている複数の横延長部および前記第1方向と垂直をなす第2方向に延長されており間隔が不均一な複数の縦延長部を有するブラックマトリックスとを含む第2基板と;前記第1基板と前記第2基板の間に位置する液晶層とを含む表示装置を提供する。
【0007】
ブラックマトリックスの縦延長部どうしの間隔が不均一に形成されることで、ブラックマトリックスの第1方向への膨張が制限され、カラーフィルターとの整列誤差も減少させることができる。このとき、プラスチック材質の第2絶縁基板が膨張することによりブラックマトリックスが移動したとしても、上述のように縦延長部どうしの間隔を不均一にすることで、ブラックマトリックスとカラーフィルターとの整列誤差を補償することができる。これにより、ブラックマトリックスの開口部にカラーフィルター230が位置しなくなって光漏れが発生するのを防止することができる。
【0008】
発明2は、発明1において、隣接した前記縦延長部の間隔は第1縦間隔と前記第1縦間隔より小さい第2縦間隔とを含み、前記第2縦間隔は一定の個数の前記縦延長部を介して形成されているのが好ましい。
発明3は、発明1において、隣接した前記縦延長部の間隔は第1縦間隔と前記第1縦間隔より小さい第2縦間隔とを含み、前記縦延長部は、第1縦幅を有する第1サブ縦部と;前記第1縦幅より大きい第2縦幅を有する第2サブ縦部とを含むのが好ましい。
【0009】
発明4は、発明3において、前記第2縦間隔をなす一対の前記縦延長部のうちの少なくともいずれか一つは前記第2サブ縦部であるのが好ましい。
発明5は、発明1において、前記第2絶縁基板は長方形形状であり、前記第2方向は前記第2絶縁基板の短辺と並んでいるのが好ましい。
発明6は、発明5において、前記第2基板は、前記ブラックマトリックス上に一定の間隔で形成されたカラーフィルターをさらに含むのが好ましい。
【0010】
発明7は、発明5において、隣接した前記横延長部の間隔は一定するのが好ましい。
発明8は、発明5において、前記横延長部の間隔は第1横間隔と前記第1横間隔より小さい第2横間隔とを含み、前記第2横間隔は一定の個数の前記横延長部を介して形成されているのが好ましい。
発明9は、発明5において、前記横延長部の間隔は第1横間隔と前記第1横間隔より小さい第2横間隔とを含み、前記横延長部は、第1横幅を有する第1サブ横部と;前記第1横幅より大きい第2横幅を有する第2サブ横部とを含むのが好ましい。
【0011】
発明10は、発明9において、前記第2横間隔をなす一対の前記横部分のうちの少なくともいずれか一つは前記第2サブ横部であるのが好ましい。
発明11は、発明1において、前記ブラックマトリックスおよび前記第2絶縁基板に形成されており、前記第2方向に延長された間隔が不均一な複数のサブ層を有するカラーフィルターをさらに含むのが好ましい。
【0012】
発明12は、発明1において、前記各サブ層の幅は一定とするのが好ましい。
前記本発明13は、プラスチック材質の絶縁基板上に第1方向に延長されている複数の横延長部および前記第1方向と垂直をなす第2方向に延長されており、間隔が不均一な複数の縦延長部を有するブラックマトリックスを形成する段階と;前記ブラックマトリックスが形成する開口部に一定の間隔でカラーフィルターを形成する段階とを含む表示装置の製造方法によって達成される。
【0013】
このように形成された表示装置は、発明1と同様の作用効果を奏する。
発明14は、発明13において、隣接した前記縦延長部の間隔は第1縦間隔と前記第1縦間隔より小さい第2縦間隔とを含み、前記第2縦間隔は一定の個数の前記縦延長部を介して形成されているのが好ましい。
発明15は、発明13において、隣接した前記縦延長部の間隔は第1縦間隔と前記第1縦間隔より小さい第2縦間隔とを含み、前記縦延長部は、第1縦幅を有する第1サブ縦部と;前記第1縦幅より大きい第2縦幅を有する第2サブ縦部とを含むのが好ましい。
【0014】
発明16は、発明15において、前記第2縦間隔をなす一対の前記縦延長部のうちの少なくともいずれか一つは前記第2サブ縦部であるのが好ましい。
発明17は、発明13乃至16のいずれかにおいて、前記第2絶縁基板は長方形形状であり、前記第2方向は前記第2絶縁基板の短辺と並んでいるのが好ましい 。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、プラスチック絶縁基板を使用しながらブラックマトリックスとカラーフィルターの整列不良が減少する表示装置が提供される。
また、プラスチック絶縁基板を使用しながらブラックマトリックスとカラーフィルターの整列不良が減少する表示装置の製造方法が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、添付図面を参照して本発明をさらに詳しく説明する。
いろいろな実施形態において同一の構成要素に対しては同一の参照番号を付与し、同一の構成要素については第1実施形態で代表的に説明し、他の実施形態では省略されることができる。
説明で‘上に’または‘の上に’は二層(膜)間に他の層(膜)が介されたり介されないことを意味し、‘真上に’は二層(膜)が互いに接触していることを示す。
【0017】
<発明の概要>
本発明の表示装置は、第1基板と、第1基板と対向配置されている第2基板と、第1基板と第2基板との間に位置する液晶層と、を含む。第1基板には、第1絶縁基板と、第1絶縁基板上に形成された薄膜トランジスタとが形成されている。第2基板には、プラスチック材質の第2絶縁基板と、第2絶縁基板上に形成されており第1方向に延長されている複数の横延長部、第1方向と垂直をなす第2方向に延長されており間隔が不均一な複数の縦延長部を有するブラックマトリックスとを含む。
【0018】
ブラックマトリックスの縦延長部どうしの間隔が不均一に形成されることで、ブラックマトリックスの第1方向への膨張が制限され、カラーフィルターとの整列誤差も減少させることができる。このとき、プラスチック材質の第2絶縁基板が膨張することによりブラックマトリックスが移動したとしても、上述のように縦延長部どうしの間隔を不均一にすることで、ブラックマトリックスとカラーフィルターとの整列誤差を補償することができる。これにより、ブラックマトリックスの開口部にカラーフィルター230が位置しなくなって光漏れが発生するのを防止することができる。
【0019】
<第1実施形態>
図1乃至図3を参照して、本発明の第1実施形態によって製造された表示装置を説明する。図1は本発明の第1実施形態による表示装置の斜視図である。図2は図1のII−II線に沿った断面図であり、そして図3は図1のIII−III線に沿った断面図である。
【0020】
表示装置1は、薄膜トランジスタTが形成されている第1基板100、第1基板100に対向配置されており、共通電極251が形成されている第2基板200、両基板100、200を付着させるシーラント300、両基板100、200とシーラント300が形成する空間に位置する液晶層400を含む。第1基板100と第2基板200は長方形形状であり、第1基板100が第2基板200に比べて多少大きい。第1基板100および第2基板200は薄膜トランジスタTが位置する表示領域と、表示領域を囲んでおりシーラント300およびパッド123、144が形成される非表示領域とに分かれる。
【0021】
以下、第1基板100を説明する。
第1絶縁基板110上にゲート配線121、122、123が形成されている。第1絶縁基板110はプラスチックまたはガラスからなることができる。
ゲート配線121、122、123は、横方向に互いに平行に延在しているゲート線121、ゲート線121に接続されている薄膜トランジスタTのゲート電極122、ゲート線121の端部に設けられているゲートパッド123を含む。ゲートパッド123は外部回路との接続のためにゲート線121に比べて幅が増加されている。
【0022】
第1絶縁基板110及びゲート配線121、122、123の上には窒化シリコン(SiNx)等からなるゲート絶縁膜131が形成されている。
ゲート電極122のゲート絶縁膜131上部には非晶質シリコンなどの半導体からなる半導体層132が形成されており、半導体層132の上部にはシリサイドまたはn型不純物が高濃度にドーピングされているn+水素化非晶質シリコンなどの物質で作られた抵抗接触層133が形成されている。半導体層132はゲート電極122上部に島のように形成されており、抵抗接触層133はゲート電極122を中心に2部分に分かれている。
【0023】
抵抗接触層133およびゲート絶縁膜131の上にはデータ配線141、142、143、144が形成されている。データ配線141、142、143、144は、縦方向に形成されてゲート線121と交差して画素を定義するデータ線141、データ線141の分枝であり抵抗接触層133の上部まで延長されているソース電極142、ソース電極142と分離されておりゲート電極122を中心にソース電極142の反対側に形成されているドレイン電極143、データ線141の端部に形成されているデータパッド144を含む。データパッド144は外部回路との接続のためにデータ線141に比べて幅が増加されている。
【0024】
データ配線141、142、143、144およびこれらが覆っていない半導体層132の上部には窒化シリコン、PECVD法によって蒸着されたa−Si:C:O膜またはa−Si:O:F膜などからなる保護膜151が形成されている。保護膜151にはドレイン電極143を露出させる接触孔171、ゲートパッド123を露出させる接触孔172、そしてデータパッド144を露出させる接触孔173が形成されている。
【0025】
保護膜151上部にはITO(indium tin oxide)またはIZO(indium zinc oxide)などの透明な電導物質からなる透明電導層161、162、163が形成されている。透明電導層161、162、163は、ドレイン電極143を露出させる接触孔171を通じて薄膜トランジスタTと接続されている画素電極161、ゲートパッド123を露出させる接触孔172上に形成されている第1接触部材162、そしてデータパッド144を露出させる接触孔173上に形成されている第2接触部材163を含む。
【0026】
以下、第1基板100に対向配置されている第2基板200を説明する。
第2絶縁基板210上にブラックマトリックス220が形成されている。第2絶縁基板210はプラスチックからなり、これに限定されないが、ポリカーボン(polycarbon)、ポリイミド(polyimide)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリアリレート(PAR)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等で作られることができる。
【0027】
ブラックマトリックス220は格子状に形成されており、表示領域内に形成されている内部ブラックマトリックス220aと非表示領域に形成されている外郭ブラックマトリックス220bを含む。内部ブラックマトリックス220aはゲート線121およびデータ線141の上部と薄膜トランジスタTの上部に形成されている。内部ブラックマトリックス220aは外部光が薄膜トランジスタTのチャンネル領域に供給されることを防止し、外郭ブラックマトリックス220bは表示領域周りを囲むように形成されている。外郭ブラックマトリックス220bは内部ブラックマトリックス220aより幅が大きく設けられている。ブラックマトリックス220はクロム酸化物や、黒色顔料を含む有機物からなることができる。
【0028】
ブラックマトリックス220の間にはカラーフィルター230が形成されている。カラーフィルター230は規則的に形成されており互いに異なる色を有する3つのサブ層230a、230b、230cが繰り返されて形成されている。
カラーフィルター230上にはオーバーコート層241が形成されている。オーバーコート層241は表面を平坦化させる役割を果たす。
【0029】
オーバーコート層241上には共通電極251が形成されている。共通電極251はITO(indium tin oxide)またはIZO(indium zinc oxide)などの透明な電導物質からなり、画素電極161と共に液晶層400に電圧を印加して液晶層400の配列状態を調節する。
図示していないが、画素電極161と共通電極251の上には配向膜が形成されている。配向膜は通常ポリイミド(polyimide)からなり、液晶分子を一定の方向に配列させることができるようにラビングされている。
【0030】
両基板100、200の外郭にはシーラント300が設けられている。シーラント300は表示領域の周りに沿って非表示領域に形成されており、アクリル樹脂のような紫外線硬化樹脂を含んでいる。また、熱硬化性樹脂のエポキシ樹脂、アミン系の硬化剤、アルミナパウダーのような充填剤(filler)、スペーサーをさらに含むことができる。
液晶層400は両基板100、200およびシーラント300が形成する空間内に位置し、画素電極161と共通電極251との電圧差によって配列が変化する。
【0031】
図4を参照して本発明の第1実施形態による表示装置のブラックマトリックス220を説明する。図4は表示領域内部の内部ブラックマトリックス220aの一部分を示したものである。
内部ブラックマトリックス220aは、横方向(第1方向)に延長されている横延長部221と、縦方向(第2方向)に延長されている縦延長部222とを含む。横延長部221と縦延長部222は互いに直交しながら開口部Cを形成する。
【0032】
内部ブラックマトリックス220aの線部分Aはゲート線121およびデータ線141とオーバーラップされ、横延長部221と縦延長部222の交差地点に設けられた厚い部分Bは薄膜トランジスタとオーバーラップされる。
内部ブラックマトリックス220aを含む第2基板200は全体的に長方形形状を有している。横延長部221は第2基板200の長辺と平行な第1方向に延長されており、縦延長部222は第2基板200の短辺と平行な第2方向に延長されている。
【0033】
内部ブラックマトリックス220aの間隔を見てみると次の通りである。
縦延長部222の間隔は不均一であり、第1間隔d1および第1間隔d1より狭い第2間隔d2を含む。第1間隔d1と第2間隔d2は一定のパターンに配置されており、6つの第1間隔d1ごとに第2間隔d2が位置する。
第2間隔d2は第1間隔d1の70%〜98%であり得る。第2間隔d2が第1間隔d1の70%以下であれば開口部Cが過度に減り、第2間隔d2が第1間隔d1の98%以上であれば整列効果が減少する。第2間隔d2の具体的な大きさは第2絶縁基板210の熱膨張係数、カラーフィルター230製造時の温度条件および第1間隔d1と第2間隔d2の比率などによって決定される。
【0034】
横延長部221の間隔は全て第3間隔d3であって、横延長部221は均一に配置されている。
図5は本発明の第1実施形態による表示装置でのカラーフィルターを説明するための図面である。
カラーフィルター230は第2基板200の短辺と並んだ第2方向に沿って長く延長されており、各サブ層230a、230b、230cが反復的に配置されている。各サブ層230a、230b、230cの間隔は全て第4間隔d4であって、カラーフィルター230は均一に配置されている。一方、カラーフィルター230の幅は第1幅w1であって一定に形成されている。
【0035】
図6は本発明の第1実施形態による表示装置でのブラックマトリックスとカラーフィルターとの整列を説明するための断面図である。
図6で見れば、中心部分ではカラーフィルター230が縦延長部222の中間部分を中心に両側に形成されている。中心から遠くなるほどカラーフィルター230は縦延長部222の中間部分から遠い部分を中心に両側に形成される。つまり、各カラーフィルター230は、隣接する縦延長部222にまたがるように形成されている。ここで、図6の真ん中部分では隣接する縦延長部222の中間部分どうしにまたがるように形成されているが、中央部分から離れるほど縦延長部222の端部どうしをまたがるように形成される。言い換えれば、中心部分から遠くなるほどブラックマトリックス220とカラーフィルター230の整列に誤差が発生する。
【0036】
これはブラックマトリックス220がプラスチック材質の第2絶縁基板210上に形成されているためである。プラスチックはガラスに比べて熱膨張係数が大きいため、プラスチック絶縁基板はガラス絶縁基板と異なり熱によって容易に膨張する。
カラーフィルター230の製造過程ではコーティング、露光、現像、ベーク(bake)等の工程が繰り返され、この工程での熱によってプラスチック絶縁基板が膨張するようになる。プラスチック絶縁基板が膨張すれば、上部に形成されているブラックマトリックス220も共に膨張するようになって、カラーフィルター230との整列に不良が発生する。ブラックマトリックス220の膨張が激しくなれば、ブラックマトリックス220の開口部Cにカラーフィルター230が位置しなくなって光漏れが発生する。
【0037】
膨張程度は、例えば7インチ基板の場合、約50μm程度である。膨張は第2基板200の短辺方向よりは比較的に長さが長い第2基板200の長辺方向(第1方向)で大きく発生し、これによって縦延長部222の間隔が増加する。
本発明で縦延長部222の間隔には、比較的に狭い第2間隔d2が含まれる。第2間隔d2によって縦延長部222間隔の膨張、即ち、ブラックマトリックス220の第1方向への膨張が制限され、カラーフィルター230との整列誤差も減少させることができる。また、プラスチック材質の第2絶縁基板210が膨張することによりブラックマトリックス230が移動したとしても、第2間隔d2が狭く、かつ第1間隔d1に対して所定数ごとに配置されることで、ブラックマトリックス220とカラーフィルターとの整列誤差を補償することができる。第2間隔d2は一定のパターンに第2基板200全体にわたって形成されるので第2基板200全体でブラックマトリックス220とカラーフィルター230との整列誤差が減少する。これにより、ブラックマトリックスの開口部にカラーフィルター230が位置しなくなって光漏れが発生するのを防止することができる。
【0038】
図7は本発明の第1実施形態による表示装置の製造方法を説明するための断面図であって、第2絶縁基板110上にブラックマトリックス220を形成した状態を示したものである。
図7で見れば縦延長部222の間隔は第5間隔d5および第5間隔d5より小さい第6間隔d6を含む。第5間隔d5と第6間隔d6は一定のパターンで配置されており、6つの第5間隔d5ごとに第6間隔d6が位置する。
【0039】
ブラックマトリックス220は、その後カラーフィルター230の形成過程を経て膨張して図6のような状態となる。膨張によって第5間隔d5は第1間隔d1に増加し、第6間隔d6は第2間隔d2に増加する。一方、縦延長部222の幅も第3幅w3から第2幅w2に増加する。
ブラックマトリックス220形成後、カラーフィルター層230、オーバーコート層241、および共通電極251を形成すると第2基板200が完成される。
【0040】
第1基板100の製造方法は公知の方法で行なわれることができ、説明は省略する。第1基板100と第2基板200の接合および液晶層400の注入もまた公知の方法で行なわれることができ、説明は省略する。
以上の第1実施形態は多様に変形されることができる。例えば、縦延長部222の間隔は不規則なパターンに配置され、間隔が3つ以上であることもできる。
【0041】
<第2実施形態>
図8は本発明の第2実施形態による表示装置でのブラックマトリックスとカラーフィルターとの整列を説明するための断面図である。
縦延長部222は、幅が周囲の縦延長部222の幅の第2幅w2に比べて大きく設けられている拡張縦延長部222aを含む。拡張縦延長部222aは隣り合わせた縦延長部222と第2間隔d2をなしている。なお、第1間隔d2は、第1間隔d1より狭い。第1間隔d1と第2間隔d2は一定のパターンに配置されており、6つの第1間隔d1ごとに第2間隔d2が位置する。
【0042】
拡張縦延長部222aの幅の第4幅w4は第2幅w2の102%〜130%であり得る。第4幅d4の具体的な大きさは第2絶縁基板210の熱膨張係数、カラーフィルター230製造時の温度条件などによって決定される。
このように間隔の狭い第2間隔d2に対応するように、幅の広い第4幅w4を有する拡張縦延長部222aが形成されることで、第2間隔d2において、隣接する拡張縦延長部222aと縦延長部222との間隔を狭くすることができる。このような構成により、縦延長部222間隔の膨張、即ち、ブラックマトリックス220の第1方向への膨張が制限され、カラーフィルター230との整列誤差も減少させることができる。また、プラスチック材質の第2絶縁基板210が膨張することによりブラックマトリックス230が移動したとしても、上述のように第2間隔d2において、隣接する拡張縦延長部222aと縦延長部222との間隔を狭くすることで、ブラックマトリックス220とカラーフィルターとの整列誤差を補償することができる。このような構成は、一定のパターンに第2基板200全体にわたって形成されるので第2基板200全体でブラックマトリックス220とカラーフィルター230との整列誤差が減少する。これにより、ブラックマトリックスの開口部にカラーフィルター230が位置しなくなって光漏れが発生するのを防止することができる。
【0043】
<第3実施形態>
以下、図9および図10を参照して本発明の第3実施形態による表示装置を説明する。
図9は本発明の第3実施形態による表示装置でのブラックマトリックスを説明するための図面であり、図10は本発明の第3実施形態による表示装置でのカラーフィルターを説明するための図面である。
【0044】
図9を見れば縦延長部222の間隔は第1実施形態と同様に第1間隔d1および第1間隔d1より狭い第2間隔d2を含む。第1間隔d1と第2間隔d2は一定のパターンに配置されており、6つの第1間隔d1ごとに第2間隔d2が位置する。
一方、第3実施形態では横延長部221の間隔も第3間隔d3および第3間隔d2より狭い第7間隔d7を含む。第3間隔d3と第7間隔d7は一定のパターンに配置されており、10個の第3間隔d3ごとに第7間隔d7が位置する。第1実施形態とは異なり横延長部221の間隔も不均一な理由は、カラーフィルター230の配置が第1実施形態と異なるためである。
【0045】
図10を見ればカラーフィルター230は第1方向にサブ層230a、230b、230cが繰り返されるだけでなく、第2方向にも隣接したサブ層230a、230b、230cが相異している。したがって、第1実施形態とは異なり第2方向にもブラックマトリックス220とカラーフィルター230間の整列誤差が発生することがある。横延長部221に形成された第7間隔d7は整列誤差を減少させる役割を果たす。これにより、第1方向のみならず第2方向におけるブラックマトリックスとカラーフィルターとの整列誤差を補償することができる。これにより、ブラックマトリックスの開口部にカラーフィルター230が位置しなくなって光漏れが発生するのを防止することができる。
【0046】
第7間隔d7は第3間隔d3の70%〜98%であり得る。第7間隔d7が第3間隔d3の70%以下であれば開口部Cが過度に減り、第7間隔d7が第3間隔d3の98%以上であれば整列効果が減少する。第7間隔d7の具体的な大きさは第2絶縁基板210の熱膨張係数、カラーフィルター230製造時の温度条件および第3間隔d3と第7間隔d7の比率などによって決定される。
【0047】
実施形態とは異なり横延長部221の間隔は不規則なパターンに配置され、間隔が3つ以上であることもできる。
<第4実施形態>
以下、図11を参照して本発明の第4実施形態による表示装置を説明する。
図11は本発明の第4実施形態による表示装置でのブラックマトリックスとカラーフィルターとの整列を説明するための断面図である。
【0048】
図11に示したように、縦延長部222は第1間隔d1を介して均一に配置されている。カラーフィルター230の幅は第1幅w1であって一定であるが、カラーフィルター230の間隔は第4間隔d4および第4間隔より大きい第8間隔d8を含む。第4間隔d4と第8間隔d8は一定のパターンに配置されており、6つの第4間隔d4ごとに第8間隔d8が位置する。第8間隔d8は第2絶縁基板210およびブラックマトリックス220の膨張に対応してカラーフィルター230の間隔を広げてブラックマトリックス220とカラーフィルター230の整列誤差を減少させる。
【0049】
一方、ブラックマトリックス220の間隔とカラーフィルター230の間隔を同時に不均一にする構成も可能である。例えば、ブラックマトリックス220は一定の位置ごとに狭い間隔を有するようにし、カラーフィルター230は一定の位置ごとに広い間隔を有するようにする。これにより、上記実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
たとえ本発明のいくつかの実施形態が図示されて説明されたが、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する当業者であれば、本発明の原則や精神から外れずに本実施形態を変形できることが分かる。本発明の範囲は添付された請求項とその均等物によって決められる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の第1実施形態による表示装置の斜視図である。
【図2】図1のII−II線に沿った断面図である。
【図3】図1のIII−III線に沿った断面図である。
【図4】本発明の第1実施形態による表示装置でのブラックマトリックスを説明するための図面である。
【図5】本発明の第1実施形態による表示装置でのカラーフィルターを説明するための図面である。
【図6】本発明の第1実施形態による表示装置でのブラックマトリックスとカラーフィルターとの整列を説明するための断面図である。
【図7】本発明の第1実施形態による表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
【図8】本発明の第2実施形態による表示装置でのブラックマトリックスとカラーフィルターとの整列を説明するための断面図である。
【図9】本発明の第3実施形態による表示装置でのブラックマトリックスを説明するための図面である。
【図10】本発明の第3実施形態による表示装置でのカラーフィルターを説明するための図面である。
【図11】本発明の第4実施形態による表示装置でのブラックマトリックスとカラーフィルターとの整列を説明するための断面図である。
【符号の説明】
【0051】
100 第1基板
110 第1絶縁基板
121 ゲート線
122 ゲート電極
123 ゲートパッド
131 ゲート絶縁膜
132 半導体層
133 抵抗接触層
141 データ線
142 ソース電極
143 ドレイン電極
144 データパッド
151 保護膜
200 第2基板
210 第2絶縁基板
220 ブラックマトリックス
221 横延長部
222 縦延長部
230 カラーフィルター
241 オーバーコート層
300 シーラント
400 液晶層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1絶縁基板と、前記第1絶縁基板上に形成された薄膜トランジスタとを含む第1基板と;
前記第1基板と対向配置されており、プラスチック材質の第2絶縁基板と、前記第2絶縁基板上に形成されており第1方向に延長されている複数の横延長部および前記第1方向と垂直をなす第2方向に延長されており間隔が不均一な複数の縦延長部を有するブラックマトリックスとを含む第2基板と;
前記第1基板と前記第2基板の間に位置する液晶層とを含む表示装置。
【請求項2】
隣接した前記縦延長部の間隔は第1縦間隔と前記第1縦間隔より小さい第2縦間隔とを含み、
前記第2縦間隔は一定の個数の前記縦延長部を介して形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
隣接した前記縦延長部の間隔は第1縦間隔と前記第1縦間隔より小さい第2縦間隔とを含み、
前記縦延長部は、
第1縦幅を有する第1サブ縦部と;
前記第1縦幅より大きい第2縦幅を有する第2サブ縦部とを含むことを特徴とする、請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第2縦間隔をなす一対の前記縦延長部のうちの少なくともいずれか一つは前記第2サブ縦部であることを特徴とする、請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第2絶縁基板は長方形形状であり、
前記第2方向は前記第2絶縁基板の短辺と並んでいることを特徴とする、請求項1乃至4のうちのいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第2基板は、
前記ブラックマトリックス上に一定の間隔で形成されたカラーフィルターをさらに含むことを特徴とする、請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
隣接した前記横延長部の間隔は一定することを特徴とする、請求項5に記載の表示装置。
【請求項8】
前記横延長部の間隔は第1横間隔と前記第1横間隔より小さい第2横間隔とを含み、
前記第2横間隔は一定の個数の前記横延長部を介して形成されていることを特徴とする、請求項5に記載の表示装置。
【請求項9】
前記横延長部の間隔は第1横間隔と前記第1横間隔より小さい第2横間隔とを含み、
前記横延長部は、
第1横幅を有する第1サブ横部と;
前記第1横幅より大きい第2横幅を有する第2サブ横部とを含むことを特徴とする、請求項5に記載の表示装置。
【請求項10】
前記第2横間隔をなす一対の前記横部分のうちの少なくともいずれか一つは前記第2サブ横部であることを特徴とする、請求項9に記載の表示装置。
【請求項11】
前記ブラックマトリックスおよび前記第2絶縁基板に形成されており、前記第2方向に延長された間隔が不均一な複数のサブ層を有するカラーフィルターをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の表示装置。
【請求項12】
前記各サブ層の幅は一定であることを特徴とする、請求項11に記載の表示装置。
【請求項13】
プラスチック材質の絶縁基板上に第1方向に延長されている複数の横延長部および前記第1方向と垂直をなす第2方向に延長されており、間隔が不均一な複数の縦延長部を有するブラックマトリックスを形成する段階と;
前記ブラックマトリックスが形成する開口部に一定の間隔でカラーフィルターを形成する段階と
を含むことを特徴とする表示装置の製造方法。
【請求項14】
隣接した前記縦延長部の間隔は第1縦間隔と前記第1縦間隔より小さい第2縦間隔とを含み、
前記第2縦間隔は一定の個数の前記縦延長部を介して形成されていることを特徴とする、請求項13に記載の表示装置の製造方法。
【請求項15】
隣接した前記縦延長部の間隔は第1縦間隔と前記第1縦間隔より小さい第2縦間隔とを含み、
前記縦延長部は、
第1縦幅を有する第1サブ縦部と;
前記第1縦幅より大きい第2縦幅を有する第2サブ縦部とを含むことを特徴とする、請求項13に記載の表示装置の製造方法。
【請求項16】
前記第2縦間隔をなす一対の前記縦延長部のうちの少なくともいずれか一つは前記第2サブ縦部であることを特徴とする、請求項15に記載の表示装置の製造方法。
【請求項17】
前記第2絶縁基板は長方形形状であり、
前記第2方向は前記第2絶縁基板の短辺と並んでいることを特徴とする、請求項13乃至16のうちのいずれか一項に記載の表示装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−193329(P2007−193329A)
【公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−1969(P2007−1969)
【出願日】平成19年1月10日(2007.1.10)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【Fターム(参考)】