説明

表示装置及び方法

【課題】
タッチパネルを介した操作性を一段と向上し得る表示装置及び方法を実現する。
【解決手段】
液晶パネル3Aに表示した複数の区画Kのうちのどの区画Kがタッチパネル3Bを介して選択されたのかを示す拡大区画ZKを表示することにより、どの区画Kを選択したのかをユーザに容易に推測させることができ、さらにタッチパネル3Bに対して、指先を押下することで区画Kを選択し、指先を離すことで区画Kを決定するようにしたことにより、タッチパネル3Bに対する1回の押下操作で区画Kの選択から決定までの操作を行うことができる。この結果、液晶パネル3Aに表示する区画Kの表示面積に依らず、タッチパネル3Bを介した指先での操作入力を一段と容易にすることができ、かくしてタッチパネル3Bを介した操作性を一段と向上させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は表示装置及び方法に関し、例えばタッチパネルを有する表示装置に適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
近年、タッチパネルを有し、ユーザが表示画面に触るようにして操作入力可能な表示装置が広く普及している。このような表示装置としては、電車の自動券売機のように、比較的大きな表示部(例えば数十cm)を有し、表示部に表示されたボタンやアイコンなどの表示子を指先で押下するようにして選択することで、選択された表示子に応じた処理を実行するものや、PDA(Personal Digital Assistant)のように、比較的小さな表示部(例えば数cm)を有し、表示部に表示された表示子を付属のタッチペンのペン先で押下するようにして選択することで、選択された表示子に応じた処理を実行するものなどが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001−034402公報(第7図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、表示部に表示された表示子を指先で選択するような場合、表示子の表示面積が人間の指先の腹の面積よりも小さいと、表示子を選択しようとする際に、この表示子が指先で隠れて見えなくなり、どの表示子を選択しているのかがわかりにくくなる問題があった。
【0004】
このため、表示部が比較的小さく、表示部に表示し得る表示子の表示面積が、人間の指先の腹の面積よりも小さくなるような表示装置では、人間の指先よりも細く形成されたタッチペンでの入力が必須であった。
【0005】
しかしながら、このようなタッチペンを利用する場合、当然のことながら、表示装置とは別にタッチペンが必要であり、またこのタッチペンを紛失すると、操作入力できなくなるなどの問題があった。
【0006】
つまり、表示部に表示する表示子の表示面積に依らず、タッチパネルを介した操作入力を容易にすることができれば、このようなタッチパネルを有する表示装置の操作性を格段と向上させることができるものと考えられる。
【0007】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、タッチパネルでの操作性を一段と向上し得る表示装置及び方法を提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる課題を解決するため本発明の表示装置においては、表示部と、表示部の表示面上に設けられ、指示物の押下により当該表示部に表示する表示画面の任意位置をユーザが指定可能なタッチパネルと、タッチパネルを介してユーザが選択可能な複数の表示子を表示部に表示させる表示制御部と、複数の表示子のうちのどの表示子がタッチパネルを介して選択されたのかをユーザに通知する通知部とを設け、通知部は、表示部に表示させた複数の表示子のうちの一表示子がタッチパネルに対する指示物の押下により選択されると、当該一表示子が選択された旨をユーザに通知し、表示制御部は、一表示子がタッチパネルに対する指示物の押下により選択された後、当該一表示子を選択している指示物がタッチパネルから離されると、当該一表示子がユーザにより選択された表示子であると決定するようにした。
【0009】
このように、表示部に表示した複数の表示子のうちのどの表示子がタッチパネルを介して選択されたのかをユーザに通知することにより、どの表示子を指示物で選択したのかをユーザに認識させることができ、また、タッチパネルに対して、指示物を押下することで表示子を選択し、指示物を離すことで表示子を決定するようにしたことにより、タッチパネルに対する1回の押下操作で表示子の選択から決定までの操作を行うことができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、表示部に表示した複数の表示子のうちのどの表示子がタッチパネルを介して選択されたのかをユーザに通知することにより、どの表示子を指示物で選択したのかをユーザに認識させることができ、また、タッチパネルに対して、指示物を押下することで表示子を選択し、指示物を離すことで表示子を決定するようにしたことにより、タッチパネルに対する1回の押下操作で表示子の選択から決定までの操作を行うことができ、この結果、表示部に表示する表示子の表示面積に依らず、タッチパネルを介した指示物での操作入力を一段と容易にすることができ、かくしてタッチパネルでの操作性を一段と向上し得る表示装置及び方法を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
【0012】
(1)第1の実施の形態
(1−1)画像閲覧装置の外観構成
図1において、1は全体として画像閲覧装置を示し、この画像閲覧装置1は、片手で把持し得る程度の大きさ(いわゆる手の平サイズ)でなる扁平矩形状の筐体2を有する。
【0013】
この筐体2の表面には、長方形板状のタッチパネル付LCD(Liquid Crystal Display)3が設けられている。このタッチパネル付LCD3は、図1(B)及び(C)に示すように、液晶パネル3Aの表示面上に透明なタッチパネル3Bを張り付けるようにして形成され、このタッチパネル3Bに対して指先が押下されると、その押下された位置をもとに、表示パネル3Aに表示する表示画面上の任意位置がユーザにより指定されたことを認識するようになされている。ちなみに、ここでは、タッチパネル3Bに、指先による押下操作(押して離す操作)に適した静電容量方式を用いている。
【0014】
またこの筐体2の表面には、タッチパネル付LCD3にくわえて、画像閲覧装置1の電源をオン/オフするための電源スイッチ4と、後述するコピースイッチ5とが設けられている。さらに筐体2の側面には、画像閲覧装置1のシステムを再起動するためのリセットスイッチ6と、外部機器を接続するための外部接続端子7とが設けられている。
【0015】
そして、この画像閲覧装置1は、例えば図示しないデジタルスチルカメラを所定ケーブルを介して外部接続端子7に接続した状態で、コピースイッチ5が押下されると、デジタルスチルカメラに記録されている画像データを読み出して、自身に内蔵されたハードディスクドライブ8にコピーするようになされている。
【0016】
また画像閲覧装置1は、このようにしてハードディスクドライブ8にコピーした画像データを、タッチパネル付LCD3に対する押下操作に応じて検索し、このタッチパネル付LCD3に表示するようになされている。
【0017】
このように、この画像閲覧装置1は、携帯型であり、外部機器から読み出した画像データを記録するハードディスクドライブ8と、このハードディスクドライブ8に記録した画像データを表示するタッチパネル付LCD3とを有することにより、例えばデジタルスチルカメラで撮像した画像データを、パーソナルコンピュータのディスプレイに表示したり、プリンタで印刷することなく、その場で閲覧することができるようになされている。
【0018】
(1−2)画像閲覧装置の回路構成
つづいて、画像閲覧装置1の内部に設けられた各回路部を、図2を用いて説明する。画像閲覧装置1は、制御部10が、ROM(Read Only Memory)11に記憶されているプログラムをRAM(Random Access Memory)12に読み出す。そして制御部10は、読み出したプログラムをRAM12上で展開し、この展開したプログラムに従って、自身に接続されたLCDコントローラ13、タッチパネルコントローラ14、外部接続コントローラ15、ハードディスクコントローラ16を制御すると共に、各種処理を実行するようになされている。
【0019】
LCDコントローラ13は、制御部10からの指示に従って、液晶パネル3Aを制御することにより、液晶パネル3Aに対して画面表示などを行う。タッチパネルコントローラ14は、タッチパネル3B上の押下された位置に対応する座標を認識し、この座標の情報を制御部10へ伝える。外部接続コントローラ15は、制御部10からの指示に従って、外部接続端子7に接続された外部機器を制御すると共に、外部機器とデータの送受信を行う。ハードディスクコントローラ16は、制御部10からの指示に従って、ハードディスクドライブ8を制御することにより、ハードディスクドライブ8に対するデータの読み書きを行う。
【0020】
また制御部10にはパラレルI/O17を介して電源スイッチ4、コピースイッチ5、及びリセットスイッチ6が接続され、パラレルI/O17は、これら電源スイッチ4、コピースイッチ5、及びリセットスイッチ6からの信号を入力して制御部10に伝える。
【0021】
(1−3)画像閲覧操作
次に、この画像閲覧装置1での画像閲覧操作について、詳しく説明する。ここで、この画像閲覧装置1には、例えば外部のデジタルスチルカメラで撮像された画像データが、ハードディスクドライブ8に記録され、また、この画像データのそれぞれに、デジタルスチルカメラで撮像された日付(すなわちデータ作成日時)を示す日付情報が付加されている。
【0022】
まず、画像閲覧装置1は、図3(A)に示すように、四角形の区画Kが6行×7列の合計42個並べられ、これら42個の区画Kに1ヶ月の各日を示す数字が記されたカレンダー画面20を、タッチパネル付LCD3に表示する。
【0023】
ここで、1ヶ月は最大31日であるため、このカレンダー画面20では、42個の区画Kのうちの最大31個の区画Kに数字が記される。また、このカレンダー画面20の列のそれぞれは、月曜日〜日曜日に対応する。これにより、このカレンダー画面20には、1ヶ月の総日数と、1日の曜日に応じて、42個の区画Kのうちの対応する区画Kに各日を示す数字が記される。またここでは、これら42個の区画Kのそれぞれを行と列の番号(以下、これを区画番号とも呼ぶ)により識別することにする。すなわち、1行1列目の区画Kを区画K11、1行2列目の区画Kを区画K12、…、2行1列目の区画Kを区画K21、…、3行1列目の区画Kを区画K31、…とする。
【0024】
ちなみに、この図3に示したカレンダー画面20は、一例として、2005年3月に対応する画面であり、区画K12に1日を示す「1」、区画K13に2日を示す「2」、…、区画K17に6日を示す「6」、区画K21に7日を示す「7」、…、区画K31に14日を示す「14」、区画K41に21日を示す「21」、区画K51に28日を示す「28」、区画K54に31日を示す「31」の数字が記されている。
【0025】
そして画像閲覧装置1は、このカレンダー画面20に配され、各日を示す数字が記された区画K(この場合、区画K12〜K54)のうちの1つが、タッチパネル3Bを介してユーザの指先により選択されると、この選択された区画Kに対応する日付情報が付加された画像データをハードディスクドライブ8から検索するようになされている。
【0026】
ところで、実際上、画像閲覧装置1は、ユーザが片手で把持し得る程度の大きさであり、タッチパネル付LCD3の表示面積も限られているため、このタッチパネル付LCD3に42個もの区画Kを表示すると、区画K1つ1つの表示面積が、ユーザの指先の腹の面積よりも小さくなり、結果として、図3(B)に示すように、ユーザが区画Kを指先で選択しようとする際に、この区画Kがユーザの指先で隠れて見えにくくなる。
【0027】
このため、この画像閲覧装置1では、ユーザの指先の腹の面積よりも小さな表示面積の区画Kでも、ユーザが容易に選択し得るようになされている。すなわち、ユーザは、例えば、区画K12を選択しようとして、この区画K12の表示領域内(すなわち区画K12の内側)を、タッチパネル3Bを介して指先で押下する。
【0028】
この結果、画像閲覧装置1は、タッチパネルコントローラ14を介して、区画K12の表示領域内にユーザの指先が押下されていると認識し、このとき、図3(C)に示すように、区画K12の同心上に重ねるようにして、この区画K12を拡大した拡大区画ZK12を、タッチパネル付LCD3に表示する。ここで、この拡大区画ZK12の表示面積は、ユーザの指先の腹の面積よりも大きくなるように設定されている。
【0029】
このように、画像閲覧装置1は、ユーザの指先が例えば区画K12の表示領域内に押下されたことを認識すると、区画K12が選択されている旨を示す拡大区画ZK12をユーザの指先からはみ出る程度の大きさで区画K12の同心上に重ねて表示することにより、拡大区画ZK12の表示位置と拡大区画ZK12に記された数字「1」の一部とをもとに、ユーザに対して、区画K12(1日)が選択されている旨を推測させ得るようになされている。
【0030】
このようにして拡大区画ZK12を表示した後、図3(D)に示すように、ユーザの指先がタッチパネル3Bから離されると、画像閲覧装置1は、タッチパネルコントローラ14を介して、区画K12の表示領域内からユーザの指先が離されたと認識すると共に、この区画K12がユーザにより選択された区画であると決定する。
【0031】
そして画像閲覧装置1は、この区画K12に対応する日付情報(すなわち2005年3月1日)が付加された画像データをハードディスクドライブ8から検索し、図3(E)に示すように、この検索の結果得られた画像データをサムネイル表示する画像閲覧画面21を、タッチパネル付LCD3に表示する。
【0032】
このように、画像閲覧装置1は、カレンダー画面20に配された所望区画Kの表示領域内を押して離すという押下操作(以下、これを基本操作とも呼ぶ)だけで、区画Kの選択から決定までを行うことができるので、ユーザに対して一段と簡易な画像閲覧操作を提供することができる。
【0033】
一方、例えば、ユーザが区画K22(8日)を選択しようとして、この区画K22の表示領域内を押下しようとしたものの、図4(A)に示すように、誤って、区画K22の1行上の区画K12(1日)の表示領域内を押下して区画K12を選択してしまった場合、ユーザは、区画Kの選択を変更する操作(以下、これを変更操作とも呼ぶ)を行う。
【0034】
すなわち、ユーザは、拡大区画ZK12が表示されたことにより、誤って区画K12を選択してしまったことを推測すると、指先を押下したまま、指先を区画K12の表示領域内から区画K22の表示領域内へ移動させる。
【0035】
この結果、画像閲覧装置1は、タッチパネルコントローラ14を介して、区画K12の表示領域内から区画K22の表示領域内にユーザの指先が移動したことを認識し、このとき、図4(B)に示すように、拡大区画ZK12を非表示にすると共に、区画K22の同心上に重ねるようにして、この区画K22を拡大した拡大区画ZK22を、タッチパネル付LCD3に表示する。これにより、画像閲覧装置1は、選択している区画Kが区画K12から区画K22に移った旨、すなわち選択している区画Kが、区画K12から区画K22に変更された旨をユーザに対して容易に推測させることができる。
【0036】
このようにして拡大区画ZK22を表示した後、図4(C)に示すように、ユーザの指先がタッチパネル3Bから離されると、画像閲覧装置1は、タッチパネルコントローラ14を介して、区画K22の表示領域内からユーザの指先が離されたと認識すると共に、この区画K22がユーザにより選択された区画Kであると決定する。
【0037】
そして画像閲覧装置1は、この区画K22に対応する日付情報(すなわち2005年3月8日)が付加された画像データをハードディスクドライブ8から検索し、図4(D)に示すように、この検索の結果得られた画像データをサムネイル表示する画像閲覧画面21を、タッチパネル付LCD3に表示する。
【0038】
このように、画像閲覧装置1は、カレンダー画面20に配された所望区画Kの表示領域内を押下したまま移動するという変更操作だけで、区画Kの選択を変更することができるので、ユーザに対して一段と簡易な画像閲覧操作を提供することができる。
【0039】
(1−4)画像閲覧操作での動作処理手順
次に、上述した画像閲覧装置1による画像閲覧操作での動作処理手順を、指先が押下されたときのイベント処理手順(以下、これを指先押下処理手順とも呼ぶ)、指先が押下されたまま移動したときのイベント処理手順(以下、これを指先移動処理手順とも呼ぶ)、及び指先が離されたときのイベント処理手順(以下、これを指先離開処理手順とも呼ぶ)のそれぞれに分けて詳しく説明する。ちなみに、これらの動作処理手順は、画像閲覧装置1の制御部10が、ROM11にインストールされたプログラムに従って実行するものである。また、ここでは一例として、図3(A)に示すように、2005年3月に対応するカレンダー画面20がタッチパネル付LCD3に表示された状態からの動作処理手順を説明する。
【0040】
まず、指先押下処理手順RT1について、図5に示したフローチャートを用いて説明する。ちなみに、以下の説明では、タッチパネル3Bに指先が押下されたときの位置(以下、これを初期押下位置とも呼ぶ)に存在する区画Kの中央位置を格納する変数をFirstPos、初期押下位置に存在する区画Kの区画番号を格納する変数をLastIndex、タッチパネル3Bに指先が押下されたまま移動したときの区画単位の移動距離を格納する変数をDiffIndex、指先が押下されたまま移動した後の位置(以下、これを現在押下位置とも呼ぶ)に存在する区画の区画番号を格納する変数をCurrentIndex、タッチパネル3Bから指先が離れたときの位置(以下、これを指先離開位置とも呼ぶ)に存在する区画の区画番号を格納する変数をLastFocusIndexとする。
【0041】
図5に示すように、画像閲覧装置1の制御部10は、タッチパネルコントローラ14を介して、タッチパネル3Bにユーザの指先が押下されたことを認識すると、指先押下処理手順RT1をステップSP0から開始して、次のステップSP1に移る。
【0042】
ステップSP1において制御部10は、初期押下位置に、日を示す数字の記された区画K(以下、これを有効区画Kとも呼ぶ)が存在するか否かを判定する。このステップSP1において否定結果が得られると、このことは、有効区画K(2005年3月の場合、区画K11〜K54)以外の表示部分にユーザの指先が押下されたことを意味しており、このとき制御部10は、ユーザが有効区画Kを選択しようとしているわけではないと判断して、終了ステップSP5に移り、この指先押下処理手順RT1を終了する。
【0043】
これに対して、このステップSP1で肯定結果が得られると、このことは、ユーザが有効区画Kを選択しようとしていることを意味しており、このとき制御部10は、ステップSP2に移る。
【0044】
ステップSP2において制御部10は、初期押下位置に存在する区画Kの区画番号をLastIndexに格納して、次のステップSP3に移る。ステップSP3において制御部10は、LastIndexに格納した区画番号で示される区画Kの中央位置をFirstPosに格納する。
【0045】
実際上、ユーザは、自分の指先よりも小さな表示領域の区画Kを押下したとき、自分が区画Kの中央位置を押下したと認識していることが多い。このため制御部10は、このようなユーザの認識に合わせて、例えば、図6(A)に示すように、実際の押下位置である初期押下位置SPをFirstPosに格納するのではなく、初期押下位置SPに存在する区画Kの中央位置CPをFirstPosに格納するようになされている。このことは、後述する指先移動処理手順で、さらに詳しく説明する。
【0046】
このようにして、LastIndexに格納した区画番号で示される区画Kの中央位置をFirstPosに格納した後、制御部10は、次のステップSP4(図5)に移る。ステップSP4において制御部10は、LastIndexに格納した区画番号で示される区画Kを拡大した拡大区画ZKを表示した後、終了ステップSP5に移り、この指先押下処理手順RT1を終了する。ここで、拡大区画ZKの枠の色(例えば赤色)を区画Kの枠の色(例えば黒色)と変えることで、拡大区画ZKを強調表示するようにしてもよい。
【0047】
このような指先押下処理手順RT1により、制御部10は、ユーザの指先が押下された位置に存在する区画Kを認識して、この区画Kを拡大した拡大区画ZKを表示するようになされている。
【0048】
つづいて、指先移動処理手順RT2について、図7に示したフローチャートを用いて説明する。画像閲覧装置1の制御部10は、タッチパネルコントローラ14を介して、タッチパネル3Bに押下されているユーザの指先が移動したことを認識すると、指先移動処理手順RT2をステップSP10から開始して、次のステップSP11に移る。
【0049】
ステップSP11において制御部10は、FirstPosに格納された中央位置から現在押下位置までの差を区画K単位で演算し、この演算結果である区画K単位の移動距離をDiffIndexに格納する。ここで、制御部10は、図6(B)に示すように、絶対位置(すなわち画面上の座標など)である初期押下位置SPを基準として移動後の絶対位置である現在押下位置PP1を認識するのではなく、初期押下位置SPからの相対位置である中央位置CPを基準として移動後の相対位置である現在押下位置PP2を認識し、この中央位置CPと現在押下位置PP2との差を区画K単位で求めるようになされている。これにより、制御部10は、例えば、ユーザの指先によって実際上区画Kの端が押下された場合でも、この区画Kの中央を押下したというユーザの認識に合わせた操作感覚を提供することができる。
【0050】
このようにして、区画K単位の移動距離をDiffIndexに格納した後、制御部10は、次のステップSP12(図7)に移る。ステップSP12において制御部10は、移動前の区画番号を示すLastIndexとDiffIndexとを加算した結果得られる移動後の区画番号をCurrentIndexに格納して、次のステップSP13に移る。
【0051】
ステップSP13において制御部10は、CurrentIndexに格納された区画番号に対応する有効区画Kが存在するか否かを判定する。ここで否定結果が得られると、このことは、例えば、移動後の区画番号に対応する区画Kが有効区画Kではないこと、すなわちユーザの指先が、有効区画K以外の区画K(すなわち数字が記されていない区画Kであり、例えば区画K65)に移動されたことを意味しており、このとき制御部10は、ユーザが区画Kの選択を取り止めたと認識して、ステップSP14に移る。
【0052】
ステップSP14において制御部10は、図3(A)に示すように、拡大区画ZKを非表示にして全ての区画Kを元の大きさで表示した後、終了ステップSP16に移り、指先移動処理手順RT2を終了する。
【0053】
これに対して、ステップSP13で肯定結果が得られると、このことは、ユーザの指先が、最初に選択した有効区画K(例えば区画K12)から別の有効区画K(例えば区画K22)に移動されたことを意味しており、このとき制御部10は、ユーザが区画Kの選択を変更したと認識して、ステップSP15に移る。
【0054】
ステップSP15において制御部10は、移動前の区画Kを拡大した拡大区画ZKを非表示にして、その代りにCurrentIndexに格納された区画番号で示される移動後の区画Kを拡大した拡大区画ZKを表示した後、終了ステップSP16に移り、この指先移動処理手順RT2を終了する。
【0055】
このような指先移動処理手順RT2により、制御部10は、ユーザの指先の移動に応じて、移動前の区画Kに対応する拡大区画ZKを非表示にして、代りに移動後の区画Kに対応する拡大区画ZKを表示するようになされている。
【0056】
つづいて、指先離開処理手順RT3について、図8に示したフローチャートを用いて説明する。画像閲覧装置1の制御部10は、タッチパネルコントローラ14を介して、タッチパネル3Bを押下していたユーザの指先がタッチパネル3Bから離されたことを認識すると、指先離開処理手順RT3をステップSP20から開始して、次のステップSP21に移る。
【0057】
ステップSP21において制御部10は、指先離開位置に存在する区画Kの区画番号をLastFocusIndexに格納して、次のステップSP22に移る。ステップSP22において制御部10は、LastFocusIndexに格納した区画番号に対応する有効区画Kが存在するか否かを判定する。ここで否定結果を得ると、このことは、例えば、指先を離す直前まで押下していた位置に有効区画Kが存在していないこと、すなわちユーザの指先が、有効区画K以外の区画K(すなわち数字が記されていない区画Kであり、例えば区画K65)を押下していたことを意味しており、このとき制御部10は、ユーザが区画Kを選択していないと認識して、終了ステップSP24に移り、指先離開処理手順RT3を終了する。
【0058】
これに対して、ステップSP22で肯定結果が得られると、このことは、ユーザの指先が、有効区画Kを押下していたことを意味しており、このとき制御部10は、LastFocusIndexに格納した区画番号に対応する例えば区画K22がユーザにより選択された区画Kであると決定して、ステップSP23に移る。
【0059】
ステップSP23において制御部10は、この区画K22に対応する日付情報(すなわち2005年3月8日)が付加された画像データをハードディスクドライブ8から検索し、図3(E)に示すように、この検索の結果得られた画像データをサムネイル表示する画像閲覧画面21をタッチパネル付LCD3に表示して、終了ステップSP24に移り、指先離開処理手順RT3を終了する。
【0060】
このような指先離開処理手順RT3により、制御部10は、ユーザの指先が離された位置に存在する区画Kを、ユーザにより選択された区画Kであると決定して、この区画Kに対応する日付情報を有する画像データを表示するようになされている。
【0061】
(1−5)第1の実施の形態による動作及び効果
以上の構成において画像閲覧装置1は、まず、42個の区画Kが行列状に配され、このうちの最大31個の区画Kに1ヶ月の各日を示す数字が記されたカレンダー画面20を液晶パネル3Aに表示する。
【0062】
そして画像閲覧装置1は、数字が記された区画(すなわち有効区画)Kのうちの1つである例えば1日を示す区画K12の表示領域内に、タッチパネル3Bを介してユーザの指先が押下されると、この区画K12がユーザにより選択されていると認識して、この区画K12を拡大した拡大区画K12を、区画K12上に重ねて表示する。
【0063】
これにより画像閲覧装置1は、例えば、区画K12の表示面積がユーザの指先よりも小さく押下したときに隠れる程度の大きさであっても、指先からはみ出る程度にまで拡大した拡大区画K12を表示することで、現在どの区画Kを選択しているのかをユーザに容易に推測させることができる。
【0064】
その後、区画K12の表示領域内を押下していたユーザの指先が、タッチパネル3Bから離されると、画像閲覧装置1は、離れる直前まで押下されていたこの区画K12を、ユーザにより選択された区画Kであると決定する。そして、画像閲覧装置1は、この区画K12に対応する日付情報が付加された画像データをハードディスクドライブ8から読み出して、液晶パネル3Aに画像閲覧画面21として表示する。
【0065】
このように画像閲覧装置1は、カレンダー画面20に配された所望区画Kの表示領域内を押して離すという1回の押下操作だけで、区画K(日付)の選択から決定、区画Kに対応する画像データの表示までを行うことができるので、ユーザに対して一段と簡易な画像閲覧操作を提供することができる。
【0066】
一方、例えば、区画K12の表示領域内を押下しているユーザの指先がタッチパネル3Bから離されずに、他の区画Kである例えば区画K22の表示領域内に移動した場合、画像閲覧装置1は、選択している区画Kが区画K12から区画K22に変更されたと認識して、拡大区画ZK12を非表示にすると共に、区画K22を拡大した拡大区画ZK22を、区画K22上に重ねて表示する。
【0067】
このように画像閲覧装置1は、指先を押下したまま移動するという操作だけで、選択する区画Kを変更することができるので、ユーザに対して一段と簡易な画像閲覧操作を提供することができる。また、この場合も、指先の移動に応じて拡大区画ZKを表示することにより、現在どの区画Kを選択しているのかをユーザに容易に推測させることができる。
【0068】
以上の構成によれば、液晶パネル3Aに表示した複数の区画Kのうちのどの区画Kがタッチパネル3Bを介して選択されたのかを示す拡大区画ZKをこの液晶パネル3Aに表示することにより、どの区画Kを指先で選択したのかをユーザに容易に推測させることができ、さらにタッチパネル3Bに対して、指先を押下することで区画Kを選択し、指先を離すことで区画Kを決定するようにしたことにより、タッチパネル3Bに対する1回の押下操作で区画Kの選択から決定までの操作を行うことができる。この結果、液晶パネル3Aに表示する区画Kの表示面積に依らず、タッチパネル3Bを介した指先での操作入力を一段と容易にすることができ、かくしてタッチパネル3Bでの操作性を一段と向上させることができる。
【0069】
(2)第2の実施の形態
次に、本発明の第2の実施の形態を詳述する。この第2の実施の形態においては、画像閲覧装置1の画像閲覧操作が異なる点以外、上述した第1の実施の形態と同様であり、同様部分である画像閲覧装置1の構成などの説明は省略する。
【0070】
(2−1)画像閲覧操作
この第2の実施の形態による画像閲覧装置1では、第1の実施の形態で述べたような1回の押下操作ではなく、複数回の押下操作により、区画Kの選択から決定、区画Kに対応する画像データの表示を行うようになされている。以下、このような複数回の押下操作による画像閲覧操作について詳しく説明する。
【0071】
まず、画像閲覧装置1は、図9(A)に示すように、四角形で枠が黒色の区画Kが6行×7列の合計42個並べられ、これら42個の区画Kのうちの最大31個の区画Kに1ヶ月の各日を示す数字が記されたカレンダー画面20を、タッチパネル付LCD3に表示する。
【0072】
ちなみに、この図9に示したカレンダー画面20は、一例として、2005年3月に対応する画面であり、区画K12に1日を示す「1」、区画K13に2日を示す「2」、…、区画K17に6日を示す「6」、区画K21に7日を示す「7」、…、区画K31に14日を示す「14」、区画K41に21日を示す「21」、区画K51に28日を示す「28」、区画K54に31日を示す「31」の数字が記されている。すなわちこれら区画K12〜K54のそれぞれが有効区画Kとなる。
【0073】
そして画像閲覧装置1は、図9(B)に示すように、ユーザが有効区画Kのうちの例えば区画K12(1日)を選択しようとして、この区画K12の表示領域内にタッチパネル3Bを介して指先が押下されたことを、タッチパネルコントローラ14を介して認識すると、このとき、図9(C)に示すように、区画K12の同心上に重ねるようにして、この区画K12を拡大して枠の色を赤にした拡大区画ZK12を、タッチパネル付LCD3に表示する。ここで、この拡大区画ZK12の表示面積は、第1の実施の形態と同様、ユーザの指先の腹の面積よりも大きくなるように設定されている。
【0074】
このようにして赤枠の拡大区画ZK12を表示した後、画像閲覧装置1は、図9(D)に示すように、ユーザの指先がタッチパネル3Bから離されたことを、タッチパネルコントローラ14を介して認識すると、拡大区画ZK12の枠の色を赤から黄に変えて表示し続ける。このように、画像閲覧装置1は、ユーザの指先がタッチパネル3Bから離された後も、拡大区画ZK12を表示し続けることにより、指先を離したユーザに対して、現在、区画K12(すなわち1日)が選択されている旨を確実に認識させ得るようになされている。
【0075】
その後、画像閲覧装置1は、図9(E)に示すように、表示中の黄枠の拡大区画ZK12の表示領域内にタッチパネル3Bを介してユーザの指先が押下され、そして、図9(F)に示すように、この指先がタッチパネル3Bから離されたことを、タッチパネルコントローラ14を介して認識すると、この黄枠の拡大区画ZK12に対応する区画K12(1日)がユーザにより選択された区画Kであると決定する。このように、画像閲覧装置1は、区画K12を拡大した拡大区画ZK12の表示領域内を押下することで区画K12を決定することができるので、このときユーザが他の区画Kの表示領域内を押下してしまうような誤操作を防止することができる。
【0076】
そして画像閲覧装置1は、この区画K12に対応する日付情報(すなわち2005年3月1日)が付加された画像データをハードディスクドライブ8から検索し、図9(G)に示すように、この検索の結果得られた画像データをサムネイル表示する画像閲覧画面21を、タッチパネル付LCD3に表示する。
【0077】
以上のように、画像閲覧装置1は、まず区画Kに対する押下操作で、拡大区画ZKを表示することにより、どの区画Kを選択したのかをユーザに確実に認識させた後、さらにこの拡大区画ZKに対する押下操作で、選択した区画Kを決定するようにした。これにより、画像閲覧装置1は、ユーザに対して、一段と確実に区画Kの選択及び決定を行わせることができる。ちなみに、この第2の実施の形態では、このような区画Kに対する押下操作を区画Kの選択操作と呼び、拡大区画ZKに対する押下操作を区画Kの決定操作と呼ぶ。
【0078】
一方、例えば、ユーザが区画K32(15日)を選択しようとして、この区画K32の表示領域内を押下しようとしたものの、図10(A)に示すように、誤って、区画K32の2行上の区画K12(1日)の表示領域内を押下して区画K12を選択してしまった場合、ユーザは、区画Kの選択を変更する変更操作を行う。
【0079】
すなわち、ユーザは、押下した指先をタッチパネル3Bから離したとき、図10(B)に示すように、拡大区画ZK12が表示されたことにより、誤って区画K12を選択してしまったことを認識すると、再度、区画K32を選択しようとして、図10(C)に示すように、区画K32の表示領域内を押下する。
【0080】
この結果、画像閲覧装置1は、タッチパネルコントローラ14を介して、区画K32の表示領域内にユーザの指先が押下されたことを認識し、このとき、黄枠の拡大区画ZK12を非表示にすると共に、区画K32の同心上に重ねるようにして、この区画K32を拡大した赤枠の拡大区画ZK32を、タッチパネル付LCD3に表示する。
【0081】
この後、画像閲覧装置1は、図10(D)に示すように、ユーザの指先がタッチパネル3Bから離されたことを、タッチパネルコントローラ14を介して認識すると、拡大区画ZK32の枠の色を赤から黄に変えて表示し続ける。このように画像閲覧装置1は、表示する拡大区画ZKを拡大区画ZK12から拡大区画ZK32に変えることにより、選択している区画Kが、区画K12から区画K32に変更された旨をユーザに対して確実に認識させ得るようになされている。
【0082】
その後、画像閲覧装置1は、図10(E)に示すように、表示中の拡大区画ZK32の表示領域内にタッチパネル3Bを介してユーザの指先が押下され、そして、図10(F)に示すように、この指先がタッチパネル3Bから離されたことを、タッチパネルコントローラ14を介して認識すると、この拡大区画ZK32に対応する区画K32(15日)がユーザにより選択された区画Kであると決定する。
【0083】
そして画像閲覧装置1は、この区画K32に対応する日付情報(すなわち2005年3月15日)が付加された画像データをハードディスクドライブ8から検索し、図10(G)に示すように、この検索の結果得られた画像データをサムネイル表示する画像閲覧画面21を、タッチパネル付LCD3に表示する。
【0084】
このように、画像閲覧装置1は、区画Kに対する複数の押下操作により、容易に区画Kの選択を変更することができるようになされている。
【0085】
ところで、例えば、ユーザが区画K22(8日)を選択しようとして、この区画K22の表示領域内を押下しようとしたものの、図11(A)に示すように、誤って、区画K22の1行上の区画K12(1日)の表示領域内を押下して区画K12を選択してしまった場合、図11(B)に示すように、区画K22の表示領域が、区画K12の同心上に重ねて表示された拡大区画ZK12で隠れてしまい、区画K22の表示領域を押下できなくなる。
【0086】
そこで、画像閲覧装置1は、黄枠の拡大区画ZK12を表示した後、ユーザがタッチパネル3Bに触れずに所定時間経過したことを認識すると、図11(C)に示すように、黄枠の拡大区画ZK12を非表示にして、区画K12の選択を一旦解除するようになされている。これにより、ユーザは拡大区画ZK12で隠れていた区画K22の表示領域内を再び押下することができるようになる。
【0087】
そして画像閲覧装置1は、この区画K22の表示領域内にタッチパネル3Bを介してユーザの指先が押下されたことを、タッチパネルコントローラ14を介して認識すると、このとき、図11(D)に示すように、区画K12の同心上に重ねるようにして、この区画K22を拡大した赤枠の拡大区画ZK22を、タッチパネル付LCD3に表示する。
【0088】
このようにして赤枠の拡大区画ZK22を表示した後、画像閲覧装置1は、図11(E)に示すように、ユーザの指先がタッチパネル3Bから離されたことを、タッチパネルコントローラ14を介して認識すると、拡大区画ZK22の枠の色を赤から黄に変えて表示し続ける。この後、画像閲覧装置1は、図11(F)、(G)に示すように、区画K22の決定操作が行われたことを認識すると、この決定操作により決定した区画K22に対応する日付情報(すなわち2005年3月8日)が付加された画像データをハードディスクドライブ8から検索し、図11(H)に示すように、この検索の結果得られた画像データをサムネイル表示する画像閲覧画面21を、タッチパネル付LCD3に表示する。
【0089】
このように、画像閲覧装置1は、表示した拡大区画ZKを所定時間経過後に非表示にすることにより、この拡大区画ZKに隠れた区画Kの表示領域内でも、ユーザが所定時間待つことで再び押下し得るようになされている。
【0090】
さらにこの画像閲覧装置1は、第1の実施の形態で述べたような、指先を押下したまま移動させることで区画Kの選択を変更する変更操作にも対応している。
【0091】
すなわち、例えば、ユーザが区画K22(8日)を選択しようとして、この区画K22の表示領域内を押下しようとしたものの、図12(A)に示すように、誤って、区画K22の1行上の区画K12(1日)の表示領域内を押下して区画K12を選択してしまった場合、ユーザは、赤枠の拡大区画ZK12が表示されたことにより、この赤枠の拡大区画ZK12の表示位置とこの拡大区画ZK12に記された数字「1」の一部から、誤って区画K12を選択してしまったことを推測して、指先を押下したまま区画K12の表示領域内から区画K22の表示領域内へ移動させる。
【0092】
この結果、画像閲覧装置1は、タッチパネルコントローラ14を介して、区画K12の表示領域内から区画K22の表示領域内にユーザの指先が移動したことを認識し、このとき、図12(B)に示すように、赤枠の拡大区画ZK12を非表示にすると共に、区画K22の同心上に重ねるようにして、この区画K22を拡大した赤枠の拡大区画ZK22を、タッチパネル付LCD3に表示する。これにより、画像閲覧装置1は、選択している区画Kが区画K12から区画K22に移った旨、すなわち選択している区画Kが、区画K12から区画K22に変更された旨をユーザに対して容易に推測させることができる。
【0093】
このようにして赤枠の拡大区画ZK22を表示した後、画像閲覧装置1は、図12(C)に示すように、ユーザの指先がタッチパネル3Bから離されたことを、タッチパネルコントローラ14を介して認識すると、拡大区画ZK22の枠の色を赤から黄に変えて表示し続ける。この後、画像閲覧装置1は、図12(D)、(E)に示すように、区画K22の決定操作が行われたことを認識すると、この決定操作により決定した区画K22に対応する日付情報(すなわち2005年3月8日)が付加された画像データをハードディスクドライブ8から検索し、図12(F)に示すように、この検索の結果得られた画像データをサムネイル表示する画像閲覧画面21を、タッチパネル付LCD3に表示する。
【0094】
このように画像閲覧装置1は、カレンダー画面20に配された所望区画Kの表示領域内を押下したまま移動するという変更操作でも、区画Kの選択を変更することができるようになされている。
【0095】
(2−2)画像閲覧操作での動作処理手順
次に、上述した画像閲覧装置1による画像閲覧操作での動作処理手順を、指先が押下されたときの指先押下処理手順、指先が押下されたまま移動したときの指先移動処理手順、及び指先が離されたときの指先離開処理手順のそれぞれに分けて詳しく説明する。ちなみに、これらの動作処理手順は、画像閲覧装置1の制御部10が、ROM11にインストールされたプログラムに従って実行するものである。また、ここでは一例として、図9(A)に示すように、2005年3月に対応するカレンダー画面20がタッチパネル付LCD3に表示された状態からの動作処理手順を説明する。
【0096】
まず、指先押下処理手順RT10について、図13に示したフローチャートを用いて説明する。ちなみに、以下の説明では、タッチパネル3Bに指先が押下されたときの初期押下位置に存在する区画Kの中央位置を格納する変数をFirstPos、初期押下位置に存在する区画Kの区画番号を格納する変数をLastIndex、タッチパネル3Bに指先が押下されたまま移動したときの区画単位の移動距離を格納する変数をDiffIndex、指先が押下されたまま移動した後の現在押下位置に存在する区画の区画番号を格納する変数をCurrentIndex、タッチパネル3Bから指先が離れたときの離開位置に存在する区画の区画番号を格納する変数をLastFocusIndexとする。
【0097】
図13に示すように、画像閲覧装置1の制御部10は、タッチパネルコントローラ14を介して、タッチパネル3Bにユーザの指先が押下されたことを認識すると、指先押下処理手順RT10をステップSP30から開始して、次のステップSP31に移る。
【0098】
ステップSP31において制御部10は、初期押下位置に、日を示す数字の記された有効区画K(この場合、黄枠の拡大区画ZKも含む)が存在するか否かを判定する。このステップSP31において否定結果が得られると、このことは、有効区画K(2005年3月の場合、K11〜K54)以外の表示部分にユーザの指先が押下されたことを意味しており、このとき制御部10は、ユーザが有効区画Kを選択しようとしているわけではないと判断して、終了ステップSP35に移り、この指先押下処理手順RT10を終了する。
【0099】
これに対して、このステップSP31で肯定結果が得られると、このことは、ユーザが有効区画Kを選択しようとしていることを意味しており、このとき制御部10は、ステップSP32に移る。
【0100】
ステップSP32において制御部10は、初期押下位置に存在する区画K、あるいは黄枠の拡大区画ZKの区画番号をLastIndexに格納して、次のステップSP33に移る。ステップSP33において制御部10は、LastIndexに格納した区画番号で示される区画Kの中央位置をFirstPosに格納する。
【0101】
このようにして、LastIndexに格納した区画番号で示される区画Kの中央位置をFirstPosに格納した後、制御部10は、次のステップSP34に移る。ステップSP34において制御部10は、LastIndexに格納した区画番号で示される区画Kを拡大した赤枠の拡大区画ZKを表示した後、終了ステップSP35に移り、この指先押下処理手順RT10を終了する。
【0102】
このような指先押下処理手順RT10により、制御部10は、ユーザの指先が押下された初期押下位置に存在する区画K、あるいは黄枠の拡大区画ZKを認識して、赤枠の拡大区画ZKを表示するようになされている。
【0103】
つづいて、指先移動処理手順RT11について、図14に示したフローチャートを用いて説明する。画像閲覧装置1の制御部10は、タッチパネルコントローラ14を介して、タッチパネル3Bに押下されているユーザの指先が移動したことを認識すると、指先移動処理手順RT11をステップSP40から開始して、次のステップSP41に移る。
【0104】
ステップSP41において制御部10は、FirstPosに格納された中央位置から現在押下位置までの差を区画K単位で演算し、この演算結果である区画K単位の移動距離をDiffIndexに格納する。ここで、制御部10は、第1の実施の形態と同様、図6(B)に示すように、絶対位置(すなわち画面上の座標など)である初期押下位置SPを基準として移動後の絶対位置である現在押下位置PP1を認識するのではなく、初期押下位置SPからの相対位置である中央位置CPを基準として移動後の相対位置である現在押下位置PP2を認識し、この中央位置CPと現在押下位置PP2との差を区画K単位で求めるようになされている。これにより、制御部10は、例えば、ユーザの指先によって実際上区画Kの端が押下された場合でも、この区画Kの中央を押下したというユーザの認識に合わせた操作感覚を提供することができる。
【0105】
このようにして、区画K単位の移動距離をDiffIndexに格納した後、制御部10は、次のステップSP42(図14)に移る。ステップSP42において制御部10は、移動前の区画番号を示すLastIndexとDiffIndexとを加算した結果得られる移動後の区画番号をCurrentIndexに格納して、次のステップSP43に移る。
【0106】
ステップSP43において制御部10は、CurrentIndexに格納された区画番号に対応する有効区画Kが存在するか否かを判定する。ここで否定結果が得られると、このことは、例えば、移動後の区画番号に対応する区画Kが有効区画Kではないこと、すなわちユーザの指先が、有効区画K以外の区画K(すなわち数字が記されていない区画Kであり、例えば区画K65)に移動されたことを意味しており、このとき制御部10は、ユーザが区画Kの選択を取り止めたと認識して、ステップSP44に移る。
【0107】
ステップSP44において制御部10は、図9(A)に示すように、拡大区画ZKを非表示にして全ての区画Kを元の大きさ、且つ黒枠で表示した後、終了ステップSP46に移り、指先移動処理手順RT11を終了する。
【0108】
これに対して、ステップSP43で肯定結果が得られると、このことは、ユーザの指先が、最初に選択した有効区画K(例えば区画K12)から別の有効区画K(例えば区画K22)に移動されたことを意味しており、このとき制御部10は、ユーザが区画Kの選択を変更したと認識して、ステップSP45に移る。
【0109】
ステップSP45において制御部10は、移動前の例えば区画K12を拡大した拡大区画ZK12を非表示にして、その代りにCurrentIndexに格納された区画番号で示される移動後の例えば区画K22を拡大した赤枠の拡大区画ZK22を表示した後、終了ステップSP46に移り、この指先移動処理手順RT11を終了する。
【0110】
このような指先移動処理手順RT11により、制御部10は、ユーザの指先の移動に応じて、移動前の区画Kに対応する赤枠の拡大区画ZKを非表示にして、代りに移動後の区画Kに対応する赤枠の拡大区画ZKを表示するようになされている。
【0111】
つづいて、指先離開処理手順RT12について、図15に示したフローチャートを用いて説明する。画像閲覧装置1の制御部10は、タッチパネルコントローラ14を介して、タッチパネル3Bを押下していたユーザの指先がタッチパネル3Bから離されたことを認識すると、指先離開処理手順RT12をステップSP50から開始して、次のステップSP51に移る。
【0112】
ステップSP51において制御部10は、指先の離開位置に存在する区画K、あるいは赤枠の拡大区画ZKの区画番号が、既にLastFocusIndexに格納されているか否かを判定する。ちなみに、このLastFocusIndexには、区画Kの選択操作が行われた後に、指先が離されると、この離開位置に存在する区画Kの区画番号が格納されるようになされている。
【0113】
ここで否定結果が得られると、このことは、例えば図9(D)、図10(D)に示すように、ユーザが区画Kの選択操作をして指先を離したことを意味しており、このとき制御部10は、ステップSP52(図15)に移る。
【0114】
ステップSP52において制御部10は、離開位置に存在する区画Kの区画番号をLastFocusIndexに格納して、次のステップSP53に移る。ステップSP53において制御部10は、LastFocusIndexに格納した区画番号に対応する有効区画Kが存在するか否かを判定する。ここで否定結果を得ると、このことは、例えば、指先を離す直前まで押下していた位置に有効区画Kが存在していないこと、すなわちユーザの指先が、有効区画K以外の区画K(すなわち数字が記されていない区画Kであり、例えば区画K65)を押下していたことを意味しており、このとき制御部10は、ユーザが区画Kを選択していないと認識して、終了ステップSP56に移り、指先離開処理手順RT12を終了する。
【0115】
これに対してステップSP53で肯定結果が得られると、このことは、ユーザの指先が、有効区画Kを押下していたことを意味しており、このとき制御部10は、ステップSP54に移る。ステップSP54において制御部10は、筐体2に内蔵された図示しないタイマーに所定時間(例えば5秒)を設定すると共に、このタイマーをリセットしてから計時を開始させ、次のステップSP55に移る。
【0116】
ステップSP55において制御部10は、このとき表示している拡大区画ZKの枠の色を赤から黄に変更して、終了ステップSP58に移り、この指先離開処理手順RT12を終了する。
【0117】
これに対して上述のステップSP51で肯定結果が得られると、このことは、例えば図9(F)、図10(F)に示すように、ユーザが区画Kの決定操作をして指先を離したことを意味しており、このとき制御部10は、ステップSP56に移る。
【0118】
ステップSP56において制御部10は、LastFocusIndexに格納した区画番号に対応する例えば区画K22がユーザにより選択された区画Kであると決定すると共に、タイマーの計時を停止して、次のステップSP57に移る。
【0119】
ステップSP57において制御部10は、この区画K22に対応する日付情報(すなわち2005年3月8日)が付加された画像データをハードディスクドライブ8から検索し、図9(G)に示すように、この検索の結果得られた画像データをサムネイル表示する画像閲覧画面21をタッチパネル付LCD3に表示して、終了ステップSP58に移り、指先離開処理手順RT12を終了する。
【0120】
このような指先離開処理手順RT12により、制御部10は、ユーザの指先が離されたとき、区画Kの選択操作時であれば、黄枠の拡大区画ZKを表示し、また区画Kの決定操作時であれば、選択された区画Kを決定して、この区画Kに対応する日付情報を有する画像データを表示するようになされている。
【0121】
さらに制御部10は、この指先離開処理手順RT12のステップSP51で否定結果を得ていた場合、すなわちタイマーによる計時を開始させていた場合、この指先離開処理手順RT12終了後に、図16に示すタイマー処理手順RT13を、ステップSP60から開始して、ステップSP61に移る。
【0122】
ステップSP61において制御部10は、タイマーによる計時に基づいて、設定した所定時間経過するまで待ち受ける。そして制御部10は、設定した所定時間経過すると、次のステップSP62に移る。ステップP62において制御部10は、拡大区画ZKを非表示にして全ての区画Kを元の大きさ、且つ黒枠で表示した後、終了ステップSP63に移り、タイマー処理手順RT13を終了する。
【0123】
このようなタイマー処理手順RT13により、制御部10は、拡大区画ZKを表示した後、所定時間経過すると、この拡大区画ZKを非表示にして、区画Kの選択を一旦解除するようになされている。ちなみに、このタイマー処理手順RT13は、上述の指先押下処理手順RT10、指先移動処理手順RT11、及び指先離開処理手順RT12とは独立して実行される処理手順である。
【0124】
(2−3)第2の実施の形態による動作及び効果
以上の構成において画像閲覧装置1は、まず、42個の区画Kが行列状に配され、このうちの最大31個の区画Kに1ヶ月の各日を示す数字が記されたカレンダー画面20を液晶パネル3Aに表示する。
【0125】
そして画像閲覧装置1は、数字が記された区画(すなわち有効区画)Kのうちの1つである例えば1日を示す区画K12の表示領域内に、タッチパネル3Bを介してユーザの指先が押下されると、この区画K12がユーザにより選択されていると認識して、この区画K12を拡大した赤枠の拡大区画ZK12を、区画K12上に重ねて表示する。
【0126】
その後、区画K12の表示領域内を押下していたユーザの指先が、タッチパネル3Bから離されると、画像閲覧装置1は、区画K12上に表示している拡大区画ZK12の枠の色を赤から黄に変えて表示し続ける。これにより画像閲覧装置1は、指先を離したユーザに対して、現在、区画K12が選択されている旨を確実に認識させることができる。
【0127】
つづいて画像閲覧装置1は、表示中の黄枠の拡大区画ZK12の表示領域内にタッチパネル3Bを介してユーザの指先が押下され、この指先がタッチパネル3Bから離されると、この黄枠の拡大区画ZK12に対応する区画K12がユーザにより選択された区画Kであると決定する。このように、画像閲覧装置1は、区画K12を拡大した拡大区画ZK12に対する押下操作で区画K12を決定することができるので、このときユーザが他の区画Kの表示領域内を押下してしまうような誤操作を防止することができる。
【0128】
そして、画像閲覧装置1は、この区画K12に対応する日付情報が付加された画像データをハードディスクドライブ8から読み出して、液晶パネル3Aに画像閲覧画面21として表示する。
【0129】
このように画像閲覧装置1は、まず区画Kに対する押下操作で、拡大区画ZKを表示することにより、どの区画Kを選択したのかをユーザに確実に認識させた後、さらにこの拡大区画ZKに対する押下操作で、選択した区画Kを決定するようにした。これにより、画像閲覧装置1は、ユーザに対して、簡易で、且つ確実な画像閲覧操作を提供することができる。
【0130】
一方、画像閲覧装置1は、例えば区画K12が選択されて黄枠の拡大区画ZK12を表示中に、区画K32の表示領域内にユーザの指先が押下されると、選択する区画Kが区画K12から区画K32に変更されたと認識して、拡大区画ZK12に変えて拡大区画ZK32を表示する。
【0131】
このように画像閲覧装置1は、異なる区画Kに対する押下操作により、容易に区画Kの選択を変更することができる。
【0132】
さらに、画像閲覧装置1は、例えば区画K12が選択されて黄枠の拡大区画ZK12を表示した後、押下操作が行われることなく所定時間経過したことを認識すると、黄枠の拡大区画ZK12の表示を止めて、区画K12の選択を解除する。
【0133】
このように画像閲覧装置1は、所定時間経過すると一旦区画Kの選択を解除するようにしたことにより、この後、再度区画Kの選択操作をユーザに行わせることで、容易に区画Kの選択を変更することができる。
【0134】
さらに、画像閲覧装置1は、例えば区画K12の表示領域内を押下しているユーザの指先がタッチパネル3Bから離されずに、区画K22の表示領域内に移動すると、選択している区画Kが区画K12から区画K22に変更されたと認識して、拡大区画ZK12に変えて拡大区画ZK22を表示する。
【0135】
このように画像閲覧装置1は、指先を押下したまま移動するという操作だけで、容易に区画Kの選択を変更することができる。
【0136】
以上の構成によれば、まず液晶パネル3Aに表示した複数の区画Kのうちの1つに対する押下操作で、押下操作された区画Kに対応する拡大区画ZKを表示することにより、どの区画Kを指先で選択したのかをユーザに容易に認識させることができ、さらに表示中の拡大区画ZKに対する押下操作で、選択した区画Kを決定するようにしたことにより、液晶パネル3Aに表示する区画Kの表示面積に依らず、タッチパネル3Bを介した指先での操作入力を一段と容易、且つ確実にすることができ、かくしてタッチパネル3Bでの操作性を一段と向上させることができる。
【0137】
(3)他の実施の形態
なお上述の第1及び第2の実施の形態においては、区画Kの表示領域内にユーザの指先が押下されると、この区画Kを拡大した呈示用表示子としての拡大区画ZKを、この区画K上に重ねて表示することにより、この区画Kが選択された旨をユーザに通知するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、この他種々の通知方法で、ユーザにその旨を通知するようにしてもよい。
【0138】
すなわち画像閲覧装置1は、例えば、区画K12(1日)の表示領域内にユーザの指先が押下されたことを認識すると、図17(A)、(B)に示すように、区画K12の表示領域を例えば元の縦横3倍に拡大して枠の色を黒から黄に変えると共に、この区画K12と同じ行であり、区画K12の横方向に位置する区画K11、K13、K14、K15、K16、及びK17の表示領域を元の縦3倍に拡大して、さらに区画K12と同じ列であり、区画K12の縦方向に位置する区画K22、K32、K42、K52、K62の表示領域を元の横3倍に拡大する。
【0139】
このように画像閲覧装置1は、1行目の区画Kと、2列目の区画Kとを拡大表示することにより、1行目と2列目とが交わる部分となる1行2列目に位置する区画K12が選択された旨をユーザに容易に認識させることができる。
【0140】
また、画像閲覧装置1は、図17(C)に示すように、区画K12の表示領域内を押下している指先が、例えば区画K22(8日)の表示領域内に移動したことを認識すると、今度は、この区画K22の表示領域を元の縦横3倍に拡大して枠の色を黒から黄に変えると共に、この区画K22と同じ行であり、区画K22の横方向に位置する区画K21、K23、K24、K25、K26、及びK27の表示領域を元の縦3倍に拡大して、さらに区画K22と同じ列であり、区画K22の縦方向に位置する区画K12、K32、K42、K52、K62の表示領域を元の横3倍に拡大する。また、このとき区画K11、K13、K14、K15、K16、及びK17の表示領域を元の大きさに戻し、区画K12の枠の色を黄から黒に戻す。
【0141】
このように画像閲覧装置1は、2行目の区画Kと、2列目の区画Kとを拡大表示することにより、2行目と2列目とが交わる部分となる2行2列目に位置する区画K22が選択された旨、すなわち選択している区画Kが、区画K12から区画K22に変更された旨をユーザに容易に認識させることができる。
【0142】
また画像閲覧装置1は、この状態から指先が離されると(図17(D))、ユーザにより区画K22が選択されたと決定して、この区画K22に対応する画像データを画像閲覧画面21として表示する(図17(E))。ちなみに、ここでは、指先の移動により区画Kの選択を変更した場合について述べたが、これに限らず、上述の第2の実施の形態のように、複数回の押下操作により区画Kの選択を変更してもよい。
【0143】
さらに別の通知方法として、画像閲覧装置1は、例えば、区画K12(1日)の表示領域内にユーザの指先が押下されたことを認識すると、図18(A)、(B)に示すように、区画K12の表示色を白から黄に変えて枠の色を黒から赤に変えると共に、この区画K12と同じ行であり、区画K12の横方向に位置する区画K11、K13、K14、K15、K16、及びK17の表示色を白から黄に変え、さらに区画K12と同じ列であり、区画K12の縦方向に位置する区画K22、K32、K42、K52、K62の表示色を白から黄に変える。
【0144】
このように画像閲覧装置1は、1行目の区画Kと、2列目の区画Kとの表示色を変えることにより、1行目と2列目とが交わる部分となる1行2列目に位置する区画K12が選択された旨をユーザに容易に認識させることができる。
【0145】
また、画像閲覧装置1は、図18(C)に示すように、区画K12の表示領域内を押下している指先が、例えば区画K22(8日)の表示領域内に移動したことを認識すると、今度は、この区画K22の表示色を黄にして枠の色を黒から赤に変えると共に、この区画K22と同じ行であり、区画K22の横方向に位置する区画K21、K23、K24、K25、K26、及びK27の表示色を白から黄に変えて、さらに区画K22と同じ列であり、区画K22の縦方向に位置する区画K12、K32、K42、K52、K62の表示色を黄にする。また、このとき区画K11、K13、K14、K15、K16、及びK17の表示色を元の白に戻し、区画K12の枠の色を赤から黒に戻す。
【0146】
このように画像閲覧装置1は、1行目の区画Kと、2列目の区画Kとの表示色を変えることにより、1行目と2列目とが交わる部分となる1行2列目に位置する区画K12が選択された旨、すなわち選択している区画Kが、区画K12から区画K22に変更された旨をユーザに容易に認識させることができる。
【0147】
また画像閲覧装置1は、この状態から指先が離されると(図18(D))、ユーザにより区画K22が選択されたと決定して、この区画K22に対応する画像データを画像閲覧画面21として表示する(図18(E))。また、この場合も、指先の移動により区画Kの選択を変更するだけでなく、上述の第2の実施の形態のように、複数回の押下操作で区画Kの選択を変更してもよい。
【0148】
さらに別の通知方法として、画像閲覧装置1は、例えば、区画K12(1日)の表示領域内にユーザの指先が押下されたことを認識すると、図19(A)、(B)に示すように、区画K12の表示色を白から黄に変えて枠の色を黒から赤に変えると共に、この区画K12と隣接する区画K11、K13、K21、K22、及びK23の表示色を白から黄に変え、さらに区画K12の1行上(すなわち0行目)に区画K01〜K07が存在すると仮定して、区画K12と隣接する区画K01、K02、及びK03の表示色を黄に変える。すなわち、画像閲覧装置1は、区画K12の表示色を黄にすると共に、この区画K12と隣接する周囲8区画の表示色を黄にする。
【0149】
これにより画像閲覧装置1は、表示色を黄にした9個の区画Kの中心に位置する区画K12が選択された旨をユーザに容易に認識させることができる。
【0150】
また、画像閲覧装置1は、図19(C)に示すように、区画K12の表示領域内を押下している指先が、例えば区画K22(8日)の表示領域内に移動したことを認識すると、今度は、この区画K22の表示色を黄にして枠の色を黒から赤に変えると共に、この区画K22と隣接する周囲8区画K11、K12、K13、K21、K23、K31、K32、及びK33の表示色を黄にする。また、このとき区画K01、K02、及びK03の表示色を元の色に戻し、区画K12の枠の色を赤から黒に戻す。
【0151】
このように画像閲覧装置1は、区画K22の表示色を黄にすると共に、この区画K22と隣接する周囲8区画Kの表示色を黄にすることにより、表示色を黄にした9個の区画Kの中心に位置する区画K22が選択された旨、すなわち選択している区画Kが、区画K12から区画K22に変更された旨をユーザに認識させることができる。
【0152】
また画像閲覧装置1は、この状態から指先が離されると(図19(D))、ユーザにより区画K22が選択されたと決定して、この区画K22に対応する画像データを画像閲覧画面21として表示する(図19(E))。また、この場合も、指先の移動により区画Kの選択を変更するだけでなく、上述の第2の実施の形態のように、複数回の押下操作で区画Kの選択を変更してもよい。さらに、ここでは、周囲8区画(縦、横、斜めに隣接)の表示色を変えるようにしたが、例えば周囲4区画(縦と横に隣接)の表示色を変えるようにしてもよい。
【0153】
さらに別の通知方法として、画像閲覧装置1は、例えば、区画K12(1日)の表示領域内にユーザの指先が押下されたことを認識すると、図20(A)、(B)に示すように、区画K12の表示領域を指し示す呈示用表示子としての吹き出しB12を、区画K12の表示領域の近傍に表示する。この吹き出しB12は、区画K12に記された数字「1」と同じ数字「1」が記され、また押下された指先で隠れない程度の近傍に表示される。
【0154】
これにより画像閲覧装置1は、この吹き出しB12を介して、区画K12が選択された旨をユーザに容易に認識させることができる。
【0155】
また、画像閲覧装置1は、図20(C)に示すように、区画K12の表示領域内を押下している指先が、例えば区画K22(8日)の表示領域内に移動したことを認識すると、今度は、この区画K22の表示領域の近傍に、区画K22の表示領域を指し示すと共に区画K22と同じ数字「8」が記された吹き出しB22を表示する。また、このとき吹き出しB12の表示を止める。
【0156】
これにより画像閲覧装置1は、この吹き出しB22を介して、区画K22が選択された旨、すなわち選択している区画Kが、区画K12から区画K22に変更された旨をユーザに認識させることができる。
【0157】
また画像閲覧装置1は、この状態から指先が離されると(図20(D))、ユーザにより区画K22が選択されたと決定して、この区画K22に対応する画像データを画像閲覧画面21として表示する(図20(E))。また、この場合も、指先の移動により区画Kの選択を変更するだけでなく、上述の第2の実施の形態のように、複数回の押下操作で区画Kの選択を変更してもよい。
【0158】
さらに別の通知方法として、画像閲覧装置1は、例えば、音声により区画Kが選択された旨をユーザに通知するようにしてもよいし、例えば、カレンダー画面20の空き表示領域に、現在選択されている区画K(日付)を示す文字情報を表示することにより、区画Kが選択された旨をユーザに通知するようにしてもよい。
【0159】
さらに上述の第1及び第2の実施の形態においては、画像データを閲覧するための画像閲覧装置1に本発明を適用した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、タッチパネルを操作入力手段とする機器であれば、PDA、携帯型ゲーム機器、携帯型電話機器、デジタルスチルカメラ、券売機、リモートコントローラなど、この他種々の機器に適用してもよい。
【0160】
さらに上述の第1及び第2の実施の形態においては、タッチパネル3Bに対する操作を行う指示物としてユーザの指先を用いた場合について述べたが、本発明はこれに限らず、タッチパネルに対する操作を行い得るものであれば、鉛筆、棒、専用のタッチペンなど、この他種々の指示物を用いてもよい。
【0161】
さらに上述の第1及び第2の実施の形態においては、ユーザが選択し得る表示子として、カレンダー画面20に行列状に配した区画Kを用いた場合について述べたが、本発明はこれに限らず、液晶パネル3Bに表示して選択し得る表示子であれば、電子番組表、各種アイコン、各種ボタンなどを用いてもよい。
【0162】
さらに上述の第1及び第2の実施の形態においては、静電容量方式のタッチパネル3Bを用いた場合について述べたが、本発明はこれに限らず、感圧方式のタッチパネルなど、この他種々の方式のタッチパネルを用いてもよい。
【0163】
さらに上述の第2の実施の形態においては、区画Kの選択を変更する変更操作として、複数回の押下操作により変更する変更操作と、指先の移動により変更する変更操作との2パターンを有している場合について述べたが、本発明はこれに限らず、このうちのどちらか1パターンのみを有していてもよいし、あるいは複数回の押下操作により変更する変更操作モードと、指先の移動により変更する変更操作モードとを切り替え得るようにしてもよい。
【0164】
さらに上述の第1及び第2の実施の形態においては、表示部としての液晶パネル3Aと、タッチパネル3Bと、表示制御部兼通知部としての制御部10と、表示制御部としてのLCDコントローラ13とにより表示装置としての画像閲覧装置1を構成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、これらと同機能を有するものであれば、この他種々の構成を用いるようにしてもよい。
【0165】
さらに上述の第1及び第2の実施の形態においては、画像閲覧装置1にインストールされたプログラムに従って、制御部10が指先押下処理、指先移動処理、指先離開処理、及びタイマー処理などをソフトウェア的に実行する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、これらの処理を実行するための回路を画像閲覧装置1に設け、この回路によりこれらの処理をハードウェア的に実行するようにしても良い。またこれら、指先押下処理、指先移動処理、指先離開処理、及びタイマー処理などを実行するためのプログラムをCDなどの記録媒体に記録しておくようにしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0166】
本発明は、タッチパネルを操作入力手段とする電子機器で広く利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0167】
【図1】画像閲覧装置の全体構成を示す略線図である。
【図2】画像閲覧装置の回路構成を示すブロック図である。
【図3】第1の実施の形態における画像閲覧操作(1)を示す略線図である。
【図4】第1の実施の形態における画像閲覧操作(2)を示す略線図である。
【図5】第1の実施の形態における指先押下処理手順を示すフローチャートである。
【図6】移動距離の判定を示す略線図である。
【図7】第1の実施の形態における指先移動処理手順を示すフローチャートである。
【図8】第1の実施の形態における指先離開処理手順を示すフローチャートである。
【図9】第2の実施の形態における画像閲覧装置(1)を示す略線図である。
【図10】第2の実施の形態における画像閲覧操作(2)を示す略線図である。
【図11】第2の実施の形態における画像閲覧操作(3)を示す略線図である。
【図12】第2の実施の形態における画像閲覧操作(4)を示す略線図である。
【図13】第2の実施の形態における指先押下処理手順を示すフローチャートである。
【図14】第2の実施の形態における指先移動処理手順を示すフローチャートである。
【図15】第2の実施の形態における指先離開処理手順を示すフローチャートである。
【図16】タイマー処理手順を示すフローチャートである。
【図17】他の実施の形態における画像閲覧操作(1)を示す略線図である。
【図18】他の実施の形態における画像閲覧操作(2)を示す略線図である。
【図19】他の実施の形態における画像閲覧操作(3)を示す略線図である。
【図20】他の実施の形態における画像閲覧操作(4)を示す略線図である。
【符号の説明】
【0168】
1……画像閲覧装置、2……筐体、3……タッチパネル付LCD、3A……液晶パネル、3B……タッチパネル、4……電源スイッチ、5……コピースイッチ、6……リセットスイッチ、7……外部接続端子、8……ハードディスクドライブ、10……制御部、11……ROM、12……RAM、13……LCDコントローラ、14……タッチパネルコントローラ、15……外部接続コントローラ、16……ハードディスクコントローラ、17……パラレルI/O、20……カレンダー画面、21……画像閲覧画面、B……吹き出し、CP……中央位置(相対位置)、PP1……現在押下位置(絶対位置)、PP2……現在押下位置(相対位置)、SP……初期押下位置(絶対位置)、K……区画、ZK……拡大区画RT1、RT10……指先押下処理手順、RT2、RT11……指先移動処理手順、RT3、RT12……指先離開処理手順、RT13……タイマー処理手順。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と、
上記表示部の表示面上に設けられ、指示物の押下により当該表示部に表示する表示画面の任意位置をユーザが指定可能なタッチパネルと、
上記タッチパネルを介して上記ユーザが選択可能な複数の表示子を上記表示部に表示させる表示制御部と、
上記複数の表示子のうちのどの表示子が上記タッチパネルを介して選択されたのかを上記ユーザに通知する通知部と
を具え、
上記通知部は、
上記表示部に表示させた上記複数の表示子のうちの一表示子が上記タッチパネルに対する上記指示物の押下により選択されると、当該一表示子が選択された旨を上記ユーザに通知し、
上記表示制御部は、
上記一表示子が上記タッチパネルに対する上記指示物の押下により選択された後、当該一表示子を選択している指示物が上記タッチパネルから離されると、当該一表示子が上記ユーザにより選択された表示子であると決定する
ことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
上記通知部は、
上記一表示子が上記タッチパネルに対する上記指示物の押下により選択されると、当該一表示子が選択された旨を上記ユーザに呈示するための呈示用表示子を、上記表示制御部により上記表示部に表示させる
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
上記表示制御部は、
上記一表示子が上記タッチパネルに対する上記指示物の押下により選択されて上記呈示用表示子を上記表示部に表示した状態で、当該一表示子を選択している指示物が上記タッチパネルから離された後、上記表示部に表示している上記呈示用表示子が上記タッチパネルに対する上記指示物の押下により選択されると、上記呈示用表示子で呈示されている上記一表示子が上記ユーザにより選択された表示子であると決定する
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
上記表示制御部は、
上記一表示子が上記タッチパネルに対する上記指示物の押下により選択された後、当該指示物が押下されたまま他の一表示子の表示位置に移動すると、選択する表示子が当該他の一表示子に変更されたと認識し、当該他の一表示子を選択している指示物が上記タッチパネルから離されると、当該他の一表示子が上記ユーザにより選択された表示子であると決定する
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
上記表示制御部は、
上記指示物が押下されたまま移動すると、当該指示物が押下されている実際の位置である絶対位置を、上記ユーザが当該指示物で押下していると認識する位置である相対位置に変換し、当該相対位置に基づいて、当該指示物の移動を認識する
ことを特徴とする請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
上記通知部は、
上記呈示用表示子を、選択された上記一表示子よりも大きな表示面積で当該一表示子に重ねて表示させる
ことを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
【請求項7】
上記通知部は、
上記呈示用表示子を、選択された上記一表示子とは異なる位置に表示させる
ことを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
【請求項8】
上記表示制御部は、
上記複数の表示子を行列状に配して上記表示部に表示させ、
上記通知部は、
上記表示部に表示させた上記複数の表示子のうちの一表示子が上記タッチパネルに対する上記指示物の押下により選択されると、選択された当該一表示子と、当該選択された一表示子と同じ行の表示子と、当該選択された一表示子と同じ列の表示子とを拡大して、上記表示制御部により上記表示部に表示させる
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項9】
上記表示制御部は、
上記複数の表示子を行列状に配して上記表示部に表示させ、
上記通知部は、
上記表示部に表示させた上記複数の表示子のうちの一表示子が上記タッチパネルに対する上記指示物の押下により選択されると、選択された当該一表示子と、当該選択された一表示子と同じ行の表示子と、当該選択された一表示子と同じ列の表示子とを他の表示子と異なる表示色にして、上記表示制御部により上記表示部に表示させる
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項10】
上記表示制御部は、
上記複数の表示子を行列状に配して上記表示部に表示させ、
上記通知部は、
上記表示部に表示させた上記複数の表示子のうちの一表示子が上記タッチパネルに対する上記指示物の押下により選択されると、選択された当該一表示子と、当該選択された一表示子に隣接する表示子とを他の表示子と異なる表示色にして、上記表示制御部により上記表示部に表示させる
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項11】
タッチパネルを介してユーザが選択可能な複数の表示子を表示部に表示させる表示ステップと、
上記表示部に表示させた上記複数の表示子のうちの一表示子が上記タッチパネルに対する指示物の押下により選択されると、当該一表示子が選択された旨を上記ユーザに通知する通知ステップと、
上記一表示子を選択している指示物が上記タッチパネルから離されると、当該一表示子が上記ユーザにより選択された表示子であると決定する決定ステップと
を具えることを特徴とする表示方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate


【公開番号】特開2007−41790(P2007−41790A)
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−224384(P2005−224384)
【出願日】平成17年8月2日(2005.8.2)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】