説明

表示装置の製造方法

【課題】保護フィルムを用いて封止膜の損傷を防止する表示装置の製造を容易にすること。
【解決手段】本発明の表示装置の製造方法は、基板20の一主面上に複数の表示素子をそれぞれが含むとともに互いから離間した複数の素子群2227を形成する工程と、素子群2227のそれぞれの上に封止膜3を形成する工程と、封止膜3を形成する工程の後に、基板20の上記主面に、保護フィルム5の一主面に複数の素子群2227に対応して互いから離間した複数の接着剤層4を設けてなる接着剤付き保護フィルムを、接着剤層4間の間隙が素子群2227間の間隙と向き合うように貼り付ける工程と、接着剤付き保護フィルムを貼り付けたまま、素子群2227間の間隙及び接着剤層4間の間隙の双方に対向した割断ライン101に沿って基板20を割断する工程とを含んだことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
有機EL(エレクトロルミネッセンス)表示装置の主要部である有機EL素子は、水分や酸素に晒されると、陰極の酸化や陰極と有機物層との界面剥離を容易に生じる。そのため、有機EL表示装置では、例えば、アレイ基板の有機EL素子を形成した面に封止膜を成膜することなどによって、有機EL素子を封止している。
【0003】
ところで、このような有機EL表示装置は、通常、以下の方法により製造する。まず、大判の絶縁基板上に各種素子や配線などを形成する。次に、上記のように有機EL素子を封止する。その後、これを割断することにより、複数の有機EL表示装置を得る。
【0004】
この方法では、割断時などに封止膜が損傷するのを防止すべく、封止膜の成膜直後に、これに接着剤付き保護フィルムを貼り付けることがある。この場合、割断前の絶縁基板には、予め各有機EL表示装置に対応した寸法に切断した接着剤付き保護フィルムを貼り付けてもよいが、絶縁基板と保護フィルムとの位置合わせなどの観点では、割断前の絶縁基板とほぼ対応した寸法の接着剤付き保護フィルムを貼り付け、これを割断時に各有機EL表示装置に対応した寸法に切断することが有利であると考えられる。
【0005】
しかしながら、本発明者は、本発明を為すに際し、絶縁基板に貼り付けた接着剤付き保護フィルムは切断し難いことを見出している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、保護フィルムを用いて封止膜の損傷を防止する表示装置の製造を容易にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1側面によると、基板の一主面上に複数の表示素子をそれぞれが含むとともに互いから離間した複数の素子群を形成する工程と、前記複数の素子群のそれぞれの上に封止膜を形成する工程と、前記封止膜を形成する工程の後に、前記基板の前記主面に、保護フィルムの一主面に前記複数の素子群に対応して互いから離間した複数の接着剤層を設けてなる接着剤付き保護フィルムを、前記複数の接着剤層間の間隙が前記複数の素子群間の間隙と向き合うように貼り付ける工程と、前記接着剤付き保護フィルムを貼り付けたまま、前記複数の素子群間の間隙及び前記複数の接着剤層間の間隙の双方に対向した割断ラインに沿って前記基板を割断する工程とを含んだことを特徴とする表示装置の製造方法が提供される。
【0008】
本発明の第2側面によると、基板の一主面上に複数の表示素子をそれぞれが含むとともに互いから離間した複数の素子群を形成する工程と、前記複数の素子群のそれぞれの上に封止膜を形成する工程と、前記封止膜を形成する工程の後に、前記複数の素子群上にそれらに対応して互いから離間した複数の接着剤層をそれぞれ形成する工程と、前記基板の前記主面に前記複数の接着剤層を介して保護フィルムを貼り付ける工程と、前記保護フィルムを貼り付けたまま、前記複数の素子群間の間隙及び前記複数の接着剤層間の間隙の双方に対向した割断ラインに沿って前記基板を割断する工程とを含んだことを特徴とする表示装置の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によると、保護フィルムを用いて封止膜の損傷を防止する表示装置の製造が容易になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の態様について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において、同様または類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
【0011】
図1は、本発明の第1態様に係る方法で製造可能な有機EL表示装置の例を概略的に示す断面図である。図1では、有機EL表示装置1を、その表示面,すなわち前面または光出射面,が上方を向き、背面が下方を向くように描いている。
【0012】
この有機EL表示装置1は、アクティブマトリクス型駆動方式を採用した上面発光型の有機EL表示装置であり、アレイ基板2と、その前面上に形成された封止膜3とを含んでいる。
【0013】
アレイ基板2は、例えば、ガラス基板などの絶縁基板20を含んでいる。この絶縁基板20の前面側の主面上では、複数の画素がマトリクス状に配列している。各画素は、例えば、一対の電源端子間で直列に接続された駆動制御素子21及び有機EL素子22と、画素スイッチ(図示せず)とを含んでいる。駆動制御素子21は、その制御端子が画素スイッチを介して映像信号線(図示せず)に接続されており、映像信号線から供給される映像信号に対応した大きさの電流を有機EL素子22へ出力する。また、画素スイッチの制御端子は走査信号線(図示せず)に接続されており、走査信号線から供給される走査信号によりON/OFFが制御される。なお、これら画素には、他の構造を採用することも可能である。
【0014】
基板20上には、アンダーコート層23として、例えば、SiNx層とSiOx層とが順次積層されている。アンダーコート層23上には、例えばチャネル及びソース・ドレインが形成されたポリシリコン層である半導体層211、例えばTEOS(TetraEthyl OrthoSilicate)などを用いて形成され得るゲート絶縁膜212、及び例えばMoWなどからなるゲート電極213が順次積層されており、それらはトップゲート型の薄膜トランジスタ(以下、TFTという)を構成している。この例では、これらTFTは、駆動制御素子22及び画素スイッチのTFTとして利用している。また、ゲート絶縁膜212上には、ゲート電極213と同一の工程で形成可能な走査信号線(図示せず)がさらに設けられている。
【0015】
ゲート絶縁膜212及びゲート電極213上には、例えばプラズマCVD法などにより成膜されたSiOxなどからなる層間絶縁膜24が設けられている。
【0016】
層間絶縁膜24上には、ソース・ドレイン電極25、反射層28、及び図示しない映像信号線が設けられている。ソース・ドレイン電極25は、例えば、Mo/Al/Moの三層構造を有しており、層間絶縁膜24に設けられたコンタクトホールを介してTFTのソース・ドレインに電気的に接続されている。映像信号線や反射層28は、ソース・ドレイン電極25と同一の工程で形成することができる。
【0017】
ソース・ドレイン電極25、反射層28及び映像信号線は、例えばSiNxなどからなるパッシベーション膜26で埋め込まれている。
【0018】
パッシベーション膜26上には、第1電極221が互いから離間して並置されている。第1電極221は、パッシベーション膜26に設けられた貫通孔を介してドレイン電極25に電気的に接続されている。第1電極221は、この例では光透過性の陽極である。第1電極221は、光反射性であってもよい。この場合、反射層28は不要である。
【0019】
パッシベーション膜26には、さらに、隔壁絶縁層27が設けられている。この隔壁絶縁層27には、第1電極221に対応した位置に貫通孔が設けられている。隔壁絶縁層27は、例えば、有機絶縁層であり、フォトリソグラフィ技術を用いて形成することができる。
【0020】
隔壁絶縁層27の貫通孔内で露出した第1電極221上には、発光層を含んだ有機物層222が設けられている。発光層は、例えば、発光色が赤色、緑色、または青色のルミネセンス性有機化合物を含んだ薄膜である。この有機物層222は、発光層以外の層をさらに含むことができる。例えば、有機物層222は、第1電極221から発光層への正孔の注入を媒介する役割を果たすバッファ層をさらに含むことができる。また、有機物層222は、正孔輸送層、正孔ブロッキング層、電子輸送層、電子注入層などもさらに含むことができる。
【0021】
隔壁絶縁層27及び有機物層222上には、光透過性の第2電極223が設けられている。第2電極223は、この例では、各画素共通に連続して設けられた陰極である。第2電極223は、パッシベーション膜26及び隔壁絶縁層27に設けられたコンタクトホール(図示せず)を介して、映像信号線と同一の層上に形成された電極配線に電気的に接続されている。それぞれの有機EL素子22は、これら第1電極221、有機物層222、及び第2電極223で構成されている。
【0022】
第1電極221上には、光透過性絶縁層である封止膜3が形成されている。封止膜3は、外部から有機EL素子22などへの水分等の侵入を防ぐとともに、平坦な表面を提供する役割を果たす。この封止膜3は、例えば、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)などの気相堆積法を用いてSiNxなどの無機誘電体を第2電極223上に堆積させることにより得られる。或いは、この封止膜3は、例えば、第2電極223上に樹脂を塗布し、それにより得られる塗膜を硬化させることでも形成することができる。
【0023】
封止膜3には、接着剤層4を介して、光透過性の保護フィルム5が貼り付けられている。これら接着剤層4及び保護フィルム5は、後述するように、主として、有機EL表示装置1の製造過程で封止膜3を損傷から保護する目的で使用する部材である。したがって、接着剤層4及び保護フィルム5は、最終製品からは除去されていてもよい。
【0024】
また、接着剤層4及び保護フィルム5は、最終製品から除去されていなくてもよい。保護フィルム5には、完成した有機EL表示装置1の封止膜3を損傷から保護する役割や、外部から有機EL素子22などへの水分等の侵入を防ぐ役割を担わせることができる。さらに、保護フィルム5として、偏光フィルムなどのように付加的な機能を有するものを使用することもできる。
【0025】
この有機EL表示装置1は、例えば、以下の方法により製造することができる。
図2乃至図6は、本発明の第1態様に係る有機EL表示装置の製造方法を概略的に示す断面図である。図7は、図4の構造を概略的に示す平面図である。
【0026】
なお、図2乃至図6では、各有機EL表示装置1の有機EL素子22と隔壁絶縁層27とを1つの素子群2227として纏めて描いている。また、図2乃至図6では、アレイ基板2を構成している部材としては、絶縁基板20及び素子群2227のみを描き、これら以外は省略している。さらに、図7では、保護フィルム5側から見た図4の構造を描いている。
【0027】
この方法では、まず、一主面にアンダーコート層23が設けられるとともに複数の有機EL表示装置1に対応した寸法の絶縁基板20を準備する。次に、アンダーコート層23上に、各有機EL表示装置1の駆動制御素子21や画素スイッチなどとして使用するTFT、各種配線、層間絶縁膜24、ソース・ドレイン電極25、反射層28、パッシベーション膜26などを形成する。
【0028】
その後、パッシベーション膜26上に、各有機EL表示装置1の第1電極221を形成する。これら第1電極221は、パッシベーション膜26に設けた貫通孔を介してドレイン電極25に電気的に接続する。
【0029】
次いで、パッシベーション膜26上に、例えば、フォトリソグラフィ技術を用いて、各有機EL表示装置1の隔壁絶縁層27を形成する。それぞれの隔壁絶縁層27には、第1電極221に対応した位置に貫通孔を設ける。また、それぞれの隔壁絶縁層27は、その周囲全体でパッシベーション膜26と封止膜3とが接触できるように、有機EL表示装置1よりも小さな寸法に形成する。
【0030】
次に、各第1電極221上に、発光層を含んだ有機物層222を形成する。有機物層222の材料として低分子化合物を使用する場合、有機物層222は、例えば、有機物層222に対応した開口が設けられたマスクを用いた真空蒸着法などの蒸着法により形成する。また、有機物層222の材料として高分子化合物を使用する場合、有機物層222は、例えば、インクジェット法により形成する。
【0031】
続いて、隔壁絶縁層27及び有機物層222上に、各有機EL表示装置1の第2電極223を形成する。それぞれの第2電極223は、その周囲全体でパッシベーション膜26と封止膜3とが接触できるように、有機EL表示装置1よりも小さな寸法に形成する。第2電極223には、単層構造或いは多層構造を採用することができる。
【0032】
その後、有機EL素子22及び隔壁絶縁層27上に、各有機EL表示装置1の封止膜3を形成する。ここでは、一例として、封止膜3は、プラズマCVDを用いてSiNxを堆積させることにより形成することとする。
【0033】
封止膜3は、隔壁絶縁層27よりも僅かに大きな寸法に形成し、隔壁絶縁層27の周囲全体でパッシベーション膜26と接触させる。これにより、パッシベーション膜26と封止膜3とで有機EL素子22及び隔壁絶縁層27を密閉する。以上のようにして、図2の構造を得る。
【0034】
次に、図3に示す接着剤付き保護フィルムを準備する。この接着剤付き保護フィルムは、保護フィルム5と、その一主面に設けられた複数の接着剤層4とを含んでいる。保護フィルム5としては、複数の有機EL表示装置1に対応した寸法,例えば割断前の絶縁基板20に対応した寸法,を有しているものを使用する。接着剤層4は、それぞれ封止膜3とほぼ等しい寸法とし、保護フィルム5上の封止膜3に対応した位置に互いから離間させて配置する。
【0035】
次いで、接着剤層4が封止膜3の正面に位置するように絶縁基板20と接着剤付き保護フィルムとを位置合わせする。続いて、図4及び図7に示すように、接着剤付き保護フィルムを、絶縁基板20の封止膜4を形成した面に貼り付ける。
【0036】
その後、図4及び図7に示すように、封止膜3や接着剤層4から離間した位置に割断ライン101を定め、これら割断ライン101に沿って絶縁基板20を割断する。これにより、図5に示す構造を得る。
【0037】
絶縁基板20の割断は、例えば、以下の方法により行う。まず、スクライバを用いて、絶縁基板20の背面に、割断ライン101に沿ってスクライブラインを形成する。次いで、基板表裏を反転させ、保護フィルム5側からスクライブラインに沿って局所的な圧力を加える。これにより、スクライブラインから厚さ方向にクラックを拡大させ、絶縁基板20とともにその上の各種薄膜を分断する。
【0038】
続いて、図5に示すように、封止膜3や接着剤層4から離間した位置に切断ライン102を定め、これら切断ライン102に沿って保護フィルム5を切断する。これにより、図6に示す構造を得る。保護フィルム5の切断には、例えば、切削加工やレーザ加工を利用する。
【0039】
さらに、必要に応じて、封止膜3から接着剤付き保護フィルムを剥離する。以上のようにして、有機EL表示装置1を完成する。
【0040】
この方法では、接着剤層4は、保護フィルム5の一主面全体に設ける訳ではなく、保護フィルム5の一主面のうち封止膜4に対応した部分にのみ設ける。加えて、絶縁基板20は、接着剤層4から離間した割断ライン101に沿って割断する。そのため、割断した絶縁基板20同士が接着剤層4を介して繋がったままとなることがない。
【0041】
また、この方法では、保護フィルム5は、接着剤層4から離間した切断ライン102に沿って切断する。そのため、切断した保護フィルム5同士が接着剤層4を介して繋がったままとなることがない。
しかも、切削工具の刃が接着剤層4に触れることがないため、比較的小さな力で保護フィルム5を切断することができるとともに、刃のメンテナンスが容易になる。
【0042】
さらに、この方法では、OLB(Outer Lead Bonding)パッドなどへの接着剤の付着をマスクなどを用いることなく防止することができる。
すなわち、本態様の方法を利用すると、有機EL表示装置1の製造が容易になる。
【0043】
次に、本発明の第2態様について説明する。第2態様は、図4の構造を得る方法が異なること以外は、第1態様と同様である。
【0044】
図8及び図9は、本発明の第2態様に係る有機EL表示装置の製造方法を概略的に示す断面図である。
この方法では、まず、第1態様で説明したのと同様の方法により、図2の構造を得る。
【0045】
次に、図8に示すように、各封止膜3上に接着剤層4を設ける。これら接着剤層4は、例えば、ディスペンサ方式やスクリーン印刷方式などで封止膜3上に接着剤を塗布することにより形成することができる。或いは、剥離紙などの上に設けた接着剤層4を、封止膜3上へと転写してもよい。
【0046】
次いで、図9に示す保護フィルム5を、接着剤層4を介して封止膜3に貼り付ける。これにより、図4の構造を得る。
【0047】
その後は、第1態様で図4乃至図7を参照しながら説明した工程を実施する。以上のようにして、有機EL表示装置1を完成する。
【0048】
このように、本態様に係る方法は、図4の構造を得る方法が異なること以外は、第1態様と同様である。したがって、本態様によると、第1態様で説明したのと同様の効果を得ることができる。
【0049】
第1及び第2態様において、保護フィルム5を封止膜3から剥離する場合、封止膜3や接着剤層4から切断ライン102までの距離は、切断後の保護フィルム5の端部を掴めるように長く設定してもよい。或いは、保護フィルム5を最終製品に残す場合、封止膜3や接着剤層4から切断ライン102までの距離は、保護フィルム5の剥離を防止するために短く設定してもよい。
【0050】
保護フィルム5を封止膜3から剥離する場合、各封止膜3の上面全体を接着剤層4で被覆してもよく、或いは、各封止膜3の上面の一部のみを接着剤層4で被覆してもよい。すなわち、接着剤層4は、封止膜3と比較して、寸法がより小さくてもよい。
【0051】
例えば、第1態様に係る方法では、接着剤層4が封止膜3よりも寸法が小さければ、接着剤層4と封止膜3とが等しい寸法を有している場合と比較して、絶縁基板20と粘着剤付き保護フィルムとの位置合わせ精度の要求が低くなる。また、第2態様に係る方法では、接着剤層4が封止膜3よりも寸法が小さければ、接着剤層4と封止膜3とが等しい寸法を有している場合と比較して、絶縁基板20と接着剤層4との位置合わせ精度の要求が低くなる。
【0052】
保護フィルム5を封止膜3から剥離する場合、接着剤層4の材料としては、通常、比較的接着力の弱い粘着剤を使用する。他方、保護フィルム5を最終製品に残す場合、接着剤層4の材料としては、通常、熱や光などによって硬化するとともに比較的接着力の強い接着剤を使用する。
【0053】
アレイ基板2の封止膜3の周縁との接触面は、パッシベーション膜26の表面でなくてもよい。例えば、この接触面は、アンダーコート層23の表面であってもよい。典型的には、先の接触面は無機絶縁体からなる。
【0054】
上記の態様では、有機EL表示装置1を上面発光型としたが、有機EL表示装置1は下面発光型としてもよい。例えば、第2電極223を光反射性とするとともに、反射層28を省略してもよい。
【0055】
また、上述の態様では有機EL表示装置を例にとり説明したが、これに限定されず、複数の表示セルを対向する大型基板間に形成し、割断することにより個々に分断する表示装置全般に適用することができる。また、表示装置に限らず、他の分野においても適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の第1態様に係る方法で製造可能な有機EL表示装置の例を概略的に示す断面図。
【図2】本発明の第1態様に係る有機EL表示装置の製造方法を概略的に示す断面図。
【図3】本発明の第1態様に係る有機EL表示装置の製造方法を概略的に示す断面図。
【図4】本発明の第1態様に係る有機EL表示装置の製造方法を概略的に示す断面図。
【図5】本発明の第1態様に係る有機EL表示装置の製造方法を概略的に示す断面図。
【図6】本発明の第1態様に係る有機EL表示装置の製造方法を概略的に示す断面図。
【図7】図4の構造を概略的に示す平面図。
【図8】本発明の第2態様に係る有機EL表示装置の製造方法を概略的に示す断面図。
【図9】本発明の第2態様に係る有機EL表示装置の製造方法を概略的に示す断面図。
【符号の説明】
【0057】
1…有機EL表示装置、2…アレイ基板、3…封止膜、4…接着剤層、5…保護フィルム、20…絶縁基板、21…駆動制御素子、22…有機EL素子、23…アンダーコート層、24…層間絶縁膜、25…ソース・ドレイン電極、26…パッシベーション膜、27…隔壁絶縁層、28…反射層、101…割断ライン、102…切断ライン、211…半導体層、212…ゲート絶縁膜、213…ゲート電極、221…第1電極、222…有機物層、223…第2電極、2227…素子群。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の一主面上に複数の表示素子をそれぞれが含むとともに互いから離間した複数の素子群を形成する工程と、
前記複数の素子群のそれぞれの上に封止膜を形成する工程と、
前記封止膜を形成する工程の後に、前記基板の前記主面に、保護フィルムの一主面に前記複数の素子群に対応して互いから離間した複数の接着剤層を設けてなる接着剤付き保護フィルムを、前記複数の接着剤層間の間隙が前記複数の素子群間の間隙と向き合うように貼り付ける工程と、
前記接着剤付き保護フィルムを貼り付けたまま、前記複数の素子群間の間隙及び前記複数の接着剤層間の間隙の双方に対向した割断ラインに沿って前記基板を割断する工程とを含んだことを特徴とする表示装置の製造方法。
【請求項2】
基板の一主面上に複数の表示素子をそれぞれが含むとともに互いから離間した複数の素子群を形成する工程と、
前記複数の素子群のそれぞれの上に封止膜を形成する工程と、
前記封止膜を形成する工程の後に、前記複数の素子群上にそれらに対応して互いから離間した複数の接着剤層をそれぞれ形成する工程と、
前記基板の前記主面に前記複数の接着剤層を介して保護フィルムを貼り付ける工程と、
前記保護フィルムを貼り付けたまま、前記複数の素子群間の間隙及び前記複数の接着剤層間の間隙の双方に対向した割断ラインに沿って前記基板を割断する工程とを含んだことを特徴とする表示装置の製造方法。
【請求項3】
前記保護フィルムを貼り付ける工程の後に、前記保護フィルムを前記複数の接着剤層間の切断ラインに沿って切断する工程をさらに含んだことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の表示装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−171454(P2006−171454A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−364732(P2004−364732)
【出願日】平成16年12月16日(2004.12.16)
【出願人】(302020207)東芝松下ディスプレイテクノロジー株式会社 (2,170)
【Fターム(参考)】